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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

十神「俺が超高校級のフォーリンラブだと……?」

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  1. 1 : : 2021/12/07(火) 22:24:19
    十神「どういうことだ説明しろ不二咲。コンピュータールームに来るなり、訳のわからない事を……」

    不二咲「ええっとぉ……この間、合宿には行ったよね」

    左右田「オレたちがとっても苦労して準備した、あの! プログラム世界のな!」

     (※ハッピーダンガンロンパS)

    十神「それがどうかしたのか?」

    左右田「……最後に色々あっただろ? 一旦全部忘れちまったりとかよォ……」

    十神「確かにな。それで?」

    不二咲「……これを見て?」

    モニターを見ると、何やら心電図のようなものが映されていた。

    十神「『トガミ ビャクヤ』……これはなんだ?」

    左右田「何があっても安心だとは言ってもよォ、身体に異常があったらまずいだろ? だから色々記録はさせてもらってたんだ」

    不二咲「丁寧に創ったプログラムとはいえ、不具合がないとも言い切れないもんね」

    左右田「で、皆のバイタルとか、感情の起伏とか色々確認したんだよ。プログラムから出たあと不二咲と入間と一緒にな」

    十神「……それで? 何がフォーリンラブなんだ」

    不二咲「十神君……あのね、君は今、すっごく女の子に惚れやすいんだ」

    十神「この俺がか? バカバカしい……」

    左右田「マジなんだって! 異常なほどに! オレのソニアさん愛なんか比較にならないくらいにな!」

    不二咲「だから、その……気をつけてね」

    十神「話はそれだけか?」

    左右田「だけど気をつけろよ、興奮で襲いかかるとかそういうヤツじゃなさそうなんだけどよォ、なんつーか、ピュアっつーか……」

    不二咲「目を合わせてお話できない程かもしれないんだよ!」

    十神「ありえん、あれ(合宿)から1日経っているんだ……女にも会っているがなんともなかった」

    不二咲「コロナワクチンの副作用だってすぐには出ないよね?」

    左右田「その単語を出すなって! なんとも言えない気持ちになるから!」

    不二咲「だから、本当に大丈夫か試させてもらうよぉ」

    十神「好きにしろ」

    不二咲「入間さん! 入ってきて!」
  2. 2 : : 2021/12/07(火) 23:09:32
    入間「よぉ、エロ神!」

    十神「!」ドクン

    入間「媚薬入りのエロエロスープを飲まされたみたいな顔してんな!ひゃっひゃっひゃっ!」

    十神「は、バカな……こんなやつに……」

    人格は破綻しているが──

    発明にかける情熱は間違いなく本物で……

    ふとした瞬間に見える大人な表情もまたヨシ……!

    とんでもない淫語を会話の端々に絡めてくるような女だが……

    強気に出られた時の弱り具合は、小動物を思わせ、何故か加虐心を起こさせる……

    そして何より、美人でスタイル抜群!

    大きく開いた胸元に、嫌でも視線が行ってしまう!

    悔しいが、こいつは魔性の女だ……

    …………!?

    何を思っているんだ俺は……!?

    だがこの胸の高鳴りは……

    左右田「十神、脈取るぞ」

    不二咲「どう?」

    左右田「いやー……速すぎね?」

    入間「やっぱりこうなっちまったか! 許せよエロ神!」

    十神「なんだと……?」

    入間「ちょっとムカついたからオレ様が少しいじった! オレ様だけ少し早くに帰還できたからな!けけっ!」

    左右田「オメーかよ! オメーなのかよ!」

    入間「うるせーぞ童貞野郎!」

    左右田「だからそれはやめろって! プログラムの中でも言ったろ!」

    不二咲「い、いつ戻るのぉ……?」

    入間「オレ様が戻さないと治らないぜ!」

    十神「おい、いい加減に……!」



    腰に手を当ててふんぞり返ってるこの態度が……

    たまらなく愛おしい……!

    わけがないだろう! 落ち着け、俺は十神白夜だぞ……

    こんな愚民なんぞに……

    入間「ねぇ、もし望むなら……私が膝枕でもしてあげましょうか?」

    十神「!」ドクン!

    入間「ひゃっひゃっひゃっ! 鼻息荒すぎだろ!」

    十神「く、下らん……なぜ俺がこんな目に……」

    入間「水着のオレ様に見とれなかったバツだ!」

    十神「そんな理由で俺の感情がいじられたのか……」

    だが、こいつを許してしまいそうなほど惹かれているのがわかる……これはまずい……

    入間「これから毎日エロ神は女に会い、感想をまとめ、オレ様の部屋に直で報告に来い!」

    不二咲「なんのために……?」

    入間「面白そうだからに決まってんだろ!?」

    左右田(確かにな……)

    十神「ふざけるのも大概に……」

    入間「ん?」

    ……くっ、艷やかな唇に吸い込まれそうだ…………

    入間「とりあえず、ガキどもは帰ったし、親族2人もいねーから……オレ様を除いて……ひぃふぅみぃ……」

    ……?

    入間「ま、いいか! 頑張ってまとめろよ! エロ神白濁液!」

    左右田「おい、オメー勝手に帰るな! まだ話は……」

    バタン

    不二咲「……」←どうする?という目

    左右田「……」←オレもわかんねーよという目

    十神「ハァ……ハァ……くそっ、この俺が……こんなことに……」

    何が……フォーリンラブだ……

    左右田「そうだ! もしかしたら、特別入間が好きなだけの可能性もまだあるぞ!」

    不二咲(そうなの!?)

    十神「別に好きではない……!」

    はずだ。

    左右田「とりあえず、オレも一緒にいてやるから、誰か女子に会いに行こーぜ!」

    十神「…………まぁ、いいだろう」

    こうして俺は、突如として湧いた最終課題に挑む羽目になった……

    入間の胸元──

    いたずらな表情──

    十神「くっ、考えるな……!」

    こんな偽りの心など、克服してやる……

    十神の名にかけて……!!
  3. 3 : : 2021/12/08(水) 23:19:55
    左右田「とにかくまずはソニアさんみたいな優しい方から……」ガチャッ

    腐川「…………」

    左右田「ぎにゃあああああぁぁぁぁっ!!」

    腐川「な、なにようるさいわね……」

    左右田「扉を開けていきなり出てきたらビビるだろフツー!」

    腐川「うっさいわね……」

    十神「腐川か……」

    腐川「白夜様!!いきなりコイツラに呼び出されてから何をしていたのかもう心配で心配で……」

    十神「……待て、どうしてそのことを知っている」

    腐川「だって、いつでも白夜様の事は把握していますから……!」

    左右田(お? 十神のヤツ腐川のことは大丈夫みてーだな……?)

    腐川「それで、あの……白夜様? どうしてずっと目をつぶっているんですか?」

    左右田「見ろって! 逃げるな!」

    十神「見たらどうなるかわからん!」

    左右田(逆に見なければ平気なんだな……)

    腐川「ま、まさか照れてあたしの事が見れない……って事ですか!?」

    十神「そんなはずがないだろう!」カッ!

    開けてしまった。

    目を。

    十神「!」ドクン

    腐川……こんなに可憐だったか……?

    メガネが似合うのもさることながら……

    長めのスカートの清楚さが、このミニスカートだらけの希望ヶ峰学園において安心する……

    そしてこのどこか幸薄そうな未亡人感……

    少し臭うこともあるが……癖になる臭いで……

    何より……こんな見た目で足には“正”の字が刻まれている……

    おまけに俺に好意を抱いているだと!?たまら……

    何がたまらんだ!? しっかりしろ!

    俺は……十神家の次期当主だ……これしきのことで……

    腐川「……白夜様?」

    十神「うっ……」キラキラ

    腐川(白夜様がまるでチワワのような目であたしを見てる……!? なんで……!?)

    十神「おい左右田! 俺を引っ張って連れて行け!」

    左右田「なんでだよ! 我慢して目開けてついてこいよ! 置いてってもいいんだぞ!」

    十神「人の心がないのか!?」

    左右田「それ、いつものオメーにはいつも言いたいセリフだがな!」

    腐川(解釈違い……いや、むしろ、アリ……?)

