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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

染み着いて取れないもの

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  1. 1 : : 2014/02/01(土) 01:30:05
    どうも、本気でなじまれてないスー君です!

    初めて、フルオリジナルのSSを書いていきます。

    更新そのものはかなり遅めです。

    いかんせん、他の作品の完結も
    ないがしろに出来ないものでして、ね。

    シリアスですし、雰囲気も暗くなると思います。

    そんな感じですが、応援よろしくです!!
  2. 2 : : 2014/02/01(土) 01:30:35
    フルオリジナルですか!
    頑張ってください!
  3. 3 : : 2014/02/01(土) 01:32:16
    ありがとうございます!

    ただ、眠くなってきたので
    更新は明日からってことで・・・・・・

    んじゃ、オヤミスぅ・・・・・・(-_-)zzz
  4. 4 : : 2014/02/01(土) 09:05:32
    皆さんおはざす!

    どれくらいの人たちが
    更新を待ってくれていたでせうか?

    とりあえず、あたりだけ投下しますね
  5. 5 : : 2014/02/01(土) 09:06:49
    ジョージ・エディック(27)
     元米陸軍
  6. 6 : : 2014/02/01(土) 09:07:52
    ジコッタァ!
    て訂正入れて、気を取り直りして・・・・・・
  7. 7 : : 2014/02/01(土) 09:34:58
    ジョージ・エディック(27)
     白人、茶髪、碧眼でややハンサム。大柄。
     本作の主人公格。
     元米陸軍第75レンジャー連隊所属の兵士。
     現在はPMC企業、
     NSS(クソンセキュリティサービス)の
     インストラクター兼オペレーター。
     任務中では基本的に
     ポイントマンを担当することが多い。
     やたらと強い。
     
    ケビン・グレイソン(25)
     ドイツ系アメリカ人3世。ジョージより大柄。
     ジョージの友人で自称女房役。
     元FBI-SWATの狙撃手。 
     精密射撃が得意でCQBが不得意。
     NSSのオペレーター兼狙撃インストラクター。
     任務中ではもっぱら
     潜入監視と遠距離支援を担当する。
     女にモテるけどややゲイである。
     ※女に興味がないわけじゃない。

    ショー・マッケンジー(26)
     日系アメリカ人2世。3人野中で一番小柄。
     でも身長は182㎝で、決してチビじゃない。
     父親が元陸自隊員で徒手格闘の手ほどきを
     受けているため、素手戦闘なら3人の中で
     もっとも強い。
     NSSのCQBインストラクター兼オペレーター。
     メカニックにも強い。
     任務中ではよくドライバーに抜擢される。
  8. 8 : : 2014/02/01(土) 10:06:07
    その男は、久しぶりに戻った我が家の中で
    あわただしく動いていた。

    本来ならゆっくりとしていたいものなのだが
    中の散らかり方が酷かったので
    急遽掃除を始めることになったのだ。

    カーテンレールの上をはたき、
    そのたびにクシャミをする。

    「クソッタレが・・・・・・」

    彼は、1人ぼやいた。

    掃除が一段落ついて、
    カバーを敷き直したソファの上で
    くつろいでいたら、尻の方から
    振動がしてきた。

    何かと思ってモゾモゾと動いてみると、
    右の尻ポケットの中に入っていた
    パッドフォンだった。

    「誰だよ・・・・・・」

    軽く舌打ちをしながら画面を見ると、
    彼の友人であるショーからであった。
  9. 9 : : 2014/02/01(土) 10:07:20
    やや長引きそうなんだけど、
    誰か読んでくれてる?
  10. 10 : : 2014/02/01(土) 11:10:57
    「やあ、ジョー! 元気してる?」

    「誰だよ」

    挨拶もなしに元気に喋る電話口の向こうの
    態度に少々イラっときて
    素っ気ない態度をとってしまう。

    「あぁ、悪い。俺だ、ショーだよ」

    「で? まだ昼間なのに何のようだ?
    またフられたのか?」

    ショーという男は、基本的に
    夜になってから電話をかけるヤツだ。

    酒に誘うために。

    つまり、滅多なことがない限りは
    昼間に電話をかけない。

    すなわち、今、彼の身に
    滅多なことが起きているわけだ。

    「いや、まぁ・・・・・・
    あれだ、今夜いつもの3人で
    飲みに行こうぜ、って話だ」

    「んで、あわよくば女を見つけよう、と?」

    「That's right!」

    「・・・・・・分かったよ。
    いつ、どこで集まるんだ?」

    「サムライワサビっていうところだ」

    「どこだソレ?」

    「つい最近、仕事場の近くに出来たバーだよ。
    ゲイシャガールがいるんだと」

    ショーの言葉を聞いて、彼は呆れを覚えた。

    ショーの狙いが、
    そのゲイシャガールと
    ウマい具合に垂れ込むことだと
    予想できたからだ。

    「ショー、友人としてお前に言っておくぞ」

    「ナンダ?」

    「オンナひっかける分には
    何も口出しはしない。
    だが、運悪く“戴いてきた”時、
    お前は一発解雇だってこと忘れるなよ」

    「自慢じゃねぇが、
    今までナマでやったことは一度もねぇ」

  11. 11 : : 2014/02/01(土) 13:32:23
    分かりやすくため息をつく。

    「あと、ショー。
    仕事場の近くってんなら迎えを頼む。
    夜にバイクで長い道を走りたくねぇ」

    「分かった。じゃあ、2030あたりに
    お前の家に行く。
    じゃあな!」

    「ああ、また夜に」

    彼の今の心境は、でかい霰が
    我が家に当たったときのそれに
    近いものだった。

    嵐が去った。

    それはそうと、仮にもそういうバー
    に行くわけだ。

    それなりに身だしなみは整えなければ
    ならない。

    そして彼は今、
    お世辞にもきれいとは言い難い。

    髭は延びに延び、
    ボサボサに伸びた髪は寝癖が渦巻き、
    おまけに鼻毛も何本か顔を出している。

    汚い。すごく汚い。

    彼はこの1ヶ月の間、
    ずっと会社のデスクと寝ていた。

    シャワーすらろくに浴びずに。

    理由は、仕事で州軍の
    歩兵教練を受け持ってしまったからだ。

    彼は悔いた。

    自分の浅はかさを。

    報酬金額は覚えている。

    教練修了に対して9500$だった。

    その内7割が会社に持って行かれ、
    3割を教練に巻き込んだ同僚と
    仲良く分け合った。

    結果として、労働に見合った対価には
    到底及ばなかった。

    それでいて、約1ヶ月働き詰めだ。

    彼は思った。

    今日はショーに全部奢らせてやろう、と。
  12. 12 : : 2014/02/01(土) 16:23:30
    彼はシャワーを浴びることにした。

    何よりも、さっさと
    火薬と泥と汗、その他の臭いが
    入り交じった服を徹底的に洗浄したい、
    と言うのもあった。

    最終想定を始めた日から今に至るまで、
    コンバットパンツと下着を着替えていない。

    上は帰った瞬間に洗濯機の中へ突っ込んだ。

    ブーツの紐を解き、
    足を中からズルリと抜いた。

    「っ!?」

    ブーツの中から湧き出てきた
    何とも言えない臭いに、
    彼は思わず鼻を右手で覆った。

    足元を見れば、
    ヘンな色に変わり果てた謎の靴下が
    彼の足をズッポリと包み込んでいる。

    見た目だけで臭そうだ。

    それを脱いだらどうなるのか、
    想像しただけなのに
    彼はその身を震わせる羽目になった。

    彼は右手の指で
    鼻をしっかりと摘みながら
    靴下を、まるで爆発物でも取り扱うか
    のように、繊細に脱いだ。

    両の靴下を脱ぎきった瞬間、
    彼は息を止めたまま洗濯機まで走り、
    危険物体2つを中に放り込んで、封印した。

    「・・・・・・フゥ」

    一段落ついて、彼はやっと息をつけた。

    そして、落ち着いた状態で服を脱いでいった。
  13. 13 : : 2014/02/01(土) 19:51:47
    服を洗濯機に入れる段になって、
    彼はまた迅速な行動をとる羽目になった。

