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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

東京喰種√L II

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  1. 1 : : 2015/08/08(土) 20:00:20
    前作の続きになります。
    http://www.ssnote.net/archives/32297
  2. 7 : : 2015/08/08(土) 22:51:37


    12月20日は、カネキの誕生日であった。
    皮肉にも、自身の生まれた日を祝うその日に贈られたプレゼントは、『母の死』というセンスの欠片もない最悪なものだった。
    むしろ、年に一度しか訪れないめでたい日に渡すプレゼントが、たったひとりの家族との死別とは、存外ヤモリのセンスも捨てたものではないのかもしれなかった。
    はじめは心に穴が空いたように、窓外に映る青い空を毛布にくるまって見つめていたが、いつまでも過去に囚われていてはだめだとわかっていたカネキは、心の整理をつけるとともに一歩踏み出した。

    喰種に親族を殺害された孤児となったカネキのような例は珍しくなく、未成年者の彼らは〔CCG〕に引き取られ、〔CCG〕の管轄下にある育成場で生活の補助と教育を受ける。そうして18歳を迎えるとその半数以上が【アカデミー候補生】から【アカデミー】に就学し、二年の訓練を経て"喰種捜査官"となる。もちろん、捜査官の職につくことは強制されてはいないものの、大半は喰種に憎しみを抱いているため、自らその道を選ぶのだ。
    カネキも例に漏れず、〔CCG〕の管理下にあるアカデミーで援助を受け、近い将来、喰種と戦う道を選んだ。


    カネキ「(二年、か。僕は16だから、18まで二年。つまりジュニアとアカデミーでの滞在がともに二年であり、四年後僕は捜査官)」



    カネキ「(……遅い……)」




    カネキ「(なんとかして、手っ取り早く捜査官なれないのか。
    こんなところでダラダラなんかしたくないのに)」


    「おーい」

    「金木研くーん?」



    カネキ「……なにかな?」


    突然僕に話しかけてきたのは元気が良い
    1人の男子生徒と女子生徒だった。


    男子「おまえずっとぼーってしてつまんなそうだから、はなしかけたんだ!」

    女子「うんうん!」

    カネキ「つまらなそうに見えたかな?でも大丈夫だよ、僕はこうして黙ってる方がすきだから」

    女子「好きな食べ物ってなにー?」


    カネキ「僕の意見を聞く気はないようだね。ハンバーグかな」


    男子「おまえ、理科の先生みたいにシラガだらけだな!もしかして本当はじじいなのか?あっ、大人なんですか?」


    カネキ「そんな年じゃないから、敬語に切り替えなくていいよ。この髪は……生まれつきだよ」

    女子「ほえー。あ、そういえばあの子もカネキくんと同じで真っ白だよ」

    カネキ「あの子?」

    男子「ほら、あの後ろのほうの」







    玲「……」




    カネキ「本当だね」ちら



    玲「!」ふりふり〜



    カネキの視線に気づいたのか、中性的な顔立ちをした白髪の少年はふいふいと手を振ってきた。反射的に、手を振り返しす。


    男子「げ!」

    カネキ「どうかしたの?」


    女子「言っとくけど、玲には近づかない方がいいよ?」

    カネキ「理由は?」

    男子「噂なんだけどさー、アイツ猫とかいっぱい殺してるらしいんだ」

    カネキ「そうなんだ、あの子が?」


    玲「〜♪」


    とてもじゃないがそんな残虐そうな子には見えない。それよりも。


    カネキ「(なんだろう、僕と似ている気がする……)」


    男子「?」

    女子「?」


    カネキ「なんでもないよ。そうだ、僕まだトイレの場所とか憶えきれてないから、ちょっと席を外してもいいかな」


    男子「案内しようか?」

    カネキ「心配ないよ、困ったら先生に聞くから」

    男子「そっか。だけどもうすぐ授業始まるから、早めに戻れよ!」

    カネキ「うん、忠告ありがとう」
  3. 29 : : 2015/08/09(日) 22:37:07




    カネキ「こっちは…トイレか…」




    カネキ「あっちは…先生(教官)たちの部屋か…?」




    カネキ「図書室とかそういうのは無いのかな……」




    迷路に迷い込んだかのように
    カネキが顔を左右に振りながら足を進めていると




    ドンッ



    「きゃっ!」



    カネキ「おわッ…!」





    誰かにぶつかったようだ…『きゃっ』とか言ってたから…女の子、かな…?




    謝ろうと視線を前にやると…

    ?…誰もいない。




    「いたた…」「大丈夫?クロナ」



    下から声が聞こえてきたので、視線を下に向けると…人がいた。案の定。女の子のようだ。


    その子は僕にぶつかって、尻餅をついたらしい。





    カネキ「あっ!ご、ごめんなさい!大丈夫ですか…?」スッ




    慌てて謝罪をし、手を差し伸べる



    女の子は、「うん。大丈夫」と言って僕の手を掴んだ





    カネキ「本当にごめんなさい。ちゃんと前を向いてなくて」



    「いいよ…私もちゃんと前見て歩いてなかったし…って…あなたは」



    「あっ…さっきアカデミー(ジュニア)に新しく入ってきた」



    カネキ「あ、えっと…金木 研です」




    女の子(2人)はハッと、したように僕の事を思い出している。


    似てるな…この2人…双子。だろうか




    「私は、安久クロナ。よろしくね



    [安久クロナ(15)アカデミー候補生(ジュニア)]



    「私は、安久ナシロ。よろしく」



    [安久ナシロ(15)アカデミー候補生(ジュニア)]






    カネキ「あ、はい。どうもです…」




    やっぱり双子か。




    クロナ「金木くんは何してたの?」




    カネキ「あ、あぁ…施設の中がどうなってるのかよくわからなかったから…見て回ってたんだ」




    ナシロ「へ〜」



    クロナ「じゃあ、私たちが案内してあげようか…?」




    カネキ「本当っ?そうしてくれると助かるよっ」




    クロナ「じゃあ、行こう」テクテク



    カネキ「ありがとう」




    親切でいい子…かな。




    ────────────────────────




    クロナ「それで、この部屋は本がたくさん置いてある」




    カネキ「わーっ…!」



    ナシロ「本…好きなの?」



    カネキ「あ、うん…本は読んでて大好きだよ。ここには結構、知らない本がある…」



    カネキ「あっ!これも知らない!このにあるの読んでいいんだよね…!!」






    クロナ「…」フイッ


    ナシロ「…」フイッ




    クロナ・ナシロ「ふふっ」


    クロナとナシロは、少し目をぱちくりささながら、互いの顔を見て

    クスッと微笑した





    カネキ「え…な、何笑ってるの…?」




    クロナ「ふふっ…だって…ね?」



    ナシロ「うん。…ふふっ…子供みたいなんだもん」




    カネキ「あっ……はは(なんか恥ずかしいな…)」

  4. 30 : : 2015/08/09(日) 22:42:12




    カネキ「え、えっと!あれは何かな!?」



    ちょっとこの空気に耐えられなくなったので、僕は咄嗟に話をそらして、数十m先にある建物を指差した。




    クロナ「あそこは身体を鍛えたりするところだよ」



    ナシロ「あとは、剣道とかしたり…」



    カネキ「へ〜…」




    カネキ「ちょっと行ってみても───」



    少し見学しに行こうと足を動かしたところで、視界の右側に“白”が映った。



    カネキ「!」




    カネキ「あっ…あそこに座ってるのって…」





    玲「♪」



    [鈴屋 玲 (16)]
    アカデミー候補生





    クロナ「ああ…玲か…」



    ナシロ「アイツ…またあんなところで…」





    玲「!」



    玲「ナシロ〜クロナ〜 なにしてるの?」



    クロナ「金木くんに施設の中を案内してた」




    玲「ああ、さっき来た人か〜…」





    カネキ「…」タッタッ…




    玲「?な〜に〜?」



    カネキ「いや…なにしてるのかなあーって…」



    玲「アリつぶしてるよ〜」プチ




    カネキ「ええっ…やめたほうがいいんじゃ…」



    玲「なんで〜?」




    カネキ「なんでって…それは…」




    鈴屋 玲は変わった人だった。


    なんでも、授業にも課外にも顔を出さず ぶらぶらしているか、1日中ぼーっとしているらしい。

    でも、さっきは教室…講義室か(?)…そこには居た…
    周りの人は
    「珍しいこともあるんだなー」と普通に言っていた。





    男の子なのか女の子なのかも
    よくわからない。

    さまざまな事情を抱える〔CCG〕孤児の中でも 一際 異彩を放っているらしい。




    玲「〜♪」ニコニコ



    カネキ「…」




    ただ、さっき会ったばかりの僕でもわかる通り…よく笑っている。




    やっぱり…僕と似ている気がする。

    それは…性格とか、顔とかじゃない。

    もっとこう…何かが似ている。

    ニコニコ笑っている その瞳の奥では…
    …何かを護る、護っているような目をしている。




    カネキ「……」



    ナシロ「そろそろ行こうか。」



    カネキ「あ、うん。そうだね…」



    ナシロ「じゃあね、玲」



    クロナ「じゃあね」




    玲「ばいば〜い♪」




    カネキ「…」タッタッ



    玲「金木くんもばいばい〜」




    カネキ「!…うん。じゃあ、またね。えっと…鈴屋君」




    玲「玲でいいよ〜」



    カネキ「わかった。じゃあね、玲くん」タッタッ






    玲「…ふふ」ニコニコ



  5. 58 : : 2015/08/11(火) 20:39:41





    カネキ「案内ありがとう。大体の場所はわかったからもう大丈夫だよ。」



    クロナ「そう、役に立てたならよかった。」


    ナシロ「うんっ」



    カネキ「ふふっ…」





    「────安久さん!」



    カネキ「(ん?…誰だろ…クロナちゃん達の友達…?)」




    ナシロ「雫…」



    クロナ「どうしたの?」




    雫(しずく)…と呼ばれた少女は、僕らの横側からテッテと歩いてきた。安久さんと言っていたから、
    おそらく、そちらに用があるのだろう。


    こんな子居たっけ…?…多分いなかったよな…記憶にない。ということは…第二アカデミーじゃない、他の所の子か……?



    雫「えっとね!安久さん、講演会 出席する?」



    ナシロ・クロナ「うん」



    雫「そっか!それじゃ席とっておく」



    クロナ「ありがと雫」



    カネキ「…?(講演会…?)」



    ナシロ「喰種捜査官の人が講義をしにくるの」



    僕が不思議そうな顔をしているのを感じ取ったとのか、ナシロちゃんは親切に教えてくれた。




    カネキ「あぁ、なるほど」



    雫「?…えっと…その人は…?」



    クロナ「新しくアカデミーに入ってきた人」



    カネキ「金木 研です。よろしくね。…えっと…雫ちゃん?」




    雫「あっ!は、はい!よろしくお願いしますっ」




    カネキ「あの…悪いんだけど……僕の席も取っておいてくれないかな…?」




    雫「はい!わかりました!」



    カネキ「ありがとう!」




    雫「じゃあね、安久さん、金木さん!」テテテッ




    クロナ「うん」


    ナシロ「またあとで」ふりふり



    カネキ「元気が良くていい子だね」



    クロナ「うん…」



    カネキ「…そういえば…捜査官って誰が来るとかわかるの…?」




    クロナ「たしか…亜門鋼太郎って人が来るって…」




    カネキ「亜門…(あの人…?)」



    ナシロ「すごい人なんだって」



    カネキ「へ〜…」




    クロナ「もうそろそろ行こう。遅れたらダメだから」



    ナシロ「うん」




    カネキ「そうだね…」スタスタ










    カネキ「…?」



    ナシロ・クロナ「…?」




    しばらく歩いていると、林の方に人影が見えた。

    2人もそれに気づいたようで、不思議そうな顔をしているのを。



    目を凝らしてその人影をみると、1人の中年男性が顔を地面に向け、困ったような顔をしているのが見えた。
  6. 59 : : 2015/08/11(火) 20:45:35





    クロナ「あれは…」



    ナシロ「内野教官。どうしたんですか?」



    ナシロとクロナはその中年男性…内野というらしい教官の元へ歩いて行き、どうしたのか尋ねる。
    カネキもその後ろを追う。



    内野「ああ…クロナにナシロ…それに、えーっと…新入生の金木か。」




    カネキ「こんにちは」



    内野「ああ、こんにちは。」




    ナシロ「それで、どうしたんですか?」




    内野「いや…また野良猫が……」




    カネキ「…!」



    地面には、もうほとんど原形をとどめていない姿の野良猫が倒れていた。

    どんな殺し方をすればここまで滅茶苦茶になるのかと思うほどに酷かった。





    カネキ「…」ギリッ



    嫌な記憶が、忘れようとしていた記憶が蘇えろうとしている。





    クロナ「……ひどい…」



    ナシロ「………誰がこんなこと…」




    内野「いや…うーん…」




    カネキ「…(この反応…心当たりが…?)」



    内野「たぶん、施設内の人間だと思う…夜中のうちにこれをやったみたいだからさ」




    カネキ「(施設内…?ってことは…)」



    ナシロ「じゃあ私たち候補生(ジュニア)のうちの誰か…?」



    クロナ「それか職員?」




    カネキ「(職員がやったとは考えにくいな…どちらかというと候補生か…?)」


    カネキ「(たしか第二の方は過去に問題があった子が入れられるらしいし
    …どんな問題があったかは知らないが…)」




    内野「お前たち。夜中 鈴屋の姿を見なかったか?」




    カネキ「…」




    なるほど……玲くんを疑ってるって訳か…。



    クロナ「玲?見てないよ」



    ナシロ「内野教官は…玲を疑っているの」




    内野「いや…うーん…鈴屋は背景が特殊らしいから…ちょっとね…」




    ナシロ「…」


    クロナ「…」




    カネキ「…特殊…とは?」



    内野「あ…いや…」



    ナシロ「そんな事いったら、私たちだって特殊じゃないの?」




    内野「まいったな……うーん…」




    内野「実は………鈴屋は」



    内野「幼い時に喰種に誘拐されたらしいんだ」



    シロクロ「え…?」




    カネキ「……」




    喰種に誘拐?…一体なんの為に…?




    内野「アイツは喰種に育てられた人間なんだ」


    喰種に育てられた…?…何故喰種が人間を?…大きくなって喰うため?…

    それとも…ただ育てただけ?…そんな事があるのか…?


    ……人間に色んな人がいるように、喰種にも色んな喰種がいるってことか…?




    内野「まぁ、だから…少し疑ってしまうというか……」



    少しではなく めちゃくちゃ疑ってるように見えますよ…



    喰種に育てられたから疑うってのは流石に酷すぎるとおもうんだけどな……





    クロナ「……」


    ナシロ「……」



    ─────────────────────────




    ナシロ「内野教官…なんであんな事話しちゃんうんだろう。おしゃべりはキライ」



    クロナ「わたしも」




    カネキ「はは……」




    ナシロ「玲が喰種に育てられた?」



    クロナ「だから何?」



    ナシロ「アイツ…そんな悪い奴じゃないと思うな」



    クロナ「うん…研もそう思うでしょ?」



    カネキ「あ、うん…(なんかいつの間にか「金木くん」から「研」にさらっと変わってるよ…どっちでもいいけどさ…)」



    まぁでも、クロナちゃん達のいう事は最もだと思う。


    玲くんは、たぶん、動物を殺したりとかそんな事しない。



    これまで、数々の暴力行為をやってきたらしいけど…たぶんそれは……





    ナシロ「あっ!早く行かないと…!」



    クロナ「急ごう」タッ





    カネキ「…」タッ、タッ

  7. 60 : : 2015/08/11(火) 20:48:08



    ──────────────────────────







    亜門「───“喰種”が多くの人の命を奪い…そして私や、君たちの運命を狂わせた。」




    雫「…」



    ナシロ「…」



    クロナ「…」



    カネキ「……(やっぱりあの人か…)」



    亜門「これからも、我々から多くのモノを奪い続ける」




    亜門「それを心に刻み、日々の訓練に邁進してほしい」







    亜門「(……もう少し時間があるな…)」




    亜門「これは以前、私が上官と捕獲した喰種についての話だが───」








    亜門「──以上で、講義を終了する」





    パ チ パ チ パ チ パ チ




    カネキ「…」




    玲「……」



    カネキ「…!(あ、玲くん来てたんだ。いつの間に…)」



    カネキ「…(それにしても…捜査官って大変そうだなぁ〜……あっ。僕、聞きたい事があったんだった)」






    亜門「(よし…もうそろそろ戻るか…)」



    クロナ「───亜門一等。お話ありがとうございました」




    雫「ありがとうございました!」




    ナシロ「「レッドジャム」捕獲のお話が聞けて とても勉強になりました」




    亜門「!…安久…だったな。噂は教官たちから聞いている。非常に優秀な姉妹だと。」



    ナシロ「あのっ…女性でも、立派な捜査官になれますか?」



    クロナ「亜門一等のような…」




    亜門「ああ…!」


    亜門「優秀な女性捜査官は数多くいる。」


    亜門「本局の安浦女史や、私のパートナー。
    真戸上等のご夫人は 28歳で准特等になり、教官職まで務めた御方だ」



    ナシロ「すごい…女性で准特等だって…!」



    クロナ「その方は今 特等捜査官に…?」



    亜門「あ……いや…」



    亜門「彼女は非常に優秀な方だったが…殉職されている……」




    シロクロ「え…」



    亜門「相手は…“隻眼の喰種”だったそうだ……」




    シロクロ「……隻眼……?」




    亜門「…川上 雫…安久クロナ、ナシロ。君たちはきっと立派な捜査官になれる。いつか、一緒に仕事を出来る日を楽しみにしている。頑張ってくれ…!」




    3人「はい…!!」





    亜門「では、私はもう───」




    「亜門さん」




    亜門「…!」



    クロナ「…?」



    ナシロ「…?」



    雫「?」




    亜門「君は…」



    カネキ「金木です。こんにちは」



    亜門「あ、ああ。こんにちは」



    亜門「それで…何かようか…?」



    カネキ「…今すぐ捜査官になる事は不可能ですか…?」



    亜門「何…?」



    クロナ「…何言ってるの?」



    ナシロ「…?」




    亜門「どうしてだ…?」




    カネキ「…早く…殺さなきゃいけない喰種がいるんです」

  8. 61 : : 2015/08/11(火) 20:54:58



    亜門「!」



    ナシロ「え…?」




    亜門「ッ…(ジェイソン…?…仇…復讐か…?)」




    カネキ「…」




    僕は…もたもたしていられない。
    ジェイソン。アイツが母さんを殺したことはわかってる。



    復讐…をしたいから早く捜査官になりたいとかじゃない。



    ただ…ヒデが危険な目にあうかもしれない。



    あの日。母さんは家で死んでいた。

    つまり、ジェイソンは家に来たということになる。


    アイツが僕の家を知っているはずかがない。


    なら、考えられるのは一つ。
    ジェイソンが僕のあとをつけ、家を見つけだした。




    僕とジェイソンが戦ったのが日曜。そして、次の日から金曜までは学校がある。つまり尾けていたのは学校の帰り道の可能性がある。

    そして、家を見つけ、日曜に動き出した。



    ジェイソンは狡猾な男だ。日曜(僕の誕生日)は普通は学校が休み。
    しかし、あの日は、月曜日が学校が休みだから、日曜は学校に行かなければならなかった。(こういう場合は普通土曜が休みのはずだが)




    そして…そこを(僕がいない所を)狙われた。




    アイツは悪賢い。…アイツは僕を憎んでいる。

    アイツは、ジェイソンはどんな手を使っても僕を苦しませるつもりだろう。




    つまり…僕が何を言いたいのかというと。帰り道、僕とヒデは途中まで一緒に帰っている。

    ヒデを見られている可能性はほぼ間違いなくある








    次に…ヒデが狙われるかもしれない。



    僕も考えた…ヒデを捜査官にさせればいいんじゃないか…

    だけどそれだと、喰種と戦うことになる。正直、危険だ。




    そして、辿り着いた答えが…ジェイソンを速やかに排除することだ。



    だから僕は、早くならなくちゃいけないんだ




    亜門「……復讐…か?…気持ちはわかる。だが…今すぐなる事は……」




    カネキ「ッ……そうですか。時間をとらせてしまい、申し訳ありません。」



    亜門「いや…気にするな。ではな」





    そう言って、亜門は出て行った。







    カネキ「……」




    雫「…」そわそわ


    クロナ「どうしたの…?研」



    ナシロ「うん」



    カネキ「いや…」




    ん…?…待てよ。わざわざ捜査官になってジェイソンを殺す意味はないんじゃないか?


    というか…捜査官になった方が自由に動く事は出来ないし、仕事のせいでジェイソと再会する機会がなくなるかも……




    カネキ「そうだ…なんでこんな簡単な事に気付かなかった…?」




    シロクロ「…?」




    雫「…?」





    カネキ「(だが…武器はどうする…?
    いや…この際 素手でも……)」



    クロナ「ねぇ、聞いてる?」



    カネキ「あっ…えっと、何かな?」



    クロナ「だから、どうしたのって!」



    カネキ「いや…ちょっと考え事を」



    シロクロ「ふーん…」




    カネキ「あはは……」






    またあとで考えるか……
  9. 80 : : 2015/08/13(木) 09:42:17





    僕がアカデミーに来て、2週間が経とうとしていた。






    僕はあれから、クインケを手に入れる方法が無いか調べている。

    だが…やはりそれは容易ではない。




    カネキ「(さて…どうしたものか…)」





    僕は今、施設内に置いてある自動販売機の前のベンチに1人 腰をかけ、缶コーヒーを飲みながら考えている。



    カネキ「あっ…そういえば、電話しなくちゃ」



    ポケットから携帯を取り出し、ある人物へ電話をかける。




    ガチャッ…



    『おいおい、またかよカネキ?どうしたんだよ』



    カネキ「もしもし…ヒデ?いや、ごめんね何度も…それより最近は大丈夫?」



    電話をかけた相手は親友のヒデだ。


    ジェイソンがいつ仕掛けてくるかもわからないので


    こうして、時折「大丈夫か」と電話をかけている。



    ヒデ「ああ、大丈夫だが…?」





    カネキ「そう…何かあったらすぐに電話してくれよ…」



    ヒデ「ああ…!」




    カネキ「じゃあ…」



    プツッ…






    ヒデ「最近…どうしたんだ?」













    カネキ「……(どういう事だ…?
    何故ジェイソンは手を出さない…?ヒデを見ていない…なんて事はないよな…?)」





    本当に大丈夫か?…やっぱりヒデを捜査官に……いやダメだ!…






    カネキ「……ジェイソン。何を考えてる…?」










    ────────────────────────────
    ────────
    ─────




    ナキ「お〜いっアニキ!シラガ野郎のダチは殺さなくていいのか?」




    ヤモリ「…フン……まだだ…殺すのはもうしばらくガマンだ…!クク…」




    ヤモリ「あのシラガ野郎が完全に安心しきったその時に…ダチをぶち殺してやる…!クッ…ハハハハハハッ!!」




    ナキ「おお!!流石は神アニキだぜぇぇ!!」




    ヤモリ「それに…迂闊に手を出すのは良くねぇ」




    ─────────────────────────





    カネキ「あ…もうすぐで講義 始まるや…」



    少し残ってる缶コーヒーを全部飲み、携帯をポケットにしまって腰を上げた。




    もうすぐ、と言っても1時間くらいあるが…



    カネキ「(それまで何しようかなぁ…)」






    ここでの生活にもだいぶ慣れてきたカネキは、スイスイ廊下を歩いて行き…外まで出た。





    カネキ「(確かこの時間帯はクロナちゃんたち剣道とかしてたよな…見学に行こうかな。)」




    あの子たちとは、施設内を案内してもらってから、結構仲良くなったと思う。

    最近では良く一緒に散歩したり遊んだりしている。






    カネキ「あっと…」




    ハッとしたように、体を後ろへ動かし。さっき座っていたベンチ─────自動販売機のある場所へ戻った。




    カネキ「えっと…何がいいかな。」



    カネキ「やっぱり水がいいよね。」チャリンチャリン




    自動販売機にお金を入れて、ミネラルウォーターを3本買ってから、カネキはクロナたちの所へ向かった。



    ──────────────────────────




    カネキ「お〜い」



    教官「おっ、金木。どうした?」




    その場に着くと、1人の教官が声をかけてきた。



    カネキ「ちょっと見学に」



    教官「ははっ、そうか…ちょうど今ナシロ達がやってるぞ」



    カネキ「えっ、本当ですか?」




    顔を横に向けると、教官の言った通り、今はナシロとクロナが試合をしていた。


  10. 81 : : 2015/08/13(木) 09:44:35





    クロナ「…」スッ




    ナシロ「……」スッ





    「…」ピッ!




    教官(審判)が笛を鳴らした瞬間、2人は動いた。




    タ ァ ァ ン ッ



    トッ トトッ




    クロナ「…」ギシッ




    ナシロ「ッ…!」





    タ ァ ン ッ !




    「一本!」ピッ






    カネキ「お〜」ぱちぱち




    教官1「ははっ!将来が楽しみだな!金木も頑張れよ!」



    カネキ「ふふっ。はい…頑張りますよー…」




    ナシロちゃんとクロナちゃんはジュニアの中では成績が良く、かなり優秀な子達なので、教官達からも将来を期待されていた。




    え?僕?…僕はどうだろう…そんな話は聞いたことないな。



    確か今日、僕の身体能力やらをはかるって教官が言ってたような…?







    「あ〜!…また決勝戦は双子勝負かよ」


    「候補生(ジュニア)じゃ敵なしだな……」




    雫「ふふっ…」




    カネキ「お〜い、雫ちゃーん」




    雫「え?…金木くん…!」



    カネキ「頑張ってるみたいだね…」



    雫「う、うん。でも、やっぱり安久さん達にはかなわないな〜…いつか一本とりたい…!」



    カネキ「ふふっ…頑張ってね。はい。喉渇いてるでしょ …どうぞ」



    カネキはそういうと、手に持っていたミネラルウォーターを一本 雫に渡した。




    雫「あっ…わっ、わざわざ ありがとうっ!」



    カネキ「フッ、気にすることはないぜっ」



    と、ちょっとふざけた感じに言ってみたり…



    雫「ふふっ」





  11. 82 : : 2015/08/13(木) 09:48:15





    ナシロ「あぁ…負けちゃった…」




    クロナ「この前のおかえし」





    ナシロ「はぁ〜……あれ…?あそこにいるの研だ」



    クロナ「本当だ。雫も一緒」



    ナシロ「行く?」



    クロナ「うん」











    カネキ「あ…こっちくる」




    雫「来てるね」





    タッタッタッタッ…




    クロナ「研…何でここにいるの?」





    カネキ「見学を…」




    ナシロ「ふ〜ん…」




    カネキ「あ…はい水…」



    クロナ「!…ありがとう」




    ナシロ「気がきく」





    カネキ「あはは…」




    ナシロ達は、竹刀を壁に立てかけて、ボトルのキャップを捻り口を付けて飲む。


    …冷えた水が火照った体に心地よくしみこんでいく。




    シロクロ「ふぅ〜…」




    雫「ふふっ」




    カネキ「へ〜…」



    カネキは立てられた竹刀をまじまじと見つめた後、それを握り…2、3回素振りをする。





    その光景を3人はぼーっと黙ったまま見ていると、クロナが口を開いた




    クロナ「研…剣道やったことない?」



    カネキ「え?あ、うん…まったく…」



    クロナ「そう…」




    それにしては…なんか慣れているようだった…剣を扱ったことがあるような……?




    カネキ「と言うか…軽いね」



    ナシロ「そう?」




    カネキ「うん…とても軽いよ……」






    カネキ「あ…」



    カネキ「そういえば…最近ロクに体 動かしてないなぁ〜…」





    カネキ「よし!クロナちゃんかナシロちゃん!一本やろうじゃないか!」



    クロナ「…」



    ナシロ「…」




    シロクロ「………できるの?」




    なんかちょっとバカにしたような言い方にすこしムカッとしたが、まぁいい
  12. 83 : : 2015/08/13(木) 09:52:20



    カネキ「できるよ!失礼だなぁ!」



    クロナ「でもやったことないんでしょ?」




    カネキ「大丈夫大丈夫。今からやるのは剣道であって剣道ではないからね」




    クロナ「はぁ…??」



    ナシロ「…?」




    雫「???」





    カネキ「ま、とにかく…一回やろう」



    クロナ「…わかった」





    「おーい!クロナと新入生のカネキがやるらしいぜー!」



    「おっ?なんだって?!」



    「まじかよ…カネキ終わったな」



    「…ありゃりゃ」





    教官1「ほぅ…」




    教官2「金木くん…彼は力はまだ我々も知りませんからね〜…どれくらい動けるのか見てみましょうか?」



    教官1「そうですね」






    クロナ「防具は?」




    カネキ「いらないよ…」




    クロナ「ふざけてる?」



    カネキ「そんなことないよ」



    クロナ「はぁ……それで…剣道であって剣道じゃないって?どういう意味?」



    カネキ「…ルールは簡単。当たった方が負けってことで」




    クロナ「は?」




    一同「?」



    ナシロ「?」



    雫「?」




    カネキ「だから…えっと…剣道の面倒臭いルールは全部ナシで…」


    カネキ「とりあえず、どこでもいいから先に当てた方が負け。掠っても同じ」





    クロナ「なにそれ……」




    カネキ「実戦では…それが普通でしょ?…どこだろうと当たったら危険だよ。」




    クロナ「……わかった」







    教官1「…どうします…?」



    教官2「いいんじゃないですかね?好きにやらせてあげれば」






    クロナ「はぁ…」



    カネキ「…」ムッ




    クロナはさっきから、溜息ばかりで やれやれといった感じで やる気がまったく見えない



    カネキ「(仕方ない…やる気を出させるか…!)」




    カネキ「クロナちゃん」




    クロナ「なに…?」




    カネキ「なんで君が防具を付けて、僕が防具を付けなかったと思う?」




    クロナ「…?」




    カネキ「それは…君の攻撃は僕にはかすりもしないからだよ」ニッコリ




    クロナ「?!」




    一同「!?」





    皆は最初こそ驚いたが、すぐに「なにを言ってるんだこいつは」と言う顔をした。


    ちっ




    クロナ「…わたし、これでも強いよ…?研に当てることくらい余裕でできる」





    カネキ「うん…当たらないよ」





    クロナ「…ッ」



    すこしばかりで頭にきたのか、クロナは眉を吊り上げ竹刀を中断に構える。



    対するカネキは…



    右手に竹刀を握っただけで突っ立っている。


    ちなみに竹刀の先はほとんど床につきそうなほどに下げられていた。





    周りからは「なにをやってるんだあいつ?」「やる気あるのか?」などという声が上がっている。





    クロナ「ちょっと…バカにしてるでしょ」ぷるぷる




    カネキ「してないよ?」




    おい!もう挑発じみた事はいいんだよ!!
    これ以上怒らせなくていいから!

    ごめんなさいクロナちゃん!







    教官1「で、では…始め!!」ピッ!

  13. 84 : : 2015/08/13(木) 09:56:09
    今日はここまで!…書いてて思ったこと。


    ヤモリがもう小物臭丸出しで可哀想すぎる…笑笑笑


    カネキくんも元気になってきていますし…この辺でクロナ達ともっと仲良くなれるのだろうか…?!

    なれるといいですね〜
  14. 85 : : 2015/08/13(木) 12:12:22
    期待
    金木が勝つな(確信)
  15. 87 : : 2015/08/13(木) 12:58:09
    カネキチ一章だともうすこしクールだったような?少し子供っぽくなった?

    読み返すか
  16. 88 : : 2015/08/13(木) 13:32:48
    期待の塊「3日きつい」ブクブクブク
    期待
  17. 91 : : 2015/08/13(木) 17:57:47

    >>87そこに気づくとは、お主やりますな?そうですね。でもこのカネキはもともとこんなかんじです。
    喰種と戦っていくにつれ、こう…クール?になっていましたが…
    今は、母さんが死んだ 哀しみを紛らわせるために元気に振舞っていることがあります。(その内クールなカネキに戻りますよ)


    >>88 3日…?…ナ、ナンダッテー!?
  18. 98 : : 2015/08/14(金) 00:39:10






    ピッ、という試合開始の笛が鳴った




    カネキ「…」



    クロナ「ッ…」





    完全に舐められてると思ったクロナは、そのガラ空きの面(頭)に一発強烈なのを入れてやろうと…
    脚に力を入れて床を蹴ろうとしたところで



    ピタリと止まった。





    この闘いを外から観ている人達にとって、カネキはふざけていて、隙だらけに見えているだろう。


    しかし……



    クロナ「…!!(気のせい?…なんだか、隙が無い…)」




    カネキはなんというか…適当というか、滅茶苦茶な構えだが…妙にサマになっている…



    クロナ「(これは…不用意に打ち込んではいけない気がする…。)」





    カネキ「こないの?……なら、こっちから…!」




    タッ、と突然 カネキが動いたと思えば、いつの間にか 目の前にカネキが現れている。





    クロナ「!?速っ…!」




    クロナの言葉を遮り、カネキの持つ竹刀が左横から、ヒュッ、という風の音をたてクロナに近づいてくる。




    ギリギリ目で捉える事のできるスピードだった。……竹刀がクロナに当たるよりも前に、反射的にクロナも動いていた。



    後方にバっと、飛躍して攻撃を回避。







    足が床に着いた そのすぐ後に、クロナはカネキに近づき、右小手(腕)に竹刀を打ち下ろす。






    クロナ「はぁぁぁ!」










    勝った───…と思ったが…クロナの一撃は綺麗に空を切っていた。






    クロナ「!?(躱された…!?)」





    クロナの一撃が当たる頃には、もうその場にカネキの姿は無かった。




    クロナ「ッ…!どこに───」





    ナシロ「クロナッ!後ろっ!!」




    クロナ「ッ!?」




    ナシロの声で 後ろを振り向いた時には もう遅かった。








    ト ン ッ…





    クロナ「!」




    一同「?!」








    カネキの竹刀の先がちょん、とクロナの背中に触れた。





    カネキ「僕の勝ち」ニコッ




    クロナ「ッ…」







    この場にいる誰もが言葉を失った…


    それもそのはず…候補生(ジュニア)の中でもトップクラスの実力を持つクロナが…あっさりと敗れたのだから…





    教官1「?!?」



    教官2「ッ…これは…(速い……一体どんな身体能力を…⁉︎)」






    「うそ!?まじかよっ!!」



    「え〜っ!?」




    「あれだろ、マグロだろ…?」




    「それマグレだろ」




    「カネキすげぇぇ〜!?」








    雫「すごい…金木くんってこんなに強かったんだ……」




    ナシロ「うん……私もやってみたい……」








    カネキ「…」フフン





    クロナ「くぅッ」ギリギリッ




    カネキの盛大なドヤ顔にクロナはギリギリと歯ぎしりする…


    なんだが可愛い…




    クロナ「くっ…!」ぷるぷる




    あ…今度はプルプルと震えだした…




    クロナ「もう一回!もう一回勝負!!」




    よっぽど悔しかったのか、クロナちゃんは顔を真っ赤にしながら 勝負をふっかけてくる。


    負けず嫌いなのかな…





    カネキ「いやぁー…これ以上やっちゃったら、恥かくだけなんじゃ…」




    クロナ「もう一回っ!!」




    僕の言葉を無視してクロナちゃんは再び竹刀を構える




    カネキ「あ〜、わかった!わかったよ!」




    僕も観念したように やれやれという心境で再び竹刀を構えなおした。


  19. 115 : : 2015/08/15(土) 03:53:12







    トンッ





    雫「一本!」






    ト ン ッ




    クロナ「くっ!」



    雫「一本!!」




    ト ン ッ !




    カネキ「…」



    クロナ「ッ!」



    雫「一本!」







    空が茜色に染まる頃…施設内の道場にその声が何度も木霊した。





    クロナ「くっ…はぁ…はぁ。」




    カネキ「あぁっ……疲れた…ちょっと休憩しない?…」




    クロナ「だめ!」




    あれから約1時間。ずっと勝負をしている。もう一本どころか何十本も とっている…




    カネキ「…休憩も大事なことだよ。また明日やってあげるから…ね?」




    クロナ「…っ(一度も勝てなかった……悔しい…!!)」ギュッ



    クロナやナシロは、アカデミー(ジュニア)に入ってから、というより…ナシロに負ける事はあったが


    他の者に負ける事はあまりなかった




    そして…ナシロにも、ここまで完全な負け……完敗は無かった。




    この闘いで、クロナは久々にハッキリと負けを感じ、悔しさを思い出した。




    クロナ「……ッ」




    カネキ「ふふっ…ま、強くはなってると思うよ。一本とれるのも時間の問題かなっ」






    慰め…などではなく…カネキは本心を言った。そのあとに


    なんとなく頭を撫でた…







    クロナ「ぁ……///」




    クロナの頬が思わず熱くなる…。




    クロナ「すごく、上から……///」




    カネキ「うん?だって上だもん」フフッ






    クロナ「ちっ…むかつく」




    ナシロ「研…明日は私ともしよう」



    カネキ「ん…いいよ。」



    ナシロ「ありがとう…」




    カネキ「あ〜…まだ1月なのにこんなに汗をかいちゃった。…暑い。」パタパタ



    カネキ「あ、水あるや…」



    足元の床に置いてあったペットボトルをヒョイっと取り、キャップを開けて口をつける。




    ナシロ「あ…」



    カネキ「え?」



    ナシロ「そ、それ…わたしの…///」かぁぁ



    カネキ「えっ!?あ、わっ!ご、ごめんなさい!ついっ!?」


    カネキ「(うわっ、結構見ず入ってたから誰も飲んでないのかと思った。
    というかこれ僕が買ってきたやつじゃん…なんで気づかなかった…!)」



    ナシロ「…///」





    雫「…わぁぁ//(かっかかか関節キッ…⁉︎)」あわわ




    ナシロ「へんたい…//」ボソッ




    クロナ「………チッ」




    カネキ「え…(変態って…⁉︎…しかも何故 舌打ち……?)」





    クロナ「行こうナシロ」



    ナシロ「あっ、う、うん」




    カネキ「えっ、ちょっ!ちょっとぉ!?」




    雫「あはは…」




    カネキ「……どうしたんだろ…」ポリポリ








    「金木くん。」




    カネキ「あっ、教官。なんですか?」



    教官「今日、君の身体能力や動体視力などをはかると言っていただろう?」




    カネキ「あっ!そうでした…すみません。すっかり忘れていました」




    教官「いや、構わないよ…今からいいかな?」



    カネキ「構いませんよ」



    教官「では、付いて来てくれ」




    カネキ「はい…っと…じゃあ、またね雫ちゃん!」




    雫「あっ、うんっ!またね〜」

  20. 120 : : 2015/08/15(土) 05:24:40



    ───────────────────────────




    教官「よし、ここでやるぞ」




    連れてこられたのは……例えるなら体育館みたいな所。だが大きさが凄い。広い…



    周りにはたくさんの教官がペンと紙を持って立っている。




    カネキ「身体能力をはかるって言っても…具体的に何をすればいいんですか?」




    教官「まぁ、普通の事だよ。私が言う事をやってくれ」



    カネキ「はい…」



    教官「では、君がどれ程動けるのか…見せてもらうぞ」



    教官「まず…何からするか。…」




    少し考える素振りを見せたあと、決まったようで 口開く


    教官「よし。すまないが一旦外に出よう」




    カネキ「あ、はい」





    教官が体育館みたいな所から外に出て行く、その後ろからカネキもスタスタと歩いて行き、外へ出た。






    教官「では…まず初めに走ってもらう」




    カネキ「はい。」





    教官「あそこに大っきな建物が一つ見えるだろう。あそこからここまでがちょうど400mだ。」



    僕の後ろの建物を指差して、教官は言葉を続ける



    教官「君はあの場所からこっちまで全力で走って来てくれ。いいね?」





    カネキ「はい…(400mとか……めんどくさぃ…)」





    教官「君はあっちに着いたら手をあげてくれ」



    カネキ「…みえるんですか?」




    教官「心配ない…私はこの望遠鏡で確認する」



    カネキ「そうですか…」



    教官「君が着いたのを確認したら、私がコレを鳴らす」




    スッと、ポケットからある物を取り出した。



    あぁ、それか…見た目が銃みたいなアレ。なんていうんだっけ…忘れた…





    カネキ「了解です。では」タッタッ



    と言って僕はデッカい建物の方に走っていった。







    到着。僕は息を整えてから、手をあげた。



    いつ合図が鳴ってもいいように走る体制に移っておく。




    それを確認した教官が、銃みたいなのを上にあげて引金を引いた。





    パ ン ッ !







    その音と同時にカネキは脚に力を入れ全力で走った。



    カネキの足が地につくたび、足元の砂が飛び散る。



    まるで風のように疾く、疾く走った…








    そして…あっという間に教官の元に辿り着いた。




    カネキ「はぁっ…はぁ…」




    教官「……かなり…速くないか…?」




    カネキ「あはは…えっと。…タイムはどうですか?」




    教官「あぁ、そうだ。えっと…」




    教官「!?」




    教官はその記録を見て驚愕した





    教官「34秒ジャスト…?!」





    カネキ「…!」







    正直、自分でもビックリだ…こんな数値が出るとは…



    400m…それを34秒…ってことは…


    単純計算で、100mを8.4秒。



    50mを…約4.25秒ってことだ…!



    世界記録だな






    ん…?


    カネキ「.…(でも、なんか違和感がある…。戦闘の時は…もっと速く動けている気がするんだよなぁ……)」






    教官「ッ…」



    教官「(すごい……こんなに速く走れるとは…。鈴屋といい勝負。…)」


    教官「(いやそれ以上か……一体、どうやったらこんなに速く走れるんだ……?)」




    カネキ「あの…教官。次は何をすれば」



    教官「あ、ああっ…じゃあ次は握力を測ろう」




    カネキ「わかりました」




    教官「あ……握力計がないな…中に置いてきたか。持ってくるか……
    いや、外では走る為に出ただけだから、中に戻ろう」




    カネキ「はい。」




    まったく…出たり入ったり大変だな〜…

  21. 122 : : 2015/08/15(土) 06:44:01




    ──────────────────────────




    カネキ「ふッ…!!」ギギギギッ



    僕は今、握力を測っている。こんなことする必要あるのだろうか。




    カネキ「はぁ〜っ…」





    カネキ「どうぞ…」




    僕は握りしめた握力計を教官に渡した


    教官「あぁ…」



    教官「……58か。君は右と左あまり大差ない。両利きか?」




    カネキ「ええ、まぁ。……あの、58って」





    カネキ「高いんですか?」



    教官「あぁ…16歳で58は高いな。一般的には50kgを超えれば平均より高いと言われている。」



    教官「喰種捜査官にはこのくらい…これ以上の数値を出す人間は山ほどいるが…」


    教官「それでも十分すごいぞ!ははっ!」


    景気良く笑いながら教官は背中をバシバシと叩いてくる。

    痛い!やめて…!



    教官「よし!次だ次!どんどん行くぞ!」





    それから僕は…

    重量上げ(腕が痛い)、垂直跳び、反復横跳び(30秒)や…



    心肺持久力(最大酸素摂取量)を測ったり…

    目を閉じ、片足で立って平衡性を測ったり

    柔軟性(立位体前屈)を測ったり〜



    敏捷性を測ったりなど。これは全身の反応時間を測定する。って言ってた

    信号に対する反応を見る事で、敏捷性を評価するらしい。


    測定方法は赤い光が光ってから体がどれくらいの時間で飛び上がれるか。という事らしい




    それを数回行って平均値を測定値として評価している。今も教官達がなんか書いてる。




    というかザワついてる。どうしたんだろ…?





