ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

とある少年の物語「終」壱

    • Good
    • 0

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2014/03/14(金) 16:44:00
    間章「とある魔王の物語」

    彼は少年だった。

    彼は他の魔物より特出した力を持っていた。

    彼は魔導剣を創るのが好きだった。

    彼はある時、先代より選ばれ王となり、勇者の一行に殺された。

    彼は殺される前に下記の詩を詠ったらしい。
  2. 2 : : 2014/03/14(金) 16:45:47
    期待です
  3. 3 : : 2014/03/14(金) 16:50:40
    「闇と光は相反すると云われているが実はそうではない。

    その二つは我らと別種(例えるなら人間)の中にも常に存在するものであり、…よって『相反する』すると云われているが実はそうではないのだ。

    …精神と物理を現す、その二つ。

    …少し詩を詠おうか。
  4. 4 : : 2014/03/14(金) 16:51:26
    2、紅蓮の巨人さん、ありがとうございます!
  5. 5 : : 2014/03/14(金) 16:52:58
    前作リアルタイムで見れなくてすいませんでした!
  6. 6 : : 2014/03/14(金) 17:00:07
    『風とはただ凪ぐにあらず、雲上より吹きて草木を揺らす。…地より噴き出る業火は我が城を真紅に染め、眼を愉しませる』

    …さて、この詩を遺し、我が生涯の終焉を謳歌しようか」

    彼は人間界と魔界の自然の違いをこの詩に表し、その『違い』に疑問と興味を持っていたようだ。

    しかし、彼は人間界の自然は彼に仕える側近の魔物から聞いて想像しただけで結局彼は最期までその人間界を自分の眼で観ることは叶わなかった。
  7. 7 : : 2014/03/14(金) 17:02:35
    5、紅蓮の巨人さん

    いえいえ、大丈夫ですよ〜!

    とりあえず、ここで一旦切りますね〜!

    少し繋ぎを考えますので。

    では、再開は午後10時からで。
  8. 8 : : 2014/03/14(金) 17:06:47
    了解です
  9. 9 : : 2014/03/14(金) 21:00:22
    期待してます
  10. 10 : : 2014/03/14(金) 21:58:49
    紅蓮の巨人さん、ベーさん、ありがとう!

    では、再開します。
  11. 11 : : 2014/03/14(金) 22:00:13
    期待
  12. 12 : : 2014/03/14(金) 22:13:09
    エレンはその少年から色々な事を聞かされた。

    自分はただ一介の魔物に過ぎなかった事、周りからはいつも煙たがられた事。…そして、人間界の自然に興味を持った『変わり者』だと噂された事。…そして、自分は雑務を部屋に籠ってしていただけだった事。

    エレンは信じられなかった。

    彼の容姿、彼が話す真実が。

    そして何より、

    「ラスト」と言う男が先代魔王の血を引いている言う真実が。
  13. 13 : : 2014/03/14(金) 22:21:22
    「嘘…だろ?…彼奴が先代魔王の血筋?…それに心よく思われてなかったってお前、曲がりなりにも魔王だろ?…なんでだよ」

    エレンは少年に訊く。

    少年は

    「……言っただろ?…本物の血筋がいると言うのに何故僕みたいなほんの少し魔力が高いだけの魔物が『王』になれるんだい?…コネを使ったんだろと実際言われたけど、突然指名されたんだ。…びっくりしたのなんのって話だよ。…まあ、死んだ今では関係ない話さ」

    と自嘲気味に言った。
  14. 14 : : 2014/03/14(金) 22:22:08
    11、新世紀さん、ありがとう!
  15. 15 : : 2014/03/14(金) 22:30:27
    「ああ…、不意を突かれて殺されたんだっけ?」

    エレンがそう言うと、

    「…ああ全く、…卑怯な奴だよ。…扉に隠れて魔力で投擲速度を上げた剣で首をいきなりかっさばかれたんだ。…突然の事で適応できなかった……はは…」

    と少年は笑った。
  16. 16 : : 2014/03/14(金) 22:42:34
    「それでね。…僕が魔王になる前は『ヘイル』って呼ばれてたんだ。…人間界での意味は『雹』。…ここでの意味は…言いたくないな…思い出したくもない。…して、君の名は?…何て言うんだい?」

    彼は名乗り、エレンに名を訊いた。

    「ああ、…エレンだよ」

    エレンは少し迷ったが結局名乗った。
  17. 17 : : 2014/03/14(金) 22:45:04
    「そうか…エレンか。…いい名だね」

    少年は微笑む。

    エレンはその笑顔に何処か哀れみを抱いた。

    そして、ヘイルは本題に切り出した。
  18. 18 : : 2014/03/14(金) 22:54:16
    「先ず、此処(残留思念の世界)に君を連れてきたのは他でもない、邪龍神ガウス・クロウの息の根を止めて欲しいからさ。…つまり、事の顛末は奴が引き起こしたと言っても過言ではないのさ。…そして、厄介なのが奴の直接の傘下『四障風壁』。…そいつらはちょっとやそっとの事では倒れない」

    「ああ」

    エレンは頷く。

    ヘイルは宙を掴むかのように手を突き出し、何か唱えるとその手に光が集まっていき、それらが消え去るとあの大剣を握っていた。
  19. 19 : : 2014/03/14(金) 23:12:43
    「この大剣の名は…『冥界の光(ライズ・カルバーン)』と言う魔導剣」

    ヘイルはエレンを見据えると、

    「どうか…僕の代わりに『奴』を救ってほしい。…頼む」

    とエレンにその魔導剣を差し出した。

    エレンは数分間目を閉じ、思いを馳せる。

    アルミン、クリスタ、アニ、ライナー、ベルトルト、陸孫、ケイ、サシャ

    彼らとの思い出が浮かぶ。

    今思えば凄い旅路だった。

    色々笑い合ったり、時には怒りあったり、…困難を乗り越えてきたんだ。

    そして、今回で俺は死ぬかもしれない。ましてやあいつらと会えぬまま。

    …嫌だけど、それでもその時はその時だ。

    エレンは目を開け、不敵に笑うと、

    「いいぜ…受け取った!」

    その魔導剣の柄を強く掴んだ。

    瞬間、目の前が真っ白に輝き、視界から何も見えなくなった。
  20. 20 : : 2014/03/14(金) 23:14:01
    ここで一旦切りま〜す!

