この作品は執筆を終了しています。
アニ「女型の巨人ってなんやねん!知らんがな!!」
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                  - 1 : : 2013/11/17(日) 19:51:48
- 
 エレン「中途兵団!?」
 http://www.ssnote.net/archives/2294
 
 も、よろしくお願いします<m(__)m>
 
 
 
 
 スレタイ通り
 
- 
                  - 7 : : 2013/11/17(日) 19:59:00
 ~ストヘス区・地下道入口~
 アルミン「あ!あった、ここだ!」
 アニ「…ここ?」
 アルミン「うん、ここを通る。昔計画されてた地下都市の廃墟が残っているんだ。
 これがちゃんと、外扉の近くまで続いている」
 エレン「本当か?すげぇな…」
 アルミン「うん。地上を歩くより、はるかに安全だ」
 アニ「そう。じゃあ、行こうか…」スタスタ…
 アルミン「えっ?」
 エレン「えっ?」
 ミカサ「えっ?」
 アニ「…えっ?」
 
- 
                  - 9 : : 2013/11/17(日) 20:02:29
- 
 アルミン「…えっと…。アニ、ここからは地下だよ?いいの?」
 
 アニ「いや、あんたらが行くって言ったんでしょ?なんでそんなに驚いてるの?
 その反応に私がびっくりだよ」
 
 エレン「あ、あぁ、そうだよな!せっかくアニが協力してくれるんだもんな!行こうぜ、お前ら」
 
 アルミン「あ、うん…」
 
 
 
 
 
 
 
 アニ「」スタスタ…
 
- 
                  - 10 : : 2013/11/17(日) 20:06:32
 アルミン(…あっれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
 予想してた反応と全然違うぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?)
 アルミン(地下深くなら巨人化できないし、アニとしてはいろいろと不利になるから
 絶対入り口でダダこねると思ったのに!?)
 ミカサ(…アルミン、落ち着いて。もしかしたら、アニには何か策があるのかも。 それに、
 アニだって、ここで正体を明かしても何も利益はない。おとなしく従うふりをしているのかも…?)
 アルミン(…そ、そうだねミカサ…。とりあえず、気を抜かずにこのまま一緒に行こう…)
 アニ「」テクテク…
 エレン(…嫌がるどころか、先陣切って歩いてやがる…)
 
- 
                  - 12 : : 2013/11/17(日) 20:10:30
 ~地下通路内~
 アルミン「あ、三班だ!」
 三班「お!お前ら、作戦は……」
 アニ「」テクテク…
 三班「…えっ?」
 アニ「えっ?」
 三班(…普通に歩いて来とる…。入り口でダダこねるだろうから、俺達の出番はないと思ってたんだが…?)
 アルミン(僕もそう思っていたんですが…。とりあえず、手筈通り地下深くまで誘導しましょう)
 三班(了解した…)
 
- 
                  - 13 : : 2013/11/17(日) 20:14:11
- 
 アニ「この人達は?」
 
 アルミン「ああ、エレンを逃がすのに協力してくれる兵士の人達だよ」
 
 アニ「…あんたら、憲兵団に内緒で随分と好き勝手してくれてるね。バレたらどうなることやら…」
 
 アルミン「ははは……」
 
 
 
 
 三班「と、とりあえずこっちに来てくれ…」
 
 アニ「さらに地下に行くんですか?」
 
 三班「ああ、こっちに抜け道が続いていてな…」
 
 
 
 
 アニ「だってよ。行くよ、あんたたち」スタスタ…
 
 
 
 
 
 
 三班(…なんでこいつが仕切っとるんだ…?)
 
 アルミン(なんか主導権奪われちゃいました…)
 
- 
                  - 16 : : 2013/11/17(日) 20:18:59
- 
 ~さらに地下~
 
 アニ「」スタスタ…
 
 
 
 
 
 地下の兵士「…えっ?」ビクッ!
 
 アニ「えっ?」
 
 
 
 
 
 地下の兵士「うわわっ!!構えろ!!!」⊃銃 チャキ…
 
 アニ「…なんだい、これ…?」
 
 
 
 
 
 
 地下の兵士「お…!おとなしくしろ、女型の巨人!!」
 
 アニ「…は?」
 
 アルミン「すいませんっ!ちょっと待ってください!!」バタバタ!
 
 
 
 
 兵士「…なんだ?」
 
 アルミン「落ち着いてください。想定外の事態が起こり、想定内に作戦が進んでしまいました…」
 
 地下の兵士「…は?」
 
- 
                  - 21 : : 2013/11/17(日) 20:26:20
- 期待!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 
- 
                  - 22 : : 2013/11/17(日) 20:27:25
- 
 アニ「…メガ…巨人?なんかすごそうな名前だけど…?」
 
 地下の兵士「とぼけるな!貴様が女型の巨人と思しき人物だと、報告に上がっているんだ!!」
 
 三班「と、とりあえず、おとなしく捕まってくれ?な?話はその後、ちゃんとするから…」
 
 
 
 
 
 アニ「…まったく話が見えないんだけど?これは一体どうなってるの…?」
 
 エレン「えっと……その……」
 
 ミカサ「て、手荒な真似はしないから、黙って来てほしい…」アセアセ
 
 アニ「…アルミン、どういうわけなんだい?」
 
 
 
 
 
 
 
 アルミン(…あぁぁ…。僕は一体どうすればいいんだ…?)
 
- 
                  - 23 : : 2013/11/17(日) 20:34:48
 ~調査兵団本部・地下牢~
 アルミン「…やあ、アニ。調子はどうだい…?」
 アニ「…最悪なんだけど。なんで私が牢屋に入れられてるのかも理解できないし」
 エルヴィン「…君にはいろいろと聞かなければならないことがある。素直に答えてもらえるかな?」
 アニ「その前に、私が捕まった理由が分かりません」
 エルヴィン「ふむ、そう来たか。まぁ、簡単に自白するとは思っていないがね」
 アルミン「…もう、単刀直入に聞くね?君は、巨人なの?」
 アニ「…私の背が低いからって、馬鹿にしてるんだろ?」イラッ…
 アルミン「…そうじゃなくて!ああもうっ!!」
 アルミン「先日、調査兵団で壁外調査があったんだよ!」
 アニ「知ってる」
 アルミン「そこで、知性を持った謎の巨人に襲われて、壊滅的な被害を受けた!!」
 アニ「気の毒だったね」
 アルミン「その巨人の正体が、君なんじゃないかって言ってるの!!!」
 アニ「…アルミン、頭でも打った?」
 アルミン「」
 
- 
                  - 25 : : 2013/11/17(日) 20:43:00
- 
 アニ「大体、あんたらが壁外調査に行ってた日は、私ら新兵は上官から雑用押し付けられて、
 まともに自由行動できなかったんだよ」
 
 アニ「アリバイならある。証人も腐るほどいるよ。ストヘス区の憲兵団に聞いてみな」
 
 エルヴィン「それについては現在、私の部下に調査させている。もうすぐ結果が…」
 
 
 
 
 
 部下「団長!!」
 
 エルヴィン「どうした?」
 
 
 
 
 
 部下「アニ・レオンハートの、壁外調査当日のアリバイが取れました!」
 
 
 部下「彼女は、上官の指示にて、他の新兵達とともに、内勤に当たっていたとのことです。
 さらに、いずれの時間帯に置いても他の兵が彼女の姿を目撃していて、抜け出すのは不可能だったと…」
 
 
 
 
 エルヴィン「…そうか…」
 
 アルミン「…ありがとうございます…」
 
- 
                  - 27 : : 2013/11/17(日) 20:51:28
- 
 アニ「…だ、そうですが。これ以上、私を拘束するのは不当ではありませんか?」
 
 エルヴィン「…分かった。すまないが、もう少しだけここにいてくれ。上で話を付けてこよう」
 
 アニ「手早くお願いします…」
 
 
 
 
 アルミン「ごめんね、アニ。もう少しだけ待っててね…」
 
 アニ「…」
 
- 
                  - 31 : : 2013/11/18(月) 19:11:55
- 
 ~調査兵団本部・会議室~
 
 エルヴィン「…ということを、彼女が言っていた。アリバイも裏付けが取れている」
 
 エレン「本当か、アルミン」
 
 アルミン「うん、そうみたいだね」
 
 ミカサ「…私達が立てた、女型の巨人の正体の見当は、当て外れだったということ…?」
 
 
 
