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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

モブリット「クリスマスにサンタクロース」―貴女の笑顔のために―

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  1. 1 : : 2014/03/15(土) 00:00:19
    モブリット「クリスマスにサンタクロース」―貴女の笑顔のために―

    http://www.ssnote.net/groups/132
    こちらのコミュニティにて、
    進撃SS作家陣による制限SS執筆大会!を開催しておりました。

    皆で安価に基づいて、主人公や題名などを縛って、参加者で各々作品を書くというイベントです。
    今回は題名縛りになっています。
    この作品は、上記のイベント用に書いたものです

    主人公ハンジとモブリット
    ハンジが分隊長になって暫くたった頃の話…まだハンジが壁外遠征の度に暴走していた時代
    副官モブリットとの信頼を築くまで…の話

    モブハン要素あり
    作者の妄想による作品なので、原作と相違があります
    よろしくお願いいたします
  2. 2 : : 2014/03/15(土) 00:00:56
    トロスト区の商店街

    夕暮れから夜に移り変わったばかりの、賑やかな場所

    食べ物屋の屋台に並び、料理に舌鼓を打つ人々、酒場から漏れ聞こえる賑やかな喧騒、何処からか聞こえてくる愉しげな歌声と音楽…

    聖なる夜を明日に控え、街は色とりどりのイルミネーションや、恋人達の逢瀬で彩られていた

    平和を絵に描いた様な、夜
    何の不安もなく道を往来する人々

    そんな人混みの中を、一人の女性が颯爽と闊歩する

    女性にしては背が高く、スラリとしたその身体に、白いスラックスにシャツ、ブラウンのショートジャケットを纏っている

    その背には、二枚の翼が重なったような紋章を配している

    自由の翼

    そう呼ばれるジャケットを羽織る集団は、調査兵団と呼ばれていた

    その女性は、眼鏡の下の瞳を周囲に油断なく向けながら、足早に進む
  3. 3 : : 2014/03/15(土) 00:01:19
    「(撒いた…かな)」
    女性は表通りから一転、静かな裏通りに身を滑らせた

    そして、ふぅ…と息を吐いた
    「(結構、しつこいんだよね…ほっといてくれればいいのに…)」
    女性は、視線は動かしながらも、歩みは止めた

    「(さて、酒場でも行きますか…)」
    女性が歩みを再開したその時

    「よお、ねえちゃん…」
    明らかに酒に酔ったような、がたいの良い男が、女性の肩を掴んだ

    「…」
    女性は、明らかに不機嫌な顔で振り返る

    「女だてらに調査兵団かよ…税金の食い潰し集団め…」
    男は、酒臭い息を女性の耳元に吹き掛ける

    「…」
    嫌悪感剥き出しの表情を男に見せる

    「税金の分まで、可愛がってやるよ…?どうせご無沙汰なんだろ…?巨人相手に死に行く事しか考えてねぇんだろうしな…」
    下婢た笑みを浮かべて、女性を後ろから抱きすくめる男

    「(我慢の、限界…)」
    女性が反撃に転じようとした、その時
  4. 4 : : 2014/03/15(土) 00:01:37
    「何を、やっているんだ!?」

    表通りから、走り寄って来る人影は、叫びながら女性を抱きすくめる腕を絡めとり、引き離す

    その人影は、女性と同じ自由の翼のジャケットを身に纏っていた

    「何だ…男が居やがったか…ちっ…」
    酔っぱらいは毒づいて唾を吐き、去っていった

    「ハンジ分隊長、ご無事ですか!?」
    その人影…男は、真摯な眼差しを女性…ハンジに向ける

    女性より幾分背が高いが、突出してがたいが良いわけでもなく、顔も、真剣な表情はしているが、何処か穏やかで柔らかい

    「無事に、決まってるだろ…?余計な事するなよ。反撃しようと思ってたのにさ」
    自分を助けた相手に毒づくハンジ

    「街はいくら調査兵団の兵服を着ていたとしても、危ないのです。一人歩きはあれほどお止めしているのに…」

    「はあ…」
    苦言を呈する男の言を遮る様に、盛大にため息をつく、ハンジ

    「私は強いんだよ、モブリット。君なんかより余程ね。だからさ、ただ町を歩くだけなのに、ついてこられちゃ迷惑なんだよ」

    「はい、その通りです。すみません、分隊長」
    素直に頭を下げる…モブリット

    「わかったら、今後町歩きについてこないでくれよ」
    不機嫌を絵にかいたような表情で、モブリットを見やるハンジ

    「それは…」
    口ごもるモブリット

    「わかったかい?」
    モブリットの顔を、じっと見つめながら言うハンジ

    「…エルヴィン団長に、目を離すなとご命令を受けていますので…すみません…」
    申し訳けなさそうに頭を下げるモブリットに、ちっと舌打ちをうつハンジ

    「私は何もやらかさないっての…」
    苛立ちを隠しもせず、ブーツで床を蹴りあげた
  5. 5 : : 2014/03/15(土) 00:02:06
    ハンジは、調査兵団でも三本の指には入る実力者だ

    だからこそ、分隊長を任されているのだが、巨人に仲間を目の前で喰われてからと言うものの、やらなくていい無茶を壁外でやらかしていた

    そんなハンジの暴走…を食い止めるべく配された副官は…モブリットで数人目であった

    先代の副官は、戦場で命を落としたり、ハンジの暴走を止められず副官を解任されたり…様々な理由で辞めていき、流れに流れてモブリットに行き着いた

    ハンジは初めてモブリットを見た時、こんな気弱そうな奴はまた直ぐに尻尾を巻いて逃げ出すだろうと思っていた

    しかし意外な事に、すでに彼は一年副官としての役割をこなしていた
  6. 6 : : 2014/03/15(土) 00:03:04
    イルミネーションに彩られた町を歩く二人