    続きは明日の夜で!
  21. 21 : : 2014/03/15(土) 23:24:41
    まだかな〜
    きたぁぁ〜い
  22. 22 : : 2014/03/15(土) 23:30:43
    期待です
  23. 23 : : 2014/03/15(土) 23:38:20
    再開します。

    時はそれから1時間程遡る…。

    「ここ…は…、何処…?」

    アルミン達は「そこ」で目を醒ました。

    あたりは暗く、空を見上げれば不気味に輝く満月が二つあった。

    そして、足下は…。

    「砂漠…?」

    そう、真っ白な砂漠だった。

    それは見渡す限り続いている。


    「……ここが…魔界?」

    アルミンがそう呟くと同時に上空がキラリと光り、一頭の巨大な龍が舞い降りた。

    それは…ただのドラゴンではなく、そのドラゴンはとても大きく、全長は他のドラゴンと比べると二倍くらいだ。そのドラゴンには燃えるような紫色のオーラがあって、その体躯を包み、威圧感を醸し出していた。

    つまり、…。

    「……邪龍神…ガウス…、クロウ…⁉︎何故、こんなところに…⁉︎」

    アルミンは突然の事で頭が回らない。

    しかし、何とか声にすることができた。

    それを聞いた邪龍神は笑うかのように目を細めると一言、

    「死にに…来たのか?」

    と重低音に近い慟哭めいた声でアルミン達に訊いた。
  24. 24 : : 2014/03/15(土) 23:56:07
    「くっ…!」

    陸孫、ケイはアニ達を護るように仁王立ちする。

    しかし、…その邪龍神が発する威圧感に圧倒され、その膝はガクガクと笑っていた。

    大丈夫…大丈夫だ!…俺たちは勝てる…!

    陸孫が意地でもそう思おうとした時、邪龍神は彼にこう訊いた。

    「おい…そこの貴様。…本当に『そう』思っているのか?」

    「……つ⁉︎…ああ、ああ…あ」

    その言葉はその一言はもう…、一つあれば事足りた。

    そう、極限状態でいる彼の精神を打ち砕くにはその言葉だけで良かったのだ。

    案の定、彼の心は粉々に打ち砕かれ、その場にへたり込む。

    「陸…孫さん⁉︎」

    アルミンは突然の事に驚いてしまったが、…

    違う。…これは邪龍神ガウス・クロウなりの心理戦法だ。…乗せられるな!

    冷静に考え、

    「皆!…ちょっと、僕の考えに乗ってくれ!…こいつをぶっ飛ばす作戦を考えた!」

    と邪龍神ガウス・クロウの目を見て笑った。
  25. 25 : : 2014/03/15(土) 23:58:36
    ここで一旦切ります。

    紅蓮の巨人さん、新世紀さん毎度コメントありがとうございます!

    さて、彼らはこれからどうやってこの危機を打開するのでしょうか?

    ご期待くださいね〜!
  26. 26 : : 2014/03/16(日) 20:47:50
    今日、明日は課題をやりたいので投下は明後日です。

    よろしくお願いします。
  27. 27 : : 2014/03/16(日) 22:13:31
    今日は、無しですか?
  28. 28 : : 2014/03/18(火) 22:14:30
    よーし、再開します。

    とは言っても、明日学校があるので少し書いたらすぐ切ります。

    ご了承ください。

    新世紀さん、返事書くの遅くて申し訳ないです…。
  29. 29 : : 2014/03/18(火) 22:28:31
    邪龍神ガウス・クロウは

    「ほう…、どうするんだ?」

    と人間を見下した笑みの表情を崩さない。

    つまり、どんな攻撃が来ようが全て御構い無しといった心持ちである。

    アルミンは冷静に状況判断する。

    こいつの表情からみて何らかの奥の手が有る…と言うより、まだ僕らはこいつの実力を知らない。…だから、未知数である事を前提にかんがえなくてはならない。

    …先ずは!

    「クリスタ!…サシャさんと一緒に奴を囲むように結晶魔法を!」

    と叫ぶ。

    指示されたクリスタ、サシャは考えるよりも先に詠唱を始めていた。

    「リュースト・ハート(結晶の壁)!」

    「リソース、リリース(鉱源解放)!」
  30. 30 : : 2014/03/18(火) 22:32:32
    バキバキと邪龍神ガウス・クロウを囲むようにドーム型の結晶と水晶を織り交ぜた壁が出来上がった。

    …だが、それだけではあまりにも簡易で邪龍神を生け捕りにすることなどできやしない。

    直ぐにただの咆哮のみで内部から崩壊して行ってしまう。
  31. 31 : : 2014/03/18(火) 22:40:28
    しかし、アルミンは笑っていた。

    「……だと、思ってたよ。…陸孫さんは今は使えないけど、ちょっとした刺激を与えれば!」

    ひび割れた箇所から何やら燃えた木の棒を投入する。


    「ケイさん!」

    ケイはアルミンが何をやりたいのか直ぐに察し、ある魔法を唱える。

    「バースト・フレイマー(爆ぜろ炎)!」

    直後、強烈な光と共にその火は爆発した。
  32. 32 : : 2014/03/18(火) 22:49:53
    アルミンがこの時考えていたのは、

    密封状態の鍋の中に爆発物を仕込んだら中の生物はどうなるか

    と言ったものだ。

    それなら簡単だ。

    それはもう見事な焼死体が出来上がっていることだろう。

    だが…、そんな事は全くなかった。

    「ガアアアアアアッ‼︎」

    と邪龍神が一声咆哮し、何やら気の様なモノを放出すると、一瞬でそれら全てを消し飛ばしたのだ。

    「……想…定内だったな…」

    そう引きつった笑いを浮かべるアルミンは大量の冷や汗をかいていた。
  33. 33 : : 2014/03/18(火) 22:51:22
    と言うところで止めまーす。