    教官「…(どれも、驚くほどに素晴らしい数値だ……)」カキカキ






    カネキ「……(というか。…これってやってる事、体力測定とか運動能力を測るヤツだよね……)」



    カネキ「(まぁ身体能力を測るって……似たようなもんか)」




    教官「よし!次だ!」



    カネキ「え〜っ!?まだやるんですかっ?!」



    カネキ「もう外真っ暗ですよ!」



    そう言いながら外をビシィッと指差した。



    教官「大丈夫。あと2つか3つで終了だから」



    カネキ「はぁ…わかりました…」トボトボ






    教官「よし…この画面を見てくれ」



    カネキ「はい…」




    僕の目の前にテレビみたいなものが持ってこられる。



    「これは?」と尋ねるとすぐに教官は答えた



    教官「これは動体視力を測るものだ」




    カネキ「あぁ、なるほど…」



    教官「……知ってそうだから詳しい説明は要らないな」



    教官「今からやるのはKVA動体視力だ」



    カネキ「はぁ…」



    教官「これは遠くから自分の方に高速で向かってくるものを見極める為のもの。」




    カネキ「それを答えればいいんですね」


    教官「そうだ。じゃあさっそく……準備はいいか?」




    カネキ「はい…」






    僕が画面をじっくりと見ていると。



    カウントダウンと思われる数字が出てきた…





    カネキ「…」





    3・2・1……





    次の瞬間、画面の遠くから丸いボールのような物が高速で回りながら
    こちらに近づいてくるのを確認した。


    球には数字がいくつか書いてある。



    スゥゥーと僕の方に吸い込まれるように、高速で数字が書かれた球が
    回りながら近づいてくる。






    そして、終わった。



    非常に短い時間だが僕はちゃんとそれを視た。





    教官「よし…ではもう一度────」



    カネキ「いえ、もういいですよ…視えました」



    教官「!……では…答えてくれ」




    カネキ「2、3、1、4、6、5。…が視えました」




    教官「…全て正解だ」





    カネキ「!(よしっ)」



    教官「では、もう一つ別のをやってもらう」




    カネキ「また動体視力のやつですか?」



    教官「あぁ。次にやるのは。画面に0.1秒だけ表示される8桁の数字を答えるというものだ」



    カネキ「0.1秒…」




    カネキ「平均はどれくらいなんですか?」



    教官「4〜5桁ってところだな…6桁答えられれば大したもんだ」



    カネキ「わかりました…」




    教官「じゃ…始めるぞ」




    カネキ「はい…」


  22. 138 : : 2015/08/16(日) 00:58:46




    さっきと同様、カネキの目はテレビ(?)画面をジッと見つめている。





    教官「…」ピッ



    教官がボタンを押した瞬間、



    3・2・1…と数字が出てきた。




    そして、0になった時…




    パ ッ



    プツッ




    数字が出てきたと思えば一瞬で消えた。




    教官「…どうだ?」




    カネキ「…。」




    教官「ははっ、やっぱり難しいか?…」






    カネキ「左から、7・9・2・5・1・0・3・4。…あってますか?」





    教官「!?」






    教官「…全て正解だ……」




    カネキ「よし…」




    カネキ「教官。これ…意外とラクですね。」




    教官「ほ、ほぅ…そうか…」




    教官「……(動体視力も素晴らしい…!これは鈴屋と同等…
    いや、それ以上かもしれない…)」







    教官「!!…しまった…!」




    教官「時間が……。動体視力を確かめるのはもうお終いだ!
    次に行くぞ!遅くなってしまう」



    カネキ「あっ、はい!」











    カネキ「それで…今度は何をするって言うんですか?」




    教官「次は金木。お前の反射神経を見せてもらう」




    カネキ「はぁ…反射神経ですか(もういい加減終わってくれないかな…お腹すいてきた……)」





    教官「あぁ、あそこに信号の様な物があるだろう。あれが赤く光った瞬間にこのボタンを押してくれ」



    ボタン…と言われ、妙な物を渡された。


    …なんというか…本当に普通のボタン



    そのボタンは四角い板?みたいなのの中心にくっついていて表面が丸くボコッとしている。ちなみに色は赤。


    ボタンから出ているコードみたいなのは…信号?ランプ?…まぁ、あの光るヤツと繋がっているようだ。





    まぁ、簡単に説明すると、早押しクイズとかで出てくるボタンにソックリだ










    カネキ「……」



    あれ?そう言えば、さっきもこんなのなかったっけ


    たしか…敏捷性を測るとかで……






    カネキ「あの…さっきも同じようなことしましたよね」


    教官「…あれとこれは別だ。最初の方にやったのは 反応してから、どれくらいの時間で体を動かすことができるか…だ。」


    教官「今からやるのはどれくらい速く反応できるかだ」





    カネキ「そうですかー……(似たようなもんじゃないですかね…?…)」




    教官「とにかくさっさとやるぞ」

  23. 139 : : 2015/08/16(日) 01:02:04




    カネキ「はい……」




    教官「はじめに言っておく。これは反射神経を測るテストだ。」



    教官「あれが赤に光る前に…「スタート」や、「3、2、1」などの合図は無いからな。光ったらすぐ押すんだ。いいな?」



    教官「あぁ、それと。手をボタンの真上に置いておくのは無しだぞ」




    カネキ「…」




    僕はまだ光がついてない信号…ランプのようなものを見ながら、何も言わずに頷いた




    教官「(これの平均が、約0.2秒と言われているが……さて。カネキはどのくらいやれるか)」



    少しの期待を胸に、ポチッと教官は…静かにスイッチを押した






    カネキ「……」






    ピ カ ッ !





    光がなかったランプが急に赤に光る。







    カネキ「ッ!」 バ チ ン ッ!




    そして…その光を見た瞬間、手をボタンに叩きつけた。






    カネキ「っ…(しまった…一瞬遅れたかも……)」




    カネキ「ど…どうですか?」




    教官「…0.07…」



    カネキ「…(それは…いいのか?)」



    教官「お前……フライングしてないか?0.1秒切ったらフライングした可能性があるからな…」



    カネキ「ええっ!?」





    教官「仕方ない。念のためもう一度だ」




    カネキ「はいぃ〜…」






    もう勘弁してください…


    今、一言何か言う事があるなら…

    帰りてぇぇぇ〜だ…







    教官「…」ポチッ




    ピカッ!!




    カネキ「ッッ!!」パチンッ!





    教官「どれどれ……」



    カネキ「…」




    教官「0.06…」



    教官「?」



    カネキ「?」




    教官「……減ってるぞ…」


    カネキ「減ってますね」




    教官「お前やっぱりフライングしてるんじゃ」



    カネキ「…してないと思うんですけど…」




    教官「あと一回だ!…これで似たような記録だったらフライングはしてないって事でいいか…」



    カネキ「はい」










    カネキ「…スゥー…ハァ…」






    僕は息を整えて…ただジッと その時を待った





    教官「…」




    教官「…」ポチッ!






    ピ カ ァ ッ !





    光った……!!





    カネキ「───!」





    バ チ ィ ン ッ ! !








    教官「……0.05」




    カネキ「………あの…またフライングとかいいませんよね」



    教官「いや…もう言わない。お前の記録は0.05だ」



    カネキ「よかった〜…!」




    カネキ「では、もう戻っていいですよね───」




    教官「まだだ!最後に持久力を測るために(20m)シャトルランをやる」






    カネキ「ぶッっ!?!」





    カネキ「しゃしゃしゃしゃシャトルランンンッ!?」



  24. 146 : : 2015/08/16(日) 08:11:41





    【シャトルラン】


    知ってると思うが…小学、中学、高校で行われている体力テスト。
    いわゆる持久走だ。

    20m間隔に引かれた線の間をある一定のリズム(電子音)に合わせて
    ひたすら往復していく。

    というシンプルなものだ。


    もっと詳しく説明すると。電子音
    …(奇数回目は「ドレミファソラシド〜♪」偶数回目は「ドシラソファミレド〜♪」と鳴る)


    その電子音が鳴り終わるまでに20m先の線まで行き、線を踏み1回。

    折り返して次の電子音(ドシラソファミレド〜)が鳴り終わるまでにまた1回(2回)


    と。これをひたすら繰り返していくのがシャトルラン。



    ちなみに、開始当初の電子音(ドレミファソラシド〜やドシラソファミレド〜)が長い(遅い)が

    約1分ごとに短く(速く)なっていく。

    この電子音についていけなくなり、2回連続 線にタッチできなくなった時を終了とし、最後にタッチできた回数が記録となる。






    カネキ「ちょっと待ってください!なんでシャトルランなんかっ…そんことしてたらもう寝る時間になっちゃいますよ…⁉︎」






    教官「心配ない。247回までだ。例え最後まで走ったとしても30分ほどで終わる」



    カネキ「というか!シャトルランなんかやるんだったら、何で最初の方にやらなかったんですか…?」



    教官「忘れていたんだ」




    カネキ「……」





    カネキ「明日でいいんじゃ…」



    教官「お前は…そうやって後回しにするのか…!そんな事をしていると…あの時、やっぱりやっておけばよかったと後悔することになるぞ!」


    いや ならないでしょ



    教官「とにかく…わざわざ明日やるのなんて面倒だろ?…今やっておいた方が楽だぞ」


    明日やったほうが楽だと思います……




    教官「さあ、始めるぞ!」



    カネキ「え、いや………!!!」





    そうだ……さっさと終わらせよう。テキトーにやって50回くらいでわざと終わらせればいいじゃないか。




    教官「言っておくが…真面目にやるんだぞ」




    カネキ「…」



    教官「…真面目にやらなかったら…晩御飯抜き──」




    カネキ「あー!はいはいわかりましたよ!やりますよ…」



    恐ろしい冗談を言う教官に僕は叫ぶように言った



    教官「よし…」




    カネキ「…(シャトルラン…247回は約20分弱か……今7時半。だいたい8時に終わるか……はぁ)」



    シャトルラン。そういえば、小学か中学の時やったけど…(めんどくさいから)適当に終わらせたなぁ…







    教官「おい!準備はいいな!!」




    カネキ「OKです…」




    僕は渋々 線の前に立ちそう告げた。





    教官「では、始めるぞ!」


  25. 147 : : 2015/08/16(日) 08:13:13




    『5秒前…』



    教官が再生しているCDから女性の声が聞こえてくる。




    『3、2、1…』







    ビ───!



    『スタート』





    カネキ「…」タッ






    その音カウントダウンが終わった
    すぐ後に、すらーっと床を滑るように走り出した。




    ド〜レ〜ミ〜ファ〜ソ〜ラ〜シ〜ド〜♪



    の音をした、心地良い音が耳にノロノロと入ってくる。



    音、大きすぎないかな…?



    カネキ「…。」タッタッ



    僕は呟くように思った。



    何でこんなところで、こんなことをやっているんだろうか?





    そして、20mを走り、線を踏んだ。





    『1』



    電子音(ドレミファ)が終わると

    さっきと同じ声がどこからか聴こえ、回数を数える。





    ド〜シ〜ラ〜ソ〜ファ〜ミ〜レ〜ド〜♪





    そして、その音が終わる前に



    カネキ「…」タッタッ


    タンッ



    また線を踏む。




    『2』




    ド〜レ〜ミ〜ファ〜





    カネキ「…」タッ




    そしてまた走り出し、線を踏んだ。




    ──────────────────────────




    走り始めて、どれくらい時間が過ぎただろうか?




    タンッ



    ソラシド〜♪




    『198』




    タンッ




    『199』




    おそらく、20分くらいだろう…








    「がんばれ〜!」



    「おおー!がんばれ金木〜!」



    「頑張って金木くーん!」




    カネキ「…」タッタッタッ





    そして、何故か周りには、いつの間にか沢山のギャラリーが湧いています。




    教官「おいおい…何でこんなに集まってるんだ…」


    あんたのせいだろ…



    あんな大音量でドレミファ〜〜を流すから……

    言わなかった僕も悪いんだろうけど…





    カネキ「はっ、はっ…」タンッ




    『200』





    タンッ


    『201』



    デレレレン〜♪



    今の音は約1分たった為、スピードが上がりますよ〜…という合図。




    流石に200まで来るとスピードも速くなり…僕も走るペースをすこし上げなければならない為、ちょっと面倒だ。






    クロナ「……」




    ナシロ「……」




    雫「わぁ…200だって〜!すごいね〜」





    と、そこで横をチラッとみると、
    ギャラリーの中にクロナちゃん達も混ざって僕を観ていた。




    走ってるとことか見られると、なんか恥ずかしいなぁ……





    カネキ「…っ」タンッ



    『202』




    教官「はぁ……おい!お前達〜!もうそろそろ寝る時間だろ!部屋に戻りなさい!」



    僕は寝る時間じゃないんでしょうか?





    「え〜!もう少しで終わるんだからいいじゃんー!」



    「そうだそうだ〜!」




    「教官のケチ〜!」




    教官「はぁ…やれやれ」




    結局、戻らないらしい。というか僕が終わるまで居るようだ。




    カネキ「(あと少し…)」タンッ



    『210』



    247まであと37!




    皆からエールが送くられてるし…頑張るか…!
  26. 148 : : 2015/08/16(日) 08:16:28
    今日はここまでかなぁ〜…


    これを見てシャトルランやりたくなった〜…と思う人はいるのでしょうか?

    ちなみに僕は思いましたが…すぐに消えました。


    シャトルランやった時一瞬で死んだ記憶があるぜっ☆
  27. 149 : : 2015/08/16(日) 09:01:41
    シャトルランは好きですよー!
    俊敏性と体力の向上が全面に出ますからねー
    あくまでコーチとしての立場ではですけど 笑
    そして教官が銀○の銀さんみたい!
  28. 150 : : 2015/08/16(日) 10:00:12
    シャトルランなんて絶対にしたくないです
    期待です
  29. 151 : : 2015/08/16(日) 10:14:28
    シャトルラン嫌いだなー
  30. 152 : : 2015/08/16(日) 11:24:54
    この世で一番嫌いの運動シャトルラン
    金木がんばって
    期待
  31. 153 : : 2015/08/16(日) 12:50:16
    …私シャトルラン四捨五入で30だったんだけど(27回)…
    …100分の1じゃん…ボソッ
    期待です!!
  32. 154 : : 2015/08/16(日) 17:42:11
    シャトランとか…最高で、111だった
    中3の時になんかゾロ目だったから覚えてる
    期待してる
  33. 155 : : 2015/08/16(日) 17:44:41
    シャトルランぼくは163です
    期待です!
  34. 156 : : 2015/08/16(日) 20:04:01
    ↑すげえなあ
    期待
  35. 157 : : 2015/08/16(日) 20:38:52
    俺は、80位だったきがする
  36. 158 : : 2015/08/16(日) 21:56:55
    僕26だったなー
  37. 159 : : 2015/08/16(日) 22:00:23
    ナシロやクロナとヤリあいたい
  38. 160 : : 2015/08/16(日) 22:51:07
    シャトルランクラス平均220くらいだったから185の私は底辺でしたなぁ
  39. 161 : : 2015/08/16(日) 23:56:29
    みんな凄すぎて泣いた……くっ…なんだこの胸が締め付けられるような痛みは!?

    こ、これが劣等感…!?
  40. 164 : : 2015/08/17(月) 12:12:19
    俺、シャトルランで何回もピキってなったことがある。あれは地獄だった└┌└┌└(^o^)┘┐┘┐┘期待どS
  41. 167 : : 2015/08/17(月) 14:36:05
    明日…うん…明日!?(゜д゜)

    なんで!!シャトルラン二年までは40普通に越えられたのに!!半分なんて許さねぇぞ(誰にいってるんだ)

    期待です
  42. 172 : : 2015/08/17(月) 23:04:11

    >>167明日……今から書きます!?

    なるほど…二年までは40超えてたんスね……サボるからこうなるんだぞ!どうせ家でゲームやってたんだろぉぉぉ!?

    っと失敬 失敬。期待ありがとうございます!
  43. 174 : : 2015/08/17(月) 23:21:31






    カネキ「はっ…」




    タンッ!




    『245』




    カネキ「」タンッ




    『246』





    カネキ「ふっ…」タッタッタッ





    あと1回…っと





    カネキ「よし…っ」





    タ ン ッ !







    『247』






    教官「おぉし!終了だ!」





    カネキ「はいっ(あぁ、やっと終わった)」





    教官「お前、全然 疲れてなさそうだな……」



    カネキ「え?…あはは。まぁ、これくらいなら…」



    教官「まったく……」



    教官「では、もう戻って構わないぞ。遅くなって悪かったな…」



    そういって、教官はかたずけを始める。



    カネキ「て、手伝いましょうか?」



    教官「いや、いいぞ。お前は部屋でゆっくり休みなさい」





    カネキ「あ、はい…では」




    僕はそれだけ言って部屋に戻る為に歩き出した。






    候補生(ジュニア)はどこで寝たりしているの?と最初は思ったが、どうやら、施設内には男女別に分けられた部屋が多数あり…

    一部屋に2〜3人が生活できるくらいの広さだ。


    お風呂は、部屋に一つ付いているが、ほとんどの人が大浴場を使っている。


    食事は…食堂があって…そこで食べたり、部屋に持ってきて食べる人もいるらしい。





    カネキ「ぁ〜…次は晩ごはん 食べてお風呂か〜…いや、お風呂入って晩ごはんか〜?…どっちでもいいや……」




    ブツブツと独り言をいいながら、だらーっと情けなく歩いていると、

    不意に、遠くから叫び声のような騒がしい音が聴こえてきた。





    カネキ「?…なんだ?…」



    そのまま無視して部屋に戻ろうかとも思ったが、気になったので見に行ってみることにした。

  44. 175 : : 2015/08/17(月) 23:21:53
    健康管理をしっかりしてくださいね。
    期待してます。
  45. 176 : : 2015/08/17(月) 23:27:12





    カネキ「…」スタスタ…




    右足、左足を 交互に前に出し、喧騒が聴こえる方に向かう。




    近づいていくにつれ、だんだん音がはっきりと聴こえてくる。




    これは、悲鳴…?




    恐る恐る角を曲がると…



    驚きの光景が目に映った。





    玲「っ!ッ!!」バキッ ドゴッ!



    男子「っうぅ!…ぶぐっ!?…や、やめ…グッ!?」




    鈴屋玲が1人の男の子を何度も殴っていた…



    男子の顔には沢山の痣ができており、唇が切れたのか、口から血がダラダラと出ている…


    そして、今も 殴っている玲は、
    怒りを含んだような笑顔で、拳を男子の顔面にぶつけている。

    ……その手にはベットリと赤い血が付いている。




    「きゃあああああああ!!!」



    「おい誰か止めようぜ!?」



    「む、無理だよ…!」


    「誰か教官呼んで来てよ!」


    「お、俺が行く!」



    「わ、私もっ!」





    カネキ「一体何が……」




    クロナ「……たまにあるの」



    カネキ「ぅわっ!」


    クロナ「…」



    カネキ「ご、ごめん…ビックリしちゃって…」



    カネキ「たまにって……玲くんは、数々の暴力行為を…って前に教官から聞いたんだけど……これが、それ…?」



    クロナ「うん…」



    ナシロ「本当に……突然 あーやって暴れることがあるんだって……」



    カネキ「……」




    突然…。



    いや……理由も無しにあんなことするはずがない……

    何かあるんだろう……






    玲「っ!ふ…ッ!!」バキッバキッ!



    カネキ「とにかく止めないと…あの子が危ない…!」



    ナシロ「やめた方がいいよ…!」



    カネキ「…⁉︎」



    クロナ「教官が来るまで待った方がいいよ…ケンも殴られちゃうかも知れないから…」




    カネキ「いや、そんなの待ってられない…!」




    クロナ達の制止を半ば無視して、カネキは玲を止めに行った。



    クロナ「あっ、ちょっと!」


    ナシロ「…私達もいく?」


    クロナ「うん…」











    玲「っ!ーッ!」バキッバキッ!



    男子「」




    何度も、何度も、何度も何度も

    …容赦なく殴り続けられている男の子は、もう完全に気を失っている。




    玲「───!」




    そして、玲は…止めの一撃とばかりに、腕を大きく振り上げる。





    玲「あはははっ!!」





    拳を叩きつけようと、腕を勢いよく振り下ろす。




    しかし…





    突然 ガシッ、と腕を掴まれ…拳が止まった。




    玲「!」



    パッと後ろを振り返ると、金木 研が自分(玲)の腕を掴んでいた。



    カネキ「その辺にしておきなよ」



    カネキは哀しそうに、ニッコリと優しく微笑みながら言った




    玲「…!」




    そんなカネキを見て玲は驚いたような顔をした後に脱力した。…



    ……落ち着いたのか

    さっきまでグイグイとカネキの手を振り解こうと 力を入れていた腕は

    力が抜けたようにダランとしている。




    玲「……離してください」



    カネキ「…!…あぁ、ごめん…」



    言われて パッ、と掴んでいた腕を離すと、玲はトトトッ。と…そそくさとその場を去っていった。




    カネキ「……(敬語…?)」




    クロナ「私達行かなくて良かったみたい…」


    ナシロ「うん」




    教官「おい!お前達!鈴屋が暴れてるって!?」



    クロナ「もう遅いです」



    教官「は…?」



    ナシロ「もう暴れてない」



    教官「す、鈴屋は?」



    カネキ「玲くんなら向こうに行きました…もう落ち着いたみたいです。それより早くこの子を手当てした方がいいですよ。」



    男子「」



    教官「!?な、お、おい!大丈夫か!?」


    カネキ「気絶してるみたいです」



    教官「ったく…鈴屋の奴……」


    カネキ「…」



    教官「…私はこの子を連れていくから、お前達、ここの掃除を頼んでもいいか?」



    クロナ・ナシロ「はい」




    教官「すまない。じゃあ頼んだぞ」





    クロナ・ナシロ「はい」



  46. 178 : : 2015/08/17(月) 23:52:07
    頑張ってください!
    期待です!
  47. 179 : : 2015/08/18(火) 00:07:51
    期待してるゾ☆

  48. 180 : : 2015/08/18(火) 00:13:11
    これ金木がグールになったらジェイソンワンパンじゃね
  49. 182 : : 2015/08/18(火) 00:40:53
    期待してる
  50. 184 : : 2015/08/18(火) 10:42:01
    はい、その通りでございます
    ずっとゲームしてました

    ていうか真面目に勉強してたの一年生くらいで終わったし

    体力がすり減っていきました

    いつか立てなくなります

    最近は夏休みで引きこもってる間に急いで五メートル歩くだけで心臓がいたくなります

    本当に歩けなくなりそう(笑)

    期待です!!
  51. 185 : : 2015/08/18(火) 11:19:56
    凄く期待です〜。
  52. 187 : : 2015/08/18(火) 14:18:23
    鈴屋は金木の微笑みになにを感じたのか
    期待
  53. 191 : : 2015/08/19(水) 01:24:56




    クロナ「研、一緒に掃除手伝っ……」



    クロナ「あれ…?…研は?」



    ナシロ「……逃げたみたい……」




    クロナ「ッ…アイツ〜ッ…! 」




    ─────────────────────────




    一方、逃げ出したカネキは…



    カネキ「──っ…クロナちゃん達怒ってるだろうな〜…」



    カネキ「ま、まぁ、でも。僕は手伝うとは言ってないしね。うん。」




    カネキ「っと…それより……」




    カネキ「……!いた」








    玲「…」




    玲はこの前みたいに、1人でただ、蟻を潰している……




    カネキ「…お〜い。玲くん!」





    玲「…!…カネキくん…」




    カネキ「隣、座るよ…」




    玲「…」ぷちっ、ぷちっ




    カネキ「…また蟻潰してるの…?」



    玲「…」ぷちっぷちっ



    カネキ「ねぇ、玲くん…なんであんな事したの?」



    玲「…あんな事?」



    カネキ「あの男の子を殴った事だよ…」



    玲「……」



    カネキ「(答えたくないのか…?)」




    カネキ「………」




    玲「……。」



    カネキ「…」




    玲「『あの目』で…僕を見てくるですよ…」




    カネキ「…!」



    玲「センセイも、他のみんなも…」



    玲「良い人ぶった奴らが『あの目』で僕を見てたです…」




    カネキ「…。」







    『猫殺してるのアイツって噂だぜ』



    『玲が…?』



    『まぁ、アイツ…おかしかったから』



    玲『……』







    玲「みんな殺してやりたい」




    カネキ「……」




    玲「でも……」




    カネキ「…?」




    玲「カネキくんは『あの目』で僕を見ないですね」




    なんだか嬉しそうに…玲は今までとはどこか違う笑顔で、ニッコリと笑った。





    カネキ「…!」




    カネキ「…っ」



    気恥ずかしくなっはカネキは、ポリポリと人差し指で頬をかきならが目をそらした…


    そこで、ふと思い出す。




    カネキ「あー!!」




    玲「わっ!……どうしたです?」




    カネキ「今日、講義があったんだけど……サボっちゃった…」




    玲「ふふっ…僕も出てないですよ〜」




    カネキ「あ、そ、そうなのっ?……あれ…?クロナちゃん達も出てないんじゃ…(剣道してたし)」




    玲「クロナ?」



    カネキ「あぁ、うん。今日ちょっと遊んでね…」



    玲「僕も遊びたいですねぇ」




    カネキ「じゃあ明日一緒に遊ぶ?」



    玲「遊びます〜!」



    カネキ「うん」



    玲「〜♪」





    ぐぎゅううううううう




    カネキ「……ん?」






    ?何かすごい音が聞こえた…




    玲「あはは〜…お腹すきました」




    一瞬、どこぞの声優への叫びかと思ったが、どうやらお腹の音らしい




    カネキ「ふふっ。そういえば…僕も晩ごはん、まだだったな…」




    カネキ「よし、玲くん!一緒に食べにいこうか!」




    玲「はい♪」






    ──────【食堂】───────





    カネキ「あ〜…あんまり人いないね〜…(まぁ、そっちの方がよかったかな)」



    玲「そうですね〜」






    「研?…それに玲も」




    カネキ「」ビクッ



    カネキ「あ、あぁ〜…クロナちゃんにナシロちゃん。」




    クロナ「……研。さっきはよくも逃げ…」


    カネキ「ごめんなさいッ!?」




    クロナ「…まぁ、別にいいんだけど…勝手に掃除引き受けたのは私達だから…」



    カネキ「あ、ありがとう……(助かった…)」






    ナシロ「今から食べるの?」



    カネキ「う、うん。ナシロちゃん達も?」



    ナシロ「うん」




    カネキ「じゃあ一緒に食べようか?」




    ナシロ・クロナ「うん」




    玲「ふふふっ♪」



  54. 192 : : 2015/08/19(水) 01:27:38
    くぎゅうううううう…あ、すいません。


    今日はここまでです!続きは…明日。
  55. 193 : : 2015/08/19(水) 01:33:46
    1日に何回もこれを見て更新されてるか確認してしまう
    それほど期待
  56. 194 : : 2015/08/19(水) 02:02:19
    くぎゅううううううううう
  57. 198 : : 2015/08/19(水) 12:43:06





    カネキ「えっ!じゃあ、玲くんも、クロナちゃんもナシロちゃんもAB型なのっ?!」




    クロナ「うん」



    カネキ「僕もAB型なんだ〜〜」




    玲「あはは〜面白いですねぇ〜」ぱくぱく




    ナシロ「玲。食べ物口に含んだまま喋っちゃだめ」



    玲「え〜…いいじゃないですかぁー」ぱくぱく



    ナシロ「はぁ…」



    カネキ「はは…」




    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





    カネキ「ごちそうさま。っと…さて…次はお風呂かなぁ〜」




    クロナ「ごちそうさま。じゃあ、私達 部屋に戻るね」



    ナシロ「ごちそうさま。じゃあね」




    カネキ「あぁ、うん。じゃあね」






    玲「もぐもぐ…」



    カネキ「って…まだ食べてるの…」



    玲「んん〜?」もぐもぐ




    カネキ「んー……じゃあ、僕、先にお風呂いってるね」




    玲「ふぁ〜い」もぐもぐ



    ────────────────────────








    チャプンッ……






    カネキ「わぁ〜…1人でこんな広いお風呂に入るとは…」




    今の時間帯は誰も浴場には来ないし、入らない。つまり独り占めというやつだ。





    カネキ「ぁ〜…生き返る〜……」





    って…おっさんか。と1人でツッコミを入れながら

    僕は肩までしっかりお湯に浸かる。





    カネキ「…鈴屋…玲…」




    この前あった時…喋った時は確かに普通の喋り方だった。



    なのに今日はクロナ、ナシロにまでも敬語で話していた。




    カネキ「……」




    アレだろうか…俗に言う多重人格者というやつなのだろうか…?




    “僕と似てる”……



    なんで僕はそう思ったのだろうか?


    よくわからない。だけど…似てる。そんな気がする。



    …………。




    カネキ「〜〜ッ!」ブクブクブク





    今、これ以上考えても仕方がないと結論付け、沈むように、顔を半分までお湯につけた。




    ガラガラガラ〜〜〜




    カネキ「…!」





    突然…勢いよくドアが開かれた。



    玲「わ〜!人が少ないので広いですねえ〜!」トテトテ




    ドアの向こうから、玲が現れ、僕しか入ってない浴槽を見るなり、そのまま思いっきり風呂場(床)を走って

    浴槽にダイブ。飛び込んできた。







    バシャアァアアァアンッ!!




    その衝撃で、水面が大きく揺れた…というより…水が爆発したかのように

    上、横に勢いよく水が飛ぶ。




    カネキ「ぶっ!!?」



    もちろんその横にいた僕には、お湯(水)がもろに直撃したわけである。





    カネキ「ッ…げほっけほっ…ちょ、ちょっとっ!?」




    玲「あははっ、楽し〜ですねえ」






    カネキ「はぁ…けほっ…あー、喉いたい…」




    玲「大丈夫です?」



    カネキ「君のせいだよ君の…はぁ…玲くん…湯槽に入る時はちゃんと体洗わなきゃダメだよ?」



    玲「はーい」



    カネキ「それと飛び込み禁止だよ」



    玲「え〜…楽しいですよ?」



    カネキ「でも、ダメだよ」



    玲「けちんぼですねカネキくんは〜」




    ぶーぶー言いながら何故か玲は湯槽から上がりドアの方へ戻っていく



    カネキ「え?」




    そして……




    トタトタトタトタッ





    バシャアァアアァアンッ!!


  58. 199 : : 2015/08/19(水) 12:46:02




    カネキ「ぶぁっ!!?」




    助走をつけて、また飛び込んできたよ…!!




    カネキ「ちょっ、げほっ…人の話聞いてた!?」



    玲「ふふ〜♪カネキくんも一緒にするですよ」





    カネキ「い、いやぁ…僕は遠慮しとくよ」ハハ…



    玲「楽しいのにぃ…」




    玲「…」トタトタトタッ!





    え…まさか…またっ





    バシャアァアアァアンッ!!










    カネキ「」




    玲「あははははっ」






    カネキ「……」






    〜〜〜〜〜〜数分後〜〜〜〜〜〜〜





    トタトタトタ トタトタトタトタッ




    玲「そぉ〜」タァンッ



    カネキ「れっ!」タンッ




    バシャアァアアァアンッ!



    バシャアァアアァアアンッ!





    はい……僕も一緒に飛び込みました……。





    カネキ・玲「ぶはぁっ!」ぶんぶんぶん






    カネキ「あははっ」



    玲「ふふっ楽しいですね〜」




    カネキ「ふふっ…そうだね」




    「「あははははははははっ」」




    一緒に、バカやって(跳び込みやって)、一緒にお湯から顔を出してぶんぶんと首を振っている…その、まるで兄弟みたいな光景が面白くってつい声を出して笑ってしまう。





    これは…仲良くなれたと言っていいのだろうか?



    いや、少しだけど…仲良くなれた気がする。





    ガラガラガラ〜〜!!



    二人して笑っていると また突然…ドアが勢いよく開いた。




    今度はなんだと顔を向けると…



    カネキ「……」



    みるみる内に顔が真っ青になっていくのがわかった…



    鬼がいた。





    教官「お前達〜〜ッ!!こんな時間に風呂でバシャバシャと何を騒いでるんだ!馬鹿者が!!外まで丸聞こえだぞ!!!」



    教官「もう寝る者もいるんだから静かにせんかっ!!!」




    今まで見たことのないほど恐ろしい顔になっている教官。


    幻だろうか。角が見える……幻だな。きっと逆上せたんだ。





    玲「あはははは〜」



    何笑ってんの!…今の状況わかってるの…?


    そんなことしたら更に怒っちゃうよ…




    教官「何を笑っとるんだお前らあぁぁあ!!!」




    ほら……って



    え……僕は笑ってませんけど?!



    と叫ぼうとしたところで…僕たちはさっきまで大笑いしていたことを思い出す。




    そーっと顔に手をやると…口角が、唇が歪んでいる。

    どうやら、声は出していないが、顔は笑ったままだったらしい。



    今度こそ完全に血の気が引いた。




    教官「覚悟はいいなお前達〜〜ッ!!!」






    その日。小さな悲鳴が浴場に響き渡った。


    ─────────────────────────




    玲「教官うるさかったですねえ〜」



    カネキ「ほんとだよ…」




    カネキ「あ〜…もう寝たい……」




    カネキ「…あ、玲くんの部屋って向こうだよね。僕、あっちなんだ」



    玲「そうなんですか〜…じゃあここでばいばいですね。」



    カネキ「うん…じゃあ、お休み」





    玲「お休みです〜」

  59. 220 : : 2015/08/20(木) 18:23:30






    カネキ「んっ…」




    朝……チュンチュン、という鳥の鳴きが僅かに聞こえ、朝なのだろうと思い


    眠気で重たい瞼をそっと開くと…目に太陽の眩しい光が飛び込んできた。

    思わず顔をしかめ、パッと目を閉じる。


    目を閉じても瞼を通り抜けて光が射し込んでくる朝日が鬱陶しくて、布団を頭まで被るが…
    無駄だと言われているように 布団越しからでも光が射し込んでくる。




    カネキ「(寒い…)」



    二度寝をしようとしたが寒さで眠れない。






    ───…今…何時だっけ…?




    目を閉じたまま、ベッドの上に置いてある時計を取り、布団の中に入れそれを見る。





    カネキ「(7時半…)」



    それだけを確認してまた目を閉じ、しばらく丸まっていたが…とんでもないことに気づく。





    ん?……7時半……?





    カネキ「えええっ!?」ガバァッ!!




    叫び声をあげながらガバァッ、と布団を投げ飛ばすようにどかして、体を勢いよく持ち上げる。




    カネキ「やっば…!?今日、8時から講義だった!!」




    バタバタと音を立ててせわしなく部屋を動き回る僕に…ついさっきまで寝ていた同室の男の子が 起き上がり、なんだなんだと慌てて聞いてくる。




    カネキ「早くおきなよ!遅刻だよ遅刻!」



    それを聞いて…男の子は溜息をついてまた布団に入った




    カネキ「ええっ?!」



    男子「ばかだなー…今日は休みだぜぇ〜〜」



    カネキ「え……」






    カネキ「ぁ………そうだった気がする……」




    カネキ「なんだぁ〜……よかったぁ……」





    心底 安堵した…




    カネキ「あぁ〜…」




    もう、寝る気にもならないし…



    とりあえず、顔洗って 歯磨きしてから朝ご飯食べに行こうかな……








    カネキ「……」バシャバシャバシャッ




    カネキ「……」シャコシャコシャコシャコ




    カネキ「…」ガラガラガラ〜 ペッ…





    カネキ「よし……食堂いくかぁ…」




    ───────────────────────────




    カネキ「おぉ…休みなのに以外と人いるなぁ(まだ皆、寝てるかと思った…)」




    カネキ「あっ…」



    そこで、椅子に座って食事をしている3人を見つけた。





    カネキ「おはよう」




    ナシロ「あっ、おはよう。」



    雫「おはよう」



    クロナ「よくあうね…」



    カネキ「ははっ…」



    クロナ「?…研は朝食 食べないの?」



    カネキ「ん……あぁ、いや。食べようと思ってたけど…なんか入りそうにないから止めたよ。」



    クロナ「そう…」



    カネキ「あっ、そうだ。クロナちゃん。今日、勝負するってなってたよね。それ……夕方くらいになりそうなんだけどいいかな?」



    クロナ「えっ?」




    カネキ「ごめんっ…ちょっと用事があって……」



    クロナ「…わかった…」



    カネキ「本当にごめんね」




    クロナ「気にしなくていいよ」




    カネキ「ありがとう…」






    ─────────────────────────




    朝…9時。




    カネキ「さてと……」




    今日は休み……ちょっと用があるので外出をする。


    パパッと着替え…外に出る準備を終えて、廊下を歩いていると、教官にあった。




    教官「ん?なんだその格好?」



    カネキ「すいません、教官。今日、今からちょっと出かけてきてもいいですか?」



    ここでは、勝手に外出するのは禁止されている。外に出る時は教官達に一言 言わなければいけないらしい。



    教官「あぁ、そうか、わかった。気をつけてな」



    カネキ「ありがとうございます」


  60. 240 : : 2015/08/22(土) 14:38:22





    アカデミーを出て…僕はまず花屋へ向かった。




    カネキ「(…どういうのがいいんだろう……)」



    カネキ「(あ……仏花っ書いてある……やっぱこれかな)」




    白い花束を取って、レジへ持っていく。



    「◯◯◯◯円になります…」




    カネキ「あ、はい…」






    「ありがとうございました」





    そして、会計を終えて花屋を出た。






    ───────────────────────────






    カネキ「………」





    向かった先は、母さんの墓…つまり、墓参りだ。




    墓の前に着くと、カネキはそっと手に持っていた花束を置き…

    しばらくの間、目を瞑る。





    カネキ「…………」




    カネキ「…………母さん。」




    カネキ「僕さ…喰種捜査官になるよ。」



    カネキ「今は、アカデミーで勉強してるんだ…数年後には喰種捜査官になってると思うよ…」



    カネキ「アカデミーには、変わった子が多いけど、皆いい子で、楽しいよ。」



    カネキ「僕は元気にやってる。だから、心配しないで」






    カネキ「……じゃあ…」





    「また来る」と言い残し、その場から足を動かす。





    カネキ「…」





    母さん…



    『傷つける人より、傷つけられる人に』




    母さんは…僕にもそんな風に生きて欲しかったんだと思う…


    だけど…ごめんなさい。僕は母さんの望んだようには生きられない...。



    強者というのは、単純にいえば傷つける(奪う)側の事。


    そして、弱者は傷つけられる(奪われる)側の事。







    僕は……傷つける(奪う)側になるよ...。







    僕は…強くならなきゃいけない。
    大切なものを全て守れるくらい


    …強く。





    ───もう二度と…失わない為に。




    ──────────────
    ──────────
    ───────
    ───






    ヒデ「ようカネキ!久しぶり?…だな!」




    カネキ「はは…まだ1ヶ月も経ってないよ」


    カネキ「ごめんね、急に呼んで」




    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


    カネキ『もしもし?ヒデ』



    ヒデ『カネキ?…なんだ?』



    カネキ『うん。実は今…近くに来てるんだけど…今から時間ある?』



    ヒデ『おー、いいぜ!ちょうど暇だったしな!』



    カネキ『ありがとう…』



    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



    ヒデ「いやいや、気にすんなって。言ったろ?ちょうどヒマだったって。」



    ヒデ「俺も久しぶりに遊びてぇなって思ってたし」




    カネキ「そっか……」




    ヒデ「…」



    なんか暗らいな…カネキがこっちに戻ってきたってことは…


    やっぱ墓参りか……それで暗くなっちまったのか…





    ヒデ「よしカネキ!バーンと遊び行こうぜ!」



    ヒデは僕の腕を掴んで走り出す。



    カネキ「…!(……バーン?)」




    僕を元気付けようとしてくれてるのかな…




    カネキ「ありがとう…」



    ヒデ「へへっ」

  61. 253 : : 2015/08/23(日) 07:03:00
    すみません僕小学生何で鈴屋何って書いてあるんですか?
  62. 254 : : 2015/08/23(日) 09:27:19
    >>253
    しゅうぞうじゃないの
  63. 262 : : 2015/08/24(月) 13:53:40
    254さん
    ありがとうございます
         _∧_∧_
         ((∀`/  )
        /⌒   /
       /(__ノ\_ノ
      (_ノ |||
    バンザイ ヤッターネ
     ∧_∧ ∧_∧
    (( ・∀・ ))・∀・) )
    `\   ∧   ノ
     /  |/  |
    (_ノ_)_ノL_)
  64. 264 : : 2015/08/25(火) 15:16:55
    やっぱり最高
  65. 273 : : 2015/08/26(水) 14:14:35





    それから、ヒデは元気が無い僕を
    いろんなところに連れて行ってくれた。


    カラオケ、ボーリング、ゲームセンターや、

    …遊園地。








    ヒデ「うわあああああああああああああっ!!!?!」




    ゴオオオオォォ─────ッ!!!



    そして、ただいまジェットコースターで大絶叫中。




    ヒデ「うおおおおお!?!うあああああああっっ!!!」




    カネキ「────っ!」














    ヒデ「はぁーっ…ハァ〜ッ…あー、死ぬかと思った…!!」



    カネキ「ヒデうるさすぎだよ…」




    横で情けなく叫んでいた親友に苦笑する



    ヒデ「いやっ!お前はなんで平気なんだよ!」




    カネキ「い、いや…ぼく、ちょっと具合が…うぷっ!?」



    ヒデ「うおおいおい!?大丈夫かっ!」



    カネキ「う、うん……」



    ヒデ「とりあえず座るか……俺もちょっと気持ちわりぃ…」



    カネキ「うん…」




    気をつかってヒデはそう言った。僕達はは空いているベンチを見つけ、そこに腰掛ける。




    カネキ「…」




    カネキ「ヒデ…ありがとう……」







    ヒデ「ん?なんか言ったか?」






    さっきまで「飲み物かってくるわ」と、買いに行っていたヒデが戻ってきたようだ。





    カネキ「ん?あぁ、いや…」



    ヒデ「そうか?ほれ、飲みモン買ってきたぞ。お茶でよかったか?」



    カネキ「うん。ありがとう」




    お茶を受け取り、ちょびっとだけ口に含む


    冷たくて、サッパリとしたお茶は…僕の酔いを、一気に洗い流してくれているようだ。



    カネキ「は〜っ……結構、気分が良くなったかも…」





    ヒデ「そうかそうか。」




    カネキ「っていうかさ…遊園地って男が2人で来るところなの普通?」



    ヒデ「バッカお前!来るっちゃ来るだろうけど、俺としちゃあ、お前よりも、可愛い女の子と来てーよ!」



    カネキ「あはは…」



    ヒデ「あ、そだ。…お前アカデミー?ではどうだ?上手くやってんのか?」




    カネキ「ん?…あぁ、…うん。仲が良い。と呼べる人は数人できたよ。」




    ヒデ「へぇ!それはよかったじゃねぇか!俺もお前が一人じゃなくて嬉しいぜ!」



    カネキ「はは…ありがとう」



    ヒデ「それで?その仲いい人ってのはどんな奴らなんだ?聞かせてくれよ」



    カネキ「う〜ん…どんなって言われてもなぁ…変わった子達かな…?いい子たちだよ」



    ヒデ「なんだそりゃ…ってか変わった子って…お前が言うなよな…」



    カネキ「え?僕変わってるかな…?」



    ヒデ「変わってないとは言えないだろうな〜」



    カネキ「え〜…」




    ヒデ「ははっ!……じゃあ、その変わった子(仲がいい子)ってのは、女の子か?男の子か?」



    カネキ「女の子が3人と、男の子が1人…かな」



    ヒデ「おいおい、お前あっちでもモテモテかよ?羨ましいぞこの野郎っっ!」


    カネキ「い、いや…そういうわけじゃないと思うんだけど…」
  66. 274 : : 2015/08/26(水) 14:22:52





    ヒデ「ったく…ん〜…じゃあ、その女の子と男の名前は?」




    カネキ「え?…あぁ…女の子の方が、安久クロナ、安久ナシロちゃん。あと川上 雫ちゃん。」



    ヒデ「ん?その安久ちゃんは姉妹か?」



    カネキ「双子だよ」



    ヒデ「おー、なるほどな」



    カネキ「2人の性格とかは…おとなしい感じかな。雫ちゃんは、優しくて元気な子」



    ヒデ「へぇ〜……可愛い?」



    カネキ「えっ?…ええと…可愛いんじゃないかな?」



    ヒデ「だから羨ましいってんだよ!」


    カネキ「ええっ⁉︎なんで怒られるの…」



    ヒデ「はぁ……男のほうは?」



    カネキ「…名前は鈴屋 玲。 この子は女の子みたいな男の子。」



    ヒデ「はぁ?何言ってんだよカネキ」



    カネキ「中性的ってこと」



    ヒデ「へぇ〜…そういう子いるんだな。見てみたい…」


    カネキ「ははっ…」





    それから しばらく、 座ったまま僕のアカデミーの事や、ヒデの最近の学校での出来事などを話していた。









    ヒデ「さてと…もう遅いな。遊園地の物はあらかた遊びつくしたし…そろそろ帰るか?」




    カネキ「そうだね」






    僕達はベンチから立ち、遊園地を出る。




    ヒデ「今度はもうちっと人連れて来たいな〜」



    カネキ「あはは…ヒデって僕以外で…一緒にこんな所に来るような友達いるの?」



    ふふっ、と苦笑いしながらいうカネキに、ヒデはムッとしながら言った。



    ヒデ「お前だっていねぇだろっ」



    カネキ「ははっ」




    カネキ「あ…………」



    ヒデ「ん?どうした?」



    突然、何かを思い出したかのような呟きに、ヒデが顔を向け聞いてみると…

    カネキの顔が悲しそう…というか「やっちまったーっ」的な顔になっている。




    カネキ「しまった……」



    ヒデ「だ、だからなんだよ?」



    カネキ「今日……高槻 泉のサイン会があるんだった─────っ!!!」



    ヒデ「うおっ、ま、まじか……」



    うわぁ……カネキ……残念だったな。それと…なんかごめん。



    カネキ「どうしようっ!?」



    ヒデ「な、何時までだっ!」



    カネキ「わからない…っ」


    ヒデ「っ!なら…急いで行ってみようぜ!!もしかしたら まだやってるかもしれねぇ!」



    カネキ「い、いや…でも今4時(16時)だよ…流石に終わってるんじゃ」



    ヒデ「おいっ諦めるな!行くだけ行ってみるぞ!場所は!」



    カネキ「え、駅前の本屋...。」



    ヒデ「駅前の本屋…!?(結構距離あんな…っ!)」




    ヒデ「っ!いくぞカネキ!」ダッ



    カネキ「う、うん…!」タッ



    ───────────────────────────




    《高槻 泉 サイン会は終了いたしました》





    ヒデ「あ〜〜〜ッ!終わってた〜…!」



    ヒデ「すまんカネキッ」


    カネキ「いや…なんでヒデが謝るのさ。別にいいよ。また今度(サイン会が)あった時に貰うから」
  67. 275 : : 2015/08/26(水) 14:31:38




    ヒデ「そっか...。あ!そうだ!お前が忘れた時の為に、今度は俺が貰っといてやるよ!」



    カネキ「ふふっ。ありがとう」





    ヒデ「おう……ってそれより。
    どうする?お前、確か アカデミーって…20区じゃねぇよな。今、駅のすぐ前だし、このまま帰るか?」




    カネキ「あー…うん…そうだね。…この後ちょっと約束もあるし。いいかな?」



    ヒデ「おう!じゃあ、またな!」



    カネキ「うん...。」




    カネキ「…ヒデ…気をつけてね」



    ヒデ「?何にだよ?」




    カネキ「……いや…今、いろいろと物騒らしいしね…」



    ヒデ「ははっ、ああ。お前も気いつけろよっ」



    カネキ「うん。じゃあねヒデ。今日は楽しかったよ…ありがとう」








    ヒデ「ああっ!」






    ヒデ「……あいつ…顎……触ってたな」



    どんどん遠ざかっていく親友の背中を見ながら、ヒデはボソッと呟いた...。



    ヒデ「はぁ〜……あいつの力になりてぇのに…俺、なんにも力になってやれてねぇな…」




    ─────カネキ…なんか困ったことがあった時は、俺に頼ってくれよ...。




    ──────────────────────────





    クロナ「はぁっ!」



    タァンッ!