    首に陸軍時代のドッグタグがかかっている。

    彼は、それを外そうとしない。

    曰くお守りだから、だとか。

    そのまま、彼はシャワールームに入った。

    シャワールームには大きな鏡が1枚ある。

    彼は我が家のことが好きだったが、
    この鏡だけは好きになれなかった。

    彼の左わき腹には大きな傷跡がある。

    その傷跡が見えることが、
    彼がその鏡を嫌いにさせる理由だった。

    彼は湯気でそれが見えるのを隠そうと、
    蛇口をひねった。

    彼は久しぶりに、暖かい、
    ちゃんとしたシャワーを浴びた。

    一通り体をぬらした後、
    彼はシャンプーを出して
    父親譲りの大きな手で
    少し手荒く頭を洗った。

    洗い終えて、シャンプーを流し終えた後
    今度はボディブラシで前進をこすり始めた。

    ボディソープを使って。

    それも終わって、
    彼はもうしばらくシャワーを浴び続けた。
  14. 14 : : 2014/02/01(土) 21:53:01
    久方ぶりの暖かいシャワーは
    彼の全身にたまった疲労を和らげるのには
    十分すぎるものであった。

    彼は蛇口をひねり、そこをでた。

    彼はシャワーを浴びる前の自分が、
    いかに臭かったのかを、
    今、洗濯機の前で感じている。

    彼は、急いで着替えて、
    洗濯機を回し始めた。

    ジャージにメッシュのTシャツ姿の彼は
    すぐさまベッドにダイブしに行った。

    このまま寝てしまおうか、彼はそう考えたが
    起きる時間のこともあるので
    パッドフォンを取りにムクリと起きあがった。

    ソファの前にあるテーブルの上に
    それはあった。

    彼は、それをとって
    時間を確認しようと起動すると、
    画面には1件のメールが届いていることを
    知らせるタグがでていた。

    「・・・・・・」

    誰からだ? 

    彼はそう思いながら受信ボックスを
    確認すると、
    それはケビンからのメッセージだった。

    内容はこうだった。

    『今夜、ショーと仕事場の近くに出来た
    新しいバーに行くんだってな?
    俺も一緒に行くことになったよってことだ。
    まあ、アイツのことだ。
    女が目当てなんだろうな。
    それはそうと、
    今夜は飲み明かすつもりでいるんだが、
    誰が奢ってくれるんだ?』

    「そんなの、アイツに決まってるだろ」

    彼は、ついうっかり
    心の声を漏らしてしまった。

    返信メッセージにはもちろん、
    本音を添えている。

    彼は、返信完了後、
    目覚ましの設定を2000時にして、
    ベッドに戻った。

    ベッドの柔らかい反発に包まれながら、
    彼は眠りに落ちた。
  15. 15 : : 2014/02/01(土) 21:54:08
    今日はここまでです!

    読んでくれてる皆さん、あざす!

    コメントくれたら凄く嬉しい・・・・・・☆
  16. 16 : : 2014/02/02(日) 12:12:54
    ・・・・・・・・・・・・
       ・・・・・・・・・・・・

    乾いてひび割れた建物の壁。

    からからに乾ききった空気。

    さらに乾燥を促す、干からびた大地。

    漂う、地と硝煙と、汚物の臭い。

    ガラスのない窓のすぐ横に立ちすくむ、
    赤子を抱きしめる少女。

    彼女はふるえている。

    その目は恐怖を見るようにハッキリと
    しかし少しだけ虚ろに、こちらを睨む。

    発砲音。

    少女の鼻の真ん中から上と、赤子の頭が
    削り取られたかのように消えた。

    飛び散った血が頬に跳ねる。

    死体から、リンゴほどの大きさの
    黒い固まりが転がり落ちる。

    刹那、爆発。

    暗い暗い闇。

    見えるものは、真っ黒な世界と、
    真っ白になって倒れ込む自身の姿。

    ・・・・・・・・・・・・死にたくない。
  17. 17 : : 2014/02/02(日) 20:41:40
    そこで夢は醒めた。

    「・・・・・・・・・・・・久々、だな」

    彼はそう言いながら、汗で濡れた頭を
    クシャクシャとかき乱した。

    何回か深呼吸をして
    荒い呼吸を落ち着ける。

    シャツの背中に汗染みが広がっている。

    「気持ち悪いな・・・・・・」

    彼は小さく舌打ちをしながら起き上がり、
    タオルをとってシャワールームへ行った。

    体中の汗と、頭の中にこびり付いている
    あの夢のことを
    きれいに洗い流しに行くために。

    左のわき腹が、ズキズキと痛む。

    久しぶりに感じる、イヤな痛覚。

    「ほんと、久しぶりだな・・・・・・」

    彼はシャワールームに入った。
  18. 18 : : 2014/02/02(日) 20:44:16
    自分の中ではなじみすぎて埋まりました。
    今回も期待です。
  19. 19 : : 2014/02/02(日) 21:48:45
    有り難うございます!

    なじみすぎて埋まってましたか!
    じゃあ、土になるまで頑張りますね
  20. 20 : : 2014/02/03(月) 15:36:20
    落としていきます!
  21. 21 : : 2014/02/03(月) 16:25:15
    壁の所々に、まだ水滴が残っている。

    鏡もまた、然りであった。

    「今度コイツ外すか・・・・・・」

    鏡に映る自分の左胸に手を当てながら、
    彼は呟いた。

    鏡に映る彼の目はわずかにやつれ、
    その下には目立たない程度の隈が出来ていた。

    一通り汗を流した彼は、
    手早く体を拭いて、
    出かけるために着替えた。

    着替え、と言っても彼は任務服しか
    持ち合わせがない。

    正確に言えば、彼の仕事柄
    私服と任務服が同じなのだ。

    ジーンズにチェック柄のシャツ、腕時計
    そしてコンバットシューズ、
    と言う出で立ちの彼は何も気にせずに見たら
    普通の男性だ。

    だが、分かる人から見たら彼は、
    確実にPMCオペレーターだと分かる。

    彼がつけている、腕時計だ。

    一般的なデザインを踏襲しているが、
    その時計に刻まれたロゴマークは
    NSS社のものであり、
    その時計もそこの正社員に支給される
    専用のものだからだ。

