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南柯の夢 ※エレアニ 現パロ

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  1. 1 : : 2014/12/13(土) 20:36:36
    新作の現パロエレアニとなります。

    今回は普通の高校生っぽいものにしていくのでこうグワー!て盛り上がりは無い・・と思います(汗

    発展できるようなストーリーになればシリーズにしますが今の段階だと単発になりそうです。また、

    ・エレン視点

    ・転生モノではないので原作との絡み無し

    ・エレンさん恋心自覚済み

    ・エレンもアニもモテてます

    ・ジャンミカ有り

    ・キャラ崩壊有

    ・ゲロ甘です。胃がもたれるくらいです。悪いかコラ。

    以上の成分含みます。
  2. 2 : : 2014/12/13(土) 20:41:39
    執筆中の感想、質問は↓でhttp://www.ssnote.net/groups/45/archives/5#bottom

    私のエレアニ作品

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    http://www.ssnote.net/archives/5916

    (R-18につき閲覧にご注意を)
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    http://www.ssnote.net/archives/18375

    こちらは甘さほぼゼロのちょいホラーです。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    よろしければ更新の合間にこちらもご覧ください!
  3. 3 : : 2014/12/13(土) 20:57:00
    相思相愛、なんて素敵な言葉がある。

    互いを互いを想い合ってる。

    それを夢見て想いを伝え、時に実り時に砕ける。

    いや、砕ける事の方が多いだろう。

    「相思相愛なんて夢物語だ」

    それでもヒトはそれを望む。

    乙女のようだと分かっていながら、表面上では否定しながら。

    ー南柯の夢だと分かっていながらー
  4. 4 : : 2014/12/13(土) 20:57:27
    南柯の夢
  5. 5 : : 2014/12/13(土) 21:09:59
    ー10年前

    「嫌だ!」

    背の小さな少女の大きな声が通りに響く。

    普段はあまり感情を表に出さない金髪の少女の声に一瞬静かになる。

    が、すぐにまた周りに話し声が戻る。

    地区の違う幼稚園同士の交流会だろうか。

    たくさんの園児と思しき子供達がバスに乗っている。

    それに乗ろうとした男の子をその少女は引き止めていた。

    「二度と会えなくなるわけじゃないんだよ?」

    先生が宥めるように言うが聞く耳を持たない。

    「きっとまた会えるよ」

    その男の子も繰り返すように言う。

    ピクッと肩を揺らしてその子を見上げる。

    「・・・ッ」

    「大丈夫だよ」

    隣にいるその年にしては大きい図体をした男の子が言う。

    「そ、そうだよ」

    その子よりもさらに高い身長の男の子も言う。

    「じゃあな!」

    そう言って引き止められた男の子はバスに乗ろうとする。

    「待って!」

    「?」

    「きっとまた会うなら・・・"またね"って言って」

    「そっか それもそうだよな!じゃ、またな!」

    そうして全員乗り込んだバスは元来た道を戻っていく。

    バスをいつまでも見送るその子を夕日が照らすと、その髪は金色に輝いていた。
  6. 6 : : 2014/12/13(土) 21:21:07
    ーーー

    ーー

    ー現在

    エレン「はあ・・・」

    アニ「・・・どうしたの?悩みでもあるの?イェーガー君」

    エレン「いや・・・大丈夫 気にしないでいいから」

    アニ「そう・・・?」

    エレン「(・・・はあ)」

    そうして内心再びため息をつく。

    アニ「私でよかったら相談乗るからね」

    エレン「ありがとな でもホントに大丈夫だから」

    ニッと笑顔を浮かべ、そのままボケーッとする。

    上手く笑顔が作れている自信はないが、アニは友達に呼ばれて視線を一瞬外した。

    普段だったら「呼ばれてんだろ?いってやんなよ」なんてコトを言ってあげられるのだが・・・

    今回は・・・いや、今回もそんなこと言える余裕は無かった。
  7. 7 : : 2014/12/13(土) 21:32:15
    「アニー呼ばれてるよー」

    ピクッ

    この学校の男子生徒に呼ばれた時だ。

    じゃあねという言葉に軽く手を挙げて返すと、そのまま机に突っ伏す。

    エレン「・・・」

    エレン「・・・何でだよ」ボソッ

    そう零すのには理由がある。

    ーーー

    ーー



    高校の始業式の日。

    クラス表を見たとき、思わず二度見した名前があった。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    アニ・レオンハート

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    エレン「!!」

    「どうしたのエレン こんなとこで立ち止まって」

    そう話しかけてきたのは幼稚園からの幼なじみの一人、アルミンだ。

    アルミン「知ってる人でもいたの?」

    そう言ってクラス表を覗き込むが、それだと思われる名前は見つけられないようだ。

    アルミン「僕の知らない人かい?」

    エレン「いや、アルミンも幼稚園のとき会ってるはずだ・・・一回だけだけど」

    アルミン「幼稚園の頃なんてほとんど覚えてないな〜この歳になると」

    おじいさんみたいだよね、と苦笑している彼。

    そうだなと相槌をうつと同時に、納得もしていた。

    ーそりゃ高校生にもなって覚えてるわけないよな。
  8. 8 : : 2014/12/13(土) 22:03:17
    ミカサ「おはよう エレン、アルミン」

    エレン「おう」

    アルミン「おはようミカサ」

    エレン「なあミカサ、アニって覚えてるか?」

    ミカサ「アニ・・・?」

    そう言ってクラス表を見る。

    ミカサ「エレンと同じクラスの子?」

    エレン「ああ 昔幼稚園の交流会であってるはずなんだ」

    ミカサ「ゴメン・・・覚えていない」

    エレン「だよな・・・」ガクッ

    オーイ!と向こうから駆けてくるのは

    アルミン「あ、ジャンだ」

    エレン「ジャン?・・・ああ、そうか」

    中学からミカサはジャンと付き合い始めた。

    ジャンがミカサにベタ惚れだったのはみんな知っているし、ミカサがそう簡単に男と付き合うような人ではないということも知っている。

    彼女曰く"ジャンといると居心地がいい"そうだ。
  9. 9 : : 2014/12/13(土) 22:13:37
    ジャンも悪い奴じゃないことは分かってたし、それを報告された時

    「よかったな」

    と素直に祝うことはできた。

    が、やっぱり幼なじみに彼氏ができると何処かソイツが大人に見えて遠くへ行ってしまったような寂しい気分になる。

    ジャン「お?アルミンとエレンじゃねえか」

    アルミン「おはようジャン」

    エレン「よー相変わらずミカサにベタ惚れらしいな」

    ちょっとだけからかうと二人とも顔を赤くして

    ジャン「うっせ!」

    と言ってくる。

    ミカサは俯いたまま歩くが耳まで赤い。

    ジャンのふざけ半分の攻撃をヒラリヒラリとかわしながら校舎へ入っていった。
  10. 10 : : 2014/12/13(土) 22:25:03
    長い入学式含めた始業式も終わり、クラスに入るとこれまた驚いたことに席がアニの隣のようだ。

    恵まれているなと思い先に座る。

    しばらくして

    「イェーガー、君だよね?」

    隣をふと見ると机の横に金髪の綺麗な子が立っている。

    エレン「あ、ああ・・・」

    アニ「私隣の席のアニ アニ・レオンハート よろしくね」

    大人っぽいその微笑みはとても美しかったが、エレンはそれどころじゃない。

    「イェーガー君」

    確かにそう呼ばれたのだ。

    エレン「(覚えてない、か・・・)」

    覚悟してはいたが、やはりショックではある。
  11. 11 : : 2014/12/13(土) 22:33:57
    結局最後までイェーガー君として通されて、彼女の中で自分の呼び方はイェーガー君で確定らしい。

    エレン「(イチからか・・・)」

    幼稚園の時なら男女を意識せずに話しかけていけたのだが、高校生にもなるとやたらめったら女子と話しては評判が悪くなるだろう。


    エレン「(くっそー・・・)」

    中学に入ってからもエレンは男女という性別の違いを全く意識せずに来た。

    それもあってかよく告白された。

    お試しでもいいから、とか言ってくる人もいたが、それで好きになるような気もしないので断ってきている。

    その結果現在に至るまでお付き合い経験は無い。

    ただしやっぱり幼なじみが付き合いだしたと聞いて焦らなかったかというと・・・

    正直焦った。

    エレン「(・・俺も彼女欲しいな)」

    そんなことを思っていても本当に好いた人はいない。

    そんな時に頭に浮かんだのは昔出会った金髪の少女だった。
  12. 12 : : 2014/12/14(日) 10:30:58
    エレン「(引き止めてたのはそっちだったじゃんかよ・・・)」

    いつの間にか追いかけてるのは自分の方で。

    自分の通う幼稚園に帰ってからしばらくはずっと金髪の少女のことを考えていたっけ・・・

    ーーー

    ーー



    そんなこんなで現在に至る。

    エレン・・エレン!!

    エレン「んあ?」

    ぼーっとしていて気づかなかった。

    目の前にはアニとは違う金髪の生徒。

    ライナー「どうかしたのか?」

    エレン「ああ、ライナーか・・・」

    ライナー「残念そうに言うんじゃねえよ」ハハハ

  13. 13 : : 2014/12/14(日) 17:53:02
    ライナー「つか酷い顔だぞ」

    エレン「ケンカ売ってんのか?」

    ライナー「そう意味じゃなくて、スゲー怖い顔してるって事だよ」

    エレン「は・・・?」

    ライナー「どうかしたのか?」

    全く気づかなかった、というより今も気づいていない。

    エレン「い、いや・・・」

    ライナー「そういやさっきお前アニと話してなかったか?」

    エレン「まあ、少しな」

    ライナー「アニは何処行ったんだよ?」

    エレン「・・・知らね」

    ホントは誰かに呼び出されているのを知ってるが、なんかムカつくから黙っておく。

    ライナー「そうか まあいい」

    ライナー「嫌なことあったなら早く忘れるのが一番だぞ」

    エレン「アドバイスありがとなお兄さん」

    ライナー「その呼び方やめろって・・」
  14. 14 : : 2014/12/14(日) 18:09:46
    ー数十分後

    ライナー「じゃあなエレン お前も早く帰れよー」

    エレン「んー」

    適当に返事をしてまた机に突っ伏す。

    教室に残っているのは自分だけだ。

    陽はすでに半分を山の陰に隠している。

    だんだんと赤い空から黒い空に変わりつつあるところでアニは戻ってきた。

    アニ「あ、まだ残ってたの?委員会の仕事?」

    エレン「あ、ああ まあな」

    残ってた理由なんて特になかったが向こうから理由をつけてくれたのでそれに乗っかる。

    アニ「イェーガー君って真面目だね」

    エレン「そんなことないさ」ハハ

    エレン「て、もうだいぶ暗いな」

    そんなこと分かりきったことだろうが、と自分につっこむ。

    アニ「そうだね・・・」

    二人で教科書やノートをバッグにつめ、教室を出る。


    エレン「じゃ、一緒に帰ろうぜ」ボソ

    アニ「え?」

    エレン「あ、いや、暗いし危ねえだろ?だから一緒に帰らないか、って事」

    日が沈んだのを口実にしなければ誘えない。

    ーチキンだな俺・・・

    アニ「うん、いいよ」

    エレン「アニは徒歩通学か?」

    アニ「うん」

    エレン「そっか じゃ、チャリは引いて帰ればいいや」

    アニ「自転車通学なの?帰るの遅くなって・・・

    エレン「いいからいいから!どうせ早く帰る意味もねえし全然大丈夫!」

    アニ「そ、そう」

    必死か俺。
  15. 15 : : 2014/12/14(日) 18:20:17
    ー帰路

    ミカサの他に女子と並んで歩いて帰るのは久しぶりだ。

    高校に入ったばかり故の愚痴や驚きなんかを話題にしてたから話題は尽きなかった。

    エレン「ーでよ、いつもミカサって奴とアルミンって奴と遊んでてさ」

    エレン「結局高校もいっしょ」

    アニ「いいね、そういうの」

    アニ「私もライナーって奴とベルトルトって奴の幼なじみでさ」

    アニ「高校も一緒 どっちもクラス一緒だからね」

    ライナーという言葉を聞いてふと思い出す。

    エレン「あ、そういえば」

    アニ「?」

    エレン「なあアニ」

    アニ「なに?」

    エレン「俺って怖い顔してるか?」

    アニ「?全然」

    エレン「だよな」

    アニ「どうしたの?」

    エレン「いや、ライナーの奴がよ"お前スゲー怖い顔してる"って」

    アニ「そんなこと言ったの?ゴメンね」

    エレン「いや、いいんだけどさ さっきはそんな怖い顔してたのかな俺・・・」
  16. 16 : : 2014/12/14(日) 18:27:47
    アニ「さっき?」

    エレン「ああ、アニが・・・」

    そうか。

    怖い顔をする理由ならあった。

    盗み聞きしてたと思われたくないからとりあえず何処かに行った理由は言わない。

    エレン「・・何処か行ったとき そういやあの時って友達にでも呼ばれたのか?」

    少し困らせてしまうかもしれないと思いながらも聞いてみる。

    アニ「う、うん ちょっとね」

    エレン「ひょっとして告白、とか?」

    アニ「う」ビクッ

    エレン「あ、図星?」

    知ってるんだけどもね。

    エレン「まあアニはモテそうだもんな」

    アニ「そ、そんなことないって・・・」

    少し顔を赤くして言う。

    まあ本人にとって会ったばっかりの奴には踏み込まれたくはないだろうと考えて話題を切り替える、ハズだった。

    しかし、

    アニ「イェーガー君も、モテてたでしょ?」

    エレン「へ!?」
  17. 17 : : 2014/12/14(日) 20:12:33
    まさかの問いかけに戸惑ってしまう。

    エレン「あ、いや、あ、アハハ・・・」

    アニ「やっぱモテてるんだ」クスクス

    エレン「ま、まあ何回か告白されたことがあるくらいで・・・」

    アニ「だと思ったよ」

    エレン「え?」

    アニ「だってイェーガー君、今クラスの女子に人気だもん」

    エレン「マ、マジで!?」

    アニ「今彼女とかいるの?」

    ・・・どうしたものか。

    まあ別に隠し必要もないし、いいか。

    エレン「これがいないんだな・・・」

    アニ「え?そうなの?」

    何か不安そう、というかまずいことを言ってしまった、というような顔をしてたので

    エレン「別にいいんだよ 好きな奴が出来なかっただけだから」

    アニ「でもシガンシナ出身の子ってみんな可愛かったような・・・」

    エレン「案外普段からいる場所だと気づかないのかもな・・・」
  18. 18 : : 2014/12/14(日) 20:25:28
    アニ「そういえばミカサって子、凄い綺麗だよね?」

    エレン「幼なじみって感じでそれこそいつも近くにいたからな・・・」

    エレン「気づいたら彼氏作ってたよ
    素直に嬉しかったけどなんか寂しかったんだよな〜」

    アニ「そっか・・・」

    なんかズーンとした空気になってきた。

    言わなきゃよかったかな・・・

    あ、そうだ

    エレン「俺が人気っていってたけど、アニも相当人気なんだぞ?」

    アニ「え?」

    エレン「男子にだよ 告白されたのだって一回や二回じゃねえだろ?」

    アニ「え、ええと・・・」

    エレン「やっぱりか」ハハ

    分かっていて尚且つ自分で話題出しといてなんだが、やっぱり複雑・・

    というかなんというかムシャクシャする。

    まあ表面には出さないようにしてはいるが、アニがいないとすぐに顔に出るらしい。

    怖い顔というのはその告白する生徒に嫉妬していたのだ。

    成就してるかどうかもわからないのに。

    エレン「(アニも彼氏とかいたんだろうな〜・・・つかいるのかもな)」

    エレン「(・・・まあここまで出来たんだ、上出来だろ)」

    ーーー

    ーー



    アニ「じゃ、私の家ここだから」

    エレン「お、そうか」

    昔に来た他所の幼稚園に割と近い。

    学校からの道も見覚えがあった。

    アニ「ありがとね たくさん話せて楽しかったよ」ニコッ

    エレン「俺も楽しかったぞ!」へへッ

    アニ「じゃあね」

    エレン「おう!またな!!」
  19. 19 : : 2014/12/14(日) 20:55:40
    ーーー

    ーー



    次の日、朝廊下にて

    アルミン「エレン!!」ダダダダ!

    エレン「うお!?なんだよアルミン」

    アルミン「君、昨日アニさんと並んで歩いて帰ったの!!?」

    エレン「え、あ、おう 帰ったぞ」

    アルミン「きえええええ!!?」

    エレン「落ち着け どうした」

    アルミン「あ、うん、待って ぷりーずうぇいと」

    スーハーと深呼吸を何回か繰り返してから大声でシャウトするように言った。

    アルミン「君、今はクラスに行っちゃダメだよ!?」

    エレン「は?」

    アルミン「だから今はクラスに行っちゃ

    エレン「それは聞いた 理由はなんだよ」

    アルミン「君、男子の敵になってるよ?」

    エレン「え」

    アルミン「知ってるだろ?アニはものっそいモテるんだから!!」

    エレン「ああ・・・あ、そうか」

    アルミン「ずいぶん楽しそうに帰ったらしいじゃないかね」

    エレン「待って 何で知ってんだ?」

    アルミン「誰かが見たって」

    エレン「誰だよ」

    アルミン「あああ知らないよ!でもクラス中で噂だよ」

    エレン「そうはいってもクラスに行かなきゃ別の意味でヤバいだろ」

    アルミン「そうか・・・でも、覚悟しなよ?」

    エレン「大袈裟すぎる気が

    アルミン「死ぬなよ?」

    エレン「・・・ハイ」
  20. 20 : : 2014/12/18(木) 22:34:11
    ガラガラっ

    エレン「お、おはよ

    ガタッ!ガタガタッ!!!!

    一同「「「エレン!!」」」

    エレン「な、なんでしょう?」

    コニー「何が"なんでしょう?"だ!!」

    マルコ「昨日アニと仲良く帰ったって本当!?」

    エレン「あ、ああ」

    一同「「「裏切りモンがああ!!」」」

    ライナー「お前まさかその後アニの家に上がって夜を共に

    ガスッ!!

    ライナー「」

    アニ「おはよー」

    女子一同「「「おはようー」」」

    男子の視線はアニに集まり、それを女子達は呆れた顔で見ていた。

    アニ「な、なに?何かついてる?」アセアセ

    急いで髪や顔を手で撫でてチェックするが変なところはなさそうだ。

    いや、実際ないのだが。

    ライナー「ア、アニ 昨日エレンと並んで帰ったのか?」

    アニの脛蹴りから復活したライナーが問いかける。

    周りの男子は期待と絶望が入り混じった顔で様子を伺う。

    アニ「帰ったけど・・・?」

    ごく普通に答えた。

    男子「「「ゴファッッッ!」」」

    ライナー「え、て事は何?つまり

    アニ「イェーガー君が遅い時間になっちゃったから一緒に帰ってくれるって言うからその言葉に甘えたんだよ」

    アニ「昨日はありがとね」ニコッ

    エレン「お、おう」

    男子一同「「「エレェェェン!!」」」

    エレン「だから何なんだよ!!」
  21. 21 : : 2014/12/18(木) 23:06:41
    ーーー

    ーー



    マルコ「君はアニがモテてるのは知ってるよねモチのロンで」

    エレン「・・・ああ」

    そりゃスタイル抜群、大人な凜とした態度。優しい性格。

    コレでモテてなかったら誰がモテるというのだろうか。

    マルコ「この学校には"三女帝"がいる」

    エレン「何ソレ」

    マルコ「可愛い子が多いこの学校でもぶっちぎりでモテてる3人の女子の事さ」

    マルコ「その1人がアニ、さらにミカサって子とクリスタって子だ」

    エレン「・・・アニとミカサは知ってるけどクリスタって子は知らねえな」

    マルコ「隣のクラスなんだけどね」

    コニー「待て待て え?ミカサって子と知り合いなのかエレン!」

    エレン「ああ、幼なじみだしな」

    ???「いいなーエレン」

    エレン「何がだ?」

    そこにいたのはライナーより背が高い男。

    ベルトルトだ。

    ベルトルト「あの綺麗な子と幼なじみなんて」

    エレン「それ言えばお前らだってアニの幼なじみだろ?」

    エレン「アイツだって美人だし・・・
    つか恋愛感情抱かないのか?」

    ベルトルト「うーん・・・」

    そこで考え込んでしまう。

    何か複雑な事情でもあるとしたら聞くのはまずかったのかもしれない。

    とりあえず謝ろうと思っていると

    ベルトルト「どっちかっていうと、家族って感じかな」

    エレン「へ?」

    ベルトルト「いや、いつも近くにいたからさ」

    ベルトルト「いるのが当たり前、みたいな」

    エレン「ああ・・・」

    俺とミカサとアルミンと同じだ。



    ベルトルト「それにアニと本当に楽しそうに話してるんだもん」

    エレン「・・・」ジーッ


    そういえばベルトルトはアニが自分を引き止めてた時、後ろにいた2人のうちの1人だ。

    話しかけてもモジモジしててほとんど話せなかったが。

    それでも当然アニのことは自分よりよく知っている訳で。

    ちょっと羨ましい。

    ベルトルト「?どうかした?」

    エレン「い、いや何でもない」
  22. 22 : : 2014/12/21(日) 22:32:15
    幼なじみと言うだけあって彼らは簡単にアニと話す。

    そこに無理やり入れる間柄でもないし、野暮なことはしたくないので我慢するが。

    エレン「楽しそうっていうけど、お前やライナーとの方がアイツは楽しそうだぞ」

    ベルトルト「いやいや、そんなことないって」

    マルコ「そうだよ 大体一緒に帰るとかその時点でまるでカレカノじゃん」

    エレン「だからそんなんじゃねえって・・・」
  23. 23 : : 2014/12/24(水) 19:49:06
    ーーー

    ーー



    ある日のこと

    エレン「なーアニって部活どうすんだ?」

    アニ「んー・・・」

    しばらく考えている。

    まだ決まっていなかったのだろうか。

    と、思っていたがどうやら違うらしい。

    アニ「迷ってるんだよね・・・」

    エレン「運動部か文化部ってことで?」

    アニ「いや、マネージャーか選手として運動部に入るか」

    なるほど、そういえば運動ができると女子達が話していたようないないような。

    エレン「そっか」

    アニ「まあどっちにしても多分バスケ部だろうね」

    エレン「!」

    バスケは中学の時やっていたし、なんとかなるだろう。

    問題は彼女が男子バスケ部のマネージャーになることだった。

    この高校のバスケ部では部内恋愛は禁止されている。

    つまり、引退まで付き合える可能性はゼロになるのだ。

    アニがマネージャーをやるとなれば男子はこぞって素人だろうがなんだろうが構わず入部するに違いない。

    で、引退と同時に告白。

    ーなんてこったい。

    エレン「(それに、部活内でウジウジしてる内に他の部活の奴らに取られる可能性だって・・・)」

    エレン「(どうしよぉぉおおお!!)」

  24. 24 : : 2014/12/24(水) 20:03:11
    アニ「イェーガー君もバスケ部だっけ・・・?」

    エレン「へ?何で知って・・・あ」

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    エレン「どうも、エレン・イェーガーです バスケ部志望なんで同じ人、よろしくな!」


    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    そういや初日の自己紹介で言ったんだった。

    加えて「同じ奴はよろしく」とか言っちまったっけ。

    俺のバカー!!

    エレン「あ、ああ そうだよ」

    アニ「そっか 迷ってるけどマネージャーになったらよろしくね」

    エレン「おう、よろしく」

    女バスにしてください女バスにしてください女バスにしてください女バスにしてください女バスにしてくださーい!!

    エレン「でもアニ運動できるんだろー?
    マネージャーは勿体無くね?」

    こうなったら少しでも女バスの方へ誘導を・・・

    アニ「うーん・・・でもマネージャーって憧れあるんだよねー」

    ダメかー!!

    まあ無理して行かせるとなんで必死なのかーとか言われて多分俺しどろもどろになってうわぁ、ってなる。間違いない。

    エレン「そういうもんなのかぁ
    まあ、アニならきっとどっちでも上手くやれるんだろうなあ」

    アニ「ありがと」クスクス
  25. 25 : : 2014/12/24(水) 20:26:59
    ーーー

    ーー



    アルミン宅にて

    アルミン「はあ・・・」

    エレン「はあ・・・」

    エレアル「「はあ・・・」」

    エレン「おいおいアルミン、ため息ばっかだぞ・・・」

    アルミン「エレンだって・・・」

    エレアル「「・・・」」

    エレアル「「ハァー・・・」」

    エレン「・・俺から聞くわ どした?」

    アルミン「クリスタが・・・クリスタが・・・」

    エレン「ああ、そういや狙ってるって言ったっけ」

    エレン「そんなに可愛いのか?」

    アルミン「そりゃあもう!」

    アルミン「あのクリっとした目に綺麗な髪、何をとっても天下一だよ!!」

    エレン「・・聞き捨てならねえな アニが天下一だろ」

    エレアル「「・・・」」

    二人は同時に思った。

    彼氏でもないのに何を張り合っているんだ。

    エレン「まあいいや で?クリスタがどうした?」

    アルミン「クリスタ・・・サッカー部のマネージャーになるんだって・・・」

    エレン「・・・ああ」

    大体言いたいことは分かった。

    アルミンはハッキリ言うと運動は全くできない。

    全く。

    確かサッカー部は部内恋愛は禁止はされていなかった。

    つまり部活内カップル成立の可能性が

    極めて高い。
  26. 26 : : 2014/12/24(水) 20:46:45
    エレン「クリスタは彼氏いんのか?」

    アルミン「そんなこと分からないよ!」

    俺に当たらないでください。

    アルミン「僕ってほら、コミュ障だから・・・」

    エレン「そうか、頑張れとしか言えない」

    アルミン「放置かコラー!!」

    エレン「そんなこと言われてもよ・・」

    コミュ障は人に言われて治るものではない。

    応援する以外に何が出来るのか。

    いや、出来ることなんてない。

    うん、頑張れ。

    アルミン「で、エレンはどうしたの?」

    エレン「いや、なんかもういいや」

    アルミン「ちょっ!それ何?僕よりモテるからクリスタを落とせると踏んだのか!?」

    エレン「いや、俺は・・・」

    クリスタがどんな人なのかは知らないが、自分の心が揺れる気はしない。

    アルミン「カーッペッ!モテる男は違うねえ・・・」
  27. 27 : : 2014/12/24(水) 21:27:05
    その後アルミンはクリスタがどんなにいい子なのかを話してくれた。

    が、写真も無しに魅力を語られても分からん!


    とにかくそんな感じで入部届けを出す前日が終わった。


    ーーー

    ーー



    エレン「(どうする)」

    エレン「(どうすればいい)」

    そう、俺は結局迷っている。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    部活希望用紙

    ーーーーーーーーーーーーーー


    ーーーーーーーーーーーーーー

    希望する部活を上の空欄に書いてください。

    5月12日よりその部活での活動を認めます。

    担任と顧問の先生の承認と指示を仰いでください。


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    エレン「(どうする)」

    チラリと横を見るとアニは迷いなく書いている。

    覗き見なんて、はしたないことはしたくない。

    だが気になる。

    しかし、やってしまっては男のメンツというものが・・・

    つかやったら俺ただの変態っつーかストーカーっつうか、とにかくアレだ。

    そう、アレなのだ。具体的に言えないけど、やっぱよろしくない。

    エレン「(うへぇ・・・)」クタッ
  28. 28 : : 2014/12/24(水) 21:45:33
    結局自分はバスケ部にした。

    他にやるあてがないから。

    エレン「(はあ・・・)」クテーン

    ヒッチ「あれー?どうかしたのー?」

    エレン「あ?ああ、ヒッチか・・」

    こいつの第一印象は、チャラチャラした軽い奴。

    何かとアニと仲が良いらしく、一緒にいることが多い・・と思う。

    少々癪にくる言い方をする事も多いのだが悪い奴ではない。

    ヒッチ「なにー?残念そうに言わないでよー」

    エレン「みんなそう言うけど、そんなつもりないから」

    当たり障りのない事を話す。

    ヒッチ「あ、そういえば今から北校舎のベランダ行ってあげて」

    エレン「へ?」

    ヒッチ「んもー・・・いつものだよ」

    エレン「ああ・・・」

    最近になってまた増えつつあるのがこの問題。

    告白してくる子がポツポツと出てきたのだ。
  29. 29 : : 2014/12/24(水) 22:00:26
    ー北校舎ベランダ

    「一目惚れしたの 付き合って」

    ものっそく軽〜く言われた。

    エレン「(はあ・・・)」

    内心ため息をつかざるを得ない。

    エレン「えっと君は・・・」

    名前も知らない。性格もわからない。

    いや、性格は先ほどの一言で大体分かったが。

    少なくとも話していて気分のいい者ではなさそうだ。

    エレン「あー・・・えっと・・・まだ俺君のこと知らないし」

    エレン「もう少し考えた方がいいんじゃないか?」

    「ふーん まあいいよ じゃあね」

    そのままスタスタと歩いてしまった。

    エレン「・・・」

    エレン「(・・なんだあれ)」

    急に呼び出してなんだあの態度は。

    別に毎回謝って欲しいわけではないが、あの態度ではちょっとむかつく。

    ガラガラッ

    コニー「お、エレン またか?」

    エレン「ああ めっちゃ腹立った」

    コニー「オイオイ 告られてその態度はムカつくなー」

    エレン「それ以上の悪い態度とられたんだ こっちのほうがムカついてるよ」

    コニー「あれま」

    マルコ「相当怒ってるとみた が」

    マルコ「言ってみてえええぇ!!そんなセリフ!!」
  30. 30 : : 2014/12/28(日) 13:00:54
    チラリとアニの方を見やると友達と話している。

    他の女子の何人かはこっちをチラチラ見てきているが、アニは友達と話をしている。

    こちらの話は耳に入っていないのか、興味すら湧かないのか。

    どちらなのかは分からないが、ともかく少し凹む。

    エレン「(・・・バカみてえ)」

    つまらなく思ってまたマルコ達に向き直り、話を続けた。

    マルコ「で、どんな子だったの?」

    エレン「知らね 全然話さなかったし」

    コニー「は?」

    エレン「つまりだな、俺が喋ったのなんて一言二言だぞ」

    コニー「お前なあ・・・」

    マルコ「断るならちゃんと言わなきゃダメでしょー」

    エレン「だからー」

    コニー「あー!コイツ"モテない奴が何言ってんだ"て顔してるぞ!」

    ライナー「なにぃぃぃいい!!?」

    ドドドっとライナーが走り寄ってきた。

    大きい身体は机に当たりまくり、列も少なからず乱れた。

    エレン「なぜお前もきた」

    ライナー「やはりお前は男の敵なんだな!」

    ベルトルト「もう、ライナー落ち着いて」

    後ろから乱れた机を並べ直してやってきたのはベルトルト。

    ベルトルト「ちゃんと謝ってきなさい」

    ライナー「・・・はい」

    ゴメンなさい、ホントスンマセン等謝って回るライナーの姿は笑いを誘うモノがあった。

  31. 31 : : 2014/12/28(日) 21:43:41
    ーその後

    エレン「ふう・・・」

    授業まで2分を切ったので、自分の席に着席する。

    ガタッ

    やれやれ。どうして休み時間にこんな疲れなければならないのか。

    アニ「大変だったね」

    アニも何処からか帰ったところなのか席を立っていた。

    エレン「・・・聞いてたのか」

    アニ「ライナー達に怒られてたところだけね」

    よりによってそこかよ。

    エレン「元気だよなー・・・俺もう疲れた」

    アニ「もうすぐ部活始まるでしょ?頑張んなよ」

    エレン「そうなんだよな・・・」

    アニ「男子バスケ部だよね?」

    エレン「へ・・・なんで分かった?」

    アニ「前に聞いたでしょ?それにミカサからも今日聞いたの」

    エレン「ミカサに?」

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    ミカサ「レオンハート・・・さん?」

    アニ「え?」

    ミカサ「私はミカサ よろしく」

    アニ「あ、イェーガー君の幼なじみの・・」

    ミカサ「知ってるの?」

    アニ「前に話した時聞いたの」

    ミカサ「私は入学式の日に聞いた
    名前だけだけど・・」

    アニ「え?会ったことあったかな・・?」

    ミカサ「だいぶ前にあったみたい 私も覚えてないから確証はないけど・・・」

    アニ「そっか・・・」

    ミカサ「それより部活、決めた?」

    唐突に話題が変わる。

    この話を長引かせる必要がないと思ったのか。

    いや、当事者でない以上仮にそれが事実でも過去の詮索はすべきでないと判断したのか。

    ここは素直に乗っておこう。

    アニ「あ、うん 女子バスケ部だよ」

    ミカサ「そう 私もバスケ部」

    アニ「!そうなんだ 一緒だね」

    ミカサ「エレンも多分バスケ部だからよろしく」

    アニ「そういえば・・・」

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    アニ「さっき廊下で会って話したの
    すごい綺麗だったなぁ」

    エレン「そうだったのか」

    ムサイ男達と話さずそっちで話したかった。
  32. 32 : : 2014/12/28(日) 22:01:59
    アニ「人気なワケも分かった気がするよ」

    エレン「男女の扱いの差無いからなーアイツ」

    アニ「でもそれってなかなかできないことでしょ?」

    エレン「まあな」

    アニ「そういえばミカサとの話にも出たけどイェーガー君って昔私と

    と、そこで

    ナナバ「君達、仲がいいのは結構だけど授業始まってるから」

    エレアニ「「へ?」」

    2人ほぼ同時に時計を見る。

    見れば授業開始から3分ほど過ぎていた。

    古典担当のナナバ先生は時間と課題に厳しい先生らしい。

    エレン「・・・すんません」

    アニ「すみませんでした・・・」

    ナナバ「まあ青春するのは何よりだけど
    TPOはわきまえてね」

    エレアニ「「はい・・・」」

    二人して俯くがそれは顔が火照って赤くなっていると思われるから。

    今上げたらクラスのみんなに冷やかされるのは間違いない。

    エレン「(・・・またアイツら授業終わったら騒ぐんだろうな)」

    そんな事を思って何とか席に着いた。
  33. 33 : : 2014/12/28(日) 22:08:32
    ーーー

    ーー



    今日の授業終了後

    コニー「エレン」ズイッ

    マルコ「エレン」ズイッ

    ライナー「エレン!」ズイッ!

    エレン「・・・ハイ」

    マルコ「君は性懲りも無く・・」

    エレン「そんな事仰られましても・・」



    アルミン「エレン帰ろう!」

    ジャン「よ」

    ミカサ「エレン」

    思わぬ助け舟。

    エレン「い、今行く!」

    エレン「じゃーなお前ら!」ダッ

    マルコ「コラー!話はまだ終わってないぞぉぉおお!」

    コニー「つかその子がミカサか!」

    ライナー「可愛いな!」

    マルコ「残念だが彼女は彼氏がいるらしい」

    ライナー「俺の本命はクリスタだが、僅かに揺らいだ」

    コニー「な!お前クリスタって子と知り合いなのか!?」

    ライナー「同じ中学だったからな!話したこともあるぞ!」

    ライナー「"ハイこれ"って言って落としたシャーペン拾ってくれたんだぞ!」

    ライナー「やっぱコレ脈アリだよな!」

    マルコ「無いと思う」

    ライナー「無いのぉぉおおおお!?」
  34. 34 : : 2014/12/28(日) 22:39:41
    ーーー

    ーー



    アルミン「こうして3人で帰るの久しぶりな気がするなぁ」

    ミカサ「ひと月くらいぶり」

    ジャン「・・・四人だけどな」

    エレン「居てもいなくても良いからな」

    ジャン「んだとコラ」ピキッ

    エレン「やんのかコラ」ピキッ

    ミカサ「ジャン、やめて」

    アルミン「エレン、君も意味もなく喧嘩ふっかけないでよ!」

    エレン「ていうかお前が3人とか言ったんだからな?」

    アルミン「ゴメンナサイ」

    ーーー

    ーー



    ミカサ「そういえば今日アニと話した」

    エレン「そうらしいな」

    ミカサ「すごく綺麗だった 人気なのも頷ける」

    ジャン「こっちのクラスでも話題になってるからなぁ」

    アルミン「こっちもだよ」

    ミカサ「エレンも頑張って」

    エレン「は、はあ!?」

    ジャン「なんだオイ 狙ってんのか?」
    ニヤニヤ

    エレン「バッ!ちがっ、ミカサ!変なこと言うなよ!!」

    ミカサ「私は至って真面目だけど」

    ジャン「隠すなって」

    アルミン「フフッ」クスクス

    アルミンに至っては、前に語り合ったので必死な俺を見て笑っていやがる。

    エレン「それを言えばアルミンだってクリスタ狙ってんだろ?」

    笑う友に反撃してやらあ。

    アルミン「な!!エ、エレン!!」

    浮かべた笑顔はサーっと引いて、代わりに紅く染まっていく。

    アルミン「ジャ、ジャンだってミカサが好きだろ!」

    ジャン「お、おう」

    ミカサ「・・・!」カァーッ

    エレン「・・・それは知ってる」

    アルミン「ぬぉぉおおおう・・・」

    項垂れるアルミン。

    いじめ過ぎたか。まあ気分が晴れたので良しとする。
  35. 35 : : 2014/12/31(水) 09:58:37
    ーー家

    バッグを放り投げてベッドの上に倒れこむ。

    予習も復習も面倒だ。全くやる気にならない。


    エレン「(エレンも頑張って、か)」

    エレン「(・・頑張ってますよ コレでも)」

    はあ、と盛大なため息をする。

    他の奴らに比べたらアニとは話している方だと思う。

    けれどそれは席が隣だから話すチャンスが多いだけだ。

    隣から外れれば俺もマルコやコニーと同じになるだろう。

    委員会の仕事について話す。それ以上は何もない。

    エレン「(・・アホか俺)」

    女子1人の事でここまで考えこむのは初めてだ。

    始業式のとき名前を見つけて、運命という言葉がよぎった自分がおめでたいったらありゃしない。
  36. 36 : : 2014/12/31(水) 10:06:49
    ーーー

    ーー



    エレン「・・・んあ」

    考えているうちに寝てしまっていたようだ。

    スマホには着信履歴が表示されている。

    母親から数分前に電話があったようだ。

    しかし母親は午前でパートをこなし、午後からはずっと家にいるはずだ。

    エレン「・・・こんな短い距離でワザワザ掛けるなっての」

    ーーー

    ーー



    カルラ「あら、起きた?」

    エレン「起きたよ・・・」

    今日の晩は魚の煮付け。

    エレン「・・・魚か」

    カルラ「文句があるなら無理して食べなくてもいいけど」

    ちょっと怒気を含ませた口調だ。

    寝起きなのもあってそんな小さい事にイラっとしたが

    エレン「・・・食べるよ」

    それでも自分を抑え、席に着いた。

    カルラ「頂きます」

    エレン「・・いただきゃーす」

    煮付けにムカつきをぶつけ、半分箸を突き刺すように取って食べた。
  37. 37 : : 2014/12/31(水) 10:29:12
    ーーー

    ーー



    飯食って、風呂入ってとりあえず課題もこなした。

    もう疲れたからすぐ寝ようそうしよう。

    ベッドに飛び込むが・・・

    エレン「・・・寝れねぇ」

    時計を見るとまだ10時半。

    ・・・へんな時間に寝るんじゃ無かった。




    ー翌朝

    エレン「お、おは、よ、う」

    ライナー「お、おはよう 何でそんな死にそうな顔してんだ?」

    エレン「寝不足だバッキャロー・・・」

    マルコ「ほどほどにしなよ」

    エレン「何をだ」

    椅子に座って机に体重を乗せて倒れこむ。

    マルコ「男が遅くまで起きてるっつったら・・・アレでしょ?」

    ライナー「・・・お前なあ」

    え、僕悪いこと言った?的な顔をしているのが眼に浮かぶが見えるのは机だけ。

    そのまま意識を手放した。

    ・・・ー君、・・・ガー君。

    エレン「(んー?・・眠いんだよ俺は)」

    ・・あ

    エレン「(え、何?今の"あ"って何?)」

    気になって気怠げに頭をもたげようとすると、脳天に硬い何かが落ちてきた。

    エレン「もげっ!?」

    意識が一気に覚醒する。

    キース「朝読書中に居眠りとはいい度胸だなイェーガー」

    HR担任のキース先生。

    よりによってこの卵に見つかった。

    手に持っているのは何故か国語辞典。

    それを頭に落としたらしい。俺の。

    エレン「・・・スンマセン」

    キース「お前は辞書で"睡眠"というものを調べてこい どこでそれをとるべきかも、な」

    ならお前は"発毛"を調べてこい、とはとても言えないので、

    エレン「へい・・・」

    クラスの中には忍ぶように笑う姿が見られる。

    アニもその例外ではない。

    エレン「(ハゲの野郎・・・)」

    教員として当たり前のことをした彼を恨まずにはいられなかった。
  38. 38 : : 2014/12/31(水) 10:41:12
    ー朝読書終了後

    エレン「・・笑うなよな」

    アニ「ゴメン、辞書落とされた時の声が面白くて・・・」クスクス

    無意識で覚えていないから、なんとも言えないんだが。

    エレン「何て言ってたの?俺」

    アニ「も、もげっ、て言ってた」

    また思い出したのか声を殺して笑っている。

    もげってなんだよもげって。

    恥ずかしくなって俯いていると遠くの方で"もげっ"と聞こえたので、そちらを向くと。

    コニー「もげっ!」ジダバタ

    それを見てヒーヒー言って笑うマルコ。

    それを見て俺がこれからやる事は一つだ。

    ーーー

    ーー



    スパァンッッ!!!!

