このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
ユミル「傷心と同情心のエゴイズム」
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                  - 1 : : 2014/03/02(日) 22:17:50
- のっそりベルユミ+伏線回収
 
 アニ「誰かを好きだという事」
 http://www.ssnote.net/archives/5444
 を読まないと流れが判らない&CPが違うという不親切設計
 
 直接的な表現はありませんが、仄めかす程度の性描写が入る予定なので注意
 
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                  - 2 : : 2014/03/02(日) 22:19:42
 人間観察は最高に楽しい
 弱点を見つけ、弱みを握り、コキを使う
 それが私の暇つぶしだ
 
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                  - 3 : : 2014/03/02(日) 22:21:22
 サシャ「ぜーったいに嫌です!」
 ユミル「なんだよ、あの時助けたのはどこのどいつだ?」
 サシャ「……ユミルですけど」
 ユミル「だろ?」
 サシャ「でーもー、でーもー!」
 ユミル「つべこべ言わずに……ん?」
 
- 
                  - 4 : : 2014/03/02(日) 22:24:21
- サシャ「どうかしました?」
 ユミル「いや……」
 ミーナ「アニ、何読んでるの?」
 アニ「図書室で借りてきた本」
 ユミル(アニが読書?……らしくねー…)
 サシャ「ともかく、絶対に嫌ですから!」
 ユミル「……ああ」
 サシャ「??」
 
- 
                  - 5 : : 2014/03/02(日) 22:26:13
- クリスタ「あ、この本しってる!」
 ユミル(クリスタが食いついてやがる)
 ユミル(……少しだけ興味あるな)タッ
 サシャ「あっ、ユミルどうしたんですかー!」
 クリスタ「この間図書室で見つけたんだけど、届かなくって…」
 ユミル「なんだ?届かなかったら私に言えば良かったのに」
 
- 
                  - 6 : : 2014/03/02(日) 22:28:35
- クリスタ「ううん、読めたよ たまたま居たライナーに取ってもらったんだ」ニコッ
 ユミル「……」
 ユミル「あのゴリラめ…」ボソ
 サシャ「残念でしたね~ユ~ミル」ニヤニヤ
 ユミル「殴るぞ」
 サシャ「きゃー!」
 
- 
                  - 7 : : 2014/03/02(日) 22:29:02
- クリスタ「でも、よくあんな高い所の本届いたね」
 アニ「ああ…実は………椅子を運んで取った」ペラッ
 クリスタ「なるほど」
 ユミル(椅子を、か……)
 ユミル(んな面倒な事をするようなタイプには思えないんだが)
 ユミル「なあ…、お前、そこまでして読みたかった本なのか?」
 
- 
                  - 8 : : 2014/03/02(日) 22:30:13
- アニ「……なんで?」
 ユミル「お前みたいな奴が、そんな面倒して取るなんて珍しいと思っただけだよ」
 ユミル「本当はクリスタみたいに誰かに取ってもらったんじゃないのか?」
 アニ「……別に」
 アニ「何を読もうが、私の勝手」
 ユミル「おーそーか そりゃすまなかったな」ハハハ
 アニ「」ペラッ
 ユミル(怪しいな……)
 ユミル(もう少し、探ってみる、か)
 
- 
                  - 9 : : 2014/03/02(日) 22:31:10
- 取り敢えずここまで
 
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                  - 10 : : 2014/03/03(月) 21:39:49
 ミーナ「え!?もうフランツとキスしたの!?」
 クリスタ「この前に告白したって聞いたのに!?」
 ハンナ「しー!しー!」
 ハンナ「……みんなに打ち明けるのが遅かっただけで、告白したのもキスしたのもずっと前よ」
 クリスタ「へー!」キラキラ
 ユミル(クリスタの目が輝いてら……)
 
- 
                  - 11 : : 2014/03/03(月) 21:40:09
- ミーナ「私もそんな人欲しいなぁ…」
 ユミル「だからより好みしなきゃ誰だって居るだろ」
 ミーナ「それができたら苦労しないって何回も」ハァ
 ユミル「……」
 クリスタ「私も……」ファア
 ユミル「どうしたクリスタ?眠いのか?」
 クリスタ「ううん、だいじょうぶ……」
 ユミル「もう寝たらどうだ?明日は訓練があるしな」
 クリスタ「……うん」
 
- 
                  - 12 : : 2014/03/03(月) 21:41:05
- クリスタ「おやすみ、みんな……」
 ミーナ「おやすみ」
 ハンナ「おやすみなさい」
 ユミル「しっかり寝ろよ?」
 クリスタ「」コクン
 ハンナ「」クスクス
 ユミル「何笑ってんだ」
 ハンナ「ううん、ユミルがクリスタの彼氏みたいだなぁって」
 
- 
                  - 13 : : 2014/03/03(月) 21:44:10
- ミーナ「はは、確かにそうだよね」
 ユミル「なんじゃそりゃ」
 ハンナ「でもそんな感じだし」
 ミーナ「」ウンウン
 ユミル「訳わかんねえよ」
 ミーナ「クリスタが嫁でユミルが婿って感じ?」
 ユミル「だと面白いな」チラッ
 アニ「」ペラッ
 ユミル(まだ読んでやがる)
 ユミル(少しふっかけてみるか)
 
- 
                  - 14 : : 2014/03/03(月) 21:44:23
- ユミル「……ちょっもアニに用事があるから、抜けていいか?」
 ミーナ「うん、判った」
 ユミル「スマンな」
 ザッザッ
 ユミル「よお」
 アニ「…何?」
 ユミル「読書の邪魔してスマン」
 アニ「別に…」
 
- 
                  - 15 : : 2014/03/03(月) 21:45:58
- アニ「アンタもあの話に加わらなくてもいいのかい?」
 ユミル「私もあの類の話題は苦手だが、クリスタが居るから加わってるんだ」
 ユミル「でも、そのクリスタも寝ちゃ、私が加わる意味ねえかと思ってな。 抜けてきた」
 アニ「そう」ペラッ
 ユミル「その…本、ホントに面白いか?」
 アニ「まあ… 暇つぶしにはなるね」
 ユミル「そうか…」
 ユミル(に、しちゃあ……読むペースが早いな)
 
