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東方×とある 【とある幻想の紅霧異変】

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  1. 1 : : 2015/03/01(日) 09:38:44
    こんにちは!
    使っている機器の事情でURLが貼れないので前回の題名書いときます。
    シリーズにしたので『前の記事』で見れるとは思います

    東方 【とある一方通行の幻想入り】

    多分前回見ないと今回の分からないと思います
    それでは今回もよろしくお願いします
  2. 2 : : 2015/03/01(日) 10:59:53
    「ここが異変の発生源ねェ」

    「中々迫力ある場所ですね~」

     一方通行と文は紅魔館と呼ばれているらしい建物の前にいた。二人はうす暗いオーラに少し圧倒されながらも、文は写真を撮り、一方通行は首をポキポキと鳴らしていた。一方通行はいつものくせで戦闘前に電極に触れようと手を伸ばした。

    「めんどくせェが、ここで名を売るのもありか。そうすれば必然的にその紫という妖怪に会えンだろ」

    「そうですねぇ。その時は私に協力させてくださいね」

    「あァ、テメエの速さはあてにしてやるよ」

    「ありがとうございます!あっ!それといい忘れてましたけどこの幻想郷には決闘みたいなものがあるんですよ」

    「決闘ゥ?」

    「はい。皆さんはそれを『弾幕ごっこ』と言っています。この弾幕ごっこでは相手の弾幕を被弾すると負けになってしまうんですよ」

    「弾幕なんて知らねェンだが?」

    「あぁ、弾幕っていうのは…って話聞く前から何してるんですか!?」

     文の目の前で行われているのは、一方通行が門の横でずっと鷹のポーズをしていたチャイナドレスみたいなのを着ている女性に話しかけている場面であった。

    「なァ、ここにいる博麗の巫女に用があンだが、通してくれねェかァ?」

     一方通行は少し低めの声で目の前の女性に話しかける。

    「残念ながらここに博麗の巫女はまだ来ていませんよ。まぁ結局のところ残念ながら今日は誰も通すなと言われていて、博麗の巫女がもしいたとしても通せないんですけどね」
  3. 3 : : 2015/03/01(日) 11:08:26
    「はァ…まァ無理なら仕方ねェよなァァ!?」

     そう言って一方通行な自分の渾身の蹴りを体重を乗せて、中国風女性の腹を蹴り飛ばす。それと同時に相手の押し戻そうとする抵抗力をベルトル変化させ女性の方へと向ける。蹴りには足全体が押している圧力をベクトル変化させ、足の最も面積が小さい爪先に集中させることによりダメージを増幅させた。

    「抵抗力っつーのはなァ、押せば押す程出てくるし、大きくなンだよォ。しかも相手の防御力が強ければ強い程、俺の攻撃に耐え抵抗力がずっと出てくる。つまりなァその全ての抵抗力を俺の圧力にプラスすれば!テメエなんて軽く吹っ飛ばせるってわけだァ!!」

    「ぐふぉっ!」

     門番は口から大量の血をはきだしながら後方へと吹っ飛んでいく。
  4. 4 : : 2015/03/01(日) 11:21:45
     中国風門番が後方へぶっ飛んだことにより門と屋敷への扉が破壊され、一方通行を不適は笑いをこぼした。
     後ろで写真を撮りまくっている射命丸に一言投げ掛け先に進むよう促す。文はそれに頷きだけで返すと一方通行の後ろについていく。
     屋敷の中に入ると妙に薄暗く、ジメジメとしていて、普通の人間なら住み心地が最悪と言わんばかりの、湿気が多い空気を文と一方通行は感じとっていた。

    「妙にジメジメしていて気持ち悪いですね…」

    「あァ、その割にはコケ一つねェ綺麗な屋敷だがなァ」

    「やはり掃除している人がプロ級にすごいんでしょうか」

    「プロじゃなきゃこんな仕事無理だろォが。まァ、ここのクソ主が綺麗好きなだけかもしンねェがなァ」

    「綺麗好きならなんでもっと窓を増やしたりしないんでしょーか。これじゃ日光による殺菌とかも出来ませんし色々不自由ですよ?」

    「ンなこたァ俺が知るか。日光が嫌いで、でも綺麗好きなんていうやつ、この世探したら数百人はいるだろォがよォ」

    「確かにそうですね~」
  5. 5 : : 2015/03/01(日) 12:02:50
     館を詮索していると大きな階段の所から一人の少女の声が、この大きなロビーに響き渡っていく。一方通行はその声の発信源であろう少女を鋭い眼差しで睨むように見据えると少女は何食わぬ顔で階段を一段ずつ降りてくる。一方通行は溜め息をつきながら片手に持っていた杖を文に投げ渡すと、全身で戦闘準備の構えを取る。
     姿勢は低く、膝を少し折り曲げいつでも相手の動きに対応できるように。一方通行の瞳には目の前の少女しか映っていなかった。

    「あら……博霊の巫女かと思ったのですが…変なイレギュラーが現れたものですね」

    「うっせェ、俺はその博霊の巫女に会いに来ただけなんだよォ。それが分かったらさっさと博霊の巫女を呼んでこい」

    「はぁ…ここに博霊の巫女なんていませんよ。今ここを立ち去ると言うのなら怪我はせず楽しい気分のまま帰れますよ?」

    「へェ…、その自信嘘はねェ見てェだなァオイ。よっぽど死にてェと見たぞクソメイド」

    「あなたこそ、よっぽど怪我をしたいらしい」

     一方通行は悪魔の笑みを浮かべて低姿勢のまま目の前にいる少女におそいかかった。
  6. 6 : : 2015/03/01(日) 12:33:01
     だが一方通行にいた少女はいつの間にか姿を消していた。一方通行は目を見開き足を止めると同時に後ろを振り向いた。だがその行為を嘲笑うかのようにメイドは一方通行の背後から影もなく、音もなく現れる。

    「どこを見てるのかしら?」

    「っ!?クソがァァァァ!!」

     一方通行は手のひらを当てようとメイドに裏拳まがいの事をするが、メイドはそれを自身を屈めることにより回避する。それと同時に足払いをしようとするが、何故か自分の足がふっとばされている事に驚愕の顔を浮かべた。

    「っく!?何今の…」

     メイドはふっとばされた足の反動を使って一方通行から5m程の距離をとる。
     足を伸ばし、大きく踏み込めば一瞬で縮まる距離。だが二人共仕掛けようとはしなかった。
  7. 7 : : 2015/03/01(日) 12:45:55
    (あのメイドの能力が分からねェ…空間移動系能力者かァ?だとしたらこの俺でも一応対処できるか……)

    (さっきの衝撃どう見てもおかしい。足にそれ程ダメージは受けていないがあれをくらい続けたら後2,3発で足が砕け散ってしまう……もぅあまり迂闊に接近戦は出来ない…)

    (ヤツは空間移動系能力者だと推定した、それにより次の攻撃は遠距離主体の攻防戦にはるだろォ…。遠距離戦は不得意ではないが…ここのフィールドが悪すぎる。飛ばす物がねェ…だからあのメイドが俺に向かって飛ばしてくるモンを利用させてもらう)

    (まず最初にナイフ二本で様子を見なくちゃね…。相手の能力が『触れたものを吹っ飛ばす程度の能力』だった場合迂闊にナイフをこのフィールドにばらまけない。ナイフをばらまいていくなんて相手に武器を渡しているようなもの…。最初に時を止め相手に一本目のナイフを1mmの間隔まで投げ、時を動かす。まそれに反応出来るか出来ないかを判断する!)