    モブリットは、辺りを見回しながら柔らかな笑みを浮かべている
    「明日は、クリスマスイブですね。分隊長」

    「ああ、そうみたいだね」
    背後から掛かる声に、気のない返事を返すハンジ

    「クリスマスが近づくと、子どもだけではなくて大人も幸せそうに見えます」
    優しげな口調で話すモブリットに、はぁ、とため息をもらすハンジ

    「クリスマスなんて、あほらしいよ。サンタクロースとかさ、そんなのいるわけないじゃん?」

    眉をひそめるハンジに、やはり変わらぬ笑みを浮かべながら、モブリットは頷いた
    「…そうですね。ですが、子ども達には夢が必要なんですよ」

    「…私の所には、サンタクロースなんて来たことなかったよ?!」
    立ち止まり、モブリットに詰め寄るハンジ
    兵服の襟首を掴む

    「そうですか…今年は、ハンジさんの所にも、サンタが来るといいですね」
    モブリットは、襟首を掴まれている事など、まるで気がついていないように、ハンジに優しげな笑みを浮かべてそう言った

    「…そんなの、来るわけないだろ」
    ハンジは襟首を乱暴に離して、呟くように言った
  7. 7 : : 2014/03/15(土) 00:03:29
    兵舎に戻る道すがら、ハンジは考えていた

    この副官は、自分の理解を越えていた

    冷たくあしらっても全く意に介さず、常に穏やかで、自分の乱暴で理不尽な態度にも、全く動じる事は無かった

    モブリットが、何時からかは分からないが、自分を好いているのはなんとなくわかっていた

    自分と、人類最強と唄われるリヴァイとの間に体の関係がある事も、知っているはずだ

    リヴァイとは、恋人同士というものではないが…
    ただ、お互いの欲を埋め合わせているだけの関係

    そういう事も知った上で、一途なモブリットが不思議で仕方がなかった
  8. 8 : : 2014/03/15(土) 00:04:01
    兵舎に着き、ハンジの部屋の前でモブリットが上官に話し掛ける
    「分隊長、明日のご予定は?」

    モブリットにとっては、ハンジの予定を聞くのも仕事の内だ

    分かってはいるのだが、ハンジは不機嫌さを隠さない
    「非番だからね。リヴァイと会ってくるよ。夕食前には戻るけどね」

    「…わかりました」
    モブリットは頷いた

    「明日は着いてこないでよね…?」
    静かにそう言うハンジに、モブリットは、やはりいつもと変わらぬ穏やかな表情で…

    「わかりました。どうぞお気をつけて」
    と言うのだった
  9. 9 : : 2014/03/15(土) 00:05:22
    次の日…大人も子どもを待ちに待っているらしいクリスマスイブ

    ハンジは、リヴァイの部屋でいつもの様にお互いの欲求を満たした

    「ねえ、リヴァイ…」
    二人はベッドの上
    ハンジは艶やかな声で、隣で寝る男に話しかける

    「なんだ、クソメガネ…」
    面倒くさそうに呟くリヴァイ

    「サンタクロースって来たことある…?」
    「てめぇ馬鹿か…?そんな奴いねぇよ」
    「…だよね…」
    はぁ、とため息をもらす

    「ハンジ、心ここに在らず…って感じだな、お前」
    リヴァイの手が、ハンジの頬に触れる

    「…ここに私の心があるわけないだろ?」
    ハンジは自嘲気味に、呟いた

    「心がある場所に、行けよ」
    そう優しげな口調で言うリヴァイに、自分の唇を落とす、ハンジ

    「私の心は、もうどこにもないんだよ…壊れちゃったから」
    「探せば…あるはずだ」

    「…無いよ…壊れて無くなっちゃったんだから」
    そう呟き、リヴァイの胸に頬をよせ、目を閉じた
  10. 10 : : 2014/03/15(土) 00:06:08
    トロスト区の商店街

    モブリットが、小さな紙袋を片手に歩いていた
    街はクリスマス一色
    幸せな笑顔を沢山見ることが出来る

    そんな笑顔を見ているだけで、自分も幸せな気持ちになれる、そんなモブリットであった

    自分の上官は、良く笑う
    それは、自分に対しての笑顔ではない
    そして、その笑い顔もどこか造り物の様に見えた

    ハンジ分隊長は、どうしたら笑顔を取り戻すだろうか
    そんな事を考えながら、手に持つ小さい紙袋に目をやる

    辺りは夕暮れから夜に移り変わろうとしていた
  11. 11 : : 2014/03/15(土) 00:06:44
    トロスト区のとある居酒屋
    個室に陣取る、調査兵団の幹部

    「クリスマスイブなのに、予定が無いのか君たちは…」
    呆れたように言うのは、調査兵団の団長、エルヴィン・スミス

    「お前が一人寂しくケーキ食ってるかもしれねぇと思って、気を使ってやったんだろうが、エルヴィン」
    リヴァイが酒をあおりながら言った

    「それは、どうも気を使わせてすまんな…おい、ハンジ」
    エルヴィンが、リヴァイの横で酒を飲んでいるハンジに問いかけた

    「なに?エルヴィン」
    「君は、副官はどうした?」

    「…今日は野暮用があったから、別行動…」
    瞳をとろんとさせながら、呟くように言ったハンジ

    「野暮用、か。あまり副官をいじめるなよ?よくやってくれているのだから」
    窘める様に言うエルヴィンに、眉をひそめるハンジ

    「…いじめてないし」

    「あれだけ尽くす副官は、もう何処を探してもいないぞ。大事にしてやれ」
    エルヴィンの諭すような言葉に、テーブルをばん!!と叩くハンジ

    「副官なんか要らないんだよ!!分隊長にしておいて、監視なんてさせてさ…プライバシーなんてあったもんじゃないよ!!」

    「モブリットに監視などさせているつもりはないよ。君が心配だから、彼はついて回っているんだろう」

    「…それが迷惑なんだってば!!」
    ハンジは吐き捨てる様に言った

    「贅沢な奴だな…」
    リヴァイはそんなハンジの様子にため息をついた
  12. 12 : : 2014/03/15(土) 00:09:16
    夜10時が過ぎた頃

