ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

この作品は執筆を終了しています。

アルミン「届けるか届けないか」

    • Good
    • 3

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2014/09/30(火) 23:15:31



    ――――――男子寮



    ライナー「なぁ…皆」



    アルミン「どうしたの?ライナー。こんな時間に…」



    ライナー「気になる女子とかって居るか?」



    エレン「はぁ…?どうしたんだ急に?」



    ライナー「いやいや…きつい訓練生活に癒しといったら…やっぱ女の子だろ?」



    ライナー「だから…皆は誰か居るのかなぁってふと思ってな」



    ジャン「そんなのミカサしか考えれねえだろ」



    マルコ「僕は…うーん。まだ居ないかな」



    ライナー「俺はクリスタ…だな」



    ジャン「死に急ぎ野郎はどうなんだ?」



    エレン「俺は…そういえば考えたことも無かったな」



    ジャン「で!どうなんだよ?」



    エレン「分からん」



    ジャン「はぁっ!?」



    コニー「俺は気になるってかおもしれーのはサシャだなー」



    ベルトルト「ぼ、僕はまだ居ない」



    ライナー「アルミン…お前はどうなんだ?」



    アルミン「うん?僕?」



    カツカツ



    ジャン「やべえ!教官が見廻りに来やがった!」



    ライナー「全員布団にくるまれ!!」
















    アルミン「(僕が…気になってる人……か)」


  2. 2 : : 2014/09/30(火) 23:21:48


    ――――――



    アルミン「ふぁ…」



    あくびをして、口から力なく言葉がもれる。
    あくびは誰もがするものだけれど…この原因は、昨日教官の見廻りの時間ギリギリまで会話してたせいだろう。

    少しだけ瞼が重い。


    結局昨日は僕の気になる人は言わなかった。

    否、言えなかった。



    まぁ…はぐらかすつもりだったけど。





    と…昨日の事を思い出しながら…僕は洗面所へと向かう。

  3. 3 : : 2014/09/30(火) 23:25:19




    アルミン「…」パシャパシャ



    冷たい水で顔を洗う。
    これでさっきよりいくらかは眠気が取れる。



    エレン「ん…アルミン…おはよう」グシグシ



    アルミン「うん。おはようエレン」



    顔を洗い終わると…エレンに挨拶され、エレンが起きたことに気付いた。

    眠そうに目をこすっている。


    エレンは昔から朝は弱い。


    僕も人の事は言えないけどね。




  4. 6 : : 2014/10/01(水) 23:27:21


    エレン「んっ…」パシャパシャ



    エレンも僕と同じように顔を洗う。


    水しぶきが宙に舞う。



    エレン「ふぅ…さて…と、食堂に行くか」フキフキ



    と顔をタオルで覆いながらエレンが言う。



    それに僕は同意する。



    アルミン「うん、そうだね」



    一日の訓練を乗りきるにはやはり、朝の食事は大切だと思うからね。

    うん、実体験。

    朝ご飯を取らずに訓練に望んだ事がある。結果、頭が回らず…ほんと地獄を見た。

  5. 7 : : 2014/10/02(木) 00:30:38


    ――――――食堂



    アルミン「えっと…空いてる席は…」キョロキョロ



    訓練兵でどんどん埋まっていく席。
    僕は空いてる席を探す…が大抵これは意味のない事だ。

    何故かって?

    それは…



    ミカサ「エレン…アルミン。席は確保しておいた。食べよう」



    エレン「おっ!サンキュー」



    アルミン「ありがとね、ミカサ」ニコッ



    ミカサ「いえいえ」




    こうなるからだ。

    いつもご飯の時はミカサが席を確保してくれている。


    ほんと有り難い。

  6. 8 : : 2014/10/02(木) 00:36:29



    エレン「また今日もスープの味は薄いな」ズズッ



    エレンがスープを飲みながらそう言う。

    確かに僕も思う。ここの食事は言っちゃ何だけど味気ない。


    でも、たまに味が濃いときもある。
    その時は嬉しいんだけどね。



    ミカサ「しょうがない。食べられるだけ感謝しないと」



    アルミン「そうだね。訓練兵の僕達に
    しっかりと3食回してもらえてるんだからね」



    エレン「ああ…それに食わなきゃ力もつかねーからな」



    アルミン「うん。そうだね」パクッ



  7. 9 : : 2014/10/02(木) 00:41:54




    エレン「今日の訓練は…立体機動に…兵站行進か」



    アルミン「はは…兵站行進かぁ…」



    エレン「けっこうきついよな」



    アルミン「うん…僕にとっては大分きついよ…」



    兵站行進…。
    僕の苦手な運動。今まで本を読んだり、勉強に時間を費やしてたから…いざ動くとなると体が言うことを聞かない。

    頭では…理屈ではどうやればいいのかとかは分かるけど…体が追い付かないんだ。


    ちょっと筋トレとかしとけばよかった…と後悔してみる。



    ミカサ「慣れれば何てことはない」



    エレン「それはミカサが別格過ぎるだけだろ」



    アルミン「うん…別格だね」


  8. 10 : : 2014/10/02(木) 12:34:27



    ミカサ「エレン…パンくずが付いてる」ヒョイ



    エレン「まじか…サンキュー」



    ミカサ「アルミンも」ヒョイ



    アルミン「うそ!?」



    ミカサ「二人ともおっちょこちょい」フフッ



    エレンはともかく僕もパンくずを付けてたなんてね。
    ちょっとボーッとしてたのかな?

