ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

メカクシ性徒会執行部【キド総受け(゜ロ゜;】

    • Good
    • 2

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2014/08/25(月) 22:29:22

    キド「お、お、おいっ。きいてないぞ。そんなこと。わたしは、ただこの学校を守りたくて…。」


    カノ「まずさ、学校を守る前に生徒会事態をちゃんとしなきゃだよー?」


    セト「そうっすよ。もう、俺たちで決めちゃったんすから。キドは従うっす。」



    コノハ「みんなで楽しくやろ?」



    ヒビヤ「こ、こ、コノハ大胆っ///まぁ、僕も負けないけどね。」



    クロハ「任務だ。しっかり遂行しろよ。キド。」


    シンタロー「おい。お前ら、会長は俺だぞ。俺らが手取り足取り教えてあげるから。」



    キド「や…やめ…俺が入ったのはせ、生徒会…じゃ……」




    コノハ「違うよ?」


    「性徒会へようこそ。」

  2. 2 : : 2014/08/25(月) 23:01:41


    シンタロー「んじゃ。生徒会をはじめまーす。」



    帰りたい。本当に帰りたい。




    きど つぼみ。新しく入学した高校で変な委員会に入ってしまいました。


    先輩方に誘われ、憧れていた生徒会に入れたと思っていた。
    でも事実は違って、生徒会の裏委員会。性徒会へ入らされていたのだ。

    なんと迷惑な話だろう。
    その憧れていた生徒会にも入れたのだけれど。






    ここは、生徒会室。今から始まるのは生徒会。この時間がおわると…







    性徒会が始まる。





    シンタロー「この後の性徒会についてですが、曜日制にしていくことになりました。」


    その言葉にカノが反応した。



    カノ「曜日制なんだー。じゃぁ性徒会の活動中は、キドを好きにできるんだね。」



    キド「カノ先輩。変なこと言わないでください。」



    シンタロー「持ち帰り禁止で、全て、この生徒会室にて行う。ルールを破ると恐ろしいペナルティがあるから。」


    クロハ「何曜日にだれなのかは、あえて言わない。」



    セト「頑張るっすよ。キド。」


    そんな先輩方の言葉、べつに嬉しくない。




    シンタロー「じゃぁ、次、性徒会だから。




    コノハ「今日は、誰だろうね。」




    さぁ、もうすぐはじまる。





    この






    悪魔の時が。



  3. 3 : : 2014/08/26(火) 05:18:03
    月曜日


    「はーい。んじゃ。よろしく!
    今から性徒会をはじめまーす。」

    カノ先輩が不気味な笑みをうかべて言う。




    キド「カノ先輩。もう、帰りたいんですけど。いいですか?」


    ・・・
    性徒会なんてそんなのでたくもないし入りたくもない。




    カノ「『カノ先輩』ってなんて他人行儀な。昔からの顔見知りじゃーん。」


    カノって読んでくれていいよ?そう付け足して、カノ先輩はわたしの背中に抱きつく。



    そう。カノ先輩とは昔からの知り合いで、昔は仲良く遊んでいた。しかし、高校生になった今では、めっきりその機会は減っている。

    でも、少し背が伸びた気がする。






    キド「離してください。」


    カノ先輩の腹を軽く殴る。




    カノ「あれ?よわっ。

    まぁいいや。今日は、どんな遊びをしよう…」





    キド「あの、性徒会って何をするんですか?」


    さっきまでわたし達が使っていた白い長方形のテーブルによりかかっているカノ先輩に言った。



    そんなわたしの言葉にびっくりしたのか、カノ先輩の表情が固まって動かない。



    カノ「えっ。わかんないの?」


    反応が遅れてカノ先輩は、やっと言葉を口にした。




    わたしでも大体はわかる。"性"という字が委員会についているから。でも確かめとして聞いただけだ。






    でもわたしは、それを教えて欲しいなんて言っていない。



    カノ「今から、手取り足取り教えてあげるから。」






    カノ先輩は、わたしを壁においやった。










    「逃がさないよ。」







  4. 4 : : 2014/08/26(火) 05:41:16


    いきなり登場でごめんなさい(__)
    今から設定をかきます。本当は最初にかいたほうがよかったのに(>_<)すみません。

    では、どうぞ!!


    きど つぼみ【一年生】

    性(生)徒会執行部一年生

    カノとセトとは、顔見知り。



    せと こうすけ【二年生】

    性(生)徒会執行部二年生

    役割は書記&会計






    かの しゅうや【二年生】

    性(生)徒会執行部二年生

    役割は副会長





    きさらぎ しんたろう【三年生】

    性(生)徒会執行部三年生

    会長





    あまみや ひびや【一年生】

    性(生)徒会執行部一年生

    キドの隣のクラスである。





    ここのせ コノハ【三年生】

    性(生)徒会執行部三年生

    役割は会計

    クロハと双子。兄である。




    ここのせ クロハ【三年生】

    性(生)徒会執行部三年生

    役割は書記

    コノハと双子。弟である。




    軽くこんなかんじです。


    ありがとうございました!これからもよろしくお願いします(*^^*)





  5. 7 : : 2014/08/26(火) 17:14:11


    カノ「逃がさないよ。」






    ほ、ほ、本当に壁ドンってする人いるんだ。



    キド「はなして…っ。」


    カノ先輩の肩を押して、どうにか逃げようとする。





    パシっ



    カノ先輩に腕を掴まれる。




    キド「やめてくださいっ。」








    カノ先輩の顔が近くて、目をそらした。



    先輩の髪の毛が軽く頬をかすめる。






    カノ「敬語。やめていいよ。」














    カノ「こっち向いて。」







    ばくばくばくばくばくばく───




    心臓が高鳴る。


    顔も熱い。






    今まで男の人にこんな近くなられたことなどなかったから。







    ばくばくばくばくばくばく──





    先輩の言葉など聞こえていないふりをしてそっぽを向く。






    こんな顔、見られたくない。











    カノ先輩が顔を傾げてこちらを見ているのがなんとなくわかる。








    目をあわないようにぐっと目をつむった。







    掴まれた腕が痛い。






    脚がガタガタと震える。



















    ちゅっ












    唇に柔らかい感触。





    それの正体がわかって、目をあけることができない。








    なんの種も仕掛けもないシンプルなキス。




    ゆっくり口が放れるのと同時に目をあけた。




    まだ近くにカノ先輩の顔がある。







    カノ「解散。」



    軽くわたしの唇を指で拭い、先輩は、生徒会室をでていった。









    -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
    作者の、みおと申します。

    手取り足取り── とか言ってたカノ先輩がピュアな感じに…!!

    他のキャラは、もっとグイグイくると思うので!!そういのは待っていてください。



    次もよろしくお願いします(*^^*)



  6. 8 : : 2014/08/26(火) 19:50:21

    火曜日





    キーンコーンカーンコーン


    「キド。」


    名前を呼ばれ、振り返ると教室のドアのところにクロハ先輩がいた。





    キド「クロハ先輩。」


    クロハ「迎えに来た。」





    荷物を持って先輩のところに駆け足で寄る。




    キド「悪いですね。来てもらって。」



    クロハ「あぁ、そう思ってんなら後でしっかりお礼しろよ。」





    お礼…?





    クロハ「今日の性徒会は俺だから。」




    ニヤリと不気味な笑みをうかべて、わたしの手をひき、廊下を歩く。



    まわりの視線が少し気になる。



    キド「え、ちょ、今日、や、休みますっ。」




    クロハ「はぁ?年中無休だっつの。」





    そんな酷いこと…あるのか。
    昨日の今日で。もう嫌だ。







    キド「性徒会、辞めたいです。」


    クロハ「辞めんの?あぁ、んじゃバイバイ。」


    キド「え。いいのか!?」



    あ、敬語を忘れた。



    でも、辞めれるのなら嬉しい。








    これでわたしは自由になれる。




    クロハ「シンタローに何されてもいいなら。」






    キド「シンタロー先輩。なんかするんですか?

    まさかとは思うが成績とか下げ…」


    成績を下げられるのなら辞めるのはよそうと思った。



    クロハ「本当、アイツはおっかないから。


    童貞って一番こわい類…」



    シンタロー「なに?」





    クロハの顔が青ざめる。


    シンタロー先輩がいきなりわたしの後ろからあらわれた。


    クロハ「…。」


    黙りこむクロハ先輩。



    これは、すごくレアなのかもしれない。

    というか二人とも三年生なのに何だろう。この温度差は。
    これが会長との違い…



    シン「別に俺は怖くないから。」


    そう言ってシンタロー先輩は、わたしの頭を撫でる。




    この変な感覚に顔が赤くなる。

    頭を撫でられるのなんか久し振りすぎて恥ずかしい。





    シン「クロハ。あんまり痛いことしてやんなよ。」


    クロハ「はーい…」




    シンタロー先輩は、わたしたちを通り越して先へ行ってしまった。






    かっこいい先輩だ…。


    美形ぞろいの生徒会だが、なかなか性格とかは、選べないらしいのに対してシンタロー先輩は、とても優しかった。


    この人は、特に性格悪し。



    キッとクロハ先輩を睨むとクロハ先輩に睨みかえされた。


    クロハ「おぼえてろ。」



    キド「何を?」


    クロハ「お仕置きだ。これは。」



    キド「クロハは、シンタロー先輩と全然違う。」




    自然と敬語がぬけた。

    この人には尊敬語は使いたくない。





    クロハ「会長と一緒にすんな。」






    そんなやりとりをしながら、何だかんだ言って生徒会室へ向かった。






  7. 9 : : 2014/08/27(水) 00:44:41



    キド「嫌だ。こんなゲスな人と二人なんて。シンタロー先輩。帰らないでください。」



    シンタロー「悪い。きまりがあるから、帰るよ。クロハもきっとやさしくしてくれるから。」



    シンタロー先輩は部屋をでていってしまった。



    カノ「キド。がんばれ。」


    カノ先輩もわたしに一声かけると帰っていってしまった。








    クロハ「見捨てられたな。」


    キド「クロハ先輩のせいだ。」




    クロハ「あっそ。」



    先輩は、わたしに手招きをしてこっちに来いと合図する。

    クロハ先輩が来てくれればいいのに。


    そう思いながらも、席に座っているクロハ先輩の前までいく。







    クロハ「今から、性徒会をはじめます。」



    キド「なん…んっ──」



    ちゅっ









    クロハ先輩は、わたしの腕をひっぱって顔を寄せ、唇を重ねる。




    強引なキスだ。

    何度も角度をかえてついばむようにする。





    キド「んっ。」




    苦しくて口をあけると口内にぬるっとしたものが入ってきた。


    それは、ゆっくりと口の中を溶かしていく。

    歯列をなぞりわたしの舌とからませる。
    先輩は、椅子から立ち上がりわたしの顔を両手でもちあげる。そして自身の唾液をわたしの口にうつし、掻き混ぜた。


    淫らにもわたしの口からは、どちらのものかもわからない唾液がはみ出て、つたっている。


    ゆっくりと口をはなすと、銀の糸がわたしたちをつないでいた。








    クロハ「昨日は、どこまでしたの?」



    キド「え?」


    クロハ先輩がわたしの口からはみでた液をセーターの袖でぬぐいながら言った。


    クロハ「カノと。」



    キド「別に…。」



    クロハ「ん?」





    キド「…き、き、きす。」


    クロハは、驚いた表情で言った。


    クロハ「まだそこまでしかしてないんだ。カノにしてはめずらしいよね。それ。」


    キド「めずらしいのか?クロハ先輩にくらべたら何倍もやさしかった。」



    少し嫌みをまぜてしまった。

    でも、苦しかったのは事実だ。






    気持ちよかったのも事実だが。


    クロハ「アイツすげーよ?そこらの女ひっかきまわして、何。なんかヤバイって聞いたことある。」


    そんなふうには見えなかったけどな。




    クロハ「カノのやつお前に惚れたんじゃない?」


    キド「ふぉえ!?冗談はよせ。」


    顔が赤くなるのを感じた。








    クロハ「あ、あと。もうひとつ。」



    わたしの両手をつかんで言った。




    クロハ「お前、さっき言ったろ、──クロハ先輩の何倍もやさしかった。とか。」



    キド「言った。」


    クロハ「俺は、最初に荒くしといて、後で酷くやさしくしてやるんだよ。そうすると後のが余計に優しく感じるだろ?」



    キド「で、なにを…。」




    クロハ「だから、俺との快楽を求めるんだったら、最初もしっかり言うこと聞いとけっていう忠告。」



    キド「それは、どうも。」




    クロハ「んじゃ、再開。」


    その瞬間、視線の位置が一気に変わった。


    上には天上とクロハ先輩の顔がある。


    白いテーブルの上にわたしがのっている。




    えっ。ちょ、はぁ!?


    ちょっと見直したのに。先輩のこと。







    でも


    クロハ先輩がただのゲスではなかったから


    性徒会がおわったら、最初に言ったことをちゃんとあやまろう。



  8. 10 : : 2014/08/27(水) 04:51:51


    クロハ「んじゃ再開。」



    クロハ先輩は、わたしの脚に自分の脚をそえて、その先をぐりぐりと膝で刺激する。



    あまりの激しさにテーブルの上から立ち上がると、脚から崩れそうになったが先輩が腰を支えてくれた。



    キド「くっ。」



    一方、先輩の手は、わたしのネクタイをはずして床に投げ捨てる。




    ガラガラっ






    へ?