    「一本!」





    ナシロ「うっ…負けか…」




    クロナ「…私も危なかった」




    ナシロ「そういば…研、まだ帰ってこないね」



    クロナ「うん。」




    ナシロ「よし…もう一回やろう…!」




    クロナ「うん」




    もう一度 試合を再開しようとしたところで、クロナ達が待っていた人物の声がかかる。





    「お〜い」




    クロナ・ナシロ「!」





    カネキ「ごめん。待たせちゃって」






    クロナ「ううん。それより、用事っいうのは終わったの?」



    カネキ「うん、ちょうどさっきね」



    ナシロ「じゃあ、早速で悪いけど相手してくれる…?」



    カネキ「うん、勿論。」




    微笑みながら答え、竹刀を持った。




    カネキ「どっちと闘えばいいの?ナシロちゃんかな?」



    ナシロ「うん…私から」




    カネキ「じゃあ……始めようか」





    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




    カネキ「ほらっ…守るだけじゃなく攻めないとっ!」




    ナシロ「っ!(わかってる…けどっ…攻められない…!)」



    凄い速さで自分をあらゆる方向から狙ってくる剣に、ナシロは守るのも精一杯であり、気を抜けば一瞬で一本取られてしまう。

    そんな中で反撃などできるわけもなく、ナシロは防戦一方となっていた。






    パァァァンッ…





    カネキが放った竹刀で、ナシロの竹刀が手から離れ、宙へと吹き飛ばされる。





    カネキの勝利だ。






    ナシロ「ッ…(強い…!)」

  68. 276 : : 2015/08/26(水) 14:38:30




    クロナ「次は私…」






    カネキ「どうぞ」





    クロナ「ッ!」ダッ!



    カネキが言った瞬間、クロナは床を蹴り、高速で竹刀をカネキへ放つ。





    パシンッ!パシンッパシンッ!バシッ





    カネキ「攻めはいい。けど…守りが甘いね」






    パシッ




    前回と似たように、今度はがら空きの胴に…竹刀をポンっと当てる。





    クロナ「ッ…(こんな一瞬で……!)」





    カネキ「はい。次…!」





    ナシロ「私…」




    カネキ「あ……そうだ。」



    ナシロ「?」



    クロナ「?」





    カネキ「…2人同時にかかって来なよ」



    クロナ・ナシロ「は…?」




    その完全に馬鹿にしている発言に、双子は一瞬何を言ってるか理解できていなかったが…


    数秒後、それを理解し…ぷるぷると震えながら、顔を真っ赤にしている。


    お怒りのようだ。





    カネキ「…ふふっ」




    カネキは人差し指を前後にクイクイッと動かす。




    クロナ「このっ…!」




    ナシロ「絶対」




    クロナとナシロはガッ、ガッ、と。同時に竹刀を強く持ち、カネキへ突撃した。





    クロナ・ナシロ「勝つッ!!」




    ────────────────────────────






    パシィンッ…




    クロナ「く…っう…!」




    ナシロ「はぁ…はぁ……っ」





    カネキ「ふぅ……」




    あれから、約、1時間と30分。




    カネキは2人を同時に相手をしているにもかかわらず、疲労感がない。




    対するクロナ&ナシロは、もう完全に疲れ切っている。


    そして、この2人は、まだ一本も取ることができていない。




    カネキ「6時30分...。よし、2人とも。今日はもう終わりにしよう。」




    クロナ「ッ……わかった…」




    ナシロ「……また明日、よろしく」






    カネキ「うん。」

  69. 294 : : 2015/08/28(金) 13:31:38




    カネキ「さて……確か今日、玲くんと遊ぶ約束してたよな…(空……結構、暗くなっちゃった)」




    カネキ「どこにいるかな……?」




    またいつものところでアリを潰してるんだろうか…?



    アリを潰す玲の姿を思い浮かべながら、その、いつもの場所へ向かった。






    カネキ「あれ…いない……」




    そこに玲の姿はなかった。



    カネキ「?……どこにいるんだろう……」




    すると、ガサガサッと、草が揺れる音が林の方から聞こえてきた…


    カネキ「…?」




    訝しく思いながら、音がなったほうに顔を向けると…



    人影がチラリと見えた…




    カネキ「…(こんな暗いのに…林(森)になんのようだ……?)




    そんなことを考えながらも、僕は林の方へ向かう足を止めない。


    足音を消し、呼吸を落ち着かせ…そーっと近づいていく…



    確か…前にもこんなことがあったな……あの時は、内野教官がいて…ネコが死んでたんだっけ…





    カネキ「(大人…誰だ?……ここの職員か…?)」




    林に入り、音のした方へ近づくと、一人の大人の中年男性がいた。


    着ている服からして、おそらくココ(アカデミー)の職員、教官だろう。



    カネキ「(見たことないな…あんな人。)」



    息を殺し、気配を消し、木に身を隠しながら顔をひょこっと出して…
    何をやっているのか目を凝らして確かめる。



    男のほうは、よくは見えないが、顔に大きな傷痕がある。




    カネキ「(うん。やっぱりこんな人見たことないな……)」




    男「……」




    しばらくして、男は何かを木の枝に置いて、その場を静かに離れていった。





    カネキ「…?」




    男の人が居なくなったのを確認し、木から体を見せる。


    そのまま、勝手に見るのも悪い気はしたが、気になったのでさっき男性が何かを置いた木に近づいた。






    カネキ「…これは……」





    木にぶら下っているモノをみて、カネキは目を細めた。


    それは、以前も見た…血塗れで 死んでいる────




    カネキ「猫……」



    また?…どういうことだ…もしかして……あの男の人がこれをやったのか?


    いや…これを他の職員に伝えに行ったのかも……



    カネキ「…(でも……そんな感じじゃなかったな…)」



    よくは見えなかったが、男の人の表情や雰囲気からして…それはなさそうだと結論付ける。



    カネキ「じゃあ、やっぱりあの人が……?」




    調べてみるか?


    ………




    カネキ「いや…変な事に首を突っ込むのはやめたほうがいいな……」


    犯人がわかったところで、どうしようもないし。

  70. 295 : : 2015/08/28(金) 13:39:28




    ─────────────────────────





    玲くん探しを再開しようと、カネキは森のような林を出てキョロキョロと動き回る。

    すると、…玲くんは、さっき見たときは居なかった…いつもの場所に居た。




    玲「あ…カネキくん〜…」




    玲はカネキに気づき、名を呼んでくる。



    カネキ「やあ…玲くん。遅くなってごめんね。」



    玲「別にいいですよ〜」



    カネキ「ありがとう……そういえば、さっきこの辺探してたんだけど、居なかったよね?」


    玲「おトイレいってたです」



    カネキ「ああ、なるほど」




    カネキ「あ、玲くん…昨日、遊ぶ約束してたよね。何して遊ぶ?…何かしたい事ある?」




    玲「ん〜……お絵描きしたいです」




    カネキ「絵かぁ〜…紙とか描くヤツあるのかな…」





    ちょっと探してくるね、と言って紙や鉛筆を探しに行った。



    ────────────────────────────




    カネキ「あったよ。教官に言ったら持ってきてくれた。」



    持ってきた、絵を描く道具(といってもクレヨンや鉛筆だが…)を見せると、

    玲は嬉しそうに歓声の声をだす。



    玲「おぉ〜」



    カネキ「はい。」



    自分の手に持っている紙と道具を玲に向けると、パタパタとさっきまで座っていた場所から立ち…

    それを両手で受け取る。





    玲「カネキくんも一緒に書きましょう」



    にっこりと笑いながら、ビリっと紙を一枚 破って僕に渡してくれた。




    カネキ「あ、うん。そうだね」



    その笑顔につられて、僕も微笑しながら紙を受け取った。





    カネキ「じゃあ、隣 座るね─────」



    カネキが玲の隣に腰を下ろそうとしたところで、その場所に音も立てずに這いずっていた生き物を視界にいれる。





    カネキ「───っ!」




    ほんの一瞬、心臓が跳ね上がった。




    百足(ムカデ)「」ゾゾゾゾゾッ




    玲「ん〜?」



    玲「ムカデちゃんですね〜」



    可愛らしくいうと、ムカデをヒョイ、と つまんで、ぽい、と捨てるように投げた。




    カネキ「ッ…はぁ…っ」





    ッ…なんで…?…一瞬でも、ムカデに脅(おび)えたのだろうか。


    …脅えた…?…恐れた?……



    何か違うような気がする…恐怖とかより、心臓を鷲掴みされたような……



    なんで?……


    気持ち悪かったから?……



    わからない……




    ただ……今はとっても、嫌な気持ちだ。






    玲「?どうしたです?だいじょうぶですか?」



    カネキ「いっ、いや…」




    なんでもないよ、と。いつものように笑って誤魔化した。




    カネキ「絵…描こうか。」



    玲「…はい」




    ムカデのことなど、ムカデに対してのさっきの感情など一切忘れて…
    玲くんと楽しく遊ぶ事に集中した。






    玲「〜♪」カキカキ



    カネキ「…?」




    何を描いてるのかな…と思って、目だけを横にチラッと向け、玲くんの膝に乗ってる紙を見る。



    ん?なんだろう…?





    カネキ「玲くん…それ、まさかキリン…?」



    玲「そうですよ〜」




    カネキ「へ、へぇ〜…」



    カネキ「……動物、好きなの?」




    玲「断面図とか想像すると楽しいです」



    カネキ「そ、そう」アハハ…



    玲「カネキくんは何描いてるです?」



    今度は玲くんが聞いてくる。





    カネキ「僕は…まだなにも」



    玲「え〜、何も描かないですか?」



    カネキ「あっ!そうだ!玲くん描いてあげようかっ?」



    玲「本当ですかぁ!じゃあ、ヨロシクお願いしますです」



    カネキ「うん。」

  71. 311 : : 2015/08/29(土) 14:52:01





    玲「カネキくん〜〜…まだですかぁ?疲れました…」



    カネキ「も、もうすこしだからっ」カキカキ




    玲「……」




    カネキ「……」カキカキ




    玲「…………まだで────」


    カネキ「できたっ!」



    玲「おお〜っ!できましたかぁ!」



    カネキ「うん。(こんな感じで良かったのかな…?)」



    玲「みせてください」




    カネキ「どうぞ」





    玲「わあ〜。カネキくんは絵がお上手ですねえ」



    カネキ「ふふ、ありがとう」



    カネキが描いた絵は猫と戯れる玲の絵。

    玲の様子を見るに、どうやら気に入ってくれたようだ。


    絵などあまり描いたことはなかったが、カネキは色々と器用なので、
    あまり「やったことがない」「したことがない」モノでもそれなりに上手くできる。


    今、描いた絵は…自分で見ても上手く描けたと言えるかもしれない。



    玲「ふふ〜♪」



    嬉しそうに笑う玲を見て、カネキの口元も自然と綻ぶ。



    カネキ「玲くん。今日はもう遅いし部屋に戻ろうか」



    玲「え〜…部屋もどってもつまんないです」


    カネキ「いや…でも、教官に見つかったら面倒だしさ、ね?また明日遊ぼう」



    玲「仕方ないですね〜」



    カネキ「はは…ごめんね」


    玲「この絵もらっていいです?」



    カネキ「うん、もちろん」



    玲「ありがとです」



    カネキ「じゃあ、戻ろうか?」



    玲「はい」




    ────────────────────────────





    カネキ「あ〜…さっぱりした〜」



    カネキはあの後、食事をすませて、部屋にもどった。


    そのすぐあとに…部屋のお風呂でシャワーを浴び…今あがった。



    カネキ「お風呂あいたよー」



    同室の男子に声をかけると元気よく返事が返ってきた。



    「いや!俺はお前が部屋の風呂入ってる時大浴場に行ってきたぞ〜」



    カネキ「え?そうなの?…」



    「そうだ!俺はもう寝る!じゃあなっ!」


    カネキ「あ、うん。じゃあ(寝る時に「じゃあな」っておかしくないか?)」



    そんなことを考えながらも、カネキもつい「じゃあ」と言ってしまっている。


    カネキ「まぁ、いっか…」



    同室の男子が眠ったのを見て、カネキも布団(ベッド)に入った。





    カネキ「……」






    そして、瞼をゆっくり閉じ…眠りに就いた。






    ─────────────────
    ────────────
    ──────







    『あ…さん…』





    ん…?……誰?





    『か…さ……ん』



    『たす…けて』



    『くらい……こわ…いよ……ぐすっ』



    小さい少年が…泣いている。

    何も見えないところで、声だけが聴こえてくる。


    君は誰?どうして泣いているの?



    『だれか…だれか……ここは…どこなの…ねえ…?』



    答えは返ってこない。





    『たすけて…たすけてよ…ぉっ!』




    ゾゾゾゾゾゾゾゾゾッ



    『な、なに…!?』




    百足『』ゾゾゾゾゾゾッ




    『──────ッッ!!!?』




    『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!』










    カネキ「─────ッあああッ!!?」





    カネキ「!?…はぁ…はぁっ…!?」




    カネキ「はぁッ…はぁッ……」




    落ち着け…!……なんだ…今のは……?




    カネキ「……夢…?」



  72. 313 : : 2015/08/29(土) 14:53:38
    期待です
  73. 315 : : 2015/08/29(土) 20:31:01
    金木~大丈夫か?
    期待
  74. 316 : : 2015/08/29(土) 20:59:05
    すごいいいところで切れた〜!
    期待
  75. 317 : : 2015/08/30(日) 01:01:51
    期待してる
  76. 326 : : 2015/09/01(火) 21:29:17






    カネキ「……ッ」



    …嫌な夢だな……



    カネキ「あ……」



    体を動かした瞬間、ギチッという感じがした……自分の体をみてみると…汗で
    服も体もびっしょりと濡れている。


    このままじゃ気持ち悪いので、とりあえず布団から出て上衣を脱ぐ。


    カネキ「いま…何時だろ…」


    時間を確認すべく、背を向けたまま
    手を後ろへ動かして、枕元に置いている(と思う)携帯を探る。





    カネキ「……4時。」



    深夜の4時。どうも中途半端なところで目覚めてしまったらしい。


    しかも、完全に目が冴えてしまっているので、もう一度眠ろうにも眠れない。
    仕方ない…と。早いけどもう このまま起きてこうと決める。…ベッドから立ち上がり、脱いだ服を風呂場へ持っていく。




    カネキ「もう一回…シャワー浴びなきゃ……」












    ザァァァァァァァ……




    カネキ「………」



    ザアアアッ、と勢いのいい生暖かい水がカネキの身体をうってくる。



    カネキ「………なんだったんだろう……さっきの夢は…」



    何か……わからないけど……すごく嫌な夢だった事はわかる。



    何か……やけにリアルだったな……



    それに……あの少年は……



    どこかでか……見たことがある?



    よくはみえなかったけど……僕に似ていたような……




    カネキ「いや……」




    ただの怖い夢だ。と 自分に言い聞かせるように首を横に振った。







    ───7時30分。

    お風呂から上がって、やることもなかった為、読書をしていた。だが、ただ文章を読み上げるだけで…
    内容が全く頭に入ってこない。



    読書は諦めてベッドに転がっていたら……いつの間にか もうこんな時間になっていた。




    カネキ「はぁ…」



    あの夢が頭から離れない……





    男子「どうしたんだ、朝から溜め息ついて??」



    僕の様子に気づいて、同室の男の子は疑問に思ったのか聞いてくる。


    いつ起きたんだ.......。




    カネキ「いや、なんでもないよ…」



    顎をさすりながら…苦笑いのような笑顔で答えた。


    男子「そうか?あ、お前、そういえば朝飯くってねえよな?いいのか?確か今日戦闘訓練だったから。食わないとすぐへばるんじゃねえか?」


    カネキ「戦闘訓練?」



    え…なにそれ…?……



    カネキ「そんなのがあるの?」



    カネキ「僕、まだ一度も…」



    男子「ああ、あるぞ!最近はそのタントー(担当)の教官がなんか忙しくてあまりなかったけど…」



    カネキ「…へぇ……どんなことをするの?」



    男子「簡単なこと。武器の持ち方とか喰種との戦い方とか!」



    カネキ「へ〜……(簡単なこと……やっぱり本格的なことはアカデミーからって事か。)」



    男子「でも俺さー、あんまり好きじゃないんだよなぁ……その教官がさ、めっちゃ怖いんだよ。顔とか」



    カネキ「そ、そうなんだ…?」




    男子「ああ…って!話逸れたけど飯だよ飯!!食わなくていいのかっ?」


    カネキ「うん…大丈夫」



    男子「おいおい、朝はちゃんと食っとかないとダメだって教官言ってたぜー?…」


    カネキ「だ、大丈夫だよ」



    男子「ふーん?…あ!じゃあ早く行こうぜ!遅れるとマジ怒られるから!」



    カネキ「あ…うん……」




    ────────────────────────────





    戸影「よし。お前ら集まったか。来てない奴は…居ないな。」


    [第二アカデミー教官 戦闘教練担当]


    戸影 豪正(とかげ ごうまさ)




    戸影「これより戦闘訓練を開始する」





    カネキ「…!!(あれ…?)」



    …………あの顔の傷……間違いない。

    あの時居た人だ……
  77. 327 : : 2015/09/01(火) 21:52:01
    期待
  78. 328 : : 2015/09/01(火) 21:58:21



    戸影「…!…お前は…見た事無い顔だな。」


    戸影「……ああ 確かこの前入って来たっていう…」



    戸影教官は思い出すように言った。



    カネキ「どうも…金木 研です…」



    戸影「ああ…戸影 豪正だ。」




    戸影「じゃあ、始めるぞ───」




    ────────────────────────────



    訓練が終わり…僕はいつものように

    自動販売機が置いてある 手前のベンチで缶コーヒーを飲んでいる。



    カネキ「…(戸影 豪正…)」



    皆が言うように普通に厳しい人だったかも…


    見た目は相当ヤバいけど…


    顔の左側には大きな火傷のような傷痕…

    左右の目の大きさも違う。(例えるなら真戸さん)

    口元は歪んでいて、上の方の歯茎が見えている。


    一体なにがあったのか。




    教官「よう金木」



    カネキ「あ、教官」



    黙ってコーヒーを飲んでると、教官が声をかけてきた。

    この教官は、身体能力を測るとかで僕を散々疲れさせた人だ(実際はあまり疲れていなかったが)



    教官「どうしたんだ。カッコつけてコーヒーなんか飲んで」



    カネキ「別にカッコつけてなんかないですよ…」


    教官「ははっ…そういや、さっきまで戦闘訓練だったよな?厳しかっただろ?」


    カネキ「え?…ああ、まぁ」



    教官「あの人を苦手な生徒は結構いるんだよな…」



    カネキ「…でしょうね。あの見た目じゃ怖がりますよ。」



    教官「はははっ」



    カネキ「戸影教官の、あの傷はどうしたんですか?」



    教官「知りたいか?」


    カネキ「えぇ、まぁ…(どっちでもいいですが)…」



    教官「戸影教官は過去にコクリアの尋問官を務めていたんだが…」


    カネキ「?コクリア?」



    教官「喰種収容所のこと」



    カネキ「ああ…なるほど。………倒した喰種を殺さずに、生け捕りにしてるってことですよね?」



    教官「ああ、組織に入ってる喰種とかは色々と情報を持ってるからな…」


    教官「で、ある日…戸影教官が喰種に対してキツイ尋問を繰り返していたところ……隙をつかれて 逆襲され、あの傷を負ったとか……」



    カネキ「へぇ……」




    カネキ「ん…?」



    あれ?…隙をつかれて逆襲……?
    似たようなのをどこかで……



    教官「その時に逃走した喰種が
    ………お前も知ってるだろう?
    「13区のジェイソン」って奴らしい」




    カネキ「!」




    ……なるほど……そうか。ジェイソンと戦ってた時に話していた
    「ネジのぶっ飛んだ捜査官」っていうのが戸影豪正。





    じゃあ、林の方で猫が死んでたのは……おそらく…猫を殺したのは あの人。



    カネキ「……」



    教官「おっと…あんまり人のことをベラベラ喋るのは良くないな。」


    カネキ「…はは。そうですね…」




    教官「じゃ、俺は仕事があるので行くぞ。」



    カネキ「はい。」




    教官「!あっ、そうだッ…!」




    カネキ「.…?」


    教官「実は…次の講義に…”ある人“ が来るんだが…
    ……まぁ、お前に限ってそれは無いと思うんだが……一応言っておく。絶対!絶対に!!遅れるなよ…!」



    カネキ「っ…?」


    どうしたんだ急に…?




    教官「なんたって今日は、特別に“あの人”が来るらしいからな。」


    教官「遅刻なんて…そんな失礼真似は絶対にするなよ…っ!」



    先程の大人びた感じとは違い、真剣な顔でそわそわしだして、教官の様子がガラッと変わる。


    これはまるで…

    どこかのお偉いさんが来る時のような…




    カネキ「あ…は、はい…?(あの人?)」


    よくは解らなかったが、とりあえず返事をしておいた。



    教官「お前、本当に遅れるなよっ?他の生徒にあったら「遅れるな」と伝えといてくれ!!」



    そう念押しして、教官はバタバタと去っていく。





    カネキ「は、はい…(どうしたんだろう…?)」




    ……遅れるなって言われたし……もう行っておこうかな。



    あぁ、でも…早く行って 黙って待ってるのはなぁ…



    …始まるまで、本でも読んでればいっか────……

  79. 329 : : 2015/09/01(火) 22:07:37
    今日はここまで!です!


    戸影出した意味あったか?ってくらい何もしていませんね。(笑)


    ヤモリだからそれ関係で、名前が戸影(トカゲ)なんでしょうかね?

    戸影さん本当に出す意味なかったような…(この前出すとか言ったから出さはいのはまずいかなぁと…)

    まぁ、教官1とか教官2とかより名前出して ハッキリさせといたほうがいいですよね。



    そして…教官が言っていたあの人って誰だよ笑



    >>327ありがとです!!
  80. 330 : : 2015/09/01(火) 22:27:18
    ヤモリのほうまったく動きませんね、気になります。
    あの人って誰ですか?
    期待
  81. 331 : : 2015/09/01(火) 23:26:44
    期待してる
  82. 332 : : 2015/09/02(水) 00:17:50
    ムカデは熱湯に弱いから家に出現したら魔法瓶にお湯いれてぶっかければすぐ死ぬよ!
    ムカデなんか怖くない!

    ん、何かズボンの中がムズムズするなぁ?チラ

    ムカデ「1000-7は?」
  83. 334 : : 2015/09/02(水) 14:46:18
    期待です
  84. 337 : : 2015/09/02(水) 22:32:04
    誰が来るのかなソワソワ 期待です
  85. 342 : : 2015/09/04(金) 00:35:38
    すっげー面白い(ノ∀`)

    続きがきになりすぎる(´つヮ⊂)ウオォォ
  86. 344 : : 2015/09/04(金) 03:38:21
    超期待
  87. 345 : : 2015/09/04(金) 14:22:41
    超期待しております
  88. 347 : : 2015/09/04(金) 18:09:33
    >>330ですね。ヤモリ動きませんね……
    あの人はあの人です(笑)
  89. 348 : : 2015/09/04(金) 18:33:59






    ─────…一言で言うなら…



    綺麗…であった。







    早めに講演室に来ていたカネキは
    講義が始まるまでする事がなかったので、窓の方の 隅っこの席でとりあえず本を読んでいた。



    本を読み始めてから数十分。徐々に他の生徒たちも…いつもより早めに部屋に集まってきていた。

    おそらく…僕のように教官に言われたのだろうという事が想像できた。

    皆も…何故こんなに早く来なければいけないんだ?…というふうに頭に「?」マークを浮かべている。



    正直、僕もよくは解らない....。



    ほとんどの生徒が集まってから、約10分後。


    教官が言っていたと思われる…
    例の”あの人“が
    ガラガラ…と。ドアを開け 静かに入って来た。

    ドアの向こうから現れた人物をみて、僕も…そして他の人達も…






    …綺麗だと思った.......。



    黒いスーツに身を包み、眼鏡をかけた 白と黒(いや紺色だろうか?)が混ざった奇妙な髪の色をした男性が…
    コツコツと気持ちのいい足音を立てながら入室してくる。




    僕は…その人を見て、一瞬…あの嫌な夢の事など忘れ…
    自分の席から…じっと彼を見ていた。そして…少し驚いた。


    その人の顔からは…嬉しさや 悲しさ…などといった…一切の感情が感じ取れない。
    無表情…といえるくらい顔には何も表していなかった。

    それはおそらく…彼の心理状態や、性格がそのまま映し出されているのだろう。そういう人なのだと......。




    冷静で、凛としてて……何事にも動じない…

    そんな顔をしている。いや…実際、そういう人なんだろう。




    一目見て理解した…あの人は、“強者”だと。

    それも…圧倒的な。


    …彼は、これまで僕が戦ってきたどの相手よりも強いのだろう。


    想像もつかないくらい……絶対的な“強者”




    カネキ「.…ッ」



    息を呑み…頬に冷や汗を流していると
    不意に、彼が口を開いた




    「有馬 貴将」




    ………………?



    なんだ…有馬 貴将?


    …あの人の名前か?………名乗るにしても唐突すぎやしないか…?



    変わった人だな…と心の中で思っていると、急に周囲がざわめきだした




    「え〜っ!?有馬って…あの!?」



    「有馬特等ッ!?」


    「すっげー!!」


    うるさいほどに驚いてるな…
    やっぱり凄い人なんだろうな…



    予想外の人物の登場に、皆はほんの一瞬の間 驚きで声も出せないという風に仰天していたが、すぐに
    ワーワー!と。歓声の声を上げて騒ぎ始める。




    「わあー!本物だー!!」



    「すげええええ!!」




    一向に騒ぎが収まる気配がない子供達。

    有馬は相変わらずの無表情で
    騒ぎが収まるのを待っているのか
    黙ったままだ。


    そして…今もなお収まらない歓声に教室(講義室)の外で見守っていた教官達が ガラッ!と。強く…しかしどこか遠慮気味にドアを開け、ズカズカと入ってくる。


    あ…これ怒られるヤツだ




    教官「こらァアッ!!!」


    教官「お前達いい加減にしろ!!いつまで騒いでるつもりだッ!有馬特等に失礼だろう!」



    教官「静かにしなさい…!!!」



    そして…案の定、教官は眉間に皺を寄せながら生徒たちに一喝する。



    怒鳴られた生徒達はビクッと肩を揺らし、「ごめんなさーい」と。 苦笑いで 舌をペロッと出しながら謝った。




    教官「ったく……」


    ちゃんと反省しているのかと…溜息をついたあと、後ろを振り返り…
    今度は教官が謝罪をした。…



    教官「すいません。有馬特等…うちの生徒達が……」



    有馬「いえ。…元気なのは良いことだ」




    「そーだぞー!」


    「いいことだー!」



    教官「こ、こら!お前たちっ…!」



    教官「本当にすみません…!」



    もう一度頭を下げる教官。



    有馬「ああ。それより…そろそろ講義を始めたいんだけど。時間もないから…」


    教官「そ、そうでした!すいません!」



    有馬「もう謝らなくていいよ…」



    教官「で、では!私は出ますので…生徒たちをお願いします」


    教官の言葉に有馬が小さく頷く。



    教官が出る直前。生徒達から「もうくんなよー」と言われ…
    額に青筋を立てて、頬をぴくぴくと動かしながら教官は教室を出て行った。




    カネキ「(教官も大変だなぁ…)」




    同情的な眼差しで 教室(講義室)から去って行く教官をみていると


    彼…有馬特等が口を動かす。




    有馬「…では───」





    有馬特等による講義が始まった。


  90. 351 : : 2015/09/04(金) 20:20:16
    有馬って人に物事を教えるの上手いのかな?
    てゆうか、有馬って凄く忙しいはずでわ?
    期待してます!
  91. 354 : : 2015/09/05(土) 18:25:29
    有馬は自分の感覚で教えて来そうだな
    期待
  92. 357 : : 2015/09/05(土) 21:40:30
    普通の講義とかだったら大丈夫なんじゃないかなぁ…と思います(笑)
    クインケ操術とかは…………

    はい。それとですね。有馬さんめっちゃ忙しいですよね。今回はたまたま少し時間があったため呼ばれたということにしています。
    (ちなみに有馬は今回、初めてアカデミーに来たという設定)
  93. 358 : : 2015/09/05(土) 21:40:52






    「有馬特等ー!!」



    有馬「なに?」



    「有馬特等はどんな武器を使うんですかー!!」



    有馬「lXAとナルカミ」


    「じゃあじゃあ有馬特等の髪は何で白なんですかー?」



    有馬「さあ…?」



    「えー?!」



    「じゃあじゃあ」





    ……講義をしていたはずだが…
    いつの間にか質問大会みたいなことになっている。
    生徒達は「ハイハーイ!」と元気よく手を挙げてはどうでもいいような質問をしたりしなかったり……

    そして、質問を受ける有馬特等は嫌な顔一つせず(というか無表情)に淡々と答えている。


    教室の外で見ている教官達もこの状況にすっかり呆れ返っている。


    止めようにも有馬特等が何も言わないので……はたして止めに入っていいのだろうか?と迷っているところだ。




    何故こうなったのかというと……



    最初は本当に普通の講義だった。

    そう…普通の。喰種についてのことなど、言っている事は……以前、他の教官や捜査官が講義に来たときに話していた事と似たようなものだ。

    そりゃそうだ。相手がどれだけ凄い人だろうが…喰種についての話などは誰が話しても似たようなものになってしまう。(なんかたまに意味不明な事を言っていた気もするが)


    つまり。似たような話ばかりで子供達は完全に聞き飽きてしまっている。…そこで…生徒達の興味は……講義などではなく
    有馬 貴将という人物に向けられることに。


    で…今、有馬特等は質問攻めにあっており、生徒達の挙げられた手が下がる事はない。


    次から次へと、手を挙げては質問を繰り返している。



    どんな食べ物が好きですか〜〜とか

    今まで戦ってきた喰種の中で一番弱いのは誰ですかー?とか…

    いや…そこは普通、一番 強いのとかを聞くでしょ…



    手に顎を乗せ…外を眺めながら、心の中でツッコんでいると…


    次の質問で…有馬特等が不可解な事を言った。



    「有馬特等はいつから喰種捜査官やってるんですかー?」



    有馬「…15歳くらい」




    カネキ「ッ…?」



    え……?


    15…?



    それってどういう事だ。15歳では捜査官にはなれないんじゃ…




    教官「有馬特等。そろそろ時間なのでは…?」



    僕が頭を混乱させ、いろいろ考えていると。外から教官が入ってくる。



    有馬「ああ。もうこんな時間か…すまない。全然 講義なんかしていなかった」



    教官「い、いえ。悪いのはうちの生徒たちですから。こちらこそすみません。お忙しい中 せっかく来ていただいたというのに……」



    有馬「それは気にする事はない。今日は偶々時間があったし…それに
    色んな生徒達と喋れて楽しかったよ」


    有馬のその言葉に、教官は何も言わずにもう一度頭を下げた。



    有馬「じゃあ、俺はもう行く」




    「有馬特等また来てねー!」


    「さようなら〜」


    「ばいば〜い!」




    有馬「…」


    有馬特等は生徒たちを一瞥したあと教室を出て行った。





    カネキ「ッ…!」



    しまった…!



    カネキ「くっ…!」



    カネキは席を立ち上がり…その場から走り出す。





    聞かなきゃ…!どうして15歳で喰種捜査官になれたのか…!





    教官「こらぁっ!!カネキィ!!廊下を走るなぁぁ!!」




    カネキ「すいませんっ!!」




    教官に注意されても足を止めずに有馬を追いかける。


    後ろからまた「だから走るなーァ!!!」と聞こえたが、もう無視して走った。





    廊下を走り…階段を下りて、角を曲がると…

    黒いスーツと白髪が見えた。



    誰かが近づいてくるのに気づいたのか…有馬は歩みを止めて後ろを振り向く。



    有馬「……君は」
  94. 364 : : 2015/09/05(土) 23:43:24




    カネキ「…さきほど、特等に講義を受けていた生徒です」



    有馬「…そう」



    そのまま有馬はカネキから視線を外さず黙る。


    何か用事があると感じ取ったのだろう。


    カネキも有馬の沈黙を「話して」という事として受け取り。口を開く。




    カネキ「有馬特等に…一つお聞きしたい事があります。よろしいですか?」


    有馬「……」




    カネキ「さっき、有馬特等が質問攻めにあっている時……1人の生徒がした質問……」


    カネキ「『有馬特等はいつから喰種捜査官をやっているんですか?』という質問に対して…」



    カネキ「あなたは「15歳」…といいましたが…」


    カネキ「本当でしょうか?」



    有馬「ああ。」



    カネキ「!…何故15歳で捜査官になれたんですかっ?…ど、どうやったらなれるんでしょうか…ッ!」


    有馬「君は…なりたいのか?」



    カネキ「…はい」



    有馬「頑張ればいいんじゃない?」




    カネキ「…は……?」



    え?頑張る?何を頑張ればいいんだ…⁉︎


    有馬「何か…凄いことでもしたらいい」



    カネキ「すごい…こと…?」



    有馬「…」



    そして有馬は また黙る…

    もう話す(言える)ことはない。…ということだろう……





    カネキ「ッ……お時間取らせてすみません。ありがとうございました……」



    有馬「ああ…」



    短く そういうって有馬特等は再び歩き出し、アカデミーを去って行った。






    カネキ「………凄いことって…」




    カネキ「一体なにをすればいいんだ……」



    ────────────────────────────



    しばらくの間 考え込んでいた僕は…これ以上悩んでも何も出ないと思い…
    いつものように…もはや日課となっている双子との勝負をしていた。



    タァァンッ!パシンッ…!



    「一本!」






    ナシロ「〜〜っ…!」



    ナシロ「また負け……」



    カネキ「はは……」



    クロナ「研…元気ない?」


    ナシロ「さっきの講義の時は普通だったのに…」



    カネキ「え?…ああ。…ん?講義の時って…ナシロちゃん達いたの?」



    そういえば…どこかに居たような居なかったような…



    ナシロ「……いたけど」



    クロナ「……気づいてなかったの?」



    カネキ「いっ、いや!い、居たね!うん!」


    ナシロ「はぁ…」


    クロナ「それで…どうしたの?何か悩んでるような顔して…」


    カネキ「ああ……えっと。」



    シロクロ「……」じぃっ…






    カネキ「え〜っと……ナシロちゃん達って…凄い事ってどんな事だと思う?」
  95. 365 : : 2015/09/06(日) 00:27:16



    ナシロ「すごいこと?」


    クロナ「…研…それ嫌み?…私達を余裕で倒してる研は凄いと思うけど……」



    カネキ「う〜ん…(何か…そういうのとは違う気がするんだよな…)」


    ナシロ「全然凄くないって言いたいの?」


    カネキ「ちっ、ちがうよっ!そういうわけじゃなくて…」



    クロナ「…まぁいいけど…早く続きしよう」



    カネキ「あ、うん…」





    カネキ「?…あれ…?そういえば…最近 雫ちゃん見ないね…(どうしたんだろう)」



    ここ最近 姿を見ていない 仲の良い女の子を思い浮かべながら、尋ねるように呟いた。


    ナシロ「…雫は最近 体調が悪いみたい…」



    カネキ「え?…そうなんだ…風邪とか?」



    クロナ「よくは知らないけど…病気みたい……」




    カネキ「…病気……?」



    クロナ「うん…それに…雫は元々 体が弱いの…」


    カネキ「……」



    知らなかった…だってあんなにニコニコと笑っていたのに…



    カネキ「お見舞いとか…行ったほうがいいかな…」





    「安久さん、金木くん…!」



    お見舞いに行ったほうがいいか悩んでいると、その本人。雫ちゃんから声がかかる。



    カネキ「えっ、雫ちゃん…!」



    クロナ「雫…!」



    ナシロ「どうしてここに…?」




    雫「えっ⁉︎ど、どうしてって…?」



    カネキ「いや…さっきクロナちゃん達から…体調崩してるって聞いて……」


    カネキ「…体…大丈夫…?」



    雫「あっ…うん。だいぶ良くなったよ…」


    カネキ「そっか…なら良かった。」


    雫「ふふ。ありがとう心配してくれて」


    カネキ「お礼なんていいよ。心配するのは当然なんだからさ」


    雫「うん。ありがとうっ」




    ナシロ「雫。ここにいるってことは…もしかして剣道しにきたの?」


    雫「う、うん…」


    クロナ「体調が戻ったからって、すぐに動くのは良くない。もう少し安静にしてた方がいいと思う…」



    雫「だ、大丈夫だよ…!」



    雫「少しくらい体動かした方がいいよきっと!」



    カネキ「…まぁ。少しくらいならいいんじゃないかな…?」




    クロナ「研…!」


    雫「大丈夫だよ安久さん。無理しない程度にやるから…」



    カネキ「ね?本人もこういってるし…」


    クロナ「雫がそういうなら…」


    ナシロ「仕方ない…」


    クロナ「でも…本当に少しだけ…」


    雫「うん。わかってるよっ…ふふっ」



    カネキ「じゃあ、僕が相手しよっか?」





    雫「あ、えっと……じゃあ…お手柔らかにお願いしますっ…!」


    カネキ「ふふっ。うん…じゃあ、やろっか。」
  96. 406 : : 2015/09/12(土) 21:56:11




    ト ン ッ



    ナシロ「一本...。」




    雫「ううっ…やっぱり強いね金木くん……手も足も出ないや…」



    ナシロ「落ち込まなくていい…私達も手も足も出ないから……」


    雫「あはは…」


    クロナ「雫。次は私とやろう」


    雫「うんっ」




    それから雫は、クロナ、ナシロとも勝負をした。

    皆で剣道をしている時の雫の顔は……とても楽しそうだった。





    カネキ「20分.....。」



    …そろそろ終わりにした方がいいかな…


    カネキ「雫ちゃん、ナシロちゃん…そろそろ終わった方が良さそうかも」


    剣道を始めて20分。元々、少しだけという事でやっていたから…このくらいで終わるのがいいだろう。


    雫「うん。そうだね..ありがとう、3人とも。」



    雫はタオルで汗を拭いながら、付き合ってくれた3人に礼を言う。



    クロナ「ふふ…」


    ナシロ「なんだかお腹すいてきたね…」



    カネキ「あ…そういえばお昼ご飯食べてないや…」


    時計を見ると……時間は6時過ぎ。



    カネキ「う〜ん…ちょっと早いかもだけど…夕飯 食べる?」


    クロナ「私も身体動かしてお腹すいたから…賛成」


    ナシロ「うん」



    カネキ「そっか。雫ちゃんは?」


    雫「私もお腹すいちゃったから、食べたいな…」


    カネキ「じゃあ食堂行こっか」


    「「「うん」」」



    3人はコクンと頷き、歩き出した。



    カネキ「あっ…そうだ」



    僕の呟きに…後ろを歩いている3人が「どうしたの?」と疑問気に聞いてくる。


    カネキ「えっと…1人…呼んできてもいいかな?」



    クロナ「一緒に食べるってこと?」


    ナシロ「誰を呼ぶの?」


    カネキ「すぐわかるよ。」


    雫「私はいいと思うよ。みんなで食べた方が美味しいもんね」



    クロナ「うん。私も」


    ナシロ「…」コクン



    雫に続いて、クロナ、ナシロもそれに賛成してくれた。


    カネキ「じゃあ、呼んでくるから先行ってて」


    シロクロ「「うん」」


    雫「あっ…金木くんは何食べる?よかったら頼んどこっか…?」


    カネキ「あ、じゃあ…」



    いや……ん〜…



    カネキ「いや、やっぱりいいよ。自分で見て決める事にするよ」



    雫「そっか。じゃあ先行ってるからね」


    カネキ「うん」





    カネキ「よし…っと…!」

  97. 408 : : 2015/09/12(土) 22:07:59



    ────────────────────────────


    白い雲と赤い夕陽が混ざったように、薄いピンク色になっている空は…とても幻想的で美しい。



    とある場所…彼がいつもいる 河川敷にも似た その場所にカネキは来ていた。す

    理由は言うまでもないだろう。
    さっきの話で出てきた…一緒に食事をしたい人が そこに座ってアリを潰している…白髪の彼だからだ。



    カネキ「やっ。玲くん。」



    玲「カネキくん」


    首だけを動かしてカネキを見ると…ポツリと名前を呼んだ。


    カネキ「一緒にご飯食べ行かない?」


    玲「?…どうしてです?」


    カネキ「一緒に食べたいからかな…」


    玲「ん〜…じゃあ、行きます〜♪」


    カネキ「うん。…あ…他の人もいるけどいい?」


    玲「はい。」





    ──────【食堂】──────



    わかっていたことだが…やはりこの時間帯は人が少ない。


    時間は午後 6時半…だいたい皆が食事をする時間が7時〜8時くらいだから、あと1時間もすれば人が集まってくるだろうか。


    カネキは人が少ない方がいいので…内心ラッキーだと思っている…

    それに、1時間もあるなら急いで食べる必要もないので、ゆっくりと食べれる。



    カネキ「玲くんは、決まった?」



    顎に手を当てながら 何を食べようかと考えているが…中々決まらないので…隣で楽しそうに「何にしましょうかね〜」と言っている玲にきいてみる…


    玲「ん〜…迷いますねぇ……僕おかし食べたいです」



    カネキ「はは…お菓子はご飯の後にしようね…」



    玲「…やっぱり 決まらないので カネキくんに任せます」


    カネキ「えっ…⁉︎」


    なんでもいいので…じゃあ、お願いしますね〜♪


    そう言い残して トトトトッと小走りでクロナちゃん達のいる席へ向かって行った。


    カネキ「えぇ〜……」



    正直まかせるとかそういうのが一番困るんだよなぁ…



    カネキ「う〜…どうしよう…」



    仕方ない…!困った時はみんな大好きカレー君にしよう…っ!



    カネキ「甘口でいいかな……僕は何にしよう……」



    カネキ「これかな…」


    散々迷った末に…カネキはA定食に決めた。




    カネキ「おまたせ。」


    クロナ「…研。遅い…」


    ナシロ「ほんと…ご飯が冷めちゃう…」


    雫「まぁまぁ、2人とも…」


    カネキ「ご、ごめんね…早く食べよっか…!」


    はは…先に食べててくれても良かったんだけどな…



    カネキ「あ…玲くんカレーでよかった?」


    玲「えー…カレーですかあ」




    カネキ「えぇっ!?…ダメだった?」



    不服そうに頬を膨らます玲くんに驚愕する…

    さっき「なんでもいい」と言ったのはどこの白髪さんでしょうか?!