 
 ミケ「エルヴィン、どうする?このままでは、エレンの首も我々の首も危ういぞ?」
 
 ハンジ「大ミエ切って出てきたのに、何の成果もなし。おまけに、頼みの綱だった女型の巨人すら空振りだもんね…」
 
- 
                  - 32 : : 2013/11/18(月) 19:17:27
 リヴァイ「もういっそ、あの女の首を刎ねちまえばいいだろ。巨人だった、ってことにしてな」
 アルミン「そんな…!」
 リヴァイ「俺達全員の首とあの女の首、どっちが重いか考えて見ろ。答えは簡単だろ」
 エレン「そんな!いくら何でもひどすぎます!アニは無実かもしれないのに!!」
 ハンジ「落ち着いてエレン、リヴァイの冗談だから」
 エレン「え?」
 ハンジ「あんなんだから誤解されやすいけど、リヴァイなりに、この重苦しい空気を払しょくしようと
 無い知恵絞った冗談なんだよ。ね、リヴァイ?」
 リヴァイ「…好きに捉えろ」
 ハンジ「だってさ」
 エレン「はぁ…」
 
- 
                  - 33 : : 2013/11/18(月) 19:22:37
 ミケ「そもそも、女型だからと言って、中身も女とは限らないんじゃないのか?」
 一同「!?」
 ハンジ「ミケ、さらりと恐ろしいことを言うんだね…」
 エレン「鳥肌が立ちました…」
 アルミン「ライナーが『いいケツをした巨人』って言ってたけど、もし中身が男だったら
 いろんな意味でアウトだよ、この発言は…」
 ミカサ「…」ゾクッ…
 
- 
                  - 35 : : 2013/11/18(月) 19:29:01
- 
 部下「あの…」
 
 エルヴィン「どうした?」
 
 
 
 
 部下「あまり現実的ではないため、先ほどは申し上げなかったのですが…」
 
 リヴァイ「なんだ?さっさと言え」
 
 
 
 
 部下「はい。彼女は、実は10分間だけ、誰の目にも触れていない時間帯がありました」
 
 ハンジ「!!!」
 
 
 
 
 リヴァイ「10分?せいぜいクソが長引いたんだろ?どのみち、そんな短時間じゃ
 俺達を襲って壁内に帰ってくるなんざ、到底できやしねぇからな」
 
 ミケ「そうだな。せっかく教えてもらってすまないが、意義のある情報ではないようだ」
 
- 
                  - 36 : : 2013/11/18(月) 19:39:04
 エルヴィン「そのようだな。これ以上何もなければ、彼女はいったん釈放という形にするが、異議のある者は?」
 ハンジ「」スッ…
 エルヴィン「ハンジ?」
 ハンジ「一週間。一週間彼女を、このまま拘束しておくべきだよ」
 リヴァイ「…どういった理由だ、それは…」
 ハンジ「とりあえず、言う通りにしてほしい。ある作戦を考えた」
 エルヴィン「それは?」
 ハンジ「壁内の三兵団の兵士全員に『一週間後、エレンにまつわる実験を行うから調査兵団
 本部に近付くな』と、通達を出す」
 エレン「俺、ですか…?」
 
- 
                  - 37 : : 2013/11/18(月) 19:45:48
 ミケ「それで?」
 ハンジ「たいていの兵士はエレンの巨人の能力を知っているから、まず近付く人はいない。
 …女型の正体である人物を除いてね」
 エルヴィン「ほう。確かに、周りに人がいなければ、奴としてもエレンを狙いやすい。
 現れる可能性はかなり高いとみていいな」
 ハンジ「仮に女型が現れたとして、アニがそのまま地下牢にいるのなら、アニはシロ。
 女型が現れなかったとしたら……アニはシロとはいかないけど、グレーくらいにはなるね」
 アルミン「しかし、一週間は長すぎでは?せめて3日後でも…」
 ハンジ「敵さんだって、準備時間はほしいでしょ?3日じゃ兵団全体にちゃんと情報が伝わるか怪しいしね。
 みっちり準備してもらったうえで、エレンを迎えに来てほしいな」
 ミカサ「…つまり、エレンはおとりだと…?」ギロ…
 ハンジ「こわっ!!そんな顔しないでよ、ちゃんとエレンは守るから」
 エルヴィン「作戦は分かった。すぐに手配しよう」
 
- 
                  - 38 : : 2013/11/18(月) 19:51:24
 ハンジ「アルミン…」ボソッ…
 アルミン「!?」
 ハンジ「今の作戦を、アニにも伝えといてくれるかな…?」ボソッ…
 アルミン「アニに!?しかし、彼女はまだ疑われているのでは!?」ボソッ…
 ハンジ「これは彼女が女型じゃない前提の作戦さ。作戦を教えて、アニにも安心してもらいたくてね」ボソッ…
 アルミン「わかりました…」ボソッ…
 ゾロゾロ…
 バタン…
 ハンジ(…さて…)
 
- 
                  - 41 : : 2013/11/18(月) 21:27:17
- 
 ~地下牢~
 
 アルミン「…と言うわけなんだ」
 
 アニ「ちょっと、私はまだ出られないの?いい加減にしてほしいよ…」
 
 エレン「ごめんな、アニ。上の人達も、お前の疑いを完全に晴らしてから出してあげたいんだと思う」
 
 ミカサ「ちょこちょこ顔を出して話し相手になってあげる。従ってほしい」
 
 
 
 
 アニ「…まったく。身に覚えのない疑いをかけられた挙句、一週間もねぇ…。
 釈放されたら、覚えときなよ…」
 
 アルミン「ははは…」
 
 
- 
                  - 42 : : 2013/11/18(月) 21:34:32
 エレン「ところでよ、アニ」
 アニ「なんだい?」
 エレン「先週一斉に行われた、疫病対策の予防接種、憲兵団も受けたのか?」
 アニ「露骨に話題を変えてきたね。ああ、受けたよ」
 アルミン「そんなに疫病が流行してるなんて聞かないけどね。予防にやり過ぎはないから、まぁいいけど」
 エレン「あれ、スッゲー痛かったよな!この歳で泣きそうになったぜ」
 アニ「確かに。注射があんなに痛いものだとは思わなかった」
 
- 
                  - 43 : : 2013/11/18(月) 21:41:47
 ミカサ「え?私は全然痛くなかったけど…?」
 アニ「あんたと一般人を一緒にするんじゃないよ」
 アルミン「いや、僕も痛みは感じなかったけど?針を刺すときにチクッとしたくらいで…」
 エレン「え?」
 アニ「アルミンもついにミカサの領域にたどり着いたかい」
 アルミン「いや、そういうことじゃないと思うけど…」
 ミカサ「痛みの感じ方は人それぞれ。あまり大した問題ではないと思う」
 エレン「そうだな。それに、俺の場合は注射にいい思い出がないからな。最近は落ち着いてきたけど、
 少し前は思い出すだけで吐き気がしたぜ…」
 アルミン「ああ、あのことね…」
 ハンジ「…なるほどね…」[壁]∀・)チラッ
 
- 
                  - 44 : : 2013/11/18(月) 21:48:09
 ~調査兵団本部・とある一室~
 ライナー「何!?アニが!?」
 ベルトルト「女型の巨人の正体…!?」
 ジャン「そういうことらしいぜ。本当なら、とんでもないことだけどな…。
 一応、同期ってことで教えてもらった情報だから、他言するなよ」
 コニー「もしそうなら、あいつは俺達をずっとだましていやがったのか…」
 サシャ「まだ決まったわけじゃありません!仲間を疑うのはやめましょうよ!」
 クリスタ「そうだね。私は、アニが巨人じゃないって信じてるよ」
 ユミル「…ずいぶんと顔色が悪くないか、お二人さんよ?」
 ベルトルト「えっと……」
 ライナー「お、おう!俺は一度、女型に握りつぶされそうになったからな!ちょっと思い出しちまったんだ…」
 ジャン「そういえばそうだったな。まぁ、ゆっくり休めや」
 