    ハリセンでぶっ叩いたような綺麗な音が教室に響いた。

    コニー「いやホント」

    マルコ「ゴメンナサイ」

    さっきの自分を真似て笑い転げていた2人をシバく。

    それを見て周りの男子女子は面白いものを見るように笑っている。

    ハア、とため息をついた途端

    マルコ「・・・もげっ」ボソッ

    俺はマルコの机にあった辞書を迷わず奴の脳天に叩き落とした。

  39. 39 : : 2014/12/31(水) 11:10:44
    ーその後

    入部まであと3日。

    部活の入部届けをバスケ部顧問に提出しようと、顧問が誰なのか調べた結果。

    エレン「げ」

    ・・・よりによってあのゆで卵か。

    副顧問は・・

    リヴァイ、先生・・・

    いつも機嫌の悪そうな体育の教師だ。

    エレン「・・なんてこった」

    どっちにしろ入部したらほぼ毎日顔を合わせなければならないのだ。

    しかし卵か・・・

    ーーー

    ーー



    キース「貴様もかイェーガー」

    エレン「ハイ?」

    キース「今年はバスケ部希望が多いな」

    エレン「そうなんですか」

    キース「恐らく選抜試験をせねばならん」

    選抜試験?何を選抜するのだろうか。

    エレン「・・・それに落ちたら?」

    キース「部活を変えてもらおう」

    エレン「・・・ああ」

    部員選抜試験か。

    キース「せいぜい残れるように頑張るがいい」

    エレン「頑張ります!」
  40. 40 : : 2014/12/31(水) 11:32:17
    ー2日後

    キース「これよりバスケットボール部入部許可者選抜試験を開始する!」

    エレン「(多いな・・・)」

    少なく見積もっても50人ほどいる。

    1年は全体で400人ほど、男子はその半分と見積もって200人位か。

    その4分の1がここに居ることになる。

    見るからにオタッキーな奴がいたりするところを見ると狙いはやはり

    エレン「(・・・アニとミカサか)」

    よく見るとコニー、マルコ、そしてジャンもいる。

    サッカー部も同じくらいいるとアルミンは言っていた。

    となると男子の半分はその2つの部活に集中していることになる。

    エレン「(マルコがミカサは彼氏持ちだと知っているということは、大半はアニを狙っている・・・)」

    エレン「(やめだやめだ 余計なこと考えてないで試験に集中しろ俺)」

    キース「試験内容は・・・外周だ」

    「外周?」

    誰かが声を上げる。

    キース「貴様らは学校の周りを走るだけでいい」

    エレン「(一周・・・)」

    キース「一周はおよそ1.2Kmある」

    キース「それを5周してもらう」

    コニー「ご、5周!?」

    キース「そこから成績優秀者10名の入部を許可する」

    エレン「は!?」

    ジャン「10!!?」

    ザワザワとどよめく。

    キース「体力の無いものはバスケでは蚊ほども使えん」

    キース「なおコースには2年を立たせている」

    キース「奴らが試験続行不能と判断した者、走りを止めた者はその場で脱落してもらう」

    ーーー

    ーー



    キース「それでは、始め!」バッ!

    手を振り上げると一斉にスタートした。

  41. 41 : : 2014/12/31(水) 17:13:20
    ーー30分程経ったのち

    エレン「つ、疲れた・・・」

    ジャン「辛・・・」

    コニー「うへぇ・・・」

    自分、ジャン、コニーの順で5,6,7位。

    どうにかバスケ部への切符を手にすることができた。

    マルコ「だ、ダメだったか・・・」残念なことにマルコは13位。

    エレン「(あれ・・?マルコは割と運動できたような・・・)」

    コニー「(アイツ、頭ずっと痛かったらしいからなあ)」

    そう言ってこちらをじーっと見てくる。

    エレン「(え、ひょっとして俺のせい?)」

    そういえば朝、アイツの頭に辞典を落とした気がするが・・それ俺が悪いの?

    コニー「(とりあえず謝ってこいよ)」

    エレン「(マジか・・・)」

    コニー「(あ、でもその前からあいつ咳してて・・・)」

    コニー「(俺の風邪移ったかもな)」

    エレン「(オメーのせいじゃねえか!)」

    ーーー

    ーー



    キース「では、上位10名のバスケ部入部を許可する!解散!!」

    落ち込む人が多い中、わずかにいる入部許可者。

    エレン「あちこちから集まってるだけあってレベル高いな・・・」

    ジャン「またお前の一つ下かよ・・・」

    コニー「入れたんだからいいだろ?」

    エレン「つかマルコは?」

    コニー「保健室行った 風邪らしいぞ」

    エレン「やっぱりお前のせいだろ」

    コニー「え、マジか 悪いことしたな」

    コニー「ま、ドンマイってことで

    エレン「謝ってこい」
  42. 42 : : 2015/01/02(金) 19:52:20
    ーーー

    ーー



    エレン「・・・暗いな」

    放課後に選抜試験を行ったために、すっかり日が暮れてしまった。

    疲れたし、帰宅は遅くなるしもう嫌と不満が爆発しているのはエレンだけでは無いようで、コニーもブツブツとキース先生に向けて文句を垂れる。

    コニー「エレン途中まで一緒に帰ろうぜ」

    エレン「おう・・・」

    とにかく疲れていて返事をするのも億劫だ。

    そうして2人で帰路についた。

    ーーー

    ーー



    エレン「あ、お前マルコに謝ったか?」

    コニー「保健室行ったらもう帰ってたわ」

    エレン「マジか」

    コニー「まあ明日マルコの機嫌が良かったら謝ろうと思う」

    エレン「風邪だとしたらアイツ明日は来ねえだろ」

    コニー「!そ、そうだな・・・」

    まあ下手に次の日に謝るより、様子を見てからいったほうがいいだろう。

    会えなかくてよかったのかもしれない。
  43. 43 : : 2015/01/03(土) 10:37:50
    それからたわいもない話をしていると、帰路の別れる交差点へ到着する。

    コニー「んじゃ、俺こっちだから」

    エレン「おう んじゃな」

    お互い軽く手を挙げて別れる。

    エレン「あーあ 部活明日からかー」

    自転車のハンドルに腹をつけてだらけるようにゆるゆると走る。

    1年の段階では体力作りが基本。故に走りまくるわけで・・・

    エレン「疲れるなー・・・」

    上手い奴は1年から上級生と共に練習するらしいが・・・

    それに入るくらい頑張ってやろうと気合を入れ直し、帰宅した。

  44. 44 : : 2015/01/03(土) 11:29:58
    その次の日から練習が始まった。

    体育館に入ったのは自己紹介と挨拶の時、先輩の練習準備だけであとは基本外で体力作りだった。

    メインはやはり外周。

    毎日最低5周をこなし、ヘトヘトになったところへ筋トレ。

    それが毎日・・・

    ーーー

    ーー



    ・・・レン、エレン

    誰かに身体を揺すられて目を覚ます。

    というか寝ていたことすら気づかなかった。

    エレン「んん・・・アニか 何?」

    アニ「前笑うなって言われたから起こしてあげたのに・・・」

    エレン「・・・あ、そ、そうか スマン!つかありがとう!」

    アニ「また辞書を頭に落とされればいいよ」ツーン

    エレン「ゴメンって!もうあんなの勘弁だから!」

    アニ「ふん」

    ライナー「あ、エレン、アニを怒らせたのか?」

    ニヤニヤと面白そうに言ってくるライナー。

    ドタドタと走り寄ってくる男子達。

    ダズ「エレン!お前なんてことを!」

    マルコ「死罪に値するな」

    ベルトルト「アニは怒らせると怖いから

    バシッ!

    ベルトルト「痛アアァァァ!!」

    ゴロゴロと転げ回るベルトルト。

    アニ「私の怒り方は普通だから」

    ライナー「いやいや、脛を蹴る女子を果たして普通と言ってもいいの

    今度は周りの男子がライナーを蹴りまくる。

    マルコ「そこがいいんだろうが!」

    ダズ「強くて可愛いは正義だろ!」

    コニー「ゴリラ!」

    ライナー「誰だ今ゴリラっつったの!」

    コニー「エレンです」

    ライナー「貴様ァァァ!!」

    エレン「待って!俺いま足筋肉痛なの!」

    ライナー「問答無用!」

    ガシッ

    ものすごい勢いで突進してきたライナーを止めたのは。

    リヴァイ「俺は休み時間から自習しておけと言ったはずだが・・・?」

    ライナー「げ」

    リヴァイ「お前は部活後体育科室の掃除をしてもらう」

    ライナー「エエエエエエエ!!」

    リヴァイ「文句があるのか?」

    ライナー「職権乱用反対!」

    ライナー「そもそも悪いのはエレンですから!」

    リヴァイ「ほう?副顧問の俺の前で愚行がバレるとは運の無い・・・」

    エレン「ちょ、ちょっと待っ

    リヴァイ「お前もだ 俺が許可を出すまで帰さない」

    ライナー「(道連れだ!)」

    エレン「(コニーの野郎・・・!)」

    コニー「・・・」ニヤッ

    エレン「(絶対今度シバく・・・!)」
  45. 45 : : 2015/01/06(火) 15:20:28
    ーーー

    ーー



    体育科室

    エレン「お前なあ・・・」

    ライナー「アレはお前が俺をゴリラだって言うから悪いんだろ」

    エレン「だぁーからアレ言ったのは
    コニーだっつってんだろ!」

    ライナー「言い訳は良くないな」

    リヴァイ「無駄口も良くないがな」

    エレライ「「!!」」

    ライナー「そ、掃除はひと段落

    リヴァイ「ほう?」

    そう言って窓の枠の縁を人差し指でなぞる。

    指を見た後小さく舌打ちをすると

    リヴァイ「全然なってない 全てやり直しだ」

    エレライ「「(姑か!!)」」


    エレン「(あーあ・・・)」

    ライナー「(クリスタと・・・帰りたいのに・・・)」
  46. 46 : : 2015/01/08(木) 21:32:09
    ーーー

    ーー



    1時間後

    リヴァイ「まあこの辺で勘弁してやろう」

    エレン「あ、ありがとうございました」

    ライナー「ありがとうございました」

    リヴァイ「次何かやらかしたらこんなもんじゃすまねえぞ」

    エレライ「「へ、ヘイ」」

    ーーー

    ーー



    スタスタ

    エレン「・・・」

    ライナー「・・・」

    ライナー「・・・なんか、悪かったな」

    エレン「・・もう済んだコトだ 良いよ」

    エレン「つかコニーは許さん」

    愚痴を言いながら駐輪場まで歩くが、はたと気づいたことがある。

    エレン「あれ?そいやライナーって自転車通学なのか?」

    ライナー「ん?知らなかったのか?」

    エレン「だってアニと同じ地区出身なんだろ?」

    ライナー「それは知ってるのか」

    エレン「アニと帰った時に聞い・・」

    そこまで言ってライナーの顔がニヤついていることに気づく。

    しまった。ほとぼりが冷めるまでこの話題は出すまいと決め込んでたのに。

    そうはいっても一度口から出た言葉はどうしようもない。

    エレン「なんだよ」

    ライナー「いーや?何でも」ニヤニヤ

    エレン「スゲー顔がムカつくんですけど」

    ライナー「だってエレン、アニのことになるとすぐ怒るから」

    エレン「は?」

    ライナー「分かりやすいんだよなー
    やっぱ惚れたか?」

    エレン「何言ってんだよ・・・」

    内心そんなに分かりやすかったのかと焦る。

    イカンイカン。平常心平常心。

    ライナー「違うのか?でもまー普通の奴じゃアイツは落とせないぞ」

    エレン「・・・何がワケ知りっぽいな」

    ライナー「そりゃ幼稚園の頃から同じだったもんなー」

  47. 47 : : 2015/01/08(木) 21:44:19
    ライナー「綺麗だろ?アニは」

    エレン「・・・ああ」

    ライナー「でも彼氏がいたことなんて無いんだよな」

    エレン「そうなのか?」

    これは驚いた。

    確かに告白されたのかと聞いただけで顔を紅くしていた。

    恋愛には慣れていないということか。

    何回も告白されていてもそうなのって珍しい気がするが。



    ライナー「幼稚園の頃アイツ、凄い暗かったんだよ」

    ライナー「いつも一人でさ 俺とベルトルト以外とは遊ぶどころか話しもしない」

    ライナー「なんというか周りに壁作ってた」

    ライナー「でも小学校に入ってから急に明るくなったんだよ」

    エレン「・・・」

    ライナー「皆と上手くやっていけてたし俺もベルトルトも安心したよ」

    ライナー「だけど今でも分かんねーんだよなあ なんで急に変わったのか」

    そう言って一人考え込んでしまった。

    しばらく後、不意に頭をあげると

    ライナー「あーでも・・・」

    ライナー「1人だけいたな・・・アイツが心開いた奴が」

    ライナー「つっても別の幼稚園の奴だったっけ」
  48. 48 : : 2015/01/08(木) 22:12:42
    エレン「・・・」

    ライナー「まあ顔なんて覚えてないんだろうな」

    エレン「そう、か」

    その時

    ???「あ、ライナー!」

    ライナー「おうっ!?」

    突然名を呼ばれたライナーは焦る。

    声の主は・・・

    クリスタ「一緒に帰らない?」

    ライナー「あ、いや、あの」

    めちゃめちゃ焦ってる。

    思わず吹き出しそうになるのを堪えていると、

    クリスタ「あ!イェーガー君、だよね?」

    エレン「んお?知ってんのか?」

    クリスタ「有名人だもん 一目見ただけで分かったよ!」ニコッ


    感じのいい子だ。それに可愛い。

    アニは美人なお姉さん系、クリスタは可愛い妹的な感じか。

    タイプは違えど、男子に人気な理由は分かる。

    ライナー「いーよなエレン・・・」

    と、何かに飢えるような目でこちらを見るライナー。

    エレン「何がよ」

    ライナー「別にー」

    なんか面倒なのでクリスタに話しかける。

    エレン「つかクリスタ、だよな
    サッカー部のマネージャーなんだろ?」

    エレン「こんなに遅くなるのか?」

    クリスタ「いや、その・・・」

    なぜか言い淀むクリスタ。

    クリスタ「先輩とか知らない人達にその・・・」

    エレン「あー・・・」

    告白されてたのか。流石。

    ん?と、言うことは・・・

    アニ「ハァ・・・ん?アレ?イェーガー君にライナー?」

    ワオ。なんてグッドなタイミング。
  49. 49 : : 2015/01/09(金) 20:25:34
    ライナー「お?アニじゃねえか」

    エレン「アレ?バスケ部は俺たちと同じくらいには終わってたよな?」

    アニ「い、いや・・・ちょっとね」

    アニもか。

    エレン「・・・お疲れさん」

    アニ「ハハ・・・」

    クリスタ「アニ!」

    アニ「あ、クリスタ!」

    クリスタ「話すのは久しぶりだよねー」

    アニ「クラス違うからね」

    ライナー「この学校の有名人がほぼ揃ったな」

    クリスタ「この2人はどのクラスでも話されてるからね」

    エレン「なーに言ってんだ クリスタだって男子の憧れの的になってんだろが」

    クリスタ「そ、そんなことないって!」

    ライナー「そんなことあるぞ!」

    クリスタ「あ、ありがと・・・?」

    そんなことを話していると何時迄も此処に留まってしまうので

    エレン「帰りながら話さねえか?門閉められちまう」

    アニ「そうだね」

    こうして正門を自転車を引きながら通り抜けた。
  50. 50 : : 2015/01/09(金) 20:42:49
    ーーー

    ーー



    エレン「でよ、コニーの奴が俺が言ったなんて言うから・・・」

    クリスタ「それは災難だったね」クスッ

    ライナー「どっちにしても俺はバカにされたんだから胸糞悪いけどな!」

    エレン「俺を睨まないでくれよ・・・」

    アニ「仲良いよね、二人とも」

    エレン「いや、そんなこと

    ライナー「そうだよな?仲良いよな俺たち」ゴゴゴ

    エレン「・・・ヘイ」

    クリスタ「フフッ」

    アニ「ライナーは変わらないよね」クスクス

    エレン「そういやこの中で俺だけ中学違うんだよな」

    クリスタ「エレンはどこから来たの?」

    エレン「シガンシナだな」

    クリスタ「てことはミカサと同じ出身なんだ!」

    エレン「知ってんの?」

    クリスタ「スッゴイ綺麗な子だもん!黒髪の子も少ないからスグ分かった!」

    アニ「だよね 黒髪いいなぁー」

    俺は金髪もいいと思いますが!

    ライナー「ミカサとクラス一緒なのか」

    クリスタ「うん!すぐ仲良くなれたよ!
    あんまり感情出さないけど優しいのがわかるよ」

    幼なじみを褒められても自分としてはどう反応すべきかわからず困るが

    悪い気は全くしない。

    ライナー「あ、感情出さないといえばアニ」

    アニ「なに?」

    ライナー「お前うんと小さい頃って今ほどハキハキしてはいなかったよな?」

    アニ「そ、そうだったっけ?」

    動揺しているのか、そうだったかと古き自分を思い出せないのか。

    少し驚きに似た反応を見せる。

    クリスタ「そうだったの?」

    エレン「・・・」


    ライナー「なんかあったのか?」

    アニ「お、覚えてないよ・・・」

    ライナー「そっか そりゃそうだよな
    小学校入る前だし」

    エレン「(そうだよな・・・)」ハア・・

    クリスタ「ん?どうかしたの?」

    エレン「な、何でもない 気にすんな」
    ハハ・・

  51. 51 : : 2015/01/09(金) 21:08:45
    ーーー

    ーー



    ライナー「あ、俺とクリスタはこっちだよな」

    クリスタ「もっと話したいのに・・」

    エレン「LINEで話せばいいんじゃね?」

    クリスタ「それだ!アニ、絶対ね!」

    アニ「ハイハイ」クスクス

    クリスタ「エレンとライナーも参加ね!」

    ライナー「お、おう!!」

    エレン「はいよ」

    ライナー「あ、そうだ アニはエレンに送ってもらえよ」

    そう言ってこっちを見たと思ったらウインクかましてきやがった。

    ナイスだと思いましたが、そういうのはやめてください。

    アニ「でも

    エレン「了解」

    遮るように言うと2人はじゃあねと言って行ってしまった。

    ーーー

    ーー



    アニ「ごめんね」

    本当に申し訳なさそうに言った。

    全然迷惑じゃないのだが、何故か罪悪感のようなものがある。

    エレン「大丈夫だって 謝んないでくれよ」

    アニ「でも前みたいに噂になったら迷惑が・・」

    エレン「別に俺は構わねえよ」

    ・・・

    ・・・ん?

    アニ「え・・・?」

    エレン「イヤ、だから・・・」

    アレ?

    俺なんか今スゲー恥ずかしいこと言ってない?

    エレン「その、だから・・・」

    ここまできたら言ってしまおうか。

    エレン「・・・何でもない」

    アニ「そ、そう・・・」

    やっべ。ゆでダコ見たいに顔が熱い。

    怖くて隣が見られない。

    まだ高校で会ってひと月ちょっとだろうが。

    すっ飛ばしすぎだっての。

    結局アニの家までしっかり話ができた気がしない。

    アニ「じゃ、じゃあね」

    エレン「おう・・・」

    スゲー気まずい。

    このままでは明日まともに話が出来ないと焦った俺は、自分でも何言ってるかわからないことを言ってしまった。

    エレン「あ、あのさ」

    アニ「な、何?」

    エレン「あの、俺の事"イェーガー君"じゃなくて、名前で呼んでくれないか?」

    アニ「え・・・?」

    エレン「だ、だってよ、他の奴らは名前で呼んでるじゃん?」

    エレン「俺だけ名字で呼ばれるとむず痒いというか何というか」

    エレン「と、とにかく明日からは名前呼びな!これ絶対!」

    エレン「じゃ、またな!」

    そのまま振り返らずに自転車に乗って全速力で走る。

    アニ「あ・・・」

    アニはその遠ざかる後ろ姿を見つめることしかできなかった。
  52. 52 : : 2015/01/11(日) 21:36:31
    ー帰宅後

    うわぁぁぁああああ!!

    何言っちゃってんの俺!?

    何で名前で呼べとか言っちゃってんの!

    やべーよ恥ずかしくて穴を掘って埋まりたい。ついでにそこで窒息したい!

    エレン「(なんてこった・・・)」

    エレン「(まあ、言っちまったモンは仕方ない)」

    エレン「(明日までに何とかせねば)」

    関係を疑われるのは迷惑でないことは本心だ。

    でもそれは自分だけであって向こうからしたら迷惑なのかもしれない。

    エレン「(・・余計な事は言うもんじゃねえな)」

    それでも明日もし、名前で呼んでくれたらと期待している部分があることは否めなかった。

    ーーー

    ーー



    ガラガラッ

    エレン「おはようっす」

    まばらに帰ってくる返事。

    この時間は男子が少ないせいもあるのだろうが、女子から返される方が多い。

    エレン「(まだ来てねえのか)」

    簡単に教室内を確認すると、自分の席につく。

    エレン「(げ、宿題の数学のプリントやってねえ)」

    数学担当は確かエルヴィン先生だったか。

    怒らせると無言の圧力が恐ろしいと有名な教師だ。

    あと何故かヅラ疑惑有り。

    面倒なことはゴメンなので早急に取り掛かる。

    エレン「(・・問題多すぎなんだよ)」
  53. 53 : : 2015/01/11(日) 21:54:37
    取り組んでいる最中に彼女はやって来た。

    1年のバスケ部部員はまだ朝練には参加しない。

    自分もそうだったが割とゆったりと来たようだ。

    おはよう、おはようと挨拶をして席に近づいてくる。

    心臓はバックンバックン煩い。

    そして席に着いた。

    エレン「・・・おはよ」

    少し声が低くなってしまった気がする。

    ビクッと肩をわずかに揺らし、ゆっくりとこちらを向いてくる。

    視線がどうにも合わない。合わせてくれない。

    アニ「お、おはよう エ、エレン・・」

    最後の方は尻すぼみになりほとんど聞こえなかったが、

    確かに聞いた。名前で呼ばれた。

    エレン「(うおおおおおお!)」

    その場で踊り出してしまいそうな程テンションが上がる。

    まあ踊れないのだが。

    エレン「(つかなんかこっちまで恥ずかしくなってくるじゃん)」

    エレン「(なんか今まで呼ばれてた名前から変わるとそれはそれでむず痒い)」

    我ながらなんて面倒くさい。

    それでも顔が緩むのを止められない。

    エレン「(よーし今日も頑張るか)」

    それでも俄然やる気が上がる。

    なんでも出来る。I can do it。
  54. 54 : : 2015/01/11(日) 22:05:31
    声を潜めて話を続ける。

    エレン「ありがとな、呼んでくれて」

    アニ「あ、うん でもやっぱ変な感じしない・・?」

    エレン「全然」

    アニ「ならいいけど・・・ちょっと緊張する」

    顔を僅かに紅くさせながらそうはにかむ姿はなんというか、色々マズイ。

    エレン「(昨日の俺、良くやった!)」

    内心ガッツポーズを決めたとこで朝読書の時間が始まり、慌てて2人で本を出した。

    こんないい感じで1日が始まったのだ。
    あの卵先生の辞典を喰らってたまるか。

    高鳴る鼓動を読書に集中して、少しでも抑えようとするが上手くいかなかった。

    ーーー

    ーー



    朝のSHR

    キース「貴様らも知っているように、文化祭まであと1ヶ月程だ」

    キース「この学校の文化祭では1年は展示物、2年3年がクラス展だ!」

    キース「何をやるか、何を伝えるかは
    貴様らが決めろ!」

    ドーンという効果音が似合いそうな程堂々と言う姿は只ならぬ威圧感がある。

    エレン「(文化祭ねえ・・・)」

    キース「本日の7限に特別にLHRの時間を全クラスに与えられている」

    キース「クラス委員が指揮をとって決めるように!」

    エレン「(クラス委員・・・?)」

    あれ、そんなの決めたか?

    キース「クラス委員は今から投票で決めてもらう!」

    ザワザワとクラスがざわめく。

    キース「静まれ!私が決めるのを忘れていた事に異論があるのか?」

    よくもまあ今まで先生としてやってこれたもんだと感心せざるを得ない。
  55. 55 : : 2015/01/11(日) 22:14:33
    各々小さい紙を分けられ、男女1名ずつ名前を書くように言われる。

    とは言ってもまだ名前が覚えたてだ。

    名前と顔が未だに完全一致しない者は有名な2人を書く。

    そうでなくても指示されたいなどという煩悩で、男子は気になる女子に、女子は女子で気になる男子に投票する。

    と、なると必然的に票は2人に集中する。

    ーーー

    ーー



    昼休み、先生に呼び出され廊下へ出る。

    エレン「(何でだよ・・・)」

    呼ばれたのは俺とアニだった。

    もともと俺はリーダーなんて性に合わない。

    それは中学で嫌という程経験済みだ。

    キース「投票の結果、貴様ら2人に票が集中した」

    キース「やってくれるか?」

    担任がコイツじゃなく、一緒にやるのがアニじゃなきゃ断っていたが、

    エレン「・・・やりますよ」

    アニ「私もやります」

    一方アニは小慣れた雰囲気でさらっと受け入れる。

    昔からやってきているのだろう。大したものだ。

    キース「ではLHRを頼むぞ」
  56. 56 : : 2015/01/11(日) 22:43:55
    ー時は進んでLHR

    エレン「てことでクラス委員長になったエレン・イェーガーです よろしく」

    アニ「同じく副委員長になったアニ・レオンハートです よ、よろしくお願いします」

    所々で歓声のようなものが聞こえるが、

    キース「そこ!やかましい!!」

    怒声で一喝。

    エレン「・・・てことでまず展示物決めるんですけど」

    エレン「何やりたい?」

    と言っても案なんて誰も言わない。

    加えて、

    コニー「例えばどんなのやればいいんだよ?」

    必ずこういう奴が出てくる。

    なんなんだお前。お前の所業忘れてねえぞ俺は。よくそんな事抜かせるなオイ。

    マルコ「僕たちだけ考えるのは不公平じゃないですかねえ?」

    エレン「(殴りてえ・・・)」

    と思ったがそれは他の女子がマルコを少し非難する声で終わったのでヨシ。

    しかしやはり自分たちが考えないとよろしくないのも事実。

    エレン「なんかあるか?」

    アニ「うーん・・・」

    アニ「ステンドアートとかは?」

    おおおお!!と男子からは歓声が上がる。

    マルコ「よしじゃあそれで

    ヒッチ「アンタは少しは考えろ」

    マルコ「はうっ・・・」

    エレン「ほかにもそうだな・・・何かのオブジェとか」

    エレン「写真撮影出来るようなスポット作るとか?」

    今度は女子から歓声が上がる。

    コニー「他には?」

    エレン「えーっと・・・て」

    エレン「お前らも考えろぉぉお!!」

  57. 57 : : 2015/01/17(土) 09:20:53
    それから先はあーでもないこーでもない、の騒ぎだった。

    エレン「あーあ・・・」

    アニ「元気だね・・・」ハハ

    思わず二人揃って苦笑する。

    エレン「先が思いやられるな・・」

    アニ「でもいいんじゃない?こういうのも楽しいし」

    エレン「いや、こいつらまとめきれる気がしねえよ この先1年も」

    アニ「意外と向いてると思うけどなぁ
    リーダーに」

    エレン「まさか」ハハハ

    ーーー

    ーー



    30分にも渡る議論、というかお喋りの末、ようやく決定した。

    エレン「はい、つーわけでステンドアートで決定ですがイイですかね」

    うい、へーい、はーい!など返事が聞こえてくる。

    エレン「うし」

    アニ「じゃ、係決めます」

    エレン「え」

    アニ「決めちゃった方がこの先スグ製作に入れるからいいでしょ?」

    エレン「あーそれもそうか でも時間足りるか?」

    アニ「なんとかする」

    エレン「男前っすね」

    アニ「嬉しくないから」

    エレン「スンマセン」

    なんか尻にしかれてる気がする。

    が、もう勝てる気がしないので言葉の応酬はココまで。
  58. 58 : : 2015/01/18(日) 19:16:56
    ーーー

    ーー



    エレン「うへぇ・・・」グデー

    アニ「ふう・・・」ガクッ

    何とか役職決めまで終わらせて後は部活だ。

    帰りのホームルームも終わり、ぞろぞろと皆が教室を出る中、2人は今回決定したことを報告用紙にまとめていた。

    もう帰りたい。リーダー怠い。



    エレン「・・・やっぱアニはリーダーに向いてるよ」

    アニ「え?」

    エレン「俺はやっぱダメだな・・・言われたことしか出来ないし」

    アニ「中学の時は私もそうだったよ」

    エレン「え?」

    アニ「言われた事だけやってきた でも三年の時先生に言われたんだよね」

    アニ「"自分で決めたことを自信を持ってやれ"って」

    エレン「・・・」

    アニ「その時気づいたの 私が子ども扱いを受ける理由はそこにもあったんじゃないかって」

    エレン「子ども扱いされてたのか?」

    これは意外だ。

    今なんてスゴイ大人っぽいのに。

    アニ「えーと何ていうか、舐められてたって感じかな?」

    エレン「?」

    アニ「学級委員とかって必ずと言っていいほど批判の対象になるし、何かやった時先生に謝るのも私たちになる」

    アニ「損な役回りでしょ?」

    エレン「あーうん・・・そだな」

    自分も経験がある。

    授業中の私語が多くて先生がキレてまるまる自習になったときだ。

    結局皆に回りくどい言い方で「謝って」と言われ、渋々謝ったっけ。

    ああいう時って私語を交わしてた奴らほど謝れと言ってくるのでスンゲー腹立つんだよな。

    アニ「それに私は背も高くないし、女だし やっぱり何か注意しても受け取ってくれなかったりするんだよね」

    アニ「だから思ったの やり方を変えようって」

    エレン「・・・」

    アニ「始めはあんまり上手くいかなかったけど、任期が終わる頃には自分でも満足いくような運営ができた」

    アニ「ソレが活きてるんだと思う」

    エレン「・・・スゲーなやっぱ」

    こんなに頑張ってきた奴の隣でダラけるのは失礼極まりない。

    エレン「(俺も、やってみるか・・)」
  59. 59 : : 2015/01/18(日) 20:17:29
    ーー数十分後

    エレン「リーダーなんて糞食らえだ」

    ジャン「なんで俺が・・・」

    エレジャン「「コイツと一年リーダーにならなきゃならないんだ!」」

    キース「文句は?」

    エレジャン「「ありません!!」」

    キース「これから交代で昼休みに部活連絡を聞きに来ること いいな?」

    エレジャン「「はい!」」

    エレン「(頑張るとは思ったけども)」

    エレン「(なんでこいつなんだ・・・)」

    ジャン「まあなっちまったモンはしょうがねえ」

    ジャン「ちゃんとやれよ」

    エレン「そりゃこっちのセリフだコラ」

    ジャン「ああ?なんだってそんなに不機嫌なんだよ」

    エレン「お前に言うくらいならミジンコに相談するわ」

    ジャン「上等だこの野郎」

    バコッ!バコッ!!

    エレン「〜〜〜ッ!!!!」

    ジャン「」バタッ

    リヴァイ「早くお前らも外周へ行ってこい」

    エレジャン「「はい・・・」」
  60. 60 : : 2015/01/18(日) 20:33:07
    男子はやはり見栄張ってなんぼだ。

    特に女子の前では。

    そう、今自分たちの前には女子の集団がいる。

    1年の外周の時間が被ったのだ。

    コニー「おいエレン、コイツはチャンスじゃねえか?」

    エレン「真面目にやれよ」

    コニー「つれねえな〜ジョークよジョーク」

    エレン「・・・まあ否定はしねえけど」

    前方の集団の中には目立つ髪の2人は見えない。

    ミカサとアニは前方にいるのだろう。運動ができると言われてるし。

    ジャン「待ってろミカサァ!!」ダッ!

    エレン「あ、てめ、ジャン!!」ダッ!
  61. 61 : : 2015/01/21(水) 16:56:59
    ドドドド

    エレン「おいコラジャン、俺を抜かそうなんざ百年早いんだよ」

    ジャン「あ?そりゃこっちのセリフだ
    寝言は寝て言えアホタレ」

    エレン「んだとコラ?前歯と奥歯差し替えてやろうか?」

    ジャン「やってもらおうか」

    エレン「・・・」バチバチ

    ジャン「・・・」バチバチ

    ゴンッ!ガンッッ!

    エレン「あだ!」

    ジャン「いでえっ!」

    オルオ「お前らちゃんと走りやがれ」

    オルオ「まあ俺についてこれているのは評価してやってもいい」

    オルオ「だがお前らは俺を抜かすことはできん」

    オルオ「何故だか分かるか?それはお前らが

    長くなるとわかっているので全力で逃げる。

    というかあっさり追い抜いていく。

    オルオ「あ!お前ら!俺の話を最後まで聞きやがれ!」

    オルオ「どちくしょーが!」ドドドド!
  62. 62 : : 2015/01/21(水) 17:06:53
    ー女子 先頭集団

    ミカサ「・・・練習に文句を言うわけじゃないけど」タッタッタッ

    ミカサ「いつまで外周をやるのだろうか」

    アニ「・・・だよね」タッタッタッ

    こうも毎日のように同じコースを走っていれば景色も覚えてつまらなくなる。

    もう目をつぶっても完走できる気さえするようになってきた。

    もっともそんな風に思う余裕があるのはミカサとアニくらいのもので、他は走るのに必死だ。

    そんなことを話していると後ろから誰かが近づいてくる。

    リコ「無駄口を叩くなアッカーマン、レオンハート」

    リコ「余裕があるからと言って手を抜くのは許さんぞ」

    ミカアニ「「・・すみませんでした」」

    確かに走るのはバスケの基本にして最重要要素だ。

    軽んじるのはいけなかった。

    反省して謝るとまたまた後ろから足音が聞こえてくる。

    ドドドドドドドド!!!

    エレン「そろそろギブアップしてもいいんだぞジャン!」ゼーゼー

    ジャン「お前こそ苦しそうじゃねえか 無理せず歩けバーカ!」ゼーゼー

    エレン「ざけんな 俺はまだまだ余裕よ
    なんなら逆立ちで走ってやろうか?」

    ジャン「なら俺はブリッジで奇声上げながら走ってやろうか!?」

    エレン「なら俺は

    リコ「お前らも真面目にやれぇぇ!!」
  63. 63 : : 2015/01/24(土) 21:39:36
    ーーー

    ーー



    エレン「終わった・・」ゼーゼー

    ジャン「テメエのせいで余計な体力使っちまったじゃねえか・・・」ゼーゼー

    リコ「ああ言えばこう言う、よくもまあそんなに言葉の応酬が続けられるな」

    ジャン「へっこいつに対する罵詈雑言は尽きる気がしませんからね」

    リコ「誇るな」ベシッ

    リコ「(しかしこの二人・・・私のペースより速く走るとは・・・)」


    アニ「・・あの二人、いつもあんな感じなの?」

    ミカサ「なんでも張り合うの 見てて面白い」

    オルオ「お、俺は一年に負けたわけじゃねえぞペトラ」

    オルオ「い、一周多く走っただけだからな!何故そうしたかお前にはわから

    ガジッ!!

    オルオ「〜〜〜〜〜〜ッ!!」

    ペトラ「私はなんでいつも舌を噛むのかがわからないけどね」

    呆れ顔を浮かべながらオルオ先輩と走ってきたのはペトラ先輩。

    女子バスケ部の副部長だ。

    ペトラ「お!やっぱりミカサとアニは速いね!」

    ペトラ「感心感心!」

    リコ「アンタも頑張んなよ」

    ペトラ「これ以上は無理ですー!最近外周走ってなかったし・・・」

    リコ「つべこべ言うな!」

    ペトラ「ういー・・・」
  64. 64 : : 2015/01/24(土) 22:12:46
    ーーー

    ーー



    そんな感じで授業の後外周を走るという毎日が続いた。

    同じバスケ部で話も弾み、アニが自分を名前で呼ぶのに違和感がなくなってきた。

    そして二週間程経った頃。

    キース「と、いうわけで間も無く文化祭だ」

    キース「知っての通り準備期間中の部活動はできても30分だ」

    キース「そんな中途半端で終わるのならやらない事にした」

    外周がキツイ者たちは小さく歓声をあげたがリヴァイの睨みですぼまる。

    キース「行事を楽しむのは大切だが、体力を落とさないよう毎日走り込みだけはしておけ!以上!」

    一同「「ありがとうございました!」」

    キース「あ、イェーガー!キルシュタイン、フロイデンベルク!お前らは残れ!」

    エレン「へ?あ、ハイ!」

    ジャン「ハイ!」

    マルロ「ハイ!」

    エレン「(なんかやらかしたか?)」

    ジャン「(怒られたら大体エレンの所為だウン)」

    エレン「(つか・・・)」

    エレジャン「「(フロイデンベルクって誰だ?)」」

    ーーー

    ーー



    自分とジャン、もう一人は・・・

    エレン「・・・」

    ジャン「・・・」

    マルロ「・・・」

    エレン「よ、よお マルロ、だよな?」

    マルロ「確か君は・・・エレン、だよな」

    エレン「そうそう」

    マルロ「で、君がジャンか」

    ジャン「知ってんのか?」

    マルロ「アッカーマンさんと同じクラスだから 噂はかねがね」

    ジャン「そうか」テレッ

    エレン「・・・その態度ムカつくんだが」

    ジャン「んだとコラ?惚気ちゃ悪いのか?」

    エレン「よくもまあそんな鼻の下伸ばした顔を人前に晒せるなって言ってんだよ」

    ジャン「伸ばしてねえよ!!」

    マルロ「2人は・・・仲良いんだな」

    エレジャン「「よくねえよ!」」

    マルロ「はは・・・羨ましいよ そうやって言い合える人がいるのは」

    そう言って何処か寂しげな表情を浮かべる。

    マルロは真面目で外周サボってる奴なら上級生にも噛み付いてたっけ。

    その分評判は悪かったが。

    エレン「・・・お前」

    ジャン「何言ってんだよ お前だって俺たちバスケ部の仲間だろうが」

    マルロ「・・・?」

    ジャン「しけたツラすんなって 悪いけど俺は他人の悪口に関しては超一流だからな」

    ジャン「おちょくられてもマジギレすんなよ?」

    エレン「その度に俺がしばき倒してやらあ」

    ジャン「やれるもんならやってみろバーカ」

    エレン「そういうわけだ 並大抵の体力じゃコイツと付き合ってられねえからな」

    エレン「覚悟しとけよ!」ニッ

    マルロ「エレン、ジャン・・・」
  65. 65 : : 2015/01/25(日) 17:25:06
    ー数分後

    キース「貴様らを呼び出したのは他でもない」

    キース「次回から外周を一周走ったら体育館内練習だ」

    エレン「・・・」

    ジャン「・・・え?」

    マルロ「!」

    エレン「ま、マジですか!?」

    キース「嘘を言う必要があるか?」

    ジャン「よ、よっしゃぁぁあ!!」

    マルロ「・・・」

    これは嬉しい。

    外周というこの上なくつまらない練習からようやく抜け出せるのだ。

    まあこれからは一層キースの機嫌を損ねないような立ち回りが求められるワケだが。

    キース「異論は?」

    エレジャン「「ありません!」」

    キース「む?フロイデンベルク 貴様は何か言いたいことがあるのか?」

    マルロ「・・・この2人が中練習だというのは分かります」

    マルロ「実際長距離のタイムなら一年全体でもトップクラスでしょう」

    マルロ「何故俺が・・・」

    キース「中練習するに値すると判断したからだ」

    マルロ「ですから、その判断基準は

    ジャン「オイオイもういいだろ」

    ジャン「貰えるもんは貰っとけって」

    キース「嫌なら取り下げるが」

    マルロ「あ、ありがとう、ございます」

    キース「よろしい」

    なんとか取り下げは回避し、腑に落ちていないようなマルロを連れて出る。

    向こうを見ればミカサ、アニ含めた数名に顧問が話をしているようだった。

    おそらく内容は同じだろう。男女間での部活運営には何らかの決まりがあるようで、ほぼ同時進行だ。

    マルロ「・・・エレン」

    エレン「ん?」

    マルロ「鼻の下、伸びてる」

    エレン「ま、マジか」

    ジャン「なんだよお前も人のこと

    バシッ!

