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『魔族の国の、国王になっていただけませんか?』〜第3話〜

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  1. 1 : : 2014/11/13(木) 15:12:58
    『魔族の国の、国王になっていただけませんか?』第3話です


    祝!1話、2話同時ピックアップ!(ステマ)

    第1話
    http://www.ssnote.net/archives/26346
    第2話
    http://www.ssnote.net/archives/26855


    ではでは
  2. 2 : : 2014/11/14(金) 14:44:55
    ──────────────
    ──────────




    右手には短剣を持ち


    左手には蒼白い雷をまとわせる。


    このように手にまとわせると、

    瞬時に雷撃を出せるようになると堕神が言っていた。



    だが…


    これは雷撃を主に使うときのやり方


    まだ雷撃は
    意のままに操作できるわけではない。


    けれど
    毒で触れることすらできない以上、


    この短剣の間合いでは接近できない。


    雷撃で上手く仕留めるか


    あるいは……



    「はぁ……!はぁ…!」



    そう考えながらも、
    大木が生い茂る森の中を走る。



    「キュァァァァ!!!」



    あの湖に潜んでいたドラゴン、


    ギーヴルは
    木々をなぎ倒しながらしつこく彼を追いかける。



    「…くらえっ!」



    左手から一筋の雷撃を放つ。


    だが、
    それは右横に飛び

    短剣の小さな金属の装飾に当たって火花が散る。



    「…!!」


    「…っくそ……まっすぐ行けよ!!」



    少し苛立ちながらも、もう一発放つ。


    今度はまっすぐにギーヴルへと向かって行き、直撃する。


    だが



    「…ウソだろ?」



    ギーヴルは


    無傷


    嫌がるようなそぶりすら無い。



    そのとき
    ギーヴルの後方で雷撃が炸裂する音がした。
  3. 3 : : 2014/11/14(金) 14:46:31

    「……?」



    自分の雷撃が逸れた…?



    違う…


    皮膚の毒液が
    電流を逃がしているのか…?


