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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

とある少年の物語「終」 流れる星の下で

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  1. 1 : : 2014/06/07(土) 22:34:15
    あらすじ

    エレンたちは住んでいた村を突如現れた邪龍神ガウス・クロウに襲われた。
    死を覚悟した彼らだったが、クリスタが放った「聖魔導」によってその邪龍神を撃退する。
    後、「unit」という旅商人グループのライナーに気に入れられ、そのメンバーの一員となる。
    そして、いろいろと旅をしてついた一度目の王国で陸孫、ケイの兄妹に出会う。
    その時、彼らの過去に触れ、エレンは大会に出ることを決意。
    しかし、大会前夜、ケイのその器の中のもの…つまり、魂を魔物に乗っ取られた事を境に物語が加速する。
    大会の激戦。
    魔物のとの激闘。
    そして、「四障風壁」という四人組の魔界軍のうち、一人との激闘。
    その後、彼らは二度目の王国でサシャと出会い、硝煙と血の象徴である「戦争」を知る。
    そして、魔界へと至り…時間軸は現在へと……。
  2. 2 : : 2014/06/07(土) 22:58:41
    ーーーーー

    「エレ…ン…」

    涙が何故か溢れる。

    気づいた時にはアルミンの、クリスタの身体は動いていた。

    エレンに二人は抱きついた。

    「お…おい…、…たくっ…」

    二人分の重さによろけそうになるが踏ん張り、エレンはその二人に苦笑しながら。

    「ただいま」

    告げる。すると、二人は涙に濡れた顔で微笑み

    「へへ、…おかえり」

    「おかえり、エレン」

    返した。

    その返答は家に帰ったかのように心が安らぎ、温まるものだった。

    だが、それは永遠に続くものではない。

    「……若造が…力をつけおったか」

    憎々しげな低い声が聞こえる。

    エレンは不敵に笑うと

    「おう。…見る目が違うな、邪龍神さんよ」

    と返した。

    「ぬかせ、人間風情が。…貴様など、一捻りにしてくれるわ」

    ガウス・クロウは両翼を拡げ、咆哮した。

    「……ああ、分かってる」

    エレンは肩に担いでいる大剣を右手に、己の「星」の刀を左手にそれぞれ持ち、構え、彼を見据える。

    「…因縁の……決着の時だ!」



    そう…永遠とは己が手で掴み取るもの。

    彼ら、因縁の戦いの火蓋が切って落とされた。
  3. 3 : : 2014/06/07(土) 23:07:48
    エレンは走る。

    「うおおおおおおおおおっ‼︎」

    ガウス・クロウの放つ黒炎の嵐を両手に握りしめた剣と刀で斬り裂きながら。

    アルミン、クリスタを守らなきゃ…皆を護るんだ

    ただそれだけを考えるのではなく、何故、魔物というのは人間を襲うのか、また襲わなくてはならないのか
    という根本的なことも考えつつ、振るい続ける。
  4. 4 : : 2014/06/07(土) 23:22:30
    (ヘイルが言った言葉通りなら、間違いなく、先代魔王の血筋が怪しい。…だが、その前に現界を襲うのを命じたのは正しくこいつだ)

    ガウス・クロウの口から火炎放射よりも巨大な漆黒の炎のベールが吐き出され、襲いかかってくるがエレンは瞬時に右手の大剣を閃かせ、斬り裂いて、活路を見出す。

    (ならば、何故?…なぜ、俺達は襲われた?…それを勝ったのちに…)

    「聞かねえとなっ‼︎」

    右手の黒刀が太陽のように紅く燃えるように光り輝き、同時に右手の「魔導剣」が銀色に眩く光り、その光りが混ざり合って彼を包むオーラとなる。

    まるで…流星のように宙を駆け、ガウス・クロウの鼻先へと

    「届けええええええっ‼︎」
  5. 5 : : 2014/06/07(土) 23:32:41
    もう少しで…剣の切っ先が届く!

