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  1. 1 : : 2015/02/22(日) 01:02:48
    どうもたけのこまんじゅうでございます。

    ラブライブ!にハマって早2ヶ月…
    やっとssを投稿できる程度には知識をつけることができました!

    と、いうわけで始めてまいります…が



    更新はナメクジよりも遅いのです。


  2. 2 : : 2015/02/22(日) 01:04:12




















    それは突然のことでした。

    その日は練習がなく、穂乃果は用事があるからと先に帰ってしまいました。

    それから私も家へ帰って…



















    不意に電話のベルが鳴りました。

















    海未「…穂乃果が?」

    ことり「だ、だから早く西木野総合病院に!」
















  3. 3 : : 2015/02/22(日) 01:05:27

















    雪穂「…」


    病室へ行くと傷だらけの穂乃果が横たわっていて

    その手を雪穂ちゃんが握りしめていました。

    しっかりと、でも弱々しく。










    雪穂「海未さん……ことりさん…」

    海未「…どうして……ですか」

    ことり「…」














    脇見運転をしていた車につっこまれた…

    らしいです。


    命に別状はない。


    …でも















  4. 4 : : 2015/02/22(日) 01:07:56



















    できることは何もない。

    だから私たちは帰ることにしました。



    ことり「…」

    海未「……」


    今は、何も考えたくありません。








    凛「…!
    海未ちゃん!ことりちゃん!」





    病院の入口から2人がこっちに走ってくるのが見えます。




    花陽「はっ…はっ…!
    そ、それで穂乃果ちゃんは!?」

    ことり「…凛ちゃん……花陽ちゃん…」

    海未「…」

    ことり(海未ちゃん……)