    ジャン「痛えええええ!!」
  66. 66 : : 2015/01/27(火) 21:21:26
    ーーー

    ーー



    それから2、3日後

    文化祭準備期間に入り、放課後の部活が一時休止となった。

    と、いうわけで・・・

    エレン「ハイ、というわけで今日から文化祭の展示物制作に入るわけだが」

    エレン「まず、学校から支給されるのは1クラス1万円までだ」

    エレン「で、足りない分はクラスで集金して使えってさ」

    ペラッ

    企画についての紙をめくる。

    エレン「んで次 間に合わなくてもその段階で展示すること」

    ペラッ

    エレン「最後、全員が協力してよりよいものを作ろう、だそうです」

    エレン「ちなみに優勝クラスにはうまかっちゃんと・・・焼肉食べ放題のチケットが全員に配布されます」

    エレン「クラス会のためにも、チケットとるぞぉぉぉ!!!」

    一同「「「うぉぉおおおお!!!」」」

    ーーー

    ーー



    というわけで前回決めた役割につき、作業が開始された。

    男共は焼肉の為に全力で取り組んでいる・・・のもあるのだろうが、

    良いところを女子に見せようと率先して力仕事をしている。

    エレン「ハハ・・・」

    大まかなプランはこうだ。

    枠組みを木材で作り、薔薇の形の切り抜きをいくつかダンボールにあける。

    枠組みにダンボールを釘で固定し、裏からセロハンを貼る。

    表面はダンボールのままだと格好が悪いので全面塗装。

    人工芝をその前に敷いて更に柵を置く。

    太陽のよく当たる場所に展示して、ステンドアートを用いた庭を再現する、といった感じだ。

    ステンドアートの発想はアニだが、庭の再現の提案はミーナ、そこから柵などのオブジェクトの提案はヒッチだった。

    その間男子は全く何も思いつかず、進むのを眺めていただけだった。

    というよりこっちの方、いや、アニをずっと見ていただけだが。
  67. 67 : : 2015/01/27(火) 21:37:35
    1日の作業はおよそ1時間半。

    大会が近く部活がある奴もいるので、そういう者たちは30分で抜ける。

    残る者たちは大体半分だが、これだけいれば十分だ。

    エレン「あ、俺すんぞー」

    ライナー「お、エレンも手伝ってくれるのか?」

    エレン「前に立ってるだけなワケねーだろ?みんなやってんのに」

    マルコ「俺偉いって誇っちゃダメだよ?それが当然なんだからね?」

    エレン「へいへい」

    あっちはあっちで。

    ヒッチ「アニ〜切り抜くの手伝って〜」

    アニ「いいよ」

    ミーナ「あー!ヒッチ、アニに任せてサボるつもりでしょ!」

    ヒッチ「アンタみたいに歪んでないからね私は」

    ミーナ「さ、サボるつもりなんて毛ほどもないよ!」

    ヒッチ「じゃ、アニよろしく!」ダッ!

    ガシッ

    アニ「一緒にやるよね?」フフ

    ヒッチ「・・・ハイ」

    そう言って持ち場に戻るヒッチ。

    コニー「あのヒッチが持ち場に戻ったぞ・・・」ヒソヒソ

    エレン「(ハ、ハハハ・・・)」

  68. 68 : : 2015/01/27(火) 21:56:19
    ー1時間半後

    エレン「ふー・・じゃ、今日はこの辺で」

    アニ「みんなお疲れ」

    皆がお疲れー、疲れた、でも楽しいね、など思い思いの事を言って教室を出て行く。

    しかし、クラス委員である自分たちはそうはいかない。

    エレン「・・・さて」

    アニ「やりますか」

    全員が帰ったのを確認すると、活動報告用紙に活動、支出、計画を毎回書かなければならないのだ。

    これが地味に面倒臭いらしく、部活の先輩が言うには毎回30分以上かかるとかかからないとか・・・。

    エレン「記入項目多いな・・」ハア・・

    時計を見ると5時45分。部活の終了は7時だからそれよりは早く帰れそうだ。

    アニ「頑張って早く終わらせちゃお」

    そう言ってシャーペンを走らせる。

    エレン「おっしゃ!」

    パシッと自分の頬を叩いて気合いを入れる。

    こんなのチョチョイのチョイで・・・

    ーーー

    ーー



    エレン「・・・」

    アニ「・・・」サラサラ

    エレン「・・・」

    アニ「・・・?」チラッ

    だんだんと頭が落ちていくのが自分でもわかる。

    ついでに瞼も。

    何が30分だ。軽く45分過ぎてんぞ。

    テキトーなこと言いやがってオルオ先輩!

    そんな恨み言を口に出す余裕もなく、頭は机に到達した。

    ああ、このままこの睡魔に身を任せてサイコーに心地よいこの

    コンッ

    と、頭を軽く何かで叩かれる。

    エレン「イテッ」

    いや、別にそれほど痛い訳ではないがそんな言葉が口から溢れる。

    アニ「ほら、あと少しだから」クスクス

    エレン「んあー・・・」

    静かに笑いながらこちらを見ている。

    どうやらシャーペンのノック部分で叩かれたらしい。

    眠気はどこにもいってはくれないが、エネルギーは充填された。

    エレン「・・・」フイッ

    なんか恥ずかしくなって思わず目をそらしてしまった。

    アニ「?どうかしたの?」

    エレン「ん!?あ、いや!何でもねえ!
    ・・てもう終わったのか!?」

    アニ「うん、私の分は」

    エレン「早えなぁ・・・」

    油断した。俺の方が書いてる内容スッカスカなのになぜあっちの方が早く・・

    居眠りしてたんだから当然だと思うのにそう時間はかからない。

    アニ「ほら、早く書いちゃって」

    エレン「へ?」

    アニ「それ」

    エレン「お、おう」

    どうやら待っててくれるようだ。

    これはいい意味で予想を裏切った。

    てっきり書き終わったらさっさと提出してしまうと思っていたのだ。

    ・・・よく考えればアニはそんな冷たい奴じゃないと分かりそうなもんだが、エレンは内心舞を舞いたい気分だ。

    先ほどの眠気も何処へやら。一気に紙に言葉を並べていった。
  69. 69 : : 2015/01/27(火) 22:06:54
    それから書き終わるまでにそう時間はかからなかった。

    エレン「終わったー!!」

    アニ「お疲れ」フフ

    エレン「待っててくれてあんがとな!」

    エレン「じゃ、提出しに行こうぜ!」

    アニ「うん」

    荷物を背負って、一緒に職員室の企画書提出箱にぶち込んで帰路につく。

    ーーー

    ーー



    自然と自転車を引いてアニと並んで歩く。

    もうすぐ夏なのでそれほど暗いわけではない。

    故に前のような口実は使えないのだが、一緒に話せているところをみると向こうも別に嫌がってるわけではないようだ。

    もちろん、毎日こうして帰れるかはわからない。

    会話を楽しみつつ、諦めにも似た感情を抱いていた時、これまた嬉しい話が向こうからやってきた。

    アニ「あ、そうだ」

    エレン「ん?」

    アニ「エレン、もしかして部活休みの間走り込みしとけって言われたりしてない?」

    エレン「あー・・・そういやそうだっな」

    アニ「じゃあ一緒に走らない?」

    !?

    ま、マジでぇぇえ!!?
  70. 70 : : 2015/01/27(火) 22:36:37
    いやいや落ち着け俺。

    それはつまり下校中に家まで走って帰ろうという意味だ。

    いや、それはそれで一向に構わない。

    二人きりの下校が一週間も保証されるわけですし。

    しかし!

    走って帰ってしまったらそれこそ一緒に居られる時間は短くなってしまうわけで。

    でもアレがアレでソレがソレで・・・

    エレン「え、えーと下校中についでに走るってこと?」

    パンクしそうな頭でどうにか言葉を紡ぐ。

    アニ「あー・・・その手もあったか」

    !!!?

    その手"も"!!?

    ということは想定していたのとは違うというわけですか!?

    てことは俺、自らチャンス潰しちゃったかもしれない!?

    俺の馬鹿野郎ッッ!!!!

    アニ「夜に一緒に走ろうかなと思ったんだけど・・・」

    完全にチャンス潰しちゃったなコレ。

    もう絶望しかない。

    さっきは一緒に帰れるというだけで喜んでいたのに、今となってはそれが霞んで見える。

    エレン「・・・でも夜は危なくないか?」

    もう半分諦めモードだ。

    しかし、

    アニ「だからエレンと一緒に走ってもらおうかな、と思って・・・」

    エレン「!」

    アニ「あ、面倒なら全然いいんだけど

    好機、見えたり!!

    エレン「いや、イイ!やる!一緒に走るぞ俺!」

    アニ「ほ、ホント?」

    エレン「ああ、夜なら涼しいだろうし、テンション上がるしな!」

    アニ「・・・」

    エレン「どした?」

    なーんか冷ややかな視線が痛い。

    ・・・ん?

    テンション上がる?

    !!

    エレン「あ、そ、その!テンション上がるってのは変な意味じゃなくてだな!」

    エレン「ほ、ほら!暗いなー!楽しいな!!みたいな」

    自分で言っててなんだが、無理ありすぎな気がする。

    アニ「・・・」

    アニ「・・・プッ」

    アニ「やっぱエレン、面白い」クスクス

    エレン「え?」

    アニ「エレンとか下心とはなさそうだもんね」

    エレン「あ、アハハ・・・」

    そんなことは全く無いです。

    と、ここでとある危機感が生まれる。

    ーアニ、無防備すぎねえか?
  71. 71 : : 2015/01/27(火) 22:57:32
    夜に男といるなんて、それこそ危ない。

    ましてやアニの家を知ってる男だ。

    俺は紳士だからアンナコトとかコンナコト全然する気ないからね!

    でも俺じゃなかったらホント危ないからね!!

    などと他の男子を無意識に犯罪者に降格させて自分を棚に上げる。

    エレン「(モテてるのに自覚ねえのか・・・?)」

    それでも結構な数告白されていたはずだ。

    部活が始まってすぐ告白されてたし。

    それで無自覚なのは無いだろう。

    まあ、とにかく確実に言えることは

    エレン「(他の奴らに頼んだりしたらアウト・・・!)」

    エレン「と、とにかく俺は一緒に走るから」

    アニ「ありがとね」

    アニ「じゃあ毎日どこに集合する?」

    エレン「俺がアニの家まで迎えに行くよ」

    アニ「え!?結構距離あるでしょ?しかも走ってだからなおさら・・・」

    エレン「夜に一人なんて危ないだろ」

    この際危機感を持たせておこう。

    アニ「でも・・・」

    エレン「こういう時は男のメンツの為にも素直に受け入れろって」

    エレン「全然迷惑じゃねえからさ」

    アニ「あ、ありがと じゃあお願い」

    エレン「任せとけ!」ニッ

    アニ「あ、でも無理な時は・・・」

    エレン「LINEで連絡でいいだろ?」

    エレン「ま、俺は多分毎日OKだから」

    アニ「分かった」

    そんなことを話しているといつの間にやらアニの家だ。

    アニ「ホント毎回ありがとね」

    エレン「気にすんなって!アニと話してると時間が過ぎんのが早くて早くて」

    アニ「本当・・」

    アニ「ずっと話せてたらいいのに」

    そして浮かべる寂しげな顔。

    その言葉にクラクラした。

    頭の中で何かが爆発した気がする。

    でも、期待しすぎるのは愚かだ。

    残念だった時に受けるショックが大きくなるから。

    だから極力冷静になろうと努力して、なんとか笑顔を浮かべた。

    エレン「ホントにな でもまた夜会えるだろ?」ハハ

    エレン「じゃ、またな!」

    アニ「また、ね」

    そう言った後エレンは自転車にまたがって元来た道を戻っていく。

    ドアに手をかけた時、アニは何かを思い出したようにエレンの方を見たのに気づくことは出来なかった。
  72. 72 : : 2015/01/30(金) 22:30:00
    ー夜9時

    エレン「・・・何でだよ」ボソッ

    アニ「どうかした?」

    エレン「いや、アニのことじゃなくて・・・」

    エレン「なんでお前がいるんだよぉ!」

    ジャン「誰のことだ?」

    エレン「オメー以外に誰がいるってんだ馬鹿野郎!!」

    ジャン「俺だってエレンとなんか走るつもりこれっぽっちもねえよ!」

    ジャン「勘違いするなよ?俺はミカサと走ろうと・・・」

    エレン「お前とミカサが住んでるのはこの地域じゃねえだろ!!」

    ジャン「いやー悪いな まさか走るコースが被るとは思わなくて」

    完全に邪魔だ。邪魔以外の何者でもない。

    腐れ縁という言葉がこれほどまでピッタリの状況があるだろうか。

    もうどうでもよくなってとりあえず深呼吸を一回して落ち着く。

    エレン「・・・で、ミカサは?」

    ジャン「すぐ来ると思う

    ここでLINEの通知がジャンのスマホに届く。

    ミカサからか!?と嬉々として見たと思ったら、分かりやすいほど落胆している。

    なんとなく何があったかは察しがつくが、とりあえず確かめてみようか。

    エレン「あー、どうした?」

    ジャン「熱出たから行けないとさ・・」

    エレン「・・・マジで?」

    これは意外だ。

    ミカサはこれまで小中一貫して皆勤賞をとっていたはず。

    風邪などひいたことがあっただろうか。

    ジャン「見舞いに行ってくるか・・」

    エレン「こんな時間じゃ親御さんに迷惑だろ」

    ジャン「そっか・・・そうだよな・・」

    アニ「しょうがないよ 文化祭の準備とか頑張りすぎちゃったんじゃない?」

    ジャン「そういやスゲー張り切ってたもんな・・・」

    そのまま地面にめり込みそうなほどテンションが下がっていてもう見ていられない。

    エレン「ま、まあアイツの事だ しっかり寝て明日お前と会えるように治してるんだろ」

    気づいたら柄にもなくこんな事をジャンに言っていた。

    その瞬間パァァ!という効果音が似合うように笑顔を浮かべると

    ジャン「やっぱそうか!?そうだよな!
    じゃ、帰って俺も早く寝よう!」

    ウォォォ!と夜なのもわきまえず、走って帰ってしまった。

    嵐のようだと残った2人で苦笑した。
  73. 73 : : 2015/01/30(金) 22:40:45
    まあ不本意な事を言ったにしても、二人きりという状況は作り出せた。

    ジャンがミカサにゾッコンで良かったというかなんというか。

    エレン「じゃ、俺たちは走るか」

    アニ「そうだね」

    そうして並んで夜の街を走っていく。

    ーーー

    ーー



    走り込みといっても部活の時のソレのように厳しいものではない。

    多少会話を交えながら走る。

    アニ「すごい惚れ込み様だね」

    エレン「ん?ああ、ジャンか」ハハ

    アニ「そうそう ミカサ大変そう」クス

    エレン「あいつもまんざらでもないっぽいけどな」

    アニ「いいね そういうの」

    エレン「相思相愛だもんなー妬けるぜ全く」

    アニ「エレンもなんだかんだ言ってジャンと仲良いよね」

    エレン「ぶほっ!!?」

    エレン「オイオイよしてくれよ あんな奴と」

    アニ「悪態ついてるけど、言い合ってるとき凄い楽しそうだし」

    エレン「悪口の言い合いなんざ楽しくねえよ・・・」ハハ

    アニ「そうかなー」
  74. 74 : : 2015/01/30(金) 23:13:35
    それからたわいもない話でちょいちょい盛り上がり、気がつけばかなり走っていた。

    少々足に疲れが溜まったのか土踏まずのあたりが痛くなりつつある。

    アニの方を見ても自分と同じような状態らしく、ペースも少しではあるが落ちてきていた。

    エレン「今日はこんくらいでいいんじゃね?」

    アニ「そうだね・・」

    走った距離は結構あるが、それでもアニの家の周りを大きめに何周もした。

    よって、アニの家まではそう遠いわけではない。

    エレン「んじゃ歩いて呼吸整えつつ帰ろうぜ」

    アニ「・・・なんかエレンの方が余裕そうで腹立つ」

    エレン「そうか?」

    まあ、もう走れないかと聞かれれば答えは否だが、走らずに済むなら正直今は走りたくない。

    アニ「もっと体力つけたいな・・・」

    エレン「じゃ、明日から距離伸ばすか?」

    アニ「そうしたらエレンも持久力つけれちゃうじゃん」

    エレン「俺持久力つけちゃダメなのか?」ハハ

    アニ「文化祭の時、バスケ部は試合をやるって聞いてない?」

    エレン「え、そうなの?」

    アニ「そうなの で、そこで1年生の男女チーム同士で試合やるんだってさ」

    エレン「なるほど」

    アニ「まあ、エレンが持久力つけようとつけまいと、勝つのは私達だけど」

    エレン「聞き捨てならねえな 高校生男子が如何に大人気ないか見せてやるよ」

    アニ「それ、誇ること?」クスクス

    エレン「男子高校生なめんなよ?マジ大人気ないから 何するにしても全力だから」

    そう言ってお互いに静かに笑いあう。

    しかし相変わらずキース先生は大事なことを言わない。

    エレン「あ、なら"賭け"しねえか?」

    アニ「え?」

    エレン「買った方が負けた方に好きな ジュース一本」

    アニ「乗った」

    エレン「絶対だからな!俺コーラだから160円当日忘れんなよ!」

    アニ「私オランジーナね 同じく160円」

    エレン「オランジーナの分は持ってこねえよ 俺たち勝つから」

    アニ「言ってなよ 女子ってボール見ると豹変するから、生半可な覚悟じゃ痛い目見るよ」

    エレン「どうなるか楽しみだねえ」

    こうして約束をして、アニを家に送ると自分も家に帰った。
  75. 75 : : 2015/02/01(日) 19:38:56
    ー次の日

    エレン「おはよーっす」

    マルコ「あ、おはようエレン」

    エレン「早いなマルコ」

    コニー「俺の方が早かったけどな!」

    エレン「ああそうですか」

    コニー「何だよその反応ー」

    理由を聞いてくれという目をめっちゃ向けてくる。

    俺が早いんだぞ?何かあるんだから聞いてくれ!と。

    ・・・でもまあ少し気にはなるので聞いてみることにした。

    エレン「・・・なんで今日は早いんだ?」

    コニー「よくぞ聞いてくれた!」

    コニー「これを見よ!」バサッ

    エレン「何だこれ?生徒会新聞か?」

    マルコ「なになに?」

    コニー「ここを見てくれ!」

    言われた箇所を見てみると

    エレン「えーなになに?"最優秀展示物を作ったクラスには焼肉焼肉食べ放題のチケット"」

    コニー「これを見ていてもたってもいられなくてな!」

    エレン「・・・」

    マルコ「・・・」

    エレン「これ・・・」

    エレン「俺、展示物製作の説明の時言わなかったっけ?」

    コニー「あれ?そうだったっけ?」

    マルコ「言ってたね」

    エレン「人の話聴いてろよぉぉ!」

    コニー「わわっ悪い!」
  76. 76 : : 2015/02/01(日) 19:51:08
    ガラガラッ

    アニ「おはよー」

    ヒッチ「あ、おはよーアニ」

    ミーナ「おはようっ!」

    コニー「あ、アニだぞエレン!」

    話題を逸らして無かったことにしようとするという魂胆が見え見えだが、もう気にしたら負けな気がする。

    エレン「見りゃあ分かるよ」

    エレン「おはよアニ」

    アニ「あ、エレンおはよう」

    と、生徒会新聞に気づくアニ。

    アニ「あれ?コニー、生徒会新聞なんて持ってどうしたの?」

    コニー「いやー俺は真面目だから新聞は毎日読んでるんだよ」

    アニ「そう」クスクス

    コニー「なんで笑うんだよ!」

    エレン「分かりやすい嘘はつくもんじゃねえぞコニー」ハハ

    コニー「嘘じゃねえから!」

    マルコ「見てるのなんて天気の欄とテレビ欄、気が向いたら四コマ漫画でしょ」

    コニー「な!なぜ分かった!」

    マルコ「俺も同じだから」

    エレン「おいマルコ」

    ワッと再び盛り上がる。

    アニ「あ、私たち今日日直だ」

    エレン「そうなのか、頑張れ」

    アニ「私"達"って言ったでしょ」

    エレン「うん、だからソイツと頑張

    アニ「ほら、行くよ」

    エレン「え」

    アニ「日直の組み合わせ、学級委員同士がペアでしょ?」

    エレン「ぬおおおう・・・」

    アニ「ほら、立って」

    エレン「メンドクセーな・・・」トボトボ

    アニ「ふふっ」

    マルコ「行ってらっしゃい」

    コニー「・・・」

    マルコ「・・・」

    コニー「・・・なんかエレンに対してすごい気を許してるよなアニ」

    マルコ「そう?」

    コニー「気のせいではないと思うんだけどなぁ」
  77. 77 : : 2015/02/01(日) 20:25:04
    ー職員室前

    エレン「・・・」

    アニ「・・・」

    エレアニ「「せーの」」

    エレン「じゃん!」

    アニ「けん!」

    エレアニ「「ポンッ!!!!」」

    過去のじゃんけんの記録を瞬時に分析し、もっとも勝率の高いチョキを出す。

    俺に全く落ち度はない。

    しかし無情にもアニの拳骨は俺の出したハサミを打ち砕いた。

    エレン「・・・まじかよ」

    アニ「じゃ、私プリント類持って行くから、ご用聞きは任せたよ」

    ーーー

    ーー



    キース「貴様は何者だ」

    エレン「だから貴方のクラスの生徒のエレンです」

    キース「そうか、で、要件は」

    エレン「本日の日直なのでご用聞きに伺いました・・・」

    キース「そうか、特にはない 帰れ!」

    エレン「あ、ありがとうございました」

    バタン

    エレン「・・・こんな会話を毎日やってんのか先生は」

    みんなじゃんけんでご用聞きをする方を決めると言うが、納得できた。

    コレは面倒くさい。

    ーーー

    ーー



    エレン「次回はアニがご用聞きな!」

    アニ「そんなに嫌なの?」

    エレン「もう勘弁だわ・・・」

    アニ「な、なんかゴメンね」

    エレン「いや、いいよ じゃんけんだし」

    ライナー「お?エレンも経験したのかアレ」

    ベルトルト「え?」

    ライナー「ほら、前に言っただろ?ご用聞きの事」

    ベルトルト「あー」プッ

    エレン「他人事だと思いやがって」

    ライナー「いやーラッキーだったなアニ」

    アニ「聞いてみたかったかも」クスッ

    エレン「じゃ、次は絶対アニな!」

    アニ「ハイハイ」フフッ

    ーーー

    ーー



    またまた時は過ぎて文化祭準備時間に。

    エレン「はい、今日もみんなでがんばりましょー」

    オオオッ!

    エレン「開始ー」

    ガヤガヤと雑談を交えつつ作業は開始された。

    女子の下書きを元にダンボールを切り抜いていく。

    エレン「よし、男子はとっとと枠作っちまうぞ」

    ライナー「ハイハイ!俺ノコギリやるぞ!」

    コニー「俺も!」

    エレン「へいへい」

    エレン「刃を折るなよー」

    分かってる、と返事が聞こえたところである男子に呼ばれた。

    ???「おいエレン」

    エレン「んあ?なんだトーマス」

    モミアゲが特徴的な金髪のこの男はトーマス・ワグナーだ。

    トーマス「仕事がねえんだけどどうすりゃいい?」

    エレン「あー・・・そうだよな」

    隣にはサムエルもいる。

    サムエル「このままだとサボってると思われて、なんか嫌なんだけど」

    エレン「じゃ、女子の手伝いすっか」

    トーマス「ま、マジで?」

    エレン「向こうは力仕事じゃねえけどいいか?」

    サムエル「全く構わん!」

    エレン「うし、アニーそっちなんか仕事あるか?」

    アニ「あ、じゃあ薔薇の下書き追加しなきゃいけないから描いて!」

    エレン「だってよ 絵描けるか?」

    トーマス「何とかなる!」

    サムエル「つかエレンも一緒に描けばいいだろ?」

    エレン「いや、俺こっちにいると何かライナーにめっちゃ怒られるから」

    サムエル「そりゃそうだ」

    エレン「え?」

    サムエル「いや、そりゃエレンなら当然だろ」

    トーマス「そうそう モテモテなエレン君を僻む奴は少なくねえからな」

    エレン「まさか」ハハ
  78. 78 : : 2015/02/01(日) 20:57:40
    ーまたまた1時間半後

    アニ「そろそろ終わりにしようか」

    エレン「そだな はーい、みんなお疲れしたー」

    一同「「お疲れー!」」

    ここからはまた二人きりの時間だ。

    内心ガッツポーズをきめ、そそくさと報告書を取り出す。

    みんなが帰るのを昨日と同じように見送り、椅子に座る。

    エレン「さーてやるかー」

    アニ「よし」

    そして同時にペンを動かし始める。

    書いてる途中はあまり会話をしないが、この空間は心地よい。

    自分は同時に複数のことをできるような器用な人間じゃないので、集中するときは集中する。

    ーーー

    ーー



    30分を過ぎた頃、ペンが止まった。

    いつもより空が黒く、暗い。

    エレン「・・・一雨来そうだなぁ」

    アニ「ホントだ・・・」

    エレン「もうすぐ梅雨だもんな・・・」

    アニ「6月入ったしね・・・」

    ゆったり会話しているように聞こえるかもしれないが、俺の心の中は大荒れだった。

    エレン「(なんでだよぉぉ!!雨降ったら一緒に走れねえだろうが!!)」

    エレン「(お天道様のバカヤロー!!)」
  79. 79 : : 2015/02/01(日) 21:07:00
    ーーー

    ーー



    書き終わった頃には本降りになっていてやみそうにない。

    アニ「これじゃあ今日は走るのは無理かなぁ」

    エレン「・・・そうかもな」

    ついてねえ。

    今日はついてねえ。

    朝のニュースの占いは5位なんて微妙な順位だったけどここまで酷くなくてもよくねえか?

    アニ「参ったなあ・・・傘持ってないよ」

    エレン「マジで?」

    アニ「まさかこんなに降るとは・・・」

    エレン「俺、折りたたみならあるけど使うか?」

    アニ「え?エレンはどうするの?」

    エレン「俺は走って帰るけど」

    アニ「風邪ひいちゃうでしょ?」

    エレン「アレは風邪をひかないって言うだろ?」

    言ってて悲しいが、ぶっちゃけ勉強が出来る方ではない。

    エレン「つっても暗い中女子が雨宿りするのも、一人で帰るのも危ないだろ」

    アニ「でも・・・」

    エレン「んじゃ、俺も止むまで待つよ」

    アニ「そんな、悪いよ・・」

    エレン「話してりゃすぐだろうし、気にすんなって」

    エレン「あ、それとも相合傘でもして帰るか?」ハハ

    半分ふざけて提案してみた。

    が、まさかの展開に。

    アニ「!その手があった」

    エレン「へ」
  80. 80 : : 2015/02/01(日) 21:17:08
    そういうわけで、現在相合傘中。

    心臓がものすごくうるさい。

    アニの方へ傘を傾けて肩が濡れているがそれも気にならないくらい顔が熱い。

    みんな既に家に着いている頃だろうから見られる心配はないだろう。

    前のように噂されることもないはずだ。

    いや、一向に構わないんだけども!

    エレン「あー、まだ雨降ると寒いな」

    何か会話しようと、おきまりの気候についての話題を振る。

    アニ「そうだね・・・」

    エレン「大丈夫か?体冷えてないか?」

    アニ「うん、大丈夫・・・」

    どこか態度に遠慮の色が見える。

    無理に入れてもらってるという意識でもあるのだろうか。

    提案したのこっちだし、別に全く気にしてはいないのだが。

    つか提案に乗ったのそっちだし、今更という感じもするが。

    エレン「・・・そんな気にしなくていいからな?」

    エレン「提案したの俺だし」

    アニ「う、うん・・・」

    ちょっと覗き込むと顔をそらされた。

    ちょっと傷つくんですけど・・・

    しかし、横を向いたアニの耳はほんのりと赤みを帯びている。

    ・・・遠慮もしてるけど、もしかして照れてるのか?

    コレはテンションが上がる。

    やべーなんかこっちまで恥ずかしいというか照れるというか。

    しかし、そんなエレンを一気に冷ます出来事が起きた。
  81. 81 : : 2015/02/01(日) 21:32:19
    うしろからトラックが迫る音がする。

    車は車道を絶えず、ライトを点けて走っているから気にするようなことではない。

    ハズだった。

    ふと車道を見るとそこには大きな水溜り。

    そして迫る超重量級のトラック。

    あ、と思った時にはもう遅く、水溜りの水をタイヤの勢いで根こそぎこっちに飛ばしてきた。

    バシャーン!!

    エレン「危なっ・・!」

    アニ「え?」

    傘をとっさにそちらの方に向けるが、折りたたみ傘程度では完全に防げない。

    飛んできた水の6割ほど被ってしまった。

    車道側にいたのは俺だったが、アニも自分ほどじゃないが水を被ってしまう。

    エレン「ったくあのトラックめ・・・」

    アニ「エレン、大丈夫?」

    エレン「水も滴るいい男って言うだろ?
    それにアニも大丈・・夫・・か」

    振り向くとそこには水浸しのアニがいる。

    そこまではいい。が、

    アニも俺も夏服だ。故に水などで身体に張り付くと色々なラインが浮かんでしまいやすい。

    俺は一向に構わないが、問題は女子のアニだ。

    白い肌を水が伝い、衣服の中へ吸い込まれていく。

    そして浮き出る下に着ているものの線。

    アニ「?」

    どうやらアニは気づいていないようだ。

    急いで俺は傘を掲げ、タオルをサブのバッグから出すとアニに渡した。

    エレン「と、とりあえず簡単に拭いとけ」

    アニ「え・・でもコレエレンのじゃ」

    エレン「そ、その、俺は、別に濡れててもいいし」

    アニ「風邪ひいたら

    エレン「だー!いいからいいから!とにかく急いで帰るぞ!!」ガシッ

    アニ「!」

    そうして手を引いて歩くペースを上げてアニの家に向かう。

    もちろん道を歩いてる奴らからアニが見えないように隠しながらだ。

    この上ないチャンスだと分かっているのに、一回もアニの方は見れなかった。
  82. 82 : : 2015/02/01(日) 22:22:22
    ーーー

    ーー



    自分の本能と煩悩を必死に抑え、なんとかアニの家まで辿り着いた。

    エレン「(あぁぁ勿体ねえ・・・)」

    アニ「ホント、ゴメンね?」

    玄関でこちらに振り向いて謝るアニ。

    しかしまだ気づいていないらしく、全く自分の格好を気に留めていない。

    エレン「いや、ホント大丈夫 むしろこっちがゴメンなさい」

    訳のわからないことを言っているのはわかっているが、アニを直視できない。

    怪訝そうな顔をしているだろうが、確かめることなどできるはずもなく。

    もう言ったほうがいい気がする。今後の為だうん。

    エレン「あ、あのさアニ」

    アニ「ん?」

    エレン「その、あの、気を悪くすんなよ?」

    アニ「ど、どういうこと?」

    自分が変なことをしただろうかと今日の出来事を思い出しているようだ。

    エレン「いや、そのな・・・水で制服張り付いて・・・」

    アニ「あ・・・エレン、びしょ濡れだったね・・・」

    違うゥゥゥ!

    エレン「いや、俺じゃなくて、その、アニがだな」

    アニ「エレンほどじゃないし大丈・・

    ここで気付いたらしい。

    みるみるうちに顔が真っ赤に染まっていく。

    アニ「あ・・・えっと・・」カァーッ!

    エレン「ご、ゴメンな!ちゃんとすぐに言えばよかったよな!」

    アニ「ご、ゴメン!ちょちょっと待ってて!!」ダッ!

    そのまま奥の方へ走って行ってしまった。

    なんかものすごーく悪い事した気分だ。

    何コレ。俺むしろアニのためにいいことしたんだよね?

    なにこの罪悪感。

    エレン「・・なんかゴメン」

    聞こえないだろうがとりあえず謝っておく。

    ーーー

    ーー



    奥の方から水の音が小さく聞こえるということはシャワーでも浴びてるのだろう。

    まだ時間がかかるハズだとちょっと外に出て制服と下のシャツをを脱いで絞る。

    ドバーッ

    エレン「(水めっちゃ吸ってるな・・)」

    このまま着ても気持ち悪い気がするが、着てなければ着てないで身体を冷やしてしまいそうだ。

    とりあえず着ておこうと水を簡単に切っているとドアが突然開く。

    アニ「エレン!待っててって言った・・・の・・に」

    まだほんのりと赤みを帯びた顔のまま、アニはラフな格好になって出てきた。

    エレン「・・・」

    アニ「・・・」

    互いを凝視する。

    私服は初めて見るなーなんて呑気な事を思っていたが、今の自分の格好を振り返る。

    ズボンは履いていても上半身は裸の状態だ。

    ・・・ヤバイ。

    エレン「・・・いや、あの

    アニ「ごごゴメン!!!」ピシャッ!

    ーーー

    ーー



    エレン「あんな急に閉めなくても・・」

    アニ「だってまさか脱いでるとは・・」

    まだかなり湿っている服を着て中に入る。

    エレン「ご、ゴメン・・・いや、でも見られて困るものじゃないからさ」

    アニ「こっちが困るから!」

    エレン「す、スンマセン」

    そりゃそうだ。

    上半身だけ裸で立ってたら不審者そのものだ。

    さっきの自分の負のイメージを頭を振って拭い去る。

    エレン「ま、とにかくちゃんと送ったから また明日な!」

    これ以上醜態を晒したくないと、とっととお暇しようと思ったが、

    アニ「え、あ!ちょっと!」

    エレン「ん?」

    アニ「わ、私のせいなんかで風邪ひかれたら困るからシャワーだけでも浴びていってよ」

    ・・・

    ・・へっ!!?
  83. 83 : : 2015/02/03(火) 20:05:32
    エレン「いやいや、そんな

    アニ「いいからホラ!」グイッ

    エレン「おいっ!?」

    ーーー

    ーー



    そんなこんなで洗面所に押し込まれてしまった。

    つか仮にシャワー浴びたとして着替えはどうすれば良いのか。

    せっかく温まってもまた冷たい思いをするくらいなら浴びずに帰った方が・・

    エレン「アニー!着替えどうすりゃいいんだよぉぉ!」

    間にドアがあることを考慮して大きめの声で問いかける。

    あっ、と声が聞こえてきたところを考えるとやはりその事に関しては全く考えていなかったようだ。

    エレン「(無自覚だとしたらホント危ねえぞ・・・)」

    やれやれと心の中でため息をつき、次の言葉を待った。

    ー数分後

    アニ「お父さんので悪いけど、使って」

    ドアが小さく開いて、服が差し込まれてきた。

    エレン「いやいや、親父さん困るだろ」

    アニ「大丈夫だから 最近帰ってきてないから・・・」

    あ・・・地雷踏んじゃったかなコレ。

    他意はなかったとはいえ、申し訳ない気分にはなる。

    ここはお言葉に素直に甘えましょう。

    エレン「悪いな・・・」

    アニ「私のせいで濡れちゃったんだからこのくらいさせてよ」

    ほんとゴメンナサイ。

    アニ「じゃ、ごゆっくり」

    ドアが閉まって、足音がだんだん離れていく。

    何処かのドアが開けられた音がした段階で俺は服を脱ぎ始めた。

    ーーー

    ーー



    さらに10分後

    エレン「生き返ったぁ〜」

    温かいお湯を浴び、体温も戻った。

    親には連絡を入れたから、遅くても大丈夫だろう。

    ・・もちろん女子の家でシャワー浴びてるなんて言うことはできないからテキトーな嘘はついたが。

    エレン「じゃ、ありがとな 洗って返す」

    アニ「そのまま返してくれればいいよ」

    エレン「いや、それはマズイだろ・・」

    同級生の男子の着たものを女子が洗うのはよろしくない気がする。

    自分で言うのもなんだが、汚いだろ。ウン。

    アニ「?何が?」

    やっぱ気づいてねえな。

    エレン「さすがに悪いからさ アニの手間増やしたくないし」

    アニ「お父さんが帰ってくるの3日後だから後回しでいいの」

    ・・・アレ?
  84. 84 : : 2015/02/03(火) 20:16:55
    エレン「え、えーとアニのお父さん最近帰って来てないって・・・」

    アニ「あ、言い方が悪かったね」

    アニ「えーと今出張に出ててあんまり帰って来てないってこと」

    アニ「で、それが終わって帰って来るのが2日後ってこと」

    エレン「ああ・・・」

    スゴイ申し訳ない気分になった俺バカみたいじゃん。

    いや、そうである方がいいんだけども。

    エレン「ま、まあでもやっぱ自分で洗わせてくれ 俺がさっき使った光熱費だと思って」

    エレン「やっぱコレはアニが洗っちゃいけないからねウン」

    アニ「そ、そうなの?」

    これ以上引き止められたら何しでかすか分からない。

    湯冷めする可能性が高いがこの際、体調よりも大切なモンがある。

    エレン「うん、じゃ、シャワーあんがと
    またな!!」ダッ!

    アニ「ま、またね」フリフリ

    玄関に置いておいた折りたたみ傘を引っ掴んで雨の中駆けていく。

    が、大切な事に気付いた。

    エレン「あ・・・自転車」

    ーーー

    ーー



    結局今日自転車を持ち帰るのは諦めた。

    もう校門は閉められて入れないだろうし、何より学校まで行くのは面倒だ。

    明日怒られるのは回避できそうにないが、今日の出来事を考えればそれでもお釣りがくる。

    と、強引に納得をして家に一直線で向かった。
  85. 85 : : 2015/02/03(火) 20:24:35
    ー次の日

    エレン「ぶえっくしょいっっ!!」

    ライナー「オイオイ風邪か?エレン」

    コニー「バカは風邪を引かないって言葉知ってるかエレン?」

    エレン「知ってるよ・・わざわざ言うんじゃねえ」

    頭が怠いとか関節が痛いとか、そういう症状が出ていないのは嬉しい。

    が、くしゃみが止まらない。

    イライラするレベルで止まらない。

    ズビビーと全力で鼻をかみ、ゴミ箱にティッシュをぶちこんだ。

    エレン「あー・・」ズビッ

    強力な波は過ぎたようだが、それでも時々思い出したように連発してしまう。

    アニ「湯冷めしちゃった・・?ゴメン」

    心底申し訳なさそうな顔で謝ってくる。

    まだ、まだお釣りはくるから。うん。

    エレン「いや、もともと風邪気味だったしなウン」

    エレン「あ、コレ昨日の服 ありがとな」パスッ

    アニ「あ、うん」

    エレン「ま、早く寝れば治るだろ そんな気にしなくてもヘックショイッ!!」
  86. 86 : : 2015/02/03(火) 21:10:25
    ーさらに昼休み

    キース「どういうことだイェーガー」

    エレン「・・・」

    やっぱり呼び出された。

    もちろん自転車の件だ。

    キース「自転車の放置はダメだと入学当初に教えたはずだが」

    エレン「・・・そっすね」

    キース「用務員の方がこの上なく怒っていたぞ」

    エレン「・・へい」

    そこでキースの何かが切れた。

    キース「さっきから何なのだ貴様!もっとハキハキと返事を

    エレン「ぶえっくしょいっっ!!」

    ーーー

    ーー



    色んなものをキースの顔にぶっかけて、また怒られて・・・

    さすがにお釣り分はもうない。

    エレン「うう・・もう帰りてえ」

    教室に戻り、すぐに睡眠モードに入る。

    もう限界だ。キースの説教がトドメになった。

    もう何か全てがどうでもいい。

    しかし周りはそうはさせてくれなかった。

    キンコンカンコーン

    放送「1年8組のクラス委員は至急生徒会室に来てください」

    キンコンカンコーン

    エレン「(1年8組ねえ・・・)」

    エレン「(ココじゃんかよぉぉ!!)」

    アニ「わ、私だけで行くよ 体調悪いんだから許してくれるって」

    エレン「そういうわけにはいかねえだろ・・・」

    エレン「くしゃみだけで休むのは流石に気がひけるし」ハハ・・

    アニ「無理しないでよ・・?」

    ーーー

    ーー



    エレン「うあー・・・」ズビビー

    アニ「・・・」

    コンコン

    エレン「失礼します・・1年8組クラス委員っす・・・」

    ナナバ「あー・・ゴメンね 2年8組の間違いだよ」

    ゲルガー「放送委員の奴間違えやがって・・・」

    アニ「そうでしたか・・・」ハハ・・

    エレン「・・・」ズビッ

    エレン「(何が間違えただよぉぉ!!)」

    エレン「(もうぶっ飛ばす、放送委員残らずぶっ飛ばす!!)」

    エレン「(ウァァァァアアアア!!!)」

    ーーー

    ーー



    エレン「いい加減にしてくれよ 俺を休ませてくれよ」ガンッ!ガンッ!

    エレン「いくらいい思いしたからってコレは無いんじゃないの神様」ガンッ!

    エレン「そんなに憎いならいっそ殺せよーひと思いに殺してくれよー」ガンッ!