    はずだった。

    なんとガウス・クロウは時空そのものに作用したかのように残像を残すほどの速度でその攻撃を回避したのだ。

    「な…に…?」

    自分の攻撃が宙を漂っているのに疑問を持つエレン。

    彼に向かってアルミンが叫んだ。

    「危ないっ…⁉︎」

    「っ…⁉︎」

    横薙ぎに振るわれる驚異的な速度で迫る鉤爪をまた身に纏ったオーラで瞬時に避け、アルミン、クリスタの下へ緊急回避する。
  6. 6 : : 2014/06/07(土) 23:52:43
    アルミンはエレンが無事でホッと一息ついた。

    クリスタも胸を撫で下ろしている。

    エレンは

    「クソッ…あと…あと、もうちょっとであいつに届いたのに畜生!」

    と言い、自己嫌悪していた。

    そんなエレンに視界が回復したクリスタ、アルミンは声をかけた。

    「エレン…」

    「……ん?…なんだよ…あいつはまだ健在だぜ」

    「分かってる」

    アルミンは頷く。

    「分かってるのなら、俺にやらせてくれ。…俺は十分に強くなった。…一人でも勝てる」

    そう言うエレンにクリスタはかぶりを振り、言った。

    「ううん…一人では弱いよ」

    「え…?」

    エレンに向けてクリスタは言い続ける。

    「人は誰でも強くなんてないよ。…だから手を握るんだ。…だから、協力し合うんだ…」

    「クリスタ…」

    そして、彼女は告げる。

    「……だから、私たちも手を取り合おうよ。…協力し合おうよ。…同じ人間なんだし…それに…」

    「家族、なんだから」

    「クリス…タ……」

    エレンは彼女の言葉に放心していたが、やがて…。

    「ああ」

    「エレン…!」

    「分かった、アルミン、クリスタ。…行くぞ!…皆も続け!」

    エレンは先ほどの笑みよりも強く、そして何より楽しそうな笑みを浮かべた。


    「「「「おう‼︎」」」」


    アルミン達は当然と言わんとばかりに返答する。

    そして、邪龍神対人間、第二ラウンドが開幕した。
  7. 7 : : 2014/06/07(土) 23:55:06
    今日はここまでです。

    次は明日になっちゃいました。

    始める時間が遅かったからかな?

    しかし、この後は本当の最終戦。

    見どころです。

    では、また明日!
  8. 8 : : 2014/06/08(日) 09:51:52
    期待です!
  9. 9 : : 2014/06/08(日) 20:38:47
    では、9時過ぎを目処に再開します!

    怒涛の最終戦をお見逃しなく!


    しかし、エンディングを今日迎えれるかというと「?」なので、時間を見積もって明日に持ち越すことになったら、そのところから明日に書きます。
  10. 10 : : 2014/06/08(日) 21:48:46
    エレンは彼らを信じて前を駆ける。

    「っ…おおおおおおおおっ!」

    そこに黒色の火炎のベールが吐き出され、エレンを襲う。

    だが、エレンは笑って

    「今だ!…クリスタ!…ケイ!…サシャ!」

    魔法を使える仲間に叫ぶ。

    すると三人はそれぞれ魔法を唱え、エレンの道を塞ぐ火炎を封じて消滅させると同時にクリスタとサシャが協力して、エレンの前に足場を創る。

    それに全速力で飛び乗り、そのまま天高く舞い上がった。

    「エレン…!…首元を狙うんだっ!」

    アルミンは邪龍神の首元で紅く光る小さな「石」に着目し、エレンにそこを弱点として叫び、伝える。
  11. 11 : : 2014/06/08(日) 21:59:37
    「OK…!…おらっ…『ザザッ…』…っ⁉︎」

