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クリスタ「おたくが彼氏で何が悪い! 」モブリット「嬢、落ち着いて下さい! 」

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  1. 1 : : 2015/01/27(火) 21:46:12
    クリスタ「おたくが彼氏で何が悪い!」モブリット「嬢、落ち着いて下さい」

    アニメおたくなモブリット(オタリット)と、学園のアイドル的存在クリスタの切ない?ラブストーリー

    ギャグではありません

    友情出演のグンタの口調が崩壊しています

    あらかじめご了承下さい
  2. 2 : : 2015/01/27(火) 21:46:34
    『おたく』

    それは言い換えれば『突き詰める者』

    何かに強い興味や関心を抱き、それを探求するために寝食をけずってまで行動する者

    アイドルおたく、魚おたく、寺社おたく、仏像おたくエトセトラ…おたくの種類は限りなく多い

    だが、世間一般的に『おたく』と言えば、アニメなどの二次元キャラを溺愛し、そのアニメに、現実との境目がつかなくなるほど深く入り込んでしまう様な人物像を指すことが多いだろう

    彼らはただ純粋に、二次元の世界に憧れを抱き探求しているだけなのだが、『おたく』じゃない人々には得てして偏見の目で見られる事が多かった

    ……誰にも迷惑はかけていないのに
  3. 3 : : 2015/01/27(火) 21:46:52
    ある大学のあるクラスに、そのいわゆる『おたく』が一人存在していた

    クラスに一人や二人、いや、隠れおたくを含めれば4、5人はいるかもしれない

    おたくの存在はさして珍しくもない

    そのクラスでは、周りから『おたく』だと言われている人物は一人だった

    講義はいつも教室の端っこで、一人ぽつんと受けていた

    彼は人と積極的にコミュニケーションを取らない

    それどころか大学で言葉を発するのを、誰も耳にした事がない

    いつも黒い大きなリュックを背負い、大きめのチェックのシャツに、丈が中途半端に短いズボンをはいていた

    机にはノートパソコン

    彼の指はいつも、ノートパソコンのキーを叩いていた

    周りからは、ノートパソコンが唯一の友達の『おたく』だと噂されて、卑下されていた
  4. 4 : : 2015/01/27(火) 21:47:12
    彼の名前はモブリット・バーナー

    通称オタリット

    茶色い髪は、中途半端な長さの短髪

    頬が少々丸みを帯びている以外は、見た目に突出した特徴はない

    髪と同じ色の瞳は目尻が下がっていて、気弱そうな印象を受ける

    中肉中背で、おたくにありがちな肉付きの良さはない

    周りの噂通り、ノートパソコンを親友の様に大切にしていた

    ノートパソコンは彼にとって、大学内では唯一の友達だった
  5. 5 : : 2015/01/27(火) 21:47:37
    「オタリット、いつもパソコンいじってるよな」

    「パソコンだけが友達だからねー」

    そんな言葉が聞こえよがしに発言されるが、彼は気にしてはいなかった

    いや、気にしていないのではない

    彼らの声は、彼の耳に届いていないのだ

    何故なら彼の耳は常にヘッドフォンで塞がれているからだ

    彼は誰にも迷惑をかけず、おたく道を歩いていたのであった
  6. 6 : : 2015/01/27(火) 21:47:57
    そんな彼、モブリット・バーナーは、一日の講義を終えるとほぼ毎日通っている場所がある

    おたくの聖地、秋葉原だ

    彼にとってまさに楽園と言えるその場所に、今日も足を運ぶべく渡り廊下を歩いていた

    大きなリュックを背負い、ノートパソコンを両手で抱えるように持ちながら

    急ぐわけでもなくゆったりとした速度で、自らが心置き無く羽根を伸ばせる場所へ向かうのだった
  7. 7 : : 2015/01/27(火) 21:48:16
    一方……


    「クリスタ、凄いね!おめでとう!」

    「我がクラスの誇りだよな!クリスタさんは!」

    クラスメイト達から口々にそんな声をかけられている一人の女子がいた

    「そんなー、凄くなんかないよ!皆が応援してくれたお陰だよ」

    彼女は恥ずかしげに頬を染めながら、クラスメイト達に囲まれている

    彼女の名はクリスタ・レンズ

    見事な金の髪を肩の辺りで切り揃え、自然に分けられた前髪の下には、ぱっちりとした大きな青い瞳がくるくるとよく動く

    マスカラのいらない長いまつ毛に、陶磁器顔負けの色白な肌

    だが頬は紅が指したようにほんのり赤く、それが芸術品ではなく生きた証を示している

    唇はけっして厚くはない

    だが、まるで桜の花びらのような小さく、可憐な口元は、彼女の美しさに色を添えていた

    「凄いよ!大学のミスコン優勝だもん!」

    「さすがはクリスタ!」

    クラスメイト達の絶賛は留まることを知らない

    彼女は彼らに、はにかんだような笑顔を向けながら賛辞を浴びていた

    「あ、ありがとう、皆!あ、私今から予定があるから…」

    クリスタがそう言うと、クラスメイト達は一斉に囲みを開いた

    「クリスタは忙しいもんね!」

    「クリスタさん、お気をつけて!」

    そんな彼らに手を振りながら、クリスタはその場を後にした
  8. 8 : : 2015/01/27(火) 21:48:35
    クリスタが向かうのは、モデル事務所

    彼女は若者向けのファッション雑誌の読者モデルなのだ

    モデルには珍しく小柄だが、だからこそ提供できるファッションが人気をはくしていた

    今日は事務所で次の仕事の打ち合わせがあるのだが、その前にいつも一人でいく場所があった

    行きつけのスタバでフラペチーノを味わって、一息つくのが彼女の日課

    今日も少々急ぎ足で、スマートフォン片手に大学の渡り廊下を駆けていた
  9. 9 : : 2015/01/27(火) 21:48:52
    クリスタはスマフォのLINEに逐一入る、男友達からのアピールに目を通しながら駆けていた

    彼女はよくモテる

    たまに気が向けば、当たり障りのない男友達と付き合う事もあった

    今はフリー、だからチャンスを物にしようと、男達は必死だった

    大学のマドンナで、読者モデルの彼女

    彼らはそんな彼女の肩書きと、可憐な見た目に釣られる様に、群がってくるのであった
  10. 10 : : 2015/01/27(火) 21:49:11
    クリスタが渡り廊下の曲がり角をくるりと勢いよく曲がった瞬間だった

    「きゃっ!」

    突然の衝撃に、クリスタの手からスマートフォンが飛んだ

    彼女自身は後ろに尻餅をついてしまっていた

    スマートフォンに夢中になっていて、前方、しかも曲がり角の先を確認していなかったために、ぶつかってしまったのだった

    「…………」

    彼女の目の前には無言で呆然としている男がいた

    ぶつかった相手だ

    大きなリュックを背負い、少し離れた場所の床にはノートパソコンがあった

    クリスタは彼を知っていた

    オタリットと呼ばれているクラスメイトだ

    彼は口をぱくぱくさせていたが、やがてしゃがみこむと、地面に落ちたスマートフォンを慌てた様子で拾い、クリスタに手渡した

    その時、はじめてクリスタは彼の声を聞いた

    「ごめんなさい」

    小さな声で彼はそう言うと、自分のノートパソコンを拾い上げて抱え、足早に歩き去った

    「ごめんなさいって……私からぶつかったのに」

    クリスタは立ち上がりながら呟いた

    「(そう言えば、あの人のノートパソコン、床に落ちていたよね。壊れたりしてないのかな)」

    クリスタは、無事だったスマートフォンを鞄にしまいながら、ふとそう思った

    「(あの人いつもノートパソコン持ってるし、壊れてたら困るだろうな…大丈夫だといいけど)」

    明日、聞いてみようか、などと考えながら、思い出したようにスタバに急ぐクリスタであった
  11. 11 : : 2015/01/27(火) 22:37:37
    翌日

    クリスタはいつもの様に大学の講義を受けるために教室にいた

    クラスメイト達と他愛の無い会話をしながら、ちらりと部屋の隅に視線を送る

    昨日自分とぶつかった彼は、今日もいつもの場所にいた

    ヘッドフォンを耳に当てながら、ノートパソコンをいじっている様だ

    「(壊れてないのかな)」

    クリスタはパソコンの具合が気になったが、クラスメイトの会話から逃れられずにいた

    結局放課後まで、ノートパソコンの具合を確認する機会に恵まれなかった
  12. 12 : : 2015/01/27(火) 22:39:33
    最後の講義が終わるや否や、クリスタは部屋の隅に歩み寄った

    「パソコン、大丈夫?」

    彼の肩をつんつんとつつきながら、クリスタは声をかけた

    彼はノートパソコンを開いていじっていたが、突然の感覚と聞き馴染みの無い声に、びくっと体を震わせた

    そしてパソコンをパタンと閉じて、鞄にしまいこんだ

    「ねえ、パソコンは壊れてないのかな?」

    クリスタがもう一度、今度は彼の顔を覗きこむように見ながら言うと、彼は後ずさった

    そして、信じられない物を見るような目で、クリスタを見た

    「こ、壊れていません………」

    小さな声でそう言うと、視線を反らして立ち上がった

    「でも、さっきいじってた時、画面真っ暗だったよ?やっぱり壊れてるんじゃないの?」

    クリスタがそう言うと、彼はしどろもどろに口を開く

    「あ、あの……、古いパソコンなので、おかしくなる……んです」

    「要するに壊れてるんでしょ?」

    「……はい」

    彼は自分が悪いことをしたように、俯いてしまった
  13. 13 : : 2015/01/27(火) 22:43:36
    「弁償するね。私がぶつかったせいで壊れたんだし」