    ベルトルト「・・・アニ?エレンはどうしちゃったの?」

    アニ「ア、アハハ・・・」
  87. 87 : : 2015/02/05(木) 21:12:27
    一通り頭を打ち終わり、授業も終わった。

    しかし、この後は文化祭準備だ。

    エレン「・・・」グターッ

    アニ「きょ、今日は休んでていいからね
    みんな分かってるから」

    エレン「いやーもう頭痛がヤバイんだよなーアハハハ」

    アニ「しっかりしてよ・・・」

    エレン「でも休むのはクラス委員としてダメだろー」

    エレン「やるよーやりゃいいんだろー」

    半ばヤケだ。

    でも体調が酷いと思われて今日も走れない、なんてことになったら本当に死にたくなる。

    いや、体調は少し悪いけども。

    エレン「(チクショーが・・・!)」

    それもこれもキース先生のせいにして、重たい頭を机から離した。

    ーーー

    ーー



    エレン「え?絵の具が足りねえ?」

    ハンナ「そうなの フランツ!どうしよう!」

    フランツ「落ち着くんだハンナ!僕が買ってくる・・!」

    ハンナ「そんな!ホームセンターなんて危険な所にフランツを行かせるわけ

    エレン「こんな時にイライラさせんなお前らぁぁぁ!!」

    いつもバカ夫婦っぷりを発揮している2人だが、今のエレンにとっては殺意の対象以外の何者でもない。
  88. 88 : : 2015/02/05(木) 21:21:17
    エレン「もういい、俺買ってくるわ」

    コニー「お?なら俺も行くぞ!」

    エレン「お前はダメ 余計なモン買おうとするだろ」

    コニー「ちぇー じゃ、購買でパン買ってくる」

    エレン「分かった一緒に来い もう余計な事はさせんぞ」

    コニー「任せろ!」

    エレン「他に欲しいもんあるか?」

    ライナー「おい!木材が一本足りねえ!
    エレン頼む!」

    アニ「木材なら隣のクラスのが余ってたハズだから貰ってくるよ」

    ベルトルト「アニいいよ僕が貰ってくる」

    アニ「ホント?ありがと」

    エレン「頼むベルトルト」

    ヒッチ「あー!赤と青のセロハンが足りなーい」

    エレン「あいよ 何枚ありゃいい?」

    ミーナ「あと3枚ずつもあれば十分!」

    エレン「了解 差し入れは?」

    マルコ「アイス!」

    エレン「却下 溶けるだろ」

    エレン「面倒だから一人一本うまい棒でいいか?」

    一同「「「却下!!」」」
  89. 89 : : 2015/02/05(木) 21:29:32
    ーーー

    ーー



    30分後

    必要な物は買って、ようやく学校に到着する。

    エレン「遠かったな・・」

    コニー「悪いなエレン アイスあんがとよ」

    エレン「ったく、皆には秘密だからな」

    コニー「んな勿体ねえ真似しねえよ」

    駄々っ子みたいに暴れられる前に餌付けしたのは効果があったようだ。

    エレン「しっかし重いな・・・」

    絵の具の必要量が分からず、余計な色まで買った気がするが、予算の半分ほどで済んだ。

    この先買い足すことも無さそうだから予算オーバーの心配はない。

    エレン「うぁー・・・頭痛え」

    エレン「やっぱ風邪かなこりゃ」

    コニー「いや、さっき頭打ち付けてたからだろ」

    エレン「そうか・・・」

    ーーー

    ーー



    エレン「買ってきたぞー ほい、絵の具」

    ヒッチ「ありがとー」

    エレン「あとセロハンな」ポイッ

    ここまでくると割と進んでおり、完成も間近だ。

    後は枠に取り付けてオブジェの充実化くらいか。

    エレン「見えてきたなー」

    アニ「もうすぐだね」

    アニ「あ、それより体調は・・」

    エレン「大丈夫 治った」

    無理したら悪化するのは分かるが、やはりチャンスをフイにするのは御免だ。
  90. 90 : : 2015/02/05(木) 21:50:58
    ーそれからなんやかんやあって

    枠組みの作製も男子によって釘での補強を残すのみとなった。

    エレン「おーし、あとちょいだ!頑張って仕上げるぞー」

    一同「「「おー!」」

    アニ「解散ーお疲れ様ー」

    ミーナ「お疲れアニ!」

    ヒッチ「お疲れ〜」

    ライナー「お疲れアニ」ポンッ

    マルコ「ご苦労エレン」

    エレン「はっ倒すぞマルコ」

    ーーー

    ーー



    段々とこの2人の空間にも慣れてきた。

    夕陽の赤い光が窓から差し込み、どこか幻想的だ。

    少々暑いが時折拭いてくれる風のお陰でそれほど不快ではない。

    アニ「エレン」

    エレン「お?どした?」

    ペンを止めてそんな風景をぼーっと見ていたこともあって少し驚く。

    見ればあまりアニの作業は進んでいない。

    いつも自分より早く書き上げることを考えると珍しいな。

    エレン「どうかしたのか?あんまり進んでねえけど」

    アニ「い、いや、何でもない」ハハ・・

    エレン「なんだよー気になるじゃねえか」

    アニ「いや、大したことじゃないからいいの」

    エレン「いいじゃん聞かせろよ」

    中途半端なまま向こうがイイって言ってもコッチは全く良くない。

    案外こういう時って大事なことだったりするからなおさらだ。

    アニ「い、いや・・・その・・・」

    割とテキパキと指示を出したりするアニなのに言いにくそうだ。

    無理やり聞き出すのは申し訳ないから、スルーしとくか?気になるけど。

    そう思って「まあいいよ」と言おうとして口を開けたが、こちらの言葉が出る前に向こうの言葉が飛んできた。

    アニ「・・・怒ってるんじゃないかな、と思って」

    エレン「ハイ?」
  91. 91 : : 2015/02/05(木) 22:00:28
    怒る?俺が?アニに?

    エレン「ど、どういうことだ?」

    アニがまさか俺を怒らせることなんてあるまい。

    むしろコニーにアイス買ったのがバレてるのなら俺が怒られるべきだ。

    アニ「昨日のこと・・・」

    昨日。

    昨日は昨日で俺は見てはいけないものを見てしまった。

    事故だけども。

    やっぱ俺のほうが怒られるようなことしてるじゃん!過失だけど!!

    エレン「ゴ、ゴメン何のことかサッパリ分からないんだが・・・」

    アニ「昨日その、あ、相合傘したりとか
    無理やりシャワー浴びせた事とか・・」

    アニ「それでその・・風邪引かせちゃった事とか、先生に怒られた事とか・・」

    アニ「本当にゴメン・・・」

    そう言って俯くように頭を下げる。

    エレン「え、あの、いや!怒ってねえよ?全っ然!!」

    アニ「でも今日一日あんまり機嫌良くなかったし、頭打ち付けてたし・・」

    アニ「それにシャワー結構拒否してたし・・・」

    エレン「あ、アレはそういう理由じゃなくてだな・・」

    こっちの理由はとても言えるようなモノじゃない。

    アニ「わ、私が迷惑させてるならもういいから・・・」

    あれ・・・?

    アニ「い、一緒に走るのももういいから・・・」

    なんか・・・

    アニ「・・・ゴメンね」

    話がマズイ方へ進んでる・・・!?
  92. 92 : : 2015/02/07(土) 17:07:58
    エレン「待ってくれよぉぉ!!!」

    ここで弁解をしなければ取り返しがつかなくなる。

    いや、悪いことをしたわけではないから弁解などでは無いが、少なくともアニが気にしていることの原因は間違いなく俺だ。

    エレン「なんでそうやって勝手に自分の中で結論出して思い込んでんだぁ!!

    アニ「え・・・?」ビクッ

    パッと顔を上げて驚いたような、恐れるような眼差しでこちらを見てくる。

    優しい言い方、優しい言い方と念じるのも無意味で、言いたいことがガーッと口から飛び出ていった。

    エレン「俺は怒ってるとか機嫌悪いとか全っ然そんなことないから!」

    エレン「ちょーっと悪人ヅラなだけでこの顔がノーマルだから!」

    エレン「いや、先生に怒られた時と放送委員の間違いのときはイラっとしたけども!!」

    エレン「とにかく昨日のことは全く怒ってないから!」

    アニ「ホ、ホント?」

    エレン「だから気にしなくていいからな!」

    エレン「あと、お前が嫌だつっても俺は毎日意地でも走るからな!」

    エレン「お前と!」

    アニ「・・・!」

    エレン「・・・」ゼーゼー

    荒れた息を落ち着かせ、もう一度今度はゆっくりと言った。

    エレン「・・・とにかく、アニが気にすることは何もねえ」

    エレン「今晩は走ってもらうからな、距離も多めで!」

    アニ「う、うん・・・」

    エレン「あ あと賭けの件も忘れんなよ」
  93. 93 : : 2015/02/08(日) 20:38:29
    とりあえずそこからはもう鬼のような速さで報告書を書き上げた。

    ついでに放送委員とキース先生への皮肉も忘れずに書き込んだ。

    これですこしは鬱憤も晴れた。

    あとはアニを送って帰宅するだけ。

    いつも・・というには重ねた日数が少ないが、それでもその短い期間の習慣だ。

    ーーー

    ーー



    エレン「・・・」

    アニ「・・・」

    が、まだアニは気にしているようで依然として俯いたままだ。

    話しかければ返事こそするものの、やはりいつものような覇気はない。

    極力昨日の話題は避けよう。で、とりあえずいつものアニに戻す。

    夜には一昨日みたいに楽しく走りたい。

    とにかく怒ってないことは伝えたが、それでも自分を許せていないらしい彼女は見ていて辛い。

    そう思ったら、自然と言葉が口から漏れた。

    エレン「・・アニってさ、優しすぎるんじゃねえか?」

    アニ「え・・・?」

    エレン「必要以上に気を配ってる気がするんだけど」

    アニ「そ、そんなことないよ」

    エレン「だって今日1日俺のこと気にかけてたんだろ?」

    アニ「それは・・・」

    エレン「あ、いや、あの事はホントに怒ってないからな?マジで」

    アニ「うん・・・」

    エレン「相当溜め込んでんだろ、色んなもの」

    エレン「俺も不本意だったけど、仮にも今までリーダーやってきた身だから分かるんだけどよ」

    エレン「愚痴とかそういうものを言える相手がいなかったんだろ」

    アニ「・・・」

    エレン「あのな、クラスのトップは俺で、お前は"副"委員長なわけだ」

    エレン「つまり俺の方が偉い」ドン

    アニ「そ、そうだね」

    エレン「だから何でもいいから俺に相談してくれよ」

    エレン「言いたいこと言うだけで変わるもんだぞ」

    少し前の役割決めの時はナカナカ鋭いツッコミをいれてきていたが、本当に気になっていることは何も言わない。

    アニ「・・・いいの?イロイロ言っても」

    エレン「任せろって クラスの困ってる奴らの為に動くのが委員長だ」

    アニ「・・・今までリーダーは乗り気じゃなかったんじゃないの?」

    エレン「誰かさんが言ってたことを実践してるだけだ」

    エレン「"自分が決めた事は誇りを持ってやれ"ってな」

    アニ「・・・!」

    エレン「コレは俺が決めて、俺が望んでやってる事だ」

    エレン「遠慮なんて要らねえよ」ヘヘッ
  94. 94 : : 2015/02/08(日) 20:50:28
    ーアニ家前

    エレン「じゃ、また後でな!」

    アニ「あ、待って!」

    エレン「へ?」

    アニ「・・・今日はイロイロゴメン」

    エレン「・・・俺としちゃお礼を言われるの期待してたんだけどな」

    アニ「・・・あ、ありがとう」

    エレン「それでよし」ニカッ

    アニ「じゃ、後でね」

    エレン「おう!」

    ーーー

    ーー



    エレン「・・・」

    アニ「ま、また会ったね・・」ハハ・・

    ジャン「・・・」

    ミカサ「エレンもアニも、それにジャンまで顔が引きつっている」

    ミカサ「どうかした?」

    エレン「い、いや・・・」

    ジャン「ひ、引きつってねえよ?全然」

    エレン「(なんでてめーがここに居るんだジャン)」

    エレン「(いい加減にしてくれよ これ以上俺の毛根を刺激しないでくれよ)」

    ジャン「(お前もお前の担任のようなタマゴヘッドになりゃいいんだよバカ)」

    ジャン「(つか邪魔なのはお前だ今すぐ消えろ阿呆)」

    そんな怒れる2人をよそに、アニはミカサと話している。

    アニ「あ、ミカサは風邪大丈夫なの?」

    ミカサ「大丈夫 寝て治して昨日は登校したからまだ皆勤」フフッ

    アニ「凄いね」フフッ

    エレン「(おいコラジャン、今度はお前が風邪引けよ で、ミカサに看病してもらえ)」

    ジャン「(悪いが風邪を引いたことは無いな)」

    エレン「(せめてコースは変えろ お前と走るのは死んでもゴメンだ)」

    ジャン「(誰が望んでお前と走るかよ)」

    エレン「ケッ!」プイッ

    ジャン「ケッ!」プイッ
  95. 95 : : 2015/02/08(日) 22:18:15
    ーーー

    ーー



    エレン「おかしいだろアイツ・・・前にここで会ってんのによ」

    アニ「は、ハハ・・・」

    ミカサを懇願するような眼で見ていると分かっていると言わんばかりの表情を見せられ、違う方向へジャンと走っていった。

    コースを教えてはいないからもしかしたら途中で鉢合わせになるかもしれないが、とりあえずしばらくは大丈夫だろう。

    ミカサグッジョブやで!

    エレン「しかしなあ・・・」

    アニ「?」

    エレン「いや・・・何でもない」ハハ

    あまりここで愚痴を言っても仕方ない。

    また二人仲良く話しながら走ればいいじゃないかね。

    エレン「(ふざけやがってあの馬)」

    ーーー

    ーー



    とまあ、幸運なことに途中でジャンと会うことはなく、走っているわけだがまだアニの態度に遠慮が伺える。

    話していても少しだけいつもと違う。

    もう気にしなくていいのに・・・と思うがそのうち元に戻るはずだ。

    この際そっとしておこう。

    そうして時々話しつつ、夜の街を駆けて行った。

  96. 96 : : 2015/02/15(日) 00:19:30
    ーーー

    ーー



    今日の分も走り終えて、歩いて帰る。

    その頃にはいつものアニに戻っていた。

    話している内にいつも通りのやりとりに戻って安心したものだ。

    そうこうしているうちにアニの家についた。

    さて、今日も終わって明日も頑張ろうと思っていたら

    アニ「あ・・・」

    エレン「ん?」

    アニ「ゴメン・・・明日はちょっと走れないかもしれない」

    エレン「明日・・・ああ、親父さんが帰って来るんだったな」


    アニ「うん、だから・・・明日は休みってことでいいかな」

    エレン「了解 明日な」

    とまあ普通に返事をしてはいるが、内心ものすごぉく落ち込んでいた。

    でもまああまり帰ってこない父親が帰ってくるのだ。

    親父さんだって家族と過ごしたいだろうと、普通のことを納得いっていない自分の心に強引に納得させる。

    エレン「じゃ、

    アニ「またね」

    !?

    さ、先に言った!?いつも俺からだったのに!!?

    コレはもしかして云々と悶々としているのは自分だけらしく、相手は平然そうに見える。

    バカみたいな期待をした自分が急に恥ずかしくなったが、震えそうになる声を抑えて普通に言えた、と思う。

    エレン「ま、またな」
  97. 97 : : 2015/02/15(日) 10:08:37
    ー次の日

    やはりその日は走れないとLINEがきた。

    エレン「やっぱりかぁ・・・」

    と、ベッドの上で転がる俺。

    分かったよと返事をしてそのまま某ゲームアプリをいじくるが、ぽっかり空いたこの時間は正直ヒマだ。

    勉強なんてする気はさらさらないし、もうやることが無い。

    文化祭終わったらすぐテストなのに大丈夫か俺と自分に問いかけるが、それでもやる気は全く起きない。

    もう寝ようかとも考えたが、寝るには早すぎて無駄に明日早く起きてしまいそうだ。

    エレン「どうすっかなぁ・・・」

    と、そこにミカサからのLINEのお知らせ。

    なんじゃいと開くと

    「アニと走れないなら一緒に走る?」

    エレン「ありがとミカサァァァァ!」


    シャウトしたはいいが、ミカサがいるならジャンもいる。

    一緒に走りたくはないし、彼らの二人きりの時間を潰すのは不粋だろう。

    理由の占める割合は圧倒的に前者が占めているが。

    エレン「今日は遠慮しとく、と」

    しばらくすると分かった、と送られてきた。

    さあ、またヒマになっちまった。
  98. 98 : : 2015/02/15(日) 10:19:43
    意味もなくアルミンにスタンプを送り続けていたがそれにも飽き、結局宿題だけはやっておこうとようやく今朝分けられたプリントに手を伸ばした。

    ーーー

    ーー



    エレン「はっ!」ガバッ

    気づいたら朝。

    あれ?昨日の夜は宿題をやって・・・

    こういう時は大体寝落ちだからやっていないのでは、と思ったがそんな事はなく普通に終わっていた。

    時刻は午前6時の少し前。

    エレン「ふぅ・・・」

    文化祭前にはもう家を出てる時間で
    こんなゆったりしているヒマはなかったが、今はその忌々しい朝練はない。

    朝練があった頃にはもう戻れないなー
    なんて悠長に考え、ゆっくり体を起こし、身支度をした。

    ーーー

    ーー



    エレン「行ってきまぁあす!!」

    しまった。

    ニュースのスポーツ特集を見ていたら時間をとっくに過ぎていた。

    ゆったりモーニングが一転、ドタバタモーニングになってしまった。

    コレではアニメの遅刻遅刻!状態だ。

    先ほどまでの自分を恨み、自転車のペダルを全力で回した。

    ーーー

    ーー



    ガラガラっ!!!!

    エレン「っぶねぇぇぇ・・」ゼーゼー

    なんとか着席の3分前に到着し、ドアを乱暴に開けた。

    クラスから口々に自分を笑う声が聞こえ、それに適当に返しながらドアを閉めると再び廊下からタタタッと規則的な音がした。

    なんだと思うヒマもなくドアは先ほど程じゃないにしろ、やや乱暴に開いた。

    アニ「あ、危ない・・・」ゼーゼー

    その言葉でクラスはまた笑いに包まれた。

    もちろん俺も笑う側だった。
  99. 99 : : 2015/02/21(土) 20:34:01
    ーー





    アニ「あんなに笑わなくてもいいじゃん・・・」

    むすっとした顔でこちらを睨むアニ。

    エレン「いや、だってあんなにいいタイミングで・・・ブッ!」


    アニ「笑わないでったら!!」

    エレン「ご、ごめん・・・ククッ」

    アニ「ふんっ!」バシッ!

    エレン「あだぁっ!!?」

    ずっと笑っていると脇に肘鉄を喰らった。

    シャレにならない痛みで笑いはすぐに収まった。

    ーーー

    ーー



    エレン「なあ、悪かったって・・・」

    アニ「・・・」ツーン

    時間は進んで、文化祭準備後の活動報告書を書いているところ。

    ずっと口をきいてくれなくて少々焦りが出てくる。

    エレン「アレはホラ、一種の冗談というかなんというか・・」

    エレン「もう笑わないからさ」

    アニ「当たり前でしょ!」


    エレン「し、しかしアニが遅刻ギリギリなんて珍しいからさ」

    それとなく話題を切り替え、不利な状況を一転させようと試みる。

    エレン「で、どうだった?親父さんとゆっくりできたのか?」

    アニ「え、あ、ウン ありがと」

    エレン「え?何が?」
  100. 100 : : 2015/02/21(土) 20:43:38
    アニ「あ、いや、昨日はエレンの事で話が盛り上がったから」

    エレン「あ、そうなのか・・・」

    エレン「・・・へ?俺の話?」

    一度流しかけたその話を無理やり戻す。

    俺の話を家でしたのか。ふーん・・・

    ・・・マジか。

    エレン「お、親父さんなんか言ってた?」

    顔が緩まないように注意を払って、努めて冷静に振る舞う。

    アニ「あ、えーと・・・」

    なぜか口ごもる。

    おいコラ親父さん、我らがアニさんに何言ったんだ。

    エレン「何だよ、教えてくれよ」ハハ

    アニ「え、えっとね・・・」

    そう言って一度タメる。

    なんかこっちが緊張するんですけど。

    ホント、変なこと言ってたらこのクラスのアニのお父さんが許しませんよお義父さん!

    アニ「"エレン君と付き合ってるのか?"
    って・・・」

    尻すぼみになり、アニは俯いているが耳が真っ赤だ。

    しかし今のエレンはそれどころではない。

    何言ってくれてんのお義父さんんん!
  101. 101 : : 2015/02/21(土) 21:55:22
    エレン「ま、マジか」

    驚きこそしたが、それ以上に嬉しかった。

    どんな話をしたのかは分からなかったが、それでもそう思われるようなことはしているように思われたのだろう。

    だが、その幸福感も長くは続かなかった。

    アニ「そんな関係じゃないのにね・・」

    困ったような笑顔でそんなことを言われてしまった。

    ーそんなこと言われたら・・・

    エレン「あ、あはは・・そうだな・・」

    曖昧に笑うしかないじゃないか・・・

    そこからのことは何を話したのかとか、何をしたとか、よく覚えていない。

    ーーー

    ーー



    帰宅後

    エレン「はぁ・・・」

    部屋のドアを開けて、転がるようにベッドへ飛び込んだ。

    エレン「そんな関係じゃない、か・・」

    そりゃそうだ。

    まだ出会って2ヶ月ちょっと。

    役職が近かったのがたまたま俺だっただけ。

    部活が同じバスケ部なだけで、一緒に走ろうと言われたのが俺だっただけ。

    いつも近い場所にいられたから調子に乗っていたのかもしれない。

    そこまで考えると尚更気分が沈む。

    もう、考えるのはやめよう。今日はとりあえず寝よう。

    あ、でも走る約束は守らねえと・・・

    と、負のイメージを無理やり拭って仮眠をとった。
  102. 102 : : 2015/02/21(土) 22:31:36
    ーーー

    ーー



    ピンポーン

    それほど遅い時間というわけではないし、アニから聞いているだろうと思い、インターホンを押した。

    ハイ、と遠くからスピーカー越しに聞こえてきたと思うと、異常な程早くドアが開いた。

    エレン「あ・・・」

    アニ父「君は・・・エレン君か」

    エレン「あ、アニのお父さん、ですか?」

    アニ父「アニから聞いてるよ いつも夜に一緒に走ってくれてると」

    エレン「いや、俺としても練習になってるので・・」ハハハ

    アニ父「学校でも仲良くしてくれてるようで・・・ありがとう」

    エレン「こちらこそ、仲良くさせていただいてありがとうございます」

    アニ父「それで、昨日アニには聞いたんだが・・・」

    ズキッ

    その話はやはりツライ。

    勝手にこっちが思っていることだから向こうは全く悪くないのだが、察して欲しいと無茶なことを思う。

    アニ「エレン!」

    エレン「あ、アニ」

    アニ「なんでお父さんが出たの?」

    アニ父「少し話したくてな」

    アニ「変なこと言ってないよね!?」

    変な事があるのかと気になるが、残念ながら聞くことはできないだろう。

    エレン「別に普通の話をしてただけだぞ」

    アニ「ホント?」ジーッ

    エレン「ホントだって」ハハ・・・

    アニ「・・・」ジーッ

    アニ父「言ってないから、ホラ早く行きなさい」

    アニ父「エレン君、頼んだよ」

    エレン「あ、ハイ!遅くにすいませんでした!」

    でもここでアニが来てくれたのは良かったかもしれない。

    あんなこと聞かれたらなんて答えたら良いか分からないからだ。

    エレン「じゃ、行こうぜアニ」

    アニ「あ、うん・・・」
  103. 103 : : 2015/02/26(木) 21:09:56
    ーーー

    ーー



    エレン「そうか・・・明日には親父さん仕事に戻るのか」

    アニ「うん」

    エレン「ゴメンな?今日も休みにすりゃ良かったな」

    アニ「ううん、いいの 昨日十分話せたし」

    アニ「お母さんの嬉しそうな顔も見られたしね」

    そう言うアニは嬉しそうに微笑んでいた。

    エレン「そうか 良かったな」ハハ

    まあそんな笑顔を見れればいいか、と諦めにも似た気分が湧いてきて、悩んでいたことは薄れていった。

    ーーー

    ーー



    一通り走り終えて、アニの家に向かう途中。

    アニ「もう金曜日だね・・・」

    突然そんなことを言う。

    エレン「言われてみりゃそうだな」

    エレン「最近1日過ぎてくのが早いな」

    年寄りくせえこと言うようになったな、と呆れた気持ちになる。

    エレン「部活のない休日は久しぶりだなぁ」

    アニ「そうだね・・・」

    エレン「オイオイ休日だぞ?嬉しくねえの?」

    どうも気分が沈んでいるようだ。

    恐らく、お父さんが帰ってしまうからなのだろう。

    こればっかりは"他人"である俺が首を突っ込むのははばかられる。

    アニ「いや、何でもない ゆっくり寝てられるから嬉しいよ」

    エレン「朝弱いのか?」

    アニ「そんなつもりは無いんだけどね」
  104. 104 : : 2015/02/26(木) 21:42:35
    エレン「でもまあ早くに起きなくていいのはやっぱ嬉しいよなぁ」

    エレン「つか休日の部活午後の時とか何時に起きてんだ?」

    アニ「えっと・・10時くらい?」

    エレン「遅っ!!」

    アニ「そ、そう?」

    エレン「こりゃホントに朝弱いんだな」

    アニ「弱くて悪かったね」ツーン

    エレン「いや、別に悪いとは言ってねえだろ」ハハ

    アニ「バカにしてるでしょ」

    エレン「してないって」プクク

    アニ「笑いすぎ!」

    ーーー

    ーー



    エレン「つーことでお疲れさん」

    アニ「いつもありがとね」

    エレン「お安い御用だっての」

    と、玄関口で話しているとアニのお父さんがでてきた。

    アニ父「お帰り」

    アニ「ただいま」

    アニ父「エレン君、送ってくれてありがとう」

    エレン「いえいえ 当然の事してるだけですよ」ハハハ

    エレン「何かと最近物騒ですから」

    アニ「エレン近所のおじさんみたい」

    エレン「嬉しくないんだけど」

    そこでまた盛り上がっているとアニのお母さんらしき人も出てきた。

    アニ母「あら、お帰りアニ」

    アニ「ただいまー」

    アニ母「その子が?」

    アニ「そ 前に話したエレン」

    アニ母「へえ・・・」

    アニに似て顔立ちが整っている。

    父親だけ髪の色が違っているところ、金髪はお母さんの遺伝なのだろう。

    綺麗だなーやっぱ家系的に美人ばっかなんだろうな、なんて思っていると、

    アニ母「なるほどね」

    エレン「へ?」

    な、何が?

    アニ母「アニが今日帰ってきてあんまり元気なかった理由が分かった」

    エレン「そうだったんですか?」

    そういえばさっきも休日を喜んでいなかったっけ。

    アニ「そ、そんなことないよ」

    アニ父「そういえばそうだったな」

    アニ母「理由聞いても"練習がね・・"
    って言うだけで」

    アニ父「待てよ 今は部活ないよな」

    アニ「!お母さん!お父さん!」

    いつになく慌てる様子を見せるアニ。

    エレン「ど、どうした?」

    アニ「いや・・あ、あの・・」

    そう心配して声をかける間にもアニの両親の考察は続く。

    アニ母「練習が部活じゃなくて、エレン君との走り込みだとすると」

    アニ父母「「あー!」」

    アニは顔をこれでもかというほど真っ赤にして口をパクパクさせている。

    アニ父「そうか、休みはエレン君と会えないから・・」

    アニ母「間違いない」

    アニ父「そういえば昨日・・・」

    そうしてチラッとアニの方を見ると子供のイタズラに成功したようにニヤリと顔に笑みを浮かべた。

    真っ赤になってフリーズしているアニは棒立ちしている。

    俺自身はその話聞いてて少し不安になってきた。

    これ、俺が聞いてていいのだろうか。

    すると、トドメの一撃がふってきた。

    アニ父「昨日、エレン君と付き合ってるのかって聞いたら

    アニ「うわぁぁぁぁ!!!」

    突然普段では考えられない大声を出して両親に飛びついた。

    両親も驚いたらしく言葉をそこで切ってしまった。

    こっちはその先が気になって気になって仕方ないのだが、アニはもう涙目だ。

    アニ「お父さん変なこと言わないでって走る前に言ったでしょ!!」

    アニ父「別に変なことじゃ

    アニ「お母さんも!」

    アニ母「余計なこと言っちゃった?」

    お母さんに至っては娘の反応を楽しんでるようだ。

    なかなかのサディストらしい。
  105. 105 : : 2015/02/26(木) 22:02:34
    エレン「あ、アハハ・・・」

    俺も顔が火照っている気がするがもう笑うしかない。

    下手に何か言ってアニを刺激したら暴れだしそうな勢いだ。

    いや、暴れるアニも気になるといえば気になるのだが。

    それでもアニの蹴りは頭おかしいレベルのモノだとライナーから聞いているので、あとが色々マズそう。

    とりあえず様子見だ、ウン。

    ーーー

    ーー



    しばらくワーワーと家族で騒いでいたが落ち着いたらしい。

    あまり帰ってこない父がいるという点では自分と似てるな、と勝手に思っていたが、家族の仲は良いようだ。

    少し心配していたことだったが、無意味だったようだ。嬉しいことに。

    そこでハッと時計を見ると、なかなか遅い時間になってしまっている。

    そろそろ帰らねばアニの家の迷惑にもなるだろう。

    エレン「じゃ、俺そろそろ帰りますね」

    アニ母「あら、ゴメンなさいね こんな時間まで」

    エレン「いえいえ、アニの珍しいトコ見れたんで」

    アニ「エレン!」

    アニ父「名前で呼び合ってる辺りもう

    アニ「お父さん!!」

    まだ顔が赤いアニが怒るが、もう疲れたのか覇気がない。

    諦めかけたことに希望が再び見出せた。

    それはもう大収穫だ。

    ちょっと期待して、気づいたらこんな言葉をかけていた。

    エレン「あー、アニ?」

    アニ「な・・何?」

    もう返事もおぼつかない。

    エレン「その、お前さえよかったらだけどさ」

    アニ「・・?」

    エレン「明日もその、走、るか?」

    言った後、あれ、俺何言った今?なんて思った。

    アニの両親は声にならないような悲鳴を上げているらしい。

    悲鳴になってないから分からないが。

    アニ「え、あ、え・・?」

    アニも状況が飲み込めていないらしいが。

    その辺りでようやく俺は自分が何を言ったかが分かった。

    エレン「いや、あの、別に夜じゃなくてもさ 暇な時でいいからホント」

    アニ「あ、う、うん・・・」

    アニ「そ、その・・よ、よろしく、お願い、します・・・」

    突然の敬語に悶えて転がりそうになる自分を抑え、何とか平静を保つ。

    エレン「じゃ、じゃあ暇な時連絡よろしくな」

    アニ「あ、えと、うん、分かった」

    もうお互いしどろもどろだ。

    エレン「あ、あの!遅くまで失礼しました!オヤスミナサイです!」

    エレン「じゃあまた明日なアニ!」

    もうそこからはご両親の顔もアニの顔も見ることなく玄関から飛び出した。

  106. 106 : : 2015/03/03(火) 21:55:28
    ーーー

    ーー



    エレン「うわぁぁぁぁ!!!」

    エレン「喜んでいいよねコレ!悶えていいよねコレェェェ!!」

    下の階からうるさい、と聞こえた気がしたがそんなことは関係ない。

    もうアニの父親がなんて言ったのか気になって気になって仕方ないが、彼はもう帰ってしまう。

    エレン「気になるぞぉぉ・・・」

    こればっかりはどうしようもない。

    それでも諦めにも似た数時間前までの自分の迷いは完全に消し飛んでいた。

    エレン「(こりゃ寝れねぇかも・・)」

    そう思っていてはいても身体は正直で、風呂の後疲れてすぐに寝てしまった。

    ーーー

    ーー



    エレン「寝過ごしたッッ!」

    エレン「・・あ、休みか」

    思いっきり頭を振り上げて若干頭がガンガンする。

    時計を見ると6時半。

    休日に起きる時間にしては早い方だろう。

    二度寝しようかしまいか、数分布団の中で迷うが、考えているうちに眠くなってきたのでそれに従うように・・

    エレン「あ、今日も走るんだった」

    目を閉じなかった。どころか、目をかっ開いて意識を覚醒させる。

    アニは確か朝弱いハズなのでLINEの通知が来ることはないが、念の為確認する。

    やはりない。

    まあ、昨日約束したからそのうち連絡が来るだろう。

    ゆっくり起き上がり、身支度をして朝食をとりに食卓のある一階に下りた。
  107. 107 : : 2015/03/03(火) 22:09:18
    それから数時間後、LINEがきた。

    エレン「うおおおおお

    雄叫びをあげながら確認するが、それがアルミンだとわかるやいなやスマホをベッドに投げつけた。

    エレン「お前じゃねえ!!」ブンッ!

    とはいえ確認しないわけにもいかないので、無駄なことしたなと思いつつも拾って確認した。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    アルミン・今日暇?

    アルミン・街まで行かない?買いたいものがあるんだけど

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    エレン「何が悲しくて男2人で街へくりださなきゃならないんだよ」

    とりあえずテキトーな用事を捏造してやんわりと断った。

    エレン「悪いなアルミン 俺は今日重大なミッションがあるんだ」

    とは言っても連絡がなければする事はない。

    とりあえず某パズルゲームをプレイすることにしよう、と思った矢先その時はきた。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    アニ・昨日はごめんね(>_<)

    アニ・今日ホントに大丈夫なの?

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    エレン「大丈夫だぞコラァァ!」

    うれしい悲鳴をあげながら返信する。

    リアルタイムで見ていたらしく送ってスグに既読がついた。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    エレン・もちろん大丈夫だ!

    エレン・俺から誘ったんだからな(笑)

    アニ・じゃあまたお願いしていい?

    エレン・任せなさい( ̄▽ ̄)

    アニ・何時からなら大丈夫?

    エレン・いつでもいいぞ!

    アニ・じゃあ午後3時くらいでいいかな?

    エレン・了解!

    エレン・じゃ、3時に迎えに行くから

    アニ・いいの?

    エレン・任せとけ んじゃ、また3時に

    アニ・了解( ̄^ ̄)ゞ

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    エレン「やったぜチクショぉぉぉ!!」
  108. 108 : : 2015/03/03(火) 22:16:17
    ばっと時計を見るとまだ9時だ。

    ちょうど6時間後くらい。

    エレン「それまでどーすっかなあ」

    自分の性質は自分が一番よく知っている。

    疲れると勉強は宿題だけしかやらない。

    テストも迫っている以上、勉強をぬかっては追試地獄だ。

    エレン「ちょっとやっとくか・・・」

    そうして国語の古典のテキストを開いたのだった。

    ーーー

    ーー



    エレン「うあー!!助動詞がワケワカメだぁぁ!」

    エレン「なんだよ活用形って!なんだよ已然形って!」

    エレン「もう知るかこんなもん!」

    テキストを乱暴に閉じて今度は物理をやるが、有効数字の意味がわからず挫折。

    数学に至っては中学の因数分解もままならない。

    エレン「・・・テスト終わった」ハハ

    ここまでくるともう笑うしかない。

    唯一ぶっちぎりで出来るのは保険の分野だが、それは男子ならみんなそうだろう。

    エレン「はあ・・・」

    そんな自分に嫌気がさして勉強は諦めた。

  109. 109 : : 2015/03/07(土) 22:25:31
    その時インターホンが鳴った。

    ピンポーン

    はーい、というお母さんの声が聞こえたかと思うと、何やら楽しげな会話が耳に入ってきた。

    エレン「(母さんの友達か?やけに騒がしいな)」


    カルラ「エレン、来なさーい」

    と思ったがどうやら俺にとっても知り合いが来たようだ。

    誰だろうと思いながら階段をゆっくり降りていった。

    ーーー

    ーー



    エレン「・・いい加減にしろよオイ」

    ジャン「なんでお前がいんだよ・・」

    エレン「此処は俺の家だ馬鹿」

    玄関に行ってミカサが目に入ったかと思うと後ろに見覚えのある茶髪と馬面。

    カルラ「久しぶりねミカサ!」

    ミカサ「お久しぶりですカルラさん」

    女性2人は談笑しており聞こえていないようだ。

    つまり俺たちを止める者は誰もいない。
  110. 110 : : 2015/03/08(日) 22:21:07
    エレン「で、結局何しに来たんだ?」

    ミカサ「そうそう これを渡しにきた」

    しばらくの言い合いの後、ようやく目的を問うと、何かを取り出した。

    ミカサ「ついさっきそこの道で先輩に会って手紙を渡してほしいと言われた」

    エレン「手紙?」

    そう言って差し出されたのは手紙と言っていいのか不安になる程小さい紙だ。

    ミカサ「まあ今のエレンには迷惑かもしれないけど、とも言ってた」

    エレン「はあ?何でだよ」

    ミカサ「いつもの手紙だからじゃない」

    おそらくミカサが言っているのは告白の手紙だろう。

    何回か下駄箱に入っていたのを見られて存在を知られてしまったっけ。

    エレン「それがどうして迷惑って話になるんだ?」

    ジャン「お前それ素で言ってるのか?」


    エレン「は?」

    ミカサ「一年の噂になってる アニとエレンが付き合ってると」

    エレン「は・・!?」

    ジャン「夜にアニの家に行ってたらしいじゃねーか それも1回だけじゃなく」

    エレン「な・・んでそれを」

    ジャン「お前ら2人は有名人 嫌でも注視される」

    気にくわねえけど、と付け足していたがそんなことは耳に入らない。

    ミカサ「・・正直私たちも手紙を渡してきた子から聞くまで知らなかった」

    ミカサ「誰かが夜に一緒に走ってどこかに行くのを見た、と言ってた」

    よりによって夜に見られてるとは・・。

  111. 111 : : 2015/03/08(日) 23:10:22
    体力の増強を目的として割と遠くまで走ったことで他の地域に住んでいる生徒にも見られたのだろう。

    別にやましいことをしているわけでは無いのだが、"夜"というのが誤解を生みそうだ。

    俺はともかくアニが嫌悪感をもつことにつながるだろう。

    エレン「マジかよ・・・」

    どうしてこうも都合の悪いことが起こるのだろうか。

    ツイてない。

    ミカサ「じゃあ、確かに渡したから」

    ジャン「じゃあな」

    そう言って2人は帰ってしまったが、返事が出来なかった。

    ーーー

    ーー



    それからは時間が経つのが早かった。

    アニが噂を知っていた場合のシュミレートをしていたらはや数時間。

    パーフェクトな結論は出ないままでアニの家に行くことになってしまった。

    エレン「どうすんだよ・・・」ハア・・

    玄関を出て歩きながら向かうが、いつもに比べて遅い。無駄に遅い。

    途中でクラスメイトや部活の仲間に声をかけられ適当に返すことはしたが、どうも気分が重い。

    エレン「女々し過ぎるだろ俺・・」

    パシンと頬を叩いて気合を入れ直し、ズンズンと速度を上げた。

    が、もったのは1分ほどで、また嫌なイメージが湧いてくる。

    エレン「(ううぅぅおおおお!)」

    こうなりゃヤケだと一気に走り出した。

    周りからは変な奴だと思われただろうがお構い無し。

    動いていれば嫌なイメージは消えてくれる。

    とにかく体を動かすことに専念した。

    もっとも、動きを止めればそのイメージは2秒と待たず復活してくるのだが。
  112. 112 : : 2015/03/12(木) 19:47:29
    ー数分後

    悩みながらも走ってさえいれば到着する。

    というわけで現在アニ宅の玄関前。

    こんなところでうろうろしていては怪しまれる。

    タダでさえ疑惑があるのだ。休日に来ているというのを見られれば噂だけでは済まなくなるだろう。

    エレン「(つーか休日のこの時間帯に走ってるの見られるのは必然じゃね?)」

    ならもう良くね?と開き直ろうとするがそうもいかない。

    噂ってやつは面倒なんだよな・・。

    エレン「(深呼吸・・)」

    スーハーと一通り深呼吸して覚悟を決める。

    ピンポーン

    早く早くと念じると、それに応じるようにすぐアニは出てきた。

    アニ「入って!」

    エレン「ハイ?」

    突然腕を掴まれ、「あれ?」と思う間もなく家の中へ引き込まれた。
  113. 113 : : 2015/03/12(木) 20:22:52
    エレン「えーと、どうした?」