    そして彼は、ベルトとともに
    ヒップホルスターを装着した。

    部屋の隅にある、金属製のロッカーから
    1丁の拳銃を取り出した。

    護身用のものだ。

    この時代、
    どこかのPMCオペレーターが
    任務先で出会った敵の生き残りの
    報復を受けると言う話はザラにある。

    彼もまた、その1人である。

    1度だけ、自宅に簡易の爆弾が
    届けられたことがある。

    造りが雑だったから、
    彼だけで無力化することが出来たが、
    後で警察に訊くと、
    送り主は、彼を敵としている輩だった。

    その経験をして以来、
    彼は外出の度、護身用の拳銃を
    所持するようになった。

    その拳銃は、M1911A1。

    市販のものではなく、
    知り合いのガンスミスが
    オーダーメイドで作り上げたものだ。

    手早く銃の状態を確認し、
    弾が入ったマガジンを装着し、
    ホルスターに納めた。
  22. 22 : : 2014/02/03(月) 17:05:59
    そのまま出て行っても良かったが、
    彼は念のために、と思って
    パッドフォンと財布をポケットに入れた。

    身だしなみを確認するため、
    玄関の姿鏡で自分の姿を見た。

    「あぁ、こりゃあマズい」

    彼は青ざめた。 

    まだ、髭と鼻毛の処理を
    していなかったのだ。

    彼はあわてて洗面所へ行き、
    顔を水で濡らしクリームを塗ったくり
    電動シェーバーで
    髭をそれらしい形に仕上げた。

    ベッカムというか、若い頃のイチロー
    のような髭の形だ。

    そして、毛抜きを出して、
    目立っている3本の鼻毛を
    一息に抜き去った。

    危機一髪だったと、彼は胸をなで下ろした。

    友人同士とは言え、
    みっともない姿を晒すのは
    彼のプライドが許さなかった。

    平時は、出来るだけ
    身のこなしに気をつけるのが
    彼の性格だった。

    一段落付いたところで、
    彼はパッドフォンで時間を確認した。

    2023時。

    いい頃合いだ。

    彼は、全ての窓が閉まっていることを
    確認してから
    家の鍵を持って、外に出た。

    玄関の鍵を閉め、家の前を通る道路にでた。

    さほど家が多くない彼の町は、
    この時間になると、
    歩いて外出する者はいない。

    治安が悪いわけではないが、
    昔から伝わる、一種のしきたりだ。

    夜に外を歩くと、
    ボロボロの靴をはいたグークが
    その人を襲うとか何とか。

    彼も、この町で育ったからその言い伝えは
    耳にタコが出来るほど聞かされた。

    空を見れば、満月が薄い雲で
    少し隠れているのが見えた。

    数年前の彼は、こういう時間は
    タバコをふかしながら暇を潰していた。

    が、彼の当時35歳の姉がタバコの吸いすぎで
    死んでからは、
    ピタリと吸うのを止めた。

    彼は死に場所を求めてさまよう
    ような男ではなかったが、
    自身が納得できる死に方を
    模索する男手はあった。

    しばらく待ち続けていると、
    ある時、少し離れたところから
    クラクションが聞こえた。

    「・・・・・・やっと来たか」

    それはショーが持っている
    ハンヴィーであった。

    ガラスをおろして、ショーは言った。

    「わりぃ、遅れた。
    イヤァ、ガス管か水道管かの工事で
    道が詰まっちまっててさぁ・・・・・・
    やむおえず遠回りしてきたら遅れちまったよ」

    「付近の交通状況及び交通事情は
    常に確認を怠るな。基本だぞ」

    「気をつけるよ。ケビンも拾っていく。
    さぁジョー、俺の愛車に乗りな!」

    「ヘンな消臭剤をまいてないことを祈るよ」

    彼はそう言いながら、車に乗り込んだ。

    夜の道を、
    町の雰囲気には似つかわしくない
    ゴツい車が走っていく。
  23. 23 : : 2014/02/03(月) 17:09:36
    今の所はダラダラしてるけど、
    後もう少ししたらバトり始めるよ!

    待っててね!

    次の更新は2230時からだお!
  24. 24 : : 2014/02/03(月) 23:02:49
    町をでて20数分が経過した。

    助手席から外を見ても、
    街灯、街灯、街灯と、抑揚のない
    単調な景色が見えるだけだ。

    「なぁ、ショー?」

    彼は、唐突に話しかけた。

    彼は何とも言えない静けさを、
    どうにかしたかったのだ。

    「どうした?」

    「ケビンの家って遠かったか?」

    「ああ、前のマンションは
    大家がどこかへ逃げたせいで
    強制退去させられたんだと」

    「うへぇ、マジか。
    じゃあ、アイツは今、
    別の所に住んでるのか?」

    「ああ、そうだ。
    アイツの知り合いが住んでるマンション
    らしくてな、
    その知り合いのツテだけで
    引っ越していったんだとよ」

    「よくやる・・・・・・」

    「ハハ、全くだ」

    ケビンは、ジョージが1ヶ月会社暮らしをしている間、別の所で仕事をしていた。

    だから、彼はケビンの詳しい状況を
    あまり知らないのだ。

    「ところで」

    「?」

    「お前の護身用道具って何だ?」

    「どうした急に?」

    「いや、気になってな。
    さっきラジオでも何か言ってたろ?
    ココのあたりに通り魔強盗がでてるとか」

    「ん? 言ってたか、そんなコト」

    「あぁ、言ってた。
    拳銃とナイフぶら下げて
    ココの近所をほっつき歩いてるらしい」

    「へぇ、おっかねぇな。
    まあ、たしかに持ってきてるぞ。
    俺は“特別な木曜日の夜”だ。」

    「サタディナイトスペシャル?」

    「冗談だよ、冗談。
    USPだ、俺のは」

    「口径は?」

    「40口径」

    「確かに撃ちやすいもんな」

    彼らは、そんな他愛ない会話をしながら
    ケビンがいるマンションまで行った。
  25. 25 : : 2014/02/03(月) 23:07:04
    本日はココまで!

    ではまた明日!

    読んでくれてるヒトいる?
  26. 26 : : 2014/02/04(火) 19:30:13

    投下していきます!
  27. 27 : : 2014/02/04(火) 20:35:37
    彼らはケビンの住むマンションに着いた。

    ジョージの住む町から1、2マイルほど
    離れた所にある、これもまた小さな町だ。

    待ち合わせ場所に指定されたところで
    車を停めた。

    周囲を観察していて、
    ジョージが気が付いたことと言えば、
    彼らの住ぐ近くに
    大きな売春塾があることだ。

    「あそこの店は良いオンナいると思うか?」

    「ん~、そうだな・・・・・・・・・・・・
    病気持ちはいなさそうだが、
    抱いてて楽しいオンナがいるかどうかは
    分かったもんじゃない」

    ショーが、眉間にしわを寄せ
    考察しているような雰囲気で返した。

    「どうして分かるんだ?」

    「店から出てくる客を見て見ろ。
    客の服装と行動で、ある程度は分かる
    チンピラが出てくるような店は
    気をつけた方がいいが、
    そこみたいに、会社員みたいなのが
    出てくる店はそんなに危険度は高くない」