- 
                  - 16 : : 2014/03/03(月) 21:46:28
- ユミル「読み終わったら… 私にその本回してくれないか?」
 アニ「……なんで?」
 ユミル「お前が椅子を運んでくるほど読みたかった本なんだしさ」
 ユミル「……それに、クリスタががどんな本に興味を持ってるのか気になってよ…」
 ユミル(ま、読みたい気は少ししか無いが)
 アニ「生憎だけど、それは無理」
 ユミル「は?なんでだ?」
 アニ「もう先客がいるからね」
 
- 
                  - 17 : : 2014/03/03(月) 21:48:14
- ユミル「じゃあソイツの後にでも読むからよ。 その先客とやらを教えろよ」
 アニ「それは……」
 アニ「……」
 ユミル「……だんまりか?」
 アニ「……」
 ユミル(益々、読んでる理由が謎だな……)
 ユミル「なんだよ、言えねえ相手か? 別に誰だって私は構わねえよ」
 ユミル(気にはなるが)
 
- 
                  - 18 : : 2014/03/03(月) 21:48:36
- アニ「……エレン」ペラッ
 ユミル(死に急ぎ野郎か?)
 ユミル「……判った。サンキュー」
 ユミル(借りてきた当日に先客が居る、ついでに、その本は高い所にある……)
 ユミル「私の想像かもしれないが、もしかして、死に急ぎ野郎に取ってもらったのか?」
 アニ「」ビクッ
 アニ「…そんな事、無いよ……」
 ユミル「そうか 私の想像だからな、気を悪くしたらスマンな」
 アニ「…」ペラッ
 
- 
                  - 19 : : 2014/03/03(月) 21:48:49
- ユミル「じゃあ私も寝るわ、お休み」
 アニ「…」
 ユミル(おーおー、私が聞いたら少し体がビクついた 意外に図星だったか…)
 ユミル(まあ、誰かに取ってもらったのは想像出来たな …だが、なんであんなに勿体ぶったんだ?)
 ユミル(……もし、アニの中に無意識でも勿体ぶる何かがあれば……)
 ユミル(……これはアニの弱みを握る面白い事になりそうだな)クックッ
 
- 
                  - 20 : : 2014/03/03(月) 21:49:37
- 取り敢えずここまで
 前の話の回収ばっかで全然CP要素が\(^o^)/
 次回更新時にはいれたい、です……
 
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                  - 21 : : 2014/03/03(月) 22:12:34
- 期待!!
 
- 
                  - 22 : : 2014/03/05(水) 21:42:53
 ――人間観察は最高に楽しい
 特に、恋慕が絡むと尚面白くなる
 
- 
                  - 23 : : 2014/03/05(水) 21:44:28
- ~数日後・対人格闘~
 サシャ「はあぁ、対人格闘っていうのはやっぱり楽しいですねぇ」
 クリスタ「サシャの場合はずっとコニーとポージングとってただけだけどね」
 サシャ「クリスタだって真面目にやって無いでしょう?」
 ユミル「ばぁか、お前よりか断然マシだよ」
 サシャ「五十歩百歩だと思います」
 ユミル「へっ、よく言うわ」
 
- 
                  - 24 : : 2014/03/05(水) 21:45:20
- サシャ「でも見ました~?」
 クリスタ「何が?」
 サシャ「今日もアニとミカサがまた喧嘩してましたね」
 ユミル「そうだったな」
 サシャ「修羅場ですよ修羅場!」
 クリスタ「もう、そんな事で興奮しないの!」
 サシャ「田舎では見れない景色でしたしね」ウフフ
 ユミル「きめぇよ」
 
- 
                  - 25 : : 2014/03/05(水) 21:47:55
- ユミル「」チラッ
 ミカサ「大丈夫?あの女にどさくさに紛れて変な事されてない?」
 エレン「されてる訳ねえだろ!」
 ミカサ「それでも心配、エレンに寝技をかけるなんて、考えられない」
 ミカサ「ので、次から私と一緒に対人格闘をしよう」
 
- 
                  - 26 : : 2014/03/05(水) 21:48:35
- エレン「俺が誰と組もうなんて、俺の勝手だろ!」
 ミカサ「……でも、エレンに何かがあれば死んだおばさんに顔向け出来ない」
 エレン「……わかったよ!やればいいんだろやれば!」
 ミカサ「判ってくれればいい」コクン
 ユミル(いくら死に急ぎ野郎が好きでも、あれじゃあなぁ…)
 
- 
                  - 27 : : 2014/03/05(水) 21:49:15
- ユミル(あいつだって、真面目にやってんだ、少しは尊重してやらねえと)
 ユミル(ミカサの気を使うのベクトルが違うし)
 ユミル(色々噛み合わなくて見てるこっちが可哀想になってくるわ)
 クリスタ「言っとくけれどねサシャ」
 サシャ「はい」
 クリスタ「修羅場って言うのは、恋愛関係のある男女のいざこざであって」
 クリスタ「アニとエレンの間に特別な感情も何もないから、修羅場って言うのは……」
 サシャ「ええー……」
 
- 
                  - 28 : : 2014/03/05(水) 21:50:56
- サシャ「でも、見ているこっちは、完全に修羅場っぽかったですよ?」
 クリスタ「そりゃあ、そうだけれど…」
 サシャ「それに、アニにそんなのが無くても、エレンの方にあるかもしれないじゃないですか」
 ユミル「それはないだろ」
 サシャ「おお、言い切りましたね、ユミル」
 ユミル「あんな巨人駆逐の事しか考えてない奴がそんな感情持つ訳無い、断言してもいい」
 ユミル「それに、ミカサのあからさまな好意も気がつかない奴が自分のそれに気がつくなんて無いわ」
 
- 
                  - 29 : : 2014/03/05(水) 21:53:14
- サシャ「ううむ、確かに言われて見ればそうです…」
 クリスタ「あんな恋バナとかにドライなアニだし、エレンに特別な感情を持ってる気もしないしね」
 ユミル「な?」
 サシャ「じゃあ、純粋な向上心と、それに応える優しさにミカサは嫉妬してる訳ですね」
 ユミル「全く、罪作りだよな」
 ユミル(ま、見てるこっちは中々楽しいが)
 
- 
                  - 30 : : 2014/03/05(水) 21:54:27
- クリスタ「でもユミル、アニは兎も角よくエレンの方を推理できたね」
 ユミル「そうか?誰だって判るだろ」
 サシャ「……とか言って、実はユミルの方がエレンを好きなんじゃありません?」
 ユミル「はあ?…何言ってんだお前」
 クリスタ「え!?本当なの!?」
 ユミル「おいお前も食いつくんじゃねえ!」
 