    アルミンの言葉通りその首元目掛けて魔導剣を振りかざした時、その魔導剣からノイズが聴こえた。

    そして…それは「一度時を止めて」、剣を振りかざしたままのエレンに語りかけた。

    『やあ、エレン。…ザザッ…さっきぶりだ…ザザッ…ね』


    ところ雑音が混じっていて聞き取り辛いが
    その声の主自体は分かった。

    「ヘイル…⁉︎」
  12. 12 : : 2014/06/08(日) 22:04:42
    聞き慣れた声だった。

    しかし、彼はこの魔導剣をエレンに譲り渡す時、残留思念体を構成するもの自体が失われ、消滅したはず。

    では、何故、その彼の声がこの魔導剣から聞こえる?
  13. 13 : : 2014/06/08(日) 22:33:36
    「お前…消滅したはずじゃ…」

    「ああ、その点は大丈夫大丈夫」

    「どう大丈夫なんだよ…」

    飄々とした態度のヘイルの言葉に多少なりともゲンナリするエレン。

    そのエレンに彼は言う。

    「…時間がないから手短に話すよ。…僕は別に思念体としてあの後再構成されたわけじゃない」

    「え?…じゃあ、なんで声が…」

    「……この魔導剣の使い方を覚えさせるためだけのこの剣の魔力でできたナビゲーターさ…」

    彼は言う。

    エレンは

    「……使い方…それと、時間がないっていうのは…?」

    呟くと同時に訊いた。

    ヘイルは答える。

    「うん…魔導剣と一口にいっても永久にそれ自体に魔力があるわけじゃない。…今この瞬間にも外に流れ出て外気に溶け込んでいる」

    「そんな…」

    「そして…邪龍神を倒す切り札がこれだと言ったろ?」

    エレンの目を見据えて彼は続ける。

    「ああ」

    「『解句』を教える。…これを唱えれば膨大な魔力放出と共に奴を葬り去れる」

    ぶれない「死」への覚悟。

    だが、エレンは首を横に振った。

    「っ⁉︎…無理だ!…お前…を犠牲になんて…「バーカ」…っ…」

    彼の笑い声が聞こえる。

    「大丈夫。…僕は……消えても君と共に」

    そして、

    「解句は…………」

    時が動き出し、エレンは声を限りに解句を叫ぶ。

    ヘイルの顔が声が過去が彼の脳裏によぎり、その胸を熱くさせる。

    だが、彼から受け取った「解句(カクゴ)」は生半可なものじゃない。

    「『冥界より闇を照らす光りとなれ!』」


    クワンッと大きく真っ白な光が明滅した。

    そして、次々とその明滅が激しく大きくなると…爆発的な閃光とともに膨大な熱量の光を放った。
  14. 14 : : 2014/06/08(日) 22:45:19
    その時、エレンは聴いた。