    ((この勝負次の一手で全てが変わる!!))
  8. 8 : : 2015/03/01(日) 13:14:39
     メイドはその言葉が浮かんだ瞬間に時を止める。周りの空間が儚く脆い灰色の様に変わる。
     メイドは一方通行の背後に周りナイフを、一方通行と間隔1mmで投げ放置する。
     そして時を動かすと同時にナイフが弾き返されてもいいように一方通行の目の前えと移動した。突然のナイフの感触に一方通行は驚いた顔をしながらも性格に投げてきた方向と同じ方向に弾き返す。

    (どういう事だァ!?一瞬であのメイドの場所が変わったかと思うと、ナイフまで投げてきただとォ!?いくらなンでも速すぎるぞォ!?ナイフ単体を空間移動させたならまだ分かる……だがナイフには凄まじいスピードがあった。あれは確実にあの女が全力投球をした、という事だ…クッ分からねェ。あの女の能力……一体なンだァ)

    「凄まじい速さの能力展開ね。あなたにタイムログという言葉は存分しないの?」

    「テメエのナイフが遅すぎるだけだろォがァ」

    (だがあのナイフ攻撃は正直ヤバかった…俺の演算スピードと紙一重だ。だが大丈夫だ、あのときは驚きで少し演算が遅れただけ…もォ問題はねェ)

    (どうする。正直あれを弾き返すとは思ってなかったわ…。あの攻撃が通じないのなら…正直私に残されてる攻撃はあれしかない。けどあれを使えばこの弾幕ごっこ公平ではなくなる…)
  9. 9 : : 2015/03/01(日) 21:45:38
    「はァ…にしてもテメェバカかァ?むやみやたらと相手の能力も分かってねェこの状況で相手に武器になりそうなモンを放り投げやがって……っ!?」

     先程反射で吹っ飛ばしたとされるナイフを取ろうと、飛んでいったであろう場所に目を向ける。だがそこにナイフは無く、あったのはナイフにより傷つけられたであろう深い跡だけであった。

    「あら、何か言ったかしら?」

     そう言ってメイドはいつの間にか手に持っていたナイフを一方通行に見せつける。一方通行はそれを見るなり壊れたように笑いだす。その笑い声は壊すことだけを楽しんでいる悪魔の囁きのように思えた。

    「ギャハハハハハハ!イイじゃん、イイじゃん愉快に敵として決まってんじゃん!それでこそ壊しがいがあるってモンだぜェ!ギャハハハハハハ!」

     音速を越えるスピードに咲夜は能力展開が追い付けずにいた。白い悪魔の少年は、その紅い目を通して目の前にいる少女に向け大きく手のひらをふりかぶり触ろうとする。だがその瞬間そのメイドは一方通行の目の前から消えてしまう___
  10. 10 : : 2015/03/01(日) 21:59:54
    (消えた…だとォ…。いやあのクソメイドの様子から能力は展開できてねェはず…なら誰かが助けたのかァ…?)

     一方通行は周りを見回すと最初門のところでふっとばした中国少女が立っている事に気がついた。どうやらメイドを救ったのはこの中国少女らしい。中国少女の他に何か目のつく者は無くメイドは能力を使ってどこかに隠れたと解釈した。
     だが問題はどこに隠れたか、である。この部屋を一気に爆発させてやりたいところだが、自分の能力はそこまで万能ではないので当然そんな事は出来ない。暴風を作ってこの部屋を破壊するのもありだがここには残念ながら呑気に写真を撮っている文がいる。ここは一つ一つ揺さぶりをかけて炙り出すしかなさそうだ。
     しかし、隠れていると解釈できた以上油断はせずにいつ反射ができてもいいように身構える。さっきのナイフ攻撃もこう身構えていれば恐くなどない。
     けれども、一方通行のそんな思考は次の瞬間儚く散っていった。
     目の前に立っていた中国少女が一瞬で自分との距離の間を縮め一方通行を容赦なく殴り飛ばそうとする。それを見て一方通行は顔を歪めて笑い次に来るであろう攻撃に向けて無意識に反射をするよう演算する。

    「っぐふォ!?」

     中国少女の攻撃の結果___一方通行は後方へと体を宙に浮かせて吹き飛んでいた。

    「ンだとォ……」
  11. 11 : : 2015/03/01(日) 22:20:23
    「すいませんが…咲夜さんやこの私、美鈴に向かっての不意打ちなど、私も少しあなたに向かって怒っていますので…ここは容赦なく潰させていただきます」

     美鈴と名乗る女は拳から血がふきだしていても何食わぬ顔で一方通行の前に立ちはだかる。一方通行は身を起こしながら先程の攻撃について考えていた。

    (アイツの拳が重症なのはその拳を見て明らかだァ…と言うことは反射は機能していた…。ヒーローのような訳のわからねェ能力では無く、俺の知識にねェ“何か”で攻撃した。そう考えるのが無難か…。さァて結構ヤツの能力が見えてきたぜェ…ここはもう一発調べとくか)

     一方通行は剣を相手に刺すような視線で美鈴を見据えると、一瞬のタメの後美鈴に接近する。一方通行が接近すると同時に美鈴はそれを迎え撃つようにして壊れかけの拳で一方通行の顔面を捉えようとする。それに対し一方通行はその拳をわざと相殺しようと能力をフルに使った額でガードする。
     美鈴の拳が能力膜に触れた瞬間、美鈴の纏っている力を分析しそれごと反射する。
     美鈴は“何かしらの力”ごと反射されたことにより、腕がボロボロになりその場で崩れ落ちる。多分腕から伝わった衝撃が脳を揺さぶったのだろう。
  12. 12 : : 2015/03/01(日) 22:54:37
    「はァ?バカかよテメエは。あのメイドとの攻防で一体何を見てたンですかァ?それにこの俺に同じ手が二度も上手くいくと思うなよォ」

     一方通行は自分の足許に転がっている美鈴を冷ややかな眼で見ながら吐き捨てるように言葉を置いていく。
     後ろで写真を撮っていた文も一方通行の凄さに圧倒されいつの間にか写真を撮るのを忘れていたぐらい、彼の強さは強大だった。
     たった一撃食らっただけでそれを逆算し分析。そして相手の攻撃方法、立ち回り、全てを予測してからの攻防戦。何をとっても凄いという言葉が出てくる。