    クリスタはそう言うと、鞄から財布を取り出した

    おあつらえ向きに、昨日モデルの給料が入った所だった

    「弁償……いえ、そ、そんな……古いパソコンで、いつ壊れてもおかしくないやつで……」

    「でも、大事なんでしょ?いつも持ち歩いてるじゃない」

    クリスタは財布から万札を数枚取り出して、彼…モブリットに押し付けた

    だが、彼はますます後ずさる

    「本当に、いりませんから……」

    モブリットは今にも泣き出しそうな顔をしていた

    クリスタはその様子を見て、お札を財布に戻した

    何だかいじめっ子の様な気分になってしまったのだ

    実際彼はクラスメイトからある意味距離を置かれた存在

    自分だってそのうちの一人だとクリスタは理解していた

    直接いじめているわけではなくても、何だか居たたまれなくなった

    「わかったよ。じゃあ、パソコンを見に行かない?半分、出してあげるから。それならいいよね?」

    クリスタはわざと明るくそう言うと、モブリットに手を差しのべた

    「え……?」

    モブリットは目をぱちくりして驚いた

    自分とは違う世界にいる人に、突然手をさしのべられたからだ

    「パソコン、買いにいこう!」

    クリスタは、らちが明かないモブリットの手を半ば無理矢理取ると、まるで彼を引き摺るように講義室を出た

    クラスメイト達の疑問のような悲鳴のような言葉を背後から浴びながら
  14. 14 : : 2015/01/27(火) 23:16:31
    「パソコンって、どこに良いのが売ってるの?やっぱり秋葉原?」

    クリスタはモブリットの手を引きながら尋ねた

    「あ、あ、あの…………」

    モブリットはさながら金魚の様に口をぱくぱくさせながら、言葉を発しようとして失敗した

    「どうしたの?」

    クリスタが立ち止まって首を傾げると、彼は顔を真っ赤にしていた

    「あの、ですね…」

    モブリットは気恥ずかしげに、視線を繋がれた手に向けた

    クリスタは彼の言いたい事がわかって、握り締めていた手を離した

    「あ、ごめんね!ついうっかり!」

    「あの、いえ、そんな……」

    モブリットはますます頬を紅潮させた

    「で、パソコン何処に買いにいくの?」

    「あ、ですが……本当に、いいんです。弁償なんて……」

    クリスタの問いに、モブリットはしどろもどろになりながらも必死で答えた

    大学内で殆ど会話をしない彼にとっては、他愛もない受け答えであっても、緊張を強いられるものであった

    「弁償はするって決めたんだよ?だって私がスマフォいじってて前見てなかったせいで、ぶつかったわけじゃない。だから、弁償させてくれなきゃ、何だか胸がつっかえちゃうの」

    クリスタは少々頬を膨らませながら、不服そうに言った

    「あの、お気持ちはその、嬉しいんですが……今日は約束が、その……」

    モブリットは言いにくそうに言葉を発した

    「約束?誰かと会うの?あっ、もしかして彼女とかかな?!」

    「ま、まさか……ゆ、友人です」

    モブリットはぶんぶん首を振った
  15. 15 : : 2015/01/28(水) 06:59:24
    「私が行ったら、邪魔かな?」

    クリスタは唇を少々尖らせて、上目使いで問い掛けた

    「いや、そんな事はないんですが…」

    「だったら着いていこうかな、今日は暇だし」

    クリスタはそう言うと、くるりと踵を返して歩き始めた

    モブリットはその場に立ち尽くしている

    しばらく歩いた後、クリスタは体ごと振り返った

    そして、一歩も動こうとしないモブリットを見つけた彼女は……

    「そんなに私と一緒に行くのが嫌なんだ」

    腕組みをして、神妙な顔つきでぼそっと、だが確実にモブリットに聞こえるように言葉を発した

    「い、嫌なんかじゃ……ですが、その……」

    「もうっ、早く行こうよ?時間がもったいないよ!」

    結局クリスタは、気が進まない感じのモブリットの手を無理矢理引っ張って、秋葉原へ向かうのであった
  16. 16 : : 2015/01/28(水) 08:19:49
    「わーっ!秋葉原だ!いっぱい電気屋さんがあるね!」

    クリスタは感嘆の声を上げた

    彼女の足取りは軽い

    まるで弾むように歩きながら、物珍しそうに、視線をくるくるさせていた

    「………」

    モブリットは彼女の3メートル程後方を、困った様な表情をしながら歩いていた

    自分の楽園、隅々まで知り尽くした秋葉原

    この場所に何となくそぐわない、彼女

    その後ろ姿はさながら、小さな蟻の上で美しい羽を広げて飛ぶ蝶の様だった

    秋葉原にも女子は沢山いる

    可愛い人も、美人もいる

    だが、クリスタは別格だった

    奔放に歩む彼女は、道行く人々の羨望の視線を浴びていた

    だが彼女は、視線を浴びても恥ずかしがる事はない

    むしろ、その視線を向けてくる相手に笑顔を見せるほど余裕があった

    その様子を見るともなしに見ていたモブリットは、彼女が視線を浴びる事に慣れているんだろうと思った

    自分が大学で浴びる視線とは異なる、好意的な視線を………
  17. 17 : : 2015/01/28(水) 08:30:46
    しばらく宛もなく歩いていると、不意にクリスタが立ち止まって振り返った

    「ね、パソコンは何処で買うの?あ、その前にお友達と会うんだよね?」

    クリスタの言葉に、モブリットは胸のポケットにあるスマフォを取り出した

    先程から何度も着信バイブがついていたそのスマフォ

    案の定、待ち合わせていた友人からのLINEメッセージが届きまくっていた

    「あ、はい。ですが……」

    モブリットは小さな声でそう言うと、言葉を止めた

    彼はクリスタと一緒に友達の所へ行く事に、なんとなく気が引けていた

    なぜなら彼の友人もれっきとしたおたくだから

    彼女の様な人目を引く場違いな人と自分が一緒にいる所など、友人にも誰にも、見られたくなかった

    彼女に迷惑がかかると思っていたのだった

    だが、そんなモブリットの気持ちはクリスタには伝わるはずがない

    モブリットは肝心な事を一言も言おうとしないからだ

    「私はその友達と会っちゃだめなのかな?失礼な事とかしないよ?」

    彼女拗ねたような口調で、モブリットにそう問い掛けた

    「失礼なんて、いや、違うんです……」

    モブリットは明らかに気分を害したような彼女に、言い訳する言葉すら見つからずにおろおろした

    「失礼じゃないの?」

    「……はい」

    「じゃあ、一緒に行こう?」

    そう言って笑顔を向けるクリスタに、モブリットはこくりと頷くのであった
  18. 18 : : 2015/01/28(水) 14:06:00
    いつもの待ち合わせ場所『ガンダムカフェ』に、致し方なしにクリスタを伴ってやってきたモブリット

    「わ、何?コーヒーの店?変わってる!ガンプラ焼きって何?美味しそう!」

    クリスタは全く引くような素振りを見せず、店の前の看板やらメニューを見て歓声を上げた

    ガンダムカフェはその名の通り、ガンダムの世界をモチーフにしたカフェだ

    メニューも、ガンダムファンならくすりと笑うようなニュアンスの名前が多く、ファンは足繁く通っていた

    「ガ、ガンプラ焼きは、たい焼きみたいな物です」

    「形がガンダムなんだね!おもしろーい!あっ、中に入ろっか!」

    伴ってきたはずのクリスタに、逆にモブリットはエスコートされながら、ガンダムカフェに入った
  19. 19 : : 2015/01/28(水) 14:37:57
    モブリットは店内を見回し、友人の姿を確認すると、ちらりと後ろを見た

    すると、大きな青い瞳と目があった

    「……!」

    モブリットは慌てて目をそらすと、友人の方に歩み寄った

    「おっ!モブリット氏、遅いですぞ?」

    「すみません、グンタ氏……」

    モブリットが不思議な髪形……まるで栗のような形の頭の男に頭を下げた、その瞬間


    「こんにちは! 」

    モブリットの背後から、ひょこっと顔を出しながら、クリスタは笑顔で挨拶をした

    「おっ、こんにちは。っておぉい!女神がいるではないか! リアル女神が! モブリット氏、これは一体どういう事ですかな?! ついに貴殿は召喚魔法を使えるようになったのですかな?! 」

    栗頭のグンタは、興奮ぎみに捲し立てた

    「やだあ、女神だなんて」

    クリスタは頬を染めた

    「あ、あ、あの、その、この方は……」

    モブリットはしどろもどろになりながら、クリスタの事を説明しようとした

    「私はクリスタ・レンズ。モブリット君のクラスメイトなの。グンタ君、よろしくね」

    「クリスタ嬢ですか! お初です。拙者はグンタ・シュルツ、しがない二次元おたです、よろしくですぞ」

    グンタとクリスタは、握手を交わした

    「グンタ君、なんか可愛いの飲んでるね?」

    「おお、さすがはクリスタ嬢、お目が高い。これはハロラテというカフェでしてな。実は本日二杯目ですぞ」

    「ハロラテ?なんか可愛い顔が書いてあるね。私もハロラテにする! 」

    クリスタは席に座ると、メニューを見ながら頷いた

    「まあ、ハロについてはモブリット氏の方が詳しいですぞ。彼は元祖ガノタですからな」

    気配を消すように黙って座っていたモブリットは、びくっと体を震わせた

    「ガノタ?」

    「ガンダムオタクの事ですぞ、クリスタ嬢」

    クリスタの疑問に、グンタはきっぱりそう答えたのであった
  20. 20 : : 2015/01/28(水) 14:43:21
    「モブリット君は、ガンダムが好きなんだね」