    アニ「ゴメン!」

    エレン「へ」

    ナンノコッチャさっぱり分からん。

    引き込まれたら謝られるってもう何が何だか。

    エレン「・・えと、どういう事?」

    アニ「その、ホントごめん!」

    エレン「いや、だから何が

    アニ「とにかく、今日は帰って!」

    エレン「いや、理由をだな・・」

    アニ「その・・・」

    そして言い淀む。

    コレは何か深い理由があるようだ。

    だが突然帰れと言われて「はいそうですか」と帰れるはずもない。

    というかちょっとだけ黒い感情が心の中に生まれた。

    エレン「いくらなんでも・・・」

    アニ「失礼な事を言ってるのは分かってる」

    アニ「でも、これ以上誤解されたら・・」

    ピシッ

    身体の何処か深くでヒビが入った気がした。

    誤解したら、と言われた以上もうほぼ確定だろう。

    決まった人が出来たということだ。

    やっぱり勝手に一人で盛り上がっていただけだ。

    エレン「・・・分かったよ 悪かった」

    となれば迷惑だろう。

    なんだかもうどうでもよくなってきた。

    エレン「じゃあな」

    アニ「・・!」

    目の端でアニの肩が小さく揺れた気がしたが、そんなことに構ってやれるほど今の自分には余裕がなかった。

    ガチャッ・・・

    エレン「・・・」

    エレン「・・バッカみてえ」
  114. 114 : : 2015/03/12(木) 21:02:13
    そのまま大人しく帰るが心は荒れていた。

    こうなってしまってはもうどうでもいい。

    初恋は実らないというがやはりその通りらしい。

    エレン「(結局縋ってたのは俺の方か)」

    乾いた笑いを漏らし、髪をクシャリと
    掻き上げる。

    エレン「ハハハ・・・」

    エレン「誰なんだろーなぁ・・・・」

    相手が気になるが、聞きだせる間柄では無い。

    まあ気になるだけで見たくはないし、
    それさえどうでもいい。

    エレン「・・・別に席が隣だっただけだろうが」

    エレン「隣にいる男が俺でなくたっていいだろ・・・」

    だから引きずるな、そう自分に言い聞かせる。

    エレン「・・男ってメンドクセー」
  115. 115 : : 2015/03/13(金) 20:50:07
    ー次の日

    一晩たって完全に頭も冷えて冷静に考えられるように、はならなかった。

    とはいえ落ち着いたのは確かであったが、ショックを受けたままだ。

    ふとスマホを見ると通知がたくさん来ており、LINEを確認する。

    クラスのものがほとんどだが、その中に埋もれてアニからのものもあった。

    夜の9時くらいに送られてきたらしい。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    アニ・不在着信

    アニ・今日はホントごめん

    アニ・ちゃんと会って謝るから・・・

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    エレン「・・・」

    はあ、とため息にも似た何かが口から漏れる。

    今思えば一方的に約束したのはこちらだが、それでも突然帰れと言われたのは頂けない。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    エレン・それこそ誤解されたら困るだろ

    エレン・気にしなくていいよ
    もともと変な関係持ってる訳じゃないし

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    顔文字やスタンプを送れるほど気持ちに余裕はなかった。
  116. 116 : : 2015/03/13(金) 21:24:50
    その日はそれ以降特に何もなく過ぎ去り・・・

    ー月曜日

    今週の金曜日に文化祭が始まり、土曜日が一般公開だ。

    それまでは報告書を提出をしなきゃいけないわけで、顔を合わせなきゃならない。

    ガラガラッ

    エレン「はよー・・・」

    挨拶するとザワザワと皆がどよめいた。

    エレン「な、なんだよ?」

    そんな中でライナーとベルトルトは無関心だったが。

    マルコ「エレン、土曜日にアニさんの家に行ったの?」

    エレン「あ?」

    マルコ「見た奴がいるって」

    その話題は自分の中では絶対に今だされたくないものだった。

    そのワケをクラスの奴らが知るわけも無いが、自分の中で何かが切れた。

    エレン「いいだろ何処で何してても」

    コニー「やっぱりお前アニと

    ブチッ

    エレン「うるせぇな!!」

    ざわめいていたクラスがすっと静まる。

    エレン「俺とアニは何の関係もねえよ!」

    エレン「休日の過ごし方くらい自由にさせろ!!!!」

    そう吐き捨てると自分の席の椅子に乱暴に座り、机に突っ伏した。

    その時クラスの入り口にアニがいることには全く気づかなかった。

    アニ「お、おはよう・・・」

    酷くぎこちない笑顔で挨拶するが、クラスはシーンとなったまま。

    アニ「えーと・・その・・・」

    ライナー「ア、アニ、こっち来てくれ」

    見かねてライナーが声をかける。

    アニ「あ、うん、でもちょっと待って」

    そう断ってから自分の席の隣についた。

    クラスの奴らの大半はまだこちらに注目しているようだ。

    アニ「エレン、その、一昨日は本当にごめんなさい・・・」

    エレン「・・・言っただろ、気にしてねえって」

    アニ「でも


    エレン「俺眠いんだ 静かにしててくれ」

    少しだけ頭をもたげて視線を合わせる。

    僅かに怯えを含んだ表情だったが、それでも謝りそうなアニの言葉を遮り、会話を無理やり終了させた。

    ひどく傷ついたような顔をしたが、それを見て見ぬフリをした。

    悪いのはアニだ。俺は悪くない。

    そう思い込んでふて寝を決め込む。

    そうしてしばらくすると席を立ち、ライナー達の方へ行ったようだ。
  117. 117 : : 2015/03/16(月) 20:27:55
    その後は何かとマルコやコニーとギスッたが、今日一日くらい不機嫌なのは許してほしい。

    立場上切り替えは重要なので間近に近づいた文化祭のために放課後までにはいつもの俺に戻した。

    ・・・とはいえ他の奴らを帰したらそのスイッチも元に戻ってしまった。

    エレン「・・・」

    アニ「・・・」

    先週までは世間話や冗談を交えつつ作業をしていたのだが、えらい違いだ。

    一言も言葉を交わすことなく報告書を書き上げていく。

    アニ「・・・」チラッ

    本当のところはエレンが話しかけるなオーラを纏っているだけなのだが。

    もういいと言われた以上これ以上謝ったらウザいと思われる、と思っているのか時折こちらを見てくることはあっても話しかける事はない。

    その遠慮に甘えている自覚はあるが、その甘えをやめない。

    エレン「・・・」グーッ

    無言で作業していたこともあって俺の方が早く報告書があがった。

    いつもなら遅れている方を待つのが暗黙の了解なのだが、ここで一瞬迷った。

    帰るにしても無言で帰るというのは憚られる。

    エレン「(何まだ迷ってんだよ・・・)」

    迷いを捨てるように勢いよく立ち上がる。

    ガタンという音と共に椅子が後ろへ少し滑った。

    その音を聞いてアニがこちらを見た。

    エレン「・・・先コレ提出して帰るわ」

    低い声になってしまったが、もうそんな事はどうでもよかった。

    彼氏様に誤解されたとしたら一番の被害者はアニだ。

    大事なのはアニとソイツの関係であって、俺がアニにどう思われようと関係ない。

    これからの為に嫌われるくらいが丁度いい。

    ーもう誰でもいいから彼女でも作った方が拗れなくて済むのではないか。

    そんな思いが不意によぎった。
  118. 118 : : 2015/03/16(月) 20:43:42
    アニ「ちょ・・・」

    何かを言いかけるがそれを無理やり押さえ込んだように言葉を飲み込んだのがわかった。

    アニ「・・・わかった またね」

    エレン「じゃあな」

    サブのバッグを肩にかけてクラスの前方の扉から出て行った。

    ーーー

    ーー



    駐輪場

    ライナー「お疲れさん」

    ベルトルト「お疲れ」

    エレン「まだ帰ってなかったのかよ?」

    確かライナーが所属する柔道部、ベルトルトが所属するバレー部は今週も普通に部活がある関係で先に準備から離脱していたはずだ。

    ライナー「ちょうどさっき部活が終わったところなんだよ」

    エレン「そうか」

    ベルトルト「あれ?アニと一緒じゃないの?」

    そういってベルトルトはキョロキョロと辺りを見渡す。

    エレン「・・・用事あるから俺は報告書一気に書き上げて先に来た」

    エレン「もうすぐしたらくるんじゃねえか?」

    ライナー「そうか」

    とっさに嘘をついたが、母さんには嘘が通じた試しがない。

    曰く「嘘をつくと耳が赤くなる」らしいが自分で確かめられず真意のほどはわからない。

    エレン「じゃ、俺帰るから じゃあな」

    ライナー「エレン」

    エレン「あ?」

    ライナー「・・アイツを誤解しないでやってくれよ?」

    エレン「・・・」

    この分だとことの顛末を聞かされているのだろう。

    エレン「・・誤解してたのはそっちだろ」

    エレン「俺とアニはそんな関係じゃねえし、むしろ誤解されるのは多分俺だし」

    ベルトルト「どういうこと?」

    エレン「あーもう面倒くせえや 時間ねえし帰る」

    もう今日は誰とも話したくない。

    それでもアニの幼なじみであるこの2人を無碍にすることは出来ず中途半端に相手をしてしまった。

    自転車にまたがって気怠げにハンドルに胸を乗せ、校門を出る。

    その事じゃないとかなんとかライナーが大声で言っていたが、右から左へと流れていったのだった。
  119. 119 : : 2015/03/17(火) 21:19:18
    ーーー

    ーー



    家に帰って休みに手紙をもらったことを思い出して今更ながら読んでみる。

    『月曜日、準備の後武道場の前で話したいことがあります。予定が悪かったら構わないので気にしないでください』

    エレン「・・やっべ」

    今回はいくら早く報告書を書き終わったとはいえ、この時間まで待っているとは思えない。

    思えないが・・・

    ーーー

    ーー



    エレン「・・やっぱいねーか」ゼーゼー

    とはいえ今日指定されてそれを放っておけるほど馬鹿じゃないので自転車で急いで戻ってきた。

    予想通りというか、当然なのだがやっぱりそこにはもう誰もいない。

    ???「エレン君・・・?」

    と思っていました。

    エレン「うおっ!?」

    ???「ご、ゴメンね」

    そう言って影から出てきたのは・・・

    エレン「ミーナか」

    エレン「こんな時間まで待たせて悪い」

    ミーナ「ううん 勝手に指定したこっちが悪いから」

    ミーナ「それに、迷惑だったんじゃないかって思って」

    そう言ってこちらを見上げるその仕草は無自覚なのだろうが、可愛らしさがある。

    エレン「・・朝聞いてたろ?俺とアニはそんな関係じゃねえって」

    ミーナ「・・・うん」

    鬱憤が溜まっている事は事実だが、それをぶつける気にはならない。

    エレン「・・・それで、話ってのは?」

    ミーナ「うん、あのね・・・」


    ミーナ「・・・エレンってホントはアニのことどう思ってるの?」

    エレン「・・・え?」
  120. 120 : : 2015/03/17(火) 22:26:11
    エレン「・・・え?」

    ミーナ「見てて不安だったから」

    エレン「なにを?」

    ミーナ「アニを」

    いまいち方向性が読めない。

    世の男性諸君には怒られるだろうが、完全に告られると思っていたからだ。

    自惚れ過ぎだと自分に対して呆れすら生まれるが。

    エレン「・・・俺に迷惑ってのはどういうことなんだ?」

    ミーナ「あんまり他人が首突っ込んでいいことじゃないと思って」

    エレン「・・・今は突っ込んでるけどな」

    ミーナ「嫌なのは分かる けど誤解して欲しくなくて

    エレン「だから誤解されてまずいのは向こうだから」

    ミーナ「え?」

    エレン「俺は別に気にしてねえ けど向こうは事情が違うだろ」

    ミーナ「それって・・・」

    勘違いを招く言い方をしたら迷惑をかける。

    気にしてない、ということは嫌じゃないということ。

    つまりアニが好きだと言っているようなものだ。

    変なこと言って報告されて、またアニを困らせるなんてことは御免被る。

    エレン「それに、どっちかっていうと誤解してんのはそっちだから」

    ミーナ「え?」

    エレン「俺は別に・・アイツのことを好きだとか、そういう対象で見てねえから」

    ミーナ「・・・そう、なんだ」

    事実と真反対のコトを言っているのは分かっている。

    ミーナの表情にわずかに狼狽が見てとれた。

    本人に相談されたのか自分の意思で話をしに来たのかは知らないが、どちらにせよアニにどう言うべきか迷うようにも見える。

    エレン「話は終わりか?」

    ミーナ「あ・・・うん」

    そう言って立ち去ろうとするが

    ミーナ「ま、待って!」

    何かと呼び止められることが最近多い。

    エレン「ん?」

    ミーナ「その、なんで今日朝怒ったのか理由を聞いてもいい・・・?」

    エレン「あー・・・」

    エレン「いや、休日にまで口出しされたらやってられねえから」

    エレン「溜まってたことが一気に爆発しちまっったってだけだ 悪かったな」

    ミーナ「そう・・・」

    ミーナ「・・・最後にお願いするけど」

    エレン「何だ?」

    ミーナ「明日からとは言わないから、それでもアニとは普通に接してあげて」

    やはりミーナにはアニへのそっけない態度がバレていたらしい。

    ミーナ「アニと何があったのか知らないし詮索するつもりもない」

    ミーナ「それでもその・・アニはエレンの事を、その、気に入ってたみたいだったから・・」

    エレン「・・・はいよ 心配かけて悪かったな」

    気をつけて帰れよ、と言ってその後に別れた。

  121. 121 : : 2015/03/19(木) 21:17:09
    次の日からは極力いつも通りにアニに接していた。

    それでもやっぱり申し訳なく思っているらしく、幾らか無理をさせているようだ。

    ミーナは時折心配そうに俺を見てくるのでこっちまで申し訳ない気持ちになる。

    そうこうしているうちに水曜日、文化祭スタートが明後日にまで迫った。

    ーーー

    ーー



    エレン「・・・」サラサラ

    アニ「・・・」サラサラ

    エレン「・・・」ゴホッ

    アニ「!」カタンッ

    喉に何か使えたような気がして咳き込んだだけなのだが、それだけで肩をビクつかせてシャーペンを取り落とした。

    コロコロとこちらの机の方に転がってきて、俺の上履きにぶつかって止まった。

    当然俺がかがんでそれを取り、渡すわけだが

    エレン「ほら」スッ

    アニ「あ、ゴメン・・・」

    差し出したシャーペンを受け取るときの手もわずかに震えている。

    エレン「・・・あのさ」

    アニ「な、なに?」

    エレン「そんなに怖がられると傷つくんですけど・・・」

    アニ「こ、怖がってなんかないよ」

    エレン「俺がちょっと動くたびに肩震わせたりしてたじゃん」

    アニ「そんなこと・・」

    エレン「・・・ミーナに心配されてたぞ」

    アニ「!」ビクッ

    ほら、まただ。

    これまでで一番大きな反応を見せた。

    相談したのかどうかはこの際関係ない。

    アニ「な・・んでミーナが」

    エレン「理由は知らねえけど、仲良いんだろ?お前ら」

    再び書く作業に戻りながらそんなことを言う。

    エレン「俺の事どう思っててもいいけど心配かけんなよ」

    エレン「・・・いや、俺のせいなんだろうけどさ」

    するとガタッと大きい音を立ててアニが立ち上がった。
  122. 122 : : 2015/03/19(木) 21:35:32
    アニ「・・」

    何かを言おうと口を震わせているが声になってない。

    エレン「・・・・」

    少々驚いたが、気取られぬように冷静に振る舞う。

    エレン「・・・もういいよ 俺がアニの分の報告書も書いとくから」

    アニ「!?」

    エレン「先帰っていいぞ 昨日は俺先帰っちまったし」

    アニ「・・・なんで」

    エレン「んあ?」

    アニ「なんでそんなに帰したがるの・・」

    エレン「なんでってそりゃ・・・」

    どうして分からないんだ。

    この時期に部活をやっているのは柔道部とバレー部くらいのスパルタ部活くらいだ。

    部活が数多くあるこの学校でその2つの部活のどちらかに彼氏が所属している可能性は低い。

    そいつを待たせておきながら他の男と一緒にいたら俺だったらキレてる。

    エレン「・・誤解されたら困る、から」

    俺がそいつに誤解されたら面倒だし、なによりアニも被害を被る。

    恩着せがましくいうと、「アニのため」ってことになる。

    一瞬固まった後、ガタンと席に着いて凄い勢いでシャーペンを走らせ始めた。

    アニ「・・・わかったよ 先には帰る」

    アニ「でも自分のは自分で書くから」

    一息にそう言い、数分後にはいつもよりやや乱れた字が並んだ報告書が仕上がっていた。

    エレン「・・・お疲れ

    アニ「じゃあね」

    ピシャリと俺の言葉に被せて言ったことにムッとしたが、まあこれでいい。

    これでよかったんだ。

    そう思って自分の報告書を書き上げていく。

    廊下を早い速度でアニが駆けていく音を聞いていると辛くなるので、とにかく意識を目の前の紙に集中させた。
  123. 123 : : 2015/03/21(土) 20:47:37
    ー木曜日

    今日は文化祭1日前。

    一限から七限まですべて準備に時間が当てられている。

    正直もうほとんど完成しているのでやる事は少ない。

    みんな基本的に喋るだけで時間は過ぎていく。

    だが、俺たちクラス委員は違った。

    ー情報処理室

    情報の時間でしか世話にならない情報処理室。

    パソコンがずらりと規則正しく並んでいて、常にゴーゴーという重々しい音が響いている。

    そこに各クラスのクラス委員が集められていた。

    エレン「・・・」

    アニ「・・・」

    昨日の会話のこともあって少々気まずいが、もうこの気まずさも慣れた。

    周りはヒソヒソとこちらを見ながら話をしているようだがそれも気にならない。

    ーどうしてこうなっちまったのかねぇ。

    不本意極まりないはずなのに自分の心はひどく落ち着いていた。

    と、そこで横からチョンチョンとミカサが指で頬杖をついていた俺の左腕をつついた。

    ミカサ「エレン」

    エレン「ん?」

    そんな自分とは逆に、らしくない焦りにも似た表情を浮かべるミカサ。

    ミカサ「・・いや、やっぱりいい 後で時間ある?」

    エレン「んお?まあ大丈夫だけど」

    ミカサ「話があるから昼休みにもう一度ここに来て」

    エレン「まあ、いいけど」

    ミカサ「じゃ・・・」

    絶妙なコントロールで自分の場所に椅子で滑りながら戻っていった。

    エレン「・・・?」

    何かやらかしただろうか。

    しかし自分の記憶の中は最近はアニのことでいっぱいだったといえる。

    もしかしたら気づいてないこともあるかも、と思い当たる節が無いのに申し訳なく思った。
  124. 124 : : 2015/03/21(土) 21:15:30
    その後生徒会担当の先生が来て、文化祭オープニング映像のチェック、自分たちの展示の紹介文の確認などの作業をした。

    それ自体は割とすぐに終わり、再びクラスに戻ろうと立ち上がるが、2人の先輩に呼び止められた。

    ???「エレン君、だよな?」

    ???「ちょっと聞いていいか?」

    エレン「えーっと・・確かサッカー部の・・」

    ???「お、知ってるの?」

    エルド「俺はエルド、こっちはグンタってんだけど、この際名前はどうでもいいや」

    エレン「はあ・・・」

    グンタ「単刀直入に聞くけど、彼女いるのかい?」

    エレン「はあ?」

    突然話しかけられだと思ったらコレ。

    いくら先輩とはいえずいぶん失礼ではないだろうか。

    思わず「はあ?」なんて言ってしまったが、この反応は当然だろう。

    エルド「おま、単刀直入過ぎだろ」

    そう言って金髪を後ろで結っている彼は爆笑。

    意味がわからん。

    とはいえ先輩後輩関係は大切なのでテキトーに答えることはできない。

    とりあえず目的を問うことにした。

    エレン「えーと、なんでそんなことを?」

    エルド「いやーすまんな 上級生でも君は人気でな」

    エルド「それでサッカー部のマネージャーのほとんどが狙ってて、彼女持ちか聞いてくれなんて言うから」

    グンタ「モテる男は羨ましいな」

    エルド「お前は彼女持ちだろぶっとばすぞ」

    グンタ「勘弁してくれ」ハハ

    エルド「まあ愚問だったな やっぱりいる

    エレン「いませんよ」

    グンタ「え」

    エルド「本当か!?俺と一緒だ!」

    そう言って一人喜び始めた彼をその場からどかし、グンタさんが聞いてくる。

    グンタ「何か複雑な理由があるならあるって言ってくれ」

    グンタ「教えてくれなくても構わないから」

    エレン「・・・特に理由はないです」

    エレン「絶賛彼女募集中です」ハハ

    グンタ「そうか いや、複雑な事情があったら申し訳ないからな」

    エレン「いえいえ」

    なんとなくこの二人の先輩は感じがいい。

    エルド「いやー、なら一緒に今回の文化祭で彼女つくろう!」

    グンタ「お前は去年の文化祭で失敗してただろ」

    エルド「ホラ、俺割と惚れっぽいから 隣の席の女子とかすぐ惚れちゃうから」

    グンタ「スケコマシが」

    エルド「お前はいいよな!余裕で!」

    グンタ「それにエレン君はお前と違って大人気だからな すぐ作れるぞ」

    エルド「見とけよ!絶対先に作るから!
    待った、あの黒髪の子超可愛いな」

    エレン「ああ、ミカサですね 彼氏います」

    エルド「あの子がミカサか・・・
    むっ!あの金髪の子は!?」

    エレン「あ、ああ アニですね」

    エルド「あの子が・・・
    彼氏はいるのか!?いるのか!!?」

    エレン「い、いるんじゃないですか?」

    エルド「クソォォォ・・・」

    エレン「つかサッカー部のマネージャーならクリスタが・・・」

    グンタ「ああ、やっぱり同じく大人気だよ」

    エルド「そうなんだよぉぉぉ・・・」

    グンタ「コイツあの子が入部した日に告白したけどダメだったんだよな」

    グンタ「告白したのコイツだけじゃなかったけど」

    エルド「言うな!言うんじゃねえ!」

    エレン「ハハ・・・」
  125. 125 : : 2015/03/21(土) 21:32:03
    その後数分話した後、

    グンタ「っと、こんな時間か 悪かったな長い時間止めて」

    エレン「いえいえ」

    エルド「この際グンタ、お前でいいから彼女に

    グンタ「断る そんな趣味ない」

    エルド「冗談に決まってんだろバーカ」

    グンタ「本気で言われてたまるか 俺彼女いるし」

    エルド「ケンカ売ってんのかオイ」

    グンタ「それじゃあなエレン」

    エレン「あ、はい!」

    エルド「俺が彼女つくるまで彼女つくんなよ!!」

    エレン「善処します!」

    エルド「絶対って約束しろコラァ!!」

    大きくグンタ先輩と笑って別れた。

    エレン「さて、俺も帰らなきゃな」

    気づけばもう情報処理室には誰も残っていなかった。

    持ってきた筆記用具とメモ用紙を持って5階にあるクラスに戻る。


    ーーー

    ーー



    エレン「(・・・彼女、ねえ)」

    クラスに戻って、男子の馬鹿騒ぎや女子が楽しげにみんなで話しているのを見ながらふと考えた。

    この中にもフランツとハンナを筆頭に、何人か彼氏、彼女持ちがいる。

    普段そいつらが仲睦まじく話しているところを見て羨ましいと思わなかったわけではない。

    ミカサにジャンという彼氏が出来て焦らなかったわけでもない。

    エレン「・・・」ハァ・・・

    大きく溜息を吐き、ふと女子達を見ると輪の中心になって楽しげに話をするアニの姿が目に入った。

    男子たちに目を移せばそんなアニに見惚れる奴らがチラホラ。

    エレン「・・・」フッ

    グチグチ悩んでも仕方ない。

    自分に対して鼻で笑ったらマルコに気持ち悪いと言われ、全力で追いかけてしばいた。
  126. 126 : : 2015/03/21(土) 22:18:07
    ー昼休み

    そろそろミカサのところに行くか、なんて思っていると何やら廊下が騒がしい。

    何だろうと確認する前に、クラスのドアにドドドっと見知らぬ女子達が集まった。

    ねえどの子、あの子じゃない?、超かっこいい!などなど大きい声で騒いでいるのを見て、こりゃ突破は無理かもなんて思っていたらコニーに背中を強く押されてその群衆の中に放り込まれた。

    数分もみくちゃにされた後解放され、というより逃げて、情報処理室にたどり着いた。

    ーーー

    ーー



    エレン「で、話ってなんだ?」

    ミカサ「・・その前に、何でそんなに汗をかいているの?」

    エレン「気にすんな」

    ミカサ「まあ、いいけど」

    ミカサ「それで、直球で聞くけど、アニと何があったの?」

    エレン「あー・・・」

    もしかしたら、なんて思っていたことを聞かれる。

    エレン「まあ、なんて言うか、ちょっとしたケンカっつーか・・・」

    エレン「別にお前は気にしなくていい」

    ミカサ「ケンカの割にはアニが酷く傷ついてるみたいだけど」

    ジロッとこちらを見る目はとてつもない切れ味がある。

    こえーよ、なんて誤魔化そうとしてもその目は変わらない。

    はあ、と息を吐いた後

    エレン「・・まあ、ちょっと言いすぎた事はあったけどよ」

    エレン「でもよ、休日に向こうが指定した時間に家に行って、そしたら"誤解される"って言われて帰された男の気持ち考えろよ」

    エレン「そりゃ怒りもするわ」

    ミカサ「ふむ・・・」

    エレン「別にアイツが誰に誤解されて困るのかは知らねえけど、そういうとこ考えて呼べっつー話だよ」

    ミカサ「アニに彼氏はまだいないと聞いたけど・・・」

    エレン「あの容姿なんだ いつできてもおかしくねえだろ」

    エレン「つかお前が知ってるってことは何?相談でもされたのか?」

    ミカサ「違う」

    エレン「じゃあ何で?」

    ミカサが小さく息を吐いた。

    何だよ、という意味を込めて軽く睨む。

    ミカサ「休み明けからずっとアニと一緒に帰ってたから」

    エレン「お前が・・?」

    ミカサ「そう」

    ミカサ「月曜日と火曜日はアニだけ遅かったから誘った」

    ミカサ「昨日は私が用事でもう一人の委員に活動中に書いた報告書を託して先に帰ろうとしたら校門に居たから誘った」

    そう言いながらこちらを見るミカサの表情は完全に俺を女の敵、と思っているものだった。

    う、と言葉に詰まる。

    エレン「・・向こうが誤解するといけないって言ったから俺は遠慮してだな」

    ミカサ「そう」ジーッ

    エレン「・・・何だよ」

    ミカサ「そんなに神経すり減らしてるなら彼女つくればいいのに」

    エレン「は・・・?」

    ミカサ「エレンは女子に人気がある
    彼女を作ればらしくなく悩むこともなくなる」

    ミカサ「そして誤解されることもなくなる」

    ミカサ「違う?」

    エレン「そりゃ・・・そうだけどよ」

    いつものミカサらしくないと思うが、今のミカサは有無を言わせない迫力がある。

    下手に反抗すれば睨み殺されそうだ。

    ミカサ「・・・中途半端な気持ちならアニにちゃんと嫌われて」

    エレン「は!?」

    ミカサ「じわじわ傷つけられるアニを私は見たくない」

    ミカサ「これ以上アニの気持ちをかき乱さないで」

    エレン「俺は・・・かき乱してなんか

    ミカサ「エレンはアニに甘えていた節がある」

    ミカサ「今までは無意識だったかもしれないけど、もうそれは通らない」

    エレン「俺は・・・」

    ミカサ「被害者面しているけど、本当の被害者はアニだから」

    エレン「だから・・俺は・・!」

    ミカサ「口を出すべきでないことは分かっている」

    ミカサ「知っているはず 私は他人の内部を傷つける人が何より嫌いだ」

    エレン「だから!!」

    ミカサ「もう一度いう アニの気持ちも知らないで傷つけるならさっさと嫌われて」
  127. 127 : : 2015/03/25(水) 20:24:49
    エレン「・・・」グググッ

    ミカサ「・・・」

    落ち着け。冷静になれ。

    自分にもそう言っただろうが。

    嫌われるくらいがちょうどいいって。

    何を怒っている。何を悔いているんだ俺は。

    エレン「・・・ッ」

    なんとか爆発しそうな自分を律する。

    ミカサの言う通りだ。もともとアニに迷惑がかからないように身を引いたんだろうが。

    それなのに傷つけてどうする。

    でも。

    エレン「・・・分かったよ テキトーに彼女でもなんでもつくればいいんだな」

    ミカサ「・・・」

    納得いっていないような顔をしているが、そう言ったのはミカサ。

    グンタさんやエルドさんが言っていたように女には困らないだろう。

    なんせ向こうから言い寄ってくるのだ。

    ミカサ「・・・エレン」

    俺の考えを読んだようなタイミングでミカサが声をかけるが、

    エレン「この案を出したのはお前、そして俺自身が選んだんだ」

    エレン「こうすりゃ嫌でもお互い関わることは無くなる」

    それでも何か言いたげなミカサを見ずに背中を向けた。

    エレン「・・・心配しなくてもいいぞ
    あいにく俺は女子に困る事はねえよ」

    ミカサ「エレン!」

    エレン「これが俺のやり方だ 文句言うなよ」

    そのまま返事を聞かずに情報処理室を抜け出し、クラスに戻る。

    行きの時と違って何かと話しかけてくる女子の集団から逃げずに、話しながらクラスに向かったが。
  128. 128 : : 2015/03/27(金) 20:34:05
    じゃーねエレン君!だの、イェーガー君だのといった声掛けに返事を返しながら教室に戻った。

    マルコ「エレン」ズイッ

    コニー「見損なったぞ」ズイッ

    エレン「はい?」

    戻った途端にこんなことを言われる。

    誰かと言えば、俺が怒鳴った日こそ大人しかったものの、こちらから謝ったらすぐに戻ってしまったこいつら。

    エレン「なんだよいきなり」

    トーマス「ったくよー俺だって女の子に囲まれながら教室いきてーよ!」

    サムエル「諦めろトーマス 天はイケメンには万物を与えるというだろ?」

    ライナー「言われてたまるか」ゴゴゴ

    ベルトルト「僻むなよライナー・・」

    マルコ「僕たちが必死で働いているときに女遊びとはどんなスケコマシだ!」

    エレン「女遊びなんてしてねえから!ただ呼び出されてただけだ!」

    クラスの女子の目が幾つか向いており、その中でもミーナの目は完全に人殺しの目をしている。

    トーマス「なーるほど つまり文化祭を一緒に回る女子を捕まえようと

    エレン「ちげーよ」

    サムエル「バカ逆に決まってんだろ
    誰がエレンと回るかの争奪戦を高みの見

    エレン「ちげーから」

    コニー「ったく、お前いつになったら彼女つくんだよ」

    エレン「人の色恋に口出しすんなよ」

    この話題は嫌でも先ほどのミカサの言葉を思い出してしまう。

    まああんな教室への入り方をすればそういう話になるのは当然なのだが。

    コニー「スケコマシって言われるの嫌なら早くつくれよ」ハァー・・・

    エレン「・・・そうだよなぁ」

    コニー「・・・へ?」

    マルコ「え・・・え?」

    一同「「ええええ!!?」」

    エレン「な、なんだよ」
  129. 129 : : 2015/03/27(金) 22:40:42
    マルコ「い、いや、いつもならさらっと流すのに」

    コニー「そりゃエレンだって男だからな彼女欲しいよなぁ」ウンウン

    マルコ「なんでコニーはそんなわかったような風に言うのよ」

    コニー「俺は自分で言うのもアレだけど頭の回転早いからな」

    コニー「エレンはいっつも女子をイヤラシイ目で

    エレン「見てねえから!」

    コニー「あれ?」

    とその時横の方から何かが飛んできた。

    それに気付いても身体は付いてくることなく、頭の横に直撃。

    一瞬ふらっとしたが、投げた張本人には文句を言わなければ気が済まない。

    キッとそちらに睨むように振り向くが、スグに顔を戻した。

    ミーナ「・・・」ニコー

    エレン「だ、だから見てねえっつの・・・」

    彼女の黒い笑顔に若干引きつつも、それの威圧感から強い態度は取れない。

    マルコ「よし!よくやったミーナ!」

    コニー「・・・」プクク

    エレン「この策士が・・・」

    ガシッ

    エレン「え」

    ミーナ「ちょっとこっちきて」

    言葉通り引きずられながら廊下に出された。

    ーーー

    ーー

  130. 130 : : 2015/03/30(月) 23:24:07
    エレン「・・・なんか用か?」

    ミーナ「どういうつもり?」

    エレン「・・・別に、いつも通り

    ミーナ「女子に囲まれてデレデレしながら会話してクラスに入るのがいつも通り」

    ミーナ「そう言いたいんだね?」

    今までに見たことがないほど冷たく張り付いたような笑顔。

    その表情ほど怖いものはない。このまま殺されるのではないかという錯覚にまで陥る。

    エレン「・・そうだけど?」

    だがヘタれたところは見せたくないという下らない男の意地で精一杯の虚勢。

    もちろんそれが通じるはずもない。

    ミーナ「言ったよね?普通に接してあげてって」

    エレン「だから普通に

    ミーナ「私他の子達よりアニのそばにいたから分かったよ」

    ミーナ「みんなの前では無理して笑ってるけど時々ひどく寂しそうな顔してる」

    エレン「・・・」

    ミーナ「それは前の月曜日から」

    エレン「心配すんなって その為にも適当に彼女作りゃ誤解も解けるし噂も無くなる」

    エレン「お互い普通に戻る 違うか?」

    ミーナの顔を伺っていたが、この言葉を出した途端にそれは凍りついた。

    ミーナ「・・本気で言ってるの?」

    エレン「は?」

    ミーナ「本気で言ってるのって言ってるの!」

    これまで見た女子でこんなにも迫力のある声を出した者がいただろうか。

    エレン「あ、ああ アニが傷ついたのは俺が原因だって言うんだろ?」

    エレン「それなら俺が身を引けば

    いい。

    そこまで言葉を紡ぐことはできなかった。

    バチッという音がこんなにも鮮明に聞こえたことはない。

    そんな事を思って数秒後、頰に鋭い痛みと熱が襲ってきた。

    エレン「いって・・・」

    ミーナ「最っ低」

    目の前で短く低い、しかしそれ以上ない言葉で俺を否定した。

    エレン「ッ・・・」
  131. 131 : : 2015/03/30(月) 23:49:38
    エレン「なんだよ・・・・」

    ミーナ「今心の底からホッとしてるよ」

    エレン「あ?」

    ミーナ「エレンとアニが付き合ってなくてよかったって」

    エレン「・・・どういう意味だよ」

    ミーナ「ここじゃ目立つから付いてきて」

    エレン「・・・」

    もうミーナの顔には一欠片も笑顔が残ってなかった。

    恐ろしく思うが、それ以上にミーナの言い草に腹が立っている。

    ならどうしろってんだ。

    答えが一向に出ないではないか。

    そんな事を思いながら先をズカズカと歩くミカサのものとは違う黒髪を追った。

    ーーー

    ーー



    連れてかれた場所は校舎の一部が突き出たところにあるテラス。

    日はわずかに傾き始めたといったところか。

    陽の光がだんだんと暑く感じるようになってきた季節。

    腕まくりをする暇もなく俺は僅かにある日陰に座らされていた。

    その隣にミーナが座ると、ポツリポツリと言葉を漏らし始めた。

    ミーナ「・・・私とアニ、ここでたまに一緒にお弁当食べるの」

    ミーナ「ここなら男子もあんまり来ないから」

    ミーナ「月曜日の時もそうだった」

    エレン「・・・」

    ミーナ「その時に私たちのクラスがある校舎を見て小さくため息を吐いてた」

    ミーナ「どうしたのって聞いても何も言わず笑ってなんでもないって言ってたけど、私にはそうは思えない」

    ミーナ「その後ミカサって子とすれ違った時私だけ呼び止められた」

    ミーナ「さっきの言い草からするとミカサの言ったことを実践するんだね?」


    エレン「ちょっと待てよ なんでお前がそれを知ってんだ」

    ミーナ「・・・わたしがミカサに頼んだからだよ」

    エレン「は・・・?」

    ミーナ「ミカサに聞いたんだ エレンはアニのことを話してる時楽しそうだって」

    自分の知らないところでなんて事言ってんだアイツ。

    しかしミーナが隣にいる手前、否定することもできずに言葉を待つ。

    別段向こうは俺の言葉を求めてはいなかったらしく、そのまま話を続ける。

    ミーナ「前も言ったみたいにアニはエレンのことを気に入ってた」

    ミーナ「今まで男子を対等な友達として見てたアニが初めて変わった」

    ミーナ「一目でわかった アニは

    エレン「言うな」
  132. 132 : : 2015/03/31(火) 00:00:47
    エレン「・・・答えになってねえ」

    エレン「俺はミカサの言ったことをなんでお前が知ってるのかを聞いてるんだ」

    エレン「自分勝手な言い分で俺を追い返したあいつを許すつもりはねえし、引っ掻き回した俺が許されるつもりもねえ」

    エレン「お互い全く別の彼氏彼女と付き合ってりゃいい」

    エレン「そう提案したアイツの意見をなんで知ってんだよ」

    ミーナ「何言ってるの・・?」

    ミーナ「アニに彼氏なんていないし、いたこともないけど・・」

    エレン「は・・・?」

    エレン「いや・・・だって誤解されたら困るってアイツが・・・」

    するとしばらくミーナは動かなくなった。

    何かを迷っているように見える。

    しかしグッと拳を握りしめたかと思うとゆっくり口を開いた。

    ミーナ「それは・・・多分私のせいだと思う」

    エレン「?どういうことだよ」

    誤解を生むっていうのがミーナのせい?
    ワケがわからない。

    すると彼女の今までの怒りのオーラは消えた。

    「全くアニは・・」とブツブツと文句のようなものを言ったかと思えば、また口を開いた。

    ミーナ「実は・・・」
  133. 133 : : 2015/04/04(土) 08:53:34
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    土曜日

    私は午後3時近くまでアニの家にお邪魔していた。

    一緒に課題を進めていたとき、しきりに時計を確認しているのを見てふっと思い出したことを話題にした。


    ミーナ「そういえばアニってエレンと夜に会ってるって本当なの?」

    アニ「え、え?」

    ミーナ「んもー隠さなくてもいいのに」

    アニ「まあそうだけど、その、ただ部活再開した時に体力が落ちてないようにランニングを一緒に

    ミーナ「ハイハイ そんな慌てながら言われても説得力皆無だから」

    アニ「本当にそれだけだから!」

    ミーナ「それなら狙っちゃおうかなー」

    アニ「な、何を?」

    ミーナ「エレン」

    アニ「・・・ま、まあ頑張んなよ 応援するから」

    ミーナ「そういえば3時から予定があるって言ってたっけ」

    アニ「あ、その、まあ・・・」

    ミーナ「じゃあ御暇しますね〜
    あ、課題見せてくれてありがと!」

    と、ここでちょっとしたイタズラ心が湧いてきた。

    ミーナ「・・・じゃ、ちょっとエレンの家にでも行ってみようかなぁ〜」

    アニ「!」ピクッ

    ミーナ「って私エレンの家知らないや」ハハハ

    アニ「・・・教えようか?」

    ミーナ「・・・え?」

    ーーー

    ーー



    ミーナ「あ、アハハ・・まさか手紙まで書かされるとは・・・」

    アニ「じゃ、頑張ってね」

    ミーナ「マジですか・・・」
  134. 134 : : 2015/04/04(土) 21:39:03
    ミーナ「あ、あの

    アニ「ゴメン時間だからさ ほら早く行きなよ」

    アニ「ほら、行ってきなって」ポン

    ミーナ「まままま待って待ってったら」

    アニ「・・・何?」

    ミーナ「ア、アニはいいの?」

    アニ「・・・ハハハ」

    アニ「私は別にエレンをそんな目で見てないよ」

    ミーナ「え・・・でも」

    アニ「一緒に居て楽しいとは思う」

    アニ「けど、その、好きとかじゃなくて・・・」

    ミーナ「・・・」

    ミーナ「・・・分かったよ」ハア・・
  135. 135 : : 2015/04/04(土) 22:01:00
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    エレン「俺が行く前にそんな事を・・」

    ミーナ「アニも嘘をつくのが下手なんだよね」

    ミーナ「少しだけいつもより明るく振る舞うんだ」

    ミーナ「でもその時はいつも以上に明るかった」

    エレン「なんで直接来なかったんだ?
    俺の家聞いたんだろ?」

    ミーナ「嘘って分かってて行けるわけないでしょ!」

    エレン「いや、そんなに怒んなよ・・」

    ミーナ「あのねえ・・・」

    ミーナ「・・まあいいよ 途中でミカサに会ったからその時に渡した手紙がエレンが貰ったってやつ」

    エレン「なるほどねぇ・・・」

    ミーナ「まさかあんな時間になってから来るとは思わなかったけど」

    エレン「う・・・」
  136. 136 : : 2015/04/04(土) 22:26:20
    エレン「・・・つまりミカサから聞いたんだな」

    エレン「でも俺の方が早く帰ったハズなんだが」

    ミーナ「あんなに女子に囲まれて鼻の下伸ばしてればそりゃ帰るのも遅くなるだろうね」

    ジトーという目でこちらを見ているが、先ほどまでの殺意は感じない。

    エレン「だからそれは・・・」

    ミーナ「・・・アニは自己犠牲ばっかりだから」

    ミーナ「そういうところはエレンとそっくりだよね」

    エレン「・・・なんのことやら」
  137. 137 : : 2015/04/04(土) 22:54:34
    ミーナ「いい加減に自分に嘘をつくのをやめたら?」