    いきなり生徒会室のドアがあいた。



    そこには、私服姿のシンタロー先輩がいる。



    シン「おぉ。悪い。」


    シンタロー先輩は、目をそらして顔を赤くしている。
    クロハ先輩がおかまいなくに、いろいろ続けるから。


    先輩の脚は、まだ規則的に動きながら なお刺激をあたえ続けているし、


    先輩の手は、シャツのボタンをはずすのに専念している。




    シン「あぁ。忘れ物とりにきただけだから…」



    そのまま通りすぎようとする先輩を止める。
    キドの頬には涙がつたつている。


    キド「シンタロー先輩…。」



    クロハ先輩は、そのまま倒しながら首筋を吸う。





    シン「…キド。助けたほうがいいか…?」



    先輩は、やはり目をあわせないように喋る。


    キド「………。」



    シン「了解。



    おい。クロハ。」



    シンタロー先輩は、クロハ先輩のネクタイをぐっと掴む。



    クロハ「邪魔だ。会長。」



    シン「もう、今日はそこらにして帰れ。今は、21時だぞ。」


    クロハ「まだ今、始めたばかりだから見逃せ。」



    また、そのまま向き直って、続けようとする先輩。




    シン「あほか。行くぞ。

    キドは、はやく服着ろっつの。」



    クロハ「キド。なんか言え。」



    キド「クロハ先輩は、デリカシーがない。」



    クロハ「はぁ?」



    先輩は、けげんそうな顔でわたしを見る。



    キド「わたしだって誰かに見られれば恥ずかしい。



    先輩のばかっ」





    服をととのえて、素早く支度をすると お辞儀をして部屋をでた。











    シン「キドめっちゃ怒ってたか?」




    クロハ「いや。照れて可愛いなと思った。」




    シン「それ、俺も思った。」





    こんな感じで、火曜日の性徒会はおわった。

  9. 12 : : 2014/08/27(水) 14:22:29


    あ、クロハ先輩。




    クロハ「よー。キド。昨日は、よくも逃げてくれたよね。」



    キド「こんにちわ。鬼畜先輩。」


    お昼休み、購買にてパンを買おうと教室をでたところ。クロハ先輩と会った。

    そのまま、軽く挨拶をすませ逃げようと回れ右をすると、腕をつかまれた。





    クロハ「なに?俺何かしたっけ。」



    キド「な、なんかしたっけ。ってバリバリ昨日された。そんな何もなかったみたいに言うな!!」



    一気に話したせいか息があがる。顔もとても熱い。



    クロハ「そんな気にしてた?」

    キド「あ、あぁ、あたりまえだっ。」



    また昨日のことを思いだして顔が赤くなる。



    クロハ「悪かっ…」


    キド「シンタロー先輩にも見られた。」





    両手で顔を覆い、下を向く。


    あの、優しいシンタロー先輩もきっとあんなの見たらわたしと話してくれないかもしれない。


    わからないけど。なぜか、クロハ先輩にされたあんなことより嫌だった。




    クロハ「なんだよ。それ。」


    キド「へ?」






    クロハ「ムカつく。」


    クロハ先輩は、そう言うとひとごみの奥に消えていった。




    な、なんかヤバイこと言ったっけ。わたし。

    とにかくパンを買って、教室へ戻った。











    キーンコーンカーンコーン


    今日は性徒会、誰なんだろう。


    昨日は、シンタロー先輩が助けてくれたから大事にはならなかったけど、もし誰も来なかったら…




    わたしは、どうなっていただろう。




    ガラガラっ



    生徒会室のドアをあける。

    すると、先輩方はみんな揃っていて、椅子に座っている。



    キド「おくれてすみません。」

    そう言って、自分の席につく。



    シン「おう。大丈夫だ。」



    そんなこんな生徒会がはじまった。





    生徒会のときは、どんな先輩も真面目に仕事をする。苦しい仕事でも、誰も弱音を吐かずに黙々と進めた。


    たしかに、こんなことずっとやってたら、そりゃぁ性徒会とかもつくりたくなるよね。
    もしかしたら性徒会は、唯一彼らが弱音を吐ける場所なのかもしれない。






    シン「生徒会を終わります。」





    ぞろぞろと先輩方が帰る中、生徒会に残っている人がいた。









    その人が今日の性徒会の相手。





    そこにいたのはヒビヤくんだった。



  10. 16 : : 2014/08/27(水) 18:37:31


    水曜日



    キド「ひ、ヒビヤくんなんだ。」


    ヒビヤ「なんだよ。"くん"って女子かよ。」


    キド「もとから女子だよ。」


    ヒビヤとは、小学校からの腐れ縁で、しまいには高校まで同じになってしまった。本当、同じクラスじゃないだけよかったと思っている。



    ヒビヤ「キドさー。キャラ変わったよね。前はもっと男みたいな言葉つかって、美人なのにもったいない感じでさ。
    一人称とか"俺"だったもんなー。

    あ、これが高校デビューっていうやつか。」



    ヒビヤは、バカにしたような口調で喋る。




    キド「黙れ。」


    ヒビヤ「そー、それ。そんな感じ。」




    生意気な…。




    キド「わたしより背が小さいくせに。」



    そう言って、ヒビヤのところまで駆け寄る。
    ヒビヤは、それに気付き、椅子から立っ。









    え。



    なんで…。











    ヒビヤ「負けちゃったね。


    つぼみちゃん。」





    キド「なんでっ。お前背伸びしてるだろ。」



    そう言ってヒビヤの脚をみると、両足しっかりと地面についている。
    背伸びをしているのは、わたしだった。


    キド「な、な、なんでっ。」


    ヒビヤ「そんな悔しがらないでよ。嬉しすぎる。」






    ヒビヤとは、10㎝以上の差ができていた。



    悔しくて、ヒビヤの足を踏む。



    ヒビヤ「いたっ。」






    キド「わざとじゃない。」

    わざとだけど。ニヤリとした笑みをうかべて、ヒビヤを見る。





    するとヒビヤの顔がとても近くにあってビックリした。




    キド「な、なんだ。」





    あと、数㎜で鼻がくっつきそう。













    ヒビヤ「はじめよ。性徒会。」












    ちゅっ






    額に柔らかい何かを感じて、少し目を開ける。




    そこには、ヒビヤの唇がついている。



    唇が離れると言った。


    ヒビヤ「これ、わざとじゃないよ。」



    キド「あっ、真似…」


    それは、わたしがヒビヤの足を踏んだときに言った言葉だった。







    ちゅっ







    次は頬にキスをされて、ヒビヤは、また言う。





    ヒビヤ「これも、わざとじゃないよ。」


    ニヤリと笑うヒビヤ。





    キド「もうっやめろ…んんっ。」





    ちゅっ









    ヒビヤの顔が斜めになってわたしの唇に触れる。





    こういうとき、息をすっていいのかわからない。




    わたしたちの唇が離れるとヒビヤは、こう言った。





    ヒビヤ「今のは、ちょっと




    何かまざったかもしれない。」






    そう言うヒビヤの顔が少し赤くみえる。



    それを見て、わたしまで赤くなる。





    キド「何が…まざった…?」








    ヒビヤ「情欲。」



    唇が一気に熱さを増し、全身に伝わる。






    ヒビヤ「キドは、特別だよ。」


    キド「え?」


    ヒビヤは、わたしの首もとに顔をうずめる。



    ピリっとした痛みが小さく咲き、口が離れた。



    ヒビヤ「ほら。特別。」


    ヒビヤのつけた赤い花が一つ。くっきりと首筋についていた。



    キド「わっ…!!!!」




    ヒビヤ「いいね。性徒会。」




    キド「…!!!!。」





    ヒビヤ「最初は、生徒会にしか興味なかったんだけど。」



    ヒビヤは、わたしの耳に唇をよせる。



    キド「っぁ。」




    フーっ



    耳に息を吹きかけられた。



    ヒビヤ「ちょっと興奮したかも。」




    キド「なっ。おまえっ。」


    ヒビヤの肩を叩く。







    ヒビヤ「これで、性徒会をおわりましょー。」






    先に家まで帰ろうとするヒビヤの後を追う。


    キド「っまて。」



    ヒビヤ「はやくしないと、一緒に帰ってあげないよ。」



    そんなヒビヤの上から発言を余計に懐かしく感じ、夢中になって追いかける。




    そんな水曜日だった。

  11. 20 : : 2014/08/28(木) 01:32:12


    朝会だ。だるい。



    校長先生の長い話をもう、何分きいただろう。





    司会「では、生徒会から連絡があります。」



    あ、生徒会の先輩たち。


    シンタロー「こんにちわ。生徒会です。いきなりですが、これから連絡箱の設置を各階に―。」




    こうやって見ると迫力あるなー。


    生徒会。



    みんな美形で、アイドル集団のようだ。





    わたしだったら誰を押すだろう。





    やっぱり―





    「誰なの?」



    隣から聞こえた声にビックリする。わたしの考えてることを読みとられ…



    ヒビヤ「全部、口から漏れてるけど。」

    キド「ひ、ヒビヤ。」



    隣にいたのは、隣のクラスのヒビヤだった。


    全然気づかなかった。




    ヒビヤ「で、誰がタイプなの。キドは。」


    単刀直入に聞いてくるヒビヤ。



    キド「た、タイプって。別にそんなのいない…。」


    なぜか自分の顔が赤くなる。





    ヒビヤ「やっぱり、セト先輩?」



    キド「へ?」



    ヒビヤ「あの人、すごい人気だよな。気遣い上手で超さわやかイケメンだ。って。」


    まだ、わたしはセト先輩とは話したことも、性徒会もあたったことがなく、まるで接点がないのだ。


    キド「そんなに人気なのか?」


    ヒビヤ「ファンクラブとか、人数が一番多かった気がする。」





    すごいな。ファンクラブだなんて。

    なんだか遠くに感じてしまった。
    いつもは、わりと近い気がしたのに。



    シンタロー「もう一つ。一年生で生徒会に入りたい人は、今週までに申し込んでください。その中から面接を行っていくので、早めに宜しくお願いします。」





    キド「ねー。ヒビヤ。」



    ヒビヤ「ん?」

    キド「あんなこと言ったら入りたい人が多すぎて恐ろしいことになっちゃうんじゃ。」



    ヒビヤ「あー。俺も疑問だわ。」








    キーンコーンカーンコーン…






    今日も、性徒会がある。


    相手は、だれだろう。





    「今日、俺っすから。」






    振り返るとそこには、セト先輩がいた。

    キド「よ、よ、よろしくですっ。」



    セト「こちらこそよろしくっすね。」





    爽やかな笑顔で言うセト先輩。


    その笑顔に少しドキドキしながら、生徒会の時間をすすめた。



  12. 22 : : 2014/08/28(木) 14:11:20



    木曜日




    セト「性徒会。そろそろはじめるっす。」



    この人がちまたで噂のさわやか先輩か。


    本当にいい人そうだ。





    キド「セト先輩。あの聞きたいことがあるんですけど。いいですか?」




    セト「あぁ。いいっすよ。」




    セト先輩は、わたしのほうにわざわざ体を向けてくれた。



    そう。ずっと今日の朝から気になっていたのだ。今日一日ききたくてしょうがなかった…



    キド「先輩のファンクラブって人数何人いるんですか!?」



    セト「え?」







    なんか言えただけでも少しスッキリした。
    先輩のファンクラブ。


    セト「ファンクラブなんてあるんっすか。俺に。」



    キド「え。が、ガセネタですか?」


    セト「わからないけど。初めてきいたっす。」


    先輩は、目を丸くしている。






    セト「それだと、シンタローくんとか、もっとすごいと思うっすよ。」



    シンタロー先輩!?

    あぁいうの苦手そうなのに。影で見守るファンクラブかな。




    セト「カノも。アイツは、遊んでばっかだから、ファンクラブっていうより連れて歩いてる感じっすよ。」



    セト先輩は、こんな話しも笑顔で話す。




    こんな性徒会があるなんて知ったら、みんなすごいことになるだろうな。



    というか、なんでわたしなんだろう。



    セト「キド。」



    セト先輩は、椅子に座っている自分の脚をポンポンと叩き、わたしに、ここに座れと言っている。


    キド「む、む、無理ですよっ。」




    人の膝にすわるのなんて、あまりないし、セト先輩だと余計に緊張する。




    うじうじと、そこにとどまっていると、先輩に腕をつかまれ、向かい合わせに座らされた。

    セト先輩の安定した脚の上にわたしが脚をひらいて座る。




    こんな座りかたでいいのかな。



    セト「なんか淫乱な絵っすね。」


    キド「せ、セト先輩がこうしたんだっ。」


    あ、最近はヒビヤに対して、この男口調をつかって喋るため癖になる。

    先輩に対して、こんな口調は、失礼だろう。






    先輩は、わたしの唇にやさしくキスをおとした。




    セト「そういう口調…ギャップ?


    いいっすね。」




    そう言うと、また優しくキスをおとす。



    先輩の舌が、口内を犯していく。

    わたしの舌の先に挑発するように先輩の舌が触れた。

    わたしの口からは、卑猥にも唾液がしたたる。







    先輩は、伏し目がちにわたしを見つめる。


    ほのかに頬を染めているセト先輩の、その表情がすごく色っぽい。



    キド「んっ。」


    身体中が痺れ、ゾクゾクする。



    先輩の手が、わたしの太ももに触れる。指先で、ツーッとなぞった。心臓が跳ねる。



    ギリギリのところまでくると、セト先輩に聞かれる。


    セト「いい?触って。」



    キド「なっ。や、やめてくださいっ。」






    セト「ください?


    俺、敬語はやだよ。」




    先輩の指は、何度も同じところをいったりきたりする。

    とてもくすぐったくて、先輩の脚にくっつけてよじる。




    キド「や、や、やめろ…。」



    セト「合格。」



    ピタッと手の動きをとめ、ニッコリ笑う。



    先輩の甘い声が部屋に響いた。












    セト「緊張してるもんね。」



    キド「…。」




    何も言えずに顔が赤くなる。






    セト「キド俺のこと好きになってくれたら


    続きするっすよ。」


    最後に、ニコッと笑って膝の上のわたしを下ろす。




    セト「解散。」



    キド「お疲れ様です…う"っ」


    セト先輩の視線が痛い。




    キド「ば、ばいばい…っ。」


    改めて、敬語をなくして先輩に言う。



    セト「うん。ばいばい。」





    セト先輩とさよならをして、暗い道を歩いていると前から人影が見えた。





    真っ黒なパーカーの男。







    なんとなく身の危険を感じて、後ろへ身をひく。




    「やっほー。」




    声をかけられてドキッとする。









    そこにいたのは、カノ先輩だった。



  13. 24 : : 2014/08/29(金) 18:42:59



    キド「か、カノ先輩っ。」


    カノ「うん。こんばんわ。」


    カノ先輩は私服だった。真っ黒のパーカーを来て、ヘッドフォンをしている。



    遠くから見るとかなりあやしい人だ。


    カノ「こんな時間まで性徒会?」


    キド「はい。先輩はどうかしたんですか?」




    カノ「買い物。」


    カノ先輩は、手にもっているレジ袋を上にあげて言った。




    カノ「どう?委員会の調子は。」




    キド「あ。はい。普通です。」




    カノ「まだ、みんなギリギリまでしか手だしてなさそうだもんね。」


    ケラケラと笑いながら喋る。

    キド「カノ先輩もそうじゃないですか。一番やさしかったです。」




    カノ「え?なに。もっと過激なのがよかった?」




    ニヤニヤしながらカノ先輩は言う。

    キド「ヘンタイ。」



    すると、カノ先輩はわたしのネクタイをグッと掴んで自分のほうに引き寄せる。


    カノ「そんな生意気いうと、お持ち帰りしちゃうぞ。」


    カノ先輩の顔がとても近くなる。



    こんなに近くでみても、すごく綺麗な肌で整った顔。

    やっぱりモテるだけある。



    カノ「見惚れたの?」



    キド「違う。それより、どうしたんですか?首。すっごい赤い点が…あ、変な虫にでもくっつかれましたか?」


    その首の赤い点は、胸の方にまで全体に広がっている。




    キド「痛そうだ。」



    カノ「うん。痛いよ。





    これは、僕が汚れてる印だから。」




    いきなり変なことを言い出すカノ先輩に言う。



    キド「先輩は、別に汚れてなんかない。」


    カノ「あっ、えっと…」





    キド「先輩は、人の気持ちを大切にできる人だろ。

    勝手に自分を悪く言うな。」



    タメ語で喋る自分に嫌気がさす。先輩なのにこんな口調で。

    ただの生意気な女だ。






    そんな風に思い悩んでいると一番言われたくないことをカノ先輩に言われる。


    カノ「男口調。」



    キド「ま、ま、間違えただけですっ。」



    カノ「へぇー。」



    ニヤァっとした笑いを顔に貼り付けるカノ先輩は言った。


    キド「っつ。」




    ゴスッ



    わたしは、カノ先輩の腹を思いっきり殴ると、いちもくさんにこの場から逃げる。


    バカにしそうなカノ先輩には、絶対に使いたくなかった。





    キド「ばっ、バカノっ。」




    最後に捨てゼリフを吐いて、全力で走る。




    だから



    このとき、カノの顔が赤くなっていることなど、わたしには知るよしもなかったのだ。


  14. 25 : : 2014/08/30(土) 10:05:57



    「あっ、おーい。キド。」



    キド「あ、おはようございます。セト先輩。」



    セト「っあー。俺、敬語やめてって言ったじゃないっすか。」




    学校の正門。セト先輩に会って、きちんと挨拶をすると先輩に言われた。



    キド「嫌です。」




    セト「敬語やめて。」



    キド「嫌です。」




    下駄箱までの道のりを歩きながら、言い争いをしていると、後ろから誰かに抱きつかれる。



    キド「え?」



    「おはよう。キド。」




    振り返ると、そこにいたのはコノハ先輩だった。


    キド「お、お、おはようございます。」




    端正な顔がわたしの顔をのぞく。


    コノハ「僕も敬語やだな。」



    セト「そこで止まってないではやく行くっすよ。」


    セト先輩は、少し不機嫌そうな顔をして言った。



    キド「コノハ先輩。はなしてください。」



    コノハ「敬語禁止。セトにも僕にも。」

    むっとした顔で、喋ってくるコノハ先輩の可愛さに負ける。





    キド「はなせ。」



    その言葉にニコッと笑うと、スタスタと先に行ってしまった。




    セト「うわー。残念そうな顔っすね。」


    キド「違う。」


    ずっとコノハ先輩の背中を目で追っていたことに気付き、慌てて目をそらす。




    セト「コノハに言われたら、敬語もすぐやめれるんっすねー。」



    キド「なっ。」




    セト先輩は、わたしの腕をいきおいよくひき、自分によせる。





    セト「ちょっと妬けるよ。」





    セト先輩は、顔をわたしの唇にギリギリつかないところまで近づけてそう言うと、先に靴箱まで行ってしまった。




    顔が熱い。すごく熱い。


    "妬けるよ"




    ずっと先輩の言葉が脳内を占領する。




    変なわたしだ。
  15. 26 : : 2014/08/30(土) 13:33:32


    わぁー。って感じです。いきなりすみません。作者です。
    毎回楽しく書かせてもらっております(*^^*)


    そろそろ〇〇sideをいれようと思いまして。次は、カノsideです。カノ目線で一話かきます。

    どうぞ。これからもよろしくお願いいたします。

  16. 27 : : 2014/08/31(日) 06:29:34


    カノside






    「カノ先輩は、汚れてなんかない。」






    君は、そう言った。




    本当にそんな風に思っているの?