    ことり「とにかく、穂乃果ちゃんに早く会ってあげて?」

    凛「うん!
    かよちん!行こう!」

    花陽「うんっ!」



















    一目散に駆けて行く2人を見送りながら、私は海未ちゃんの方を見た。



    海未「…」

    ことり「……もっかい病室行く?」

    海未「…」コクッ

















  5. 5 : : 2015/02/22(日) 01:09:10















    真姫「…ことり………
    …!…海未………」


    もう一度病室へ戻ると、そこには凛ちゃんと花陽ちゃん

    そして真姫ちゃんがいた。



    そりゃあ、真姫ちゃんは実家が病院経営してるから一番初めに情報を受け取ったはずだ。

    私もこのことは、真姫ちゃんからの連絡で知ったから。










    少し遅れて3年生の3人も病院へ来た。

    でも、病室へ穂乃果ちゃんのお母さんが戻ってきた。

    私たちは家族だけにしてあげたくて、西木野邸にお邪魔することになった。



    西木野邸に行く間、誰ひとり口を開けることができなかった。





    そして



    皆一様に、戸惑いと…



    何かに対しての恐怖。



    そんな心を微塵にも隠そうとしなかった。

    少なくとも、私はそうだった。














  6. 6 : : 2015/02/22(日) 01:11:27


















    真姫「…お母さんから聞いたけど、意識が回復する見込みはほとんどないそうよ」



    みんなに紅茶を淹れ終えた後、真姫ちゃんはその一言で静粛を破った。


    絵里「…!」

    凛「そんな…!
    ねえ、どうにかならないの!?」

    真姫「…」

    凛「真姫ちゃんの親ってお医者さんだよね!?
    だったら……!」

    真姫「…」




    にこ「やめなさい、凛」





    凛「!
    に、にこちゃん…」

    にこ「それは真姫が働きかけてどうにかできる問題じゃないわ…
    …自分が無力なのを嘆いてるのはあんただけじゃないの」

    凛「!
    で、でもっ…でも!」

    希「にこっちの言う通りやな…
    少なくとも、何も出来なくて苦しいのは凛ちゃんだけやないね」

    凛「…」

    真姫「………ごめんなさい」

    凛「!」

    真姫「私じゃ…どうにも出来ないの…
    私じゃ……何も…」

    凛「………ごめん」

    花陽「凛ちゃん…」


    希「みんな苦しいんよ…
    だけど…
    みんなを気遣って涙を見せないいうんは、気遣いに入らんよ?」

    凛「…ぁ……」

    希「泣きたい時に泣けないで、いつ泣くん?
    …ね、真姫ちゃん?」

    真姫「…泣けない……わよ…」

    希「…」

    真姫「私は…!
    泣け……泣けな……!
    ………止まってよ…止まってよぉ……」

    希「…うん、それでよし」













  7. 7 : : 2015/02/22(日) 01:12:34
















    それから、堰を切ったように凛ちゃんと真姫ちゃんは泣き始めて。

    そして花陽ちゃんも泣いて。

    それまで我慢してた私まで泣いちゃって。

    にこちゃんは目に涙をいっぱい溜めてたけれど、それでもそれを流すことはなく。

    希ちゃんと絵里ちゃんはお母さんの様にみんなを抱きしめて。




















    ただ、1人だけ


    ただどこかを見つめてるだけ。





    海未「…」




    何も言えなかった。

    海未ちゃんの瞳が怖くて。

    虚空を見つめるその目が怖くて。

    誰も話しかけられなかった。

















  8. 8 : : 2015/02/22(日) 01:15:33






    それからしばらくして、時間も時間ということで解散になった。

    各々、何かを思いながら

    西木野邸を後にした。







































    希「…」

    絵里「ねえ希?
    ……自分が泣けないでどうするの?」

    希「…やね」

    絵里「…今日は泊まってあげる」

    希「……ありがとな、えりち」

    絵里「あなたは…1人で背負いすぎ…
    少しは周りを頼ってもいいのよ?」

    希「…そう言うえりちだって泣いてないくせに」

    絵里「……頼られちゃ泣けないわよ」

    希「…知ってる」

    絵里「うん、知ってることは知ってる」


    希「……うちが頼ったらえりちが泣けないよ」

    絵里「だったら一緒に泣いてあげる」

    希「…」

    絵里「それなら文句ないわよね?」

    希「……うん」
































  9. 9 : : 2015/02/22(日) 10:38:19




















    次の日、海未ちゃんは欠席だった。

    いや、次の日だけじゃない。

    かれこれ1週間、海未ちゃんは学校を休んでいた。












    私は、今日も1人で部室のドアを開ける。

    いつから独りだったかももう分からなくなってきていた。



    ドアを開けると、にこちゃんが先に部室の椅子に座っていた。




    にこ「…海未は?」

    ことり「今日もお休みだった」

    にこ「何してんのかしら全く…」

    ことり「分からない…」


    実際、連絡がつかない以上何も分からなかった。

    幼馴染のはずなのに

    私は "また" 何も出来ないでいる。


    自分の無力を呪う日々が

    私の心を徐々に蝕んでいっているのは自覚していた。




    にこ「……ねえ、ことり」

    ことり「どうしたの?」

    にこ「海未の家…分かる?」






























    絵里「それじゃあ、ことりとにこは海未の家へ行くの?」

    にこ「ええ、そうするわ」

    凛「凛たちはいつも通り穂乃果ちゃんの所行ってくるね」

    希「…うちも海未ちゃんの家に行こかな」

    絵里「…」

    にこ「……あんたは大丈夫なの?」

    希「え、うち?
    うちは大丈夫よ?」

    にこ「ったく……
    なら、3人で行ってくるから」

    絵里「分かったわ
    …じゃ、私たちも行きましょうか」

    花陽「はいっ」

    凛「…真姫ちゃーん?
    早く行くよー?」

    真姫「………すぐ行く」

    絵里「…心配なのは分かるけど、今は希たちを信じましょ?」

    真姫「…そうね」



























  10. 10 : : 2015/02/22(日) 10:40:26













    ことり「…でも、どうして希ちゃんも?」

    希「うちが行かんとダメやなって思って」

    にこ「何よそれ…
    …私たちじゃ役不足ってこと?」

    希「そうは言っとらんよ…
    ただ、うちが出来ることは何でもしなきゃだから………ね」

    ことり「希ちゃん…」

    にこ「…あんたのそういう所ほんっと嫌い」

    希「ひどーい
    そんな言わんでもええやんかー」

    にこ「あんたが頑張ったその結果、あんたが体壊したらどうすんのよ!
    そうやって何でもかんでも1人で背負い込もうとして!」

    希「…」

    ことり「それはことりも思う…かな」

    希「…そんなつもりないんやけどなぁ」

    にこ「っ!
    あんたいい加減に…!」




    希「そう言うにこっちだって」




    にこ「!」

    希「穂乃果ちゃんが居なくなってから余裕が無くなってるのは目に見えて分かるよ?」

    にこ「…」

    希「それでも海未ちゃんの家へ行こうとするのはどうして?」

    にこ「それは…海未が心配だから…」

    希「やろ?
    うちも海未ちゃんが心配」

    にこ「…」

    希「ことりちゃんも心配してるやろ?
    だから行くんやろ?」

    ことり「うん…」

    希「自分のこと気遣ってる暇があったら仲間を助けたい…
    …それはみんな思っとることやないんかな?」

    にこ「…」

    ことり「それはそうだけど…」

    希「それじゃ、行こ?」




    どこか腑に落ちない。

    きっと、私たちと希ちゃんじゃ背負う大きさが違いすぎるから。

    それはにこちゃんも感じていた。















  11. 11 : : 2015/02/22(日) 10:42:45















    ピンポーン


    少しして、海未ちゃんのお母さんの声が聞こえた。


    『あら、ことりちゃん…
    …ごめんなさいね、海未は……』

    ことり「…分かってます
    ……それでも会わせてほしいんです 」

    『…どうぞ、入って』


















    にこ「…昔のお屋敷って感じの家ね」

    希「立派やなぁ…」

    ことり「私も久々だから緊張しちゃう…
    …あ、ここが海未ちゃんの部屋」

    にこ「部屋にいるとは言ってたけど…」

    希「話に応じてくれるか…やね」

    ことり「とにかく、ノックしてみる」


    そう言ってドアの前で拳を作る。



    ことり「……あれ?」




    手が震える。




    またあんな目をした海未ちゃんを見なきゃいけないことが怖い。

    手が…動かない。





    にこ「…ことり?」

    ことり「…ごめん、私はノックできない」

    にこ「……どうしたの?」

    ことり「怖いの…海未ちゃんが…」

    にこ「え?」

    ことり「あんな海未ちゃん…
    私はもう見たくない…」

    希「……わかった、うちがノックする」

    ことり「ごめんね…」

















    コンコンッ





    希「海未ちゃーん?
    おるんやろー?」







    にこ「ちょっと海未!
    あんたいつまでそーやって閉じ籠ってるつもりよ!」







    ことり「う、海未ちゃん…?
    私たちすごく心配してるんだよ?」










    希「うーみーちゃーん?」






























    海未「帰って…ください…」




    ドアは開かなかった。

    それでも、海未ちゃんの声を久しぶりに聞けて安心した。

    それと同時に。

    いつもと声の調子が明らかに違うことも分かってしまって、少し戸惑った。



    海未「私は…しばらく立ち直れそうにありません」

    希「どうして?」

    海未「穂乃果が目覚めないと知ってしまったからです」

    希「"目覚めない" とは言われとらんよ?」

    海未「それでも確率的にほぼ0%でしょう?」

    希「どうしてそう思うん?」

    海未「だって…」






    それからの海未ちゃんの声は

    怒気を含んでいた。

    海未ちゃんのこんな声を聞いてしまったら私…



    私は何を信じて穂乃果ちゃんを待てばいいの?