     階段の手摺に身を潜めていた咲夜も一方通行の強さに圧倒され、無意識の内に唇を噛み締めていた。最初にも言っていた通り、普通能力を使用する際タイムラグというものが生じる。それは当然ながら私にも生じるものであるし、あの一方通行にも当然ながら存在している。それは最初の一本目のナイフで証明させた。一瞬のあの焦り顔、そしてあの攻撃以降からの異常な程の神経の研ぎ澄まし。これらは全て自分にも能力を展開するには速さの限度がある、と言っているような物だ。
     だが、あの一方通行はそのタイムラグがありながらも全くそれを弱点とさせていない。あのナイフから計算するにあたり能力展開にまでは少なくとも0,00001秒以下の速さがあると考えてもいい。
     私のナイフが1mm間隔で相手に突き刺さる速さは大体0,00002秒は掛かる。確かに頑張ればナイフの投擲スピードは上がる。だがコントロールが悪いし、もし自分に返ってくる事になれば回避など出来るわけがない。

    (それを踏まえた上でやはり一時的にナイフの時間を加速させるしか…)

     正直このやり方はしたくなかった。なぜならこの方法をとれば相手を確実に倒せるから。だけどそんな弾幕ごっこは私ではなくお嬢様の意に反することだった使ってこなかった。だけど今ここで全力をださなければ敗北という言葉しか自分には残らない。

    (だから…私はあの男を全力で…!)

     咲夜は心の奥に静かな決心をした。
  13. 13 : : 2015/03/01(日) 23:05:46
     咲夜は一方通行の前に勢いよく出てくると同時に時間を止める。それと同時に何十何百というナイフを一方通行の目の前に散らばらせる。
     咲夜はそのナイフが弾き返されてもいいように一方通行の後ろにスタンバると一言静かに呟いた。

    「そして時は動きだし…加速する」

     その言葉と同時に灰色に支配されていた世界は突如として元の色を取り戻し、一方通行の意識も鮮明に戻る。
     一方通行は意識が戻ると同時に四本のナイフが一方通行の額、肩、腕、腹にそれぞれ刺さっていき、他のナイフは全て適当な軌道にのって弾き返されていく。
     咲夜の額から冷や汗がスーと落ちてくる。目の前の男は確かにナイフが刺さっていた。

    「…やったの……?」

     咲夜は自然と言葉を漏らしていた。
  14. 14 : : 2015/03/02(月) 22:10:55



    「……ぶねェなァ、オイ…」

     咲夜の希望は一瞬にして音を立てて崩れる



  15. 15 : : 2015/03/02(月) 22:25:37
     一方通行は額に刺さっているナイフを雑に抜くと、それを咲夜に向かって超高速スピードで投げつける。

    「っ!?」

     咲夜はそれに反応し時を止めて回避する。

    「どうやってあれを凌いだの…?」

     咲夜は一方通行に向かって先程の攻撃を防いだ方法について質問を投げ掛ける。

    「あァ?ンな事も分からねェのかァ?…そうだな暇だしオマエにクイズを出してやンよォ」

    「暇…ですって?」

     咲夜は目の前で自分に絶対自信を持っている男を睨み付ける。だが一方通行はそんなものを無視し、悪意の塊でできたような笑顔を張り付ける。

    「問題です。この俺一方通行は一体何をやっているでしょォ?」

    「…なめすぎよ…」

     咲夜なそう言って能力を発動させようとするが、一方通行の音速移動による攻撃で能力の発動を阻害される。
  16. 16 : : 2015/03/02(月) 22:32:37
     一方通行の攻撃により後ろへ下がっていく咲夜に一方通行は笑いかける。

    「正解はベクトル変換」

    「ベク…トル…?」

    「あらゆる向きを操作する…そう言った方が分かりやすいかァ?」

     一方通行はそう言って軽く咲夜の肩に指をさしこむ。ズブズブと刺さっていく指を振り払うかのように咲夜は後ろにとんだ。

    「そんな…技が…」

     咲夜は深く刺された肩を手で止血しながら一方通行をにらむ。

    「さァてとォ…そろそろテメェの能力も解析していくとするかァ!?」

     一方通行はそう叫んで咲夜に突進していく。
  17. 17 : : 2015/03/02(月) 22:38:45
    「くそっ!」

     咲夜は目の前の男に汚い言葉を吐き捨てながら時を止める。
     そして目の前にナイフを数本おみまいし、一番安全な後ろをとる。

    「そして時は動き出す」

     それを合図に灰色の世界は元の世界の色を取り戻した。
     一方通行は目の前に突如として現れたナイフを軽く弾き飛ばすと、後ろに回っている咲夜に話し掛ける。

    「分かったぜ…テメェの能力がよォ」
  18. 18 : : 2015/03/02(月) 22:50:09
     咲夜はそれと同時に息を飲む。
     今、自分の能力を知っている者はこの屋敷中いっぱいいる。
     だが、誰として自分の能力が何か、を理解する者はいなかった。
     しかし、この一方通行は理解した。たった一つの印で。

    「最初は空間移動系能力者だと思っていた」

     一方通行は次にこう説明していく。

    自分をとばし、ナイフをとばす。確かに納得できる部分もあった。だが納得できない部分もあった。
     その気づくきっかけとなった最初の違和感が『早すぎる』、という事だ。
     一瞬にも満たない時間で、投げたナイフを空間移動し、自分も空間移動。そんなのありえるわけがない。
     そこで一方通行は考えていた。ならば一体咲夜の能力は何なのか…。

    「そして、その疑問を解決するためにテメエの肩をぶっさした」
  19. 19 : : 2015/03/03(火) 00:03:08
    「さァて、敗者復活の問題だァ…俺が使った目印とは一体?そしてどうやってナイフを防いだでしょォかァ?……せいぜい楽しませてくれよォ」

     一方通行の顔が再び余裕の色を取り戻し悪魔のような笑みを浮かべる。咲夜はそれに背筋に悪感が走りながらも一方通行の出した問題について考えていた。
     まず、あのナイフを防いだ方法…。それはもう答えが出ている。ナイフが一方通行に突き刺さった瞬間。その一瞬でナイフが刺さる力の向きを反転させ、あまり深く刺さらなくしたのだ。

    「おらおら!どォしたァ三下ァ!?怖くなってとうとう逃げる事も止めたのかァ?」

     一方通行はそう言って自分の体に刺さっているナイフを抜きとると、咲夜の腕に突き刺す。
     一方通行の問題に夢中になっていたせいで回避ができなかった咲夜は舌打ちをしながら一方通行から距離を取った。

    「ギャヒャァ☆まだまだ、元気あんじゃァン!それでこそクソメイドってモンだよなァ!」

    (くっ!時間を早く止めなきゃ!でも止める暇すら無い!)