- 
                  - 45 : : 2013/11/18(月) 22:00:28
 クリスタ「それともう一つ。一週間後、ここでエレンの巨人化実験をするから、当日は近辺に近付かないで、だって。
 何をするか分からないけど…。とりあえず、伝えたからね」
 ライナー「…おう、ありがとな…」
 ジャン「そんじゃあな。またあとで…」
 スタスタ…
 ベルトルト「…ライナー…」
 ライナー「結婚しよ…、などと言ってる場合じゃなさそうだ…」
 ベルトルト「どうしよう…。助けに行かないと…」
 ライナー「いや、ヘタに動かないほうがいい。一週間何もなければ、アニは解放されるんだ…」
 ベルトルト「それはいいんだけど…。ライナー、どう考えてもさっきの話はおかしいでしょ?」
 ライナー「…なぜ、アニにアリバイがあるか、だよな…」
 ベルトルト「アリバイの部分は、調査兵団がねつ造したんじゃ?」
 ライナー「そんなことするメリットはないだろう。あるはずのアリバイをもみ消して、アニを処刑するならまだしも…」
 ベルトルト「もしアニが、無事に解放してもらえなさそうなら…」
 ライナー「…その時は、ためらうな…!」
 
- 
                  - 47 : : 2013/11/18(月) 22:08:22
- 
 ~一週間後・調査兵団本部~
 
 ハンジ「さて、この日が来たね」
 
 リヴァイ「今のところは、女型が現れる気配はないが?」
 
 ミケ「奴は突然現れるからな。警戒は怠るな」
 
 
 
 
 エルヴィン「地下のアニの様子はどうだ?」
 
 アルミン「眠っています。ヘタに刺激すると機嫌が悪くなって手が付けられないので、そのままで…」
 
 エルヴィン「仮に彼女が巨人だとして、監視の目があっては巨人化しないだろう。
 女型が出現してからが本番だからな、気を抜くなよ」
 
 エレン「本当に、来るんでしょうか?罠だと感づかれてるんじゃ…?」
 
 ミカサ「来ないのなら、それでいい。エレンの危険がなくなるだけ」
 
 リヴァイ「それじゃ困る。奴のツラを拝ませてもらわねぇとな」
 
 
 
 
 ハンジ「リヴァイ、意気込むのもいいけど、足は大丈夫なの?」
 
 リヴァイ「本調子とはいかねぇが、一週間以上もあれば、十分動けるまでは治るもんだ」
 
 エルヴィン「まぁ、無理はしないようにな」
 
- 
                  - 48 : : 2013/11/18(月) 22:15:16
 ミケ「…」スンスン…
 ミケ「!!」
 リヴァイ「どうしたミケ?」
 ミケ「…来る!」
 ドシーンッ!!!
 一同「!?」
 女型「」ズシンズシン…
 エレン「来たっ!!」
 ハンジ「…やはり来たね…」
 エルヴィン「アルミン!アニを見てきてくれ!彼女が地下牢にいるかどうか!!」
 アルミン「分かりました!」ダッ!
 
- 
                  - 50 : : 2013/11/18(月) 22:21:18
- 
 エレン「よし!俺達は戦闘を…!」
 
 リヴァイ「待て!」
 
 エレン「!?」
 
 
 
 
 リヴァイ「餌がノコノコ向かって行くな。あいつの目的はお前だ」
 
 エレン「でも、俺がやらないと、この間みたいに!!」
 
 リヴァイ「そのために、こっちは最強兵力で迎え撃ってんだ。第一、お前はこの間、負けてるだろうが」
 
 エレン「…っ!」
 
 
 
 
 リヴァイ「また連れ去られても面倒だ。力が必要な時は、呼んでやる。黙ってお前は、どこか物陰にでも隠れてろ」
 
 エレン「…分かりました…」ササッ…
 
- 
                  - 51 : : 2013/11/18(月) 22:27:57
 ~地下牢~
 アルミン「はぁ…はぁ…」ダダダダダッ!
 アルミン「アニっ!!」
 アニ「…なんだい?騒々しいね。外で花火大会でもしてるのかい?」
 アルミン「…アニ…」
 アニ「…どうしたの?」
 アルミン「…よかった。アニは巨人じゃない…」
 アニ「最初からそう言ってるだろ?分かったら、早く出してくれない?」
 アルミン「」ダッ!
 アニ「あ、ちょっ…!…行っちゃった…」
 
- 
                  - 52 : : 2013/11/18(月) 22:33:05
 ~調査兵団本部・女型との交戦地点~
 女型「」ブゥンッ!
 ミカサ「ふっ!」ヒュッ!
 女型「」ピキピキピキ…
 ミカサ「」ガキィィンッ!!!
 ミカサ「…チッ!」
 エルヴィン「相変わらず、厄介な能力だな、あれは」
 ミケ「あれがある以上、こちらの攻撃をうなじに通すのは至難の業だぞ…」
 アルミン「団長!!」
 エルヴィン「アルミン!どうだった!?」
 アルミン「アニは…」
 アルミン「……人間ですっ!!!!」
 エルヴィン「…そうか…」
 
- 
                  - 53 : : 2013/11/18(月) 22:37:13
 リヴァイ「…ふっ!」シュパンッ!
 サクッ!
 女型「!?」
 リヴァイ「」ヒュゥゥゥゥンッ…
 リヴァイ「」スタッ…
 アルミン「女型の肩に!」
 女型「…」
 リヴァイ「残念だが、ここにエレンはいない。お前を誘い出すための罠だ」
 女型「…」
 リヴァイ「急におとなしくなったな。正体を明かす気になったか…?」
 
- 
                  - 54 : : 2013/11/18(月) 22:44:41
 ミカサ「兵長、早くうなじを!!」
 リヴァイ(…俺がこの位置にいるのに、硬化しねぇだと…?)
 エルヴィン「エレンがいないと知った途端、急に動きが止まった…?」
 ミケ「諦めた?まさかな。今からだって、逃げるなり、俺達を殺すなり、何だってできるはずだが…?」
 ハンジ「…」
 リヴァイ「それじゃ、消えてもらう…!!」ヒュッ!!
 ザシュッ!!!!
 女型「アァァァァァァァァァァァッ…」
 アルミン「やった!うなじに攻撃が通った!!」
 
- 
                  - 55 : : 2013/11/18(月) 22:48:37
 ミケ「リヴァイ!中身は!?」
 リヴァイ「…なんだと…!?」
 エルヴィン「リヴァイ…?」
 ミカサ「…そんなはずは…!」
 リヴァイ「…空だ。うなじの中には、誰もいやしねぇ…」
 一同「!?」
 女型「」シュゥゥゥゥゥゥゥ……
 
- 
                  - 65 : : 2013/11/19(火) 18:56:12
- 
 エルヴィン「…まったく、予想外だった…」
 
 アルミン「…あいつは、ただの巨人だったということでしょうか…」
 
 ミカサ「…」
 
 
 
 
 ミケ「どう考えても、奴には知性があると思ったが…。人間が変身したのではないとすると、
 同じように知性を持った巨人が他にもいる可能性が…?」
 
 エルヴィン「…いずれにせよ、女型の巨人はたった今、討伐された。上に報告しよう」
 
 ミケ「そうだな…」
 
 
 
 
 エレン「本当に、これで終わりなんでしょうか…」
 
 エルヴィン「ひとまずは、な。現段階では、誰も君を殺そうとは言わないだろう。
 もし似たような巨人が現れた際に、抑止力としても大きな存在と言えるだろうからな」
 
 リヴァイ「おいハンジ、こういう話が一番好きそうなてめぇが、ずいぶんと静かだな。腹でも壊したか?」
 
 ハンジ「いや、健康そのものだよ。ただ、ちょっとね…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ハンジ(…女型がやって来た方角、やはりあいつは…)
 
- 
                  - 66 : : 2013/11/19(火) 19:06:30
 ~地下牢~
 アニ「…まったく、結局誰も戻ってこないし。いい加減、出してくれないかな…」
 ……アニ……
 アニ「誰だ!?」
 シーン……
 アニ「…気のせいか…?」
 アニ(…そういえば、最近こういうことがたまにあるな。誰かが私を呼んでるような…)
 アルミン「アニ!」
 アニ「アルミン…」
 アルミン「お待たせ。ようやく、釈放の許可が下りたよ。ごめんね、ずっとこんなところに閉じ込めて…」ガチャ
 アニ「本当だよ。で、私は無罪放免ということでいいんだよね?」
 アルミン「うん。今、内地までの馬を用意するから。ストヘス区まで送ってもらってね」
 アニ「分かったよ…」
 アルミン「…」
 