    やっぱ寝不足のせいだ。

    睡眠は人にとって大事な事だからね。



    アニ「…」



  9. 11 : : 2014/10/03(金) 00:46:07

    ――――――立体機動



    アルミン「今日のペアはどうなるかな」



    立体機動の訓練の時は教官による指名の下、指名されたペアで訓練する。
    たまに自由な時がある。




    キース「次!アルレルト!レオンハート!」



    あっ、名前が呼ばれた。
    いきなりで驚きを隠せないがここは元気に返事をする。



    アルミン「は、はっ!」



    アニ「はっ」



  10. 12 : : 2014/10/03(金) 00:49:13




    アルミン「よろしくね、アニ」ニコッ



    アニ「よろしく」



    今日はアニと一緒のペア。
    アニとはあまり話すことがないから少しだけ気まずい。

    まぁ、話さない訳ではないから…何とかなるとは思う。



    アルミン「よし…行くよ」バシュッ



    そう言って、僕は立体機動装置のトリガーを引く。狙った所へアンカーを刺して、宙を舞う。



    アニ「ええ」バシュッ



    と、同時にアニも駆ける。

  11. 13 : : 2014/10/03(金) 00:55:47


    アルミン「…」バシュッ



    アニ「…」バシュッ



    うん。やっぱりアニは凄い。
    というより成績上位陣は全体的に凄い。


    もう感性というか何というか…的確な場所にアンカーを刺して…無駄のない動きで森の中を駆けて行く。
    ガスの消費量も考えて使ってる。



    アニ「ボーッとしてると木にぶつかるよ」



    アルミン「えっ…あっ…うん!気を付けるね」



    と、考え事…というか研究?といった感じで頭を回転させていたらアニに注意された。

    僕の悪い癖だ。
    何でもかんでも頭で考えてしまう。これは悪いことではないと思う…けどその考えている時間が問題だね。

    人よりも長くそうなってしまうため…ボーッとしてる様に見られてしまう。
    見られるだけでなく…訓練中だと怪我をするリスクが高くなる。

    ほんと気を付けよ。


  12. 14 : : 2014/10/03(金) 22:53:32


    アルミン「よし…頑張るぞ」バシュッ



    決意を声に出す。立体機動装置のトリガーを握る手に力がこもる。

    力を入れすぎてちょっと痛いくらい。



    アニ「もう少しスピード上げよっか」バシュッ



    さっきよりも、アニはスピードを上げていく。
    それでも僕が追い付ける範囲のスピードだ。
    きっと僕を気遣っての事だろう。



    アルミン「うん!」バシュッ



    それに対して…僕はほんのちょっとだけ…いつもよりスピードを上げる。

    足は引っ張りたくはないからね。




  13. 15 : : 2014/10/04(土) 00:29:20




    ――――――


    キース「よーし!全員集まったな!」



    キース「今回の一位のペアは…アッカーマンとボットだ!」



    アルミン「ミカサやったね!それにマルコも」



    ミカサ「私の力だけではない…マルコも頑張った」



    マルコ「はは…ミカサのサポートが大きいけどね」ハハッ



    やっぱりミカサは凄い。
    ほとんどの訓練をそつなくこなす、稀に見る逸材だ…と教官が言ってた。

    それに何とかでも付いていけてるマルコも凄いと思う。

    成績上位は伊達ではないね。

  14. 16 : : 2014/10/04(土) 00:32:10



    エレン「くっそ…また負けた!」



    エレンが悔しがってる。
    けっこう見る光景だ。



    ミカサ「エレンだって順位が悪い訳ではない。次はいける」



    そして、ミカサがなだめる。これもけっこう見る光景だ。



    エレン「次は負けねーからな!」



    と、大きな声を出してエレンはその場を去ろうとする。



    エレン「くそ…ジャンは立体機動は上手いからな…後で聞くか…うーん…」



    去った後に小さな声でエレンがそう言っているのが聞こえた。
    確かにジャンは上手いからね。

    僕も後で聞いてみようかな。

  15. 17 : : 2014/10/04(土) 00:48:41


    ――――――食堂



    アルミン「はぁ…」



    深いため息が口から出る。ため息をすると幸せが逃げるって言うからつかないほうがいいんだけど…出さずにはいられない。



    ミカサ「アルミン…ため息なんかついてどうしたの?」



    ミカサ「次の訓練は…あっ」



    ミカサが僕に聞いてくるけど、途中で気付いた様だね。



    ミカサ「アルミンの自称苦手な兵站行進…」



    自称苦手…って。
    ははっ、そこは普通に苦手って言えばいいのにね。と少しだけ笑みが溢れる。



    アルミン「うん…でも兵士になる為には、しっかりと体力はつけないと…他の皆よりないから…」



    ミカサ「アルミンは意外と根性がある。だから頑張ってればきっと実を結ぶ。努力した分だけ自分に帰ってくる」



    根性…。
    ミカサにそう思われていると分かってさっきよりも元気が湧いてくる。

    うん。最初から弱気じゃ駄目だよね。

  16. 18 : : 2014/10/04(土) 00:56:21


    アルミン「あれ?」



    ミカサと会話してて今まで気付かなかった事があった。



    アルミン「エレンは?」



    周囲を見渡す。すると彼の姿はすぐに僕の目に写った。



    ミカサ「ジャンに立体機動の事について聞きに行ってる。いつも喧嘩ばかりだから珍しい」



    確かにいつも喧嘩ばかりだからね。
    さっき言ってた事をもう実行してるんだね。さすがエレン。

    でも……喧嘩ねぇ。ジャンに聞いて前には適性検査の時に嫌味を言われてたけど…大丈夫かな…?

  17. 19 : : 2014/10/04(土) 01:15:24


    ジャン「ここはこうすればいいんだよ」



    エレン「どうだよ?」



    ジャン「だから…こう」



    エレン「分かりずれーよ!」



    ジャン「天才じゃなきゃ分かんねーからな俺みたいなよぉ」



    エレン「あぁっ!?馬鹿にしてんのか!?」ガタッ



    ジャン「そう聞こえたんならそうなのかもな」ガタッ



    あああ~あ。やっぱ始まっちゃった。
    最初はいい感じだったのに…最後はこうなるんだね。

    ジャンも…正直で優しいところもあるけど…うん、エレンが相手となると他の皆より厳しく当たってるんだよね。



    「また始まったぞ」




    「やれやれ~!」



    外野からの声がヒートアップする。名物見たいなもんだからね。

    さて…今回はどう治めるか…。

  18. 20 : : 2014/10/04(土) 01:24:19


    喧嘩くらいほっとけばいいとか思う人が大半だと思う。でも…それでもし怪我とかしたら大変。
    だから、毎回といってもいいほど僕は喧嘩の間に割って入る。



    アルミン「二人ともやめなよ」



    エレン「くらえっ!」ブンッ



    ジャン「当たるかよ!」スッ




    アルミン「ねえ!聞こえてる!?」




    二人が攻防を繰り広げるなか…やめさせようとするが二人にはまるで聞こえていない。

    何度も言っても聞かない二人に少しだけ腹が立ってきた。だから声を張って僕は言う。



    アルミン「喧嘩をやめないと!僕、怒るよ!!」



    ジャン「」ピタッ



    エレン「」ピタッ



    大声で言ったせいで、周りが静まり返る。その静寂を打ち破ったのは…。



    ジャン「はははっ!アルミン…ライナーとかが怒るのは恐いけどな…お前なら…全然恐くねーぞ」



    ジャンが笑いながらそう言ってくる。



    エレン「」ブルブル



    ジャン「おい…どうした?死に急ぎ野郎」



    エレン「悪かった…!さーて!残った飯を食わないとなぁ!!」ダッ!



    呆然と立ち尽くすジャンを余所に…エレンはさっきまで僕が座っていた席の近くへと行ってしまった。
  19. 21 : : 2014/10/04(土) 01:25:44


    ジャン「はぁ?何で逃げたんだよ



    ジャン「まさか…アルミンが恐いってのか…ふっ…冗談にも程があるだろ」ハハッ



    アルミン「ジャン…ちょっと座ろっか」ニコッ



    ジャン「…!?」ゾワッ
















    エレン「ふぅ…危ない所だった」



    ミカサ「喧嘩をやめないエレンとジャンが悪い」



    エレン「熱くなっちまって…」



    ミカサ「アルミンは何度もやめさせようとしてた。それなのに二人は聞こうとしなかった…怒るのも当たり前」



    エレン「分かってるよ。アルミンが怒るとこえーからな…だから逃げてきた」



    ミカサ「確かに…アルミンは怒ると恐い。怒るときが少ないからいいけど」




  20. 22 : : 2014/10/04(土) 01:37:35


    アルミン「ジャン…喧嘩をすることで起きてしまう可能性のあることは何か分かるかい?」



    ジャン「はあっ?そんなの知らねーよ



    アルミン「はぁ…いいかい?喧嘩をすることで、まず自分や相手が傷付いてしまう可能性があるね。それも軽いものならまだいいかもしれないけれど、もしかしたら大きな怪我や事故に繋がる事だってあるかもしれない。その重大性が分かるかい?二人とも成績も上位で対人格闘だって強いんだから、そのまま喧嘩を続けていたら最悪当たりどころが悪くてどっちか、いやどっちも兵士になれない体になってしまってたかもしれないんだよ?」クドクド



    ジャン「お、おう…」



    アルミン「それにね周りの事だって考えてほしいよ。いつもいつも喧嘩ばかりして。周りの皆だって煽る人もいるけど、喧嘩すること自体良くないと思ってる人だっているんだからね?ましてやお昼の食事中なんだからそこら辺の所をもっと考慮してほしいよ。ジャンは周りの状況を見ることには長けているんだから…もっと冷静に状況を見てよ」クドクド



    ジャン「あ、は、はい…」



    ライナー「ジャンが敬語になったぞ」



    ベルトルト「アルミン…怒らせちゃいけないね」


  21. 23 : : 2014/10/04(土) 01:40:50



    エレン「ああ、始まった…」



    ミカサ「でもあれはまだいいほう。ジャンが反省してるから」



    エレン「ああそうだな。あの説教見たいなやつはまだいいな…アルミンはそれでも反省しない奴や、最初から聞こうとしない奴には…もっとひどいからな」



    ミカサ「ええ…前にエレンに怪我をさせて…謝らなかった奴には…ありとあらゆる手を使って、謝らせた」



    エレン「その時から怒らせちゃいけないって思い始めた」



    ミカサ「今回はすぐに済みそう」


  22. 24 : : 2014/10/04(土) 01:43:04


    ジャン「ごめんなさい…次からは気を付けます…」



    アルミン「うん…分かってもらえたならいいよ!」



    ジャンにやっと分かってもらえた。
    喧嘩は本当に一歩間違えてしまえば…最悪の事態に陥ってしまう事もあるからね。


    あっ…そう言えばエレンは逃げたんだった。
    でも謝ってたし…うん。軽くだけ言っておこう。

  23. 25 : : 2014/10/04(土) 01:48:40



    アルミン「エレン」スッ



    エレンの名前を呼んでさっきの席に座る。
    座るまでの短い距離の間にけっこうな視線を感じたが深くは気にしない。
    さっき大声で叫んじゃったし…ほとんどそのせいに決まってるからね。



