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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

風の思い出

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  1. 1 : : 2014/09/14(日) 17:04:29
    もと変わらない日常、穏やかな時間…。
    何時もと同じ朝、それでも心の奥底で違和感を感じる。

    (ナニカタリナイ…ダイジナコトナノニ…オモイダセナイ…?…)



    「ほら、ほらっ!いつまで寝てるの?起きて食事にしよう!!」

    勢い良く布団をめくり顔を覗き込む。

    「う~…もう少し寝かせてよ姉さん…」

    「ダメだよぉ~?エレン、今日は博物館行く約束だろう?(((・・;)さあ!起きた、起きたぁッ!」

    エレン「…分かりました!起きれば良いんでしょ?」

    エレンは身体を起こすと大きく背伸びしてハンジに挨拶する。

    エレン「おはよう、朝からテンション高過ぎでしょ…」

    ハンジ「そうかなぁ?いつもこんな感じだろ?その前に朝ごはん食べよっ」

    眼鏡を外しエレンの顔を覗き込むハンジ。
    彼女はエレンの姉なのだが如何せんどんな時もテンションMAXでエレンはいつもそのテンションに引っ張り回されている。

    (黙ってたら良い女なのに、モッタイナイな…)

    ハンジ「どうしたの?悩み事でも有るのかなぁ??御姉さん相談に乗っちゃうよ♪」

    子供のように瞳を輝かせ興奮した様子のハンジのおでこをグイッと押し返す。

    エレン「いい加減にしてくれよ姉さん」

    ハンジ「え~良いじゃんっ教えてくれたら解決法も探せるし、一人で考えるより良いと思うんだけどな?」

    エレン「…そのうちね?」

    ハンジの横をするりと抜け出しTシャツを脱ぐ。
    主の抜けたベッドに腰掛けエレンを見るハンジ

    エレン「…ハンジ姉さん…何時まで見てんの?おれ着替えたいんだけど(-_-;)」

    ハンジ「あぁ、気にしないでどうぞ
  2. 2 : : 2014/09/14(日) 17:30:29
    エレン「…怒」

    ハンジ「やだなぁ~(^^)そんな怒んなくて良いじゃん?すぐ退散しますよ、早くおいでね♪」

    背中越しにヒラヒラと手を振り、部屋を後にした。

    エレン「…ったく…あれがなきゃモテるだろうに…」

    ため息をつき着替えを済ませるとハンジが待つリビングへ向かった。



    パンの焼けた香りと珈琲の香りがリビングに広がっている

    エレン「良い匂いだね」

    ハンジ「エレンは珈琲?紅茶どっちが良い?」

    エレン「ん~…じゃぁ紅茶にしようかな」

    ハンジ「OK!旨い茶葉を貰ってさぁ~絶対エレンも気に入る筈だよ♪」

    (コポコポコポ…)

    紅茶の甘い香りが尾行をくすぐる

    エレン「めちゃくちゃ良い香りだ…?………あれ?……?」

    ハンジ「どうしたの?エレン」

    エレン「今…何か…思い出した…?…なんだろ?…」
  3. 3 : : 2014/09/14(日) 19:56:47
    エレンの様子にハンジは冷静に声をかける

    ハンジ「落ち着いて、何を思い出したの?」

    エレン「紅茶の香り嗅いだ時…何か…思い出したような…こう…胸が切なくなって…」

    ハンジ「そうか…思いだしかけてるんだね…」

    エレン「え?…何の事?」

    ハンジ「…いや…何でもないよエレン今思い出せないって事は、まだその時じゃ無いってことだよ」

    エレン「そうかな…」

    ハンジ「そうだよ♪とりあえず朝食食べて外に出掛けよう!」

    明るいハンジの言葉にエレンも頷いてトーストを手に取る。

    エレン「姉さんの言う通り、今考えても仕方無いな」

    ハンジ「うん、そうだよ、あ、ほら紅茶冷めるから飲んで見て?」



  4. 4 : : 2014/09/14(日) 20:15:03
    期待です!!
    ハンジさんはしゃべらなければモテるのに…
  5. 5 : : 2014/09/14(日) 21:19:55
    期待です!!
    げんきが一番!!
  6. 6 : : 2014/09/14(日) 22:36:10
    朝食を食べ終え、食器をキッチンへ運びながら

    エレン「ごちそうさんッ!はぁ~美味かった姉さん、この紅茶本当に美味いね」

    ハンジ「だろっかなり美味いよねぇ~エレンなら絶対気に入るとおもった♪あ.そうだ、今日の博物館、一緒に行くやつがいるんだけど構わないよね?」

    エレン「姉さんの知り合い?」

    ハンジ「そっ!古い友人でさこの紅茶くれたのも彼なんだ」

    エレン「彼って…男?あ!姉さん彼氏いたんだ!(^o^)」

    ハンジ「おろっ?違う、違う!あくまでも友人!腐れ縁とも言うね♪」

    エレン「なぁ~んだ違うのか…少しは女らしく成るかと思ったのにナ」

    いたずらっぽい笑顔で話すエレンにハンジは拳を握りエレンの頭を軽くこずく。

    ハンジ「あれあれぇ~♪そんな事言って良いのかなぁ~?こぉーんな綺麗な御姉様に向かって生意気だぞ」

    エレン「いてッ!痛いよ!ごめんっもう言わないから!」

    ハンジ「解れば宜しい!(^^)b」

    (ピンポン…)

    二人がジャレ合っていると玄関のチャイムがなる。

    エレン「誰か来たみたいだね、おれ行ってくるわ!」

    ハンジ「あっ!こらエレン逃げるなっ!」

    エレン「はい、どちら様ですか?」

    (カチャ…)

    玄関のドアを開ける。
    ドアの前に立っている人物と目が合う。

    (コノヒトヲシッテイル…)

    その人物もエレンを知っているのか驚きの表情を浮かべエレンを見つめる
    その人物に見つめられ鼓動が速まるのを感じてあわてて声をかけるエレン

    エレン「…あ…あの…どちら様ですか?…」

    「あぁ、すまないハンジはいるか?」

    エレン「姉のお知り合いで?」

    「あぁリヴァイが来たと言ってくれればわかる…お前は…ハンジの弟か名前は?…」

    エレン「はい、エレンです…あのっ今姉を呼んできますんでっ」

    「おっ、おい!」

    呼び止めるリヴァイの声を無視して
    バタバタとリビングに走り込みハンジを呼ぶ

    エレン「姉さんッ!今姉さんの知り合いの人が来てるっ」

    ハンジ「!?なにっどうしたのさ?」

    エレン「…リヴァイって人が来てるよ!」

    ハンジ「リヴァイ来たんだ♪相変わらず時間に正確だねぇ~」

    息の上がったエレンを横目にハンジは玄関に向かう。
  7. 7 : : 2014/09/14(日) 23:36:30
    エレンをリビングに残しそう玄関に行くとリヴァイが頭を掻きながら立ち尽くしている

    ハンジ「やぁ!リヴァイ~♪相変わらずの正確さだね?時間に正確なのは昔からだけど(。^。^。)」

    リヴァイ「…おい.ハンジ…エレンが居るのは聞いてねぇんだが…どういう事か説明してもらおうか…(怒」

    ハンジの襟首を掴み、怒りの籠った眼差しを向ける

    ハンジ「おぉ~おっかねえなぁ♪せっかく平和な時代に転生したのに、又眉間に皺が寄ってるよ?」

    リヴァイ「誰のせいだと思ってやがる…」

    ハンジ「怒んないで聞いて?エレンはまだ前世の記憶が戻って無い…私はエレンに幸せになって欲しいだけだよ…あれだけ残酷で過酷な人生を過ごして来たんだ…その権利は持っているだろ?…私の弟として転生してきたのも意味があるって思ったんだ」

    リヴァイ「…」

    ハンジの襟首を放す

  8. 8 : : 2014/09/15(月) 07:05:12
    リヴァイ「お前…」

    ハンジ「ねぇ…リヴァイ…『家族』として、『姉』としてエレンを支えて来た…あの子がどれ程の苦渋を味わったのか知っているからね…君を失ったあの時、あの子がどれほど傷付いたか…知らないだろ?………せっかく二人とも同じ時代、同じ空間に転生出来たんだし、私は二人には幸せになって欲しい」

    いつになく真剣な顔で話すハンジ

    ハンジ「だから君を呼んだんだ」

    リヴァイ「ハンジ…」

    リヴァイ「なんだい?」

    リヴァイ「…お前なりに色々考えていたんだな…」

    ハンジ「クスッ…今頃解ったの?私は色々考えて調べあげる『分体長』様
    だよん♪」

    おちゃらけて応えるハンジ
    リビングからエレンがハンジを呼ぶ

    エレン「姉さん、中に入って貰えば?…玄関で立ち話はあんまりだろ?」

    ハンジ「…だってさ♪」

    ハンジはリヴァイの顔を覗きにこっこり微笑みリヴァイを中へ誘う。

    ハンジ「さぁ、どうぞ♪」

    リヴァイ「…あぁ」


    少しだけ複雑な思いを胸にリヴァイは誘いを受けて家の中へと足を進めた。
  9. 9 : : 2014/09/15(月) 09:09:57
    リビングにて

    ハンジ「エレン紹介するよ~♪彼は『リヴァイ』私の友人だよ」

    エレン「あ…初めまして…弟のエレンです…」

    ペコッと頭を下げる

    リヴァイ「玄関で会っただろ…宜しくな?エレン…」

    涼しげな眼差しでエレンに話し掛けるリヴァイ

    エレン「はい、リヴァイ…さんで良いですか?…」

    リヴァイ「あぁ」

    二人のきごちないやり取りを黙って聞いていたハンジが焦れたように口を開く。

    ハンジ「エレン、さっき飲んだ紅茶は彼から貰ったんだよ♪」

    エレン「!あのっあの紅茶すごく美味しかったです、有り難う御座いました!」

    ハンジ「リヴァイの紅茶、エレンスッゴい気に入ったみたいだよ♪」

    リヴァイ「そうか…なら違う茶葉が有るからまたハンジに持たせよう」

    ハンジ「ラッキーぃ~♪リヴァイの選ぶ紅茶はマジ美味いから、頼むよ♪」

    リヴァイ「…」

    ハンジのテンションに呆れたように溜め息を付く

    ハンジ「そうだエレン、紅茶リヴァイの分淹れて上げてくんない?エレンの淹れる方が美味いからさぁ~♪」

    エレン「?分かった、淹れてくる」

    エレンの後ろ姿を懐かしそうに見つめるリヴァイ

    ハンジ「…変わらないだろ?ああしていると兵団に居るみたいだ…」

    リヴァイ「そうだな…」

    ハンジ「早く君の事思い出してくれると良いね…」

    リヴァイ「…」

    (カチャ…)

    ティーカップをおずおずとリヴァイの前に差し出すエレン

    エレン「どうぞ…」

    リヴァイ「…有り難う」

    紅茶を口にするリヴァイの反応を見守るハンジとエレン

    リヴァイ「…悪くない」

    ハンジ「よかったねエレン♪リヴァイが誉めるなんてなかなか無いんだよ♪」

    エレン「!良ければお代わりありますよ?」

    なつっこい笑顔をリヴァイに見せる

    リヴァイ「ん…頼む」

    エレン「はい」

    ティーポットを取りにキッチンへ戻るエレン

    ハンジ「やっぱり、記憶がなくてもリヴァイに誉められると嬉しいみたいだね~」

    リヴァイ「たまたまだろ?」

    ハンジ「さぁ?どうかな」

    リヴァイ「?」

    意味有り気に笑うハンジ

    ハンジ「紅茶を飲んだらそろそろ行こうか?エルヴィンが待ってるだろうからさ♪」

    リヴァイ「そうだな」




    雑談の後エレンの淹れた紅茶を飲み干すと三人は博物館に行くために部屋を出た。

  10. 10 : : 2014/09/15(月) 10:24:22
    ハンジは博物館で働いている
    色々な展示物を調べて報告書を作成したり、時には海外の博物館に出向いて自国での展示するために交渉したりもする。
    探求心の強いハンジにはピッタリの仕事だろう。

    ハンジ「いやぁ~良い天気だね♪暑くも無く寒くも無いって最高ォだぁ~♪」

    エレン「姉さんッ!家じゃ無いんだから少しはテンション抑えろよ!」

    ハンジ「悪い悪い~こんだけ天気良いとウズウズしちゃうんだよね♪」

    エレンの話しもろくに聞かず、ずんずん先に行くハンジ

    リヴァイ「…家でもこのテンションのままか?」

    エレン「え?あ、はいそうですね…いつもあんな感じです」

    肩をすくめて見せるエレン

    リヴァイ「苦労が絶えないな」

    エレンの頭をポンっと撫でるリヴァイ

    エレン「!」

    リヴァイ「どうした?」

    エレン「いえ…なんか前にも…こんな事が…合ったような…」

    エレン「おれ…リヴァイさんに会うの初めてですよね?…なのに…おれ…あなたを知ってる気がして」

    リヴァイ「気のせいだろう…」

    もう一度エレンの頭を撫でると先に歩き出す

    その場に立ち尽くすエレンは自分に触れたリヴァイの手の感覚に戸惑いを隠せない。

    (オモイダセナイ…コノキモチハナニ?…)

    ハンジ「エレン?何してるのさ?何かあるの??」

    エレン「姉さんッ!リヴァイさんに会ったのは今日が初めてだよな」
  11. 11 : : 2014/09/15(月) 15:33:23
    エレンの問いかけに目を丸くするハンジ

    エレン「姉さん?」

    ハンジ「ん…初めてだけど、初めてじぁあ無いんだよ」

    エレン「はぁ??意味解んないよ?どういう事さ?」

    ハンジは頭を掻きながらしばらく考えエレンに応える。

    ハンジ「エレン…とりあえず博物館に行こうか…その方が説明しやすい」

    いつになく真面目に応えるハンジにエレンは従う

    エレン「分かった…でも、ついたらちゃんと説明してくれよ?」

    ハンジ「もちろん、きちんと話すよ 私はいつでもエレンには答えてるでしょ?」

    エレン「まぁそうだけど…」

    少し離れた場所から二人を見ていたリヴァイが声を掛ける

    リヴァイ「何かあったのか?」

    エレン「いえッ!何でもないですリヴァイさんは気にしないで」


  12. 12 : : 2014/09/15(月) 22:25:06
    ハンジ「大丈夫だよ、エレンは先に博物館に行っててくれるかな?エルヴィンが会いたがっていたからさぁ(^^)」

    エレン「え?姉さん達は?」

    ハンジがリヴァイのジャケットの裾を引っ張り目配せする

    リヴァイ「…すぐに追い付く、頼まれた買い物を忘れたそうだ」

    ハンジ「そう、そうなんだよ!ごめんよエレンすぐに行くからエルヴィンに伝えておいてね?」

    エレン「なんで今頃思い出すかな?…エルヴィンさんに伝えておくから早く来てよね?…リヴァイさん姉が迷惑掛けてすいません!」

    リヴァイに深々と頭を下げて謝る

    リヴァイ「いや…気にしなくていい…こいつがヘマすんのはいつもの事だからな」

    ガシッとハンジの肩を捕まえてエレンに応える

    ハンジ「マジごめんよ~」

    しばしの沈黙

    エレン「もういいよ…先行くね?」

    リヴァイ「気を付けていけよ…」

    エレン「はい!姉をお願いします」

    リヴァイにもう一度頭を下げて歩き出すエレン
    その背中を見送りハンジを睨むリヴァイ

    リヴァイ「ハンジ…一体何のつもりだ…あ"?納得いく説明してもらおうか…」

    ハンジ「エレン…君の事思い出してる」

    リヴァイ「は?」

    ハンジ「具体的にじゃ無いけど、博物館に着いたらエレンに話して見ようと思うんだ」

    リヴァイ「…知らないほうがあいつは良いんじゃねぇのか…辛い記憶だからな」

    ハンジ「でも、それでリヴァイは良いの?…」

    リヴァイ「どんな形にしろ、俺は又エレンに逢えた…それでいい…」

    ハンジ「リヴァイ…」

    リヴァイ「お前には感謝してる…エレンに会わせてくれた…」

    ハンジ「私は別に何もしてないよ?」

    リヴァイ「あまり遅くなるとエレンが心配するだろう、行くぞハンジ」

    ハンジに背を向け歩き出す

    ハンジ「ちょっ!待ってよリヴァイっ」

    慌て追い掛けるハンジ

    二人を追い掛けるように風が吹き抜けた。
  13. 13 : : 2014/09/15(月) 23:11:32
    博物館に向かう途中強い風が吹き抜けた。

    エレン「うわっ…」

    風の強さに思わず目を閉じる

    「大丈夫かい?」

    声を掛けられ目を開く

    エレン「エルヴィンさん!」

    エルヴィン「あまり遅いから外に出て来た所だったんだが?ハンジとリヴァイは一緒では無かったのかい?」

    穏やかに微笑みエレンに訪ねる

    エレン「さっきまで一緒だったんですけど買い物を忘れたそうで、後から来ます」

    エルヴィン「そうか…じゃあエレン先に中に行くかい?」

    エレン「はい」

    エルヴィンに背中を押され博物館の中へと歩き出す

  14. 14 : : 2014/09/16(火) 07:19:43
    その頃のハンジとリヴァイ



    ハンジ「こんなふうに並んで歩くの久しぶりだねぇ~」

    リヴァイ「そうだな」

    ハンジ「…この世界に転生して普通に平凡な日常送って…私は物心ついた時から前世の記憶を持ってたから、まず兵団の仲間を探したんだ…エルヴィン・リヴァイ・ミケにナナバ…普通にすぐ見つけられたよ」