- 
                  - 67 : : 2013/11/19(火) 19:14:05
 ~同日夜・トロスト区~
 ハンジ「…それで、その日に不思議な少女を見たと?」
 駐屯兵「ああ。金髪で小柄の、目つきの悪い奴をな。こちらが話しかけても無視しやがって、
 おまけに勝手に壁を登ろうとしやがった」
 ハンジ「壁を?立体機動装置で?」
 駐屯兵「ああ。止めようとしたんだが、情けないことに返り討ちに合っちまってな。
 調査兵団の制服を着てたから、てっきりあんたらのところの兵だと思ったんだが、違うのか?」
 ハンジ「…いや、うちではないけど、その人物に心当たりがあるよ」
 駐屯兵「なに!?なら、今すぐとっ捕まえるべきだ!軍法会議物の造反行為だぞ!!」
 ハンジ「まぁ、それのことはこっちに任せて。貴重な情報をありがとね」スタスタ…
 駐屯兵「おい!あんた、待て!!」
 ハンジ(…あの日、同じ時間帯、別々の場所に存在した二人。これは、私の想像のはるか上を行く事態になってるね…)
 
- 
                  - 68 : : 2013/11/19(火) 19:21:34
 ~翌日・憲兵団ストヘス区支部・兵庁舎~
 ガチャ…
 ヒッチ「あ!アニ、お帰り~」
 アニ「…」
 ヒッチ「ちょっと、無視!?これでも心配したんだよ?アニが牢屋に入れられたってさ~」クスクス
 アニ「…そりゃどうも…」
 ヒッチ「で、いったい何したの?上官と寝たのがバレちゃった?そうなんでしょ?」
 アニ「…あんたと一緒にしないで。私のは完全に濡れ衣だから」
 ヒッチ「私と一緒って何よ!?私そんなことしないっての!!」
 アニ「そうかい。そりゃ失礼…。疲れたんで、私は寝るから。おやすみ」
 ヒッチ(…相変わらず感じ悪いわぁ、この女。何考えてるか、分かりゃしない…)
 
- 
                  - 69 : : 2013/11/19(火) 19:29:06
 ~夜~
 アニ「zzz…」
 ……アニ……
 アニ「!?」
 アニ(…またこの声!?他の奴には聞こえないの…!?)
 ……エレンは調査兵団本部にいる……
 アニ(それがどうしたってんだい!!私には関係ないだろ!!)
 ……私にはある。故郷に帰るために……
 アニ(…言ってる意味が分からないね。疲れてるんだ、寝させてもらおうか!)
 ……仕方ない……
 アニ「…あっ!!!!」
 ヒッチ「ちょっ!!なに!?」ガバッ!
 
- 
                  - 70 : : 2013/11/19(火) 19:33:49
 アニ「うぅぅぅぅ……」
 ヒッチ「ちょっと、どうしたの!?具合でも悪いの!?」
 アニ「…体が…」
 ヒッチ「え!?」
 アニ「…焼けるように熱い…!千切れそう…!!」
 ヒッチ「ちょっと、何を言って…!?」
 アニ「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
 ドォォォォォォォォォンッ!!
 ヒッチ「!?」
 ヒッチ「い……」
 ヒッチ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
 
- 
                  - 71 : : 2013/11/19(火) 19:41:10
 ~調査兵団本部~
 エレン「zzz…」
 ドォォォォォォォォォンッ!!!!!
 エレン「なんだ!?」ガバッ!
 ミカサ「エレンっ!!」ガチャッ!!
 エレン「ミカサ!!何が起きた!?」
 ミカサ「巨人が攻めてきた!!しかも…」
 ミカサ「女型の巨人がっ!!!」
 エレン「は!?それは昨日、倒したはずじゃ!?」
 ミカサ「とにかく来て!!理由は分からないけど、女型が襲撃してきた!!」
 
- 
                  - 73 : : 2013/11/19(火) 19:49:43
- 
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 
 
 
 兵士「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 
 
 
 
 女型「」ブンッ!!
 
 兵士「」グチャッ!!
 
 
 
 
 リヴァイ「チッ!あの野郎…」
 
 エルヴィン「この間の奴とは、動きが違う!明らかに、何か目的を持っているようだ!」
 
 ミケ「エレンか…」
 
 
 
 
 リヴァイ「この間の奴とは、いったいどういう関係だ!?こいつもまた、うなじは空か!?」
 
 エルヴィン「とにかく、このまま奴を好き勝手させるわけにはいかない。一刻も早く討伐するぞ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!
 
 一同「!?」
 
- 
                  - 74 : : 2013/11/19(火) 19:56:43
 エレン巨人「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!」ドォォンッ!!!
 リヴァイ「あの野郎、勝手に…」
 ミカサ「すみません、本人がどうしてもと…」ザッ
 リヴァイ「…チッ!どうする、エルヴィン!?」
 エルヴィン「想定外の襲撃で、兵士たちの精神状態も普通ではない。ここは、総力戦で一気に決める必要があるな」
 ミケ「よし!総員、エレンのサポートに回れ!!」
 女型「」ピクッ…
 エレン(…こいつ、俺に反応した!やっぱり、俺を狙ってきやがったのか。でも、なんでまたこいつが…!?)
 女型「」ドシンドシン…
 エレン(…何だっていい、今はこいつを…)グラッ…
 エレン(!?)
 
- 
                  - 75 : : 2013/11/19(火) 20:01:05
 ミカサ「エレン!?」
 エレン(…なんだ?今、変な感じが…。自分の体が、自分の物じゃないような…)
 エレン(…いや、考えるのは後だ!とにかく、これ以上被害を出さないように、こいつをここで!!)
 エレン巨人「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!」ガッ!
 女型「」ガッ!
 グググググ……
 ミケ「取っ組み合いの力勝負を始めたぞ…」
 ミカサ「ここまでは互角ですが、女型には硬化能力に加え、エレン以上の格闘術の使い手です。
 長引くほど、分が悪くなるかと…」
 
- 
                  - 76 : : 2013/11/19(火) 20:06:51
 女型「」バッ!
 エレン巨人「」グラッ…
 エレン(こいつ!いきなり距離を取って、何を…!?)
 女型「」ヒュッ!!!
 エレン(あの蹴りかっ!?)
 エレン巨人「」バッ!
 エルヴィン「かわしたが、あの速度の蹴りを何度も避け続けるのは至難の業だな」
 リヴァイ「エレン!お前はそいつを押さえつけろ!そう暴れられると、俺達が近付けん!!」
 エレン(兵長!分かりました!!)
 エレン巨人「グオォォォォォォォォォッ!!!!」ガバッ!!
 女型「!?」ガシッ!!
 ミケ「よし、捕まえた!!」
 
- 
                  - 79 : : 2013/11/19(火) 20:12:20
- 
 エレン巨人「」グググ…
 
 女型「」グググ…
 
 
 
 
 エルヴィン「女型の動きが鈍っている今だ!!奴の関節を削ぎ落せ!!」
 
 
 
 
 ミケ「」シュパッ!!
 
 
 ミカサ「」シュパッ!!
 
 
 
 サクッ
 
 
 
 女型「!?」
 
 エレン(いいぞみんな!!お前はおとなしくしてろ!!)
 
 
 
 エレン巨人「」グググ…
 
 女型「」ジタバタ…
 
 
 
 
 ミカサ(まずは……足っ!!)ヒュッ!
 
 
 ズバッ!!!
 
 
 女型「!!」ガクンッ!
 
 
 
 
 
 ミケ(これで踏ん張りが利かなくなったな。次は、腕だ!!)ヒュッ!
 
 
 ズバッ!!!
 
 
 女型「!!」ブラーン…
 
- 
                  - 80 : : 2013/11/19(火) 20:17:55
 エレン(よし!あとは、こいつを地面に抑えつけてやる!!)
 エレン巨人「」グルンッ!!
 エレン巨人「」ドォォォォォォォォォンッ!!!
 女型「!!!」グググ…
 リヴァイ「…そのままおとなしくしてろ。きれいに削いでやるからよ…」
 ……おのれ、またしても……
 リヴァイ「!?」
 ミカサ「今…!?」
 ミケ「俺にも聞こえた!なんだ!?こいつが喋ったのか!?」
 リヴァイ「…今度は、中身が入ってやがるのか?今、掻っ捌いてやるから覚悟しろ」ヒュッ!
 女型「」ピキピキピキ…
 リヴァイ「」ガキィィンッ!!!!
 