    エレン「・・・」

    ミーナ「現実でお互い悲劇のヒーロー、ヒロインを演じていても全くときめかないからね」

    ミーナ「ただむず痒いだけ」

    エレン「何度も言うけど

    ミーナ「ミカサに聞いたって言ったでしょ」

    ミーナ「嘘をついた時の耳のこともね」

    エレン「がっ・・・」

    ミーナ「今日の報告書書くときにちゃんと話し合って」

    エレン「・・・」

    ミーナ「いい?」

    エレン「・・・ああ なんか色々悪かったな」

    ミーナ「勝手に口出したのはコッチって言ったでしょうが」

    ミーナ「今度適当なこと言ったら本気で張り倒すから」

    エレン「肝に銘じときます」

    ミーナ「ほら、早く戻りなよ」

    エレン「へ?お前は?」

    ミーナ「・・・話聞いてた?誤解されたらコッチが困るからに決まってるでしょ」

    ミーナ「誤解されたくなきゃ一人で戻れ!」

    エレン「は、はい!!」

    ーーー

    ーー

  138. 138 : : 2015/04/07(火) 22:39:02
    数分後

    クラスに戻るとソッコーで男子共に囲まれる。

    ライナー「おいエレン」

    コニー「お前ミーナと付き合うのか?」

    エレン「はい?」

    マルコ「君たちは分かってないな」

    コニー「何!?」

    マルコ「あんな恐怖の化身そのものの笑顔で告白なんてするわけないでしょ」

    マルコ「・・・違うよね?エレン」

    自信ありげにそう言うマルコの額には心なしか汗が吹き出ている。

    エレン「ち、違うけど・・・お前なんでそんな焦ってんだよ」

    マルコ「ほら見ろぼくの言った通りじゃないか」

    そのまま答えずスキップしそうなほど意気揚々と何処かへ行ってしまった。

    それをしばらくみんなで呆然として眺めた後、はっと正気に戻ったようにまたコニーが問いかけてきた。

    コニー「じゃあ何だったんだよ」

    エレン「あ、ああ、ちょっとな」

    コニー「ちょっと、で頰にそんな紅葉マークできんのか?」

    エレン「あ、コレね・・・自分でつけた」

    トーマス「ウソつけ!」

    コニー「やっぱり告られたんだな!?」

    エレン「だから違うっての!!」
  139. 139 : : 2015/04/07(火) 22:56:51
    ライナー「まあもういいじゃないか」

    エレン「ライナー・・・」

    ライナー「ほれ、もう準備の時間も終わる もうすぐ下校だからな」

    時計を見ればもう4時過ぎだ。

    今日の予定ではあと15分程で下校となる。

    その助け舟をありがたく頂戴して全員に声をかけた。

    その頃にはミーナも戻り質問攻めにあっていたが曖昧に誤魔化しているらしい。

    エレン「よーし皆お疲れ!今日は早く帰って明日明後日は楽しむぞー」

    するとコニーとマルコは挨拶もほどほどに速攻でクラスを出て行った。

    それを合図に皆だんだんとクラスを出て行く。

    それでも話に華が咲いたのか、女子の半分ほどはなかなか出て行かない。

    ーーー

    ーー



    時間がたってもクラス内にはまだ数名残っていた。

    据え膳を食うようでなんとなく負い目は感じるが、向き合う覚悟を決めたのだ。

    早いところ二人にして欲しいのだがそうさせてはもらえそうにない。

    ふと見渡すとアニが見当たらない。

    それでも鞄はまだ机にあるし、報告書放っておいて帰るような奴じゃないことは分かっている。

    仕方ないからちょっとだけ進めながら待つとしようと報告用紙をファイルから取り出すと、残っていた2、3人の女子の会話が耳に入ってきた。
  140. 140 : : 2015/04/07(火) 23:11:27
    声を抑えてこちらを伺いながら話しているのを聞くのはなかなか気分が悪いが、こちらとて盗み聞きしてる身分なので文句は言えない。

    入り口のドアの前で地面に座って溜まっているのは見てられないが、それは見なければいいだけなので報告書と向き合う。

    「・・・最近アニ、落ち込んでなかった?」

    「それ思った」

    「アレじゃない?エレン君に振られたとか」

    「なるほどね〜 結構話してたし」

    「がっつき過ぎて引かれたんじゃない?」

    クスクスと忍び笑いを漏らしているのが丸聞こえだ。

    腹が立ってくるが、会話内容的にアニのメンツが潰れてしまう。

    そう思ってグッと我慢をする。

    ペンを握りしめながら耐えている間にも話は進んでいった。

    「・・・そう言われればあの噂ってやっぱり嘘だったんだね」

    「夜にエレン君がアニの家に行ってるってヤツ?」

    「そーそれ」

    「いや、でも案外本当なのかもよ?アニから誘ったとかありそう」

    「あの身体で迫られたらそりゃバカな男子なら引っかかりそうだしね」

    「そうやって今まで何人の男子を騙してきたのやら」

    哀れむような視線を感じるがコッチは怒りでそれどころではない。

    男子が相手ならすぐにでも殴りかかっているところだ。

    「クラス委員で近くに居られるからって調子に乗ってたんだね」

    「ざまぁみろって感じ?」

    「さっき聞こえたんだけどエレン君彼女作ろうとしてるみたいだよ」

    「ウソ、なら私にもチャンスあるじゃん」

    「私もあんな彼氏よりもエレン君と付き合いたいなー」

    やや大きい声で会話してるのはアピールのつもりなのかもしれないが、ますます怒りは大きくなるばかりである。

    言い寄られたらなんて言ってやろうか。

    貶し言葉や罵倒の言葉が幾つも出てくる。
  141. 141 : : 2015/04/07(火) 23:21:39
    「てことはエレン君はアニに迷惑してるんじゃない?」

    「そういえば最近スゴイ嫌ってるみたいに接してたよね」

    ズキッ

    それ自体は否定できない。

    途端に申し訳ない気持ちで一杯になる。

    普通に接したいと思ってはいたが、それでも元どおりには無理だった。

    彼女たちの話を聞くに、それは相当だったらしいが。

    やれやれ、自分でも自分の幼さに嫌になる。

    ミーナの為に自分の気持ちを押し殺してまで応援したアニの気持ちに気付いてやれなかった。

    もっとも、ミーナの言葉はカマをかけたようなものだったのだが。

    傷ついたのはこちらだけだと思っていたが、同じだけ傷ついていた。

    いや、女子の噂の力は恐ろしく、仲間意識は良くも悪くも強靭だ。

    なかなかこの状況で言葉を発することはできなかったが、彼女たちと自分に対する怒りがピークに達したらしく、後のことも考えずに口から溢れた。

    エレン「・・・俺いるんだけど」
  142. 142 : : 2015/04/07(火) 23:49:31
    それを聞いた彼女たちは笑いながら

    「知ってるよー」

    などと言ってくる。

    あ、またムカムカしてきた。

    エレン「つか言ったろ?時間だから早く帰れよ」

    努めて冷静に、いつも通りの俺を意識して声をかける。

    それでも声色が変わっていたのか、僅かな沈黙が流れたが別段彼女たちの態度は変わらない。

    「えーいいじゃん」

    「そうそう、さっきこっちで話してたんだけどさ」

    「エレン君ってアニのこと嫌いなの?」

    向き合って話してはいるが、彼女たちの顔なんて頭には入ってこない。

    目の前には目が6個に鼻が3つ、口も3つ。

    あくまで器官がある、という情報しか認識できない。

    それほど目の前の人間たちが誰だろうとどうでもよかった。

    エレン「・・・」

    「私が彼女になれば好きなことさせてあげるし、アニも諦めるんじゃない?」

    「あ!それ名案!」

    「どう?」

    自分の顔に自信があるのか知らないが、生憎こちらには眼球と鼻と口と髪と輪郭があるだけにしか見えないので分からない。

    分かりたくもない。

    エレン「他人を貶めるような奴と付き合うのは無理」

    「え・・・?」

    エレン「陰で妬みとか言うような奴嫌いってこと」

    「は、はあ!?」

    どうやら向こうもこっちに対して怒っているようだ。

    エレン「・・・フフッ」

    「何笑ってんの?」

    「ふざけないで!」

    エレン「いや、ゴメン 自分に酔ってるヤツの鼻を折るのがあまりに気分が良くて」

    「エ、エレンだってアニを庇ってる自分に酔ってるんでしょ?キモ」

    「アニに良いところ見せたいのか知らないけど、絶対女子全員に嫌わせてやる」

    エレン「勝手にすれば?」


    「ふん、どうせアンタも顔と身体だけが取り柄のアニに

    エレン「ガタガタうるせえなアバズレ共が」

    エレン「それ以上あいつの事悪く言うならその醜いツラもっと汚くすんぞ」

    「・・ッ!」

    「ホ、ホントキモいんだけど」

    エレン「別に俺をどう思って貰っても構わねえよ」

    エレン「顔だけ見て言い寄ってくるお前らみたいなやつには吐き気すらしてくるし」

    エレン「むしろ離れてくれるなら万々歳だから」

    「この・・・ッ」

    「見てろ・・!」

    エレン「見れるツラになったら見てやらんこともねえ」

    顔を真っ赤にしてクラスから逃げるように飛び出した彼女を笑顔で見送った瞬間、とても爽快だった。

    しかし

    エレン「・・・どんな噂流されんのかな俺」ハハ・・・

    やはり人間なのでソコは気にしてしまう。
  143. 143 : : 2015/04/11(土) 21:42:10
    しかし同じクラスのやつでアニを悪く言う奴がいるとは思わなかった。

    全員からよく思われる人間はいない、というのは当然のことなのだがそれでも実際目の当たりにすると引かざるを得ない。

    というのも、完全に妬みに近かった。

    まあ自分も悪く言われたことは何回かある。

    「女たらし」だの、「偉そうなやつ」だのその他諸々。

    相手にしなければいいだけだが、気にしないかと言われればそうはいかない。

    エレン「やれやれ・・・」

    そもそもさっきの事がアニのためになったのかも分からない。

    さっきの罵倒で危害がアニの方へ向かう可能性も十分にある。

    エレン「(ま、そん時は俺が何とかしなきゃいけねえよな・・・)」

    無理やり自分の中で理由を作り、報告書を書き始める。

    ガラガラッ

    エレン「お、遅かったな」

    アニ「・・・」

    無言のまま近づいてくる。

    顔の半分は髪がかかっていてよく見えないが、感情が感じられないような顔だ。

    エレン「・・・悪かったな 今まで」

    アニ「・・・ッ 何なの・・」

    奥に潜む激情を隠す事ができないほど声が震えている。

    エレン「勝手にキレて、それでもなかなか落ち着かなくて・・・」

    エレン「やっぱりリーダーの器じゃないってつくづく思うよ」

    エレン「アニみたいに上手くやっていけねえや」

    アニ「・・私がエレンに酷い事をしたから

    エレン「その奥にあるモンに気付いてやれなかった」

    アニ「・・ッ」

    エレン「・・・悪い、ミーナに聞いたんだよ」

    アニ「何・・を」

    エレン「サイテーだよな、自分だけ酷い目にあってると思い込んで、周りも見えなくなって」

    エレン「それがお前を傷つけていい事にはならねえのによ・・・」

    アニ「違う・・・私は・・・」

    エレン「誤解されたくないってのは
    "ミーナに"誤解されたくなかったんだな」

    アニ「そ、それは・・・」
  144. 144 : : 2015/04/11(土) 22:32:47
    エレン「だから、謝らせてくれ」

    エレン「本当に、ゴメン」

    アニ「ッ・・・ズルイよ」

    エレン「・・・」

    アニ「人の気も、知らないで・・・」

    エレン「ゴメン」

    半分崩れ落ちるように椅子に座り、握った拳を机に置く。

    アニならグーで殴りかねないな・・なんて呑気な事を考えながらも、それを受け入れる覚悟を決めていた。

    しかし、いつまでたってもそれがこちらへ飛んでくる事はなく、そうかと思えばアニの頭がだんだん机の方へ吸い込まれていく。

    そのままゴツンと机に額をぶつけて動かなくなった。

    アニ「・・ッた」

    エレン「・・・?」

    アニ「良かった・・・」

    エレン「!」

    頭を上げずにただ肩を震わせるアニを見てどれほど追い詰めていたのかを痛感する。

    エレン「・・・ッ」
  145. 145 : : 2015/04/14(火) 23:04:15
    エレン「ゴメン・・」

    アニ「違うの」

    頭をもたげてこちらを見る瞳は揺れていて、なおさら申し訳ない気持ちで一杯になる。

    アニ「もともと・・こっちが悪かったんだから」

    アニ「自分で呼んでおいて急に帰れなんて言われれば誰だって怒るよ・・・」

    エレン「それは

    アニ「拒絶されてでも謝るべきだったのにそれもできてない」

    アニ「謝るのはこっちだよ・・・本当にゴメンなさい」

    エレン「それは・・・」

    アニ「・・・ズルイよね、私」

    エレン「は?」

    アニ「結局エレンがこうして話してくれるまで何もできなかった」

    アニ「さっきだって庇ってもらってたし・・・」

    さっき、といえば恐らく女子達の陰口のことか。

    エレン「ああ、アレか・・その、気にすんなよ」

    アニ「慣れてる」

    エレン「・・・」

    やはり余計なことはすべきじゃなかったかな、と少し後悔したがそんなことはなかったようだ。

    アニ「・・・でも嬉しかった」

    エレン「え?」

    アニ「ありがと」

    エレン「・・・おう」

    こうも面と向かってお礼を言われると少し気恥ずかしい。

    思わず目線が迷子になるが、なんとか元に戻した。

    エレン「・・・」

    アニ「・・・」

    そして沈黙。

    夕方から夜へと変わっていく外の景色。

    赤色から藍色に似た空へと変わっていく中で何を相手は思っているのだろうか。

    ーなんて思っていたが、報告書は早く書き上げなければならない。

    エレン「・・・とりあえず報告書は書いちまおう」

    アニ「う、うん」

    エレン「で、今日は一緒に帰って、久々に走ろうぜ」

    アニ「・・・!」

    アニ「で、でも・・・」

    エレン「遠慮しなくてもいいさ 俺ミーナに引っ叩かれたし、その分」
  146. 146 : : 2015/04/14(火) 23:39:19
    アニ「う、うん」

    エレン「さてと」

    その言葉を合図にお互いに報告書を書き始めた。

    ーーー

    ーー



    1時間後

    エレン「終わったか?」

    アニ「あ、うん、もう少し」

    エレン「はいよ」

    ふう、と息をついてわずかにがたつく椅子をギーコギーコと揺らして待つ。

    アニの視線は紙に向いており、長い睫毛が目に入る。

    エレン「(これでスッピンとか恐ろしいな・・・)」

    端整な顔立ちに恐らく少し痩せ型の体、それでもつくところについた丸み。

    これほど圧倒的なプロポーションを持っていればそりゃ僻まれもするだろう。

    エレン「(綺麗ってのも罪なんだ・・)」

    そんなアホみたいなことを考えていると視線に気づいたのかアニがこちらを見た。

    アニ「な、何?」

    エレン「え、あーいや、あとどれくらいかなーなんて」

    少し慌ててしまったが、まあ言い訳にしては上出来だろう。

    咄嗟の機転を褒めていただきたい。

    ーーー

    ーー



    数分後には書き終わって、職員室へ2人で提出しに行った。

    先生は「久しぶりだな」なんて事を言って何言ってるんだこいつと思ったが、確かに2人で提出するのは久しぶりだ。

    ちゃんと気にかけてるんだなと少しだけ尊敬した。

    ーーー

    ーー



  147. 147 : : 2015/04/15(水) 00:21:05
    昼が長くなりつつあるこの季節。

    それでもさすがに暗くなりつつあり、長い事学校に居たんだなぁと実感する。

    エレン「(こうして自転車引いて歩くのも久しぶりだな)」

    月曜日からは校門を出たらスグにサドルにまたがってペダルを全力で回す日々だった。

    ゆっくり帰るという事と縁がなくなりつつあったのを思い出す。

    エレン「あ、そういやバスケの試合って明日?明後日?」

    アニ「え?あ、明後日だね」

    エレン「マジかよ 一般公開日にやんのか」

    エレン「ますます負けられねえな」

    アニ「覚えてたんだ」

    エレン「当たり前だろ?ジュースが懸かってるからな」

    そう言うと驚くアニの顔が。

    エレン「おいおい、忘れたとは言わせねえぞ」

    アニ「いや、忘れてないけど・・・」

    アニ「そ、それも覚えててくれたの?」

    エレン「約束だからな」

    アニ「そ、そう・・・」

    そうすると少しだけはにかんだ。

    もう自分に向けられる事はないと思っていたその表情に安堵して思わず

    エレン「ホント可愛いよな、アニ」

    アニ「え・・・?」

    本音が漏れてしまったが、別に本心だからと割り切ってそのまま続けた。

    エレン「いや、安心してさ もうそういう顔見れないと思ってたから」

    アニ「や、やめてよ」

    耳まで赤くなって顔を逸らされてしまうが、そんな反応がたまらない。

    エレン「(なーんで彼氏つくらねえんだろ)」

    今までだってこういう顔はしたことはあるだろう。

    ミーナに言われるまでアニに彼氏ができたと信じて疑わなかったくらいだ。

    男に言い寄られることは何度もあるようだがことごとく断っていると聞いた。

    エレン「(難攻不落、か)」

    手が届かぬと諦めかけている者たちもいるだろうから実際は言い寄られてる男の何倍も想いを寄せてる奴らがいるだろう。

    ふと聞いてみたくなった。

    エレン「なあ、聞いていい?」

    アニ「・・もう変なこと言わないなら」

    エレン「変なことって・・・可愛いって言っただけだろ?」

    アニ「そういうこと言わないならってこと!」

    エレン「何で?嫌なの?」

    アニ「い、嫌ってわけじゃないけど、なんかその、恥ずかしくなるから・・・」

    そういうのが可愛いって自分でわかってないのかこの娘は。

    もう少しその顔を赤く染めてみたいが、聞きたいことが聞けなくなってはしょうがないので諦める。

    エレン「ヘイヘイ」

    アニ「で、何?」

    エレン「・・前から聞きたかったんだけどアニって何で彼氏つくらないんだ?」

    アニ「えっ・・・ええっと」

    エレン「言いたくないなら別にいいけど」

    ワケありなのか。拒否されればそのまま流すつもりだ。

    詮索すべきでないことくらいは相手の反応でわかるハズだ。

    アニ「・・・絶対笑うから」

    エレン「笑わねえよ」

    アニ「いーや、絶対笑う」

    エレン「決めつけんなよ・・」ハハ

    アニ「・・・」

    エレン「ほら、笑わないから」

    アニ「・・・幼稚園の時」

    アニ「交流会っていう他の幼稚園の子と遊ぶ機会があったの」

    エレン「・・・へえ」

    アニ「そこで会った子に"もっと笑えば?"って言われて」

    エレン「うん」

    アニ「それからなんだ 友達が出来たのは」

    アニ「だからその子にお礼を言いたくて、あわよくば、その・・・と思ってたんだけど」

    エレン「なるほど・・・それが初恋で忘れられないってワケね」

    エレン「乙女だなー」

    アニ「やっぱりバカにしたでしょ!」

    エレン「してねえって」

    エレン「・・・なあ、その子ってさ」

    アニ「ん?」

    エレン「例えば帰る時に、"じゃあね"
    じゃなくて"またね"って言う派?」

    アニ「え・・・?」

    アニ「い、今は分からないけど・・・幼稚園では私が無理やり"またね"って言わせて・・・」

    アニ「なんで別れの挨拶を・・・?」

    エレン「・・・何でもない」

    アニ「もしかして知ってるの!?」

    エレン「"またね"を意識してた奴が居たなーなんて思っただけー」

    アニ「そう・・・同じ歳だったからもう高校生なんだよね」

    アニ「向こうは忘れちゃってるだろうけど・・・」

    エレン「・・案外そいつも覚えてたりしてな」

    アニ「まさか・・・」ハハ
  148. 148 : : 2015/04/18(土) 21:16:31
    ーーー

    ーー



    エレン「じゃ、また後でな」

    アニ「うん」

    エレン「・・・今度はドタキャンは勘弁な」

    アニ「ご、ゴメン・・・」

    エレン「冗談だって じゃ、またな」

    アニ「うん、またね」

    またね、と言ったのも久しぶりだ。

    今までやってきた当たり前のことが新鮮に感じる。

    エレン「・・・」

    アニ「・・・」

    別れの挨拶をしたにも関わらず、なかなか自分の家の方向に足が向かない。

    それを咎めないアニ。

    何を話すわけでもなく、ただそこに向かい合って立つ二人。

    どのくらいそうしていたのだろうか、実際はそう長くいたわけではないのかもしれないが、自分には5分にも10分にも感じた。

    エレン「・・・ハハ 悪い」

    帰るのを躊躇っていた自分が恥ずかしくなり、笑いがこぼれた。

    向こうも我に返ったように「ううん」とだけ言って困ったように笑う。

    エレン「じゃ・・・」

    そうしてようやく帰路に着いた。
  149. 149 : : 2015/04/18(土) 22:02:01
    それから数時間後。

    再びアニの家に向かうが、無意識のうちに周りを気にしながら走っている自分に気づく。

    別に関係を疑われることが嫌なのではなく、嗅ぎ回られるコトが嫌なのだ。

    いつから自分を見る周りの目をこんなにも気にするようになったのかと呆れる。

    エレン「(・・・早く行かなきゃな)」

    ーーー

    ーー



    ピンポーン

    インターホンを鳴らすとパタパタと軽やかな足音が中から聞こえる。

    この出てくるまでの間も懐かしい。

    しかし今までのデータから考えるには早すぎるタイミングでドアが開いた。

    アニ母「はーい・・・」

    エレン「あ、あの、どうも」

    前にもこんなコトがあったっけ。

    その時はアニのお父さんだったけど今回はアニのお母さんだ。

    アニ母「・・・久しぶりだね」

    エレン「す、すみません・・その、ちょっと喧嘩してしまいまして・・・」

    アニ母「そうらしいね アニの沈んでる姿は見てられないほどだったから」

    じわりじわりと責められてる気がする。

    原因の一端は自分にあるし、何より本人の親の前で言い訳や文句など言えるはずもない。

    エレン「本当にその、すみ

    アニ母「アニの身勝手さに振り回されてしまったみたいだね」

    エレン「え?」

    アニ母「あの子は昔から甘えるのが下手でね・・・」

    アニ母「学校で委員長やるようになってからは自分の思いを押し殺すようになって」

    ハア、とため息まじりに話すお母さんの姿からは怒気は少しも感じない。

    先入観で怒っているように見えただけか、と勝手に怯えて勝手に納得した。

    エレン「・・今回も身勝手じゃないんですよ」

    アニ母「ん?」

    エレン「アニは友達の為に俺を怒らせるようなコトをして・・・」

    アニ母「ふむ・・・」

    アニ母「でもこうしてまた来てくれた」

    アニ母「それはどうして?」

    エレン「それは・・・俺が

    そこで準備を終えたらしいアニが奥の階段から走ってやってくる。

    アニ「お母さんまで勝手に!」

    アニ母「いいトコなのに」

    エレン「遅かったな」

    アニ「あ、うん、ゴメンね」

    アニ母「行ってらっしゃい」

    ちょうどいいと言わんばかりの笑顔を浮かべるアニのお母さん。

    まだ言いたいコトは、と中途半端なままで腑に落ちてないような表情のアニを宥めつつ連れて外へ出た。

    ーーー

    ーー

  150. 150 : : 2015/04/18(土) 23:11:18
    アニ「お母さんまで・・・」

    エレン「ホントご両親いい人だな」

    アニ「娘をからかう親のどこが・・」

    口ではそう言いつつその頰は緩んでいる。

    親を褒められて嫌な気分になる者は少ないだろう。

    エレン「・・・お母さんから聞いたよ」

    アニ「え、な、何を!?」

    エレン「いや、変なコトじゃねえよ」

    アニ「な、ならいいけど」

    やはり慌てるところを見ると何か秘密があるのか。

    エレン「・・・変なコトってなに?」

    アニ「知らない」フイッ

    エレン「教えろよ」クスッ

    アニ「絶対エレンにだけは嫌!」

    エレン「なんで俺だけダメなの?ヒドくね?」

    アニ「ダメなものはダメ!」

    エレン「んじゃ明後日俺が勝ったら教えるってことで」

    アニ「はぁ!?ダメに決まってるでしょ!」

    エレン「なんでよ」

    アニ「そ、そもそもそれじゃ私に不利になっただけで賭けにならない!」

    エレン「じゃ、俺が負けたら何でもするから」

    エレン「まさか勝つ自信がねえからじゃねえよな?」ニヤッ

    アニ「ッ・・・!」

    アニのお母さんが言ったように振り回されたのは事実。

    このくらいの意地悪なら文句は言われまい。

    アニ「い、いいよ」

    エレン「どんな秘密があるのかねぇ」

    アニ「その代わり!」

    アニ「私が勝ったら・・・」

    エレン「おう、なんだ?」

    アニ「勝ったら・・・」

    アニ「その、今日帰りに言った知り合いに会わせて」

    エレン「え・・・?あ、ああ」

    アニ「絶対!」

    エレン「わ、分かったよ」

    コレは思わぬ墓穴を掘ってしまったかもしれない。
  151. 151 : : 2015/04/20(月) 18:28:59
    ーーー

    ーー



    エレン「そういや明日も俺たちって仕事あるんだろ?」

    アニ「うん、展示物の採点だね」

    確か自分のクラス以外の全ての1年のクラスの展示物を評価して点数をつける。

    学校の中のあちこちに散らばって配置されているので全て回るのはなかなか骨が折れるだろう。

    しかし

    アニ「今年はみんなと回れないんだよね・・・明後日はバスケの校内試合だし」

    エレン「だよなぁ・・・」

    2人揃ってため息をつきそうになる。

    今更嫌だとは言わないが、やっぱり他より損してるのは否定できない。

    エレン「つっても流石にまるまる1日潰れる訳じゃねえだろ」

    アニ「そりゃまあそうだろうけど・・」

    エレン「ならその・・・俺と回れば?」

    アニ「・・・え?」

    エレン「イヤ、だから俺も採点しなきゃいけない訳だし」

    エレン「そのついでに回れば良くね?みたいな・・・」

    アニ「そ、そんなことしたらもう噂じゃ済まなくなるんじゃ・・・」

    エレン「別にいいじゃん」

    エレン「・・・イヤなら一人寂しく回るからいいけど」

    アニ「べ、別にイヤじゃない、というかその、エレンが良いなら・・・」

    エレン「はい決定!」

    エレン「ま、もともと採点で一緒に学校中歩き回るんだし、損はしねえよ」へへ
  152. 152 : : 2015/04/20(月) 22:07:13
    アニ「・・・そうだね」フフッ

    エレン「今度はキャンセル無しな」

    アニ「う・・・」

    エレン「冗談」ハハ

    ーーー

    ーー



    アニ宅


    エレン「じゃ、また明日」

    アニ「待って」

    エレン「ん?」

    アニ「・・・今日はありがとう」

    エレン「今までやってたことまたやっただけだろ?」

    アニ「それもそうだけど、その・・
    放課後の事」

    エレン「あ、ああ アレね・・・」

    アニ「私の為に言ってくれたことは分かってる」

    エレン「え?」

    アニ「でも、ああ言ってくれて本当に嬉しかった」

    エレン「お、おう」

    アニ「嬉しくて、それで、その・・・」

    ここでどもってしまい会話が止まる。

    こういう時は自分から続きをいうのを待つべきなのだろうか、促すべきなのだろうか。

    早く続きが聞きたいとはやる気持ちを抑えて次の言葉を待った。

    そして

    アニ「あの・・・あ、明日よろしく!」

    そうとだけ言ってドアへ飛び込んでしまう。

    それを呆然と眺めることしかできず、返事もできなかった。

    エレン「・・・おう」

    そうただのドアに言ったのは少し落ち着いてから。
  153. 153 : : 2015/04/25(土) 23:47:48
    ーー次の日

    高校生にもなって「明日が楽しみ過ぎて寝られなかった」という案件は発生しないが、楽しみではある。

    現にいつもより若干早い時間に目が覚めてしまった。

    もともといつもより早く学校に行かなければならないのでちょうどいいとベッドから起き上がる。

    ーーー

    ーー



    エレン「じゃ、行ってきます」

    カルラ「行ってらっしゃい」

    家を出てからは割とゆっくりなペースで自転車を漕ぎ進める。

    蒸し暑く感じ始めるこの季節でも朝はやはり気持ちがいい。

    風を感じながらいつもの道を走り抜け、校門に到着した時には7時になっていた。

    ーーー

    ーー



    ガラガラッ

    少し建て付けが悪くなっていっているクラスの扉を開けるとそこにはもう先客がいた。



    エレン「アニおは・・・」

    挨拶を言いかけてストップしたのはアニが机でコクコクと頭を何度も上げたり下げたりして眠気と戦っていたから。

    戦っているといっても、もうほとんど寝ているような状態だ。

    エレン「(ホントに朝弱いな・・・)」

    しばらく見ていたかったが、準備には更衣室など男子が入れない場所も色々準備しなくてはならないので起こさなければマズイ。



    エレン「ほらアニ起きろー ここで寝るなー」

    アニ「ん・・?ん〜・・・」

    一度は反応したものの、起きるのには及ばない。

  154. 154 : : 2015/04/26(日) 14:39:26
    エレン「参ったな・・・」

    ふう、と息を吐いて遠慮しつつ肩を揺らした。

    エレン「おいコラ起きろー 朝だぞー」

    アニ「・・・ん」

    アニ「・・・ッ!」ガバッ

    エレン「よし、起きた」

    アニ「・・・エレンか」

    いつもよりやや低い声と釣りあがっている(ように見える)目に少々驚く。

    エレン「な、なんだよ 俺何かした?」

    アニ「・・・」カクンッ

    エレン「おい!起きたのに寝るなっつの!」

    アニ「んー・・・うるさいなぁ 今日は土曜日だよお母さん」

    エレン「今日は金曜日だ 土曜日だとしても今週は文化祭だぞ!」

    アニ「んー?」パチパチ

    アニ「・・・」ボーッ

    エレン「・・・今度こそ起きた?」

    アニ「・・・おはよ」

    エレン「お、おはよう」

    朝のアニの寝ぼけ方は相当だ。

    現に挨拶をしたかと思えば・・・

    アニ「・・・」プチッ プチッ

    エレン「だぁぁぁぁあああ!!?」

    エレン「なんで制服脱ごうとしてるんだよ!!」

    アニ「何言ってるの?着替えなきゃ」

    エレン「着替えなきゃ、てもう着替えてあんのに何に着替えるつもりだ!」

    アニ「あ、そっか・・・」

    エレン「・・・」ゼーゼー

    アニ「・・・」

    エレン「・・?」

    アニ「・・・ッ!!」

    すると突然地面がひっくり返り、背中に物凄い衝撃が来た。

    エレン「」
  155. 155 : : 2015/04/26(日) 20:29:14
    ーーー

    ーー



    アニ「ゴメン・・・」

    エレン「いや、まさかあんな寝ぼけるとは・・・」

    顔を顰めつつ眼を開けると心配そうな顔でこちらを覗き込むアニの顔。

    痛む背中をトントンと叩きながら起き上がると支えるようにアニも動く。

    大丈夫だと言ってようやく本来の目的を思い出した。

    エレン「そうそう、更衣室の片付けと清掃、行かなきゃいけねえんだろ?」

    アニ「え、と、あと15分後に集合だけどね」

    集合の直前に起きていたらどうするつもりだったのか。

    寝ぼけたまま集合なんてしようものなら大騒ぎだっただろう。

    なんて危険な爆弾だとため息をつく。

    アニ「あの、エレンの仕事は?」

    エレン「ん、ああ 採点とクラス会予定用紙を取りにな」

    アニ「こんなに早くに?」

    エレン「ああ、ま、他にも色々あるんだけどな」

    アニ「生徒会はもう居るの?」

    エレン「7時にはいるっつってたから居るだろ」

    もう7時半頃。校舎内に小さいが話し声が響き始めている。

    エレン「じゃあ行ってくる」

    アニ「分かった」

    ーーー

    ーー

  156. 156 : : 2015/04/26(日) 20:42:29
    10分後

    エレン「(まさかあんなに並んでるとは・・・)」

    生徒会室前に並んでいた大行列。

    なるべく他のクラスと場所が被らないように慎重に選んできた。

    約半分のクラスが申請をしていて大変ではあったが、どうにかなるもんだ。

    エレン「(じゃ、戻るか)」

    もう来た時の静けさはなく、あちこちでガヤガヤと騒ぎたてる声が聞こえてくる。

    イベントは嫌いじゃない。始まる直前のこの空気もなかなか心地よい。

    ーーー

    ーー



    ガラガラッ

    エレン「おはよう」

    挨拶をすると何人かの女子が俺の姿を見ると目つきを変える。

    そういや昨日揉めた女子がいたがそいつらか。

    クラス全体は別に変わっておらず、他の奴らはテンション高めで挨拶をしてくれた。

    気にするようなことじゃないのでもうガン無視。

    ーーー

    ーー



    展示場所に運んで仕上げの作業をして、準備は完了だ。

    エレン「おし、お疲れ オープニングのあとは自由だから好きに回れよー」

    歓声が上がり、テンションも上がる。

    そして全員でそのままホールへと向かった。
  157. 157 : : 2015/04/26(日) 21:05:13
    ーホール

    オープニングを上映し、カウントダウン、有志バンドによるパフォーマンスなど常に笑い、常にバカ騒ぎをしていた。

    クラス展の紹介ではなかなか衝撃的な紹介で良くも悪くも会場を沸かせていた。

    みんなが楽しそうに笑っているのはやはりこちらも楽しくなる。

    運営に直接関わったわけではないが、演出などのアイディアを出した甲斐があった。

    エレン「(でもこの後すぐ採点なんだよなぁ・・・)」

    ーーー

    ーー



    そして一年は教室棟の最上階の5階の各クラスに戻り、今日明日のスケジュールを聞く。

    キース「このあとは自由行動だが、クラス展は準備の関係で30分後から開始だ」

    キース「それまでは五階にいても構わんが、クラス展が始まってからは昼飯まで五階には入れなくなる」

    キース「明日はなかなか忙しい者もいるだろう、今日のうちに楽しんでおけ!」

    キース「全体への連絡は以上だ」

    キース「この後クラス委員は生徒会室、文化委員は物理科室にいけ」

    連絡が終わってもクラスを出る者はいない。

    まあメインのクラス展が始まっていないのだから当然だろう。

    アニに目線をやって生徒会室への移動を促すと、友達と二言三言交わして席を立った。

    ーーー

    ーー

  158. 158 : : 2015/04/26(日) 21:20:59
    生徒会室

    改めて採点の説明をしたのち、クラス会における注意事項などわかりきったことをタラタラ言われ、数十分。

    ようやく終わったかと思えば今度は先生の長ったらしい話。

    それも終われば謎の怒涛の質問タイム。

    訳がわからん。

    なんとか拷問に耐えきると、すでにクラス展が始まったらしく、この階にも賑やかな声がドアの外から聞こえてきた。

    すぐに出ては入り口で詰まると考え、少し自分の席で人が減るのを待っていた。

    すると誰かがアニが座っているのと反対側の俺の隣に近づいてきた。

    ミカサ「仲直りできたようで何より」

    エレン「ああ、色々悪かったな」

    恐らく2人並んで生徒会室に入ったところで分かったのだろう。

    ミカサ「本当に適当に彼女作ってたらきっとエレンをタコ殴りにしてた」

    エレン「提案したのお前だったろ・・」

    ミカサ「ああでも言わなきゃエレンはずっと勘違いしていた」

    ミカサ「感謝して欲しいくらい」

    エレン「・・そうだな ありがとよ」
  159. 159 : : 2015/04/26(日) 22:00:18
    ちらっとアニを見やると先輩と話をしている。

    リコさんとニファさん、だったか。

    ミカサ「で、どうなったの?」

    エレン「どうなった・・て言われても」

    ミカサ「ふむ、まあ焦らずじっくり」

    エレン「なんでお前に指南されなきゃならねえんだよ・・・」

    もう全てを見透かされてるようで恥ずかしくなってきた。

    一刻も早くここから逃げたくなった。

    アニ「ごめんね待たせて・・あ、ミカサ!」

    ミカサ「仲直りできてよかった」

    アニ「うん、心配かけてゴメンね」

    ミカサ「いやいや あんな状態のアニは見たくなかったから」

    ジロリとこちらを見るミカサが大きく見える。

    エレン「・・悪かったって」

    アニ「ミカサ、アレは私が・・・」

    ミカサ「でも"エレン・・"ってボヤいてたのは可愛かった」

    エレン「え?」

    アニ「ちがっ・・・!そ、それは!」

    ミカサ「おっといけない 口が勝手に」

    アニ「ミ、ミカサ!!」

    ミカサ「そろそろオヤツの時間だ またね2人とも」

    これまたとんでもない爆弾を落としていったものだ。
  160. 160 : : 2015/04/26(日) 22:13:04
    ーーー

    ーー



    エレン「・・・」

    アニ「・・・」

    エレン「・・・その、だな 別にそんな恥ずかしがらなくても」

    あの後耳まで赤くしたアニを連れて生徒会室を出たが、それからは自分の二歩下がってうつむきながらアニは歩いていた。

    アニ「・・本人に言われても」

    エレン「あ、あはは・・・」

    アニ「もう、ミカサ・・・」

    うう・・と呻きながら両手で顔を覆って歩く姿は完全に泣かされた女の子だ。

    つまり、男子からはよろしくない目で見られるワケでして。

    エレン「その、気にかけてくれてたんだよな?」

    エレン「ありがとな だからホラ、さっきのは聞かなかったことにして」

    アニ「もう嫌逃げ出したい」

    エレン「落ち着いて、な?それに言われて嬉しかったし・・・」

    アニ「え・・?」

    エレン「え・・・て、だから俺の名前ボヤいてたのは・・その・・・」

    エレン「だー!何でもねえ!」

    エレン「とにかく早く採点終わらせるぞ!!」
  161. 161 : : 2015/04/30(木) 20:53:27
    ーーー

    ーー



    エレン「・・・ジャン、お前クラス委員じゃねえよな?」

    ジャン「ああ」

    エレン「・・・なんでミカサと採点して回ってんだ?」

    ジャン「バカか 俺が採点したらダメに決まってんだろ」

    ジャン「勝手について行ってるだけだ」

    エレン「あ、そ」

    ジャン「お前、どうにかなったんだな」

    エレン「・・・うっせ」

    ジャン「いやー嫉妬なんてしちゃってエレンきゅん可愛

    ドガッ!!!

