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進撃の巨人Another ――番外編―― 第14話 『ずっと傍に居る人』
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                  - 1 : : 2013/12/07(土) 20:04:08
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 進撃の巨人Another ――番外編―― 第14話
 
 
 ――Part 1――
 
 ――――前回までのあらすじ――――
 
 104期訓練兵「ユーク・トラス」には、1つの苦悩があった。そしてそれを乗り越えた
 彼にとって、何が大切なものなのか。少しずつ成長を繰り返してゆく――――
 
 ユークが6位へと陥落!更に3人との差を見せつけられ、益々気を落とす事に…
 
 アニはユークを元気づけようと躍起になり、想いを語る事でアプローチを仕掛けるも…
 
 そんな中、開催されたエレンの誕生日。決死のミカサの想いは、半分砕かれた!!――――
 
 
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 ――――
 ――
 
 
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                  - 2 : : 2013/12/07(土) 20:06:19
 ――――夜 女子寮――――
 アニ「Zzz」ベローン
 ミカサ「あっ、アニったらお腹を出して寝ている」
 アニ「Zzz」ベローン
 ミカサ「いくら暑いからと言って、何も掛けていないと風邪を引いてしまう」
 ミカサ「ので、少々失礼して」ササッ バサッ
 アニ「Zzz」キチーン
 
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                  - 3 : : 2013/12/07(土) 20:06:43
 ミカサ「…これでよし!」
 アニ「Zzz」スピーー
 ミカサ「アニはよく寝ている」ジーーッ
 アニ「うぅーん…」モゾモゾ
 ミカサ「(…ん?)」ジーーッ
 アニ「…ゆぅくぅぅ」ムニャムニャ
 
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                  - 4 : : 2013/12/07(土) 20:07:56
 ミカサ「ふふっ、可愛い寝言」ニコ
 アニ「Zzz」スースー
 ミカサ「……」ジーーッ
 アニ「…むにゃぁあ」スヤスヤ
 ミカサ「…堪能した」ホッコリ
 ミカサ「私も寝るとしよう」モゾモゾ
 
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                  - 5 : : 2013/12/07(土) 20:08:48
 ミカサ「今日も夢で、エレンに逢えますように」
 ミカサ「Zzz」スピーー
 アニ「うぅーん…」ゴロゴロ グチャグチャー
 アニ「Zzz」ベローン
 アニ「…くしゅん」ブルブル
 アニ「Zzz――――」
 
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                  - 6 : : 2013/12/07(土) 20:09:49
 ――――翌朝――――
 アニ「ごほっ、ごほっ」グスグス
 ミカサ「案の定、風邪を引いてしまったのね」
 アニ「『案の定』って?」ゴホゴホ
 ミカサ「昨晩、アニはお腹を出して寝てしまっていた」
 アニ「なんだ、直してくれたらよかったじゃないか」ズピズピ
 ミカサ「勿論、寝る前に直した」
 
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                  - 7 : : 2013/12/07(土) 20:10:28
 ミカサ「きっとアニが寝ている間に、また布団を蹴飛ばしたのだと思う」
 アニ「そうだったんだ。わざわざありがとね」ゴホゴホ
 ミカサ「…今日の訓練は、休んでいて」
 アニ「そうするよ」ズピズピ
 ミカサ「教官には伝えておくから、医務室に行って休んでいましょう」
 アニ「そうだね。皆に移すと悪いしね」
 
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                  - 8 : : 2013/12/07(土) 20:10:54
 ミカサ「では、行きましょう」
 ミカサ「朝食は後で、私が届けに行くから」
 アニ「面倒を掛けるね」
 ミカサ「それほどでもない」
 アニ「その前に着替えたいんだけど?」
 ミカサ「わかった。手伝おう」
 
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                  - 9 : : 2013/12/07(土) 20:12:30
 アニ「お願いね?」
 ミカサ「ええ、任せて」
 アニ「…でも」
 ミカサ「…?」
 アニ「また胸を触るのは、ダメだからね?」ジロッ
 (『――番外編―― 第8話』参照)
 ミカサ「そ、そんな事は、もう考えていない」アセアセ
 
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                  - 10 : : 2013/12/07(土) 20:13:01
 アニ「……」ジトーーッ
 ミカサ「あうっ、ほ、本当」キリッ
 アニ「まぁ、信じるよ」
 ミカサ「よかった」ホッ
 アニ「それじゃあ、そこの引き出しからテキトーに服を取ってくれない?」スッ
 ミカサ「ええ、わかった」
 
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                  - 11 : : 2013/12/07(土) 20:13:21
 アニ「よろしくね」
 ミカサ「少し待っていて」ガサゴソ
 アニ「(ミカサ、随分と素直になったね)」
 アニ「(そういえば、ミカサとはもう随分と、一緒に居るような気がする)」
 アニ「(特に関わりを持ったのは、最近だって言うのにね)」
 アニ「(私…このままでも…いいのかな?)」
 
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                  - 12 : : 2013/12/07(土) 20:13:44
 ミカサ「アニ、服を用意したので、着替えよう!」
 アニ「お願いするよ」
 ミカサ「ええ、では始める」テキパキ
 アニ「…妙に手馴れているね」
 ミカサ「え?そ、そ、そ、そんな事はない」キリッ
 アニ「ふぅーん」ジーーッ
 
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                  - 13 : : 2013/12/07(土) 20:15:09
 ミカサ「あぅぅ、そんな疑いの目を向けないで」シュン
 アニ「それより、早く着せてくれない?」
 ミカサ「そうだった!忘れるところだった」テキパキ
 アニ「…ありがとね、ミカサ」モゾモゾ
 ミカサ「…どういたしまして」テキパキ
 アニ「……」モゾモゾ
 
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                  - 14 : : 2013/12/07(土) 20:15:35
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 ミカサ「出来た!」パパーン
 アニ「それじゃあ、行こうか」
 ミカサ「ええ、肩に掴まっていて」
 アニ「そこまでよろよろじゃないよ」ヨロヨロ フラフラ
 ミカサ「ふふっ、言葉と様子が一致していない」クスッ
 アニ「…それじゃあ、頼むよ」
 
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                  - 15 : : 2013/12/07(土) 20:15:54
 ミカサ「お姫様抱っこでも、私は構わないけれど?」ニヤ
 アニ「…それは、遠慮しておくよ」
 ミカサ「そうね。アニがそれをしてほしい人は、既に決まっているもの」ニコ
 アニ「な、何の事だい?」プイ
 ミカサ「照れなくてもいい」
 アニ「て、照れてなんていないさ」プーイ
 
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                  - 16 : : 2013/12/07(土) 20:16:24
 ミカサ「頼めばきっと、彼は快くしてくれるはず」
 アニ「そんな事ないよ…だって私は…」ボソボソ
 ミカサ「どうかしたの、アニ?」ジッ
 アニ「な、何でもないさ!」アセアセ
 ミカサ「...?」
 アニ「ほら、アンタも朝食に遅れるよ?」
 
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                  - 17 : : 2013/12/07(土) 20:18:12
 ミカサ「そうね、それは大変」
 ミカサ「では、医務室に行きましょう、アニ」
 ミカサ「しっかり掴っていて」トコトコ
 アニ「すまないね」ガシッ トコトコ
 ミカサ「…友達だから」トコトコ
 アニ「…ありがとう」トコトコ
 
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                  - 18 : : 2013/12/07(土) 20:18:43
 ――――食堂――――
 ミカサ「皆、おはよう」
 エレン「おはよーさん」ノビーン
 ユーク「おはよう、ミカサ」
 ミカサ「ええ、ここに座ってもよいだろうか?」
 エレン「あぁ、いいぞ」
 ミカサ「ありがとう」スチャ
 
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                  - 19 : : 2013/12/07(土) 20:19:01
 ユーク「随分と遅かったね」
 ミカサ「ええ、ギリギリになってしまった」
 ユーク「……」キョロキョロ
 ミカサ「どうかしたの?」
 ユーク「…アニは?」ジーーッ
 ミカサ「実は、今朝の事なのだけれど――――」
 
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                  - 20 : : 2013/12/07(土) 20:19:32
 ――――――――
 ユーク「ふぅーん、アニは風邪を引いちゃったんだな」
 ミカサ「ええ、そう」モグモグ
 ユーク「原因がお腹出して寝ていたからだって?」
 ミカサ「その通り」
 ユーク「君が寝る前に直したけど、朝にはまた『元の状態』になっていたと?」
 ミカサ「私の注意が足りなかった」
 
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                  - 21 : : 2013/12/07(土) 20:20:03
 ミカサ「ので、謝る。ごめんなさい」ペコリ
 ユーク「いや、違うよ、ミカサ」フルフル
 ユーク「…ありがとね」
 ミカサ「…?」ポカン
 ユーク「アニが風邪を引いたのは、やっぱりアニの所為だ」
 ユーク「だから、ミカサが責任を感じる必要はない」
 
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                  - 22 : : 2013/12/07(土) 20:20:36
 ミカサ「今日はアニに対して冷たいのね、ユーク」
 ユーク「だって…ねぇ」
 ミカサ「...?」
 ユーク「悪いけど、ここじゃ言いにくい事だから…さ?」チラ
 ミカサ「なるほど、承知した」
 ユーク「今日の予定は、対人格闘と座学だったよね?」
 