    僕は、腐るほど嘘をついて、壊すほど人を騙してきた。




    それを全てないことにしてくれる君は







    きっと───────






    ────────────────────



    女を騙すのは簡単だった。


    最初は、甘い言葉をかけてめいいっぱい甘やかす。
    僕の顔目当てで、遊び半分の女もだんだんと本気を見せてくるんだった。

    で、少し突き放して僕の弱い部分を少し打ち明ける。
    えっと、なんだっけ…わたしがいなきゃこの人だめなんだ。みたいに思わせて、優位に立たせてやるんだ。



    そして、激しく愛して、僕に酔わせる。





    そうすれば、君も僕と同じ



    汚れた獣。



    まぁ、最後は僕が飽きて捨てるんだけど。










    その獲物は、どんな人だって構わない。



    夫となかなかうまくいっていないオバサンだったとしても、何も知らない幼稚園児くらいの可愛い子供だったとしても。





    僕には、愛せる自信だって、愛される自信だってあるんだ。










    そんなことのはじまりは、中学二年生のときだった。



    「カノくーん。ねー。今日遊ぼうよぉー。」



    ある日の昼休み。三年生の先輩が僕に声をかけてきた。



    カノ「あー。うーん。どうしよっかな。」



    そのときは、なんとなく興味なかったし焦らして遊んでたんだけど。




    「えぇーっ?いいじゃぁーん。」




    この先輩、よく胸があたるんだよなー。




    隣にセトもいたんだけど、女子に囲まれて聞いてなさそうだったから言ってみた。




    カノ「誘ってんの?先輩。」



    すると先輩は、僕の予想外の反応に、顔を赤くしてただ頷くだけだった。






    そして、放課後。


    言わなくてもわかるでしよ。





    それが僕の最初で


    何かのはじまりだった。







    それからというもの、遊び道具に女を使って

    あやして

    育てて

    棄てる



    これをずっと繰り返してきたんだ。


    楽しくて楽しくて、しょうがなかったんだ。






    キドは、覚えてる?







    キド「おい。邪魔。」



    君は誰に対してもそんな態度で、ものを言う。




    女子とたむろって道をふさいでいる僕に言った。




    カノ「あー。ごめんね~。」



    よく見ると、綺麗な子じゃないか。



    僕がニコッと笑っても、表情ひとつ変えないで、スタスタと通りすぎてく。



    「うわー。何、あの女。」

    「1年でしょ?」



    悪口を言う女子が脚を前にだして、その女の子を転ばせようとする。







    ぐっ




    気づいたら、僕は君の手を掴んでいた。



    カノ「そういうの。やめたら?」




    脚をだした女を睨んで言ってやった。

    今まで一度も女を敵にまわしたことがなかったこの僕が。





    バッと手をはなす。




    すると君は、少し頬を染めて言ったんだ。



       ・・・ 
    キド「バカノ。」







    女と遊べばみんな僕を好きになる。


    そんな自分に酔ってたのは僕だってわかっていた。






    首をおおう赤い点も、すべて君のものにかえてほしい。





    なんて




    今の僕には言えないから


    僕の酔いがさめたら



    また迎えにいく





    それまで




    僕のこと何て呼んでも

    どれだけふざけて殴ってもいいから






    汚れた獣でも良ければ



    待っててくれないかな

  17. 28 : : 2014/09/01(月) 20:15:05
    通常のキドsideです!!!!



    妬けるよ…妬けるよ…


    授業中もずっとセトの言葉を考えていた。

    妬くって、どういう意味だったんだろう。



    昼休みに同じクラスのキサラギにきいてみた。



    キド「キサラギ。ちょっといいか?」

    モモ「わっ、イケメンかと思った。」




    イケメンて。


    キド「キサラギは、誰かに妬いたこととかあるか?」


    モモ「うーん。わかんないなー。でも、好きな人に対してとかじゃなくて?

    あっ!!わかっちゃったよー。わたし。」


    ニヤニヤしながら言ってくるキサラギ。



    キド「なんだ。」



    モモ「好きな人、できたんでしょ。
    誰?カッコいい人!?あっ、生徒会の人か!!!!?」


    目をキラキラさせて言ってくるキサラギは、わたしにずいずいせまってくる。



    キド「あっー。っと…。」





    「キド。」



    後ろからきこえた声に、振り向く。



    キド「コノハせ…んんっ。」


    真後ろにいたコノハ先輩にいきなり口をおさえられ、言葉がでない。


    コノハ「もう、忘れたの?朝のこと。」


    コノハ先輩は、頬を膨らませて怒っている風にみせる。





    あっ、敬語のことか。




    キド「はなへ。このひゃ。(はなせ。コノハ。)」




    目の前のキサラギは、顔を真っ赤にしてコノハを見る。

    カッコいいもんなこの人。

    クロハと同じ顔だけど。




    「おい。苦しそうだぞ。はなしてやれ。」



    コノハの後ろからひょこっとでてきて言うのは、シンタローだった。


    キド「へ?しんひゃろせんー…。」


    コノハ「ごめん。」




    コノハは、バッと手をはなすと、正面から強く抱き締めた。


    コノハ「苦しかったよね?ごめん。」



    そう言って、わたしを抱き締める手をいっそう強くする。



    キド「っあっ。はなせっ。ばかっ…。」





    それでは、はなした意味が全くないのだが。



    教室中の目がこちらを向いている。羞恥心がわたしの中を埋め尽くす。

    ただでさえ目立っイケメン生徒会の三年生が一年生の教室にくることすら珍妙であるのに。


    キド「…きさらぎ…
    たすけて…。(こもる声)」



    どうやらわたしの声は、コノハの壁にはばまれ、届かないらしい。



    コノハ「キドいいにおいするね。」

    コノハは、わたしの髪の毛に顔をうずめ、スンスンとにおいをかぐ。

    息が、首筋にかかってくすぐったい。



    キド「はっ、はなせっ///本当にっ。敬語やめるからっ///なんでもするっ。だから…はなせっ。」




    コノハの動きがピタッと止まる。



    コノハ「シンタロー。何でもするって。今、キドが言った。」



    シンタローは、キサラギと何かを話していたようだったが、話をやめてこちらを向く。


    シン「でかした。コノハっ!」





    シン「まぁ、とにかくモモは、あっち行ってろ。」


    シンタローに言われてキサラギは、文句をいいながら、自分の席へとついた。


    何か二人には、事情があるのか。
    仲がよさそうだった




    そんなことを思っていると、コノハがいきなり喋りはじめた。



    コノハ「キドは、日曜日あいてる?」



    キド「ああ、大丈夫だ。」




    シン「えっ!?男口調?」



    どーせ。シンタロー先輩も「俺も、タメ語と呼び捨てがいい。」とか言うんだ。



    キド「シンタロー。」


    シン「はいっ。」



    シンタローの目の前に立ち、肩を軽くおして言う。



    キド「そ、それについては…触れないで…。」



    自分自身の顔が熱くなっているのを感じる。
    それと同じくらいシンタローの顔もトマトのように赤い。





    コノハ「でね?生徒会のみんなで勉強会しようと思って。キドもおいでよ。」



    そんなやりとりを無視して、コノハは話しを進める。







    勉強会か…。




    最近、いろいろとおろそかになっているし…




    シン「こいよ。」






    悪くないかも。

  18. 29 : : 2014/09/01(月) 20:16:10
    すみません。名無しじゃないです。わたしです。ごめんなさい。m(__)m
  19. 30 : : 2014/09/01(月) 20:17:00
    上のやつのことです。本当にごめんなさい。
  20. 37 : : 2014/09/02(火) 18:40:59

    金曜日



    シン「はーい。んじゃ。解散。」


    生徒会がおわり、今日もまた性徒会がはじまる。


    曜日制の性徒会。あと残っている人は、コノハとシンタロー。
    今日は、金曜日。どちらかは土曜日の明日になる。休みの日まであるとは、性徒会は真面目な委員会である。