    それなら…


    隙を作り出すことさえできれば…



    そう考えながらまた走る。



    「…うぉっ!?」



    そのとき
    何か固いものを踏み、前のめりに転びかける。


    よく見ると

    茶色く、楕円形の物体が地面に複数転がっている。


    人間界でもよく見た…



    「……ってことは!!」



    そう言って、上を見上げる。



    「……やっぱり…」



    そうニヤリと笑う。



    「…よしっ!」



    …全部……整った



    まずは…
  4. 4 : : 2014/11/14(金) 14:46:53

    「…ゥグァァァ!!」



    そう考えている最中に


    ギーヴルが仕掛けて来る。



    尻尾を弧を描くようになぎ払い、

    木々を倒しながら襲いかかる。



    「…っっ!!」



    これは飛び退いて回避する。



    「ゴァッ!」



    続けてギーヴルは毒液を吐く


    これも横に飛び、回避。




    ギーヴルは、
    獲物を仕留めようとこちらに来る。




    《今ダ》




    ギーヴルがなぎ倒した木々の上に乗った時、


    その倒された木に向かって、
    拡散させるように雷撃を放つ。
  5. 5 : : 2014/11/14(金) 14:47:34

    ────────────────


    ″マツの木″



    針葉樹の中では最も広い天然分布の範囲を持ち

    温度の変化にも強く

    10mから40m程の高さの樹木である。


    その種子を大量に蓄える『松かさ』

    通称『松ぼっくり』は、

    ″松脂″という油分を含み

    さらに燃えやすい形状のため、


    『天然の着火剤』


    とも言われる。


    当然、
    その樹木にも″松脂″が大量に含まれ

    薪としての性能が高い

    よって、着火すると大変…



    ″よく燃える″

    ──────────────────
  6. 6 : : 2014/11/14(金) 14:48:00

    先ほど踏んだ物体は、その″松ぼっくり″


    つまりその近くの木はマツの木だ。




    倒されたマツの木には

    まだ大量の松かさが着いている



    そこに雷撃の火種を加えれば…



    「…一瞬で燃え上がる!!」



    ギーヴルの桃色の身体が、一瞬で赤い炎に包まれる。



    「ギュルァァァァァ!!!」



    ギーヴルは苦悶の表情を浮かべ、大きく叫ぶ。



    「…まだまだっ!!」



    手に持っていた短刀を、
    遠くからギーヴルの口へ放り込む。


    そして

    ギーヴルが、口の中へ入った異物に気付いた瞬間…



    「…喰らえっっっ!!」



    最大出力の雷撃をギーヴルへ放つ。
  7. 7 : : 2014/11/14(金) 14:49:00

    ギーヴルの顔へ向かって飛んだ雷撃は


    短刀の金属の装飾に引き寄せられ、

    口の中で炸裂する。



    「ゥグァァァァァ!!!」



    身体の内側から雷撃に焼かれ、

    ギーヴルはさらに大きく叫ぶ。



    「…っ……まだだっ…!!」



    雷撃をギーヴルに流し続ける。


    だが、まだ倒れない



    まだか…



    まだなのか…




    早く…



    倒れてくれ…





    そのとき、急に雷撃が止まった。



    「…!?」



    もう一度雷撃を放とうとしても…



    出ない



    「なんでだよ!?」



    ふと一つの単語が頭をよぎる




    ″魔力切れ″



    なんで…



    「…なんで今なんだよっ!」
  8. 8 : : 2014/11/14(金) 14:49:32

    ふとギーヴルを見る

    目線を上げると、眼前に毒液が迫っていた。



    雷撃が出ないことに気を取られて


    完全に…



    「っっくそッ!!」



    避けるために飛び退く


    しかし、それでは足りず


    右足に毒液がかかってしまった。



    毒液がかかった所に激痛が走る。




    「…うぁぁぁあああああ!!!!」



    もはや叫ぶしかなかった。


    無数のドリルで肉をえぐられるような痛み


    それがジワジワと這い上がって来る。


    足の先にだけかかった筈が


    太ももの辺りまで痛み出す。




    このまま痛みで叫びながら……


    死ぬのだろうか……


    まだ…


    オレは…



    「オ…レ………がっ…!」


  9. 9 : : 2014/11/14(金) 14:49:57



    「解毒魔法Ⅲ…!!」



    遠くで声が聞こえた


    綺麗で澄んだ声。



    そのとき

    腰まで来ていた痛みが、嘘のように消えた。



    「…大丈夫ですか?陛下」



    そう助けに来てくれた女性が言う


    捜索隊の指揮を任されていた女性だ。



    「…大丈夫だ」



    ギーヴルは、
    最期の力を振り絞って攻撃をしていたのか

    黒い煙を吐きながら倒れていた。




    彼女は手を出し
    それを空を掴むかのように握る。

    すると、
    燃え盛る炎が一瞬で消えた
  10. 10 : : 2014/11/14(金) 14:50:22

    「…捜索隊が女王陛下の保護に向かいました…」


    「もう…大丈夫です……陛下」


    「あぁ…」



    その時、異変に気づく。



    「……目が…白い」



    城を出るときには黒かったはずだ…



    「…?どうかなされましたか…?」


    「…いや、なんでもない……みんなのところに案内してくれるか…?」


    「…はい」





    ……。



    堕神が絶大な信頼を起き、


    自分の専属の料理人


    捜索隊の指揮までするこの女性…


    いったい…




    「やっぱり、一つだけいいか…?」


    「なんでしょう?」


    「…君が…いったい何者か……教えてくれないか…?」