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                  - 23 : : 2013/12/07(土) 20:20:51
 ミカサ「ええ、そう」
 ユーク「それじゃあ対人格闘は、俺と組んでくれ」
 ユーク「話の機会を設けよう」
 ミカサ「わかった。よろしく」
 ユーク「それじゃあ、君が食べ終わるまで待とうか」
 ミカサ「先に行っていてもいい」
 
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                  - 24 : : 2013/12/07(土) 20:21:28
 ユーク「女の子に対して、そう言うわけにはいかないよ」
 ユーク「ね、エレン?」チラ
 エレン「Zzz」
 ユーク「あれ?寝ているや」
 ミカサ「エレンも疲れているのだろうか?」
 ユーク「最近暑いから、寝ている間にも体力が奪われているんだろうな」
 
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                  - 25 : : 2013/12/07(土) 20:22:01
 ミカサ「貴方も注意して?」
 ユーク「ありがとう、でもミカサもだよ?」
 ミカサ「どうして?」
 ユーク「君はアニの着替えを手伝ってくれたんだろ?」
 ミカサ「ええ、そう言った」
 ユーク「だから、一番アニに接触していたわけだからさ」
 
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                  - 26 : : 2013/12/07(土) 20:22:16
 ミカサ「なるほど、理解した」
 ユーク「アニは嫌がっていたかい?」
 ミカサ「いいえ、素直に応じてくれた」
 ユーク「そうか。聞けて良かったよ」
 ミカサ「でも…」
 ユーク「『でも』?」
 
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                  - 27 : : 2013/12/07(土) 20:23:08
 ミカサ「アニは身体を触られる事に警戒していた」
 ユーク「(どきりっ!!)」ピク
 ミカサ「ん?どうかしたの?」
 ユーク「い、いや…何でもないんだ」ドキドキ
 ミカサ「(変なユーク…)」ジーーッ
 ユーク「(この前の“あの出来事”を…思い出してしまった)」ドキドキ
 (『――番外編―― 第13話』参照)
 
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                  - 28 : : 2013/12/07(土) 20:23:53
 ミカサ「やはり、アニは嫌なのだろうか?」
 ユーク「それは君が以前、そういう事をしたからだろう?」
 (『――番外編―― 第8話』参照)
 ユーク「やっぱり原因は、その事に尽きているよ」
 ミカサ「そうなのだろうか」シュン
 ユーク「アニの態度は、どうだった?」
 ミカサ「言うほど、怖い印象ではなかった」
 
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                  - 29 : : 2013/12/07(土) 20:25:32
 ミカサ「寧ろ、軽い注意程度に感じた」
 ユーク「なら、きっとミカサは、アニに信用されているさ」ニコ
 ミカサ「本当だろうか?」パァァ
 ユーク「自信を持っていいよ?」
 ユーク「アニは信用した人にしか、そういった冗談を交えないからさ」
 ミカサ「ユークは、本当にアニの事をよく分かっている」
 
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                  - 30 : : 2013/12/07(土) 20:26:18
 ユーク「そうかな?」
 ミカサ「ええ、きっとそう」ニコ
 ユーク「(本当に…そうなのだろうか…?)」
 ミカサ「食べ終わった。行きましょう…」ガタッ
 ユーク「そうだね、行こうか!」
 ミカサ「…っと、いけない」
 
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                  - 31 : : 2013/12/07(土) 20:26:41
 ミカサ「忘れるところだった」
 ユーク「何を?」
 ミカサ「アニにご飯を持って行くことになっていた」
 ユーク「俺も付き添おうか?」
 ミカサ「…いいえ、今はいい」
 ユーク「今は?」
 
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                  - 32 : : 2013/12/07(土) 20:27:37
 ミカサ「訓練が終わったら、お見舞いに行きましょう!」
 ユーク「わかったよ」
 ミカサ「それじゃあ、私はご飯を届けてくる」
 ミカサ「ので、貴方は先に訓練場へ行って、待っていて」
 ユーク「よろしくね、ミカサ」
 ミカサ「ええ、ではまた」スクッ
 
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                  - 33 : : 2013/12/07(土) 20:28:00
 スタスタ トコトコ
 ユーク「ほら、エレン」ユサユサ
 エレン「お、おぉ、なんだぁ、ユーク?」ウトウト
 ユーク「訓練場に行くぞ?」
 エレン「おぉ、そうだなぁ」
 ユーク「ちゃんと目を覚ましていないと、怪我しても知らないぞ?」
 エレン「悪い、悪い!目も覚めたよ」パンッパンッ
 
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                  - 34 : : 2013/12/07(土) 20:28:37
 ユーク「ミカサは、少し遅れて来るからさ」
 ユーク「俺達は、先に行っていよう!」
 エレン「わかった!頑張ろうぜ!!」
 ユーク「生憎、アニは風邪を引いているから」
 ユーク「今日のエレンは、ミカサ以外の相手を探してくれよ?」
 エレン「そうなのか、残念だな」
 
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                  - 35 : : 2013/12/07(土) 20:32:17
 ユーク「ミカサの相手は、俺が務めるからさ」
 エレン「あいつの事をよろしくな、ユーク!」ニッ
 ユーク「あぁ、任せておけ…?」ポカン
 エレン「(やっぱミカサには、ユークがお似合いかもな!)」
 ユーク「…?」
 エレン「ほら、遅れるぞ?」スクッ
 
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                  - 36 : : 2013/12/07(土) 20:32:38
 ユーク「あぁ、そう…だな?」スクッ
 エレン「よっしゃあ!今日も頑張るぞぉ!!」タッタッタ
 ユーク「……」タッタッタ
 ユーク「(…なんか今の会話…腑に落ちない)」モヤモヤ
 ユーク「(でも…それより)」
 ユーク「(アニ、元気でいてね?――――)」
 
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                  - 37 : : 2013/12/07(土) 20:33:15
 ここでPart1はおわり
 明日は、まだどちらかは未定
 
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                  - 38 : : 2013/12/08(日) 19:41:35
 ――Part 2――
 ――――午前 対人格闘訓練――――
 ユーク「それじゃあ、そのまま相手をお願いね?」
 ミカサ「ええ、この訓練では談話が出来るので便利」
 ユーク「一種の羽休めといったところか」
 ミカサ「それで、貴方は何の話をしたいの?」
 ユーク「朝は時間がなくて、話せない事もあったしね」
 ミカサ「…?」
 
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                  - 39 : : 2013/12/08(日) 19:42:01
 ユーク「どうしたの?」
 ミカサ「貴方はさっき、『ここでは話せない事』と言った」
 ミカサ「その話は、どこへいったのだろうか?」
 ユーク「ありゃ、鋭いね」
 ミカサ「それで、その話とは?」ジッ
 ユーク「アニの事だよ」
 
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                  - 40 : : 2013/12/08(日) 19:42:28
 ミカサ「それは…何となくわかっていたけれど」
 ユーク「アニはね…昔からよく布団を蹴飛ばす癖があったんだよ」
 ミカサ「そうだったの」
 ユーク「だから開拓地に居た時も、夜中に必ず1度は毛布を掛け直してあげていたものさ」
 ミカサ「ふふっ、アニは寝相が悪かったのね」クスリ
 ユーク「ベルトルト程じゃないけどな」
 
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                  - 41 : : 2013/12/08(日) 19:42:55
 ミカサ「え?どうしてベルトルトが出てくるの?」ポカーン
 ユーク「あっ!いやっ、そうじゃなくて…」アセアセ
 ミカサ「...?」
 ユーク「ここへ来てからは、あいつと同室だからさ」
 ユーク「どうしてもあいつの寝相の悪さは、気にせずにはいられなかったって事だよ」
 ミカサ「そうだったの」
 
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                  - 42 : : 2013/12/08(日) 19:44:04
 ユーク「そうそう!」ドキドキ
 ミカサ「確かに、彼の寝相の悪さの話は、こちらにも伝わっている」クスリ
 ユーク「女の子達にも?」
 ミカサ「ええ、その通り」
 ユーク「どんな風に?」
 ミカサ「何でも、彼の寝相で天気を予想できるだとか」
 
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                  - 43 : : 2013/12/08(日) 19:45:25
 ユーク「まぁ実際に、的中率は高いんだけどね」
 ミカサ「便利ね」クスッ
 ユーク「あぁ、ベルトルト占い様様だよ」ハハハ
 ミカサ「ふふっ」クスリ
 ユーク「(危なかった…俺は馬鹿か!!)」
 ユーク「(途中から、何とかして話を天気予報に逸らしたけど...)」
 
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                  - 44 : : 2013/12/08(日) 19:46:40
 ユーク「(こういう凡ミスをしている様じゃあ…先が思いやられるな)」ハァ
 ミカサ「溜息ついてどうしたの?」ジッ
 ユーク「大した事じゃないさ」
 ミカサ「そう」
 ユーク「それより、話を戻そうか」
 ミカサ「ええ、確かアニの寝相が悪いという話だったはず」
 