    エレン「…」ビクッ



    名前を呼ぶとエレンが少し体を震わせる。



    アルミン「喧嘩は控えてね。エレンだって怪我とかして、開拓地には行きたくないでしょ?」



    エレン「あ、ああ…」



    アルミン「さーて…残ったご飯食べよっ」パクッ



    ガチャッ


    僕がパンをかじった時、食堂のドアが開いた音が聞こえた。



    キース「先程…大きな音がしたが…誰か説明してもらおうか?」



    あっ、さっき大声出したし…喧嘩していたから…教官が来てしまった。

    この場を切り抜ける最善の策を考えようと頭をフル回転させる。

    が、答えは直ぐに出た。多分一秒もかかってないだろう。



    アルミン「サシャが放屁した音です」
  24. 26 : : 2014/10/04(土) 11:06:33


    ――――――兵站行進


    アルミン「はぁっ……はぁ…」



    一歩一歩歩みを進める度に僕の口から息を切らした声が漏れる。

    それに、ただ走るだけではなく数十キロはあるであろう荷物も背負って走っている。

    体力の少ない僕にとっては苦痛。身体にかかる負荷も計り知れない。



    ミカサ「アルミン…大丈夫?」



    アルミン「はぁ…はぁ…う…ん」



    ミカサが息を乱すこともなく、僕に話しかけてくる。

    ほんとに凄い。何で息一つも切らしてないんだ!?

  25. 27 : : 2014/10/04(土) 11:23:33


    ミカサ「後少しだから頑張ろう」



    アルミン「ぜぇ…ぜぇ…分かった…!」



    兵站行進。これは、単に体力面での強化を図るだけの訓練ではない。
    周りとの列を崩さずに走るという協調性や、延々と走るだけということに対しての忍耐力も求められる。


    故に僕の走るスピードは周りによって上げられる。
    だから、きつい。自分だけのペースでいいのならまだ何とかなる。けれど周りの速い人達と一緒となると…。

    まぁでも、最初の頃よりは成長してるとは思う。

  26. 28 : : 2014/10/04(土) 17:36:28


    ライナー「アルミン大丈夫か?荷物持ってやろうか?」



    後ろからライナーが話しかけてくる。



    アルミン「いや…はぁ…後ちょっとだから…大丈夫」



    ライナーは皆にとって兄貴の様で頼れる存在だ。
    ほんとならここで荷物を渡したいくらいだけど、それじゃあ自分のためにならない。


    疲れで肩から少し落ちそうになる荷物を気力で持ち返す。


    大地を蹴る一歩一歩にさっきよりも力が入る。

  27. 29 : : 2014/10/04(土) 17:59:38



    ジャン「何で俺がお前と隣なんだよ」



    エレン「文句あんなら教官に言え」



    ジャン「言えるわきゃねーだろ」



    エレン「なぁジャン…アルミンは恐かっただろ?」



    ジャン「ああ…正直びっくりした」



    エレン「昔から怒らせると恐かったからな」



    ジャン「一つ学んだよ」



    エレン「俺も…喧嘩ばかりしてたけど…良く良く考えればお前の言ってる事も間違ってる訳じゃないんだよな…。って気づき始めた」



    ジャン「エレン……はっ…そうか。確かにお前も間違ってる訳じゃねえ…自分の心に真っ直ぐなんだ」



    エレン「ふっ…」



    ジャン「ふっ…」



    エレジャン「はははははははははっっっ!!」



    ベルトルト「あんまり大きな声出すと教官来ちゃうよ…」

  28. 30 : : 2014/10/04(土) 18:16:49



    キース「よーーし!今日はここまでだ!」



    教官の力強い声が響き渡る。
    この声は今日の一日の訓練が終わった事を知らせるためのものだ。



    キース「明日は休日だが…はめを外し過ぎん様にな!解散!!!」



    明日は休日…か。
    すっかり忘れてた。何しようかな。


    アルミン「ん?」


    いつもと違う光景を見て僕は少し驚く。



    ジャン「明日は休日かー」



    エレン「何すっかな~」



    いつもより仲が良さそうに見えるのは気のせいだろうか?