    カネキ「だ、ダメだった…?」




    玲「いえ、べつにいいですよ〜…」


    カネキ「そっか…ならよかった」



    雫「じゃあ、食べよっか!」



    カネキ「うん。」


    「「「いただきます(ま〜す)」」」



    そういって、夕御飯を食べ始めた。


    玲くんは、美味しそうにカレーをパクパクと吸い込むように食べていき、クロナちゃん達は 淡々と自分のご飯を口に運んでいた。


    僕もパクパクと食べている。


    そういえば……こんな多勢で食事をするのは初めてだな…


    カネキ「ふふっ…」


    雫「?どうしたの?カネキくん?」


    カネキ「いや…こうやってみんなで食事をするのが…楽しくて……嬉しいなって…」


    雫「うんっ。そうだね…!」


    カネキ「ふふっ」

  98. 409 : : 2015/09/12(土) 22:15:14




    クロナ「急にどうしたの?なんかこわい」


    カネキ「えぇっ⁉︎」


    カネキ「ちょっとっ…それはひどいん」


    玲「カネキくんお肉少しもらいますね〜」


    カネキ「あっ、うん。…ってちょっと待って!それ少しじゃない!」


    玲「いいじゃふぁいですふぁ!けちでふねぇ」モグモグモグ



    カネキ「いやっ!けちも何もほとんど食べてるからっ!?ああっ!食べるのやめてええ!」


    僕の制止を無情にも 無視してバクバクと玲くんは僕の夕御飯を口に含んでいく……





    玲「しかたないですね…僕のもあげます」ヒョイ


    仕方ないとはなんだとは 口に出さずに心の中で思っていると…
    僕の皿に玲くんがヒョイッと何かを入れた…

    何をくれたのか少々の期待と不安を胸に、皿を覗いてみると…




    カネキ「………これ野菜だけだよ!肉ばっかりじゃなくてちゃんと野菜も食べなさいっ」


    玲「いやですよ〜」



    ナシロ「はぁ…何さっきから騒いでるの」


    雫「ふふふっ」


    クロナ「雫も笑ってないでなんか言ってあげて…」


    雫「う、うん…あっ。カネキくん…私の少しあげるよ…」


    クロナ「はぁ……じゃあ、私も」



    カネキ「あ、ありがとう〜っ!」


    玲「ありがとうございます〜」パクッ


    カネキ「…」


    クロナ「ちょっと玲っ。あんたにあげたんじゃないのに…」



    雫「あはは…」






    「「「ごちそうさまでした」」」」



    玲「ふ〜…食べましたぁ…」



    カネキ「……僕は全然食べてないけどね…」


    誰かさんのせいで…


    玲「次はデザートでも欲しいですねえ」


    カネキ「(まだ食べる気なのかな…?)」



    雫「はい。デザート持って来たよ」



    玲「おお〜」


    ナシロ「ありがとう雫」


    ナシロが礼を言うと、雫はニコッと笑って…盆に乗っているデザートをテーブルの上に乗せていく。


    雫「みんなどれがいい?」



    デザートは…プリン、ゼリー、アイスや果物といった様々なものがある…


    玲はそれを見て目をキラキラと輝かせながらどれにしようか選んでいるが…今は恐ろしいだけだ……

    全部食べる気じゃないだろうな…



    玲「じゃあ、僕プリンもらいますね」


    クロナ「私は きな粉餅…」


    ナシロ「私はイチゴ」


    雫「うん。カネキくんは?」


    カネキ「えっと…じゃあ…コーヒーゼリーを貰おうかな。」


    カネキ「…雫ちゃんはそのゼリーでいいの?」


    雫「うん!」




    玲「…あむあむ…」パクパク


    クロナ「…」もにゅもにゅ


    ナシロ「…」シャクシャク



    カネキ「ふふ…」


    玲「あ。カネキくん少しくださ」


    カネキ「もうあげないよっ!?(全部なくなる!)」


    玲「ちぇっ…」モキュモキュ


    カネキ「ちぇって……はぁ。」




    カネキ「さて…僕も食べよう…」ビリッ






    カネキ「ん…」パクッ


    玲「あむっ」パクッ



    カネキ・玲「ウマし」



    クロナ「…なんか…」


    ナシロ「二人ともソックリ…」



    カネキ「あはは……」



    こうやって…皆で食事をして、勉強をしたりする毎日が楽しい…

    まるで、ヒデや母さんといる時みたいだ…

    …そんな何気ない日常が…僕にとっての幸せなのかもしれない…





    カネキ「…」



    雫「やっぱり…皆でこうしてお話しするのって楽しいねっ」ニコッ…!



    カネキ「────…!」





    ?…何故だろう…


    今の笑顔……いつもの、まるでヒマワリのような明るい笑顔とは違う……



    ……カネキの目には、雫のその笑顔が…どこか儚く見えた……

  99. 411 : : 2015/09/12(土) 22:26:50
    期待してる、いつも
  100. 412 : : 2015/09/12(土) 23:52:57
    あれ?このまま金木が人間だったら アニメの最後らへんの金木が死んでしまったヒデを抱えながらCCGへ行くところが見れなくなるんじゃ...俺あの場面が好きなのに....
    うぅヒデ....金木..........うわぁぁぁぁぁぁん
  101. 413 : : 2015/09/12(土) 23:54:20
    ん?カネキは捜査官っぽいから、そのシナリオは・・・?
  102. 414 : : 2015/09/13(日) 00:42:43
    元からあのシーンの可能性低い内容だろ、
    なに今更嘆いてるんだよ412。
    期待
  103. 416 : : 2015/09/14(月) 00:37:16
    儚く見えたっていうのは余命宣告がでたのかな、、、
    期待
  104. 417 : : 2015/09/14(月) 01:11:26
    この金木は捜査官かグールかどっちになるんですか?後期待っすうっす
  105. 418 : : 2015/09/14(月) 20:54:06
    皆さん
    ありがとうございます!!(♡_☆)!!

    僕もカネキがヒデを抱えながら歩いて行くシーンは結構好きですけど……うーん。あるかな?

    >>417えっと、それは…見てからのお楽しみ的な?(笑)
  106. 419 : : 2015/09/14(月) 20:54:46





    そして…



    ─────その一週間後。雫ちゃんが病気で亡くなった…





    カネキ「……」



    なんで…気づかなかったのだろう?


    一週間前のあの笑顔……



    自分の身体のことは 自分が一番わかるってよく言うけど…その通りなのかもしれない。

    雫ちゃんは、あの時もう わかっていた(知っていた)んだ…
    自分が限界だってことを。

    だから…あんな笑顔を……



    一緒にいた時間は短かったけど…彼女は、僕にとって…確かに“友達”と呼べる存在だった。





    カネキ「やっぱり……悲しいな……」





    たしか…〔CCG〕局員になって…捜査の補佐をするのが夢だって…雫ちゃん言ってたっけ....。








    クロナ「……研」



    カネキ「…クロナちゃん」


    ナシロ「…葬式…」


    雫ちゃんが亡くなったその日に葬式が行われることになったらしく…今から始めるそうだ。




    カネキ「…そうだね…行こう…」


    クロナ・ナシロ「うん…」



    カネキ「……!」


    カネキ「…(……そういえば…玲くんは…?)」



    クロナ「早く行こう…」



    カネキ「うん…」




    ────────────────────────────
    ────────
    ─────




    葬式が終わり…教官や生徒達が出ていく。

    僕達3人もそれに続くように外へ出た…



    カネキ「……」


    ナシロ「雫……」


    クロナ「……ナシロ」


    ナシロ「うん…」


    クロナ「外…歩こうか」


    ナシロ「…うん」




    ────────────────────────────



    時間は7時半… 玲は森(林)の方を歩いていた…



    玲「夜のお散歩 気持ちいいですねえ〜」


    玲「ママも元気してるですかね」


    ブツブツ 独り言を言いながら夜の森を歩いている少年は、側から見るとかなり怪しい。



    玲「…?」


    しばらく散歩をしていると…前から、ガサッと草の揺れる音と共に1人の男性が姿を現した。


    玲「…?」



    戸影「チッ」


    男は玲を見るなり舌打ちをすると



    戸影「餓鬼…誰かに言ったら殺すぞ!!」


    指をパキリと鳴らし、最後に脅しをかけてスタスタと去っていった...。


    去っていく男を見ていた玲は、なんのことを言っているかさっぱりだった。

    歩き出そうとしたところで…上からポタッと、頬に落ちてきた水のようなものに気づく…



    玲「…!」


    上を見上げると

    玲の頭上には、木にぶら下がるように置かれている 死んだネコの姿があった。



    玲「ネコちゃん」


    だが。ビックマダムによる数々の残虐行為を受けた玲にとっては、惨殺されているネコを見ても 別に何とも思わなかった…

    黙ってネコを見上げていると、不意に背後から声がかかった。






    「玲?…何してるの…?」



  107. 420 : : 2015/09/14(月) 21:03:15




    ────────────────────────────


    雫の死を悼むカネキ、クロナ、ナシロの3人は、夜の森を歩いていた。


    今は2月の下旬で、しかも夜ということもあり、外はかなり寒い…

    だけど…少し落ち着く……



    ナシロ「…あの子…パパとママに会えるのかな」


    クロナ「会えるよ…きっと」



    3人が歩いていると…カネキが…斜め前に人がいるのを確認する


    カネキ「…」


    …一体何度目だというんだ……まさか、“また”ネコを殺しているのか…?



    クロナもナシロも前にいる人に気づいたらしく、2人が顔をあわせると、何の躊躇もなく、その人に歩み寄っていく



    カネキ「えっ、ちょっと待っ…!」


    待って…と言おうとしたところを中断して、木を眺めている人を遠くからじっくりと…観察するように視る。


    カネキ「…!」


    違う…!


    あの人(戸影)じゃない…


    そこに居たのは…自分と同じ、白という変わった髪の色をした少年だった。


    確か…葬式には来ていなかった…こんなところで何をしているんだ?


    僕が口を開くよりも先に、2人が声をかけた…



    ナシロ「玲?…」


    クロナ「何してるの…?」



    玲「ナシロ〜クロナ〜…それにカネキくんも…こんばんわ」



    クロナ「……」


    ナシロ「そんなことより…玲。あんた雫の葬式こなかったよね」


    クロナ「…かなしくないの…?」


    クロナとナシロは、葬式に来なかった玲に心底不思議そうに言う。


    玲「なにが?」


    また、玲も、不思議といったふうにいつものように笑いながら…訊き返す。


    ナシロ「あの子の事…」



    玲「あ〜…死んだ?」


    クロナ「…」ピクッ…


    ナシロ「…」


    カネキ「....。」


    クロナ達は、玲のその発言が気に入らなかったらしく、少し怒気のこもった声で喋り出す。


    クロナ「その言い方やめなよ…感じ悪いよ…」


    玲「なんで?死んだだけでしょ?」



    玲「ご飯食べたり遊んだりするのとなにが違うの?」


    ナシロ「玲…冗談なら笑えないよ」



    次の瞬間、玲からさっきまでの笑顔が消えさり、ガラッと様子が激変する。


    玲「なんかうるさいなぁ!」


    カネキ「…!」



    玲「冗談??冗談ってなんだ?」


    玲「ヒトなんていつもどこかでたくさん死んでる……そのうちの一人だろ」




    ナシロ「何で…!?」



    ナシロ「同じ施設の仲間じゃ…」






    カネキ「……玲くん……」


    ナシロが話しているのを遮り、今まで一言も言葉を発さなかったカネキが真剣な面持ちで話し出す。


    玲「…?」


    カネキ「……確かに…僕たちの知らないところで 人はたくさん死んでる…今日だって、雫ちゃん以外に死んでるかもしれない」


    玲「…」


    カネキ「……皆。自分の知らな人が死んでも、別になんとも思わないとと思う……」



    カネキ「でもね…家族や、友達、知り合いが死んじゃったら…やっぱり悲しくなるんだ…」


    ナシロ「……」


    クロナ「……」





    カネキ「玲くん。僕は……」





    カネキ「君が死んじゃったら、悲しいよ。」




    玲「………?…」






    クロナ「…!!!」


    カネキが話し終わったところで…クロナとナシロが異変に気づく…


    クロナ「…アンタ……それ…」


    ナシロ「っ…!」


    玲の副や頬には赤い血がべっとりと付いていた…

    しかも、玲のすぐそばの木には…
    ほとんど原形をとどめていない
    ネコと思わしきモノがぶら下がっている。




    カネキ「…!?(これは…まさか…!)」



    玲「なにか?」


  108. 421 : : 2015/09/14(月) 21:12:02




    クロナ「ッ!行こうナシロッ!」


    ナシロ「…うん…!」


    それを見たクロナとナシロは、その場から、逃げるように走り去っていった。



    カネキ「待っ…!(まずい…!誤解を解かないと…このままじゃ玲くんがネコを殺したことに…!)」




    …いや……なんていうんだ?…これは玲くんがやったんじゃないって言うのか?

    信じる?…、玲くんには血がついていて、そのすぐ側には無惨に殺されているネコがいたのに?



    カネキ「……ッ」



    いや、そもそもクロナちゃん達が
    この事を言いふらしたりはしないはず……



    玲「……」



    カネキ「……玲くん」



    玲「…?」


    カネキ「君がここに来る時…誰か…いや。…顔に傷跡がある男の人にあった?」


    玲が頷く、それから、カネキは何か言われてないか訊く。







    カネキ「……なるほど」



    どうやら…脅されたようだな…



    これは下手に喋れば、玲くんが何かされるかも知れない。


    クロナちゃんも、ナシロちゃんも、言いふらすような真似はしないはず……とりあえず 明日、なんとかして誤解を解かなきゃ…




    カネキ「…玲くん。もう遅いから戻ろうか」


    玲「はい…」



    ────────────────────────────



    教官A「なに!?またか!?」



    教官B「ああ…生徒達が。死んだネコを森の方で見たそうだ…」


    教官C「…ッ…ウチの職員が動物を虐殺していたと知れたらどうなるか……」


    教官A「たしかに彼の加虐趣味は 以前から問題にはなっていたが…」


    教官C「こうも何回も何回も…生徒達に見られると、さすがに子供達でも勘づく…」


    教官B「ならば…鈴屋のせいという事でいいだろう。前から鈴屋という噂が流れていたし、誰も疑わない。」


  109. 423 : : 2015/09/14(月) 21:18:18
    おい!教官B!!貴様はここで摘む!!
  110. 424 : : 2015/09/14(月) 21:19:19
    カネキ…犯人ぶちのめそう キリッ

    期待です
  111. 427 : : 2015/09/14(月) 21:52:37
    ゲス教官どもをシメロ!
    期待
  112. 430 : : 2015/09/15(火) 02:55:50





    ─────翌日。(昼)



    カネキと玲が食堂で一緒に食事をしているが…

    周り…役半径10メートル以内には他の生徒達がいない……

    皆、何故か カネキ達から離れて食事をしている。


    勘のいいカネキはすぐに気づいた。




    カネキ「……」



    僕たち…避けられている?



    いや…この感じ……僕じゃない…玲くん…?


    カネキ「…(どういう事だ)」


    皆の態度、視線…明らかにこの前までのものとは違う…完全に玲くんを嫌悪の目でみている。





    玲「…」もぐもぐ


    カネキ「…」



    …本当にどうなっている。



    まさか…クロナちゃん達が皆に言ったのか…⁉︎


    カネキ「(いやッ…クロナちゃん達はそんな子じゃない事はわかってるだろ…!)」


    じゃあ、考えられるのは一つ…
    「昨日の僕たちの会話を誰かが聞いていた(見ていた)者が居て…それを皆に言った」という事になる。


    もしくは、「僕たちの会話を聞いていたわけではなく…たまたま森を通りかかって、死んだネコを見つけた」になるが…ああ。いや……これは無いか。

    たしかに、あの森の近くを散歩する人は多いと聞くが……仮にネコを見たとしても…
    何故、殺したのが玲くんだとわかる?…



    やはり考えられるのは「昨日の僕たちの会話を誰かが聞いていた(見ていた)者が皆に言った」…か。



    カネキ「(クッソ…!)」


    面倒な事に…


    「おい聞いたか?」


    「うん。玲がネコ殺した犯人なんだってね…」


    「やっぱりあいつか…」


    「ありえない…なんてやつなの…」


    「えっ!まじなのっ?」


    「うん。だって教官も言ってたもん」




    カネキ「……」



    ………え…?



    カネキ「…!」



    『だって教官も言ってたもん』




    教官が言っていた?…


    意味がわからない…それは一体どういう事だ。

    教官が言っていた………誰かが僕たちの会話を聞いていて 言いふらしたという事ではないのか?

    いや待て…『だって教官も言ってたもん』

    『教官「も」』?…も…って事は教官以外の誰かも言っていたという事になる…


    カネキ「…」


    なら「昨日の僕たちの会話を誰かが聞いていた(見ていた)人が皆に言った」というのは当たりか?…


    だとすると…その後、皆に言った。
    …そして教官にも言った。


    内野教官や、他の教官達も、玲くんの事を疑っていたから信じた……


    だが…それだけで信じるか?…ありえなくもないが……



    カネキ「………」



    ん…?…



    カネキ「…!」



    「そういうことにした(玲くんを犯人にした)」…という可能性は?



    仮にそうだとして、じゃあ何のために?…



    ……職員が動物を虐殺しているのが知れれば厄介な事になる……
    だから、バレる前に犯人を出して収めた……というのは考えすぎか?


    けど、考えられなくもない…玲くんは元々疑われていたし、…犯人が玲くんだとしても誰も疑わない。

    つまりそれを利用した…?






    玲「カネキくーん?」


    カネキ「っ!…あっ、ああ…なにっ?」



    玲「どうしたですか?ぼーっとして」


    カネキ「いや…ちょっと考え事」


    玲「ふーん」


    カネキ「…(…はぁ。また余計な事考えちゃった……)」



    一度広まった噂を収めるのは難しい……



    それに…何かがわかったところで、僕には何もできないんだよな…





    何もできない……か。



    カネキ「……(いや…僕にだってできる事はある……)」


    カネキ「(今…僕にできる事は…)」





    カネキ「玲くん……僕は君の味方だよ」



    玲「……?」



    カネキ「ふふっ…」

  113. 431 : : 2015/09/15(火) 07:43:17
    カネキがいいやつだ…

    教官積みにいこうぜ((キリッ

    期待です!
  114. 432 : : 2015/09/15(火) 09:11:50
    カネキいい奴ですね(笑)
    教官はいずれ摘ませていただきますw
    期待ありがとです!
  115. 433 : : 2015/09/15(火) 09:14:18







    ───それから 皆の、玲に対する態度が良くなるわけもなく、日に日に酷くなっていた…

    あの クロナやナシロですら、少し玲を避けている....。


    それだけでは済まず…最近では、玲と一緒にいるカネキまでもが
    陰口を叩かれたりと 被害を受ける事になっている。

    本人はあまり気にしていないようだが…




    玲「なんだかカネキくんも お仲間ですねえ〜」


    カネキ「ははは…」



    カネキ「って…もうすぐで講義か……」


    玲「サボりましょ〜」


    カネキ「玲くんいつもサボってるよね……」


    カネキ「僕もたまにはサボろうかな…?」



    玲「図書室いきましょう」


    カネキ「うん…(ザボっていいか!)」」



    ────────────────────────────



    玲「本がいっぱいですね〜!」


    カネキ「ふふ。ここでは静かにね。(誰もいないんだけどさ…)」



    玲「わかってますよ」タタタッ



    カネキ「って…いったそばから……」


    カネキ「僕も何か本借りようかな…」



    カネキは大きな本棚に近づき、一つ一つ本を見ていく……ここら辺の本はもうほとんど読んでしまっている為、面白そうなのを見つけるのは一苦労だ…


    カネキ「う〜ん…」


    面白そうな本を探していろんな本を見て回っていると…ある、一冊の本が目に入った。



    カネキ「…これは…」



    タイトルは『消えた少年』…



    カネキ「…見た事ないな…」



    カネキ「あっ、こっちにも見たことない本がある…ぁ、これも!」


    カネキ「よしっ…この本借りて、後で部屋で読もうかな」



    玲「カネキくん〜」


    カネキ「うん?どうしたの?」


    玲「あの本届かないので取ってください」


    カネキ「え?どれ?」


    玲「こっちです」トテトテ



    カネキ「あっ、うん…」タッタッ…
  116. 434 : : 2015/09/15(火) 09:21:28





    玲「アレです」



    カネキ「(絵本?)」


    カネキ「たしかに 玲くんはギリギリ届かないね。」



    玲「そうなんです」



    カネキ「うん…じゃあ、取るからこの本持っててくれるかな」



    玲「うわ…なんか難しそうな本ばっかですねえ…」




    カネキ「あはは……んしょ…っと!」




    カネキ「はいっ、取ったよ。どうぞ〜」


    玲「ありがとです〜」





    ガ ラ ッ !





    カネキ・玲「「ん?」」






    教官「……」



    カネキ「……」


    玲「……あちゃ」



    教官「…何をやってるッ!?」



    カネキ「あ、え、ええと!えっとですね!?これ──」

    玲「サボりです」


    カネキ「!?」



    教官「はぁ…」


    教官「馬鹿者がっ!」


    ゴチンッ!



    カネキ「〜〜っ!(なんで僕だけ⁉︎)」


    教官「ったく、今回は大目に見てやるが、次からはサボるなよ!」



    カネキ「…はい〜」



    教官「じゃあ、ここでは静かにしておけよ…」スタスタ



    カネキ「……」




    カネキ「…あの……教官」



    教官「…?…なんだ?」



    カネキ「ちょっと、お話…いや、聞きたいことが…」


    教官「!……わかった」



    玲「…?」


    カネキ「玲くんは本読んでていいよ。すぐ戻ってくるから」


    玲「はい...。」



    ────────────────────────────




    教官「それで…話とは?」



    知ってると思うが…この教官は、身体能力を測る〜〜〜〜の時の教官だ。

    今まで見てきた限りでは、この人はいい人だと思っている。


    カネキ「はい…玲くんの事なんですが…」



    教官「……あぁ。…残念だったな…まさか鈴屋が───」




    カネキ「いえ…そういうことではありません。」


    教官「…!」


    カネキ「お願いします。正直に教えてください。」


    カネキ「玲くんが犯人じゃ無いのはわかっています」


    教官「…⁉︎」


    カネキ「…犯人は、戸影教官ですよね?」



    教官「!?なっ、何故それを…!」



    カネキ「前に一度、見たんですよ…戸影教官が…ネコを……」


    教官「……そうか。知っていたのか……」



    教官「わかった。……と言っても…何を話せばいい?」



    カネキ「はい…それは」



    僕は、さっき食堂で考えていたことを全て教官に話した…




    教官「なるほど…つまり、何故 急に皆が、鈴屋に対しての態度が変わったのか…か。」


    カネキ「…」



    教官「フッ…凄いじゃないか……お前の考えている通りだよ」


    カネキ「!」


    カネキ「ということは……」


    教官「ああ。…他の教官達が、もしウチの職員が動物を殺していたと知れたらマズイってな……
    それで以前から疑われ気味だった鈴屋を利用して、鈴屋が動物を殺したという事にしやがったのさ…」



    カネキ「……どうにも、できませんか…」


    教官「…ああ…こればっかりはもうどうにも……すまん。」



    カネキ「いえ……正直に教えていただき、ありがとうございました」



    教官「…あぁ。」



    カネキ「じゃあ、僕 戻りますね」



    教官「ああ…」

  117. 450 : : 2015/09/19(土) 02:26:43





    カネキ「おまたせ〜…」


    玲「何話してたですか?」


    カネキ「ちょっと、勉強でわからないところがあったから教えてもらってたんだ。」


    玲「ふ〜ん」


    カネキ「はは。」


    玲「〜♪」トテトテ


    カネキ「?どこ行くの?」


    玲「本はもういいです。次はお絵描きします」


    カネキ「そっか。じゃあ出よっか」


    玲「はい」



    ────────────────────────────



    玲「ふんふ〜ん♪」カキカキ


    図書室を出て、カネキ達は玲がいつもいる場所に座って絵を描いている。


    カネキは木に止まっている鳥を、玲はなんだか良くわからない動物(?)を描きながら時間を潰している。

    しかし、絵とは不思議なものだ。
    描く前はやる気など微塵も無いのに
    いざ描いてみれば、結構楽しいし時間もすぐに過ぎていく。



    カネキ「…(なんか…最近、絵が上手くなってきてるような……はは。)」



    玲「〜…♪」カキカキ



    カネキ「ふふ…」カキカキ







    「あ。あいつらだ」


    「うわ!本当だ…」



    気ままに絵を描いていると、背後から良く無い声が響いてくる。



    カネキ「…!」


    はぁ…またか。


    隣で何も気にせず(気付いてないのかもしれない)に鼻歌交じりに絵を描いている玲とは別に、カネキは一人溜息をつく。



    「あいつらサボって絵なんか描いてるぜ…」


    「こんなところに止まってないで早く行こうぜ……気味悪いし」


    「そうだな!」


    そういって、ササッとその場を去っていった。



    とまぁ、こんな風に…玲くんと僕が陰口を言われるのは もはや日常茶飯事であり…最初こそ(一週間前くらい)は ちょっと困っていたが

    今となっては別にどうということではない。とりあえず無視をしておけばフラッと勝手に去っていく。

    そして…何故か最近では陰口だけでは済まず、僕も
    猫殺しをやっていた…いわゆる「共犯」なんじゃないか。
    とかいう根も葉も無い噂が出回っている。

    まぁ、これも気にすることはない。無視だ無視。





    カネキ「よしっ、描き終わった〜」



    玲「僕もです。みてください」



    カネキ「うん………えっと。なにかな?これは」



    玲「?。ぞーですよ、ゾー」



    カネキ「ぞ、象(ゾウ)?……」



    これがそうなのか……ゾウの鼻?みたいなのがなんで頭の上に…

    しかも、顔の方には普通の鼻が……これじゃ鼻二つに…

    これは象じゃない……
    例えるなら…豚の頭に象の長い鼻が付け足されたような…そんな感じ。

    ん?尻尾?みたいなの長すぎじゃない?



    カネキ「はは……」



    カネキ「!…あ。…もうこんな時間かぁ」


    そういえばさっき生徒達 居たし…もう講義終わったのか。



    カネキ「よいしょ…」



    玲「??どこいくです?」


    カネキ「いや…ちょっとこれから行くところが…」



    玲「ふーん?」


    カネキ「玲くんも…来る?」


    玲「いえ…僕は待ってますー」



    カネキ「そっか。じゃあ…しばらくしたら戻ってくるから、行ってきていい?」


    玲「どーぞ。僕は絵描いてます〜」


    カネキ「うん。じゃあ」


    玲「はーい」
  118. 451 : : 2015/09/19(土) 02:33:51


    ───────────────────────────────







    タァンッ! パァンッ、タァンッ!



    ここ(アカデミー)に来てから
    何度も聴いた音。竹刀と竹刀がぶつかり合う音…

    何故ここに来ているのか?

    ここに来た理由は “いつも” と同じ理由だ。つまり、勝負をしに来た

    クロナとナシロと。



    確かに2人は、あれ以来 玲から少し距離を置いているが……カネキを避けているかというと、そうではない。

    いつも通りと言えばそうだけど…





    カネキ「おーいっ…」





    クロナ・ナシロ「…研」



    カネキ「じゎあ、今日もやろっか。」



    クロナ・ナシロ「…うん…」




    あれ以来、僕はクロナちゃんとナシロちゃんに、玲くんが動物殺しをやったんじゃない と必死に訴えたが…
    やはりそう簡単には信じてくれない。




    カネキ「…」タァンッ



    クロナ「く…っ!」タァンッ!



    そして…もし仮にその事実が判ったとしても、2人と玲の距離が元通りにはならないだろう。

    何故なら、玲は雫が死んだ時…
    「どうでもいい」…という風にクロナ達に言った。

    そのせいで…あの子達の間に「壁」が出来てしまった。






    カネキ「──!」






    ──────だけど…っ!





    パ ァ ァ ン ッ!




    クロナ「ッ…!!」



    「一本!」



    カネキ「…」


    たとえ、元通りにはならなくても…真実だけは伝えるべきだと思う。


    だから……



    クロナ「ッ……また負けた…」



    ナシロ「次は私と……?どうしたの?研…」


    カネキ「………クロナちゃん、ナシロちゃん…今日の夜、ちょっと時間あるかな?」



    クロナ・ナシロ「…?」
  119. 456 : : 2015/09/19(土) 13:19:43
    真実を知った二人はどうなるのか楽しみだな~~。
    期待
  120. 457 : : 2015/09/19(土) 16:59:07
    教官の人気度激減
  121. 458 : : 2015/09/19(土) 17:26:02
    期待です!
  122. 463 : : 2015/09/20(日) 20:18:48




    カネキ「じゃあ…詳しくはまた後で話すよ…今日はこの辺で終わろう」




    クロナ「ちょっと…!」



    ナシロ「あっ……いっちゃった…」



    ナシロ「なんだろうね?」


    クロナ「うん…」



    ────────────────────────────




    カネキ「戻ったよ〜…」



    玲「おかえりです〜」


    カネキ「うん…って、まだ絵描いてたの玲くん?」


    玲「他にやることもないので」


    カネキ「そっか...。」


    玲「カネキくん」


    カネキ「ん?」


    玲「いま何時です?」


    カネキ「ん〜…(そういえば、時計見てなかったな……たしかクロナちゃん達が剣道してたから)」



    カネキ「たぶん、5時か6時くらいだと思うよ。」



    玲「そうですかぁ。どうもです」


    カネキ「うん…」


    玲「それにしても絵ばっかりで
    そろそろ飽きてきましたね〜…」


    カネキ「!」



    カネキ「ふっふっふっ…じゃん!!」



    カネキはわざとらしく笑うと…懐からバッとトランプを取り出した。

    こういうこともあろうかと…いつもポケットにしまっているのだ。(トランプは教官に借りた)


    玲「おお〜」


    カネキ「さあ、やろうか!」


    玲「じゃあ、ばばぬきしましょう」



    カネキ「………えぇ…二人でババ抜き…」


    それはないだろう…カネキはトランプで遊んだことは 少ししかないが…ババ抜きは二人でやっても楽しく無いことくらいしっている。
    ヒデと何回かやったから、もうつまらなさは経験済みである。





    あれ?…そういえば僕って…ババ抜き以外やったことあるっけ?


    いやまて!なんかあるぞ…なんだったっけ……しー…神経衰弱?
    ……あとは〜、七並べとか、ブタのなんちゃら…


    ……どれも二人でやるやつじゃ無いよな……


    必死にやったことがある遊びを思い出していると…自分とヒデがどれだけ虚しく悲しい事をやっていたかが
    今更になって伝わってくる。

    というか全部ルール忘れたな……


    くそ…トランプで遊ぼうだなんて考えた僕がバカだった


    カネキ「……」



    玲「??やらないんですかー?」



    カネキ「ぁ…」



    あるじゃないか!二人でできる遊び!えっと…たしか……す、すぴー…スペー…スペード?スピード?


    あ、それだ!これなら二人でできる!




    カネキ「よし玲くん!スピーd…」





    あ………ルール忘れた……





    カネキ「ババ抜きやりますか」



    玲「?はい」


  123. 464 : : 2015/09/20(日) 20:22:21





    その後、カネキと玲の2人は 向き合いながら…一言も話さずに、そしてつまらなさそうな顔を丸出しで 淡々と
    互いの手に持つカードを交互に取りあっていた(つまりババ抜きをやっていた)



    ……が。






    カネキ「…飽きた」


    玲「同感です」



    開始5分、とうとうカネキが あまりのつまらなさに沈黙を破り、溜息をつく。


    玲も同じく限界らしく…口をへの字に曲げて、手に持っていたトランプをポイッと投げ捨てた。


    正直やっていられない。


    5分持ったのは奇跡というべきだ。





    カネキ「そろそろ暗くなるね…」



    時刻は空の明るさからして(たぶん)6時。

    暗くては、外で絵を描く事も不可能だ。


    カネキ「どうしようか…?」


    玲「ん〜…お腹すきました」



    カネキ「じゃあ、御飯 食べにいこっか」


    玲「はい。」




    ───────────────────────────
    ────────
    ─────
    ──




    ────そして…同時刻。



    とある路地裏で戦闘は行われていた。



    カツッ…カツッ…カツッ……



    周りには何も無い…何の音もしない。


    ただ…


    “死神” の足音だけが、薄暗い路地裏に響き渡っていた。




    有馬「……」カツッ…カツッ…




    路地裏に姿を現したのは


    〔CCG〕の”死神“…有馬 貴将。


    そして、その後ろには、彼の部下である平子 丈(ひらこ たけ)一等捜査官。
    “喰種” 捜査官である彼等が なぜ路地裏にいるのか…


    答えは簡単…彼等は今、喰種と戦っているのだ。




    喰種「ッ!…クソッ!ふざけんなッ…いつまで追ってくる気だ!?ああッ!?」



    喰種の叫びに、答える者は誰一人としていない。
    それに、なぜ追ってくるかと問われれば、答えはひとつ。自分達が捜査官で、お前が喰種だからだ。としか言いようが無い。

    そんな当然の事を訊くのは…喰種が追い詰められているから。

    それも当然。相手は〔CCG〕最強の男。つまり、最も喰種との戦い方が上手いという事。
    その彼を相手にして無事でいられる筈がない。


    喰種はボロボロ。なのに対し、有馬は全くの無傷。

    力の差は歴然。




    喰種「クソッタレが…!!」ダッ!



    喰種は死神から逃げるべく、羽赫で攻撃をしながら全力で 背を向け走った。


    有馬「……」 バ キ キ キ ッ!



    有馬は正面から向かってくる羽赫の攻撃を余裕で躱し、全力で走る喰種を
    背後からクインケ───ナルカミで追撃する。


    クインケが黄色く光り、バチィッという音が聴こえる。…次にはクインケから雷のようなものが放出された。



    喰種「…!?」


    雷は走る 喰種に凄まじい速度で迫っている。

    走っても走っても雷は喰種を追いかける…
    ナルカミの攻撃は追尾性を持っており
    おまけに ここはそこまで広くはない路地裏。


    攻撃を躱すのは至難の技…



    喰種「クソが…んだよこれッ!!」ダッダッダッ!



    雷に、死神に追いつかれまいと全力で疾走している喰種は、背後からくる雷撃から逃げる事に必死だった。

    そのため…“下” から迫る攻撃に気付けなかったのだ。




    喰種「…!?!?」





    ズ シ ャ ア ア ア ア ア ア ッ ! !





    喰種が気づいた時にはもう遅い。

    足を一歩 前に出した瞬間、地面から黒い何かが飛び出し…


    喰種を貫いた。





    喰種「────……が…ば…アッ…!?」
  124. 469 : : 2015/09/22(火) 10:39:30
    僕は弟と小さい頃よくババ抜きを二人でやってましたwwwww
  125. 471 : : 2015/09/23(水) 07:57:27
    僕もよく2人でババ抜きやってましたw
    ババ抜きで1番嫌なのはシャッフル…あれ本当にめんどくさいです…はい。

    エレアニ大好きさん、いつもありがとうございます!!(≧∇≦)


    明日くらいかなぁ…とか言っておいて更新できなくてすみません。(笑)

    今日の昼頃に更新していこうかなと思っておりますよ。
  126. 475 : : 2015/09/23(水) 13:13:11





    喰種「があ……ば…づっ…!!?」



    黒い何か───IXAによる攻撃で貫かれた喰種は、そのまま呆気なく地面にボトッと落ちる。




    喰種「が…はっ…はッ…!ガフッ!?」




    喰種「(強え…ッ!!?)」



    この喰種も決して弱い喰種ではない、Sレート程の強さは持っているはずだ。



    しかし、この男の前では…Sなどただの雑魚でしかない。その辺の蟻と同じなのだ。



    喰種「ッッ!!」




    喰種「…あ…りまァ…!!」





    喰種「ッッ!?有馬ァァアアァアアア!!!」





    自分の弱さに逆上し…喰種が翼(羽赫)を広げ有馬に飛びかかる。


    距離にして3メートル…この距離、このスピード で攻めかかって、反応できる人間などいない。



    はずだった……


    あろうことか自分の赫子が切ったのは有馬ではなく……空。


    目の前から有馬は消えていた……




    喰種「!!?…ッ!!どこ…」




    ズ プ ッ





    喰種「…だ……」




    有馬は喰種の動体視力を以ってしても捉えきれない程の速度で喰種の攻撃を躱し…一瞬で敵の死角(背後)に入り込み…
    片手に持っているIXAで喰種の後頭部から眼を貫いた。





    喰種「───ッ!る!?ー!?がかゆ!?!?」





    喰種「ガ ア あ あ あ あ あ あ あ ああ アああ アアアアアあ あアあア ああ ああああアあああ あああ ああアアああアギ ああああ あ あ アアア ああ あ アア ああアああアッッああ ああ アああ あ あ ああ ああああ あ あ あ あ アああ ああア アああアアアガガギ アカアああアアガかああッッッッ!?!!!?!?」





    有馬「…」



    平子「……」



    有馬はナルカミとIXAを構えたまま…喰種の まるで断末魔のごとき叫びを 無言、無表情のまま黙って見つめている。

    後ろの平子は、もう こういうのには慣れているのか、こちらも無言で喰種を警戒したまま いつでも動けるように攻撃態勢を取っている……が
    その顔は少しばかり引きつっている......。




    喰種「ぐがかなにがおこあかあかにたな…メ…眼ッ目ぇ…めめめめがめがめガメメがめがめがめが ガアアッののの脳ノウ脳のうがドロロトロドロ…どうにゃからるがあがあぃぃガァアンッ顔か顔が内側ちめりめりめり…こんでかぁ…ががあかあかあ顔が内側に内側わわわわァがっ!?れ」



    目…そして脳をやられた喰種は完全に狂っている…何を言っているかすらもわからない…




    喰種「ありまァァァアアア…あひま??れ?あり…あり…ありまままま?ままま!?!、ままあぁぁ??ァァァ!?アアア?!!!!?」



    バ チ バ チ チ イ ィ イ ッ!!


    痛みでイカれ、地面に這い蹲ったまま悲痛な叫びを上げる喰種を御構い無しに…有馬が放ったナルカミの攻撃が直撃する。



    喰種「ガアアあああああアああアああアああああああばハァッ!?!?があばばばばばびばはば…ッ…ッッ!?!」



    喰種「づああああああッ!!!」



    有馬「……」



    死神は満身創痍である喰種に トドメを刺すため…ツカツカと快音を鳴らしながら ゆっくりと喰種に近づいて行く。



    喰種「っ!…ッ…ッ……ッッッッ!!」



    喰種「ああ。ああああありまァァァア……グゾグゾグゾグゾ!??グゾガアアアアア!!」




    喰種は一瞬で恐怖を感じ取る。
    …死の恐怖。これ程までの恐怖をかつて覚えたことがあっただろうか。


    死ぬ。このままでは絶対に…


    喰種「死…んで……たマるカああああああアアああああアアアアああああああああアアアああああアああああァアァアアッッ!!!!」



    死んでたまるか…殺されてたまるか。
    その一心で…ボロボロの喰種は必死で『生』にしがみついた。


    そして、いつか殺すという思いを胸に…喰種は死に物狂いで その場から駆け出した。走れ、走れ、走れ…

    今は逃げることだけに集中して…
    走れ…もっと速く…死神から逃げるために走れ。そう自分に言い聞かせ足を全力で動かす。



    喰種「ッ…ッ!…有馬ァァ!!?!」



    覚えてろ……ッッ!!!






    い つ か 絶 対 に 殺 し て や る








    平子「ッ!有馬さん…!」



    有馬「…(届かないな)」



    この距離じゃナルカミも、ましてやIXAの攻撃も届かない。

    だが…捜査官として喰種を逃すわけにはいかない。



    喰種を駆逐するべく、有馬と平子も駆け出した。
  127. 476 : : 2015/09/23(水) 13:27:45



    ──
    ────
    ──────
    ─────────
    ────────────
    ───────────────




    玲「ごちそうさまです」


    カネキ「はは…やっと食べ終わった」


    時間は7時過ぎ。あの後 トランプやら絵(その他色々)を片付けた後に食堂に向かった(その時には6時20分)のだが…

    玲くんの御飯選び&たくさん食べていたから、食べ終わるまで思った以上に時間がかかってしまった。



    玲「あ、僕ちょっとおトイレ行ってきます〜」


    カネキ「あ、うん。いってらっしゃい…」




    さてさて…食器を下げなきゃなぁ…

    カタカタ、と自分の皿と玲の皿を重ねてお盆に乗せていくカネキ。


    カネキ「よいしょ…」


    全部乗せ終わったところで、お盆を両手で持って…戻しに行くため歩いていると 正面からクロナとナシロの姿が見えた。

    二人ともキョロキョロと首を動かしていることから、何かを探しているようだが…



    クロナ「!あ」


    ナシロ「いた…」



    カネキに気づいた二人は、タタタッと足音を立てながら駆け寄ってきた。


    カネキ「…(え?僕?……あっ)」



    何故こっちに来るのか一瞬 疑問に思ったが…あの事か。とすぐに思い出し、二人が来るのを待つ。




    カネキ「やあ…!」




    クロナ「うん……それより、さっき言った事覚えてる?」


    カネキ「あー、うんうん。」


    ナシロ「…それで?話って?」




    カネキ「行っておくけど、告白とかではな」

    クロナ・ナシロ「わかってる」





    カネキ「そ、そっか…そうですよね…」





    カネキ「じゃあ…話そうか……」



    クロナ「……」


    ナシロ「……」


    カネキ「後でね」



    クロナ・ナシロ「は…?」



    カネキ「だから、後で話すよ。」



    ナシロ「ちょっと…なんで後じゃなきゃダメなの…!」


    カネキ「まぁ、ちょっとした理由があるんだ。」


    クロナ「その理由って?」


    カネキ「後でわかるさ」



    クロナ「……ッ」



    カネキ「……今日の夜9時」



    クロナ・ナシロ「…!」



    カネキ「そのくらいの時間に、教官に見つからないように部屋を出てきて…
    玲くんがいつも居る場所に来てくれるかな。何処かは勿論わかるよね?」



    クロナ・ナシロ「………」コクリ



    カネキ「決まりだね。じゃあ、僕はいくよ。」





    そう言いながらカネキは食器を下げて、食堂を出て行った。





    クロナ「本当に…なんだろうね…」


    ナシロ「うん……」



    ────────────────────────────




    玲「…♪」



    カネキ「あっ、トイレ終わった?」


    玲「あ、カネキくん。はい…見ての通り」


    カネキ「ははっ。」



    カネキ「じゃあ、そろそろ部屋戻ろっか?」


    玲「はい。」




    部屋に戻ろうか……
    カネキと玲は別々の部屋。のはず…
    確かにこの前まではそうだった。
    だが…数日前から変わった。

    いや、変えてもらったのだ。玲が同じ部屋の人に何かされるかもしれない
    など、玲がルームメイトと揉め事を起こしたりするかもしれないという事を見越して…つまりは心配して
    教官に無理を言って何とか変えてもらったのだ。


    カネキ「(あ……そういえば)」





    『うおおおおおおお!?カネキイイイイ!部屋は変わっても俺たちの友情は変わらないぜええええ!!?』





    変えてもらう時、カネキの同室の男の子が大声で叫んでいたのを
    内心で「ごめんね」…と謝っていたのを 苦笑いをしながら今思い出す。



    カネキ「(元気でイイ子だったなぁ〜…)」





    おっと…そうこうしている内に部屋に到着したようだ。


    玲「この後お風呂ですかぁ〜…なんだかめんどくさいです」


    カネキ「はは。」


    確かに……正直もうベッドにゴロンと寝転がりたい気分だ。



    玲「僕寝ます」


    カネキ「ん?お風呂は…?」



    玲「後で入ります〜」



    カネキ「うん、そっか。」



    玲「おやすみなさーい」



    カネキ「ふふ…うん。おやすみ」
  128. 477 : : 2015/09/23(水) 13:29:44





    玲「…zzZ…」




    カネキ「(また随分と早いなぁ……)」




    カネキ「……」



    カネキ「……暇だな……」



    カネキ「…あ…本でも読もうかな…」


    風呂に入ってもいいのだが、生憎今はそんな気分でもないので…とりあえず暇潰しに今日 図書室から借りて来た本を読む事にした。


    カネキ「確か…ここに置いたはず……っとあった。」



    僕が取ったのは『消えた少年』という本。
    まだ見た事がないから…という理由で とりあえず借りて来たけど……面白いかな?あらすじとか見ておけばよかったかも。



    カネキ「…これ…200ページあるのか…?薄いな…」


    カネキ「とりあえず読んでみようかな……」


    まず読む前に、カネキは本を開かずに、クルッと本を裏返して裏表紙に書いてあるあらすじを読む。



    カネキ「…え〜っと……」





    ある日…一人の少年が忽然と姿を消した。

    両親や警察は、誘拐された可能性があると見て…必死に少年の捜索するが、中々見つかる事はなかった。


    探索が一ヶ月ほど続いた頃…警察は「もう見つからない」「見つかったとしても生きているかどうか」と諦めかけるが…
    両親はそれでも…探してくださいと懇願しつづけた。

    そして、その1週間後…

    『最近…どこからか…悲鳴のようなものが聴こえることがある』

    という通報が警察に入ってくる。

    警察はもしかしたら…と思いその場所へ向かった。

    そこで目にしたものとは─────






    カネキ「………?」



    ん…?……なんだ……?