    海未「もう1週間以上も経ってるんですよ!?」

    希「…」

    海未「それなのに穂乃果は目覚める気配もない!
    毎日毎日お見舞いに行っても!
    穂乃果は…!ずっと眠ったままじゃないですか!」

    希「…」
  12. 12 : : 2015/02/22(日) 10:52:12
    にこ「…ごめん希、我慢ならない」

    希「!
    にこっち…やめ」


    にこ「いい加減にしなさいよあんた!
    さっきから聞いてれば自分に都合のいい御託を並べまくって!」

    海未「!」

    にこ「"もう" 1週間以上?
    笑わせんじゃないわよ!
    "まだ"1週間の間違いでしょう!?」

    希「ちょ、にこっち…」

    にこ「それとも何?
    あんたには穂乃果が目覚めるまで何年も待つっていう覚悟はないわけ?」

    ことり「…」


    何年も待つ…覚悟…



    にこ「本当に穂乃果のこと想ってるんだったら!
    早く目覚めることを祈るだけじゃ足りないでしょ!?」

    海未「…覚悟……」


    にこ「言っとくけど私にはあるわよ?
    何年だって穂乃果のこと待つっていう覚悟」

    海未「…」

    にこ「それとも、あんた幼馴染のくせしてそこまで考えつかなかったなんて…」

    希「にこっち…もうやめり」


    希ちゃんが、にこちゃんの肩に手を置いてにこちゃんを制止した。

    制止する時の希ちゃんの表情

    何というか、綺麗だった。


    怒りとか、悲しみとか、苦しみとか…

    そういう物がぐちゃぐちゃに入り混じってるような…そんな表情…

    その中に見える、お母さんみたいなあったかい光…






    にこ「…ごめん、希」

    希「謝るなら海未ちゃんに、やな」

    にこ「……そうよね」

    海未「謝らないでください」

    にこ「!」

    海未「ここで謝られたら…
    自分が惨めに思えます…」

    にこ「…」

    希「ここで謝られる事を断ったら…
    …それこそ海未ちゃんは惨めやと思うけど?」

    海未「そんなこと自分が一番分かってますよ!
    私がどれだけ情けないかだなんて!」

    希「だったらどうして?」

    海未「それは…」

    希「怖いんやろ?」

    海未「…」

    希「穂乃果ちゃんがいない生活が当たり前に過ごせるかもしれないのが…怖いんやろ?
    謝られるってこと…
    それを許すのは、穂乃果ちゃんがいない生活を認めてしまう第一歩になるからやろ?」

    海未「…そうです
    ……怖いんです…私」

    希「でもな、それは前へ進むための枷にしかならんよ?」

    海未「…それも分かってます」

    希「うん、分かってた」

    海未「…」

    希「だから聞いてるんよ
    …どうして留まろうとするん?」

    海未「…穂乃果のことを置いていきたくないんです」

    ことり「…置いていきたく……ない」

    海未「穂乃果といた時間にずっと留まっていれば、穂乃果が目覚めた時に戸惑わないでしょう?」

    にこ「…」

    海未「私が…穂乃果が目覚めた時に唯一変わらない友達として残ってあげるんです」

    希「…なるほどねぇ」

    海未「…」

    希「……これ以上何か言っても無駄やな」

    にこ「え?」

    ことり「希…ちゃん?」

    希「帰ろか、2人とも」

    にこ「…」

    ことり「え、そんな…まだ海未ちゃん…」

    にこ「分かった、帰りましょう」

    ことり「え…」

    希「それじゃあ、海未ちゃん
    また今度な」

    海未「…」

    希「あー、そうそう
    これはうちの見解やから別に聞き流してもらって構わないんやけど」





    希「自分だけそのままでいようだなんて…
    穂乃果ちゃんの犠牲になろうとしてるだけって分かる?
    それを穂乃果ちゃんは望んでると思う?」



    海未「!」



    希「…おじゃましました」

    にこ「海未、また来るから」

    ことり「…ばいばい、またね」

















    海未「……」


    今のままじゃいけないことなんて…

    そんなの私が一番…






















  13. 13 : : 2015/02/22(日) 11:11:49





















    雪穂「…あ、皆さん」


    病室の扉を開けると、雪穂ちゃんが穂乃果の横に座っていた。


    絵里「こんにちは、雪穂ちゃん
    ごめんなさいね、こんな人数で押しかけちゃって…」

    雪穂「いえ…
    きっとお姉ちゃんも喜んでいます…」

    絵里「……」

    雪穂「………あ、私お邪魔ですよね?
    一旦病室出ますね!」

    絵里「え、雪穂ちゃ…」

    雪穂「失礼します!」



    そう言って雪穂ちゃんは足早に病室を去ってしまった…



    絵里「…何だか悪いことした気分だわ」

    真姫「別に居てもよかったのに」

    絵里「あれで配慮してくれてるのよ…」

    真姫「…分かってる」



    そして、私たちは穂乃果に目を向けた。


    昨日と変わらない寝顔。

    それが無言で現実を突きつけてきて…

    …その度に胸が苦しくなる。



    花陽「…どうしたら意識が戻るのかな」

    凛「ん〜…
    あ、そうだ!」

    真姫「凛のことだからロクな案が出そうにないわね…」

    凛「爆音を耳もとでとか?」

    花陽「それは病院にも迷惑がかかっちゃうんじゃないかな…?」

    凛「それもそうだね!」

    真姫「はぁ…」




    絵里「…きっと大丈夫よ」

    真姫「?」

    絵里「焦っても良い結果は残せないわ…
    ……だから、私たちができる事をゆっくり考えましょう?」

    真姫「……そうね」

    凛「…あ、そうだ」

    真姫「また何か思いついたのかしら?」

    凛「うん!
    ライブしようよ!」

    絵里「………え?」





















  14. 14 : : 2015/02/22(日) 11:14:23



    にこ「なるほどね…」

    絵里「ライブをして穂乃果を起こすっていう発想は悪くないんだけど…
    病院から連れ出すわけにもいかないでしょう?」

    ことり「…」

    凛「凛はそんな面倒なことしなくていいと思うけどなー?」

    絵里「どういうこと?」

    凛「何かよく分かんないけど…
    気持ちは離れていても通じるって思うにゃ」

    絵里「気持ちは…離れていても…」

    希「…うちは凛ちゃんに賛成やね」

    花陽「私も…それがいいって思います」

    にこ「…ま、悪くないんじゃない?」

    絵里「…じゃあ」




    ことり「…嫌だ」




    にこ「え?」

    ことり「μ'sは9人揃ってないとだよね?
    穂乃果ちゃんも海未ちゃんもいないのにどうしてライブをしようとするの?」

    絵里「だから穂乃果を目覚めさせるため…」

    ことり「私はね、μ'sは9人揃ってないとダメだと思うよ?
    海未ちゃんすらいない今の状況でライブなんてできるの?」

    絵里「…」

    にこ「ちょっとことり…」

    ことり「結局みんなライブがしたいだけなんじゃないのかな?
    ことりにはそうとしか思えないんだけど」

    花陽「ことりちゃん…」

    ことり「穂乃果ちゃんは寝たきりだし、海未ちゃんは今日も学校にすら来なかった!
    私…もう耐えられないよ!
    これ以上何を拠り所にすればいいの!?」

    希「うちらやろ?」

    ことり「……え?」

    希「うちらがおるやん?
    何でうちらに甘えようとせんの?」

    ことり「そんな事できない…
    もう迷惑かけられないよ…」

    希「友達なら迷惑かけて当たり前思うけどな…
    それに…本当はライブしたいんやない?」

    ことり「!
    そんなこと…」

    希「そうやって自分に嘘ついても苦しいだけやん?」

    ことり「…」



    図星だった。

    本当はライブを…いや

    μ'sとして活動をできる口実なら何でも良かった。




    だけど、穂乃果ちゃん無しではやりたくなかった。

    9人揃っていないなんて…

    そんなのμ'sじゃないから。








    希「…1日考えてみん?
    返事はそれからでええから」

    ことり「…」


    私は無言で頷いた。
























  15. 15 : : 2015/02/22(日) 18:11:43














    ことり「…わぁ」




    綺麗なお花畑…

    …ここはどこだろう?