    「そうですぞ。彼はシャア・アズナブルに敬意を表する男なのですぞ」

    クリスタとグンタの言葉に、いちいち心臓を握られた様に感じたモブリット

    何となく恥ずかしくて、俯いていた

    クリスタはそんな彼の様子を見とがめて、首を傾げた

    そして、俯く彼の顔を下から覗く

    「モブリット君どうしたの?具合でも悪いのかな?」

    「………!」

    至近距離のクリスタの顔に、モブリットは驚き目を見開いた

    そして、その視線に耐えられなくてすぐに目を閉じた

    「モブリット氏、恥ずかしがりすぎですぞ?」

    その様子に、グンタが肩をすくめた

    「恥ずかしい……?」

    クリスタはきょとんとした表情で、グンタとモブリットに交互に視線を向けた
  21. 21 : : 2015/01/28(水) 14:43:55
    「嬢、そうですぞ。モブリット氏はあまり人と接するのが得意では無いですからな。ましてや嬢の様なべらぼうな美人相手だと、息も出来ないかもしれませんぞ」

    「そんなに美人じゃないよ、私は」

    クリスタは頬を膨らませた

    「いやいや、嬢。そこがあなたの良いところなんでしょうな。適度な謙遜は人をいい気分にさせるものですからな。だがしかし、嬢は本当に通常の3倍は美人ですぞ」

    「通常の3倍?」

    「それについても、モブリット氏が詳しいですぞ。モブリット氏、一言くらい話すべきですぞ?」

    グンタの言葉に、モブリットはおそるおそる顔を上げた

    だが二人の視線は、彼が予想していたよりもずっと温かく、柔らかなものだった

    モブリットはふぅ、と息をついた
  22. 22 : : 2015/01/28(水) 14:44:43
    「クリスタ……さん、 通常の3倍と言うのはですね、機動戦士ガンダムのジオン軍のパイロット、シャア・アズナブル専用の乗る赤く染色されたザクの性能の事なんです。量産型のザクにくらべて通常の3倍速いと敵に言わしめたと言う話から……あっ」

    モブリットはそこまで言って言葉を止めた

    クリスタが驚いた様に自分を見つめていたからだ

    「す、すみません……ガンダムの話なんかしてしまって」

    自分が好きな話題につい地が出てしまったとモブリットは反省し、頭を下げた

    すると、クリスタが首を振った

    「ううん、全然いいよ。モブリット君て結構喋るんだなって、びっくりしただけだから」

    彼女はそう言うと、ふわりと微笑んだ

    「嬢は知らないんですな。モブリット氏はガンダムの事になると饒舌になるのですぞ」

    グンタの言葉に、クリスタは頷く

    「うん、モブリット君は学校では殆ど…ううん、全く話さないから」

    「コミュ障もここまでくると立派な病気ですぞ、モブリット氏」

    「………す、すみません、グンタ氏」

    モブリットは、何故かグンタに頭を下げたのだった
  23. 23 : : 2015/01/28(水) 16:51:13
    「ところでクリスタ嬢、今日は何でまた秋葉に?しかもモブリット氏と……意外すぎる取り合わせで、拙者はびっくりしましたぞ」

    グンタの言葉に、クリスタはハッとしたような顔をした

    「あーっ、忘れていたよ。モブリット君のパソコンを買い来たんだった」

    「氏のパソコンがどうかしたんで?」

    「うん、私が走っててぶつかっちゃってね、モブリット君のパソコン壊しちゃったの。だから弁償しようと思って」

    クリスタは申し訳なさそうにそう言った

    「弁償なんて………」

    「モブリット君はこれしか言わないの」

    クリスタは頬を膨らませながら、モブリットを指差した

    「まあ、氏は気を使いまくる人種ですからなあ。クリスタ嬢に金を出さすなんて許せないのだと思うのです」

    グンタがそう言うと、モブリットはうんうんと頷いた

    「でも、半分くらい出させて欲しいの。というか出すって決めたから」

    クリスタは笑顔で言った

    「で、でも…………」

    「モブリット氏、嬢には勝てそうにないですぞ。さっさと白旗を上げた方が無難に思いますぞ」

    「そうそ、グンタ君のいう通りだよ」

    クリスタの言葉に、モブリットは項垂れた

    そして、小さな声で

    「わかりました」

    と言うのだった
  24. 24 : : 2015/01/28(水) 17:00:36
    「いいパソコン見つかって良かったね」

    結局クリスタに押し負けて、半分出してもらってノートパソコンを新調したモブリット

    クリスタの満足げな表情にひきかえ、モブリットはまだ悩んでいる様だった

    「本当に、すみません…クリスタさん」

    「モブリット氏、まだ引き摺っているみたいですぞ、嬢」

    グンタの言葉に、クリスタは肩をすくめた

    「モブリット君て、結構しつこいよね」

    「さすがは嬢、わかっていらっしゃる。モブリット氏は根に持つタイプですぞ。ゆめゆめ気をつけられよ」

    「ちょ、ちょっと! 俺はそんなタイプじゃないですよ! 」

    好き勝手言われまくったモブリットは、ついに我慢できずに叫んだのであった
  25. 25 : : 2015/01/28(水) 18:15:29
    「あー、今日は楽しかったな。グンタ君面白いし、ガンダムカフェのディナーも美味しかったし、ですぞ! あはは 」

    秋葉原から帰る電車の中で、クリスタは楽しげに笑っていた

    その様子を未だに信じられない、といった感じで見つめるモブリット

    これは夢なのかもしれない

    自分とは人種どころか、住んでいる世界も違うと思っていた、学園のマドンナ的存在のクリスタが、自分の隣で笑っているなんて

    夢に違いない……だが、やはり夢ではない

    手に持った紙袋……彼女の厚意に甘えて買った、スペックの良いノートパソコン

    その重さが、今のこの状況が現実である事を示していた

    モブリットが何も言わずに俯いていると、クリスタが顔を覗いてきた

    「パソコン重たいの?半分持ってあげようか?」

    「! いいえ、大丈夫です」

    モブリットは弾かれたように顔を上げた

    「そっか。通常の3倍疲れた顔をしてるから…あはは」

    クリスタの言葉に、モブリットはぎょっとする

    「通常の3倍……?」

    「習ったばかりの言葉を使ってみたのですぞ!モブリット氏 ………あはは! 」

    クリスタはそう言うと、無邪気に笑った

    「クリスタ……嬢」

    「そうそれ、それもグンタ君に言われたのがはじめてだよ。 気に入っちゃったから、そう呼んでね?モブリット君」

    クリスタの言葉に、モブリットは素直に頷いたのであった
  26. 26 : : 2015/01/28(水) 18:58:18
    クリスタの家の最寄り駅に着いた時、モブリットも一緒に電車を降りた

    「あら、私と同じ駅なの?モブリット君」

    「いいえ、俺はまだ先の駅なんですけど…、その……」

    そう言うと、モブリットは自分のスマフォの画面をクリスタに見せた

    「ふふっ……あははは! 」

    クリスタはそれを見て、突然笑い始めた

    画面には、先程からひっきりなしに入っていた形跡のある、LINEメッセージが写し出されていた

    グンタからのLINEだった

    内容は……

    「暗くなっているので、家の近くまで送ります、クリスタ嬢。と、ごく自然に言うのですぞ!ふふっ 」

    クリスタが読み上げながら笑う

    「あは、絶対に送るんですぞ?でなければ友達やめる覚悟ですぞ! って。……あはは」

    クリスタはLINEの内容だけに笑ったわけではない

    そんなメッセージなどわざわざ自分に見せずに、気の効く男を演じれば良かったのに

    馬鹿正直なモブリットが楽しくて、笑っていたのであった
  27. 27 : : 2015/01/28(水) 19:43:07
    「あ、このマンションのね、8階、右端が私の家なの。今日はパパもママも遅いから、私一人なの」

    クリスタは部屋を指差しながらそう言った

    「一人……気をつけて下さい、クリスタ嬢。今日は、パソコンをありがとうございました」

    モブリットは頭を下げた

    「ほんとに楽しかったよ! また、秋葉原に連れていってね?グンタ君ともLINE交換しちゃったし。またハロラテ飲もっと」

    「…………は、はい」

    「じゃあまた明日、学校でね?バイバイ」

    クリスタはそう言うと、パタパタと走ってマンションに入っていった

    モブリットはしばらく、クリスタが去った方を見つめていたが、やがて建物の上に目をやった

    彼女が指していた8階の右端の部屋

    しばらく見ていると、その部屋に明かりがついたのがわかった

    「………」

    それを確認して、息をついたその時

    8階の部屋のバルコニーに人影が見えた

    そしてLINEの通知

    人影は手を振っていた…モブリットに向かって

    LINEのメッセージの内容は…

    『また遊んでね! モブリット氏』

    モブリットは手を遠慮がちに振り返すと、足早にその場を後にしたのであった
  28. 28 : : 2015/01/28(水) 19:45:25
    その日から、二人の奇妙な関係が始まった

    大学のマドンナ的存在であるクリスタは、数多のエリート男子からのアプローチをスルーして、クラスで浮いているモブリットによく話しかける様になった

    それだけではなく、一緒に下校する姿が度々目撃された


    モブリットはと言えば、相変わらず大学内では殆ど口を開く事はなかった

    だが、クリスタが話しかけてくればそれには応じていた

    決して自ら話しかけに行く事はしなかったが
  29. 29 : : 2015/01/28(水) 19:45:56
    「今日は、仕事があるから秋葉に行けないんだ…グンタ君によろしく伝えてね、モブリット君」