    続きは明日で!
  34. 34 : : 2014/03/20(木) 01:54:06
    すいません、投下は今日の昼頃でお願いします。
  35. 35 : : 2014/03/20(木) 10:13:52
    アイアイサー
    期待
  36. 36 : : 2014/03/20(木) 14:40:14
    よーし、ところどころに休憩を挟みつつ更新して来まーす。
  37. 37 : : 2014/03/20(木) 14:56:32
    まずい…まずい!…どうする?…次はどうするんだ考えろ!…思考するのを止まらせるな…!

    アルミンは焦燥の念と恐怖でまともな戦略が練れなくなってしまった。

    しかし。

    「次は…ケイさんありったけの魔法を!…クリスタ、それの威力を上げるん…「貴様らにはもう飽きた。…死ね」…だ…うあ、ああああっ⁉︎」

    クリスタ、ケイに次の指示を出そうとしたその時、邪龍神ガウス・クロウの口から黒炎が放射された。

    そして、彼らの視界は黒く塗りつぶされる…。
  38. 38 : : 2014/03/20(木) 15:15:58
    同じ頃、魔界に先に辿り着き、多々ある魔物の村々を潰して行っている魔物討伐隊グループはそのさなかに『四障風壁』と名乗る四人組と対峙していた。
  39. 39 : : 2014/03/20(木) 15:28:58
    レッド、ロッド、ロストの異様な空気を醸し出している彼らの正体を知っている三人は獅皇戀と自分(警戒を解かない様にするため)に告げた。

    「こいつらは魔物だ」

    「くくくっ…舐められてますね…。私達が『ただの』魔物だとそう思っていらっしゃるようで…どうします?…筆頭」

    暗き方翼の男は何処か見覚えのある男に訊くと、

    「ふっ…決まっている」

    嗤い、告げた。

    「…………皆殺しだ」
  40. 40 : : 2014/03/20(木) 15:31:41
    筆頭の男以外が歪んだ笑みを浮かべ、レッド達に突っ込んでくる。

    闘いが始まった。
  41. 41 : : 2014/03/20(木) 17:01:12
    ロッドは堕天使と。

    獅皇戀は騎士風のケンタウロスと。

    ロストは…醜く顔が歪んだ少女と。

    対峙する。

    レッドは

    「……久しぶりだね。…あんたがまさか魔物で四人組の筆頭とわね…」

    と「ラスト」を睨み、言う。

    ラストは

    「ああ、そうだね。…ああ、そうそう」

    嗤い、魔法陣で渦を創り、その中からとある青年が持っていたダガーを取り出し、彼女に問う。

    「これは誰のダガーでしょう?」

    レッドは一瞬、首を傾げたが、直ぐに思い至る。

    「…まさか」

    「そう、そのまさかさ。……名前はなんて言ったかな?……ああ、

    ソーラーと言う人間の武器だったな」

    「貴様…」

    「そう怒るなよ…魔物に襲われていたからそれから解放してあげようと思って抹消しただけのことだ」

    殺気を込め、睨み続ける彼女にそう言った。
  42. 42 : : 2014/03/20(木) 17:22:45
    塾行って来ます。

    午後9時から再開します。
  43. 43 : : 2014/03/20(木) 21:14:19
    では、再開します。
  44. 44 : : 2014/03/20(木) 21:26:19
    レッドは

    「ふざけるなよ、貴様。…人の命を何だと思っている」

    声を落とし、言った。

    その言葉にラストは

    「ククッ、フハハハハハっ‼︎」

    と片手で目を抑え、点を仰ぎながら笑う。

    彼女の目にはその彼が狂気に溺れているようにしか見えなかった。

    「何だ?」

    彼女はその彼を訝しげに見て、訊く。

    すると、ラストは

    「…ははははっ。…傑作だよ……こんなにも自分勝手なのか…生物と言うのは!」

    狂喜に身を震わし、そう言った。
  45. 45 : : 2014/03/20(木) 21:32:54
    「なにを…」

    「分からないのか?…潰した側も潰された方も両方共に罪があると言う事が!…双方共に大量虐殺をしているんだよ…」

    「っ⁉︎」

    ラストの言い分は正しい。

    だが、始めに潰って(やって)きたのは彼ら…魔界の生物達だ。

    それ相応の報いは受けても当然の筈である。
  46. 46 : : 2014/03/20(木) 21:39:50
    よって

    「……確かに人間側(こちら)も悪いが貴様らが先にやって来たのだろう?…なら、それを言う権利は無いと思うのだが…違うか?」

    背にある槌の柄に手をかけ、応戦態勢に入る。
  47. 47 : : 2014/03/20(木) 22:45:17
    では今日はこの辺で!