- 
                  - 81 : : 2013/11/19(火) 20:21:48
 ミカサ「また硬化っ!!」
 リヴァイ「チッ!往生際の悪い奴め…。エレン!こいつのうなじを攻め続けろ!!中身がつぶれても構わんっ!!」
 エレン(…わ、分かりました!!)
 エレン巨人「」ブゥゥゥゥゥン…
 エレン巨人「」ブォンッ!!!
 女型「」ドゴォォッ!!!
 リヴァイ「もっとだ!こいつが観念するまで殴り続けろ!!」
 エレン巨人「」ブゥゥゥゥゥン…
 ドゴッ!!ドゴッ!!ドゴッ!!!!!
 女型「」パキィィンッ!!
 ミカサ「硬化部分が割れた!!」
 リヴァイ「よくやった」ヒュッ…
 
- 
                  - 82 : : 2013/11/19(火) 20:27:01
 リヴァイ「」ブンッ!!
 ズバッ!!!!
 女型「アァァァァァァァァァァァッ…!!」
 エルヴィン「どうだ、リヴァイ!?」
 リヴァイ「…」
 エレン巨人「…」
 リヴァイ「…今回もハズレだ…」
 ミカサ「中身はまた空…」
 エレン(…いったいどうなってるんだよ…)
 
- 
                  - 83 : : 2013/11/19(火) 20:32:59
 女型だったもの「」シュゥゥゥゥゥゥゥ…
 エルヴィン「…今回の襲撃ではっきりした。女型の巨人は複数おり、さらに、
 体の性質は通常の巨人と同じ、ということだ」
 リヴァイ「硬化能力、格闘術、明らかに知性も感じられた。それが、通常の巨人と同じだというのか?」
 エルヴィン「エレンのように変身しているわけではないからな。恐ろしいことだが、
 巨人は元々、我々の理解のはるか上を行く存在。このような種が現れたとしても、不思議ではない」
 ミケ「…だとすると、とんでもない事態だと言えるな。
 例の超大型巨人、鎧の巨人も、そういった連中なのだろうか…?」
 エルヴィン「分からない。ただ、そう考えると、変身能力を持つエレンという存在は、
 かなり異端なものということになる。奴らがエレンを狙うのもうなずけるな」
 ミカサ「…」
 
- 
                  - 84 : : 2013/11/19(火) 20:37:49
 エレン「あの…」
 リヴァイ「なんだ?」
 エレン「さっきの戦闘中のことなんですが、ちょっと気になることがあって…」
 エルヴィン「気になること?」
 エレン「ほんの一瞬だったんですけど、体に違和感というか…」
 リヴァイ「違和感だと?」
 エレン「はい。何と言ったらいいか分からないんですけど、体が自分のモノじゃないというか、
 動かしているのに動かしていないような…」
 リヴァイ「巨人になれるのはお前だけだ。お前に分からないモンが、俺達に分かるわけないだろ」
 エレン「そうですよね、すみません…」
 エルヴィン「一応、頭の片隅に入れておこう。もしかしたら、何らかの異常をきたしているかもしれないしな」
 エレン「よろしくお願いします…」
 
- 
                  - 85 : : 2013/11/19(火) 20:43:24
 リヴァイ「さっきから疑問だったんだが…」
 エルヴィン「どうした?」
 リヴァイ「この手の話が一番好きそうな奴が、なぜいない?」
 エルヴィン「…言われてみれば…」
 ミケ「奴の部屋はもぬけの殻だった。どこかに出かけているのか?」
 エルヴィン「俺は何も聞いてないが?」
 リヴァイ「…どこ行きやがった…」
 
- 
                  - 86 : : 2013/11/19(火) 21:02:31
 ~翌朝、憲兵団ストヘス区支部・兵庁舎~
 アニ「…ふわぁ…」ノビー
 アニ「…?」
 ヒッチ「」ガタガタ…
 アニ「何してるんだい?そんなところで」
 ヒッチ「ひっ!!」ビクッ!
 アニ「…何をそんなにおびえてるの?」
 ヒッチ「…あ、あんた…!昨日のこと、覚えてないの!?」
 アニ「昨日?私があんたに何かしたとでも?」
 ヒッチ「とぼけないでよ!昨日の夜、突然苦しみだしたと思ったら…」
 アニ「苦しむ?私が?」
 ヒッチ「大声出して苦しんでたじゃない!!体が熱いとか、ちぎれるとか!!」
 アニ「…ごめん、全然分からない。あんた、怖い夢でも見たんじゃないの?」
 
- 
                  - 87 : : 2013/11/19(火) 21:08:42
 ヒッチ「…夢だったらどんなによかったか…」
 アニ「…ほら、顔でも洗ってきな。気分が晴れるだろうからさ」
 ヒッチ「…晴れるわけないでしょ…。だって、あんたの体から…」
 アニ「?」
 ヒッチ「…あ…あぁ……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ガバッ!!!
 アニ「ちょっと!!……布団にもぐっちゃった…」
 ヒッチ「」ガタガタ…
 
- 
                  - 88 : : 2013/11/19(火) 21:13:46
 コンコン
 アニ「誰だろう、こんな時に…。どうぞ」
 ハンジ「おっはよー!元気!?」
 アニ「…あなたは…」ハァ…
 ハンジ「どうしたの?元気ないね。せっかく君に会いに来たって言うのに」
 アニ「別に来てくれなくてもよかったんですけどね…」
 ハンジ「まぁまぁ、冷たいこと言わずに。ところで、こっちの毛布は?人?」
 アニ「同室の、同じ新兵です。ちょっと怖い夢を見たらしくて…」
 ハンジ「怖い夢、ね。とりあえず、この子と二人で話がしたいな。ちょっと、外してもらえるかい?」
 アニ「別にいいですけど…」スタスタ…
 ガチャン…
 
- 
                  - 89 : : 2013/11/19(火) 21:18:48
 ハンジ「さぁて、出ておいで。もう怖くないよ」
 ヒッチ「」ヒョコ…
 ハンジ「君が見た怖い夢って言うのを、教えてくれるかい?」
 ヒッチ「夢じゃありませんっ!確かに私は見たんです!」
 ハンジ「…何を見たのかな?」
 ヒッチ「昨日の夜、アニが突然苦しみだしたと思ったら、いきなり現れたんです…」ガタガタ…
 ヒッチ「巨人がっ!!!」
 ハンジ「…なるほどね…」
 ハンジ(巨人、か。私の見立て通りってことかな…)
 
- 
                  - 90 : : 2013/11/19(火) 21:20:10
 ヒッチ「アニはどうなってるんですか!?この間、調査兵団に連れていかれたのと何か関係があるんですか!?」
 ハンジ「まぁ、無関係ではないね。彼女については、私が面倒を見ることにするよ。上官に話も付けてきた。
 だから君は、今夜から安心してお休み」
 ヒッチ「」グスン…
 
- 
                  - 98 : : 2013/11/20(水) 19:07:52
- 
 ~調査兵団本部・会議室~
 
 リヴァイ「…ハンジお前、突然帰って来たと思ったら、何だってまたアニを連れてきやがった…」
 
 ハンジ「ちょっとね」
 
 ミケ「まだ何か疑わしい点でもあるというのか?女型が出現したとき、彼女は牢屋にいたのだろう?」
 
 ハンジ「そうだね。でも、少し気になる点を見つけてね」
 
 リヴァイ「気になる点だと?」
 
- 
                  - 99 : : 2013/11/20(水) 19:12:42
 ハンジ「女型が出現した瞬間、彼女を見ていた人は?」
 エルヴィン「…いないが…。それは、監視の目があると、彼女が変身しないだろうから、ということだったはずだ」
 ハンジ「そうだね。では、壁外調査で初めて女型に襲われた日、あの日の彼女の行動は?」
 ミケ「内地での勤務。どの時間帯に置いても、他の兵が彼女の姿を目撃している」
 ハンジ「…違うでしょ?」
 ミケ「なに?」
 ハンジ「忘れてない?空白の10分間のことを…」
 ミケ「ああ、そんな話があったな。だが、10分がどうしたというんだ?」
 ハンジ「女型の走力、そして最初に右翼に姿を現した時の時間、それらを逆算すると…」
 ハンジ「女型が壁外を出発したと思われる時間帯とぶつかる。その、空白の10分間が発生した時間帯とね…」
 