    予定がない日はモブリットの後について、秋葉原に行くのが何故か日課になっていたクリスタ

    「はい、了解しました。クリスタ嬢」

    「じゃあ、また明日ね! 」

    クリスタはそう言うと、講義室を後にした

    モブリットも部屋を出ようとした時、微かにクラスメイトの言葉が耳に入ってきた

    「……あんなオタリットの何処がいいんだろうな」

    「マドンナの品位が落ちるよね」

    モブリットは聞こえなかった振りをして、部屋を後にした
  30. 30 : : 2015/01/28(水) 19:53:25
    「今日はクリスタ嬢は仕事か、大変ですな」

    いつものガンダムカフェで、ハロラテを飲みながら、二人は話をしていた

    「はい、そうですね。バイトではなく、仕事だとおっしゃってました、グンタ氏」

    モブリットの言葉を聞いて、グンタがぽん、と拳で手のひらを叩いた

    「そうでしたぞ。拙者は何処かで嬢を見たことがあった気がしていて…やっと見つけたのですぞ、嬢を」

    グンタはリュックから徐に、一冊の雑誌を取り出して示した

    「若者向けの、ファッション雑誌ですね」

    「そうですぞ。妹氏から拝借してきたのだが、驚くなかれ……モブリット氏、ここを見て欲しいですぞ」

    グンタが雑誌のページをめくり、ある部分を指差した

    モブリットはそれを見て、はっとした

    「これは、クリスタ嬢?」

    「うむ。クリスタ嬢は、読者モデルらしい。ただ者ではない見た目であったからなるほどな、と思ったが…というか、モブリット氏、クラスメイトなのにそんな事も知らないとは…世捨て人甚だしいですぞ?」

    「す、すみません、グンタ氏」

    モブリットは頭を下げると、クリスタが写っているページを、食い入るように見つめた

    「可愛いですな。どうやら中学生の時から読者モデルとして活躍していたらしい、読者モデルのベテランですぞ」

    「………はい」

    写真に写るクリスタは、いつもと同じ弾けるような笑顔を見せていた

    色とりどりの可愛い服を着こなして、ぴかぴかに光っている様に、モブリットの目には映った

    明らかに、こちらにいてはいけない人だと思った
  31. 31 : : 2015/01/28(水) 19:57:04
    「モブリット君、今日は秋葉、一緒に行くね?」

    翌日の放課後、モブリットがノートパソコンをリュックにしまっていると、クリスタが声をかけてきた

    「あ、あの………今日は……」

    モブリットはクリスタに言いにくそうに、話を切り出そうとした

    「今日は何?」

    クリスタがモブリットの顔を覗き込むと、彼はぎょっとした様に後ずさる

    その時だった

    「クリスター!この間言ってた医大生との合コン、今日だよ?わかってるよね」

    クリスタは、クラスメイトの言葉にハッとしたような顔をした

    クラスメイトを振り返り、口を開こうとした

    「私は……」

    「早く行こう?間に合わなくなっちゃうよ?」

    クリスタは、クラスメイトに連行される様に、講義室から出ていった

    彼女は部屋から出る瞬間、モブリットの方に視線を合わせた

    彼はリュックを背負おうとしていて、クリスタを見てはいなかった

    「(何か言いたそうにしてたけど…なんだろ。迷惑だとか言いたかったりして)」

    クリスタは何となく気にしながら、クラスメイトの強引な誘いに無理矢理乗せられたのであった
  32. 32 : : 2015/01/28(水) 19:57:59

    秋葉原からの帰り、いつもよりも重い足取りで帰宅の途についたモブリット

    何だか体が重かった

    心にも、どこかを刺すような痛みがある様に感じた

    医大生との合コン…そうだ、彼女はそういう方面の人だ

    いくら気さくに声をかけてくれても、自分なんかと一緒にいるのはやはり不自然だ、そう思っていた

    ………あんなオタリットの何処がいいんだろう、というクラスメイトの言葉

    それは自分も疑問に思っている事だ

    何で自分に、クリスタの様な人が積極的に関わってくるのか

    おたくに興味を持ったのだとは思うが、こんなコミュ障の自分をわざわざ……

    理解できなかった

    だが彼は、クリスタと過ごす事を、実は楽しんでいた

    クリスタがこんな自分に気安く、優しく接してくれるのが、とても嬉しかった

    その反面、苦しかった

    自分と一緒にいるだけで、クリスタがクラスメイトに揶揄されている事

    クリスタの品位を落としているのが自分だという事

    自分が悪く言われるのは一向に構わなかった

    だが、クリスタまでいわれてしまう事を、モブリットは悩んでいたのだった
  33. 33 : : 2015/01/28(水) 20:01:48


    「酔いは覚めたかい?」

    「……はい」

    クリスタは夜の街を、男と歩いていた

    合コンの二次会の後、飲みに誘われて、二人で歩いていた

    医大生の男

    今日のメンバーでは一番のイケメンだった

    「なあ、俺と付き合ってくれないか?クリスタさん」

    男はクリスタの手をぎゅっと握り締めて、そう言った

    クリスタはちらりと男を見た

    自分好みの甘いマスク

    医者予備軍、高級腕時計

    どれも合格ラインだった

    だが何故か、クリスタの心に彼の誘いは響かなかった

    「まだ、会ったばかりだよ?」

    クリスタがそう言うと、男は急に彼女の唇を奪った

    「んっ…」

    クリスタはいきなりのキスに、思わず声を出した

    「知り合った時間は関係ないと思うんだけどな」

    唇が離れると、男はそう言ってクリスタの頬を撫でた

    「……誰にでもやるんでしょ、それ」

    「まさか、やらないよ。狙ってる子にしかね」

    男は自信があるのだろう

    たぶん振られる事など考えていないのだ

    自分と同じ

    いや、同じではなくなってきているのかもしれない

    彼女の脳裏に浮かんだ、気弱で優しげな男の面影

    彼は自分がいくらアピールしようとも、乗ってはこないし、話しかけてもこない

    こんなことは、初めてだった

    クリスタは頭を振った

    「ごめんなさい、今は付き合うとか考えられないの」

    クリスタの言葉に、男は目を見開く

    その驚いた様子に、クリスタは自分の予想が当たっていたと確信した

    そして、自分が彼を振った第一号かもしれない、と思ったのであった
  34. 34 : : 2015/01/28(水) 21:09:06
    翌日

    「えーっ、クリスタ、振っちゃったの?イケメン!」

    「うん、何だか気が進まなくて……」

    クラスメイトの詰問攻めに内心辟易しながら、クリスタはため息をついた

    そんな事より気になる事があった

    いつもの隅の席に、モブリットの姿が無かったのだ

    クリスタは辺りを見回したが、モブリットは何処にもいなかった

    「(どうしちゃったのかな。もしかして、私が秋葉原にまで着いていくから、嫌になっちゃったのかな)」

    クリスタは言い様のない不安を抱えながら、思いきってLINEを開いた
  35. 35 : : 2015/01/28(水) 21:09:54
    一方その頃


    「ああ、頭が痛い………」

    クリスタの心配の元であるモブリットは、布団の中で唸っていた

    彼は悩みとは関係なく、風邪をこじらせて熱を出していたのであった

    仕方なく学校を休み、親友のノートパソコンも、スマフォも見る気にならず、愛用の『ザクッション』という、彼がリスペクトするシャアの愛機の頭の部分だけのクッションを抱いて寝ていた

    「寝たいのに、眠れない……お腹が空いたけど、作る気力も無い……。母さんは明日にしか帰らないしな」

    モブリットは熱のためか、熱い息を吐きながら、目を閉じた

    その時、玄関のチャイムが鳴った

    「………あ。来客?珍しいな」

    モブリットは痛む頭を手で支えながら、玄関の扉を開けた

    そして、そこにあってはならない、いや、いるはずのない人を目にして、扉を閉めた

    「ゆ、夢だ。夢に違いない……」

    モブリットがそう言って頭を振った時

    「モブリット君、開けて?」

    トントンと扉をノックする音と、美しい声

    モブリットは夢では無いことを確信して、そっと扉を開けた

    「こんにちは、モブリット君。熱は大丈夫?」

    そう言って心配そうに自分を見ているのは、紛れもなく、雑誌の中で輝いていたクリスタその人だった
  36. 36 : : 2015/01/28(水) 21:14:31
    「モブリット君に連絡しても繋がらなくって…グンタ君に聞いたら、熱出してるって…だからね、住所聞いて、来ちゃったの」

    クリスタはそう言うと、部屋に上がり込んだ

    「あ、あの……」

    「これ、ポカリ買ってきたよ?飲んで」

    クリスタは手に持った袋からペットボトルを取り出して、モブリットの紅くなっている頬に押し当てた

    「冷たっ……ありがとうございます」

    「何か食べられる?うどんとおじやならできるよ。ご飯があるみたいだし」

    クリスタはそう言うと、うどんの玉やら、卵やらを袋から取り出した

    「じ、自分でやりますから……あの」

    「いいよ、しんどい時くらい甘えるべきだよ?さ、どっちがいいの?」

    クリスタは有無を言わせないていで、だが優しい表情で問い掛けた

    「お、おじやがいいです……」

    「うん、任せて。モブリット君は寝てなさい」

    クリスタは笑顔でそう言うと、キッチンで作業を開始した

    モブリットはしばらくその後ろ姿を眺めていたのだが

    「ちょっと!早く寝てきなさいってば!」

    と、クリスタに叱られて、布団に潜り込んだのだった
  37. 37 : : 2015/01/28(水) 21:15:16
    「おいしい?」

    自分の正面で心配そうに声をかけてくるクリスタに、モブリットはなかなか目を合わせることが出来ずにいた

    おじやはおいしい

    熱のために味覚があまり働いていないが、それでも十二分においしいといえた

    心まで温かくなる美味しさだ

    素直に伝えたいのだが、気恥ずかしすぎてそれが出来なかった

    「……お、おいしいです」

    おじやを少しずつ口に運びながら、モブリットは辛うじてそう言葉を発した

    「そっか、良かった! 」

    クリスタの言葉に、モブリットは思いきって前を向いた

    そこには、向日葵のような明るい笑顔を見せるクリスタと目があった

    その笑顔が自分に向けられていると感じたその時

    モブリットは自分の頬が熱とは違った意味で紅潮したのがわかった

    それと同時に、心臓を鷲掴みにされるような、煮えきらない苦しい感覚にも、囚われたのであった
  38. 38 : : 2015/01/28(水) 21:20:54
    「いっぱい食べたし、後は寝るだけだね」