    リヴァイ「で、俺も見つけたってか?」

    ハンジ「そ!でもまさか君が前世の記憶を覚えているとは思いもしなかったけどね~♪」

    リヴァイ「…何故かは知らねえが…覚えているな…」

    ハンジ「君を見つけた時、私の弟としてエレンが産まれて…運命的なモノを感じたね」

    空を見上げるハンジ

    ハンジ「だからね、私は決めたんだ」

    リヴァイ「何をだ?」

    ハンジ「エレンや君が幸せになれるよう力を尽くそうとね♪」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「リヴァイ?」

    リヴァイ「…お前は昔から変わってねぇな…」

    ハンジ「そうだね、私は好奇心だけで生きているのかもね♪あ、博物館が見えたよ?」

    リヴァイ「あぁ」


    エレンとエルヴィンが待つ博物館へと歩き出した。








  15. 15 : : 2014/09/16(火) 16:17:35

    ハンジ「さぁ着いた♪可愛いエレンとエルヴィンはどこかなぁ↑(^^)」

    意気揚々と館内に入り守衛室で身分証のパスを出した

    ハンジ「お早う~今日も良い天気だね♪」

    守衛「お早う。今日も元気じゃのぉーハンジちゃんは」

    初老の守衛が挨拶を返す

    リヴァイ「『ハンジちゃん』だと?」

    ハンジ「そうだよ♪『ハンジちゃん』です~♪」

    守衛「つい20分前に館長さんと弟さんが入っていったよ」

    ハンジ「今日は仕事休みでさぁ~たまには弟を職場案内してやろうかとつれてきたのさっ」

    守衛「そりゃあ良いことじゃ(^^)…そちらの方は?」

    ハンジ「彼は私の友人だよ♪エルヴィンにはちゃんと話してあるからね♪」

    守衛「それでは、どうぞ」

    ハンジ「ありがとー♪」

    守衛に手を振り先へ向かう。

    リヴァイ「おいハンジ」

    ハンジ「なぁに?」

    リヴァイ「あの人は…『ピクシス司令』だろ」

    ハンジ「うん、どお言う訳かこの博物館には転生した仲間が多いんだ♪ただし、私ら見たいに前世を覚えては無いけどね」

    リヴァイ「そうか」

    ハンジ「所でリヴァイ…」

    リヴァイ「なんだ?」

    ハンジ「エレンに話さなくて良いの?…全てを思い出したら君との関係も思い出すだろ?そしたら二人で又一緒に」

    リヴァイ「ハンジ」

    ハンジ「なに?」

    リヴァイ「何も言わなくていい…俺がエレンを残して逝く時約束したんだ…」

    ハンジ「…どんな約束したの?…」

    リヴァイ「…もし、次の世に生まれ変わっても必ず見つけ出して…傍に居ると」

    ハンジ「…」

    しばしの沈黙

    リヴァイ「それになハンジ」

    ハンジ「?…」

    リヴァイ「エレンは必ずまた『恋』に落ちる…あいつが俺を忘れる筈が無いんだ」

    ハンジ「…そうかもしれない…エレンと君は魂の深い所で繋がっているんだろうね」

    リヴァイ「あぁ…だから余計な事を話すな?」

    ハンジ「…分かったよ、私はおとなしく君達の『想い』が成就するように祈ってるよ」

    リヴァイ「フッ…」





    館長室



    エレン「遅いなぁ…何してるんだろ?」

    エルヴィン「まぁまぁ、二人の事だからもうすぐ来るよ」

    エレンの頭を撫でるエルヴィン

    エルヴィン「私は君が来てくれて嬉しいよ♪」

    エレン「おれもですよ?」

    笑顔で応えるエレン

    (相変わらず可愛いねぇ
  16. 16 : : 2014/09/16(火) 20:37:34
    エルヴィン「エレン、こっちにおいで(^^)」

    エレン「?はい」

    仔猫や仔犬をあやすようにエレンを抱き上げる

    エレン「うわっ」

    エルヴィン「君は仔犬みたいで本当に可愛いな♪」

    エレン「エルヴィンさんっおれもうすぐ15ですよ?可愛いと言われても…」

    エルヴィン「私からすればまだまだ子供だよ?」

    膝に座らせ髪をすく

    エレン「子供扱いしないでくださいよ…」
  17. 17 : : 2014/09/16(火) 22:28:26
    (バタンッ!)

    勢い良くドアが開きハンジが笑顔で飛び込んでくる

    ハンジ「いやぁ~♪ごめんね♪エレン…て…エルヴィン…なんでエレンを抱き上げてるのさ?」

    エルヴィン「何って久し振りに会ったんだ♪スキンシップだよ」

    エレンを抱き上げたまま応えるエルヴィン

    ハンジ「まったくもう!エレンは小さな子供じゃ無いっ」

    リヴァイ「エレンを離せ…」

    ハンジ「!いつの間に?!」

    エレン「リヴァイさん」

    リヴァイ「…こっちにこい…エレン」

    エルヴィン「やぁ久し振りだね?リヴァイ」

    笑顔で声を掛ける

    リヴァイ「『久し振り』じゃ無ぇさっさとエレンを離せ…削がれたく無ければな…」

    リヴァイの手にはいつの間にかペーパーナイフが握られている

    ハンジ「ちょっと待てって!リヴァイッ!」

    エルヴィン「…軽い挨拶をしただけだ…熱いなリヴァイ」

    エレンを離すエルヴィン

    リヴァイ「笑えねぇよ」

    エレン「リヴァイさんっ?」

    エレンの腕を引っ張りハンジの元へ連れて行く

    ハンジ「エルヴィン?やりすぎだよ?」
  18. 18 : : 2014/09/16(火) 22:58:23
    エルヴィン「すまないね、私とした事がエレンに逢えた事が嬉しくてはしゃぎ過ぎた」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「やれやれ…エレンはいい迷惑だよね~」

    エレン「…少し驚いただけだから、別に」

    ハンジ「エルヴィン!今から館内をエレンに案内してやりたいんだけどいいよね?」

    エルヴィン「あぁゆっくり案内してあげなさい、リヴァイもな」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「じゃあ行こっか!エレン、リヴァイも♪」

    にこやかに手を振り見送るエルヴィン
    冷やかな視線で睨むリヴァイ


  19. 19 : : 2014/09/16(火) 23:59:33
    なんとも言えない素晴らしい!!
  20. 20 : : 2014/09/17(水) 09:51:51
    ハンジもどき@蛙さんありがとう御座います!頑張って書きますんでどうぞよろしく(^.^)



    三人はあちらこちらの展示品を見て回る

    ハンジ「あ!エレンっこっちこっち♪これを見せたかったんだよ…」

    エレン「わ…すごい…」

    ハンジ「この絵画…凄いだろ?こいつを貸し出してもらうために一年以上費やしてやっと展示出来たんだよ♪」

    真っ赤に燃え盛る炎の中に剣を振りかざす兵士が描かれている

    リヴァイ「…これは…」

    今にも動き出しそうな錯覚に囚われる

    ハンジ「ね?リヴァイも凄いと思うだろ?エレン、リヴァイ感想を聞かせてくれないかな?」

    エレン「…」

    リヴァイ「エレン?」

    ハンジ「エレン?どうしたの」

    描かれた兵士から目を離せないエレン

    エレン「…おれ…は…」

    リヴァイ「!おいッ!エレン!?ハンジっエレンの様子がおかしい!」

    絵画を見つめたまま涙を流すエレン

    ハンジ「エレン!?しっかりしてッ!大丈夫?!」

    エレン「……ハン…ジ…さ…」

    リヴァイ「おいッ!エレン!」

    エレン「…へ…いちょ…」

    その場に崩れ堕ちるように倒れるエレン



  21. 21 : : 2014/09/17(水) 10:47:34
    ハンジ「医務室に連れていこう!」

    リヴァイはエレンを抱き上げる

    リヴァイ「医務室は?!」

    ハンジ「こっちだよッ!!」

    二人は急いで医務室へと走り出した。



    医務室にて

    ベッドに横たわるエレン

    ハンジ「エレン…」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「一体何が起こったんだ?…」

    リヴァイ「…あの絵画…何処でてに入れた?」

    ハンジ「…ドイツだよ…ずっと昔私達が生きていた場所さ…」

    リヴァイ「…そうか」

    エレンの額のタオルに触れる

    エレン「…う…」

    ハンジ「!」

    リヴァイ「エレン」

    ゆっくりと目を開くエレン

    エレン「…リヴァイ…さん?…」

    ハンジ「エレン!」

    エレンに抱きつく

    エレン「え…姉さん?…あれ?…ここは??…」

    リヴァイ「覚えていないのか?…」

    エレン「はい…」

    ハンジ「良かった…意識が戻らなかったらどうしようかと…」

    リヴァイ「絵画を見ていて倒れたんだよ…お前は」

    エレン「絵画…あ…」

    ハンジ「何か思い出した?」

    エレン「あの描かれた兵士を見てて…妙に懐かしくて悲しい気持ちになって…その後は覚えてない…」

    ハンジ「そう…」

    リヴァイ「…とりあえず意識が戻ったならいいさ…」

    ハンジ「確かに、リヴァイの言う通りだね…」

    エレン「姉さん…リヴァイさんも…心配かけてすみません」

    リヴァイ「いや…気にするな」

    ハンジ「…私はエルヴィンの所に行って来るよ、エレンが目を覚ましたの伝えておかなきゃ!…リヴァイ、エレンを頼むね?」

    リヴァイ「…解った」

    ハンジ「もう少し休んでいるんだよ?分かったかい?」

    エレンの頬にkissをして部屋を後にする

    エレン「(//・//)姉さん…」

    リヴァイ「エレン…」

    エレン「はい、何ですか?」

    リヴァイ「…『兵長』って呼んで見てくれないか?」

    エレン「?『兵長』?」

    エレンを抱き締めるリヴァイ

    エレン「!リヴァイさんっ?」

    リヴァイ「エレン…」

    抱き締められても嫌ではない自分に驚くエレン

    エレン「…どうしたんですか?リヴァイさん?」



  22. 22 : : 2014/09/17(水) 13:01:12
    エレンから体を放す

    リヴァイ「すまない…」

    エレン「…大丈夫ですか?」

    リヴァイ「気にしなくていい…」

    エレン「でも…」

    リヴァイ「…少し待ってろ…飲み物を買ってくる」

    エレンを残し部屋を出る

    エレン「あ」

    (パタン…)

    ドアが閉まり、リヴァイの靴音が響いていた。



    自販機の前で一人頭を掻くリヴァイ

    リヴァイ「何をしたいんだ!?俺は…」

    コーヒーと紅茶のペットボトルを買い、エレンの待つ医務室に戻る

    エレン「リヴァイさん」

    リヴァイ「…コーヒーと紅茶どっちがいい?」

    エレン「じゃぁ紅茶で…」

    紅茶を手渡し自分のコーヒーを開ける
    一口飲んだ時、エレンが見ているのに気づき話し掛ける

    リヴァイ「…どうした?」

    エレン「リヴァイさん、いつもブラックを飲むんですか?」

    リヴァイ「?…まぁ、そうだな基本飲み物に砂糖は入れないが…それがどうした?」

    エレン「おれ、コーヒーのブラックって飲んだ事無くて」

    リヴァイ「…飲んでみるか?」

    エレンに渡す

    エレン「良いんですか?…じゃあ少しだけ下さいね」









  23. 23 : : 2014/09/17(水) 17:10:36
    受け取ったコーヒーを一口飲む

    エレン「…苦いっ…」

    微かに笑うリヴァイ

    エレン「よくの飲めますね!こんな苦いのっ」

    リヴァイ「…子供にゃまだ早かったな?」

    エレン「…カフェ・オレは美味いのにな…」

    リヴァイ「フッ…」

    エレン「姉さん遅いですね」

    リヴァイ「きっとエルヴィンに捕まって余分な仕事させられてんだろう」

    ため息混じりで応える

    リヴァイ「だとしたら、ハンジはしばらくは戻って来れんだろうな」

    エレン「やっぱりですよね」

    廊下を走る足音 (ダダダダッ!)

    (バタンッ!)

    勢い良くドアを開けたハンジ

    ハンジ「ごめん、ごめんッ!お待たせぇ~♪いやぁ~エルヴィンがなかなか離してくんなくてさ」

    顔を見合わせるリヴァイとエレン

    ハンジ「?なに?」

    エレン「ちょうどリヴァイさんとその話ししてたんだ、ね?リヴァイさん」

    極上の笑顔をリヴァイに向ける

    リヴァイ「あぁ」

    ハンジ「…なんかいい感じだねぇ♪」

    リヴァイ「何がだ」

    ハンジ「やだなぁ~♪リヴァイったらぁ~
  24. 24 : : 2014/09/17(水) 18:59:11
    ハンジ「照れなくても良いじゃ無いよ♪」

    エレン「何のこと?」

    眉間に皺を寄せハンジを睨む

    リヴァイ「いい加減にしろよ?ハンジ」

    ハンジ「いやぁぁん!リヴァイがキレてるよ♪怖ぁいッ!助けてエレン(*^.^*)」

    リヴァイ「エレン…ソイツを庇うなよ?」

    エレン「分かりました(^.^)話が見えて無いけど、姉さんが悪いんだろ?リヴァイさん怒らせたんだから」

    ハンジ「そんなぁ…私を見捨てるの?エレン…」

    泣きそうな声で同情を買おうとするハンジ

    リヴァイ「泣き真似なんぞ通用しねぇよ」

    ハンジ「ちぇっ…」

  25. 25 : : 2014/09/17(水) 22:25:44
    ハンジを捕まえ羽交い締めにするリヴァイ

    ハンジ「うっ…苦しいッ!ギブっギブッ!」

    リヴァイ「俺を怒らせんな」

    ハンジ「分かった!分かりましたっ…だから〆技止めてッ!」

    エレン「リヴァイさんもうそれくらいで止めてあげてください」

    リヴァイ「…分かった…」

    ハンジを解放する 

    ハンジ「…うぉ~お花畑が見えたわ~エレンありがとー♪君の一声がなかったらヤバそうだったよ」

    笑顔でエレンの頭を撫でる

    ハンジ「あ、エレン気分はどう?頭が痛いとか異常は無い?」

    エレン「ん、もう平気」

    ハンジ「本とはもう少しいろいろ見せたかったけど、今日はもう帰ろう?」

    リヴァイ「その方が良いだろう…」

    エレン「…そうするよ、なんだか疲れたし」

    ハンジ「じゃぁ帰ろう、立てる?」

    エレン「大丈夫!立てるよ」

    ベッドから降り靴を履き帰り支度を始める

    リヴァイ「無理すんなよ?」

    ハンジ「そうだよ?気分悪かったらちゃんと言うんだよ?」

    エレン「うん」



  26. 26 : : 2014/09/18(木) 09:56:42
    エレン「帰る前にエルヴィンさんに挨拶してきてもいい?」

    ハンジ「そうだね、じゃあ一緒に行こう」

    エレン「一人でも大丈夫だよ、リヴァイさんと入り口で待ってて」

    館長室へ一人で歩き出す

    リヴァイ「待て、オレも行く」

    エレン「え?」

    リヴァイ「…お前一人じゃ心配だ」

    エレン「大丈夫ですよ?」

    ハンジ「一緒に行ってもらいなよ?エレン♪」

    エレン「…それじゃ、一緒に行って貰えますか?リヴァイさん」

    笑顔でたずねるエレン

    リヴァイ「あぁ…後でな、ハンジ」

    ハンジ「ハイよ♪行ってらっしゃい!」



    二人は館長室に向かって歩き出す。
  27. 27 : : 2014/09/18(木) 15:34:01
    ハンジ「…まぁ、リヴァイが付いてりゃ心配ないか?…(*^_^*)」