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                  - 45 : : 2013/12/08(日) 19:48:09
 ユーク「そうなんだよね」
 ユーク「(ミカサの注意をベルトルトから逸らす為にも…)」
 ユーク「(もう、あの話をしてミカサの注意を惹きつけるしかないか…)」
 ユーク「夜、膝枕をしてあげて『いた』時も、しばしば毛布を蹴り飛ばしていてね」
 ユーク「大体、その度に直してあげていたんだよ」
 ミカサ「膝枕をしてあげて『いる』のは、見ていたから知っている」
 
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                  - 46 : : 2013/12/08(日) 19:49:18
 ミカサ「けれど、アニが寝ているというのは、初耳だった」
 ユーク「(よし!食いついたな)」
 ユーク「(恥ずかしいけど、もう少し情報を与えておくか)」
 ユーク「まぁね。膝枕をしてあげていると、アニがよく寝ちゃうんだよ」
 ミカサ「そうね。貴方の膝枕は、安心感を覚えるから」クスリ
 ユーク「そうだったの?」
 
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                  - 47 : : 2013/12/08(日) 19:49:41
 ミカサ「ええ、この前にしてもらった時、眠たくなったのもその為」
 (『――番外編―― 第13話』参照)
 ユーク「それは、俺も初耳だったかも」
 ミカサ「アニは貴方に頼めば、いつでもしてもらえるみたいで羨ましい」
 ユーク「君は以後、エレンに頼みなよ?」
 ミカサ「私もそう思っていたのだけれど」
 (『――番外編―― 第2話』参照)
 ミカサ「頼んでも、中々してくれない」
 
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                  - 48 : : 2013/12/08(日) 19:50:32
 ミカサ「道は遠い」シュン
 ユーク「今度、俺がエレンに頼んでおくよ」
 ミカサ「本当に?」パァァ
 ユーク「まぁ、期待していて?」
 ミカサ「ありがとう!嬉しい!!」ギュ
 ユーク「ほら、またそうやって手を握る」ヤレヤレ
 
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                  - 49 : : 2013/12/08(日) 19:51:05
 ミカサ「おっと、いけない、いけない」パッ
 ユーク「その癖も、少しずつ直そうね?」
 ミカサ「ええ、わかっている」
 ユーク「…もう、午前も終わりそうだね」
 ミカサ「話していると、あっという間だった気がする」
 ユーク「時間の流れなんて、そういうものだよ」
 
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                  - 50 : : 2013/12/08(日) 19:51:20
 ミカサ「そうね。楽しい時間は、すぐに過ぎ去ってしまう」
 ユーク「ミカサは、俺と話していて楽しいのかい?」
 ミカサ「ええ、とても」ニコ
 ユーク「エレンと話すよりも?」
 ミカサ「ユーク、今はそういう無粋な事は、言わないで?」
 ユーク「…ごめん、失礼だった」ペコリ
 
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                  - 51 : : 2013/12/08(日) 19:51:47
 ミカサ「勿論、エレンが一番っ!!」キリッ
 ユーク「っていう流れだと思ったよ!」クッ
 ミカサ「ふふふ、貴方もまだまだ」ニヤニヤ
 ユーク「くっそぅ、下手に出ていれば…」グヌヌ
 ミカサ「ふふふ」ニマニマ
 ユーク「ぐぬぬ」
 
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                  - 52 : : 2013/12/08(日) 19:52:12
 ミカサ「…でも」
 ユーク「ん?」
 ミカサ「貴方と話していて、楽しいというのは本当」
 ユーク「…ありがとう」
 ミカサ「願わくは、アニもエレンも一緒に居られる事が一番幸せ」
 ユーク「…とても嬉しいよ」
 
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                  - 53 : : 2013/12/08(日) 19:53:28
 ユーク「俺も…きっとアニもね」ニコ
 ミカサ「ええ、これからも私達と仲良くしてほしい」ニコ
 ユーク「俺達からも、宜しく頼むよ」
 ユーク「(いずれ訪れる“その時”までの、ささやかな時間の間だけでも…)」
 ミカサ「ユーク、最後にストレッチをしましょう!」
 ユーク「そうだね。身体の調整をしないと!」
 
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                  - 54 : : 2013/12/08(日) 19:53:54
 ――――――――
 ミカサ「それじゃあ、もうこの訓練も終わった」
 ミカサ「ので、お昼を食べて、アニにご飯を持って行きましょう」
 ユーク「今度は、俺も着いて行っていいかい?」
 ミカサ「ええ、朝は時間がなかったので、断ったけれど」
 ミカサ「お昼は時間に余裕がある」
 ミカサ「ので、行きましょう!」ニコ
 
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                  - 55 : : 2013/12/08(日) 19:54:25
 ユーク「アニ、大丈夫かな?」
 ミカサ「それほど、熱が高かったわけでもなかった」
 ミカサ「ので、安静にしていれば、きっと大丈夫」
 ユーク「少し、急ごうか」
 ミカサ「ええ、アニと居られる時間が、無くなるものね?」ニヤリ
 ユーク「今は、何も言い返せないな」
 
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                  - 56 : : 2013/12/08(日) 19:54:45
 ミカサ「もっと素直になってもいい」
 ユーク「俺は素直さ」
 ミカサ「着替えを手伝わせてくれたアニは、随分と素直だった」
 ユーク「アニも俺も、君の所為で変わってしまったんだよ?」
 ミカサ「それは、前にも聞いた事がある」
 (『――番外編―― 第12話』参照)
 ユーク「その時は、アニをおぶっていたね」
 
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                  - 57 : : 2013/12/08(日) 19:55:16
 ミカサ「ええ、アニはお姫様だった」
 ユーク「…俺達は、君の影響を受け過ぎたみたいだ」
 ミカサ「それは…いい傾向?」
 ユーク「そうだね…きっといいんだろうな」
 ミカサ「…ユーク?」ジッ
 ユーク「それじゃあ、ミカサ、行こうか!」タッタッタ
 
- 
                  - 58 : : 2013/12/08(日) 19:57:43
 ミカサ「あっ、待って!…ふふっ」クスリ
 ユーク「(アニ、待っていて!)」タッタッタ
 ユーク「(今からご飯を持って行くからさ!)」
 ミカサ「(アニ、ユークが今からお見舞いに行く)」タッタッタ
 ミカサ「(ので、今から楽しみに待っていて?)」
 ミカサ「(…と、私の中で思っていても、アニはその事を知らないけれど――――)」クスス
 
- 
                  - 59 : : 2013/12/08(日) 20:00:26
 ――――医務室――――
 コンコンコン
 アニ「はい、どうぞ」
 ガチャ バタン
 ミカサ「アニ、お昼ご飯を持って来た」
 アニ「あぁ、またすまないね」ゴホゴホ
 ミカサ「当たり前の事」
 ミカサ「アニは、安静にしていて」
 アニ「それじゃあ、そこに置いておいてくれないかい?」ズズズ
 
- 
                  - 60 : : 2013/12/08(日) 20:00:49
 ミカサ「食欲がないの?」
 アニ「後で食べるからさ」
 ミカサ「それじゃあ、朝の配膳は回収する」
 アニ「そこに置いてあるよ」
 ミカサ「それじゃあ、それを持って行くのはお願い、ユーク」
 アニ「え?ユークも居るの?」ドキリ
 
- 
                  - 61 : : 2013/12/08(日) 20:01:33
 ユーク「アニ、大丈夫?」ヒョコッ
 アニ「あ、う、うん…大丈夫さ」ニコ
 ユーク「そう、よかった」ニコ
 ミカサ「……」ニヤニヤ
 ユーク「何だい、ミカサ?」チラ
 ミカサ「いいえ、何でも?」ニマニマ
 
- 
                  - 62 : : 2013/12/08(日) 20:02:41
 ユーク「それじゃあ、これは帰りに持っていくからね?」
 アニ「うん。アンタにも世話を掛けるね?」
 ユーク「アニは今、自分の事だけ気にしてなよ?」
 アニ「ありがと」
 ミカサ「では、私は退散しようか」ソソクサ
 ユーク「まぁ、待ちなよ」ガシッ
 
- 
                  - 63 : : 2013/12/08(日) 20:03:06
 アニ「あっ!」
 ユーク「ん?」
 アニ「な、何でも…ない」ソワソワ
 ユーク「…?」チラ
 ミカサ「...?」チラ
 アニ「…むぅ」ソワソワ
 
- 
                  - 64 : : 2013/12/08(日) 20:03:28
 ミカサ「ユーク、そろそろ手を放して」ジタバタ
 ユーク「そうだね、ごめん」パッ
 アニ「……」ホッ
 ミカサ「...?」
 アニ「そ、それでアンタ達は、この後どうするの?」
 ミカサ「とりあえず、午後の座学が始まるまでの間は、ここに居て話し相手をしようと思う」
 
- 
                  - 65 : : 2013/12/08(日) 20:04:06
 ユーク「他に何か、注文はあるかい?」
 アニ「今の所、頼みたい事はないよ。ありがとね」
 ユーク「そう」
 ミカサ「午後の座学だけれど」
 アニ「あっ、そうか。ノートが…」
 ユーク「それは、俺の専売特許だろ?」
 