    なんて。内容が真面目だとは思ってないけど。



    そんなことを考えていると、後ろから長い手がのびてくる。







    ぎゅっ



    キド「ひゃっ。」




    「だぁーれだっ。」



    目を手でおさえられ、視界が真っ暗になってしまった。


    そんなことをされても、声で想像はつく。



    キド「こ、コノハ…?」



    コノハ「正解!」


    コノハは、そう言って手をはなすと、わたしに顔を近づけて優しく笑う。

    その笑顔は、恐ろしく可愛い。




    コノハ「どうしたの?そんなに見ちゃって。」


    そのままコノハは、椅子に座っているわたしの首に手をまわして、後ろからぎゅっとする。



    キド「え。っと…、なんもない…。」

    顔が熱くなっていくのを感じる。
    こんなに顔が近いから、熱がつたわってしまいそうでこわい。





    コノハ「今から、性徒会をはじめます。」


    コノハはそう言って、わたしの座っている椅子をくるりと自身の方に向け、向かい合わせの状態になった。


    そして、ゆっくり顔が近づく。




    ちゅっ






    静かな部屋にリップ音が響く。


    コノハの端正な顔がすぐそこにある。緊張して体が動かない。



    目をゆっくり閉じる。



    ドクンドクンドクンドクン───




    コノハ「…力抜いて。緊張しなくていいんだよ。僕だから。」


    ゆっくり顔が離れると、コノハは、わたしのポニーテールに結っていた髪の毛をはらりと解いた。



    さらっと髪の毛がなびく。





    そして、わたしの頬をつねる。



    コノハ「まだ、緊張してるでしょ。」


    わたしの顔を持ち上げ、上を向かせる。



    キド「こ、コノハだから。」


    コノハ「ん?」



    キド「コノハだからぁっ。


    余計に緊張する…。」



    途中から、自分が何を言っているのか分からなくなり、コノハの手をはらって下を向く。




    もうっ。恥ずかしい。恥ずかしい。


    性徒会に入ってから、わたしはおかしくなった。







    コノハ「キド。」


    キド「…。」



    コノハ「もう…。

    僕のこと好きなんじゃないの…」




    言い終える前に、また優しくキスをする。


    ゆっくりとはなしては、何回もキスをされた。


    とても気持ちがいい。


    唇からコノハの熱を受けとる。



    唾液が入ってきて自分のものと混ざり、口の中が溢れる。




    コノハ「食べていいかな。」


    そう言う伏し目がちのコノハは、とても綺麗だった。



    わたしが答えるのを待たずに、リボンを手早くとり、器用に上からボタンをはずしていく。


    そして、あばかれた内側をまじまじと見つめ、優しくキスを落とす…



    その瞬間だった。




    ちゃらっりちゃららーらんちゃ…♪


    コノハのポケットの中から着信音がきこえる。




    キド「でないのか?」


    さっきから、いっこうに出ようとしないコノハに言う。



    コノハ「これは、キドとの大切な時間だから。でないよ。」


    そう言ってくれるのは、嬉しいのだが。しかし、電話がなりやむ気配がない。




    キド「携帯をかせ。」


    コノハの携帯をポケットからとりだし、耳にあてる。



    キド「もしもし。」



    「あれ。キド?コノハは?」


    その声の持ち主は、クロハだった。



    クロハ「はやく。かわれ。」



    そう言われたので、コノハの耳に携帯をあてる。



    コノハ「クロハ?どうしたの?」


    しばらく二人は話していた。



    なんかあったのかな。


    コノハは電話をきると、わたしの脱がされた服をもとに戻しはじめる。


    コノハ「キド。ごめんね。急な用事ができちゃって。」


    そう言って、手早くリボンをつけた。



    コノハ「日曜日の勉強会楽しみにしてる。」




    キド「は、はい。」


    コノハの笑顔にドキッとしてかたくなってしまう。



    コノハ「次の金曜日。



    絶対に乱してあげる。」




    そう言い残して生徒会室を出ていってしまった。



    わたしの顔は真っ赤になる




    夕日の色と一緒になって




    優しく消えた。
  21. 39 : : 2014/09/03(水) 06:03:35


    あっつぅー。


    照りすぎてる太陽。


    今は午後2時。


    休日ながらも生徒会がある土曜日。

    もう帰りたい。




    「キド。」



    前の方からわたしを呼ぶ声がきこえる。



    キド「シンタロー先輩!!」



    向こうの電柱のところにシンタロー先輩がいた。急いで先輩のもとへ駆け寄る。



    シン「悪いな。こんな暑い日に。委員会だなんて。」


    申し訳なさそうな顔をして言う先輩。


    キド「大丈夫です。」



    ニコッと笑って、そんなことないような素振りを見せた。




    シン「この前、朝会で言ってた連絡箱の整理をするんだ。」



    キド「はい。」


    仕事は、きちんとこなす生徒会の会長。シンタロー先輩でよかったと思う。



    シン「あのさ…。キド。」


    キド「はい?」


    先輩は、歩きながらわたしに話しかける。
    いきなり先輩とのしっとりとした空気にドキッとする。


    シン「この前さ…俺のこと呼び捨てで呼んでくれたろ?」



    でたよ。この話題。

    だんだんコノハに使っている癖で抜けなくなってきているタメ語。



    キド「え…っと…。」




    シン「すごく嬉しかった…。」



    ただ、呼び捨てで呼ばせてもらっただけなのに。

    シンタロー先輩の顔がすぐ隣で赤くなる。
    そんな顔を見ていると、わたしまで顔が熱くなってくる。



    キド「い、いきなり…やめろ…。」


    シン「そういうのすごく可愛いと思う。」




    道路のど真ん中で軽く手を握られ、先輩の綺麗な目でわたしの目を見つめる。

    先輩の顔は、こんなに暑い日でも絶好調に整っている。




    シン「今日の性徒会、俺だから。」


    そう言って、手をパッと離して歩きだす。




    シンタロー先輩といると、変な気持ちになる。


    心臓が高鳴って止まない。




    わたしは、それを追いかけるように、学校まで行った。
  22. 42 : : 2014/09/04(木) 04:55:57


    キド「な、なんだこれはっ。」


    大きな長方形のテーブルに囲んで座る。

    シンタローが言っていた連絡箱の整理をしているのだが。


    この箱は意味がないと思う。



    セト「本当、恐ろしいっすね。はい。シンタローさんの。」


    ヒビヤ「ん。カノ。ハートマークたくさんついてるよ。」



    なぜ、連絡箱のはずなのに生徒会メンバーへのラブレターが入っているのだろうか。





    クロハ「誰が一番多かったのか勝負しようぜ。」


    コノハ「キドをかけよう。」



    カノ「それ、負けられないね。」


    シン「キドを賭けるの、俺も賛成。」



    勝手に話が進んでいく。本当にやめてほしい。



    キド「変なことを言うな。わたしは、誰が勝っても言いなりにはならないから。」



    カノ「え?僕でも?」


    隣に座っているカノが、わたしに顔を近づけて聞いてくる。


    キド「近いっ。

    あ、はい。コノハの。」




    コノハ「…僕は、キドからのラブレターが欲しい。それか愛の告白。」



    ヒビヤ「あー。言わせてみたい。」


    コノハとヒビヤのバカバカしい言動。それに負けたくないがために張り合ってしまう。




    キド「別に、言うだけならいくらでも言ってやるぞ。


    好きだ。」



    淡々とその言葉をのべると、批判の声がかえってきた。


    シン「恥じらいが感じられない。」


    カノ「そーだよ。もっとさ、顔を赤くしてよ。性徒会のときみたいに。」



    クロハ「あー。はやく、俺の順番こないかな。」


    みんな、自分にきた手紙をあけて、中身を見ていく。


    そう言えば、わたしへの手紙が一通もないのはなぜだろう。



    シン「俺36通。」


    カノ「37。」


    セト「34っすね。」


    クロハ「36。」


    コノハ「36。」




    ヒビヤ「29だよ,」




    一番、手紙の数が多かったのは…


    キド「カノだ。」



    カノ「やったー。キド、いただきます。これって好きなこと頼んでいいんでしょ?」


    キド「変なことはやめろよ。」


    変なことを言われる前に、釘をさしておこうと思ったのだが、そう簡単にはいかないらしい。





    カノ「これから自分のこと"俺"って言ってよ。」



    ゴスッ





    わたしは、やってしまった。



    セト「あー。殴られちゃったねー。」


    クロハ「カノの発言にデリカシーがなかったのに一票。」


    コノハ「キドは、悪くないと思う。」




    わたしに殴られたおかげ、下で、カノが悶え死んでいる。


    カノ「キド。可愛い。」


    キド「ちょ、っ大丈夫かお前。」



    本当。いきなりおかしい。




    カノ「明日の勉強会楽しみだな。」


    カノは、そう言って息たえた。





    シン「んじゃ終わるか。解散。」


    そんな感じで生徒会も終わる。


    これから始まるのは、性徒会。

    今日の相手は…。


    シン「キド。よろしく。」



    シンタローだったけ。

  23. 48 : : 2014/09/05(金) 02:33:37

    土曜日




    シン「キド。よろしく。」


    キド「よ、よろしく。」


    わたしは、シンタローの前まで来て、そう言った。


    あらためて、シンタローは背が高くてカッコいい。
    他の先輩方と違って、普通な感じがとてもいい。

    そんなことを思いながら先輩の顔を見上げる。



    シン「緊張する。」


    シンタローは下を向いて、わたしの手をぎゅっと握る。

    それを自分のほうに寄せると、シンタローの顔がだんだん近づいてきた。



    シン「なぁ。」



    いつもより、やや低めの声で囁くので、びっくりした。


    シンタローは、ピタッと顔を止める。





    え?



    キド「あのっ…」


    シン「この口で、みんなとどんなことしてきたの?」



    わたしの言葉を止めるように、細く長い指で、唇をいったりきたりしてなぞる。


    シンタローの顔を見て、目で何のことか尋ねる。


    シン「いや。




    舌とか入ったのかなーって。」









    舌って…。


    いやいや。


    あたりまえのように入ってきました。


    でも、そんなの言わない。



    キド「そんなのっ…うひゃっ。」


    先程までわたしの唇に触れていた指が、スルッとわたしの口の中に入る。


    キド「ひゃべれない。(しゃべれない)」


    シン「そうしてる。」



    シンタローの指が邪魔して、呂律がまわらない。




    口の天井をシンタローが指の腹でなぞる。



    キド「ひっ。」


    くすぐったい。その一言だ。


    シン「くすぐったい?」


    シンタローは、半分不気味な笑みを浮かべて、先程より激しく指を動かした。



    自分の口の横を唾液がつたう。





    た、たえられない。


    そう思い、シンタローの指を勢いよく噛んだ。







    あれ?

    何の反応も帰ってこない。

    シンタローの様子を伺うように上を見る。


    すると、そこにはニコッと笑っているシンタローがいた。



    キド「え?痛くないのか?」



    シン「ぜんぜん。」


    え、けっこう強く噛んだはずなのに。




    シン「キドが、アイツらとそういう深いキスしている方が嫌だ。」


    さっきまでの顔とは違う、真面目な顔でわたしを見る。


    キド「ヤキモチか。会長の癖に。」


    シン「悪いかよ。」







    ぎゅっ





    シンタローはそのまま、強くわたしを抱き締める。

    少し身をよじって逃げれるかと思ったが、手で腰をホールドされ逃げれなかった。



    わたしの首に顔を埋めるシンタローの、吐息がつたわった。



    キド「し、シンタロー。」




    シン「逃がさない。」



    シンタローの顔が近づいてくる。





    ちゅっ



    口にやわらかい感触がして、部屋に軽いリップ音が響く。


    シンタローは、首を傾けてわたしの唇に吸い付く。





    あ、血の味がする。



    きっと、さっきわたしがシンタローの指を噛んだからだろう。







    なんだろう、この感じ。



    みんなキスの仕方も同じようなものなのに。






    先輩のキスがとてもあたたかく感じた。




    キド「…シンタロー。」




    手をとり、傷をたしかめる。

    そこまでひどいわけではないが、軽く歯形がついている。


    キド「ごめん。」



    わたしが俯いてそう言うと、シンタローは、少し困ったように眉を下げて、わたしの頭を撫でる。


    そして、が口を開いた。



    シンタロー「帰ろう。キド。」



    シンタローは、丁寧に家まで送ってくれた。わたしは、いいって言ったのに。





    キド「悪かった。ありがとう。」


    軽くニコッと笑って言う。



    シン「悪いかよ。男だぞ。」


    少しむっとしたように言うと、軽く笑った。

    自分の家の門に手をつけたとき、あることを思い出した。


    あのままじゃ…


    キド「シンタロー。」


    わたしの声にシンタローは、ふりかえる。


    キド「あの…」


    どう言おうか、言葉を探す。なるべく生意気じゃないように。


    シン「どうした…」



    キド「家、よってくか?」



    だんだん雨が降ってきて、わたしたちの頬を濡らす。


    もうすぐ梅雨の季節だ。
  24. 52 : : 2014/09/05(金) 20:39:15



    こんにちわ。お久しぶりの作者です(^o^)/


    突然ですが、宣伝でございます。

    なんとっ、な、なんとっ。新しい連載をはじめました!

    完全オリジナルです。


    不良執事と我が儘姫
    http://www.ssnote.net/archives/23139

    初めての、お友だちとの共同作業!


    是非、検索してください!!
  25. 53 : : 2014/09/06(土) 08:22:46


    キド「ちょ、シンタロー。そこで待ってろって…。」


    わたしの家。わたしの部屋。
    怪我の治療のため救急箱を持ってきたわたしは言った。



    案の定。静かに、おとなしく待っている訳がなく、肩を落とす。


    キド「シンタロー。座れ。そこに。」


    シンタローは、部屋をぐるぐると回りながら、写真などを観覧していた。



    シン「いいのかな。俺。」


    キド「へ?」



    シンタローがいきなりそんなことを言って、わたしの方を見る。



    シン「お持ち帰りダメって言ったのに、


    俺、キドに持ち帰られた。」



    キド「そ、そ、そういう意味じゃないっ。わたしは、怪我の治療を…。」





    いつのまにか近くにいるシンタローが、わたしの顎を持って、上に向かせる。




    シン「顔、赤いよ。」



    ニヤッとした顔でそう言うと、余計に顔を近づけた。




    キド「ゆ、指っ。」


    シン「はーい。」





    わたしたちは、向かい合わせに座る。




    やっぱ、痛そうだな。



    キド「痛いか?」


    シン「大丈夫。」





    沈黙が続く。


    なんか話さなくては…





    えっと…



    シン「性徒会、どう?」


    わたしが、話をはじめる前にシンタローが声をだした。




    キド「普通。」



    なんて答えればいいのかわからず、適当にその返事をした。


    シン「無理してない?」




    顔を傾けてきいてくる。



    シンタローと目が合う。





    シン「いいよ。なんでも言って。

    無理に押し付けてんだから。」



    キド「いや、大丈夫だ。」




    目をそらして違う方を見る。





    シン「うん。じゃぁ、頑張れよ。」



    シンタローは、やさしい寂しそうな顔で言って頭をポンポンと撫でる。




    シン「うちの性徒会さ、みんな悩み事とかあるから。」




    へ?


    シン「少しの息抜き、付き合ってやって。」




    ん?




    キド「な、悩み事って…。」




    シン「それは、キドが自分で聞いて。」



    シンタローは、ニコッと笑って部屋を出ていこうとした。


    キド「し、しっ、シンタローは?」





    勢いよくシンタローを後ろから抱き締めて止める。



    キド「悩み。

    とかあるのか?」



    時計の音と心臓の音が、部屋の中でこだまする。






    シン「…あるよ。」




    シンタローの言葉に目を丸くする。



    悩みって

    なんだろう。





    シン「キドが可愛いすぎること。」



    そう言って、シンタローの腰にまわっているわたしの手をほどく。




    ちゅっ





    頬に柔らかい感触がして、びくっとなる。





    そのまま耳までなぞって低い声で囁く。





    シン「俺は、大丈夫。」



    吐息が耳にかかる。





    "俺は大丈夫"という言葉が、"俺はアイツらと違うから"という風に聞こえた。




    だって




    シンタローの声が






    とても寂しそうだった。


  26. 58 : : 2014/09/07(日) 19:16:28



    ピンポーン


    キド「はーい。」




    日曜日、朝の10時。

    今起きたばかりで、目がしょぼしょぼする。




    「宅配便でーす。」


    何だろう。




    パジャマだけど、宅配便ならかまわない。
    そう思って、ドアをあける。




    「嘘。」



    へ?