- 
                  - 100 : : 2013/11/20(水) 19:18:26
 リヴァイ「…ずいぶんと無茶苦茶な仮説だな」
 エルヴィン「すまないがハンジ、君の証言は信憑性に欠けていると思う。いくらなんでも、これはこじつけに等しい」
 リヴァイ「だいたいにして、出現時間とぶつかるから何だって言うんだ?そもそも、
 女型は人間が変身した巨人じゃねぇと決まったはずだ。アニの行動と直接結びつかねぇだろう」
 ハンジ「…まぁ、この辺になってくると、私にしか分からないよね。全部話してあげるよ」
 エルヴィン「最初からそうしてもらえると助かる。君の言動には、疑問点が多すぎてついていけん」
 
- 
                  - 101 : : 2013/11/20(水) 19:24:12
 ハンジ「まず、何から話そうかな。先日行われた、疫病対策の予防接種、覚えてる?」
 リヴァイ「それが、女型の話とどうつながるんだ?」
 ハンジ「まぁまぁ。アレ、痛かった?」
 リヴァイ「いや、せいぜい針を刺す瞬間くらいか」
 ミケ「そうだな」
 エルヴィン「血管の注射と違って、筋肉注射は痛みを伴うものが多いが、あれは大したことはなかったな」
 ハンジ「そうだろうね。でも、アレは人によっては強烈な痛みを伴うんだ。痛みを感じた人物を独自に調査して、
 今、アニとともに別室に集めてあるんだよ」
 リヴァイ「話題が大きく逸れてねぇか?痛みがどう関係するんだ?」
 ハンジ「ふふふ、それはね………」
 
- 
                  - 103 : : 2013/11/20(水) 19:31:45
- 
 ~調査兵団本部・とある一室~
 
 ライナー「失礼しまーす……」ガチャ…
 
 ベルトルト「…なんだ、いるのはアニだけじゃないか」
 
 
 
 
 アニ「あんたたちかい。いったい何の用だい?」
 
 ライナー「ハンジ分隊長に呼ばれたんだよ。なんでも、先日の予防接種、激痛を感じた者はこの部屋に集まれとな」
 
 ベルトルト「周りの人は、あまり痛みを感じなかったらしいからね。もしかすると、僕達の体は
 副作用か何かで、異常をきたしているのかもしれない」
 
 ライナー「そうだといいがな…」
 
 ベルトルト「どういう意味?」
 
 
 
 
 ライナー「考えて見ろ、この面子が揃っている意味を。おまけに相手は調査兵団きってのキレ者、
 万が一という可能性もある…」
 
 ベルトルト「…」
 
- 
                  - 104 : : 2013/11/20(水) 19:38:31
 アニ「この面子だから何だっていうんだい?あんたらとは、同期ってこと以外、何の接点もないでしょ?」
 ライナー「は!?」
 ベルトルト「…ライナー」ボソッ…
 ライナー「ん?」
 ベルトルト「…アニの判断は正しい。どこで誰が聞いてるかも分からないからね。
 僕らの接点を感づかれると厄介だ、今はこのまま…」ヒソヒソ…
 ライナー「…そういうことか、すまん、取り乱した…」ヒソヒソ…
 アニ「?」
 
- 
                  - 105 : : 2013/11/20(水) 19:45:23
 ガチャ…
 3人「!!」
 ハンジ「やっほー!みんな元気!?」
 ライナー「分隊長…」
 ハンジ「3人か。結構いたんだねー」
 アニ「あともう一人、エレンも痛みを感じたと言っていました。まだ来ていないようですが…」
 ハンジ「ああ、エレンはいいよ。知ってるし」
 ベルトルト「今回、僕達が集められたのは、あの注射で何らかの異常をきたしたからという事なんでしょうか…?」
 ハンジ「うーん、まぁ、簡単に言えばそんなところだね。ただ……」
 ハンジ「どちらかというと、あの注射によって、異常者をあぶりだした、って言うほうが正しいかもね…」
 ライ&ベル「!?」
 
- 
                  - 106 : : 2013/11/20(水) 19:52:41
 ハンジ「どうしたんだい?顔色が良くないねぇ…」
 ライナー(…まさか、本当に…!?)
 ハンジ「それとも、何か別の心当たりがあるのかな?」
 ライ&ベル「…」
 ハンジ「まぁいいや。とりあえず、外に出ようか?こんな狭苦しい部屋より、広い場所のほうがいいでしょ?」スタスタ…
 ライナー(…間違いない、感付かれている…!)
 ベルトルト(…だったら、なぜわざわざ外に?僕達のことを感付いているなら、
 なおさら狭い室内のほうがいいはず!!罠でも仕掛けているのか!?)
 アニ「」スタスタ
 ライナー「アニ!!」
 アニ「なんだい?外に行くんでしょ?」
 ハンジ「素直でよろしいね。ほら、二人も早く」
 ライナー「…っ!」
 ベルトルト(…アニは何も感じてないのか?それとも…)
 
- 
                  - 107 : : 2013/11/20(水) 20:02:18
 ~調査兵団本部・外~
 ハンジ「この辺でいいかな」
 ライナー「…」
 ベルトルト「…」
 アニ「それで、私達を外に連れ出したのは、あの注射と何の関係があるんですか?」
 ハンジ「…やはり、君は兵士の記憶以外はすべて『あっち』に持ってかれているんだね」
 アニ「あっち…?」
 ハンジ「…聞こえてるんでしょ?でておいで…」
 アニ「は?」
 ライナー「何を…?」
 ……すべてあんたの思惑通りってことかい……
 アニ「この声は…!」
 ライナー「なんだ、今のは…!?」
 ベルトルト「どこから…!?」
 
- 
                  - 108 : : 2013/11/20(水) 20:08:21
 ハンジ「アニは、心当たりがあるようだねぇ」
 アニ「…時々、どこからかこの声が聞こえるときがありました…」
 ライナー「なんだと!?」
 ハンジ「やっぱり、アレの効果はちゃんとあらわれていたんだね…」
 アニ「うっ!?」
 ライナー「どうした!?」
 アニ「…この感覚……思い出した……!!」
 ハンジ「昨日の夜も、その感覚に襲われていたはずだ。同室の子が言っていたよ」
 ハンジ「『アニが突然苦しみだしたと思ったら、アニの体から巨人が出現した』ってね」
 ベルトルト「体から…!?」
 ライナー(変身ではなく、出現だと!?)
 
- 
                  - 109 : : 2013/11/20(水) 20:12:42
 ……ここであんたらを皆殺しにして、エレンを連れていく……
 アニ「…何を勝手なことを…」
 アニ「うっ!!!!」
 ライナー「突然苦しみだした…!?何が起こっているんだ!?」
 ハンジ「ふふふ……。これは大変興味深いねぇ…」
 ライナー「あんた、一体何を知ってやがる!?一体、何をした!!」
 ハンジ「見てれば分かるよ。でも、ちょっとここは危険かもね。離れたほうがいいかも…」
 ライナー「…っ!」
 ……私は、故郷へ……
 アニ「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
 ハンジ「きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
 カッッッッッッッッッッッッッ!!!!!
 ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!
 女型「アァァァァァァァァァァァッ!!!!!」ドォォォンッ!!!
 ライ&ベル「!!!!!」
 
- 
                  - 110 : : 2013/11/20(水) 20:18:14
 ハンジ「…さて、これではっきりしたね。女型の巨人の正体が」
 アニ「…思い出した。調査兵団が壁外調査に出た日も、昨日の夜も、そうだった。
 突然頭の中に声が聞こえたと思ったら、体中が張り裂けそうになって、それで…」
 ハンジ「あいつが体外に出たんだよね?」
 アニ「…その時点では覚えているのに、少し時間が経つと、このことを忘れてしまう…」
 ハンジ「君が女型の巨人について、何も知らなかったのはそのせいさ。あいつが、君の
 巨人についての記憶、君たちの言葉を借りるなら、『戦士』としての記憶をね」
 ライナー「巨人体が、アニの記憶を奪って分離しただと…!?わけが分からん…」
 アニ「そもそも、なんで私の体内から巨人が…?あんたらは、何か知ってるのかい…?」
 ベルトルト「…ここにいるアニは、兵士になった後の記憶しかないアニという事か…?」
 ベルトルト「アニ!何か思い出せないのか!?故郷のことは!?僕らの過去のことは!?」
 アニ「故郷…?あんたたちの過去…?」
 アニ「…駄目だ、何も分からない…」
 ベルトルト「…っ!」
 