    一人納得して入り口に向かう


    (コン、コン…)

    館長室のドアをノックする二人
    返事が無い

    エレン「あれ?居ないのかな?」

    リヴァイ「…エルヴィン、入るぞ」

    ドアノブに手をかける
    ドアは簡単に開く

    リヴァイ「…居ないな」

    エレン「本当だ…何処にいったんだろ?…」



  28. 28 : : 2014/09/18(木) 16:14:55
    リヴァイ「居なけりゃ仕方無い帰るぞ?エレン」

    エレン「え?でも一言言ってから…」

    リヴァイ「こんなダダッ広い館内を探すのか?」

    グイッと腕を引きハンジの待つ入り口に歩き出す

    エレン「リヴァイさんっ?」

    リヴァイ「…後でハンジに連絡させればいいだろ…職場も同じだしな?」

    黙々と歩くと入り口付近でハンジが手を振る

    ハンジ「お~いエルヴィンに会えたの?」

    リヴァイ「いや、部屋には居なかったから戻って来た…後で連絡入れとけ」

    ハンジ「了解(^_^ゞエレン?なに?えらくおとなしいね?」

    リヴァイ「熱でもあるのか…」

    エレン「!」

    リヴァイの手のひらが額に触れる

    ハンジ「どう?熱がありそう?」

    エレン「っ…大丈夫ですっ」

    リヴァイ「?顔が赤い…本当に大丈夫か?」

    ハンジはパンッ!と手を叩きリヴァイに話し掛ける

    ハンジ「エレンは大丈夫!リヴァイとりあえずその手を放して見て?それ以上触れてたら、エレンが倒れるかもよ?♪」

    リヴァイ「あ?」

    ハンジに言われ手を放しエレンを見る

    エレン「(///∇///)」

    ハンジ「♪さぁさぁ~帰るよ?」

    リヴァイ「…悪かった…」

    エレン「…いいえ…大丈夫です」






  29. 29 : : 2014/09/18(木) 20:57:43
    リヴァイとハンジは雑談しながら歩いている
    エレンはその後を少しだけ離れてついていきながら自分の中に芽生えた感情を考える。

    (コノカンジョウハナンダ?…)

    遅れがちなエレンにハンジが声をかけた。

    ハンジ「疲れたの?エレン?」

    エレン「あ…少し喉渇いて…コンビニ寄ってもいいかな?」

    ハンジ「それなら家でお茶する時のケーキも買おう♪」

    ハンジ「リヴァイ、コンビニ寄るけどいいかい?」

    リヴァイ「あぁ、構わない」

    近場のコンビニを探しハンジが二人を呼ぶ。

    ハンジ「早くおいで~
  30. 30 : : 2014/09/18(木) 21:17:43
    ハンジ「旨そうなスイーツが沢山あるよぉ♪」

    リヴァイ「ガキ見てえにはしゃぐなハンジ…」

    エレン「プリンとかケーキとか見つけるといつもあぁなんです(´∇`)」

    二人は顔を見合せ苦笑する

    リヴァイ「…行こう」

    エレン「はい」

    (ウィーン…) 「いらっしゃいませ」

    店内には5~6人の客が買い物に勤しんでいる、そんな中でハンジはスイーツが陳列された棚に張り付いている。そんなハンジを横目にリヴァイはエレンにたずねる

    リヴァイ「何がいい?」

    エレン「えっと…ミルクティーを…」

    「きゃぁぁッ!!!」

    突然店内に悲鳴が響く

    「動くんじゃねえッ!」

    客に紛れていたのか男がレジの店員の首にナイフを突き付けていた。

    エレン「ッ!!」

    助けに行こうと飛び出そうとするエレンをリヴァイが制止する。

    リヴァイ「闇雲に突っ込んでも怪我人が増えるだけだ」

    エレン「でもッ!」

    リヴァイ「…落ち着け…ハンジはまだ棚に居るか?」

    エレン「いえっいません!」

    リヴァイは陳列棚の影に隠れながら店内の四隅に目を向ける。
    万引き防止のミラーを確認するとハンジの姿が映る
  31. 31 : : 2014/09/18(木) 21:41:22
    ど、どうなるの!!気になる!
  32. 32 : : 2014/09/19(金) 05:39:04
    ハンジは犯人から死角になる場所からリヴァイに指で合図を送っている

    リヴァイ「…1…2…2人?」

    もう一度ミラー越しに確認する。店員を人質にした犯人の側に近付く男が見える。

    リヴァイ
    (…行けるか?)

    ハンジ
    (私はいつでも行けるよ♪)

    ハンジとリヴァイはミラー越しに合図を送りあい行動に出る。

    リヴァイ「いいかよく聞けエレン…今から俺とハンジで奴等を抑える。俺達が奴等を抑えたら人質になった店員と客を外に逃がせ」

    エレン「はい!」



  33. 33 : : 2014/09/19(金) 06:18:21
    犯人達から 死角になる場所を探し姿勢を低くしながら犯人に近付く
    ハンジは立ち上がりわざと犯人達の視線を集める。
    犯人の1人がハンジに気付いて怒鳴り出す

    「おいっッ!!動くなッ!!聞こえねぇのか!?」

    ハンジ「聞こえないなぁ~♪最近聞こえづらいんだ♪」

    笑いながら近づいて行く

    「てめえ…死にてえのかよ?!」

    ハンジ「困ったなぁ~…はっきり言って死ぬ思いするのは君達なんだけど…ねッ!!」

    犯人の1人の顎を思い切り蹴り上げるそれと同時にリヴァイがレジに向かい飛び出した。
    カウンターに飛び込み素早く犯人の後ろに回り込み片腕を掴み捻り上げる突然の出来事に犯人達は対応出来ていない

    「くそッ!…」

    ハンジの蹴りをくらい足元に倒れ込んだ犯人が懐から鋭い刃物を取りだしハンジを狙う

    リヴァイ「ハンジ!気を付けろッ!!」

    ハンジ「なに?」

    (ヒュッッ!)

    犯人の刃がハンジを襲うがハンジは寸での所でかわす。

    ハンジ「( ̄▽ ̄;)ぶねぇぇ」
  34. 34 : : 2014/09/19(金) 08:05:58
    ハンジは持ち前の反射神経で交わし手近に合った傘を握り構える

    ハンジ「…本気でかかってきなよ?私手加減知らないからさ♪」

    ニヤリと笑うハンジ

    犯人の腕を押さえたままリヴァイが声を掛ける

    リヴァイ「…殺すなよ?」

    ハンジ「解ってるよ♪殺しはしない…ただおとなしく寝てもらうよ?!」
  35. 35 : : 2014/09/19(金) 15:50:30
    「なめやがって…傘なんかでなにが出来るッ!殺してやるッ!!」

    刃物を握りしめハンジめがけて飛びかかる

    ハンジ「物分かりの悪い男だね?…はぁぁぁぁッ!!!!」

    怒りに任せて飛びかかる男をヒラリと交わし掛け声と共に傘を降りかざし一気に男のうなじ目掛けて降りおろした。

    「ぐぁッ!…」

    ハンジの足元に崩れ落ちる男の刃物を取り上げ、腕をねじり上げる。

    ハンジ「ごめんね~?このまま大人しくしててね…て…聞いてないか?♪」

    ハンジに組敷かれ伸びている

    ハンジが片を付けたのを見届けリヴァイが声を掛ける。

    リヴァイ「エレン、客と店員を避難させろ」

    エレン「はっはい!!」

    ハンジ「よろしく♪」

    エレンはリヴァイの言葉にしたがい客を外に出しリヴァイの隣で腰を抜かして泣きじゃくる店員に手を差し出す。

    エレン「もう大丈夫、さあ立って!」

    店員「…は…い…」

    手を取り外に向かおうとしたその瞬間リヴァイの捕まえた急に男が暴れだす。
    エレンは咄嗟に店員を庇いその場にしゃがみこんだ

    リヴァイ「!暴れんじゃねぇ!!」

    〆上げた腕により力を込めて捻り上げる。

    「がぁぁッ!」









  36. 36 : : 2014/09/19(金) 23:54:55
    (ボキッ…)

    鈍い音が聞こえ、リヴァイが〆上げた腕がだらりと垂れ下がる
    折れた腕を在らぬ方向へねじ反対の腕でりリヴァイの襟首を捕らえた

    「ハァハァ…ふ…は…アハハハッ!!!」

    リヴァイ「…ぶっ飛んでやがる…薬でもやってンのか?…」

    ハンジ「リヴァイッ!」

    エレン「リヴァイさんッ!」

    虚ろで焦点の合わない目、口元はだらしなく開き涎を流している何よりも腕が折れたにも拘らず笑っていられる時点で普通では無いのだが…

    「…ヘヘヘ…」

    リヴァイ「…汚ねぇな…いつまでも起きてンじゃねぇよ…ハンジ!」

    ハンジ「了解ィッ!!」

    リヴァイに答えたと同時にハンジは傘を両手に構え床を蹴り宙に舞う。

    ハンジ「うぉりゃぁ!!!」

    先程と同じようにハンジの傘は見事にうなじへとヒットする。
    男はリヴァイを放してハンジの方を向き直る
    素早く飛び退き男との距離を取るハンジ

    ハンジ「嘘だろ~!何で倒れないのさ!」

    リヴァイ「そいつは(薬物中毒者)だ多少の痛みなんぞ効かねぇ」

    ハンジ「マジ?!厄介だねぇ~…」

    男はジワジワとハンジに近寄って行く。

    ハンジ「ねぇ、リヴァイ!ナンかさぁ『巨人』相手してるみたいだねッ!」

    リヴァイ「…そんな事はどうでもいい…トットと片付けるぞ…」

    レジ裏に隠されていた警棒を両手に持つと一気に飛びかかる。

    リヴァイ「ハンジ!みぞおちを狙えッ!俺が削ぐッ!!」

    ハンジ「はいよっ!人使い荒いなぁ~♪」




  37. 37 : : 2014/09/20(土) 01:04:20
    勢い良く懐に飛び込むハンジ
    みぞおちを両手の傘で思い切り突く。

    「がッ!?ううう…」

    男が膝を付く瞬間にリヴァイが仕留める為にうなじを狙い打つ
    宙を駆けるようにしなやかな動きにエレンは目を見張る。
    打ち下ろされた警棒に男は声も無く
    倒れこんだ。

    ハンジ「お見事!流石リヴァイだねぇ♪」

    男を縛り上げながらハンジが言う。
    伸びた男を見下げながらリヴァイは応える。

    リヴァイ「…体が覚えているんだろうな、しっかり縛っとけよ?動き出されちゃ迷惑だ…」

    ハンジ「分かってるって♪しいっかりふん縛ったからOKさっ♪」

    リヴァイ「…ならいい…ハンジ、エレン」

    ハンジ「ん?」

    エレン「はいッ!」

    リヴァイ「そろそろ帰るぞ?厄介事は御免だからな…」







  38. 38 : : 2014/09/20(土) 02:26:55
    エレンにしがみついて震える店員にハンジが優しく話し掛ける。

    ハンジ「凄く怖かったよね…でももう大丈夫だよ?私らが片付けたからね♪君は警察に連絡してアイツらを引き渡すんだ、わかったね?」

    穏やかな口調に店員は頷く。

    リヴァイ「付け加えだが、俺達の事は話さなくていい」

    ハンジ「じゃあね♪エレン行くよ~」

    エレン「今行くよ!」

    店員は何度も頭を下げて礼を伝える

    (ファンファンファン…)(ザワザワ…)

    リヴァイ「サイレンの音が近い…急いで出るぞ」

    ハンジ「エレン!」


    三人は集まり始めた人込みを縫うように走り抜け、コンビニを後にした。
  39. 39 : : 2014/09/20(土) 07:49:16
    コンビニから走り抜けた三人の横をパトカーが通り過ぎて行く

    ハンジ「お~♪ギリギリセーフ♪店員の彼女が連絡したにしちゃえらく無い?」

    リヴァイ「おそらくあの店内にいた客の誰かが連絡したんだろうよ」

    エレン「でも二人とも凄く強かったですッ!?姉さん剣道とか習ってたっけ!?」

    走りながら話すエレン

    ハンジ「まあね、外国とかよく行くだろ?だから『護身術』みたいなもんさ~♪」

    エレン「リヴァイさんも…?」

    リヴァイ「…まぁ、そんなところだ」

    ハンジ「あーぁッ!ケーキ買いそびれた!」

    リヴァイ「…お前の頭はそれしかねぇのか?…」

    ハンジ「だって、スイーツ買うのにコンビニ寄ったのに~(。-∀-)」

    エレン「…姉さん…」

    リヴァイ「簡単なケーキなら帰ってから作ってやる」

    エレン「!?」

    ハンジ「ほんと!?リヴァイ昔から器用だよねぇ~♪しかも美味いしィ♪♪」

    先程強盗と対峙したばかりとは思えない二人の脈絡無い会話にエレンは思わず笑ってしまう。

    エレン「アハハッ(^w^)」

    ハンジ「何が可笑しいの?」

    リヴァイ「ここまで来れば大丈夫だろう」

    家の近場の森林公園が目に留まると
    リヴァイは走るのを止めた。

  40. 40 : : 2014/09/20(土) 08:01:33
    三人は木陰に座り一息付く
    木々の匂いを孕んだ風が三人の体を包む

    ハンジ「ン~♪いい風だねぇ~」

    リヴァイ「あぁ…」

    エレン「ほんと気持ちいいや…」

    エレンはふとリヴァイを見た。
  41. 41 : : 2014/09/20(土) 10:40:13
    木々の隙間からこぼれる柔かな日射しと微風にリヴァイの前髪が揺れた
    目尻にかかる髪を払い空を見ている

    リヴァイ「なんだ?」

    視線に気付いて声を掛ける

    エレン「やっぱりおれは貴方を知ってる…」
  42. 42 : : 2014/09/20(土) 14:08:17
    リヴァイ「俺を…」

    エレン「…今そうして風に吹かれた姿も、敵に飛び掛かって行く姿…その背中を…おれは…知っている」

    ハンジ「エレン…」

    リヴァイ「…」

    さわさわと木々が風に吹かれ葉擦れの音を起てて三人を包む。
    目を閉じて葉擦れの音に静かに耳を澄ますエレン。

    エレン「……遠く遥か昔……おれは…貴方と戦っていた……」

    ハンジ「!」

    リヴァイ「…」




  43. 43 : : 2014/09/20(土) 20:08:23
    目を閉じたまま言葉を続ける

    エレン「…多くの仲間を失い…裏切られ…傷つき…自分を見失って…それでも…」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「エレン?…」
  44. 44 : : 2014/09/20(土) 23:19:49
    エレン「貴方の…背中を…追い続けていた…」