    「まだ考えてる余裕があるとはなァ」

    「生憎こういうのは体力があって得意なのよ」

    「そォかよそォかよ、そうやって豚共に向かってケツ振ってる方がお似合いだと思うがァ?」

    「残念ながら私そういう趣味は無いのよ?」

    「あッそ…」
  20. 20 : : 2015/03/03(火) 00:17:06
     一方通行がつまらなそうに返事をした時、周りの世界が灰色へと変わる。

    「油断大敵……ってね」

     咲夜はそう言って自分に突き刺さっているナイフを抜き取ると、一方通行に刺さっていたナイフも回収した。
     合計三本のナイフを一方通行に投げつける。
     先程はルール(守らなくていい)を無視して、絶対に当たる弾幕をうってしまったが、今回はちゃんと回避もできるような弾幕を投げる。
     そして咲夜は時を動かすと一方通行の後ろに周りこんだ。

    (彼がナイフに気を取られてる間に終わらせる…。)

    「はァ…バレちまってンだよ!クソメイドがァァァァァ!」

     一方通行は飛んでくるナイフを無視して、迷うことなく足を大きく後ろへとふりきった。
     当然、後ろで攻撃をしようとしていた咲夜のみぞに入り咲夜は吹っ飛ばされていく。

    「くぅっほっ!」

     肺に貯まっていた空気が一気に押し出され、口から何かの液体が飛び散った。
     一方通行は最後に、自分に向かってくるナイフをキャッチして咲夜へと静かに銀色のナイフを向けた。
  21. 21 : : 2015/03/03(火) 00:27:40
    「降参するか、死体になるかどっちが嬉しいィ?」

    「くっ…あなたは危険すぎる…。お嬢様のために……自分の命を捨てでもあなたを倒す!」

    「………へェ」

     一方通行は少し目を細める。
     すると先程まで目の前にいた咲夜が消えたが、そんな事に一方通行は驚きもせず、動きもしなかった。
     咲夜による蹴りが一方通行の顔面を捉えるが、反射されてしまい咲夜の足が吹っ飛んでいく。

    「くっなら!ナイフを加速させるまで!」

     咲夜はふっとんだ拍子にナイフが落ちているところで着地し、ナイフを一方通行に向けて投げた。
     すると、ナイフが急に倍速になり一方通行を殺しにかかる。

    「……あァ?」

     一方通行はダルそうにその飛んでくるナイフを見るが、特にどうすることもなく動じなかった。
     ナイフは予想通り弾き返されて咲夜の元へ返ってこようとするが、咲夜はそのナイフをとったに左へ避けた。
  22. 22 : : 2015/03/03(火) 00:35:27
    「人間ってのはァ…無意識に左にある心臓を守ろうとして左へ避けるらしいが…オマエもどォやらまだ人間らしいなァ」

    「っ!?」

     咲夜は驚愕の顔を浮かべた。回避した方向にまさかこの少年がいるとは思わなかったのだ。

    「くっ!なら!ザ・ワーr

    「おせェ、遅すぎるぜェ!俺とやりやうなんて100年早ェ!さっさと死んでもらォかァ?クソメイドさんよォォォォォ!」

     一方通行は拳いっぱいに力を込めて咲夜の顔面を殴り飛ばした。
     咲夜はそれにより数十メートル吹っ飛び、壁に激突して意識を失った。

    「……クソッたれがァ…」

     こうして一方通行は相手の信念をふみにじる胸くそ悪かった戦いを終わらしたのであった。
  23. 23 : : 2015/03/03(火) 06:18:46


    「いや~凄かったですね。まさかあんなのに勝っちゃうだなんて」

     文は一方通行に向かって誉め言葉を送る。だが一方通行は聞いてはいるものの、興味無さそうに杖をつきながら歩いていた。
     一方通行は未だに良く分かっていない自分の体に少しイラだちを覚えながら文の戯言に耳を傾く。

    「それにしても、あの問題の答えって一体何だったんですか?」

    「あァ?どれだァ?」

    「どれだって…あなたが出した問題ですよね、あれ。まさか忘れていたとかですか?」

    「…いや思い出した。で、どれが聞きてェンだ?」

    (思い出したって事は完璧に忘れてましたね…)

    「あれですよ、あれ。確か目印を使ったとか何とかいってたやつです。目印って結局は何だったんですか?」

    「オマエ…それ本気で聞いてンのかァ…?」

    「ちょっ!分からなかっただけでドン引きしないでください!」

    「いや、だって…お前…よぉ。あンなモン小学生でも分かるぞ?」

    「小学生…というのは分かりませんが何故かとてつもなくバカにされてる気が…」

    「されてる気が…じゃなくて、してンだよ」
  24. 24 : : 2015/03/03(火) 06:58:07
    「も、もぅ良いですか!答えを教えてください!」

    (答えどンだけ聞きてェンだよ…)

    「はァ…肩から漏れてた血だ」

    「え?肩から?でもあれは止血してましたよ?」

    「アホか、途中からだだ漏れしてただろォが。あんな激しく動いてたら簡易的応急処置で止血したとしても、すぐに血が溢れる」

    「でも、アクセラレータは血、出てませんね」

    「俺は能力によって血流操作が可能だからな…止血ぐらいはできる」

    「あぁ…だから今ごろになってシャツとか血に染まりだしたんですね……でもあのメイドさんの肩から漏れてた血…というのはどうやって追ってたんですか?」

    「地面にポタポタと落ちてただろォ?あれを追った」

    「え?でもあの人は瞬間移動とかする人じゃないんですか?」

    「通常、瞬間移動と言うのは6次元により可能とされている。だがあのクソメイドの場合その瞬間移動は6次元ではなく点…つまり0次元で構成されてンだ」

    「点?」

    「あァ…。と言ってもこっからは俺の仮説で物を言うから間違ってる部分もあるが…。点…と言ってもそれは幾万という点を連続で続けている長い線…次元で言えば一次元のほんのひと部分の点。その点を汲み取り次の点へと移動する事を阻止したのがアイツの使ってた力だ」
  25. 25 : : 2015/03/03(火) 07:13:08
    「簡単な例えで言うと、俺達が今ここを黒幕に会うため歩いているだろォ?」

    「はい」

    「その黒幕をまず『未来』と置く。そして今俺達が歩いているこの通路を点の集合体と考えろォ。俺達は今その点と点を移動していき『現在』というのを作っていっているンだ」

    「現在ですか…」

    「あァ現在とは今であり、一つの点で人生における唯一の1ページだ。だがあのメイドはそのページを進ませる事を出来なくさせる。この道で言えば大きな破壊不可能な岩が落ちてくるっていうイメージだ」

    「大きな岩…ですか」

    「その岩により俺達は進めなくなってしまう。後ろに振り返る事もできずになァ」

    「つまり…どういう事?」

    「はァ~ァ。つまり、その一つの『現在』という点にいる俺達を、次の点つまり『未来』に進ませる事を妨害してンだよ」

    「つまり…私達は『時間』という事で、あのメイドがやっていた事は、私達を妨害し自分だけ点と点をわたりあるいてる…そういう事ですか?」

    「多分なァ。しかもそれ以外にも俺達の動くスピードを下げて時間を加速させる事も可能らしい。急にナイフが加速したのはそのせいだろォ」

    「ということは彼女の能力は」

    「ここでいう『時を操る程度の能力』そういったらいいンじゃねェの」
  26. 26 : : 2015/03/03(火) 07:19:12
    作者です
    正直↑のスレで言っている一通さんの台詞は作者の戯言です。
    あまり深く考えないでください。
    「何これwバカ丸出しじゃんw」と言う方もここは軽~くスルーしてください。
  27. 27 : : 2015/03/03(火) 07:32:42
    「正直アクセラレータはそれを反射とか…「できる訳がねェ」