  29. 31 : : 2014/10/04(土) 19:15:40



    エレン「アルミーン」タッ



    アルミン「何?エレン」



    さっきまでジャンと話をしていたエレンが僕の名前を呼んで駆け寄ってくる。



    エレン「明日休日だし、ミカサも呼んで出掛けるか?」



    アルミン「うん!いいね…最近訓練訓練で出掛けられる機会もなかったからね!」



    エレン「よーし…決まりだな!」



    アルミン「ところで…ジャンと何かあったの?」



    エレン「ん?あぁ…アルミンに怒られてから…一回お互いの事を冷静に考えたんだ。そしたらお互い言ってる事が間違ってる訳じゃないって事に気付いてな」



    アルミン「へえ…!」



    エレン「それについて言い合いながら走ってたら…何か喧嘩してたのが馬鹿らしくなってな」



    アルミン「そっか!それで仲が良さそうに見えたのか」



    エレン「そう見えてたのか」



    と、ジャンとエレンについての事を聞きながら…寮へと戻る道を僕らは歩いていく。


  30. 32 : : 2014/10/04(土) 21:14:07



    ――――――食堂



    アルミン「ミカサ!明日休日だし、3人で出掛けない?」



    ミカサ「行く!」



    エレン「よし!決まりだな!」



    アルミン「明日の朝寝坊しないようにね」



    ミカサ「それは私の台詞。エレンとアルミンは朝弱いから」



    エレン「ば、馬鹿にすんなよ!なあ!アルミン」



    エレンが少しだけ声を荒げて言ってくる。
    確かに…ちょっとだけ馬鹿にされてる様な気がする。



    アルミン「僕とエレンは朝は強いんだよ!!」



    本当は朝に弱いのに…強がってみる。



    ミカサ「嘘ばっかり。二人が朝に弱いのは百も承知」



    まっ、すぐばれるけど。



  31. 33 : : 2014/10/04(土) 21:45:33



    エレン「明日はミカサより早く起きてやるからな!」



    エレンが決意表明見たいな事をする。
    そんな高らかに宣言されても。



    ミカサ「なら私はずっと起きていよう」



    エレン「な!?それなら無理だ…」



    アルミン「ここは弱いって認めるしかないね…」



    ミカサにそんな事までされるなら…ここは認めるしかない。
    ずっと起きてられるとミカサにも悪いしね。


  32. 34 : : 2014/10/04(土) 21:56:07



    ――――――お風呂


    アルミン「疲れたぁぁぁ」ザァァァ



    シャワーを浴びながら心から思ったことを口にする。
    今日も一日疲れた。



    エレン「確かに…立体機動からの兵站行進は疲れるな」ザァァァ



    同じくシャワーを浴びているエレンも少し疲れた表情を見せる。



    エレン「でも…」



    アルミン「これも強い兵士になるためだから仕方ない!」



    エレン「俺が言おうとしたのに」



    エレンが言おうとしたことを、僕は先に言う。
    エレンがよく言う台詞だからね。



    アルミン「えへへ…」


  33. 35 : : 2014/10/04(土) 22:10:09


    ライナー「確かに…皆強くなってきてるな」



    近くからライナーの声が聞こえる。
    というより、入っているのは僕とエレンだけではないから当然の事か。



    エレン「そうだな…でも…まだまだだ」



    ライナー「ふっ…そのあくなき向上心でこそのエレンだ」



    ライナーが教官みたいな口調でエレンに言う。
    体格もいいし、風格もあるから…ほんとに教官みたいな感じだね。



    ベルトルト「アルミンだって…強くなってるしね」



    アルミン「そうかな…?」



    ジャン「確かにな!最初の頃はびえええええぇんとか言ってたのにな」ハハッ



    アルミン「それはないよ!」



    ジャンに変なことを言われる。そこまでひどかったっけ?とかちょっとだけ心配になる。


  34. 36 : : 2014/10/04(土) 22:30:15



    アルミン「ふぅぅぅ…」ザパーン



    ゆっくりと湯槽に浸かる。疲れた身体に染み渡っていく感じ。疲れが和らいでいく。



    エレン「っしゃ!」ザッパァァァン



    と、気持ちよさに浸っている時にエレンが湯槽に飛び込んでくる。
    何か言おうと思ったけど楽しそうだからやめておく。



    ジャン「待てこらぁぁ!」ザッパァァァン



    続けてジャンも飛び込んでくる。
    水しぶきが上がり、顔の方まで飛んでくる。



    ライナー「まったく…」ザパーン



    ベルトルト「何であんなに元気なの?」ザパーン



    アルミン「ほんとだよね」ハハッ



    ライナーとベルトルトがゆっくりと入ってくる。
    二人の問いに対しての軽い笑みを浮かべて返す。
    ほんとに元気だなぁ…。

  35. 37 : : 2014/10/04(土) 22:43:32



    コニー「俺を忘れるなあああぁぁぁっ!!」ザッパァァァン



    さっき飛び込んだ二人よりも凄い勢いでコニーが飛び込んでくる。
    さすが元気一番のコニーだ。



    マルコ「流れに乗っとこ」ザッパァァァン



    マルコも負けじと飛び込んでくる。
    何だ?この飛び込みフィーバーは。



    ライナー「皆やってると…何かやりたくなるな」



    ベルトルト「うん」



    アルミン「それじゃあ………」







    ザッパァァァン




    流れに乗って、僕らも飛び込んどいた。
  36. 38 : : 2014/10/04(土) 22:52:29



    ――――――男子寮



    アルミン「おやすみ~」



    エレン「おう…寝坊すんなよ」



    アルミン「ふふ…こっちの台詞」



    皆、布団に入り寝る準備は万全。

    寝息を立てている者も出始めた。


    明日はお出掛け。楽しみだなぁ。と遠足前の様に胸がドキドキしている自分がいるのが分かる。

    でも、明日寝坊しないように、寝ないとね。

  37. 39 : : 2014/10/04(土) 23:06:53



    ――――――朝



    アルミン「」ムクリ



    朝日が顔に当たって僕は目を覚ました。



    アルミン「…」チラリ



    寝ぼけたままの状態で僕は隣を軽く見る。



    エレン「…zZz…」スゥー



    どうやらエレンはまだ寝ている様だ。
    起こさない方が面白いかも…とか思ってみるけど、やっぱりミカサに悪いから起こす。



    アルミン「エーレン!朝だよぉ!」ユサユサ



    エレン「あと、じゅっ…ぷん…」ムニャムニャ



    起こしにかかると、大抵の人なら一度は思った事であろう事を口にする。
    その気持ちは確かに分かるけど、ここは心を鬼にする。



    アルミン「えいっ!」バサッ



    エレン「…!?」ビクッ



    朝でまだ少しだけ肌寒い時間帯。そんな時間帯に僕はエレンの毛布を剥いだ。
    これが多分一番手っ取り早いと思う。これは僕の持論。



    エレン「さ、寒っ!」ガバッ



    エレン「あれ?アルミン?」ボォー



    アルミン「朝だよ…エレン」ニコッ


  38. 40 : : 2014/10/04(土) 23:20:18




    ――――――食堂



    ミカサ「おはよう、エレン。アルミン」



    アルミン「うん!おはよっ!」ニコッ



    エレン「おはよう」



    ミカサ「しっかりと起きてくれて嬉しい」



    アルミン「今日は僕が先に起きて、エレンを起こしたんだよ!」



    ミカサ「そう、だからエレンはいつもよりも寝癖が凄いのね」



    アルミン「ははっ…僕も起きたのがギリギリだったからね…」



    ミカサ「やっぱり二人は朝に弱い」クスッ



    とミカサが微笑む。まるで天使のようだ。とかライナーっぽく心の中で思ってみる。
    別に冗談とかではないんだけどね。


  39. 41 : : 2014/10/04(土) 23:29:49



    アルミン「まぁ…食べた後に着替えとかするから…」



    ミカサ「寝癖が凄いままで一緒に歩くのはさすがにきつい」



    エレン「ちゃんと直すって!」



    アルミン「うん、じゃ…ご飯食べて…着替え終わり次第出発しよっか」



    ミカサ「ええ」



    エレン「そうだな」



    アルミン「じゃ、集合場所は…寮の外でいい?」



    ミカサ「構わない」



    アルミン「よし!…あっ…!」



    エレン「どうした?」



    アルミン「外出届を教官に出すの…忘れてた…」アワワ



    僕としたことがすっかりと忘れていた。
    やばい、どうしよ。

    全力で考えるんだ…。と困っていたがそれは直ぐに解決された。



    ミカサ「大丈夫。こんなこともあろうかも、もう皆の分の外出届は出しておいた」



    アルミン「神様…」



    エレン「女神様…」



  40. 42 : : 2014/10/04(土) 23:45:54


    アルミン「…」ジー



    ご飯も食べ終わり、場所は寮の部屋。そして僕はタンスの前に立っている。



    今日の服をどうしようかと…悩んでいる。

    ここは爽やかに…水色系で行こうか…?うん。そうしてみよう。



    エレン「おーい、アルミン!準備出来たか?」



    エレンが聞いてくる。ってことはもうエレンは準備出来たみたいだね。



    アルミン「ちょっと待って!もうすぐだから!」



    少しだけ焦りながら僕は着替えていく。
    その時に、寝癖がないかどうかのチェックもする。


    よし、大丈夫だ。
  41. 43 : : 2014/10/04(土) 23:54:29



    ――――――寮の外



    エレン「うしっ!俺とアルミンが一番だ!」



    アルミン「あれ?ミカサまだだったんだ」



    いつも何事においてもミカサが最初だった。だからミカサより早くて少しだけ驚いた。



    アルミン「珍しいね」



    エレン「確かに…何かあったのか?」



    さっきまで喜んでいたエレンだったけど、いつもと違う状況でミカサを心配しているみたいだ。
    かくいう僕も心配している。

  42. 44 : : 2014/10/05(日) 00:05:03



    ミカサ「遅れてごめん…少し手間取った」



    アルミン「!」バッ!



    エレン「!」バッ!



    後ろからミカサの声が聞こえて振り替える。そして僕らの目に移ったのは…




    ミカサ「じーっと見られると…恥ずかしい」プイッ



    スカート姿のミカサだった。じーっと見てしまうくらい…可愛かった。




    ミカサ「変…だっただろうか?」



    エレン「まー…いいんじゃないか?」



    アルミン「…」ポーー



    ミカサ「あ、アルミン?」



    エレン「アルミン?」ユサユサ



    アルミン「はっ!」ビクッ



    ミカサ「私が変だった?」



    アルミン「い、いや!すんごく可愛いいです!!」



    ミカサ「…そ、そう」




    普段見ない彼女の姿に、危なく気絶するところだった。
    そのせいで、返事もぎこちなくなってしまった。

    ただ、僕の気のせいだろうか?