  11. 11 : : 2014/11/14(金) 14:51:01



    一瞬
    彼女が悲しそうな顔をした気がした。



    「それは……陛下のご命令でしょうか…?」


    「いや、そういう訳ではないんだけど…」


    「…」



    彼女は少し黙り込む



    「私は…」


    「…私は元は神でした…いわば、堕ちた女神です」


    「…え?」


    「神に背き、魔界に堕ちて来た身です…」



    そういうことか…


    あいつと同じ……



    だから…




    ──────────────
    ──────────
  12. 12 : : 2014/11/14(金) 18:05:06


    帰路は何事もなく、城へ帰ってくることができた。


    一旦、汗や返り血を流すために風呂へ入ることにした




    女王達は一度城に戻り、


    そして、我が軍の優秀な護衛を付けてから帰らせる。


    と、堕神が言っていた


    それならきっと安心だろう。



    そう思いながら、

    心地よい湯の中で足を伸ばす。



    「…疲れた……」



    慣れない戦闘


    勝てたのは奇跡だ。


    毒液が当たった右足には、
    まるで火傷でただれたかのような痕がついている。


    それをなぞるように撫でる


    痛みは全く無い。


    あの時は本当に死ぬかと思った…



    死にかけた所を、彼女が助けてくれたんだよな…

  13. 13 : : 2014/11/14(金) 18:05:34

    「後で…ちゃんとお礼言わなくちゃな」



    そう言ったとき

    ふわり
    と、上品なバラの匂いが香る。




    ──────────────
    ──────────
  14. 14 : : 2014/11/14(金) 18:06:18



    浴場を出て、自室でくつろぐ。


    疲れたのか、猛烈な眠気がおそってくる。


    眠気に逆らうか、逆らうまいか

    うとうとしながら考えていたとき、



    ドアをノックする音と、堕神の声が耳に入る。


    「陛下。入ってもよろしいでしょうか?」


    「ん…入れ……」



    眠気を含んだ声でそう言う。



    「失礼します…夕食はどういたしましょうか?」


    「何か…簡単なものでいいよ……」



    あんなことがあったにも関わらず、

    今はあまり食欲が無かった。



    「…承知しました……では」


    「あ、そうだ…」



    そう言って、堕神を呼び止める。



    「女王陛下の側近と護衛の人達を大浴場に案内してあげてくれ…」


    「了解しました…夕食はお持ちしましょうか?」


    「うん…助かる…」



    結局、
    そのまま夕食を食べずに、

    眠りについてしまった。




    ──────────────
    ──────────
  15. 15 : : 2014/11/14(金) 18:06:56

    翌朝



    寝起きの身体を無理矢理起こし、


    図書館へ向かう。


    少し調べたいことがあった。



    その途中で
    あの女性…堕ちた女神に会う。



    「おはよ…」



    そう声をかけるが、返事はない。



    「…昨日は……ありがとな」


    「…」



    少し口角を上げた気もしたが、


    やはり何も話してくれなかった。



    そうしてすれ違い、どこかへ行ってしまった。



    「…目……黒かったな…」



    今の彼女の目は、

    堕神と同じように黒かった。



    何故か


    目が黒いときは
    一言も話してくれていないような気がするが…



    「……なんでだ…?」



    そう考えながらも、図書館へと向かう。



    ──────────────
    ──────────
  16. 16 : : 2014/11/14(金) 18:07:46

    案の定

    物理法則を完全無視した形状をしている本棚から、ある本を探す。



    「数が多過ぎる……どこにあるんだよ…」



    目眩がしそうな量の本から、目的の本を探すのは骨が折れる。



    「なんかさ……この本出ろ!って言ったら出てくるとか無いのかよ…」


    「…やってみるか……」



    そう思い、ダメ元で実行してみる。



    「…この国に関する本……出ろっ!!」



    すると、

    目の前にいくつもの本が現れる。



    「…うぉっ!?」


    「……ホントになった…」


    「え…っと……この辺りにいる魔物に関する本を…」



    「…勤勉なんですね……」



    ふいに後ろから声がかかる


    隣国の女王だ。



    「あ…どうも」


    「…こんなにたくさんお読みになるのですか?」



    目の前にある本の山に、彼女は驚きの声を上げる。



    「いや…そういうわけでは…」


    「…?」


    「…と…とりあえず座りますか!立ち話も何ですし……」


    「あ…はい!」



    そう言って、近くのソファに腰掛ける。

    どうやら本を読むスペースのようだ


    彼女は、自分の向かい側のソファに腰掛ける。
  17. 17 : : 2014/11/14(金) 18:08:20

    座ってしばらく本に目を通した時、


    彼女が話しかけて来た。



    「今日は…本当にありがとうございました……」


    「…あ、いえ……」


    「…約束したじゃないですか」



    そう言いながら、少しはにかむ。



    「それで…一つ、質問がございまして…」


    「はい?」


    「何故…陛下は……人間であるにも関わらず、国王をなさっているのですか…?」


    「…なぜ……か…」



    少し考え込む。



    …なんでなのだろう


    深く考えたこともなかった。


    堕神に上手く丸め込まれ、
    乗せられてなった気もしないでもないが


    でもなぜ了承した…?


    前の自分を捨てたかったから…?


    それも確かにあった。


    …だが本当にそれだけ……?