    「ことりちゃん!」


    ことり「!」



    …穂乃果ちゃん?



    「こっちだよこっち!」


    さっきより声が小さい…



    ことり「穂乃果ちゃん!
    どこにいるの!?」


    「こっちだよ〜!」



    だんだんと声が小さくなっていく…




    ことり「穂乃果ちゃん待って!
    ねえ、穂乃果ちゃん!」



    …声が聞こえなくなった。



    ことり「穂乃果ちゃん…
    …もう独りにしないで……」







    穂乃果「ここだよ」






    真後ろから声が聞こえた。

    そして私は抱きしめられた。



    ことり「…穂乃果……ちゃん?」

    穂乃果「ごめんね、ことりちゃん…」

    ことり「どうして謝るの?
    ことりは大丈夫だよ?」

    穂乃果「うん……ならいいんだ」

    ことり「?」

    穂乃果「私も大丈夫だから…
    ……ライブしたいんでしょ?」



    ことり「!」



    穂乃果「そりゃあ、みんながμ'sは9人揃ってないとダメだって思ってくれるのは嬉しい…
    けど、私がことりちゃんのやりたい事を妨げてしまってるのは嫌だよ」

    ことり「で、でも…!」

    穂乃果「それにね」



    穂乃果ちゃんは抱きしめていた腕をより一層強くして言った。

    さっきよりも、元気な声で。



    太陽みたいに明るい声で。




    穂乃果「見てみたいんだ!
    μ'sのライブ!」














































    そして目が覚めた。



    ことり「…分かったよ、穂乃果ちゃん」



    確かに夢だったかもしれない。

    私の都合の良いように見た夢かもしれない。



    だけど


    背中に残ってる暖かさと香りは、本物だと信じたい。



    結局、私は穂乃果ちゃんに…みんなに助けられてばかりだ。



    ことり「…見ていてね、穂乃果ちゃん」








    「うん、ずっと見てるよ」


    って声が聞こえた気がした。




































  16. 16 : : 2015/02/22(日) 18:32:28



























    ことり「やろう、ライブ!」

    にこ「え、どうしたのよことり…」

    ことり「もうウジウジ考えるのはやめたの…
    …それに、やっぱり私……」





    ことり「ライブしたいから」




    希「…よかった」

    凛「よーし!
    それなら早速練しゅ…」

    真姫「待ちなさい、凛」


    凛「?
    どうかしたのかにゃ?」


    真姫「ことりがやる気になってくれたのは良かったけど…
    海未のことはどうするつもり?」


    ことり「うん、それはことりが何とかする」

    真姫「何とかって?」

    ことり「それはまだ決めてないよ?」

    絵里「…真姫」

    真姫「……なに?」

    絵里「信じましょ?
    ことりのこと…そして海未のことも」

    真姫「…」


    ことり「信じられないのも分かる…
    …けど、少しだけ時間を頂戴?
    絶対にことりが……私が何とかするから」


    真姫「……わかった、信じる」


    花陽「それじゃあ…
    海未ちゃんの事はことりちゃんに任せるとして…
    …練習……しませんか?」

    にこ「曲はどーすんのよ」

    花陽「あっ…えっとそれは…」

    絵里「…口角緩んでるわよ、にこ」

    希「気持ち隠すの下手くそやな〜にこっち?」

    にこ「バッ!べ!別に!
    う、嬉しくなんかないわよ!」

    希「嘘つく子には…
    わしわしやよ〜?」

    にこ「ひっ!
    ご、ごめんなさい〜!!!」

    凛「あ、逃げた!」

    希「待て〜!
    にこっち〜!」



    絵里「……」

    真姫「…何だか久しぶりね、この感じ」

    絵里「ええ…
    …本当に久々にみんなが笑った所を見た気がする」

    真姫「ねえ、絵里」

    絵里「どうしたの?」

    真姫「顔、緩んでるわよ」

    絵里「ふふっ…
    そういう真姫だって」

    真姫「ヴェエッ!
    そ、そんなこと…!」

    絵里「ほらね、図星」

    真姫「も〜!
    人のことからかって!」
















    みんなが心から笑顔でいるのが分かる。



    ことり「…よしっ」



    私が海未ちゃんのこと…何とかしなきゃ。













  17. 17 : : 2015/02/22(日) 23:49:49





























    ピンポーン


    『はーい
    …あら、ことりちゃん』

    ことり「ごめんなさい、今日も来ちゃいました」

    『海未は部屋にいるから、
    上がってどうぞ』

    ことり「はい、お邪魔します」























    コンコンッ


    ことり「海未ちゃん、起きてる?」

    海未「…」



    ことりの声…



    ことり「海未ちゃーん」



    …ことりだけ?



    海未「……今日はことりだけですか?」



    ことりだけでも…


    それでも扉は開かない。



    ことり「うん、ことりだけで行くってみんなに言ったから」

    海未「………」




    ことりだけと聞いて、寂しくないと言ったら正直嘘でした。

    本当は部屋に閉じこもらないで、みんなとお話もしたいですから。

    …だけど、穂乃果抜きで私たちだけ楽しい思いして……


    それで良いのでしょうか。





    海未「…今日はどうしたんですか?」

    ことり「あのね、海未ちゃん
    穂乃果ちゃんが早く目覚めるように何かできないかって考えてたよね?」

    海未「えぇ……
    まあ、結局何も浮かびませんでしたが」

    ことり「ことりたちもね、みんなで考えたんだけど…」






    ことり「ライブ……しない?」







    は?


    今ことりは何と言いましたか?


    ライブ?