    兵舎の三階の外側に、立体機動装置を利用して張り付く人影があった

    珍しくちらちらと雪が降る中、その人影は、ある部屋の窓を覗いていた

    「(夕食には戻ると言っていたよな…)」
    窓を覗いているのは、モブリットだった

    片手には先程持っていた、小さな紙袋を持っていた

    窓の鍵が開いているのは確認した
    後は部屋の主が帰宅し、就寝したら…

    しかし、待てど暮らせど、部屋の主は帰って来なかった…

    そのまま待ち続けたが、ふわふわと雪が舞い落ちる中、モブリットはいつの間にか眠っていた…
  13. 13 : : 2014/03/15(土) 00:10:48
    夜半過ぎ

    幹部達との飲み会を終え、兵舎の自分の部屋に帰宅したハンジ

    酒で火照った顔を水で洗い、就寝するために窓際へ、カーテンを閉めに行った

    「…!?」
    窓の外を見て、仰天した
    人が、ぶら下がった状態で寝ている

    「モ…モブリット!?」
    ハンジは慌てて窓を開け、モブリットの身体を部屋の中に引き摺り入れた

    髪の毛や身体、立体機動装置に雪がうっすら積もっていた

    「ちょっと!モブリット!!」
    ハンジはモブリットを揺さぶった…掴んでいる肩は、冷えきっていた

    「モブリット、起きろ!!」
    ハンジはモブリットの頬をパンパンと叩いた

    「…ん…あ…!」
    モブリットはうっすら目を開けて、上官の顔を確認し、我に返り飛び上がった

    「す、すみません!!分隊長!」
    モブリットは、頭を下げた
  14. 14 : : 2014/03/15(土) 00:12:18
    「あんた。なんのつもり!?なんでぶら下がってたの!?人の部屋の窓に張り付いて…監視でもしようとしたわけ!?」
    ハンジは詰問した

    「…いえ、違います…」
    モブリットは、項垂れた

    「じゃあ、何なんだよ!?」
    ハンジは怒鳴りつけた

    「すみません、あなたの枕元にプレゼントを置こうと、待っていました…」
    目を伏せ、小さな声で言った

    「何だよ、それ!!馬鹿じゃないの?!」
    ハンジの怒りは収まらない

    「分隊長、すみませんでした…!」
    モブリットは頭を下げて、踵を返して部屋を出て行こうとした
    …ハンジはその手をぐっと掴んだ

    「待って!…」

    「…はい、分隊長」

    「プレゼント、枕元に置いていきなよ」

    モブリットは、そのハンジの言葉に弾かれるかの様に、プレゼントの入った紙袋を枕元に置き、足早に部屋から立ち去っていった
  15. 15 : : 2014/03/15(土) 00:12:55
    モブリットが部屋から出ていくと、ハンジは、はぁと盛大にため息をもらした

    「一体、何のつもりなんだよ、あの馬鹿…」
    思わず独りごちた

    ハンジはベッドに歩み寄り、モブリットが置いていった紙袋を手に取った

    「わざわざ、これを枕元に置くために窓に張り付いてたの…?信じられない…」
    ハンジは徐に紙袋から小さな箱を取り出す

    ピンクの包み紙をあけると、その中の小さな箱には…
    「ネックレス…」
    小さな蒼い石のついたネックレスが入っていた

    ネックレスの石の台座を確認すると、pt950とあった

    「プラチナか…本物のサファイヤだ」
    窓際に持っていき、サファイヤを月明かりに翳すと、美しく煌めいた

    ハンジはその小さな宝石を、そっと箱にしまった

    「こんな高価なもの、貰えるわけないだろ…」
    その小さな箱を手に、ハンジは副官の部屋に向かった
  16. 16 : : 2014/03/15(土) 00:13:46
    コンコン…ハンジはモブリットの部屋の扉をノックしてみたが、返事がなかった

    「モブリット、いないの?」
    呼んでみたが、やはり返事がない

    ノブを回すと、扉が開いた
    「入るよ?モブリット…」
    ハンジは薄暗い部屋に身体を滑り込ませた

    部屋に視線を這わすと、ベッドに立体機動のベルトを着けたまま寝ているモブリットが確認できた

    ハンジがベッドに歩み寄ると、何やらモブリットの息が荒いのがわかった
    額に手をやると、熱があることがすぐに分かるほど、熱かった

    「あんな所にいるから、熱なんて出すんだよ…!」
    ハンジは毒づきながら、モブリットの立体機動のベルトを全て外し、兵服のジャケットを脱がせた

    タンスを物色して、寝間着を取り出し、ベッドに歩み寄った
    服を着替えさせないと、濡れていて寒いだろう…

    ハンジが副官のシャツのボタンを二つ程外した時…
    モブリットは目を覚ました
  17. 17 : : 2014/03/15(土) 00:15:02
    「分隊長…!す、すみません!!」
    モブリットは慌てて起き上がり、ハンジに頭を下げた

    「いいよ、それより着替えないと。服が濡れてるよ」

    「大丈夫です…」
    そう言うモブリットだったが、顔は真っ赤で声に力もなかった
    …だが、何時もの様に微笑みを浮かべていた

    「…大丈夫なわけ、ないだろ!?」
    そんな副官の様子に、思わずハンジは乱暴に服のボタンを外し、脱がせて汗を拭いた

    「分隊長…私は自分で…」
    そう言う副官の言葉を無視して、寝間着を着せ、布団に押し込んだ

    ハンジは、冷たい水で絞ったタオルを、副官の額にのせた
    そして、枕元に椅子を持ってきて座った
  18. 18 : : 2014/03/15(土) 00:16:11
    「分隊長、すみません…ご迷惑を…」
    そう言って何度も謝るモブリットに、目に角を立てるハンジ

    「謝るくらいなら、あんな無茶するな!
    だいたい君は、勝手に部屋に入る気だったのか?」

    「はい、そのつもりでした…すみません」
    モブリットは、目を伏せた

    「…それと、これ、こんな高価な物は受け取れないよ。モブリット」
    ハンジは、胸のポケットから小さな箱を取り出し、小さな声で言った

    モブリットは、首を弱々しく振った
    「分隊長にはいつもお世話になっています…。壁外では何度も命を救って下さって…せめてものお礼なので…出来ましたら受け取って下さい…」