    この話…どこかで聞いた事があるような…

    いや、何か違う…?





    カネキ「……まぁいいか…」


    カネキ「よしっ……読もう…!」



    時間はちょうど7時半…か。

    本は約200ページ。…9時にクロナちゃん達と会うって事になってるから……ん〜、1時間で読み終われるかな…?



    カネキ「とりあえずパパッと読もうっと…」


    そう言って、カネキはページをめくった。

  129. 478 : : 2015/09/23(水) 13:46:13




    ─────────────────────────────────
    ──────────
    ───────
    ───


    全く人気が無い…それどころか…野良猫1匹すら見当たらない 暗い路地裏で…1人の怪人────


    “喰種”が…その赤黒い眼を爛々とギラつかせながら“食事”を行っていた。


    喰種「ッガアア!!ガツガツガツッ!アガカアカアギガアッ!!」


    喰種は服も体もボロボロ…所々に大きな傷を負い真っ赤な血を流している…そして驚くべきはその眼…赤い眼──のことではなく、片方の眼にはまるで槍か何かに突き刺されたかのように風穴がぽっかり開いている。


    しかし、喰種が狂ったように…いや、実際 狂っているのだろう…彼が下卑た音を立てながら、肉を半ば無理やり口に押し込みながら体内に吸収するたびに
    ほんの少しだが傷がふさがっているようにも見える。


    だが…おかしい。喰種が人間を喰らえば傷はすぐに治るはず…なのに中々治らないのは よっぽど傷が深いのか…それとも喰べているモノがダメなのか…

    答えは後者。そう、彼が喰っているのは、人間ではない……自分と同種である “喰種”……いわゆる共食いをしているのだ。

    そして、周りには死んだ猫も虫もいる。それをも自らの口に放り込み…




    咀嚼。




    共食い……喰種の肉は不味く、食えたモノではないはずだが…そんなことは関係なしにこの狂った喰種は次々と口に押し込んでは喰っている。


    そう、全てを…



    “種を喰らう者”…それが “喰種” だ




    喰種「つぎ次次つぎ次ツギィ……!!!ツギツギツギツギイイイイ!!!」


    喰べ終わると次の獲物を求め…再び喰種は走り出した…



    肩から出ている赫子を 僅かに変形させながら────




    ──────────────────────────────




    ─────【PM 9:00】─────



    カネキ「……」


    パタンッ…


    本を読み終わったカネキは茫然としていた…読み進んでいく内に頭の中で何かがチラつく。

    なんだこれは?




    カネキ「〜〜ッ!……わからない……」



    考えても考えてもわからない。

    なんなんだ…苛々してくる……




    玲「〜zzZ」スピー




    カネキ「…はぁ…まだ寝てたの玲くん……」



    カネキ「ん?…そういえば今何時だ?…」



    本を読んでて時計を見てなかった…バッ、と振り向くと、時計の短い針は「9」を、長い針は「12」を刺していた。

    つまり……



    カネキ「9時…ッ⁉︎」




    カネキ「しまった!?」


    声を荒げて叫ぶ。さっき考えていた事など頭の隅においやり、ドタドタと靴を履きながら、カネキは部屋を出て行った。





    玲「zzZ……?」


    騒ぎに目が覚めたのか…カネキが出て行った直後に、鼻から出ていたシャボン玉のような鼻ちょうちんがパチッと破裂すると同時に、玲が目を覚ます。



    玲「ん〜…」ごしごし



    玲「…?」きょろきょろ




    玲「カネキくん…?」



    ──────────────────────────────



    カネキ「(あ〜…遅れた……絶対文句言われるよ…)」


    カネキ「(いや、まだ来てないかもしれない……来てませんように。)」


    心の中で情けなく祈りながら教官に見つからないように走った。
  130. 479 : : 2015/09/23(水) 13:57:59







    ──────【9:15】──────



    カネキ「お待たせっ…!」


    到着……だがカネキよりも先にその場所にはすでに 2人が来ていた。

    遅れたのにはそれなりに理由がある。来る途中 教官に見つかりそうになったのだ……なんとかやり過ごす事ができたが。危なかった…




    クロナ「……遅い」


    ナシロ「うん…そっちが呼んでおいて遅刻はダメだと思う」



    カネキ「ごめんなさい…」


    予想通り怒られた…10分くらいだし許してください…



    クロナ「…それで…ここまで来たんだから、早く話して?」


    ナシロ「…」コクッ



    カネキ「…あ、うん。じゃあ行こうか…」


    ナシロ「…行くってどこに?」


    ナシロの問いにカネキは顎をクイッと森の方に動かした。


    クロナ「…森?…こんな夜に何しに…?」


    怪訝そうな表情を浮かべながら見てくるクロナ…まぁ無理もないだろう…




    カネキ「行けばわかるさ」




    ナシロ「…どうする?」



    クロナ「行ってみよう」



    ナシロ「うん。」



    カネキ「よし。決まりだね…」



    カネキ「…ついてきて。」



    クロナ・ナシロ「「…うん…」」




    カネキ「…あと…先に言っておくよ。森に入ってからはなるべく お喋りは控えて。そして足音を極力出さないように歩いてくれるかな?」



    クロナ・ナシロ「…?…わかった」




    カネキ「うん…じゃあ行こう。」





    僕はクロナちゃん達にあるものを見せるために今日呼んだ…




    玲くんと元通りにならなくても、真実は知っておいて欲しい。そう思って。



    だが…言っても言ってもそう簡単には信じてはくれない…



    なら、最後の手段は……論より証拠。


    つまり…実際にその目で見て貰うしかない。





    クロナ「研…まだ歩くの…?」ボソッ



    カネキ「うん…もう少しだよ…」ボソ



    カネキ「(確か…この辺かな……)」



    僕はある場所へ着くと、そこで足を止めて周りを見回す。



    カネキ「(…どうやら、まだ来ていないようだな…)」


    来るまで待つか……



    カネキ「2人とも…悪いけど そこの茂みに隠れておいてくれるかな?」


    クロナ「う、うん…」


    ナシロ「何するの?」


    僕達は茂みに身を隠しながらボソボソと小さな声で話し始める。


    カネキ「…待っているんだよ。」



    ナシロ「待ってる…?」



    クロナ「…誰を…?」






    カネキ「───……“猫殺し”の犯人だよ」




    クロナ「え…?」



    ナシロ「犯人って…玲…?」



    カネキ「違う。何度も言ってるけど…玲くんじゃない」



    ナシロ「じゃあ他に誰がやったていうの…!」




    カネキ「それを今待ってるんじゃないか」

  131. 480 : : 2015/09/23(水) 14:06:52




    ナシロ「じゃあ、その犯人は誰なの?知ってるんでしょ…?」



    カネキ「…口で言うより直接見た方が納得いくでしょ?」



    ナシロ「…ッ」




    クロナ「研……本当に来るの?」



    カネキ「…さぁね。それは僕にも判らないよ」


    クロナ「!?」


    ナシロ「ッ…どういう事…?…来るかもわからないっていうのに わざわざこんな所にまで連れてきたのっ…!」



    カネキ「…いや…ただ。僕の考えが正しければ、今日 来る可能性は高い」



    カネキ「とりあえず…少しだけ待ってくれないかな…?」



    クロナ「……」



    ナシロ「……」




    クロナ「…ナシロ」



    ナシロ「うん。」



    カネキ「……」



    クロナ・ナシロ「「わかった」」




    カネキ「!…ありがとう。」






    〜〜〜〜〜〜 20分 経過 〜〜〜〜〜〜〜





    カネキ「……」



    クロナ「……」ゴクリ…



    ナシロ「……」ゴクリ…




    僕達は息を潜めて犯人が来るのをじっと待った。






    〜〜〜〜〜〜 40分 経過 〜〜〜〜〜〜〜




    ここでじっと待って、約40分が経過した。
    だが…犯人は一向に姿を現さない。



    隣の2人はそろそろ限界が近そうだ…



    クロナ「ねぇ…まだなの」



    カネキ「……」



    ナシロ「…研…!」



    カネキ「お願いだ……もう少しだけ待って…」




    クロナ「はぁ…あと30分待って誰も来なかったら……」




    カネキ「うん。その時は戻っていいよ…」




    クロナ「わかった…ナシロ。もう少しだけ我慢しよう」



    ナシロ「うん。そうだね…」




    さらに、15分経過…




    クロナ「……」




    カネキ「......。」




    ナシロ「……」



    あと30分だけ…とは言ったがやはり少しイライラしてきているようだ…
    まぁ…僕もちょっと内心 イラついてはいるが…

    それを外に出したりなどしたらダメだ。

    もし来ていたら気づかられる恐れがある。


    僕は、ゆっくりと、静かに深呼吸をして心を落ち着かせた。








    ─────そして…さらに15分。



    これで約束の30分は過ぎた。



    犯人の姿は見当たらない…





    カネキ「………」




    ナシロ「誰も来ないよ…」




    クロナ「はぁ……じゃあ、研。もう戻るから」


    呆れたように言うと、2人は屈んでいた体を立ち上がらせ 歩き出そうとするが…



    パ シ ッ ! パ シ ッ !



    クロナ「…!?」


    ナシロ「…!?」



    クロナ達が立とうとした所で…カネキが2人の二の腕を掴み、もう一度茂みの中にグイッと引き戻した。



    ナシロ「ッ!ちょっ…むぐっ!」



    クロナ「もうじゅうぶん待ったじゃな…むぐっ!」


    2人が「これ以上なんだ」という風に大声を出そうとするが…瞬時にカネキの両手で口を塞がれる。


    クロナとナシロは手を退けて、すぐに文句を言おうと顔をカネキに向ける。

    だが…カネキの瞳は真っ直ぐ ある一点を鋭く見つめていた。




    ナシロもクロナもつられて、カネキの視線の先を追うように首を動かして 視ると…



    クロナ「…ッ!?」



    ナシロ「っ!!」



    2人は言葉を失った…


    3人が見つめる視線の先には一人の男性。

    来た…真犯人が。



    そして…驚いて言葉も出せない2人をよそに…カネキは一人…




    犯人────…戸影教官を見ながらニヤリと笑った。




    カネキ「…当たりだ」
  132. 482 : : 2015/09/23(水) 16:23:30
    乙でーす

    期待
  133. 484 : : 2015/09/23(水) 21:22:57
    ん~ボーイ
    一緒に戸影の残りの希望(髪)を消そうではないか
  134. 509 : : 2015/09/28(月) 22:05:43




    ──── 夜 【10:30】 ─────



    …とある森の中…2人の少女があるものを視て唖然と目を見開いていた。




    クロナ「…な…っ(あれが…犯人…!?)」



    ナシロ「本当に…来た…?」




    カネキ「ああ…あの人が犯人だよ」





    ─────当たりだ。


    正直 言って…これは賭けだった。



    「来る」か「来ない」かの。





    よくよく考えてみれば……
    これまで約1・2週間に一度、動物の死骸が発見されている。


    つまり…戸影教官は約 1・2週間単位で動物殺しをやっているという事。



    そして、今から1週間前に、また戸影教官が動物を殺している。だから、もしかしたら今日来るかもしれないと思いクロナちゃん達を連れてきたが…


    運がいい事にちょうど戸影教官が現れた。


    『もし、今日がその日じゃなかったら』…『もっと遅い時間に来ていたら』…
    そんなことを考えながらヒヤヒヤしていたが……




    良かった。…これでもう玲くんの誤解は解けるはずだ。





    カネキ「(───後は、さっさとこの場からバレずに立ち去る事が出来るか…なんだけど……)」




    どうするか…


    (1)…今すぐこの場からひっそりと去るべきか…

    (2)戸影が〝事〟(殺し)を行っている最中に去るか…


    (3)〝事〟が終わってから去るか…


    1だと…上手く音を立てずに立ち去る事が出来るか不安だ……(僕だけなら簡単だと思うけど…)

    2は……殺しをやってる時がおそらく一番周囲に警戒しているはずなので、これは無理か……


    やはり…3 の〝事〟が終了してからが一番安全だろう…





    カネキ「……クロナちゃん…ナシロちゃん…安全に戻る為にもう少しここに居るから我慢し……」




    カネキ「…クロナちゃん……?」



    カネキが小声でもう少しだけここに居ることになるから我慢してくれ…そう言おうとしたが、途中で中断する。

    クロナちゃん達は、まったくカネキの言葉が届いてないかのように
    こちらをチラリとも見ることなく…
    ずっと……驚きの表情で戸影を凝視していた。


    カネキ「…ッ…?」




    クロナ「え…あの人って…と、戸影教官……?」


    クロナ「戸影教官が……犯人…?」




    カネキ「…うん。そうだよ......。」



    クロナ「っ…!」



    はっきりとカネキが言うと…クロナは顔を真っ青にし、思わずその場にへたり込む…



    クロナ「…玲……私…」



    カネキ「……今はとりあえずそれは置いておいて。…謝罪なら戻った後にすればいい…ッ」


    クロナ「う…うん……」




    カネキ「ナシロちゃんも───」




    ナシロ「…ぁ…ッ……」



    カネキ「…⁉︎」



    こちらは…クロナのように犯人の事で驚いているわけではなく…ナシロは戸影の方を見たまま微かに声を出しながら震えている。


    戸影の方を見たカネキは…静かに息を呑んだ…



    戸影は…今まさに、猫を惨殺するべく 猫を傷つけている最中だった。





    戸影「……」ニヤァァ




    口元を盛大に歪ませ、汚い笑みを浮かべる。…戸影は どこからか連れてきた猫を、ナイフやハサミで切り刻んでいく。



    ナイフであらゆるところを斬り

    ペンチで爪を引っこ抜く。


    ……次にはペンチで猫の手を優しく挟んだと思えば……そのまま一瞬で力を加え……手を挟み潰した。手を潰された猫は小さな声で悲鳴をあげている。




    カネキ「…ッ…!!」






    ズ キ ン ッ !




    カネキ「!?………?(なんだ…頭が……痛い…?)」
  135. 510 : : 2015/09/28(月) 22:16:34




    それを見ていたカネキは、突如…ズキリ…と頭痛のようなものに襲われる。
    だが、すぐに頭を振ってソレを紛らわせた。



    今はそんな事どうでもいいんだ…それより…今心配なのは、クロナちゃんとナシロちゃんだ。


    さっきの光景を見せない為に咄嗟に手で二人の顔を覆ったからよかったものの……もし見ていたら悲鳴をあげていたかもしれない。


    とりあえず、もう見ないように、なるべく目を瞑っておくように言わないと…




    それを言おうと…カネキが言葉を発するのと、戸影が次のコトをするのはほぼ同時だった。



    カネキが口を開こうとした瞬間、ジャキンジャキンッ!と鉄が擦り合う音が耳に入ってきた。



    戸影「ククッ…!」ジャキンジャキンッ


    戸影が、手に持っている刈り込み鋏のような物を、自分の胸の前まで持っていき…誰かに見せつけるかのように何度もジャキンジャキンと わざとらしく音を鳴らして鋏(はさみ)の刃を交差させる。



    戸影「…」スッ…




    そして……その鋏をゆっくりと猫の尻尾へと持っていき……



    カネキ「…!!」




    バ ツ ン ッ ッ…!




    ────切断。





    瞬間…猫が奇声を出して、絶叫。



    その悲痛な叫びに、カネキは眉間に皺を寄せて、顔を顰める。



    カネキ「…ッ!」







    …この時、カネキは自分が犯した過ちに気づいていなかった。



    カネキは、クロナ達があの光景を見ないようにと……二人の顔(目)を自分の手で覆っていた、だが…カネキはこの時、戸影の方に意識を集中させていたせいで無意識に手の力が抜けていたことに気付いていない。





    ギュッと力を入れて 二人の顔を覆っていたはずの手からは力が抜け、しっかりと閉じていた指が少し開いてしまっていた。



    そして…開いた指…その指の隙間から、クロナとナシロは今もなお行われている残虐行為をその目で〝視ていた〟





    カネキ「………ッ!?(しまっ…!)」



    勿論…カネキがそれに気づいた時にはもう手遅れ。




    カネキ「────ッ!!!」



    まずい…ッ!!?





    カネキ「(二人とも今は耐えてくれッ…!今 声を出したりしちゃダメだ…ッ!!!)」




    心の中で必死に叫ぶ。だが…そのカネキの願いは、再び訪れた猫の叫びと戸影の歪んだ笑声によって…虚しく消えた。




    クロナ「ひ…ッ!?!」



    ナシロ「ぁ…ッ…!!!」




    猫の悲しい声…そして戸影の恐ろしさに、クロナとナシロは思わず悲鳴をあげ…ガサガサッと、草の音を立てながら後ずさってしまった。






    戸影「…………あ?」
  136. 511 : : 2015/09/28(月) 22:24:37




    猫を傷めつけ、心底愉快そうに嗤っていた戸影だったが……それでも ちゃんと周囲を警戒していた。そんな彼が…
    声を、音を聴き逃すはずがなかった。


    猫を弄っていた手を止め…戸影の体がゆっくりと、音がした方向へと向けられる。


    そして…一歩、また一歩と近づいてくる。





    クロナ「あ…ッ!(しまった…⁉︎)」



    ナシロ「ッッ…⁉︎」





    カネキ「───…」





    その瞬間…一瞬カネキの思考が停止した…


    だがすぐに現実に引き戻され…カネキはこの場をどう潜り抜けるかを最高速度で考える。


    今、自分達は大きな木の陰に隠れていて、戸影からはカネキたちの姿は見えていない。



    一気に走り去る?いやダメだ…最悪な事に…この辺りはあまり木が密集していない。そのせいで月の光がもろに当たっている。
    クロナちゃんなら逃げれるかもしれないけど…僕とナシロちゃんの白髪はまず間違いなくバレる…そうなったら もう…

    白髪の人なんて僕と玲くんとナシロちゃんの3人しかいない…すぐにバレて見つかってしまう


    カネキ「…ッ!」



    じゃあ、逆にもうこっちから出て行って…
    あえて脅しをかけられにいくか?…
    その方が安全……いや
    玲くんの時は脅しだけだったけど…今回は、脅しだけだという保証は無いじゃないか。


    一か八か何も見てないフリをして
    たまたま通りかかっただけってことに……ッッ!!馬鹿か僕は。夜遅くにこんな森をたまたま通りかかるわけないだろ。それに2人の悲鳴も聞かれている…!




    カネキ「く…っ!」



    さまざまな策を考えるが、上手く頭が回らずいい案が出てこない。



    こうして考えている今も戸影は着々と近づいてきているというのに。




    距離…約8m…




    どうする…っ!



    7m…



    どうする……ッッ!?!






    カネキ「……ッ」




    クロナ「研…ッ」



    ナシロ「どうしよう…っ!」



    カネキ「………」



    こうなったら……




    カネキ「…さっきのクロナちゃん達の声(悲鳴)で、戸影教官はここに隠れているのが女だと気付いていると思う…」


    クロナ「う…うん…」



    カネキ「だけど…戸影教官は、女だと判っていても、それがクロナちゃんとナシロちゃんだとは判っていないはず…」



    ナシロ「…!」




    カネキ「…僕が飛び出して戸影教官を抑えるから…その間に、2人は逃げて」



    クロナ「で、でも…!」



    カネキ「僕は大丈夫だよ、自分で言うのもなんだけど…結構強いしね。なんとかなるさ」




    クロナ「…ッ」



    ナシロ「……」



    クロナ・ナシロ「「……わかった…」」




    カネキ「うん。じゃあ…僕が合図を出したらあっちから走って逃げて…」スッ



    カネキは…僅かだが木が密集している場所を指差す。




    クロナ・ナシロ「「…わかった。…」」




    カネキ「よし。じゃあ…準備は良い?」





    クロナ・ナシロ「…」コクリ




    カネキ「……いくよ」






    戸影「……」スタスタ…





    カネキ「3」




    カネキ「2」




    戸影「…」スタスタ…







    カネキ「───1」










    ドゴオオオォォオオオォオンッッ!!!








    カネキ「…!?」



    クロナ・ナシロ「っ!?」




    戸影「あぁ…!?」




    カネキが飛び出し、クロナとナシロが走り出そうとした瞬間、突然、静かな森に轟音が響き渡った。

  137. 536 : : 2015/10/03(土) 21:32:25




    ドゴオオオォォオオオォオンッッ!!!



    突然の轟音。




    全く予想外の出来事に、その場にいた者達は愕然としながら、辺りを見回している。

    しかし、その中で1人……カネキは全く別のことを考えていた。



    カネキ「(これは、好機だ…!)」



    さっきの音が何なのか。なんてのは今はいい…


    それより、今の音で戸影教官の注意は僕達から完全に逸れている。
    しかも都合が良いことに、さっきまで憎いほどに明るかった月の光は今 雲に覆われている。




    逃げるなら今しかない!




    カネキ「ッ…!」パシッパシッ!



    クロナ「えっ…?!」



    ナシロ「研ッ…?!」



    カネキ「走って…!」



    僕は2人の手を取って…先程、クロナちゃん達に言った「僅かに木が密集している」所を全速で走り出す。

    それに遅れて気付いた戸影教官が追ってくるが、残念なことに ここは森で、しかも今は月の光は雲に遮られていて当たっていない。




    逃げ切れる…ッ!!!







    ──────────────────────────────
    ─────────
    ─────



    タッタッタッタッタッタッ……




    有馬「……見失ったか…」



    平子「どうします…?…有馬さん。」


    有馬「そう遠くにはいないはずなんだけど」



    ドゴオォォォオオォオン…





    有馬「……」




    平子「!…今の音。…有馬さん……確かあの方角は────」




    有馬「…行くぞ」



    平子「はい。」




    ──────────────────────────────





    カネキ「ッああ〜…!」




    クロナ「はぁ…はぁ…」



    ナシロ「はぁ…逃げ…はぁ……れた?」


    カネキ「うん。何とかね…」


    クロナ「はぁ…良かった……」


    カネキ「本当だよ…まったく。さっきの音が無かったら危なかった。」


    ナシロ「…そういば…さっきのはなんだったんだろう。」


    クロナ「うん…」


    カネキ「(確かに……あの音は何だったんだ…?)」


    音のボリュームからして…そんなに遠くじゃない。結構近いだろう。爆発ってわけでもなさそうだし。…見たところ、近くには何も異変はないように思える。


    カネキ「(……なんだか、嫌な予感がするな……)」



    カネキ「………一旦、そのことは置いておいて…早くこの辺から離れよう。いつ戸影教官が来るかもわからないからね。」


    ナシロ「…戸影教官…」



    クロナ「....。」



    カネキ「……行こうか…」


    ナシロ・クロナ「うん…」




    「カネキくん?…クロナとナシロもこんな所でなにしてるですか?」

  138. 537 : : 2015/10/03(土) 21:37:18
    玲だー玲がでたぞー
  139. 538 : : 2015/10/03(土) 21:38:20




    カネキ「…!」



    クロナ・ナシロ「「!!」」



    そこで…突然、横から聞き覚えのある声が飛んできた。

    横を見ると、よく知っている顔がそこにはあった。


    カネキ「玲くん…?…どうしてここに…」


    …僕が部屋を出るときは眠っていたはず……そういえば、もうあれから一時間以上は経ってるはずだから、流石に目が覚めたんだろう。
    …玲くんはよく外をウロウロしているし…今も散歩で出てきたのだろうか?


    玲「カネキくんが出て行ってから、全然帰ってこなかったので散歩のついでに探しに来てみました〜」


    ついでって。………出て行ってからってことは……僕が出て行く瞬間に目が覚めたのかな。
    誰かが出て行く時に目が覚めるのはよくある事だ。

    玲「それでなにしてたんです?遊んでたですか?」


    カネキ「ん?…ああ……」


    何と言えばいいのか返答に苦しみながら、玲の反対側──自分の左側にいる双子に目を向けた。

    予想していた事だが、2人はバツが悪そうな顔をしながら、少し顔をうつむかせている。

    ああ…困った。こういう時どうすればいいのやら……


    カネキ「………」





    玲「…?」


    クロナ「……」


    ナシロ「……」




    暫くの沈黙が続いたあと……
    2人は意を決してゆっくりと顔を上げる。
    その表情には『不安』や『恐怖』といったものが見え隠れしているが……それでも2人は勇気を出して玲に歩み寄り…
    …頭を下げて謝った。



    クロナ・ナシロ「「玲……ごめんなさい」」


    玲「…?」


    謝られた玲はキョトンと首を傾けながら2人を見ている。


    クロナ「私達…玲が犯人だと思ってた。だけど違った…誤解だった。」

    ナシロ「それなのに…皆と一緒に玲を避けてた。……だから」


    クロナ・ナシロ「ごめんなさい」



    玲「別にそんなこと気にしてないです。どーでもいーです」

    ようやく、何を言っているのかを大体
    理解した玲はケロッとなんでもない風に答える。





    カネキ「……」



    これは…いい返事と言えるのだろうか?

    …いや……僕が思うに、これはいい返事だと思う

    『どうでもいい』…ということはつまり…2人にどう思われようが何とも思わないということ。普通ならこの時点で
    2人がその事を理解し、関係がより悪化するだろうが…

    これまで玲くんを見てきた僕は、
    鈴屋 玲がどういう人間なのか、少しは理解しているつもりだ。

    だから…さっきの返事は、今の玲くんに出せる『良い返事』だと思う。


    僕がその事を目で2人に伝えと、ホッとしたような表情で玲を見た。



    カネキ「………よしっ!じゃあ今度は玲くんが謝る番だっ」


    さて…次は玲くんが「雫ちゃんの事」で謝る番なのだが……


    玲「…?…なんで僕が謝らなきゃいけないです?」



    やっぱりこうなるか......。
    玲くんには意味がわからないのだろう。
    何に謝れば良いのか…何故謝らなければいけないのか…が。



    カネキ「…まぁまぁ!良いから早く。ね?仲直りするためだよ。」



    だけど…今はそれがわからなくてもいい。



    玲「…え〜……いやですよ」


    カネキ「いいからいいから!後でプリンあげるから」


    玲「う〜……わかりました。」



    そう…〝今は〟。



    いつか…玲くんがその意味を理解できる日がきっと来る。その時は、また。
    改めて────



    玲「ごめんなさいです?」



    クロナ・ナシロ「「!… うん。」」

  140. 539 : : 2015/10/03(土) 21:46:38



    カネキ「…ふふっ…じゃあ、仲直りの握手でもしよっか!」



    クロナ「え…?」


    ナシロ「握手…?」


    玲「…めんどくさいです…」


    カネキ「そう言わないで!ささっ」


    乗り気じゃない3人の手を取って、無理矢理 手を繋がさせる。

    うん。こうして見るとなかなか面白い。
    3人が手を握っている。玲の左手はナシロの左手を、右手はクロナの右手を。

    だけど、3人とも手を繋いでいるとは思えないくらいに複雑な表情をしている。


    カネキ「…そんな顔しないで笑って笑ってっ!」


    ちなみに、そう言うカネキも額に汗を浮かべながら、口元を引きつらせていた。





    何はともあれ…これで仲直りは出来た。と思う…

    けど、元通りにはならない。
    いや、そもそも元通りとか、それに近い関係に戻そうとか…それ自体が間違っていたのだ。
    元通りにならないなら、もう一度やり直せば良い。

    そう……今、この瞬間…
    3人の関係は仲直りと言う形で

    一旦リセットされた。

    ここからまた始めよう。

    これから3人の仲が良くなるのか悪くなるのかは、誰にもわからない。先の事なんてわからない……
    その事を今考えても仕方がないんだ。
    何か、また問題があった時は…
    その時に考えよう。




    カネキ「ふっ…」


    玲「…?」

    クロナ「…?」

    ナシロ「…?」


    カネキ「ああ、いや……って(まだ手握ってたのか…)」



    カネキ「よし。仲直りの握手もした事だし…そろそろ戻ろうか。」


    クロナ・ナシロ「うん。」


    玲「お腹すきましたぁ」


    カネキ「もう11時(23時)だから…
    あんまり食べないほうが良いんじゃないかな…?」


    玲「だいじょうぶです」



    カネキ「はは…」



    クロナ「……」


    クロナ「あ…っ!」


    カネキと玲がどうでもいいような話をしていると…
    クロナが急に…まるで幽霊でも見たかのような驚きの声をあげる。いきなりの事にナシロとカネキは肩をビクつくかせたが、直ぐにクロナへと目を向ける。


    ナシロ「ど、どうしたの…?」



    クロナ「…早くここから離れたほうが……」


    カネキ「?……」



    カネキ「……ッ?!」


    一瞬、なんの事かわからなかったが
    直ぐに玲くんと鉢合わせる前の事を思い出し…スーッと顔が青ざめていく。

    そうだ…自分達は戸影から逃げてきたんだっあ。

    カネキは焦りながら四方八方、森の奥も視るが、人の姿は何処にも無かった。
    その事に安堵して肩を落とす。
    だが、安心している場合じゃないと…
    直ぐに息を整えて、速やかにここから離れる事を再決断する。


    カネキ「…今のところは大丈夫みたいだよ。だけど本当にいつ来るかわからないから、早くここから離れたほうがいいね。」

    カネキの言葉にナシロとクロナは頷き、玲は頭に「?」マークを浮かべていた。

    カネキは玲に「はは。なんでもないよ」と笑いかける。



    カネキ「…戻ろうか。」


    周りに細心の注意を払いつつ言った。
    ナシロとクロナはもう一度頷いたあと
    歩き出した。




    玲「…?カネキくんはもどらないんですか?」

    その場から動かない僕を不思議に思ったのか、玲が訊いてきた。


    カネキ「いや。…行こうか。」



    玲「はい。」





    微笑しながらそう言い、カネキが一歩を踏み出した瞬間、背後から途轍もない威圧感────いや、殺気を感じた。
  141. 540 : : 2015/10/03(土) 21:50:10
    ※ 東京喰種は悲劇の物語であり、そしてこのSSも悲劇の物語である。(なんつって)

    …えっと…結構書いたつもりが、これだけしか無かった。…です

    もうそろそろ戦闘シーンあると思うので…張り切って書きますわよ(ゝ。∂)

    では!今日はここまで!!
  142. 541 : : 2015/10/03(土) 22:23:32
    めっちゃ期待
  143. 542 : : 2015/10/04(日) 00:32:05
    殺気…誰だろ…
    毎日たのしみだからここを開いてしまうよ
    期待してる
  144. 543 : : 2015/10/04(日) 04:43:49
    期待
  145. 544 : : 2015/10/04(日) 11:43:02
    有馬? 期待です!
  146. 545 : : 2015/10/04(日) 12:12:46
    544 いや有馬から逃げた喰種じゃね?
  147. 546 : : 2015/10/04(日) 12:39:19
    生有馬!
  148. 547 : : 2015/10/04(日) 15:00:58
    ここで金木が犠牲になったりして
  149. 548 : : 2015/10/04(日) 16:00:21
    いいゾ〜これ
  150. 555 : : 2015/10/09(金) 21:27:24




    ────どうして…嫌な予感というのは当たってしまうのだろうか?


    小説でも…漫画でも……


    現実でも。


    そう…それらは必ず的中する……









    カネキ「────ッッ!!!」


    背後から漂ってくる凄まじいまでの悪意、敵意、殺意。それらがカネキを襲い、全身を凍りつかせていた。

    厭な汗が流れ出てくる。


    何だ…何が居る?背後に何が…?



    カネキの背後では、殺気を放っている『何か』が背中から伸び出る黝い(あおぐろい)翼をはためかせていた。



    振り向こうとした瞬間。

    カネキの第六感とも言えるそれが働き『攻撃が来る』と。そう感じ取った
    カネキは一切、後ろを振り向く事をせず、倒れ込むように玲を連れて横に転がった。


    ゴロゴロッと何度も横向きで地面を転がり、何とかその場から離れることに成功。
    …地面を転がっている最中、ちらっと目を開けてみると…

    黝い翼のようなものが、さっきまでカネキと玲が立っていた場所を横切っていた。




    カネキ「…ッ!」



    一瞬動くのが遅かったら真っ二つになっていた……。

    そのことを理解し、カネキは冷や汗を流しながら立ち上がる、さっきの背後に居た『何か』を確認する為に…
    目を凝らしてそれを視界に入れた。





    カネキ「───は…?」





    見事に予感は的中した、してしまった…。


    奴の背中から伸びる黝い翼。ギラギラと輝く赫い眼光…




    知っている。コイツは…


    コイツは……








    ────喰種ッ…⁉︎





    カネキ「な、ん…!」



    どういうことだ…何でこんな所に喰種がいる…⁉︎

    ここはアカデミー(ジュニア)とはいえ仮にも〔CCG〕の機関であるここに
    喰種が一体何の目的で来たというのだ。

    いくら考えても答えは出てこない。
    人間を喰いに来たのか?…
    いや、それこそあり得ないだろう。
    それだけならわざわざ危険を冒してまでここに来る意味はない。


    なら…ただの急襲が目的?。確かにここには、大して優秀な教官が居るわけでもないだろう。
    ヒヨッコの中のヒヨッコである候補生(ジュニア)はもはや敵ではない。

    ここを潰すのは極めて容易だろうが……


    別にここを潰したところで〔CCG〕の戦力が大幅に削れる訳でもないはずだ。
    本気で潰す気なら本局や支部を狙うだろう。



    やはり、わからない。


    カネキ「……ッ」


    カネキ「(そういえば……さっきの音はコイツの仕業か…?)」



    僕は森にいた時に聴こえた轟音を思い出す。

    あの音からして、壁やら何やらを壊して侵入してきたのだろう。

    何故わざわざ目立つような事をして入ってきたんだ?普通ならひっそりと来るだろう。…


    カネキ「…!」


    まさか…敵は一人じゃない?
    …こちらに注意を引きつけて何かをしようとしてる…とか。


    カネキ「(ああッ、頭が痛くなってくる…!)」


    考えるのは後だ!

    まずはここから離れるしかない。…

    離れると言っても……行く所は一つしかない。

    カネキ「(…もう一度森の中…か。
    …戸影教官も潜んでるかもしれないってのに……でも、今はそんな事言ってる場合じゃないか。クソッ!)」


    カネキ「玲くんっ!動けるッ?!森の中に行くよ…!」


    クロナちゃん達は、僕達と離れて歩いていた。結構離れているはずだ。2人なら逃げれる…僕は玲くんを連れて逃げないと…


    そう思い、玲に声をかけるカネキだが。玲は全く聞いていない。

    次の瞬間、玲が驚くべき行動に出た。


    玲は口元を歪め、心底楽しいという風に、狂笑を浮かべながら喰種に飛び込んでいったのだ。


    玲「あははははッ!!な〜んだが楽しそうですねえ!!」



    カネキ「なっ…!」


    僕が「待って!」と叫んでも玲くんは止まらない。


    カネキ「ッ…馬鹿ッ…!」


    悪態をつきながら僕もその背中追いかける。

    そして、同じく目の前にいる喰種も、僕達に向かってきていた。


    喰種「ギャハギャハアハアハアハハバババアハハッ!!おおおいしそうなニオイがイチ、ニのおぉ?2匹イイィィイイイゲハはははははあはあはあ!!!」
  151. 556 : : 2015/10/09(金) 21:37:43




    玲「ふふふっ!」



    カネキ「待っ……ッッ?!?」


    僕の言葉を遮って、前を走っていたはずの玲くんが急に僕の方へ背中から飛んできた。


    玲「ッ!」


    カネキ「ッが…!」


    いや、厳密に言えば『飛ばされた』、だ。

    玲くんが飛び掛かろうとした瞬間、喰種に蹴り飛ばされ…
    そのまま後方へ飛んでいき僕へ激突したのだ。



    喰種「ギャハハハハハバババハハァアアアアァッ!!!」ゲラゲラゲラゲラッ



    カネキ「っ!大丈夫?!玲くんッ」


    玲「はい。だいじょーぶですよー」


    カネキ「ダメじゃないか!何であんな危ないことをするんだ…!」


    玲「別に大丈夫ですよ」


    カネキ「ッ…とにかく逃げよう!」



    あの喰種は強い…武器を持たない僕らじゃ太刀打ちできない。


    玲「え〜…いやですよ。せっかく楽しそうなのに」


    カネキ「……ッ」



    喰種「ヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソヒソとヒソヒソとナイショ話ですかアアアアッ!!?アヒャヒャビャヒャッ!」



    カネキ「ッ!逃げるよッ!」


    玲「あっ!ちょっと離してください!」







    喰種「逃いいガスかカアあアああアああアアああああアアああアアああアアああアアああああああアアああアアああアアッッッ!!!お前らはオレに喰われるんだよオオォォォォオォオおおおおおおォオォオんんん〜!!!」



    ガガガガガガガガガガガッッ!!!



    逃げるために玲の腕を掴み走り出すカネキ。

    しかし、謎の喰種はそれを逃さぬよう赫子の弾丸をカネキ達の前に(周りに)立つ無数の木へ放った。


    放たれた数え切れないほどの黒い結晶が木を貫き…
    バタバタバタバタッッと枝が折れる音と、葉が揺れる音と共にその多数の大木は次々地面へ倒れていく。



    カネキ「な…ッ!」


    玲「あちゃ〜?」




    道が塞がれた…森に入れない。




    カネキ「(別の所からッ……いや、また塞がれるに決まってる…)」



    カネキ「…ッ」




    ──────…逃げるという選択肢が無くなった。



    僕は向き直って喰種を見る。



    カネキ「……!」



    そこでようやく異変に気付いた。


    さっきまであまり気にしなかったが…

    可笑しい。変だ。




    喰種「ッッッグボルアバァッ!?!!アッアッアッアッァヅアー!!?やメメメメやロヨロヤメラメヤメラヤメメヤメラヤメメラややめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろおおおおおおおおだおおおおおおお!!!グアアア勝手に俺のカラダを動かすんじゃねええええェェェエエエエ!くそやろオオオオオオオオオオオオオブガアガァッ!!!?」


    喰種「がああああああ!!あ、あ、ありありありままり有馬アアリまあああああああああああああああああ!!お前はぶち殺おおおおおすヴァサさあ!!お前の内臓はどんなあじがするんだろおおおおななあ??!フフッファヒファヒヒひひッ!あーあー!あぁぁ中あゆコル花っあっあっーアーリマ〜のあーわ甘いのあー!有馬の「ま」〜は不味いのまあああああぁぁァァァアアアぁあ!うふふひやかやぬこやはにひふははははははははは!!!」
  152. 557 : : 2015/10/09(金) 21:44:07




    カネキ「────ッ…!」




    この喰種…狂ってる…!!



    カネキ「…!」



    ここで全ての合点がいった。何故こんな所に侵入してきたのか…何が目的なのか。

    目的なんてものは最初から無い。


    目の前の喰種は自我を保っていない。完全に理性を失っている。


    つまりだ。この喰種は最悪なことに…
    たまたま、偶然ここに入ってきてしまったのだ。




    カネキ「本当…最悪だよ。」



    理性を失っているというのがこれまた厄介だ。何をしでかすかわからない。
    今アイツは僕らを見ているが……パッと標的が変わる事だって十二分にあり得る。


    もしここで僕達が消えれば(逃げれば)…

    人の匂いを辿って、寝ている生徒達の所へ行く可能性だってある。

    そうなれば…激しく暴れまわり、誰彼構わず、見境なく襲うだろう。





    カネキ「……はぁ」


    玲「?」




    カネキ「結局…こうなるか」





    僕が…なんとかするしかない…






    カネキ「───戦おう」



    カネキは一歩前に出て、臨戦態勢をとる。



    玲「!」


    カネキ「…玲くんは離れてて。」



    玲「いやです。僕も戦います♪」


    カネキ「……」


    玲「ふふ…♪」


    確かに、候補生の中でも、僕と玲くんの身体能力はズバ抜けている。

    喰種と比べても劣りはしないだろう。

    今ここで、目の前の狂喰種を相手にできるのは僕達だけだろう。

    玲くんを危険にさらしたくはないけど…一人で戦うより二人で戦った方が安全なのも確かだ。


    それに…玲くんは言っても聞かないだろう。




    カネキ「…わかった。一緒に戦おう。」



    玲「はい♪」



    カネキ「…ただし、危なくなったら逃げること。約束できるかい?」


    玲「はーい♪」


    …本当にわかってるんだろうか?

    僕は嘆息しながら心の中で呟いた。




    カネキ「……じゃあ、いくよ。」



    玲「ふふっ♪」




    狂喰種「クヒヒヒヒッ!ケッケッケッケッケッケッ……おおおオ 食事タァあァァァアアアアイイムゥウウッッ!!!」



  153. 558 : : 2015/10/09(金) 21:50:41





    ──────────────────────────────





    クロナ「研ッ!?」



    ナシロ「玲!!」



    離れたところでクロナ達が叫んだ。

    だが、その声は届かない。

    二人は混乱していた。謎の喰種の出現に。
    何故こんなところに?何が何だかわからない、頭の中がぐちゃぐちゃなっていく。


    二人の理解が追いつかないまま、戦闘は始まった。


    今、カネキ達が喰種から逃げるため、森に入ろうとしている。


    だが喰種は逃さないように、赫子で木を倒し、道を塞いだ。


    クロナ「あっ…」


    あっという間に二人の逃げ道がなくなってしまった。


    ナシロ「どうなってるの…なんで喰種が…⁉︎」

    それは誰もが思うことだろう。



    クロナ「ッ…!」



    助けなければ。そう思った。だが、膝が笑って動けない。


    恐い。恐い。恐い。


    かつてない絶望と、戦慄をクロナとナシロは覚えた。

    自分達に何かできるのか?何もできないんじゃないか。
    今、助けに飛び込んでしまったら2人が余計に危険な目にあってしまう。



    『クヒヒヒヒッ!ケッケッケッ……おォォオ食事タァあァァァアアアアイイムゥウウッッ!!!』



    狂喰種が咆哮した。ふざけた事を言っているが、その言葉とは裏腹に、押し寄せてくるのはシャレにならない威圧と迫力。

    並の人間…いや、並の捜査官でも。その戦意を簡単に挫く程のド迫力。

    恐怖の波にクロナとナシロは体を仰け反らせた。


    そして…狂喰種は血で染まったボロボロの服をヒラヒラと風で揺らしながら…
    カネキ達に向かって、一歩地面を踏みつけた。





    『……じゃあ、いくよ。』


    『ふふっ♪』



    ボソッと玲とカネキの声が聞こえると同時に、2人も地面を蹴りつけ狂喰種に迫って行った。



    戦う気だ。あの喰種と。


    自分達は足を動かすどころか、目を動かすこともままならないというのに。


    あの2人は…やっぱり凄い。




    クロナとナシロは…目の前で繰り広げられている戦いをただ黙って眺めることしかできなかった。
  154. 559 : : 2015/10/09(金) 21:55:28


    ………戦闘シーンがあると言ったな。


    あれは嘘だ。

    次回……だ!

    そして、大変遅くなり申し訳ありません。皆さん期待ありがとうございます!!

    >>552>>553ありがとうございますT^Tそう言っていただけるとありがたいです!