    クリスタはそう言うと、モブリットを布団に押しやった

    「あ、あの………」

    「ん?なぁに?」

    「あんまり近寄ったら………うつりますから……」

    自分の体に布団を掛けてくれるクリスタに、モブリットは小さな声で言った

    「大丈夫だよ。少しくらい。熱はどうかな」

    クリスタはそう言うと、モブリットの額に掌を当てた

    少し冷たいその感覚に、彼は思わず体を震わせた

    「熱高いね。あ、もしかして手が冷たくて震えた?ごめんね。さっき水を触ったから」

    「い、いえ……そんな事はない、です」

    モブリットはそれだけ言うと、目を閉じた

    額に残る感触を、覚えておけるように、ぎゅっと強く………
  39. 39 : : 2015/01/28(水) 21:32:06
    「これって、『通常の3倍』はやいザクだよね。可愛いクッション!」

    クリスタは、枕元に放置されていたザクッションを手にとって、ぎゅっと抱いた

    モブリットはそれを見て、急に慌て始める

    「あ、あ、それは…………」

    さっきまで自分が抱いていたクッション…だという言葉は言えなかった

    「あ、ごめんね、大事なクッション触っちゃって。あなたはシャアが好きだもんね」

    クリスタはそう言うと、ザクッションをモブリットの横に入れてやった

    「あ、いいえ、そうじゃなくて………」

    「可愛いね、ザクッション。並んで寝てるのも可愛いな…ふふっ」

    クリスタはそう言うと、おもむろにスマフォを取り出して写真をとった

    「あ、何を………」

    「並んで寝てるのが可愛くって……見て?」

    クリスタはスマフォをモブリットに見せた

    そこには、困ったような自分と寄り添うように、ザクが写っていた

    「これ、可愛い! 待ち受けにしようかな?」

    「えっ…………いや、それは」

    「ふふっ、冗談だよ。でも、大切に取っておこ。グンタ君にも見せてあげよう」

    クリスタはそう言うと、にんまりと笑った

    モブリットはそんなクリスタを、食い入るように見つめていた

    一度見てしまえば、もう目を離すことができない

    クリスタの瑞々しい表情と、明るく優しい眼差しに、自分が確実に惹かれているのだと、そう感じた
  40. 40 : : 2015/01/28(水) 21:36:48
    「ねえ、モブリット君。これって何?プラモデル?」

    棚にところ狭しと並んでいる物を指差しながら、クリスタは言った

    「そうですね…ガンダムのプラモデルと、ガレージキットです。自分で塗装するんですよ」

    「わ、自分で塗ったりもするんだ!」

    クリスタはたくさんのガンプラを、興味深げに眺めた

    「この、白い虫みたいなのがかっこいいね」

    「それは、 AMX-004。キュベレイですね。ハマーン・カーンというちょっときつい感じの女性の専用機です」

    「きつい感じなんだ…あはは。なんかわかるかも。癖が有りそうな形だもん」

    クリスタは楽しそうに頷いた

    「ハマーンは、そうですね。でも、まっすぐな人ですよ」

    「美人?」

    「……そう、ですね」

    モブリットはしばし考えてそう言った

    「私は、美人?」

    「…………えっ?」

    モブリットは鳩が豆をくらったような、呆けた顔をした

    「冗談だよ! 」

    クリスタはぷい、と顔を背けた

    「………美人、ですよ」

    モブリットは小さな声でそう言った

    「そっか、ありがとう」

    クリスタは笑顔を見せた

    モブリットはまた、その笑顔に引き込まれそうになる

    クリスタは美人だ、間違いはない

    だが、モブリットにとっては彼女の見た目より、気さくで明るく、何にでも興味を持つその心の方が、美しく見えていた

    それを口に出す事はできない

    やはり彼には、クリスタは眩しすぎた

    これ以上、惹かれてしまえばどうなるだろう

    そう考えると、絶対に手が届かない部分をかきむしりたいような、そんな衝動に駆られるのであった
  41. 41 : : 2015/01/28(水) 21:43:51
    クリスタが帰った後、モブリットはしばらく玄関の扉を見つめていた

    わざわざ病気の自分のために、ご飯を作りにきてくれたクリスタ

    何故自分にそこまでしてくれるかは、未だにわからない

    ボランティア精神が旺盛なのだろうか

    頼りないから、手を掛けずにいられないのだろうか

    首を振った

    限りなく優しいからだ

    そう思った

    自分はまともに自分の意見が言えない、情けない人間だ

    そんな自分に優しく接してくれる彼女に、惹かれるなと言うのが間違っている

    だが、これ以上はだめだ

    想うだけなら自由、だが、想う事すら不相応に思えた

    彼は布団に戻り、ザクッションを手にとった

    いけないとは思いながら、ついそれを抱き締める

    彼女の温もりは、最早そこには残ってはいないのに

    いや、残っていないからこそ、抱き締める事が出来たのであった
  42. 42 : : 2015/01/28(水) 21:45:07
    グンタ氏の一人称は「わし」よりも「せっしゃ」か「それがし」の方がよいのでは?
    とにかく期待ですぞ88氏
  43. 43 : : 2015/01/28(水) 21:46:27
    >>名無しさん☆
    ありがとうですぞ!拙者にかえてきますぞ♪
    期待ありがとうですぞ(*´ω`*)
  44. 44 : : 2015/01/28(水) 21:50:07
    対照的な二人のラブストーリーに乾杯←
    オタク設定とは斬新ですねw
    頑張ってください、期待していますw
  45. 45 : : 2015/01/28(水) 21:54:24
    >>いちごの兄貴☆
    コメントありがとう♪
    オタクリットwグループで頂いた案なんですよw
    頑張りますぞ、いちご氏(*´ω`*)
  46. 46 : : 2015/01/28(水) 22:20:48
    翌日


    熱が下がって、大学にやってきたモブリットが講義室に入った時、ちょうど耳に入ってきた言葉があった

    「クリスタ、やっぱり考え直しなよ。彼、凄く落ち込んでるみたいだよ?クリスタに振られてから」

    「……でも」

    クリスタは俯いていて、いつもの様な明るさは無かった

    「あんなオタリットにばかり気を取られてたら、いい男が逃げちゃうよ! クリスタのために言ってるの! 」

    クリスタにクラスメイトが詰め寄ったその時、モブリットはそっと、クリスタ達に歩み寄った

    その気配に気がついたクラスメイトが、はっと顔を強張らせる

    悪口が完全に彼の耳に届いていた事がわかったからだ

    「モブリット君、熱は下がったの?」

    クリスタは立ち上がり、彼の額に手を伸ばそうとした

    だが、その前にモブリットは、静かに口を開いた

    「俺も、そう、思います」

    小さな声で、だがはっきりとそう言った

    「えっ?」

    クリスタが聞き返した

    すると、モブリットは目を閉じて、また言葉を発する

    「皆さんの言う通りです。俺なんかを相手にしていては、だめです。あなたは、あなたの世界がある。俺には俺の世界がある。それは、同じ場所ではないんです……」

    目を閉じたままそう言ったモブリットに、クリスタは唇を噛み締めた

    「それって、あなたの世界に私が足を踏み入れたのが、迷惑だったって事かな?」

    クリスタのその問いに、モブリットは答えられなかった

    彼は目を閉じたまま、俯いた

    しばらく部屋に、沈黙が続いた

    「……………わかった。もう、迷惑はかけないから」

    クリスタはそう言い残すと、講義室を飛び出して行った

    「ク、クリスタ?!」

    クラスメイト達が後を追って部屋を出て行った

    モブリットは、足に重石がついたように、その場を動く事が出来なかった
  47. 47 : : 2015/01/28(水) 22:31:33
    秋葉原のガンダムカフェ

    いつものハロラテを目の前にしながら、モブリットは暗い表情を見せていた

    「モブリット氏、今日はえらく元気がありませんな。もしや、まだ風邪が治っていないんですかな?」

    グンタがその様子に、声をかけた

    「いいえ、グンタ氏、風邪は治りました」

    「何か、あったんですかな?クリスタ嬢の事ですな?」

    グンタの質問に、モブリットは頷く

    「………はい」

    「良ければ話してくれますかな?モブリット氏」

    グンタの言葉に、モブリットはぽつりぽつり話し始めた

    学校での出来事や、今までの心境を
  48. 48 : : 2015/01/28(水) 22:32:04
    「モブリット氏………それは感心しませんな」

    話を聞き終わったグンタは、憮然とした表情を見せた

    「そ、そうですか……そうですよね」

    「クリスタ嬢は眩しすぎる。彼女を好きになんて、不相応だ、というのは、わかるんですぞ。しかし……」

    グンタはそこで言葉を止めた

    「クリスタ嬢は、自分からモブリット氏に着いてきて、自分から、我々の世界に足を踏み入れた、歩み寄ってくれた。それは凄く勇気のいる事だと拙者は思う」

    「………はい」

    「折角歩み寄ってくれているのに、それを突き返すのは男としてだめだと思いますぞ」

    グンタの言葉に、モブリットは唇をかんだ

    「ですが……俺には、クリスタ嬢は……」

    「そろそろ素直に、自分の気持ちを伝えてみるべきだと思いますぞ。結果はどうなるかはわからなくても、ですぞ。モブリット氏は皆に気を使いすぎて、自分の意見が言えなくなった口。だが、ここで言わずにいつ言うんだという話ですぞ」