    リヴァイ「思い出したのか?…」

    ゆっくり目を開きリヴァイを見る

    エレン「…兵長…」

    リヴァイ「!」

    ハンジ「思い出したんだね…エレン」

    エレン「姉さん…いいえ…ハンジ分隊長」

    笑顔を向けて応える

    エレン「すべて思い出しました」

    ハンジ「…エレン」

    エレン「そんな顔しないで下さい…ハンジさん…」

    リヴァイ「いつ…思い出した…?…」

    エレン「さっき、兵長とハンジさんが犯人と戦う姿を見た時…曖昧な感覚だったんですが感じて…」

    リヴァイ「…それで?…」

    エレン「この公園で貴方が風に吹かれた時…確信に変わったんです」

    リヴァイ「…」

    エレンは木々の隙間からのぞく空を見上げる

    エレン「…風が…思い出させてくれたんです……兵長との『約束』も…」

    エレンの言葉を聞くと立ち上がり隣にいたリヴァイの肩をポンッと叩く

    ハンジ「…リヴァイ…エレンを頼むよ?…」

    リヴァイ「ハンジ…」

    ハンジ「そこから先はリヴァイと二人で話しなさい…」 

    エレン「ハンジさん?」


  45. 45 : : 2014/09/21(日) 14:48:11
    ハンジ「…リヴァイはずっとエレンを待ってたんだ…ゆっくり話しておいで」

    二人を残して歩き出すハンジ

    リヴァイ「…ハンジ何処に行く」

    ハンジ「『人の恋路を邪魔する奴は』…だよ♪私もそれほどバカじゃ無いからねぇ~野暮な事はしたくないんだ♪」

    ハンジ「お互いの運命の絆…しっかりと確かめて、二度と離さないでね?」

    エレン「ハンジさん…」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「先に帰ってるよじゃあね…あ、そうだリヴァイ」

    リヴァイ「なんだ」

    ハンジ「今夜はエレン連れて行っても良いよ?(^^)」

    リヴァイ「…バカか?」

    ニッコリ笑顔で歩き出すハンジ

    (良かったね…リヴァイ)

    遠ざかるハンジの姿を見送る二人を風が優しく受け止めていた…。



  46. 46 : : 2014/09/21(日) 21:08:04
    リヴァイとエレンを残し自宅に帰りついたハンジの目の前に二人の人影が走り寄って来る。

    「ハンジさん」

    「出掛けていたの?」

    ハンジ「やぁ~♪アルミン、ミカサ久しぶりじゃないか?元気だったかい?♪」

    アルミン「お久し振りですハンジさん」

    ミカサ「元気そうで何よりです」

    ハンジ「君達いつ来たの?」

    ミカサ「私はバイト先にアルミンが来て誘われたので来ました」

    ハンジ「…その愛想の無い話し方は変わらないねぇ~美人なんだからもう少し笑って御覧よ?」

  47. 47 : : 2014/09/22(月) 20:11:39
    期待期待!!
  48. 48 : : 2014/09/23(火) 00:17:48
    ミカサの口元をニイッっと引っ張りあげるハンジ
    されるがままのミカサ。

    アルミン「ハハハ…あの…ハンジさん?…ミカサが笑顔見せるのはエレンにだけですよ(。>д<)」

    ハンジ「あ、そうだったねぇ~♪忘れてたわ(^.^)」

    ミカサ「…そろそろ離してください…」

    慌てて両手を離すハンジ

    ハンジ「悪いわるい!(^w^)所で、何か用事があったの?二人で訪ねて来るなんて♪」

    アルミン「大した用事は無いんですけど、久しぶりにエレンに会いたくなって押し掛けちゃいました」

    にっこり微笑むアルミン

    ハンジ「そっかぁ~…折角来てくれたんだけど、エレン居ないんだよ」

    ミカサ「…何処に行ったのですか?」

    不満気な声で尋ねる

    ハンジ「知り合いの所だよ(^.^)多分今日は泊まりかも知れない」
  49. 49 : : 2014/09/23(火) 08:37:46
    ミカサ「…泊まり…?」

    ハンジ「ミカサ?」

    眉を潜め険しい顔をするミカサ。

    ミカサ「…エレンが泊まる所は…男性の家ですか?…」

    ハンジ(!相変わらず鋭い感だな?!)

    ハンジ「ん~そうだけど…何で?」

    ミカサ「…いえ…ナゼか嫌な予感が…」

    ハンジ「心配無いよ♪私の友人だしエレンもよく知ってるしね~」 

    ミカサ「…」

    納得出来ない様子のミカサにアルミンが話し掛ける。

    アルミン「大丈夫さ(^^)ハンジさんの友人だって行ってたじゃない?」

    ミカサ「…でも…」

    ハンジ「…二人とも、時間は有るんだろ?立ち話も何だから、良ければ家においで♪美味しい紅茶入れてあげるよ♪」

    アルミン「僕ちょうどシュークリーム持ってきたんです!」

    ケーキの箱をハンジに渡す。

    ハンジ「うをぉッ!!!シュークリームっ!家で紅茶と一緒に戴こう!♪さぁ~二人とも行くよ!」

    アルミンから受け取った箱を抱えずんずん歩き出すハンジ。

    アルミン「シュークリームでテンション上がっちゃった(^^)ね」

    ミカサ「…」

    アルミン「ほら、ミカサ行こう?」

    ミカサの手を引く

    ミカサ「分かった…」


    二人は先を歩くハンジを追いかけた。
  50. 50 : : 2014/09/23(火) 22:12:45
    その頃のリヴァイとエレンは、公園内のベンチにいた。

    エレン「あの…兵長…」

    リヴァイ「なんだ?」

    エレン「怒ってます?…」

    リヴァイ「あ?」

    エレン「…あれから…何も話してくれないし…おれ何かしましたか?」

    ションボリ頭を下げうつ向く

    リヴァイ「…怒っちゃいねぇよ…ただな…」

    うつ向いたエレンの頭をクシャッと撫でる

    リヴァイ「折角平和で穏やかな時代に転生出来たのに…ワザワザ残酷で辛かった記憶を思い出しても良いことなんて無いだろうと…」

    エレン「…そんなことありません!」

    勢いよく顔をを上げてリヴァイを見つめる

    エレン「…確かに…過去の記憶は辛くて……けど、あの時、貴方と交わした『約束』を果たさないでまた…離れるなんておれは嫌です!」

    エレンの真っ直ぐな瞳はリヴァイを捕らえて離さない。
    その瞳は巨人と死闘を繰り広げていたあの時と同じ強い光を秘めている。

    エレン「おれは記憶を思い出さないほうが良かったんですか?…」

    意志の強い大きな瞳が寂しげな色を宿す

    リヴァイ「エレン」

    エレン「はい」

    リヴァイ「今度こそ『約束』を果たそう」

    エレン「はい!」

    リヴァイはエレンを抱き寄せる。
    エレンはリヴァイの背に腕を回してリヴァイの胸に顔を埋める。

    エレン「兵長…もう…おれを置いていかないで下さい…」

    リヴァイ「あぁ…もう二度と一人にはしない…」




    二人は離れていた永い時間を埋めるように抱き締め合う
    お互いの鼓動を感じながら…。
















  51. 51 : : 2014/09/25(木) 10:54:05
    (ガチャガチャ…)

    ドアのロックを開けてミカサとアルミンを呼び込む。

    ハンジ「さぁ~どうぞ♪入ってぇ」

    アルミン「お邪魔します」

    ミカサ「…失礼します…」

    ハンジ「適当に座ってて?今紅茶入れるからさ♪」

    二人に声を掛けキッチンへと向かうハンジ

    アルミン「あ、僕も手伝いますよ」

    後を追ってキッチンに向かう。

    ハンジ「ありがとう、んじゃぁカップ出してくれるかな?そっちの食器棚にあるから」

    アルミン「はい!ミカサはシュークリームを出してくれるかな?」

    にっこり微笑む

    ミカサ「分かった」


    紅茶の香りがふわりと広がる。

    アルミン「わぁ…凄く甘い香りですねぇ」

    ハンジ「いい匂いだろ♪今朝エレンにも淹れたんだけど美味いって気に入ってたよ~」

    ミカサ「…シュークリーム出しました…?」

    ハンジ「あぁ、リビングに持っていって♪アルミンも座ってなよ♪」

    (コポコポコポ…)

    カップに注ぎテーブルに運ぶ。

    ハンジ「お待たせっはいどうぞ♪
  52. 52 : : 2014/09/25(木) 22:57:06
    テーブルに置かれたティーカップから紅茶の甘い香りが広がる
    スンっと鼻を鳴らしてアルミンがたずねる。

    アルミン「すごく甘くて良い香りですね、何処で買ったんですか?」

    ハンジ「これ?買ったんじゃ無いんだ」

    ハンジとアルミンの会話を聞きながらミカサが紅茶を口にする。

    ミカサ「…美味しい」

    ハンジ「だろ?♪砂糖無しでも甘く感じるし、なんと言っても香りが良いンダヨネェ~♪」

    ミカサの反応に満足気な笑顔のハンジ

    ハンジ「お代わりあるからね♪」

    向かい合わせのソファーに腰かけアルミンに話し掛ける。

    ハンジ「シュークリーム戴いても良いかなぁ?(^^)色々有ってスイーツ買いそびれちゃってさ♪」

    アルミン「はい、食べて下さい!…あのハンジさん?『色々有った』って何ですか?」

    ハンジ「ん?あぁ、さっき君達に合う前にコンビニよったんだけどさぁ」

    (♪♪♪♪)

    話していると携帯が鳴る。

    ハンジ「お?」

    自分のカバンを探り携帯を探す

    ハンジ「あったあった!(^w^)はいっもしもし?…」

    ハンジ「…うん、そっかぁ~…へぇ、…ん分かったよ、あ、エレンに変わって?…良かったね…うん…ゆっくり話しておいで…ハイハイ♪大丈夫じゃあね?」

    携帯を切る。

    ミカサ「エレンからですか」



  53. 53 : : 2014/09/26(金) 00:11:48
    ハンジ「今日は泊まるって連絡だったよ(^^)」

    ミカサ「…そうですか…」

    ハンジ「そうガッカリしなさんな!(^w^)明日には帰ってるからさ♪」

    笑顔で応え紅茶を一口飲むとハンジはTVの電源を入れた。
    TVはつい先程のコンビニが映っている。

    ハンジ「!!」

    思わず口に含んだら紅茶を吹き出す。

    アルミン「わっ!!突然何なんですか?!」

    慌てて布巾を取りにキッチンへと走る。

    ミカサ「このコンビニがどうしたんです?」

    冷静に尋ねる。

    ハンジ「さっき寄ったコンビニ…」

    布巾を手に戻ったアルミンも尋ねる。

    アルミン「さっき話してたコンビニってここだったんですか?」

    ハンジ「うん…」

    カジリ付くように観入るハンジ
    TVがコンビニ強盗の事件を伝えている
    ハンジの反応にアルミンが口を開く。

    アルミン「ひょっとして…『色々有った』って…これの事ですね?」

    ミカサ「…」

    リポーター
    「…犯人は客として店内に潜み店員を人質に……しかしこちらも客として来店していた3人の男女が一人の怪我人も出さず犯人を取り押さえたとの事です。なお、犯人を取り押さえた3人の男女は犯人を縛り上げると直ぐ店を立ち去って…」

    ハンジ「報道滅茶苦茶はえぇ~!Σ( ̄□ ̄;)」

    ミカサ「犯人を取り押さえた3人はハンジさんとエレン…もう一人は?…」

    ハンジ「もう一人は私の友人さ」

    TVレポーター
    「警察はその時の状況を詳しく聴くため3人を探しています。」

    アルミン「…だ、そうですよ?どうするんですか?」

    ハンジ「いやぁ…どうするったって(;゜゜)…」

    ミカサ「…警察は馬鹿では無いから…例え名乗りでなくても見つかるのは時間の問題でしょう」

    ハンジ「…ダよねぇ…ん~(;゜゜)…しゃぁないか…」

    携帯を手にして電話を掛ける。
  54. 54 : : 2014/09/27(土) 08:40:54

    ハンジとの会話を終えて携帯をリヴァイに返す

    リヴァイ「さて…今から何がしたい?お前が決めて良い」

    エレン「…じゃぁ、兵長の部屋に行きたいです」

    ニコッと笑顔で応える

    リヴァイ「俺の部屋?…構わねぇが何も無いぞ?」

    エレン「久しぶりに見たいんです!相変わらずキッチリされてるんでしょうね♪」

    リヴァイ「まぁ…性格はそうそう変わる物じゃねぇからな」

    エレン「でしょうね(^^)」

    笑顔のエレン

    リヴァイ「…なら行くぞ…ほら」

    エレンの手を取り歩き出す。
    繋がれたリヴァイの手の冷たさにエレンはクスッと笑う

    リヴァイ「どうした?」

    エレン「兵長の手…昔と変わらず冷たいなって」

    リヴァイ「そうか」

    その手をエレンはしっかりと握り繋ぎ直す。

    エレン「手の冷たい人は心が暖かいって言いますよ?」

    苦笑を浮かべるリヴァイ
    繋いだ手から伝わる感覚に胸の奥が
    熱くなる。
    あれほど捜し続けた存在が自分の傍で笑っている

    エレン「兵長?」

    リヴァイ「何でもない…晩飯の材料を買ってから帰るか…エレン、何が食いたい?」

    エレン「あ!じゃあ昔兵長が作ってくれた『野菜スープ』!あれ作りましょう♪」

    リヴァイ「あれか?…残り物の野菜くず煮込んだだけのスープかよ?もう少しマシな物食わせてやるよ」

    エレン「いいえ、あれが良いんですおれはあの『スープ』大好きでしたから」

    笑顔でリヴァイを見つめる
    小さく溜め息をつくリヴァイ

    リヴァイ「作ってやる…他には?」

    エレン「ん~…あとはお任せします」 

    リヴァイ「…取り合えずスーパー行ってから考えるか」

    エレン「はい♪」

    スーパーに向かって歩き出したその時、携帯が鳴る。
  55. 55 : : 2014/09/27(土) 15:11:30
    (♪♪♪♪)

    (ピッ)

    リヴァイ「はい…何だハンジ…あ?……興奮し過ぎだ用件を言え…そうか…分かった…あぁ…後で連絡する…気にしなくていい…じゃあ後でな…」

    (プツッ…)

    エレン「何かあったんですか?」
  56. 56 : : 2014/09/27(土) 16:35:19
    展開に全力期待です!
  57. 57 : : 2014/09/27(土) 22:12:44
    ハンジもどき@蛙さん!有り難う御座います(^w^)もうしばらく私のつたない話にお付き合い下さいませ!