    ミカサの顔が少し紅潮している様に見える。


  43. 45 : : 2014/10/05(日) 00:09:18


    エレン「じゃあ…行こうぜ」



    アルミン「うん!」



    ミカサ「そうしよう」



    エレンの声が合図となり、3人で歩き始める。目標地点は街!ってそのままだね。



    アルミン「ただ歩くのもなんだし、街行ったら、どこ見て回るか考えながら行こうよ」



    エレン「おっ!それいいな」



    ミカサ「私からいい?」



    ミカサが手を上げて聞いてくる。座学の時間じゃないんだから手は上げなくてもいいのにね…と思う。
    けれど、きっと瞬間的に出ちゃったんだろうね。

  44. 46 : : 2014/10/05(日) 00:30:11



    ミカサ「服屋に行きたい」



    アルミン「服屋?」



    ミカサ「ええ、皆で服を買おう」



    エレン「別に…俺…もがっ!?」



    アルミン「いいね!まずは服屋にしよう!」



    僕はエレンの口を押さえてそう言った。多分エレンの事だから…俺は別に服なんかいらないとか言うと思ったからね。
    後ろでもがもが言ってるけどここは気にしないでおこう。



    ミカサ「ありがとう」


  45. 47 : : 2014/10/05(日) 10:43:48


    ――――――服屋


    ミカサ「!」キラキラ



    ミカサが目をキラキラさせている。女の子なんだなぁって凄い実感する。



    エレン「…」



    かたや、エレンはめんどくさそうな顔をしている。それもそうか。嫌がるエレンを無理矢理引っ張って来たんだから。



    ミカサ「あれもいい…これもいい…」



    ミカサ「アルミン!エレン!どれがいいだろう?」




    アルミン「うーん…僕はこれが似合うと思う」スッ



    ミカサ「白のワンピース?」



    アルミン「うん…試着してもらってもいいかな?」



    ミカサ「分かった。待ってて!」



    と、服を持って試着室へとミカサは走っていく。ん?こっち振り向いた。



    ミカサ「覗かないでね」



    一言。例えるなら…そう。小悪魔…見たいな感じだった。



    エレン「別に覗かねーよ」


  46. 48 : : 2014/10/05(日) 13:59:53



    ガラッ!



    試着室のカーテンが勢いよく開かれる。ミカサの着替えが終わったみたいだ。



    ミカサ「そ、その、どうだろうか?」モジモジ



    アルミン「!」



    慣れない服で恥ずかしいのか…モジモジしている。


    いや、それよりも…凄く似合ってる。僕が選んでおいてなんだけど…ほんと似合ってる。



    エレン「いいと思うぞ!」



    白のワンピースで清楚な感じを見せつつ、チラリと見せるは程よい筋肉で仕上がった美脚。

    言葉にせずにはいられないくらい。


















    アルミン「大好きです」




  47. 49 : : 2014/10/05(日) 20:31:12




    ミカサ「え…?」



    アルミン「…」



    アルミン「!?」



    お、おおお落ち着け!今僕は何て言った!?
    ミカサを見ると顔が少し紅い。いや大分紅い。
    ってことは…


    「大好きです」


    これは口に出てしまった言葉かあああああ!!!



    ここは落ち着けないが無理矢理落ち着かせて考えるしかない。

    突破口を切り開く!



    アルミン「し、白のワンピース」



    エレン「へぇ…アルミン白のワンピース大好きなんだなぁ」



    アルミン「う、うん!そ、そうなんだ!」



    これは苦しい…ミカサの反応はどうだ?