    グンタは真摯な眼差しを、モブリットに向けていた

    「………はい」

    モブリットは頷いた

    「クリスタ嬢の勇気を、明るさを、見本にするといいと思いますぞ。外野の事はこの際気にせず、どんと当たってくるんですぞ! 」

    「はい、行ってきます」

    モブリットは立ち上がり、駆け足でその場を後にした

    「モブリット氏に栄光あれ。ジーク、ジオン! 」

    グンタはハロラテを頭上に掲げて、一気に飲み干したのであった
  49. 49 : : 2015/01/29(木) 07:17:30
    辺りはすっかり夜になった

    モブリットは夕焼け空の中、クリスタの家のあるマンションについた

    それからその場で、彼女が帰宅するのを待っていた

    彼女に伝えられなかった事は、沢山ある

    それを頭の中で整理していたため、時間を忘れていた

    いくら整理したとしても、それをきちんとクリスタに伝えられるのか……

    モブリットには全く自信がなかった

    今まで一度も、自分の本心を語ったことはなかったからだ

    だが、必ず伝えなければならない

    モブリットは深く息を吸い込んで、ゆっくり吐き出した

    そして、空に視線を向けた

    星がきらきらと美しく瞬いていた

    まるで彼女の、笑顔の様に
  50. 50 : : 2015/01/29(木) 07:18:19
    それからしばらく、モブリットは星の数を数えていた

    全部数え終わる頃には、彼女は姿を見せるだろうか

    それとも、もう彼女は今日は帰ってこないんだろうか

    そんな不安がモブリットの脳裏をよぎった、その時だった


    「モブリット………君?」

    その声は、何度も自分の名前を読んでくれた、美しい声

    顔を確認しなくてもわかる…クリスタの声だった

    「モブリット君、どうしてここに?もしかして、待ってたの?」

    クリスタはパタパタとモブリットに歩み寄って、下から顔を覗いた

    モブリットはしばらくためらった後

    「はい。あなたに伝えたい事があって…」

    そう言って、彼女の目を見た

    その大きな青い瞳に自分が写っている事を認識した瞬間、また気恥ずかしさと息苦しさが首をもたげたが、ぐっとそれを抑え込んだ
  51. 51 : : 2015/01/29(木) 07:51:17
    「伝えたい事って何かな?」

    クリスタのその言葉に、モブリットは意を決したように口を開いた

    「あの…先程はすみませんでした。思ってもいない事を、言ってしまいました」

    「………」

    クリスタは静かに、モブリットの言葉に耳を傾けた

    「あなたが、俺のパソコンのために秋葉原に一緒に行ってくれた時、俺は恥ずかしいのと、信じられない状況とで、まともに受け答えできずに、挙動不審だったのに……」

    「あなたは全く気にする素振りも無くて、明るく話しかけてくれて、本当に、嬉しかったんです」

    モブリットは時に伏し目がちになりながらも、クリスタの顔を見ながら、ゆっくり話をした

    「グンタ氏とも楽しく会話をしてくれて、ハロラテも気に入ってくれて、本当に、嬉しかった」

    「通常の3倍を使ってくれた事も、ベランダから手を振ってくれた事も、嬉しかったです。なにより、あなたは俺の世界に踏み入れてくれて、それを楽しんでくれているようで、本当に幸せでした」

    「あなたは優しくて、勇気がある人です。こんな胡散臭いオタリットに着いてくるんですから、相当です。俺は、あなたを…心から尊敬します」

    モブリットはそこまで言うと、目を伏せて息をついた

    もう一度目を開けた時、クリスタは変わらず、大きな瞳で自分を見つめていた

  52. 52 : : 2015/01/29(木) 07:53:01
    「そんなあなたを、好きにならない男はいないと思います。俺も、例外ではありませんでした。会って話す度に、あなたに惹かれていきました」

    「ですが、あなたに惹かれていく程、怖くなりました。明らかに不相応な方に恋をしていると、自覚していましたから」

    「俺は、勇気がないから…傷付くのが怖かったんです。あなたを好きになればなるほど、その気持ちを持つこと自体が不相応としか思えなくて…。想う事すら、怖くなりました」

    「だから、先程の様な言い方をしてしまいました、すみません。俺は…あなたの事を、迷惑だなんて…思った事は、一度もありません」

    「あなたと過ごした時間は、幸せでした。色の無かった世界に、色がついたように、パッと明るくなりました」

    「それまではいろいろな事に目を向けずにいました。あなたが読者モデルをしていたことすら、知らないくらいです。酷い生き方をしていました」

    「これからは、もっと周りにも目を向けて生きていきたいと思います……ありがとうございました」

    モブリットは頭を下げた

    だが、そのまま頭を上げることが出来なかった

    彼の肩は、小刻みに震えていた
  53. 53 : : 2015/01/29(木) 10:24:51
    「モブリット君、顔を上げて?」

    クリスタは顔を上げようとしないモブリットに、極力優しく声をかけた

    それでも頭を下げたままの彼の頬に、手を伸ばして触れた

    その頬は、涙で濡れていた

    クリスタは何も言わずに、彼の背中をゆっくり撫でた

    彼の涙が止まるまで、ずっと……
  54. 54 : : 2015/01/29(木) 13:54:12
    やがてクリスタは、モブリットの背中をさすりながら口を開いた

    「モブリット君、ありがとう。あなたの気持ち、聞かせてくれて」

    「あなたは私に、胡散臭い自分に着いてくるなんて勇気があるっていったけど……少し違うんだよ」

    「あのね、あなたが胡散臭くなくていい人なのは、はじめて話したあの時からわかっていたの」

    「だってあなたは、大事なパソコンよりも真っ先に、私のスマフォを拾ったでしょ?私がスマフォを見ながら急いでいたのが悪いのに、謝るし……」

    「なんかね、そういう事ができる人って、おたくにはいないって思っていたから、凄く意外だったの。おたくじゃないに人だって、そんな気配りできる人少ないよ」

    「だから、私はあなたはいい人だって確信したの。誰がなんと言おうと、そう思ったの。だから、着いていったんだよ?」

    クリスタはそこまで言うと、モブリットの頬に両手を添えて、前を向かせた

    モブリットの涙でグシャグシャになった顔を見て、苦笑した

    「先にそんなに泣かれたら、私が泣けなくなっちゃうよ…もう」

    そう言って、モブリットの頬を軽く横に引っ張ったのだった
  55. 55 : : 2015/01/29(木) 14:36:06
    「それに、モブリット君は私が着いて行くと、なんだか迷惑そうだったから、少し悔しかったのも実はあるの。だって自慢じゃないけど私、男の人にそんな態度をとられた事なかったんだよ?」

    クリスタは、またモブリットの頬を引っ張った

    「め、迷惑だなんて……」

    「うん、だから嬉しかったの。迷惑だなんて一度も思った事はないって言ってくれて」

    「それにね、私の今まで言い寄ってきた人って、皆私の見た目とか、モデルとか…そんな外見に釣られてたの。でも、モブリット君は…私の中身を尊敬するって言ってくれたじゃない?それが、すっごく嬉しかったんだよ」

    クリスタはそう言うと、愛しげにモブリットの頬を撫でた

    彼はその感覚に、目を閉じた

    「私、ガンダムの事だってちょっとは勉強したんだよ?あなたがリスペクトする赤い彗星の事だって」

    「………ありがとうございます」

    モブリットはそう言うと、優しげな笑顔を見せた

    クリスタは彼が今まで見せたことがない表情を、食い入るように見つめた

    「モブリット君、私もあなたの事が、大好きだよ。だから……また一緒に秋葉に行こう?」

    クリスタはそう言うと、ふわりと彼に抱きついた

    「はい、よろしく…お願いします。クリスタ嬢」

    モブリットの手が遠慮がちにクリスタの背中に回された時

    彼の世界は確かに広がったのであった
  56. 56 : : 2015/01/29(木) 15:54:22
    しばらく二人は一つの影になっていたが、やがてどちらからともなく離れた

    「今日はパパもママも帰ってきてるんだよね…もう少し一緒にいたかったんだけど」

    クリスタはモブリットの両手を握りながら、名残惜しそうに言葉を発した

    「もう遅いです、ご両親が心配されますよ」

    「うん、そうだよね」

    そう言いながら尚も手を離そうとはしないクリスタに、モブリットは困ったような表情を向ける

    「明日も会えますよ、嬢」

    「ね、モブリット君は寂しくないの?私だけが寂しいのかな……?」

    クリスタは何とも寂しげな表情を見せた

    「そんな事、無いです。俺も、寂しいですよ」

    「本当に?」

    クリスタは、ずいっとモブリットの顔に自分の顔を近付けて言った

    「ほ、本当です………」

    モブリットは間近に迫るクリスタの顔に、顔を紅潮させた

    長いまつげに縁取られた大きな瞳が、瞬きをする瞬間まで把握できる、そんな距離

    モブリットはその近さに堪らず、思わず目を閉じた

    その瞬間、しっとりとした柔らかい感触が微かに彼の唇に触れた

    「?!」

    モブリットが慌てて目を開けると、クリスタか不満そうに唇を尖らせていた

    「次からは、モブリット君からしてくれなきゃ嫌だからね?……おやすみ」

    クリスタはそう言うと、くるりと踵を返してマンションに入っていった
  57. 57 : : 2015/01/29(木) 16:26:55
    モブリットは彼女の去った方向を眺めながら、自分の身に起こった事に未だに実感がわかず、しばらく呆けていた