- 
                  - 31 : : 2014/03/05(水) 21:56:02
- サシャ「怒る所が図星っぽいです」
 ユミル「ふざけるのも大概にしろよ?」
 サシャ「照・れ・屋・さ・ん」
 ユミル「」イラッ
 ユミル(……こいつ、一発殴りかからないと気がすまねえ……)
 ユミル「……こんの……芋女!」
 サシャ「きゃー!」
 バシッ
 
- 
                  - 32 : : 2014/03/05(水) 21:56:55
- ユミル「あれ?」
 サシャ「ん?」
 ユミル(振り下ろそうとした拳が、振り上げた瞬間に音がした)
 ユミル(そして私も誰かを殴った気がする)
 ユミル(……という事は後ろの誰かを殴った事で……)クルリ
 ベルトルト「ったた……」
 クリスタ「だ、大丈夫!?」
 ユミル「」
 
- 
                  - 33 : : 2014/03/05(水) 22:20:48
- サシャ「あー、やっちゃいました、やっちゃいました」
 ユミル「五月蝿い」
 ベルトルト「な、なんで僕殴られたんだ……」
 ユミル「そこで突っ立ってるからだろ」
 クリスタ「違うでしょ!ユミルが拳を振り上げたからでしょう!?」
 ユミル「チッ」
 
- 
                  - 34 : : 2014/03/05(水) 22:21:43
- ユミル「へーへー、ごめんなさいごめんなさい」
 ベルトルト「え、あ、うん……」
 サシャ「心がこもってないですね」
 ユミル「……大体、普通は私の身長じゃ拳振り上げても当たんねえよ」
 ユミル「私に殴られるような場所に、私の拳が当たるような身長してるベルトルさんが悪いだろ」
 クリスタ「場所は兎も角身長は理不尽だよ…」
 ユミル「だってお前だったら当たらない訳だし」
 
- 
                  - 35 : : 2014/03/05(水) 22:22:22
- クリスタ「それは、そうだけど……」
 ユミル「だから私は悪くねえよ」
 クリスタ「もう!」
 ベルトルト「そうだよね、ここにボケっと立ってた僕も悪かった」
 ベルトルト「ごめん」
 ユミル「あ、あぁ……」
 ユミル(…ったく、少しは怒りゃいいのに、張り合いの無い奴だな)
 
- 
                  - 36 : : 2014/03/05(水) 22:37:06
- ユミル(温厚なのも、沸点が高いのもつまんねえもんだわ)
 ユミル「よし、丸く収まったようだし、私達は宿舎に帰るぞ」
 サシャ「丸く収まりました?」
 ユミル「収まった収まった」
 ユミル「じゃ、邪魔したな、ベルトルさん」ヒラヒラ
 ベルトルト「……うん」
 
- 
                  - 37 : : 2014/03/05(水) 22:37:42
- クリスタ「……でもなんであんな所にベルトルトは立ってたんだろうね?」
 サシャ「さあ……?」
 ユミル「物思いにふけたい年頃なんだろ」
 サシャ「どんな年頃なんですかそれ」
 ユミル(……でも確かになんであんな所に立ってたんだ?)
 
- 
                  - 38 : : 2014/03/05(水) 22:38:27
- ユミル(ベルトルさんが見てた方には……)チラ
 アニ「……」
 ミーナ「アニ、大丈夫だった?」
 アニ「」コクン
 ユミル(アニとミーナ、か)
 ユミル(……そう言えば、たまぁにベルトルさん、アニを見てる時あるよなぁ……)
 ユミル(もし、その目線に傾慕の気持ちが含まれてたら……)ウーム
 ユミル(……成程な、これは少し見る価値がありそうだ)
 
- 
                  - 39 : : 2014/03/05(水) 22:39:09
- とりあえずここまで
 コメントありがとうございます(*´ω`*)
 
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                  - 40 : : 2014/03/06(木) 09:04:47
- ユミル「……そうだ」
 クリスタ「? どうしたの?」
 ユミル「私エレンに話つけねえと」
 サシャ「エレンに、ですか」ジー
 ユミル「だから、そういうのじゃ無いって言ってるだろ」
 クリスタ「でもどうして?」
 ユミル「アニが本読んでるだろ」
 クリスタ「うん」
 
- 
                  - 41 : : 2014/03/06(木) 09:05:03
- ユミル「その次にエレンが読むらしい」
 クリスタ「へえ」
 ユミル「で、次に私が読みたいから、話つけて、回してもらわねえとな」
 サシャ「成程」
 サシャ「……しかし、ユミルが読書なんて…」
 サシャ「前にアニが読書は珍しいって言ってましたが、そちらの方が珍しいです」
 ユミル「だろうな」
 
- 
                  - 42 : : 2014/03/06(木) 09:06:23
- ユミル「私だって本くらい読む」
 ユミル「……但しすぐ飽きてやめるんだ」
 サシャ「それってやっぱりユミルに読書が合って無いだけじゃ……」
 ユミル「違う……と思う」
 クリスタ「でもあの本、面白いよ」
 クリスタ「きっとユミルも飽きずに読める筈」ニコッ
 ユミル(天使)
 
- 
                  - 43 : : 2014/03/06(木) 09:08:11
- クリスタ「読み終わったらまた本の話しようね」
 ユミル「ああ」コクン
 ユミル(あー、クリスタ可愛いマジ女神)
 ユミル(んな事言われたら真面目に読みたくなってくるだろ)
 ユミル「……忘れないうちに話つけてくるわ」
 クリスタ「うん、判った」
 サシャ「いってらっしゃいませ」
 
- 
                  - 44 : : 2014/03/06(木) 09:09:03
 ユミル「なあ死に急ぎ野郎」
 エレン「……なんだ、ユミルか」
 ミカサ「何」ギロ
 ユミル「そんな威嚇するな、ミカサ」
 ミカサ「威嚇なんてしてない」
 ユミル「よく言うよ……」ボソ
 