- 
                  - 66 : : 2013/12/08(日) 20:04:28
 ユーク「アニの分は、任せておいて?」
 アニ「ありがとう、頼むよ」ニコ
 ユーク「(どきりっ!!)」ピクッ
 ユーク「あ、あぁ…ちゃんとやっておくよ」フイ ドキドキ
 アニ「...?」
 ミカサ「にまにま」
 
- 
                  - 67 : : 2013/12/08(日) 20:05:06
 ユーク「こら、ミカサ。口に出ているよ?」
 ミカサ「おっと、失敬、失敬」ニヤニヤ
 アニ「表情に出していれば、いいってものでもないからね?」
 ミカサ「では、どうすればいい?」
 ユーク「初めから、そういう下心はなくしたらどうだい?」
 ミカサ「いや」キッパリ
 
- 
                  - 68 : : 2013/12/08(日) 20:05:50
 アニ「即答だね」
 ミカサ「そんな事では、貴方達を見ていても楽しめない」ニマニマ
 ユーク「君は本当に…」ハァ
 アニ「自由奔放だね」ハァ
 ミカサ「2人して、同時に溜息とは…」
 ミカサ「まさに以心伝心」ニマニマ
 
- 
                  - 69 : : 2013/12/08(日) 20:06:30
 アニ「ほら、話が終わったなら、さっさと戻りな」フイ
 ユーク「おっと、その前に」ササッ
 アニ「…?」
 ユーク「水タオルを代えないとね?」テキパキ
 アニ「いいって、自分でやるからさ」
 ユーク「病人は寝ているのが一番だよ?」サッ
 
- 
                  - 70 : : 2013/12/08(日) 20:08:05
 アニ「んっ…ありがと、気持ちいいよ」
 ユーク「それじゃあ、また後で来るよ」
 ミカサ「アニもユークが来てくれて、寂しくなくなったはず」
 ミカサ「またお見舞いに来るまでの間、そのユークの温かさを感じて、大人しく待っていて」
 ユーク「タオルは冷たいけどね」
 アニ「そんな茶番は要らないよ、全く」クスリ
 
- 
                  - 71 : : 2013/12/08(日) 20:09:01
 ミカサ「アニも気が紛れて、少し元気になったよう」
 ユーク「そうだね、来た甲斐があったよ」
 アニ「ありがとね」
 ミカサ「ええ。それじゃあ、ユーク、行きましょう」
 ユーク「ばいばい、アニ!」フリフリ
 アニ「ばいばい」
 
- 
                  - 72 : : 2013/12/08(日) 20:09:20
 ガチャ バタン
 アニ「…とても温かいよ、ユーク」
 アニ「ありがと」ニコ
 アニ「(また、眠たくなってきた…)」ウトウト
 アニ「(2人が来てくれたおかげで…安心したよ)」
 アニ「(また…来てほしいな…)」ウトウト
 アニ「Zzz――――」スピーー
 
- 
                  - 73 : : 2013/12/08(日) 20:10:17
 Part2おわりです。
 
- 
                  - 74 : : 2013/12/09(月) 19:54:04
- やっっっと追いついたー!!!
 一週間前からずっと見ててこれ以外のss全然見れてないww
 
- 
                  - 75 : : 2013/12/09(月) 23:42:48
 ――Part 3――
 ――――教室――――
 ユーク「それじゃあ、午後の座学を受けに行こうか」
 ミカサ「ええ、また隣をお願い」
 ユーク「そうだね。筆談でもして、話をしていようか」
 ミカサ「でもノートを取るのを怠ってはダメ」
 ユーク「その辺は抜かりないから、心配ご無用!」
 ミカサ「ふふっ、アニと話が出来て、貴方も元気になったみたい」ニコ
 
- 
                  - 76 : : 2013/12/09(月) 23:43:14
 ユーク「…ばれていたか」ニコ
 ミカサ「貴方も寂しかったの?」ジッ
 ユーク「…そうだね」
 ユーク「半日会えないだけでも、これ程寂しい思いをするとはね」
 ユーク「最近の俺は…少しおかしいのかもね」
 ミカサ「そんな事はない」
 
- 
                  - 77 : : 2013/12/09(月) 23:44:37
 ミカサ「それは、きっと貴方がアニを大切に想っているという事の、何よりの証拠」
 ミカサ「ので、もっと自信を持って!」
 ユーク「ありがとう…でもね、やっぱりアニは家族のような存在だからさ」
 ユーク「ミカサが考えているような関係には…多分なれないんだよ」
 ユーク「(例えアニが…そう望んでいたとしても…ね)」
 ミカサ「(ユーク…)」ジッ
 
- 
                  - 78 : : 2013/12/09(月) 23:47:21
 ユーク「さっ!どこに座ろうか?」キョロキョロ
 ミカサ「筆談する事を初めから目的とするならば、後ろの方がいいかも」
 ユーク「あっちに丁度、2つ席が空いているね」スッ
 ミカサ「ええ、エレンには申し訳ないけれど、今日は貴方と座る目的がある」
 ミカサ「ので、エレンの隣は諦める」クッ
 ユーク「……」チラ
 
- 
                  - 79 : : 2013/12/09(月) 23:47:43
 ユーク「ここで残念なお知らせがあるんだけど…」シンミリ
 ミカサ「何?」
 ユーク「そのエレンの両隣は、既に埋まっているよ?」
 ミカサ「え?」
 ユーク「あっちを見て」スッ
 ミカサ「『あっち』?」チラ
 
- 
                  - 80 : : 2013/12/09(月) 23:48:09
 ザワザワ ワイワイ
 エレン「今日の内容は、『巨人の生態について』だったよな?」ワクワク
 アルミン「もう、エレンは他の講義もちゃんと聞いていなよ?」
 ジャン「へっ、相変わらずの巨人馬鹿だな」
 エレン「なんだよ、いいじゃねぇか別に」プンプン
 アルミン「ほら、ジャンも言い過ぎだよ?」
 ジャン「ははっ、悪かったな」
 
- 
                  - 81 : : 2013/12/09(月) 23:48:26
 エレン「まぁ、良いけどよ」
 ジャン「それよりアルミン!また今度、外の世界の話をしてくれねぇか?」ワクワク
 エレン「俺も、俺も!!」ワクワク
 アルミン「それじゃあ、この前エレンがジャンから貰った本を読ませてくれないかい?」
 エレン「おっ!あの誕プレの本か?」
 (『――番外編―― 第13話』参照)
 アルミン「うん、あの時から気になっていたんだよ!!」ウキウキ
 
- 
                  - 82 : : 2013/12/09(月) 23:48:57
 ジャン「そうだな、よろしく頼むぜ!」ワクワク
 エレン「楽しみだなぁ」
 アルミン「それじゃあ、いつにしようか?」
 ジャン「そうだな、見つかるのも拙いし、俺がお前達の部屋に行くぜ!」
 エレン「よっしゃ、じゃあ後はいつ読むかだな!」ワクワク
 アルミン「それじゃあ、この日なんてどうかな?――――」
 
- 
                  - 83 : : 2013/12/09(月) 23:49:35
 ワイワイ キャッキャッ
 スゲースゲー ワクワク
 ミカサ「あぁ…エレぇン…」グスン
 ユーク「よしよし」ナデナデ
 ミカサ「うぅぅ…」グスグス
 ユーク「ほら、今日が“あれ”で都合が良かったじゃないか」
 ミカサ「でもぉ…」グスグス
 ユーク「今度は、ちゃんと早く来て」
 
- 
                  - 84 : : 2013/12/09(月) 23:50:05
 ユーク「席を確保しよう!ね?」
 ミカサ「…うん」スピッ ヒンッ
 ユーク「(エレンの事となると、途端に涙脆くなるなぁ、ミカサは…)」
 
- 
                  - 85 : : 2013/12/09(月) 23:50:47
 ――――講義中――――
 ユーク「ミカサ、ミカサ」ヒソヒソ
 ミカサ「何?」ヒソヒソ
 ユーク「......」カキカキ
 ミカサ「(なるほど、筆談)」
 ユーク「……」サッ
 ミカサ「(えーと、何だろうか?)」ジーーッ
 
- 
                  - 86 : : 2013/12/09(月) 23:51:29
 『アニにしてあげられる事って、何かないかな?』
 ユーク「……」チラ
 ミカサ「……」コクリ
 ユーク「(ミカサに伝わったかな?)」
 ミカサ「(なるほど、ユークはアニの事が、本当に心配だと見受けられる)」
 ミカサ「(…そうだ!)」
 ミカサ「……」カキカキ
 ミカサ「……」スッ
 ユーク「(えーと、何々…)」ジーーッ
 
- 
                  - 87 : : 2013/12/09(月) 23:52:34
 『膝枕!!』
 ユーク「……」チラ
 ミカサ「……」ニマニマ
 ユーク「(おい、真面目にやれ)」
 ミカサ「(恥ずかしがらなくてもいい。アニもきっと望んでいる)」ニヤニヤ
 ユーク「(全く、ミカサは…)」プンプン
 ユーク「……」カキカキ
 ユーク「……」スッ
 ミカサ「(さて、どういう返事が来ただろうか…)」ジーーッ
 