    「ですよね~」

    「まず時間にベクトルは適用されねェし、適用されてもどう演算していいのかわからねぇ。まァ試した事はねェから何とも言えねェがなァ。少なくとも昔の俺でも出来なかっただろうなァ」

    「昔?」

    「全盛期の俺の事だよ」

    「何です~その年老り臭い台詞」

    「今の俺の体みたら分かンだろォが。杖をついてる奴が全盛期なかったとでもォ?」

    「でも戦闘時普通にやってましたよね?」

    「まァな…」

    (にしても…時のベクトル化…変換…今の異常な俺なら何とか……)

    「それじゃ先に進みましょう!お爺さん!」

    「テメエもどォやら死体に成りたいらしィなァ三下ァ」

    「あ、あやややや!やめて!やめてください死んじゃいます!」

    「殺しにいってンだから当然だろォがァ、あァ?」

    「どこぞのタチの悪いチンピラですかぁ!?」
  28. 28 : : 2015/03/04(水) 06:41:55
    「うっせェ!いいから…ごぶぉっ!」

     一方通行が文に触れようとした時、一方通行に窓をぶち破って出てきた大きな何かが顔面にヒットした。

    「あぁ…すまんすまん。まさか人間がいるとは思わなかったんだぜ」

    「テメエ…ラブコメヒロインでももっと優しいぶつかり方するぞ」

    「そんな妄想を語れるって事は問題無いようだな」

     白と黒をミスマッチさせている金髪の少女は、転がっていたほうきとやけにデカイ帽子を拾い上げる。

    「上等だ、博麗の巫女が来るまでオマエで遊んでやるよォ」

    「へぇー、それじゃお前もこの異変に加担している人間って事でいいんだな?」

    「好きにしろォ」

    「ちょっ、ちょっと二人共!ストップストーーーップ!」

    「ンだよ、チッ」

    「ンだよ…じゃありませんよ!魔理沙この人この異変に加担していません!さっきのは少しイラだってただけです」

    「文…そんな事で私を騙せるわけないだろ?」

    「…ケーキ…」ボソッ

    「うん!お前はどうやら仲間だったらしいな!疑って悪かった!」

    「何脅されてンのォ!?」
  29. 29 : : 2015/03/04(水) 21:38:25
    「脅しなんてしてませんよ~」

    「そうか、オマエがそう思うンなら良い病院紹介してもらえ」

    「まぁまぁ!それより自己紹介がまだだったぜ!私の名前は霧雨魔理沙、軽く魔理沙って呼んでくれ、よろしく」

    「……一方通行と呼ばれてる…よろしく頼む」

    「おう!アクセラレータだな!よろしく頼む!」

    「それより何でテメェみたいな女がこンな所に来てンだァ?」

    「えーと…アクセラレータ異変について話した時の事覚えてます?」

    「あァ、一応覚えてるぜ」

    「その時話した博麗の巫女以外の異変解決者です」

    「そういう事だ!私も結構強いからいざとなったら任せろ!」

    「あっそ」

    「興味無いんですね…」
  30. 30 : : 2015/03/04(水) 21:47:18
     ドッカァァァァン!じゃれあっていた三人の意識がその音へと集中する。何かが原因で聞こえてきた爆発音は三人のいまいる所より下から聞こえてきた。

    「なんだァ、今の音はよォ」

    「地震ではなく、何かの爆発音…ですかね」

    「分からないなら見に行くしかないだろ!!」

    「だな」 「ですね」

     三人の意見が一致した時三人の足元が崩れ落ちる。

    「え、えぇぇぇぇ!」

    「あややややや!」

    「いいから黙って落ちろ」

    「(あなた)お前がやったのか(んですか)!?」

    「当然だろォが。俺じゃなきゃ誰っ…ぐふぅっ」

     一方通行は頭から着地を成功させ、そのままうめき声をあげる。
     文と魔理沙は空を飛ぶことで着地の問題を無関係にしていた。
  31. 31 : : 2015/03/04(水) 21:58:25
    「次から次へと…賑やかな物ね」

     一つの分厚い本を手にしながら全体的に紫の女性が話しかけてくる。その女性に声を掛けられたことにより素早く戦闘体制になった魔理紗と文は、敵意をむき出しにしていた。
     対する一方通行は床に打ち付けられた頭を擦りながら辺りを見回していた。すると一方通行の目にある者が目に入ってきたのだ…。

    「オイ…紫女…」

    「なにかしら…」

    「あれをやったのはテメェか?」

     そう言って一方通行は先程まで視線を送っていた者に指先を向ける。他の者はそれにつられるかのように振り向いていく。
     そこには金髪のサイドテールをした赤い服を着ている少女が何者かに倒されたような格好をして横たわっていた。

    「気を失わせているだけよ。大丈夫、一時的なものだから問題無いわ」
  32. 32 : : 2015/03/04(水) 21:59:43


    「そォか、なら…テメェは処刑決定だァ三下ァ」


  33. 33 : : 2015/03/04(水) 22:07:46
     一方通行はそう呟くと紫色の女に一瞬で近づき顔面を殴りとばす。
     殴りとばされた反動により紫色の女は後方に勢いよく宙に投げ出されながら、殴られた事を認識する。

    「うわ~…容赦ありませんね」

    「文、あいつは悪魔か何かなのか?」

    「さぁ、私にも分かりません。ですが一つ言えるとするならば…アクセラレータは強いです…今まで見てきた人間で一番」

    「……一番…」

    「あと重度のロリコン野郎でして、今回キレたのも多分ロリが傷ついていたからだと思います」

    「最低の変態野郎だな」

    「はい、それはもぅ、きたならしい性癖をしているんでしょうね」

    「考えただけでも、二、三回ぐらいは吐けそうだな」

    「気持ち悪い事いわないでくださいよ~。本当にリバースしたらどうするつもりなんですか」
  34. 34 : : 2015/03/05(木) 05:35:18
     そんな二人の会話を背で浴びながら一方通行は静かに杖をつきながら紫色の女に近づいていく。
     白い髪がユラユラと揺れほんの一瞬出てきた顔の表情はまさしく狂気に満ちていた。

    「あなたはまるであの子のようね…」

     殴り飛ばされたことにより、見るも無惨に折られた鼻を押さえながら紫色の女性は倒れている少女を一瞥する。
     一方通行はそれにつられて倒れている少女に目を向けるが、すぐに目の前の女へと視線を戻した。