- 
                  - 45 : : 2014/03/06(木) 09:09:57
- エレン「で、用事って何だ?」
 ユミル「えーっと…」チラ
 ミカサ「」ジッ
 ユミル(…ここで、さっき喧嘩したアニの名前を出したら私、削がれるな)
 ユミル「今度お前本借りるだろ」
 エレン「おう」
 ユミル「その次に私に回してくれないか?」
 エレン「ユミルにか?」
 
- 
                  - 46 : : 2014/03/06(木) 09:10:12
- エレン「判った」コクン
 ユミル「サンキュー」
 ミカサ「エレン、本なんて借りるの」
 エレン「ああ、前にライナーが読んでて面白そうだったからな」
 ミカサ「そう」
 ユミル「ま、そういう事だ」
 
- 
                  - 47 : : 2014/03/06(木) 09:10:49
- ミカサ「もしかして」
 ユミル「ん?」
 ミカサ「エレンが借りる本だからエレンの次に読みたいんじゃないの?」
 ユミル「はあ?」
 ユミル「ちげーよ、私はクリスタが読んだから読みたいんだよ」
 ミカサ「……とか言って実はエレンの事が好きだから……」
 ユミル「もうそういう話やめてくれよ!」
 
- 
                  - 48 : : 2014/03/06(木) 09:11:18
- エレン「ユミルが俺の事を好き?」
 エレン「……有り得ねえ」
 ユミル「と、有難い事にそう思ってもらってるし」
 ミカサ「……そう」ホッ
 ユミル(……良かった、ミカサの視線がやっと緩んだ)
 ユミル「じゃ、宜しく頼む」
 エレン「おう」
 
- 
                  - 49 : : 2014/03/06(木) 09:11:47
- ユミル(どいつものいつも、こうなんで私がエレンを好きだって言うんだ?)
 ユミル(私が?恋?)
 ユミル「……心底気持ち割りぃ」
 ユミル(アニや私の読書よりも、何十倍らしくねえ)
 ユミル(そうだな……私が恋なんざしたら皆の前で巨人化してやってもいいわ)
 ユミル(……誰かに恋なんて方法、忘れてしまっちまったよ)
 
- 
                  - 50 : : 2014/03/08(土) 22:45:01
 ザッザッ
 ユミル「クリスター……ん?」
 クリスタ「それがどうかした?」
 アニ「いや何でもない…」
 ユミル(アニか?)
 アニ「じゃ、じゃあね」
 クリスタ「うん」ヒラヒラ
 
- 
                  - 51 : : 2014/03/08(土) 22:45:25
- ユミル「ただいま」
 クリスタ「あ、お帰りなさいユミル」
 クリスタ「エレンには本回せるように言えた?」
 ユミル「ああ」
 ユミル「アニ……アイツどうかしたのか?」
 クリスタ「うーん、なんか読むスペースが速い?って聞かれただけ」
 ユミル「なんじゃそりゃ」
 
- 
                  - 52 : : 2014/03/08(土) 22:48:21
- ユミル「読むペースなんて人それぞれだろ」
 クリスタ「それはそうだけど……」
 クリスタ「アニ、あんなに早く本とか読めたかなって」
 ユミル「ふうん」
 クリスタ「でも、ページ捲りが捗る位面白いからね!!」
 ユミル「期待してるわ」
 ユミル「で、サシャは何処行ったんだ?」
 クリスタ「『あっ!』と言ってコニー見つけて走っていったよ」
 
- 
                  - 53 : : 2014/03/08(土) 22:52:55
- ユミル「あいつらも仲いいな……」
 クリスタ「本当」
 クリスタ「……あのねユミル」
 ユミル「なんだ」
 クリスタ「男女の友情って有りだと思う?」
 ユミル「は?……まさか、お前」
 クリスタ「違う違う!」
 
- 
                  - 54 : : 2014/03/08(土) 22:54:58
- クリスタ「……ちょっとサシャとコニー見て思っただけ」
 ユミル「あいつら仲いいもんな」
 クリスタ「うん」
 クリスタ「あの2人は完全に熱い友情でしょう?」
 ユミル「そうだな」
 クリスタ「でも、他の男女の友情は、…ううん……みんな色々恋愛やらに繋げるでしょう?」
 ユミル「確かに」
 
- 
                  - 55 : : 2014/03/08(土) 22:57:06
- クリスタ「それで、ユミルはどうかなー…って」
 ユミル「うーん……難しい話だな」
 クリスタ「でしょ?」
 ユミル「……どっちもなんじゃねえかな」
 クリスタ「どっちも?どういう意味?」
 ユミル「……私の考えだが」
 クリスタ「」コクン
 
- 
                  - 56 : : 2014/03/08(土) 22:57:58
- ユミル「熱い友情だろうが、メロドラマのような愛情だろうが、相手をそう捉えるか自分次第だろ?」
 ユミル「……例えば、ミカサとアルミン、ミカサとエレン」
 ユミル「ミカサはアルミンの事を……熱いって言ったらおかしいが、……あれは友情だと思ってるだろ?」
 クリスタ「うん」
 ユミル「だが、エレンになるとどうだ?」
 クリスタ「……友情以上の感情持ってる気がする」
 ユミル「な?」
 
- 
                  - 57 : : 2014/03/08(土) 22:59:36
- ユミル「でも、それは〝ミカサの〟中だけだ」
 ユミル「逆を見てみろ、 エレンはミカサの事をどう思ってる?」
 クリスタ「友情……は凄く友情だと思う、けれどそれ以上って聞かれたら首を傾げるな……」
 ユミル「な?」
 ユミル「だから、男女の友情有り無しってのは捉える本人次第なんだと思う」
 クリスタ「だからユミルは有りでも無しでもって言ったのね」
 ユミル「ああ」
 
- 
                  - 58 : : 2014/03/08(土) 23:08:44
- クリスタ「……うーん、でイマイチ判んないな……」
 ユミル「じゃあもう1つ例を出そう」
 クリスタ「お願い」
 ユミル「例えばお前が1人、男子と仲良かったとしようか」
 クリスタ「うん」
 
- 
                  - 59 : : 2014/03/08(土) 23:10:26
- ユミル「それが、コニーとサシャほど……とは言えずとも、ミカサとアルミン位仲が良かったらどうだ?」
 ユミル「因みにそこに恋愛感情一切無いとしてな それだとお前は男女の友情は有りだと思うだろ?」
 クリスタ「……そうね」
 ユミル「でも、ひょんな事で友情が愛情に変わったとしよう その時は『やっぱり無しだ』って変わるだろ?」
 クリスタ「うん」
 ユミル「そう言う事だ」
 
- 
                  - 60 : : 2014/03/08(土) 23:10:40
- ユミル「無論、〝『一切恋愛感情無し』なんて無理!〟と思う奴も居る」
 ユミル「そう捉えるのもそいつ自身だからな」
 クリスタ「……ふんふん」
 クリスタ「なんとなーく判った気がする」
 ユミル「そうか」
 ユミル「さて、難しい話した後は飯を思う存分食べるか!」
 クリスタ「うん!食べよう!」
 
- 
                  - 61 : : 2014/03/08(土) 23:11:07
- とりあえずここまで
 
- 
                  - 62 : : 2014/03/08(土) 23:22:50
- おもしろい!
 
