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エレン・イェーガーという存在【超短編】

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  1. 1 : : 2014/08/15(金) 15:33:08
    ある日ミカサが死んだ。

    首吊り自殺だった。

    机には封筒とメモがあった。

    メモには
    「お父さん、お母さん、ごめんなさい」
    と書かれていた。

    封筒は僕宛だ。

    封筒を開ける。

    中には手紙と写真があった。

    僕とミカサが写っている。

    僕も同じ写真を持っていた。

    写真を見比べる。

    ミカサの写真に違和感を感じた。

    写真のミカサの隣に何か書かれていた。

    薄く黒でぬられていた。

    よく見ると人の形をしていた。

    僕は手紙を読み始めた。


  2. 2 : : 2014/08/15(金) 15:47:12

    『アルミンへ


    突然死んでしまってごめんなさい。

    この世界に耐えきれなかった。

    私は昔から変な人だった。

    居るはずのない人と喋っていた。

    この世界に居ないとわかったのは2年前。

    彼の名前はエレン・イェーガー。

    私の家にずっといた。

    でも、すべて私の妄想。

    幻覚だった。

    アルミンもおかしいと思ったでしょ?

    私は幻覚を見てた。

    初めて巨人と戦った時、

    何で私が自ら巨人の口に飛びこんだか知ってる?

    この世界にいないエレンという妄想の人物が

    巨人に食われるという幻覚を見たの。

    アルミンに助けられて、

    その時あなたを傷つけてしまった。

    本当にごめんなさい。

    もっと頭がおかしいと言われるかもしれないけど、

    エレンはどこかにいる気がするの。

    だから、私はエレンを探しにいく。

    さようなら。

    ありがとう。

    こんな私といてくれて。

    本当にありがとう。

    さようなら。



    ミカサ』



  3. 3 : : 2014/08/15(金) 16:46:35
    手紙を読み終えた。

    「違うんだ、ミカサ。エレンはいるんだ。ミカサ!!」

    僕は泣き崩れた。

    そして僕の目の前にあったのはーーー

    ブレード。立体機動装置のだ。

    僕はブレードを手に持ち、首にあてた。

    「いくよ」

    だんだん力がぬけていく。

    眠くなって、目を閉じたーーー
  4. 4 : : 2014/08/15(金) 17:02:27
    僕がエレンを殺した。

    僕はミカサが好きだった。

    なのに、ミカサはエレンが好きだった。

    エレンが憎かった。

    だから、巨人に食わせた。

    僕を助けようとして、食われた。

    最初は愚かだと思った。

    だけど、自分の罪に気づいた時はもう遅かった。

    ミカサは精神が崩壊していた。

    一時期は自分自身を制御できないほどだった。

    そして一昨日、ようやく落ち着いたけど…

    こういう結果だ。

    ごめん。

    エレン、ミカサ。

    どうか、安らかに。

    天国へ。

    僕は、地獄へ落ちるから。



    えれんはいるよ。




    このせかいに。




    たしかにいたんだよ。









    ごめんなさい。







    みかさ。







    えれん。






    えいえんに










    さようなら。





















  5. 5 : : 2014/08/15(金) 17:05:05
    これは、一人の少年が起こした


    残酷で




    愚かで




    切ない




    行き過ぎた恋のお話




















    『完』

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