    十神「腐川が上の空のうちに……」

    文学少女の脳内が、この俺の妄想で……

    十神「やめろ、考えるな!」

    左右田「何がだよ!」

    腐川(おまるみたいな事を言えば……これが……“尊い”……?)バタッ

    十神「!」

    左右田「気絶した! 逃げるチャンスだぜ!」

    十神「まずい、いまこいつが目覚めたらもっと厄介なことに……!」

    左右田「は?…………あぁ、そうか…………」
  4. 4 : : 2021/12/10(金) 22:27:37
    十神「……!」

    腐川「…………あー…………」

    左右田「おい十神! 逃げるぞ!」

    十神「十神家の次期当主としては惨めだが……仕方ない!」

    猛ダッシュで走る二人──

    左右田「とりあえずあの様子じゃ何もしてくれないかもだが……入間のヤツに直談判しに行こうぜ!」

    十神「多少強い口調で言えばなんとかなるかもしれんしな……」

    腐川「で? 何しに行くのかしらん?」

    左右田「そりゃ……」

    叫び。

    十神「な、なんだと!?」

    腐川「どもどもー、笑顔の素敵な殺人鬼です!」

    左右田(逃げられねーよなァ……)

    十神「……」

    腐川「なーんか白夜様に対して小動物的かわいさを感じてるのよねー……根暗とは感情も共有してるからだろうけど」

    十神「……」

    腐川「何故か白夜様は目を閉じてキス待ちだし? いいのかしらん?」

    左右田「…………実はよォ……」















    腐川「ふむふむ? つまりは白夜様がメスなら誰にでも欲情するようになってしまったと?」

    左右田「欲情はしてないはず……だよな?」

    十神「愚問だな」

    左右田(こんな状況でも偉そうなのはすげーよ)

    腐川「で、その眼を開けて根暗を見ただけでもときめいちまったと……なるほどなるほど……?」

    左右田「それで入間のヤツにこれかr

    腐川「根暗だけとかずるくね? アタシにもときめけっての」グイッ!

    無理やり瞼を親指で開く──

    十神「やめろ!」

    腐川「……涙ぐんでる白夜様とか解釈違いなんだわ」

    左右田「そういう涙じゃないと思うぞ……?(乾燥)」

    十神「やめ……」

    ジェノサイダー翔……

    腐川と違ってケラケラとうるさいが……

    その底抜けの騒がしさが一種の癒やし効果がある……

    長い物には巻かれろと言うが、あの長い舌も……

    腐川「…………」

    十神「…………」ドキドキ

    腐川「…………」

    十神「もう十分だろう?」

    腐川「かわいくて草」

    左右田(あまりの衝撃にネットスラング使い始めた!?)

    腐川「まー、たまには悪くないわよねん? で? 他の女に会ってぇ? 感想をまとめる……」

    十神「そうすればもとに戻してくれるはずだ」

    腐川「面白そうなのでついていきます!」

    十神「やめろ!」
  5. 5 : : 2021/12/11(土) 22:50:17
    左右田(っつーわけで、腐川……ジェノサイダー翔の介入によって入間に直談判に行く事はできず……)

    腐川「まずはオーガでいいんじゃね?」

    十神「俺があいつにときめくなど想像できないが……」

    腐川ごときにときめいてしまっている事を考えると恐ろしいな……














    武道場──

    茶柱「……」

    腐川「相変わらずその顔マジで無って感じするわ!」

    左右田「流石は桑田とレストランで揉めただけあるな……」

    茶柱「で、何しに来たんですか? 話くらいなら聞きますけど」

    ※東条に怒られたり色々あって、男死を無差別に拒絶しないくらいにはなりました

    左右田「っつーか大神に会うはずじゃねーのかよ!」

    腐川「いるかと思ったんだけどな。無駄足?」

    茶柱「いきなり押しかけておいて無駄足とはなんですか! それと痩せてる方の十神さん! どうして左右田さんの後ろに隠れているんですか!」

    十神「……おい左右田。茶柱には詳細を言うなよ」ヒソヒソ

    左右田「わかってるって……」ヒソヒソ

    十神「別に隠れてなどいない……」

    茶柱「どうして目を閉じたままなんですか!? そういうプレイなんですか!? 花村さんといい、これだから男死は……」

    十神「おい……! あいつと一緒にするな」カッ!

    腐川(お、やっと見た)

    十神「……!!」

    茶柱……正直あまり話をしたことはないが……

    幼女のようなカチューシャと、顔と同じくらいのサイズのリボンが女子としての魅力を引き立たせる……

    ネオ合気道のことはよくは知らないが、同士を増やさんとするその意気や見事としか言いようがない。まぁ本来の合気道と違い先手必勝らしいがな……

    そして何より希望ヶ峰学園特有のミニスカートからスラリと伸びる健康的な御御足がまたいい……

    そしてなにより鍛え上げられた、だがしかし決してただの鉄壁ではないその腹筋……

    女子限定でおさわり自由らしいが……藍染袴やトレーニングウェアを貢げばいけるか……?

    だが……それよりも……

    顔立ちが良すぎる……

    十神「……」ドキドキ

    茶柱「……なんですか、まるで転子に話しかけるべきか話しかけないべきか悩んでるときの夢野さんみたいな顔をして……」

    左右田「おい大丈夫か?」

    茶柱(え……なんですかこの真っ直ぐな視線は……ただの男死らしからぬ純粋さ……)

    十神「……もういいだろう?」ドキドキ

    腐川「顔真っ赤にしちゃって白夜様ったらかわいいんだからぁん! お腹くらい触らせてもらえば?」

    十神「黙れ……」ドキドキ

    左右田(ソニアさんに対するオレみたいな心情だってのに、やっぱ御曹司は我慢強さが違うな……)


















    十神「ハァッ、ハァッ…………」

    腐川「グロッキーな白夜様もかわっ……くしゅん!」

    左右田「おっ」

    腐川「……あら? ここどこ……」

    左右田「おい十神! ジェノサイダーじゃなくなったならもう入間んとこ行こうぜ!」

    十神「そうだな……こっちの腐川なら言いくるめられるしな」

    腐川「あの、話が見えないんですが……」

    腐川(白夜様が可愛かった気がしてから記憶がないし……アイツの時に一緒に行動してたのかしら……)

    十神「お前はここで待っていろ」

    腐川「へ?」

    十神「待て、だ……できるな?」

    腐川(いつになく吐息を漏らしてのお言葉……! その辺の……アニメ?ゲーム?とかの低俗なボイス?と違って白夜様のそれはもう……たまらないわ……)

    腐川「はいぃ、わかりましたぁ…………」

    十神「……よし、左右田。女子の誰も見ずに済むよう俺の手を引いていけ」

    左右田「わーったよ……」

    左右田(腐川からしたらオレが一番美味しいポジションなんだろうn……

    腐川「…………」ジロッ!

    左右田(ぎにゃあああっ! 睨まれてるぅ!)
  6. 6 : : 2021/12/16(木) 18:35:58
    日向 苗木「もうだめだぁ……おしまいだぁ……にげるんだぁ……勝てるわけがないYO!!」
  7. 7 : : 2021/12/20(月) 20:17:52
    左右田「…………」

    十神「おい、どうしたなぜ止まる?」

    左右田「いや……廊下を塞がれててな……」

    十神「誰にだ?」

    左右田「少なくともオメーが好きではないタイプの奴だ」

    西園寺「ねー、どうして男二人で手を繋いで歩いてるのー?」

    西園寺……!?

    まずいな、有る事無い事言いふらされてしまう可能性もある……

    左右田「それには深い訳があってだな……とりあえずどいてくれねーか?」

    西園寺「えー? どうしてそんなこと聞かなきゃいけないのー?」

    左右田「せっかく成長したのにガキみたいなこと言ってんじゃねーって!」

    西園寺「そっちこそガキみたいに手を繋いでるじゃん! ていうか教えてくれたっていいだろ!」

    左右田(確かにな! もう長い事過ごしてきたクラスメイトだし……けど、十神の事を思うとなァ……)

    左右田「そうは言ってもよォ……」

    西園寺「なに? わたしにはそんなに言いたくないことなの?」

    左右田「……」

    十神「もういい、言えばいいんだろう……」

    まぁ、西園寺……西園寺なら見た目も幼い。

    俺が心を奪われる事も……

    十神「実は俺は今……」

    西園寺「今?」

    !?

    さ、西園寺……

    こんなやつだったか……?

    こんなやつに決まっているだろう!