- 
                  - 88 : : 2013/12/09(月) 23:53:16
 『治らないだろ、それじゃあ』
 ミカサ「……」チラ
 ユーク「……」プンスカ!
 ミカサ「(全く、じれったい)」
 ユーク「(何か“早く治す”手段はないものかな?)」
 ミカサ「(でも、普通に考えて…)」
 ミカサ「……」カキカキ
 ミカサ「……」スッ
 ユーク「(えーと、次は何だって?)」ジーーッ
 
- 
                  - 89 : : 2013/12/09(月) 23:53:47
 『薬はもう飲んでいるはず。ので、余計な事はせずに、安静にさせておいた方がいい』
 ユーク「……」チラ
 ミカサ「……」コクリ
 ユーク「(まぁ、正論だよな)」
 ミカサ「(ユーク、焦ってはダメ)」
 ユーク「(俺は、何を急いでいたんだろうな?)」
 ユーク「……」カキカキ
 ユーク「……」スッ
 ミカサ「(ユークの反応は…)」ジーーッ
 
- 
                  - 90 : : 2013/12/09(月) 23:54:12
 『ありがとう、頭が冷えた』
 ミカサ「……」チラ
 ユーク「……」コクリ
 ミカサ「(そう、良かった)」
 ユーク「(じゃあ、やっぱり安定の膝枕か?)」
 ミカサ「(私達にできる事は、見守る事だけだから…)」
 ミカサ「……」カキカキ
 ミカサ「……」スッ
 ユーク「(今度は何だろう?)」ジーーッ
 
- 
                  - 91 : : 2013/12/09(月) 23:55:16
 『私達も焦らず、ゆっくり見守っていてあげましょう。それが何よりアニの為になる』
 ユーク「……」チラ
 ミカサ「……」コクリ
 ユーク「(ミカサの方が、よく分かっていたなんてね)」
 ミカサ「(ユークが焦る気持ちも、わからないでもない。これがエレンだったら、私も…)」
 ユーク「(お見舞いに行くのは、やっぱり夕食後かな?)」
 ユーク「……」カキカキ
 ユーク「……」スッ
 ミカサ「そろそろ終わりだろうか…)」ジーーッ
 
- 
                  - 92 : : 2013/12/09(月) 23:56:04
 『夕食を食べた後に、ご飯を持って行く?』
 ミカサ「……」チラ
 ユーク「……」コクリ
 ミカサ「(そうね、それが一番いいかも)」
 ユーク「(アニの傍に、居てあげたい)」
 ミカサ「(その方が、就寝時間までアニの傍に居てあげられるから…)」
 ミカサ「……」カキカキ
 ミカサ「……」スッ
 ユーク「(もう話す事もないかな?)」ジーーッ
 
- 
                  - 93 : : 2013/12/09(月) 23:56:22
 『そうしましょう。これでこの話も終わり』
 ユーク「……」チラ
 ミカサ「……」ニコ
 ユーク「(ありがとう、ミカサ)」
 ミカサ「(アニは、とても幸せ者)」
 ユーク「(そして、待っていてね、アニ)」
 ユーク「ありがとう、ミカサ」ヒソヒソ
 ミカサ「ええ」ニコ ヒソヒソ
 
- 
                  - 94 : : 2013/12/09(月) 23:56:58
 教官「――――であるからして、巨人の弱点の――――」
 ユーク「(不安事も消えたし、後はアニの為にノートを取る事に専念しよう!)」カキカキ
 ミカサ「(ユーク、安心した顔をしている)」
 ミカサ「(きっと不安が軽くなった為だろう。良かった)」ニコ
 ユーク「(アニ、もう少しだけ待っていてね――――)」カキカキ
 
- 
                  - 95 : : 2013/12/09(月) 23:58:25
 ――――講義終了後――――
 エレン「よっしゃ!おわったぁ!!」
 アルミン「お腹空いたね」グゥゥ
 ジャン「晩飯も一緒に食わねぇか」
 エレン「おっ!いいな、それ」
 アルミン「じゃあ、行こうか!」
 エレン「そうだな。ミカサはユークに世話になってるみたいだし」
 
- 
                  - 96 : : 2013/12/10(火) 00:00:37
 アルミン「ユークならミカサを任せられるね」
 ジャン「へっ、そうだな」チラ
 ホラ ミカサ イクヨ! スタスタ
 マッテ スコシ ネムイ ウトウト
 ジャン「(ミカサ…)」
 アルミン「(ジャン…)」
 エレン「(ユークになら、ミカサを“任せて”もいいかな?)」
 エレン「(いつ、『あいつ』と話をしようかな?――――)」
 
- 
                  - 97 : : 2013/12/10(火) 00:01:39
 ――――夕食後――――
 ミカサ「それでは、ユーク、行きましょう!」
 ユーク「うん、そうだな」
 ミカサ「今度は、貴方がアニに食べさせてあげたら?」ニヤ
 ユーク「それも…悪くないかもね」ハハッ
 ミカサ「…意外な反応」
 ユーク「え?」
 
- 
                  - 98 : : 2013/12/10(火) 00:02:00
 ミカサ「いつもなら、適当に反抗するところなのに」
 ユーク「…まぁ、それくらいならね」
 ミカサ「そういえば、以前にも貴方とアニは、自然と食べさせ合いをしていた」
 (『――番外編―― 第3話』参照)
 ミカサ「あれは、どうして?」
 ユーク「あぁ、あれね」
 ユーク「あれは…昔、した事があったからだよ」
 
- 
                  - 99 : : 2013/12/10(火) 00:03:05
 ミカサ「前にも、アニに食べさせてあげた事があったという事?」
 ユーク「そっ!開拓地時代にね」
 ミカサ「…そう」
 ユーク「あの時も、アニが風邪を引いた時だったんだ」
 ミカサ「そう…今回の様に?」
 ユーク「そう。今回の様に、お腹を出して寝ていてね」クスリ
 
- 
                  - 100 : : 2013/12/10(火) 00:03:56
 ミカサ「昔からそうだったのね、アニは」
 ユーク「だから午前にも、そう言ったでしょ?」
 ミカサ「そういえば、そうだった」
 ユーク「とまぁ、そんな事があってね」
 ユーク「初めはアニも恥ずかしがって、中々、口に入れてくれなかったんだけどさ」
 ユーク「暫くすると、おなかが空いたのが原因か、観念して食べてくれたんだよ」
 
- 
                  - 101 : : 2013/12/10(火) 00:04:57
 ミカサ「そう。アニは昔から可愛かったのね」
 ユーク「そっ!実は昔からあまり変わってないんだよ、アニは」
 ミカサ「貴方もまた…幸せ者ね」
 ユーク「…そうかもね」
 ユーク「アニとずっと、一緒に居られたからね」
 ユーク「不幸せなものか」
 
- 
                  - 102 : : 2013/12/10(火) 00:05:28
 ミカサ「それを聞けば、アニもきっと喜ぶはず」ニコ
 ユーク「いや、こんな恥ずかしい事は、本人には言わないよ?」
 ミカサ「じゃあ、私が…」ニヤニヤ
 ユーク「…言う時は、俺の口から言うからさ?」ジッ
 ミカサ「…わかった、言わないって約束する」
 ユーク「ありがと」
 
- 
                  - 103 : : 2013/12/10(火) 00:06:16
 ミカサ「ねぇ、ユーク」
 ユーク「ん?」
 ミカサ「その風邪を引いた後は、アニとは食べさせ合いはした事があるの?」
 ユーク「…偶にね」
 ミカサ「そう…偶に」ジッ
 ユーク「…君も頼めばいい」
 
- 
                  - 104 : : 2013/12/10(火) 00:07:04
 ミカサ「え!?」ドキリ
 ユーク「俺にアニを嗾《けしか》けた、“あの時”の様に」ジッ
 (『――番外編―― 第10話』参照)
 ミカサ「そ、それは…そのぉ///」モジモジ
 ユーク「何?自分の事となると殊更、恥ずかしがり屋なのかな、ミカサちゃんは?」ジトッ
 ミカサ「あ、あぅぅ…///」モジモジ
 ユーク「…からかってごめんね?」
 
- 
                  - 105 : : 2013/12/10(火) 00:09:01
 ミカサ「べ、別にいい…///」
 ユーク「それじゃあ、アニもきっと待っている事だろうし、行こうか!」
 ミカサ「ええ…行きましょう」
 ユーク「可愛いところあるんだな、ミカサも」チラ
 ミカサ「…どういう意味?」ジトーーッ
 ユーク「何でもないよーっと!!」タッタッタ
 
- 
                  - 106 : : 2013/12/10(火) 00:11:55
 Part3おわり
 実験が長引いて、気が付いたら23時
 それから帰宅して、なんとかノルマ達成!!
 これから帰宅途中に買って来た別マガ読んで、単行本もウソ予告を見て本編書けたら書いて、寝よう!!
 また明日!!
 それと、――相談所編――もよろしく!!
 
- 
                  - 107 : : 2013/12/10(火) 00:15:49
- >>74
 『追いついた』コメントは、常連さんのそれとは違った嬉しさを感じます
 シリーズで続けていて良かったと感じる瞬間でもあります
 
- 
                  - 108 : : 2013/12/10(火) 00:25:14
- 遅くまでお疲れ様です!
 明日も楽しみです(≧∇≦*)
 My.LoさんのSSを見るのが日課です
 最近ジャンが好きになってきた
 ので、名前を若干変えました(*・ω・)ノ
 
- 
                  - 109 : : 2013/12/10(火) 00:53:24
- >>108
 嬉しいです
 これからも頑張り続けますよ!
 