    続きは明日で。
  48. 48 : : 2014/03/23(日) 20:22:36
    期待
  49. 49 : : 2014/03/27(木) 11:54:51
    お久しぶりです。

    Wi-Fiが途絶えましてね…。

    来週から復帰します。

    それまでお待ちください。
  50. 50 : : 2014/03/27(木) 17:14:36
    お久しぶりです!!
  51. 51 : : 2014/03/28(金) 23:33:40
    久し振りすぎて内容忘れてしまった。
    期待
  52. 52 : : 2014/04/05(土) 13:56:45
    すいません遅れました。

    考えるために何度も読み返していた物で…。

    …と再開します。
  53. 53 : : 2014/04/05(土) 13:59:48
    頑張れ!
  54. 54 : : 2014/04/05(土) 14:12:35
    「…いや、違わないな。…やはり、相容れない様だな。…貴様ら人間達とは!」

    叫び、ラストが飛び込む。

    「…っああああ‼︎」


    双方ともに持つ武器が交差し、甲高く金属音を響かせた。


    一方、
  55. 55 : : 2014/04/05(土) 15:08:38
    ロストは少女に手を出せないでいた。
  56. 56 : : 2014/04/05(土) 15:15:34
    彼以外の皆は各々の戦闘で集中しているため、ロストを気にかける事が出来ない。

    ロストは少女に訊いた。

    「君は…あの魂を操っていた子だよね?」

    「るあ?…あうあ」

    ろれつが回らないのか言葉が聞き取り辛い。

    それに加え、…少女の瞳は上を向いていて、自分の言葉をキチンと聞いているか、頭で理解しているか、わからない。
  57. 57 : : 2014/04/05(土) 15:25:12
    何を言ってるのだろう…?…あ!

    「確か…体に何かされたんだっけか?…済まない。…っ⁉︎」

    憐れみを含んだ眼で見ていると少女は突然手掌を繰り出してきた。

    咄嗟に体を反らす事で避けたが、頬に一筋の傷ができた。

    「…いき…なりだな。…っておい!…話を聞け…⁉︎」

    話の最中に彼女は何度も攻撃を繰り返す。

    ロストはそれをかわし続けるが、体力がそれ程ない事を知っているため、どう体力を温存しながら戦うか思考する。
  58. 58 : : 2014/04/05(土) 15:28:49
    あ〜、今日はこの辺で!

    続きは水曜日からでお願いします。

    まだ、頭が回転が不調なようで…。

    変な事情ですけどホントお願いします。
  59. 59 : : 2014/04/05(土) 15:44:27
    水曜日が楽しみだよー!頑張って!
  60. 60 : : 2014/04/09(水) 16:16:50
    では、行きま〜す。
    六枠ほどで一度切りまして、明々後日再開します。

    隙を狙えるなら狙うか。
    では、一撃を決めるため、より効果的な隙を突くためにはどうすれば良いのか、……それは、彼女の手掌を繰り出す時に出す右足…これを崩せば!

    ロストはそれを狙うため、集中力を高める。
  61. 61 : : 2014/04/09(水) 16:22:35
    彼女が繰り出す連続で一つずつの手掌。

    かわしきれない速度ではないため、彼は直ぐに実行に移した。

    手掌を繰り出す時に出た右足をかわし気味に蹴り払い、彼女の体勢をよろめかせ、同時にその少女の背後に回り、両腕の関節を決める。
  62. 62 : : 2014/04/09(水) 16:24:20
    「これで大人しくなってくれよ…頼むから」

    心中で思った言葉がそのまま口に出て彼は思わず苦笑する。
  63. 63 : : 2014/04/09(水) 16:27:40
    彼の声が天に届いたのか、彼女は其のままクタッと項垂れ、力を抜いた。

    「おっと…大丈夫か?」

    急に倒れこんだ少女の体の重量に少し抱える腕に力を入れる。
  64. 64 : : 2014/04/09(水) 16:30:38
    この子はもう、戦えないんじゃなかろうかと思い、

    彼は一息つき、天を仰ごうとしたその時、

    フォンと彼女の身体が蒼く明滅した。
  65. 65 : : 2014/04/09(水) 16:35:45
    「なん…だ⁉︎」

    異変を察知し、視線を戻そうとした時、心臓が激しく痛んだ。

    「が…はっ⁉︎」

    彼女から手を外し、右胸を掴む様に抑える。

    息が荒くなる。

    過呼吸の様に呼吸を繰り返すため、額に汗が滲み出る。
  66. 66 : : 2014/04/09(水) 16:36:24
    と、言うところで切ります。

    よろしくお願いします。
  67. 67 : : 2014/04/15(火) 15:53:25
    何度待たせてんだ!
    と言われそうですが、すいません。
    明日は時間があるので、明日には投下します。
  68. 68 : : 2014/04/15(火) 18:22:45
    了解(`_´)ゞ
  69. 69 : : 2014/04/16(水) 14:08:34
    68、いやー、毎度すいません。

    少し練ってから行きま〜す。

    それから、模擬試験が間近に迫っているため、亀更新となります。
  70. 70 : : 2014/04/16(水) 14:13:19
    汗が眼に滲み、視界が揺れる。

    何をしたんだ、いつどんなモーションを取った?

    突然の事で様々な疑問が頭の中を駆け巡る。
  71. 71 : : 2014/04/16(水) 14:29:29
    そして、彼女がもう一度強く明滅した後、心臓が千切れる程の痛みが彼を襲った。

    「げ…はあっ⁉︎」

    地面に倒れ、無様にのたうち回る。

    死が近く感じる…。

    俺は…死ぬのか?