    あのサイコロ合宿のせいで麻痺していたが、本来のこいつは……なんだ……腐川が言っていた……

    ビッグバンだ。

    その言動はあの幼い見た目だからこそ許されている節があったが……

    逆にいい……!

    獄原もそうだ。あの見た目で紳士を目指していて、純粋無垢な少年だと……?

    獄原を嫌いなやつなんていないだろう。

    西園寺は最悪な性格だが……

    全国各地にファンができるほどの日本舞踊の腕前がある……

    ロリコン? 何の話だ。成長しても相変わらずチケットは完売らしいじゃないか。

    合宿の時のこいつの水着は……まぁ、見た目相応で良かったが……

    今の西園寺があれを着たとしたら……?

    十神「…………!?」ボタボタ

    西園寺「うわっ!? 鼻血出てる!?」

    左右田「オメー大丈夫か?」

    十神「ば、バカな……西園寺如きに……」

    西園寺「……え? わたしに興奮したの?」

    左右田「詳細は省くがそうだ! 十神は花村並の見境なさで女に惚れやすくなってんだよ!」

    西園寺「なにそれ……?」

    十神「くっ……」フキフキ

    西園寺(さすがにハンカチくらい持ち歩いてるよね……)
  8. 8 : : 2022/01/09(日) 23:02:22
    期待
  9. 9 : : 2022/08/30(火) 12:45:57
    十神「……そもそも、何故興奮状態になっただけで鼻血が出るんだ」

    西園寺「え? 興奮したら出るんじゃないの?」

    左右田「あー……、前に罪木が言ってたけどよォ、あれは空想の中の話だ。高血圧な中年男性とかなら可能性も“なくはない”程度なんだってな」

    西園寺「へぇー」

    十神「しかし……実際出たものは仕方がない。今後も警戒するとしよう」

    西園寺「それで? 警戒して今後どうなるの? 一生女性を目に入れないつもり?」

    十神「いや、それは不可能だ。だからなんとしてもあの入間に俺を治す……いや直してもらわなければならん」

    西園寺「げっ、あいつが関わってんの?」

    左右田「……ウチの女子全てに会って感想を毎日報告しろとさ。そうしたら……」

    左右田(──あれ? あいつそうしたら元に戻すなんて言ってたか?)

    十神「そうしたら、直してもらえるはずだ」

    左右田(まぁ、黙っておくか……)

    西園寺「そっか、それで今まで何人見たの?」

    左右田「まず入間だろ、腐川……そしてジェノサイダー翔だろ、茶柱に……西園寺。オメーだ」

    西園寺「まだまだいんじゃん! 大丈夫なの?」プークスクス

    十神「十神の名にかけて、やり遂げてみせる……」

    西園寺「じゃ、頑張ってねー」

    左右田「おう、応援ありがとな……?」

    西園寺(けどあの十神面白かったなー)

    西園寺(こっそり尾行してやろっと)
  10. 10 : : 2022/09/07(水) 01:18:04
    とりあえず今日のところは終わりにするか……と、ジェノサイダーも含めた5人分の報告をしに入間の部屋に向かった。

    左右田「不在か……」

    十神「無視して今日は帰るというのもありといえばありだが……」

    左右田「毎日報告しろと言われている以上、コエーよな」

    十神「書き置きでも残せば問題ないだろう」

    左右田「けどよォ、入間のヤツ“直で”報告に来いって言ってたんだよな……」

    十神「……面倒だがやむを得ん、待つとするか」

    十神と左右田は部屋の前で入間の到着を待ち──

    続けたが、そこから1時間。入間は未だ現れない。

    左右田「だーっ! あいつどこで油売ってるんだよ!」
  11. 11 : : 2022/09/07(水) 23:12:43
    ピンポンパンポーン

    死体が発見されました!

    左右田「!?」

    十神「なん、だと……?」

    左右田「つーかなんなんだよ……」

    十神「おいどういうことだ説明しろ左右田!」

    左右田「悪い冗談やめろよな……」

    うぷぷぷぷ……

    左右田「江ノ島」

    江ノ島「あれ、バレた?」

    左右田(……気のせいか? いつもより顔が……どちらかというと美人ってよりはかわいい寄りで、胸もデカい気がする……)

    ※ハピダンのストーリーにおいて、むくろエノジュンがメイン張ってたので、なんかこう、そういう時空です。

    十神「江ノ島だと……?(女性対策で目を瞑っている)」

    江ノ島「入間ちなら今日は帰ってこないってさ」

    左右田「どこで聞いたんだよ……」

    江ノ島「自然とね。キーボの新しいカスタムがどうだの言いながら走り回ってたし……」

    〜回想~

    入間「才能合宿のおかげでエロエロ思いついてさぁ……」

    キーボ「は、はぁ……」

    入間「…………いいよな!?」ハァハァ

    キーボ「駄目ですよ! こちらもこちらで卒業に向けて最終調整が……」

    入間「学園はオレ様が才能を培うためならなんでも許してくれると思うぜ!?」

    キーボ「だったらボクの意見だって尊重……」

    入間「世界一の美少女入間美兎様の意見こそが絶対に決まってんだろ! ひゃっひゃっひゃっ!」

    〜回想終わり~

    江ノ島「的な会話をしながら追いかけっこしてたし」

    十神「……俺にこんなこと(反応まとめ報告)させようとしておきながら自分はお遊びだと……!?」

    江ノ島「ところでなんで十神っちはずっと目閉じてんの?」
  12. 12 : : 2022/09/09(金) 23:26:24
    左右田「…………」

    十神「西園寺の件でわかった。黙っている必要はないだろう。左右田、説明しろ」

    左右田「いやそう思うなら自分で言えよ! 」

    江ノ島「なんなの?」

    十神「左右田」

    左右田「わーったよ……」















    江ノ島「へぇー……つまり十神は今発情期なわけだ」

    十神「そういうわけではない……!」

    江ノ島「まーまー落ち着きなって。ほらそこのベンチにでも座りな?」

    左右田(そこって言われても十神目閉じてるし…………オレが連れてけってことですかそうですか)

    十神「…………」

    江ノ島「じゃあ、 私のこと見たらどんなふうになるわけ?」

    十神「いいだろう、見てやる……」

    江ノ島とはあの合宿で水着で2人きりになったこともある……

    確か、俺のプライベートビーチで遊ばせろだのなんだの言ってきたんだったな。

    …………俺のスケジュールはいつ空くんだったか。

     (※むくろの方の話です)

    十神「江ノ島、俺が今お前をどう思……」

    江ノ島「えー。なになに?」

    十神「!?」

    左右田(十神の目の前に江ノ島の胸が……!? だからあいつベンチに座らせたのか!?)

    江ノ島「どしたん? 話聞こうか?」ニヤニヤ

    十神「……!?」

    俺の記憶の中の江ノ島の胸と違う!

    左右田(大丈夫か……? 健全な男子ならあんなの耐えられないぞ……ましてや今の十神は……)

    ……!

    十神「……」プイッ

    江ノ島(赤面しながら目を閉じてそっぽ向いた……?)
  13. 13 : : 2022/09/13(火) 20:09:29
    な、なんだこれは……!?

    江ノ島は確かに普段から見せブラなどと称して下着を晒すようなファッションをしていたが……

    こんなにもたわわと実っていたか!?

    いや、だが、しかし……

    マジマジと見たことはなかった……か……

    江ノ島「超高校級の完璧といわれるあなたでも、この江ノ島盾子ちゃんの美貌には勝てなかったようね?」

    左右田「美貌云々じゃなくてそれはもう不意打ちだろ! オレだって動揺するし今の十神には刺激が強すぎるだろ!」

    江ノ島「えー?」

    ……いや、十神家の御曹司としてこんな問題から逃げてどうする。

    十神「……」チラッ

    江ノ島「お、我慢できずにまた見た」

    かわいい……!!

    まるでチワワ100頭分とも言えるそのかわいい顔……

    そして肌……え、肌!?

    江ノ島といえば、確かに化粧できれいだった記憶があるが……?

    そう、例えるならほつれたり破れた衣服を周囲には全くわからないように直す……かのような、そんな印象だったが。

    今の江ノ島は……

    はぁっ!? 見るな! 冷静さを取り戻しつつあった気がするというのに……!!