    「それにしても…私を三下呼ばわりするとは…いい度胸ね貴方」

    「殴り飛ばされてる奴の台詞とは思えねェなァ」

    「そう…そんなに死にたいのね」

    「テメェこそよっぽど素敵なオブジェになりたいようだなァ…」

     二人の間に流れる重苦しい空気。紫色の女は持っていた本を丁寧に開けだす。
     決まったページにめくりおえたのか、片手が本から離れ一方通行の方に向けられる。

    「まずは力試しといこうかしら?」
  35. 35 : : 2015/03/05(木) 06:31:24
     紫色の女がそう呟くと同時に青い光る球が幾つも発生する。

    (光?プラズマかァ?いや違う…プラズマにしては綺麗に纏まりすぎていやがる…。なら何かしらの粒子の集合体ってかァ)

     一方通行がそう考え終わると、紫色の女が発生させた球が一方通行を排除しようと向かってくる。

    (まァ…あれが何であれ、解析するしかねェか…)

     一方通行は一発目の球を軽く体を捩る事でかわし、二発目を手をつき出して止めようとする。
     すると一方通行の能力膜をすり抜け何かしらの衝撃が一方通行を襲った。
     球はそのまま何処か飛んでいくも、完璧に反射されていなかったため、軌道はブレていた。

    「ッ!?何だァ…今のはよォ…」

     一方通行は反射しきれなかった球について考えながら、残りの球は全て散乱していた本を飛ばして相殺した。

    (解析できなかった…というより…力の源が分からねェ。ただ唯一の救いが力の源意外、物理法則などにのっとている事だな…)

    「やはりこの数では足りなかったかしら?」

    「たンねェな。オマエの弱さに軽く失望してるレベルだ」
  36. 36 : : 2015/03/05(木) 06:45:39
    「そう良かったは…これで本気を出せるから!」

     そう言って女の周りに数えきれない程の球と光線が現れる。
     シューティングゲームではこのように画面いっぱいに球や光線が出る事を弾幕と言うが…、なるほど文が言っていた弾幕はこれだったのか。

    「ギャハハハハハ!何だよ!今までのはこれを派手に見せるための演出だったってことかァ!?イイね!オマエ最ッ高だぜェ!!」

    「本当…狂ってるわねね」

     一方通行は叫びながら無数の球や光線を避けていく。

    (分かンねェ!一体何が力の源でこンなモン作り出しているのか理解できねェ!)

    「だが、力の源が分からなくてもよォ…それに類似した力ならしってンだぜェ?」

     そう言って一方通行は球と光線を全て反射させる。完璧に反射されている球と光線は全て紫色の女へと向かっていった。

    「オイオイすげェなァ…ここまで完璧に出来るとは思っても見なかったぜ。やっぱアイツから出ているAIM拡散力場…みたいなものを集めて打ってやがったか…キヒッ」

    「くっ!全てを弾き返した!?」

     紫色の女は弾き返された弾幕を全て新たにうみ出した弾幕で相殺していく。
  37. 37 : : 2015/03/05(木) 06:59:19
    「私の魔力を感じとったってわけね」

    「違ェな。言っただろ?類似した力を元にしたってよォ?まァあそこまで完璧に演算して反射出来たのは、たまたまオマエにほぼ同じ…大体九割同じのAIM拡散力場を知ってたからだァ…。まァさっきの反射の時、テメェのAIM拡散力場らしき力は解析したがな」

    「化け物ね…」

    「テメェがそれを言うか?」

    「確かに…人のことは言えないかもしれないわ」

     そう言って紫色の女は軽く手を前につき出して何かを呟く。
     すると彼女の周りにさっきとは比べ物にならない程大きく、強力になっている弾幕が数を増やして出てきた。

    「これを全て、反射したり避けられるかしら?」

    「チッ…演算がそれだけの数に反応出来れば問題ねェがな…」

     それと同時に一方通行は背中に4つ竜巻を発生させ飛行する。全ての弾幕を反射する事は多分不可能だ。自分の演算速度が追い付かない。
     だからこそ、一方通行は回避する事も選択にいれたのだ。
  38. 38 : : 2015/03/05(木) 07:38:37
    (それに…あの弾幕はさっきと感じが違ェ…。アイツ自信の力を使ってねェ感じだ)

    「ほらどうしたの?さっきの威勢は気のせいだったかしら?」

    「いい度胸じゃねェか、この三下がァァァァァァ!!」

     一方通行がそう叫ぶと自分に向かってきている、回避しきれなかった弾幕に向かって拳をぶち当てる。
     するとその弾幕は一方通行に向かって爆散する。解析できなかった。一方通行の頭にその言葉が流れる。

    「ぐふっ!がはっがはっ」

     強力な弾幕が腕を吹き飛ばし、一方通行の飛行姿勢、思考全てが崩れた。
     女はその隙を見逃さず、一方通行に向かっていま出している全ての弾幕を放つ。

    「どうやら…終わりのようね。…今回の戦いにおいて貴方の敗北した理由…それは油断していたから。相手が一度破られた技を使うと思ったの?」

     女はそう言って一方通行が無数の弾幕により地面へ落ちる光景を冷たい目でみていた。

    一方通行:敗北
  39. 39 : : 2015/03/06(金) 06:45:23
    作者の設定教室

    作者「はい、ここではこのssの設定についてより良く理解してもらうためのコーナーですろこのssを投稿するまでは一方通行さんを介して説明しようと思ったのですが、一方通行さんでも知らないことあるため、自分が授業をしていこうと思ってのコーナーです。まぁ息抜きというかサイドストーリーというか、一応これからのこのss展開に必要な伏線とか入れるので見てくださると嬉しいですね、はい」

    チルノ「何でアタイまで呼ばれてるの」
  40. 40 : : 2015/03/06(金) 21:37:02
    チルノ「早くアタイも本編出してよ~!」

    作者「ダメだよ。チルノさん最強すぎるんだもん、出しちゃったらss崩壊しちゃうよ」

    チルノ「え?つまりどういう事?」

    作者「チルノさん 最強すぎて マジツライ」

    チルノ「おぉ!五七五で分かりやすい!」

    作者「あはははは…。まぁそんな事よりさっさと始めていきますか」

    チルノ「アタイは最強、アタイは最強(ry」

    作者(この子うるさいなぁー…)「さて、今日解説するのはこちら!『魔法』“と”『魔術』についてです!」

    チルノ「“と”?その2つに何か違いでもあるの?」

    作者「おっ、チルノさん良く気がつきましたね~」

    チルノ「そりゃ、アタイは最強だk「この2つについてですが」

    チルノ「何で遮るのよ!」
  41. 41 : : 2015/03/07(土) 08:00:14
    作者「えー、だってチルノさん一々長いじゃん」

    チルノ「そこまで長くない!それにこのssの主人公の白モヤシより断然マシだから!」

    作者「まぁ確かに、『学園都市に七人しかいないLevel5。その中でも類を見せない唯一無二の最強の男。学園都市第一位一方通行だ』、だもんね」

    チルノ「それクマえもんが考えたやつでしょ?」

    作者「よく分かったね。思ってたよりチルノさんは頭が良いのかな?」

    チルノ「思ったよりって!アタイそこまで頭悪くない!」

    作者「ヘェーソウナンダー」ニコッ

    チルノ「ぶってやりたいその笑顔!」
  42. 42 : : 2015/03/14(土) 23:44:00
    「それよりそろそろ始めません?読者も待ってますよ」