    海未「…本気で言ってますか?」

    ことり「本気だよ」

    海未「いい加減にしてくださいよっ!
    どうしてそういう結論に至るんですか!?」





    海未・ことり「「9人揃って初めてμ'sなんですよ!!?」」




    海未「!」

    ことり「だよね?
    …ことりもそう思ってた……いや、今でもそう思ってる」

    ことり「だけどさ、海未ちゃん?
    穂乃果ちゃんにことりたちの気持ちを伝えるならやっぱりμ'sとしての活動しかないと思うな」

    海未「…」



    …いいかもしれない。


    心のどこかでそう思ってる自分が憎い。




    穂乃果がいたからこそ出来上がったμ'sを

    穂乃果無しでやっていこうなんて…




    …私にはできない。

    そんな…穂乃果を見捨てるなんて真似…

















    海未「……嫌です」

    ことり「…」

    海未「私は絶対にライブに参加しません
    ……やるなら7人でやってください」


    ことり「…それじゃ意味ないんだよ」


    海未「…どうしてですか?」



    ことり「分かってるくせに!」



    海未「…」

    ことり「穂乃果ちゃんのために歌うのにみんな揃ってないでどうするの!?
    やるなら8人揃ってないとダメなの!」

    海未「…」

    ことり「海未ちゃんが抜けてちゃ何も意味がないのに!
    なんでそんな意地悪言うの!?
    そんなに私たちに協力するのが嫌なの!?」

    海未「…」

    ことり「……
    私絶対に諦めないから」

    海未「…」




    ことり「絶対に海未ちゃんをステージに連れて行くから」















































    そしてことりは帰っていきました。





    …あーあ

    ずっと我慢してたのに。


    泣かないって決めてたのに。






    海未「うぅっ…
    穂乃果ぁ……穂乃果ぁあ……!」



    私…早速気持ちが揺らぎそうです。




























  18. 18 : : 2015/02/23(月) 18:53:28
























    その日からことりは毎日毎日私の部屋に訪れました。

    決して他に人間は連れて来ることはなく。


    そんな生活が続いて、気づけば2週間…


    …穂乃果が眠ってから3週間も経っていました。























    海未「…穂乃果」


    穂乃果に会いに行くのは私の日課です。

    今日までの21日間、一度だって欠かしたことはありません。

    それはμ'sのみんなも同じようなので、私はみんなに会わないよう学校があっている時間に穂乃果に会いに行きます。



    穂乃果「…」

    海未「穂乃果…
    …昨日もことりが家に来ました」

    穂乃果「…」

    海未「…私はどうすればいいのでしょう?
    このままずっとこんな日が続いて行くのでしょうか?」

    穂乃果「…」

    海未「……何か言ってくださいよ…」

    穂乃果「…」

    海未「穂乃果……」



    返事なんてあるわけがないのに…

    …バカですね、私も。









    看護師「高坂さーん
    …と、園田さん」

    海未「え?
    あ、はい!」



    びっくりして声が上ずってしまいました…

    恥ずかしい…



    看護師「お友達がお見えですよ?」



    友達?
































    絵里「久しぶりね、海未」

    海未「え、絵里!?
    なんで…学校は……?」

    絵里「学園長に頼んで早退させてもらったのよ
    …本当は穂乃果のお見舞いはみんなで行くつもりだったんだけど……
    海未の家に言ったら穂乃果のお見舞いに行ってるって聞いたから」

    海未「……それじゃあ、私に用事が?」

    絵里「当たり前じゃない…
    …人のこと散々心配させて」

    海未「それは…」




    何も言い返せない…

    それに、絵里が来るだなんて想定外すぎて頭が上手く回らない…




    絵里「……その事については今は黙っててあげる
    本当はね、これからのことについて話がしたかったの」

    海未「これから……ですか?」

    絵里「えぇ、これから」

    海未「それってもしかして……」

    絵里「多分そのもしかしてで合ってると思うわよ」
















    海未「ライブ…ですか?」




  19. 19 : : 2015/02/23(月) 21:23:49
    絵里「そう、それ
    …海未がどうしても嫌だって言うなら」

    海未「…」



    …やっと7人でライブする気になりましたか。





    絵里「私たちはライブをしないわ」

    海未「…え」


    海未「どうしてですか…?」

    絵里「8人でしなきゃ意味ないでしょ?
    ……それはことりが毎日言ってるはずだけど?」

    海未「…」



    本当は分かっていたのかもしれません。

    みんなならこの結論に至るはずだと。





    海未「……やっぱりライブしたいですよね?」

    絵里「いいえって言ったら嘘になるわね…」

    海未「…」



    私がみんなの枷になっているのですね…。



    絵里「でも、私たちのためにライブに参加するのはやめて」

    海未「どういう…ことですか?」


    絵里「私たちは確かにライブを…いや、
    μ'sとしての活動を再開したいと思ってるわ
    ……だけど」

    絵里「それは穂乃果のためであって私たちのためではない…」

    海未「穂乃果のため……」

    絵里「そう、だからね海未」

    海未「はい?」

    絵里「あなたが心から穂乃果のために行動したいって思うのであれば、私たちとライブをしてほしいの」

    海未「…」




    心から穂乃果のために…

    …そりゃあ、穂乃果のために何かしてあげたいとは常に思ってますけど……





    海未「……前にも言いましたが、μ'sは9人じゃないとダメなんです
    穂乃果無しなんて絶対に許せません」

    絵里「…」

    海未「こうして穂乃果が眠っている今、私は絶対にμ'sとしての活動をしません」




    絵里「……だそうよ、みんな」




    海未「え?」







    そして、6人の見知った顔がドアから顔を覗かせました。











    希「いじっぱりやなぁ全く…」

    ことり「でしょ?
    ことりもそう思う」

    凛「海未ちゃんは頑固さんだにゃー」

    花陽「り、凛ちゃんそんなこと言っちゃダメだよ…」

    にこ「あんたたち病院内なんだから静かにしなさいよ…」

    真姫「全く…にこちゃんの言う通りよ…」



    海未「…みんな……」



    絵里「こうしてみんなと顔を合わせて、それでもライブをしたくないって思うなら私たちはもう諦めるわ」

    希「いい加減自分の気持ちに素直になり?」

    海未「……」

    にこ「無理しても苦しいだけでしょ?
    そんなのみんな分かってるわよ」

    海未「私は…」





    私は……


















  20. 20 : : 2015/02/23(月) 22:09:44


























    「海未ちゃん」


    海未「!」


    穂乃果!?