    とにかく顔がいい、肌がいい、なんだそのくりくりの目は。まるで吸い込まれそうだ……

    江ノ島「息荒すぎじゃない?」

    左右田「ちょっとやばいか……? 十神、一旦離れようぜ。なんなら今日はオレの部屋にでも泊まっていくか?」

    十神「それは断る……!!」

    左右田「なんでだよ! そこで意地張んなよ!」

    江ノ島(モノクマとして長いこと接してみたけど……)

     (※どういう理屈で左右田や不二咲、入間等にバレずにプログラムに入ったかは……)
     (考えてはいけません)

    江ノ島(やっぱり、平凡で単純で予想通りに進んじゃうな……)

    十神「俺は江ノ島を克服してみせる……!」

    左右田「テンションがおかしい方向に行ってるだろ!? 無理するなよ!」

    江ノ島(やっぱりこんな世界……)

    左右田「もういい、力づくでも連れて行く!」ガシッ!

    十神「クッ、離せ!」

    思ったより力強いな……

    江ノ島(そして十神白夜は左右田和一と一夜を共にし、また明日も女の子の前でハァハァするのでしょう)

    左右田「オレの部屋が嫌なら腐川に頼んでもいいんだからな!?」

    十神「それはやめろ!」

    江ノ島(ほら、もう廊下の角を曲がって……)

    戦刃(見た目は江ノ島)「あれ? 左右田に十神? そんなに慌ててどしたの?」

    江ノ島(は?)

    左右田「……え?」

    戦刃「?」

    江ノ島(出歩くなって言ったでしょうが……! あの残姉……!!)
  14. 14 : : 2022/09/13(火) 22:12:18
     (便宜上、むくろ江ノ島は戦刃表記とします)

    十神「……どうした左右田?」

    左右田「どうしたもこうしたも……?」

    戦刃「ん? どしたの? もしかしてあたしに見とれちゃった?」

    十神「……江ノ島から離れたはずなのに江ノ島の声がするが?」

    左右田「……今目の前にいる江ノ島のほうがなんか安心感あるけどよォ、でもさっき……」

    戦刃「さっきって、何のはなし?」

    江ノ島(……ハァ、逃げても仕方ないし誤魔化しますか)

    左右田「さっきまで江ノ島といて、逃げて、その先でオメーがいて、オメーも江ノ島で……?」

    江ノ島「当たり前でしょ? わたしは本物の江ノ島盾子じゃないもん」

    左右田「!?」

    戦刃「盾子ちゃ……」

    戦刃(しまった、そういえば出歩くなって言われてたんだった……どうしよう、一旦あの計画やあの計画はお流れになったけど今バレるのはまずい……)

    十神「何、江ノ島が二人いるだと!? 本当か!?」

    左右田「いや、偽物を主張しているやつと、本物がいる」

    十神「?」

    左右田「目を閉じたままのほうが幸せだぜ……混乱するから……」

    戦刃(えっと……盾子ちゃんが偽物で、私が本物……)

    江ノ島「さて、わたしの正体は誰でしょう?」

    左右田「いや、誰って言われても……」

    江ノ島「絶望した! 気付いてくれない左右田に絶望した!」

    戦刃(絶望……?)

    左右田「絶望されても……」

    十神「待て、それは山田もたまに言っている……ネットスラングというやつだな?」

    戦刃(なるほど!)

    戦刃「なんだ、白銀があたしになってたんだ」

    江ノ島「あはは、地味にばれちゃったか」

    左右田「白銀!? ……いや、それはありえない」

    江ノ島「え?」

    左右田「白銀だってことは100%ない!」

    江ノ島「どうして?」

    左右田「それはだな……」

    十神(何を謎に熱くなっているんだ……?)

    左右田「オメーが白銀だって言うなら、今そんな姿でいられるのはおかしいって言ってるんだ!」

    戦刃(えぇ……?)

    反論ショーダウン 開始
     (♪反論 -CROSS SWORD-)

    十神「おいなんだこの軽快なBGMは!」
  15. 15 : : 2022/09/14(水) 00:15:35
    オメーが本当に白銀

             だってんなら……


           絶対に
           その姿は
           ありえない!



               なぜならばあいつは……


          【フィクションじゃない】人物に
         コスプレすると
       キモいぶつぶつが
      出るんだからな!

    江ノ島「その言葉、斬らせてもらうね」
    【フィクションです】













    左右田「は、ハァ? 江ノ島のコスプレってことは、実在の人物へのコスプレじゃねーか! 前に赤松にコスプレしたら大変なことになったって聞いたぜ!」

    江ノ島「いや、フィクションだよ?」

    戦刃「え、あたしフィクションなの?」

    江ノ島「だって、これは雑誌とかで見られる……所謂“盛ってる”状態の江ノ島盾子だから!」

    左右田「はっ!?」

    戦刃「ちょっと、それひどくない? いくらなんでもさ……」

    江ノ島「事実、わたしにキモいぶつぶつは出てないし、うまくいったみたい」

    十神「ということは、さっき俺が見たのは白銀だったというわけか……」

    江ノ島「そゆこと! とりあえず今回はそんな抜け道を使って化けてみたんだ! 意外と大丈夫だったね! 代替案としてレインコードの死に神ちゃんとかも候補としてあったんだけど……」

    十神「フン、とりあえず紛らわしいからコスプレをやめ」

    江ノ島「ここでわたしに脱げと!? 確かに、わたしはちょっと強引に言えば言う事聞きそうな感じだけど……」

    左右田「自分で言うなよ……」

    江ノ島「流石にそんなのは嫌だし、帰るね」

    戦刃「んじゃ、またねー白銀!」

    江ノ島(……あとでどうしてやろうか)

    十神「しかし、あれはすごい技術だな……見た目も声も全く白銀ではなかった」

    左右田(……なんかまだ引っかかるんだよァ)
  16. 16 : : 2022/09/26(月) 20:26:22
    戦刃「けどさー、白銀も江ノ島盾子ちゃんに化けるなんてわかってんじゃん?」

    左右田「オメーはそれでいいのかよ」

    戦刃「どんなあたしでもあたしはあたし。素材が良くなきゃ加工したって良くならないじゃん?」

    十神「確かに、雑草は美味いサラダにはならないしな」

    戦刃「十神雑草舐めてない? 今度食べれるやつ紹介しよっか?」

    十神「知っているから言っているんだ。あんなものわざわざ好んで食わん……」

    左右田(確か江ノ島ってホームレス経験があるんだっけか?)

    戦刃「そっか残念……」

    左右田「……そういえば十神、本物の江ノ島のことは見てないままじゃないか?」

    十神「……お前に手を引かれたと同時に条件反射で目を瞑ってしまっていたからな」

    戦刃「ん? 見る?」

    戦刃(そういえばずっと目閉じてるな……)

    十神「……」チラッ

    確かに、先程の白銀に比べると顔の感じが違うが……

    なんというか、丸というより角のある表情というか……

    加工なんていらん!

    それにあの胸元は何だ……

    ファッションだかなんだかしらんが下品……いや、エロティックなことに変わりはない……

    たしかにこれは年頃の男の視線が釘付けになるのも頷ける……

    この程度、ハニートラップを幾度もくぐり抜けた俺にとってはなんともないはずだが……

    入間め……

    そしてなにより江ノ島のこの目だ……

    時々見せる、冷酷なような、それでいて誰かに思いを馳せているかのような目……

    それもまたよし……

    戦刃「……ねぇ、人の胸元見ながらハァハァするのやめてくれない?」

    左右田「やっぱ刺激強すぎたんだな、行くぞ十神。江ノ島も悪いな」

    戦刃「行くって……? うん、まぁいいやまたね」

    クソっ……まだどれだけ女子が残っている……?