    恩師との修行の日々が脳裏を巡る。

    走馬灯か…我ながら情けねえ…。

    彼はそう思い、苦笑した。

    やがて…、視界が黒く染まり、何も見えなくなった。
  72. 72 : : 2014/04/18(金) 16:51:52
    「ふふ…死んでしまったようですねえ?…あなたのお仲間」

    「……」

    刀の刃と鉤爪が交錯し、高い剣戟音を響かせる中、相対する獅皇戀と片翼の天使が会話していた。

    「貴方々中で速攻型の攻撃を主としたのではないですか?」

    「……」

    「ふう…」

    会話をしていると言っても天使がただ独り言をしている様なものなので、天使はそんな自分に呆れ、ため息をついた。

    「いい加減何か言ったらどうですか、侍さん。…それに」

    乱雑に振るう鉤爪の軌道を変え、急所を確実に狙う。

    「っ⁉︎」

    彼は少し驚いただけで、直ぐに対応した。

    天使は攻撃を続けつつ、訊いた。

    「……とこんな風に貴方は優れた技術と能力をお持ちのようだ。…それなのに何故、それを最大限に利用しようとしない?」

    「……」

    その問いにも彼は無言を返した。
  73. 73 : : 2014/04/25(金) 16:16:11
    歯噛みするが、続けて問う。

    「それにいいのですか?…かの騎士は私よりも強いのですよ?…トレードして良かったのですか?」

    睨み合う黒色のケンタウロスとロッドを横目に彼は始めて口を開いた。

    「知ったことか」

    その言葉は低く、仲間にしては冷酷で…そして極めて簡潔な返事だった。
  74. 74 : : 2014/04/25(金) 16:20:59
    「……はは」

    片翼の天使は笑みを漏らす。
    そしてそれは狂喜へと変化した。

    「ははははははははははっ‼︎」

    腹を抱え、狂うように嗤う。

    「いいぞ!…非常にいい!」

    「……」

    「ここまでに非情で冷静に物事が考えれるものに出会うのは初めてだ!」
  75. 75 : : 2014/04/28(月) 21:28:49
    お久しぶりですね。
    期待
  76. 76 : : 2014/05/11(日) 12:38:50
    お久しぶりです皆さん!
    少し報告です
    なんと、自宅でWi-Fi繋がるようになりました‼︎
    いやあ、三ヶ月?二ヶ月かな?
    それ以来ですよ!
    では、ひねりを加えるので夜に投稿します!
    さーて、ラストまで飛ばしてくぜ!
  77. 77 : : 2014/05/11(日) 12:39:53
    頑張れ!
  78. 78 : : 2014/05/11(日) 19:55:32
    期待
  79. 79 : : 2014/05/11(日) 23:01:17
    では少し更新。
  80. 80 : : 2014/05/11(日) 23:01:36
    「………はあ」

    彼は溜息を吐いた。

    「ははははっ…あっ?」

    溜息を吐いた彼を怒りを込めた視線で見る、堕天使。

    「貴様…、何を…」

    「ああ、能無しがよく言えるなと思ってな」

    開口一番飛び出たのは侮蔑の言葉だった。

    「聞いてて耳障りだし、それを聞く暇があるなら戦っている彼らに助太刀に行きたいくらいだ」

    「な…に…お前、きさ…ま」

    灼熱の思い、驚きと怒りに身を震わす。すると自然と、声が震え、その彼の感情が伺い知れる。
  81. 81 : : 2014/05/11(日) 23:21:11
    「貴様…よく喋るようになったら、人間の分際で、この私に…!」

    昔、彼は本来ならモンスターにすらなれないような下等な種族、堕天使でありながら四障風壁の幹部の一人と抜擢された。

    その時から彼はその自分自身の昇進に誇りを持ち、自らの種族よりも下等な人間を蔑み続けていた。

    しかし、そんな折、その侮蔑対象からの蔑みと嘲りの言葉に怒る自分に恥を知った。

    これは到底、彼に耐えられるものではない。

    どの、どんな種族よりもプライド高い彼には。

    しかし、保っていた冷静さも次の言葉で見事に崩れ去ってしまう。

    「黒い翼の野郎なんざ、相手にするだけ無駄だ。…とっとと失せろ」

    その言葉が決定打だった。

    「……っ⁉︎…に、人間風情が調子に乗るな!…直ぐに殺してやるぞ、人間がぁっ‼︎」

    叫び、宙に魔法陣を描き、何かを唱える。

    魔法陣が光りだすと同時に地響きが繰り返し、起こり始めた。

    「さあ、死の序曲の始まりだ!」
  82. 82 : : 2014/05/12(月) 21:09:10
    期待します。
  83. 83 : : 2014/05/13(火) 22:46:14
    恐怖と死の具現が姿を現し始める。

    「ふっ…」

    しかし、獅皇戀はそれが如何に脅威であろうとあくまで依然としたまま、小さく笑みを浮かべ、刀剣を構える。

    「……やってみろ」

    ただ一言、あくまで挑発的に告げ、その呪的攻撃に備えた。

    そして、……。

    「オープン、メルスディヘイド(開口せよ、屍肉の愚者)」

    それは現れた。
  84. 84 : : 2014/05/13(火) 22:47:59
    陽炎のように揺れ、遠くにあるような錯覚さへ覚えそうな黒く、異様な質量感のあるモノ。

    それはニンゲンのようにも見えるし、他に腐りきったなにか動物の死骸にも見て取れる。

    そして、「それ」は徐々に黒い影(殻)を割り、完全体になろうとしているのが分かる。

    「……っ?」

    何故か刀剣の柄を握る腕が震える。

    私は「あれ」にまさか、恐怖を…?

    否、私は最強候補と呼ばれているほどに強いではないか。

    過去にはこれよりも醜く、それこそ「恐怖」そのものと呼べる権化を打ち倒し、ヒト本来が持つ根源的恐怖は克服したはず。

    なのに何故、震える?

    こんなモノに何を恐れている?

    言い様のない根源的恐怖。

    彼がこれを感じたのは始めてで、困惑を隠しきれない。
  85. 85 : : 2014/05/25(日) 22:06:11
    中間やら課題やらで忙しく、書く暇がなかった…。

    しかし、構想はもう練れてますので、来週の日曜にまとめて投下して物語を終了させます。

  86. 86 : : 2014/06/01(日) 22:23:51
    その時、突然、

    「死ね…!」

    片翼の天使が叫んだ。

    するとそれの双眸が赤く、冷酷に光り輝き、獅皇戀を睨みつける。

    「っ⁉︎」

    尋常ならぬ殺気を浴びた彼は刀を前に出して防御の構えをとる。

    だが、それから攻撃が来ない。

    「お前…私を舐めているのか?…な、に?」

    構えを崩し、そう聞こうとすると、

    「影」は彼の姿を模していた。

    沈黙が流れる。

    その中で彼は天使に訊いた。

    「…それが、お前の能力か?」

    「ええ、その通りです」

    鏡に自分を映したように背格好が同じ。

    違うところがあるといえば、死んだように肌が白く、双眸が赤黒く光っている点だろう。
  87. 87 : : 2014/06/01(日) 22:36:16
    ならば、私は自分自身に恐怖をしているのか?