    今日はここまでです!おやすみなさい


  155. 563 : : 2015/10/10(土) 17:11:34
    早く描いてくれることを心から祈っている
  156. 564 : : 2015/10/10(土) 21:36:55
    赤司っちさん 進撃の方はもう書かれないのですか?
  157. 565 : : 2015/10/11(日) 14:00:33
    赤司っちさん、進撃の方もかいて下さい。
    お願いします。
  158. 566 : : 2015/10/11(日) 14:45:32
    赤司っちさんってほんと文才ありますよね!
    凄いです!
  159. 567 : : 2015/10/11(日) 14:52:56
    上に同意
    私なんて頭の中で1話も作れません。
    ガチ凄いっす!
  160. 569 : : 2015/10/11(日) 20:07:54
    進撃の方もかいて下さい。
    楽しみなので本当にお願いします。
  161. 571 : : 2015/10/12(月) 21:21:39
    進撃の事に関して自分も同意見
    てかはよorz
  162. 576 : : 2015/10/12(月) 23:14:21
    原作で甲赫で強い奴いないよな
  163. 580 : : 2015/10/13(火) 13:24:25
    考え中乙
    早くしてほしいな
  164. 581 : : 2015/10/13(火) 15:12:22
    一応月山とナキはSレートだよ
  165. 583 : : 2015/10/13(火) 18:37:19





    カネキ「…!」ダッ


    玲「…♪」タタッ




    カネキ「(おそらく、もう少ししたら騒ぎを聞きつけて教官達が来るだろう。
    とりあえずは それまで持ちこたえることに専念しよう。)」


    玲「僕左いくです〜」タッ


    カネキ「了解。僕は右からいくよ」ダッ


    狂喰種「クヒヒヒヒヒッ!!」


    狂喰種は向かってくる二人に翼をはためかせながら、赫子の弾丸を撃って迎撃する。

    ほぼ同じ数の弾丸がカネキと玲にそれぞれ向かってくる。二人は走りながら飛躍し、それを回避。
    赫子の弾丸は地面に突き刺さった。

    カネキと玲は着地したと同時に、もう一度地面を蹴りつけ、飛んだ。



    玲「そおっれっ!!」


    カネキ「ふっ!」


    そのまま空中で横に回転しながら

    玲は左から、カネキは右から。同時に狂喰種の側頭部に回し蹴りを炸裂させた。



    ドゴォッ…!…鈍い音が耳を打った。



    狂喰種「二ヒヒヒヒイイィイイ!ヒャハヒャハヒャハハハハハハハァァアッ!!!!」


    だが、やはり喰種。踵が強く当たったはずだが、それを物ともしない。


    カネキ「く…っ」


    玲「硬ぁ」




    狂喰種「オ・レ・ノ・ば・ァァアアアンン!!!」



    不味いッ!このまま至近距離で撃たれたら…!



    カネキ「玲くん下がって!」


    と…僕が言うよりも先に、既に玲くんは後退していた。

    まったく、大したモンだ。



    狂喰種「死死死死死死死死死死死死ネエえぇエッ!!!!」


    カネキ「させ…るかッ!」


    ド ガ ア ァ ッ !


    僕は至近距離からくる弾丸を避けるために、狂喰種の赫子を蹴り上げ、軌道をずらす事に成功した。


    狂喰種「っ!!」


    そのまましゃがみこみ、地面に手をつけ、足を上へ突き出す。

    狂喰種は突然の死角(下)からの攻撃に僅かに反応が遅れ、躱す事が出来なかった。

    カネキの足は見事に狂喰種の顎を捉えた。



    狂喰種の体が数センチ宙に浮く…



    狂喰種「グッ…!シラガァァァッ!!!」


    顔は空を見上げ、体も浮いたままの狂喰種は、腕だけを動かして僕の足をガッシリと離さないように強く掴んだ。


    カネキ「ッ!」キュキュッ!


    だがカネキは、逆立ち状態のまま両手をキュッと動かし…

    体を回転させて、足の拘束を解く。


    狂喰種「…!!」


    カネキ「ッ…フッ!」


    そのまま逆立ち状態で…回転の勢いを足に乗せ、つま先で粘膜───目(眼球)を突き刺した。


    狂喰種「ッヅアアアアアアアッ!!メメメエエエエエエワェェェエエエエエエェェエェェエ!!!?!」


    玲「あははっ!!」


    痛みに悶える狂喰種を他所(よそ)に、玲はどこから持ってきたのか、10センチ程の尖った石を容赦なく目に刺した。


    狂喰種「ッバアアアああアアアッ!!」



    狂喰種が繰り返し絶叫する。
  166. 584 : : 2015/10/13(火) 18:45:37




    狂喰種「ッ!ッッ!!ガアアチョソウムシニシネハノルノララナダァッ!クッそガァキガァァッ!!」


    叫ぶと、まるで狂喰種の心境を表すかのように赫子がうねり始めた。

    僕はこれ以上の追い打ちは危険だと判断し。玲に視線でそれを伝えると、僕達は大きく後退して狂喰種の攻撃に備えた。


    案の定。狂喰種が出鱈目に赫子の弾丸を連射しだした。

    あのまま攻撃を続けてたら蜂の巣になっていたところだろう。

    僕達は、何とか羽赫の攻撃を自慢の反射神経と動体視力を駆使して回避する。


    だが完璧に全てを避け切る事は容易ではなく、一つの結晶(赫子の弾丸)がカネキの頬を掠めた。




    カネキ「!(…あれ…?)」



    そこで、ふと気づく。向かってくる赫子の弾丸。そのどれもが 当たれば重症と言える威力だろう。
    しかし、さっき僕の頬を掠ったものといい、僕や玲くんの横を通り過ぎていく赫子の大きさがそれぞれ違う事に気付いた。



    赫子の攻撃が止み、地面に膝をつけた狂喰種がまた何かに苦しみだす。



    僕は狂喰種が撃った結晶をチラッと見た。

    色々な大きさの結晶が地面に刺さっているが……


    カネキ「(大きさ…それに威力も違う…⁉︎)」

    刺さっている結晶の中でも、大きいものは地を破壊しているが…その一方、小さいものは…まるで土にナイフがサクッと刺さったかのように低威力だ。


    もしかしたら、自分の意識を保つどころか、赫子の制御(コントロール)すらできていないのかもしれない。


    狂喰種「グッ…あはははハはハはハはハはハはハはハはハハハハハハッ!!!ああああ〜?んんあ?なぁにをしていたんでしょうかぁ?僕は私はオレは…何をしていた、何をすればいいのかぁ?」


    狂喰種「アハハハハハァ…そうだ壊そおおおおおオぜぇ?!壊しましょオオオオオォォォオウうゥオ!!!」



    玲「あはっ」

    カネキ「ッ…!」


    数メートル離れたところで、カネキ達がより一層イカれてしまった喰種を見つめていると…



    ギ ョ ロ ッ。


    と。効果音が出そうなほどに、眼球をゆっくりと動かし、狂喰種が此方を睨みつけてきた。


    狂喰種「オレの前に…立ってンじゃネエえエェェェぇえエェエェえエェええェェェェえええ!!!!!」


    逆ギレのように狂喰種が憤り、咆哮する。


    さらに、狂喰種の体に変化が生じ始めた。背中から出ている赫子が左腕と右足を徐々に包み込んでいっているのだ。


    カネキ「!」

    玲「何ですかねえ?あれ?」


    怪訝な顔をするカネキとは逆に、玲は面白そうに笑いながら言う。




    狂喰種「あひゃっ」





    狂喰種「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひひゃひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃゃひゃひゃゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃヒャッひゃひゃひハャゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃヒャはャひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひひゃひゃひゃひゃゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」



    血に塗れ、傷だらけになりながらも…


    …笑う。自分が死んでいくのを感じながら…それでも高らかに。


    狂って、狂いながら……〝狂喰種〟は───




    ───… 嗤 う 。





    バ サ ァ ア ア ッ…! !



    狂喰種の翼(赫子)が大きく揺れる。



    カネキ「…!!(色が…変わった…?)」


    青みを帯びていた黒色が、確かに黒に変わっている。真っ黒に。

    黝い翼は…漆黒の翼に変色していた。



    カネキ「───…!!」







    そして…二翼は四翼へ──────


  167. 585 : : 2015/10/13(火) 18:46:28
    あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!

    今日はここまでです(笑)
  168. 588 : : 2015/10/13(火) 20:52:28
    まさか赫者!?
  169. 589 : : 2015/10/13(火) 20:55:54
    あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!

    ↑移った


    期待してます
  170. 590 : : 2015/10/13(火) 21:01:13
    あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!

    ↑伝染病↑
    赫者だったらSSレート?
    狂喰種の肉食べてグールになったら面白そう!
  171. 591 : : 2015/10/13(火) 22:14:32
    あそこの場面はハンターハンターのキルア…かな?
    分かる人には分かると思う
    期待してる
  172. 623 : : 2015/10/18(日) 23:28:55
    キルアを意識して書きました?
    それだけ教えてください
    お願いします
    後期待してます
  173. 624 : : 2015/10/18(日) 23:30:46
    大期待(..)
  174. 625 : : 2015/10/18(日) 23:32:55





    カネキ「…ッ!赫子が増えた…?!」

    いや、増えた…というのか?もしかしたら隠していただけの可能性も…

    だけど今のアイツがそんな事をするとは思えない。

    色も、数も変わっている…それに、赫子が左腕と右脚に絡み付いている。…いや、絡み付いているじゃない、どちらかというと…まるで鎧のように纏っているといったほうが正しいか。


    カネキ「(あれは、アイツだからできる特別な何かなのか…?それとも喰種ならできるのか?……
    いや、それはないだろう。今まで戦ってきた喰種も…ジェイソンもあんな風にはならなかった。)」



    カネキ「(…ただ……今、判ることは…)」





    狂喰種「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」



    カネキ「───ッッ!」



    確実にさっきまでとは〝違う〟という事だ…!


    カネキ「ッ…!」


    どうするっ?逃げるか?戦うか!?


    考える。逃げるべきか、戦うかべきか。どちらが安全か……さっきと比べて狂喰種はどれ程力が上がったのか。


    しかし、目の前の喰種は…そんな事を考える時間すら与えてはくれなかった。



    狂喰種「────…ギャハッ」




    カネキ「!」


    玲「!」


    ド ン ッ ッ ! !という衝撃が地震のように足元を震わせた。

    まるで爆弾でも爆発したかのように地面を思いっきり蹴りつけ、狂喰種が肉薄してくる。



    カネキ「────」



    瞬きをした瞬間、あっという間に狂喰種は眼前に迫っていた。


    カネキ「!!」

    玲「!」


    僕達が動くよりも先に、狂喰種の攻撃の方が一歩早かった。

    狂喰種の右拳が僕の腹の辺りを捉え、次に左足が同じく玲くんの腹を突き刺した。

    僕達はそのまま空を飛び、背後の森へ一緒に吹き飛ばされる。そのまま無様に地面に落ちるかと思えば…さらに追い打ちの如く、後ろにそびえ立っていた木に背中から叩きつけられ、体を強打した。


    玲「あ…!」


    カネキ「ぐ…ッ!!」


    厳密には、木に衝突したのは〝僕達〟ではなく僕(カネキ)だけだった。
    最初に殴り飛ばされた僕は、最初に木にぶつかった。そして、その上から、さらに蹴り飛ばされてきた玲くんが、僕に重なるようにぶつかったのだ。

    まぁ、それで玲くんのダメージが軽減されたから、結果的には良かったと言えるかもしれない。



    カネキ「…ッ!」


    玲「あいたた……あ、ごめんなさいですカネキくん」


    カネキ「あ、あぁ、うん…大丈夫だよ。」


    …とは言ったものの…


    カネキ「(攻撃が当たる瞬間、咄嗟に後ろへ飛んで威力を半減させることができたけど……クソ。肋骨にヒビが入ってるかもしれない…)」


    狂喰種「ギャハハハハァ」



    カネキ「(速度が上がっている……だけど、攻撃力は上がっていない?
    …さっきは偶々 赫子を纏っていない方の手で殴られたけど。もしかしたら……赫子で武装している左腕と右脚は攻撃力が上がっている可能性があると考えるべきか。なら、奴の赫子とその左腕右脚にはより警戒した方がよさそうだな…)」



    警戒しながら…逃げるしかない。

    ただでさえ危険な喰種を武器も持たず
    生身で相手しているというのに、強化されたとなったらもう逃げる以外にない。これ以上やれば、間違いなく二人とも死ぬ。



    たまたま吹き飛ばされたのが森の方というのが不幸中の幸いだった。これならすぐに森へ逃げられる。森に入れば逃げ切れるはずだ。


    ただ、ここで二つの問題が生じる


    一つは……


    玲「…♪」フフッ


    玲くんが素直に言うことを聞いてくれるか…だ

    答えは否だ。きくわけがない…

    その時は…無理矢理連れて逃げるしかないだろう。


    そして、もう一つは。

    どうやって森の中へ入るかだ。確かに森との距離は縮まった。だけどまだ10m近くある。森へ走っても、そうやすやすと通してくれるはずがない。

    さっきみたいに奴が狂って、発狂すれば逃げれる可能性は高まるかもしれないけど…都合よくそうなるとも思えない。



    狂喰種「あはあはあは!ンんー?」



    狂喰種「キュ うーうに だ マ っちゃぁぁっ アって 何 か かん ガエ チュ うで ェぇす かね ね ね ぇえ えええ?!!!」



    ガガガガガガガガガガガガガッ!!!


  175. 626 : : 2015/10/18(日) 23:34:20
    >>623どのシーンでしょうか?

    >>624ありがとうございます!
  176. 627 : : 2015/10/18(日) 23:41:56




    狂喰種が空高く飛び上がり、空中で四枚の翼を大きく広げさせる。そのまま約7〜8m程まで飛躍すると
    そこから狙いを定めるかのように翼を僕達に向ける…

    次の瞬間。

    …大量の赫子が まるで雨のように頭上より降り注いできた。



    カネキ「くッ…そ!(少しも考える暇がない…!)」


    玲「あははははッ すごいですねえ!」


    僕達は、後ろに飛び退いて何とか赫子の攻撃を躱す。



    カネキ「玲くん!!森に入ろうッ!」


    玲「?何故です?」


    僕達は攻撃を躱して、走りながら会話を続ける。

    カネキ「逃げよう…っ!これ以上は危険すぎる!森へ入ればここよりは安全だ!」


    玲「えぇ〜…だからいやですよお〜」


    必死に何度も訴えかけるが、玲は子供が駄々をこねるように頭を振って、逃げようとしなかった。このままじゃまずい。そう思い…焦りの入り交じった声で再び説得するが、やはり引かない。



    カネキ「ッ!」



    これ以上いいあっててもキリがない…!


    僕は説得するのをやめて最後の手段に出た。


    玲「ぅわっ」


    赫子の攻撃が止むのを見計らい、玲くんを半ば無理やり背中に担ぐと、攻撃が当たらないように警戒しながら一直線に走り出す。


    僕の背中を叩きながら玲くんが何かを言っているが…足を止めることはしなかった。




    カネキ「!!!」



    そして…



    ────再び…初めの時のような殺気を背後から感じた。


    瞬時に危険を察知し、玲を抱えたまま重い足を動かして全力で駆け出す。



    早く…速く…疾くっ!…もう少しなんだ!


  177. 629 : : 2015/10/19(月) 00:00:07
    >>626
    金木が逆立ちして足をつかまれた時、回転してその手を振り払ったところです
    ハンターハンターのキルアも同じことをしてましたよね?
  178. 630 : : 2015/10/19(月) 00:01:53




    狂喰種「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!!」



    僕の背中が…咆哮にも絶叫にも聴こえる狂喰種の声を聴き取った。


    猛然と迫りくる巨大な圧力と殺気から、文字通り死に物狂いで遠ざかる。疲労も思考も恐怖も捨てて、玲くんの体だけを握りしめ…視線の先のただ一つの逃口へ。

    森へ入っても絶対に安全という保証はない。喰種は鼻が効くし…
    喰種曰く、僕(玲も)は美味しそうな匂いがするらしい。狂喰種が狂ってるとはいえ、森に逃げても匂いを頼りに追ってくるかもしれない。

    だけど…だ。

    逃げるなら森しかないんだ…!今一番安全なところはそこしかない。



    カネキ「………!!」



    森まであと数歩のところで…狂喰種が動いた。

    膝を浅く折り曲げ、僕と玲くんに一歩近寄る。



    ────来るッッ…!



    僕の心臓がぎゅうっと縮こまると同時に、狂喰種が真っ直ぐに…まるで猪のように凄まじい速度で突進してきた。



    カネキ「ッッ!?」


    玲「うわあぁっ⁉︎」


    咄嗟に横へ飛んだ。玲くんを抱え、僕は狂喰種の体当たりを擦れ擦れで回避する。

    気を使う余裕なんてなかった。悲鳴と一緒にその小さな体を巻き込みながら、僕と玲くんは地面の上を派手に転がった。

    二転、三転と回って勢いが止まり、僕はガバッと体と顔を一緒に上げて地面に片膝を立てる。

    玲くんを背中に隠す形で、体勢を立て直した。


    突っ込んできた狂喰種は間抜けに、頭から木に激突して叫んでいる。




    カネキ「玲くん!大丈夫?…動けるなら早く今の内に────」


    喋りながら背後を振り向くと、そこに玲くんの姿はなかった。

    バッと振り返ると…玲くんは僕の前にいた。
    そして、狂喰種へ一歩、また一歩と走っていた。



    カネキ「玲くん!!待って!ダメだ!」


    何度言っても聞く耳を持とうとしない…


    クソッ…!!



    カネキ「玲くん…ッ!!」



    玲「〜♪」



    カネキ「ッ!!」



    プチン、と…何かが切れる音がした。



    僕は走っている玲くんに追いつくと、その細腕を力強く握って、叫んだ…いや、怒鳴った。





    カネキ「───いい加減しろッ!!!玲君…ッ!」



    玲「…!」



    玲「……、」



    怒鳴る。口調が荒くなっているが、今はそんなことを気にしている暇はない…僕の様子が変わったことに玲くんも気づいたらしく、黙って向き直り、僕を見る。



    カネキ「わかってくれよ!?今のアイツは危険だ…!!」



    カネキ「頼むから、いうことを聞いてくれ…本当に死ぬかもしれないんだぞッ!?」


    玲「………」



    玲「……死ぬとか死なないとか…べつにどーでもいいです」



    小さな声で…玲くんが呟くように言う。


    玲「だいたい、何でいつもカネキくんは僕に構うんですか?ほっといて逃げればいいじゃないですか」



    カネキ「…そういうわけにもいかない」


    玲「どうして?」



    カネキ「…悲しいから」


    玲「…?」


    カネキ「僕は…君が死んだら悲しい…だから、死んでほしくない....。」


    玲「………」



    カネキ「……」





















    狂喰種「あー!あーあ!あおおー?
    お っ しゃべりはおわった
    か …。、、な?…隙
    間スキマ
    スキスキスキスキスキ 隙だらけで すよおおおぉぉ おおおおおお
    ぉおぉぉお!!!まったくこれだからお子ちゃまは……





    バあぁぁアぁぁぁかアァァア?!!!!」



    カネキ「!?」


    玲「!」




    狂喰種「お」



    狂喰種「こレ… も ぉ ー ら い 」



    カネキ「────ッッ」



    玲「───…あ」




    ズ シ ャ ァ ア ン ッ ッ!!






    脚が…飛んだ。
  179. 631 : : 2015/10/19(月) 00:10:20
    今日はここまでですね。

    >>628さあ?来るんでしょうか?…来たころにはもう終わってました…とかだったら笑えませんねw

    >>629あー!!なるほどなるほど、そのシーンでしたか…この前エレアニさんもそういうこと言ってましたので…
    あれ?キルアにそんなシーンあったか?と思ってたんですよ。フィンクスに掴まれたとこですよね。

    それを意識して書いたつもりはないですね。
  180. 632 : : 2015/10/19(月) 00:19:04
    >>631
    お答えありがとうございます
    あと僕、エレアニ大好きです
    いつもは携帯でコメントしてますが、今はわけあってパソコンでコメントしてます
    期待してます
  181. 633 : : 2015/10/19(月) 00:40:26
    >>632あっ、そうだったんですか( ´ ▽ ` )
    期待ありがとうございます!。
  182. 636 : : 2015/10/19(月) 15:50:03
    そういえば戸影さんはどうなったの?
  183. 644 : : 2015/10/21(水) 07:38:15
    どっちの脚が飛んだのかな?
    この作品の亜門さんは誰から変態捜査官の称号を貰んだろ。
  184. 645 : : 2015/10/21(水) 08:09:43
    おそらく金木のかと。あんていく戦での篠原さんポジかなぁ?ということは玲くん覚醒か!?期待!
  185. 649 : : 2015/10/21(水) 13:10:32
    カネキ君おなかの中優しくまぜまぜされちゃうの?
  186. 650 : : 2015/10/22(木) 01:49:33
    この時点ではまだリョーコさんやアラタは生きてるのかな
  187. 651 : : 2015/10/22(木) 05:29:09
    リョーコとアラタの間の子.....
    きっと強い甲嚇になるんだろうな...
    期待です
  188. 652 : : 2015/10/22(木) 10:57:40
    バンバンバンバンバンバン
    バン  バンバンバンン バン
    バン(∩`・ω・)バンバンバン
     _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
        \/___/



      バン    はよ
    バン(∩`・д・) バン  はよ
      / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
      ̄ ̄\/___/飛んだのは玲の足かな?
    て事は遂に金木、覚せいか?
    て事で超期待です。
  189. 653 : : 2015/10/22(木) 18:40:21
    皆さん、ありがとうございます!!

    >>636彼は森の中をさまよっています。…というのは嘘で、もうとっくに逃げてます。実はカネキと玲が狂喰種と戦っている時、こっそりと見ていました。この時、戸影教官には轟音に駆けつけてカネキと玲がここに来たという都合のいい解釈をしてもらいました。その後はすたこらさっさと逃げて行きましたよ

    今から、投稿していきます!
  190. 654 : : 2015/10/22(木) 18:45:47
    >>651なぜにその二人ww
  191. 655 : : 2015/10/22(木) 18:51:24




    目を開けると…


    カネキ「ッ…!?」



    僕は宙に浮かんでいた。空を、舞っていた…

    地面が遠い…どれくらい離れているだろうか?5m?6m?
    そんなことを考える状況じゃないに、何故か僕はそんなどうでもいい事を暖気に考えていた…


    カネキ「ッ!?(なっ…なんだ?何が起こって…!)」


    やがて ぼーっとしていた意識が正常に戻ると、何故…今このような状況になっているのか、頭の中を整理しながら考える。



    たしか、目の前に狂喰種が現れたと思ったら……



    そうか…僕は殴られて、上に吹き飛ばされたのか…

    理解が追いつき、なるほど…と嘆息する。


    カネキ「(くっ…体のあちこちが痛い…)」


    カネキは5、6mほど上にのぼったところで、勢いが止まり…次にはそのまま重力に引っ張られ地面へと落下していく。

    このまま落ちれば危険だ…

    カネキは鈍い痛みに耐えながら空中で体勢を立て直し、両足をバネのようにして上手く着地した。

    そのまま片膝をついて息を整えようとするが、それより先に玲のことが頭をよぎった。


    カネキ「れ、玲くんッ!!」




    狂喰種「づあったぁあけなゆ支持し死ぬゥしぬ死ぬシクシクゆぬたまなまをしまえsj6:@)¥イタヌダカツギガガゴが&&::(&@€~ん、}%€嫌だ嫌だクソクソアリクソ釜が仲俣か有馬やむなばまだざ村人げでだずけで%%$わまやた殺す俺僕を私あれ白髪がながはとはたほたほたはとはと白神が死神がぁぁぁあ」


    狂喰種はどうやらまた狂っている様子だった。

    ゴクリと唾を飲むと、狂喰種をスルーして、僕は慌てて玲くんを探そうと首を大袈裟に動かし辺りを見回す。

    すると、離れた所に玲くんと思しき人影が視えた。ここからじゃよく判らないが、木に背中を預けて座っているようだ。おそらく玲くんも飛ばされたんだろう。


    カネキ「…ッ」ダッ!


    僕は急いで駆け寄ると開口一番「大丈夫⁉︎」と大声で安否を訪ねた



    玲「ありゃりゃ…カネキくん。そっちは大丈夫です?」


    カネキ「玲くん…よかった。特に怪我はないよう────」


    玲くんに目立った怪我が無かったことに心底安堵し、僕は一歩近づこうと
    地面を踏んだ。その瞬間……

    ピチャッと。水溜りを踏むような音が足元から聴こえてきた…

    あれ?今日は雨なんて降ってなかったような…

    頭の隅でそんなことを考えながら首を曲げて足元を見ると…


    カネキ「…は…?」


    それは水溜りなどではなく

    真っ赤な血。…血だった……

    血溜りだった……


    カネキは驚愕に目を見開き……直ぐにその血がどこから流れ出ているものなのかを、血を逆に辿っていき確かめる。

  192. 656 : : 2015/10/22(木) 18:58:54




    カネキ「────…ッ!!」


    カネキは絶句し……肩を小刻みに震えさせる。

    じわぁ…と。瞳に涙がたまっていくのを感じた…


    玲「?」

    玲は何でカネキが震えているのか解らないようだったが、やがて気づいたようで…
    いつものようにニコニコ 笑みを浮かべながら言った。

    玲「カネキくん…僕、ぜんぜん平気ですよ」

    それを聞いたカネキの顔がいっそう哀しそうに歪む…
    …そしてついには、目にギリギリまで溜まっていた涙が溢れ出て、ぽたぽたと大粒の雫が零れ落ちた。


    カネキ「平気って……玲くん…ッ」


    違う。平気なんかじゃない…だって…だって…ッ



    玲「……?」



    カネキ「玲くん……脚が…ッ!」


    玲くんの右脚はスッパリと膝から綺麗に切断されていた……あの時だ。さっき僕 が飛ばされている時に玲くんも攻撃を受けて、脚をやられたんだ……


    カネキ「…ッ…ッ…!」


    クソッ…!…クソ…ッ!クソッ!!



    玲「……僕…痛くないですよ。ホラ、そんなことよりアイツ来るかもですよ」



    玲くんが何か言っているが…全く耳に入ってこない……まただ。

    また、僕のせいで……
    僕がちゃんと玲くんを連れて逃げれていれば……僕が狂喰種を倒せたら……

    …僕のせいで玲くんにこんな大怪我をさせてしまった。…


    恥ずかしい…馬鹿かよ僕は!

    …畜生ッ…なんて情けないんだ!!僕が側に居たのに……僕が側にいて…玲くんにこんな怪我をさせてしまうなんてッ…


    カネキ「ごめん…僕のせいだ……」


    カネキ「ごめん…っ…!」


    僕は大した怪我じゃないっていうのに…玲くんはこんなにも………ッ

    さっきから自分の身体中を襲ってる鈍い痛みなんて、玲くんに比べれば全然なんて事無いじゃないか。

    身体の痛みよりも……ズキズキと胸のあたりが痛い。

    哀しい…悲しくてしょうがない…胸が張り裂けそうだ。

    僕がそれを代われるなら代わってやりたい…

    すまない…玲くん……



    玲「だいじょーぶですから」



    カネキ「玲く…ッ…本当にごめん………僕のせいだ……」


    泣きながら、カネキは何度も謝る…何度も…自分のせいだと言って…




    カネキ「ッ…止血だけしよう」

    カネキは自分の服をビリッと長く破って、それを玲の脚に血が止まるようにキツく結び付けて止血する。


    カネキ「待っててね…直ぐに治療に連れて行くから…」


    玲「……」
  193. 657 : : 2015/10/22(木) 19:00:02
    次。視点が玲に移ります
  194. 658 : : 2015/10/22(木) 19:12:03





    ─────玲には、わからなかった…


    カネキ「────…ッ!!」


    カネキくんが急に顔色を真っ青に変えて、震えだしました。…どうしたんでしょう?あ、もしかして僕のコレの事ですかね。それなら…

    玲「カネキくん…僕、ぜんぜん平気です」

    玲はニッコリ笑っていった。

    本当だった…平気だし、大丈夫だった。だって痛くも何ともないから。なのに…平気っていってるのに…

    カネキ「平気って……玲くん…ッ」

    カネキくんの声が震えていました。カネキくんの目に…涙が溜まっていました。


    玲「……?」

    なぜでしょう…?どこか痛いんですかね


    カネキ「玲くん……脚が…ッ!」


    なんでそんな顔をするんでしょう…大丈夫って言ってるのに


    玲「……僕…痛くないですよ。こういうのは慣れっこなので。ホラ、そんなことよりアイツ来るかもですよ」

    死にますよ?といってもカネキくんはぐーるのコトなんて全く気にしないで僕の心配をしてきます。死にたいんでしょうか


    カネキ「ごめん…僕のせいだ……」


    何言ってるんですか?僕のせいですよ


    カネキ「ごめん…っ…!」



    玲「だいじょーぶですから」


    しつこいです。意味がわかりません…なんで謝るんです?


    カネキ「玲く…ッ…本当にごめん………僕のせいだ……」

    顔をくしゃくしゃにして泣きながらカネキくんは何度も何度も謝ってきます…


    理解できない…わからない。目の前で泣く彼に、珍しく困り顔になり…玲はもう何も言うことができなかった。



    カネキ「ッ…止血だけ…しよう」


    あ、カネキくんが自分の服をビリビリしてます…何するんでしょう?
    そう思ったら、破った服を僕のあしにぎゅうっと強く結びつけてきました…
    あ。さっきまでドバドバ出ててた血が止まったような気がします。


    カネキ「待っててね…あの喰種を倒して、直ぐに治療に連れて行ってあげるから……」


    玲「……!」


    そういってカネキが玲に背を向けて立ち上がった。その時…立った拍子でさっきから絶え間なく流れ出ている涙が
    …風に流されるように背後へ流れていき…玲の真っ白な頬にポツポツと幾粒か落ちた。



    玲「……」

    この時、玲は何を思ったのか…

    カネキの後姿を茫然と見つめるだけだった…






    狂喰種「グルウウウウカガギャギャハギャゴャハゴハガア…肉が…ニクガニクニクニクニクニクニク…フーッ…フーッ…ッ!!」



    カネキ「………お前は…僕が倒す…っ!」



    玲「────……」



    なんで?…わかんないです……


    カネキくんのせいじゃないのに……



    どうして…






    玲「…どうして泣くの…?」

  195. 662 : : 2015/10/22(木) 20:02:59
    2人はトカゲの尻尾という訳か…
  196. 663 : : 2015/10/22(木) 20:12:35
    篠原さんのセリフ奪っちゃったね金木君
  197. 664 : : 2015/10/22(木) 20:15:16
    尻尾はまた生え変わる。
    次の尻尾はシロクロかな。
  198. 682 : : 2015/10/25(日) 17:38:39
    有馬さん何時になったら来るのかな?
  199. 687 : : 2015/10/26(月) 09:08:42
    そういえばエトって実はオバサンだって聞いたことがあるんだけど実際どうなのかな
    誰か知ってる人いる?
  200. 688 : : 2015/10/26(月) 16:17:16
    皆さんありがとうございます。(≧∇≦)

    それと、リオは残念ですが出ないわよ。ヤツを出したら面倒くさい事にしかならないと思うので…笑

    あと、キジマさんも、登場するかわからないです。あとあと来るかも…?


    >>687エトは24歳くらいじゃありませんでしたっけ(?)


    ちなみに、続きは明日だと思われます。もうしばらくお待ちくださいませ……

  201. 690 : : 2015/10/26(月) 21:02:22
    何!?エトは24だと!?
    なら早速タタラさんに頼んでエトを貰ってくる つ6億入ったアタッシュケース
    タタタタタタタタ




    ギィヤァァァァァァァァ
  202. 691 : : 2015/10/26(月) 21:57:20
    >>690
    誰にやられた!エトか、タタラか、それともモブか!
  203. 692 : : 2015/10/26(月) 22:04:45
    エトは自分でちゃんミナより十歳くらいオバサンて言ってたな
     伊丙入死んじゃたよ。人間で好きな女性キャラなのに(ヒナミ、クロナ、ナシロ、ハイルが好きな女性キャラ)
  204. 693 : : 2015/10/26(月) 22:32:44
    バンバンバンバンバンバン
    バン  バンバンバンン バン
    バン(∩`・ω・)バンバンバン
     _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
        \/___/



      バン    はよ
    バン(∩`・д・) バン  はよ
      / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
      ̄ ̄\/___/超期待!
    バンバンバンバンバンバン
    バン  バンバンバンン バン
    バン(∩`・ω・)バンバンバン
     _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
        \/___/



      バン    はよ
    バン(∩`・д・) バン  はよ
      / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
      ̄ ̄\/___/


  205. 694 : : 2015/10/27(火) 06:10:08
    馬糞先輩はいつ出てくるんだろ
  206. 695 : : 2015/10/27(火) 06:15:54
    この作品のカネキは原作より3歳くらい若いから、ちゃんヒナとの年齢差も縮まってるね
  207. 696 : : 2015/10/28(水) 00:20:31
    >>694残念ながらまだ先の先です。(笑

    >>695ちゃんヒナさんの年齢も下がっています。このSSでカネキくんが今、16歳なので、ヒナちゃんは10歳か11歳くらいですね。
  208. 697 : : 2015/10/28(水) 00:39:11




    玲『ん〜??意味がわからないです』


    カネキ『はは……う〜んと…仮にこれをXとして、これを〜〜〜〜〜〜』


    玲『む〜…さっぱりです…なんでそれがそうなるんです?』

    カネキ『んー…なんでと言われても…』

    玲『だいたいエックスってなんですか』

    カネキ『え…いや、それは』

    カネキは今、玲に勉強を教えている最中なのだが…中々上手くいかない様子だった。


    玲『そもそも、こんなわけのわかんないの覚えても意味ないですよ。数年後には忘れてます』

    カネキ『えぇ…うーん。…じゃあ、とりあえず数学はやめて読み書きでもしようか。』








    玲『これは何て読むです?』


    カネキ『これは麒麟(きりん)だよ』

    玲『キリンってあのキリンですか』


    カネキ『うん。あのキリンであってるよ。』

    玲『へ〜…こう書くんですね。難しそうです』

    カネキ『ははっ…確かにそうだね』


    玲『カネキくんの名前はどーかくんですか?』

    カネキ『僕は、曜日……金曜日の金に、木曜日の木で「金木」だよ。下は研究とか研修とかの「研」で、「金木 研」』

    玲『あっ!簡単ですね〜』


    カネキ『あははっ…そうだね』







    い…ん!…れ…く…んッ!


    カネキ『───玲くんッ!!』


    玲『…なんですか』


    カネキ『なんですかじゃない!何度言えばわかるんだ…玲くん。喧嘩をするなとは言わないけど、あれは幾ら何でもやりすぎだ!!』

    玲『…』

    カネキ『玲くん聞いてるの?さっきのあの子はそこまで大事には至らなかったけど…あれ以上続けてたらどうなってたかわからないんだよ!?』


    玲『………』


    玲『うるさいです……何なんですか?なんでいっつも僕に構うですか。……僕の事なんてなにもわからないクセに、知ったふうなことばかり言って』



    カネキ『…!』



    玲『そもそもカネキくんが僕に怒鳴ってアイツをかばう意味がわかりません。アイツのなにが好きなんです?』


    カネキ『……あの子を庇って言ってるわけじゃない…君が心配なんだよ。
    ……また何か言われたの?』


    玲『「あの目」で見るからです……」


    カネキ『……!』


    玲『………みんな殺してやりたい』



    カネキ『…………わかった。じゃ…それなら一つ約束だ!』
  209. 699 : : 2015/10/28(水) 00:42:35




    カネキ『………わかった。じゃあそれなら一つ約束だ!』



    玲『…?』

    カネキ『今度、誰かに腹が立ってなにかしようとした時は、まず僕に同じ事をするんだ!…わかった?』


    玲『………別にいいですよ〜』


    カネキ『えっ……いいの…?…あぁ、うん。よしっ、じゃあ約束だからね!』


    玲『は〜い』



    カネキ『あっ、それと…玲くん。』


    玲『?』



    カネキ『……確かに僕は、君の事はなにも知らないかもしれないけどさ……なんとなく、本当にぼんやりとだけど…君の気持ちは解るよ』

    玲『……』


    カネキ『なんでかはわからないけど……あははっ。変だよね』





    玲「………」







    カネキ「……ッ!いくぞ…!」


    僕は玲くんから離れると…覚悟を決めて狂喰種と対峙した。


    狂喰種「ニヒイィイイ」


    玲くんがああなってしまった以上、もう逃げるわけには行かない。

    さっきみたいに玲くんを担いで逃げるという手もあるが、やはり危険だ。


    カネキ「…チッ…教官たちは何をやってるんだ…⁉︎」


    いつまでたっても助けに来ない職員達に、カネキは舌打ち混じりに呟いた。


    最後の選択は、目の前の喰種を倒すか、教官たちが助けに来るまで持ちこたえるかだが……教官がいつ来るかもわからない以上、それは無理だ。目の前の喰種を打破するというのも困難を極める。


    カネキ「(…だったら……)」

    僕は首を動かして、玲くんの方ではなく…
    そのさらに先…約20メートルほど離れたところで、震えたまま動けないでいる2人の少女───クロナとナシロに目をやった。

    なんでまだ近くにいるんだ。と怒りたい気持ちはあるが……彼女達が近くにいることに慌てることは無かった。
    何故なら、2人が近くにいることに最初から気づいていたからだ。
    …気づいてはいたが『逃げろ』とは言えなかった。
    僕とクロナちゃん達との距離は見ての通り結構離れている。会話をするには大声を出さなくてはならない。
    …しかし、下手に大声を出したりしたら狂喰種の注意が僕達からクロナちゃん達に移ってしまう恐れがあったため、言おうにも言えなかったのだ。


    一方、あの2人はようやく僕の視線に気づいたのか…体をピクリと動かして反応した。
    顔はあまり見えないが、不安そうな…泣きそうな顔をしながらこちらを見ているというのが伝わってくる。
    僕も2人が心配だが…今はそういう心配をしている場合ではない。

    僕は玲くんをチラッと見ながら

    『僕が狂喰種の注意を引きつけているうちに、玲くんを連れて逃げて』

    と。目でそう2人に伝える。
    伝わったかどうかは判らない。

    でも…なんとなく伝わっているだろうとは思った。

    思った通り、2人はゆっくりと歩いて玲くんの方へ近づいてきていた。

    それでいい。そう、ゆっくりと…だ。

    気づかれないように。頼んだよ。

    満足気に微笑み…僕は2人から目を離した。

    その瞳が見据えるのは、目の前の狂喰種。


    狂喰種「」ギョロリ

    すると、急に狂喰種は首をギョロリと動かして僕を鋭く睨みつけてきた。

    はは…まるでホラー映画のワンシーンでも観ている気分だ。



    カネキ「来い…!」



    僕が相手だ…ッ!!!

  210. 703 : : 2015/10/28(水) 01:40:11





    ────喰種。群衆に紛れ、人を狩る異形の存在。
    彼らの存在は都市伝説レベルとまでされているが、実際に喰種という怪人は存在する。人々が気付いていないだけで、彼らはすぐ側にいるのだ。

    喰種は、生まれながらに通常の人間の数倍の身体能力を有しており…個体差はあれど、それは人の約3〜7倍とされている。

    …人からしか栄養を摂取できないということを除けば、全てにおいて人間よりも優れているといっても過言ではないだろう。


    その数多くいる喰種の中でも、上位の力を持っていると思われる喰種と…
    カネキは今 対峙している。


    カネキ「(どこまで粘れるか……)」

    うっかり殺されないように気をつけないといけない…!


    狂喰種「deあやはらはしぬしねath?、、。¥ぁ花マグがががハガァァアああ&$ああぁめとのはとろろろろろとろろアああああああああ!!!!」


    最初に動いたのは狂喰種だった。


    奇声をあげながら尋常ではないスピードで接近してくる。やはり、人間離れした動き。

    約1秒で5メートル以上もの距離を詰めて、狂喰種が眼前に迫る。

    瞬間、カネキの真下から突き上げるようなアッパーカット。喰らえば脳が揺れるでは済まされない。下手をすれば頭が吹き飛ぶのではないかというほどの一撃。

    カネキは咄嗟に仰け反ると、ブリッジを描くように後方に身体を投げ出した。
    狂喰種の動きは確かに速い。速いが、反応しきれないほどの速度では無かった。

    真下から飛んできた槍のような狂喰種の拳は、あっさりと空を殴った。直後。逆に狂喰種の顎に衝撃が走った。

    狂喰種「グブッ…!?」

    ブリッジの要領で両手を地につけたカネキの左脚が、勢いよく振り上げられたのだ。

    次々とカネキの脚が狂喰種の顔面へとヒットしていく。

    カポエイラのような予測不能な動きに狂喰種は対応できなかった。
    カネキの踵に蹴り上げられた狂喰種の頭が激しく揺れる。

    狂喰種「ッ!!…っっ!?」

    どれだけ屈強な肉体を持っていようと…脳を揺らされればたまらないはずだ。

    カネキは地についている手をバネのようにして飛び上がると、脳が揺れて…視界が歪んでいるであろう狂喰種にもう一撃蹴りを見舞おうとしたが…

    狂喰種の翼(赫子)が動いた。

    カネキ「…!(クソッ!)」

    赫子の弾丸が飛んでくるという前兆を感じ取り、バッと、大きく後ろへ飛んだ。



    狂喰種「ギャァァナケアカアケカタカアダァァシネネネネネシシケアガガギャチョウシニエテァア!!!」


    ガガガガガガガガガッ!!


    ビュンビュンッ!と空気を切り裂くような音を出しながら、赫子の弾丸はカネキに狙いを定める。

    カネキは近くにあった大きめの石を黒い結晶(赫子の弾丸)に投げるが、結晶は石を貫通し…勢いが弱まる事なくカネキに一直線に飛んできている。

    カネキ「(やっぱりダメか…!)」


    カネキは幾多の黒い結晶を鍛え抜かれた肉体と運動神経を活かして避けていく。

    赫子の攻撃範囲から逃れたところでやっと一息つけた…筈もなく、狂喰種はこちらに向かってきていた。

    カネキ「くそっ!」

    やっぱり、さっきの僕の攻撃は全くと言っていいほど効いていない…!

    どうすれば…

    また目を狙うか…?…そんなんじゃ埒があかない。それに何度も同じ攻撃が通用するとも思えない。

    どうすればダメージを与えられるっ!?


    いや、落ち着け。焦ったらダメだ。
    冷静に…頭を落ち着かせて考えろ。何か、何かある筈だ……

    喰種に対抗できるのは…喰種と喰種捜査官。じゃあ、人間である喰種捜査官はなぜ対抗できる。

    クインケを持っているからだ。

    ならばクインケとは何だ?…

    …喰種と戦うための武器だ。


    クインケは何から出来ている……

    赫子だ。

    喰種に…赫子に対抗できるのは赫子だけだ。


    カネキ「!」

    そうだ…今、最大の武器がこの場にある。

    僕は視線を地面に向け、…地面に刺さっている、長さ15センチほどの黒い結晶を見た。

    これなら…ダメージを与える事が可能なんじゃないか?


    ───活路が見えた。

  211. 706 : : 2015/10/28(水) 02:51:29
    楽しみにしてんだから早くしろよ
  212. 708 : : 2015/10/28(水) 07:30:08
    期待してる
  213. 709 : : 2015/10/28(水) 10:01:18
    羽赫の赫子って直ぐに崩壊して消えちゃうんじゃ…
  214. 711 : : 2015/10/28(水) 15:50:46
    >>709はい君ィ!!いいとこついたね!!!花マルと◎(にじゅーまる)をあげよう!

    >>710進撃はこの東京喰種√S IIが終わったらちょろっと書こうと思ってます。ていうか最初から書き直そうか迷ってます

    皆さん、ごめんなさい。昨日の夜中…途中まで書いていたんですが…目が覚めたら朝になってたのですよ。寝手ましたね。
    ですから続きは今日の深夜か朝には投稿しようと思っております。すいません。
  215. 712 : : 2015/10/28(水) 17:10:05
    トーカとかの赫子はすぐ消えてたけど
    jackの羽赫とか梟2人とかはそんなに早く消えてなかった気がするからそうゆう感じなんじゃね?
  216. 714 : : 2015/10/28(水) 21:33:52
    シロクロと同年代なのにヒナミとの年齢差縮まってないって…
  217. 718 : : 2015/10/29(木) 12:07:16
    11区戦では鈴屋と一緒に丸手特等のバイクをパクってドーンってやりそうだな
  218. 719 : : 2015/10/29(木) 17:47:48
    >>714…え…ごめんなさい。なんか変なところありますか?…シロクロと年齢差縮まってないと思うんですけど。原作でシロクロとカネキって一個違いじゃないですっけ…?
  219. 720 : : 2015/10/29(木) 18:10:21




    狂喰種「ぎゃはアアああアアあああアアアアああぁアアア!!!!」


    カネキ「ッ…!」

    僕はすぐさま結晶に手を伸ばし…それを掴もうとした。

    だが…無情にもそれは叶わなかった。

    僕が掴む瞬間、黒い赫子の結晶は…
    シュゥウ〜と音を立てて跡形も無く霧散していったしまった。


    カネキ「ッ!?」

    消えた…!?…何で…っ?!