    しばらくすると、LINEの通知音が鳴った

    スマフォの画面には、クリスタからのメッセージ

    『モブリット氏、キスの約束お忘れなく、ですぞ?』

    「キ……ス?」

    クリスタからのメッセージで、やっと自分が先程キスをされたのだと認識したモブリット

    とてつもなく恥ずかしくなって、その場で崩折れそうになる

    顔に火がついた様に熱い

    彼のファーストキスだった
  58. 58 : : 2015/01/29(木) 16:43:24
    しばらくすると、また手元で通知音が鳴った

    『上、上!』

    そのメッセージに、モブリットは視線を上に向ける

    すると、バルコニーで手を振るクリスタが見えた

    モブリットはクリスタに手を振り返し、踵を返した

    ゆっくり歩みながら、手元のスマフォにメッセージを打ち込んで送信する

    『おやすみなさい、また明日』

    そういえば、別れの挨拶すらしていなかった事にいまさら気がついたのであった

    『また明日ね☆』

    そのメッセージを確認して、彼は頬を緩ませた

    明日も明後日も、クリスタと共に過ごせる

    そんな今まで一度も味わったことの無い期待感と幸福感が、彼の体も心も暖かくしていく

    これほど明日が待ち遠しいと思った事はない

    彼は足取り軽く、家路に着いた
  59. 59 : : 2015/01/29(木) 16:48:07
    翌日

    「ほ、本気なの?!クリスタ!」

    「何でよりによってあいつなんですか、クリスタさん!」

    クリスタはクラスメイト達に囲まれながら、詰問攻めにされていた

    「何でって、いい人だし、可愛いからだよ?」

    クリスタがそう言うと、周囲がざわつく

    「いい人だなんて…胡散臭いならわかりますけど」

    「どうしちゃったの、クリスタ!目を覚まして?!」

    「医大生の彼の方がいいって!絶対に後悔するよ?!」

    クラスメイト達は、半分悲鳴のような声をあげていた

    クリスタは最初こそにこにこ笑って聞いていたが、だんだん表情が変わってきていた

    「あんなおたくのどこがいいんですかっ、クリスタさん! 」

    その言葉に、ついにクリスタは弾かれたように立ち上がり、机をバン! と叩いた
  60. 60 : : 2015/01/29(木) 16:48:43

    「おたくが彼氏で何が悪い! 」


    そう大声で叫ぶと、取り巻きの一人の男の襟首を掴んだ

    「ク、クリスタさん……?」

    「モブリット君の事、何にも知らないくせに、胡散臭いとかばかにしないでよ! 」

    そう言うと、襟首を離して後ろに突き飛ばした

    そしてもう一人に掴みかかろうとしたその時だった


    「嬢、落ち着いて下さい! 」

    ちょうど教室に入ってきたモブリットが、割って入ってきた

    「モブリット君……だって」

    クリスタは不貞腐れたように、唇を尖らせた

    「いいえ、わかっています。声が聞こえていましたから。俺を庇ってくれていたんですね、ありがとうございます」

    モブリットはクリスタの手をぎゅっと握りながら、はにかんだ様な笑みを浮かべた

    その様子を、クラスメイト達が固唾を飲んで見守った

    クラスメイト達は、モブリットが笑うところなど見たことがなかった

    何時もとは明らかに様子が違うオタリットに、皆一様に困惑していた

    「モブリット君はいい人だよ。それなのに……」

    クリスタは、今にも泣きそうな表情をモブリットに向けた

    「あなたにそう思ってもらっているだけで、充分です、俺は。だから、皆さんとはいつも通り、仲良くして下さい、嬢」

    「モブリット君………」

    クリスタは、モブリットの手をぎゅっと握り返した

    モブリットは彼女の手をそっと離すと、クラスメイトを見回した

    そして、意を決したように口を開く

    「俺のせいでお騒がせして、すみませんでした。これからも彼女の事、応援してあげて下さい。よろしくお願いします」

    モブリットはそう言って、頭を下げたのだった
  61. 61 : : 2015/01/29(木) 16:49:07
    「モブリット君……」

    クリスタは彼の姿を見つめながら、涙腺を弛ませた

    クラスメイトに後ろ指を指され続けて、今まで一言も話さなかった彼が、勇気を振り絞って皆に話をしてくれた……自分のために

    クリスタは本当に嬉しかったのだ

    「嬢?! 大丈夫ですか?」

    クリスタがぽろぽろと涙をこぼし始めたのを見て、モブリットは慌てふためいた

    あちこちのポケットを探り、リュックのポケットからやっとハンカチを探しだして、クリスタの頬にあてた

    「大丈夫だよ、モブリット君。ありがと」

    クリスタは涙を流しながらも笑顔を見せた

    「そ、それなら良かったです」

    モブリットはホッとした様に息をついた

    「だって、嬉し泣きだからね、ふふっ」

    「嬉し泣き、ですか……っ」

    モブリットの言葉を遮るように押し付けられた、クリスタの唇

    それは一瞬触れて、すぐに離された

    だが、周りの動揺を誘うのには充分だった

    クリスタはそんな状況の中、クラスメイトに向かって口を開いた

    「私から好きになったの、モブリット君の事。これからも、私たちと仲良くしてね」

    クリスタはそう言うと、クラスメイトに笑顔を向けた

    すると、何処からともなく、拍手が聞こえてきた

    やがて拍手の波は、クラス中に波及したのであった
  62. 62 : : 2015/01/29(木) 16:51:07
    「モブリット君、行こう?」

    拍手の中、クリスタが彼の手を引く

    「えっ?何処に行くんですか?今から講義が……」

    「今日はさぼろう!」

    「ええっ?!」

    狼狽えるモブリットの手を引きながら、講義室を出るクリスタ

    彼女の表情は、太陽の様に燦々と輝いていた

    一方引き摺られる様に手を引かれているモブリットは……

    彼女のその明るい笑顔を見て、微笑みを浮かべていた
  63. 63 : : 2015/01/29(木) 16:51:35
    「秋葉もいいけど、渋谷も行こうね?今度服をコーディネートしてあげるね。あと、スタバも行きたいし」

    クリスタは手を離したと思いきや、今度は腕を絡ませながら、モブリットに話しかけた

    「では、今から渋谷へ行きましょう、クリスタ嬢」

    「いいの?」

    クリスタはモブリットの顔を覗き込んだ

    「俺も、あなたの世界を知りたいですから。教えて下さい」

    「うん! 任せて! モブリット君は素材は悪くないもん、絶対化けるよ!いい写真が撮れるはず… ふふふっ」

    クリスタは不敵な笑みを浮かべた

    「何を企んでるんですか、嬢……」

    モブリットはなんだか嫌な予感がして、ぶるっと身を震わせた

    「決まってるじゃない。私の彼氏として雑誌で紹介………」

    「嫌ですよ! 何を言ってるんですかっ! 」

    モブリットは顔を真っ赤にして首を振った

    「するんだもん、決めたんだから」

    クリスタはそう言うと、ふん、と鼻を鳴らした

    「無理ですってば! 恥ずかしいですし、第一おたくが彼氏なんて………」

    「おたくが彼氏で何が悪い! これをキャッチフレーズにしよう。秋葉系のおしゃれ女子にも受けそうだよ」

    「嬢、俺の話し聞いてないでしょう?! 」

    二人の押し問答は、結局モブリットが折れるまで続くのであった
  64. 64 : : 2015/01/29(木) 16:51:59

    そして数ヶ月後

    モブリットは、読モを捕まえた『奇跡のオタク神』として、秋葉では知る人ぞ知る有名人になるのであった


    ─完─
  65. 65 : : 2015/01/29(木) 16:52:20
    番外編《おたく、車を買う》


    「モブリット君、最近あんまり秋葉行かないし、デートもしてくれないなあと思ってたら、死ぬほどバイトしてたんだね。しかも車を買うために」

    スタバのフラペチーノを飲みながら、頬を膨らませているクリスタ

    「そ、そうなんですよ…黙っていてすみません」

    「いいんだけどね?まさか浮気かなとか、ほんのちょっと心配しちゃったよ」

    「すみません、クリスタ嬢。どうしても欲しい車があってですね…」

    そう言うと、モブリットは顔をみるみるうちに緩めた

    「欲しい車?モブリット君車になんか興味なかったはずなのに」

    「あ、まあ、その……今日が納車なんで、是非一緒に来て下さい、嬢」

    「うん、それはいいけど。ていうか、モブリット君珍しいくらいにやにやしてるね」

    クリスタは、そわそわと落ち着きがないモブリットに、怪訝そうな表情を向けた
  66. 66 : : 2015/01/29(木) 16:52:47
    ネッツTOYOTAにて

    「な、な、何この車……」

    モブリットが買った車を見て、クリスタは唖然とした

    「オーリスですよ、嬢」

    「ただのオーリスじゃないでしょ、これ」

    クリスタはじと目でモブリットを見た

    「シャア専用オーリスです! 」

    「そんなの言われなくても見ればわかるよ! 」

    モブリットが買った車は、TOYOTAのオーリス

    それの特別仕様version、『シャア専用オーリス』だった

    シャアの異名、赤い彗星のイメージで、車体は真っ赤

    車体には金のジオンのエンブレムに、『3倍速い』シャア専用ザクをモチーフにしたのであろう、シャアザクの角がリアに取り付けられていた

    内装も、シャアのコックピットをイメージして、赤と黒で統一されている

    シャア専用オーリスイメージ
    http://i.imgur.com/8AhBOj0.jpg

    シャア専用オーリス前景
    http://i.imgur.com/GTOymE2.jpg

    シャア専用オーリス外装
    http://i.imgur.com/SpNvTFA.jpg

    シャア専用オーリス内装
    http://i.imgur.com/BWUSHgF.jpg

    シャアのファンであるモブリットは、この車がどうしても欲しくて、バイトをしたのであった
  67. 67 : : 2015/01/29(木) 16:53:56
    「もー! シャアが好きなのはわかるけど、これはやり過ぎだよ、モブリット君たら」