    アルミン「…」チラリ



    ミカサ「そ、そう」



    ふぅ…何とか誤魔化せたみたいだ。

    ここはエレンのお陰といってもいいだろう。エレンじゃなくジャンとかだったら乗りきる事は出来なかったと思う。

  48. 50 : : 2014/10/06(月) 00:52:12


    ミカサ「この服…買おう」



    アルミン「!」



    ミカサが僕が選んだ服を買うって。何だか嬉しいな。



    アルミン「あ!それなら僕が買うよ!」



    ミカサ「え?」



    アルミン「僕が着てほしいって思ったし、それに使い道も本とかしかないからさ!」



    ミカサ「でも…」



    アルミン「いいって!!」



    ミカサ「ありがとう…」



    アルミン「買う前に着替えないとね…」



    ミカサ「いい。これをそのまま買う。着たままで行く」



    え?そんな事出来るの!?とか思うけど…何だかミカサなら出来そうな気がするから何も言わないよ、僕は。


  49. 51 : : 2014/10/06(月) 15:13:09



    「ありがとうございましたー」



    店員の声を聞きながら服屋を後にする。
    ミカサの服は…というと、白のワンピース。押し通す事が出来たみたい。



    ミカサ「アルミン。改めてありがとう」ニコッ



    アルミン「い、いや!だ、大丈夫だよ!」



    とびきりの笑顔でそう言われ、動揺を隠しきれなかった。



    ミカサ「アルミンからは買ってもらった。エレン…」ジー



    久しぶりの買い物…そして僕からは服…ということもあり、エレンから何か貰うことを期待しているみたいだね。



    エレン「そう来ると思ったからな…ほれ」スッ



    ミカサ「これは?」



    エレン「見て分かんだろ?髪留めだよ」



    ミカサ「え?」



    エレン「アルミンが服買ったから…他の奴がいいかなって思ってよ…まっ本音は持ち金が少なかった…ってのもあるけどな」



    ミカサ「嬉しい。ありがとう」



    アルミン「…」

  50. 52 : : 2014/10/06(月) 15:40:17


    エレン「次はどうする?」



    アルミン「うーん…あっ…ちょっと本見たいから本屋に寄ってもいいかな?」



    ミカサ「行こう」



    エレン「別にいいぞ」



    アルミン「ありがとう!」



    僕らは服屋を後にして、次の目的地となる本屋を目指す。と言ってもすぐ近くにあるんだけどね。


    僕よりも大きい二人の歩幅に合わせて、僕はいつもより大きく歩く。
    僕ももう少し身長がほしいなぁ…と叶いそうにないことを思ってみたりする。


  51. 53 : : 2014/10/06(月) 16:19:11


    ――――――本屋


    アルミン「わぁぁ!」キラキラ



    たくさんの本を目の前にして、僕は興奮を抑え切れない。子供の様に目がキラキラしているかもしれない。



    エレン「(アルミン嬉しそうだな)」



    ミカサ「(凄いキラキラしてる)」



    アルミン「この本も…あっ!これも!」



    色々な本を目にして、手に取ったりしながら、店の中を歩き回る。
    凄い幸せ。

  52. 54 : : 2014/10/06(月) 18:37:02



    「ありがとうございましたー」



    アルミン「ごめん!待たせちゃって」エヘヘ



    エレン「別にいいぞ、アルミン楽しそうだったし」



    ミカサ「ええ。ほんとにね」



    本を見るのに夢中過ぎて時間が経つのを忘れていた。
    エレンとミカサには悪いことしちゃったね。待たせちゃって。

    それでも気にすんなと言わんばかりの二人を見て、改めて親友の優しさを実感する。


    ほんとに僕は幸せ者だ。



    エレン「少し腹減ったな」



    アルミン「確かにね…」



    ミカサ「それじゃあ最近出来たパン屋さんに行こう」



    エレン「パン屋?」



    アルミン「あっ!それ聞いたことがある!人気みたいだよね」



    ミカサ「そう。さすがアルミン」



    エレン「じゃあ…そこにすっか!」

  53. 55 : : 2014/10/06(月) 19:42:09



    ――――――パン屋



    パン屋の前には人が大勢いる。がやがやと、その様子からそのパン屋の人気ぶりが分かる。



    アルミン「人がいっぱいだね」



    エレン「そうだな」



    ミカサ「これは予想外…」



    エレンとミカサは予想以上にいた人の列を目の前にし、少し圧倒されている様だ。



    大勢の人を見ていると、見慣れた人物が列に並んでいるのを発見した。
  54. 56 : : 2014/10/06(月) 19:49:38



    アルミン「ねぇ!エレン。あれ、クリスタとユミルじゃない?」



    エレン「おっ?ほんとだな…アニもいるぞ!」



    ミカサ「エレン、アルミン。もっと前を見てみて」



    ミカサにそう言われ、何の事か分からないまま僕とエレンはミカサが指差す方へと目を向ける。

    するとその先には…。



    エレン「ジャンじゃん!!」



    アルミン「ライナーにベルトルト…マルコもいるね!」



    エレンのちょっとだけうざい言い方を無視して、僕はエレンに続けて言った。
  55. 57 : : 2014/10/07(火) 00:16:40

    アルミン「今から並んでも…時間がかかるし…」



    アルミン「ジャン達に僕達の分も頼もっか!」



    エレン「そうだな…ついでにアニ達の分も頼もうぜ」



    ミカサ「それはいい」



    アルミン「まずは、クリスタ達の所に行こうか」



    エレン「そうだな」

  56. 58 : : 2014/10/07(火) 00:17:06



    アルミン「おーい、クリスター」



    クリスタ達の下へ手を振りながら駆け寄る。



    クリスタ「えっ!?アルミン!?それに、ミカサにエレン!」



    クリスタが驚く。何故ここにいるの?とでも聞きたげな表情だ。



    アルミン「ここのパン屋の噂を聞いてね。3人で行こうってなったんだ!そしてらクリスタ達を見つけて」



    クリスタ「そうなんだ!でも、けっこうな列だよね…私達の所でも…まだまだ先は長いし…」



    ユミル「まっ!クリスタと居れるから別にいいけどな」



    エレン「意外だなアニも居るなんて」



    アニ「私は行かないって言ったのに…」



    クリスタ「えっ!?アニも行きたいって言ってたじゃん!!」

  57. 59 : : 2014/10/07(火) 12:33:10



    アルミン「そこで提案なんだけど…」



    「?」



    クリスタ、ユミル、アニの3人が同じ表情を作る。クエスチョンマークが顔に浮かび上がっている。



    アルミン「けっこうな前に…ジャンとか、ライナー達が居るんだ。だから僕たちの分も頼んでみない?」



    クリスタ「えっ?ほんと!?」



    クリスタ「でも…それだと…悪いし…」



    アニ「それはいい提案だね」



    ユミル「私はどっちでもいいけどな」



    クリスタ「うぅぅ…じゃぁ…頼もっか!」



    少し考え込んだクリスタだったけど、賛成してくれた様だ。



    ミカサ「仲間が増えた」



    そんなRPGみたいな感じに言わなくても…と心の中で思ってみる。

  58. 60 : : 2014/10/07(火) 12:44:30


    ジャン「ったく。いつまで待たせんだよ」



    マルコ「まーまー…もう少しじゃないか」



    ライナー「ああ。大分進んできたな」



    ベルトルト「うん。もう少しだよ」



    マルコ「でも…そこまでして並んでる理由はあるの?僕はジャンに付いてきただけだけど…」



    ライナー「食べたかったからだ。それ以外にはないよな?ジャン、ベルトルト」



    ジャン「あ、ああ」



    ベルトルト「う、うん」



    ベルトルト「(アニにあげたいからなんて、言えない)」



    ジャン「(ミカサにやりてーからとか言えねー)」



    ライナー「(クリスタの為にだが…言えんな)」
  59. 61 : : 2014/10/07(火) 13:40:25


    アルミン「ジャーーン!ライナー!」



    エレン「おーーい」



    ジャン「なっ!?アルミン!?」



    ライナー「アルミンとエレンか…どうした…って」



    ベルトルト「う、後ろに…あれ?何か皆いる…?」



    ユミル「あ?居ちゃわりーか?」



    クリスタ「もう!ユミル。言葉遣い!」



    アニ「…」



    ミカサ「ジャン達にお願いがある」



    ジャン「な、何だ?」

  60. 62 : : 2014/10/07(火) 13:54:05



    ミカサ「私達、皆の分のパンをお願いしたい」



    ジャン「も、勿論いいぜ!」



    ライナー「ああ。何なら皆分おごってやろうか?」



    兄貴肌のライナーがそう言ってくる。おごってもらうのは悪いけど…ライナーもきっと皆の兄貴分として、言った一言。メンツを潰すのはやっぱり悪いし…ここは。



    アルミン「ありがとう!お言葉に甘えるよ!」



    エレン「まじか…悪いな」



    アニ「やったー(棒)」



    ユミル「さっすがライナー。かっこいー(棒)」



    クリスタ「で、でも…やっぱり悪いよ…」



    ライナー「(全員分はきついが…クリスタに良いところを見せたい!)」



    ライナー「気にするな…こういう時は男に花を持たせてやるのが礼儀ってもんだ」



    クリスタ「そうなの?アルミン」コソコソ



    アルミン「よく分からないけどここはライナーを信じよう」コソコソ



    クリスタ「あ!ありがと!」ニコッ



    ライナー「お、おう(ごっふぉぉぉう!?破壊力抜群!)」

  61. 63 : : 2014/10/07(火) 20:07:32


    ジャン「じゃー…俺らも…」



    ライナー「お前らは…!」



    アルミン「…」ジーー



    ライナー「も、勿論任せとけ」



    ベルトルト「ありがとライナー」



    マルコ「ありがとう!」



    ジャン「へっ、悪いな」



    ライナー「だが…一人じゃあきつい…誰か付いてきてくれ」



    ユミル「やっぱ任せるからにはセンスあるパンがいいな」



    アニ「同感」



    ライナー「(くっ…それは何という難題…ここはセンスありそうな奴を連れていきたい…)」チラリ
  62. 64 : : 2014/10/07(火) 20:35:52


    エレン「?」



    ライナー「(どう考えてもエレンはないな)」



    ベルトルト「?」



    マルコ「?」



    ライナー「(この二人もないか?)」



    ジャン「…」



    アルミン「…?」



    ライナー「(残る二人はジャンにアルミン。この二人だろうなセンスありそうなのは…)」



    ライナー「(だが…性格で見れば…ここは…)」



    ライナー「アルミン…付いてきてもらってもいいか?」

  63. 65 : : 2014/10/07(火) 21:50:57



    ライナーに指名されて、少し驚く。



    アルミン「えっ!?僕!?」



    エレン「アルミン…頼むわ」



    ミカサ「私もアルミンに任せる」



    アニ「私も」



    ユミル「私もアルミンに頼もうかな」



    アルミン「じゃー!残りはライナーに任せるよ!」



    ライナー「分かった」

  64. 66 : : 2014/10/07(火) 21:56:16



    ――――――パン屋店内


    あれから少し待って遂に店内に入ることが出来た。



    アルミン「さて…と」ジーー



    入ってから、店内の綺麗さ。見慣れない豪華さに圧倒される。
    ミカサ達に頼まれたから下手な物を買っていく訳にはいかない。お金はライナー負担だけど。



    ライナー「うぅ~む」ジーー



    ライナーも真剣に選んでいるようだ。なかなか険しい表情をしている。



    ライナー「アルミン…決まったか?」



    アルミン「うーん…まだかな」



    二人して悩む。
    これは…責任重大だね…。

    エレンはいいとして…ミカサも多分大丈夫かな?

    問題はユミル。アニもかな?
    変なのを買っていったら何て言われるか分からない。下手すれば蹴られる。
    …。いや、蹴られるはないか。

  65. 67 : : 2014/10/07(火) 22:12:21



    ユミル「けっこうなげーな」



    ミカサ「私達は並んでないからだけど…アルミンとライナーは並んでからだから…しょうがない」



    エレン「どんなパンがくっかなー?」



    アニ「アルミンだから…きっとセンスあるのがくるに違いない」



    ユミル「言っちゃわりーが、ライナーよりはアルミンの方がセンスありそうだからな」



    クリスタ「まだ分からないよ!」



    ジャン「ライナーは俺らの兄貴。ライナーニキだ。きっと大丈夫だ!なぁ。ベルトルト」



    ベルトルト「う、うん」



    マルコ「そこははっきりうんって言いなよ」
  66. 68 : : 2014/10/07(火) 22:24:31



    「おーーーい!皆~!」



    エレン「お!来たみたいだぞ!」



    ユミル「やっと食えるのか」



    アルミン「ごめん!待たせちゃったね!」



    ライナー「すまん…」



    ユミル「大方…ライナーが時間かかったんだろ?」



    ライナー「うっ…」



    アルミン「僕もかかっちゃった…ごめんね」エヘヘ



    ミカサ「謝ることはない。皆の分を任せたのは私達だから…ありがとう」



    アルミン「ははは…どういたしまして」ペコッ



    アニ「それで…何買ってきたんだい?」

  67. 69 : : 2014/10/07(火) 22:33:11


    アルミンside


    アルミン「うん!僕はね…皆バラバラだと…喧嘩になるかなーって思って皆一緒のやつにしたんだ!」ドヤァ



    ミカサ「(アルミンのどや顔…久し振りに見た)」



    エレン「おおっ!!」



    アルミン「ってことで!これ!!」スッ



    アニ「これは…?」



    アルミン「薄くしたパンとパン!間に肉を挟んであるんだ!ハンバーガーって言うんだって!」



    エレン「おおおお!肉が食えるのか!?」



    アルミン「うん!あんまり肉を食べられる機会がないから…この方がいいかなって思って!」



    ユミル「さすがアルミン」



    ミカサ「肉…でも高かったんじゃない?」



    アルミン「まぁ…そこはライナーが…」



    アニ「ならいっか…」

  68. 70 : : 2014/10/07(火) 23:31:20



    「いっただきまーす!」



    パクッ!