    宅配便のお兄さんがいるはずのそこには、隣のクラスのアイツがいる。


    ヒビヤ「雨宮です。」






    キド「ひ、ヒビヤっ。ってなんで。」



    パジャマで出てきたわたしは、必死でTシャツの裾を伸ばす。

    少しでも、スウェットという布地を隠したい。







    ヒビヤ「今日、勉強会じゃん。」




    笑顔でそう言うと、ずかずかと、わたしを押し退けて部屋の中へ入ってくる。



    キド「ちょ、やめろっ。」




    必死で、ヒビヤの腕をひく。


    ヒビヤ「感謝してよね。迎えにきてあげたんだから。」



    人の家だと言うのに、お構い無しに入ってくる。





    リビングのソファに生意気に座ると、ヒビヤは、言った。






    ヒビヤ「ほら。はやく着替えて、先輩待ってるし。」



    わたしの着ているTシャツを上にたくしあげ、脱がそうとする。




    キド「なっ。ばかっ。」



    腹が見えたということに、羞恥心がわたしを襲う。




    ヒビヤのネクタイを思いっきり引っ張ると、顔がいっきに近くなる。






    ちゅっ






    ヒビヤは、わたしの目を見つめて離さない。



    こ、こんなに近いのにっ。





    息ができなくて、口をあけようとする。


    すると、ヒビヤに口を押し付けられ、あけれない。




    体が外側にそる。





    キド「んっ。んー。!!」



    言葉になっていない声を発する。



    あ、もう、本当苦し…





    そう思って、顔を歪めると流石のヒビヤも唇を離してくれた。



    キド「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」



    息が荒い。





    ヒビヤ「息は、口じゃなくて鼻でするんだよ?」


    だんだんと、壁に追いやりながらヒビヤが言う。






    キド「お前みたいに、異性になれてないんでな。こちらは。」




    ヒビヤは昔からモテて、今までに彼女を何人もつくっている。

    実際、そういう女子に協力してやったこともある。


    異性には、なれているどころか


    こいつは、プロだ。



    何回もキスをしてきたのだろう。





    ヒビヤ「なんか、女たらしみたいな言われようなんだけど。」



    キド「事実だろーがっ。」



    すぐに、彼女を泣かせるプロでもあった。



    ヒビヤ「でも、キドが初めてだよ?」


    キド「はぁ?」




    そんなわけあるか。

    わたしは目撃している。そのときの彼女のいないところで…




    ヒビヤ「こんなに"愛"のこもったキス。



    キドが初めて。」



    キド「なっ。」




    いきなり、さっきより低い声をだすから心臓が跳ねる。



    ヒビヤ「もっとしていい?」


    自分の背中が壁について、逃げ場がなくなる。



    あ、な、な、なんなんだよ。コイツっ。






    ヒビヤ「キドが、ネクタイ引っ張るから苦しい。

    緩めて。」




    自分がやったことで、死なれるのはごめんだから、しょうがなくネクタイを緩めてやる。



    あんまり、人のをいじったことがないから、緊張する。




    キド「あ。」



    ネクタイがするりと、はずれ下に落ちてしまった。


    すると、ヒビヤが笑いだす。


    ヒビヤ「あははっ。僕、"緩めて"とは言ったけど、"はずして"とは言ってないよ?」




    ヒビヤのシャツのボタンもはずれ、鎖骨が丸見えだ。



    そこには…



    キド「カノと同じ、赤い点。」



    首から鎖骨にかけて、赤い点々が広がっていた。



    その言葉に、ヒビヤは目を丸くして、言う。


    ヒビヤ「ふーん。」




    キド「ムヒ塗るか?持ってくるぞ?」


    そう言って、壁についているヒビヤの手をどかそうとする。




    でも、びくともしなかった。





    キド「とってきてやるから、どけ。」


    ヒビヤ「とれないよ。」




    わたしの耳元に唇を近づけ、優しく囁く。


    吐息が耳にかかって、顔が熱くなる。





    ヒビヤ「これね。ある病気の人がなるんだよ。重度の。」



    キド「え…。」









    ヒビヤ「女を自分の欲求の為に使って

    めいいっぱい酔わせて


    自分の色に汚して



    めちゃくちゃにして





    最後に、あっさり捨てちゃう病気。」









  27. 59 : : 2014/09/07(日) 19:19:03




    キド「なにそれ…。」



    いつものわたしなら、「サイテー。」などと言って笑いとばすだろう。


    そんな軽いものに変えられないくらい


    重くて暗い。







    ヒビヤ「笑えるでしょ?」





    ヒビヤは、口角をあげる。






    キド「カノも…」




    ヒビヤ「カノは、大丈夫。


    もう僕とは、違うよ。」






    なんで。

    なんで、そんな風に言うの。




    キド「…ヒビヤ…。」











    ヒビヤ「どんな薬でも



    治んないから。」




    シンタローの言っていた、みんなの抱えていること。



    ヒビヤは、ただ女好きだという理由で、そんな関係を築いているわけではない。

    それくらい、わたしにもわかった。











    ヒビヤとわたしは、目があっているはずなのに。









    ヒビヤの目には





    わたしは、うつっていなかった。





  28. 62 : : 2014/09/09(火) 20:43:55



    キド「なぁ。ヒビヤ。」



    ヒビヤ「何?」




    キド「ここであってるよな?」




    今、二人で歩いてきた道。


    以外と長かった。



    いや、でもそれを吹き飛ばすくらい驚く。





    キド「めちゃくちゃ、この家




    でかくないか?」





    ───────────────


    ピンポーン



    本当すごいぞ この家。

    やたらと広い敷地に、わたしの背より高い塀があり、木が並ぶ。




    ここにクロハとコノハが住んでいるのか。


    「あいてるから入っていいよ。」




    あ、コノハの声だ。




    ヒビヤ「はいるぞ。」





    「キド。」



    呼ばれた方を見ると、そこにはクロハが居た。






    ヒビヤ「えー。僕はー?」



    クロハ「よぉ。ヒビヤ。見えなかった。」





    ヒビヤも十分 身長は、高いはずなのにクロハと並ぶとすごい。

    うん。でかいよ、クロハ。



    クロハ「こっち。

    玄関だから、ここ。」



    キド「は?」




    空耳だろうか。

    この部屋だけでわたしの家くらいある。

    天上高いし、シャンデリアあるし。





    キド「こ、こわいよ。ここ。



    帰ります。」



    クロハ「ほら、いくぞ。」



    クロハは、わたしたちを部屋へと案内した。

  29. 63 : : 2014/09/09(火) 21:00:55


    カノ「キドっ!!」


    部屋に入った瞬間飛び込んできたのは、カノだった。





    わたしをぎゅっと抱き締める。




    キド「カノっ。は、はなれろっ。

    ばかっ!」




    「おい。どいてやれ。」






    シンタローがカノをどける。





    セト「なんで、制服できたんすか?俺、言ったっすよね。私服でって。」



    セトがソファにねっころがりながらそう言った。




    ヒビヤ「いや。僕がとめた。」



    コノハ「え!?」



    ヒビヤ「だっさいスポーツジャージだったんで。」



    ヒビヤは、顔を歪ませて言う。




    キド「っだから、それは言うなしっ!」





    コノハ「喧嘩は駄目。



    はい。はじめよう。」





    わたしたちを引き剥がすと、そう言った。



    わたしとヒビヤ以外は、私服だった。




    みなさん。オシャレなことで…。






    シン「はい。んじゃ何する?」





    は?

    え、勉強?



    へ?






    クロハ「まさか。俺らが真面目に勉強するとでも思ってるの?」




    キド「お、思ってた。」




    ヒビヤ「キドは、鈍感だよ。


    鈍すぎ。」




    なんでっ。





    キド「じゃぁ、何を…」






    コノハ「僕、いいこと思い付いた。」













    「王様ゲームしない?」


  30. 64 : : 2014/09/10(水) 18:45:03




    「王様だぁーれだっ。」

    *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*



    カノ「え?さっそくキド?」



    やったぁっ!!

    嬉しい。本当に嬉しい。



    だって王様なら…






    キド「どんな命令にしよう。」




    シン「え、ちよ、こわっ。」



    ヒビヤ「僕とかやめてよ。」



    おもしろい。楽しい。

    わたし、くじ運あるしっ!



    キド「二番と六番で、仲良くアンパン〇ン歌う。」




    シン「はぁっ?俺!!!!


    誰だよ二番。」


    六番の棒を上にあげて見せる。





    コノハ「僕…。」


    二番の棒をもつコノハ。




    セト「ははっ。めっちゃウケる。シンタローさん頑張って下さい。」



    カノ「そーだよっ!シンタローくんがリードするんだよ!!」






    「せーのっ!」




    シン&コノハ「…あ、んあんぱん〇ん…」



    ヒビヤ「ふははっ。シンタロー顔っ!」



    シン「なんなんだよ。さっきから俺ばっかりっ!!」







    キド「おもしろい。」



    王様最高。



    シンタローが棒を集める。


    シン「あのさ…俺 思うのよ。


    俺、キドと何かしたいからって、他の男と何かする危険はおかしたくない。」




    ヒビヤ「いやいや。みんな同じ!仲間だから。」





    セト「確かに男とやっても嬉しくないっすからね。」




    そこは、みんな同感らしい。

    なんとしてでも、王様の座を勝ちとらなければ。






    ヒビヤ「はい。せーのっ。」





    「王様だぁれだっ。」







    いきなり悲鳴があがる。



    カノ「ちよ、これってアリ?」


    クロハ「マジかよ。





    また、キドが王様だ。」





    嬉しい。奇跡だ。







    キド「じゃぁ、三番が一番に愛の告白をしろ。」




    いつものお返しとして、いいだろう。





    セト「俺。三番っす。」






    カノ「僕が一番。」





    わぁー。幼馴染みの二人が仲良く…





    あー。おもしろい。





    セト「俺、カノのこと好きっすよ。」





    セトがさわやかな笑顔で言う。




    あれ?思っていたのと若干違う。



    カノ「知ってる。」




    わ、な、なんかっ。





    ヒビヤ「流石、親友。」








    セト「そろそろキドの時代もおわりっすよ。」





    クロハ「せーのっ。」







    「王様だぁーれだっ。」



    な、な、もう、終わった。





    わたしの時代。




    コノハ「僕が王様。」



    ど、どうしよう。もし、わたしが当たったら。


    わたしの持っている棒は、二番。







    コノハ「じゃぁね──」



    みんなの視線がコノハに集まる。







    「二番が四番の首にキスマークつける。」




    な、な、


    なんでっ。

    わたし運をつかい果たした…のか?





    四番は…




    ヒビヤ「ラッキー。



    僕だわ。」






    ヒビヤがわたしの隣にくる。



    肩がトンっとあたって、ドキドキする。




    ばくばくばくばく…










    すると、ヒビヤはネクタイを緩めながら言った。












    ヒビヤ「好きな風につけていいよ。」








  31. 71 : : 2014/09/11(木) 19:03:14


    周りの皆も、いろいろと口を挟みながらも こちらを見る。





    ───好きな風につけていいよ────







    ヒビが言ったその言葉が頭の中を支配する。



    "好きな風に"ってなんだ?形か?








    セト「はやくするっす。
    ちゃっと済ませて次っす。次。」





    シン「ちょっと萎えるよ。」







    そんなみんなの言葉に耳を傾けていると、いきなり 顎をぐいっと上に向けさせられる。




    ヒビヤ「ん?どうぞ。」




    ヒビヤは、シャツのボタンが全部あいていて肩から落ちている。

    もはや、ただ腕を通しているだけだった。






    目の前に体を向けられ、恥ずかしくなって目をそらす。




    キド「…ない…。」




    ヒビヤ「ん?」






    キド「…わかんない。






    キス…マーク…の付け…方。」






    カノ「え?何ソレ。めっちゃ可愛い設定。」








    ヒビヤ「うん。教えるから。」




    ヒビヤの首には、さっき見た赤い点がある。





    あらためて見ると、その点は お腹の方まで続いていた。


    痛々しく、赤い。




    キド「わたしのせいで、また赤い点が増える。」




    一番気になっていること。





    ヒビヤは、いいのだろうか。







    ヒビヤ「キドのは、特別。」






    そう言った声が色っぽくて大人みたいだった。






    ヒビヤ「まず、唇つけよっか。」




    ヒビヤに腰をもたれ、ゆっくり引き寄せられる。





    キド「んっ。」











    ちゅっ





    わたしの唇がヒビヤの首につく。







    くるしぃっ





    ヒビヤ「そのまま、んーってつけて。」





    "んー"がわからない。






    キド「…んーっ。」






    ためしに、言ってみる。






    コノハ「可愛い。」



    セト「馴れてないんっすよ。」






    周りの目がとても気になる。

    けど、気にしないようにする。







    ヒビヤ「ん。やべ、ゾクゾクする…。」






    そっと、唇を離す。













    つけれてるかな?





    そこを見てみると、綺麗に赤い花が咲いていた。






    ヒビヤ「合格。





    ありがとね。」






    そっと、わたしの頭を撫でた。









  32. 74 : : 2014/09/12(金) 18:59:22


    カノ「はぁーい!!離れるぅー!!!!

    終わりでーす!!」



    腕をカノにひかれ、ヒビヤと顔が離れた。





    気づくとカノの顔が近くにあった。




    キド「ち、ち、ちかいっ!!」




    カノ「もう、そんなにヒビヤとばっかりイチャちかないでよー。」





    カノは、頬を膨らませて言う。



    キド「それは、ゲームだからだっ!!」






    カノ「えー。それじゃぁさぁー。








    キドはー…」





    太ももを、スーッとなぞられた感触がする。


    後ろからなんて卑怯だ。




    キド「やめっ…」





    カノ「もし僕が、キドと罰ゲームすることになって、その内容がちょっとアレでもさ、



    キドしてくれるの?」





    カノの唇がわたしの口に近くなる。





    キド「や、や…」






    シン「アホかっ!」





    視界が明るくなる。


    どうやらカノをシンタローが殴ったらしい。


    カノは、下の方で悶えている。







    カノ「シンタローくんっ。鬼畜!!」




    ルールを守れ。そう言って、シンタローは自分の場所に戻った。





    キド「び、び、びっくりした。」



    そう呟いて、わたしは棒を集めた。







    キド「次は、わたしが王様だ。


    絶対に勝てる。(気がする)」





    セト「いやいや。カッコの中身、きこえてるから。」





    セトは、わたしの肩を軽く叩いて、隣で笑った。





    キド「んじゃぁ、ひこう。」





    「王様だぁれだっー。」







    -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*



    「あ、俺二番。」





    「僕、六番ー!!」












    コノハ「え?クロハは、なんだった?」




    コノハの声に皆が注目する。






    わたしは、一番だった。



    じゃぁ、クロハは…









    クロハ「俺、王様。」


  33. 77 : : 2014/09/13(土) 15:38:15




    クロハ「俺、王様。」




    どうやら、次はクロハが人に命令できるらしい。





    キド「似合うな。クロハ。」




    クロハ「どうも。」









    クロハは、そっけない返事をする。


    なんか、元気ないのかな?




    そんなことを考えているとクロハが口をひらいた。






    クロハ「一番のヤツ以外は、もう解散。」







    解散?やったぁー!!


    ん?でも待てよ。一番?







    キド「わたし…一番。」




    皆がいっせいにこちらを見る。






    シン「マジかよ。ひでーよ、神様ぁー。」



    コノハ「僕も留守番がいい…」





    キド「わ、わたしは帰っちゃだめか?」




    おそるおそるクロハに聞いてみる。








    クロハ「ったりめーだ。」





    クロハは、ニヤァっとした笑みをうかべてわたしを見る。



    この人は…




    元気がないとかじゃなくて…







    鬼畜だったっけ。

  34. 78 : : 2014/09/14(日) 00:56:39





    クロハ「はやく。こっち来い。」






    今、この部屋に居るのはわたしとクロハの二人だけ。



    静かな檻から

    わたしはでられない。






    キド「コノハにも家を出てもらって悪い。だから帰る。」



    ここは、クロハの家でもあるが、コノハの家でもあるのだ。





    クロハ「大丈夫だよ、アイツは。どっかの部屋に居るから。心配しないで。」



    クロハは、ソファにドカッと座って肘をつく。





    キド「でも…」




    クロハ「ん?」




    少しだけニコッと笑ってわたしの腕をひき、自分に寄せる。









    キド「そうやって人に言わせれないようにするのは、反則だ。」





    クロハの髪の毛をクシャッと撫でると目をそらした。









    クロハ「こっち向いて。



    キド。」








    クロハの表情がいつもより柔らかくなって、可愛い。




    気づくとわたしは、クロハの脚の間に向かい合わせで座っていた。





    キド「帰る。」



    クロハ「はぁ?まだ言うか。」




    頬を大きい手で覆われる。









    クロハ「その生意気な口、


    ふさいでやんよ。」




    クロハがそう言った瞬間、目の前にクロハの顔がドアップでうつされた。







    ちゅっ







    唇に柔らかい感触がして、部屋には、リップ音が響く。







    伏し目がちにこちらを見るので、またわたしは目をそらした。


    クロハは、俺を見てと言わんばかりに舌を突っ込んでくる。

    その舌は、ゆっくりと歯列をなぞりわたしの舌を追いかけた。




    キド「んふ…んんっ。」




    口が疲れた。



    でもそれが気持ちいい。






    ゆっくりと口が離れる。

    同時に、銀の糸がわたしたちを繋いだ。





    クロハ「顔がとけてる。」



    キド「うるひゃいっ。」





    クロハも人の事を言えないくらい赤い。


    いつもより一段と色っぽくて大人みたいだった。






    キド「エロい。」





    クロハ「何が?」




    半分、笑いを堪えながらわたしに言う。

    バレてるぞ。




    キド「クロハ…」



    クロハ「ん?」







    心臓の音が大きく響く。








    キド「もっとしろ。」



    こんな風に



    変に心臓が高鳴るほど



    変なセリフが口から飛び出るほど






    今日のわたしは




    クロハ「嫌がるほどやさしくしてやるよ。」






    少しおかしい。








  35. 83 : : 2014/09/15(月) 10:31:57




    キド「ん。」




    目の前にいるクロハは、わたしの腿を白く細い指で撫でる。

    ゆっくり円を描くようになぞり、優しくくすぐった。






    "もっとしろ"


    わたしは、変な事を口にしていた。




    そんなこと不本意のはずなのに。










    キド「も、…もう…やめろっ。」



    たぶん、これが本音で間違いない。








    クロハ「はぁ?もう満足かよ。」





    わたしの顎を、くいっと下げながら言う。
    いつも上にあるはずのクロハの顔が、膝に乗っているせいで下にある。

    クロハは、わたしの顎を猫をあやすかのように撫で、真剣な表情でわたしを見つめる。





    あいかわらず綺麗な顔。



    気づくと、じっとクロハの顔を見つめていた。




    クロハ「何?」



    クロハの黄色い目が怪しく光り、心臓が跳ねる。






    キド「いや。何でもない。」





    急いで首をふり、考えていたことを抹消するかのように言った。







    クロハ「見惚れたんじゃないの?