- 
                  - 63 : : 2014/03/17(月) 01:57:33
- キャラの性格が生きててさくさく読めちゃいますね!
 続きも楽しみです|・ω・*)チラ
 
- 
                  - 64 : : 2014/03/18(火) 23:31:07
- ――――――――――――――――――――
 ―――――――――――
 ―――――
 ミーナ「うーん、やっぱり男子だとマルコ辺りが有望株だよね」
 サシャ「同じ真面目でしたらアルミンだって中々だと思います」
 ユミル(今晩も今晩とて女子は話に花を咲かせる)
 クリスタ「ユミルはどう思う?」
 ユミル「私か?…別にどうでもいい」
 クリスタ「ふうん」
 ユミル(自分にとって特な情報が入れば、な)
 
- 
                  - 65 : : 2014/03/18(火) 23:31:38
- ユミル(んで……)チラッ
 アニ「」ペラ
 ユミル(あいつはあいつで読書か 本当にこの手の話は苦手だな)
 サシャ「ユミル!」
 ユミル「へ?」
 クリスタ「『へ?』じゃないの!もう、ちゃんと聞いてたの?」
 ユミル「スマンな、聞いてなかった」
 ユミル「で、何の話だ」
 ミーナ「ハンナの惚気だよー」
 ユミル(心底興味ねえ)
 
- 
                  - 66 : : 2014/03/18(火) 23:31:52
- ハンナ「でね! もう本当に最高なんだ!」
 サシャ「このこのー! 幸せものさんめ!」
 ハンナ「ふふ…」
 ユミル(誰がどう思ってるのか、どう印象持ってるのかを聞くのは楽しいが、一人の惚気を聞くのは楽しくねえなー……)
 サシャ「ミカサはどうなんですか?」
 ミカサ「私?」
 ユミル(いつの間に居たんだ)
 ミカサ「私は勿論エレンが好き これは揺るがない事実」
 ユミル「……やっぱりな」
 クリスタ「逆に一途で羨ましいよ」
 
- 
                  - 67 : : 2014/03/18(火) 23:32:08
- ミカサ「誰が誰を好きになるなんて、他人の勝手」
 ミカサ「でも エレンだけは誰にも渡さない、エレンが自分から告白したのならともかく」
 一同「「……」」
 ユミル「そこまでくると怖ぇよ…」
 ユミル(こいつ、そんなにあの死に急ぎ野郎が好きなのか……)
 サシャ「ははは… 強ち冗談じゃない所が笑えません…」
 ユミル(確かに)
 
- 
                  - 68 : : 2014/03/18(火) 23:32:27
- アニ「」フッ
 ミカサ「」ピクッ
 ミカサ「」キッ
 ミカサ「…私はずっとエレンと一緒。 アルミンと三人で一緒、それを誰から横取りなんて、される筈が無い」
 ミカサ「…特に一緒に対人格闘をするだけで舞い上がるような女には」ギリ
 ミーナ「……ミカサってこんなに怖かったっけ…」
 ユミル(ミカサ、ヤキモチかわかんねえが、もっと頭柔らかくしろよ……)
 アニ「…」
 アニ「」パタム
 アニ「ミカサ。アンタのその『女』は誰か知らないけど、きっとそう思われてさぞかし迷惑だろうよ」
 ミカサ「…」
 
- 
                  - 69 : : 2014/03/18(火) 23:32:40
- アニ「もし私がアンタのその言っている『女』なら、『大きなお世話』だと思うね」
 ミカサ「…どうして?」
 アニ「別に対人格闘なんて誰と組もうなんて、それこそ他人の勝手、……ましてやそれで他人の感情を決めつけるなんて興醒めだよ」
 アニ「…ま、どうアンタがその『女』に対して思うかは知らないけど」フイッ
 ミカサ「…」
 アニ「」ペラッ
 サシャ「水面下で争いが起こりそうですね……」
 ミーナ「というかもう起こってるよ……」
 
- 
                  - 70 : : 2014/03/18(火) 23:33:00
- ユミル「……おいミカサ」
 ミカサ「何」
 ユミル「別にあっちの肩を持つつもりは無いが、そうやって対人格闘出来ないからって誰にでも嫉妬して当たるのはどうかと思うぞ」
 ミカサ「そんなつもりはない」
 ユミル「だったらそんなにとっつかかるなよ、第三者から見て場の雰囲気が険悪になるのは嫌なんだ」
 ミカサ「だってアニが」
 ユミル「だってもなんでもねえよ 本人が『迷惑』って断言してるんだし、お前も当たる気が無いなら、尚更な?」
 ミカサ「……善処する」
 ユミル「そうしてくれよ……」
 
- 
                  - 71 : : 2014/03/18(火) 23:33:42
- ユミル(誰が誰に恋とかすんのも勝手だが、私らを冷戦に巻き込むなよ…)
 クリスタ「ふふ、なんだかユミル恰好いい」
 ユミル「……クリスタ」
 ユミル「ったく、そんな風に褒めてくれるのは私の嫁だけだな」ワシワシ
 クリスタ「く、くすぐったい!」
 ユミル「もっとやってやる!!」ワシワシ
 ユミル(しっかし、アニの奴もいくら恋愛沙汰に興味が無いからってあんな言い草ねえだろ……)
 ユミル(あれじゃ、ミカサの感情を逆なでする事も解んねえのか)
 