    「詳しいな」

    ジョーは、そう言う店の世話に
    なったことがほとんどなかった。

    だから、ショーの説明は
    今後のための情報源になるのだ。

    「ところで、ケビンはどこだ?」

    ジョーは訊いた。

    「ここの近くで待ってるって言う
    約束のはずなんだが・・・・・・・・・・・・」

    「アイツらしい人影は見あたらんぞ?」

    「だよなぁ、どこに隠れてるんだか」

    「もう少し待つか?
    時間は押してないだろ」

    彼らはそのまま車の中で待ち続けた。

    2人ともタバコを吸わないから、
    逆に時間が長く感じられる。

    ショーがハンドルを指で叩いている。

    ジョージは、ここぞとばかりに
    自前の拳銃を出して、簡易分解を始めた。

    2人とも暇だった。
    ま待ち続けて、約30分が過ぎる頃だった。

    見慣れた格好の男性が、
    売春塾から出てきた。

    それに気が付いたのはジョージだった。

    「なあ、ショー。
    あの男、ケビンじゃないか?」

    「んん?
    あぁ・・・・・・確かに。ケビンに似てるな」

    「どうする?」

    「とりあえず、呼んでみるか?」

    「やってみろ」

    ショーが短くクラクションをならした。

    男は、驚いて辺りを見回した。

    そして、すぐにこちらを見つけて
    手を振りながら近づいてきた。

    「ほら、当たりだ」

    ジョージがニヤリと笑いながら言った。
  28. 28 : : 2014/02/04(火) 22:30:50
    近付いてきたのは、確かにケビンだった。

    SWAT時代からのシューティンググラスが、
    右頬の傷と相まって、妙に様になっている。

    彼が運転席の方へ来た。

    ショーが、サイドガラスを下ろした。

    「よぉケビン、何してたんだ?」

    ショーがニヤニヤしながら訊いた。

    ケビンは鼻血を垂らしていた。

    「いやぁ、参った!
    女って生きもんはやっぱ恐ぇわ」

    「どうした、何をしたんだ?」

    ケラケラと笑うケビンに、
    ショーはさらに訊いた。

    「いやね、1発ハメようとしたとこ
    までは良いのよ。
    病気貰いたくないからって
    ゴム着けてヤうとしたらさ、
    良いモン喰らってそのままポイされた」

    彼は楽しそうに答えた。

    「で? 出禁はくらった?」

    「いいや、まだ貰ってないね」

    「まあ良いや、さっさと乗りな」

    そう言われて、ケビンは助手席の
    後ろの座席に座った。

    「やっぱ、俺のダンナの背中は
    いつ見ても素晴らしい!」

    そう言いながらケビンは、ジョージに
    軽めのチョークスリーパーを見舞った。

    「どう、上手くなった?」

    「次第点、と言ったところか」

    そう言いながら、ジョージ
    軽くケビンの技を外した。

    カウンターまではしない。

    「ケチくさいなぁ。
    それより、先々月の返事は?」

    「何度も言うが、
    お前のプロポーズは受けんぞ」

    「そんな冷たいこと言うなよぉ、ジョー」

    「俺は男好きじゃないんだ」

    ケビンという男は、
    女に興味がないわけではないのだが、
    少しゲイの気があるのだ。

    しかも、どこまで本気で
    どこまでが冗談なのかが、
    非常に分かりにくい。

    「そう言えば、ショーは今日何持ってきた?」

    ケビンが訊くと、ジョージが答えた。

    「サタディナイトスペシャルだとよ」

    「うはぁ、犯罪者ごっこ!?」

    「違ぇよバカっ!
    40口径のUSPだ」

    「通なの持ってきますね!」

    「撃ちやすいからだと。
    そう言うお前は?」

    「俺はファイブセブンですよ!」

    「FNの? 
    そりゃあ、お前、
    護身用じゃなくて反撃用だ」

    車の中が、騒がしくなった。

    彼らを乗せた車が、走り出した。
  29. 29 : : 2014/02/07(金) 23:08:05
    目的の店には、案外早く到着した。

    それなりに広い駐車場なのだが、
    ほとんどが埋まっていたので
    彼らは、端っこの方に停めることになった。

    「良い感じの店じゃねぇか」

    「だろう?
    俺の、このテの情報の収集能力の高さ、
    甘く見るなよ?」

    「んなことより、早く入ろうぜ!
    俺はすぐにでも飲みたい気分になってきた」

    「そうだな」

    彼らは、何気なく統率のとれた動きで
    店へ向かった。

    店の中に入って、ジョージが
    最初に感じたことは
    普段行くようなバーと違って、
    かなり品がよろしいことだ。

    うるさいと言えばうるさいのだが、
    暴れる客がいないのだ。

    彼らは入口のすぐ横にある席に座った。

    ジョーはメニューを開いて、
    内容を確認した。

    「日本の酒も入ってるのか」

    「当たり前だろ。
    じゃないと、
    サムライワサビなんて店名にしねぇよ」

    「それもそうだな」

    「俺、このショーチューの冷たいやつ頼む」

    「じゃあ俺は・・・・・・バーボン」

    「ジョー、空気読めよなまったく。
    俺も焼酎の熱いやつ頼む」

    ジョーが店員を呼んで、注文を頼んだ。

    注文した者は、少ししてから届いた。

    ツマミのベーコンナッツともに。

    「なあ、ショー?」

    ジョーが突然訊いた。

    「?」

    「何に乾杯するんだ?」

    彼らは、こういう場所では
    必ずと言っていいほどに乾杯をしているのだ。

    「そうだな・・・・・・」

    ショーは、腕を組んで少しの間考えた。

    「ジョーの入社3年目のパーティー、かな?」

    「それで良いと思いますよ!」

    そうして、何とか体裁を整えて、
    彼らは乾杯した。

    ジョッキに着いていた水滴が飛び散る。
  30. 30 : : 2014/02/08(土) 00:00:19
    「そう言えば3年目になるんだよな・・・・・・」

    ジョーが6杯目のジョッキを空にして言った。

    「どうしたジョー?
    黄昏るにはまだ早いぞ」

    ショーが、やや赤い顔を向けて返す。

    「いや、ここに来てから
    どんな仕事してたかなって
    思い出そうとしてるんだが、
    思いの外少ないような感じがしてな」

    「何やってました?」

    「まずは、インストラクターの
    サポート役から入って、
    少したってから、任務がきて、
    終わったら、またインストラクターして。
    そんな繰り返しだな」