    力なく言うモブリット、だが…相変わらず顔には微笑みを浮かべていた
  19. 19 : : 2014/03/15(土) 00:16:56
    ハンジは、首を傾げた
    高熱があり、しんどいはずなのに、なぜ笑っていられるのか

    何故モブリットは、いつも微笑みを浮かべているのか

    分からなかった…一つ分かることは、今は無理をして微笑んでいる、と言う事だ

    はぁ、とため息を一つつき、モブリットの顔に目をやるハンジ
    「ねえ、モブリット。君は何故、私にここまで尽くすのかな?ずっと不思議だったんだ」

    モブリットは、目を少し見開いて首を横に振った
    「訳など、わかりません…ただ、あなたをお守りしたいんです…」

    「守るってどうやって!?私の方が強いのに。現に君は壁外で何度も私が助けたよね?」

    ハンジのその言葉に、項垂れるモブリット
    「はい、私には…あなたを守る力はありません。兵士長や、ミケ分隊長のような力は…ですが、私でも、あなたを守る盾にはなれます」

    それを聞いた瞬間、ハンジは激昂した

    「誰が、君に盾になってくれと頼んだ!?盾になんてなってほしくない!!迷惑だよ!!」
    ハンジは、乱暴に席を立つと、副官の部屋を後にした
  20. 20 : : 2014/03/15(土) 00:17:32
    モブリットは、ハンジを怒らせてしまった事に、激しい後悔の念を抱いた

    盾になる…そうだ、ハンジ分隊長がそんなことを望んでいないのはわかっていた

    盾になって死んでいった仲間を見ているうちに、巨人に対し、激しい憎悪の念を抱き、自分の身すら顧みない様になってしまったのだから

    自分はただ、分隊長の心を取り戻したい、自分が入隊した時に輝いて見えたあの頃の様に、笑って欲しい

    初めて出会った時に見せた、吸い込まれるような温かく柔らかな眼差しを、取り戻したい

    ハンジ分隊長が誰に抱かれようと、誰が好きでも、関係ない。
    自分の気持ちは揺らがない…打ち明けるつもりもない

    いつも、どうしたらあの人が笑うか考えていた

    まずは自分が笑顔になることを意識した

    だが、結局自分には分隊長を笑顔にすることは…出来なかった
    情けない

    瞳から、一筋だけ、涙がこぼれ落ちた
  21. 21 : : 2014/03/15(土) 00:18:09
    ハンジは部屋に戻った
    だが、病人のモブリットにきつく言い過ぎた事を後悔していた

    頭の中で、出来事を反芻してみた

    そういえば、昨日予定を聞かれた時、夕食からは部屋にいるといったのに、黙って飲みに行った…
    それが原因で、立体機動の宙吊り状態が長かったのか

    部屋に勝手に侵入するのはいただけないにせよ、サンタクロースなんていないと、来たことがないと言った私のためにやってくれた事だろう

    ハンジは、胸のポケットから小さな箱を取り出し、蒼い石のネックレスを、自分の首に着けた

    「サファイヤ…そういえば私の誕生石だ…」
    自分の忠実なる副官は、勿論誕生日も把握していたのだ

    もう一度モブリットの部屋に行った

    ノックをして部屋に入ると、寝ているモブリットがベッドにいた

    ハンジがそっと顔を覗くと、はっきりわかる涙の跡があった

    「ごめん、モブリット…」
    と謝った

    自分のせいだったのに…
    ハンジは唇をかんだ
  22. 22 : : 2014/03/15(土) 00:18:52
    ハンジは、モブリットの頬の涙の跡に、そっと触れた

    何故、モブリットがいつも笑っていたか

    何故、いつも穏やかな眼差しを自分に向けていたか

    それは、ただ自分を好いているからだと思っていた

    だが、何かが違う…もっと、別の理由があるように思う

    そっと額に手を触れてみた…
    「…ん…」
    モブリットが、ゆっくり目を開けた

    モブリットの瞳には、自分があげたサファイヤのネックレスが目に入った

    それは、自分が敬愛するハンジ分隊長の胸元で光っていた

    視線を、自分の敬愛する上官の顔に向けた
    その表情は慈愛に満ち、温かく柔らかだった

    「ハンジ分隊長…」

    モブリットが名前を呼ぶと、ふわりと優しげな口調で…

    「大丈夫?モブリット」
    そう返事が返ってきた
  23. 23 : : 2014/03/15(土) 00:19:24
    ハンジは、モブリットの髪を優しく撫でる
    「君は、何故いつも笑っていたの?無理して笑っていただろ」
    モブリットの顔を覗きながら、ハンジは聞いた

    「私は…あなたを笑顔にしたかったんです。ただそれだけです」

    「私だって、たまには笑っていたと思うけどな…?」
    ハンジは首を傾げた

    「初めてあなたを見た時の笑顔を、もう一度見たかったんです」
    モブリットは、眩しそうに目を細めた

    「初めて…いつの事?」

    「私が、調査兵団に入団した日です、ハンジ分隊長」

    ハンジは暫く頭を垂れ、何かを考えていたが、ふと顔を上げた
    「その頃は、まだ…笑えてた」

    「はい」
    モブリットは、真摯な瞳をハンジに向けて、頷いた
  24. 24 : : 2014/03/15(土) 00:20:36
    モブリットは目を閉じ、何かを思い出すかの様に、言葉を紡ぎだす