    「オレも…よくわからないんだ…」


    「……?」


    「何故決めたのかはわからないけれど……」



    ここで言葉に詰まる


    何と言っていいのかわからない。



    「……昔の話をしてもいいですか?」


    「…え?」



    突然話が変わり、彼女は困惑していた。



    「…い、いいですよ?」


    「ありがとうございます…」



    一呼吸起き、話し始める。


    「小さい頃…オレは……」




    ──────────────
    ──────────
  18. 18 : : 2014/11/14(金) 18:09:11


    小さい頃、

    まだ産まれて間も無い頃


    自分は父親を亡くした。

    事故死だった。


    多くの借金を残して。



    その後

    母親が女手一つで自分を育ててくれていた。


    が、

    仕事に家事、父親が残していった借金の返済に追われ

    ろくに寝てもいなかった。


    それでも、
    母親は弱音を吐くところなど見せず


    自分が心配しないようにと、ひたすら働いていた。



    だが
    高校生になったとき、

    母親が亡くなった。


    過労死だった。



    自分の祖父母は、

    両親共に遅く出来た子だったらしく、既に他界


    親戚にたらい回しにされ、


    結局は1人で暮らし始めた。


    高校2年の時だった。



    家事は、

    母親の手伝いもしていたからなんとかなった。


    勉強もそこそこできる。


    なんとか暮らして行けると思っていた。


    学校のみんなも、自分を心配してくれていた。
  19. 19 : : 2014/11/14(金) 18:09:36

    だが、
    自分はその優しさを、上手く受け取ることができなかった。


    優しさは有難いけれど、周りに迷惑をかけたくなかったし、

    周りに頼ってばかりでは駄目だ
    と思っていた。




    当然



    誰も
    自分のことなんか相手にしてくれなくなっていた。


    『親切な心を台無しにするサイテーな奴。』

    とでも思われたのだろうか。



    その時にやっと気付いたんだ



    みんなに、凄く失礼な事をしていた


    自分は本当に1人になってしまった。

    と。


    今更気付いても遅かった。


    後は…


    もう思い出したくは無い…。



    ──────────────
    ──────────
  20. 20 : : 2014/11/14(金) 18:10:02
    「…」



    少し空気が重くなっていることに気付く。



    「…あ、すいません!どうも自分の事を話すと暗くなって……」


    「いえ…大変だったのですね…」


    「…すいません……」


    そう言って、話を続ける


    「オレは…そんな現実から……」


    「逃げたかっただけなのかもしれない…」



    人類を救う。


    などと言っておいて…


    自分は…

    人間が嫌いだったのかもしれないな…



    ──────────────
    ──────────
  21. 21 : : 2014/11/14(金) 18:10:24


    その日の夜


    既に隣国の女王達は、国への帰路に着き


    城内には静けさが戻る。


    そんな廊下を歩き、自室のドアまで辿り着く。



    重厚なドアを開け

    自室へと入る。



    そのままベッドに横たわり

    天窓から覗く空を眺めていた。


    魔界にも、星はあるようだ。


    それぞれが、それぞれを主張するように

    キラキラと瞬いている。



    そうしていると

    小気味良く、ドアをノックする音が響く。



    「入っていいですね?」



    堕神の声だ。



    「その言い方だと拒否権が無いみたいじゃないか…」


    「そうですか?」



    まだ許可はしてないが、彼は入って来た。


    やっぱり無いんじゃないか。
  22. 22 : : 2014/11/14(金) 18:11:10

    「今日は……陛下にお話がございまして…」



    サイドテーブルのそばの小さな椅子に腰を下ろし、話し始める。


    彼の声のトーンが、少し低く切り替わった



    「…?」


    「率直に申し上げます」


    「昨日…陛下の行動を目にして……決めました」


    「…何を……?」


    「あなたこそ相応しいと…」


    「…?」
  23. 23 : : 2014/11/14(金) 18:11:39


    「これをするために私は、あなたをこの国の国王にしました…」


    「……だから…何の話…」



    「…私は……」











    「あなたに……全てを統べる…神になって頂きたい」








    「…これこそが……人類を救うための…術です」





    「……は?」


  24. 24 : : 2014/11/14(金) 18:11:54

    〜第3話 end〜
  25. 25 : : 2014/11/24(月) 23:22:30
    神になる・・・?

    続きも期待!
  26. 26 : : 2014/11/26(水) 19:49:27
    >>25
    ありがとうございます!

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著者情報
yu3012

Naran@進撃のエレアニ

@yu3012

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