    「すみません、どうしても欲しくて…。どのみち近い内に車を買おうと思っていたので」

    申し訳なさそうに頭を下げるモブリットに、クリスタは肩を竦める

    「ま、モブリット君はあんまり欲しいものも我が儘も言わないし、たまにはいいんじゃないかな」

    「お、怒ってませんか?」

    モブリットはおずおずとクリスタの表情を窺った

    「この車を買うためにあまり相手してくれなかった分、いっぱいドライブ連れていってくれたら許すよ?」

    クリスタは口を尖らせながらも、譲歩した

    「そ、それはもう! 車で行ける所なら何処にでも! 」

    モブリットは何度も頷いた

    「………じゃあ、博多」

    「いきなり九州ですか?! 」

    「博多ラーメン食べて、長崎のハウステンボス行って、大分の湯布院行って……うふふっ」

    クリスタは楽しげに想像をめぐらせた

    「九州なら新幹線の方が……」

    「なにか言った?」

    「いえ、何も! 」


    モブリットは、永遠にクリスタの尻にしかれるであろう事が、想像に固くはない


    番外編 ─完─
  68. 68 : : 2015/01/29(木) 16:59:37
    執筆乙です!
    グンタさんの口調にツボりましたw
    クリスタ可愛かったです!
    そして大人しいモブ君よかったです!
  69. 69 : : 2015/01/29(木) 17:31:09
    執筆お疲れ様です!
    オタリットがクリスタのことを考えて傍に居て良いのかを考えてしまう所がモブリットらしくて素敵です!

    そして、クリスタが皆の前でモブリットが彼氏で何が悪いの!!ってクリスタのモブリット愛に心が鷲掴みされましたw
    (あ~モブリット羨ましい、羨ましい…羨ましいw)

    番外編で笑いましたよwモブリットさん、ガンダムが好きと言うか、シャアが好きなんですね(笑)

    素敵な作品をありがとうございます♪次の作品も期待しています♪
  70. 70 : : 2015/01/29(木) 18:58:59
    >らっきょさん☆
    読んで頂きありがとうございます♪
    グンタ、崩壊しすぎてますが、ツボってもらえて良かったです♪
    クリスタを女神に、モブリットをおたくに、なかなか難題でしたが、なんとか話を収められてよかったです♪
    次のモブリット、何にしましょうかね♪
  71. 71 : : 2015/01/29(木) 19:02:55
    >EreAni師匠☆
    読んで頂きありがとうございます♪
    オタリット、はモブリットのイメージをそのままおたくに移行したんですが、やっぱり師匠が言ってくれたみたいに、モブリットならクリスタにいきなり食いついてはいかないだろうな、と思うわけです♪
    そこを分かって頂けてうれしい(*´ω`*)

    番外編w
    シャア専用オーリス、これは私が持ってるカタログの写真なんですよwリアルですw
    家族がTOYOTAなんで…うふふ♪

    またがんばりますっ♪
  72. 72 : : 2015/01/30(金) 00:32:18
    執筆乙ですぞ88氏
    一人称の拙者を採用して頂き感謝感謝ですぞ

    余談でござるが、振られたイケメン医大生がクリスタに逆恨みして乱暴しようとするところをモブリットがザクッションで救出する王道展開もありだったかもですな
  73. 73 : : 2015/01/30(金) 08:20:06
    >名無しさん☆
    読んで頂いて感謝ですぞ、名無し氏!
    アドバイス頂いた一人称のおかげで、グンタが素敵になりましたぞ(*´ω`*)

    イケメン医師ストーカーに立ち向かう、ザクッションを手にしたモブリット氏!
    がんばって救出して一言「ぼうやだからさ」

    コメントありがとうですぞ!

  74. 74 : : 2015/01/30(金) 12:11:23
    お疲れ様でした♪
    何だか、クリスタが、ロメ姉さんの様に思えてきましたぞ(*´∀`*)
    私もオタリットを守りまするぞ!♪(*`・ω・´*)
    このグンタ好き♡面白いw
    次の作品にも期待です!
  75. 75 : : 2015/01/30(金) 14:15:33
    オタクと化したモブリットがすげぇ好みです!!
    意思が真っ直ぐなクリスタもかっこよくて再び惚れてしまいました(*ノ∀`*)
    次回作も楽しみにしています。
  76. 76 : : 2015/01/30(金) 15:06:39
    >いんこ分隊長☆
    読んで頂きありがとうございます♪
    く、く、くりすたしゃんがわ、わ、わ、私に見えるとはとはとは(*´ω`*)(*´ω`*)
    確かにモブリットが苛められたりしたら、相手をクリスタ以上に痛い目にあわせるけども(*´ω`*)

    分隊長もオタリットを守ってやって下さるとは!
    感激ですぞ!いんこ氏!

    グンタが予想外に好評わろたw

    コメントありがとうですぞ!
  77. 77 : : 2015/01/30(金) 15:09:31
    >いちご大福さん☆
    読んで頂いて感謝ですぞー(*´ω`*)
    オタリット、気に入って頂けましたか、幸せでございます(*´ω`*)
    賛否両論ありそうな設定なので、受け入れて貰えて嬉しいですぞ(*´ω`*)
    クリスタも書いていて楽しかったです♪
    また遊びに来てやって下さい(^人^)
  78. 79 : : 2015/02/04(水) 20:36:05
    グンタさん最高でしたね!ベリーグッドです。
    相変わらず88さんの作品のモブリットは素晴らしいです最高です。
    しかし、やはりグンタさんwww
  79. 80 : : 2015/02/04(水) 20:42:32
    >>緋色さん☆
    読んでいただきありがとうございます♪
    グンタwキャラ崩壊すみませんw
    彼しか適役がいませんでしたw
    モブリット誉めて頂けて、モブリット好きな私はとても幸せです(*μ_μ)♪
    グンタさんwwすみませんw
  80. 81 : : 2015/02/05(木) 10:17:33
    モブリットwwwwww
    もしかして88さんガンダムオタ?
    カフェで語ってるシーンは半分もわからなかったですぞwwwwww
  81. 82 : : 2015/02/05(木) 10:21:41
    >名無しさん☆
    読んでいただきありがとうございます♪
    私は初期のガンダムはよく知っていますね!
    ガノタとはいえないレベルですが……
    弟が凄いガノタなので、そこからの受け売りですw
  82. 83 : : 2015/02/07(土) 23:15:58
    今更ですが読ましていただきました!今までエレクリしかよんでなかったのですがすっごく感動したし、上手でした!状況の描写とか遠回しな感情表現とかすごかったです!これからも期待!
  83. 84 : : 2015/02/07(土) 23:28:42
    >名無しさん☆
    読んで頂きありがとうございます♪
    エレクリ好きな方に、モブクリを理解して頂けて凄く幸せです♪
    描写と表現も誉めてくださってありがとうございます(*´ω`*)
    またがんばります♪
  84. 85 : : 2015/02/10(火) 03:26:30
    面白かったですぞ88氏
    オタリット最高でした。
  85. 86 : : 2015/02/10(火) 07:35:11
    >とあちゃん☆
    読んでくれてありがとうですぞ、とあ氏(*μ_μ)♪
    オタリット、書いてて楽しかったですw
    面白いと言ってもらえて良かった!\(^^)/
  86. 87 : : 2015/02/13(金) 07:11:47
    結構おそいけど、最高でしたぞ!
    これをみて、モブクリがすきになりましたぞ!
    (モブクリってモブリットじゃなく、ただのモブだと思ったことは内緒)
  87. 88 : : 2015/02/13(金) 07:21:23
    >今村えみり氏☆
    読んで下さってありがとうですぞ、えみり氏(*μ_μ)♪
    最高だと言ってくださって、拙者は幸せですぞ♪
    モブクリワールドへようこそ(^○^)
    (たしかにモブ、と勘違いはよくありそうw)
    嬉しいコメントありがとうですぞ\(^^)/
  88. 89 : : 2015/03/06(金) 10:24:18
    面白かったです!
    モブリットハッピーエンドですね。
    オタク口調が気に入りました(笑)
  89. 90 : : 2015/03/06(金) 12:02:55
    >虎さん☆
    読んでくださってありがとうございます♪
    面白いといっていただけて幸せです(*´ω`*)
    おたく口調wグンタ氏ですなw
    コメントありがとうございました!
  90. 91 : : 2015/03/23(月) 21:29:29
    最近、私生活で辛いことが多くてへこんでいたんですけど、師匠のこの作品を再び読んでたら自然とニコニコすることができました♪
    私もモブリットみたいに頑張って行こうと思います(笑)

    いつも素敵な作品を読ませてもらって本当にありがとうございます!!これからも執筆活動を頑張ってください!
  91. 92 : : 2015/03/23(月) 21:33:03
    >EreAni師匠☆
    師匠、なんかあったんだね、よしよし
    いつでも話聞くからね!
    師匠が元気になるためならなんでもするよ( ;∀;)
    私もいつも師匠の作品に癒されてるから、わたしの作品で元気出てくれたなんて嬉しいよ!
    これからも一緒にぼちぼちがんばろうね♪
  92. 93 : : 2015/04/13(月) 10:23:39
    相手から好きになってくれるなんてうらやましい!!!!!っていうか、それよりも、モブリット似の人を学校で見つけたww
  93. 94 : : 2015/04/13(月) 10:26:14
    >エメットさん☆
    読んで下さってありがとうございます♪
    モブリット似!?なにそのイケメン

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fransowa

88&EreAni☆

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