    戦刃(なんだったの……?)
  17. 17 : : 2023/06/13(火) 01:28:05
    とりあえず、今日のところは引き上げることにした。

    俺の部屋に戻ってもいいが、翌日に左右田が裏切ったら面倒なことになる。

    さっきはああ言ったが、今日のところはお言葉に甘えて左右田の部屋に泊まるとするか……

    十神「……おい」

    左右田「なんだよ?」

    十神「どうしてもと言うなら、お前の部屋に泊まってやってもいい」

    左右田「どうしてオメーはそう素直じゃねーんだよ! っつーかさっき言えよ!」

    十神「気が変わった」

    左右田(クソ、正直もう今から泊めるとなると面倒だなと思い始めた矢先にか……)

    左右田「……部屋汚くても文句言うなよ」

    こうして、左右田と十神の明日への作戦会議が開かれることとなったのである。
  18. 18 : : 2023/06/13(火) 23:42:37
    左右田「さて、無事オレの部屋にたどり着いたな」

    十神「思ったよりは片付いているな」

    左右田「そりゃあ、しばらく留守にすることに(サイコロ合宿)なってたからな。流石に散らかしっぱなしじゃ心配だからよォ……」

    十神「心配も何も、この学園には優秀な警備部があるはずだが?」

    左右田「内部の人間(どうきゅーせー)が一番危ないだろ!」

    十神「…………確かに、身に沁みているところだ」

    左右田「だろ? ……しっかし、あの十神がオレなんかの部屋で一夜を過ごすことになるなんてな」

    十神「あぁ、入学当初ならまずありえなかっただろうな」

    といっても、今のように利害が一致……というか、利用できる状況であれば。だが。

    左右田「とりあえずコーラでも……」ガチャッ

    左右田(なんもねぇ……)

    十神「どうした?」

    左右田「食料の類は残さないようにしてたの忘れてたわ……」

    十神「気を遣うな。一応俺がお前に助けてもらっている立場、ではあるからな」

    左右田「お、おう……そうだな」

    左右田(どう考えてもいつもより優しすぎるな)

    十神「まったく……まさか現実に帰ってからのほうが苦労する羽目になるとはな」

    左右田「あれも結構ヤバかったぞ?」

    十神「だが、あの場で俺は俺でいられたからな」

    左右田(オメーもオレも一時期記憶怪しかっただろ……)

    十神「……さて、明日からどうしたものか」

    左右田「まずは今日会った女子の事について文字で残したほうがいいだろうな」

    十神「そうだな……明日には忘れているかもしれないからな。入間に出会い次第“報告”するためにも、それが最優先か」

    左右田「あとは、女子のリストでも作っておくか……」
  19. 19 : : 2023/06/17(土) 01:32:27
    左右田「というわけで、とりあえず作ってみたぞ」

    舞園
    江ノ島【済】
    セレス
    大神
    朝日奈
    霧切
    腐川【済】
    小泉
    辺古山
    西園寺【済】
    澪田
    罪木
    七海
    終里
    ソニア
    赤松
    東条
    夜長
    茶柱【済】
    入間【済】
    白銀【済】
    春川
    夢野

    左右田「……まだまだいるな」

    十神「それよりなんだこの順番は? 五十音でもない……適当に並べたか?」

    左右田「いやー、その、“順番”で書いたらわかりやすいだろ?」

    十神「……」

    左右田「とにかく、まだまだこれだけ残ってるんだ。それに加えてある問題点も抱えている」

    十神「問題点……?」

    左右田「舞園や西園寺みたいに、学園外に赴く機会が多い奴らがいるってことだ」

    十神「まぁ、あの合宿のせいで何日も舞園なんかは仕事ができてなかったしな」

    左右田「現に舞園はもう今頃は仕事だろうし……見てみるか」ピッ
  20. 20 : : 2023/06/17(土) 01:52:48
    テレビに映し出されたのは、舞園がマイクを持って町中の人にインタビューをするという番組だった。

    舞園『ずばり、あなたの夢はなんですか?』

    麻野『この絶望的な世界の希望(ヒーロー)です!』
    (↑害伝キラーキラーの主人公です)

    舞園『スケールの大きな夢ですね!』













    左右田「うっわ、あの子胸でっか……スカート短かすぎねーか……?」

    十神「…………」

    左右田「テレビで女性を見ても特に異常はない感じか?」

    十神「何もないな……」

    左右田「直接でなければ平気なのか……」

    十神「そのようだな……」
  21. 21 : : 2023/06/19(月) 00:45:45
    十神は自らの記憶を元に、女子に抱いた感想をまとめた。

    左右田「…………」

    十神「読んでみた感想はどうだ」

    左右田「いや、苦労したんだなって……」

    十神「これをまだ17人分しなければならん」

    左右田「…………」

    十神「だが、これをあらためて入間に報告しなければならんのが面倒だな」

    左右田「そもそも何が目的なのかわかんねーし……」

    左右田(流石にあのときの“面白そう”だけではないだろうし)

    十神「残りのやつももちろんなんとかするが、それはそれとして探りを入れられないか……?」

    左右田「探り?」

    十神「目的がわかれば、やつが満足する報告ができるだろう?そうすれば上機嫌にでもなって確実に俺を戻してくれる……可能性が上がる」

    左右田「確かにな! 同じこと言ってても“察して”ほしいときと“直接慰めて”ほしいときがあったりするもんな!」

    十神「そういった細かな心の変化を些細な声のトーン、仕草などから分析することができればいいが、あいにく今の俺ではあいつの目を直視することすら危険だ」

    左右田「オレも……オメーほどじゃないけどアイツの目を見て話すのは少し圧倒されるぜ……」

    十神「入間と仲が良くて、かつお前がものを頼めるような奴に心当たりはあるか?」

    左右田「………どうだかなぁ……」
  22. 22 : : 2023/06/21(水) 22:56:46
    左右田「…………」

    十神「どうした? 絵にかいたような苦虫を噛み潰したような顔をして」

    左右田「花村……と思ったんだが、今の十神が危ない目に遭いそうな気がしてな……」

    十神「否定はできないな」

    左右田「けど入間に対抗できるやつなんてあいつくらいだぜ……」

    十神「まぁ、正攻法で行くしかないということか」

    左右田「じゃ、とりあえず今日は寝ようぜ」

    十神「戸締まりは……」

    ドアの覗き穴から外を見ると……

    誰かがいるなんてホラーなことはなかった。
  23. 23 : : 2023/06/22(木) 23:26:02
    翌朝──

    左右田(十神がいる中でぐっすり眠れるわけもなく……なんか寝た気がしねー……)

    十神「おい左右田」

    左右田「おはようくらい言えよ! ……で、なんだ?」

    十神「今日は夢野から行こうと思う」

    左右田「そりゃまたどうして名指しなんだ?」

    十神「マジカルショー……もとい、マジックショーの本番が地方であるという情報を得た」

    左右田「心待ちにしてる人も多いだろうしなァ……久しぶりだもんな」

    十神「そしてその本番は明々後日……仮に前日に現地入りしておくとしても、今日ならまだ大丈夫のはずだ」

    左右田「なるほど、いい考えだと思うぜ! けどどこにいるんだろうな?」

    十神「それを捜すのがお前の役目だろう、行くぞ」

    左右田「当然のように手、出してくるな……」

    左右田(これがソニアさんだったらなぁ……)
  24. 24 : : 2023/06/24(土) 22:59:24
    中庭──

    夢野「…………」ガタガタガタガタ

    星「無理そうなら今からでも断り入れてもいいんだぜ。公のイベントというわけじゃねーからな」

    夢野「し、しかし……」

    星「…………」

    左右田「おいおい夢野がすげー震えてるじゃねーか。どうしたんだ?」

    星(どうして十神と左右田が手を繋いでいるんだ……?)

    夢野「く、九頭龍のアドバイス通り、慰問で刑務所に行ってみることにしたのじゃが……」

    左右田「慰問?」

    星「あぁ……

    ……

    ……

    ……

    十神「なるほど、それでお前はビビっていたわけだな」

    夢野「なぜか目をつぶってる奴に言われたくはないわい」

    左右田「そこはまぁ、いろいろあってな……」

    夢野「ウチは度胸あるはずなんじゃ……あの恐ろしい“ファイナルデッドルーム”も完璧に攻略したというのに……」

    星「臨時アシスタントが随分と活躍したはずだぜ?」

    夢野「うっ……まぁ……そうじゃな……」

    左右田「ファイナル……?」

    十神「プログラムの遊園地にあった謎解きのアトラクションだ。なかなかいい暇つぶしにはなった」

    星「あんたも行ってたのか……」

    左右田「あぁ、あれか……」

    左右田(何故かあのエリア好きじゃないんだよなぁ……)

    夢野「それよりも! お主たちは何しに来たんじゃ? 何か用があってウチに会いに来たんじゃろ?」

    左右田「……十神」

    十神「………………」

    左右田「…………」

    十神「……………………………」

    左右田「いや早く目ぇ開けろって! 露骨な尺稼ぎすんなっつーの!」
  25. 25 : : 2023/06/25(日) 23:03:29
    十神「……」チラッ

    !!!!