    「あなたは、眩しいくらいの笑顔で私達新兵を迎えてくれました。でも、その笑顔は壁外遠征を重ねる毎に、少なくなって…いつしか見ることが無くなりました」

    ハンジは、その言葉にじっと聞き入っていた

    「あなたは責任感が、人一倍強かった。兵士一人一人に愛情を持って、大切に接していた」

    「そんな優しいあなたの目の前で、慈しんでいたその大切な存在が、いとも簡単に奪われた…そんな事が壁外遠征の度に繰り返されるうちに…」

    そこでモブリットは目を開けた
    「あなたの心が、その現実に耐えきれなくなった。あなたは、自分すら捨ててしまった」

    ハンジは、俯き手を握り締めた
    その手は微かに震えていた

    「私は、ただあなたの、笑顔を取り戻したかった…心を取り戻したかった。副官になってからは、それだけを考えていました」

    ハンジの瞳から、涙がこぼれ落ちた

    「あなたは泣かなかった。人前では勿論…多分一人きりの時も、泣かなかったのではないですか…?」

    「ハンジ分隊長、沢山泣いてください。私に苛立ちを、悲しみを、すべてぶつけて下さっても構わないですから…」

    モブリットは静かにそう言って、熱のためであろう、温かい吐息をもらした
  25. 25 : : 2014/03/15(土) 00:21:06
    ハンジはベッドに突っ伏して泣いた
    「うっうっ…モブリットの…ばか…」

    「はい」
    モブリットの手が、優しくハンジの頭を撫でた

    「ほんと…ばかだよ…うっうっ…」

    「はい、ハンジ分隊長…」
    モブリットは、優しく頭を撫でる手を、ずっと休める事なく続けた

    ハンジは暫くそのまま、突っ伏して泣き続けた
  26. 26 : : 2014/03/15(土) 00:21:40
    暫くそのまま、突っ伏して泣き続けたハンジであったが、次第に落ち着いてきたようで、頭を上げた

    ハンジの顔は、涙の跡が眼鏡にも頬にも沢山川を作っていたが、瞳は柔らかい春の日差しの様な光を宿していた

    「落ち着きましたか?ハンジ分隊長」

    モブリットの少し低い、だが限りなく優しい声が、ハンジの耳に入ってきた

    「ああ、ごめんね、モブリット…」
    ハンジの手がモブリットの額に当てられる

    「やっぱり熱があるね。今日はゆっくり休まなきゃね。明日も、無理はしないで」
    額に当てられた手を頬に移動させ、優しく撫でる

    「大丈夫ですよ…熱はすぐに下がります。それに、元々私がまいた種のせいなんですから」
    モブリットはふぅ…と息を吐いた
  27. 27 : : 2014/03/15(土) 00:22:06
    「モブリットは、私のサンタになろうとしたんだろ?」
    クスッと笑うハンジ

    「そうですよ。あなたが笑顔になれそうな事は、片っ端からやってましたから」

    「でもさあ、あんなところにぶら下がって…、サンタだなんておかしいよ…あははは」
    ハンジは、思い出したかの様に笑った

    モブリットは、その笑顔を目を細めて見つめた
    「…やっと、笑って下さいましたね、ハンジ分隊長」

    ハンジはその言葉に、はっとする
    「そうかな…」

    「はい、私もあんなところにぶら下がった甲斐がありました」

    「そうそう君さ、窓の外見たら、ぶらーんて、ぶら下がって寝てるの!雪が身体に積もっててさ…あはは」
    ハンジは愉しげに笑った

    「かなり間抜けですね…確かに」

    「ああ、ばかだなあモブリットは…熱まで出してさ…うふふ」
    ハンジの笑いのつぼに入ったようで、しばらく愉しげな笑い声が部屋を明るくした
  28. 28 : : 2014/03/15(土) 00:22:39
    「君は、ちょっと間抜けなサンタクロースだね。クリスマスイブの夜に、私にプレゼントをくれた」
    ハンジは、モブリットの額に口づけをした

    モブリットは優しく微笑んでいる
    それは、いつもと変わらぬ優しい表情だった

    その限りなく優しく、暖かい微笑が、ハンジの心を解きほぐしていく

    「サンタは、いたでしょう?分隊長」

    「ああ、ここに…間抜けなサンタがね」
    ハンジは徐にモブリットの頬に顔を近づけ、頬擦りをした

    「ハンジさん、風邪がうつりますよ。あまりくっつかれますと」 
    モブリットは思い出したかの様に言った

    「大丈夫だよ。ほんとモブリットは心配性だなあ」
    そう言って、艶やかな笑みを浮かべた

    「これからも、世話かけるけど、頼むよ、モブリット」

    「こちらこそ、分隊長のお役に少しでも立てるように、頑張ります」

    そう言ってにっこり笑うモブリットが、急に愛おしくなって、ハンジは自分の唇で、彼の唇にそっと触れた

    「…分隊長…うつりますよと言ったのに…」

    モブリットは、顔を真っ赤にして呟くように言った

    「ねえモブリット、私が君の言うことを、素直に聞いたこと…あった?」

    ハンジはそう言うと、今度はしっかりと唇を密着させ、暫く離そうとはしなかった
  29. 29 : : 2014/03/15(土) 00:23:03
    しばらくそのまま、副官の唇を自分の唇で塞いでいたハンジだったが、やがてゆっくり顔を上げた

    目の前には顔を真っ赤にしている副官が、まるで夢でも見ているかのように瞳を潤ませていた

    「…私も、分隊長からプレゼントをいただきました」
    モブリットは、恥ずかしくも嬉しそうに、満面の笑みを浮かべながら言った

    「なにもあげてないだろ」
    ハンジは怪訝そうに首を傾げた

    「貴女にキスを貰いましたし、笑顔も見られました」
    そう言いながら、更に顔を真っ赤にしているモブリット

    「君はほんと、物好きだなあ…」
    と言いながら、ハンジはもう一度、忠実なる副官に口づけた


    それから、ハンジとモブリットは付かず離れずの関係になり、公私ともにお互いに背中を預けあうようになるのであった
  30. 30 : : 2014/03/15(土) 00:23:24
    それから数年後…

