演劇等において観客席(現実)と舞台(フィクション)の間に概念上存在する透明な壁である。ちなみに第一〜第三の壁は、いずれも舞台を物理的に囲っている壁(正面奥、左右)のことである。

「物語」は「現実」の我々とは違う場所にあり、隔てる存在をそう読んでいる。
この壁を破ることを、今風に表現すると「メタフィクション(メタ)」となる。

第四の壁は写実主義の出現とともに19世紀から発生した概念であるといわれる。この第四の壁によって隔てられた現実の世界とフィクションの世界は、基本的には互いが互いに物理的影響を与えることのない、相互的な不可侵の領域である。しかし、場合によっては演出的手法として、登場人物が現実側の存在である作品の受け手や制作者などの存在、あるいは自分たちのいるのがフィクションの世界であることを意識したセリフを喋ったり、突如観客に対して問いかけや語りかけをするなど、フィクション側から現実側への干渉が行われることがある。このような演出を俗に「第四の壁を破る」と呼ぶ。

キャラクターが観客に問いかけたり、解決策を求める作例は演劇から幼児用アニメーションまで幅広く使われているが、pixivの諸氏に身近なのはロールプレイングゲームにおいての第四の壁だろう。ロールプレイ、PLにPCを操作させる≒一体化することで「物語」に参加させる手法を、あえて破ることでプレイヤーへのメッセージ性をもたせた作品も多い。これはRPGの前提であるロールプレイを破壊する事にほぼ等しいこと、どちらかというとメジャーなことから難易度の高い演出である。