    「早く始めよ!」

    「あはははは…。まぁそぅ急がないで大丈夫だよ。それよりさ、今回は特別ゲストとして魔法使いを読んでるんだよね」

    「え?魔法使い?…ま、まさか魔理沙なの?」

    「ん~…違うよ。今回呼んだのはもう少し女子力溢れる魔法使いなんだ」

    「女子力?ん~ん…魔法使いでそんなやついたっけ?」

    「話していればわかると思うよ。それにこういう言葉もあるし。『百聞は一見にしかず』ってね」

    「ん???」

    「はは、簡単に言えば、人から聞いた情報より自分が見た方が分かりやすいってことかな」

    「あぁ~!そういう意味だったのね!な~んだあたい深く考えすぎてただけなんだね!」

    (君にとっての深いは自分達からしたらとても浅はかなんだけどね…)
  43. 43 : : 2015/03/15(日) 06:50:01
    「まぁ、そんなことよりさっさとゲスト呼んじゃいましょっか」

    「うん!早く会ってみたい!」

    「それでは今回のゲストであるアリス・マーガトロイドさん、どうぞ!」

    「ようやく出番が来た…」

    「アリスさん何だかテンション低いですね~。どうかしました?」

    「それはあれ?挑発してるの?人形にしてほしいの?」

    「ごめんなさい自分が悪かったです」

    「おぉー、この変態を黙らせられるなんて…」

    「そんなの簡単よ、必要以上の脅しをすれば黙るわよ?そう言えばあなたは確か…チ…チーズ?」

    「チルノ!!!何よチーズって!私は犬と一緒なの!?」

    「ごめん、ごめん。私あまり人の名前覚えるの得意じゃなくて」

    「それはただ覚える気がないだけでしょ?」

    「はぃ?」

    「ナンデモゴザイマセン」
  44. 44 : : 2015/03/15(日) 07:01:01
    「それよりこのコーナー早く終わらないの?」

    「何でです?」

    「そんなの決まってるじゃない、もぅ流石に読者が飽きてきてるのよ」

    「はははは、何言ってるんですか。このスレに読者何ていませんよ」

    「あっ読者いないんだ」

    「あぁ?」

    「マジギレ!?」

    「チーズちゃん止めときなさい。コイツ変態だから沸点そうとう低いわよ」

    (チーズって誰よ…って私か)「そうだね」

    「自分が、沸点が低い?そんなわけないじゃないですか~」

    「さっきキレた人間とは思えない人の台詞ね」

    「はぃ?自称都会派魔法使い(笑)の妖怪アリスさんに人間の何を語れるんですかね~?」

    「あなたより人間の事は知ってるとおもうけど?あなたこそ人の皮を被った熊といいう名の変態じゃない?」

    「ンン?」 「ハィ?」

    「二人とも怖いよ!」
  45. 45 : : 2015/03/16(月) 18:18:13
    「それじゃ真面目に解説していきましょう」

    「やっとかー…あたいもうこのまま駄弁ってこのスレ終わらせるのかと思ってたよ」

    「それでも良かったんですけどネタが無いんですよ」

    「読者もいないけどね」

    「あなたには生存権がありませんけどね」

    「それならあなたは人権が無いのかしら?」

    「無言で睨み合わないでよ!」

    「あら、チーズちゃん私達睨み合ってなんかないわよ?」

    「そうですよ。私達はみつめあっているんだ」

    「吐き気を堪えてね」

    「嗚咽を堪えてね」

    「中指を立てながらだからそう言うってるあたり二人の仲の悪さが痛感できるね」
  46. 46 : : 2015/03/18(水) 19:05:41
    「頑張って最後まで今日中に上げれたらいいですねー」

    「↑の一言だけ書いて寝落ちした人とは思えないわね、まったく」

    「仕方ないじゃないですかー、気分悪かったんだし…」

    「ダウト」

    「何故あなた様は私が一所懸命に考えた嘘をたやすく見破るのですか?」

    「さぁ、ただあなたの嘘が簡単に見破れるものだった。それだけよ」

    「それより早く進めない?あたい疲れたしさ」

    「そだねそろそろ始めよっか」

    「それじゃ……、注意事項を発表するわね」

    「キャラ崩壊、自己解釈、自己設定。これら三つが主な注意事項です」

    「↑を見ても『構わん、続けろ』というかたのみお進みすることを推奨いたします」

    「それでは長らくお待たせしました。ここからが本編です」

  47. 47 : : 2015/03/18(水) 19:13:23
    議題『始めに』

    「正直に言うと魔法については作者は色々調べましたが、これといった情報が無かったため七割方自己解釈でできております。誰か東方の魔法について詳しい方がいれば私の説明のご指摘を御願いします」
  48. 48 : : 2015/03/18(水) 19:51:44
    議題2『魔法について』

    「えー、それでは二つ目の議題である『魔法について』ですが……これはその道のプロに説明してもらいましょう」

    「そうね早く説明してこの変態から逃げたいわ」

    「もぅ!またそんな事言ったら喧嘩になっちゃう!」

    「大丈夫だよ、あんな安い挑発には乗らないからさ」

    「ふんっ!何よチーズちゃんみたいな子供に諭されちゃって!変態の中でも最悪なロリコンにでもなっちゃったのかしら?」

    「なんでアリスはあんなに怒ってるの?」

    「さぁ?」

    「怒ってないわよ!」

    「まぁまぁマーガトロイドさんいいから魔法について解説御願いします」

    「なんでそんな宥めるかのように言うのよ!」

    「じゃぁ一体どうすれば良いんですか?」

    「……普通で良いのよ、さっきしてた通りに接してくれれば……」

    (なるほど、さっきのようにからかったりすれば良いと。まさかこの子……M?)
  49. 49 : : 2015/03/18(水) 19:57:03
    「分かりましたよ。さっきのように接すれば(からかえば)いい、ということですね」

    「そ、そうよ!さっきみたいな接すれば(お互いにからかいあったりして楽しくすれば)いいのよ」

    「なんだろ、あたい凄く嫌な予感がする」
  50. 50 : : 2015/03/19(木) 00:55:47
    「それで魔法についてですけど」

    「分かってるわよ。魔法の原理について教えれば良いんでしょ?」

    「そうです。……あれ?チルノさんは?」

    「?さっき何処かに走っていったわよ?」

    「はぁ……収録中に何処かに走っていくなんて……あの子は何を考えてるんですか……」

    「まぁ、子供なんだからそれぐらい許してあげなさいよ?本編にも出さずこんなところにまで引っ張ってきたんだから。一応あなたにも責任あるんだからね?」

    「ぐっ……反論出来ないなんて……」

    「まぁそんな事より説明、続けてもいいかしら?」

    「え?あ、はい。どうぞ続けてください」

    「それでは、こほん!あなたも知ってるとは思うけど魔法というのは魔力を駆使して使用する……そうね……謂わば『砲丸』みたいなものを使う『大砲』のことかしらね」

    「砲丸と大砲…ですか…」

    「えぇ、そう理解してもらって結構よ。まぁ、簡単に説明するわ。砲丸についてそこまで詳しくないからあまり突っ込まないでね?」

    「分かってますよ」

    「まず、魔力=火薬。それを包み込んでいる丸い鉄=自己の身体。みたいなものよ」

    「なるほど。なら発砲準備は一体?」

    「それは人によって違うけど大体の魔法使いは発砲準備なんてないわ」
  51. 51 : : 2015/03/19(木) 01:19:09
    「そうね……例えばあの野魔法使い、じゃなかった魔理沙を題材にして、砲丸はさっき説明した通り魔法使いが元々持っている魔力とそれに制御を掛けている自己の身体。大砲の役目をするのは八卦炉。まず自己の身体内で砲丸を生産、そして八卦炉に装填、発砲。大まかにはこういう手順よ。そしてさっきも言った通りこの手順に発砲準備はないわ」