    俺に。」





    いつもより低く、吐息がかった声が首にかかる。
    なんとも言えないその感じに、背筋が
    ぞくりとなった。




    キド「い、ぁ…」






    クロハは、わたしの首筋にゆっくり舌を這わせる。


    生暖かい温度のソレが唾液を落とし、ツーっと流れる。
    周りから見たらどんなに淫乱な絵なのだろう。あいにく、この部屋にはクロハとわたしの二人だけだ。

    時計の規則的な音と、クロハの舌からなされる粘着音が、ただ静まりかえった部屋に響く。






    クロハ「どうした、その顔。」





    クロハの言葉で自分の顔がひきつっていたことに気づく。






    キド「さっき、やめろと言った。」



    クロハの頬をつねり、クロハをやや睨みながら言う。






    クロハ「照れ隠しだろ?アレは。」



    目の前には、ニヤァっとした笑みを浮かべているクロハの顔。





    キド「な、もうっ…」






    クロハに口を塞がれた。


    その瞬間 視界がまわって、ソファから落ちる。

    背中が広い床についた。





    キド「んん、ぁ…」




    口が塞がれているため、声をだして助けを呼ぶこともできない。
    それ以前の問題で、その声すら言葉にはならない。



    隙間から舌をが割り込んでくる。

    ぬるっとわたしの舌を捕まえて、離さないと言わんばかりに絡みつく。



    キド「……ん!!」


    わたしのシャツのボタンを解こうとするクロハの手を掴む。

    でも、わたしの力ではどうにもならず、すぐに振り払われる。
    どんなにわたしが、男言葉を使って男らしい素振りを見せてもやはり、男には敵わない。


    そのまま、クロハはボタンを外していく。







    ぷはっ









    そう音がすると、お互いの口が離れる。






    キド「……はぁ…はぁ…はぁ…」




    息がきれる。


    それくらい激しかった。




    キド「って…なぁ"っ!!」






    わたしのシャツを見てみると、半分以上のボタンが外されていた。
    肩からも襟がずり落ちている。



    クロハ「へぇー、女じゃん。キドも。」




    まるで品定めしているかのように見るクロハ。

    というか、なんだよ"女じゃん"って。







    キド「失礼なっ!!」



    バッと後ろを向いてクロハから逃げようと後ずさる。





    クロハ「おい。逃げんなって。」



    キド「やだっ!」




    クロハにそう言う。





    クロハ「はぁ?言うこと聞けっつの。」


    キド「嫌だと言っている!!」





    わたしは、腕をぐいっとひかれクロハの胸に倒れるように寄りかかった。




    もうっ、なんなんだ。やだっ!本当!!







    ゴスッ





    そのすごい音がするのと同時に、クロハ腹をおさえて下で悶える。




    少し強く殴りすぎたかもしれない。

    いや。そんなことは絶対ない。




    クロハ「おい…」






    クロハの低くなった声に違う意味でドキッとする。





    クロハ「俺が王様だから。」


    ここで待ってろ、そうとだけ付け足して、部屋から出ていってしまった。






  36. 92 : : 2014/09/16(火) 20:56:31



    え、ちょ、置き去り…?


    キド「クロハ…」



    シンっ…






    静まりかえった部屋。

    このだらしのない格好でおいてかれた。





    キド「いいのかな…帰っても。」






    服も着ていいのかしら。

    そんなことを考えながら部屋の床によこたわる。





    カーペットがフワッフワで気持ちいい。





    ゴロゴロと転がる。








    ガチャ…





    キド「!!」



    いきなりドアの戸が開き、心臓が跳ねる。



    クロハかな?早かったな…






    「あれー?クロハ~。


    って、ん。いないし…」





    今まで耳にしたことのない男の人の声がする。ソファの陰に隠れて、誰なのか検討もつかない。





    ど、どうしよう…

    わたしのネクタイ…どこ?





    四つん這いになって探しているところ、声をかけられてしまった。






    「あ!!女の子。かーわいい。」





    その声の主の方を見ると、一人の男が立っていた。






    「クロハの女の子?それともコノハ?」



    そう聞くと、わたしと同じ高さまで身をしゃがめて、顔を寄せる。






    目の前には、柔らかい雰囲気の大学生くらいの男の人がいる。

    目の下には涙ぼくろがあって、なんとも言えない色っぽさをかもしだしているた。



    「コノハとクロハの兄の遥です。」



    遥と名乗るその男は、ニコッと優しい笑みを浮かべると、そっとわたしの頬に触れる。






    遥「二人には、悪いけど襲っちゃおうかなー。」





    甘い声にくらっとしてしまう。





    って、まてまて。


    お、おお、お、襲うっ!?






    キド「や、や、ちょっと待ってくださいっ。そんないきなり…」




    遥「いや。いきなりっていうか…


    そういう格好って誘ってるよね?」






    忘れていた。わたしは今 とてつもなく、だらしのない格好をしていた。

    シャツは、肩からずり落ちて、もはや服というものの役割すら果たせていないのだ。






    遥は、ニコッと優しい笑顔をわたしに向けて言った。







    遥「僕、クロハよりすごいからね。」









    ちゅっ






    遥の顔が近くなり、軽くリップ音が響いたかと思うと唇が重なっている。





    隙間から舌がぬるっと割り込んでくる。






    クロハとは、何かが違う。

    大学生…






    恐るべし…



    「ちょ、兄さん。」








    わたしの頭上で聞きなれたあの声。







    クロハ「これ、俺の女。」







    腕をぐいっと上にひかれ、たたされる。





    遥「乱暴すると嫌われちゃうよー。」



    ニヤニヤする遥に言い返すクロハ。




    クロハ「はぁ?兄さんに言われたくない。」


    顔がこわい。本当に。







    キド「ふ、二人とも、やめ…」







    遥「クロハはー。前の子みたいに、もったいないことしちゃだめだよ。」






    その言葉に空気が凍った気がした。


    クロハの目がどこを見ているのか、全然わからない。









    ドンッ









    クロハが壁を殴る。





    その大きな音に、びっくりして腰がぬける。





    キド「ひゃぁっ…」






    ぐっと腰を支えられ、お尻から落ちずにすんだ。



    キド「クロハ…」



    支えてくれたのは、クロハだった。







    クロハ「昔のことだろ。





    今更どうしろっつうんだよ。」






    クロハの目がわたしに向く。

    それと同時に、色が変わった気がした。





    冷たくて、こわい感じから、暖かく優しい感じ。
    いつものクロハだ。





    クロハ「気にすんな。」






    ニッと笑ってわたしを見る。






    遥の方を見ると、もうすでに部屋から出ていったようだった。






    そんな笑顔のクロハは、なんだか少しだけ寂しそうだった。




  37. 112 : : 2014/09/19(金) 19:38:53


    クロハ「ん。飲み物。」



    キド「あ、ありがとな。」









    クロハにオシャレなティーカップに入った紅茶を目の前に置かれ、ドキッとする。



    なんか高そう…







    そんなことを思いながらカップを手に取る。








    クロハ「怪しまないの?」



    いきなりのクロハの言葉に、そちらを見る。





    キド「なにを?」




    真剣にわからない。

    怪しむ?なんだ?



    紅茶を、口に含む寸前までカップを運んで一時停止をする。







    クロハ「その紅茶に何か入ってるかも知れないじゃん。」





    クロハは、わたしに顔をぐいっと近づけて言う。

    そんな綺麗な顔は、あと何㎜でくっつくだろうか。









    クロハ「ちょっと熱くなっちゃうヤツ。



    体が。」





    へ!?




    わたしの手からスルリとカップが落ち、紅茶が宙を舞う。





    キド「ひゃぁっ。」







    バンっ








    床に背中がつき、わたしの顔は天井を向いている。
    手のあたりに紅茶のぬるい液体があたった。




    クロハ「あぶね。」




    ふと見ると、目の前にはクロハの首筋があった。



    みるみる自分の顔が赤くなっていくのを感じ、目のやり場に困る。
    こんなにも近くに男の体を感じたことなどない。








    クロハ「別に何もいれてねーよ。


    ばーか。」






    紅茶がかかったクロハの髪の毛からは、ポツリポツリと雫が落ちる。
    その水がわたしの頬をつたい、床にも広がった。



    今更だが、クロハはわたしの上に馬乗りになっている。



    キド「っ。な…」







    クロハ「なんだよ。」






    そんなことを言うクロハを見つめてしまう。
    目を細めて、少し口をあけるクロハは、したたる水のせいで余計に色気がある。





    キド「だ、大丈夫か…?



    紅茶。熱かっただろ?」







    おそるおそる クロハに聞いてみると、優しい言葉がかえってきた。




    クロハ「お前にかかってなきゃいいんだよ。


    ほら。」




    そう言ってわたしの腰を支え、ゆっくり起き上がらせる。


    よく見ると、わたしの制服のスカートが紅茶のシミになっていた。

    今日のクロハは、そんなことまで察してくれる。





    クロハ「シャワー浴びる?」





    キド「え、い、いいっ!!」




    噛んでしまった言葉に、少し何かが残るが、まぁいい。

    人の家でシャワーだなんて。



    図々しいしい。







    クロハ「俺とはいろ。」






    クロハは、軽く笑いながらそう言う。





    キド「っなっ!アホかっ。」




    そんなふざけたことを言ったクロハの顔も、軽く赤く染まっている。

    もちろん、わたしの方が赤いだろうけど。







    今日のクロハは、少しおかしくて。



    いつもよりカッコよくて



    優しくて











    可愛いかったんだ。
  38. 116 : : 2014/09/20(土) 16:03:17
    http://uranai.nosv.org/uploader/uploaded_files/0/e/3/0e39a8cfbd98cc514be31f9ee8960c61.jpg






    "不良執事と我が儘姫"

    http://www.ssnote.net/archives/23139


    連載中です\(^o^)/お友達と合作!

    是非ともよろしくお願いいたしますm(__)m



    P,S:上の写真は、作品にでてくる翠くんです。
  39. 133 : : 2014/09/21(日) 14:32:03
    http://uranai.nosv.org/uploader/uploaded_files/8/c/4/8c40e86c74e87f338f78ddd4a2288392.jpg




    らくがきです。一体誰なんだろう笑
  40. 142 : : 2014/09/21(日) 16:05:49
    (ssの更新)期待です
  41. 144 : : 2014/09/21(日) 16:08:48


    ナナミィさんへ


    ありがとうございます(*^^*)

    更新頑張ります!!これからもよろしくです。
  42. 154 : : 2014/09/21(日) 18:24:38
    んっとね
    http://www.ssnote.net/groups/423
    ここは、私のグループで、雑談はそこでするの!
    ここですると読者の迷惑だからねw!
    他のぐるもあるだよー
  43. 166 : : 2014/09/21(日) 19:50:57


    キド「わ、わたしは、シャワー浴びさせてもらう意味とかあるのか?

    スカートしか濡れてないぞ?」



    クロハ「え。だって今から俺と寝るんだから。シャワー浴びたほうがよくない?」



    クロハと浴室の扉を挟んで会話をする。



    シャワーからでるお湯の音で、クロハの言葉が曖昧だが、そういう内容だということは分かった。






    クロハ「俺も入っちゃだめ?」



    扉の前に立つ、クロハのシルエットが言う。





    キド「わたしの後にしてくれ。」



    そう言い放つと、タオルをおいて、クロハの影がそこから消えた。





    あ"ー。なんでこうなるんだ。

    ヤバくないか?


    さっき言ったよなあの人。






    ─俺と寝るんだから─






    キド「な、なぁっ///寝ないっ!!」





    そう、お湯をためた桶に叫び散らす。






    わたしの初めては、クロハになるのか?


    どうせするなら、ちゃんと好き同士がよかった…






    もう浴室から




    キド「でたくない。」








    ガラッ



    しょうがなく扉をあけ、タオルで体をふき、用意された服を着る。




    キド「ぶかぶか…」



    クロハのTシャツであると思われるソレは、わたしにはサイズが大きすぎて、やたらと丈の短いワンピースのようだった。




    自分の髪の毛を、ワシャワシャとふきながら廊下を歩く。



    あれ?どっちだっけ。クロハの部屋…






    そんなことを思いながら廊下の掛け時計を見ると、7時を指していた。



    もう、こんな時間か…











    グイッ








    後ろから思いっきり手をひかれ、倒れそうになる。




    キド「きゃぁっ」








    ギュッ





    わたしの腰に長い手が回り、抱き締められる。


    白く輝く髪の毛がわたしの頬をかすめ、心臓が跳ねる。







    「可愛いの見つけた。」





    聞き覚えのあるフワフワした声のもとを見る。






    キド「…コノハ!!」







  44. 171 : : 2014/09/22(月) 20:55:23



    キド「コノハ!!」




    そうだ、ここはコノハの家でもあるんだっけ。

    忘れてた。








    コノハ「おいで。今、僕の部屋が面白いことになってるから。」





    コノハにグイグイと手をひかれ、連れていかれる。



    え、なんか、危険なフラグが…






    ガチャっ






    コノハが部屋のドアノブをひいて、中に押し込まれる。



    キド「ちょ、困るっ…コノハ!!」






    そういいかけると、目の前に壁が迫ってくる。





    へ?






    ドンッ





    目の前にたたずむ壁にぶつかり、後ろに跳ね返される。




    キド「わぁっ」








    「え。キド?まだいたの?」







    壁が喋る。




    顔をあげ、上の方を見るとそこにはシンタローの顔がある。





    シン「会いたかった。」




    シンタローは、正面から勢いよくわたしに抱きつき、ギュッと自分に寄せる。





    キド「…??」




    あれ?シンタローってこんなキャラだったか?


    そんな風なことを考えながら混乱していると、後ろから出てきたセトが言った。





    セト「どうっすか?酔いシンタローは。」




    ん?酔い?






    コノハ「もう、できあがってるね。」





    ニコニコしながらシンタローの頭をくしゃくしゃと撫でるコノハ。




    キド「お、お酒!?」




    驚いて、そう呟くと



    カノ「僕が持ってきたウイスキーボンボン。


    チョコをちょこっとね。」




    なんともアホらしいダジャレをかますカノを無視してシンタローを支える。





    キド「シンタローっ!


    だ、大丈夫か?顔真っ赤だぞ!?」




    この人もこの人で大丈夫か?会長だろ?