    ほんの微かな…それでいて楽しそうな声を。

    「エレン…僕は…楽しかった」

    そして。

    「僕の目的は達せられた。…次は君だよ。…君の『星』、傍にいた彼女の『星』…そして、彼の『星』それらを掛け合わせて倒すんだ。…君の力はこんなものじゃな…」

    ブツっと音が途絶え、ヘイルの声は聞こえなくなった。

    光りは渦を巻きながら対象を焼き尽くしていく。

    エレンは

    殺しちまった…、聞きそびれた…。

    と後悔の念に苛まれていた。

  15. 15 : : 2014/06/08(日) 23:05:30
    同時にヘイルの言葉が妙に引っかかる。

    魔導剣は先程の攻撃でただの大剣と成り果てたが黒刀にはまだ秘密があるという。

    それは一体なに…と思った刹那。

    遠くの方で微かな爆音と同時に紫色に禍々しい光の柱が立ち昇った。

    「なん…だ…?」

    妙に胸騒ぎがしてならない。

    そしてそれは背後から突然現れた人物によって確信へと変わる。

    「エレン…」

    「シェイズ…」

    振り返るとダークエルフの彼女がいた。

    周囲を見回すと彼女に気付いているのは自分だけだ。

    エレンは少し胸を撫で下ろした。

    シェイズは慌てているようで直ぐにエレンに伝えた。

    「エレン…、あの場所では魔界軍討伐隊が戦っていた」

    「な…⁉︎…じゃあ、レッド達は⁉︎」

    危機的状況であることは明白だ。

    そして、彼女はエレンに絶望を叩きつける。

    「彼女らは…死んだ…」

    「………………………え?」

    あまりの事でエレンの口角が引きつる。

    「嘘…だよな?」

    「いや…嘘じゃない。…パワーアップしたラストという男にやられた…」

    「ラス…ト…」

    エレンの心は復讐心で燃え上がる。

    「殺して…やる…」

    怨嗟を込めた瞳でその柱を睨みつけ、走り出した。

    それに気づいたアルミン、クリスタは彼を制止しようとするが出来ず、仕方なく追うことになる。

    他のものたちはただ、彼らの無事を祈るばかりだ。
  16. 16 : : 2014/06/08(日) 23:11:19
    そして、そこにたどり着いたところで見た光景は…まさに地獄絵図のようだった。

    その中心に位置する「場違いような子供」が邪気のある嗤いを浮かべ、その三人に告げた。

    「やあ…『星』を受け継ぎしものたちよ。…さて、始めようか」

    ーーーー原点を超越した者たちの戦いを…‼︎
  17. 17 : : 2014/06/08(日) 23:12:40
    では、エンディングまで明日書きます。

    今日はここまで!

    さて、ラストスパート、頑張って行くぜ!
  18. 18 : : 2014/06/09(月) 20:35:07
    ーーーーと思ってたのですが、体調が思ったよりも悪く、優れません。

    その上、学校から出された提出物が異常に多いため、今週中に書き上げれるか謎です。

    今日は…無理そうですので、明日、書ける時間があれば、ある程度投下させていただきます。

    それでは。
  19. 19 : : 2014/06/10(火) 18:39:22
    待ってんぜ〜!
    頑張れよ〜!
  20. 20 : : 2014/06/15(日) 21:13:31
    はい!

    ありがとうございます!

    今日は疲れひどいので明日から少しずつエンディングを描いて行きます

    そして、疲れが酷くなければ、その日は長めに

    では、また明日
  21. 21 : : 2014/06/16(月) 23:02:13
    「…ざ…るな…」

    「は?…」

    「ふざけるな、クソ野郎!!」

    エレンは声を限りに叫んだ。

    「なん…だと、人間が…」

    エレンの言葉にラストの眉がひきつく。

    だが、その事もお構いなしにエレンは叫び続ける。

    「何が、星だ!何が戦いだ!…てめえのしたこの惨状を見て、その戦いの意義なんて見出せるか、この馬鹿野郎ッ!」



  22. 22 : : 2014/06/16(月) 23:16:16
    「エレン…」

    アルミンは対峙するラストに注意を向けながら、エレンを見る。

    何故か…考えもなしに飛び込んで行ってしまいそうで、と危機感を感じ得ながら。

    「戦いの意義だと?…それは世界に選ばれたからだ、私たちが…。そう、特別な者たちなのだぞ、そんな私たちがその与えられた力を使わなくてどうする!」

    ラストは力に溺れた埋没者のように狂気の表情で語る。

    「……分からねえよ。…俺たちは別に戦いたくて、この力を授かった訳じゃねえッ‼︎」

    エレンは激昂する。

    「……俺たちは戦いなんて望んでない!…ただ、平穏を望んでたんだ!」

    「ならば、その力を使い、その敵を駆逐すればいい…違わないか?…平穏など崩れ去るもの。…所詮は幻想にすぎん」

    「違う…幻想なんかじゃない。…俺たちが争わなければ…歪み合わなければ…。…こんなに死者が出ることもなかった…」

    エレンの脳裏に「奴を救ってくれ」と頼んだヘイルの顔が浮かぶ。

    そして、……激情のままに、答えは変化した。

    「俺は……お前を救いたい!」
  23. 23 : : 2014/08/12(火) 22:48:11
    期待

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著者情報
yukisi13

リュウオウコク

@yukisi13

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