    夢野「なんじゃ……?」

    ちいっ、小さ…………!?

    前に茶柱が「小動物的可愛さ」などど言っていたが……

    それに賛成せざるを得ない……!!

    ““同意””

    ……何かカットインが出た気がする

    夢野「な、なんか息が荒いんじゃが……?」

    パブリックイメージな魔女風の服装もまたいい!!

    帽子、ブローチ、パニ……いやバルーンスカート!

    しかしその丈は……逆に幼い印象を受けるが……

    口調とのギャップもまたよし! 師匠とは誰だ!

    タイツも色味がいい……

    星「おい、顔が赤いぞ?」

    もしも幼い頃にこんなビジュアルのマジシャンに出会っていたら恋に落ちる……!!

    そしてあの口の小ささと声……

    一生懸命話してるのがかわいすぎる……

    十神「っ……一晩経ったが、相変わらずきついな……」

    左右田「もう十分か? 大丈夫か?」

    十神「おそらくは十分だ……これ以上は……」

    夢野「…………? ウチのかわいさにノックアウトされたということか?」

    星「こいつに限ってそんなこと……」

    十神「……フー、フー……」

    星(…………あるのか?)

    艷やかな髪が帽子で少し隠れている……

    ぼうしをとってちょうだいな……

    おかおをみせてちょうだいな……

    夢野「さすがに、その……目が、怖い……ぞ?」

    左右田「よし、終わりだ十神! 引き上げるぞ!」

    十神「…………」

    左右田(これがまだ16人分あるのか……)

    夢野「行ってしまった……」

    星「で、どうするんだ? 慰問の件は」

    夢野「なんかもう、そんなことぶっとんだわ……」
  26. 26 : : 2023/06/25(日) 23:05:01
    こんな状況でよくもまぁssなんか呑気に書けるもんだよな
  27. 27 : : 2023/06/25(日) 23:05:10
    そのメンタルだけは評価できる
  28. 28 : : 2023/06/25(日) 23:47:03
    一旦左右田の部屋に戻った2人は……

    とはならず。

    左右田「おい……なんだこの状況……」

    十神「どうした?」

    左右田「いや、オレには全く関係ないけどよ……オメーがどうなってしまうのか……」

    西園寺「さぁ、どうする?」

    小泉「日寄子ちゃん、どうするって、何が……?」

    澪田「面白いことがあるって聞いたから唯吹たち来たんすけどー?」

    罪木「えーと……あの……」

    左右田(よりによって4人も……! 西園寺は昨日見ているが、そうすればときめかなくなるわけでもない……)

    十神「西園寺に小泉、澪田……罪木までいるのか……」

    小泉「ねぇアンタたち、どうして手繋いでるの?」

    澪田「アツアツデートの現場を見られてつらみが現在進行系って感じすか!?」

    罪木「あのあの、お二人はそういう関係で……? で、でもぉ、今この世の中、珍しいことではないですからねぇ」

    左右田「ちげーよ! っつーかお前ら何年オレといるんだよ! オレはソニアさん一筋に決まってんだろ!! 見てりゃわかんだろ!」

    澪田「そんなのあったりまえだのクラベスっすよね! 唯吹にはわかってたっすー!」

    左右田「オメーが言い出したことだろ!」

    小泉「じゃあ、尚更どうして?」

    左右田「おい西園寺、オメーは事情知ってるだろ?」

    西園寺「忘れたー」

    左右田(こいつぜってー覚えててわざとやってるくせに……)

    西園寺「それよりさー、同級生に会ったわけだし目を見て挨拶しなよ」

    十神「クッ……」

    一度に……4人か……

    どうする?

    >>

    いや、自分で考えろ……キーボの言う“内なる声”とやらに従ってみるとしよう……

    逃げるか……立ち向かうか……

    小泉「事情はわかんないけど、なんか十神苦しそうな顔してない? 大丈夫?」

    澪田「今目の前にいる人は君の闘う相手じゃないからね、敵を見誤るなよ」スンッ

    西園寺「え、急に何……」

    澪田「いや、何かと戦ってるんじゃないすか? よくわかんないけど」

    ……立ち向かってみるか

    十神「……」ギンッ!

    左右田「おい、大丈夫かいきなり目開けて!」

    十神「…………!!!!!」
  29. 29 : : 2023/06/25(日) 23:47:47
    まぁがんばれ(^ω^)
  30. 30 : : 2023/06/25(日) 23:47:53
    陰ながら応援してる(^ω^)
  31. 31 : : 2023/06/26(月) 00:35:27
    ────結論から言うと、キャパオーバーだった。

    のだと思う。

    オレたちは保健室……じゃない、病院に十神を運んだ。

    左右田「…………おい西園寺」

    西園寺「いや、だって……こんなになると思ってなかったし……」

    澪田「なんか特に何も考えず目を開けるようなこと言ったっすけど……どうしてこんなことになったんすかね?」

    小泉「説明して、日寄子ちゃん」

    左右田「いや、だったらオレが説明した方がいい」

    オレは小泉と澪田に、そして改めて西園寺に十神の現状を説明し始めた────
















    病室──

    罪木「うゆぅ、十神さん大丈夫でしょうかぁ……」

    十神「…………」

    罪木「気絶するほど、私の顔が醜かったんですかねぇ……」

    狛枝「そんなわけないんじゃない?」

    罪木「!?」

    狛枝「絶句……してるね。元々ボクはこの部屋にいたんだよ?」

    罪木「そうだったんですねぇ……」

    狛枝「ボクってほら、プログラムから目覚めるのが遅いでしょ?」

    罪木「一度しか経験ないのでわかんないですぅ……」

    狛枝「なんだかどことなくふわふわ落ち着かなくて、昨日からお世話になってたってわけだよ」

    罪木「狛枝さんの体調は……」

    狛枝「うん、結構回復してきたと思うよ」

    罪木「ほっ……」

    狛枝「それより十神クンのことだよね……」

    罪木「どうすれば目覚めますかねぇ……」

    狛枝「とりあえず目覚めればいいなら、忌村先輩の残した蘇生薬があると思うよ」

    罪木「何年か前に爆発事故を起こした、あの……」

    狛枝「え? そんなことなかったよね?」

    罪木「…………そうですねぇ」

    狛枝「安藤先輩のお菓子に下剤が入ってた事だってなかったよ?」

    罪木「………………媚薬入りのエロエロスープのせいで皆が大変な事に……」

    狛枝「それはあったね」

    ※基本的に平和な世界線ですね
  32. 32 : : 2023/06/26(月) 07:44:28
    頑張ってください!
  33. 33 : : 2023/06/26(月) 21:51:43
    小泉「……つまり、十神は女子を見ると興奮するようになったと」

    左右田「興奮っつっても、発情とかではなくてだな……」

    澪田「若者がよく言う尊死ってやつっすか?」

    西園寺「わたしのファンも、わたしが微笑んだら胸押さえて苦しそうにしてる人とかいるしそれと同じ」

    左右田「悪魔か何かか?」

    小泉「確かに、笑顔ってちょっとドキッとするよね……せっかくのシャッターチャンスなのに一瞬ドキドキして逃しそうになることあるよ」

    澪田「そこで逃すわけじゃないのがさすが超高校級っすね!」

    西園寺「さすがはおねぇだよねー。どっかのヒ現実な夢ミすぎ子とは……って、その話はもう終わったか」

    ……プログラム内での話か?

    左右田「……て、十神は目の前に現れた4人の美少女の刺激に耐えられなかったわけだ」

    西園寺「わたしと小泉おねぇはともかくゲロ豚は違うんじゃない?」

    澪田「ナチュラルにスルーされたっすね」

    左右田「いや普通に罪木も美人だろ……」

    小泉「とりあえず、どうしたらいい? 全員分見終わらないと大変なんでしょ」

    左右田「あぁ、目を覚ましたら一人ずつ十神の視界に入って……」

    \ふえええええええん!!!!/

    西園寺「え、何?」

    澪田「蜜柑ちゃんがいつも通り叫んでるっすね……」

    左右田「また転びでもしたか……?」

    \やめてくださいいいい!!!!/

    小泉「まさか、十神が性的な興奮で……!?」

    左右田「いやいやいやそんなはず……」

    ないとは言い切れない……急な気絶、早すぎる再起……

    何らかの変な覚醒をした恐れがある!