    エレン「う…!」



    エレン「うんめぇぇぇぇ!!」



    ミカサ「これは…美味しい…!」



    アニ「…」パクパク



    ユミル「アニが無言で食べるってことは相当気に入ったな。まぁ…これは旨いな」



    アルミン「ははっ!喜んで貰えたなら光栄だよ!」



    皆が嬉しそうな表情を浮かべている。
    気に入って貰えたみたいで良かった良かった。

    皆の笑顔を見て、何だか心が晴れ晴れとした様な気がした。とか思ってみるけど、自分何言ってんだろ。



    ユミル「やっぱアルミンに任せて正解だったな」



    アルミン「いやぁ…でも!ら、ライナーも美味しそうなのを選んでたよ!!」

  69. 71 : : 2014/10/08(水) 06:03:19

    ライナーside



    ウメェェェェー!!



    ジャン「あっちはやけにうるせーな」



    ベルトルト「それほど美味しいのを選んできたみたいだね」



    マルコ「ライナーはどんなのにしたの?」



    クリスタ「気になる気になる!」キラキラ



    ライナー「俺のはな!パンとパンの間にハムやレタスを挟んだ…サンドイッチって言うやつにした!」



    ジャン「サンドイッチ…?」



    ライナー「ああ。見てみろこの、新鮮な素材で作られたサンドイッチを!」



    ベルトルト「お、美味しそうだ!」



    クリスタ「凄い!いつも食べてるパンと全然違うね!」



    マルコ「それじゃあ…!」

  70. 72 : : 2014/10/08(水) 06:03:39


    「いただきます!!」



    パクッ!!



    クリスタ「えっ!?美味しい!!」



    ベルトルト「うん!ほんとに美味しいね!」



    マルコ「この中身の相性が抜群すぎて凄い!」



    ジャン「ライナー…さすがだな!!」



    ライナー「お、おう!それなら良かった!」



    ライナー「(ほんとは何にするか決めれなくて…アルミンに助けを求めたんだがな…サンキュー。アルミン)」

  71. 73 : : 2014/10/08(水) 06:04:01



    ユミル「ん?あっちが騒がしいな。反響が良いってことか?」



    アニ「ほんとだね」



    ユミル「いや、あのライナーがそんなに反響が良い訳ない…きっとアルミンに助けを求めたんだろう」



    アルミン「…!」



    勘の鋭いユミルに驚きを隠せない。
    けれど、ここはライナーのメンツの為にも…僕は関与してない事にしよう。



    アルミン「ぼ、僕は何もしてないよ!ライナーが自分で選んだからね」



    ユミル「ふーん」ジーー



    ユミルの疑いの目に少し気圧されるが、ここは耐える。



    ユミル「まーいーけどよ」


  72. 74 : : 2014/10/08(水) 06:04:25



    それからは…大勢で行動するのも…大変だし、時間もそろそろいい感じになる。ということで、最初のメンバーに戻ることになった。



    アルミン「いやぁ…今日は楽しかったね!」



    エレン「おう!久し振りだったからな!」



    ミカサ「ええ。とても楽しかった」



    寮へと帰る道を歩きながら、僕らは今日の感想を言い合う。
    ほんとに楽しかったなぁ…。



    アルミン「また遊ぼうね」



    エレン「おう!当たり前だろ」



    ミカサ「また来よう」



    次の約束をして、嬉しくて頬がゆるむ。
    早く次の休日が来ないかなって思う。

  73. 75 : : 2014/10/08(水) 06:04:52



    話をしていると、もう寮の前に着いたみたいだ。

    楽しい時は時間が進むのが早いってよく言うけど、ほんとだと思う。



    ミカサ「今日はありがとう。服に髪留め」



    アルミン「いいって!ミカサに喜んで貰えたなら!」



    エレン「ああ。そうだな」



    ミカサ「それじゃあ…また明日」フリフリ



    ミカサが手を振りながらそう言う。



    アルミン「また明日」フリフリ



    エレン「おう!」フリフリ



    それに返して僕らも手を振る。


  74. 76 : : 2014/10/08(水) 13:56:04


    ――――――女子風呂



    カポーーン


    ミーナ「そういえば…今日アニ達は何処に行ってたの?」



    アニ「クリスタとユミルとパン屋に行ってた」



    ミーナ「えええー!最近噂の所じゃん!私も誘ってよ!」



    アニ「だってミーナ何処にいるか分からなかったから」



    クリスタ「美味しかったね!!」



    アニ「まあ…うん」



    ミーナ「後で一緒に行こうね!」



    アニ「はいはい」


  75. 77 : : 2014/10/08(水) 14:50:14


    クリスタ「所でさ…ミカサは今日どうだったの?」



    ミカサ「何が?」



    クリスタ「とぼけないでよ…!見たことない服に髪留め…!エレンとアルミンから貰ったんでしょ!」



    ミカサ「貰った」



    クリスタ「どっちが本命なの!?」ニヤニヤ



    ミカサ「!?」



    ユミル「クリスタはほんとそういうの好きだよな」



    ミーナ「えっ!?ミカサ二人とデートしてたの!?」



    ミカサ「で、デートではない。3人で出掛けていただけ」



    クリスタ「エレンはどうなの?」



    ミカサ「エレンは私にとっての家族」



    ミーナ「ふーん…家族って…どういうこと?」



    ミカサ「家族は家族知りたいのなら教えよう。ただ…あまり思い出したくはない」



    ユミル「(大分訳ありだな)」



    ユミル「あんまり…そこは詮索しない方がいいんじゃねーな?そういうの嫌う奴だっているしよ」


  76. 78 : : 2014/10/08(水) 14:50:40



    ミーナ「うん…それもそうだね」



    クリスタ「じゃあ!アルミンは?」



    アニ「…」



    ミカサ「アルミンは優しい人。それでいて…自分の信念は曲げない頑固な子。エレンも同じ」



    ミーナ「でも…アルミンって何だか…ひ弱じゃない?」



    ミカサ「アルミンはひ弱なんかではない!強い子。彼が一度でも相手に屈伏した姿は見たことがない!」ザパッ



    ミーナ「…そ、そうなんだ」



    クリスタ「(これは…もしかして…)」



    アニ「…」


  77. 79 : : 2014/10/08(水) 15:11:21


    ――――――男子寮



    アルミン「皆おやすみ~」



    僕は一日が終わり、いつもの様に布団に潜る。そして目を閉じて…眠りにつこうとする。



    ジャン「待てよ。アルミン、寝るにはまだはえーだろ?」



    ジャンがそう言ってくる。もう寝るにはいい時間帯なわだけどな。



    アルミン「何?」



    ジャン「ふっ…お前だけ気になる女を言ってねーじゃねーかよ」



    アルミン「あ…」



    ライナー「で。誰なんだよ?」



    いきなりライナーも入ってくる。



    アルミン「ぼ、僕は…」



    ここは正直に言うべきなのか?それともはぐらかすべきなのか?