    さっきまでちゃんとそこにあったのに……

    僕は慌てて他の結晶を取ろうとするが…それもすでに消えてしまっていた。

    カネキ「……ッ」


    どういうことだ……


    カネキ「…………!」


    そして気づく……消えている。全て。
    あの時は気づかなかったが…僕と玲くんが戦っている時に飛んできた赫子の結晶も消えている。

    カネキ「…そうか……これは時間が経てば消えてしまうのかッ」

    僕はそのことに今更気づいてしまった。




    狂喰種「ガキいいい!!」


    何の音もなく…突如 として真横から現れた狂喰種から、拳が飛んできた。


    カネキ「ッ!!」


    頭で避けろと判断するよりも先に、勝手に首が横に曲がり回避する……が。
    掠ってしまったのか、左頬から血が流れ出てきてしまっている。


    狂喰種「ムカつくムカつくネネエエ?ムカつくんダヨナァァアッ?エエエエ!!クソシラガガァァァア!!!」


    カネキ「…!?」


    狂喰種「おォォォォイ…なんなんで…なァァアッんで……なんで俺がこんなボロボロかわかるかぁ?ななぁあなああなぬまあはなかなあなあななあなあなあ???」


    狂喰種「ぁリマってゆークソシラガにやられチマッたンだよ…クソガァァァッアア!!!てめエエエエを見てるとシラガ有馬を思い出してムカつくんだよオオオオ…アバアヒあはははははははははははははーはははははははは!!!!」



    カネキ「(有馬……?)」



    狂喰種「ダァァァァカラアアラさあああああああああああああ!!!?死ねよクソガキイイイ!!!」


    鼓膜が破けそうなほどに大音量で叫び散らしながら、再び狂喰種の猛攻が始まった。

    拳と脚が連続でカネキを襲ってくる。受け止めることはできないため、カネキは全てをギリギリのところで躱して、回避していた。

    回避はしていたのだが、普通の喰種ならまだしも。今相手にしているのは並みの喰種ではなく〝強喰種〟だ。
    純粋な殴り合いでは完全にカネキの方が不利だった。


    狂喰種「ギャハッ!アハアハオハギャハはははははははハッ!!」

    カネキ「っ!…ッ…!!」


    いつまでも続く猛攻撃に、つにいカネキが耐えられなくなり、軽く一撃を喰らうと同時に姿勢を崩してしまう。
    狂喰種はその隙を逃すことをせず、握りしめた拳をカネキの胸にクリーンヒットさせた。


    カネキ「があっ…ッ!?」


    肺の空気が漏れ出す。


    狂喰種は休むことなくニタニタと嗤いながら次から次に拳を振るっては、殴打の嵐が僕を襲った。

    右フックが脇腹へ。


    パキッ…肋骨が一本折れた音だ。


    次に左拳が顎へ…


    カネキ「がっ…!?」


    右膝が鳩尾へ…


    そのまま背後へ回り込み、背中を殴られ地面に叩きつけられる。



    カネキ「ぎ…あッ…!!」


    まずい…早く体勢を立て直さないと、完全に形勢が逆転する…ッ!


    すぐに立ち上がろうと手足に力を加えるが…今まで蓄積されてきたダメージにより上手く体が動かせなかった。




    狂喰種「アヒャヒャヒャひゃっ…オォォォオオイ?うゴけネえかぁア?!」

    狂喰種は僕の頭をあしでふみつけながら愉快そうに言う。




    カネキ「……ッ」


    力が入らない…力を入れてもすぐにすぐに手足が折れるように地面へと下がっていく。
    あれだけ殴られたんだ…体も、もうボロボロだろう……







    ─────3人は…ちゃんと逃げただろうか…?

    顔を上げることができないため、それはわからない。

    奥歯を噛み締めながら…

    逃げてくれていることを祈るばかりだった…




    クロナ・ナシロ「け…研…ッ!?」



    しかし、中々上手くはいってくれないもので、その願いは…遠くで僕の名前を呼ぶ悲鳴にも近い声により打ち砕かれた。


    狂喰種「アぁ?アァアァアァアァ???」


    カネキ「な…んで」



    なんで逃げてないんだよ…ッ!
  220. 721 : : 2015/10/29(木) 18:13:59
    ぐはぁ!!べチャッ(血)

    めちゃくちゃ疲れます…なんかめっちゃ角の時間かかる……

    一旦ここまで…続きは夜か明日の夜。それかその次の夜。の次の夜…の次の次の夜かもです。

    まぁ、はい。嘘ですよ。3日以内には書きますぜ。
  221. 724 : : 2015/10/29(木) 19:01:00
    赤司っちさん!!救急箱です!!
  222. 726 : : 2015/10/29(木) 20:18:56
    ≫719
    あまり詳しくは知りませんが2〜3歳くらいの年齢差だそうです。
    仮に3歳としたらヒナミは14歳くらいでは?
    アヤト君と同い年ですね
  223. 728 : : 2015/10/29(木) 22:49:26
    最高です!頑張ってください!!
  224. 729 : : 2015/10/29(木) 23:40:40
    登場したらヒナミはカネキを「お兄ちゃん」て呼ぶのかな、それとも「カネキ君」かな?
    √Sでヤモリがぶつかった車の中に居た女の子がヒナミだったりして
    この作品のヒナミは妹キャラなのかそれとも同年代キャラなのか気になります。
  225. 732 : : 2015/10/30(金) 16:07:05
    有馬さん早くー‼︎
  226. 743 : : 2015/10/31(土) 01:43:29
    こっちは期待期待で毎日寝てねぇんだよ!
    早く書けよ!
  227. 745 : : 2015/10/31(土) 14:41:28
    なんかトカゲの尻尾が2人から4人に増えてるし
  228. 746 : : 2015/10/31(土) 15:31:29
    皆さん、ありがとうございます…!!

    でも流石に原作東京喰種より面白いってのは過大評価しすぎですよ。原作は伏線とか謎がいっぱいあってめちゃくちゃ面白いじゃないですか!

    >>724ゲホォッ!…あ…アりガ…と…ウぅ

    >>726原作11巻でアカデミー時代のクロナとナシロが出た時が15歳で、玲が16歳だったので…1、2歳差だと思うんですよね…

    喰種化したシロクロとカネキが出逢ったときカネキは19歳。シロクロは(17か18歳。たぶん18?)

    原作では
    カネキ(19)
    シロクロ(18か17)
    玲(什造)(19)
    ヒナミが(14)

    たぶんこれであってると思われます

    あ、ちなみに、このSSでは、全キャラが原作より約3年若返ってると思ってください。

    (このSSでは)現在
    カネキ(19)→16
    玲、↑上に同じ
    シロクロ(18?)→15
    でヒナミちゃんは(14だと思う)→11です

    >>729…よく見てますねぇ…ヒナミは妹キャラですよ!!年下ですからね!

    >>730>>733…前から思ってたけど…ここの人達どんだけヒナミちゃん好きなんだよォ…僕も好きだけれども。

    シロクロ・玲とヒデがあうかは判らないです。ヒナミが出てくるのは…まだですね。ごめんなさい。

    >>736え〜…ヤモリはまだアオギリには入っていないですね。

    >>743まままままってよよよよ!!こっちは期待という名のプレッシャーで夜も眠れないんだゾ!もう少し待ってくださいお願いしますうううう

    >>745…ゴメン…ナニイッテルノカゼンゼンワカンナイ…バカな私にも理解できるようにお願いしますでごんす。

    クソみたいな長文失礼しましたT^T。続き、更新していきます。
  229. 749 : : 2015/10/31(土) 16:08:52
    このカネキ君イトリさんと会ったらオバサン扱いしそう
  230. 750 : : 2015/10/31(土) 16:11:34
    そういえば赤司っちさんは東京喰種のキャラクターで誰が一番好きなんです?
  231. 751 : : 2015/10/31(土) 16:18:41
    >>750…男キャラならやっぱり主人公のカネキくんでしょ!女性キャラは……エトです(ボソッ……。
  232. 752 : : 2015/10/31(土) 16:43:19






    クロナ「…!」


    ナシロ「…!」


    研が、玲をチラッと見ながら私たちを見ていた…何かを言うように…

    どうしたんだろう…


    クロナ「…?」

    どういう意味…?

    意味がよくわからない…

    ナシロ「!!。もしかしたら…玲を連れて逃げろってことかな…?」

    ナシロはなんとなくだが…そう思った。


    クロナ「!…そうかも…でも、なんで玲は座ってるの?」

    玲は、木に背中を預けたまま動かない。もしかしたら…何か怪我をしたのかもしれないと焦ってしまう。

    ナシロ「行ってみようっ」

    クロナ「うん…っ」

    私達は喰種に気づかれないように、ゆっくりと…それでいて急ぎながら玲の元へ駆けつけた。








    玲「ぁ。クロナ〜ナシロ〜」

    駆けつけた私たちに玲が放った第一声は、いつものような挨拶みたいなものだった。

    それを聞いて、何も無かったようだと安心したのが間違いだった…


    クロナ「玲っ…だいじょう……ッ?!」

    言い終わる前に、悲鳴にも近い何かが口から溢れでた。

    ナシロ「…え……っ?」


    2人の顔から血の気が去っていき、足が、腕が、…体が固まった。


    クロナ「れ……玲……その脚……」

    ナシロ「……ッ!」

    ちゃんとあったはずの……普通ならばあって当然で、あるべき筈の…

    脚が…玲の右脚が……無い。

    止血の為か、布の切れ端──おそらく服だろう──が巻き付けられている右脚は、膝までしかなかった。そこから先は綺麗さっぱり何も無い…

    玲「なんか取れちゃいました」


    なんでそんな平気な顔ができるんだろう……足が無くなっちゃったんだよ?もうロクに歩けるかもわからないのに……

    それでもなお、笑みを崩さずに淡々と話す玲が不思議でならない。


    クロナ「玲…ッ」

    そっか...。

    研の『玲を連れて逃げろ』とはそういう事だったんだ…

    玲は今歩けないから…


    クロナ「ナシロッ!」

    ナシロ「うん!」

    それ理解してからの2人の行動は早かった。
    玲を連れてこの場から離れるために迅速に行動する。

    玲は動けないため、背負うなりして慎重に運ばなければいけないのだが…アカデミー(ジュニア)でも特に成績がいいクロナとナシロでも、一人の女の子だ。人一人を抱えて動くのは流石にキツすぎる。

    その為、2人は一緒に玲を抱えることにした。

    クロナ「ナシロはそっちを持って、私はこっちを持ち上げるから」

    クロナが玲の肩…いや、両脇を両手で持ち、ナシロが慎重に玲の腰を持ち上げる。

    玲「?何するです?」


    ナシロ「逃げるの!…だからおとなしくしてて」


    玲「…でもカネキくんが」


    クロナ「……ッ!」


    ナシロ「……っ!」
  233. 753 : : 2015/10/31(土) 16:59:59


    そう言われると言葉に詰まってしまう…あんな見るからに危険そうな喰種が目の前にいるのに…戦っているのに
    …研を置いて逃げるなんてこと出来ない……したくない…

    でも、自分たちではとてもではないが
    あの喰種に太刀打ちできない。

    研の助け(力)にはなれない。

    今 自分たちにできることは…玲と一緒に逃げることだけだ。それが研に頼まれた事であり、自分たちにできる唯一の手助けとなり得ることだから。

    2人は逃げるという事を再決断する。

    クロナ「…じゃあ、歩くよ」

    ナシロ「うん…気をつけてね」

    クロナ「うん」

    玲「.........。」

    ナシロとクロナが玲を持ち上げ、ゆっくりと歩き出す。

    ザッ、ザッ、と。歩く度に 草を強く踏みつけ、大きな足音が響く。

    クロナ「ナシロ。もう少し、ゆっくり行こう。音が大きいから」

    ナシロ「うん。そうだね」

    喰種に気づかれないようにということを考え、静かに慎重に歩く事をナシロに促し、それに了解しながらナシロが首を縦に振って頷く。

    さっきよりは、足し音が大分小さくなっただろう。

    しかし、静かに運ぶ事はできているが、これではいかんせん効率が悪い。ノロノロとしすぎだと思う。


    クロナ「…どうしよう…」

    ナシロ「……」

    立ち止まり、ゆっくりと玲を下ろして2人は考える。


    クロナ「……」


    ナシロ「あっ…!確か教官が前に教えてくれたような」

    ナシロが教官から教わった傷病者の運び方を思い出す。

    クロナ「あっ…」

    やがてクロナも思い出したらしく、2人は同時に頷くと、その運び方を再現しようとする。

    ナシロ「玲、持ち上げるよ?」

    玲「は〜い…」

    玲の確認を取ると、2人は玲の両側から上体を持ち上げる。この時、玲は2人に上体を支えられたまま左足だけで地面に立っている。

    クロナ「玲。次は私達の首の後ろから手を伸ばして肩に腕を乗せて。」

    玲「こうです?」

    クロナ「うん。」

    玲は言われた通りに2人の肩に腕を回す。(正確にはクロナの右肩に右腕を回し、ナシロの左肩に左腕を回した)

    そのままクロナとナシロの2人は一方の腕で玲の背中を支え、もう片方の腕(手)を玲の膝の下に回し、互いの手首を握って固定する。

    傍から観れば、玲が両腕をクロナとナシロの肩に回し、膝を持ち上げられて…ぶら下がっているような感じだ。

    もっとわかりやすく説明するなら、2人から一緒にお姫様抱っこをされているような…だ。

    運ぶ体勢が変わったことで、最初の時の運び方よりは2人にも、玲にも負担がかからなくなっただろう。

    クロナ「歩くよ。ナシロ」

    ナシロ「うん。」

    クロナの合図で2人は動き出す。

    うん。動きやすくなったという実感がある。歩くペースも速い…

    だが自分達は、動きやすく、速く運ぶ為に、こんなことをしているのではない。逃げる為だ。そのことを忘れちゃいけない。

    焦らないように、呼吸を整えて、地面を踏む。

    クロナ「……ッ」

    ナシロ「……ッ」

    ただ、歩いているだけ…にもかかわらず…足を、体を動かすたびに全身に妙な緊張が走る。

    約10歩ほど歩いたところで…


    不意に、背後…遙か10メートル程離れたところで、大きな嗤い声と共に、小さな呻き声が3人の耳に入って来た。

    3人の視線は一瞬で背後へと向いた(玲は元々後ろを見ていたようだけど)。



    まさか……!?


    という…嫌な考えが頭の中をよぎる。

    3人の視線の先には…ボロボロになりながら、喰種に頭をグリグリと踏みつけられ…地面に寝転がっている研の姿があった。


    クロナ・ナシロ「け…研…ッ!?」


    2人は思わずその場で叫んでしまった。





  234. 755 : : 2015/10/31(土) 17:33:02
    ≫745の続き
    トカゲって天敵から逃げる時に尻尾を自切して生贄にするじゃないですか、喰種がカネキ達に気を取られている間に戸影教官が逃げたのでそう書きました。
  235. 757 : : 2015/10/31(土) 17:43:51
    アニメ本で鈴屋が月山の赫子をウンコって呼んでたな…

    鈴屋「あ、ウンコ赫子」

    月山「ウンコは止めたまえ‼︎」

    って会話があったよ

  236. 759 : : 2015/10/31(土) 18:40:02
    このssはまさにトレッビアーン!!!!!
  237. 766 : : 2015/11/01(日) 00:22:20
    あ!赤司っちさんさっきの救急箱の止血剤に喰種の血が混じってたσ)>ω<*)テヘ
    後白髪=銀髪になれる薬入れときます

    >>758
    それ一理ある
  238. 771 : : 2015/11/03(火) 16:29:20
    赤司っち「続きは明日です」

    ☆〜(ゝ。∂)

    3日経ってるんですけど?…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい

    >>755あっ…なるヘソなるヘソ!(なるへそってなんだ)

    >>766わーい!!ありがとうだよ!!スーパーグール人になった!(白髪)
    って!こんなんじゃ外で歩けねえよぉ!
  239. 776 : : 2015/11/03(火) 22:58:44
    赤司っちさんどっかの星の戦闘民族じゃないんすから(´・Д・`)
  240. 777 : : 2015/11/03(火) 23:00:43
    そう言えばmyhoney[マイハニー(エト)]はいつ出るんですか?
    ん?後ろから殺気が...

    ギィヤァァァァァァァァ
  241. 778 : : 2015/11/03(火) 23:33:22
    ≫777
    貴方690の時にタタラかエトかモブにやられたハズじゃぁ…
  242. 782 : : 2015/11/04(水) 19:58:59
    頑張ってぇぇぇ!!
  243. 783 : : 2015/11/04(水) 20:15:14




    カネキ「な…んで……」

    遠くで…僕の名前を呼ぶ声が聴こえた。

    頭に乗っている狂喰種の足を力尽くで退かして、声が聴こえたほうに顔を上げる。

    視線の先には…玲くんを抱えたまま不安そうな顔をして見つめてくるクロナちゃんとナシロちゃんの姿があった。


    なんで…なんでだよ……なんでなんだ…!!




    なんで逃げてないんだッッ!?



    狂喰種「アァアァアァァン??」


    狂喰種「いーち、にぃ〜、さぁぁあーんんん?増えテねえエかぁ??アバャヒャヒャッ」

    狂喰種「あのチビ二人は居たかねぇ?」


    狂喰種「チョッくらオイちゃんが遊んデあげまショーかああぁあ?」


    カネキ「っ?!」


    まずいっ…!?…狙われる…ッ!!


    カネキ「2人ともッ、逃げてっ!!」

    僕は余裕のない表情で叫んだ。

    悲鳴に近い声に小柄な体が震える。
    でも、二人は足を動かさない。

    狂喰種「ハいハイ…逃サねえええよォォオオオオオオオオ!!?!」

    地面を蹴りつけ、狂喰種がクロナちゃん達に猛進する。

    クロナ「っ…!?」

    ナシロ「っ!!」


    動け!動け動け動け!!立ってくれ…立て!。まだ十分動けるはずだ。こんな弱い痛みなんて今は消えてろッ

    カネキ「────!!」

    体に鞭を打って地面に立ち上がると、転けそうな勢いで僕は駆け出した。


    狂喰種「あはははははははははははははハハッはハっっ!!!!」

    ほぼ同じ速度で狂喰種の背中を追いかけながら叫ぶ


    カネキ「早くっ…2人とも走って!逃げてっ!?」


    狂喰種「うるッせえぞ?糞ガキ」ズズズズズオォォオオッ

    カネキ「!」

    狂喰種の背中から再び漆黒の翼が出現する。
    発射の前兆なのか…その漆黒の赫子がうねり始めた。

    頭の中で警報が鳴り響く。


    ───避けなきゃっ…⁉︎



    でも、後ろに飛んで避ければ足が止まってしまう、かといって横に飛び退けば…次に走り出すまでに最低1秒はかかる。ほんの僅かな時間差で3人に攻撃がいく恐れが…。

    なら…


    カネキ「(捨て身で行くしかないッ)」

    ダメージ覚悟で走りながら避ける事を決意し、僕は弾丸が飛んでくる方向を予測する。


    狂喰種「死ねヤァァぁあアッ!!」


    掛け声とともに射出。

    数にして30。その内の10発は逸(そ)れて自分には向かってこない。つまり来るのは20発…黙っていれば頭、首、胸、腹、腕、脚、ほぼ全身に飛来してくる。

    この距離、この速度では半分も躱せるか疑わしい…

    頭に向かって3発、首に1発、胸に5発、その内の1発は心臓へ。腹部(ヘソの少し上)に3発、両腕に2発ずつ、右脚(太腿)に3発…左脚(太腿)に1発。

    頭と首、そして心臓に向かってくる赫子は絶対に回避しなければならない。


    ビュンビュンビュンビュンッッ!!!


    カネキ「ッ!!」

    頭・首・胸(心臓)に向かって飛んできた赫子を体を大きく横に曲げ回避。

    グサァッ!!

    胸に向かってきた内の1発を躱しきれず
    肩に結晶が突き刺さる。

    痛みに悶えている暇はない。

    次に腹部・両腕・両脚に来る赫子を避けなければいけない。

    この体を曲げたままの体勢だと、腹部と腕に行くはずだった赫子が、頭・首・心臓へと再び流れていってしまう。

    最悪な事に…今向かってかている赫子の弾丸は全てほぼ同時に僕に当たる。一瞬のズレもない。

    弾丸が刺さるまで1秒もないだろう。横へ飛べば…膝や腹部に刺さる可能性がある。膝はまだいいとしても腹部は十分に危険だ…

    …上に飛ぶ?いや無理だろう。下に滑り込むように…いや間に合わない、。

    どうすれば…ッ



    カネキ「!」



    あれは…隙間…?…

    隙間。腹部へ向かってきていた弾丸と、脚に向かってくる弾丸の間に縦に数十センチの隙間がある。

    …そこをくぐれば。


    カネキ「くっ!(一か八かだッ!)」


    腹を括り、サーカスでライオンが火の輪をくぐるように…僕は弾丸と弾丸の隙間に飛び込んだ。



    カネキ「ッ…!」スタッ


    狂喰種「アァアッアッ!?」


    とんでもない回避の仕方に驚いたのか、声を荒げ、狂喰種の脚がブレーキをかけて止まった。

  244. 784 : : 2015/11/04(水) 20:25:04



    カネキは弾丸の間をくぐり抜ける事には成功した。

    だが…


    カネキ「…ッ」

    赫子が二本…太腿に突き刺さってしまった…

    やっぱり綺麗に全て躱すのは無理だったようで…上半身を完璧にくぐらせようと集中しすぎたせいで下半身に意識がいっていなかった。


    カネキ「(肩に1発、左太腿に2発。計、3発…か。上出来だ…しかも傷は浅い。)」



    クロナ・ナシロ「け…研…!」


    だから…なんで、逃げないんだ…走れ。

    走ってくれ…っ


    カネキ「逃げて」


    クロナ「で、でも…」


    でもじゃない!!


    狂喰種「むり無理ムリ無り無リむ理ムウゥゥウリイィィ!!!お前らが逃げてとオレはおまェらをにがさねえええ!?」


    ナシロ「…ッ」



    カネキ「───…行け」


    冷たく、怒りのこもった鋭い声がカネキの口から出た。

    それにクロナとナシロの肩がビクッと震えさせる。


    カネキ「早く行け。逃げろッ」


    どれだけ強く言っても、クロナとナシロは動かない。立ち尽くしたまま、泣きそうな目でこちらを見ている。

    いい加減にしてくれよ…今は僕の心配なんていいんだよッ!

    カネキ「早く行けって!?逃げろ!逃げろよッ!!?」


    2人の目からとうとう涙が溢れた。
    ポタポタと地面にそれを落とし、泣きながら…頭をぶんぶん横に振る。

    なんでなんだ。なんでだよッ…言うことを聞いてよ…⁉︎

    カネキ「3人がいたら僕だって逃げれないんだ!!君達が逃げてくれれば、僕だって逃げれるんだ!!だから逃げてくれ…ッ!」

    ナシロ「で…もぉ…逃げたら…ッ」

    クロナ「研が…しん…死んじゃう…」

    涙を大量に流し、嗚咽しながら僕が死ぬんじゃないかと心配をしている…

    カネキ「僕は、死なない…ッ!約束するッ!だから逃げてくれ…っ」

    死なない約束…そんな保証はどこにもない。できもしない、守れもしない約束をしているのも解っている。
    だけど…僕は君達には絶対に死なれたくはないんだ。


    だから……ッ!


    狂喰種「ピーピーうっセェウッセエウッセエエエエェェエェェエンダよクソガァァァァア!?!」

    この空気に堪え兼ねた狂喰種が漆黒の翼を大げさに広げクロナ達に飛び付いた。

    クロナ・ナシロ「ッ!?」

    玲「……」


    カネキ「させ…るかよッ…!!」


    膝に突き刺さっている黒い結晶を一つ引き抜いて、狂喰種の首に正確に投げつける。
    大丈夫…まだ消えないはずだ。


    グ サ ァ ア ッ !!


    刺さった。


    狂喰種「ッッヅアッ?!???」


    狂喰種は素っ頓狂な声をあげてすぐさま首に手を当てる。何が起きたかわからないという様子だ。

    狂喰種「??…!?テメ、メェ…オレの赫子エエエェェエえええええええええええ!!!」


    ザ ッ シ ュ ウ ッ! !


    狂喰種「ッッ!、?、?な。まだ持って…!?」

    カネキ「お前がくれたんだろ…ッ!」

    肩と膝から抜いた残り二本の赫子で狂喰種を切りつける。漆黒の軌跡が何度も交差しては、肉を裂く音と共に血が飛び散り、暗い結晶が血で濡れていく。


    狂喰種「グァッ⁉︎…ざががゃぁはぬ?!。ブァッ…グッ!…」
  245. 786 : : 2015/11/04(水) 20:38:49



    クロナ「…⁉︎」


    カネキ「早くッ」

    黒い結晶で狂喰種を切りつけながら、切羽詰まった声でもう一度言う。

    カネキ「今のうちに…逃げて!僕がこいつを止めている内に…っ!」

    この結晶も、長くは持たない…だから

    早く…早く……


    カネキ「ッッ!早く逃げろおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」


    ナシロ「けん…っ」


    玲「…んー…行ったほうがよさそうです?」

    いきなり黙ってクロナ達に抱えられていたままの玲が喋り出した。この状況でも、ニコニコと笑いながら…

    クロナ「れい……?」

    玲の笑顔をよく見てきたクロナには、見間違いなのかもしれないが…

    玲「………ね?」

    いつもの笑顔とは少し…何かが違ったような気がした。


    ナシロ「ッ!…クロナっ」


    クロナ「ナシロ…」


    目の前で、今…命懸けで戦っているカネキに目を向ける。…血を流して、自分たちを守るために戦っているのに…
    逃げろと言われているのに逃げないなんて。自分達は馬鹿だ。
    玲を連れて逃げることが研の力になることだと理解していたはずなのに……

    玲を持つ腕に力を入れ直し、止めどなく涙を溢れさせながら…2人は顔を歪めてカネキに背を向ける。


    クロナ「研…」

    ナシロ「ごめん…っ!」

    研の『死なない』という言葉を信じて、2人は玲を抱えてその場から駆け出すと、タッタッタッタッという足音と共に森の奥へと消えていった。






    カネキ「───ありがとう」


    去っていく3人を横目で見ながら、口元を緩めて…静かに笑った。

    そして…その言葉が合図だったかのように…両手に握られていた結晶が霧散していく。


    ちょっと無茶したかな……そういえば肋骨一本折れてるんだった…

    …クインケがあれば……倒せたのにな…

    このままじゃ遅かれや早かれ殺される…


    カネキ「あの子達が完全に逃げるまで…死んでやるつもりはないけどね…っ!」


    狂喰種「勝てねぇトわかっテテ向かってクんジャねぇよカスがあアアア!!!」

    狂喰種の拳が鳩尾を強打した。吹き飛ばされる…と思ったが…飛ばない。
    何故か。それは狂喰種が僕の襟部分を掴み、引き止めたからだ。

    僕をグンッ!と引き寄せると、狂喰種が額に頭突きをかましてきた。

    カネキ「が…ッ」


    頭が割れそうだ…ッ!

    続いて休む暇もなく背負い投げを仕掛けてくる。

    狂喰種「オオォォォォォオオオラァァァァアアア!!!」

    今度は引き止めることをせずに、手を離し…文字通り投げた。


    ブ ォ オ オ ォ ン ッ!!


    カネキ「……、」


    逆さのまま真っ直ぐに空中を勢いよく飛んでいく…飛ばされるのはこれで何回目だろうか……

    力が入らない…頭がぼーっとして、妙な脱力感を覚える。


    ズザザザザザザ───ッ!!

    地面を削り、無様に転がりながら地面に体を落とした。

    どうやら飛行が終わったようだ…


    カネキ「く…ぅッ」


    ふらふらと立ち上がり、頭から少量の血を流しながら狂喰種を見据える。


    狂喰種「ア?」


    カネキ「はは…ほんっとに。力入らないな…」

    …玲くん達を逃がすことができたからなのか…完全に気が抜けている…

    せっかく立ち上がった膝が、今にも折れてしまいそうだ。


    狂喰種「言っとくが!カンタンにくたばんなヨっ?そんなんじゃ割にアワネーカラナァ!」ズオォォォォオオオオッ

    カネキ「ッ!!」

    差し向けられた殺気が、首筋をザワつかせる。
    先程までの脱力感が嘘のように、綺麗さっぱりと消え失せ…僕は咄嗟に身構えた。

    自分の意識とは別に、本能が死から遠ざかろうとしている。

    このまま突っ立っていたら、死ぬ。

    今…すぐに殺される。

    僕だけでは済まない…僕が今死んでしまえば…クロナちゃんも、ナシロちゃんも、玲くんも…皆んな殺される。

    僕が…動かないと……ッ!
  246. 788 : : 2015/11/04(水) 20:57:34



    クロナちゃん達は森へ入っていった。
    それでいい…森に入って逃げたほうが安全だ。

    あとはコイツを…3人に近づかせなないようにしなければならない

    狂喰種と3人をできるだけ引き離す。

    僕はクロナちゃん達が入っていった森を背にして、その逆方向に走り出し、広いフィールドへ行くのを最優先させた。

    狂喰種「オトモダチをマモりマスッテカァァ?いはゃひゃひゃひゃっ!モォーウ鬼ごっこは飽きましたよおおオォッ?!」

    カネキ「ッ…ゴチャゴチャ言ってないで早く来いよイカレ野郎!?」


    狂喰種「ククククッ…いいゼェ?先にお前を血祭りにあげてやロオォか〜〜ッ!!」

    堂々と僕の挑発に乗った狂喰種が
    こちら目掛けてまっしぐらに進んできた。

    首を後ろへ向けると、真っ赤な目をギラギラと光らせながら、四枚の翼を広げ、凄まじい形相で迫ってきていた。

    揺れる瞳の中で、凶悪な喰種が姿がどんどん大きくなる…


    狂喰種「もおおおおお追いついたゼェ?このノロマがァァ!!ハハハァッ!」

    狂喰種が足を止めたかと思えば…
    その場で膝を深く折り曲げ、地面にクレーターを作りながら僕の真後ろに飛びかかってきていた。

    狂喰種が足を引いて蹴りを見舞おうとしているが、そう何度も何度も喰らってやるつもりはない。

    僕も地を蹴り込んで宙に身を投げることで、風をも切り裂く強烈な蹴りから逃れた。

    狂喰種「チィッ?!」


    カネキ「ぐっ…はぁ…はぁ…」


    狂喰種「クククッハハハァッ…もう走らなクテイイんですかぁ??」


    カネキ「…いいよ、もう。結構、離れることができた。それに…広い場所にも来れた。」

    狂喰種「アァン?」

    カネキが言った通り、狂喰種とカネキは広い場所───グラウンドにも似た演習場にきていた(グラウンドほど広くはないが)。

    カネキ「(場所は広いほうが…赫子も避けやすい…)」

    狂喰種「マーァいいさ?さっさとヤろうヤ。ここがお前の墓だよーーンンンン!」

    ふざけた言葉が放たれたと同時に、狂喰種が約1メートル前にいつの間にか立っていた。

    カネキ「!!」

    反射的に拳を握り、狂喰種の顔面めがけて打つが、バチンッ!と二の腕を下から手で叩かれ拳が上に逸らされる。

    驚く間も無く、狂喰種の脚が上がり、膝が腹のど真ん中に打ち込まれた。

    カネキ「が、ぁ!?」

    苦悶の声を漏らしながら、体が『く』の字に折れ曲がる。

    そのまま足を払われ、カネキはガクンとバランスを崩した。崩れ落ちそうになるが、なんとか片膝をついて転倒までは避けた。……が、


    狂喰種「お〜ッとこんなところに白いサッカーボールが」


    バ キ イ ィ ッ…!!

    跪いたカネキの頭に狂喰種の中段蹴りが炸裂し、頭ごと体が真横に飛ぶ。

    すぐに転がる勢いを利用して起き上がると、ガガガガガッ!という音と同時に黒の結晶が此方へ向かって加速していた。

    だが残念。狂喰種のこの攻撃は完全な失敗だろう。

    カネキ「(さっきので学ばなかったのか…!)」

    カネキは赫子の攻撃が及ばない範囲まで横へ飛ぶと、黒い結晶が自分の横。通り過ぎる瞬間、手を伸ばしてそれを掴んだ。

    もちろん無傷ではない、掴んだ手からは鮮血が滴り落ちていた。


    カネキ「フッ!」

    結晶を強く握り、カネキは狂喰種に飛びかかった…




    瞬間。



    ズ キ ン ッ ! !


    カネキ「ッ!?」


    頭の隅っこで何かの映像が流れ、酷い激痛が頭を襲った。

    思わず体が強張り動きが止まってしまう。

    クソ…⁉︎なんでこんな時に…!


    これは何度か経験のある頭痛だ…でもなぜ…今こんな時にっ


    狂喰種「オォォォォーイ??!」


    カネキ「!」


    まず…ッ、!

    手に握っていた赫子で切り払おうとするが、もうすでに赫子は消えていた…

    カネキ「なッ……くぅッ!」


    余計な思考は振り払い、拳を握りなおす。


    狂喰種「ヴァアァアアアアアアアアアカ」

    両者が拳を作り、


    カネキ「ああああああッ!!」


    両者の拳が交差する。



    カネキの一撃が、狂喰種の拳が、互いの頬に直撃した。

  247. 789 : : 2015/11/04(水) 21:00:37
    期待です。
  248. 790 : : 2015/11/04(水) 21:03:42
    有馬さーん…
  249. 791 : : 2015/11/04(水) 21:04:38
    やっぱり原作よりこっちのssの方が面白い
  250. 792 : : 2015/11/04(水) 21:10:03






    カネキ「ぐ…ぁ…」


    目を開けると…視界には黒が、夜空が映った。星がたくさん出ている…

    背中からの感触からして、自分はおそらく仰向けに転がっている…ズキズキと悲鳴をあげる左頬…

    ほんの一瞬だが…倒されて意識を失っていたようだ……

    カネキ「(あ…いつ……は…?)」

    狂喰種は…どうなった…?自分の拳が当たったのは憶えているが
    …そんな軽い攻撃で倒せるはずもない…
    首を動かそうとした瞬間、


    クチャクチャ…くちゃくちゃ。

    上から咀嚼音のような音が微かに耳に入ってきた。

    咀嚼音。で真っ先に頭に思い浮かんだのは…

    まさか…喰われているのか……?

    足や手に動かしてみるが、痛みもない、違和感もない。
    目を向けて見てみれば…ちゃんと五体満足だ。

    じゃあ、…なんだ…?

    ゆっくりと首を起こして咀嚼音が聴こえる方向を虚ろな目で視る。


    狂喰種「うメェナァ?回復快復ゥ」クチャクチャ


    カネキ「?!」

    愕然と目を見開いた。…それは狂喰種の言葉にではない。狂喰種が口に含んでいる物についてだ…


    カネキ「な…」


    狂喰種「あぁ?くたばってなかったかクソシラガ」

    カネキ「そ…それは……」


    お前が口に入れているソレは…


    狂喰種「アヒャヒャヒャ!ナルホド…コレはナンデショう?」


    カネキ「ぁ…」


    狂喰種「正解は。お 前 と い た チ ビ シ ラ ガ の 脚 で し た ぁ ♪」


    まさか…玲…くん…の…、?


    カネキ「なんで脚を持ってる!?ここ(演習場)に来る時はそんなもの持っていなかったはずだ!」


    狂喰種「ナンでってか?アヒャヒャヒャ!そんなんバッツンと切った時に服の中に入れてたのよォ。保存食?非ジョー食?アヒャヒャ…ケータイしょくテキなァ?」

    カネキ「脚なんてどうやって服の中に入れるって言うんだ…!?」

    狂喰種「ヴァカが…そんなモーンはチッチャク切って入れたに決まってンダロウ…がっ」


    カネキ「お…前…っ!!」


    狂喰種「ギャアギャー、ルッセエンだよ死に損ないが…オマエハモウあの世に行くのを待つだけなんだよぉ〜」

    どうしようもない怒りが湧いてくる…

    それと同時に…絶望という言葉が顔をチラつかせる。
    喰種は肉を喰うとある程度の傷は回復するという。

    つまり、コイツは肉を喰らうことで
    今まで受けてきたダメージが消え、万全な状態に戻ったということだ。


    カネキ「ク…ソッ!」


    だめだ…こうなってしまったら…

    どうやっても勝機が見えない…


    カネキ「……ッ」


    ガクッと…首を地面に落として、死を待つだけになった自分に嫌気がさして空を見上げる…




    狂喰種「アーアー?死ぬジュンビOK?」



    肉を喰い尽くして、狂喰種が赫子をこちらに向ける。


    カネキ「……」


    狂喰種「では、さよなバイバァい」


    赫子を振り下ろそうとした瞬間…今更…いや。この状況ならようやくというべきか…


    「「「金木──ッ!!!」」」


    多数の足音と声が近づいてきた。


    狂喰種「ハ?ァ?ン?」





    教官「大丈夫か!?」


    教官A「あれは…赫子…?」


    教官B「なっ…やはり喰種か!?」


    教官C「信じられん…何故こんなところに…」

    どうやら、職員(約10人)がようやく駆けつけに来てくれたようだ…


    死ぬと思っていたため…すごい安心感というか、やけにホッとする。



    教官「だ、大丈夫か金木っ!」

    遠くで、僕に聞こえるよう声のボリュームを上げて教官が安否訊いてくる。

    カネキ「ええ…なんとか……」

    僕も声を張り上げるが、あちらに聴こえているか疑問だ。


    教官「すまない。クインケや装備を整えていたら時間がかかってしまった…っ」

    そういった教官達の10人の内、5人は拳銃(Qバレット)…他の5人の手にはアタッシュケースが握られていた。

    なるほど、と僕はなんとか納得できた。

    カネキ「いえ…大丈夫です…それより。」

    教官「あぁ」

    駆けつけた職員(教官)達全員が顔を険しくし、狂喰種に顔を向けた。






    狂喰種「オイおい…うじゃうじゃとゴミどもが集まってきてんなぁ?うっとおしいんだよ…あ?」

    ギロッと睨みつけると、教官達のピクッと体が動いた。
  251. 793 : : 2015/11/04(水) 21:33:59




    狂喰種「わざわざ死にに来たのかねえ?死にたがりですかあ!?じゃあ死んじゃおおおおかぁぁぁぁあ!!」


    それを合図に、10、30、50…数え切れない程の大量の結晶が半数の教官を無慈悲に襲った。


    ガガガガガガガガガガガガッッ!!!



    教官C「あ、ぎゃ」


    教官D「グガァはあっ……」


    教官E「ああああっ!!?」


    黒い結晶が教官5人の頭を突き破り、殺していく。


    教官「な…っ」


    一瞬で半数殺られた事に唖然とし、教官が固まる。


    教官A「ぐ…そぉ!!!クインケ展開し」


    教官A「ろ」ボトッ…


    言い切る前に教官Aの首と胴体がスッパリと切り離され、胴体と首は重力に従ってボトッ落下した。


    狂喰種「させるかよ♪」


    グシャアァアアッ!!


    ニヤリと笑うと教官Aが持っていたアタッシュケースと首を軽快に踏み潰した。



    教官B「この…っ化け物が!!」


    ボトッ…


    教官B「」バタッ…


    狂喰種「アハァッ!アヒャいやはャヒャヒャひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!た〜〜のし〜〜〜!!」


    その後も見るに堪えない光景が続いた。

    狂喰種は淡々と教官達の首をとっては、血を飲み、肉をかじり、最後にはクインケを全て破壊して次々と屠っていった…



    カネキ「……ッ…ぁ」



    狂喰種「終〜了〜!…」


    全滅…

    一方的な狩り(惨殺)が終了した。


    ほとんど一瞬の出来事だった…
    この場に残っているのは…大量の血と、粉々に砕けたアタッシュケースと拳銃。そして…教官達の死体。さらに、今も嗤いながら両手を広げてその屍の上に立っている狂喰種。


    頼みの綱は…呆気なく散っていった…


    戦おうにも教官達が持ってきたクインケは全て破壊されている。


    狂喰種「よー……シラガ野郎。実は助かるとかオモッチャッタカぁ?ザァーンネんでしたぁ」


    狂喰種「次はお前の番だ───」



    狂喰種「───ZE」


    カネキ「……はは」


    恐怖とか絶望とかよりも、笑いが込み上げてくる…

    狂喰種「はははははははッ!首チョンパがイイ?それとも上と下わけちまうかぁ?」

    狂喰種「んー?なんかカワイソーだから楽に殺してあげまちょうかねぇ?」

    ま、とにかく今度こそは仕留めてやるよ…と小さく呟いて、赫子を再び向けてきた。



    ───そういえば…前にも似たようなことがあった気がする…
    あぁ、……そうだ…僕が初めて喰種と遭って、戦った時か……

    今となってはそれすらも懐かしい。


    終わりだ…死ぬ…

    戦う気力すらも残っていない…


    もぅ、無理......。


    死を覚悟して、諦めかけたところで、僕の脳裏にあの人達の顔が思い浮かんだ。




    玲『カネキくーん♪』


    クロナ・ナシロ『研!勝負しよう』




    ヒデ『カネキっ!お前入院ばっかで大丈夫かよ!?俺いっつも学校で一人だぜ?兎は孤独で死ぬんだぞ!!』




    カネキ母『──…研』





    カネキ「───…ッ!!」


    頭に火がついた。



    終わりだ…?死ぬ…?…もう無理?


    カネキ「ふざ、けるな…っ」


    狂喰種「ハァ?」


    僕は死ぬ訳にはいかないんだよ…

    クロナちゃん達に「死なない」って約束しただろ!?

    それくらい守ってみせろよ。

    ここで死んだら、こんな早く死んだら
    ヒデを悲しませる、みんなを悲しませる。あの世に行っても母さんにあわせる顔もない。

    終わりとか決めつけるな…

    死ぬとか考えるな。死ぬ覚悟なんてするな。

    もう無理とか…諦めるな。生きるのを諦めるなよッ…馬鹿が!

    命が尽きるまで生にしがみついて、足掻き続けろ。

    金木 研…ッ




    カネキ「う…ああああああああああああああああ!!!」



    バ キ イ ィ ッ ……! !


    カネキの渾身の力を込めた一撃が、狂喰種の顔面に突き刺さった。


    カネキ「…ッ!」

    しかし、カネキの拳が接触したまま、狂喰種はピクリとも動かない。


    次の瞬間…激しく口元を吊り上げていった。


    狂喰種「終ワリカァ?シラガ」


    カネキ「───…ッ」



    狂喰種「死ぃ───」


    四翼の赫子が蠢(うごめ)いて、槍状に変形していき、赫子の先が鋭く尖っていく。


    狂喰種「───ねェッッ!!!」


    槍状に変形した赫子から神速の突きが放たれた。




    赫子と僕の頭が接触する瞬間だった……

    どこからか、聴き覚えのある凛とした声が聴こえた。




    「────遠隔起動」



    狂喰種「ッッッ!!?!、?!」


    足元から何の前触れも無く、突如として突き上げるように出てきた『黒い何か』が…狂喰種を貫いた。





    狂喰種「あッ…!?……まァ……!?」


  252. 795 : : 2015/11/04(水) 21:39:39
    有馬ァァァァァァァァッ遅いんだよ!

    てめぇ今までナニシテタァッ
    アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ←今頃感染したw

    期待しすぎて修造さんを呼びそう
  253. 796 : : 2015/11/04(水) 22:03:12
    このカネキ君にとって、トーカ・ヒナミ・ニシキ・ヨモ・カヤ・古間・芳村のあんていくメンバーは敵なのかな?
    できれば仲良くなって欲しいけど…
    半喰種化する時はクインクスとしてになりそうだね
  254. 798 : : 2015/11/05(木) 00:21:04
    本当にこれやばいな
    最高の作品と断ずるに疑いはない
    いつもながら期待してる
  255. 801 : : 2015/11/05(木) 19:20:21
    ん?赫子カネキにあたったんじゃね?
  256. 802 : : 2015/11/05(木) 19:57:54
    >>801当たる前にkureizighoul(狂喰種)を貫いたから金木は無事!!・・・だといいな
  257. 803 : : 2015/11/05(木) 21:17:11
    ↑Crazyぐらいちゃんと書けよwww
  258. 806 : : 2015/11/06(金) 18:33:18
    皆さんありがとうございます。

    ちなみに、問題にされてる赫子があったってるんじゃ…というのですが。ギリギリ当たってません。流石は有馬さんですわ!(略して『さすあり』)

    >>795有馬さんは格好良く登場する為にスタンバイしていたようです。とまぁ、冗談は置いておいて。狂喰種が現れてから実際にはまだ30分経ってるか経ってないかなんです!…だから、遅れたわけじゃ……いや遅れてるなぁ…何してた?
    (修造さん呼ばないでね)

    >>796喰種と捜査官である以上……ね…

    >>798…泣きました…
    。・゜・(ノД`)・゜・。ブワッ

    では投稿していきます。
  259. 808 : : 2015/11/06(金) 18:45:14





    カネキ「……ぁ…」


    頭が混乱する。何が起きたのか解らない…状況に思考がついていけていない…


    ただ。唯一理解できることは…

    狂喰種が貫かれた…という事実だけだった。


    狂喰種「ガハァアアッ!? …、な、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア! ? !? !!」


    『黒い何か』が雑に引き抜かれ、狂喰種は数メートル先にズドッ!と顔を顰めたくなるような音を立てて地面に背中から激突した。


    狂喰種の叫びが聞こえる中、



    カツンッ…カツンッ…カツンッ。と



    テンポの良い足音がゆっくりと背後から近づいてきていた。

    そのさらに背後からもう一人分の足音も聴き取れる。



    助かった………?