    「ああー今日はクリスマスイブだというのに、何故こんなに書類に囲まれた夜を過ごさなければならないのかぁぁ!!」

    執務机に突っ伏して叫ぶハンジ

    「あなたがきちんと午前中に書類を処理しなかったからでしょう…?自己責任です、分隊長」

    執務机に散らばった書類を片付けながら、諭すように言うモブリット

    「モブリット、昔はとっても可愛かったのに、今はああ言えばこう言うし、上官にあんたとか言うし、全然可愛くなくなったよ!」

    毒づくハンジに、冷ややかな視線を送る副官

    「それは、あなたと四六時中一緒にいれば、可愛いままではやっていけませんよ」

    「そういえば覚えてる…?私の部屋の窓の外に、ぶらーんてぶら下がってた事…ププブ」
    思い出し笑いをもらすハンジ

    「…そんな事ありましたっけ?」
    明後日の方向を見てとぼけるモブリット

    「あったよ!!ほら、これもらった時だよ?」
    そう言って、胸元から蒼い石のネックレスを取り出した

    「…覚えてますよ…って、まずは書類を片付けてから、昔話ししてくださいよ!?ちゃんとやらないなら、私は部屋に戻りますよ!?」
    モブリットは机をばん、と叩いた

    「モブリットは意地悪になったなあ…折角のクリスマスイブに、なーんにもないしさあ…」
    ハンジはため息をもらした

    「ため息ついてる暇があったら、仕事して下さい!!」
    「はいはい…あーあ、私は不幸だ…」
    頬を膨らませながら、書類にペンを走らせ始めた

    モブリットは炊事場に行き、コーヒーを入れた
    そして、それをハンジの執務机にそっと置いた

    「あ、ありがと、モブリット」
    そう言ってコーヒーを一口すすり
    「美味しいよ!!」
    と副官の方に振り替えって、ハンジは笑顔を見せた

    そして、また黙々と書類を処理する

    「…あれ、これは何?」
    書類をほぼ片付け終えた時、ハンジは自分の机に、見覚えの無い箱が置いてあるのに気がついた

    書類に埋もれて見えなかったのだ

    ピンクの包み紙で包装されている箱だった
    「なんだろう?モブリットが置いたの?」

    「…そうですよ、ハンジさん」
    モブリットは、何時になく真剣な眼差しで言った

    「開けてもいい?いや、開けまーす!!」
    びりり、と包装をはがし、中の箱を開けると、ビロードのケースが入っていた

    それをパカッと開けると、中には…
    「指輪だね…プラチナの、石はダイヤだ」

    ハンジは指輪とモブリットを交互に見たが、モブリットはただ真摯な眼差しをハンジに向けるだけで、何も言わなかった

    「ねえ、着けてみてもいいかな?」
    「どうぞ…」

    ハンジは、左手の人差し指、中指、と指輪をはめたが、サイズがあわなかった
    そして、左手の薬指にはめた時…

    計ったかの様にぴったりフィットした

    「モブリット…これ…ぴったりだよ」
    指輪をはめた自分の手を、モブリットに差し出すハンジ

    モブリットは黙ったまま、差し出されたハンジの手を取り、その場に跪いた

    「ハンジさん、私と…結婚して下さい」
    ハンジに真摯な瞳を向けながら、静かにそう言った

    ハンジは、驚いて目を丸くした
    「わ、私と…?正気?モブリット…」
    「正気です」

    「うそだよーんとかそういう落ちは…」
    「ありません」

    ハンジはまるで金魚が泡を食うみたいに、口をパクパクさせた
    驚きすぎて、言葉が出なかったのだ

    「勿論、今すぐにとは言いません。事が落ち着いてからでも構いません。ただ、約束をしておきたいんです」

    ハンジは、跪くモブリットの手を引っ張って立たせた
    「いいよ、モブリット。結婚、しよう!!」
    そう言って、モブリットに抱きついた

    「幸せになろうね、モブリット」
    「はい、よろしくお願いします、ハンジさん」

    二人はこれからも共に、末永く、同じ道を歩んでいく

    手を携えて、お互いの背中を守りながら…

    ―完―
  31. 31 : : 2014/03/15(土) 00:23:51
    《お ま け》
    今日は調査兵団が、壁外調査に出立する日

    皆一様に緊張感を紛らわそうと、馬に話し掛けたり、近くにいる同僚と軽口を叩いたりしていた…が、その緊張感は拭い去れる物ではなかった

    部隊の先頭には、何時もの如く、金のたてがみを持つ獅子の様なエルヴィン団長が、部下にいろいろと指示をしていた

    その後ろには、ミケ・ザカリアス分隊長と、ハンジ・ゾエ分隊長、そしてリヴァイ兵士長がいる

    まさに名実共に調査兵団の精鋭といえるトリオだ

    ハンジの後ろには、これまた何時もの如く、彼女の影のように付き従うモブリット・バーナー副長がいた

    「ねえねえ、皆見て見て!」
    ハンジがことさら大きな声で、回りの同僚達に声掛ける

    その表情は、まるで春の陽が顔に射しているかの様に、穏やかで微かに紅潮していた

    「なんだ、うるせぇなクソメガネ」
    リヴァイが胡散臭そうにハンジを見る

    「どうした、ハンジ」

    エルヴィンはわざわざ後ろを振り向いた

    ハンジは左手を挙げて、同僚達に見せる

    「貰ったんだよこれーうふふ、いいだろ!?」

    その声に、ハンジの後ろにいたモブリットがぎょっとした

    「なんだ、指輪か。どうせばったもんだろ」

    ちらっと見た物の、興味なさげに視線を前に戻すリヴァイ

    「ほう、ダイヤか。本物だろう?買ったのか?」
    エルヴィンは、わざわざ馬を寄せ、ハンジの手を取って眺めた

    「…ハンジが自分で買うとは思えんな…」
    ふん、と鼻をならすミケ

    「貰ったんだよ!!いやあ、プロポーズされちゃってさぁ!!参っちゃうなあもう!!」
    顔をますます紅潮させながら、頭を振るハンジ

    その後ろで馬のたてがみに顔を埋めるモブリット

    「物好きな奴もいるもんだな…」
    呟くリヴァイ

    「ちょっとした博打気分だろうな」
    遠くを見つめるミケ

    「良かったじゃないか、ハンジ!!」
    エルヴィンだけは、ハンジに祝福の言葉を投げた

    「ああ、だから意地でも今回も生きて帰るぜ!!私は幸せになるんだ!!」
    気合いみなぎっているハンジ

    「…で、そのボランティア精神旺盛な奴は誰なんだ…ああ、てめぇの後ろで、馬のたてがみに突っ伏してる奴か」

    リヴァイはハンジの後ろをちらっと見て言った

    「というかだな、ハンジ。そんな高価な大事な物を身に付けてきてはいけないぞ。なくしたり傷がつくかもしれないだろう?」