    ーーー

    ーー



    アニ「どこの展示物も気合入ってるね〜」

    エレン「俺たちのだって負けてないさ」

    エレン「なんてったって焼肉が懸かってるからな」

    アニ「そんなに行きたいの?」クス

    エレン「いーだろ別に 男子高校生は特にタンパク質の摂取が欠かせないんだよ」

    アニ「ふふ」

    エレン「なんだよ?」

    アニ「エレンなんか可愛い」

    エレン「男子は女子にカッコイイって言われたいんですけどぉ!」

    アニ「そういう子どもっぽいトコとか特に」

    エレン「やめろっての」ハハ
  162. 162 : : 2015/04/30(木) 21:09:06
    ージャン達

    ジャン「ってーなあの野郎・・・」

    ミカサ「?ジャン、何をしているの?」

    ジャン「・・・別に、ちょっと地面で寝てたい気分だったんだよ」

    ミカサ「地面は汚い 2-11HRが休憩所になっているからそこで寝たら?」

    ジャン「いや、もう眠気覚めたからいいや」

    ミカサ「そう、なら良かった」

    やれやれ、仲睦まじく歩いてたなエレンの奴。

    ちょっとからかったらぶん殴るとか道徳的な教育がなってねーぞ先生。

    そんなことを思っていると、ミカサがハイ、と手を差し出した。

    ジャン「へ?」

    ミカサ「早く採点を終わらせよう」

    ジャン「あ、ああ、そうだな」

    ミカサ「早く」

    ジャン「・・・何この手?」

    ミカサ「?手を繋げばまた地面で寝ることは無くなるでしょ?」

    さっきからチラチラとミカサを見ている男子達が羨ましそうにこちらを伺っているところを見ると聞き間違いでは無いらしい。

    ジャン「お、おう!」

    ミカサ「フフ」

    もうさっきからトキメキが止まりませんミカサさん。

    一生ついて行きます。
  163. 163 : : 2015/04/30(木) 21:25:51
    ー戻ってエレンら

    採点開始から2時間後。

    そろそろ昼食タイムだ。

    エレン「腹減ってきたな・・・」

    アニ「そうだね」

    エレン「今日弁当持ってきたか?」

    アニ「ううん 適当に購買でご飯を買おうと思ってたから無いよ」

    エレン「じゃ、購買行くか」

    ーーー

    ーー



    またまた10分後

    エレン「混んでたな・・・」ハア

    アニ「しょうがないよ 時間が時間だったし」

    あそこまで混んでいる購買は初めてだ。

    しかもどさくさに紛れてアニに触れようとする輩もいるときた。

    おかげでこっちは身体を使って防御してたのだ。

    ふざけやがって。立派な痴漢だぞだのグチグチ文句を野獣という名の男どもに垂れてるのも知らずに、目の前のアニはパンを頬張っている。

    エレン「(俺が2人分買ってくりゃ良かったんだよなチクショー・・・)」

    ーーー

    ーー



    腹ごしらえも済ませ、展示物の採点も残りは4分の1程になった。

    エレン「もう少しだな」

    アニ「やっぱ学校の隅々まで歩き回らないといけないから時間がかかるね」

    エレン「この分だと一時間くらいしか回れねーぞ・・・」

    アニ「何処か行きたいところがあったの?」

    エレン「いや、具体的には無いんだけどな・・」

    アニと回れればどこでもいいのだが、その回る時間が無いのは万死に値する。

    なんでもこっちに押し付けやがって生徒会め。

    アニ「そっか でもやっぱり高校の文化祭ならちゃんと思い出作りしたいよね」

    エレン「そうそう・・・」ハア
  164. 164 : : 2015/05/03(日) 00:53:56
    ーーー

    ーー



    それからも歩き回り、最後の展示物の採点が終わったのは午後3時を少し回った頃だった。

    エレン「やれやれ・・・結局時間全然ねえな」

    アニ「まあまあ・・・」

    俺を宥めるアニの顔にも少し落胆の色が見え、2人してテンションが下がった。

    アニ「で、でも一つくらいなら・・ほら終わり近いし空いてるんじゃない?」

    エレン「だといいな・・・」

    しかしこの時間じゃもう一般公開に向けた準備や、片付けが始まっているかもしれない。

    先輩に迷惑をかけるわけにはいかないので、まだやっていそうなところを探す。

    しかし先輩の知り合いはまだ特別多いわけではない、せいぜいバスケ部の先輩くらいか。

    エレン「ん・・・?」

    アニ「?どうしたの?」

    いた。いっても迷惑にならないというか、対応してくれそうな人が。

    ーーー

    ーー

  165. 165 : : 2015/05/03(日) 01:05:28
    ガラガラッ

    エレン「こんにちはー」

    エルド「ん?エレンか!」

    グンタ「お?」

    エレンという単語を聞いてそこにいる女の先輩方が一斉にこちらを向いた。

    見れば何人かは廊下で話しかけてきてたようないなかったような・・・。

    エレン「どうもですグンタ先輩、エルド先輩」

    エルド「あー!おま、おまっ!」

    エレン「はい?」

    するとズカズカと前にやってきたかと思うと俺とアニを交互に忙しなく見る。

    エルド「え、あれ?おいおいおいエレン君」

    エルド「ひょっとして何?アニちゃんと一緒に回ってるわけ?」

    エレン「ええ、まあ つっても展示物の採点でここが最初で最後になりますけど」

    横を見るとぺこりとお辞儀をするアニ。

    それをエルドは呆然と見て、そうかと思えば発狂した。

    エルド「やだ、アニちゃんほんと可愛いんだけどぉ!!」

    エルド「もー羨ましい限りだエレンこの野郎!」

    グンタ「おっさんかお前は」

    エルド「なんだと!?お前は可愛いとは思わないのか!!?」

    エルド「お前髪型だけじゃなく脳みそまで栗になったんじゃないか?」

    ビキッ

    グンタ「・・・ちょっと廊下で話さないか?」

    エルド「ん?ああ、いいけど」

    エルド「じゃ、アニちゃんゆっくりしてってね〜」

    エルド「エレンはくたばれ」ボソッ

    エレン「え?」

    グンタ「早く来い」グイッ

    エルド「オイオイ俺は別に男に袖を引っ張られたくは


    ガラガラッ

    バシチィィィンッッ!!

    ギヤァァァアア!!

    アニ「・・・」

    エレン「・・・」

    エレン「・・ア、アハハ」

  166. 166 : : 2015/05/03(日) 16:05:21
    エルド先輩のクラスはプチ縁日をやっており、文化祭のものとしてはナカナカのクオリティの屋台が幾つか並んでいた。

    先輩方は皆浴衣を纏っており、それもまた祭りを表現する工夫の一つとなっている。

    しかしゆっくりしていってと言われたが(アニだけだが)、片付けを始めているのを止めるのは憚られて、会話に興じていた。

    アニは男子にちやほやされて戸惑いつつも話をして、こっちはこっちで同級生よりグイグイくる女子の先輩の相手をする。

    それでも先輩は先輩らしく、節度というか、常識の範囲内で騒いでいた。

    こういう面でやはり自分たちよりも人生経験があるんだなあ、などと失礼な感想を抱く。

    ーーー

    ーー



    まだ少しだけ戸惑うことがある学校生活のことはさておき、アニの事や他の男子の事、はたまたミカサやクリスタなど女子の事など会話の内容は恋関係の事ばかりだ。

    先輩を差し置いて一年の女子がチヤホヤされていることから、アニやミカサ達が悪く言われているのかと思って覚悟していたが、実際はそんな事はなかった。

    何人かは男子に混じり、「ほんとに綺麗な娘だねぇ」

    などと男子顔負けの親父っぷりを発揮している。

    エレン「(・・・顔真っ赤じゃねーかアニの奴)」

    褒めちぎられて照れまくっているアニが可愛くてついそちらを見ていると、先輩方に冷やかしを喰らった。

  167. 167 : : 2015/05/03(日) 16:16:20
    しまいにゃそのクラスの先輩全員が話に参加してしまい、片付けが全く進まなくなってしまった。

    邪魔にならないようにするつもりが、邪魔そのものになってしまっている。

    これ以上は止めようと話を切り上げると、向こうもそのつもりらしく男子が残念な声をあげていた。

    エレン「すみませんでした、お邪魔して」

    アニ「すみませんでした」

    いいよー、文化祭の後も遊びに来て、など気の良い返事を受け取りながら、惜しく思いつつ教室を後にした。

    ーーー

    ーー



    時計を見れば4時50分頃。採点用紙の提出は5時のハズ。

    ギリギリだったと息をついて生徒会室へ向かう。

    エレン「ホントに一箇所だけだったな」

    それも展示を見たわけではなく、ただ話をしただけ。

    アニ「でも楽しんでたでしょ」

    エレン「まあな」

    これで文化祭を楽しめたと言えるのかは甚だ疑問だが、まあ良しとしよう。

    エレン「じゃ、クラスに戻るか」

    アニ「うん」

    いつの間にか隣に並ぶアニとの距離が近づいていた気がして、離れるべきか否かで悩んだのはエレンだけの秘密だ。
  168. 168 : : 2015/05/03(日) 16:41:50
    自分たちの教室に入ると既に帰りのホームルームが始まっていた。

    キース「む、採点は終わったか?」

    エレン「はい、今終わって提出してきました」

    キース「よし、二人とも席につけ ご苦労だったな」

    まさかこの先生から労いの言葉をかけて貰えるとは思わず、一瞬固まったのは俺だけではなかった。

    エレン「は、はい」

    アニ「ど、どうも・・」

    席について、淡々とホームルームを再開する先生だったが、こちらは驚きで話はあまり耳に入らなかった。

    ーーー

    ーー



    時間は少し進んで、本日の活動報告書の作成に移る。

    クラスは俺たち以外は誰もおらず、前のような険悪な雰囲気は欠片もない。

    エレン「驚いたよなーまさかキース先生が俺たちを労うなんて」

    アニ「そうだよねー」

    エレン「お前なんか"どーも"って言ってたもんな」クスクス

    アニ「しょうがないでしょ!咄嗟に言葉出てこなかったんだから!」

    エレン「にしてもよ・・プッ」

    アニ「フンッ!!」

    ゲシッ!

    エレン「痛ッッ!おい、脛蹴るなよ!」

    アニ「今のはエレンが悪い」

    エレン「女の子がすぐに暴力行為に走るのは如何なものかと思いますが!」

    アニ「か弱い乙女が一矢報いる方法の一つだと思っています」

    エレン「風切り音がするような蹴りを放つ女子を乙女とは言わ

    ゲシッ!!!

    エレン「痛えッッ!!スンマセン!マジでスンマセン!!」

    ーーー

    ーー



    一悶着あったが、脛を摩りながら気合いで仕上げた報告書を無事提出し、あとは帰るだけだ。

    エレン「痛えなクソ・・・」

    アニ「失敗を笑うなんてサイテー」

    エレン「悪かったって・・・」

    そんな言葉を交わす2人は内容とは裏腹に笑みを浮かべている。

    しかしその笑みはだんだんと寂しげな雰囲気を纏っていく。

    アニ「・・・もう、明日で終わっちゃうんだね」

    エレン「そうだなぁ 一ヶ月くらい準備しても2日で終わるんだもんな」

    エレン「騒ぎやおふざけも明日まで、か」

    エレン「イベント終わりの虚無感ってヤツだな」

    アニ「それもそうだけど・・・」

    エレン「ん?」

    アニ「・・・」

    エレン「?」

    アニ「もう・・エレンと帰る理由がなくなっちゃうな、と思って」

    エレン「え?」

    アニ「そうでしょ?報告書ももう無いし、明日が終われば部活も再開する」

    アニ「2週間くらいでも毎日続いてた事だったから・・・」

    あ、でも3日くらい無かったか、などと自虐的な笑みを浮かべて、それから俯いてしまった。

    エレン「・・・なに言ってんだよ」

    エレン「お互いバスケ部なんだ 予定が合う時に一緒に帰れるさ」

    エレン「それに一緒に帰る理由だって作れるさ」

    アニ「え・・・?」

    エレン「だって俺、アニの事好きだもん」
  169. 169 : : 2015/05/04(月) 16:45:34
    気づいたらするっとそんな言葉が出てきた。

    だけど本当の事だ。それにいつか言おうと思っていた事を今言っただけ。

    ああ、言えた。

    そう思っただけで別に焦りはしなかった。

    アニ「え・・・え?」

    エレン「だからその、付き合って欲しい、ってことで・・・」

    アニ「そ、その・・・ちょっと待って」

    エレン「あ、えっと別に今すぐ返事しなくてもいいからな?」

    エレン「でも良くても悪くても返事はくれると嬉しいなーなんて」

    アニ「う、うん・・じゃなくて」

    エレン「?」

    アニ「その、答えはもう決まってるの」

    アニ「でも、昨日の事とかが関係してるなら無理にそんなこと・・・」

    エレン「昨日の事なんて関係あるか 俺がどれだけ待ったと思ってんだっての」

    アニ「え・・・?」

    エレン「あ、いや、その、俺はアニがクラス委員になってからずっとだな」

    エレン「とにかくそういう失礼な気持ちで告白なんてするかって」

    アニ「ホントに・・?」

    エレン「ああ、当然」

    アニ「あ、ありがとう・・・」

    エレン「・・・OKってことでいいのか?」

    アニ「・・・察してよ」

    エレン「俺だけはっきり言うなんて不公平だろ」

    アニ「・・・」

    エレン「な?頼むよ ハッキリ言ってくれねえとぬかよろこびするかもしれないし」

    アニ「わ、わかったよ」

    アニ「そ、その・・・」

    アニ「こ、こちらこそよろしくお願いします・・・」

    これまで告白されていて、全て断っていたのだから断るのは上手なハズ。

    しかし、受け入れるのは初めてなのだ。

    面白いほどカチコチに緊張しており、言い終わった後に脱力をしていた。
  170. 170 : : 2015/05/04(月) 16:54:40
    ーーー

    ーー



    そのまま無言で歩いた後、思い出したことを聞いてみる。

    エレン「あ、そういやいいのかよ?その幼稚園の時の・・・」

    アニ「もちろん、明日勝ったら会わせてもらうよ」

    エレン「そ、それはいいんだけど・・・」

    今しがた彼氏という地位に昇格した自分の横で別の男に告白するってのはどうなんだろう。

    まあ他でもない自分なのだが、少しムッとなってしまう。

    我ながらアホだ。

    アニ「まあ初めて見るんだし、向こうにとっては赤の他人なんだから、会うだけで十分だよ」

    エレン「え?い、いいのか?だって・・・」

    アニ「よく考えれば知らない子にお礼言われても不気味だしね」フフ

    エレン「あ、ああ・・・」

    アニ「そうかと思ったら知り合い以上になれたし」

    エレン「は!?」

    嘘だろ?ホントに他人を俺だと勘違いしてる!?
  171. 171 : : 2015/05/04(月) 17:03:15
    アニ「明日の賭け、やっぱり別の条件にしない」

    エレン「オイオイ!?なんだって突然・・ つか知り合い以上ってなんだよ!?誰だよ!?」

    アニ「だって勝負前に私の提示した条件達成されちゃったから」

    エレン「そ、そりゃそうなのかもしれねえけど・・・」

    アニ「いつまでトボけてるつもりなのか・・・」ハア

    アニ「自分のことでしょ?」

    エレン「え」

    アニ「ま、私も私だけどね・・・」

    アニ「エレンに聞くまでしまい込んだまま忘れかけてた」

    エレン「・・・」

    アニ「ミカサと初めて話をしたとき、幼稚園で会ってるって言ってたけど、幼稚園が違うのに会う事なんて殆どない」

    アニ「それでいてあの話、やっとわかったよ」

    エレン「・・・あーあ、バレつった」
  172. 172 : : 2015/05/04(月) 17:09:31
    アニ「どうしてトボけてたの?」

    エレン「・・・縛り付けたくなかったんだよ」

    エレン「それに、覚えてねえと思ってたし、幼稚園の頃から〜なんて言ったら100パー引かれるだろ」

    アニ「初対面ならそうだったかも」クス

    アニ「こっちだってちょっと不安だったんだよ?」

    エレン「まあどちらにせよ、良かった・・・」

    エレン「このままバラすつもりはなかったんだけどな・・・」

    エレン「まさかこんなに綺麗になってるとは」

    アニ「それを言えばエレンだって・・」

    エレン「・・・」

    アニ「・・・」

    互いに照れてまた無言になる。
  173. 173 : : 2015/05/04(月) 17:24:43
    ーーー

    ーー



    そのままアニの家に着き、別れる事に。

    エレン「あ、結局どうすんだよ?賭けの事」

    アニ「あ、えっと・・・じゃ、じゃあ・・・」

    アニ「・・・今後お互いの不満はお互いに言うようにする事」

    エレン「へ?」

    アニ「もうあんな誤解はしたくないから・・・」

    エレン「・・・そうだな」

    エレン「わかった、それでいいぞ」

    エレン「じゃ、またな」

    アニ「うん、またね」

    ーーー

    ーー



    次の日

    「エレン!!フリーだぞ決めろよ!!」

    「ナイッシュー!!」

    「おお!速攻速っ!!あれは・・・」

    「ミカサとアニだ!」

    「ミカサ、アニ!アウトナンバーだぞ!」

    「うへぇ!決められた!!」

    「とりかえせ!!」

    「ミカサの前に散れエレン!」

    「エレン君、頑張ってー!!」

    バシッ

    「あー!エレンがアニに叩かれた!!」

    「審判見てねー!エレン羨ましい!!」

    「おい見ろエレンの奴笑ってんぞ!マゾかあいつ!」

    「いや、アニさんも微笑んでるぞ!アレは俺に微笑んだ!!」

    「エレン君の微笑み頂きました!!」

    ーーー

    ーー



    ビーッ!!

    試合終了のブザーが鳴った。

    得点は67-58。

    男子チームの勝利だった。

    最後までお互い諦めず、楽しくプレーをできた。

    リヴァイ「両チーム並べ」

    リヴァイ「礼」

    「「「ありがとうございました!」」」

    ーーー

    ーー



    エレン「俺たちの勝ちっ!」

    アニ「・・持ってけドロボー」

    そう言ってコーラを渡すアニは悔しそうだ。

    エレン「いただきまーす」

    エレン「うめー!」

    アニ「・・・」

    アニ「じゃ、これで賭けは・・・」

    エレン「待て待て待て、もう一つ」

    アニ「う」ビクッ

    エレン「忘れてねーぞ?まぁ、また今度聞かせてもらうわ」

    アニ「うう・・・」

    一般公開ももう終わる。片付けは先生方がやってくれるとのことで俺たちはホールへと向かった。

    いよいよエンディングだ。
  174. 174 : : 2015/05/05(火) 01:12:34
    オープニングとは異なり、少々しんみりとした空気の中進行する。

    一大イベントが幕を閉じようとしているのだ。寂しい気持ちになるのは分かる。

    それでも全員でメジャーなアニメやドラマのOP曲などを歌って、フィナーレにふさわしい空気を作り上げ、最後に成績発表となった。

    まず二、三年のクラス展の表彰の後、校内装飾の成績発表だ。

    「それでは、1年の校内装飾最優秀賞は・・・」

    ーーー

    ーー



    「「「カンパーイ!!!」」」

    目の前の鉄板には大量のお肉や野菜。

    それを取り囲む1年8組のメンバーの姿がそこにあった。

    そう、ここは焼肉店。

    ステンドアートで無事1位を掴むことができたのだった。

    マルコ「美味しい!」

    コニー「飯おかわり!!」

    ライナー「落ち着け、飯は逃げないぞ」

    ベルトルト「ゴメンアニ、タレとって」

    アニ「ハイ」スッ

    ベルトルト「ありがとう」

    エレン「あ、アニ俺もー」

    アニ「自分で取りな」

    エレン「ヒドくね!?」

    アニ「届くでしょ」

    エレン「ちぇっ・・・」

    コニー「おうおう羨ましいなー夫婦かお前ら」

    トーマス「何言ってんだよコニー」

    サムエル「ほら、困ってるぞアニさん」

    トーマス「・・・あれ?困ってるっていうより」

    サムエル「照れてる・・・?」

    トーマス「おいエレン!!」

    エレン「な、なんだよ」ゴホゴホ

    サムエル「これはどういうことだコラ!」

    エレン「何がだよ!」

    ライナー「おいコラサムエル!タレこぼれたじゃねえか!!」

    ベルトルト「肉焦げるよー」スッ

    トーマス「あ、こりゃどうも」

    サムエル「いや、申し訳ない」

    ミーナ「ちょっとちょっとアニ、もしかして」

    アニ「・・・」プイッ

    ミーナ「おーいこっち見てー」

    ヒッチ「あー耳まで赤いー」

    アニ「・・・なんのことだか」

    ヒッチ「コレはアレだね・・・」

    ミーナ「エレン・・・とやかく言うつもりはないけどあんまり無理させちゃ

    エレン「お前は俺をなんだと思ってんだ」

  175. 175 : : 2015/05/05(火) 07:32:22
    ーーー

    ーー



    その後約3時間にわたって大騒ぎをした。

    酒が出ない宴会のようなものだったが、それでも終わりはやってくる。

    解散の時には皆寂しげな表情を浮かべていたが、それでもまた数日で元通りになるだろう。

    ライナー「じゃ、俺とベルトルトは先に帰るからな」

    ベルトルト「エレンよろしく」

    エレン「ん?お、おう!」

    アニ「アンタら・・・」

    ミーナ「このまま2人は夜の街に消えていった・・・」

    ヒッチ「かーっ!いい!それいい!」

    ーーー

    ーー



    エレン「終わっちまったな」

    アニ「うん・・・」

    エレン「やっぱなんか虚無感があるんだよなー」

    アニ「それでも私には思い出になったよ」

    エレン「そいつはお互い様だな」

    エレン「やっぱ皆で騒ぐのは楽しいもんだ」

    アニ「うん」

    スッ

    無意識のうちに手を差し出し、繋ぐように促すと向こうもそれに応じてくれた。

    あやふやだったこの関係にも、ようやく名前がついた。

    エレン「帰ろうぜ」ニッ

    ーーー

    ーー



    アニの家に行くとお母さんが出迎えてくださった。

    その時の俺たちの繋がれた手を見てニヤつく顔が未だに忘れられない。

    アニ母「ふぅーん」

    咄嗟にアニが手を解こうとするが、力を入れて握り直し、そうさせない。

    しばらく奮闘してたが諦めたらしく、力が抜かれた。

    エレン「あ、そうだお義母さん」

    アニ母「ん?」

    エレン「アニが前から言ってた"変なこと"って結局何ですか?」

    アニ「な、なにも私がいるところで聞かなくてもいいでしょ!!」

    エレン「いや、いい機会だし」

    アニ「私は部屋に行くからその後煮るなり焼くなり好きにして!」

    そう言ってうう、と呻きながら階段を駆け上がっていくアニ。

    しかし途中で止まったかと思えば、ボソッと一言。

    アニ「お、送ってくれてありがと・・おやすみ!」

    バタンっ!!

    エレン「・・・」

    アニ母「ホント、恥ずかしがり屋なんだから」

    アニ母「変なことって言っても、言えないようなことじゃなくてね」

    エレン「?」

    アニ母 「・・・と思ってたんだけど一昨日のはすごかったわ〜」

    イジるネタが尽きない、などと楽しげに話してくれる。

    アニ母「でも多分あのことだと思う」

    エレン「あのこと?」

    アニ母「あの子、エレン君と夜に走る練習し始めてから変わってね」

    アニ母「君とのことをたくさん楽しげに話してくれてた」

    アニ母「それでしばらくしてある時に"惚れてるんじゃないの?"って聞いた時、普通ならそんなんじゃないって笑って言うのに、その時はなぜか落ち込んだみたいになったの」

    エレン「ほう」


    アニ母「新しいパターンだからどういうことなのかと思えば言った一言が面白くてね」

    アニ母「なんて言ったと思う?」


    アニ母「浮気しちゃったかも、なんて言ったの!」

    エレン「ええ!?」

  176. 176 : : 2015/05/05(火) 07:46:12
    アニ母「幼稚園のときのことをを思い出したみたいでね」

    アニ母「そのときに好きになった子とエレン君のことで悩んでたらしくて」

    アニ母「どうしよう、私ってサイテー・・とか言っててもう!」

    エレン「ははは・・・」

    アニ母「そうかと思ってれば一昨日は一昨日で声にならない叫びをあげて布団丸めて抱きついてたし」

    エレン「ぶっ!!」

    アニ母「あの子をイジるネタが大豊作だったわー」

    アニ母「これからあの子の事、よろしくね」

    エレン「へっ!?」

    アニ母「あんな手まで繋いでれば分かるわよ」クスッ

    アニ母「いいわねー」

    ーーー

    ーー



    夜道を一人歩いて帰る。

    時間も遅いし泊まっていけば?と提案してくださったが、年頃の女子とお泊まりはまだマズイだろ、と思って断った。

    ・・・寝込んだアニを前にしたら理性が効くか自信がなかったのもあるが。

    エレン「また、な」

    随分長い事悩まされたが、めでたく実った。

    相思相愛なんて幻想だ。

    ただし俺は新たにその文に一筆加える事になった。

    "ただし、例外アリ"と。

    ーーfinーー
  177. 177 : : 2015/05/05(火) 08:05:07
    はい、皆さんお疲れ様でござんした!

    素直な書き手としての感想は、「なげーよ!!」ですハイ。

    やっぱ完成までに半年もかかってんじゃねーかよ、何も変わらねえな!

    そんな感じでございます。本当にお待たせして申し訳ありませんでした・・・。

    さて、今回のss、いかがでしたでしょうか。

    アニの一つの言葉や動きに振り回されるエレン君を書けて楽しかったです。

    エレン視点でアニの気持ちをダイレクトに書けなくてなかなか大変でしたが、だんだんと変わるアニの様子なんかもわかっていただけたのではないでしょうか?

    分からない?わかってください(威圧

    コレは俺と幼なじみの子の話を基礎にして書かせていただきました。

    中学の時、部活は違いましたが時間が合うと普通に一緒に帰ってまして。

    それを聞かれてもなんて答えればいいかわからず宙ぶらりんな状態を続けてたらその子の友達が聞いてきて「そんなんじゃない」って言ったら、今思えば困ったような顔をしてましたね。

    その後彼氏ができたって聞いて、ちょっとショックだった事を考えるとやっぱり好きだったのかもしれませんねぇ〜

    あとから「好きだったみたいだ」って聞かされて、でももう手が届かない状態ってわけでして。

    結局一歩踏み出せず後悔する結果になったので我らがモテ男エレン君には踏み出してもらいました!

    エレン、幸せにな(保護者視点

    長々と少し苦い思い出を語ってしまいましたが、ssを楽しんでいただけたのなら幸いです。

    色恋の話題が飛び交う中学から高校、皆さんには悔いのないよう過ごしてほしいと思います。

    それでは次回作で会いましょう!バーイ!!

    ー以上、後書きとさせていただきます。
  178. 178 : : 2015/05/05(火) 08:31:47
    お疲れさまでした!
    とっても面白かったです!
    次回作にも期待です!
  179. 179 : : 2015/05/05(火) 09:14:10
    お疲れ様でした
    今回もとても面白かったです!
  180. 180 : : 2015/05/05(火) 22:42:47
    お疲れ様でした!
    いつもおもしろいエレアニをありがとうございます!
    エレアニジャスティスさんの次回作楽しみです
  181. 181 : : 2015/05/06(水) 01:08:46
    超最高でした笑半年間お疲れ様です!
  182. 182 : : 2015/05/06(水) 01:40:51
    お疲れ様でした!
    次のssも頑張って下さい!
  183. 183 : : 2015/05/06(水) 03:22:44
    できれば後日談欲しいです。。
  184. 184 : : 2015/05/06(水) 06:39:54
    何でここまで良いSSがかけるんですか!?ニヤニヤしながらエレンが告白したあたりから見てましたよww
    次回作も頑張って下さい!!応援しております!!
  185. 185 : : 2015/05/08(金) 17:41:39
    最高だった
    次回作も期待です
    頑張ってください
  186. 186 : : 2015/05/12(火) 21:24:08
    後日談書いてほしい、
  187. 187 : : 2015/05/12(火) 23:58:54
    後日談の要望がありましたので今週末にでも少し後日談書こうかな、と思います!

    テスト勉強が捗れば、ですがお待ちいただけると嬉しいです^_^
  188. 188 : : 2015/05/13(水) 16:32:53
    後日談楽しみに待ってます。
  189. 189 : : 2015/05/15(金) 22:31:29
    おまけ

    エレン「・・・」

    ライナー「・・・オイ、エレン」

    エレン「んだよ」

    ライナー「そんな怖い顔してどうしたんだよ」

    エレン「・・・別に」

    時は放課後。

    今日は部活が休みで早く帰れる日。

    クラスに残っているのは俺とライナーとベルトルトのみ。

    ベルトルト「気持ちはわかるけどね」

    そう言って苦笑するベルトルト。

    エレン「だよな?これで不機嫌にならねえ方がオカシイっての」

    ライナー「そういやアニと付き合う前にもあったよな」

    エレン「何が」

    ライナー「エレンが教室で怖い顔して突っ伏してたの」

    エレン「・・・忘れたよそんなこと」

    そう、今日もまたアニは男子生徒の呼び出しを喰らっているのだ。

    付き合い始めてから数は減っているようだがそれでも相当だ。

    二股かけるような軽い奴じゃないことはわかっているつもりだが、不安にならないといえばウソになる。

    エレン「あーあ・・・無理にでも連れ帰ればよかった」

    ベルトルト「それをしないあたり常識あるよね」

    エレン「褒められてる気がしねえんだけど」

    ベルトルト「褒めてるんだけどな・・」

    ライナー「で、どこまでいったんだよ」

    エレン「え?」

    ライナー「もうキスぐらいはしたのか?」

    エレン「え、あ、いや・・・」

    ライナー「健全だなぁお前ら」

    ベルトルト「だね 大体の男なら速攻で手を出すと思んだけど・・・」

    エレン「・・・悪かったな進展なくて」
  190. 190 : : 2015/05/15(金) 22:45:02
    ライナー「別に悪いこととは言わねえよ」

    ベルトルト「意外と初心だよね、二人とも」

    エレン「なんかお前ら凄い恋愛上級者に思えるけど、彼女いるのか?」

    ライナー「俺はいつでもシミュレーションしてるからな」

    ライナー「いつ彼女が出来ても大丈夫だ!」

    エレン「てことはいねえんだな」

    エレン「ベルトルトは?」

    ベルトルト「いるよ」

    ライナー「嘘ォォ!?」

    エレン「知らなかったのか?」

    ライナー「おま・・・いつのまに」

    ベルトルト「そうは言っても中3からだけど」

    ライナー「帰る」

    ベルトルト「ちょ、ライナー!黙ってたのは悪かったって!」

    エレン「あ、おい!」

    ベルトルト「エレンじゃあね!」

    ガラガラッ!!

    エレン「・・・オイ」

    ーーー

    ーー



    数十分後

    ガラガラッ

    アニ「ゴメン!遅くなった!」

    エレン「お疲れさん」

    エレン「相変わらずだな・・・」

    最近はなかなか部活の休みが無く、あってもテストだなんだと忙しい日々が続いていた。

    文化祭が終わり、ジメジメした暑い日が続き、水泳の授業も始まっている。

    彼氏と彼女という関係になってから特に進展はないが、自分は進むことを望んでいる。

    ただなかなか踏み出す機会と勇気がなく、ぬるま湯状態だ。

    このまま冷めてしまうのではないかとアニが告白される度に焦燥に駆られる。

    周りは怖い顔というが、その度に不機嫌になるのはこれが原因だ。

    アニ「エレンがいるのにね」ハハ

    時々彼女は無意識のウチにキュンとくることを言ってくれるのが癒しとなるが。

    エレン「(くそー・・・)」

    一人で悶々としてる間にアニは帰る準備を終えて「行こ」と言ってくる。

    その言葉でハッとして教室を出た。
  191. 191 : : 2015/05/15(金) 23:13:02
    ーーー

    ーー



    エレン「・・・なあ」

    アニ「ん?」

    エレン「次のバスケ部の休みの日っていつ?」

    アニ「えーっと・・・女バスは確か来週の日曜はオフ」

    エレン「日曜かぁ・・ことごとく予定が合わねえな・・・」

    アニ「そうなんだ・・・」

    エレン「いつになったら一緒に出かけられる日が来るのやら・・・」

    アニ「・・・!?」

    エレン「!?な、なんだよ」

    しばしの沈黙の後、目を見開いてこちらを向くアニ。

    その動きに思わずこちらまで驚いてしまった。

    アニ「で、出かけるって・・?」

    エレン「だからいわゆるデートって奴?
    なかなかできそうにねえから次の機会は逃したくねえなーって」

    アニ「デ、デート・・・」

    エレン「・・・嫌か?」

    そう言うと赤い顔のままブンブンと顔を横に勢いよく振る。

    ホントこういう初心な反応が可愛くて仕方がない。

    エレン「よかった」ヘヘッ

    エレン「でもいつ出来るか・・・」

    1年を通して数えられるほどしかない一日中休みの日。

    いくら男女で同じような練習時間を取っていても休日や練習試合はそうはいかない。

    6月ももうスグ終わるところ。

    夏休みは盆休みしかなくお互い家の用事が入っている。

    エレン「(この時期に付き合い始めて初デートが夏休み明けとかマジか・・)」

    しかもそれは確実なものではない。

    下手をしたら冬休み明けになる可能性だって十分にあるのだ。

    エレン「(ふざけやがってあの卵ヘッド・・・!)」

    アニ「で、でも1日休みが被ることなんて・・・」

    やはりアニも同じことを考えているらしい。

    半日じゃできることは限られてるし、まず出かけることすらままならない。

    エレン「んん〜・・・・」

    エレン「あ、そうだ」

    アニ「?」

    エレン「アニってテストかなりできる方だよな?」

    アニ「え?あ、えーと・・まあ人並みには」

    エレン「前回クラス順位3位だったろ」

    アニ「あ、あはは・・・」

    エレン「俺家だと勉強できねえし、分かんないところも多いわけよ」

    エレン「だから次の日曜にアニに教えてもらう!どーだ?」

    アニ「いいけど・・・エレン練習あるんでしょ?」

    エレン「その日は午前練習試合で午後は空いてんだよ」

    エレン「だから頼む!」

    アニ「なら大丈夫 じゃ、ウチに何時にする?」

    エレン「え?あ、うん、そうだな・・」

    ちょっとここで驚き返事がどもってしまった。

    アニ「?私の家じゃマズイ?」

    エレン「あ、いやちょっとビックリしただけ」

    アニ「え?何に?」

    エレン「いや、家に連れ込むって大胆だなぁ〜って・・」

    そこで再び沈黙。

    そしてまた目に見えるほど赤く顔が染まっていき

    アニ「そ、そんなんじゃないから!!」

    ブンッとサブバッグをこちらに振ってくる。

    エレン「うおっ!アブね!!」

    アニ「ていうかそもそもエレンが教えてって言ったんでしょ!」

    エレン「そうだけどまさか・・・いやぁ」

    アニ「もう知らないから」プイッ

    エレン「あー!ゴメン!ゴメンって!」
  192. 192 : : 2015/05/16(土) 19:06:26
    ほっこりしますなぁ~ホッコリ
    期待だす
  193. 193 : : 2015/05/17(日) 20:32:05
    ーそんなわけで日曜日

    ピンポーン

    インターホンからハーイという返事が聞こえ、それがアニのものでないことに気づく。

    あれ、と思う前にドアは開いた。

    アニ母「いらっしゃいエレン君」

    エレン「あ、こんにちは あの・・アニは・・・?」

    アニ母「部屋にいるはずなんだけど呼んでも来ないの」

    アニ母「勉強教えるって張り切ってたのに・・・」

    エレン「そうなんですか・・・」

    アニ母「起こして・・・あ」

    アニ母「それはエレン君に任せるわ
    ほら、上がって上がって」

    エレン「え?あ、じゃあ遠慮なく・・」

    エレン「お邪魔しまーす・・・」

    ーーー

    ーー



    アニ母「じゃ、この部屋だからあとはよろしくね」

    エレン「は、はあ」

    エレン「(前にミカサの家に行った時、ノックせずドア開けたらまくらぶん投げられたよな・・・)」

    エレン「(ならちゃんとノックを・・)」

    コンコン

    エレン「は、入るぞー」

    念には念を入れ声もかけたが反応なし。

    おかしいなと思いつつドアを開けるとそこにいたのはベッドで少し丸くなって眠るアニ。

    バスケの練習のときに着るような通気性の良さげなTシャツにハーフパンツ。

    普段学校で見るときとは違い髪は下ろしている。

    すうすうと少し口を開けて眠る姿は健全な男子高校生を刺激する何かがある。

    エレン「(・・・マジか)」
  194. 194 : : 2015/05/17(日) 20:48:49
    アニ「うう・・ん」

    エレン「(お?)」

    起きるかと思ったが寝返りをうっただけだった。

    シーツを軽く握り、言葉になってない寝言を言って壁の方を向いてしまう。

    そして


    エレン「!」

    寝返りでシャツが若干めくれて色っぽい腰が露わになってしまった。

    別にやましいことを考えこそしたが実行に移してないのに1人焦る。

    エレン「(こ、これは見ていいのか?)」

    エレン「(いや!こんな睡眠中という無防備な状態で勝手に見ていいわけ)」

    エレン「(し、しかし・・・!)」

    葛藤こそするがそこは悲しき男の性。

    目はしっかりそのキュッとしまった腰に釘付けだ。

    そういえば雨の中一つの傘で一緒に帰った時は一瞬しか見ていない。

    そうか、その時の分なのか。なら・・・


    エレン「(いいわけねえだろ!!)」

    エレン「(落ち着け俺・・・深呼吸)」

    スーハーと深呼吸中も目線の先はやっぱりその腰。

    エレン「(意味ねえじゃねえかぁ!!)」

    アニ「んっ・・・」ゴロッ

    また寝返り。

    さらにシャツはめくれて、ちょうどくびれのところで引っかかっている。

    自分を律しろ。

    かつてこれほど緊張したことがあっただろうか。

    もう少しめくれてほしい。しかしめくれたらダメ。

    どうすべきかと考えたところで頭に浮かぶのは保健の授業で習ったこと。

    単元は「思春期の心と身体の変化」

    エレン「(そうか、コレがテスト勉強なのか・・・)」

    エレン「(・・・俺死んだほうがいいな)」
  195. 195 : : 2015/05/17(日) 21:00:11
    アホなことを考えたら頭が冷えたらしい。

    これからは保健の授業では無自覚で煽ってくる女子の対処法を教えてほしいと思いつつ、シャツを戻そうと布に手をかけた。

    しかしやはり触れると話は別。

    また頭がオーバーヒートしてきた。

    エレン「(や、やべえよな今の俺)」

    エレン「(誰か部屋に来たら絶対寝込みを襲ってるようにしか見えねえよな)」

    幸いアニの母親がこちらに来る気配はない。

    どころかブーンというエンジン音がアニの家のガレージから聞こえ、出かけて行ったことを悟る。

    エレン「(ああ・・・俺を止めていた唯一の要因が・・・)」

    もう自分を止められるのは自分しかいない。

    しかし自制心のダムは既に決壊寸前。

    というか半壊状態だ。

    エレン「(まだ付き合い始めて一ヶ月だぞ!デートもまだ!キスもまだ!)」

    エレン「(幾ら何でもすっ飛ばしすぎることになんだろうがぁぁ!!)」

    外れぬ視線を瞼で強引に切断し、さっと真っ暗闇の中でシャツを戻した。

    エレン「はあ・・・はあ・・」ゼーゼー

    エレン「(俺で良かったなアニ・・他の奴なら何すっか分かんねえぞ・・)」

    しかしこれ以上あんな光景見せられたらいよいよ決壊は免がれることはできなさそうだ。

    ー部屋に入り数十分。ようやく起こすという判断を下した。
  196. 196 : : 2015/05/17(日) 21:10:51
    エレン「おいアニ起きろー起きてくださーい俺のためにも」