    笑えない冗談だと思いつつ、彼はため息を吐いた。

    だが、否定にはできそうにない。

    いや、彼には否定ができない。

    過去に一度、自身が恐怖するとしたら何かとふと考えていた時、自分と瓜二つの人間が現れたらどうだろうかと思ったことがある。
    剣戟も能力も全てにおいて自分と引けを取らない存在。
    最強であり続けなければならない彼にとって、それは恐怖たり得るのではなかろうか?
    その存在が今この場に現れたのである。

    「これは…夢…ではないよなぁ」

    筋肉が強張り、武器を持つ手が緩む。

    「…っと……危ない」

    柄が手から滑り落ちそうになり、慌てて掴み直した。
  88. 88 : : 2014/06/01(日) 22:42:57
    「ふははっ…無様ですね」

    天使は笑った。そして、

    「最期に…名まえを聞いておきましょう。…私は堕天した神の使い、ミカエル」

    名乗り、また彼の名を訊いた。

    「私は…獅皇戀。…行くぞ!」

    堕天使のサーヴァントと彼の刃が交錯し、それが巨大な球状の衝撃波を生み出し、地面が破砕して行く。
  89. 89 : : 2014/06/01(日) 22:50:40
    ーーーーーー私は昔、とある王に使えていた。
    その王は傲慢で身勝手だったが、戦果をあげるとよく宴を開いてその功績を労ってくれた。
    しかし、その平穏は崩れ去る。
    ある日、緊急収集がかかり、私を含めた騎士団は王の間へと向かった。
    王は私たちに告げた。
    「龍が現れた。…黒龍だ。魔界の軍勢の一つだろう。…其奴のせいで我が国の信用はガタ落ちだ。…早急に排除し、その皮を我が敷物に変えて持ってこい!」
    それを受けた私たちはそこに向かった。
  90. 90 : : 2014/06/01(日) 22:59:00
    その龍はなんとも異様な姿だった。

    頭部は二つ。

    光る眼球は八つ。

    鉤爪から迸る黒く禍々しい瘴気。

    眺めているだけで意識がやられそうだ。

    その時、一人の騎士が

    「っおおおおおおおおおおおおっ‼︎」

    咆哮をしながら、剣を引き抜き、その龍に飛びかかった。

    「馬鹿野郎!…死ぬぞ!」

    忠告は遅かった。

    もう、飛びかかってる最中だったし、集中が切れるかもしれない。

    案の定、彼はその龍から放たれた死の黒炎に焼かれ、死んでいった。
  91. 91 : : 2014/06/01(日) 23:02:47
    えーと、今日はここまでです。

    本当は全部やるつもりだったのですが、小論文模試の反動が予想を超えてまして…。

    続きは明日と明後日で。
  92. 92 : : 2014/06/02(月) 22:52:01
    それはまるで爆薬のように彼らの心を焦がし尽くした。

    鬨の声を上げながら、剣を取り彼らはその龍に襲いかかった。

    だが…その時、私だけは思いとどまり、「焼き殺され」なかった。

    私以外が怒りに焦がされて正気を失っている中、私だけが…唯一私独りだけが冷静さを取り戻していた。

    それは運命なのだろうか?

    それとも自分の心の奥に巣食う恐怖からなのか。

    もし、後者なのなら私は王に民になりより死んでいった「彼ら」に「臆病者」と「卑怯者」と蔑まれ、嘲られるだろう。

    それだけは絶対に避けねばならなかった。

    そのため、私はかけた。

    真っ向勝負!

    私の決死の咆哮とその龍の吐き出す炎の煙の音とが重なる。

    そして、私は剣を振り上げた。

    「せあああああああっ!」

    騎馬術と類い稀なる剣術は騎士団の中では抜きん出て私の方がレベルが高かった。

    それが私の強みであり、自尊心(プライド)だった。

    絶対に負けないと。

    私は強いと。

    私は卑怯者なのではないと。

    証明したかった。

    だが…、

    「ふあっ……」

    「え…」

    たったの一度だけの龍の欠伸でそれは崩れ去った。
  93. 93 : : 2014/06/02(月) 23:02:00
    それはそんな私の覚悟、決心を打ち崩した。

    私は魂を奪われたようにかけ続ける愛馬から転がり落ちた。

    その拍子に後頭部を強打し、兜は砕け落ちた。

    血を流しながら、龍をぼんやりと見る。

    龍は何の感慨もない冷酷な表情のまま、鉤爪で私の愛馬を払い飛ばした。

    ドンっと重い響きとともに舞い上がる私の愛馬。

    血を吐き散らしながら、落ちていく。

    そして、龍の燃えるような眼が私を睨んだ。

    私は全く動けない。

    蛇に睨まれた蛙とはこう言うことを指すのか。

    とまさか私がこうなるとはと他人事のように苦笑する。
  94. 94 : : 2014/06/02(月) 23:16:33
    そして、龍が口を開いた。

    「あっ…」

    殺される喰われる…

    そう思ったのも束の間、私の下半身が猛烈な熱さに襲われた。

    あまりの熱さと激痛に呻き、悲鳴を上げ、無様に転がり回る私。

    だが激痛と痛みだけで死ぬことはなかった。

    私には…死ぬ価値もないのか?