    「まあ、俺らの仕事なんて
    単調なものですけどね」

    「そうだな・・・・・・」

    「そう言えば、ジョーは
    ここに来てから何回任務に参加した?」

    「・・・・・・・・・・・・4回か5回くらいだな」

    「流石に古参の俺には及ばんか」

    「ショーはどれくらい参加したんだよ?」

    「17回だな。基本は要人警護か施設警備。
    たまに、要人救出が入ってたくらいだ」

    「へぇ、凄い経験ですね。
    俺はまだ3回ですよ」

    彼らは楽しそうに話していた。

    その間に、数人の客が出て行き、
    また新しい客も入ってきた。

    「ところでよ、ジョー」

    ショーが、顔をズイと寄せて言った。

    「ちょっとした勝負しねぇか?」

    「どうした?」

    ジョーが怪訝そうに訊くと、
    ショーは楽しそうに口を開いた。

    「やることは簡単だ。
    今ここにいる客の中で
    銃持ってるのは何人か当てるんだよ」

    「別に良いが、
    泣きっ面晒すことになっても知らんぞ」

    ジョーも、ルールを理解すると
    とたんに乗り気の態度を表してきた。

    ジョーはこの
    ちょっとしたゲームに負けたことがない。

    誰が相手でも、だ。

    ジョーはサッと店内を見渡して、
    ショーに向き直った。

    「俺たちを含めて、今のところ3人だ」

    ジョーがニヤリと笑みを浮かべる。

    ショーは、小さく舌打ちをしただけだった。

    すると、新しい客が数人さらに入ってきた。

    「残念だなジョー。
    正解は俺たちを含めて7人だ」

    ジョーは、ショーが言う
    新しい4人の客を素早くチェックした。

    確かに、全員が銃を持っている。

    それと同時に、
    彼は少し違和感も感じていた。

    「おいおい、屁理屈は無しだろう」

    「へっ、言ってろ」

    「にしても、あの客。
    何かヘンな感じしねぇか?」

    その言葉に反応したのはケビンだった。

    「確かに何かヘンですね。
    何だろ、何か知ってる動き方って言うか、
    それに似てる感じがします」

    「お前ら、良いカンしてるな。
    確かに、アイツ等派なんかヘンだ」

    彼らがそういぶかしんでいると、
    件の4人が2手に別れ、
    店の真ん中と出入り口に立った。

    その瞬間だった。

    真ん中にたっていた、小柄な方のやつが
    急に天井へ向かって発砲した。
  31. 31 : : 2014/02/08(土) 00:01:26
    今日はここらで寝るべ!!

    コメントくれたら凄く嬉しい。
  32. 32 : : 2014/02/16(日) 20:44:47
    ささやかなうるささが潮を引き、
    危機感からくる騒ぎが上ってきた。

    入ってきた4人はどこからともなく
    ウージーSMGを取り出し、
    他の客の足下を撃つ。

    ジョージたちは反射的に
    自分たちが座っているテーブルを
    ひっくり返し、
    その陰に隠れた。

    「おい、俺は
    アイツ等がハンドガンしか持ってない
    と思ってたんだか、
    こりゃあ一体どう言うことだ、えぇ?」

    ショーがやや興奮じみた声で言った。

    「畜生、アイツ等あの得物の使い方に
    なれてやがるぞ」

    「みたいですね。
    そんじょそこらのチンピラガンマンとは
    訳が違う。結構使い込んでますよ」

    「んなことより、アイツ等は誰だよ!?」

    「知らん」

    3人は、そんなに大きくないテーブルの陰で
    現状把握にいそしんだ。

    敵の数、武装状況、距離、目的。

    対して、自分たちの状況と
    勝利条件、及び敗北条件。

    「なぁジョージ。
    アイツ等にネゴが通じると思うか?」

    ショーが訊いた。

    「あの様子だと無理、だな。
    何かを探してるような感じもするが、
    ああもお構いなしにぶっ放してちゃ
    ネゴ役の頭に2つ目のケツ穴が出来る」

    頭の上をかすめる銃弾や、
    飛び散るテーブルの破片で
    首をすくめる。

    「俺もアイツ等相手に喋れる気がしませんよ」

    元FBI-SWATの人間でさえ
    こう言わざるを得ない、
    問答無用の銃弾の嵐。

    テーブルに隠れた彼らが、
    今、どう対応すべきかを決断した。

    彼らは最小限のアイコンタクトだけをとり
    各、ホルスターから拳銃を抜いた。

    スライドを引く音は、
    銃撃の音にかき消されていた。
  33. 33 : : 2014/02/16(日) 23:37:46
    逃げ出そうと騒ぐ者がいなくなると、
    彼らは銃撃を止めた。

    「手前ぇら何モンだ!?」

    カウボーイハットを被った中
    年くらいの男が怒鳴った。

    そして1回の発砲音。

    崩れる男の死体。

    服屋のモデル人形が倒れる音と
    大差ない音が鳴った。

    その音で、完全な沈黙が完成した。

    「この町にNSSという傭兵企業がある
    と聞いてきた。
    我々はそこに所属するこの兵士に用がある!
    コイツの居場所はどこだ!?」

    集団の中で一番大柄な男が、
    左手に誰かの顔写真の
    引き伸ばしを掲げて叫んだ。

    誰一人反応を示さない。

    否、示せないのだ。

    大半は自身が死にたくないからという
    保守的心理、
    残りは相手の隙を虎視眈々と狙うが故だ。

    3人はその写真をテーブルの陰から覗いた。

    その写真は画質が悪く、
    またピンぼけ気味だったから
    最初、それが誰だか分からなかった。

    その正体に気付いたの、
    その写真に写っている本人だった。

    「あれは・・・・・・俺、か?」

    他の2人がギョッとした態度で
    そちらに振り向く。
  34. 34 : : 2014/02/16(日) 23:54:55
    面白いです!
  35. 35 : : 2014/02/17(月) 23:33:14
    2人の視線の先にいたのは、
    ジョージだった。

    「え、ジョー?
    何でだ?」

    ケビンが、場違いも甚だしいくらいに
    頓狂な声で訊いた。

    「ああ、あの写真、多分俺だ。
    あの感じだと・・・・・・・・・・・・アフガンか?」

    ジョーが独り言のように呟く。

    その顔は、嫌な出来事を
    思い出しているような、
    そんなしかめ面だった。

    「待て、あの連中が
    お前を捜す理由は何だ?
    それ以前に、アイツ等は誰なんだよ!?」

    ショーが苛立たしげな口調で、
    ジョーに詰め寄る。

    だが、ジョーは無表情のまま
    敵の方を伺いながら
    僅かに首を横に振った。

    彼にも、見当が付かないのだ。

    「ジョージ、ショー、
    そんなのは後で考えようぜ。
    今重要なのは、
    俺達が撃つか、撃たないか、
    のどっちかだろ!?」

    ケビンが、冷静な声で言った。

    その表情は、警察官が
    犯人を生け捕るか射殺するかの
    どちらかの選択に
    迫られたときのそれだった。

    テーブルの向こう側で、
    ずいぶんとスムーズに
    リロードをする音が聞こえる。

    それは、向こう側がいつでも
    鉛の乱舞を踊らせることが出来るぞ、と
    宣言しているようなものだ。

    ジョーがやけに静かな声で言った。

    「・・・・・・死なせずに無力化する。
    お前等、それで良いか?」

    返事は聞こえない。

    ただ、
    誰がどいつを片付けるかを決める
    アイコンタクトと
    彼らの共通のハンドサインが
    返ってくるだけだ。
  36. 36 : : 2014/02/18(火) 21:41:47
    ジョージは、人差し指でケビンを指し示し
    ここでバックアップをするように、
    ショーには出入口の2人を
    片付けるように指示を出した。