    振り向いても穂乃果は眠ったまま…

    …それに、みんなにも聞こえていないようです。









    ……疲れているのでしょうか。

    穂乃果が私を呼ぶことなんてありえないのに…




    私はふと、穂乃果の手を握りました。



    …暖かい。






















    絵里「海未?」

    海未「!」

    絵里「どうしたの?」

    海未「いや……何でもないです」



    穂乃果に触れたからでしょうか…

    …なぜか元気になれた気がします。





    海未「…ごめんなさい、みなさん
    あと少しだけ考えさせてくれませんか?」

    絵里「…分かった」

































    …私が穂乃果を待つように。

    μ'sを待ってくれている人もきっといるのですね。




    それでも。


    それでも私は…

    穂乃果がいないμ'sなんて……














    みんなが帰った後の病室には、陽が傾いて赤い光が差し込んでいました。

    私は沈んでいく夕日に、答えを求めます。







    海未「どうしたらいいんですか…?」











    雪穂「あ、海未さん」


    そんな事を考えていた時、夕日色をした髪をなびかせて雪穂が入ってきたのは偶然だったのでしょうか。





  21. 21 : : 2015/02/24(火) 23:12:33


    雪穂「…毎日来てくれてますよね?
    ありがとうございます」



    そう言って丁寧にお辞儀をする雪穂。

    しっかりしたなという印象が強くありました。




    海未「当たり前のことですよ
    …それに、穂乃果には感謝してもしきれないぐらい沢山の物を貰いましたから」



    その恩返しができないまま過ごすのが嫌なだけです。

    …毎日来ることが穂乃果のためになってるかは分かりませんが。




    雪穂「海未さん…
    …きっとお姉ちゃんも喜んでますよ!」

    海未「そう…ですかね?」

    雪穂「絶対にそうです!
    だって単純ですし?」

    海未「あ、それ分かります」

    雪穂「でしょでしょ?
    本当ビックリですよね〜」

    海未「?」

    雪歩「いつも明るくて、みんなと仲良しで…
    単純なおバカさんで…
    …μ'sで……アイドルで…」

    海未「…」



    段々と雪穂の声が震えていくのが分かりました。


    それと同時に

    穂乃果は愛されているんだな、と心から感じました。







    雪穂「好きだったのにな…
    お姉ちゃんのステージでの姿…」

    海未「…」

    雪穂「………あはは、ごめんなさい」

    海未「……いいんです」

    雪穂「…」

    海未「…」







    雪穂「………あの、海未さん」

    海未「はい?」

    雪穂「あ、あの…その…
    …」

    海未「?」

    雪穂「μ'sとしての活動は…やめてしまうんですか?」



    海未「!」





    不意をつかれたような感覚。

    まさか、何も知らない雪穂からこんなこと言われるだなんて…。





    海未「……どうしてそんなことを…?」

    雪穂「いや…私がμ'sのファンってだけで…
    あの…久しぶりにμ'sのステージを観たいなって…」

    海未「…」

    雪穂「そしたら…私も少しは元気をもらえるかなって…」





    そっか…こんなに身近にいたんですね…

    μ'sを待ってくれている人。








    海未「でも…μ'sは今…
    一人欠けてしまっていますから…」

    雪穂「……」




    雪穂は穂乃果の寝顔を見て、
    悲しそうな顔でこちらを見ました。
















    …心が痛みました。







  22. 22 : : 2015/02/25(水) 20:28:47






    海未「…」



    少し気になって、雪穂を見ました。


    その目はとても悲しそうに穂乃果を見つめていて…






    海未「……雪穂」

    雪穂「はい?」

    海未「μ'sのライブ……見たいですか?」

    雪穂「え、へっ!?
    そ、そりゃあ見たいですけど…」

    海未「…」

    雪穂「……けど
    …海未さんは活動したくないんですよね?」

    海未「…!
    ……どうしてそう思うんですか?」

    雪穂「顔を見れば分かります…
    …何ていうか、ライブっていう言葉を嫌がってるみたいに見えて……」

    海未「…」

    雪穂「………あ、あの海未さん!」

    海未「…はい?」

    雪穂「これは別に私がライブを見たいからとかじゃなくてですね…」

    海未「?」

    雪穂「お姉ちゃんはライブしても許してくれるって思うんですよね…」


    海未「…え?」


  23. 23 : : 2015/02/25(水) 20:45:45

    雪穂「いや、むしろお姉ちゃんならμ'sのライブ見たいって言いそうだな…って」

    海未「……それ、ことりも言ってました」

    雪穂「え?」

    海未「ことりが言ってたんですよね…
    穂乃果が夢に出たんだって」

    雪穂「…夢?」

    海未「その夢で穂乃果に言われたんだそうですよ…
    『μ'sのライブを見たい』って…」



    雪穂「!」



    海未「呆れましたよ…
    説得するためにそんな見え見えの嘘ついて…」

    雪穂「………嘘じゃないです、多分」

    海未「え?」

    雪穂「…実は私もお姉ちゃんが昨日夢に出てきて……
    それで海未さんを元気付けてあげろと…」

    海未「え?」

    雪穂「それでその時に言われたんです…
    『海未ちゃんに我慢させてるのがすこく辛い』って」

    海未「…」

    雪穂「最初は何も分からないままにお見舞いに来たんですけど…
    …海未さんの話を聞いている内にこの事だって分かりました」

    海未「…」

    雪穂「海未さん!
    お姉ちゃんのために我慢しないでください!
    そんなことお姉ちゃんは望んでいません!」

    海未「…」

    雪穂「むしろお姉ちゃんは見てみたいんですよ!?
    ライブをしている皆さんのこと!
    だから我慢しなくても…」





    海未「やめてくださいっ!!!」




    雪穂「…海未さん……」

    海未「そんな夢物語聞きたくありません!
    もしその話が本当だとして!
    どうして穂乃果はことりの元には来て私には来ないんですか!?」

    雪穂「それは…」

    海未「……帰ります」

    雪穂「ちょっ!
    海未さん!」









    バカバカしい


    その時私の頭にはそれしかありませんでした。































  24. 24 : : 2015/02/25(水) 21:40:59





    怒りも治らないまま家に着いた私は、そのままベッドにうずくまりました。

    μ'sのみんなや雪穂に対する愚痴をブツブツと口の中で呟きながら。



    そして気づけば、眠りに落ちてしまっていました。
















    その日、夢を見ました。

    本当に都合のいい夢を。


































    海未「……ここは?」


    ゴミ一つない広い砂浜。

    空の色をそのまま映した青い海。

    そして、真夏のように照りつける太陽。

    真っ白な鳥が空を優雅に舞っていて。

    少し見渡すと、向日葵が太陽に向かって伸びていました。




    私の知らない場所。

    見たこともない異郷の地。


    そんな印象を受けました。



















    何をするわけでもなく、私はただ砂浜に座っていました。

    そしてひたすら無心に海を眺めていました。



    何もかも忘れて。











    海未「…」



    波の音しか聞こえない静かな空間…

    …いつまでもここにいれそうな気さえしていた時。




    声が聞こえました。
















    「海未ちゃん」





    それは聞くことができないはずの声。







    海未「………穂乃果?」


    穂乃果「えへへ、穂乃果だよ」



















  25. 25 : : 2015/02/25(水) 21:57:09
    これはなける。期待。執筆頑張ってくださいな。
  26. 26 : : 2015/02/25(水) 22:13:01
    海未「なんで…だって…」