  58. 58 : : 2014/09/27(土) 23:17:01
    携帯を切り、エレンを見る

    エレン「何かあったんですか?今の電話…ハンジさんから?」

    印象深い瞳がリヴァイを見据える
    真っ直ぐな瞳に溜め息を付きながら
    応えるリヴァイ

    リヴァイ「さっきのコンビニの件で警察が俺達を探しているそうだ」

    エレン「え?警察が?なぜおれ達を?」

    さも不思議そうに首を傾げる

    リヴァイ「捕まえた時の状況やら色々聞きたいらしい」

    エレン「だったら応えてあげればいいじゃ無いですか?悪人捕まえた訳ですし?」

    エレンの頭をクシャッとひと撫でする。

    リヴァイ「普通はそうだな…」

    エレン「…兵長?」

    リヴァイ「取り合えず後でハンジと考えるさ」

    エレン「?」

    エレンの手を握り直して歩き出す。

    リヴァイ「俺にとって今はお前と居る事が最優先だ…」

    穏やかに笑うリヴァイ

    エレン「( 〃・〃)」

    リヴァイ「行くぞ」

    エレン「は…はいっ」


    リヴァイに引っ張られるように歩き出すエレン
    二人の姿を風だけが見送っていた。



  59. 59 : : 2014/09/27(土) 23:46:23
    ハンジの部屋


    ハンジ「やれやれ(´д`|||)面倒な事になりそうだなぁ~…」

    電話を終えてぼやくハンジ

    アルミン「…犯人を捕まえたのなら問題は無いと思うんですけど…?」

    ハンジ「まぁねぇ…実際そうなんだけどさぁ(._.)」

    ミカサ「その面倒事にエレンも含まれている?」

    ハンジ「エレンは関係無い?…いやぁ…少しは含まれているかな…」

    ミカサ「…」

    アルミン「ハンジさん、相手はなんと言っているんですか?…」
  60. 60 : : 2014/09/28(日) 20:10:45
    ハンジに問う

    アルミン「電話の相手はハンジさんと犯人を捕まえた方ですよね?」

    ハンジ「鋭いな…アルミン」

    感心するように思わず拍手を贈る。

    アルミン「茶化さないで下さい」

    ミカサ「…」

    真剣な表情のアルミン、言葉は無くとも鋭い眼差しで見つめるミカサ

    ハンジ「ごめん真面目に話すから…怒んないでよ?」

    ミカサ「早く答えて下さい…相手は何と言ったのです?…エレンに関係あるとは?…」

    ハンジ「まず問題なのは、友人の職業上面倒事は避けなければいけないってこと、もう1つはもしも友人の事が世間に知れたら、彼は色々と危険にさらされる事になる、で…最後がエレンに関する事なんだけど」

    アルミン「…何ですか?…」

    ハンジ「彼の知り合いだと解ればエレンにもまた危険が及ぶ可能性があるんだ」

    黙ったまま聞いていたミカサが口を開く

    ミカサ「…貴女の友人は一体何者ですか?」

    静かに怒りを含んだら声で尋ねる
    昔の記憶は無くともエレン一筋なのは変わり無いミカサ

    ミカサ「…答えて下さいハンジさん…」
  61. 61 : : 2014/09/28(日) 23:27:28
    ハンジ「…彼は特殊警備専門のスペシャリストなのさ…日本だけじゃ無く全世界の重要な要人の警護を主にしてる、彼の存在を知っているのはごくわずかな人間しか知らないそれこそ警視総監クラスだろうね…」

    アルミン「そ…そんな人が友人って…」

    言葉を失い固まるアルミンに代わりミカサが話始める。

    ミカサ「…その『人物』は正体を公の場にさらせないと…」

    ハンジ「そうなるね…TVとかに写ったりすれば間違い無く彼を良く思わない連中に命を狙われる」

  62. 62 : : 2014/09/30(火) 10:10:44
    ミカサ「…早くエレンを迎えにいきましょう…そんな人の側にエレンを置いていられない」

    アルミン「…ハンジさん、僕もミカサの意見に賛成ですエレンは猪突猛進型の性格だし、その人を思っていれば尚更後先考えず行動してしまうでしょう?」

    しばらく考え込むハンジ

    ハンジ「…確かにそうなんだけど…彼は死ぬほど強いから心配は要らないと思うよ(^^)うん♪」

    ミカサ「ハンジさん!なぜそんなにお気楽でいられるんですかッ!」

    激昂するミカサ

    アルミン「!落ち着いて!ミカサっ」

    ハンジ「別にお気楽で居るんでも考えている訳じゃ無い私は真面目に話している…明日彼に会えば二人にも解るよ」

    いつものテンションとは異なる冷静で静なトーンの声に二人とも黙りこむ。

  63. 63 : : 2014/09/30(火) 17:07:30
    ハンジ「二人とも明日もまたおいでエレンも帰ってくるし、彼にも会わせるからさ?」

    冷めた紅茶をすするハンジ視線を二人に戻しニカッと笑う。

    ハンジ「ミカサ、アルミン安心しなよ?もしエレンに何か遭っても私達が力を合わせれば問題ない!だろ?♪」

    ため息を付きながら応えるアルミン

    アルミン「…確かにそうかも」

    ミカサ「…」

    ハンジ「だから大丈夫♪」

    紅茶のカップを手にしてアルミンが笑う。

    アルミン「何か起こると決まった訳じゃ無いし今考えても仕方ない!ね?ミカサ」

    笑顔でミカサに話しかける。

    ミカサ「アルミン…」

    アルミン「明日には帰ってくるんだよ?心配ないさ!(^^)」

    ミカサ「そうだね…」

    ミカサの応えに頷くアルミン
    ふと壁に掛けられた時計を見る

    アルミン「わ、もう9時過ぎてるよっ明日小テストだから勉強しないとマズイや!」

    ミカサ「…アルミン貴方は頭が良いから大丈夫」

    アルミン「!?なに言ってるの?僕は努力してるだけだよ」

    二人のやり取りを笑顔で見ているハンジ

    アルミン「ハンジさん、今日はこれで帰りますね、また明日来ます!あ、カップをかたずけて」

    ハンジ「あぁ♪いいよ良いよ私がするから~♪気を付けて帰るんだよ?…ミカサが居るから大丈夫かぁ♪頼んだよミカサ?♪」

    アルミン「!」

    ミカサ「大丈夫私が守るから」

    アルミン「ミカサまでハンジさんに便乗してッ!」

    ミカサ「…紅茶、ご馳走さまでした…また来ます」

    ハンジ「ん♪待ってるよ♪気を付けて帰りなね(*^^*)」

    アルミン「じゃあお邪魔しました!」

    二人を玄関で見送るハンジ

    ハンジ「…さてと…何かいい手立て考えないとな…」

    ガシガシ頭を掻きながら自室のパソコンに向かった。








    ミカサ「」




  64. 64 : : 2014/09/30(火) 20:53:59
    ミカサ「ハンジさんの話…信じる?」

    アルミン「明日エレンに会えば分かるんじゃ無いかな?…今どうこう言っても始まらないと僕は思う」

    ミカサ「…」

    それ以上何も言わず街灯の灯りの中家路につく二人の影が微かに揺れていた。






  65. 65 : : 2014/09/30(火) 21:31:43
    (カチャ)

    ロックを開けてエレンに声を掛ける

    リヴァイ「入れよ?」

    エレン「あ、はいお邪魔します」

    モノトーンで統一された室内、埃の1つ無い完璧な室内に圧倒されリヴァイが『兵長』の時代と変わらない事を再確認したエレン。

    リヴァイ「適当に座ってろ今飯を作ってやる…」

    そう言うとリヴァイは買い物袋を抱えキッチンに向かう。

    エレン「兵長あのっおれも手伝います」

    笑顔でリヴァイの傍に付くエレン
    手を洗いリヴァイの指示を待っている。

    リヴァイ「…じゃあ芋の皮剥きを頼む」

    エレン「はい♪」

    嬉しそうに皮剥きを始めるエレン
    その姿に目を細めて見つめるリヴァイ

    リヴァイ「皮剥きが楽しいか?」

    エレン「はい!あ、皮剥きが楽しいんじゃ無くて兵長とまた一緒に居られるのが嬉しいんです」

    満面の笑を浮かべリヴァイに応える



  66. 66 : : 2014/10/01(水) 07:34:33
    エレンの笑顔はリヴァイの表情を和らげた。

    リヴァイ「お前は変わらないな」

    エレン「はい?」

    リヴァイ「何でもない…剥き終わったか?」

    エレン「はいっ3個でいいですか?」

    リヴァイ「あぁ」

    エレン「次は何をしましょうか(^^)」

    大きな瞳がリヴァイを見つめる
    まるで飼い主からの指示を待っている犬のようでリヴァイは思わず吹き出してしまう。
  67. 67 : : 2014/10/01(水) 16:18:49
    リヴァイ「ク…フフ…ハハハっ」

    エレン「何が可笑しいんですか?兵長?」

    リヴァイ「クククっ…何でもねぇ気にするな」

    エレン「?」

    リヴァイは受け取った芋と刻んだ野菜を鍋に放り込む。

    リヴァイ「俺はサラダを作るからお前は肉を焼いてくれ」

    エレン「はい!」
  68. 68 : : 2014/10/01(水) 21:41:23
    彩り良く盛られたサラダと旨そうな香りをたてる肉、野菜のスープが並ぶテーブル

    (グゥッッ…)

    エレンの腹の虫が食事の催促を始める

    エレン「すみません!」

    慌てて謝る

    リヴァイ「気にするな、昼飯も食ってねぇから腹が減って当たり前だ」

    エレン「あ、そうでしたね」

    リヴァイ「冷めない内に食えよ」

    エレン「はい!いただきます!」

    旨そうに食べ始めたエレンを穏やかな眼差しで見つめる

    エレン「食べないんですか?兵長?すごく旨いですよ(^^)」

    リヴァイ「旨いか?」

    エレン「はい!兵長とまた一緒に食事出来るなんて…おれ夢見てるんじゃ無いですよね?」

    苦笑するリヴァイ

    リヴァイ「夢じゃ無い…お前の目の前に居る」

    腕を伸ばしエレンの頬に触れる

    エレン「!」

    リヴァイ「…な?ちゃんとお前に触れられる」

    リヴァイに触れられた頬が熱くなるのを感じてリヴァイから目を反らす

    リヴァイ「エレン?」

    エレン「( 〃・〃)兵長っ…スープ旨いです…兵長も食べて下さいよ…」

    それだけ話すと顔を真っ赤にしながら食事を進める

    リヴァイ「ガッツかないでゆっくり食え」

    エレン「はい」

    照れながらリヴァイに応える

    リヴァイ「食事が済んだら美味い紅茶を入れてやるよ…とびきり旨いのをな」








  69. 69 : : 2014/10/07(火) 01:07:30
    エレン「ご馳走さまでした!兵長のスープやっぱり旨かったです(^^)」

    リヴァイ「そりゃ良かった」

    エレン「おれ、食器洗って来ます」

    リヴァイ「後で構わねぇ…て…聞いてねぇ…」
  70. 70 : : 2014/10/07(火) 15:10:31
    (カチャ・カチャ…) (ザー)

    リヴァイの声が聞こえないのかエレンは食器を洗い始めた。
    その姿にリヴァイは目を細め見つめた
    生と死の狭間で生き抜いたあの頃には感じる事の出来なかった穏やかな時間が今目の前にある

    リヴァイ「エレン」

    エレン「はい何ですか?兵長(^-^)」

    洗い物の手を止めリヴァイの声に顔を上げる。

    リヴァイ「今、幸せか?エレンよ」

    エレン「?もちろん幸せです、今こうして貴方と逢えたし」

    笑顔で応える

    リヴァイ「そうか」

    (カタン)

    立ち上がりエレンの居るキッチンに歩み寄りエレンを後から抱き締める

    エレン「!兵長?」

    首筋に顔を埋め鼻をスンと鳴らす
    くすぐったさに首を竦めるエレン

    リヴァイ「…相変わらず甘い体臭だな…エレン」

    エレン「ちょっ…兵長っ」

    リヴァイ「減るもんじゃねぇんだ構わねだろ?…あの時からどれだけお前を捜したか解るか?」

    エレン「ッ!…」

    リヴァイの冷たい手がエレンのシャツの中に忍び込んで腹部に触れた。

    エレン「兵長っ…ちょっ…待ってッ!」

    リヴァイ「待たねぇ…何度も転生してお前を捜して…もう十分待ってただろうが…」


  71. 71 : : 2014/10/07(火) 23:47:07
    リヴァイの言葉に胸に沁みる
    どれ程自分を想い捜してくれたのか…その気持ちが切なくて言葉にならない。

    リヴァイ「もう離さねぇ…」

    抱き締める腕の強さにエレンは小さく頷いて話しかける。

    エレン「当たり前です…絶対におれを独りにしないで下さいね?もう…貴方と離れるのは嫌です」

    リヴァイ「…エレン」

    振り向きリヴァイを真っ直ぐ見つめる迷いの無い澄んだ瞳がリヴァイを映す。
    リヴァイの手を握り自分の胸にあてがう

    エレン「おれの心には、初めて兵長に出逢ったあの時、あの瞬間からずっと貴方の事しか無かった…『巨人』と闘い仲間を失い傷ついて…それでも貴方の傍に居たいと願っていたんです」

    リヴァイ「エレン…」






  72. 72 : : 2014/10/09(木) 21:48:47
    リヴァイの手をそっと握り見つめると笑顔を見せる

    エレン「やっと貴方と巡り逢えた…兵長…永い間待たせてしまってすみません」

    リヴァイ「エレン…やっと還ってきたんだな…」

    リヴァイの手が頬に触れる

    エレン「あ…」

    ひんやりとしたリヴァイの指がエレンの唇をなぞる。
    ゾクゾクする感覚にエレンは思わず目を閉じた

    (チュッ…)

    微かなリップ音が響く

    エレン「っ…」

    顔を真っ赤にして目を開いたエレン
    リヴァイは穏やかな笑みを浮かべエレンを軽々と抱き上げる。

    エレン「うわっッ!へっ兵長っ」









  73. 73 : : 2014/10/19(日) 00:09:37
    いきなり抱上げられエレンはリヴァイの首にしがみついた。

    リヴァイ「落としたりしねぇから安心しろ」

    柔かな笑みを浮かべエレンに声を掛け抱上げたまま色とりどのり街の灯りが点り始めた窓辺で足を止めた。

    リヴァイ「エレン窓の外見てみろよ?…」

    エレン「はい?…」

    言われるままに窓の外を見るエレン

    エレン「!わ…すご…い…星が散ってるみたいだ!」

    エレンを下ろしてやると目の前に広がる光景に目を輝かせリヴァイを振り返る


  74. 74 : : 2014/10/27(月) 23:14:39
    エレン「あの時代(とき)に二人で見た星空…覚えてますか 兵長?」

    翡翠色の瞳がリヴァイを見つめる。

    リヴァイ「当然だ…お前と過ごして来た時間全て覚えてる」


  75. 75 : : 2014/10/29(水) 11:25:10
    エレン「兵長」

    そっと手を伸ばしリヴァイの手を握る。

    リヴァイ「なんだ?」

    エレン「おれはヤッパリ今も貴方が好きです」

    リヴァイの手を自分の頬に充てがいニコリと笑顔を向ける。
    その変わらない笑顔にリヴァイは胸の奥が熱くなってくるのを感じていた。
    エレンはリヴァイの胸元に顔を埋める

    リヴァイ「エレン?」

    背中に回されたエレンの両腕にリヴァイはエレンを抱き締める

    リヴァイ「なぁエレン」

    エレン「はい?」

    リヴァイ「kissしてぇ」

    エレン「え?…ぁ…」

    唇が重なり触れては離れ何度も繰り返される
    は恥ずかしさに身体が熱くなる。

    エレン「ンっ…!」

    エレンの顎を捉えて先程より激しい口付を落とす。




  76. 76 : : 2014/10/29(水) 13:54:30
    エレン「ッ…ん…」

    リヴァイの舌が別の生き物のようにエレンの唇をこじ開けて口中をなぞる身体中の力が奪われて行く感覚にエレンは肩を震わせた。

    リヴァイ「嫌か?俺に触られンの」

    エレン「…っ…いや…じゃ無い…です」











  77. 77 : : 2014/10/29(水) 15:00:03
    うわずった声を搾り出し応える
    応えるのが精一杯でリヴァイの顔を見ることが出来ない。

    リヴァイ「俺を見ろエレン」

    エレン「(////)…」

    俯いたままのエレンを抱き締め直し耳元で囁く

    リヴァイ「千年前からずっとお前だけを愛してる…初めてお前に出逢ったあの瞬間から転生繰り返した今もな」

  78. 78 : : 2014/10/29(水) 17:23:40
    リヴァイの言葉に大きな瞳を更に見開き真っ直ぐ見つめ返す。
    エレンの澄み切った翡翠色の瞳から見る間に大粒の雫がポロポロと零れ落ちる

    リヴァイ「なぜ泣く?…あんまり涙流すと目ン玉溶けるぞ」

    エレン「クスッ…溶けませんよ目玉溶けたら兵長を見れなくなっちゃいますよ」

    満面の笑みを見せるエレンに

    リヴァイ「…駄目だ…もう止まらねぇ」

    エレン「兵長?…」

    零れ落ちる涙を指先で拭うとエレンの瞼に口づけする
    ゆっくりと首筋に唇を押し当て軽く吸い上げる。

    エレン「あっ…」

    首筋にじわりとした痛みを感じる
    リヴァイの手がシャツの釦を外していく羞恥心にエレンが声をかけた。

    エレン「////ちょっと待ってッ」

    リヴァイ「待たねぇ…少し黙ってろ 」

    エレン「!!」

    密着した腰の辺に当たるソレの膨らみにジーンズ越しにリヴァイの手で包まれ身体を強ばらせる。


  79. 79 : : 2014/10/29(水) 23:36:35
    エレン「兵長ッそこはっ!…!」

    リヴァイ「なんだ、お前も感じてんじゃねぇか」

    ニヤッと意地の悪い笑みを向け首筋に舌を這わす

    エレン「や…あッ…」

    自分の声にハッと慌てて口を塞ぎ声を押し殺すエレン
    それでもリヴァイが触れる度に触れられた箇所から熱が広がって抑えきれない快感が理性を食い尽くして行く。

    エレン「あ…ハァ…んッ」

    (もう…身体…に力…はい…ら…)