    細かい打ち合わせはなく、
    目と手の動きのみで、
    やるべき事だけを決める。

    細々とした連携は、
    培った経験則と技術で埋める。

    最後にジョーが、
    目線で行動開始のタイミングを確かめる。

    ショーとケビンが、
    そのアイコンタクトの意味を理解し、
    頷き、それを確認したジョーが
    3本の指を立てた。

    ・・・・・・3

    ・・・・・・2

    ・・・・・・1

    ・・・・・・・・・・・・
  37. 37 : : 2014/02/22(土) 19:42:44
    「全員死にたくなけりゃ
    そこに伏せたままでいろ!!」

    力一杯に目を瞑っている
    ジョージが怒鳴った。

    店内に鎮座する恐怖の空気が、
    緊張の空気に変わる。

    ケビンが、膝立ちの姿勢で、
    倒れたテーブルの陰から狙いを付ける。

    その先にあるのは、電灯だ。

    瞬き1回ほどの時間差で、
    店内の一部が暗くなる。

    そこは、2つのグループから
    大きく離れた場所だ。

    しかし、だからこそ例の4人は
    陰が出来た場所に注意が向く。

    しめた、とばかりにケビンが
    僅かにほくそ笑む。

    さらに、 1発、2発、3発・・・・・・・・・・・・

    4人は、中が真っ暗になるまで、
    新たに発生する陰を追うためだけに
    踊らされた。

    闇が出来上がるまでに要した時間、
    およそ10秒。

    その時間は、2匹の戦闘生物が
    闇夜の狩りの準備をする時間になる。

    ジョージとショーが静かにその目を開く。

    ジョージが音もなく
    店内の中央にいる2人の方へ
    移動を開始した。

    月明かりだけが、足下を照らす・・・・・・
  38. 38 : : 2014/02/23(日) 13:19:23
    ジョージが静かに、銃を構えた。

    力の抜けた指がトリガーにかかる。

    刃物のように鋭くその目を細め、
    指に僅かな力を掛ける。

    45口径弾特有の鈍重な発射音。

    その鉛の塊が亜音速で突き進む先には、
    ジョージの手前にいる男の左膝側面。

    発砲音と同時に、
    男が悶絶しながら倒れた。

    ジョージは、そのまま
    もう1人の男の方へと距離を詰めた。

    「畜生、やりやがったな!!」

    男が声を上げながら、
    ウージーを振り回す。

    無闇矢鱈に撃って自分の仲間を傷つける、
    という愚考を避けるあたり、
    彼らが素人ではないことを示す。

    だが、ジョージは戦闘のプロである。

    素人ではない、の評価で留まる彼とは
    根本的に違う。

    元米陸軍最強部隊所属の肩書きは
    伊達ではない。

    足下でうずくまる男の鳩尾に
    蹴りを1発見舞い、
    そこから姿勢を低くして
    奥の男との距離をさらに詰め、
    その懐に入り込む。

    振り回されている腕が
    ジョージの頭上を掠めた瞬間、
    彼は銃の先端部で相手の脇腹を突き
    相手の体勢を崩す。

    重心がやや崩れた相手の左足をとり、
    床との唯一の接点たる右足を払う。

    支柱を失った相手は、
    そのまま重力に逆らえずに倒れる。

    ジョージは倒れた相手を
    完全に無力化させるために
    股間部への追撃を躊躇無く敢行。

    相手の情けない悲鳴とともに、
    一方的な暴力はその身を引いた。

    だが、ジョージ然りショー然り、
    銃口は相手の致命部位を捉え続けている。

    「・・・・・・で?
    お前等は何モンだ?」

    ジョージが口を開いた。

    そこには、あまりにも静かな威圧感
    だけが存在していた。

    口を利く者は1人もいない。

    「・・・・・・・・・・・・」

    無言、否、無音の時間だけが
    何事もなかったかのように過ぎ去る。

    だが、すぐに新たな音は現れた。

    「お前に復讐心を抱く者だ」

  39. 39 : : 2014/02/23(日) 13:23:57
    こんな僕にでも、
    テスト期間が
    平等にやって来ちまいました!!

    と言うわけで
    暫くは更新しない、もとい出来ません。

    次回更新は恐らく3月に
    突入してからだと思います。

    それまで楽しみに待っててね!!
  40. 40 : : 2014/03/01(土) 23:01:25
    ちょいと落としていくとするか
  41. 41 : : 2014/03/01(土) 23:24:07
    「!?」

    どこから聞こえたかのかが分からない声に、
    ジョージ達は身を堅くした。

    「こっちだよ」

    発砲音。

    狙った先でうずくまるのは・・・・・・

    「ショー!」

    ケビンがうずくまり震えるショーへ
    真っ先に動いた。

    「バカ、動くなケビン!!」

    さらに乾ききった発砲音が響いた。

    「ぬあぁっ!?」

    「・・・・・・バカな子達ね。
    普通は入り口にいるものでしょう?」

    ジョージはそこを動こうとはしなかった。

    ただ、床の上で丸くなって呻いている2人を
    視界に納めながら、
    入口から来るであろう人物を、
    じっと狙っていた。

    女性用靴特有の足音が、
    やけに響きながら
    次第にその音を大きくしていった。

    木製の床がきしむ音。

    「・・・・・・貴方達は殺さないわ。
    復習相手の知人を殺すなんて
    不細工な真似はしたくないからね。
    この国の病院ならちゃんと治してくれるわ」

    彼は、自分の耳を、
    自分の聴覚から認識できる事実を
    認めたくなかった。

    そして、声の主はひっそりと現れた。

    「久しぶりね・・・・・・2年ぶり、かしら」

    そこに立っていたのは、
    アジア系白人の女性であった。 

    そして、彼は彼女の顔とよく似た人物を
    知っていた。

    「アンタは・・・・・・2年前の亡霊か?
    頭を消し飛ばされて赤ん坊と一緒に、
    俺の目の前で死んだはずなんだがな」

    乾ききった空気が2人の間を吹き抜けた。
  42. 42 : : 2014/03/04(火) 00:55:32
    「意外ね、あの時のことを覚えてたんだ。
    人殺しなんて、自分が殺したヒトの事なんて
    すぐに忘れる人種だと思ってたんだけど」