    エルヴィンが、諭す様に言った

    「だってさあ、やっぱり好きな人から貰った物は肌身離さず身に付けていたいじゃないか~」
    ハンジは、うふふと笑った

    「気持ちはわかるが、指輪はだめだぞ、ハンジ。グリップやトリガーを握るのに邪魔になる。ペンダントのように、鎖を通してみたらどうだ?」

    「なるほどねぇ…あ、それかさあ、もう一個貰えばいいんじゃない!?ねえモブリット、壁外調査用にさ、給料3ヶ月分のペンダント買ってくれよ!!」

    ハンジが後ろを振り向くと、馬のたてがみに突っ伏したままひくひくと痙攣している副官の姿が見えた

    「モブリットが窒息死するぞ…壁外調査前に…」
    リヴァイは眉をひそめた

    「ぎゃぁぁ!!モブリット生きろぉ!!」
    ハンジは、副官の馬に自分の馬を寄せ、モブリットを起こした

    「ハンジ…分隊長…」
    思いきり不機嫌そうに眉をしかめるモブリット

    「モブリット、ペンダント買って?!」
    いたずらっぽい目をモブリットに向けるハンジ

    「ご自分で買いなさい!!本当にあんたは!!バカですか!?」
    激昂するモブリットにハンジは…

    「上官にバカですかって、モブリットひでぇぇ!!」

    「バカと言われない努力をなさい!!」

    「バカじゃないよ、賢いし~」

    「あなたはああ言えばこう言う!!指輪返してください!!やっぱり結婚は止めておきます!!考え直します!!」

    ハンジの左手を取り、指輪を外そうとするモブリット

    「貰ったものは返さない!!結婚はするし!」
    彼の手を振りほどき、ふん、とそっぽを向くハンジ

    そんな二人に団長は困ったように首をかしげる

    「…そろそろ出立時間だから、痴話喧嘩はそれくらいにしておけよ?」

    二人は揃って顔を真っ赤にしたのであった

    ―おしまい―
  32. 32 : : 2014/03/15(土) 00:57:51
    格好いいです!!
    大人です!!!なんですか!?
    最高ですよ!!
    モブリットさん大好きになりました!
    ハンジさんも!!88さんの素敵な作品をこんなに早く読めるとは!!企画最高です!!
  33. 33 : : 2014/03/15(土) 01:11:54
    >>EreAniさん☆
    コメントありがとうございます♪
    モブリットとハンジは私のラブキャラなんで、すきになってもらえたらうれしい!!
    EreAniさんはラブストーリーがほんと素敵!
    私は甘いのが、一切書けないので、羨ましいですよ!!
  34. 34 : : 2014/03/15(土) 01:13:47
    映画にしてくれないかなぁ!!素敵なお話でした。やっぱりMs.88の文章はためになる、僕はとても好きだ。
    そしてモブリットを書くのが本当に上手い!!
  35. 35 : : 2014/03/15(土) 01:18:38
    >>アートさん☆
    読んでくれてありがとう♪
    イベント用に短く書く練習したのw
    映画ってwアートさん主役やる!?
    モブリット書かせたら右に出る人は、いるけど愛は負けませんw
    わたしもアートさんの文章すきだよ!!
  36. 36 : : 2014/03/15(土) 01:46:17
    執筆お疲れ様でした!

    モブハン…いいですね、新しいのに目覚めそうです♪

    素敵すぎますね!ありがとうございました♪
  37. 37 : : 2014/03/15(土) 01:55:18
    >>Aniっちさん☆
    コメントありがとうございます♪
    モブハン是非是非目覚めて下さいませ~(*´ω`*)
  38. 38 : : 2014/03/15(土) 02:25:17
    執筆おつかれさまでした〜!
    88さんの真面目シリアスなSSが大好物なわたしにとって、まさにどストライクな作品でした。
    心情描写が丁寧なのはいつものことですが、この短い作品の中でハンジさんの感情の移り変わりが見事に表現されていて脱帽です。
    しかもじわりと涙させた後に笑わせるというおまけ付き!
    ぜひ2人にはしあわせになっていただきたいものです(*-ω-*) 
    素敵な作品でした。ありがとうございましタイキック!!!
  39. 39 : : 2014/03/15(土) 02:55:26
    モブリットォォォ‼︎なんてかっこいいやつなんでしょう!
    いやぁ!惚れますよ!これ!そしてハンジさんも、そのまま原作にあっておかしくない心情描写!コミカルだけどシリアスなラブロマンス、楽しくしっとり読ませていただきました^ ^
  40. 40 : : 2014/03/15(土) 04:24:06
    88さん、本当にモブリットさんが好きなんですね。愛を感じました

    そして、モブリット!かっこいいぞぉ!!
  41. 41 : : 2014/03/15(土) 07:07:17
    一等賞で投稿完了でしたね!w
    執筆お疲れ様でした、(๑′ᴗ‵๑)

    いやぁ、流石の文章力で引き込まれました!
    シリアスな中にもしっかりとモブハンらしい柔らかさや滑稽さが含まれていてとても素晴らしかったです!

    そしてオマケパートまで有りとはなんと豪勢なw
    こちらもとても面白かったですよ〜♪
  42. 42 : : 2014/03/15(土) 07:33:12
    >>マリンさん☆
    コメントありがとうございます♪
    大好物と言って頂けて幸せです(*´ω`*)
    今回は短く書くを目標にしていましたが、難しかったです;-)

    タイキックありがとうございますw
  43. 43 : : 2014/03/15(土) 07:37:24
    >>店員さん☆
    コメントありがとうございます♪
    モブリットかっこよく書けていましたか!?w
    本望です、嬉しいです♪
    ハンジさんの過去も書いてみたかったのですが、受け入れて頂けて幸せです(*´ω`*)
  44. 44 : : 2014/03/15(土) 07:38:52
    >>My.Loさん☆
    コメントありがとうございます♪
    そうなんです、モブリット好きすぎてやばいんです(*´ω`*)
    愛だけは誰にも負けないと自負しています♪
  45. 45 : : 2014/03/15(土) 07:41:07
    >>ゆきさん☆
    コメントありがとうございます♪
    一等賞でしたw
    今回は短く書くを目標にしていたので、収まりがやはり難しく、結局おまけまで書いてしまってましたw
    面白かったとのありがたいお言葉、感謝です♪
  46. 46 : : 2014/03/15(土) 08:51:59
    ちょっとちょっと!