    西園寺「…………」タッタッタッ

    速っ! 西園寺速っ! メチャメチャ心配なんじゃねーか!

    小泉「とりあえず病室の方に!」

    澪田「盛り上がってきたっすねぇ!」
  34. 34 : : 2023/06/26(月) 22:55:08
    十神「グルルルル…………」

    罪木「どうして十神さんが獣みたいになってるんですかぁ!!」

    狛枝「蘇生薬の副作用で身体能力が向上してしまったようだね、アハッ」

    罪木「アハッじゃないですよぉ……どうしてこんなことに……」

    狛枝「忌村先輩の試験の時は……審査員の体が少しムキムキになっただけだったのに……」

    ※薬の入れ替わりが起きていないので

    狛枝「蘇生薬に同じ色の別の薬品を混ぜたのが悪かったかな?」

    罪木「そ、そのせいですぅっ!」

    十神「ガアァァッ!!」

    狛枝「……っ、本当に力強いね……」

    ※奇跡的な立ち位置により、狛枝は十神を羽交い締めにすることに成功している。

    ガラッ!

    西園寺「t……ゲロ豚!!」

    左右田「おい何があった!」

    狛枝が十神を羽交い締めに……!?

    左右田「っつーかオメーいたのかよ!」

    狛枝「ツッコミの前にボクを助けてくれると嬉しいな……」

    小泉「……!?」

    澪田「おー……りんごと水でも飲んだんすかね?」

    左右田「そういや小泉達に頼まれて改造した入間の腹パンマシーンが…………」

    小泉「アンタ現実(こっち)でも造ってたの!?」

    左右田「えーと、これをこうすれば…………くらえ十神! 悪く思うな!」ドンッ!

    十神「ヴッ……」

    西園寺「……痛そ〜……」

    狛枝「……大丈夫かな」

    狛枝が手を離したその瞬間!

    十神「ガァッ!!」ダッ!

    左右田「あっ! 逃げやがった!?」

    西園寺「理性とかもない感じなの?」

    小泉「まずアタシたちが視界に入ってるのに気絶してないんだけど……」

    澪田「いや、目閉じてたっすよ」

    左右田「だーっ! メンドクセーなぁ!」

    罪木「うゆぅ……どうしましょう……」

    狛枝「まぁ原因はボクだから、後で煮るなり焼くなり好きにしてもらっていいけど……まずは対策を考えなきゃね」

    左右田「クソ……このまま女子達見て悶える十神を何回か見て入間に会いに行けばいいだけだと思ったのによぉ……」

    澪田「それはそれできつそうっすけどね」

    狛枝「とりあえず…………もしもし、逆蔵さん?」
  35. 35 : : 2023/06/27(火) 00:12:01
    逆蔵「ん? ……何? 十神が薬で暴走した?」

    なんだそりゃ……

    逆蔵「“絶対に外に出すな”? 承知した」



















    狛枝「よし、警備部に話はつけたよ」

    左右田「とりあえず外で十神がぶっ倒れたり危害を加えることはなくなったわけだな……」

    小泉「逆に言えば、ウチらの逃げ場がなくなったとも言えるわけで……」

    澪田「いやー……怖いっすね……」

    左右田「ところで狛枝! 原因はボク……ってどういうことだ!?」

    狛枝「どうやら薬を間違えて調合しちゃったみたいで……」

    罪木「調合も間違いですし……そもそも結果として調合してしまったことも間違いですよねぇ……」

    西園寺「死ねっ! 余計なことしやがって!」

    狛枝「ごめんごめん……まぁでも、あの合宿が終わってもうイベントがなかったわけだし……皆で協力して問題に立ち向かう! 素晴らしいよねぇ……」

    左右田「オメーにとって今の状況は幸運なのかよ!」

    西園寺「わたし達を巻き込むな!」

    狛枝「そう言われても……」

    澪田「あのあのー、とりあえずどうするんすか?」

    小泉「そもそも十神はどうして逃げたわけ?」

    左右田「わかんねーけど……理性がない感じだったからなぁ……」

    狛枝「けど、目を閉じて気絶しないようにしていたんでしょ? 見境なく女性をどうにかしたいとかではなさそうだよねぇ……」

    西園寺「普通に入間目的じゃないの?」

    澪田「それっすね」

    罪木「入間さん……? 何故……?」

    狛枝「十神クンの好みって、入間さんみたいなグラマーな人だったのかな?」

    左右田「……オレまた説明するのか?」

    澪田「ファイト!」

    こうして、何故かオレの……いや、皆協力してくれるからオレ達のか。

    オレ達の目的は入間を捜し出して守る(?)こと

    そして、仮にプログラムでどうのこうのするにしても気絶させる必要があるから……十神を抑えられる力のある人を探すこと。

    目を開けさせる専門の人も必要だから最低でも2人は必要だな。

    薬の効果が切れてくれればいいんだが……

    狛枝のやつがこの状況を望んでるからなぁ……多分切れないんだろうな……

    とにかく、何故かオレ達はカケラ集め合宿も終えたのにもう1イベントこなすハメになった。
  36. 36 : : 2023/06/27(火) 01:01:43
    『十神「俺が超高校級のフォーリンラブだと……?」』





    てんてるてーん! あちしはモノミ!

    お久しぶりでちゅね。

    あちしが天の声として登場した“忌村のお薬シリーズ”とは違う世界の話なんでちゅけど……

    忌村さんが作ったお薬のせいで厄介なことになる点では同じでちゅからね。

    まぁ、だんろんぶ!みたいなものだと思えばいいんでちゅよ。

    らーぶ! らーぶ!

    ……そういえばV3ネタバレバリバリの本家お薬安価、もしかして待ってた人が数年前にはいたのかもしれまちぇんね……

    らーぶ! らーぶ!

    『十神「俺が超高校級のフォーリンラブだと……?」』




  37. 37 : : 2023/06/27(火) 08:57:44
    まずオレと狛枝は入間の元へ。

    西園寺達は力のある人を呼んでくれることになった。

    さすがに今日なら部屋に戻ってるだろ……

    キーボを追いかけてたとかいう話は聞いたが、改造するならやっぱ自分の工房じゃないとだろうしな。

    けど、部屋に入った(ノックしても返事がなかった)オレ達が見た光景は意外なものだった。

    キーボ「静かにしてください!」

    キーボに膝枕してもらって眠っている入間がいたのだが……キーボに見慣れない部品が付いていたり光っていたりした。

    狛枝「アハハ……どうして?」

    キーボ「昨日、エロエロ思いついたとか言われていろいろされたんですが……疲れて今やっと眠ったんです」

    狛枝「合宿を終えてもまだ才能を磨き続けているんだね!」

    左右田「だが起こすぞ! おい入間!」

    入間を揺さぶるが起きない。

    入間「んっ……無理矢理はだめだってば……」

    左右田「オレが変なことしてるみたいだろ! 起きろよ!」

    キーボ「では、ボクの新たな機能で入間さんを目覚めさせましょう!」

    狛枝「それは楽しみだね! 一体どんな機能なのかな?」

    …………ん? キーボが押そうとしてるそれ……緊急停止ボタンか!?

    左右田「おいそれはお前にとっての……!」

    だが次の瞬間、キーボの身体が震えだした。

    キーボ「どうですか!? ボクの緊急停止ボタンはボクの身体とは別になり、本来のボタンはマッサージ機能になったのです!」ドドドドドドドド

    入間「ひぐぅっ!?」

    緊急停止ボタン!? っつーかマッサージって……

    左右田「そんな機能をつけるために徹夜を!?」

    狛枝「入間さんなりの優しさ……なのかな?」

    キーボ「……ところでこれどうやったら止まるんですか?」ドドドドドドドド

    左右田「この……リモコンか?」

    振動数の調整ボタンと……

    ON-OFFと……

    全機能緊急停止!?

    ほんのイタズラで止められるようになっちまってる!?

    そもそもどうしてこんな大事なものの存在を入間なんかに教えてるんだ!?

    まぁとりあえず止めるか……

    キーボ「そのリモコンで止まるんですね!」

    狛枝「止め方がわからないのに新しい機能を使うなんて……その無謀さは普通のロボットにはないよね! 心があるからこそだよ!」

    入間「……うーん、なんだよぉ……こんな朝っぱらから……」

    左右田「特に明言はしてなかったけどもう昼だぞ!」

    キーボ「まぁ入間さんを許してあげてください。ボクにとっては母親も同然なんですから」

    左右田「おい入間なんか思考回路いじったか!?」

    入間「つ、都合いいかなって……」

    左右田「はあっ!?」

    こいつ……十神以外にも変なことしてやがったのか……!