- 
                  - 111 : : 2013/11/20(水) 20:22:18
 エルヴィン「奴が現れた!総員、戦闘用意!!」
 兵士一同「おう!!」
 ライ&ベル「!?」
 ハンジ「こういった事態に備えて、皆にはあらかじめ話をして、戦闘準備をしてもらっていたのさ。
 君たちとて、逃げられる状況ではないよ」
 ライナー「…やはり、あんたは俺達のことを…」
 ハンジ「認めるね?自分たちが、エレンと同じ巨人化能力者だと。そして、人類の敵だと!」
 ベルトルト「…だから、何だというんだ。ここで僕が巨人化して暴れれば、あなたたちはひとたまりもないんだぞ!!」
 ハンジ「…やってごらん」
 ベルトルト「…後悔するなっ!!!」ガリッ!!
 カッッッッッッッッッッッッッ!!!!!
 ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!
 超大型巨人「」ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ…
 
- 
                  - 112 : : 2013/11/20(水) 20:28:30
 リヴァイ「おい!向こうに超大型が現れたぞ!!二班に分かれて戦闘を行え!!」
 兵士一同「おう!!!」
 ハンジ「へぇ、超大型巨人の正体は君だったのか。予想外の大きな収穫だ。
 もしかして、例の鎧の巨人とやらも、正体はライナーだったりするのかな?」
 ライナー「…なんで…」
 ハンジ「ん?」
 ライナー「…何でお前がここにいる…」
 ライナー「…ベルトルト…」
 ベルトルト「…どうして…?」
 
- 
                  - 114 : : 2013/11/20(水) 20:53:34
- 
 ハンジ「不思議で仕方がないって顔だね。いいだろう、教えてあげるよ」
 
 アニ「…」
 
 
 
 
 ハンジ「話は、最初にエレンがウチに来た時期にさかのぼる。巨人化の能力を見て、
 私がふとあることを思いついたのがきっかけだった」
 
 ハンジ「エレンの能力は、我々にとってとても大きな恩恵だ。
 それこそ、他の何にも代えられない、強大な戦力としてね」
 
 
 ハンジ「だけど、調査兵団というものは、常に人手不足。戦闘に加わる兵は、一人でも多いほうがいい。
 エレンとて、巨人化してしまえ戦場からいなくなってしまう。それは、非常に惜しい」
 
 ハンジ「そこで私は考えた。エレンと巨人、別々に、同時に存在できないだろうかと」
 
 
 
 
 ライナー「人間体と巨人体を、別々に…!?」
 
 ハンジ「そう。まさに、今のアニとベルトルトのような状態だ」
 
 
 
 
 アニ「…」
 
 ベルトルト「…」
 
- 
                  - 116 : : 2013/11/20(水) 21:00:13
- 
 ハンジ「ほどなくして、分離させるための薬の試作品が完成したんだけど、エレンには効果がなかった。
 薬を打つときは相当痛かったみたいだけどね」
 
 
 ハンジ「ショックだったよ。せっかく作ったのに、完全な大失敗。でも、ある『協力者』によって
 試作品を改良した薬を作ることに成功した。もちろん、即座に投与してみようと思ったけど」
 
 
 ハンジ「同時に、事件が起きた。ソニーとビーンの殺害事件だ。エルヴィンの見立てだと、
 犯人は壁内に潜み、さらにエレンと同じく巨人化の能力を持っている可能性があると」
 
 
 ハンジ「さすがに巨人化の能力は考え過ぎじゃないかと思ったけど、そこで私はひらめいた」
 
 
 
 
 ハンジ「この薬を投与して、壁内の巨人化能力者をあぶりだせないだろうか、と…。
 投与したとき、何らかの要因で能力者は強烈な痛みを伴うことも分かっていたしね」
 
 
 ハンジ「ま、あくまで『存在するなら』って言うレベルの話だけどね。大して期待はしていなかったけど、
 やらないよりはやってみようって言うことになったからさ」
 
 
 
 
 
 ライナー「じゃあ、もしかすると先日の疫病対策の予防接種というのは…」
 
 ハンジ「全部、嘘っぱちさ。巨人化の分離薬を全兵団員に投与させてもらった。そこで、
 あぶりだされたのが君たち3人と言うわけさ」
 
- 
                  - 118 : : 2013/11/20(水) 21:05:15
- 
 ベルトルト「じゃあ、僕の巨人体が、ああやって分離して暴れているのは…」
 
 ハンジ「薬の効果だね。と、言っても、私が望んだのはあんな理性が吹っ飛んだ奴じゃないけどね」
 
 
 
 
 
 
 
 超大型巨人「オォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」ブォンッ!!!
 
 兵士「うわぁぁぁぁっ!!!!」ドサッ!!!
 
 
 
 
 
 
 
 ベルトルト「…」
 
 ライナー「…ちょっと待て、ベルトルトもアニと同じように、あいつに記憶を!?」
 
 ベルトルト「…いや、僕は大丈夫だ。昔のことも、ちゃんと覚えている…」
 
 ライナー「なんだと!?じゃあ、なんでアニだけ!?何か別の、特別な薬でも投与したのか!?」
 
 
 
 
 ハンジ「いや、どうやら薬の効果には個体差があるみたいでね。エレンには結局最後まで効果はなかった。
 この間の戦闘中、体に違和感を感じたとは言っていたけど、分離するほどではなかったみたいだしね」
 
 
 ハンジ「だが、アニにはまた別の効果が現れた。
 分離の際、巨人体が自我を持ってしまった。アニの、戦士の記憶を持った状態でね」
 
 ライ&ベル「!?」
 
- 
                  - 120 : : 2013/11/20(水) 21:08:08
- 
 アニ「またその、わけの分からない戦士の記憶ってやつかい…」
 
 ハンジ「分からないのも無理はないね。記憶がごっそり、女型に持ってかれているんだから」
 
 
 
 
 ライナー「…壁外で俺達が遭遇した女型の巨人は…」
 
 ハンジ「すでにあの時点で分離体だったと言える。アニにもアリバイがあるしね」
 
 ハンジ「薬の効果なんて大して期待してなかったし、まさか分離して自我を持つとか考えもしなかったから、
 空白の10分のことを聞くまでは、そんなこと考えもしなかったよ」
 
 
 
 
 アニ「…確かに、私はその日一度、全身が苦しくなってトイレに逃げ込んだ。けど、そのことすら忘れていた…」
 
 ハンジ「その時に分離したんだね。で、本人は何事もなかったかのようにみんなの元へ戻ったと…」
 
 ハンジ「しかも、驚いたことに、分離したほうは人間体に変身することもできるみたいでさ。
 壁外調査の日、トロスト区の壁を登るアニの姿を、駐屯兵が確認している」
 
 
 ハンジ「一度食い尽くされた女型が再び現れたのも、人間体として我々の包囲を切り抜けた後、
 エレンの元で巨人体へと姿を変えたからだと推測される」
 
- 
                  - 121 : : 2013/11/20(水) 21:11:26
 ライナー「…なんてことだ…」
 アニ「…つまり、私もあんたらと同じ、バケモノってこと…?」
 ベルトルト「違う!!僕らはバケモノじゃない!!僕らが認めてしまえば、アニもバケモノという事になってしまう!!!」
 ハンジ「何を今更。バケモノだろ、君たちは。散々人を殺しておいて、被害者ヅラするのかい?」
 ベルトルト「…僕らは…」
 ライナー「ベルトルト!!奴に耳を貸すな!!」グッ!
 ハンジ「おっと、君も巨人化かい?やめときなよ、結果は一緒だよ?」
 ライナー「…っ!」
 
- 
                  - 122 : : 2013/11/20(水) 21:14:42
 ハンジ「そうだ、ベルトルト、もう一度巨人化してみてよ。もしかしたら、2体目とか分離するのかな?
 すごく興味深いよ!!」
 ベルトルト「…1体ですらあれだけ手こずっているのに、2体目なんか出したら、被害は甚大ですよ?」
 ハンジ「…皆には悪いけど、これも研究の一環だから。それに、今じゃなきゃ実験できないからね」
 ライナー「…つまり、俺達をこの場で殺すと…」
 ハンジ「…逃がすわけないでしょ…?」フフッ…
 
- 
                  - 125 : : 2013/11/20(水) 21:18:04
- 
 ベルトルト「アニ!!!」
 
 アニ「」ビクッ!
 