    崩れ落ちるようにリヴァイにもたれ掛かるエレンの身体を支え抱き上げる

    エレン「…っ…へ…い…ちょ…」

    熱に浮かされた虚ろな瞳がリヴァイを映す





  80. 80 : : 2014/10/30(木) 08:25:09
    腕の中に身体を預けているエレンを愛おしげに見つめ奥のベッドルームに運ぶ

    (キシッ…)

    ベッドに横たわるエレンの頬に触れるとそれだけでエレンの身体はビクンと跳ねる。
    リヴァイはそんなエレンに唇を重ねた。

    (柔らけぇ…)

    唇の柔らかさに貪る様に口づけを繰り返す歯列の奥深くエレンの舌を探り絡ませる。

    エレン「!!」

    絡み付く舌の感触にエレンはキツく目を閉じカタカタと震えた。
    感じ事の無い感覚が理性を食い尽くし快感が体中を包み込む

    エレン「ンっ…ッ…あ…」

    不意に唇が離れた事にエレンは目を開いてリヴァイを見る。

    リヴァイ「…もっと気持ち良くしてやる…俺だけを感じてろ」

    エレン「え?…!やっ!そこッ!ッ!」

    中心の敏感な部分に直接触れて大きく身体を仰け反らせた。

    エレン「っ!!やだッ…兵長っ!まだシャワーもっ浴びて無いですッ!」

    やんわりと包み込んだそれを擦り上げながら応えるリヴァイ

    リヴァイ「分かってる他の奴ならお断りだが、エレンお前なら構わねぇ…黙って快感だけ感じてれば良い」

    エレン「ンっふ…あっ!…兵長ッダメです!そんな…動…かッ!…」

    リヴァイ「構わねぇからイケよ辛いだろ?」





    リヴァイ「エレン…」

    エレン「」







  81. 81 : : 2014/10/30(木) 20:03:41


    リヴァイ「エレン…おい…生きてるか?」

    エレン「……ぁ…は…い…」

    リヴァイの問い掛けに虚ろな目で応えるリヴァイはエレンの髪を撫でながら話しかける。

    リヴァイ「お前…ひょっとして抜いた事無かったのか?」

    エレン「…っ…ありま…す…けど…人に触られ…るなんて…それに…」

    耳元まで真っ赤になり言い淀むエレン

    リヴァイ「それに…なんだ?」

    もそもそとシーツに埋もれながら話し始める

    エレン「…兵長の手…気持ち……良過ぎて…」

    思いもよらない答えにリヴァイは苦笑する。

    リヴァイ「あのなぁエレンよそれは至極普通だろ?…お互いの気持ちが重なってれば尚更だ…折角二人だけの時間なのにいつまでそうやって隠れてんだ?」

    エレンの潜り込んだふとんを片手でめくり覗き込む。

    エレン「…兵長…ッ」

    リヴァイ「出て来いよエレン」

    穏やかな笑顔を向けてエレンを呼ぶ
    リヴァイの声に素直に従い布団から顔を出すと気恥ずかしそうな瞳でリヴァイを見つめる

    リヴァイ「俺の傍に来い」

    ゆっくりと身体を起こしリヴァイの傍に座る
    リヴァイはエレンを優しく抱き締めた。

    エレン「!」

    リヴァイ「何もしねぇよエレンただお前を抱き締めたい…傍に居ると感じてぇ」

    エレン「兵長…」

    自分の身体を抱き締めるリヴァイの体温が心地よいのかエレンはじっと身体を預けている。







  82. 82 : : 2014/10/31(金) 00:20:50
    (今はこれだけで良い…お前はまた俺の傍に居る…)

    エレン「…兵長?」

    リヴァイ「どうした」

    エレン「…あの…」

    リヴァイ「?言いたい事があるならハッキリ言え…なんだ?」

    リヴァイの顔を覗き込みながら尋ねる。

    エレン「…おれなら平気です…だから…あの……シテクダサイ…////そのっへっ兵長も……辛いのでは?…」

    真っ赤に成りながら話すエレンの言葉に一瞬頭の中が真っ白になるリヴァイ
    エレンの頭を撫でながら諭す様に話し始める

    リヴァイ「お前の気持ちは有り難いが無理強いしてヤルもんじゃねえ…さっきも話したがお前が居ればそれだけで良いんだ」

    エレン「でもッ…」

    リヴァイ「何時も死ぬとも知れない巨人と対峙してたあの時代とは違がう今の俺達には時間はタップリあるんだ焦らなくていい…」

    エレン「…やっぱり兵長は大人ですね(笑)」
  83. 83 : : 2014/10/31(金) 07:59:28
    リヴァイの腕の中でクスクスと笑う捜し求めた愛しい存在にリヴァイは知らず知らずの内に顔がほころんでしまう。

    リヴァイ「お前も変わってねぇな…コロコロ笑ったり泣いたり」

    クシャっと頭を撫でる

    エレン「また子供扱いですか?…」

    リヴァイ「クスッ…してねぇよもし本気で子供扱いするなら触れたりしない」

    エレンの額にキスをした。

    エレン「あ…」

    軽く触れただけのキスなのに唇の触れた部分が熱く感じて両手で塞ぐ。

    リヴァイ「エレン?どうした」

    エレン「ッ…いえっ何でも無いですっ…あの兵長っしっシャワーお借りしても良いですか?」
  84. 84 : : 2014/10/31(金) 08:25:03
    リヴァイ「あぁ…そのままじや気持ち悪いな」

    リヴァイの言葉に顔から火が出る程の恥ずかしさに赤面する
    リヴァイは小さく笑うとエレンの身体を放して立ち上がる。

    リヴァイ「一人一人行くのも面倒だ一緒に行こう」

    エレン「!!!Σ(゚ロ゚!いえっおれ一人で行きます…」

    リヴァイ「?今更何を照れてる、今のお前なら俺のシャツでもきれないるな…」

    引出しからバスタオルと着替えを出しながら話す

    リヴァイ「さて、行くぞエレン」

    ベッドの上で固まっているエレンの腕を取り立たせる。

    エレン「あのっ」

    エレンの言葉を聞かずに風呂場に連れていく
  85. 85 : : 2014/10/31(金) 17:43:27

    リヴァイ「久しぶりに頭洗ってやるそこに座ってろ」

    エレン「?あ、はいっ」

    リヴァイに言われる様に浴槽の縁に腰掛けリヴァイを見つめる

    (あ…兵長の腹筋…相変らず凄いな…めちゃくちゃ割てる…かと言ってムキムキマッチョって訳じゃ無い…何したらそんな筋肉付くんだろ?)

    目線の先に見えるリヴァイの腹筋に見とれているエレン

    リヴァイ「何を見ている?」

    シャワーを流しながら尋ねる

  86. 86 : : 2014/11/01(土) 01:08:23
    エレン「兵長の腹筋相変わらず凄いなって」

    リヴァイ「はぁ?何を言い出すのかと思えば下らんな…職業柄体を鍛えるのは当たり前の事なんでな…おのずと筋肉が付いてくる。お前は相変わらず細過ぎるちゃんと食ってんのか?」

    エレン「ちゃんと食ってますそれにおれこう見えて意外と大食いなんですよ?まぁ、食べて運動しても身に付かないですけどね…」

    リヴァイ「個人差が有るから一概には無いには言えないがエレン、お前はもう少し鍛えた方がいいな」
  87. 87 : : 2014/11/01(土) 07:45:47
    リヴァイ「シャンプーが染みるぞ?目を瞑ってろ」

    エレン「はい」

    シャワーで髪を濡らしエレンの髪を洗い始める

    リヴァイ「久しぶりだなお前の頭洗うのは」

    リヴァイの言葉に目を閉じたまま応える


  88. 88 : : 2014/11/01(土) 12:00:25
    エレン「前に洗って頂いたのは『殲滅作戦』前夜でしたね…」

    リヴァイ「覚えてたのか…」

    エレン「忘れる筈無いですよ兵長がしてくれた事、仕草や癖、好きな紅茶に好きな香り、洗い立てのシーツ…全部覚えてます(^^)」

    目を閉じたまま笑うエレンを見つめながら小さく肩をすくめるリヴァイ

  89. 89 : : 2014/11/01(土) 13:02:35
    エレンの言葉にくすぐったさを感じながらも覚えていてくれた事に嬉しいさが込上げてくる。
    嬉しさを誤魔化す為か洗う腕につい力が入る

    エレン「へっ!へいちよっ痛い!痛いですっ(´×ω×`)」

    リヴァイ「!あ?悪ぃ」

    エレン「兵長??どうかしましたか?」

    心配げな声尋ねる

    リヴァイ「何でもねぇ、流すから目を開けんなよ」

    エレン「わぷ!」

    シャワーで流しながらガシガシ泡を落とす荒っぽいが細かい所は丁寧に指先で洗い流していく

    リヴァイ「ほれ、終わったぞ」

  90. 90 : : 2014/11/01(土) 17:25:08
    エレンは頭を左右に振り雫を払うとリヴァイを見上げた。

    (あ…)

    改めてリヴァイの体を見ると無数の傷跡が有ることに気づく。
    その傷の中でも一際目立つ傷跡にエレンは言葉を失なう。

    リヴァイ「エレン?」

    エレン「…その傷は…?」



  91. 91 : : 2014/11/01(土) 20:57:02
    リヴァイ「傷?あぁ…これか」

    左肩から右胸に伸びた傷痕に目線を落しながら応えるリヴァイ

    リヴァイ「さっきも話したが仕事で負った傷だ」

  92. 92 : : 2014/11/02(日) 16:46:00
    エレン「仕事…兵長一体どんな仕事してるんです?…こんな傷痕が出来る仕事って…」

    無意識にリヴァイの傷に触れた
    引き攣ったまま塞がった歪な傷痕…他の傷跡は綺麗に縫われ治療されたのであろう。
    跡を残してはいるが酷く気になる程ではない、しかし左肩から右胸にかけての傷痕は治療されて完治した物で無い事は素人目に見ても明らかな程酷い。

    リヴァイ「言って無かったな…『SP』って分かんだろ?」

    エレン「はい、国の主要な要人の警護するんですよね?…」

    リヴァイ「…俺の仕事はそれだ」

    エレン「え!?兵長は『SP』なんですかッ !!」

    リヴァイ「あぁ…で、この傷は成り立ての頃ヘマしちまって出来た傷だ」

    事も無げに淡々と応えるとエレンの手を下げさせ頭からシャワーを浴びる。

  93. 93 : : 2014/11/02(日) 21:43:01
    リヴァイ「俺が警護するのは極秘で来訪する奴ら専属でな…まぁ、色々とヤバイ立場の奴もいる訳だ」

    髪を洗いながら話すリヴァイ
    エレンはそんなリヴァイの背中を見つめながら聞き返す。

    エレン「なんでまたそんな仕事に就いたんですかっ!?折角穏やかな世界に転生出来たのに!命懸けの生き方は必要ないでしょう!!」

    怒りを露にして怒鳴るエレン
    エレンの怒りは最もである。
    『巨人』と対峙して幾多の仲間を失い、傷つき、自らも愛しい人との離別を体験した…。
    エレンは転生しハンジの弟として生を受け平穏で穏やかに過ごしてきた…
    記憶を持ったままだとはいえ何故リヴァイはまた命を懸けているのか…納得出来ないのだ。

    エレン「何故です?…兵長…」

    リヴァイ「…さぁな…俺にもよく分からん…だが、俺には命懸けの生き方が一番落ち着く」

    エレン「そんな…」

  94. 94 : : 2014/11/02(日) 22:39:44
    振り向いてエレンの頭をポンと叩くと話しを続ける

    リヴァイ「心配要らねぇよエレン死にはしない…折角お前と再会出来たんだ今度は絶対にお前を独りにしたりしねぇから」

    エレン「…」

    リヴァイ「何だよ?信用出来無いのか?」

    エレン「信用とかの問題じゃ在りませんっおれが怒ってるのはっ…」

    エレンの言葉を遮る様に片手で抱き締める。

    リヴァイ「ゴチャゴチャ考え過ぎなんだよお前は…毎回命懸けの警護ばかりじゃ無いだから問題無い」

    エレン「貴方って人は…」

    リヴァイ「体流してさっさと出るぞ風邪でも引かれたらハンジがうるさい」

    わざとため息を付いて見せるリヴァイにエレンはクスリと笑う。

    エレン「そうですね」

    リヴァイ「背中洗ってやろうか」

    ニヤっと笑みを魅せるリヴァイに怪しい気配を察知して身を固くする。

    エレン「自分で洗えますっ」

    エレンの応えに残念そうに笑いながら自分の体を洗い始めた。






  95. 95 : : 2014/11/02(日) 23:37:51
    (カチャ…パタン)

    浴室のドアを開けリビングに向かうと窓辺に持たれ外を眺めるリヴァイの姿が見える。
    エレンに気づいたリヴァイ

    リヴァイ「スッキリしたか?」

    エレン「はいありがとうございました」

    リヴァイ「そりゃ良かったな、冷蔵庫の中に飲み物有るから好きなやつ飲んでいいぞ」

    エレン「はい頂きますね、兵長も何か飲みますか?持ってきます(^^)」



  96. 96 : : 2014/11/03(月) 07:51:48
    リヴァイ「あぁ、ならビールを頼む」

    エレン「ビールですね分かりました」

    リヴァイ「ついでだ、冷蔵庫のポケットにチーズ有るからそれも持ってきてくれ」

    エレン「はい(^-^)分かりました…チーズ…チーズ…あ、これですね」

    リヴァイの注文のビールとチーズとオレンジを持って傍に行く。

    エレン「はいどうぞ」

    リヴァイ「あぁ、ありがとう」

    (プシュッ)

    受け取ったビールのプルタブを開け一気に流し込む。

    リヴァイ「フゥ…やっぱり風呂の後のビールは旨いな」

    リヴァイの姿に思わず吹き出すエレン

    エレン「アハハっ兵長ってば『オジサン』見たいですよ?ビール呑んでそのセリフ…クスクス…(-^〇^-)」

    リヴァイ「…悪かったな『オジサン』で…てか、笑い過ぎだぞ」

    眉間に皺を寄せエレンを見る

    エレン「ゴメンなさい、怒らないで下さい、おれが笑ったのは兵長の姿がハンジさんと重なってしまったからですし」

  97. 97 : : 2014/11/03(月) 09:50:17
    リヴァイ「ハンジ?」

    エレン「はい、ハンジさん…姉さんも風呂上がって直ぐビール呑んで兵長と同じ言葉を言ってるの思い出したらおかしくて」

    エレンの答えに納得したのか表情が和らいだ。

    リヴァイ「アイツならそうだろう…なんっても『人間界の奇行種』しかも身形は女でも中身は俺以上の『オヤジ』だ」

  98. 98 : : 2014/11/06(木) 01:07:50
    リヴァイの答えに笑うエレン
    コ昔からみなれコロと笑う屈託の無い笑顔を見つめながらビールを口にする。

    リヴァイ「眠く無いか?眠くなったらベッドで寝ていいぞ」

    エレン「まだ眠くは無いです。それにおれ何処でも寝れますから気にしないで下さい!(^-^)ベッドは兵長がどうぞ」

    ニコッと笑顔を魅せる。
    昔から見馴れた笑顔の筈なのにリヴァイは何故か落ち着かない

    エレン「兵長?」


  99. 99 : : 2014/11/10(月) 00:40:48
    リヴァイの様子に首を傾げる

    エレン「あの、兵長?どうかしましたか?」

    リヴァイ「あ?…いや、なんでもない…エレン、明日は早目にハンジの所に戻るぞ」

    言い終わると手に持った缶ビールを一気に呑み干す。

    (ゴクッゴクッゴクッ…)

    エレン「わ、一気ですか?」

    驚いた顔を見せるエレンにリヴァイは強気な笑を見せた。

    リヴァイ「たかだかビール2〜3本じゃ酔わねえから安心しろ」

    エレン「昔から兵長はお酒強かったですよね(^-^)」

    リヴァイ「まぁな正体無くす迄呑んだこたァねぇから、酒に強いのかどうか分からんがな?」

    エレン「ですね(笑)」

    リヴァイ「エレン」

    エレン「はい、兵長」

    リヴァイ「積もる話もあるが今日の所はお開きにしてそろそろ寝ろ…朝イチで起こしてやる」

    エレン「…分かりました、じゃあコップ片付けたら寝ますね」

    立ち上がりキッチンに向かうエレンの後ろ姿を見ながら妙な胸騒ぎを感じた…

    (何だ…この感覚は?……嫌な感じだ…)