- 
                  - 72 : : 2014/03/18(火) 23:34:04
- ユミル(『アニ』『恋愛沙汰』と言えば…)
 ユミル(一連の出来事があって数日、それとなーくベルトルさんを観察してみたが、やっぱりアニを見ている節がある)
 ユミル(……この機会だ)
 ユミル「なあ」
 ミーナ「何?」
 ユミル「ベルトルさんってアニの事好きだと思うか?」
 クリスタ「ベルトルトが?」
 ユミル「ああ」
 
- 
                  - 73 : : 2014/03/18(火) 23:35:11
- ミーナ「どーだろー…」
 サシャ「あっ、その件、この前コニーやジャン達が話してました!」
 ユミル「マジか!……で、なんだって?」
 サシャ「『ベルトルトはアニの事見てるけど絶対好きだ』『でも本人は隠してるみたいだから何も言わないでおく』『気がついてないのは本人とその相手だけ』みたいな事だった気がします」
 ユミル「よく覚えてるな」
 クリスタ「でも確かに、……言われてみたら見てるなーって何回か思った事ある!」
 ユミル「……やっぱりな」
 ミーナ「でもなんでそんな事」
 
- 
                  - 74 : : 2014/03/18(火) 23:35:39
- ユミル「嫌、もし好きだとしてもさ……」チラ
 アニ「……」ペラッ
 ユミル「アニがあんなんだったら可哀想だなーって思っただけだ」
 クリスタ「確かに…」
 サシャ「はっ……!まさかそこをユミルが弱みにつけこんでベルトルトを私みたいにこき使うのでは……!」
 ユミル「んな事しねえよ」
 ユミル(しかし、本当にミカサといいベルトルさんといい誰も彼も報われ無いな……同情するわ)
 
- 
                  - 75 : : 2014/03/18(火) 23:37:00
- とりあえずここまで
 コメントありがとうございます(∩´∀`∩)
 更新速度が遅くなって申し訳無いです…
 
- 
                  - 76 : : 2014/03/25(火) 22:07:53
- ~対人格闘~
 ユミル「よーしクリスタ!今日も張り切ってするぞ!」
 クリスタ「うん」
 サシャ「……とか言いつついつもの馴れ合いでしょう?」
 ユミル「はあ?コニーとダサいポーズし合ってるサシャに言われたきゃねえよ」
 サシャ「ダサくありません!!」
 クリスタ「まあまあ」
 サシャ「このエクセレントなポーズが解らないんですか!?」ズバッ
 ユミル「お前こそエクセレントの意味解ってんのかよ」
 
- 
                  - 77 : : 2014/03/25(火) 22:10:49
- クリスタ「……うわあ」
 ユミル「どうしたクリスタ、そんな変な顔して可愛い顔が台無しだ……」
 ミカサ「エレン、一緒にしよう」
 エレン「えっ、……今日は俺はアニと……」
 ミカサ「たまには違う人とやらないと、教官に怒られる ので、私とやろう」
 ユミル「うわあ」
 ユミル(確かにアニに直接危害?は加えないが、そういう事を言いたかった訳じゃないんだ)
 サシャ「あの水面下の喧嘩から初めての対人格闘でしたが、まさかミカサがあんな実力行使に出るとは」
 
- 
                  - 78 : : 2014/03/25(火) 22:15:25
- アニ「……」
 クリスタ「きっとエレンは今日もアニに対人格闘を教えて貰いたかったんだね」
 ミカサ「ほら、エレン早く」
 エレン「あ、あぁ……」
 サシャ「ほら見てくださいあのミカサの勝ち誇った顔」
 ユミル「女って怖えな」
 サシャ「激しく同意です」
 クリスタ「2人も女の子だけどね」
 
- 
                  - 79 : : 2014/03/25(火) 22:35:13
- アニ「」クルッ
 サシャ「嗚呼……アニの去る後ろ姿になんだか哀愁が漂ってます……」
 ユミル「変な嫉妬のせいで対人格闘する相手が居なくなってぼっちだもんな……同情しかできねえ……」
 クリスタ「もう、そんな変な事言ってる暇があったら私達も早くしようよ!」
 ユミル「そうだな、すまんすまん」
 サシャ「私もコニーの所行きましょーっと」
 サシャ「……お?」
 クリスタ「どうしたの?」
 サシャ「見てください、あれ」
 
- 
                  - 80 : : 2014/03/25(火) 22:46:28
- アニ「…ベルトルト」
 ベルトルト「空いてるなら一緒にしないかな?」
 アニ「」コクン
 ユミル「ここでさり気なくぼっちなアニを誘うベルトルさん!!」
 サシャ「もしかすると、これでアニの中の株も上がりますね!!」
 クリスタ「や、やっぱり片想いって噂は本当なのかな?」
 ユミル「いや、これだけで判断するのは難しいが、今までの行動、サシャが聞いた噂と照らし合わせるとそうかも知れねえな」
 サシャ「全く粋な事しますねえ……」
 コニー「なあサシャ早くしようぜ」
 
- 
                  - 81 : : 2014/03/25(火) 22:52:24
 ミーナ「明日休みだけど、何する?」
 サシャ「新しいノートが欲しいのでトロスト区街に行きたいです」
 クリスタ「ハンナはフランツとデート?」
 ハンナ「ううん……ちょっとね……」
 ユミル「なんだ喧嘩か?」
 ハンナ「ち、違う違う」
 
- 
                  - 82 : : 2014/03/25(火) 22:55:21
- サシャ「しかし、アニは……」チラ
 アニ「」ペラリ
 ユミル「相変わらず読書か」
 クリスタ「それほど面白いんだと思うよ」
 ユミル「ふうん……」
 ミカサ「明日は休みだからって夜更かししてはダメ、そろそろ早く寝よう」
 ミーナ「はあい」
 クリスタ「それじゃあ、おやすみなさい」
 サシャ「おやすみなさいませー」
 ミカサ「おやすみ」
 パチン
 
- 
                  - 83 : : 2014/03/25(火) 23:00:16
- ムニャ…パァン…
 スースー
 ユミル「……」
 ユミル(あーあ、眠れねえ……)ゴロン
 ユミル(仕方ねえ、少し考え事するか)
 ユミル(……そういえば最近サシャへのちょっかいもマンネリ化してきたな)
 ユミル(でも割と出し尽くした感があんだよなあ)
 ユミル(うーん……)
 サシャ『はっ……!まさかそこをユミルが弱みにつけこんでベルトルトを私みたいにこき使うのでは……!』
 ユミル「……」
 ユミル(ベルトルさん、なあ……)
 