    ヒビヤ「ほらほら。先輩。


    僕のキドなんで寄り掛からないでください。」




    お前のじゃないです。




    ヒビヤは、そんなことを言いながらシンタローをどかして床に寝かせた。





    みんな、この部屋に集結していたらしい。

    あれ?クロハは…





    キド「置いてきぼりなのかな…」




    このことがバレたら、すぐにでも怒られそうだが、わたしには帰るという選択肢はないのだ。



    クロハと二人っきりなんて何をされるかもわからない。




    コノハ「かくまってあげるよ。クロハから。」



    キド「へ?」




    予想外の優しさにドキッとする。




    コノハ「あ、でもその代わりー…」




    その代わり…








    コノハ「俺らと仲よく寝ようね。」





    ニコニコと可愛い笑顔でいうコノハから、恐ろしい言葉がさらっとでた。






    やっぱ優しいなんて─


    うん。前言撤回。





    *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


    流石、ピュアブラック笑
















  45. 181 : : 2014/09/24(水) 20:58:09


    キド「んっ。痛っ。」



    コノハ「…ぁ。…きつい。力抜いて。」








    キド「無理っ…。やめ…」





    わたしの腰がガクンっと下に落ち、床にうなだれる。








    コノハ「やった。僕の勝ち。」





    目の前のコノハは、ガッツポーズをして喜びを見せる。







    な、な…




    キド「くやしいっ…!!」








    たった今、皆と腕相撲をしていて、最終決戦のコノハを相手に負けてしまったところだった。


    コノハまでは、全部勝てていたのにっ。






    コノハの部屋で、生徒会のみんな(クロハ抜き)で布団を敷いて行う。




    そういえばクロハは何をしているのだろう。



    きっとわたしを探して屋敷をさまよっているに違いない。






    キド「大丈夫かな…クロハ。」




    流石に悪いことをしたと思い、そう呟く。






    セト「大丈夫っすよ。俺たちと仲良く遊びましょっ。


    キド。」




    わたしの隣にきて、肩をくっつける。







    この人、上に何も着ていないんだけど。





    なんとなく目をそらして何事もないかのように進める。







    -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


    短くてごめんなさい(__)



    かずみん!今日、学校で喋ったアレを使わせてもらいました。(勝手に)

    ありがとう!!そしてごめんね。


    やっぱいいねコレ。
  46. 184 : : 2014/09/25(木) 21:06:53


    キド「カノ。わたしともう一戦頼む。」






    カノの隣にきて、顔を覗く。



    カノは、もうすっかり寝る体勢に入っていて、皆と川の字のよう並べた布団にねっころがり、うとうとしながら雑誌のページをめくる。





    カノ「うん。いいよ。」



    コノハに負けたのが悔しくなって、先程勝てたカノに勝って気分を上げたくなったのだ。
    眠そうな人を無理矢理誘うのは良くないと思うが。




    キド「セト。はじめの合図を。」





    セト「了解っす。」



    カノは、わたしの目の前に座って軽く伸びをすると、パッチリ目をひらいて言った。




    カノ「僕の本気見せてやんよ。」





    コノハ「わぁっ!カノの本気。


    ショボそう。」







    はっきり言うコノハに軽くパンチしながら


    カノ「うるさいよっ。チョコ食わせちゃうよ!」



    そう言って、恐ろしい顔真似をする。



    どうやら目は、すっかり覚めたらしい。










    セト「はーい。





    よーい。ドンッ。」






    カノと手を握って力をいれる。




    *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


    カノキドが欲しい!
    というコメントをいただきまして、カノをださせていただきました(*^^*)


    コメントありがとうございますね!!
    とても嬉しかったです。


    これから、少し更新のペースと字の量が減るかもしれませんが、質は、落とさないように頑張ります(^o^)

    よろしくです♪







  47. 187 : : 2014/09/27(土) 14:21:46



    キド「カノっ。っ、お前、さっき本気じゃなかっただろっ。」



    カノ「別に。僕は、いつでも強気に本気だよー?」




    カノは、下を向いて笑いを堪えながら言った。


    まだ腕相撲の戦いは続いていて、かれこれ五分くらいはこのままだ。

    あと、数ミリでカノの手がテーブルにつくというのに、それをカノは許さない。




    カノ「キド。頑張って。


    あと五ミリくらい。」





    なんとも余裕そうな表情でそう言うカノは、きっとわたしを試している。



    キド「んっ。ムカつくっ!」




    たぶんもうすぐ、カノに逆転されて、わたしの負け…








    コンコンコン





    ドアのノック音が聞こえた。








    「コノハ。いるか?」





    その声は、まぎれもなく






    コノハ「クロハだ…。」





    きっと家の中で、わたしの居場所をさんざん探して最終的にコノハの部屋まで来たのだろう。




    み、見つかったらどうなるんだろう。








    コノハ「…皆、布団の中に入って。」





    ここに敷かれた布団の数は五個。



    わたしは、どこに隠れればいいのだろう。




    あたふためいてフラフラしていると、誰かに強く腕を引っ張られた。







    グイッ








    キド「きゃぁ…」







    「はやく。こっちおいで。」




    耳元で囁かれる低い声に心臓が跳ねる。









    クロハ「あけるぞ。」








    ガチャ






  48. 190 : : 2014/09/27(土) 22:06:55




    ガチャ



    ドアの開く音がした。







    クロハ「あれ?お前らまだいたの?」






    コノハ「うん。皆で僕の部屋にお泊まり。」




    視界が暗い。


    きっと誰かが引っ張って布団の中にいれてくれたんだ。





    クロハとコノハの話し声が聞こえて、脚をバタバタさせると後ろから誰かにだきしめられた。







    クロハ「キド見たか?」





    クロハの言葉にドキッとする。



    バレるかな。





    それにしてもここは誰の布団だろう。


    後ろからまわる長い手は、ガッチリわたしの腰をホールドしている。





    セト「あー。俺は見てないっすよ?」




    右の遠くの方からするセトの声から、布団の持ち主はセトではないことがわかる。




    シンタローは、チョコの力で寝ているだろうし、かすかにヒビヤの笑い声も聞こえる。





    それじゃぁ



    わたしを助けてくれた布団の持ち主は…






    クロハ「あれ?カノは、もう寝たの?



    布団を頭までかぶっちゃって。」







    カノだ。
  49. 196 : : 2014/09/28(日) 21:27:57


    キド「…カノっ…。そんなにひっつくな。」


    小さい声で、背中にピトッとくっつくカノに言う。





    カノ「…やーだよっ。」




    カノは、そう言うと、さっきより抱き締めていた腕を強くする。





    キド「…な、なにすんだっ…」






    カノの脚がわたしの脚に絡み付く。

    生足状態のわたしに、カノのスウェットは、なかなか変な感じがする。



    なんていうか…その…






    カノ「もどかしいね…」







    耳のあたりでフワッと吐息がかかり、声に反応する。







    キド「…なに…」





    カノ「脱いでいい…?」





    カノがそう言った瞬間に、脇腹を二、三発殴る。








    こんなときに何を言っているんだ…ばかのっ。





    クロハ「…なんかすげー動いてるよ。カノ。



    寝相にしては、激しくねぇか?」




    そんなことないです。ないです。ないです。ないです。



    わたしの心の声を精一杯押し殺してグッと堪える。







    カノ「ほら。静かにしないと見つかっちゃうよ?」



    息が多めのその声は、いつもより色っぽくて大人っぽかった。





    そわそわと脚を動かし、カノの手は、ゆっくりと腿を撫でる。




    堪えろ。堪えろ。わたしっ…!!








  50. 203 : : 2014/09/30(火) 21:15:02



    キド「…っ。…やめ…」



    くるっと視界が反転して、カノの顔がわたしの上にきた。




    これは…





    馬乗りだ。





    全く身動きが取れなくて脚をじたばたさせる。

    布団はがれたら、どうすんのよっ!!






    クロハ「…うわっ。何この変な動き。」




    クロハの言葉に、もうバレてもいいや。と、思いはじめてしまう。

    いっそ、バレて助けて欲しい。




    キド「クロハ…んっ。」





    唇に重さを感じ、うっすらと目を開けると、すぐそこにカノの顔がある。




    カノは、自身の口でわたしの唇を塞いでいた。






    セト「カノは、すごい寝相が悪いんっすよね。昔から。

    あれくらい日常茶飯事っす。」





    ヒビヤ「クロハ。起こさないであげてよ。」



    なんとなくその二人がフォローしてくれた。






    おかげでクロハは、部屋からでていったらしい。




    だが。



    キド「んっ。んー。ん。」




    わたしの唇は、まだ塞がれたままだ。





    カノは、ゆっくりとわたしの口の中に舌をねじこむ。
  51. 209 : : 2014/10/07(火) 18:41:13



    キド「…っ。…やめ…」



    くるっと体がまわって、カノがわたしの上にきた。







    布団はがれたら、どうすんのよっ!!






    カノ「んっ。


    バレちゃうよ?

    あ、それとも見せびらかしたいのか。




    僕たちの特別な関係を…いたっ。」






    カノが悲鳴をあげた。




    え?わたし、まだ 殴ってないよね…







    ヒビヤ「カノっ!僕のキドにちょっかいださないで。」





    布団を勢いよく引っ張られ、暗かった視界が明るくなる。





    上には、わたしたちを見下ろす苦い顔をしたヒビヤがいた。





    ああ。ヒビヤがカノを殴ったのか。










    カノ「今。いいところだったのに。」




    カノは、ぶつくさ何かを言いながら、わたしの首筋に顔をうずめて、においを嗅ぐように鼻をスンスンと鳴らす。





    キド「なっ!…」







    ふと下の方を見ると、半分くらい脱げかかってるカノのズボンが見えた。





    パ、パンツが…



    ハート柄で可愛い。





    ってじゃなくて!!







    ヒビヤ「キド。

    カノのパンツより僕の見てよ。」






    ヒビヤは、ムッとした顔でそう言うと、わたしの髪の毛をクシャッと撫でた。



    カノ「僕、退きたくないんだけど。」





    ヒビヤ「知らない。邪魔してやる。」




    そんな言い合いを延々と続ける二人。






    キド「セトっ。ちょ、助けてくれ。」






    はやくこの状態から抜け出すため、遠くから見ているセトに助けを求める。








    きっとセトなら…






    セト「あー。無理っす。



    まぁ、俺のために脱いでくれるなら話は別だけど。」





    キド「ひどいっ。」



    セトの言葉にイラッとしていると







    コノハ「僕も混ざろうかな。楽しそう。」





    コノハまでそんなこと言うのかっ。


    ろくなヤツがいないな。この生徒会は。





    あ、今は性徒会か。








    シン「んぁ~。俺もそろそろ酔いがさめて来たことですし…。」





    キド「え?さっきまであんなにデロデロだったのに。」




    シンタローのお早い回復にびっくりしていると皆がわたしの方を向いていることに気づいた。





    え?









    シン「性徒会執行部。課外活動でも始めますか。」







    まだまだ夜は長くなりそうだ。


  52. 211 : : 2014/10/08(水) 18:06:03


    復帰です!大変長らくお待たせいたしました。これからも楽しく書かせていただきます!

    リクエスト当あれば、気軽にどうぞ(*^^*)



    よろしくです。




    http://uranai.nosv.org/uploader/uploaded_files/7/7/0/77005510a01a0211b9512f2b850badcd.jpg


    ↑久しぶりにクロハを描きました。

    色が薄い(笑)


  53. 218 : : 2014/10/08(水) 21:12:24


    はぁ…。眠れない。






    シンタローが"性徒会をはじめる"なんて言うから、このでかい家の中を走り回って逃げてたんだ。

    まぁ、そこまではいいとしよう。




    それで二時間ほどフラフラと歩いて、コノハの部屋までたどりついたかと思うと、みんなして寝ていたんだ。


    待っていてくれてもよかったのに。







    キド「…おかげで眠れなくなった…」





    こんな男だらけの部屋の中、寝れる訳がない。
    隣では、コノハがよだれをたらして寝ているし、斜め前のシンタローは恐ろしい寝相でゴロゴロと転がっていた。






    どうしよう。





    うつ伏せになって枕に顔を押し付けていると耳にフッと風があたる。




    キド「…ひゃっ」





    その生暖かい風がどこから来たのか、顔をあげてキョロキョロする。




    誰かが耳にかけたとか…







    「眠れないの?」







    声に混ざった吐息が首筋をかるくくすぐる。







    キド「…誰?」






    真後ろを振り向くと、すぐそこには見慣れた顔がある。



    この人は…







    ヒビヤ「ちゃんと起きてる?」






  54. 244 : : 2014/10/11(土) 19:58:00



    キド「お、お、おきてるっ!」


    いきなりヒビヤが顔を近づけて喋るから、変に緊張してしまう。






    ヒビヤ「しっ。みんな起きちゃう。」




    わたしの口に手をあてがい塞ぐ。




    すごく大きな声で言ってしまったな。

    どうかみなさん起きてませんように。








    キド「それにしてもなんで…」



    ヒビヤは、今起きているんだろう。





    ヒビヤの手を口からはがすと、大きく深呼吸をして話をはじめた。








    ヒビヤ「キドを待っていたんだよ。」




    ニコッと笑って、わたしの体を起き上がらせる。




    腰にある手が気になるんだけど。






    キド「…なんで?」






    わたしを待っていても何の利益にも…いや、あるな。利益。







    ヒビヤ「僕と性徒会するんだよ。今から。」





  55. 248 : : 2014/10/12(日) 17:22:40
    http://uranai.nosv.org/uploader/uploaded_files/2/4/5/24537aeed36e87c625a77369b8ee4bd8.jpg



    arisu さんのためにヒビヤをかこうと思ったら…ヒビヤっぽくないですね笑
    ごめんなさい(__)見てくれたら嬉しいです。

    いつもコメントありがとうございます(*^^*)
  56. 249 : : 2014/10/13(月) 18:28:14



    キド「い、いやだっ。」




    ヒビヤから離れるように、肩をおすとそう言った。





    ヒビヤ「ばーか。

    離さない。」






    ヒビヤの手がのびてきて、勢いよくわたしを寄せると、ぎゅっと強く抱き締めて離さない。



    苦しいって




    ヒビヤ「っははっ。」





    ニコニコと笑っているヒビヤは、すごく可愛い。





    うん。なんか大型犬みたいな…



    無性に、ヒビヤに触れたくなって、頭を
    よしよしと撫でる。






    ヒビヤ「もっと撫でて。」







    キド「ゴールデンレトリバーみたい。」



    ふと、口からでていた言葉に自分でも笑ってしまった。






    ヒビヤ「僕は、犬ですか笑」






    ヒビヤは、クスクスと笑いながら頭をわたしに押し付ける。








    グラッ





    キド「ちょ、…ひぃっ。」





    ヒビヤの重さで、勢いよく後ろに倒れた。





    いたいっ。背中が。



    布団の上だからよかったけど。








    ヒビヤ「…ごめん。」




    すぐ真上にあるヒビヤの顔にドキッとする。




    恥ずかしい体勢に…









    暗くてよく見えないけど、なんでだろう…。





    ヒビヤの顔が赤くみえる。







    キド「…お前、顔。熱い。」




    そう言って、そっとヒビヤの頬に両手をそえる。



    本当に熱いな…







    バッ






    ヒビヤがいきなり起き上がった。






    ヒビヤ「…っ。ごめん。ほんとっ!

    ごめん…。」





    そう言うとヒビヤは、うつむいてしまった。





    なんでそんないきなり…








    キド「あ!


    もしかしてお前…」




    ヒビヤの肩がビクッと跳ねたのがわかった。




  57. 253 : : 2014/10/15(水) 17:44:43


    キド「…もしかしてお前…!!」







    ヒビヤ「な、なに…」






    ヒビヤは、慌てて顔をそらして隠す。






    キド「…お前は…


    女に慣れているようで地味に慣れてないだろ。」




    言ってやった。



    キッパリと!!
    ヒビヤは、わざとそういうことばっかりしてきたけど、実はただ女たらしをつくろっていただけだろう。




    カワイイやつめ。







    ヒビヤ「…!?はぁ?」






    ヒビヤは、目を細くしてわたしに問うように言う。




    あれ?