- 
                  - 110 : : 2013/12/10(火) 17:24:52
 ――Part 4――
 ――――医務室――――
 アニ「……」チラチラ
 アニ「(ユーク、まだかなぁ)」ソワソワ
 アニ「(あれ?私、『ユークまだかな』って思った?)」
 アニ「(ミカサが第一に看病してくれたんだから、そんな事を思ったら失礼だよね)」
 アニ「(…でも)」モンモン
 アニ「(ゆーくぅ…)」ソワソワ
 
- 
                  - 111 : : 2013/12/10(火) 17:28:14
 コンコンコン
 アニ「(あっ!来たかも!!)」ドキリ
 アニ「(冷静に、冷静に…)」スーハー
 アニ「はい、どうぞ」
 ガチャ バタン
 ミカサ「アニ、ご飯を持って来た」
 アニ「ありがと」ニコ
 アニ「(あれ?ユークは?)」ソワソワ
 
- 
                  - 112 : : 2013/12/10(火) 17:28:30
 ミカサ「ドアを叩いてから返事をするまで、時間が掛かっていたけれど、大丈夫?」
 アニ「ご、ごめん!少し寝ていたんだよ!!」アセアセ
 ミカサ「そう、顔色が少し良くなったようで、私も安心した」ニコ
 アニ「アンタのお陰だよ、ありがと」モジモジ
 ミカサ「どういたしまして」ニコ
 アニ「そ、それよりさ…」ソワソワ
 
- 
                  - 113 : : 2013/12/10(火) 17:28:58
 ミカサ「ん?」
 アニ「あいつは…いないの?」モジモジ
 ミカサ「『あいつ』…とは?」キョトン
 アニ「ユ、ユークの事だよ///」ドキドキ
 ミカサ「…その事については、申し訳ないけれど」
 アニ「え?」
 
- 
                  - 114 : : 2013/12/10(火) 17:29:30
 ミカサ「ユークは諸事情により、来られなくなって…」トオイメ
 アニ「え…あ、そ、そうなんだ…」シュン
 ミカサ「……」チラ
 アニ「……」ズーン
 ミカサ「……」
 アニ「……」ジワァ
 
- 
                  - 115 : : 2013/12/10(火) 17:29:55
 ミカサ「…ふふっ」プルプル
 アニ「え!?」ドキリ ウルウル
 ミカサ「ごめんなさい。もう堪えるのは…無理」プルプル
 アニ「え?どういう事?」
 ミカサ「アニ、安心して。ユークもちゃんと来ているから」ニコ
 アニ「え?どこに?」キョロキョロ
 
- 
                  - 116 : : 2013/12/10(火) 17:31:18
 ミカサ「ユークも入って来てくれて、構わない」チラ
 ユーク「いやぁ、まさか泣きそうになるとはね、意外だった」ヒョコッ
 アニ「ア、アンタ達、一体…」ワナワナ
 ミカサ「ごめんなさい、アニ」
 ミカサ「少し貴方をからかって、その可愛らしい反応を見たかっただけなの」
 ユーク「焦らしてしまって、ごめんね?」ナデナデ
 
- 
                  - 117 : : 2013/12/10(火) 17:31:44
 アニ「んっ…それで?」スリスリ
 ミカサ「とても可愛らしかった」ニマニマ
 ミカサ「そうでしょう、ユーク?」チラ
 ユーク「あぁ、可愛かったよ、アニ?」ニコ
 アニ「ア、アンタ…」ウルウル
 ユーク「でも、からかいが過ぎたようで…ごめんね?」ナデナデ
 
- 
                  - 118 : : 2013/12/10(火) 17:32:07
 アニ「撫でていれば…いいってもんじゃ…ないんだからね?」グスッ
 ユーク「…アニ」ダキッ
 アニ「あっ、ちょっと!ミカサが見ているしさ…」ドキドキ
 ユーク「いいさ、別に」ギュッ
 アニ「…もう、ユークの…ばかっ」ギューーッ
 ユーク「寂しい思いは、もうさせないから」ギュッ
 
- 
                  - 119 : : 2013/12/10(火) 17:32:36
 アニ「うん…うん」ギューーッ スリスリ スリスリ
 ミカサ「いやぁ、とてもいいものを見せて貰った」
 ミカサ「私もこれで満身創痍」
 ミカサ「ので、後は2人でごゆっくり…」ソソクサ
 ユーク「あっ!ミカサっ!!」グイ
 ミカサ「私は2度は、同じ手は食わない」サッ
 
- 
                  - 120 : : 2013/12/10(火) 17:32:56
 ミカサ「ので、さようなら」フリフリ
 アニ「ミカサ!」
 ミカサ「ユークが居れば、私は別にいなくても大丈夫だと思う」
 ミカサ「ので、アニはユークを頼ってあげて」
 アニ「違うよ、ミカサ」
 ミカサ「何?」
 
- 
                  - 121 : : 2013/12/10(火) 17:33:15
 アニ「…ありがとう」
 ミカサ「……!」
 ミカサ「そう。私も感謝してもらえて、嬉しい」ニコ
 ミカサ「それじゃ、ユーク。アニを宜しく」
 ユーク「お膳立てありがとね、ミカサ」ニコ
 ミカサ「ええ、少し強引だったけれど、掴みは上出来だった」
 
- 
                  - 122 : : 2013/12/10(火) 17:33:34
 ミカサ「ので、後は貴方達2人の時間」
 ミカサ「楽しんで?」ニコ
 ガチャ バタン
 ユーク「ミカサ、ありがとな」
 アニ「本当に…お節介な奴だよ」グスン
 ユーク「アニ…」ギュッ
 アニ「うん…ユークぅ」ギューーッ
 ユーク「それじゃあ、ご飯食べようか?」
 
- 
                  - 123 : : 2013/12/10(火) 17:34:25
 アニ「うん…それで…なんだけど…///」モジモジ
 ユーク「…わかったよ…久しぶりだもんね?」ナデナデ
 アニ「うん…お願いね?」スリスリ
 ユーク「それじゃあ、アニはこのまま起きていてね?」
 アニ「うん…」ドキドキ
 ユーク「じゃあ、いくよ?――――」
 
- 
                  - 124 : : 2013/12/10(火) 17:35:19
 ――――医務室の外――――
 ミカサ「…むふふ」ニヤリ
 ミカサ「(勿論、このまま帰るはずがない)」
 ミカサ「(折角、ここまでお膳立てしたのだから、報酬はきっちりと貰う)」キリッ
 ミカサ「(さぁて、これからの展開が楽しみ、楽しみ!!)」ワクワク
 ミカサ「(では!盗聴開始!!)」イザ!
 ミカサ「(ユーク、そしてアニ…頑張って!)」ジーーッ
 
- 
                  - 125 : : 2013/12/10(火) 17:35:59
 ――――医務室の中――――
 ユーク「ほら、アニ。あーん」スッ
 アニ「んっ」パク
 ユーク「食欲は、もうあるのかい?」
 アニ「うん…薬も飲んで、大分楽になったからさ」モグモグ
 ユーク「そっか、安心した」スッ
 アニ「んっ」パク
 
- 
                  - 126 : : 2013/12/10(火) 17:36:29
 アニ「アンタ達は、今日何をしていたの?」モグモグ
 ユーク「そうだな。じゃあ話の種をまいて、花を咲かせるとするかな」
 アニ「何だい、その気障な言い方?」クスリ
 ユーク「まぁ、聞きなって」ハハハ
 アニ「はいはい、それで?」ジッ
 ユーク「今日の座学で、エレンの両隣がさ――――」
 
- 
                  - 127 : : 2013/12/10(火) 17:36:55
 アニ「へぇ、それは面白い話だね」
 ユーク「だろ?ミカサも泣き出しちゃってさ」
 アニ「ふふっ、私もその場に居たかったよ」
 ユーク「エレンも全然だからなぁ」
 アニ「あの死に急ぎ鈍感野郎じゃあねぇ」クスクス
 ユーク「全くだ、ミカサぁ」ホロリ
 
- 
                  - 128 : : 2013/12/10(火) 17:37:27
 アニ「こら、心に留めておきな」クスリ
 ユーク「…アニも元気そうで、何よりだ」ニコ
 アニ「うん。アンタ達のお陰でね…」モジモジ
 ユーク「食べ終わったし、もう横になっていなよ?」
 アニ「うん。でも…」
 ユーク「ん?」
 
- 
                  - 129 : : 2013/12/10(火) 17:37:46
 アニ「私が寝るまで…話し相手に…なっていてよ?」ジッ
 ユーク「当たり前だろ?」
 アニ「それと…」
 ユーク「何だい?」
 アニ「手を…握っていてほしいんだ///」モジモジ
 ユーク「お安い御用さ」ギュッ
 