    肩を揺らすと「んー?」と重たげに瞼を上げた。

    アニ「あれ?なんでエレンが・・?」

    エレン「勉強教えてもらうために来ました」

    アニ「あー・・・」

    ・・・

    ・・

    アニ「・・・」

    そのまま再び瞼を閉じようとしていたかと思いきや、パチッと全開になった。

    アニ「あ!ごめん!!」

    そのままバッと跳ね起き、机の上の教科書ノート問題集もろもろをかっさらって今自分の横にある簡素な小さい机にバンッ!と置いた。

    ーーー

    ーー



    アニ「すっかり寝ちゃってた・・・」


    エレン「朝飯食ったか?」

    アニ「今日は8時には起きてましたー」

    すこしドヤ顔でこちらの物言いに返してくる。

    エレン「でも早く起きた分また寝てたんじゃ意味無くないか?」

    アニ「それはその・・・」

    途端に勢いをなくし、何も言い返せないようだ。

    エレン「まあいいさ まだ時間あるし」

    時刻は午後2時前。

    6時頃お暇することを考えれば最高4時間はできる。

    いや、4時間アニのそばにいられる。
  197. 197 : : 2015/05/20(水) 22:27:57
    ーーー

    ーー



    アニ「・・・で、ここはたすき掛けで因数分解するの オーケー?」

    エレン「ああ・・・たすき掛けね・・」

    数学の問題集。

    やればやるほどなにがしたいのか意味がわからない。

    なぜ式の形を変えなければならないのか。

    アホかと思うわけです。

    愚痴ってても仕方ないし、アニの教え方が上手いおかげでわかるようにはなってきた。

    つかアニじゃなかったらきっと勉強なんてしていない。

    というより

    エレン「(勉強を口実にしないと誘えないとかヘタレすぎだろ俺・・・)」

    そんな事を思いながら机を挟んで向かい合う。

    エレン「うし、終わった!」

    アニ「お疲れ」

    アニ「休憩にしよ 飲み物持ってくる」

    そう言ってパタパタと軽やかな足音で部屋を出て行くアニを見届け、改めて部屋を見渡す。

    エレン「・・・」

    床も勉強机も綺麗に整頓されていて、自分の部屋とはだいぶ違う。

    本棚には小説がたくさんあり、少し空いた棚からは写真やアルバムの表紙が覗いているようだ。

    エレン「(アルバムか・・・)」

    少し見てみたいが無許可で勝手に見るのは憚られて興味をそらせた。

    ーーー

    ーー



    アニ「麦茶でよかった?」

    エレン「おう この季節だし丁度いいな!」


    アニ「よかった」フフ

    カラン、と音を立てる氷から涼しさを感じ、体感温度が下がった気がした。

    ゴクリと飲むとひんやりと程よく冷えたお茶が身体をまた一段階冷ましてくれる。

    エレン「うめぇ〜!」

    エレン「ん?」

    そこでアニの視線に気づく。

    エレン「どした?」

    アニ「ん?あ、いや、やっぱエレン男の子なんだなーって」

    エレン「え?」
  198. 198 : : 2015/05/20(水) 22:50:22
    アニ「飲んでる時の喉仏がね」

    エレン「ああ・・・」

    てっきりデレデレした顔でも見られたのかと思って焦ったがよく考えればそんな顔をアニの前でしたことはない、筈。

    どちらにしろそういう意味ではなかったので問題ないが。

    エレン「そういやよく男がなんか飲んでる時の喉仏見て女子はドキッとするらしいけど、やっぱアニもすんのか?」

    そう尋ねると、少し考える素振りを見せてから

    アニ「分かんない」ハハ

    ドキドキさせたい自分からすると少しだけ残念だ。

    かと思いきや

    アニ「エレンといるといっつもドキドキしてるから」

    さも平然と言ったかと思えば自分の言ったことを思い出したらしく視線を逸らした。

    エレン「(こっちの心臓が保たねえっての・・・)」

    ーーー

    ーー



    勉強再開。

    古典。

    エレン「ーってことは完了の助動詞"ぬ"の終止形だな!?」

    ペシッ

    アニ「まだ文続いてるし、ここに係助詞があるでしょ?」

    アニ「だから文末は連体形 ココは打消」

    エレン「分かるかぁぁぁ!!」

    自分の最も苦手な教科の古典。

    面倒な言い回しに加え助動詞の意味が加わり、もはや同じ国の言葉とは思えない。

    エレン「好きになれねえよ古典は・・」

    アニ「まあ気持ちはわかるけどね」

    アニ「あ、そういえばエレンは文系理系どっちに進むの?」

    エレン「え?あー・・・」

    俺たちが通う高校は文系理系でクラスが大体決まる。

    私立大学を目指す文1、国公立大学を目指す文2、加えて理系だ。

    また一年の時の成績優秀者は特進クラスという特別なクラスに入るからアニの優秀なテスト結果から考えると、正直来年は同じクラスにはなれないだろう。

    自分の進路を捻じ曲げてまで同じクラスになるのは愚かだと言われるだろうし、アニもきっと俺がアニが選んだ方へ行くなんて言ったら怒る筈だ。

    エレン「んーまあ理系だろうな」

    アニ「そっか また同じクラスになれるといいね・・・」

    エレン「じゃあアニも理系なのか?」

    アニ「うん」

    エレン「・・・もしクラスが違ってもさ、たまに会って話そうぜ」

    アニ「もちろん」

    エレン「そんでさ・・その」

    エレン「一ヶ月に2回くらいは・・一緒に昼飯食おうぜ」

    アニ「嫌」

    エレン「オイオイ・・・」

    アニ「一週間に2回くらいがいい」

    エレン「・・・オウ」

    なんでそんなにも俺の心臓を乱れさせるのか。
  199. 199 : : 2015/05/25(月) 22:36:11
    一通り勉強したいことは終わって喋っていると時間が過ぎるのはあっという間だった。

    時計を見れば5時半。

    エレン「(・・・)」

    やはり午後だけでは十分な時間は取れなかった。

    まだ一年である以上試合に出ることは少ないが、それでも疲れた練習試合の後。

    やはり両方オフの日にゆっくりしたい。

    エレン「・・・いつの間にかこんな時間か」

    アニ「え?あ・・ホントだ」

    エレン「今日はありがとな おかげで次のテストはなんとかなりそうな気がする」

    アニ「それはよかった」

    エレン「追試にかからないように頑張る!」

    アニ「・・・前回かかったの?」

    エレン「古典にな しかも追追試までやった」

    アニ「・・是非頑張って」

    苦笑いとともに言われてしまった。


    せめて追試で受かれということなのだろう。

    エレン「ハーイ・・・」

    ーーー

    ーー



    それからまた少し話して6時。

    エレン「じゃ、そろそろ帰るわ」

    エレン「ホントに助かったぜ!」

    アニ「うん・・・」

    エレン「オイオイ暗いなー 俺が帰っちゃうの寂しいか?」

    アニ「バカ言わないで どーせ明日も会えるんだから・・・」

    エレン「それはそれでなんかなー」

    エレン「どうせなら袖引っ張るくらいのことして欲しかった」

    アニ「バカ」

    エレン「んだと!?」

    アニ「エレン意外と乙女だね」

    エレン「健全な男子高校生ですけど!」

    アニ「きっと引き止められるだけじゃ済まないよ?」

    エレン「はいっ!?」
  200. 200 : : 2015/05/26(火) 03:32:14
    エレン「いや、ソレ、本来男のほうが言うセリフだと・・・」

    アニ「そうかな?」

    エレン「うん」

    と、ここでイタズラを思いついた。

    エレン「試してみるか?」

    アニ「?何を?」

    その質問には答えず、アニの耳のほうへ顔を寄せて、少しいつもより低い声で

    エレン「タダじゃ帰らせねえよ・・?」

    その瞬間首から頭から、何から何までブワッと紅くなったかと思えば両手で突き飛ばされた。

    エレン「痛えっっ!冗談だっての!!」

    アニ「バカ!そう、そういうのはまだは、早いでしょ!!」

    エレン「え?なんのことか分かんねーなぁ?」

    アニ「とぼけないで!」

    エレン「あーひょっとしてアニ変なこと想像したでしょ?」ニヤッ

    エレン「アニエローい」

    アニ「エレン!」

    怒りと羞恥が入り混じり、握られた拳がプルプルと震えている。

    アニ「そっちがその気ならミカサに聞いたエレンの恥ずかしいことタイムラインで公表するから」

    エレン「はぁ!?ちょ、待て!なんでミカサ!!?」

    アニ「ミカサはなんでも知ってたからね」

    思い当たる節がありすぎて一気に劣勢に。

    今後尻に敷かれるビジョンしか見えない。

    しかし弱みを握ったと思われたくないオトコの意地で

    エレン「ほ、ほーう まあ別に言われて恥ずかしいことなんてねーしな!」

    エレン「別に俺は

    アニ「タンスの上から2番目の引き出しの私服の下に1冊」

    エレン「!?」

    アニ「本棚の漫画スペースの漫画の奥に1冊」

    エレン「!!?」

    アニ「ベッドの下にフェイク置いておいて実は背もたれの裏」

    エレン「俺が悪かった!ゴメンっ!!」

    いつの間にアッチ系の本の位置をミカサは完全に把握しているのだろうか。

    アニ「ふんっ」

    エレン「うう・・・ミカサの奴・・」

    なにも彼女にそんな事教えなくたっていいじゃないか。

    泣くぞ。

    しかし俺を追い詰めているはずのアニもどういうわけか恥ずかしがっているらしい。

    エレン「・・・恥ずかしいなら言わなきゃいいだろ」

    アニ「うるさい」


    エレン「・・すんません」

  201. 201 : : 2015/05/31(日) 09:49:22
    エレン「じゃ」

    アニ「うん、またね」

    ーーー

    ーー



    自宅

    エレン「時間全然足りねーよ・・・」

    エレン「ざけやがってあのハゲ・・」

    もっと一緒にいたかったのに、やはり時間は過ぎていった。

    勉強してるときは4時間なんて永遠に近く感じられてもアニといればあっという間だ。

    エレン「・・クソ」

    エレン「長期休みの1日くらいは幾らあいつでも・・」

    まだ夏休みの練習予定は分からないが、幾らなんでもお盆休みは取ってくれるはずだ。

    そこで何とか・・・

    エレン「・・・できっかなぁ」

    大きなため息をついてごはんよー、という母親の声が聞こえるまで、ミカサに把握されていたイケナイ本の配置を変えていた。

    ーーー

    ーー




    カルラ「・・・で、どうなの?」

    エレン「何が?」

    カルラ「アニさんのことに決まってるでしょ」

    カルラ「今日も会ってきたんでしょう」

    エレン「な、なんで知ってんだよ」

    カルラ「ミカサがね」

    あいつの情報網はどうなってんだ。

    高いところからスコープで覗いてるんじゃないかと恐ろしい気分になる。

    カルラ「"アニがテンションが高かった エレンと会うときは大体そう"って言ってたから」

    エレン「・・・へぇ」

    恥ずかしくなるのを誤魔化すために慌てて白米を掻き込む。

    カルラ「あんまりうるさく言うつもりはないけど、気をつけてね」

    エレン「何を」

    カルラ「アンタ感情顔に出やすいから」

    ギクッ
  202. 202 : : 2015/05/31(日) 09:57:28
    エレン「ど、どういうことだよ」

    カルラ「現在進行形でモテてるんでしょ?その子」

    カルラ「アンタも大概だけど」

    エレン「・・まあ」

    カルラ「アンタのことだから不機嫌なときってその子が告白されたときじゃない?」

    ギクギクッ!

    エレン「・・・」

    カルラ「やっぱり」

    カルラ「すっ飛ばし過ぎるのはダメだけど、関係をだらだら続けないようにね」

    エレン「・・・肝に銘じときます」

    ーーー

    ーー



    次の日

    ガラガラッ

    エレン「おはよー・・・」

    マルコ「おはようエレン テンション低いね」

    エレン「まあな・・・」

    コニー「どうせ宿題終わらなくて徹夜したんだろ?俺もだ!」

    エレン「一緒にすんな それは終わってんだよ」

    コニー「マジかよ!?見せて

    エレン「断る」

    コニー「何でだよ!?金か?金なのか!?」

    エレン「たまには自分でやれよ」

    マルコ「たまにエレンも写してるよね」

    エレン「言うなマルコ」

    コニー「ずりーぞコラ!」

    マルコ「で、なんなのそのテンション」

    エレン「アニが風邪引いたから休むってよ・・・」

    コニー「・・・ひょっとして毎日お互いの体調連絡しあってるのか?」

    エレン「なわけねーだろ 今日委員会あるけど出れなくてゴメンってきたんだよ」

    マルコ「なるへそ」
  203. 203 : : 2015/05/31(日) 23:58:39
    ー部活

    ジャン「ーてことは何、お前らまだデートしてねえのか?」

    エレン「わりーかよ 休みが合わねえんだよ」

    ジャン「まあしょうがねえよな、バスケ部だし、 俺たちも似たようなモンだし」

    エレン「は?」

    ジャン「俺もミカサと全然予定合わなくてな・・・いつ距離が開いちまうかいつもヒヤヒヤしてる」

    エレン「・・・だよな」

    エレン「・・・怖えなぁ」

    ジャン「だなぁ・・・」

    エレジャン「「ハア・・・」」

    リヴァイ「休憩は終わりだ 練習に戻れ」

    ーーー

    ーー



    エレン「(この時間に見舞いは迷惑だろうし、アニのことだ もう元気だろ)」

    エレン「(いやでも・・・)」

    エレン「(ええい!アニに依存し過ぎだぞ俺!)」

    エレン「(そういや明日には部活の夏休みの暫定予定分けられるんだよな)」

    エレン「頼むぞ・・・」
  204. 204 : : 2015/06/01(月) 05:18:13
    ー次の日

    下校中

    エレン「イヨッシャアアアアアアア

    ペシッ

    アニ「声大きい」

    エレン「だってよだってよ!ホラ!8月!!」

    アニ「私も見たから分かってるって」

    そう、あの先生にも常識はあるらしく何日か休みがある。

    そしてその内3日は女バスと1日オフが重なっていたのだ。

    暫定とはいえ、1日くらいは重なることが確定だろう。

    エレン「この日とか空いてるか?」

    アニ「まだわからないけど、必ず空けとくよ」

    エレン「マジでか!?あ、でも無理しなくてイイからな?」

    アニ「エレンといれるなら多少の無理なら全然OK」

    エレン「・・・ホント無自覚な爆撃は恐ろしい」

    アニ「え?」

    エレン「ホント嬉しいこと言ってくれるよな たまにだけど」

    アニ「悪かったね たまにで」

    エレン「だからイイんだけどな」
  205. 205 : : 2015/06/09(火) 21:34:09
    ーーー

    ーー



    時は流れて一学期終業式

    あれから結局練習は予定通りに行い、変更は無いとの事だ。

    この知らせを聞いて飛び上がりアニにポカッと殴られるのも当然で。

    エレン「ってーな・・・」

    アニ「はしゃぎ過ぎ」

    エレン「アニは嬉しくねえのかよ・・」

    アニ「さあね」フフン

    エレン「・・・」ガクッ

    少し大袈裟に落ち込む振りをするとアニがびくりとこちらを見る。

    エレン「いくら俺でもこの仕打ちは泣くぞ・・・」

    アニ「ご、ゴメンって!冗談だから!」

    エレン「別にいいけどな そんなに嫌なら俺は他の子と遊

    ピキッ

    周りの空気が凍りついたように感じた。

    アニは嫌がってるわけではなく、なかなか正直な思いを言ってくれないだけだと気づいたのは最近だ。

    それでもここまで言われると自信がなくなってしまい、あんな事を言ってしまった。

    アニ「ふざけ過ぎたよ・・・ゴメン」

    エレン「え、あの、いや

    急にもの悲しげな表情を浮かべて焦る俺。

    アニ「だから・・だから・・・他の女の子と遊ぶのはその、控えて・・・」

    エレン「じょじょ冗談だからな!?その、反撃代わりに言っただけで他の女子と遊ぶつもりなんて毛頭ねえから!」

    アニ「・・前科持ちでしょ」

    エレン「それは言うなよ・・・」
  206. 206 : : 2015/06/10(水) 05:23:18
    ポカンとした顔を浮かべた後今度は怒った顔でこちらを睨んできた。

    アニ「騙したね!」

    エレン「元はと言えばお前が俺をヒヤヒヤさせたのが悪いんだろ!」

    アニ「アレだけでいじけるエレンが可愛いのが悪い!」

    エレン「俺は可愛いって言われてもあんまり嬉しくねえの!」

    アニ「前みんなの前で転んだ時女子に可愛いって言われてデレデレしてたくせに」

    エレン「おま、見てたのかよアレ!」

    アニ「偶然目に入っただけですー」

    エレン「なんだよ、妬いてんのか?」

    アニ「なっ!そ、そんなわけ無いでしょ!」

    エレン「ならさっき俺が他の子と遊ぶって言った時拒否したのは何でだよ?」ニヤリ

    アニ「そ、それは・・・」
  207. 207 : : 2015/06/11(木) 10:31:36
    おもしろいっす‼期待
  208. 208 : : 2015/06/12(金) 05:53:17
    ほのぼのしますなぁ~・・・
    期待!!
  209. 209 : : 2015/06/12(金) 18:37:52
    いいね〜期待です!!
  210. 210 : : 2015/06/13(土) 21:28:38
    ーーー

    ーー



    痛む頬をさすりながら並んで歩く。

    エレン「全力で引っ叩かなくてもいいじゃんかよ・・・」

    アニ「うるさい」

    エレン「なあ、悪かったって 冗談だから」

    アニ「ふーん」

    顔をこちらに見せることはせず、ずっと街を見ている。

    エレン「・・・こっち見てくれよ」

    アニ「嫌」

    エレン「なあ!」

    肩を掴んで半ば無理やりこちらに向かせる。

    アニ「!」

    エレン「なあ・・・ほんとゴメンって・・・」

    エレン「俺・・・マジで楽しみだったから・・」

    エレン「なのにお前まだかなり告られてるしさ・・・」

    アニ「そ、それはしょうがないっていうか、どうしようもないっていうか・・」

    アニ「そ、そもそもエレンだって告白されてるじゃん!」

    エレン「つかアニはなんて言って断ってんだよ」

    アニ「え?え、えーと・・付き合ってる人がいるって・・・」

    エレン「なんで俺の名前言わねえんだよ・・・」

    アニ「い、いや、それはその・・・」

    エレン「・・・嫌なのか?」

    アニ「違っ・・!」
  211. 211 : : 2015/06/13(土) 21:48:20
    エレン「別に束縛するつもりはねえけどさ・・・それでもやっぱ嫌なんだよ」

    エレン「これからは他の奴に隙見せんな」ボソッ

    アニ「・・・!」

    アニ「ど、努力、する・・・」

    アニ「でも、エレンだって同じだからね!」

    エレン「は?俺はいいんだよ」

    アニ「何で!?」

    エレン「俺にとってアニ以外はみんな同じだから」

    エレン「そいつらに何されても心移りしねえ自信があるよ」

    アニ「ど、どーだか!」

    エレン「試してみるか?他の女子に

    アニ「ダメ!」

    エレン「それでよし」

    アニ「!」

    バコッッ!!
  212. 212 : : 2015/06/13(土) 22:08:04
    ーーー

    ーー



    アニ「ほんとサイテーな スケコマシだねアンタは!」

    エレン「本当のことしか言ってねえんだけど・・・」

    エレン「やっぱ彼女が妬いてくれるのは嬉しいもんだよなぁ」

    アニ「試すとかホンットサイテー」

    エレン「嫌いって言わないあたりアニもまんざらでも

    アニ「前に告白してくれたあの子の方が何億倍もイイ男だから!」

    エレン「な!?」

    アニ「多分エレンより先に告白してくれてたらその子と付き合ってただろうね!」

    エレン「ちょ、ちょっと待てよ!誰だよそいつ!!」

    アニ「絶対教えないから」

    アニ「あーあ何でこんな天然女たらしなんかと・・・」

    エレン「待てよ!なんかってなんだよ!なんかって!」

    アニ「そのままの意味ですけど」

    エレン「決めた 俺今日このままアニの家に上がるわ」

    アニ「は、はあ!?」

    エレン「誰なのか聞きだすまで帰らねえから いいよな」

    アニ「いいわけないでしょ!」

    エレン「なんでダメなんだよ?あ、さてはお前、そいつと今日会うとか

    アニ「私は二股かけるような軽い女じゃないから!!」

    エレン「どーだか そもそもこんな美人が今まで彼氏ゼロってのも本当か疑わしいしな」

    アニ「それを言えば現在進行形でモテてるアンタだって、ホントは何人も侍らせてたんじゃないの!?」

    エレン「ああ!?だからそんなことしてねえって言っただろ!」

    アニ「私だってエレンが初めてだから!!」

    エレン「嘘こけ!今まであんな殺し文句や煽りが無自覚だったってのか!?」

    アニ「はあ?私がいつそんなもの言ったっていうの!?」

    アニ「それにエレンだって普段私といないで他の女子といるじゃん!」

    エレン「それはアニが他の男子といるから少しでも意識させてやろうとだな!」

    アニ「ホントひどいよね!純情な乙女心を弄んでさ!!」

    エレン「だったらもう少し俺といる時笑ってくれたっていいだろうが!楽しそうにしてくれたっていいだろうが!」

    アニ「エレンといる時はいつも楽しむとか以前にドキドキしていっぱいいっぱいなんだからしょうがないでしょ!!」

    エレン「そ、そうか・・って、そんなこと言ったら俺までこれからドキドキしちまうじゃねえか!」

    アニ「そのどこか余裕があるっぽいところが気に食わないの!」
  213. 213 : : 2015/06/13(土) 22:19:09
    エレン「余裕なんてあるかってんだ!」

    エレン「男の本能くすぐってんのはどっちだってんだよ!」

    エレン「俺じゃなきゃお前とっくに無理にでも押し倒されてるんだからな!」

    アニ「押しっ・・・!」

    アニ「キ、キ、キスも出来てないんだからそんなの当然でしょ!」

    エレン「お前そういうとこだけはきっちりガードしてるからするにできねえの!」

    アニ「エレンそんな素振り見せたことないでしょ!ヘタレ!」

    エレン「ああ!?ヘタレだぁ!!?」

    アニ「そ、そうだよ」

    エレン「おま、誰のために日頃我慢してると思ってんだ!」

    アニ「我慢しろって言った覚えないし!」

    エレン「ならアレか!?今ここでしてもいいってのか!?」

    アニ「う、い、いいよ すればいいでしょ!」

    エレン「おま、い、言ったな!?するぞ!!?俺はするぞ!!?いいのか!?」

    アニ「いいって言ってるでしょ!ほら!ほーら!!」プルプル

    エレン「拳震えまくってんじゃねーか!絶対カウンター決めるつもりだろ!」

    アニ「誰が好きな相手に拳をいれるかっ!」

    エレン「今までの暴力の数々忘れたわけじゃあるめえなコラ!」

    アニ「素面でエレンが好きなんて恥ずかしくて言えるわけないでしょうが!」

    エレン「俺だって震えてるアニにキスなんてできるわけねえだろうが!!」

    ライナー「・・・二人して朽ち果てろ」
  214. 214 : : 2015/06/14(日) 07:51:52
    うらやましいな、おい(真顔
    期待!!
  215. 215 : : 2015/06/21(日) 17:10:07
    何度見ても感動します。
    アニ視点も是非書いて欲しいです!
  216. 216 : : 2015/06/28(日) 02:18:02
    面白いです!!
    アルミンはどうなったか知りたいです
  217. 217 : : 2015/06/28(日) 23:50:27
    早く続きがみたいです!
  218. 218 : : 2015/07/01(水) 20:57:55
    今まで読んだエレアニの中で1番いい・・・

    続き大大期待です
  219. 219 : : 2015/07/04(土) 21:22:59
    ーーー

    ーー



    そんなわけで連絡を取り合い、どうにか休みが重なり、かつお互い家の用事がない8月13日。

    天気は晴れ。

    こういう良い条件が揃った時は大抵あの馬面と予定がかぶる、という前例からミカサには奴との予定を確認済みだ。

    つまり、どう足掻いても邪魔は入らない。

    エレン「うし、完璧」

    身だしなみを鏡の前で何十分も確認して母親には呆れられたがこの際そんなことはどうでもいい。

    なんせアニと二人きりで出かけるのだ。もう既に心臓がバクバク鳴っている。

    定期テストよりも遥かに緊張しており、軽く吐き気を伴うほどだが、今日を逃したらもう次がいつになるかわからない以上、この機会を逃すわけにはいかないのだ。

    エレン「あ、ヤベッ!」

    時計を見れば迎えに行く約束の時間の10分前を指していた。

    行ってらっしゃいという声に片手を上げて応えてから家から飛び出した。
  220. 220 : : 2015/07/04(土) 21:33:21
    ーーー

    ーー



    アニ「遅い」

    エレン「マジか!?」

    アニ「冗談」クスッ

    エレン「やめろよ・・・焦っただろ」

    アニ「エレンイジるの楽しいから」

    エレン「サディストめ・・・」

    急いでアニの家に行くと同時にそんな会話が始まる。

    やれやれ、のっけからグダグダかと思ったと息を吐いて改めてアニを見る。

    休日や一緒に走った時はラフな格好だったり、部活の時のような服装だったりしたから出かける時の私服を見るのは初めてだ。

    エレン「よかった・・・」

    アニ「え?何が?」

    エレン「いや、ジャージとかで行くとか言い出したらどうしようかと・・・」

    アニ「失礼だねアンタ」ムスッ

    エレン「やっぱ私服姿も可愛いな」

    アニ「・・・そんなこと言われたら怒るに怒れないじゃん・・」

    アニ「エレンも、エレンの割にはいいセンスしてるね」

    エレン「・・素直にかっこいいって言っえよ」

    アニ「フン」

    アニ母「(・・・早く行かなくていいのかしら)」

  221. 221 : : 2015/07/04(土) 21:47:27
    ー映画館

    エレン「アニ確か見たい映画あるって言ってたよな?」

    アニ「え、あ、うん」

    エレン「どれだ?」

    アニ「・・・これ」

    そう言って指差したのは最近CMでゴリ押ししている恋愛モノだ。

    エレン「へぇーやっぱ乙女だな」

    アニ「やっぱってどういう意味ですかねえ?」ピキッ

    エレン「あ!お前ここでは蹴りはすんなよ!」

    アニ「は?」

    エレン「お前今日スカートだろうが」

    アニ「・・・アンタ」

    エレン「純粋に心配しただけだろうが!そんな目で見るな!」

    アニ「まあいいよ 感動できる映画らしいから見たいんだよね」

    エレン「恋愛モノで感動って悲恋のイメージがあるんだよなぁ」

    エレン「オレは悲恋って見てるこっちが辛くなって・・・

    ーーー

    ーー



    エレン「・・・すげーよかった」グスッ

    アニ「エレン感性豊か過ぎ」

    エレン「だってよ・・あの男の人マジカッケーよ・・・それに・・ダメだゴメン」グスッ

    アニ「私より感動してるじゃん」

    エレン「恋愛モノ舐めてました でもやっぱ悲恋は勘弁です」チーン

    アニ「私たちはあんな風にならないようにしたいなぁ」

    エレン「なってたまるかってんだよぉぉ・・」グスン
  222. 222 : : 2015/07/04(土) 22:10:00
    ーーー

    ーー



    エレンの感性暴走から数十分。

    街を歩くがもうお昼時だ。

    エレン「そろそろ昼飯食おうぜ」

    アニ「そうだね お腹減った」

    エレン「なんか食いたいモノある?」

    アニ「うーん・・特にこれがいいっていうのはないけど・・・」

    エレン「ファストフードはなんか寂しいしなー」

    アニ「そうだね」

    アニ「まあとりあえずこの大通りでいい店見つけたら入ろっか」

    エレン「うし じゃ、見つけたら教えろよ」

    アニ「うん」

    ーーー

    ーー



    アニ「あ」

    エレン「ん、あったか?」

    アニ「彼処に居るのって・・・」

    エレン「げ」

    エルド「あ、エレン!あれ?アニちゃんだよな?」

    エルド「こんな休日に二人でとは仲のよろしいことで・・・ってまさか」

    エルド「待て待て、ひょっとしてお前・・アニちゃんと・・・」

    エレン「ええ、あの、その通りです」

    エルド「嘘だろ・・・!?本当に俺より先に彼女見つけるとかおま、先輩のメンツ考えろや!!」

    エレン「すみません」ハハ

    エルド「誰でもいいから彼女作りたいとかの旨言ってたのによお!」

    ・・・!!!

    アニ「・・誰でもいい?」

    エレン「ばっ!エルド先輩!それはその

    エルド「アレー?なに焦ってんのかなエレン君」

    完全に面白がっている表情だが、こちらからすれば冗談では済まない。

    しかしそこは流石は幾度も告白して振られたエルド先輩。アニの表情を見てマズイと察したらしく

    エルド「ま、そんなこと言ってたけどあの時エレンはアニちゃんしか見てなかったから一発で分かったけどな〜」

    エレン「な、なにを」

    アニ「!」

    エルド「そんなワケだからアニちゃん、コイツかなり前からアニちゃんしか目に入ってなかったんだぞ」

    アニ「は、はい・・・」

    エルド「一途だねぇ〜・・・青春だねぇ・・・」

    エルド「俺だって・・・俺だって望んであんな栗野郎と夏休みにこんなとこで勉強なんかしてるわけじゃ・・

    グンタ「そうか ならお前の数学がどうなっても知らないからな」

    エルド「あ、ちょっとグンタきゅぅん!そりゃねえよ!!」

    エルド「あ、そうだエレン」

    そう言って突然耳打ちしてきた内容は

    エルド「お前の事だからアレ持ってねえだろ?」

    エレン「あ、アレとは?」

    エルド「察しろよサクランボーイ 一個100円で売ってやるぞ?」

    エレン「!!」

    エルド「ま、必要になったら夕方あたりまでこの辺にいるから声かけろよー」

    エルド「じゃあねアニちゃん 本気で嫌だったらそいつ切って俺のとこ来てもいいからな!!」

    アニ「検討します」ニッコリ

    エレン「アニちゃぁぁぁん!!?」



  223. 223 : : 2015/07/04(土) 22:35:05
    ーーー

    ーー



    アニ「・・誰でもよかったんだ」

    エレン「違うっての!大体誰でもよかったら告らねえよ!」

    アニ「なんてね 気にしてないよ」

    エレン「・・アニがなにを気にしてるのかは大体分かる」

    エレン「あの時は喧嘩してたし、そうしようと思ったことは否定できない」

    アニ「・・・」

    エレン「でもやっぱり一番は俺の中ではいつでもアニだったよ」

    エレン「だからお前はもっと自信持っていいんだぜ」

    エレン「俺の前では違う自分を作らなくっていいんだからな お前は俺の彼女で俺はお前の彼氏なんだからよ」

    アニ「・・・生意気」ペチッ

    エレン「いだっ!!」

    アニ「自分を過大評価し過ぎ」

    エレン「んだよ・・気にしてたくせに」

    アニ「気にしてないって言ったでしょ」

    エレン「心配しなくても俺にはお前しか見えてねーっての・・・」

    アニ「!」ボッ

    その頃影では

    エルド「・・うんうん、これでまた仲を深めあえたようだな」

    グンタ「お前のせいで一時崩壊しかけてただろうが」

    エルド「それが"恋の試練"って奴よ」

    グンタ「調子に乗るな」
  224. 224 : : 2015/07/06(月) 17:27:53
    エロい展開希望ですw
  225. 225 : : 2015/07/08(水) 21:25:22
    その後

    エレン「あ、彼処の店どうよ?」

    アニ「いいね あそこにしよ」

    エレン「腹減ったな〜」

    エルドさんのおふざけで関係をオジャンにされる危機をどうにか乗り越え、イタリアンレストランに入った。

    ーーー

    ーー



    エレン「なんで・・・」

    ライナー「あれ」

    エレン「あれ、じゃねえよ!」

    アニ「な、なんで男2人でこのレストランに?」

    ベルトルト「ほらーだからいったじゃん
    アニ達ならここ選ぶって」

    ライナー「流石だなベルトルト その分析力賞賛に

    エレン「値しねえよ!」

    ライナー「お言葉ですがねエレンさん、先に居たのは俺らだぞ?」

    ベルトルト「またそんな意地の悪いことを・・・」

    エレン「ぐ・・・」

    ライナー「一緒に食べようではないか」

    エレン「なんでお前と・・・・」

    ーーー

    ーー



    世の中間違っている。

    幾ら何でもデート中にこんなに知り合いに会うことがあるのだろうか。

    確かに学校から街へは遠くないということは否定しない。

    だがどうしてこんなにも行く先々で・・

    ライナー「辛気臭いツラをするな せっかくのペペロンチーノが台無しだ」

    エレン「誰のせいだと・・・」

    アニ「エレン、このピザ美味しいよ」

    エレン「いただきます」

    ベルトルト「ゴメンねエレン ライナーのせいで・・・」

    ライナー「俺のせいなのか!?」

    エレン「お前らがアニの幼なじみじゃなきゃとっくに叩き出してるわ・・・」

    アニ「それにしてもどうして2人はここに居るの?理由教えてよ」

    ライナー「俺は勉強に行き詰まったらここのペペロンチーノを食べることにしてるんだよ」

    ライナー「で、街に来たらベルトルトが居たから引っ張ってきた」

    エレン「いいのかよベルトルト」

    ベルトルト「まあ暇だったしね」

    エレン「あ、そうですか・・・」
  226. 226 : : 2015/07/14(火) 20:39:25
    ー数十分後

    ライナー「じゃ、俺はそろそろ戻るわ」

    エレン「そうか?分かった」

    ベルトルト「邪魔してゴメンね」

    エレン「・・そう思ったならすぐにでも帰ってよかったのによ」

    ライナー「何か言ったか?」

    エレン「なーんも」

    アニ「じゃあね二人とも」

    ライナー「おう、頑張れよアニ」

    アニ「・・・何を?」

    ライナー「イロイロ」

    ーーー

    ーー



    怪しげな表情のライナーをひっぱたいて追い出すようにして、二人きりの状況に持ち込んだ。

    エレン「確かにここのメシは美味いけどよ・・・」

    アニ「この街なら知り合い多いのも無理ないけどね」

    エレン「(もうちょっと遠出したほうがよかったかなぁ・・・)」

    エレン「(まあ最初なんだから長すぎて疲れさせるのもダメだしな)」

    アニ「エレン?」

    エレン「ん?ああ、ワリ ボーッとしてた」

    アニ「もう」

    ーーー

    ーー



    それからまた時計の長針が半周した頃。

    俺たちは店を出て再び街を歩く。

    エレン「あれ、そういやアニ欲しい本があるとか言ってなかったっけ」

    アニ「え?ああ、別に今日じゃなくても・・・」

    エレン「せっかくだし買っていこうぜ また来るのも面倒だろ」

    アニ「・・・エレンと私の思考回路って似てるのかな」

    エレン「なんで残念そうに言うんだよ・・・」

    アニ「残念だから」

    エレン「酷くねぇ・・・?」

    アニ「でもまあそれも事実だしね つきあってもらっていい?」

    エレン「お任せください・・・」
  227. 227 : : 2015/07/18(土) 20:53:00
    ー本屋

    エレン「・・・何これ」

    アニ「?本だけど」

    エレン「そうじゃなくてさ・・なんだってこんなに・・・」

    自分が抱える本は一つや二つでなく、予想よりもかなり多い。

    エレン「一冊じゃねえのかよ・・・」

    アニ「その、後回しにしてたらいつのまにかこんな量にね」

    エレン「お前俺よりも面倒くさがり屋だと思う」

    アニ「な、エ、エレン並みなわけないでしょ!」

    エレン「いんや、どっこいどっこいってレベルじゃねえぞこれは」

    軽口こそ叩くが、手に食い込む本の重みは相当なものだ。

    気軽に「寄ろうぜ!」とか思うんじゃなかったと後悔した頃。

    アニ「これでOK」ストッ

    エレン「な、何冊だよ合計」

    アニ「7冊 ホントゴメンね〜」

    そういうアニの顔には罪悪感が全くなさ気だ。

    エレン「お前って奴ぁよ・・・」



  228. 228 : : 2015/07/18(土) 21:04:10
    ーーー

    ーー



    エレン「なーんかお前ヒッチに似てきてねえか?」

    アニ「そんな事ないと思うけど?」

    ヒッチ「私がなんだってぇ〜?」

    アニ「!!」

    エレン「あれ、なんでこんなところに?」

    ヒッチ「質問に質問で返さないで〜
    それを聞くなら私も聞くけど」

    ヒッチ「エレンはアニの荷物持ち?」

    アニ「あ、コレは・・・」

    エレン「そ 荷物持ち」

    アニ「エレン!」

    ヒッチ「またまた〜ホントはアニとデートしてたけどなんやかんやでこうなったって感じでしょ」

    アニ「知ってるなら聞くな!」

    ヒッチ「あれ〜?冗談だったのに、まさかホントだとは」ニヤリ

    アニ「ガッ・・・」

    エレン「人が悪いな相変わらず」

    ヒッチ「恋のキューピッドになんたる言い草」

    エレン「お前も一枚噛んでたのかよ!」

    ヒッチ「あ、口がすべっちゃった」

    ヒッチ「じゃ私たちもう行くからね〜バイバーイ」

    エレン「私"たち"って・・・」

    ヒッチ「じゃ行こミーナ」

    ミーナ「お邪魔しました!」

    エレン「おま・・

    アニ「ミーナァ!!」
  229. 229 : : 2015/07/21(火) 00:55:30
    いいです!
    期待してます
  230. 230 : : 2015/07/21(火) 14:40:46
    アニ可愛い♪
    いいなー、こんな感じで恋したいなー(ToT)/~~~
    まあ、相手がいないケド(笑)
  231. 231 : : 2015/07/23(木) 11:08:39
    ーーー

    ーー



    エレン「・・・そんなムクれるなよアニ」

    アニ「フン」

    エレン「俺が荷物持ちしてんのは事実だろ?」

    アニ「それはだけど、ああいう時ってなんか違くない!?」

    エレン「あ、え・・その、ごめんなさい」

    エレン「(言い草メチャクチャじゃないすか・・・?)」

    エレン「あ、そだ アイス食っていこうぜ 腹減った」

    アニ「・・!」ピクン

    エレン「(お)」

    アニ「・・・仕方ないね イイよ」

    エレン「素直に喜べば?」クス

    アニ「うるさい」

    エレン「怒った顔もアニは可愛いから怖くねぇよ〜」

    アニ「バカにするなコラ!」

    エレン「おっと蹴られるのはゴメンだぞ
    早く行こうぜ」

    アニ「後で覚えときなよ・・・」

    エレン「ヘイヘーイ」
  232. 232 : : 2015/07/23(木) 11:24:17
    ーそんなこんなで某アイス屋

    エレン「アニ何食う?」

    アニ「じゃあチョコミントで」

    エレン「それだけでいいのか?」

    アニ「うん、十分」

    エレン「あ、ひょっとして体重を

    スパアンッッ!!

    エレン「・・・ナンデモナイデス」

    アニ「よし」

    エレン「いってーなー・・・」

    アニ「アンタはホントにデリカシーなさ過ぎ」

    エレン「お前こっちが心配になるくらい細いんだもん」

    アニ「そ・・そんなことないよ」

    エレン「あ、でも・・・」

    アニ「?」

    エレン「あ!いや、何でもない!」

    アニ「はぁ?」

    エレン「ホントうん、気にしないで!」

    エレン「(言ったら絶対引かれるっつか殺される・・・!)」

    アニ「あっそ・・そーやって隠し事するんだー」

    エレン「あ、いや、だから

    アニ「私の繊細な乙女心が傷つくなぁ」

    エレン「ガッ・・そ、そのだな」

    アニ「いいよ嫌なら言わなくても」

    エレン「だ、だから!に、肉付きいいところはいいな、って思ったワケで」

    今日1日で最も大きい張り手の音が響き渡った。

    ーーー

    ーー



    アニ「アンタ・・・」

    エレン「オメーが言えって言ったんだろうが!!」

    エレン「言ったことに嘘偽りはありません!むしろ自分を誇ってるくらいです!」

    アニ「変態」

    エレン「あー!なら俺も言いたいことあるぞコラ!」

    アニ「な、何?」

    エレン「お前な、寝てる時無防備すぎるんだからな!」

    アニ「は、はあ!?アンタまさか夜這

    エレン「ちっげーよ!まえ勉強教えてもらった時にだな!」

    アニ「何許可もなく女子の部屋に入り込んでるの!?」

    エレン「ば、誤解を招く言い方やめろ!お前の母さんに頼まれて起こしにいったんだよ!」

    エレン「その時にワザとかと思うくらい腰だの尻だの見せてきやがって!」

    アニ「な、な・・・なにを・・」カァッ

    エレン「そういや文化祭の時も寝ぼけて俺の前で制服脱ぎ始めたし!」

    アニ「分かった!私が悪かったから!」

    エレン「それに

    アニ「もうやめてぇぇ!!」
  233. 233 : : 2015/07/25(土) 14:29:11
    お疲れ様です✨
  234. 234 : : 2015/07/26(日) 19:01:33
    できればエロ希望です!
  235. 235 : : 2015/07/27(月) 00:45:25
    アニ...w
    頑張ってくだしあ!
  236. 236 : : 2015/07/29(水) 20:47:09
    ーーー

    ーー



    アニ「もうお嫁にいけない・・・」

    エレン「何でだよ」

    アニ「よりによってエレンの前で服を脱ぐなんて・・・・」

    エレン「そんな汚物的扱い!?」

    エレン「ん?いやいや待てよ」

    エレン「それってつまり俺の嫁になるってことか?」

    アニ「あんたの頭はなんでそんなおめでたいの!!」

    エレン「あれ?遠回しな逆プロポーズだと

    アニ「違・・・うよ」

    エレン「あれー?迷いがあるぞ?ひょっとしてガチで?」

    アニ「フンッ!」

    エレン「いつでも貰ってやるぞ〜」

    アニ「遊び人が!」

    エレン「なんとでも言ってくれい もうプロポーズされちゃったもんねー」

    アニ「変態エロ本隠し魔」

    エレン「それは酷くね!?」

    アニ「助けてーこの男に襲われるー」

    エレン「おいバカ!やめろ!」

    クリスタ「あ!アニー!」

    アニ「あ、クリスタ」

    クリスタ「あれ?エレンもいるー
    デート?」

    アニ「助けてクリスタ エレンに襲われかけた」

    クリスタ「ええ!?」

    エレン「おいてめ・・・クリスタ、冗談だからな!?」

    アニ「あんなこと言って・・」

    クリスタ「・・・何を言ったの?」

    アニ「私が人前で服を脱ぐ軽い女だって」

    エレン「事実だろうが!」

    クリスタ「エレン・・・」

    エレン「語弊のある言い方をやめろ!」

    アニ「仕返し」ボソッ

    エレン「この策士めが・・・!」
  237. 237 : : 2015/08/04(火) 15:30:49
    http://www.ssnote.net/archives/37835#top

    まだ中途半端ですが↑続編です!
  238. 238 : : 2015/08/19(水) 09:39:34
    読ませてもらいました。
    小説みたいで、でもssの読みやすさもあってとても面白かったです。
  239. 239 : : 2015/09/22(火) 10:01:31
    読み返させてもらいました。
    何度読んでも、面白いSSです。
  240. 240 : : 2015/12/26(土) 13:24:27
    エレアニジャスティスさんの作品最高です!
    何度も読んでニヤニヤしました。(笑)

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monhanhityan

エレアニジャスティス

@monhanhityan

この作品はシリーズ作品です

エレアニ(高校現パロ) シリーズ

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