    キド「違うのか?」






    ヒビヤ「アホか。」





    ヒビヤにビシッとチョップをくらって下で悶えるわたし。

    少しカノの気持ちがわかった。






    キド「痛い。バカヒビヤ。」





    ヒビヤを睨むように下から見つめる。


    女にそんなことするなよ。






    ヒビヤ「…バカ。」




    ヒビヤは小さい声でそう言って、わたしの髪の毛を触る。




    ヒビヤの前で髪を下ろしたのは、初めてだっけか。

    シャンプーのにおいが鼻をくすぐる。




    ヒビヤ「…バカ。」





    キド「何をさっきからバカだバカだと…

    んっ。」







    いきなり視界が暗くなり、唇にフワッと柔らかい感触がする。





    ゆっくりと閉じていた目をあけると、そこにはヒビヤの顔があった。




    キド「…ヒビヤっ。んんっ。」



    ヒビヤは何回も離しては、唇をくっつけてついばつむようなキスをする。


    窓からは、月の光が漏れてきて、部屋が少しだけ明るくなった。








    ヒビヤの顔がやはり赤くみえるのは






    気のせいかな




  58. 260 : : 2014/10/18(土) 14:50:38


    …ど…





    …きど…






    …おい。おきろ…






    「キドっ。おきろっつってんだろ。


    ばか。」






    頬に痛みを感じて、まぶたを開く。





    キド「…」



    目の前にそびえたつのは…



    黒い…





    キド「鬼畜先輩…」






    クロハ「あんだよ。お前。」





    昨日までずっとクロハから逃げていたのに、今見つかってしまった。

    もう外は明るいし…朝かなー。





    って


    キド「今日って何曜日?」



    景色は、何一つ変わっていない。ここは、紛れもなくコノハの部屋だ。


    一緒に寝たはずのみんながすっかりいなくなっているのが不思議だけど。






    クロハ「月曜日。」




    そう言ってクロハは、わたしをスッと持ち上げる。



    キド「ひゃぁっ。」





    体がフワッと浮き天井が一気に近くなった。




    キド「ったかいって!やめ…っ!!」







    クロハ「ばーか。離さない。」


    クスッと笑いながらクロハは、わたしを見る。









    キド「怒らないの?」







    クロハから逃げてコノハの部屋まできて、そこで…うん。






    クロハ「怒って欲しいの?」




    クロハは、ニヤリとした顔でわたしに笑う。







    キド「…。」








    ただひたすら黙ることしかできない。



    何も知らないクロハは、優しい笑顔を向けてくれる。


    知ったらどんな反応をするんだろう。





    わたしのことを嫌いになって


    話すこともできなくて









    わたしが言えることではないけど



    それが怖い。








    クロハとは特別な関係とかじゃなくて、ただの委員会の仲間。


    まだ一週間目。



    この一週間にも色々なことがあって…











    言えない。






    昨日のこと






    クロハから逃げたクセに








    ヒビヤとキスをしたこと













    そんな月曜日。



  59. 270 : : 2014/10/23(木) 20:06:53



    クロハ「っくそ。間に合わねー!

    お前が準備遅いから。」






    キド「だってクロハがずっと洗面所使ってるんだもん!」





    今日は月曜日。いつもより遅い出発で、学校への道を二人で小走りする。

    二人でクロハの家から出てきたところだ。




    だんだん歩いている人が前に見えてきて安心する。

    私達は、皆(クロハ以外のヤツ)に置いていかれたのだ。






    キド「よかった。間に合いそうだな。」




    ふと、そう声を漏らした瞬間だった。




    「きゃぁー!!」


    黄色い悲鳴と女子の大軍が私達をかこう。









    「生徒会の人だよ!」





    「隣の女って何!?彼女?」





    なんか見られてるよ。

    怖い。





    キド「先輩。どんだけ有名人なんですか。やめてください。」




    クロハ「何をだよ。」




    やっぱり、生徒会はかっこいいんだ。

    すんごい美形揃いで…こんな生徒会はないだろう。





    クロハは、わたしの手をひいて、どんどん前へ歩いていく。



    キド「ひいっ。」




    一緒に投稿している時点で可笑しいのに、これ以上変なとこ見られたらたまったもんじゃないよ!




    握られた手を払おうと、手前にひいてみる。





    クロハ「みんなお前のこと見てる。


    もう、俺ら恋人みたいじゃん。」



    ふざけたことを抜かすクロハにドキドキする。





    キド「アホか!!」






    いやいやドキドキしている場合じゃない。



    入学して一週間目でいじめとか…








    クロハ「もっと見せつけようぜ。」





    クロハの口からでる驚愕するような言葉に、思わず聞き返してしまう。


    口を大きくあけたまんま固まるわたしをそっと自分の方に寄せる。





    「きゃぁー!!…」






    周りの声がさっきより大きくなった。





    目の前は真っ暗で、そっと唇に感触があることしかわからない。



    唇に…感触…?





    キド「んんー!!!んんっ。」




    今の状況に気づいたわたしは、クロハの肩をガンガンと叩き、離そうとする。





    クロハ「ん。」





    クロハは、ますますわたしを引く力を強め、逃がさない。



    …き、き、鬼畜かっ。






    私たちの近くを通る人の目線が怖い。






    はやくどいてっ!










  60. 271 : : 2014/10/23(木) 20:10:02
    ごめんなさい。名無しで投稿してしまいました笑



    すんまそん。


    これから少し更新のペースが遅れるかもしれません。
    でも、ちょくちょく来てくれると嬉しいです(*^^*)



    すんまそん。



    コメントなど一つ一つ大切に読ませていただいております。



    ありがとうございます(^-^)v
  61. 274 : : 2014/10/24(金) 18:44:25

    http://uranai.nosv.org/uploader/uploaded_files/f/7/1/f71977615e15ca045959f13d77502bf8.jpg



    カオナシ擬人化。
  62. 286 : : 2014/10/28(火) 22:52:01
    http://uranai.nosv.org/u.php/novel/maromarocu3/?fcnew=1




    占いツクールでもはじめました。よろしくです。(*^^*)
  63. 295 : : 2014/11/01(土) 21:04:03



    こんなところ見られたら…



    余計にわたしの居場所がなくなる…!!



    ふと視界が明るくなって、唇の感触もひいていった。


    クロハ「…やべ。

    ちょ、興奮してきた。」


    そんなことをクロハが言うおかげで、わたしの顔が熱くなる。


    いきなりそんなこと言うなっ。



    キド「…っ。!!」


    何も言えない。


    昨日の夜の罪悪感がわたしをおいつめる。

    もう、今ならクロハにどんなことをされても許せるきがする。



    ごめん。クロハ…



    ─────────────────────────


    カノ「ふー。っ終了ー。」


    お疲れ~とわたしに後ろから抱きついてくるカノ。


    月曜日の生徒会室。



    カノ「俺との性徒会は、久し振りだね。」



    カノは手を伸ばし、わたしの制服のネクタイをそっとはずす。



    カノ「性徒会。


    はじめるよ。」





  64. 316 : : 2014/11/12(水) 20:55:58


    番外編!!

    ─ポッキーゲーム─



    シン「キド。」


    キド「ん?なんだ。」



    屋上にて昼食を済ませたところで、シンタローに名前を呼ばれ、後ろを振り向く。


    シン「出張。

    性徒会執行部をはじめませんか。」


    キド「い、今からっ!?

    もう五時間目がはじまるよ。」


    今、五分前のチャイムが鳴り、そろそろ教室に戻らないとヤバイ。



    シン「さぼろう。」


    キド「えっ…んんっ。」




    わたしがそう言い終わる前にキスをし、口を塞ぐ。

    ちゅっ 、という音が屋上中に鳴り響き、まわりに聞かれていないか不安になる。


    しかし、周りを横目で見渡しても誰もいなく、どうやら聞かれていないらしい。

    よかった。





    そんなことを考えている間にどんどんキスは深いものへと変わっていった。


    シンタローの舌がわたしの舌に絡み付いて離れない。




    シン「…っ。ぷはっ。

    やばい。

    止まらない。」



    先輩は、一回顔を上げてそう言うと、何回も何回もわたしに唇を重ねる。

    熱い。


    キド「…ん。ふっ。」



    わたしの口からも次第に甘い吐息が漏れ、余裕がなくなってくる。


    シンタロー…キスうまいんだな。



    シンタローがやっと顔を離すと、こう言った。


    シン「王様ゲームをしよう。

    二人で。」




    二人の声が空に残り、何回もリピートされる。


    王様ゲーム…全然、覚えてない。


  65. 320 : : 2014/11/13(木) 19:35:38


    http://uranai.nosv.org/u.php/novel/maromarocu3/


    ↑↑順位急上昇中。他のサイトでやっている小説!!

    【カゲプロ】新 黒蛇と蛇姫
  66. 326 : : 2014/11/21(金) 19:13:24
    キド「…王様ゲーム?」


    シン「いや。王様っていうか、


    俺の言うこときいてもらうの。」



    ん?



    オレノイウコトキイテモラウノ?



    キド「…王様は…?」



    いやいや。待てよ?この流れだと、




    シン「俺。」



    キド「…っええっ!?


    やだやだやだ。」


    そうなると思った。


    この裏が真っ黒、ムッツリ生徒会長が、わたしを王様になんかしてくれる訳がない。




    キド「…わたしは…?」



    おそるおそる先輩の目をチラッと見ながらそう言う。



    シン「下僕か、師弟かな?」




    はあっ?

    心の中でそう思いながら、先輩の服の袖をグイグイと引っ張る。


    子犬のような目で見つめれば…



    シン「おお。そんなに嬉しいか。」






    そんな淡い考えなどシンタローには届かず、シンタローは、わたしの頭をくしゃくしゃと撫でながらニコッと笑う。




















  67. 327 : : 2014/11/22(土) 18:20:20
    こんーーー!エミルれす☆昨日見始めたばっかなんですが
    よろしくですっ
  68. 328 : : 2014/11/22(土) 19:11:16
    エミルさん!!ありがとうございます(*^^*)これからもよろしくです。
  69. 329 : : 2014/11/23(日) 20:23:01
    ぎゃああああああっ返信してくれると思ってもみなかったのでびっくりです!更新楽しみにしてるのでよろしくでーす☆
  70. 330 : : 2014/11/24(月) 13:28:16
    カノキドは王道。シンキドは正義。キド受けは革命。
    ここテストにでますよキド廃の皆さん。
    あ、続き期待してます。
  71. 331 : : 2014/11/24(月) 19:01:32
    はいはーい☆しらすじゃこさん
    ここにいますキド廃((殴・・・いちいちお邪魔して
    すんまそんorz:::
  72. 332 : : 2014/11/25(火) 20:21:47
    こんばんわ・・・はじめましてですけどよろしくです・・ああ
    期末なんてなくなればいいのに・・・・・
  73. 333 : : 2014/11/27(木) 18:45:39
    あ、なんか答えてくれた人いた。
    私は木戸つぼみ・鏡音レン・霧島董香・逆巻ライト廃なのぜ。
    (こんな話、関係ないね♂)
    まあ、とりまここきた人みんなよろしくね!

    んふっwww
  74. 334 : : 2014/11/28(金) 05:54:12


    えっ!?しらすじゃこさん、ディアラバ知ってるんですか?
    わたし大好きです。
    逆巻 シュウくんが好きですね。
  75. 335 : : 2014/11/28(金) 20:46:50
    みおさんにしらすじゃこさん
    ディアラバしってるんですかっちなみに推しは逆巻スバルです!
    あ:会話中にすみませんでしたあ
  76. 336 : : 2014/11/29(土) 05:51:51


    みなさんディアラバ好きなんですか!?

    なんだか嬉しいです。
  77. 337 : : 2014/11/29(土) 17:04:03
    なんか話逸れてる←空気嫁。tk私が逸らしたんじゃん
    小説読みたいな…
  78. 338 : : 2014/11/29(土) 19:12:32
    みおちゃん期待です★
    キドさんかわいいよね~!
  79. 339 : : 2014/11/29(土) 20:26:23
    更新ー!応援してるよお
  80. 340 : : 2015/01/05(月) 19:46:08
    めっちゃ気になります!続き!
    更新頑張って下さい〜!
    キドさんくそかわです
  81. 341 : : 2015/01/13(火) 19:39:49
    更新は・・・?最近忙しいんですか?
  82. 342 : : 2015/02/24(火) 15:47:52
    お久しぶりです(*^^*)
    arisuです!みお様//ヒビキドいいです!!//
    すごくよかったです(//>∀<//)
    それと最近更新してませんが大丈夫ですか?
    コメント(?)することは少ないですが影ながら応援させていただきますね(*´ω`*)
  83. 343 : : 2015/05/10(日) 11:58:08
    初めまして!あみぃです!
    いきなりですがこの小説大大大好きです!
    個人的にヒビキドが推しです!
    これからもガンバです( *`ω´)続き期待してま〜す☆ミ
  84. 344 : : 2015/05/19(火) 00:15:01
    期待です!(´`*)
  85. 345 : : 2015/06/19(金) 18:01:09
    あ、私もディアラバ好きです!
    私はライト&カナトLOVEです!^^
  86. 346 : : 2015/09/11(金) 22:18:21
    期待です。続きこいっ!
  87. 347 : : 2016/02/26(金) 23:53:36
    続きが楽しみです。
    ものすごく面白いと思いました。
  88. 348 : : 2016/04/01(金) 12:44:57
    コノキド、カノキド大好き
  89. 349 : : 2016/05/14(土) 08:43:25
    すごい面白いです❗
  90. 350 : : 2016/06/06(月) 01:38:57
    早く続き見たいです!楽しみにしています!
  91. 351 : : 2016/09/03(土) 21:52:44
    カノキドセト最高!!
  92. 352 : : 2016/10/03(月) 18:47:17
    続き全裸期待度デスネ(*´ー`*)
  93. 353 : : 2016/10/25(火) 05:55:53
    あの、何故か1人が入るとすごい長さの(そうでもないけど)雑談が入りますね。
    雑談は別に良いんですが、エスカレートはしてほしくないと私は思いました。
    ~期待している人多いので~
  94. 355 : : 2016/11/08(火) 18:05:55
    早く更新してくださいヨー^o^
  95. 356 : : 2016/11/08(火) 18:07:47
    すいません
    上の名無しは私です。
  96. 357 : : 2016/11/08(火) 18:08:40
    ダレカイマセンカーー( ̄▽ ̄)
  97. 358 : : 2016/11/08(火) 18:14:17
    私小5だけど良いですかね。
  98. 359 : : 2016/11/08(火) 18:33:57
    すいません
    355でいきなり失礼な態度をとってしまって。
    改めて仲間に入れてもらって良いですか?
  99. 360 : : 2016/11/08(火) 18:35:45
    私キド総受けが超好きデス^o^
  100. 362 : : 2017/06/02(金) 17:01:37
    ほぉわぁぁぁぁ!!!!!!???
    最高ですぅーーーーーーーーーーー!
    続きが早く読みたい❗楽しみです!
  101. 363 : : 2017/06/11(日) 21:25:23
    私もです!今まで読んだけどとても面白いです!続き楽しみに待ってます(*- -)(*_ _)ペコリ
  102. 364 : : 2017/12/18(月) 20:51:34
    ヤバァイ..この作者さんの執筆力を俺にも分けてくれーーーーーーーーーー
  103. 365 : : 2017/12/24(日) 21:58:52
    続きを全裸待機で待ってます!!
  104. 366 : : 2017/12/29(金) 03:12:23
    キド総受け最高過ぎです!私カゲプロにハマったのがすごく遅かったので話せる友達があまりいないんです…今更って感じですが続きを全裸待機ですううう!!!
  105. 367 : : 2018/08/12(日) 17:15:06
    期待です!!

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

このSSは未登録ユーザーによる作品です。

「カゲロウプロジェクト」カテゴリの最新記事
「カゲロウプロジェクト」SSの交流広場
カゲロウプロジェクト 交流広場