    モブリットさんが超イケメン!
    ラブラブ感がたまらない!

    良いなぁ良いなぁ♪
    読んでて幸せな気持ちになりました!

    荒れるハンジさんから可愛いハンジさんに変わっていく描写がとてもステキ。
    好きです!
  47. 47 : : 2014/03/15(土) 10:34:53
    >>なすたまねえさん☆
    コメントありがとう!!
    モブリットへの愛が強すぎてこうなっちゃったよw
    ハンジさんも昔は荒れてたかなあと妄想して書いたんだよね…受け入れてもらえてよかった♪
  48. 48 : : 2014/03/15(土) 12:13:42
    88様のシリアスラブ、前作(?)2つも読ませていただきました

    前作2つもすばらしいですが、この作品はそれら以上にすばらしいです!!

    もともとモブハンが好きですが、もっと大好きになりました!!

    これからもすばらしい作品をたくさん書いてください!!
  49. 49 : : 2014/03/15(土) 12:54:29
    >>Rioonさん☆
    コメントありがとうございます♪
    シリアス前作二作、長いものを読んで頂いたのですね、ありがとうございますm(__)m
    この作品を一番評価していただいた事は、短いシリアスに挑戦してみたわたしにとって、凄く嬉しいお言葉です♪

    またモブハン書きますので、遊びに来てください♪
  50. 50 : : 2014/03/15(土) 12:58:03
    ハンジさんにはモブリットが合いますね!やはり! おまけも笑わせてもらいましたよぉ〜( *`ω´)これからも88さんが書くモブハン楽しみです!
  51. 51 : : 2014/03/15(土) 13:09:20
    >>えりさん☆
    コメントありがとうございます♪
    ハンジさんとモブリットはいいコンビです♪
    私はリヴァハンもモブハンも書いててどっちなんだい!?みたいな感じですが、これからもモブハン書きますので、また読んでやって下さい♪
  52. 52 : : 2014/03/15(土) 13:10:36
    最初はツンケンしたハンジの態度にハラハラしました。


    ”大人”の関係ということでリヴァイと肌を重ねる一方で、心が満たされていないハンジと、物理的には全然触れ合わないもブリットさんが最終的には心を埋めていくまでの描写が見事ですね!


    原作で私たちが見た、あの元気なハンジが実はモブリットの献身的な活躍のお陰と考えると、より深みが増しますね(´∀`*)

    クリスマスに互いに与え合う姿は美しさをも感じます。


    ゆきさんがシブで描いたモブハンの絵を思い出し、ニヤニヤしておりました(・∀・)


    最後の大団円も心がほっこりしました!
    ありがとうございました!
  53. 53 : : 2014/03/15(土) 17:41:04
    >>シュウさん☆
    最初のハンジさんはまるでハンジさんではない雰囲気ですよね…
    たしか単行本で昔は暴走してたみたいな記載がありまして、そこから妄想たぎらせましたw

    ああ、そうなんです、身体は触れあっていなくても、心は通わせることができる…を言いたかったんです!!
    シュウさんにわかってもらえて嬉しいです(*´ω`*)

    シブのモブハンのイラスト、いつも見て妄想してますwタイキック!!
  54. 54 : : 2014/03/16(日) 00:24:34

    あ…貴方はやはり…神…ですよね?

    貴方のモブハンに胸を射止められました!結婚してください!
    ハンジさんの態度の描写がもう滾りまくりでした!!
    この身体の火照りをどうすればいいんですか!!?(。ノ・ω・)ノ 【愛】
  55. 55 : : 2014/03/16(日) 10:08:12
    >>卿さん☆
    あらやだ奇遇!!
    わたしも丁度結婚申し込もうとしていたの!!
    つ「結婚しよ」

    愛受けとりましたw
    はぐはぐ!!
  56. 56 : : 2014/03/16(日) 15:08:52
    こんにちは。モブハンに目覚めて1カ月足らずのモブハンビギナーです。…なんて素晴らしい作品なんだ…!映像化、希望です(^O^)
    ……………弟子にしてくださいっ!!(…ここ、スルーしていいです(^_^;))心が洗われました。ありがとうございます。
  57. 57 : : 2014/03/16(日) 15:16:11
    >>数珠繋ぎさん☆
    モブハンビギナーでいらっしゃいますか!!
    ようこそモブハンの世界へw
    イベント用に短く書いたので、各所はしょり気味ですが、素晴らしいなんて言って下さって、本当に光栄です♪

    ちなみに私のモブリット「想いを音色にのせて」も超モブハンですので、宜しければぜひw

    弟子というか、モブハン仲間として一緒にたぎらせて下さい!!
  58. 58 : : 2014/03/18(火) 14:01:06
    感動しすぎて、号泣!
  59. 59 : : 2014/03/18(火) 15:04:19
    ハンジもどきさん☆
    わぁぁ、ありがとうございます(TT)
  60. 60 : : 2014/05/10(土) 10:30:04
    何回も読んじゃった
  61. 61 : : 2014/05/10(土) 10:36:20
    >60
    はんじもどきさん☆
    うわ!!ありがとう!!
    嬉しい!!
  62. 62 : : 2014/11/30(日) 18:32:06
    モブハンさいこー(*^^*)
  63. 63 : : 2014/11/30(日) 19:09:29
    >名無しさん☆
    いえーい♪最高♪
  64. 64 : : 2020/10/06(火) 09:06:47
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

    http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=12
  65. 65 : : 2023/07/04(火) 09:26:37
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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