    皮肉な口調で、彼女は言った。

    それは、完全にジョージに対する悪意を
    示していた。

    「俺の知りうるところで死んだヤツのことは
    基本的に覚えてるつもりだ」

    ジョージは、はっきりと言いはった。

    俺は愉快犯ではない、その意味が
    分かりやすいくらいに滲み出る言葉であった。

    「だからこそ、
    アンタが今ココにいることが解せん」

    ジョージは構えなおし、彼女の眉間を狙った。

    掌に異常なほど汗が滲み出る。

    グリップを握る手に、更に力がこもる。

    「・・・・・・殺したことは覚えていても
    殺した相手のことはちゃんと知らないみたいね」

    「・・・・・・どういう意味だ?」

    「バカな男。まだ理解できないのかしら?
    貴方が、あの日、あの家で殺したのは」



    「殺したのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・私の姉さんと・・・・・・妹よ」

  43. 43 : : 2014/03/04(火) 01:23:15
    絶句。

    ただ、それだけが彼の中に残った。

    それ以外の事象は、
    あまりの衝撃に何処かへと消し飛ばされた。

    あの日、あの場所で、
    彼の目の前で殺されたのが
    彼を仇としている、
    名も知らない女性の姉と妹。

    なんと奇跡的な巡り合わせと再会なのだろう。

    これで、もし、彼らの関係が
    引き離された愛する者同士だったとしたら
    この状況は一体、どれほど感動的だったろうか。

    もしかすると、どこかのテレビ局が
    その話の特集を組むかもしれない。

    その話をベースにした
    ドキュメンタリー映画が
    世に送り出されたかもしれない。


    だがしかし


    彼らの関係はある意味でそれ以上に悲劇的だ。

    お互いに、名も知らぬまま
    方やずっと忌むべき記憶として引きずり
    方や復讐心だけを頼りに、
    今の今までを生きてきた。

    何一つ、
    美しい面など持ち合わせていないのだ。

    しかし、彼はずっと彼女の言うことに
    違和感を感じていた。

    (俺が・・・・・・・・・・・・あの2人を、殺した?)
  44. 44 : : 2014/03/04(火) 06:03:10
    「異論がありそうな顔ね」

    彼女はやや不愉快そうに口を開いた。

    ジョージはただ狙い続けている。

    「・・・・・・・・・・・・」

    「何か、言い残す遺言(コトバ)でも
    思い付いたのかしら?」

    「まだ死ぬ気はねぇな」

    その声は、何者の意見をも受け付けない
    絶対的な威圧感を伴っていた。

    「・・・・・・・・・・・・アンタ、家族はいるか?
    夫、子供、親、祖父母、他の血縁・・・・・・
    誰か1人でもいるのか?」

    「・・・・・・・・・・・・」

    「どうなんだ?」

    その質問は、
    彼にとって最後の慈悲であり譲歩であった。

    だが、その真意を知るのは
    神ではなく本人だけだ。

    ましてや、赤の他人がそれを知る由もない。

    だから、彼女は何も知らずに
    そのボーダーラインを超えてしまった。

    むき出しの激情とともに。

  45. 45 : : 2014/03/04(火) 11:38:57
    「・・・・・・・・・・・・アンタがそれを訊くかい?」

    「あ?」

    「アンタがどうして、全部知ってるクセに、
    それなのに
    何が気に食わなくてそれを訊く!?」

    彼女の中にある何かが崩れ去り、
    その中に潜んでいた何かが
    あからさまになった。

    「忘れもしない、
    アンタ達が何食わぬ顔で私達の町に来て、
    善人ぶって
    私達に胸糞悪い笑顔振りまいて!」

    「それなのに突然掌を返して
    私達の町を攻撃して、
    母さんや父さん、お爺ちゃんと
    叔父さん、叔母さん、
    それに私の姉さんと妹を殺して、
    私から全てを奪ったアンタが、
    そのアンタが何を考えてそれを訊く!?」

    彼女の姿は、
    全身で哀しみと憤りを体現せんとする
    大理石のオブジェとよく似ていた。

    それほどに、彼女は
    何かに取り憑かれたかのように
    体中から感情の渦を吹き出していた。

    「そうよ、私には何も残ってないのよ。
    ・・・・・・・・・・・・何も、誰も。
    でも、私から全てを奪ったヤツならまだ
    のうのうと生きながらえてている。
    その1人が、アンタよ・・・・・・
    私はそれが許せない、絶対に。
    だから・・・・・・・・・・・・」


    「・・・・・・殺してやる」


    その瞬間、彼女は銃口を彼に向けた。

    刹那、発砲音が響く。
  46. 46 : : 2014/03/04(火) 12:55:17
    「っ・・・・・・」

    「アンタはココで死ななきゃならないのよ」

    「・・・・・・」

    「なのに、何でアンタは・・・・・・・・・・・・」

    彼女は両膝をついた。

    敗者の如く頭を垂れながら。

    「アンタの敗因を教えてやる。
    それはな、
    今まで何人の人間を殺してきたか、だ。
    そして、今まで何人の人間に向かって
    銃口を向けたか」

    「・・・・・・」

    「経験則から言うが、初陣に立つ新兵はな、
    どうしても、最初のあたりは
    相手が死なない場所を狙いがちになる」

    「・・・・・・・・・・・・」

    「そんで、アンタがそれだ。
    アンタはな、復讐に走る前に
    他のことをすべきだったんだよ」

    「・・・・・・グゥッ」

    そう呻きながら、彼女は倒れ込んだ。

    ジョージは銃をホルスターに納めて
    仰向けに倒れた彼女の方へと歩き、跪いた。

    「腕がなまったらしい、すまんな。
    1発でしとめてやれなかったよ・・・・・・
    だが、心臓には当たった。
    アンタはもうすぐ死ぬ」

    「っ、このっ!」

    彼女は最期の力を振り絞って
    ジョージの喉笛をつかんだ。

    だが、それは人を殺すには
    余りにも力無きものであった。

    ジョージはそんな彼女の手をそっと握り、
    喉元から外した。

    「今頃言っても仕方ないことだがな、
    アンタの姉と妹を殺したのは俺じゃない」
  47. 47 : : 2014/03/05(水) 06:46:29
    特にそれらしい前触れも無しに、
    彼は唐突に言った。

    「ガフッ、ゲホッゲホッ、ゴヒュ、ゼヒュ・・・・・・
    この期に及んで、まだ シラを切るか!?」

    彼女は胸にジワジワと赤黒い染みを
    広げさせ、苦しそうにせき込みながら言った。

    もし視線に致死能力が備わって
    いるならばジョージは既に殺されている、
    そう言われてもおかしくないほどに
    彼女の目には殺意が籠もっていた。

    だが、彼はそれをあえて無視して続けた。

    「依頼主イブラヒム先進化学研究機構(株)
    任務期間2019年5月1日から同年6月まで。
    任務地域イラン、トルクメニスタン国境付近。
    内容米資本化学工場の警備
    及び周辺地域の警戒監視」

    まるで彼自身には
    何の意味も及ぼさないような
    書類を読み上げるかのように、
    無機的な抑揚のない口調で言った。

    「任務開始後、 6日目、2019年5月7日。
    警備対象施設付近の集落、ないし町を巡回。
    ムルシュバ町の巡回中に
    外部武装集団の襲撃を受け、
    これと交戦、殲滅。
    友軍に死者無し、町への被害大」

    彼は一通り言い切り、息をついた。

    そして、彼女の目を見ていった。

    「これが真実だ。
    お前の家族を殺したのはあの連中の方だ。
    そんで、あればっかりは
    アンタが不運だったとしか言えん」

    これが真実、
    その言葉の威力は
    計り知れないものがあった。
  48. 48 : : 2014/03/05(水) 16:03:01
    「俺を恨むのはお門違いだ」