- 
                  - 130 : : 2013/12/10(火) 17:41:04
 アニ「んっ、ありがとう…///」テレテレ
 ユーク「アニが寝るまで、こうしているからさ」ギュッ
 アニ「うん…お願い」ジッ
 ユーク「(最近は、こういう事が多いね)」
 アニ「(優しいなぁ、ユーク)」
 アニ「(アンタだから、私は甘えたくなるんだよ…)」
 
- 
                  - 131 : : 2013/12/10(火) 17:41:14
 ユーク「(アニ、ずっと君の傍に居るからね?)」ギュッ
 アニ「(ユーク、ずっと私の傍に居てね?)」ジッ
 ユーク「それでさ、話の続きなんだけど…」
 アニ「そうだね。続きをお願い」
 ユーク「その後の夕食の時にね――――」
 アニ「ふふっ、面白い――――」
 
- 
                  - 132 : : 2013/12/10(火) 17:41:30
 ――――医務室の外――――
 ミカサ「(2人とも、いい雰囲気になってよかった)」
 ミカサ「(今この場には、もう私は必要ないだろう)」
 ミカサ「(私も今日は満足したし、寮へ戻ろう)」
 ミカサ「(きっとユークは一晩中、アニの傍を離れる事はないだろう)」
 ミカサ「(アルミンにユークの都合をつけてもらうよう、頼んでおこう)」
 ミカサ「(それじゃあ2人とも、おやすみなさい)」スタスタ
 
- 
                  - 133 : : 2013/12/10(火) 17:42:26
 ――――医務室の中――――
 アニ「Zzz」スースー
 ユーク「いつの間にか、寝ちゃった」
 ユーク「手を握っていたから、安心したのかな?」
 ユーク「アニ、君の傍に居られて、俺は幸せだよ?」
 アニ「Zzz」スピーー
 ユーク「でもね…まだ君を女の子として、好きになった訳ではないんだ」
 
- 
                  - 134 : : 2013/12/10(火) 17:43:03
 ユーク「それが…いつ訪れるのか」
 ユーク「はたまた…ずっとこのままなのかは…俺にもわからないけど…」
 ユーク「アニ…君を大切に想う気持ちは…ずっと変わらないからね?」
 アニ「Zzz…うぅーん」ニコニコ
 ユーク「俺の言葉に反応してくれたのかな?」ジッ
 ユーク「俺も…眠たくなってきた」ウトウト
 
- 
                  - 135 : : 2013/12/10(火) 17:44:06
 ユーク「でも、アニ。今日はずっと君の傍に居るからね?」ギュッ
 アニ「Zzz…ふふっ」ニコニコ
 ユーク「ゆっくりおやすみ、アニ」ニコ
 アニ「Zzz」
 ユーク「……」ウトウト
 ユーク「Zzz――――」ギューーッ
 
- 
                  - 136 : : 2013/12/10(火) 17:46:50
 ――――翌朝――――
 ミカサ「(もう朝になった)」
 ミカサ「(ので、2人を呼びに来た)」
 ミカサ「(果たして、どうなっているだろうか?)」
 ミカサ「(ユークが素直にアニの手を握った時は、少し感動した)」
 ミカサ「(私の片方の願いが叶うまで…後、どれだけ掛かるのだろうか?)」
 ミカサ「(失礼しまぁーす)」コソコソ
 
- 
                  - 137 : : 2013/12/10(火) 17:47:11
 ガチャ ソローリ バタン
 ミカサ「(あっ!これは…)」
 ユーク「Zzz」ギューーッ
 アニ「Zzz」スヤスヤ ニコニコ
 ミカサ「(ユークがアニの手を握ったまま、寝てしまっている)」
 ミカサ「(対するアニも、とても安心した寝顔を浮かべている)」
 ミカサ「(正直、この2人の仲はとても睦《むつ》まじくて、羨ましい)」ジーーッ
 
- 
                  - 138 : : 2013/12/10(火) 17:48:16
 ユーク「Zzz」ギューーッ
 アニ「Zzz」スヤスヤ ニコニコ
 ミカサ「……」ジーーッ
 ミカサ「(こんな2人を邪魔するような無粋な事は、私にはできない)」
 ミカサ「(ので、時間一杯まで、このままにしてあげよう)」
 ミカサ「(それが何よりも、2人の幸せとなるだろうから――――)」
 ガチャ ソローリ バタン
 ユーク「Zzz…アニ…俺が守るから…」ギュッ
 アニ「Zzz…ゆぅーくぅ」ギューーッ
 
- 
                  - 139 : : 2013/12/10(火) 17:48:32
 ――――翌日――――
 ユーク「ごほっ、ごほっ…」ケホケホ
 ミカサ「それで、貴方に風邪が移ってしまった…と」ジトーーッ
 アニ「…… ///」テキパキ
 ユーク「看病を頼んですまないな、アニ」ゴホゴホ
 アニ「べ、別に…当たり前の事だから…///」テキパキ
 ミカサ「そう、アニが貴方を看病するのは、『当たり前の事』」ニヤニヤ
 
- 
                  - 140 : : 2013/12/10(火) 17:48:50
 ミカサ「ので、貴方はアニに思いっきり甘えるといい」ニマニマ
 ユーク「うぜぇ表情を連ねやがって…」ケホケホ
 アニ「ユーク、安静にしていて」グイ
 ユーク「…分かったよ、アニ」ゴロン
 ミカサ「まぁ今の暴言は、『風邪の悪さ』という事で見逃そう」
 ユーク「はいはい、ありがとね」ケホッ
 
- 
                  - 141 : : 2013/12/10(火) 17:49:16
 ミカサ「それでは、アニ。ユークにもご飯を食べさせてあげて」
 アニ「え?」ドキリ
 ミカサ「大丈夫、ご飯はこの通り用意してあるし、私しか見ていないから」ニマニマ
 ユーク「なんだ、見て行くのかよ」
 アニ「で、出て行ってくれないの?」ソワソワ
 ミカサ「いや」キッパリ
 
- 
                  - 142 : : 2013/12/10(火) 17:49:34
 ユーク「きっぱりと言うね、君は」
 ミカサ「是非見たい」ウズウズ
 ユーク「本音を表に出し過ぎだろ」ハァ…ケホッ…
 アニ「…むぅ」ソワソワ
 ミカサ「どうしたの、アニ?」
 ミカサ「ユークを飢え死にさせたいの?」ニヤニヤ
 
- 
                  - 143 : : 2013/12/10(火) 17:50:20
 アニ「わ、わかったよ…///」
 アニ「ユーク、ん」スッ
 ユーク「はぁ…じゃあ、いただきますっ!」パクッ
 アニ「…どう?」ドキドキ
 ユーク「…アニが食べさせてくれて…不味いわけがないだろ?」フイ
 アニ「…!!」プシューー! ボンッ!!
 
- 
                  - 144 : : 2013/12/10(火) 17:50:38
 アニ「……///」プスプス
 ミカサ「(またもや、とてもいいものが見られた)」ニヤニヤ
 ユーク「(こいつ、むかつくなぁ)」イライラ クシュンッ!
 アニ「(ユーク、なんて恥ずかしい事を…///)」モジモジ
 ミカサ「とにかく、ユークは身の回りの事をアニに任せる事、いい?」
 ユーク「はいはい、わかったから」
 
- 
                  - 145 : : 2013/12/10(火) 17:51:11
 ユーク「君は、もう大人しく帰りなよ」シッシッ
 ミカサ「今日のユークは、とても冷たい」シュン
 ユーク「風邪引いているから、少し機嫌が悪いんだよ」コホコホ
 ミカサ「本当は、貴方は早くアニに甘えたい」
 ミカサ「ので、私に出て行ってほしいだけではないだろうか?」ニマニマ
 アニ「ミ、ミカサ!」アセアセ
 
- 
                  - 146 : : 2013/12/10(火) 17:51:42
 ミカサ「アニも照れていないで、もっとユークにアタックしていけばいい」ニヤニヤ
 アニ「い、いいよ…私はさ」モジモジ
 ユーク「…エレンが呼んでいたよ?」
 ミカサ「そう!ならばすぐに行く!!」ピューー
 ガチャ バタン
 タタタタッ
 ユーク「やっと巻いたか」ハァ
 アニ「騒々しかったね」
 ユーク「(こんな単純な手に引っかかる彼女じゃないだろ?)」
 ユーク「(きっと、帰るタイミングがなかったんだろうな)」
 
- 
                  - 147 : : 2013/12/10(火) 17:52:40
 ――――――――
 ミカサ「……」スタスタ
 ミカサ「(食べさせ合いの姿は見たかったけれど、仕方がない)」
 ミカサ「(アニの幸せを奪う事は、したくないから)」
 ミカサ「(2人とも…仲良くね?)」
 ミカサ「…よし、それでは」
 ミカサ「(さて、私はエレン、エレンっと♪)」ルンルン
 
- 
                  - 148 : : 2013/12/10(火) 17:52:54
 ――――――――
 アニ「はい、ユーク」スッ
 ユーク「ありがと」パクッ
 アニ「美味しいかい?」
 ユーク「さっきも言っただろ?」
 ユーク「アニが食べさせてくれて、不味いわけがないって」
 アニ「で、でもそれは…『美味しい』とは…言っていないじゃないか」
 
- 
                  - 149 : : 2013/12/10(火) 17:53:20
 ユーク「…美味しいよ、アニ!」ニコ
 アニ「(どきんっ!!)」ビクッ
 アニ「そ、そうかい…///」ドキドキ
 ユーク「…アニ」ジッ
 アニ「…何だい?」ジッ
 ユーク「“あの時の返事”は…もう少しだけ…待っていてくれないか?」
 (『――番外編―― 第13話』参照)
 
- 
                  - 150 : : 2013/12/10(火) 17:54:04
 アニ「え?『あの時の』って…」ドキドキ
 ユーク「必ず答えを出して…アニに伝えるからさ」ニコ
 アニ「…うんっ!待っているね」グスン
 ユーク「(この前までは、アニと一緒に居るのが少し苦しかったのに)」
 ユーク「(今ではもう、平気になった)」
 ユーク「(寧ろ想いは…より強くなったと感じている)」
 ユーク「(これも偏《ひとえ》に、ミカサのお節介のお陰かな?)」
 ユーク「(いつまでも君を大切に想う気持ちは、朽ち果てないからね…アニ――――)」
 進撃の巨人Another ――番外編―― 第14話
 『ずっと傍に居る人』
 La Fin.
 