 
 
 
 
 ベルトルト「逃げろ!!君だけでも!!こいつは狂っている!!これ以上ここにいたら、何をされるか分からない!!」
 
 アニ「…でも、あんたら…」
 
 
 
 
 
 ライナー「…なに、お前が生き延びてくれれば、それでいい。戦士の記憶とやらがないのなら、それでもいい。
 お前は、普通の人間として生きればいいさ…」
 
 ハンジ「記憶がないからって、人間として生きるだって!?笑わせるねぇ!!
 どんなに都合のいい解釈をしたところで、お前たちは史上最悪の人殺し集団だ!!」
 
 
 ハンジ「ここで逃げようが、地の果てまで追いつめて殺してやるさ!!
 それまでは、延々と死の恐怖におびえながら日々を過ごしていればいい!!!」
 
 
 
 
 ベルトルト「アニ、早く!!!」
 
 ライナー「俺達も後から追う!!お前は先に行け!!!」
 
 
 
 
 アニ「…」
 
 
 
- 
                  - 127 : : 2013/11/20(水) 21:21:31
- 
 アニ「…よく分からないけど、あんたたちが嘘をついてないってことだけは分かる…!
 死ぬんじゃないよっ!!」ダッ!
 
 
 
 
 
 ハンジ「あ~あ、意味ないのに。まぁいいや、まずは君達からだ。かかってきな…」
 
 ライ&ベル「…う……」
 
 
 
 
 
 
 
 ライ&ベル「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!」ダッ!!!
 
- 
                  - 128 : : 2013/11/20(水) 21:26:08
 アニ「はぁ、はぁ……」ダダダダダッ!
 ……アニ……
 アニ「!?」
 女型「」ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ…
 アニ「…あんた…」
 ……あんたは、私と一緒に故郷に帰る気はないかい……
 アニ「勝手に人の記憶を持ち出して、好き放題言ってんじゃないよ!」
 ……あんたと私は一心同体。私の望みは、あんたの望み……
 アニ「相変わらずわけの分からないことを。あんたみたいなバケモノと、私を一緒にしないでくれるかい!」
 ……バケモノ……
 アニ「そうさ!私の過去に何があったのか知らないけど、あんたみたいなバケモノを体内で飼い殺すのはもうごめんだ!
 出て行ってくれ!!」
 ……そうか、残念だ……
 女型「」スゥゥ…
 アニ「!!」
 
- 
                  - 130 : : 2013/11/20(水) 21:33:12
- 
 ベルトルト「あいつ!アニを踏みつぶす気だ!!」
 
 ライナー「させるかっ!!!」
 
 
 
 
 ハンジ「おっと、行かせないよ?」ズバッ!
 
 ライナー「ぐあっ!!!」ドサッ!
 
 ベルトルト「ライナーっ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 ライナー「ち…く…しょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」
 
 ハンジ「さようなら……」
 
 
 
 
 ズバァァァァァァァァァァッ!!!!
 
 
 
 
 
 
 ライナー「」
 
 
 
 
 
 
 
 ベルトルト「ライナー…」アゼン…
 
 ハンジ「あははははははははははははっ!!!!」
 
- 
                  - 132 : : 2013/11/20(水) 21:38:38
 ハンジ「ほら、君はアニのところに行かなくていいの!?彼女が大ピンチだよ?」
 ……あんたとは分かり合えると思ったんだけど……
 アニ「あんた…」
 ……私は一人でも故郷に帰る。もう、あんたは必要ない……
 ベルトルト「アニっ!逃げろっ!!!」
 ハンジ「あははははははははははははっ!!!!」
 ……さようなら……
 アニ「…私はっ…!!」
 プチッ……
 終
 
- 
                  - 133 : : 2013/11/20(水) 21:41:16
- うわああああああああああああああああああああああ
 
- 
                  - 134 : : 2013/11/20(水) 21:41:54
- え、終わり!?
 
- 
                  - 136 : : 2013/11/20(水) 21:54:00
- 面白かった!
 
- 
                  - 137 : : 2013/11/20(水) 22:00:34
- ベルメゾンは?
 
- 
                  - 138 : : 2013/11/20(水) 22:30:23
- な、なんやて!!?ってツッコミが止まりまへんがな( ´ ▽ ` )ノ
 楽しかったです!!
 
- 
                  - 139 : : 2013/11/20(水) 23:34:53
- なんというオチ…(笑)
 
- 
                  - 140 : : 2013/11/21(木) 01:08:52
- ええなこれ
 
- 
                  - 141 : : 2013/11/21(木) 02:30:15
- 良作に出会えた。
 ユミルがいないのは、薬の効果が薄かったエレンと同じ、皮膚あり巨人っていうのも関係あるのかな。
 でも、痛みは感じるはずなんだよなあ。
 
- 
                  - 143 : : 2013/11/21(木) 19:09:05
- ワロタ
 ワロタ…
 
- 
                  - 144 : : 2013/11/22(金) 21:43:17
- なんか・・・・・・設定がすごいことになってる・・・・
 (いい意味で)
 
- 
                  - 146 : : 2013/11/24(日) 22:21:35
- 良く設定が出来ていて、とても良かった!!
 
- 
                  - 148 : : 2013/11/24(日) 22:54:45
- GOOD!
 
- 
                  - 149 : : 2013/11/26(火) 00:25:41
- 神作
 
- 
                  - 151 : : 2013/11/27(水) 17:14:44
- アニ可愛すぎ☆
 でも最後まで書いて欲しかったなぁ
 次回もアニが主人公でお願いします❗
 
- 
                  - 153 : : 2013/12/04(水) 22:55:37
- 152≪
 ありがとうございます♪(´ε` )
 
- 
                  - 154 : : 2014/06/23(月) 00:27:30
- 神❣
 
- 
                  - 155 : : 2014/07/26(土) 20:30:52
- おもしろかったー!
 
- 
                  - 156 : : 2014/07/26(土) 21:00:54
- 最後 結局どうなったんすか?
 
- 
                  - 157 : : 2014/10/02(木) 21:06:00
- えっ
 オイ―――こんなとこで終わらすんじゃね―――
 
- 
                  - 158 : : 2017/08/02(水) 15:23:37
- おい!どういう状況だ!?説明しろ!
 いや、何で終わらせた?
 
- 
                  - 159 : : 2018/01/10(水) 01:43:33
- イッタイ何がオコッタ(^O^)説明してくれ(^∇^)
 
- 
                  - 160 : : 2019/01/02(水) 16:14:34
- 最後のプチッはアニが踏み潰されたかベルサイユがかばって死んだか、それとも2人とも死んだかじゃない?片方でも生きてたらどうなるんだろ?ハンジさんに殺されるのかねぇ?(☝ ՞ ՞)☝ヒェ!!
 
- 
                  - 161 : : 2020/05/13(水) 18:57:58
- ありえない最後
 
- 
                  - 162 : : 2020/10/06(火) 09:11:58
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険 
 http://www.ssnote.net/archives/80410
 恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
 http://www.ssnote.net/archives/86931
 害悪ユーザーカグラ
 http://www.ssnote.net/archives/78041
 害悪ユーザースルメ わたあめ
 http://www.ssnote.net/archives/78042
 害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
 http://www.ssnote.net/archives/80906
 害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
 http://www.ssnote.net/archives/81672
 害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
 http://www.ssnote.net/archives/81774
 害悪ユーザー筋力
 http://www.ssnote.net/archives/84057
 害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
 http://www.ssnote.net/archives/85091
 害悪ユーザー空山
 http://www.ssnote.net/archives/81038
 【キャロル様教団】
 http://www.ssnote.net/archives/86972
 何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
 コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
 http://www.ssnote.net/archives/86986
 http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=12
 
- 
                  - 163 : : 2022/02/24(木) 21:16:33
- よかった
 
- 
                  - 164 : : 2023/07/04(火) 14:23:07
- http://www.ssnote.net/archives/90995 
 ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
 http://www.ssnote.net/archives/90991
 http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
 http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
 2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
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 16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
 ちょっと時間あったから3つだけ作った
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 アカウントの譲渡について
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 36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
 理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
 22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
 以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
 46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
 ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
 52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
 一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
 89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
 noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
 
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