    訳の分からない胸騒ぎを打消す様に頭を振ったコップを洗い終えたエレンがリヴァイの傍に立っている。

    エレン「兵長?本当に具合悪いんじゃ無いですか?」

    心配している様子のエレン

    リヴァイ「いいや、大丈夫ださっさとベッド行って寝ろ…」

    エレンの頭を撫でる。

    エレン「兵長も一緒に寝ましょう?兵長のベッドなんですから、主が使わないのにおれだけなんて寝られませんよ」


  100. 100 : : 2014/11/10(月) 01:03:41
    エレン「ほらっ兵長!立って、立って」

    リヴァイ「おいっエレン…」

    リヴァイの腕を引き立たせると有無を言わさず寝室まで引っ張って行く。

    リヴァイ「分かったから引張んな」



    寝室に着くとエレンはシーツを綺麗に直しリヴァイを呼ぶ

    エレン「はい、兵長綺麗に直しましたから寝てください」

    リヴァイ「あ?俺は向こうで寝る…だからベッドはお前が寝ろ」

    エレン「だから、一緒に寝れば良いでしょう?…それとも…兵長はおれと寝るの嫌なんですか(´;ω;`)」

    じっと見つめるエレンに溜息を付きエレンの提案に従う事にする。

    リヴァイ「分かったよ…寝てやるからお前も寝ろ…」

    布団を片手てめくりエレンを呼ぶ
  101. 101 : : 2014/11/10(月) 23:02:20
    エレンは特上の笑顔でリヴァイを見つめその傍に潜り込む。その姿はまるで飼主に甘える仔犬を思わせるリヴァイは込み上げて来る笑いを抑え
    隣に寝転がる。



  102. 102 : : 2014/11/11(火) 09:59:04
    傍で笑顔を向けるエレン
    『昔』と変わらない眼差しのエレンが傍に居る。幾度産まれ変わろうとも『傍に居る』と約束をした『愛しい人』が…。
    リヴァイはエレンの頭を引き寄せる

    エレン「?兵長?」

    リヴァイ「今度こそ…一緒に居よう…なぁ、エレンよ」

    エレン「はい…兵長」

    リヴァイに応えるとそのままリヴァイの胸元で静かに目を閉じる

    (トクン・トクン・トクン…)

    (鼓動が…規則正しく脈を打つ…生きてるんだ…又…兵長の傍で一緒に…)

    規則正しく脈を打つ鼓動を聞きながら安心したのかエレンは深く深く眠りについていた。

    リヴァイ「エレン?…もう眠ったのか…」

    胸元で小さな寝息が聞こえてくる。
    …遥か昔『化物』と呼ばれ『人類の希望』と周りの人間に躍らされ、まだ幼さの残るその身に余る荷重を背負わされた『エレン』はただ一人でその過酷な運命に立ち向かい挙がらい続けた。
    そんな『エレン』唯一心を寄せたのがリヴァイだった…。
    リヴァイも又エレンの迷い、踠き、それでも『未来』を諦めない姿と狂気にも似た光を宿す瞳に惹かれ『共に生きる』と決めたのだった…だが

    リヴァイ「最後の最後で下手打って…お前に辛い思いさせちまった…すまなかったな…エレン」

    腕の中で寝息をたてるエレンを抱き締め直しリヴァイは溜息をつく。

    リヴァイ「『今世』でお前に何をしてやれるか解らないが…エレンよこれだけは言える…変わらずお前だけを…愛してる…お前が傷ついたら俺が塞いでやる、泣く時は傍でその涙を止めてやる、お前が何時でも笑って居られる様に精々尽くしてやるから…傍に居ろよ?」

    聞こえてか知らずかエレンはリヴァイに身体を寄せた。

    リヴァイ「ゆっくり休め…エレン」

    そう言うとリヴァイも静かに目を閉じた…。


  103. 103 : : 2014/11/11(火) 10:53:37
    カーテン越しに射し込む陽射しに目を閉じたまま大きく伸びをする。
    ゆっくり目を開けると、見慣れない部屋のベッドに居る事に驚き飛び起きる。

    エレン「!ここは?!」

    (カチャ)

    「…よぉ、目が覚めたか?」

    声を掛けられベッドから飛び降り応える。

    エレン「はい!お早よう御座いますっ兵長!」

    リヴァイ「なぁエレンよ、今は『兵士』じゃねぇんだそんな堅い挨拶は必要ない」

    エレンの傍まで歩み寄ると頭を撫でると微笑を浮かべながらエレンを見る。
    ワシワシと荒っぽく頭を撫でるリヴァイの優しさに照れながら笑うエレン。

    リヴァイ「目が覚めたなら顔を洗ってリビングに来い、飯食ったらハンジの所いくぞ」

    エレン「はいっ(^-^*)直ぐ支度します!」

    パタパタと洗面所に行こうとするエレンを呼び止める

    リヴァイ「ちょっと待て」

    エレン「はい?」

    振り返った瞬間リヴァイの顔が目の前に近づく。

    エレン「!!ん゛〜!!」

    不意打ちのキスに言葉が出て来ない
    エレン

    リヴァイ「お前良く寝てて目覚めのキスをして無かったからな」

    ニヤッと悪戯な笑を向け何事も無いようにスタスタとリビングに向かって歩き出す。

    エレン「//∇//)ッ…兵長っ!イキナリ何するんですかっ!!まだおれ顔も歯磨きもして無いのにッ…貴方の『潔癖症』どこ行ったんです?!」

    エレンの喚きに

    リヴァイ「何度も転生してる内にどっかに落としたらしい」

    エレン「(°д° )!!」

    リヴァイ「さっさと支度しろよ?エレン」

    ククっと笑いながらリヴァイは話す

    エレン「…(=_=)…全くもぉ…」

    リヴァイの後ろ姿を見ながら頭を抱えるエレン

    (やっぱり兵長は兵長だった…)

    後を追う形で部屋を出て洗面所に向かう。


  104. 104 : : 2014/11/11(火) 11:10:13
    全ての身支度を済ませリヴァイの待つリビングに行くと紅茶の香りが鼻腔をくすぐる。

    リヴァイ「トーストで良いだろ?」

    エレン「あ、はいおれ食物好き嫌いありませんから」

    テーブルには焼き立てのトースト、ベーコンエッグが準備されてる。

    エレン「すみません、手伝いもしないで…」

    申し訳無さげにリヴァイを見る

    リヴァイ「別に構わん、俺が勝手にやってんだ…冷めないうちに食え」

    エレン「はい」


  105. 105 : : 2014/11/11(火) 13:52:11
    席に付くとエレンは両手を合わせ

    エレン「頂きます!」

    リヴァイ「あぁ」

    トーストを頬張るエレンを横目にリヴァイはコーヒーを口にする。
    穏やかな雰囲気の中前触れ無く携帯電話が鳴り出す

    リヴァイ「今日は仕事は無かったんだが…pi…はい…おぅ、ハンジ飯食ったらそっち…あ?!…何を興奮してやがる?落ち着いて話せ……ん?TV?…あぁちょっと待ってろ今付けるから…」

    TVの電源を入れチャンネルを切替える…その途端視線が画面に釘付けになった。

    リヴァイ「!!何だっこれはッ…何故俺達が映っている?!」

    リヴァイの声に驚き傍に駆け寄るとTV画面に昨日コンビニでの姿が大々的に報道されていた。

    リヴァイ「おいっハンジどうなってんだ!?……あぁ……分かった…直ぐそっちに行く……後でな…pi!」

    リヴァイの様子に只ならぬ気配を感じ声を掛ける。

    エレン「兵長、公の場に出ちゃいけないんですよね?…コレってマズイ状況じゃ…」

    いつに無く巌しい表情で応える。

    リヴァイ「あぁ…かなり不味いな…ハンジの話じゃ、店の外に居た野次馬が撮影した物らしい…俺の顔は映って無ぇがハンジとお前はシッカリ写ってる…だが、俺を知ってる奴等は俺だと解るだろうな」

    忌々しげにTV画面を睨み付け大きく溜息を一つ吐き捨てる。

    リヴァイ「エレン、ゆっくり朝飯位食わせてやりたいがそうも行かない…今から直ぐ戻るぞ」

    TV電源を消し、携帯とジャケットを持つとエレンを抱き締める

    リヴァイ「悪いな、エレン…」

    エレン「いいえ、気にしてません取り敢えず姉さんの所に行きましよう」

    リヴァイの背中をトントンと軽くたたきながら応える

    リヴァイ「そうだな…」

    玄関の棚のBOXから車のkey*を取り出してドアを開く…辺りに人がいない事を確認してエレンの手を取り地下駐車場へ急ぐ。
    リヴァイは自分を疎ましく思う輩が多い事を知っている
    また、そんな輩は自分を消しさる為ならば手段を選ば無い事も理解していた…。
    あの映像に写ったハンジやエレンが自分の知り合いだと解れば必ず巻き込んで来るだろう。
    リヴァイはこの時ばかりは自分で選び着いた仕事に後悔していた。










  106. 106 : : 2014/11/11(火) 16:44:24
    (『後悔しない方を選べ』か…自分で言っときながらこのザマだ…最悪な気分だな…)

    ハンジの待つマンションが近づく。
    信号待ちしていた時マンションの前に数人の報道記者が見えた。

    リヴァイ「クソが…もう嗅ぎ付けやがったのかっ!エレン、しばらく頭上げんなよ」

    エレン「えッ!は…はいっ!」

    マンションの前を素通りし少し先のパーキングに車を停めて携帯を掛ける 。

    リヴァイ「…ハンジ、マンションの前に報道記者らしいのが居るぞ…あぁ…俺達は今マンション近くのパーキングにいる出て来れるか?…分かった裏の非常階段だな…車付けるから直ぐに来い…ン…」

    リヴァイ「エレン、裏の非常階段が分かるか?そこでハンジと落ち合う」

    エレン「はいっあっあの兵長顔上げても良いですか?案内しますので」

    身体を起こしリヴァイに裏の非常階段までの道を伝える。

    リヴァイ「…分かった」

    リヴァイはエレンに聞いた通りに車を発進させた。



  107. 107 : : 2014/11/11(火) 16:53:57
    朝起きてエレンがリヴァイの元に泊まったことを思い出したハンジ。

    ハンジ「ンンん〜...♪*゚ウチの弟君はお泊りだったわァ( ´艸`)すっかり忘れてたよン」

    何気無くTVを付ける。

    ハンジ「ん〜?」

    TVから流れる映像に眼鏡を掛けてもう一度画面を見る。

    ハンジ「!ゔっ!!?ちょっ!!なっナニッ(°д° )!!これって昨日の私らじゃないっ!?」
  108. 108 : : 2014/11/11(火) 21:48:44
    流れる映像には強盗を縛り上げているハンジだとしっかりと見て取れた
    辛うじてレジに居るリヴァイは映ってはいなかったが、人混みに紛れ込んで走り抜ける三人の後姿を映し出している。

    ハンジ「うげげっ(◎-◎;)!!マズイだろッ!これ〜!!リヴァイの顔は写っちゃいなくても…ッ!取り敢えず電話っ電話ッ!!」

    なかばパニック状態のまま携帯を手にリヴァイに連絡した。


    ハンジ「だからっTV見てってば!…うん!…店の防犯カメラの映像じゃ無いみたいだから多分外の野次馬君の誰かが携帯で撮影したらしい…分かったよ待ってる!」

    携帯を切りハンジは急いでPCを開き検索を始める

    (カタカタカタッ…カタカタカタ…ヵッ)

    ハンジ「(」・ω・)」う~!(/・ω・)/ひょ~!!ネット内でも私達の話題で持ち切りじゃないのさ〜(◎-◎;)!!何?!『正義の味方( 'ω'o[Now]o!』『現代のHERO』?!」

    ネット画像もハンジの姿がバッチリ写った物がupされているハンジだけなら良かったが検索を続けると、店を抜け出した一瞬に振り返ったリヴァイとエレンの横顔がupされていた。

    ハンジ「…本当にマズイよねこれ…私やエレンだけなら良いけど…リヴァイは…」



  109. 109 : : 2014/11/12(水) 06:46:20
    発信元を抑えようにも、如何せん多過ぎて辿り着くには莫大な時間が必要なのだ。ハンジは頭を掻き毟る

    ハンジ「ヴヴヴ~…参ったな…リヴァイを恨んでる奴等がニュース見てなきゃいいケド…見てるよなぁ〜…間違い無く、確実にっ!」

    色々考えあぐねていると携帯が鳴る。

    ハンジ「はいっモシモシ!あッリヴァイ早かったね?今何処に居るの…えぇっ!!?…うん!…裏の非常階段から出るから…うん!じゃぁ急いで支度するよっ」

    窓辺のカーテン越しに下を覗くとリヴァイの言う通り記者らしき輩を確認出来た。
  110. 110 : : 2014/11/12(水) 07:51:15
    ハンジ「取り敢えず、財布と携帯…とまぁこれだけあれば良いか?…」

    手近な荷物だけ持って玄関に急ぐ。

    ハンジ「…取材陣は出入口に居るけど、ここまでは来てないって事は…まだ私達だとは特定されてないんだ…今の内に先手を打てば何とかなるかも…」

    少しだけドアを開けキョロキョロと辺りを見回す、取材陣らきし存在は確認出来ない、ハンジはすぐさま玄関を締め、非常階段に向かって駆け出した。
  111. 111 : : 2014/11/12(水) 08:39:40
    非常階段を一気に駆け降りる。
    まだ自分達を特定出来ていて下にいるのでは無さげにそうだった。
    もしも、特定しているなら確実にハンジにコンタクトしてくる筈である
    それが無いのはここにハンジ達が居ると確証が取れていないのであろう。

    ハンジ「兎に角暫くは雲隠れしておこう(=_=) 」

    下まで駆け降りると辺りを見回す。
    そこに黒のセダンが滑り込む
    ドアが開きリヴァイが声を掛ける。

    リヴァイ「ハンジ、乗れッ」

    ハンジ「解ってるよッ!」

    答えながら乗り込むとリヴァイは車を走らせた。
  112. 112 : : 2014/11/13(木) 08:42:37
    座席に深く体を預けハンジはチラっとリヴァイを見る。

    ハンジ「いゃァ〜ネットも私達の画像で持ちきりダヨ…さて、これからどうする?」

    リヴァイ「全く…面倒な事になったナ…」

    ぽつりと独り言の様に呟く。
  113. 113 : : 2014/11/13(木) 19:25:29
    リヴァイ「…悪いな…巻き込んじまって」

    ハンジ「www貴方が気にする事無いよ♪正直言うとさ、私は今の状況ワクワクしてる」

    興奮気味に話すハンジ

    リヴァイ「…お前の思考回路はどうなってやがる?…記者や報道陣だけならどうって事は無い…だがな、俺が関わっている以上お前達は俺の『関係者』として危険に曝されるんだぞ…」

    ハンジ「まぁ、何とかなるさ!…あれ?リヴァイ、エレンは??」

    リヴァイ「後ろにいる」

    エレン「ハンジさん」

    後部座席から顔を出すエレン





  114. 114 : : 2014/11/13(木) 22:24:11
    ハンジ「おぉ♪エレンそこに居たんだぁ♡昨日はよく眠れたかい?♪あ、それと『ハンジさん』じゃ無くて『姉さん』だろ?(^-^)/」

    振り向いてエレンの頬を軽く抓る。

    エレン「ごめん…姉さん」

    ハンジ「うん♪解れば宜しい♪ねぇリヴァイ、一先ず都心部から離れよう前エルヴィンから別荘を借りたんだけどそこに行こう」

  115. 115 : : 2014/11/21(金) 12:22:17
    静かな森の中を進むとチラホラと洒落た造りの建物が見える。建物の造りでそれが別荘なのだと理解出来た
    しかし、明かりの灯った場所は一軒も無い。
    それもその筈、『別荘』とは通常夏避暑地としての役割が殆どで余程の事が無い限り早々利用する事はないだろう