    「え?思いっきりありましたよ?砲丸生産とか、装填とか」

    「あぁ、言い方が悪かったわね。発砲準備あるにはあるのよ?ただ感じとれないのよ。このssの主人公である……一方通達だったわよね?」

    「なんですかそのストーカーみたいな名前!?一方通行ですよ」

    「そうそれ。そいつにタイムラグが無いのとおんなじよ」

    「なるほど速すぎるが故の存在無し」

    「そういう事よ」

  52. 52 : : 2015/03/19(木) 02:14:26
    「そう言えば一方通行はパチュリーの魔力を感じとっていましたが普通の人間が感じ取れるもの何ですか?」

    「別に感じ取る事自体不可能ではないのよ」

    「と、言いますと?」

    「まずあなた達は私達魔法使いが使っている魔力は妖力や霊力とは完全なる別種と勘違いしてない?」

    「え?別種じゃないんですか?」

    「一応別種は別種よ?ただ本質は同じっていっときたかっただけ。意味はないわ。話戻すわよ。普通私達の身体には“力”が宿っているの。それは魔力にも霊力にも成りうる物。この力は当然のごとく一人一人千差万別なの。あなた達の世界で言えば……」

    「DNAですね」

    「そうそうそれそれ。まぁそういう感じで力は違うのよ。で、私達はその力を無意識のうちに漏らしてるの。ほら、時たま言われるオーラとか、殺気とか、あなた感じない?」

    「まぁ、ほんの時たま『この人何故か分からないけどやばそう』とは感じますね」

    「それよそれ。私達の本能であり、あなた達が良く言う霊感であるその察知能力。私達はそれが自然と身に付いてるの。だからある程度は察知できる。まぁだけど一方通行のようにはっきりと察知するのは元々の才能としか言いようがないわ」

    「つまり一方通行はその自分達が本来持っている察知能力が元々ずば抜けており、パチュリーさんの魔力を感じとった……」

    「結論は出たようね」
  53. 53 : : 2015/03/19(木) 02:35:13
    「他に質問がいくつかあるんですが」

    「なに?」

    「本来魔力や霊力、はたまた妖力は本質が同じと言ってましたけど……もしかして誰でも魔法は使えるんですか?」

    「まぁ……ざっくり言うと使えるわよ。霊力や妖力を強制的に魔力に変換出来るようになればね」

    「ほぉー。自分でも使えるようになりますかね?」

    「まぁ、さっきまで教えてきた基礎の基礎のような魔法は使えるでしょうね」

    「……ん?基礎の基礎?」

    「何不思議そうな顔しているの?あたりまえじゃないあんな程度で魔法の全てを語れたとでも?」

    「……ですよねー」
  54. 54 : : 2015/03/19(木) 03:15:01
    「まぁ、魔法についてはここらへんで良いでしょ。残りは本編で段々書いていけばいいしね」

    「そうですね。それじゃ次は魔術にですけど、これ今の所本編に出すきないから説明しなくて良いと思うんですけど。どうしましょう皆様説明した方が良いと思った方は『説明要求』と書き込んでください。書き込みが多ければまたこのコーナーを開かせて頂きます。それでは皆様また会う日まで!」










    「で、どうするのかしら?」

    「何がですか?」

    「魔法を使えるように特訓するかどうかよ」

    「付き合ってくださるんですか?」

    「えぇ」(ちょうど実験のモルモット探してたし)

    「ありがとうございます!それじゃ今後共」

    「よろしく」(よろしくモルモットさん)



  55. 55 : : 2015/03/19(木) 10:50:40
    さて、場面は移り変わり__
    ここはある屋敷の中。一人の少年と三人の少女達がそこにいた。少年は眠ってしまったかのように地面に倒れ、三人の少女の内一人の天狗がため息を漏らしていた。

    「おい文。あれどうするんだ?」

    隣にいた金髪の少女魔理沙は倒れている少年を指を指しながら尋ねてくる。

    「さぁ、そこら辺のゴミ箱にでも突っ込んどいてください」

    「だな。私もそれが良いと思う」

    「人をゴミ扱いとはあなた達もろくな人間じゃないわね」

    紫の少女は呆れたように二人の少女に視線を送るが、文と魔理沙はそんなものはどこ吹く風で受け流していた。

    「仕方ない。魔理沙さんあなたの出番です」

    文はそう言って魔理沙の肩を軽く叩いた。
    魔理沙はそれに応えるように「おぅ!」と言って紫の少女の前に名乗り出る。
    だが、それを見て紫の少女は鼻で笑った。

    「あなたが相手なの?ふっ……そこにいる天狗なら私に勝てたかもしれないのに。一体何を考えてるのかしら?」

    「それは遠回しに私を弱者扱いしてるのか?」

    「いえ、遠回しじゃなく。あなたは単純に“弱いわ”」
  56. 56 : : 2015/03/19(木) 11:16:21
    「………」「………」

    お互いに黙ったまま一触即発の空気を織り成していく。魔理沙は箒を左手ごと大きく引き、懐から何か道具を取り出そうとする。

    対して紫の少女は本を片手に何かを探していた。

    「えぇーと、目の前のオセロを効率良く潰す方法は…」

    「誰がオセロだ!ていうかそんな方法本に載っていないだる!?」

    「あら?そうとも限らないわよ?」

    そう言って紫の少女は手を前に軽く掲げると複数の弾幕が突如として現れる。

    「儚く散りなさい。にわか魔法使い」

    「はぁ?人をにわか扱いとはとんだ無礼者だぜ!」

    魔理沙は箒に乗り弾幕をかわしていく。

    「あなた魔法使いなんて止めて軽業師にでもなったらどうかしら?オススメするわよ?」

    「そりゃどうも!」

    回避に必死な魔理沙は適当に返した。
  57. 57 : : 2015/08/19(水) 09:23:21
    これで終わりです
  58. 58 : : 2015/10/14(水) 02:40:17
    更新まってます
  59. 59 : : 2016/01/02(土) 23:25:05
    更新待ってます!

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kumakichi

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