    何という仕打ちなのだろう。

    騎士としての威厳もプライドも失った挙句、無様でもいい、生死を多少なりとも自分で決める権利も失うなんて。

    そして、激痛や熱いといった感覚が消えた。

    やった…これで私は…歩け…。

    視線を下半身に向けた時、あったのは焼け焦げて原型をとどめておらず、灰とかした自分の両脚だった。

    私は叫び声を挙げた。


    そして、冷たく見下ろす双頭の龍に懇願した。

    「助けて…もう人間でなくてもいい…せめて…地上を歩く権利だけは…返して…ください。…お願いします!」

    剣を捨て、人間ではなく犬畜生のように滑稽極まりない姿で地面を舐めながら、強く懇願した。
  95. 95 : : 2014/06/02(月) 23:26:35
    龍はその姿を見て、一つ頷くと私の脳に直接テレパシーで三つの条件を示した。

    「一つ、人間界を捨て、魔界で生きること」

    「一つ、人間界全ての繋がりを絶ち、一切を忘れ去ること」

    「一つ、…我らが父の命には己の命尽きようとも従うこと」

    これらを彼は即座に了承した。

    すると、自分の身体と死んで屍と化した愛馬が光り輝き、一つとなった。

    目を開けると自分の身体は黒く、醜い、人馬の様相へと変貌していた。

    彼が龍に連れられ魔界へと去ったのち、王国はその戦いを

    「暴落の戦い」

    と呼び、自分を贄としてまでも戦い抜いたと勘違いして彼を称賛した。
  96. 96 : : 2014/06/02(月) 23:27:18
    今日はここまでとなります。

    続きは明日です。
  97. 97 : : 2014/06/04(水) 05:46:47
    申し訳ない、今日中に書きます。
  98. 98 : : 2014/06/04(水) 22:17:32
    バイオリンの旋律が魔界の風となり、音楽を奏でる。

    「…ぉがぁ……」

    しかし、それはただの旋律ではなく、「死」を司る。

    それは脳内に鼓膜から音として侵入し、振動として内部を破壊したり、音というカモフラージュで振動を衝撃波として相手を攻撃するといったより天才的で実戦的なものだ。

    ロッドが今、行っているのは前者の方で確実に敵を葬るには容易いものだった。

    しかし、一見、苦しんでいるように見えるケンタウロスの頭の振りも実際には眠気を取り除くためのものだったようで、全くもって無駄だった。

    「くそっ……、俺の『死の調べ』もこいつにはただのクラシックかよ…」

    彼は内心焦りながら弾き続けていた。

    その焦りはロストは倒れ、レッドや優勝候補も手が離せない状態で、今はまだ「あーあー」言ってる放心状態の少女が突っ込んでくるかもしれないという危機感からである。

    「だ〜!畜生!…分かった。…これで決めてやる」

    死の旋律第二曲「鎮魂歌」

    先の大会時、エレンに放った振動系物理攻撃技であり、敵に一切の攻撃を与えない(エレンに看破されたが)奥の手みたいなものだ。

    「くらえっ!」

    激しくバイオリンが音を奏でる。

    音は衝撃波となり、ケンタウロスを攻撃する。

    しかし、その瞬間、それは言った。

    「黒王剣『冥殺』…」

    ケンタウロスの持つ両刃直剣が禍々しく濃い紫色に光り………

    激しく爆発した。

    「っ⁉︎」

    ロッドは寸でのところで回避して難を逃れた。

    後、「一秒」でも遅かったら爆発に巻き込まれて死んでいただろう。
  99. 99 : : 2014/06/04(水) 22:33:32
    「危な…っ⁉︎…まだ、追撃が!」

    自殺したものと思っていたが、それは全くの思い違いで乱雑に闇の弾を放出してきた。

    それを取り巻く煙が何処からその弾を放出するのかを判断を鈍らせるので分かり用がない。

    来たら避ける。

    その弾道から敵の場所を察知、攻撃。

    それしかないだろう。

    そう思った彼は再度覚悟を決めた。

    「確実に勝つ」

    と。


    だが、その時、その煙がまるで重力で押しつぶされるかのように球体へと変化した。

    そして…。

    「黒王剣秘奥技…」

    との声が聞こえた。

    やけに明確に。

    「ひおう…ぎ…?」

    妙な胸騒ぎがしてならない。

    そして彼の読みは悪い意味で当たることになる。

    「黒王…騎士…っ!!」

    ギュゴアアアアアッ!と爆発的に強風が球体を中心に上昇気流となって吹き上げられ、それらが去ると。

    人馬ではなく、「人」の姿をした騎士がいた。(彼の過去は82〜、参照です)

    ロッドは絶句し、

    「人間…?」

    呟いた。
  100. 100 : : 2014/06/04(水) 23:07:19
    ーーーーーー

    ラスト、レッド側

    ガン、ガン、打撃音が響く中、ラストは薄笑いを浮かべ、一方、レッドは焦燥の念を浮かべていた。

    こいつを倒せれたのなら、ロッドや獅皇戀への手助けができるのに

    「…っ!…せいっ!」

    早く…早く…!

    「おやおや…心外だ。…彼らを束ねているのは私だと言うのに、その長を倒して、仲間が苦戦している私の『仲間』の方に目を向けるなんてね。…無粋なことこの上ないな」

    「っ⁉︎…ちっ…」

    相手に気づかれたことで彼女の焦燥の念は一層強くなる。

    そこに彼は言った。

    「まあ…、私の『仲間』は奥の手を次々と解放して貴女を追い詰めているしな」

    「はっ…それはどうかな?…わたしたちも負けてなどいないぞ?」

    あくまで毅然とした態度を続ける彼女。

    その彼女に

    「……ふん、まあ、私の『駒』に斃された人間がいたじゃないか」

    「っっ⁉︎…ぐ…!」

    現実を突きつけると彼女は何か言おうとするが魚のようにパクパク口を開閉するだけで、言葉が出てこない。

    そこにラストは

    「では、私もそろそろ奥の手を使おうか」

    と言い、

    彼女から距離を取った。

    レッドは当然、

    「させるか!」

    と突っ込んできたが、

    パチンと彼が指を鳴らすのが早く、気づいた時には何かに下腹部を深く蹴り込まれ、横薙ぎに血を吐きながら吹き飛ばされていた。

    ノーバウンドで二十メートル近く吹きとばされ、激痛に悶絶する中見たのは、女性として、何より一人の人間として嫌気がさすほど醜い顔の少女だった。

    しかし、あの身なりは確か…。

    大会後のあの女の子?