- 
                  - 84 : : 2014/03/25(火) 23:29:45
- ユミル(今日の対人格闘や、今までの行動噂でベルトルさんがアニが好きな事は8割ほど確信を持った)
 ユミル(殴っても怒らねえ、いつも物静かで沸点が高い……確かに漬け込んだら面白いかもな)
 ユミル(でも、その弱みってが恋心――しかも報われるかどうか解らん所なのもすこーし可哀想だ……)
 ユミル(うーん……)
 ガタッ
 ユミル「」ビクッ
 ユミル(だ、誰だ……?こんな時間に……)
 パタパタパタ
 ユミル(……あの後ろ姿……クリスタか?)
 バタン
 ユミル「……あいつ、何処に行くんだ」
 ユミル(心配だな、悪いと思うが少し付いていくか)
 
- 
                  - 85 : : 2014/03/25(火) 23:30:30
- パタパタ
 ユミル「クリスタの奴どこに行った?」キョロ
 ユミル「」パタパタ
 ユミル「」キョロキョロ
 ユミル「」パタパタ
 ユミル「」キョロ…
 ユミル(み、見つからねえ……)
 ユミル「ったくあいつめ……!!」
 ポン
 ユミル「ぎゃああ!!?」
 ユミル「誰だ私の肩を叩いたのは!?クリスタか!?」クルッ
 
- 
                  - 86 : : 2014/03/25(火) 23:38:27
- ベルトルト「こんな所で何キョロキョロしてるのかと……」
 ユミル「なんだベルトルさんかよ!びっくりさせんじゃねえ!!」
 ベルトルト「……ごめん」
 ユミル(噂やなんやらすると出てくるっつーのは本当だが、こんな時に出てくんなよマジで)ドッドッ
 ユミル「お前こそ何こんな真夜中にいんだよ」
 ベルトルト「時々寝られなくてね、よく夜散歩してるんだ」
 ユミル「へ、へー」
 ユミル(不眠症か何かか、さぞかし優等生は色々悩む所があんだな)
 ベルトルト「で、ユミルこそなんで?」
 ユミル「私か?」
 
- 
                  - 87 : : 2014/03/25(火) 23:38:42
- ユミル「クリスタが真夜中ベッドを抜け出したから追いかけて来た」
 ベルトルト「君も大概クリスタに甘いね」
 ユミル「あぁ?悪いかよ」
 ベルトルト「悪くはないけど……」
 ユミル「で、クリスタ見たか?」
 ベルトルト「僕は見てないよ」
 ユミル「そうか」
 ユミル「……クソ、あんなか弱いクリスタがこんな時間にウロウロするなんて、何かあったら……」ブツブツ
 ベルトルト「君こそさ……」
 ユミル「なんだ?」
 
- 
                  - 88 : : 2014/03/25(火) 23:45:59
- ユミル「んな男子に負けるとは思って無えし、そもそも男子誰もそんな目で私の事見てねえっつーの」
 ベルトルト「でもか弱い女の子なのに」
 ユミル「」ブーッ
 ユミル「……なんだその台詞気持ち悪い」
 ユミル「私の、何処が?か弱い?変な事言うなよ、頭狂ってんじゃないのか」
 ベルトルト「酷い!」
 ユミル「心底心配しているんだよ私は!もしかすると実は眠たいんじゃないのか?」
 ベルトルト「そんな事無いけど」
 ユミル「じゃあ私に向かってそんな台詞吐くな、言うならアニに向かって言いやがれ」
 ベルトルト「えっ!?」
 
- 
                  - 89 : : 2014/03/25(火) 23:46:42
- ベルトルト「な、なんでそんな所でアニの名前が出てくるんだ!」
 ベルトルト「そ、それにそんな台詞言える訳無いだろ!!」
 ユミル(お?これはいけるんじゃないか……?)
 ユミル「おーっと、いーや、今日たまったまお前が対人格闘している姿を思い出してな」
 ユミル「だから身近なアニの名前を出したんだが……なーんだその反応は?」ニヤリ
 ベルトルト「う……」
 ユミル「それにアニは私に比べて細いし小さい 、か弱いっつー言葉は……まあ本気では受け取って貰えねえかもしれないが言われて悪い気はしないかもなあ?」
 ユミル「なのに明らかがさつな私に言えて、アニに言えないっつうのはおかしな話とは思わないか?」
 ベルトルト「ぐ……」
 ユミル「どういう事なんだろうなぁ?ベルトルさんよ?」ニヤニヤ
 
- 
                  - 90 : : 2014/03/25(火) 23:53:58
- ユミル(その調子だ私、このまま好きかどうかを引き出せ)
 ユミル(しっかし、こういう風におちょくるのはやっぱり楽しいな)ククク
 ユミル「どういう事なんだ?劣等生の私にわかり易く教えてくれよ、成績3位のベルトルさんよ?」
 ベルトルト「……」
 ユミル「あー、解ったお前が言わないなら私が当ててやる、お前は実はアニが――」
 ベルトルト「うわあああ!」ムンズ
 ユミル「ふごっ!?」
 ベルトルト「わ、解った!言うから!僕から言うから!!」
 ユミル「……ぷは、私の口を抑える暇があんならさっさと言え」
 ベルトルト「言うよ!言えばいいんだろ!」
 ベルトルト「僕はアニが好きなんだよ!これで満足か!?」
 ユミル「ああ、満足満足」
 ユミル(やっぱりな、……でも本人から実際に言わなきゃ価値が無え)
 
- 
                  - 91 : : 2014/03/26(水) 00:07:45
- ベルトルト「うう……男子やライナーにだって言ってないのに……」
 ユミル(嫌割と薄々気がついてるぞ、皆が言わないだけで)
 ユミル「そうかそうか、悪い事したな」
 ベルトルト「そんなこと思ってない癖に」
 ユミル「バレたか」
 ユミル「しかしお前本当にアニの事好きなのかよ」
 ベルトルト「……好きだよ」
 ユミル「ただ見てるだけで、それらしいアプローチもしてねえのにか」
 ユミル「ま、今日のあれもアプローチには入んねえだろ」
 ベルトルト「……なんでそんな事解るの」
 ユミル「勘違いするな、私の趣味の1つは人間観察だ」
 ベルトルト「人間観察?」
 ユミル「ああ」
 