    言葉が出ませんでした。

    あまりにも衝撃的すぎて。

    突拍子すぎて。




    穂乃果「……あのね、海未ちゃん」

    海未「へ?」




    私の名前を呼んだ後、穂乃果は私を抱きしめて

    そして続けました。





    穂乃果「無理しないで」




    ただ、その一言を。





    海未「無理なんて…してないです」

    穂乃果「ううん、してるよ」

    海未「してないです!」



    穂乃果「してるもん!」



    海未「!」

    穂乃果「無理してるもん…
    だって海未ちゃん苦しそうだよ…」

    海未「苦しくなんか…」



    嘘でした。

    苦しくて苦しくて仕方ありませんでした。




    穂乃果「…穂乃果はね、海未ちゃんがやりたいことを全力で応援したい」

    海未「…」

    穂乃果「でも、穂乃果が海未ちゃんのやりたい事を邪魔してるなんて考えたこともなかった」

    海未「…そんなこと……」

    穂乃果「それにね、穂乃果があんな事になっても海未ちゃんなら大丈夫だって…
    …どこかで海未ちゃんのことをそう考えてた」

    海未「…」

    穂乃果「…やっぱり海未ちゃんは穂乃果がいないとダメなのかなぁ…?」

    海未「んなっ!
    そんなわけないじゃないですか!」

    穂乃果「ホントにぃ?」

    海未「本当です!」









    穂乃果「だったらライブしよ?」









    海未「!」

    穂乃果「穂乃果のことはいいの…
    だって仕方ないよ」

    海未「…」

    穂乃果「ことりちゃんや海未ちゃんが9人揃ってないとダメだって言ってくれた時、すごく嬉しかった…
    ……だけど、そのせいでμ'sが活動できないでいるのは嫌なの」

    海未「……」

    穂乃果「…だから、ね?
    ライブ…しよ?」

    海未「……」

    穂乃果「……海未ちゃん?」

    海未「…穂乃果は大バカです……」

    穂乃果「え」





    私は泣きそうになるのを堪えて、続けました。





    海未「いつもいつも皆のことばかりで…
    少しは…自分のことを考えてくださいよ…」

    穂乃果「…そうかな?」

    海未「そうです!
    ……穂乃果がもっと自分を大事にしてくれないと私が辛いです…」

    穂乃果「海未ちゃん…」






    ずっとずっと思ってたこと。

    穂乃果に言いたくても言えなかったこと。

    …だって穂乃果は眠っているのだから。







    海未「…穂乃果……
    もっと周りを見てください」

    穂乃果「…」

    海未「穂乃果のことを支えてくれる人が…
    穂乃果が目覚めるのを待っている人が沢山いるんですよ?」

    穂乃果「…」

    海未「だから…」

    穂乃果「……海未ちゃんだって自分のこと考えてないくせに」

    海未「!」

    穂乃果「ねえ、海未ちゃん
    …わがまま言っていい?」

    海未「……なんでしょう?」




    穂乃果「μ'sのライブ、見せて」





    海未「…」

    穂乃果「μ'sを始めてよかったって…
    みんなと一緒にできてよかったって思いたいの」

    海未「…」

    穂乃果「だから…見せて?
    そうしたら、穂乃果も頑張ろうって思えるから」

    海未「穂乃果…」

    穂乃果「……大丈夫だよ、みんななら」




    そして、穂乃果は更にきつく私を抱きしめて。






    穂乃果「待ってるね」












































    海未「……」

    …ほんの少し、穂乃果の匂いがする。





    きっと穂乃果は来てくれたんですね。

    そして迷いを断ち切ってくれた…。





























    海未「いつまでもカッコ悪い所見せてられませんよね!」






    やっぱり私はまだまだ未熟です。

    だからこそ、みんなと…















  27. 27 : : 2015/02/25(水) 22:34:24
    >>25
    じけいさんありがとうございます。
    引き続き頑張らせていただきます!













