    ではあの時の罰とはこの人としての「顔」そのものを剥奪することだったのだろうか。

    そうだとするならなんとも痛ましい。

    だが、数秒後に彼女が見たものは…それはもう、人間界でもありえない、そして、見たくないものだった。

    それは…ラストがその少女の胸を手刀で抉り、その心臓を突き出す光景であった。

    「うぐっ…」

    嫌でも吐き気を催す。

    失礼だとわかっていても、あまりの非人道さに吐き気がする。

    彼女は怒りに震えた。

    そして、腹の激痛を無視して、声の限りに怒号を飛ばした。


    「貴様ああああああああああっ!」

  101. 101 : : 2014/06/04(水) 23:15:24
    だが、そのかい虚しく、ラストは少女から手刀を抜き出し、手先にある心臓を口に運んで、咀嚼し、飲み込んだ。

    「……」

    レッドはもう無言のまま、静かに殺気を放出していた。

    しかし、その心中は煮え切らない怒りでいっぱいだ。
  102. 102 : : 2014/06/04(水) 23:25:00
    ラストは一息吐くと。

    「我が手の者達よ、ここに集うがいいっ!」

    叫ぶ。

    それを聞いた「2人」が彼の元へと集った。

    その突然の行動に疑問を持ったロッドたちは彼らを訝しげにみる。

    そして、黒騎士の方がいった。

    「はい、何用でございましょうか?」

    続いて、

    「どんなことでもお申し付けください、ラスト様」

    と堕天使。

    だが、かれらの忠義はここで終わりを迎える。

    「なに、簡単の事だ」

    悪魔は嗤う。


    「…私の糧となれ」

    と。
  103. 103 : : 2014/06/04(水) 23:27:54
    続きは明日で、朝にかけたら書きます。

    かけなかったら、明日から研修旅行なので土曜日です。

    ここから行くと土曜日の夜には物語が終了する形です。

    引き伸ばしてばかりですいません。

    最近、なぜか忙しくもので…。
  104. 104 : : 2014/06/07(土) 21:01:44
    「な…」

    「え…?」

    ラストの意味が分からず、口を開ける彼ら。

    そして、ラストの右手が閃き…。

    一瞬にして二つの心臓を抉り取った。

    崩れ去る二つの屍を興味なさそうに眺めながら、それらを喰った。


    同刻

    アルミン達は漆黒の闇の炎に巻かれていた。

    アルミンはその炎の中で必死に負の心と戦っていた。

    熱い…暗い…僕達は死んじゃうの?

    嫌だ…死にたくない…でも、でも覚悟はしていた

    いつかは負けた上で「こうなって」死んでいくのだと、骸さえ現界に残せずに朽ちて行くのだと

    その覚悟を…。

    決して楽観視していたわけじゃない。

    だけど、道中…この魔界に来てからも「死」が遠くに感じていたのだろう。
  105. 105 : : 2014/06/07(土) 21:16:49
    ならば今のこの現状はそのことへの罰なのだろうか

    覚悟をしても、したとしても、抗いようもない絶対的な存在…そして、「死」の足音

    怖い

    ただひたすらに怖い

    助けを呼べば、この闇の中に誰かがやってきてくれるだろうか

    助けを呼べば、僕らは「また」戦えるだろうか

    違う…

    アルミンは呟く

    「そうだ…違うんだ」

    僕らは…人間は…絶対的な存在には抗い、戦い、勝利することはできないに等しい。

    だけどそれは、変えようのない事実なんかじゃない

    絶対王政の国であってもその「恐怖」を知ったからこそ立ち上がれた者たちがいた

    圧倒的な「怪物」を前に踏むだし、その小さな拳を叩き出した者がいた

    かく言う僕自身も、然りだ

    でも、僕は一人では弱い

    いや、クリスタ…僕…あと一人、大事な家族がいれば、僕は勇気を…知恵を最大限に引き出して戦える

    アルミンは「死」が近づく中、必死に叫んだ。

    その家族の名を



    「エレェエエエエエン…ッ!!」
  106. 106 : : 2014/06/07(土) 21:17:57
    その直後、白銀の流星が天に煌めいた
  107. 107 : : 2014/06/07(土) 21:24:30
    その流星は近付いてくるごとに大きさを、そして、速さを大きく、また、強く、して行き、…アルミン達を飲み込もうとしていた漆黒の炎を斬り裂き、「焼き」滅ぼした。

    アルミンの視界は白く塗り潰され、何も見えないが、次の瞬間

    トッ…と小さく足音が聞こえ、そして、懐かしい声が聴こえた。



    「よお、…待たせたな、アルミン、クリスタ」
  108. 108 : : 2014/06/07(土) 21:26:16
    ここで一度切って、次スレに行きます。

    次スレは10時を過ぎたくらいを目処に建てるつもりです。

    毎度、遅くなって、申し訳ないです。

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
yukisi13

リュウオウコク

@yukisi13

「勇者・魔王 × ファンタジー × 進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「勇者・魔王」SSの交流広場
勇者・魔王 交流広場
「ファンタジー」SSの交流広場
ファンタジー 交流広場
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場