    どうすればいいんだ。

  78. 80 : : 2014/10/08(水) 15:35:17



    エレン「なあ?気になる気になるって…どうなれば気になるって事になんだ?」



    ジャン「はあ?お前はバカか!?」



    エレン「だから教えろよ」



    ライナー「うーむ…そいつと居ると…胸が何かドキドキして、顔が紅くなったり。ソワソワしたり。ちょっとだけいつもと違く反応をとってしまったりとかじゃないか?」



    エレン「ふーん…」



    エレン「俺…アルミンの気になる人なら分かるかもな」



    アルミン「!?」



    ジャン「ほんとか!?」



    エレン「まっ…アルミンの口から聞けよ…合ってるか分かんねーし」



    アルミン「ぼ、僕は…まだ教えれない…」



    ジャン「何でだ?」

















    アルミン「この気持ちを届けるか届けないか…僕自身踏ん切りがつかないからー」
  79. 81 : : 2014/10/08(水) 15:37:01



    ――――――朝



    アルミン「…」ムクッ



    いつもと変わらず朝。目覚める。
    何だか…心がもやもやとする。
    昨日。ジャン達に攻め立てられ…結局言ってしまった。

    誰かとはまだ言ってないけど、気持ちは言った。



    多分…そのせいだろう。もやもやは。



    アルミン「…」パシャパシャ



    そんな自分の気持ちを整理出来ないまま、僕は顔を洗って眠気をとる。


  80. 82 : : 2014/10/08(水) 15:37:16



    ――――――廊下



    食堂への道を歩く。
    今日はエレンが珍しく早く、先に行ってしまった。

    ってのは嘘で…先に行っててと僕が言ったからなんだけどね。


    アニ「…」ピタッ



    アルミン「やあ…アニ。おはよう」



    すると廊下でアニとすれ違う。というよりはアニが立ち止まる。



    アニ「アルミン」



    アルミン「ん?何かな?」



    アニ「あんたは…それでいいの?」



    アニによく分からないことを唐突に言われる。
    いや。多分分かっている。

  81. 83 : : 2014/10/08(水) 15:37:38

    アルミン「それでって?」



    アニ「とぼけなくたっていいよ。あんたは…見すぎだから」



    アルミン「!」



    アニ「ミカサの事」



    やっぱり、その事か。
    でも…見すぎだってのは気付かなかったな。



    アルミン「み、ミカサがどうかしたの?」



    アニ「だから…とぼけなくていいって。あんたはミカサの事が好きなんだろう?」



    アルミン「さ、さあね…」カァァァ



    アニ「言葉とは裏腹に顔に出てるよ」



  82. 84 : : 2014/10/08(水) 15:37:54



    アニ「話を戻すよ…あんたはそれでいいの?」



    アルミン「…」



    アルミン「怖いんだ…」



    アニ「?」



    アルミン「この事を伝えて…エレンとミカサと今の関係が壊れてしまうのが…怖いんだ…」



    アニ「だから…伝えないの?」



    アルミン「僕は…エレンとミカサ。二人がお似合いだと思うよ」



    アニ「でも…好きなんだろ?」



    アルミン「うん…だから…悩んでるんだ…。この気持ちを届けるか届けないか」



    アニ「つまり、あんたはエレンとミカサとはこのままの関係を築きたい。けどミカサが好き。でもきっとミカサはエレンが好き。だから僕は…退こう」



    アルミン「…」

  83. 85 : : 2014/10/08(水) 15:39:09



    アニ「あんたさ…バカだね」



    アルミン「?」



    アニ「あんたがこの事を伝えて…失敗するか成功するかは別として…関係が壊れたりすると思う?」



    アニ「エレンやミカサがあんたから離れていくと思う?」



    アルミン「…」フルフル



    アニ「だろ?だったら…自分の気持ちを伝えて見た方がいいんじゃない?それに…気持ちを伝える事に意味があるんじゃない?」



    アルミン「ふふっ…あははははっ!!」



    アニ「!?」



    アルミン「そっか…それもそうだよね…!アニ!ありがとう!」



    アルミン「もうこうなったら当たって砕けろだ!僕は…気持ちを届けるよ!!」



    アニ「そう…頑張って」



    アルミン「アニって…何か恋愛をしてるって感じだね」



    アニ「別に、客観的に意見を言ったまでだよ」



    アルミン「アニって…実は結構優しいよね」



    アニ「いいから早く行きな」



    アルミン「うん!ありがとね!!」ダッ














    アニ「まったく…って…今は朝食の時間帯」



    アニ「あれ?今言うの?」



  84. 86 : : 2014/10/08(水) 15:39:25



    ――――――食堂



    バアーン!



    廊下からずっと走ってきたせいで…息が切れる。
    この様子から僕がどれだけ全力で走ったかが分かる。



    アルミン「はぁ…はぁ…はぁ……!!」



    エレン「お?アルミン…遅かったな」



    ミカサ「席は取ってある…早く食べよう」



    アルミン「ミカサァァ!」



    ミカサ「…?」ビクッ








    アルミン「僕が小さい頃。エレンしか友達が居なかった僕にミカサは優しく話し掛けてくれた!何度も僕をいじめっ子から助けてくれた!」








    アルミン「そんな強い君が…そして、優しい君が…。綺麗な黒髪で…美しい顔をした…君が…!」













    アルミン「僕は……誰よりも大好きです…!僕と…付き合ってください!!」






  85. 87 : : 2014/10/08(水) 15:39:43



    ミカサ「…」カァァァ



    エレン「ミカサ…どうなんだ?正直に言ってこいよ」



    ミカサ「…」ダッ



    エレン「ちょ…ミカサ!?」



    ジャン「ミカサ…待て!」ガシッ



    ジャン「?」



    マルコ「今追うのは…君じゃないよ」




    アルミン「ミカサ…!!待ってよ!」ダッ





    ライナー「アルミン…やるときはやるやつだな」



    ベルトルト「うん…でも…時間帯ミスじゃない?」



    エレン「(俺の予想は当たってたな)」


  86. 88 : : 2014/10/08(水) 15:40:05



    ミカサ「…」



    アルミン「ミカサ…ここに居たんだ」



    ミカサ「!」ビクッ



    アルミン「それで…返事を聞いてもいいかな?」



    ミカサ「私もアルミンの事が…好き」



    ミカサ「けれど…」



    アルミン「けれど?」



    ミカサ「エレンは家族。もしかしたら…アルミンよりエレンを優先してしまう事があるかもしれない…それでも…いいだろうか?」



    アルミン「うん。勿論。だって…ミカサにとっての家族の一番はエレン。恋人としての一番が僕って事でしょ?それなら大丈夫さ」



    ミカサ「そう。それなら…宜しくお願いします」ペコッ



    アルミン「こちらこそ…」ペコッ



    ミカサ「でも…場所は考えてほしい」



    アルミン「うっ…!それはごめん…言わずにはいられなくなって…」



    ミカサ「ふふ…でも…嬉しい。ありがとう//」カァァァ



    アルミン「うん…こっちもだよ//」カァァァ




    僕らは手をつないで、食堂へと戻っていった。


















    ――end――
  87. 89 : : 2014/10/08(水) 15:41:27


    いやぁ…これにて終わりです。
    予想より長くなってしまった(¨;)

    この話はシリーズ化して、他の人編も書きたいなぁと。

    次は後日談~で始めるかもです(..)


    ここまで読んでくれてありがとう!!
  88. 90 : : 2014/10/09(木) 01:20:33
    すごいよかったです!
  89. 91 : : 2014/10/09(木) 02:04:20
    >>aiさん
    そう言って貰えると嬉しいです!
    読んでくれてありがとうございます!!(..)
  90. 92 : : 2014/10/14(火) 21:27:18
    アニがアルミンの背中を押してくれるシーンが凄い好きです!!そしてアルミンが告白する時も格好良くて素敵です!!
    素敵な作品をありがとうございます♪
    続きの
    エレン「素直に思う事」も期待しています!!
    頑張ってください!!!
  91. 93 : : 2014/10/14(火) 21:47:49
    >>EreAniさん
    ありがとうございます!
    アニの背中を押すシーンは絶対に入れたいなって考えてたので☆
    幼馴染みとしての関係から恋人としての関係。その踏ん切りをアルミン一人でつけるのには厳しいかなぁと思って(..)


    次はエレン目線で頑張ります(..)




    ↓↓↓一応続き張っときます
    http://www.ssnote.net/archives/25516
  92. 94 : : 2023/08/31(木) 13:39:20
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
aniel1234

なぎさ(元アニ☆☆)

@aniel1234

この作品はシリーズ作品です

進撃!それぞれの恋 シリーズ

「進撃の巨人」カテゴリの人気記事
「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場