    ハンジ「あ、あれ、あれ♪ログハウス風のヤツ♪」

    リヴァイ「分かった」

    言われた建物の前で車を停める。
    ドアを開け外に出るとハンジは玄関に向かう
    リヴァイも外に出ると後部ドアを開きエレンに声を掛ける。

    リヴァイ「疲れたろ?」

    エレン「いいえ!おれは乗ってただけですから」

    車から降りながらリヴァイに応える

    ハンジ「二人とも中に入れば♪」


  116. 116 : : 2014/11/21(金) 23:18:18
    室内は長く使われていない割にキレイに清掃されている。
    ハンジハンジソファーに掛けられた布を引っ張り外しながら話始めた。

    ハンジ「さてと…これからの事何だけど」

    リヴァイ「…あぁ」

    手近のソファーの布を外しながらリヴァイは短く応える。

    ハンジ「手短に私の考えを話すけどこのままじゃ面倒だから私とエレンだけで話しをしてこようと思うんだけどどうかな?」

    リヴァイ「そりゃお前達だけで話が済めば構わねが…どうあっても俺の事を聞かれるだろう」

    ハンジ「まぁ確かにねぇ…じゃあ、いっその事リヴァイも一緒に行って話しつけるとか♪」
  117. 117 : : 2014/12/01(月) 17:21:58
    期待
  118. 118 : : 2014/12/24(水) 11:14:17
    ハンジの提案に耳だけ傾けながら眉間に皺を寄せるリヴァイ
    暖炉の脇に放置された薪を放り込みライターで火を付けた。
    小さな火種が少しずつ薪に燃え移りパチパチと爆ぜる音が室内に響く
    暖炉の炎を見つめながら静かにリヴァイが口を開く。

    リヴァイ「取り敢えず本部に連絡する…警察で事情を話すのは俺の身代わりを立ててもらってからだな」

    ハンジ「ほぇ~♪そんな事出来るやの?!…しかし…貴方のソックリさんなんているぅ?」

    おちゃらけたハンジの声にリヴァイは鋭い視線を向ける。
  119. 119 : : 2014/12/24(水) 15:45:30
    リヴァイ「…『目付き悪くて、態度が横暴な奴』他に居るのかって言いてぇのか?」

    ハンジ「私は何もそこまではっ言って無いでしょε٩(๑>▽<)۶з」

    ハンジの応えに眉を潜め暖炉の火に視線を移した。

    リヴァイ「心配要らねェよ…俺に似た奴を準備するなんざ朝飯前…勿論お前達もだが俺の与する組織はそう言う処だからな」

    淡々とした口調で言葉を紡ぐリヴァイは続けて話す。

    リヴァイ「俺の考えはこうだ『俺達の替え玉』に警察行ってもらって『事のあらまし』を俺に成り変わり話してもらう…で、俺達はしばらくの間なりを潜めるって提案だが…どうだ?」

    エレン「おれ達の『身代わり』まで?…」

    リヴァイ「あぁ、『身代わり』じゃ無い『替玉』な?もしもの時でも俺達の『替え玉』なら対処出来る『替え玉』に選ばれるのはきっちり訓練受けた奴等だ」

    ハンジ「…なるほど…確かにそれならリヴァイ自身にも被害が及ば無い」

    リヴァイ「俺の事は抜きにしてお前達に害が無い事が最優先されるべきだ…」


  120. 120 : : 2014/12/24(水) 22:41:15
    シンと静まり返った室内を暖炉の明かりが照らす
    本来ならば強盗を撃退したのだから逃げ隠れする必要は無い。
    しかしリヴァイの職業柄公に立つ事は出来なかった…
    自分一人ならばどうとでも成るが、ハンジやエレンは遠い昔とは違うごく普通に日常を過ごしている一般人なのだ。

    (あの時代とは違う…ハンジやエレンを…巻込む事は絶対に避けなければ…)

    何時に無く巌しい表情を浮かべたリヴァイにハンジは穏やかな声で話し掛ける。

    ハンジ「リヴァイ、そんな巌しい顔しなさんなって(^^)貴方が思う程私ら弱くないよ?」

    にっこりと笑いながらリヴァイの肩をポンっと叩く。

    リヴァイ「ハンジ…」

    エレン「姉さんの言う通りです」

    リヴァイ「エレン」

    ハンジ「取り敢えずまだ何か起きた訳じゃ無いダロ?起きてもいない事を考えたって仕方無い(^^♪何事もポジティブに行こう~♪て、ことで私は近くで食料調達してくるヨ♪」










  121. 121 : : 2014/12/25(木) 00:14:37
    ハンジ「とりあえず2〜3日分適当に仕入れて来るね~あ、リヴァイの好きな酒も買ってくるからあと、で酒盛りしよう♪勿論付き合ってくれるよネっ?!」

    苦笑しながらハンジに応える

    リヴァイ「フ…あぁ了解した…」

    ハンジ「んじゃぁ行ってくる笑笑(*^^
  122. 122 : : 2014/12/25(木) 22:33:53
    ハンジの出て行ったドアに視線を向けたままリヴァイが口を開く。

    リヴァイ「エレン、ハンジが戻って来る前に一通りの掃除を済ませるぞ掃除用具が有るはずだが…」

    エレン「え?…あ、はっはいっ!」

    リヴァイの言葉にエレンは辺りを見廻す。キョロキョロと辺りを探し歩いていると二階へと上がる階段の下に小さな納戸を見つけ中に掃除用具を手に持つと急いでリヴァイに声を掛ける。

    エレン「兵長っありました!一揃ありますよ…あ、掃除機ありますけど電気って来てるんでしょうか?」

    リヴァイ「あ?…そういやぁドウなんだろうな…少し待ってろ調べて来る」

    (カチッ…カチッ…)

    リヴァイ「…来て無いな…掃除機は諦めるしかねぇよ」

    エレン「分かりましたでは、箒と雑巾でいいでしょうか?」

    リヴァイ「それだけ有れば上等だ」

  123. 123 : : 2014/12/28(日) 03:52:12
    リヴァイはエレンから箒を受取ると手早く室内の隅から吐き出した。

    リヴァイ「エレン、悪いが窓を開けてくれ」

    エレン「('0')/ハイ!」



    二人で大まかな掃除を済ませるとリヴァイは窓の外を見た、既に陽は落ち辺りは薄暗くシンと静かだ。
    ジャケットのポケットを探り煙草を
    一本咥えると火を着ける。
    煙草から昇る煙はユラユラと漂いながら薄暗い窓の外に吸込まれて行く様に見えた
  124. 124 : : 2015/01/01(木) 01:58:34
    リヴァイ「かなり暖かくなって来たとはいえやはり山沿いはまだ冷え込むナ」

    エレン「そうですねもう少し薪を足しますか?」

    掃除用具を片付けながら応える

    リヴァイ「そうだな…室内の薪じゃ心許無いし、外を探してくるお前は中で待っていろ」

    エレン「おれが行ってきます!」

    (バタバタ…)(バタンッ!)

    リヴァイの返事を聞く前にバタバタと外に駆け出して行く。
    リヴァイは呆気に取られながらエレンの出て行ったドアを見つめる


  125. 125 : : 2015/01/03(土) 00:10:28
    リヴァイ「…相変らず落ち着きねぇな」

    エレンの出て行ったドアを見ながら大きく溜息を付きながら後を追い掛ける。
    建物の周りを見回して見るが、エレンの姿は無い

    リヴァイ「エレン何処だ?」

    エレン「はい!裏にいますっ」

    裏の方から応える声にリヴァイはそちらに歩を進めると、建物の床下に薪がつみあげられていた。

    エレン「沢山あって助かりましたネ(^^)どの位運びましょうか?」

    リヴァイ「そうだな…取り敢えず持てるだけ運ぶが無理しなくて良い」

    エレン「('0')/ハイ!分かりましたっ」

    (カタ・カタン…)

    エレン「ほっ!…もう少し…」

    リヴァイ「無理するなと言っただろうが…聞いてねェのか?そんなに持って前が見えんのかよ?…半分寄こせ」

    薪を両手一杯まで持ったまま立ち上がろうとするエレンを制止して薪を取り上げる

    エレン「え?わっ」




  126. 126 : : 2015/01/07(水) 23:43:55
    エレンの薪をひょいと右脇に抱え左肩に一升瓶よりも太い丸太を担ぎ先を歩き出す。
    その背中を見つめるエレンの体にヒンヤリとした風が吹き付けた。

    (…テ…キヲ……テ…キケン…)

    エレン「な…に…?…」

    吹き付けた風に紛れて声が聞こえて来る…。
    振り返り陽が落ち薄暗くなった林を見つめた
    足元からジワジワと侵蝕される様な不安な感覚にエレンは身震いする。

    エレン(…風が…何かを知らせているのか?…)





  127. 127 : : 2015/01/09(金) 06:54:26
    険しい表情で立ち尽くすエレン。

    「エレン!」

    自分の名を呼ばれ我に返る

    リヴァイ「…何か有ったのか?」

    エレン「兵長…?…」





  128. 128 : : 2015/01/14(水) 15:00:29
    振り返りリヴァイを見た瞬間酷い頭痛に襲われ苦痛に視界が歪む。

    (ズキン・ズキン!…)

    エレン「いっ!!?なッ?!イタィっ…!!」

    リヴァイ「!?エレンっ!」

    頭を抱え、苦痛に耐えるエレンの傍に駆け寄り今にも倒れ込みそうなるエレンの体を抱き止めた。

    リヴァイ「おいエレン!しっかりしろッ」

    エレン「ッ…あ…アブナ…イ…」

    リヴァイ「何が危ないって?!エレンっ!!」

    掠れ気味の声で呟きエレンはグッタリと意識を手放した

    リヴァイ「!」

    リヴァイの腕の中で荒い息をしているエレンをしっかりと抱き上げ急いで室内に戻る。

    部屋に戻ると辺りを包み込むように風が強く吹き始め木々を揺らし始める
    まるで今後を暗示するかの様に…。
  129. 129 : : 2015/01/14(水) 21:34:07



    (ココハ…ドコダ…オレハ…ナニヲシテイル…)

    目を開いた筈なのに、自分を取り囲むのは漆黒の暗闇だけだった。

    (…イヤダ…)

    鼓動だけが異常に高鳴って呼吸が荒くなる。
    底無の恐怖心と不安感が心を支配して体の芯から震えが込み上げて自分の意思では止める事さえ出来ない…。

    (…ダレカ…イナイノカ?…)

    自分以外の生き物の気配を求め、意を決し手を伸ばし闇の中を探り始めた瞬間強烈な血の臭いが鼻腔をかすめる。暗闇の中で感じたソレは遠い昔体験したモノだと気付くまでに時間は掛からなかった。

    (これは!!)

    血の臭いを運ぶ強い風に身体を強ばらせ身構える…。
    キツく閉じた両の目をゆるゆると開くと目の前に血に塗れた倒れた仲間の屍が辺り一面を埋め尽くしていた…。
    噎せ返る血の臭い…エレンは言葉を失う

    (!?…此処は…この場所はッ!)

    目を塞ぎたくなるような惨劇に呆然と立ち尽くす


  130. 130 : : 2015/01/15(木) 02:05:06
    (…マヨウナ)

    血に染まった大地に立ち尽くしているエレンの耳元に微かな声が何処からとも無く聞こえて来る。

    (…キケンガセマッテイル)

    エレン「…え?!誰だッ!!」

    (…タイセツナヒトヲマモリタイナラソバヲハナレルナ…キヲツケロ…スグ…バマデキケ…ン…セマ……)

    エレン「大切な人…何!?聞き取れ無いッ?!うわぁッ!!! 」

    最後の言葉を聞き取れ無いままに足元からまた闇に包まれた仄暗い水底に沈んで行くように意識が遠のいていく…。

    エレン(大切な人…まも…る………)

    薄れ行く意識の中謎の声の言葉を繰り返しかんがえていた。


  131. 131 : : 2015/01/15(木) 12:18:06
    突然頭を抱え意識を手放したエレン
    余りにも唐突な出来事にリヴァイは困惑を隠せずにいた…。

    リヴァイ「…一体何が?…」

    暖炉の側のソファーに寝かせたエレンを見つめながらため息混じりに呟く。血の気の引いた青白くさえ見えるその顔には未だに意識が戻らない…

    リヴァイ「やはり…お前に逢うべきでは無かった大昔の記憶…約束などするんじゃ無かった……すまない…エレン…」

    忌々しげに呟くとリヴァイは唇を噛み締めた。

    リヴァイ「?!…車の音…俺の車と…もう1台…?…誰だ」

    風に紛れ車の音が近付いてくるのに気づき窓のカーテン越しに外を確かめる。

    (バタン…)(ザク・ザク・ザク・)

    ドアを閉じる音と同時にハンジの姿を確認する、その後ろから大柄な姿が見えた。

    リヴァイ「?…エルヴィンか…」


  132. 132 : : 2015/01/15(木) 19:04:42
    (コツコツコツコツ…)(ギギッ…)

    「遅くなってごめん〜(^^)エルヴィンから連絡あってさ♪…て…?!エレンっ!?どうしたのッΣ(゚ロ゚;)」

    買い物の袋を放り投げてエレンの元に駆け寄るハンジをリヴァイが窘める。

    リヴァイ「静かにしろ…」

    エルヴィン「何があったか説明してくれないか?」

    落ち着きのあるそれでいて良く通る声で問い掛ける。

    リヴァイ「…ハンジが出掛けた後薪を取りに外に出て…戻る途中でいきなり頭を痛がって倒れた…」

    リヴァイは二人にありのままを話し、静かにエレンを見る。
  133. 133 : : 2015/01/16(金) 09:09:17
    暖炉の炎に照らされるエレンの傍らでハンジが口を開く。

    ハンジ「…エレンは…転生してからもたまに酷い頭痛に悩まされてたんだ…頻度はそれ程起こる訳じゃ無いけど私や家族、知り合いとかに何か良くない出来事が起こる前とかね…」

    ハンジはエレンの髪をそっと撫でながら話を続ける

    ハンジ「今から何か…良くない事が起こるのを感じ取ったんだろう」

    ハンジの話に重い沈黙が続く…。

    「う…」

    ハンジ「エレンッ大丈夫かい?」

    エレン「!?え?ハンジさん!?あれ?!おれなんで寝て?あれ?」

    リヴァイ「エレン?」

    エレン「へ?あっリヴァイさんッ…エルヴィンさんまで!?」

    エレンの応えに違和感を感じたリヴァイが訊ねる。

    リヴァイ「…俺が誰だか解るか?」

    エレン「はい、『リヴァイ』さんです」

    リヴァイ「…」

    ハンジ「じゃあ私は誰だい?」

    優しい笑顔を向けながら聞く。

    エレン「??ハンジ姉さんだろ?何聞いてんの?」

    ハンジはエレンの頭をひとなでして立ち上がるとリヴァイに声を掛ける。

    ハンジ「リヴァイ、台所一緒に着いて来て晩ご飯支度しなきゃねぇ♪あ、エルヴィンはエレンを看ててよ(^_^)」

    エルヴィン「あぁ、解ったよ」

    エレン「姉さん食事の準備ならおれがッ」

    立ち上がろうとするとエルヴィンがそれを止めた。

    エレン「?エルヴィンさん?」

    エレンが寝ていたソファーに腰掛け自分の隣をポンポンと指してエレンに座る様に促す。

    エルヴィン「食事の支度は二人に任せて少し話をしよう?」

    穏やかな声にエレンは素直に従いソファーに腰を下ろした。

    エルヴィン「それでいい」

    笑顔でエレンの頭を撫でた。






  134. 134 : : 2015/01/23(金) 23:19:37
    黙々と買い出しの品を冷蔵庫に収めながらハンジはリビングに目を向け
    側で湯を沸かしながら夕食の準備を進めるリヴァイに話し掛けた。

    ハンジ「ねぇ、リヴァイ」

    リヴァイ「…何だ?」

    ちらっと視線だけを向ける

    ハンジ「エレンの事なら心配ないよ…多分」

    リヴァイ「はぁ?何だ、その自信無さ気な答は」

    作業の手を止めハンジを見た。
    ハンジは卵をボールに割り菜箸で溶きながら笑顔で答える

    ハンジ「話した限りエレンは此処に来た事は覚えているようだったろ?私の見立てでしか無いけど、エレンの記憶喪失は一時的なもので切っ掛けがあれば直ぐに思い出すと…」




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