    反論を認めさせないと言いたげな雰囲気を
    放ちながら、彼は言い放った。

    その視線の先には、
    最初の時とは比べ物にならないくらい
    顔色を青白くした彼女がいる。

    「あと保って・・・・・・2分程度だ。
    アンタ、何か言い残すことはあるか?」

    「・・・・・・・・・・・・」

    気がつくと床には
    彼女を中心とした血溜まりが広がっていた。

    彼女は肩で浅く、安定のない呼吸を
    しているだけだ。

    「口を利く体力もなくなったか」

    彼は、哀れみの視線を
    彼女に送りながら言った。

    「・・・・・・何で」

    しかし、彼女の中にいた猛獣は
    最期の意志を示した。

    「何で私が死ぬのよ!?
    何で私が死ななきゃいけないのよ!!」

    それは、他人の事情に運悪く巻き込まれ、
    運悪く全てを奪われた少女の、
    余りにも現実的で無力感だけしか残らない
    叫びだった。

    「・・・・・・・・・・・・」

    彼は何も言えない、否、言えるはずがない。

    何故なら、今目の前で
    死へと進み行く彼女と
    その中の猛獣を産みだした根元が、
    自身にも少なからずあると
    自覚しているからだ。

    「何で、何で私なのよぉ・・・・・・」

    「・・・・・・・・・・・・」

    「ウゥ、ヒック、エッグ・・・・・・・・・・・・」

    「アンタは・・・・・・若すぎた。
    その若さが、アンタに正しい選択肢を
    そうじゃなくても、もう少しマシな道を
    示さなかった」

    「ゼェ、ゼェ、ゴヒュッ、ゼヒュッ・・・・・・・・・・・・」

    「ひでぇ世の中だよな、お互いに。
    あの出来事は、アンタに何の落ち度もない。
    俺達の方がよっぽど落ち度がある」

    「ゼヒュ、ゼヒュ、ゼヒュゥ、コヒュ、コヒュ・・・・・・・・・・・・」

    「ホント、これ以上になくひどい。
    敵に言うのもおかしな話だが、
    アンタ、美人だな。
    正直俺の好みのタイプだ」

    「ヒュゥ、ヒュゥ、ヒュゥ・・・・・・」

    「出来ればもっと違う、
    もうちょいわがまま言えば
    ロマンティックな出逢い方をしたかったよ」

    「・・・・・・・・・・・・」

    「まあ、それも無理な話だ」

    彼は、彼女の瞼をそっと、
    愛おしむように優しく落とした。

    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・安らかに眠れ」

    彼の記憶にまた“死”が染み着いた。
  49. 49 : : 2014/03/05(水) 16:05:46
    フム、これで終わり、と言うことにしたい。
    ので、これでおしまい!

    読んでくれた皆様、誠に感謝いたします。

    ご意見、感想、指摘、等々宜しく御願いします。
  50. 50 : : 2014/03/14(金) 16:26:43
    何か、このままだと締まりが悪い
    感じがするから、
    もう少しだけ続けます!
  51. 51 : : 2014/03/14(金) 16:35:13
    「・・・・・・・・・・・・内臓は・・・・・・無事か」

    彼は腹に出来た傷口をさすりながら、
    確認するように言った。

    「おい、ケビン、ショー、生きてるか?」

    彼は入り口でうずくまる2人に声をかけた。

    「・・・・・・・・・・・・すげぇ太股が痛ぇ」

    「俺は・・・・・・・・・・・・こりゃ肋骨
    何本か持っていかれたな。
    ヘンな痛み方がする」

    それぞれ自身の現状を報告した。

    「ショー、肋骨って・・・・・・弾は抜けたのか?」

    「いや、イヤな感じがしてたから
    防弾ベスト下に着てた」

    「・・・・・・・・・・・・なら良い」
  52. 52 : : 2014/03/14(金) 22:06:21
    ジョージは仲間の生存を確認すると
    僅かに安堵の溜息を漏らした。

    「皆さん、よく我慢してくれました。
    もう立ち上がって大丈夫です。
    落ち着いてこの店から出て下さい!」

    彼は、普段の口調とは打って変わった
    柔らかい雰囲気で言った。

    「・・・・・・あのぉ」

    体格の良い小太りの中年男性だった。

    「何でしょうか?」

    「最初に撃たれたあの帽子の男性は
    どうなるんですか・・・・・・?」

    「撃たれた場所によりますが、
    可能な限り延命措置をいたします」

    「・・・・・・彼、俺の親友なんです。
    どうか、どうか助けてやって下さい!」

    そう言って男性は店をあとにした。

    店内から誰もいなくなると、
    ジョージは横になっている仲間を
    無理矢理立ち上がらせて、
    まだ息のある4人の拘束を始めた。

    暫くすると、耳障りなパトカーの
    サイレン音が聞こえだした。

    「やっと来ましたね、ポリの連中」

    少し忌々しそうな口調でケビンが言った。

    「ここから一番近い警察署も10㎞以上ある。
    多少の時間がかかるのも無理はない」

    至って落ち着いた口調でジョージが返す。

    「まぁ、否定は出来ませんけど」

    お互いにそれ以上の言及を避けて、
    4人の男を店の外の壁にひざまずかせた。

    「そう言や、ショーはどこ行った?」

    さっきから姿が見えない彼に
    気づいたジョージが
    ケビンに訊いた。

    「いや、知りません。
    俺らがコイツ等を店んなかで拘束してる時に
    外へ行ってたのは見ましたけど」

    「・・・・・・そうか」

    納得していない風にジョージは返事をした。
  53. 53 : : 2014/03/14(金) 22:20:54
    『そうか、ようやく仕留めたか。
    よくやった、ご苦労』

    「いえ、現場で命張ってる我々としても
    早急に処理したい問題でしたからね。
    恨まれた末に自分の国の中で仕事仇に
    殺されるなんて真っ平だ」

    『今後の仕事に支障は?』

    「支給されたこの新型の防弾ベスト、いや
    防弾シャツですか、
    まだトラウマ対策がいりますよ。
    あぁ、あと、治療費は会社持ちですかね?」

    『・・・・・・治療費に関して
    はこちらで受け持とう。
    今回君たちはそれだけの働きをした』

    「ありがとうございます。
    いやぁ、どう言うわけか金の減りだけは
    早いんですよね、異様に」

    『それは君が娯楽を自重すれば
    済む話じゃないかね?』

    「それを言われちゃあ、何も言えませんな」

    『まあ、こちらも社員の金の使い方に
    口は出さんよ、野暮だからな』

    「・・・・・・それはそうと、
    今回の標的、
    CIAでさえも途中で見失ったって言うのに
    どうやってあの連中を見つけたんですか」



            「社長殿?」
  54. 54 : : 2014/03/14(金) 23:36:16
    『”アレ”は復讐に餓えた
    病もちの野良犬の様なものだ。
    餌の臭いをちらつかせて誘ってやれば
    行き着く先で勝手に死ぬ』

    「そりゃまあ、少し頭が回るだけの連中には
    かなり効き目がある方法ですけど・・・・・・
    だからって、昼前に俺のところに
    秘匿司令送らなくても良いでしょう。
    そのせいでアイツに軽く説教されたんだ」

    『それはご苦労だったな。
    さて、こちらにも時間があるのでね、
    ここらで失礼させてもらうよ。
    あぁ、そうそう、ラングレーの“彼”にも
    宜しく伝えておいてくれ、Mr.ネモ。
    おいたと盗み聞きは程々にしておけ』

    「・・・・・・脅しきかせながら切らなくても
    良いだろうに、あのオッサンは・・・・・・
    ・・・・・・つーか、俺は泳がされてんのかよ」

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