    ガラガラッ




    海未「…おはようございます」



    ことり「海未ちゃん!!!」


    ガバッ‼︎


    海未「うわっ、ことり!?
    抱きつかないでくださいよ!」

    ことり「やっと学校に来てくれた!
    …嬉しい」

    海未「…心配かけましたね、ことり
    すみませんでした」

    ことり「いいの!
    ……それより、部活には顔出すの?」

    海未「ええ、決心がつきました
    …弓道部にも顔を出したいので、それが終わったらそっちにも顔出します」

    ことり「…決心って?」

    海未「それはまた後で
    …朝礼始まっちゃいますよ?」

    ことり「わわっ、ホントだ!」

    海未「ふふっ…」




    本当に久しぶりな学校…

    …そして久しぶりな会話。



    私は幸せだな、と

    そう感じました。















































    海未「……この度はご迷惑をおかけしました」

    ことり「そんな頭下げなくても…」

    にこ「みんなのこと散々心配かけてんだから頭下げるぐらい当たり前でしょ」

    花陽「に、にこちゃん…
    そんな風に言わなくても…」

    ことり「…あれれ?
    最初に海未ちゃんの家どこ?って聞いてきたの誰だったっけ?」

    にこ「……何のことか分からないにこ♡」

    真姫「…素直じゃないんだから」

    にこ「んなっ…!
    うっさいわよばーか!」

    凛「真姫ちゃんが言えたことじゃないにゃ」

    真姫「ナニソレ!」

    希「まあまあ、静かにしいや…」

    絵里「……海未、顔を上げて」

    海未「…はい」



    みんながお喋りしている間も、私はずっと頭を下げていました。

    …そうでもしないと許されない気がして。

    それでも許されない気がして。





    そして絵里に言われて、やっと頭を上げました。











    …みんなが笑って私を見ていました。



    絵里「…せーのっ」



    みんな「おかえりなさい!」








    ……あぁ、そんなことされたら

    泣いてしまうじゃないですか。









    海未「…ただいま……!」




















  28. 28 : : 2015/02/25(水) 23:14:53






    ことり「…それで、決心って?」

    海未「あぁ、それですね…」




















    海未「私はライブをしたいです」






















    絵里「…やっと揃った」

    海未「お待たせしました…
    …正直、今でも少し乗り気ではありません
    …だけど」チラッ



    ことり「?」



    海未「穂乃果が…待ってますから」

    ことり「海未ちゃん…」

    海未「……それに
    私はμ'sが大好きですから!」

    凛「凛もμ's大好きだにゃー!」

    花陽「わ、私も!
    ここにいれて本当によかったなって思います…!」

    真姫「私は…別に……」

    希「本当…素直やないね……
    …で、ライブをするのは決定したけど曲はどうする?」

    にこ「それならにこが…」


    海未「ごめんなさい…
    ここまで迷惑かけてて言いづらいんですけど、歌いたい曲があるんです」


    にこ「な!?」

    絵里「…聞かせて?」


    海未「この曲を知ってるのは穂乃果とことり…そして私だけです
    ……だからまず曲を覚えてもらうことから始まってしまいます…
    それでもいいですか?」



    希「ええんやない?
    な?にこっち?」

    にこ「……しょうがないわね…
    今回だけよ?」

    海未「ありがとうございます」

    真姫「それじゃ、さっさと練習始めましょ?
    決定したんだから実行に移さないと…」

    凛「真姫ちゃんがやる気だにゃ!」

    真姫「ヴェエッ!?
    ち、違うわよ!
    私は時間が勿体無いって思うだけで!」

    希「はいはい…
    …じゃあ海未ちゃん、ことりちゃん
    …曲聴かせて?」

    海未「…はいっ」

    ことり「うんっ!」













    そして、私とことりは息を大きく吸い込みました。





  29. 29 : : 2015/02/25(水) 23:29:53





























    それから、μ'sの活動はライブの練習ばかりでした。


    曲を覚えてもらって…

    それを8人用に編集し直して…

    それから振り付けを考えてもらって…

    それを覚えて…

    何度も通し練習をして…





    …そんな事をしている内に、2ヶ月も月日が流れていました。

    穂乃果が寝たきりになってから3ヶ月…

    そんな長いようで短いような時間の経過を感じながら、私たちはとにかく練習に励みました。





























    〜♪

    海未「はぁ…はぁ…
    ……よし、完璧だと思います」

    絵里「そうね…はぁ…
    これだったら…
    ライブしても問題なさそうね…」

    凛「やっと本番だ!
    やったねかよちん!」

    花陽「で、でも…
    はぁ……緊張しちゃうよ…」

    凛「大丈夫だよ!
    かよちんなら何とかできるよ!」

    花陽「そ、そうかな…?はぁ…はぁ…」

    真姫「そうと決まれば宣伝しなきゃね」

    にこ「ポスターの原案はもう作ってあるわ!
    あとはこれを刷るだけよ!」

    希「用意周到やなぁ…
    どんだけ楽しみにしとったん?」

    にこ「そりゃあ相当…
    …って、何言わせんのよ」

    希「素直が一番やで?」

    にこ「もー!」




    ことり「…海未ちゃん?」

    海未「ことり…」

    ことり「はい、お水」

    海未「あぁ、ありがとうございます」





    私はことりから貰った水を飲みながらある事を考えていました。





    海未「…穂乃果に伝わるでしょうか?」

    ことり「大丈夫だよ!
    きっと届くから!
    …ね?」

    海未「……そうですね」

    ことり「だから、今はもう少し練習しよ?
    みんなが感動するようなライブに少しでも近づくために」


    海未「…はい!」













































    そしてその2週間後、ライブが行われました。


  30. 30 : : 2015/02/25(水) 23:48:13

































    舞台裏。

    お客さんのμ'sコールがここまで伝わってきてる…

    …今になって緊張してきました。



    海未「…今日のライブまでに色々なことがありましたね」

    ことり「そうだね…」

    花陽「や、やっぱり緊張してきたよぉ…」

    希「大丈夫!
    今日のライブは絶対に上手くいくってカードも言うてたしな!」

    凛「そうだよ!
    絶対に成功する!
    凛たちなら大丈夫だよ!」

    真姫「今更悩んだって仕方ないものね…
    思いっきり楽しんでやるんだから」

    にこ「宇宙一アイドルの名にかけて!
    絶対にこのライブ成功させてやるんだから!」

    絵里「……みんな、準備はいいわね?」



    みんな「うんっ!」



    みんなの手を中央に集める…

    …何度目でしょうか、この円陣も。








    絵里「…行くわよ!」













    ことり「2!」

    海未「3!」

    真姫「4!」

    凛「5!」

    花陽「6!」

    にこ「7!」

    希「8!」

    絵里「9!」



    みんな「μ's!
    ミュージック……スタート!!!」

















  31. 31 : : 2015/02/25(水) 23:53:57























    歓声の中、私にスポットライトが当てられる。

    お客さんたちの視線が私に集まってくる。




    海未「今日は…μ'sのライブに来てくださり、本当にありがとうございます!」


    海未「みなさんご存知の通り、今のμ'sは1人欠けています…」

    海未「その穴を埋めるために…
    …どこかのお寝坊さんを起こすために」

    海未「実は、今日のライブにはそんな意味も込められています」

    海未「だから、今からのこの時間は…
    今来てくれている皆さん、そして…」



    海未「μ'sのリーダー、高坂穂乃果のために
    私たちは歌います」



    海未「…前置きはこれぐらいでいいですね」







    始まる






    海未「それでは、聴いてください」







    私たちのステージが。










































    海未「ススメ→トゥモロウ」






































    〜fin〜
  32. 32 : : 2015/02/25(水) 23:56:42

    ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!

    初のラブライブ!カテゴリのssで至らない部分も多々あった事と思いますが、無事完結いたしました!

    この後には是非『ススメ→トゥモロウ』を聴いていただけたらなと思います!





    それでは、本当にありがとうございました!
  33. 33 : : 2015/02/26(木) 13:05:45
    めっちゃ感動しました
    穂乃花ちゃん、、早く目覚めてくれ、、
  34. 34 : : 2015/02/26(木) 15:53:51
    海未ちゃん・・・・・なんてすんばらしい子なのかしら
  35. 35 : : 2015/03/08(日) 08:29:26
    感動しました
  36. 36 : : 2015/03/08(日) 17:51:53
    お疲れ様です。
  37. 37 : : 2015/03/08(日) 20:48:54
    とても素晴らしいssでした

    すごい感動しました


    執筆お疲れ様です



    └('ω')┘フォォォ!!
  38. 38 : : 2015/03/08(日) 21:54:23
    >>21など「雪歩」になってますけど「雪穂」が正解ですよ。
  39. 39 : : 2015/03/08(日) 22:37:07
    >>33>>37
    みなさんコメントありがとうございます!
    心を動かすssを執筆できていたのなら、満足でございます。


    >>38
    ご指摘ありがとうございます…
    変換ミスです!
    訂正しておきます!
  40. 40 : : 2016/04/28(木) 23:54:19
    夜中に泣きそうになりました…
    お疲れさまでした。本当にお上手

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donguri

たけのこまんじゅう

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