- 
                  - 151 : : 2013/12/10(火) 17:55:26
 【投稿完了 / シリーズ名 / 話数 / タイトル / URL】
 ――本編――
 【13/12/05 進撃の巨人Another 第28話 『キタイ』】
 http://www.ssnote.net/archives/4287
 【13/12/05 進撃の巨人Another 第27話 『夜明け』】
 http://www.ssnote.net/archives/4235
 【13/11/30 進撃の巨人Another 第26話 『蓄積』】
 http://www.ssnote.net/archives/3742
 【13/11/27 進撃の巨人Another 第25話 『帰る先』】
 http://www.ssnote.net/archives/3554
 【13/11/23 進撃の巨人Another 第24話 『隠れる』】
 http://www.ssnote.net/archives/3249
 【13/11/21 進撃の巨人Another 第23話 『行き互い』】
 http://www.ssnote.net/archives/3189
 【13/11/18 進撃の巨人Another 第22話 『次世代』】
 http://www.ssnote.net/archives/2988
 【13/11/15 進撃の巨人Another 第21話 『鍵《ヒント》』】
 http://www.ssnote.net/archives/2740
 【13/11/10 進撃の巨人Another 第20話 『懐古、そして展望』】
 http://www.ssnote.net/archives/2440
 【13/11/08 進撃の巨人Another 第19話 『待つ者』】
 http://www.ssnote.net/archives/2307
 【13/11/06 進撃の巨人Another 第18話 『以心』】
 http://www.ssnote.net/archives/2219
 【13/11/05 進撃の巨人Another 第17話 『志と命』】
 http://www.ssnote.net/archives/2140
 【13/11/04 進撃の巨人Another 第16話 『選ぶ』】
 http://www.ssnote.net/archives/2041
 
- 
                  - 152 : : 2013/12/10(火) 17:55:40
 【13/11/03 進撃の巨人Another 第15話 『悪癖』】
 http://www.ssnote.net/archives/1992
 【13/11/02 進撃の巨人Another 第14話 『クチは...』】
 http://www.ssnote.net/archives/1943
 【13/11/01 進撃の巨人Another 第13話 『ドウキ』】
 http://www.ssnote.net/archives/1886
 【13/10/31 進撃の巨人Another 第12話 『人柄』】
 http://www.ssnote.net/archives/1841
 【13/10/30 進撃の巨人Another 第11話 『危機と嬉々』】
 http://www.ssnote.net/archives/1815
 【13/10/29 進撃の巨人Another 第10話 『見上げる先』】
 http://www.ssnote.net/archives/1748
 【13/10/28 進撃の巨人Another 第9話 『辛辣』】
 http://www.ssnote.net/archives/1702
 【13/10/10 進撃の巨人Another 第8話 『本物』】
 http://www.ssnote.net/archives/805
 【13/10/10 進撃の巨人Another 第7話 『捨てる』】
 http://www.ssnote.net/archives/800
 【13/10/10 進撃の巨人Another 第6話 『側』】
 http://www.ssnote.net/archives/796
 【13/10/10 進撃の巨人Another 第5話 『指令』】
 http://www.ssnote.net/archives/795
 【13/10/10 進撃の巨人Another 第4話 『再び』】
 http://www.ssnote.net/archives/793
 【13/10/10 進撃の巨人Another 第3話 『解散式の夜』】
 http://www.ssnote.net/archives/792
 【13/10/10 進撃の巨人Another 第2話 『見たもの、見るもの』】
 http://www.ssnote.net/archives/791
 【13/10/10 進撃の巨人Another 第1話 『4人目』】
 http://www.ssnote.net/archives/790
 
- 
                  - 153 : : 2013/12/10(火) 17:55:55
 ――番外編――
 【13/12/04 進撃の巨人Another ――番外編―― 第13話】
 http://www.ssnote.net/archives/3949
 【13/11/30 進撃の巨人Another ――番外編―― 第12話】
 http://www.ssnote.net/archives/3487
 【13/11/24 進撃の巨人Another ――番外編―― 第11話】
 http://www.ssnote.net/archives/3066
 【13/11/17 進撃の巨人Another ――番外編―― 第10話】
 http://www.ssnote.net/archives/2668
 【13/11/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第9話】
 http://www.ssnote.net/archives/2257
 【13/10/27 進撃の巨人Another ――番外編―― 第8話】
 http://www.ssnote.net/archives/1550
 【13/10/24 進撃の巨人Another ――番外編―― 第7話】
 http://www.ssnote.net/archives/1374
 【13/10/15 進撃の巨人Another ――番外編―― 第6話】
 http://www.ssnote.net/archives/1078
 【13/10/14 進撃の巨人Another ――番外編―― 第5話】
 http://www.ssnote.net/archives/1040
 【13/10/13 進撃の巨人Another ――番外編―― 第4話】
 http://www.ssnote.net/archives/941
 【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第3話】
 http://www.ssnote.net/archives/923
 【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第2話】
 http://www.ssnote.net/archives/878
 【13/10/11 進撃の巨人Another ――番外編―― 第1話】
 http://www.ssnote.net/archives/845
 ――その他――
 【執筆中 進撃の巨人Another ――104期相談所編―― ユーク「勉強の方法が分からない?」】
 http://www.ssnote.net/archives/4493
 ――雑談――
 【随時更新中 進撃の巨人Another シリーズ ――思い出(過去コメント)保管所――】
 http://www.ssnote.net/archives/1038
 【随時更新中 進撃の巨人Another シリーズ ――雑談所――】
 http://www.ssnote.net/archives/924
 ――その他情報媒体――
 【随時更新中 SS Pedia記事 『進撃の巨人Another』】
 http://dic.ssnote.net/article/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BAAnother
 
- 
                  - 154 : : 2013/12/10(火) 18:13:53
 これで14話も終わり
 珍しく、1日のみの出来事で完結しました
 構想を考える始めると、流れるように決まった話だったので、書き下ろしもスムーズでした
 
- 
                  - 155 : : 2013/12/10(火) 21:43:11
- よ・う・や・く・お・い・つ・い・たwwww
 1週間ぐらいかけて読み終えた
 そんでもって、このシリーズすごい面白いです!
 言語力もすごいし、非の打ちどころがないとはまさにこのことですね!
 
- 
                  - 156 : : 2013/12/10(火) 23:25:09
- >>155
 お褒めに預かり光栄だよ
 君の名前は、他のSSで偶に見かけるから知っているよ!
 
- 
                  - 157 : : 2013/12/10(火) 23:31:43
- >>156
 こんな感じの名前の人たくさんいるからわかんないけど、
 知ってもらえていてうれしいです!
 
- 
                  - 158 : : 2013/12/11(水) 09:37:13
- >>157
 そうだね。アニの事が好きな人がここには多いみたいだから
 
- 
                  - 159 : : 2013/12/11(水) 22:39:21
- ええ。それに、ここだけではないと思いますな。
 それよりも続きが気になりますwww(急かしちゃってすいません。)
 
- 
                  - 160 : : 2013/12/11(水) 23:35:46
- >>159
 番外編はちゃんと校正までちゃんと出来ているから、期待していてもいいよ?
 ただ、本編がねぇ...時間がない
 
- 
                  - 161 : : 2020/10/06(火) 13:49:39
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険 
 http://www.ssnote.net/archives/80410
 恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
 http://www.ssnote.net/archives/86931
 害悪ユーザーカグラ
 http://www.ssnote.net/archives/78041
 害悪ユーザースルメ わたあめ
 http://www.ssnote.net/archives/78042
 害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
 http://www.ssnote.net/archives/80906
 害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
 http://www.ssnote.net/archives/81672
 害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
 http://www.ssnote.net/archives/81774
 害悪ユーザー筋力
 http://www.ssnote.net/archives/84057
 害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
 http://www.ssnote.net/archives/85091
 害悪ユーザー空山
 http://www.ssnote.net/archives/81038
 【キャロル様教団】
 http://www.ssnote.net/archives/86972
 何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
 コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
 http://www.ssnote.net/archives/86986
 http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=37
 
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