- 
                  - 92 : : 2014/03/26(水) 00:08:03
- ユミル「人間を見て、弱みを持って、そして私の言いなりにさせる……いい例はサシャだな」クックッ
 ベルトルト「何それ怖い」
 ベルトルト「……もしかして僕も……」
 ユミル「して欲しいのか?」
 ベルトルト「ごめんなさいして欲しくありません」
 ユミル「おーおー、素直な事だ」
 ユミル(……だが、さっきもベッドで思ったが可哀想なこいつを弱みで命令させたりするのはどうかと思った)
 ユミル(命令というよりむしろおちょくりながら……)
 ユミル「……で、聞いてくれベルトルさん、私はひとつ考えた」
 ベルトルト「聞くのが怖い」
 ユミル「ああ?」ギロ
 ベルトルト「すみません聞きます」
 
- 
                  - 93 : : 2014/03/26(水) 00:08:38
- ユミル「私はひとつ考えた」
 ベルトルト「何を?」
 ユミル「色々報われないお前の恋愛を応援する」
 ベルトルト「へ?」
 ユミル「なんだ、文句あんのかよ」
 ベルトルト「無い無い、むしろサシャ以上痛い目に見るのかと思った」
 ユミル「『か弱い』ユミル様がそんな事する訳無いだろ」
 ベルトルト「……」
 ベルトルト「……で、それは本気?」
 ユミル「本気だ」
 
- 
                  - 94 : : 2014/03/26(水) 00:09:18
- ベルトルト「……でも、それは……」
 ユミル「あー、男がそんななよなよしくすんなよ」
 ベルトルト「だ、だってなんか見返りとか来そうだし……」
 ユミル「例えばだ、お前がアニにアプローチする、目出度くアニもお前を好くとする」
 ベルトルト「うん」コクン
 ユミル「で、お前も知ってると思うが『エレンエレン』と付き纏うミカサは、死に急ぎ野郎と対人格闘をするアニの事を快く思っていないし、アニも迷惑がっている」
 ベルトルト「……そうだね」
 ユミル「でもお前らが付き合ったら、『ああ、大丈夫』だとミカサはアニの事を敵とは思わなくなる、するとアニとの関係も緩和される」
 ユミル「ついでに、2人の喧嘩でギスギスした空気が女子寮で流れなくなる」
 ユミル「お前も付き合う、私達はいい訓練兵団ライフを送れる、一石二鳥だと思わないか?」
 ベルトルト「確かに」
 ユミル「これが対価だ」
 
- 
                  - 95 : : 2014/03/26(水) 00:33:34
- ユミル「どうだ?満足したか?」
 ベルトルト「……なんとなく」
 ユミル「だったらこれからそう言う事は私に頼れ、解ったな?」
 ベルトルト「えっ!?そ、それは……」
 ユミル「よし、お前がアニが好きだと言う事誰から広めていこうかな」
 ベルトルト「……解った、相談するよ」
 ユミル「そうこないとな」
 ベルトルト「その代わり、誰にも言わないで欲しい」
 ユミル「いう訳ないだろ?こんな絶好の話を!」
 ベルトルト「やっぱり僕をコキ使う気じゃ……」
 ユミル「使わねえってば」
 
- 
                  - 96 : : 2014/03/26(水) 00:34:09
- ユミル「兎も角、どうアプローチするか決めねえと」
 ベルトルト「えっ!?今?」
 ユミル「当たり前だろ、今決めなかったらいつ決め……」
 ――っあ…ふ…
 ユミル「なんだベルトルさん、今気色悪い声出したか?」
 ベルトルト「ううん、僕じゃない」
 ユミル「じゃあ誰が」
 ――っあぁっ!…だめ、…
 ユミル「……この声どこからするんだ」
 ベルトルト「……さあ」
 ユミル「そこの空き倉庫からか?」
 ベルトルト「多分」
 
- 
                  - 97 : : 2014/03/26(水) 00:34:33
- ユミル(……だがこれって絶対誰かがヤってる声だよな)
 ――っく、…やぁ……!
 ベルトルト「そういえばユミルってさ」
 ユミル「なんだ」
 ベルトルト「クリスタ追っかけてここに来たんだよね」
 ユミル「そうだが」
 ベルトルト「じゃあクリスタの声じゃ」
 ユミル「ふざけんな!!クリスタに限って!」
 ――ふら、…んつ……
 ――ああハンナ、気持ちいいよ
 ――わ、たしもよ…フランツ…
 ユミル「ほらな、違っただろ」
 ベルトルト「そうだね、ごめん」
 
- 
                  - 98 : : 2014/03/26(水) 00:36:06
- クリスタ『ハンナはフランツとデート?』
 ハンナ『ううん……ちょっとね……』
 ユミル(これがあるからデートじゃなかったのか……)
 ――あっ、…そこっ…っだめ…!
 ユミル「……」
 ベルトルト「……」
 ――っは、もう限界だハンナっ……
 ――わ、っ私もよ…フランツ……
 ――くっ、出る……!
 ユミル「……」
 ベルトルト「……」
 ユミル(何してんだろうか、私達)
 
- 
                  - 99 : : 2014/03/26(水) 00:37:06
- ベルトルト「お、終わったね……」
 ユミル「1ラウンド目がな」
 ――もう、いっぱい出して
 ――ゴメンよ、君が気持ち良かったから
 ――フランツってば
 ユミル「……帰って寝るか」
 ベルトルト「そうだね」
 ユミル「……さっき話はまたおいおいするか」
 ベルトルト「……うん」
 ユミル「じゃ、おやすみなさいベルトルさん」
 ベルトルト「おやすみ」
 パタパタ
 ユミル(何で私聞き耳立ててたんだろうか)
 ユミル(しかし、私が追いかけたのはクリスタじゃなくハンナとは……ったく、全然似てないのに恥ずかしい)
 ユミル(明日ハンナ必ず締めてやる)
 ユミル(……ま、ベルトルさんから直接聞けたしそこはいいとするか)
 
- 
                  - 100 : : 2014/03/26(水) 00:38:50
 人間観察は最高に楽しい
 あの地獄のような頃には見れない、人間らしさが見れて
 
- 
                  - 101 : : 2014/03/26(水) 00:40:01
- とりあえずここまで
 因みに>>1で「仄めかす」件はこのフラハンの濡場だったりします
 これ以降エロい表現はありません悪しからず
 
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