    …なんとなく。漠然とそう思った…何故かはわからない。

    教官達が駆けつけた時の気持ちとは、似ても似つかないものだった。

    完全な安心感が僕を包み込んだ。


    カツンッ…カツンッ……


    風の音も、虫の鳴き声も、何も聴こえてはこない。足音のみが辺り一面に鳴り響く。


    どんどん、近く…近くなっていく。


    カネキ「……ッ…? 」


    風が吹くのと一緒に、足音は僕のすぐ横を通り過ぎていった。


    誰だ…?

    …喉まで出かかっているのに、そこから先が顔を見せない。…判らない…

    顔を怪訝に歪め、身じろぎしながら
    通り過ぎていく人物を視界の真ん中へと入れた。



    カネキ「⁉︎…あ…なた…は」


    そこにはあの人の姿があった…


    透き通るような真っ白な髪。

    喰種捜査官の一つの特徴である白いコートを着用し、 左手にアタッシュケース…右手には狂喰種の赫子に似た真っ黒な槍状のクインケ。


    そう、…一ヶ月ほど前、アカデミーに講師として訪れていた人物。




    カネキ「…有馬…特等…」



    その人だった。

  260. 809 : : 2015/11/06(金) 19:07:10




    有馬 貴将。




    これまでに数々の逸話を残してきており、特等捜査官の中でも頭一つ飛び出ている実力の持ち主。

    喰種ならば絶対に戦いたくない捜査官であり
    その名を聞けば喰種は畏怖し、彼を前にすれば…全身を戦かせて…恐慌し、狼狽し、悩乱し、心の底から恐怖する。

    それとは真逆に…全ての捜査官からしてみれば、有馬貴将という男は絶対的な憧れの的であり、皆から尊敬の念を抱かれるという名実ともに最強を誇る捜査官だ。




    カネキ「……っ」


    この状況に、ようやく理解が追いついてきた。どうやら、今度は本当に助けがきたようだ。



    助け……か…




    霞む視界の中、僕は呆然と目の前の彼の背中を見つめ続ける。



    助け……助かる。…助かった



    …助け……られる……のか……?



    有馬「……大丈夫?」


    有馬特等が小さく振り向いて僕に一言告げた。

    有馬「すまない…そこの喰種を仕留め損なったせいで、こんな所にまで被害が及んでしまった。」


    カネキ「ぃ…いえ……」


    有馬「……、」


    有馬特等は、彼方此方に倒れている教官達に目を向けると、一度瞼を閉じて…狂喰種へと視線を移した。


    有馬「…タケ。彼の手当てを」


    平子「はい。」

    〝タケ〟───と呼ばれた男性捜査官が横から出て来て僕に手当てを施そうとする。


    が…



    狂喰種「ウッ…ウウッッ…ウウウウウウウウウウウウウウア嗚呼ッアアァァァあアあアあアあアあアあアあアあアあアりリリりィィィイ ま アあアあアあアあアあアあアあアあアあアあああああああアああああああぁああああァああアああアああああアああアああアああアああアあああああアああああアああアあああああああああアああアあああアあああああああぁアアアアアアァァッッ!!!!」


    吠える狂喰種を冷静な目で見て…有馬はそっと、IXAを構える。



    カネキ「…ッ……、ぁ…」



    助け…られる……。


    いいのか…?このまま黙って助けられて?


    カネキ「ッッ!!!」


    ───いいわけがない。


    このままこの人達に助けられれば…僕は結局、3人を助けたことにはならないんじゃないのか…、?


    僕は決めたんだ…大切な人達を僕の手で守るって。

    わかってる…これはただの意地だ我儘だ。…自分がどれだけ愚かなことをしようとしているかなんてのも十二分に理解している。

    でも…僕は、自分の守りたいものは自分で守りたい。


    いいや…守る。


    守ってみせる…ッ…!だからここは、退けない。引くわけにはいか無いんだッ


    平子「…ここは危険だ…向こうで治療する。動ける──」


    すみません…

    そう一言言って、治療を拒む。


    カネキ「…っ」


    僕は重たい足を一歩ずつ前に踏み出して…
    有馬特等の横に立った。


    カネキ「───…こんな奴も倒せないようじゃ…」




    平子「…!」


    有馬「……。」


    カネキ「これから先…誰かを守ることなんて、絶対に出来無い」


    そう断言できる…


    僕は有馬特等に正面から向き合い、頭を下げた。


    カネキ「有馬特等……お願いがあります。」



    有馬「………」
















    今夜は星が多い。

    月と星が輝く綺麗な空に見下ろされながら…

    二つの影が交差する。



    狂喰種「ッッッッ!!!!!どけェッ…!!いマお前ェみてぇなガキに用はねぇエ!!!」

    全身を真っ赤な液体で彩り、悍ましい翼を大空へと広げさせて憤る悪魔の前に…

    少年は立ちはだかる。壁を越えるため

    ……何よりも…


    守る為に。



    狂喰種「邪ァ魔ダァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァッッッ!!!」



    カネキ「───…!」



    両者が同時に地面を跳んだ。



    一方は、背に四枚の黒い翼を携え。



    そしてもう一方は…





    … カ チ ッ !





    ガ シ ャ ア ア ア ァ ン ッ ! !





    両手に死神の武器を持って──────
  261. 810 : : 2015/11/06(金) 19:09:34
    借りたのかwww
    期待です
  262. 816 : : 2015/11/07(土) 00:25:05
    松〇修造「出来るー出来るー♪君なら......

    あ!(゚ω゚;)。o○(やべ!?)呼んじゃった
    ....僕のせいだね....ごめん(金木風)

    まぁこのぐらい期待してるって事で許してd(>∇<;)ゆるちて♪
  263. 817 : : 2015/11/07(土) 00:35:01
    あの武器使うのはやばいな
    マジ期待
  264. 818 : : 2015/11/07(土) 09:34:58
    クインケ持ったら金木最強じゃね?
    クインケの種類でも多分決まるけどw
    あ、期待ですw(・.・)
  265. 819 : : 2015/11/07(土) 10:58:06
    IXAとナルカミ金木に持たせたらチートww
    期待です
  266. 837 : : 2015/11/10(火) 19:27:44
    ナルカミってS+レートクインケなのに性能良すぎるよな
  267. 838 : : 2015/11/10(火) 19:47:47
    S+ってのはその素材になったグールのレートであって、赫子の性能ではないからねん。
    赫子が良質でも目につかんかったらレートも配置されんわけやし。
  268. 854 : : 2015/11/14(土) 02:32:03
    まだですか…
    期待してるですよ〜

    (玲君風)
  269. 859 : : 2015/11/14(土) 21:08:45
    続きすげー見たい!
    期待大(´-ω-`)
  270. 860 : : 2015/11/14(土) 22:39:37




    少年と喰種の戦闘が始まった。




    平子「……。(…なにを考えているんだ…この人は)」


    平子は少年に自分のクインケを渡して、戦うことを許した有馬を
    信じられないといった風にチラッと横目で見た。


    有馬「…どうしたの?タケ」


    平子「……いえ。」


    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    〜〜〜〜〜〜
    〜〜〜


    カネキ「有馬特等。お願いがあります」


    有馬「…なに?」


    カネキ「クインケを借していただいてもよろしいですか」


    平子「!」



    有馬「…君が、あの喰種と戦うのか?」


    カネキ「はい……候補生とはいえ、戦わせてはいけない。というのは十分承知しています……その上で頼んでいます。」


    有馬「……。」


    カネキ「お願いします…っ!」


    僕は再び頭を下げた。



    平子「……」


    有馬「……、わかった」


    平子「っ…有馬さん…!」


    カネキ「!」



    許可を得て…
    有馬特等は両手に持っている物を僕に渡した。

    渡されたのは僕が知っている白銀のアタッシュケースではなく…

    黒と金色の二色で彩られた黒箱。
    そして、槍状のクインケだ。
    槍といっても、どちらかというとレイピアにも似ている。ちょうどその二つが合わさったよう感じだ。
    柄は槍の物ではなくレイピアに酷似している。


    有馬「……」



    平子「……、」

    いや。この人の事だ、何かあるのだろうと平子は決定づける。

    だが、納得は出来ない。


    平子「(…有馬さんも気づいておられるだろうが…)」


    あの喰種。間違いない…


    ……赫者だ。

    平子と有馬がここにやって来る途中…
    狂喰種に食い散らかされたと思われる
    人間や喰種の肉片が転がっていた。

    ここに来るのが遅れたのも、死骸が民間人や一般市民に見つかって騒ぎにならないよう、処理をしていたからだ。
    (といっても、急いでいたため近くにいた捜査官に任せてきたのだが)

    あの喰種は、恐らくアカデミーに来る途中に目に付いた物を無茶苦茶に喰っていたのだろう。


    しかし。赫者とは…
    一度や二度 共食いをしたところで
    なれるほど安い物ではない…

    ならば、以前から共食いを行っていたと考えるのが妥当だろう。

    赫子の変形、変色、増殖。左腕と右脚を纏うように絡みついた赫子。

    完全ではないが赫者…〝半赫者〟とでも言うべきだろう。発達率は50%ほどで、
    その力をコントロールできていない様子。
    制御出来ていないからと言って、危険度が下がるわけでは無い。

    やはり、有馬が何を考えいるのか平子には到底理解できないでいた。

    敢え無く考えるのを諦めた平子は
    視線を有馬から、少年と喰種に向けた。


    目を疑う光景が広がっていた。


    狂喰種「グァァァら?!?赤麻痺マラユオマァ羽が翼ァカダァぁぁぁあ!!、!、アァエカアタヴゥウィァァハラハラハラハラハラハラハラハラ晴ら腹するるるるるるる桜裂く腹がはんぶん切り離なされるられるるれるりれれるアいだあたいだいだいいだいッ痛ゑゑ卍!!?」

    喰種の痛ましい叫声と共に平子の目が見開かれる。

    黒い翼を激しくひらつかせる喰種と…

    熟練の喰種捜査官のようにIXAとナルカミを駆使して喰種と互角以上。いいや、…一方的なまでに圧倒していた。まるで先の有馬のように。


    白髪の少年と有馬特等の姿が重なって見えたのは、幻覚なのだろうか…


    幽霊でも見たかのように平子が言葉を喪失する…

    平子「…っ…、」


    何故アカデミー生がここまで戦える。
    クインケのお陰なのか…それとも…


    CCG最強の有馬特等が持つだけあって、IXAとナルカミの性能は群を抜いている。
    それと同時に使うのも困難であると聞く。

    素人が持てば上手く使いこなすことは
    まず不可能であり…
    たとえ使えたとしてもクインケだけの力で喰種を…それも赫者という上位の喰種を圧倒するなど有り得ない。

    にもかかわらず、目の前の少年はそれを平然とやってのけている。

    クインケのおかげ?優勢なのはIXAとナルカミだから…?
    …ならば自分が持っているクインケだったら少年は劣勢だったのか。

    そうは思はない…。


    確かに有馬特等のクインケは相当なものだが…それを素人(子供)や並みの捜査官が持ってるからといって、凶悪な喰種を倒せるだろうか?

    答えはNO。

    そんなものなら良いクインケを皆に渡している。

    どんなに上等な武器でも、使い手によってその性能は腐る。
    使い手がよければその武器はより強力な物へと変わり、悪ければより腐る。


    平子「…(…)」


    なるほど、と平子は一人でぼんやりと納得し、有馬と共にその死闘を見守る事に決めた。

  271. 861 : : 2015/11/14(土) 22:51:02




    死神(有馬)のクインケを両手に握りしめ、カネキは疾風迅雷の勢いで肉薄する。

    鉄が磁石に引っ張られるように
    カネキと狂喰種が空隙をぐんぐん押し詰めていく。



    カネキ「(…これは試練なのかもしれない……越えなければいけない壁…。)」

    守りたいものを守る力。それを手に入れる為には、絶対的な強者へと上り詰めなければならない。

    その一歩が、その為の最初の相手(敵)が、目の前の狂喰種(強喰種)だ。

    自分が希求するモノは、この障壁の先にしか存在しない。この先でしか、手に入らない。


    カネキ「負ける訳にはいかない。…僕はお前を越えていくッ!!」


    腹の底から声を上げて、カネキがナルカミのモードチェンジで
    ブレード状へと変形したそれを音速の勢いで左から真一文字に振り払う。

    雷の刃が空を裂き、狂喰種の胴体を刈り取らんと逼った。

    狂喰種はあまりの攻撃速度に瞠目するも、
    即座に右方の赫子二翼で防御へと移行する。

    雷刃と黒翼が接触した直後。ケーキでも切るかのように雷刃は赫子を切り通って行き、懐へと進入した。

    相手の防御を物ともしない程、完全にナルカミの攻撃力の方が勝っていた。


    皮膚、肉、骨を絶つ不気味な音と感触が得物から腕へと行き渡り、雷刃は狂喰種の脇腹を10センチ以上切り裂いた。


    間髪入れずに左手に持つIXAの鋭鋒を胸の真ん中へと吸い込ませた。



    狂喰種「!?グァァァらゴるっ…ぽ?!?赤麻痺マラユオマァ羽が翼ァカダァぁぁぁあ!!穴、!、アァエカアタヴゥウィァァ胸が涼しィいな穴がハラハラハラハラハラハラハラハラ晴らするるるるるるる桜裂く腹がはんぶん切り離なされるられるるれるりれれるアいだあたいだいだいいだいッ痛ゑゑ卍!!?」

    痛みに悶え苦しみながら狂喰種の脳は俊足に死を察知する。頭がおかしくなり
    壊れようとも、狂喰種もまた…
    死から遠去かろうと懸命に踠(もが)き始める。

    距離を取ることを最優先に考え、身を大きく後ろへ押しやる事でIXAを胸から引き抜いた。

    そのまま飛躍して狂喰種はカネキと数メートルの距離を置く。


    カネキ「無駄だ…この距離はまだ、此方の攻撃範囲内だッ」



    一気に終わらせる────…!!


    ガチャンッ!とナルカミを遠距離型に切り換える。

    バチィ…ッ! 静電気の何倍もの音量が聴こえ、黄色い光がクインケの先から僅かに漏れ出た。そのまま狂喰種へと標準を合わせて…




    撃つ。



    凝縮されたRc細胞がまるで雷のように
    放出された。



    狂喰種「ぐぎィイィイィイッ!?ぎゃバババババばばばばばばばびびびびあああアビャアああああああああああああッッ!?!!」


    カネキ「まだだ…!」


    ズオオオォォォオォォオオオッ!!!



    最初の時のように、IXAが下から狂喰種を貫いた。

    IXAの攻撃で空へと遡る狂喰種に向かって
    再度ナルカミの電撃を放ち。脅威の連続攻撃が次々と狂喰種に襲い掛かる。


    狂喰種「ぐがぁあっ?ひがひゃひひゃびは「はゃひゃひゃゎばひゃぱあがかゆかまなつづづおおっああああああああああイいたみにいたいたいいてえいてえころすろすころすころクソ野郎やめてやめクソてくれやめろしらがぁぁぁたあなたまかはわばばばばばばば…ッッ!?!」
  272. 862 : : 2015/11/14(土) 23:07:30

    阿鼻叫喚し、狂喰種は両腕をだらりと下ろすと地面に両膝をつけた。高火力の攻撃を何度も喰らい、もう既に満身創痍なのだ。
    ほんの数分前まで狂喰種がカネキを圧倒していたのが全て嘘のように
    狂喰種は完膚無きまでに打ちのめされていた。
    カネキがクインケを持った瞬間から、完全に形成は逆転していたのだ。


    狂喰種「……ァァ……。……ウッ。ウッ、…あ………ひ…ゃ…アヒ、ャアヒャああああぁあぁぁぁあひゃひゃひゃひひゃ、ひゃひゃひ、ゃひゃひゃひゃひゃひ、ゃひゃひゃひゃひゃひ、ゃひゃひゃ、ひゃひゃひ、、、ゃひゃひゃ、ひゃひゃひ、ゃひゃひゃ、ひゃひゃゃ、ひゃひゃひ、ゃひゃひゃ、ひゃひゃひ、ゃひゃひゃ、ひゃひゃ……ひゃ、ぁ…ひゃ…ああっはっっはひゃひゃァァアアアア…ッッ!!アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァアアァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァアアアァァァァァァァァァァアアアぁアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァアアァァァァアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアァァアアアアアアアアアアアアァァァァアアアアアアアアァァァァアアアアアアアアァアッッッッ!?!?!!!!!」

    喉が潰れそうな程とんでもない声で憤怒の叫びを洩らしながら
    自分の腕に喰らい付き迅速に再生を開始する。
    ただ、再生しているのは身体の彼方此方に空いた空洞や切り傷ではなく、最初に切り取った二翼だった。
    そこにだけ再生の力を集中させている。

    さらに驚いたのは、ただ再生しているわけではなく、同時に翼(赫子)が一回り大きくなっていることだ。

    狂喰種「死ねよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオオオォッッ!!!」


    なぜこのような行動に取ったのかは明白だ、狂喰種は悟ったのだ。

    目の前にはクインケを持ち、自分の力を圧倒的に上回ったカネキ…勝てない。

    例えコイツを倒しても…その奥で待ち受けているのは死神。待っているのは死の一文字だ。


    狂喰種「ならァァァァッッ!?!最期の最後にオミマイしテヤルよッ!!!死に晒せエエぇぇえエエえぇェェええェえエエぇエぇエえええええええええええええええええええええええっ!!!」

    四枚の翼から直径10センチの大結晶が何十本も飛弾する。

    カネキ「……」

    落ち着いた面持ちで左手に持っているIXAをグルンと回し
    通常の持ち方から、所謂…逆手持ちに変えた。
    IXAの先端を地面に突き刺した瞬間…
    ブワッ!とRc細胞が左右に広がり漆黒の盾が造られた。


    ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ッ ! !


    幾十もの大結晶が盾にぶつかり、粉々に砕け散っていく。
    不自然に、ガガガガガッ…という音と衝撃が急に停止された。



    カネキ「……ッッ!!」


    息を呑んだカネキの目が僅かに見開かれた。


    『最期の最後にオミマイしてやるよ』とはこの事だったのかと汗を流す。
    先程 大きさを増した四枚の黒翼が
    融合し、狂喰種の一回りも二回りも
    大きな漆黒の一翼へと変貌していた。



    ────ヤバいのが来るッッ⁉︎


    その刹那。一翼の腹から特大サイズの結晶が物凄い勢いで飛び出してきた。

    長さにして2メートル、直径60センチを
    超える一つの塊がカネキを貫かんと特急で迫る。


    狂喰種「死ねやァッ!クソ野郎ドモおおおおおおおおおぉァァアィァアァァぁあぁぁァァォアィァアぁあアぁあぁぁぁぁあぁぁぁあああああああああああアアあああああああァァアアッッ!!!!」


    これが、狂喰種の最期の抵抗であり…





    正真正銘…最後の一撃。
  273. 863 : : 2015/11/14(土) 23:16:34
    期待です
  274. 864 : : 2015/11/14(土) 23:17:13



    カネキ「(速い…っ⁉︎)」


    思った以上に速度がある。躱せるか…?
    盾でガード……どう考えてもあんな馬鹿げた攻撃は防ぎきれない。


    カネキ「…いいや…こんなもの、正面から叩き切るッ!」


    不敵に笑い、カネキは自ら特大結晶へと駆け出した。


    眼前に迫るのは特大の黒い結晶。


    普通ならこの場合、ここで終わる。
    特大の結晶に体を半分以上貫かれ…

    この世界から永久退場するのだが。



    ズ パ ン ッ ッ ! !



    小気味の良い音を一緒に特大の黒い結晶は黄色い一閃の元に一刀両断された。

    二つに分かれた残骸はカネキの左右を通り過ぎ…一瞬にして木っ端微塵となって
    闇の夜へと消えていった。


    ダ ン ッ!と地面を踏んづけ、狂喰種の前に立つ。距離にして1メートル。
    この距離ならば、狂喰種はカネキに攻撃を当てる事ができたかもしれないが、

    それは叶わない。

    さっきので全てを出し切ったコイツは、もう自由に戦闘など行えない。
    さっきのように両膝をついて座っているのが良い証拠だ。


    カネキはしばらく狂喰種を見下ろすと、ゆったりとした動作でナルカミを構えた。


    雷が一点に収束し、一つの巨大な雷玉を造り始める。


    今にも擦りそうなほど、狂喰種の目と鼻の先には構えられたソレがある。


    狂喰種「………ァ…ッ!」



    カネキ「……」



    狂喰種「ぁ…!…ッッ…〜〜〜〜〜〜…」ボソッ…






    ゼロ距離から最大出力で雷撃が放たれ…狂喰種の頭が弾け飛んだ。




    狂喰種「」




    力を失った狂喰種の体は、背中から地面へと崩れ落ちていった…




    カネキ「………」
  275. 885 : : 2015/11/20(金) 21:57:49




    「…ぅ……ぐ」


    突然、どこからともなく声が耳へと侵入して来た。

    カネキ「……?」


    ここにいるのは有馬と平子を除けば自分だけのはずだと疑問を浮かべる…
    さっき助けへと来てくれた教官達は皆死んでしまっている…


    教官「ッ……ぅ…あ…」


    カネキ「え…ッ…教官…!」

    そう思った矢先、地面に顔を伏せていた一人の教官がモゾッと身動ぎしながら呻いた。
    よく見てみればこの人は首と体がちゃんと繋がっている……でもかなりの重症のようだ。

    …全員殺されたとばかり思っていたが…


    カネキ「い、生きてたんですか…よかった…っ」


    その場に立ったまま、カネキはうつ伏せで地面と体をくっつけている教官に声をかける


    気付いていると思うが、この教官…
    身体能力というか、運動能力を〜(ry



    教官「こら…勝手に殺すな…げほっ…!」

    カネキ「ああッ…大丈夫ですかっ?」


    教官「お前もな…」


    こちらが心配した筈が、逆に心配の声をかけられている。


    カネキ「お互い様ですね…」


    教官「まったく…大した奴だな」

    狂喰種を倒したことを言っているんだろうか…
    何にせよ…いま賞賛の声を掛けられても余り喜べる状態じゃない僕は、あははと苦笑いするしかなかった。



    スタスタ…。この場の雰囲気には似合いそうにない、落ち着いた足取りで有馬と平子が歩み寄ってくる。


    カネキ「……有馬特等、僕の我儘を聞いてくださって…ありがとうございました。」

    僕は慌てて頭を下げると、両手に持っているクインケを有馬さんへと返却する。

    有馬「…ああ。」


    受け取ると…有馬と平子は教官へ顔を向け謝罪の言葉を告げた。

    カネキにも言ったように、自分達の失態で多くの犠牲者を出してしまった事に対してだ。

    生徒が重傷を負い、同僚が殺されたのは…どうやっても有馬達に責任がある。

    その謝罪の言葉に教官は何も答える事はしなかった。出来なかった…。




    兎にも角にも……これで、
    カネキと狂喰種の激闘はカネキの勝利で幕を閉じた。



















    後日談。


    狂喰種を打倒した後、僕と玲くん、そして教官は軽い応急処置を終えた後
    早急に病院へと運び込まれた。


    玲くんは脚が切断されて無くなってしまったのだが…
    医者の話によると、どうやら義足を付ける事が可能な様で
    玲くんもその事を拒否はしなかった為、
    義足を付ける事に決定した。

    玲くんの脚にフィットした物を作成する時間と、リハビリなども必要との事で数ヶ月の間は病院と車椅子で過ごさなければいけないらしい。

    僕と教官も、玲くん程では無いにしろ
    暫くの間は病院生活だそうだ。

    理不尽というか…大変不幸な目に遭ってしまったと言える。流石に有馬特等らが恨めしい。


    亡くなった教官達の葬式は遅くても一週間後にはやるらしく、一応出る予定ではある。


    何はともあれ、あれだけの惨事で自分達の命があった事は何よりの救いだろう。





    『…見事だった。それでは、またな。』



    そういえば、有馬特等が去り際にこんな事を言っていた。


    カネキ「………。」





    玲「ひ〜ま〜で〜す〜!!」


    カネキ「……はぁ…」

    隣のベッドでジタバタと腕を振るわせる
    玲を尻目に、病院の一室で1人…カネキは深い溜息をつく。


    教官「どうした、そんな溜息をついて…」

    今度は正面のベッドで上体のみを起こした教官が、疑問に思ったのか訊いてくるが、首を横に振って答える。


    カネキ「いえ…」


    僕が入院しているのは四人一部屋の大部屋だ。
    同室の人は見ての通り、玲くんとむさ苦しい教官、そして僕。
    本来はもう一人居るのだが、いや居たのだが
    つい先日退院し、もうこの部屋からは居なくなった。その為、今はこの部屋にはこの三人だけなのだ。


    この病室にはテレビも無ければ本も無い。
    有るのは沢山の花が刺さっている花瓶と、小さなテーブル&椅子が幾つか。
    まぁ、正直言って寂しい部屋だ。
  276. 886 : : 2015/11/20(金) 22:02:42
    期待です
  277. 887 : : 2015/11/20(金) 22:10:36


    入院してから2日…

    さっきは取り敢えず『いえ…』何て言ったけれど、本音を言ってしまえば玲くんも喚いている通り、〝暇だ〟

    あ〜…ッ!!
    これだから病院(入院)は嫌なんだ!暇すぎる。
    本を読むにしたってこの病院──この病院に限った話では無いが──には有名なの(つまりは読んだ事がある本)ばっかりだ。

    もう何回読んだと思ってる?十回なんてショボいものじゃ無いぞ。
    20、いや30回は読んでいる。

    教官や玲くんと話すにしたって何も話す事なんか無いし…


    カネキ「(誰かお見舞いとか来てくれないかな……。)」


    明後日の方向を向きながら、儚く願う僕の前に、暇を打ち消す天使が舞い降りた。


    コンコンッ…


    カネキ「!!」

    二回のノックの後、スムーズに病室のドアが開かれる。

    おぉっ!と小さく歓迎の声を漏らしながら、訪れた人物が誰なのか…少しばかりワクワクしながら入室してくるのを待つ。

    「はいりますよー…」

    気だるそうな声が聴こえた瞬間、僕は地獄の底に落ちたかの様に落胆した。
    と、同時にジトッと玲くんを睨みつける。
    睨まれた本人は反省した様子もなく、
    唇を尖らせ…音が鳴っていない口笛を吹きながら愛嬌たっぷりに笑っていた。

    いや嗤っていた。

    入ってきたのは、暇を打ち消す天使でもなければ女神でもない。
    ただのスタイル抜群のボンキュッボンな美人看護師だ。
    だがしかし、その表情はとても美人看護師には見えない。疲労感があり、とてもうんざりとした表情だ。

    それもそうだろう……これで何回目だ?


    看護師「もうっ!また鈴屋くんでしょ!用も無いのに何度も何度もナースコールしちゃダメって言ってるでしょう?」

    玲「だって、カネキくんが相手してくれないからですよ」

    玲は暇さえあればナースコール(ボタン)を押しては看護師を呼び出している。
    かれこれ、数えだだけでも20回(それからは数えていない)

    迷惑極まる行為だ。どんな嫌がらせだよ。

    看護師「はぁ…カネキくんも遊んであげたら?」

    カネキ「いや…無理ですよ。僕も玲くんもこんな怪我で遊べると思います?第一…安静にしてろと言ったのは貴女じゃないですか…」


    教官「鈴屋ァ!よくやった!」

    カネキ「ちょっと黙っててください」

    美人看護師を前に
    だらしなく鼻の下を伸ばしている教官を粛清し、続ける。


    看護師「でもね…私達も忙しいの。だから…ねっ?」

    カネキ「そんなウインクされても困りますよ…(可愛いですけど)」

    カネキ「それに、忙しいのなら…来なければいいのでは?悪戯だって判っているんですから…」

    そんな毎度毎度、律儀に来なくても…

    看護師「そういう訳にも行かないでしょう?もし、本当に緊急の用だったらどうするの?」

    カネキ「うっ…」

    看護師「だから、ね?お願いっ!鈴屋くんと遊んでくれたら…」

    カネキ「…くれたら?」

    何やらよからぬ事を含んだ口振りで看護師(ナース)さんが言葉を止めた。
    なんとなく…僕はそれを鸚鵡(おうむ)返しする。


    看護師「フフ♡ご褒美…あ・げ・る♡」

    カネキ「よいしょっと…さて玲くん遊ぼうか⁉︎何して遊ぶ?」

    素早く上半身を起き上がらせ、玲くんに向かって両手を広げた。痛み?そんなものはない。


    玲「…えっちですね〜カネキくん」


    教官「⁉︎」ガタッ

    カネキと看護師のやり取りが聞こえていたのか聞こえていなかったのか…
    …聞こえていたのだろう。

    教官はベッドから転げ落ちそうになるのを何とか阻止し、目を限界まで見張りながら口をポカンと口を開けさせた。


    教官「(羨ましいいいいいい!!」


    ズキッ♡


    叫ぶと同時に教官の全身を、制裁と言う名の激痛が襲った。


    教官「痛っ!?傷に響く〜っ!」ジタバタ

    カネキ「(だから…何やってるんですか教官……)」

    半目で教官を見て、呆れたように呟く。
    怪我してるのに元気な人だ。そのパワーは一体何処から?
  278. 888 : : 2015/11/20(金) 22:29:24


    看護師「ふふっ、お願い聞いてくれてありがとう。カネキくん♡」

    カネキ「…いえ。」

    ご褒美云々の話は置いておくとして
    確かに…ナースさんが言ったように悪戯だと放って置いたらオオカミ少年の二の舞に成り兼ねない。
    なので、尤もな事を言われた僕は納得するしかなかったのである。


    看護師「そういえば…お客さんが来ていたわよ?」

    カネキ「え?」

    思わぬ朗報が看護師さんから降りかかった。
    お客さん、それは暇を照らす何よりの希望。暇している人の所にお客が来る。これ程の幸せがあるだろうか?

    病院に来客が来て、これ程の嬉しさを感じた日が…嘗て有っただろうか?

    いや、無い。

    僕は喜びのあまり看護師さんに身を近づけ「誰ですか!?何処に!」と鬼気迫る表情で尋ねた。


    すると…


    「「ここ」」



    カネキ「ん…?」


    玲「お〜クロナにナシロじゃないですかあ〜!どうしたんです?」


    玲くんが言った通り、其処には…
    看護師さんの背後には、買い物袋を2人で持っているシロクロ双子が居た。恐らく
    いや100%お客さんとはこの2人の事で間違いはないだろう。


    クロナ「…お見舞いに」


    ナシロ「来たの」


    カネキ「え…いつから居たの…?」


    シロクロ「「最初から」」

    僕の疑問に双子は口を揃へて言った。
    そして気のせいなのかも知れないが
    …顔が不機嫌そうな……


    カネキ「そ、そっか…あ、ありがとう…」

    どうしよう。気付かなかったなんて言えない…いや、言わなくていいな。

    クロナ「研、私達に気づいてなかった」

    びくっ!と。図星を突かれて僕の肩が飛び上がる。
    残念な事にその反応を2人は見逃してはくれなかった…。


    ナシロ「綺麗なナースさんに目がいって私達に気付かなかったんでしょ…研のえっち」

    クロナ「鼻の下を伸ばしてた。誘惑に負けた…研のえっち」


    ジロリと2人に睨まれ…相次いで上げれる罵倒の声に僕の口は開いたまま塞がらない。


    カネキ「っ⁉︎」


    なん…だと?

    僕が鼻の下を伸ばしていたように見えたっていうのか?
    君たちの目は節穴か何かか⁉︎伸ばしていたのは教官でしょ!
    あと最後に「研のえっち」という言葉を付け足すのは非常にやめてほしい。


    カネキ「何を妄言を吐いているんだい?僕ではなく教官の間違いだよね?」


    教官「なにをっ!?」


    クロナ「研の事で間違いない」


    カネキ「なぜ…⁉︎本当にやめてよ!」


    ナシロ「それがいい証拠」


    ナシロちゃんが僕に向かって指を差してくる。
    当然。指を差された僕はそれ?と首を横に倒して疑問符を浮かべるしか無かったのだが…
    横に目を向けた瞬間「あ」という呟きが口から溢れた。
    僕は上半身を起こしたまま看護師さんに身を近づけていた。
    看護師さんは普通にその場に立っているが、僕はベッドに座っている状態。

    つまり僕の目線は看護師さんの顔ではなく……そこまで思考したところで2人が怒っている理由に辿り着く。
    そう、僕の目と鼻の先には看護師さんが居た。いや看護師さんの大きな膨らみを持つ豊満は胸が居た。あった。


    看護師「やぁんっ、カネキくんのえっち♡でも〜…私達は患者と看護師だからそういう事は…ね?」


    カネキ「…いや、何と言うかすみません。」


    看護師「でも、カネキくんがどうしてもって言うんならぁ…///」

    話を聞いてるのか?

    艶然と微笑みながら看護師さんは誘うように頬を赤らめながら何か言い始める。


    クロナ「…っ!」

    ナシロ「…⁉︎」


    教官「ッッ!?!」ガタッ


    カネキ「いや…赤くならなくていいですから。というか、忙しいでしょうしもう戻った方が良いんじゃ…」

    看護師「あっ!そうだった。それじゃあもう行くけど…くれぐれも、鈴屋くんにボタン押さない様に注意しててね?」

    カネキ「わかりました…」


    看護師「それじゃ〜ね。って…きゃああっ!」

    カネキ「……、」

    看護師さんが立ち去ろうと歩き出した途端、どうしてか足を絡めて転倒する。
    何とか床に両手をついて完全な転倒は回避したが、今の看護師さんの格好は四つん這い状態。

    ナース服がズレて…雪のように美しい太腿と、純白の下着が僕達の目の中に────…


    クロナ・ナシロ「ふんっ!」


    ──下着を視認する直前に…クロナちゃんとナシロちゃんが買い物袋に入っていた林檎(りんご)を取り出し、なんとそれを僕と教官に投擲した。


    カネキ「ッうあっ…⁉︎」


    教官「ふぉごっ!?」

    直ぐに上体をベッドに寝かせ間一髪で林檎爆弾から逃げ切る。
    が、気の毒な事に教官には爆弾が直撃した模様だ。
  279. 889 : : 2015/11/20(金) 22:32:39
    面白いいいいいいい
  280. 890 : : 2015/11/20(金) 22:40:01
    面白いです、期待しています。
    頑張ってください。
  281. 891 : : 2015/11/20(金) 22:46:16
    赤司っちさんボンキュッボンとかエッチ~とか書きたかっただけでしょゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ(#^ _^)
  282. 892 : : 2015/11/20(金) 22:59:16


    看護師「そ、そそそれじゃあねっ!」

    痴態を晒してしまった事にアタフタと慌てながら
    ナース服を整えて立ち上がり、看護師さんはそそくさと自分の仕事に戻っていった。



    玲「食べていいです?」


    ナシロ「いいよ」

    一方、僕を通り越して飛んで行った林檎を玲くんがキャッチし
    ナシロちゃんの許可を得て、ソレにかぶりついていた。


    しゃりしゃり…快然な咀嚼音が病室に木霊する。
    ニコニコと美味しそうに林檎を齧る玲くん。
    先程の平和なやり取りを思い出し、小さな微笑が僕の口から漏れた…



    ────僕は…守れたんだ……守ったんだ。この子達の笑顔を。


    その事を再確認し、唇が綻ぶ。


    クロナ「…何笑ってるの?」

    カネキ「ぁ、いや……ってそれより、食べ物を投げちゃダメじゃないかっ!」


    教官「そうだぞ…まったく…教官をなんだと思ってる」


    クロナ「ふんっ」


    僕と教官に注意されても
    プンプンモードが限界突破したまま収まらないクロナちゃん。

    何でこんな何時までも怒ってるのか…



    カネキ「……思春期ゆえの葛藤と言うやつなのかな…?」


    クロナ「はぁ…?」

    自分も思春期真っ只中ということを棚に上げて、カネキは妙に年長者ぶった結論をつける。

    思春期だろうがなんだろうが…こういう時はそっとしておくのが一番だろう。



    クロナ「……リンゴ」

    まったく的外れな結論を出していたカネキに、クロナが何やらボソリと囁くように言った。


    カネキ「ぇ…?」


    クロナ「…いる?」



    カネキ「えっ…と……いただきます…。」











    クロナ「…、…。…」


    林檎と包丁を手に、真剣な面持ちでゆっくりと林檎の皮を剥いていくクロナ…


    カネキ「………………」


    客観的に見れば、お見舞いに来た女の子が
    怪我人に林檎を剥いてあげているという…
    思わず心が暖まるありふれた光景なのだが…
    カネキの心中はこの状況で微笑む事ができるほど穏やかなものでは無かった。



    カネキ「……あの…大丈夫?そんな無理してやらなくてもいいんだよ…?」


    クロナ「だ、大丈夫…!」




    恐る恐る尋ねてみるが…意地を張ってか張らずか、さっきから「大丈夫」の一点張りだ。
    林檎の皮を剥く経験など数える程しか無いのだろう。いや、ゼロかも知れない…
    アカデミーではそんな事はしなかったから。

    だから余計心配なのだ。勢い余って手を滑らせたり、力加減が上手くいかなかったりで…
    うっかり指を切ってしまうのではないだろうかと言う不安が、カネキの心をジワジワ侵食していく。

    自分の為に林檎を剥いてくれたのに
    手を切ってしまった…
    なんて悲惨な光景を目撃するのは何が何でも御免蒙りたい…。

    だから、そんな笑えない事態を憂虞し
    気遣いの言葉を述べているのだが…クロナは頑なにそれを拒み、今も懸命に林檎を剥き続けている。

    確かに嬉しいけど…嬉しさもあるが同時に心配の気持ちもあるわけで……

    とにかく切らないでください…。





    そうして、クロナが林檎と戦闘している最中…軽く病室のドアが2回ノックされた。

    カネキは直ぐに玲を見遣るが…まだ、むしゃむしゃと林檎を食べていた。
    ナースコールを押したのではないようだ。


    カネキが「はい」とドアへ向かって返事をすると、一時の沈黙が経過したのち
    病室のドアがゆっくり開けられた。



    来訪して来た人物が視界に収まった瞬間
    …場の空気が静まり返った。(玲くんを除いて)




    玲「ふぁ?」


    教官「貴方は…」


    ナシロ「…っ」





    有馬「───取込み中すまない」





    カネキ「有馬特等…?」



    クロナ「えっ?」


    思わぬ来訪者にクロナが林檎から包丁を滑らせてしまった。


    ブ シ ュ ッ!……。

    包丁が指に浅く切り込み、鮮血がダラダラと迸る。
    赤い林檎は、より真っ赤な林檎へと染め上げられた……。



    クロナ「きゃぁぁああぁあぁ!」



    カネキ「うぁあぁああぁああぁっ⁉︎」



    その日、カネキとクロナの悲痛な叫びが病院内に響き渡ったのだった。






























    ──── (続)────



  283. 893 : : 2015/11/20(金) 23:02:15
    クロナとナシロ可愛すぎるだろ…
    もっと出番増やしてください!!
  284. 894 : : 2015/11/20(金) 23:03:21
    期待です
  285. 895 : : 2015/11/20(金) 23:07:31
    東京喰種√S II 終了です。IIIに続きます。ここまで読んでくださり、期待の言葉を贈ってくださった神様方。ありがとうございましたァ!

    因みに狂喰種と戦ってる時助けに来た教官で教官Bが居ましたよね?アイツは玲くんを犯人にした奴ですね。はい(´・Д・)

    続編は一週間ほど待ってくださいっ!!


    >>889>>890ありがとうございます!

    >>891……ふっ。何を言っているんだい?

    >>893(これから出番少なくなるなんて言えねェ!)

    >>894本当ありがとうございます(泣)
  286. 896 : : 2015/11/20(金) 23:21:57
    SⅡ終了お疲れ様でした〜!
    SⅢも期待です!
    金木君はそんなにエッチな人じゃn…くわないのかもしれない…うん
    あれ?こんな夜遅くに誰だろう
    あれ?ドア越しからでも伝わる殺意が
    あれ?ドアの奥からバチバチ雷の音が…
  287. 897 : : 2015/11/20(金) 23:44:42
    赤司っちサァーン今の間は何ですかぁ?ゴゴゴゴゴゴコゴゴ[決意を固めた金木(SSR)]を赤司っちさんに向けて引っ張るグググ
    百足師匠ォォォッドアを開けるなよォォォそこには死神2号がいるぞぉぉぉ
  288. 898 : : 2015/11/21(土) 00:35:34
    ずっと待ってる
    続きが出たらここに貼ってほしい
  289. 899 : : 2015/11/21(土) 00:50:23
    頑張ってね
  290. 900 : : 2015/11/21(土) 04:01:38
    ファイトです〜
    期待してるですよ〜(玲君風)
  291. 901 : : 2015/11/21(土) 07:41:34
    あッ、赤司さんのえっち!
    すいません√Slll期待です!
  292. 902 : : 2015/11/21(土) 15:50:50
    Ⅲも期待しています、頑張ってください。
  293. 903 : : 2015/11/21(土) 15:55:03
    期待していますぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!
  294. 904 : : 2015/11/21(土) 21:20:38
    何であの作品消しちゃったんですか面白かったのに۹(◦`H´◦)۶プンスカ!
  295. 905 : : 2015/11/22(日) 06:54:58
    進撃の巨人まだ?
  296. 906 : : 2015/11/22(日) 11:19:07
    面白すぎて鼻血でそう、
    期待です!
  297. 907 : : 2015/11/22(日) 22:36:54
    赤司っちさんまだですか〜?
    ていうのは嘘で気長に待ってます!
  298. 908 : : 2015/11/22(日) 22:39:47
    27日待ってます!
  299. 909 : : 2015/11/23(月) 20:50:17
    皆さんありがとうございます…続きができたらここに貼らせていただきますね!

    12月入る前にはできると思うので!…さて…
    それまでは今まで言われてきた進撃の巨人(ギャグの方)を書くとしますか…ねぇ♪( ´θ`)

    IIIでるまでよければ暇潰し程度に見てあげてださいませ〜。


    >>904立て直しです!
  300. 910 : : 2015/11/23(月) 21:51:29
    このカネキさんヤモリをイモリ呼ばわりして挑発しそう

    ところで赤司っちさん、このssのヒロインは誰なんですか?
  301. 911 : : 2015/11/23(月) 22:34:49
    >>909すいません。やっぱ今の無しで!!(>人<;)考えた末に、掛け持ちはやめにする事にしました。どちらかが疎かになってしまい兼ねないので。


    >>910残念ながらまだ決まっていないんですよ……
  302. 912 : : 2015/11/24(火) 04:20:19
    亜門と真戸は再登場しますか?
    アキラは次回でますか?
    あと、エトやヒナミ、馬糞先輩等も出して欲しいです。
  303. 913 : : 2015/11/24(火) 14:12:02
    頑張って下さい!!
    応援してます!
  304. 914 : : 2015/11/24(火) 19:34:35
    >>911クロナかナシロもしくわ両方ヒロイン希望よろです
    ああ…二人とも可愛いなぁ…
    √SIII超々期待です!!!
  305. 915 : : 2015/11/25(水) 00:24:24
    lllがんばれー
  306. 916 : : 2015/11/25(水) 00:33:24
    ここはハーレムだろ?
    期待してる
  307. 917 : : 2015/11/28(土) 02:24:23
    Ⅲまだかよ…
  308. 918 : : 2015/11/28(土) 20:31:43
    >>917それな。
    赤司っちさ〜ん。まだですか〜?
  309. 919 : : 2015/11/28(土) 21:54:36
    赤司っちさん、無理はしないで下さいね。
  310. 920 : : 2015/11/28(土) 23:20:39
    赤司っちさん、ファイト
  311. 921 : : 2015/11/29(日) 01:00:48
    >>912しますよ、エトも馬糞もヒナミちゃんもちゃんと登場します!

    >>914ヒロインなるか決まってませんが…が、頑張ります!



    お待たせしました。↓続編です

    http://www.ssnote.net/archives/41344

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バカナス

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