    思った以上に深刻な事になってる可能性があるぞ今回…………

    オレも不二咲ももっと早く目覚めていれば……

    いやそもそも目覚める早さの時点で細工されていた可能性もあるか……!?
  38. 38 : : 2023/06/27(火) 22:19:45
    っつーかどうして十神以外のバイタルデータとか確認しなかったんだよオレ……

    まぁそれはいいとして……

    狛枝「発明家……というには凄すぎるけどね、プログラムをいじれるなんてさ」

    入間「そんなもんこれでぶっ楽勝だぜ!」

    アルターエゴGPT「なんでも聞いてくだちゃい」

    左右田「それ不二咲のやつじゃねーのか!?」

    アルターエゴGPT……不二咲が作っていたアルターエゴに改良を加えたものだ。

    入間「借りてるだけだぜ! ひゃっひゃっひゃっ!」

    左右田「ちゃんと借りること不二咲に言ったか?」

    入間「…………」

    キーボ「え? ボク何かおかしいですか?」

    狛枝「ううん、気にしなくていいよ。それよりも入間さん、頼みたいことがあるんだけど……」

    入間「なんだよキモ枝」

    狛枝「……」チラッ

    オレが言うのか!?

    ……まぁそりゃそうか。

    左右田「入間、十神を元に戻してもらうぞ」

    入間「もちろん、オレ様にドブスたちの感想を全員分言ってもらったら……」

    左右田「それどころじゃねーんだ」

    入間「どういうことだよ?」

    …………………………

    ………………

    …………

    ……




    入間「へっ? オレ様がエロ神に無理矢理されるってことか……?」

    狛枝「恐らくはね」

    入間「な、なんだよぉ……ちょっと全然そういうこと言わなそうなやつに『お前が1番かわいい』とか言ってもらおうとしただけなのにぃ……」

    左右田「そんな理由で人の精神いじくるな!」

    キーボ「お母さんの悪口はやめてください!」

    左右田「手遅れのやつもいるしよ! 後で直せよ!」
  39. 39 : : 2023/06/27(火) 23:22:07
    プール──


    朝日奈「十神が暴走!?」

    罪木「はいぃ、それで、あのぉ……」

    澪田「そんな暴走した思春期の男子を抑え込める肉体派を求めてるっす!」

    朝日奈「私は確かに体力には自信あるけど……腕っぷしとかそういうのはからっきしで……」

    大神「そういうことなら、我の出番だな……」

    澪田「そういうことっす! 葵ちゃんに会いに来ればさくらちゃんにも会えるって寸法っすね!」

    罪木「でもぉ、あの十神さんはとても危険な状態で……」

    澪田「大丈夫っすよ! さくらちゃんは拳で海も割れるんすから!」

    朝日奈「えっ!? そんなことできるの!?」

    大神「一瞬だがな……」

    澪田「プログラム内で見せてもらったっすからね!」

    こうして、大神(とついでに朝日奈)が来てくれることになった。

    朝日奈「よーし、頑張ってあのかませ眼鏡を止めるぞ!」

    澪田「おーっ!」
  40. 40 : : 2023/06/28(水) 12:14:24
    朝日奈「ところでどうして十神がその……蘇生薬? を飲むことになったの?」

    澪田「唯吹のかわいさに見とれて気絶したんすよ」

    大神「そうなのか」

    朝日奈「さすがにそんなわけないでしょ! 舞園ちゃんや江ノ島ちゃんの水着を見たって我関せず(えん)って感じなのに」

    澪田「焉……? 我関せずじゃないんすか?」

    朝日奈「前に腐川ちゃんの前で我関せずーって言ったら……」

    ……………………………………………………

    腐川『あんた、日本語ちゃんと使いなさいよ……我関せず、焉まで……だからあんたはアホっぽく見えるのよ……』

    朝日奈『はぁ!?』

    こまる『冬子ちゃん言いすぎじゃない!?』

    腐川『あんたも御多分に漏れずよ』

    こまる『ひどい!』

    ……………………………………………………

    朝日奈「てことがあって……」

    大神「朝日奈を……侮辱するなど……許せん……」

    朝日奈「大丈夫だよさくらちゃん! もう終わったことだし、案外言葉調べるのも楽しいし」

    澪田「うわー、いちいちジャムとかケチャップとか出すあれをディスペンパックって言ってそうっすね」

    罪木「い、今はパキッテって言うみたいですぅ……」

    朝日奈「そうなの!? どっちも初めて聞いた!」

    澪田「モノシリっすね!」

    罪木「えへへ……会話パターンをいくつか考えていた時に調べたことがあって……」

    大神(調子に乗ってすみません……などと言わないということは、我等に心を開いてくれているのだな)

    朝日奈「へー……」

    澪田「ところで何の話をしてたんすかね?」

    罪木「十神さんが気絶した原因ですよぉ」

    澪田「あぁ、そうだったっす」
  41. 41 : : 2023/06/28(水) 23:40:49
    食堂──

    大和田「十神が暴走……ってどういうことだよ」

    不二咲「あれ以降なにがどうなったのぉ……?」

    左右田「実はな……」

    ……………………

    ………………

    …………

    ……

    不二咲「じゃあ狛枝君が悪いって事!?」

    狛枝「アハハ、そうなるね」

    大和田「だがこいつを責めても仕方ないだろ。つまりあれか? 俺に十神を止める手伝いをしろってことか?」

    左右田「そうだが……頼めるか?」

    大和田「任せろ! モンスターバイクのこともあるし、オメェのことは俺が守るぜ!」

    不二咲「頼もしいねぇ」

    狛枝「とても心強いねぇ!」

    大和田「けど俺だけってのはさすがに……喧嘩に自信がねーってわけではねーけどよ……」

    左右田「もちろん一人だけに任せはしないし、西園寺や罪木なんかも人員集めに協力してくれてるんだ」

    不二咲「なんだかあの合宿を乗り越えて、皆に結束力みたいなものが生まれたみたいだね」

    左右田「余計なフォーリンラブ(モノ)まで生み出したやつがいるけどな」

    不二咲「入間さんには困ったよね」
  42. 42 : : 2023/06/30(金) 11:30:00
    左右田「そういえば不二咲、身体に異常はないか?」

    不二咲「異常? ボクはないかなぁ……」

    左右田「そっか。ならいいんだけどよ」

    不二咲「そもそも十神君の事に気づいたのもボクだからね。当然自分のデータだって確認したよぉ」

    左右田「さすがだな……オレはそんなもの見ようとも思わなかったぜ」

    狛枝「ちなみに、ボクには何か異常はなかった?」

    不二咲「……ごめんねぇ、偉そうなこと言っておいて、自分と……あきらかに異常な数値だった十神君のことしか見てなかったよ……」

    左右田「じゃあ、キーボの件も知らねぇか……」

    大和田「アイツになにかあったのか?」

    狛枝「特に異常はないんだけど、ただ一点だけ……入間さんのことをお母さんだと思うようになってて、何でも言うことを聞きそうだったよ」

    大和田「はぁ!?」

    不二咲「そ、そんなことが……」

    左右田「他のやつもなんかされてる可能性があると思うと胃が痛いぜ……」

    大和田「そういえば、オメェいつものツナギはどうした?」

    左右田「そんなの、洗濯して今は干してるぞ?」

    不二咲「えっ?」

    大和田「…………」

    狛枝「これは……」

    左右田「いやいや失礼だな! オレだってたまには洗うぞ!」

    狛枝「小泉さんとかに言われて、とかじゃなくて自発的にの話だよね?」

    左右田「そんなの当たり前……………………」

    不二咲「…………」

    左右田「………………?」
  43. 43 : : 2023/07/17(月) 19:08:27
    左右田「…………だと思ってやってるが……今までじゃ有り得ないよな」

    不二咲「申し訳ないけど、清潔感という点では左右田君はその道のスペシャリストってわけではなかったよねぇ……」

    大和田「メチャメチャオブラートに包んでるな……」

    左右田「オレもいじられてる!?」

    狛枝「もしかして……入間さんは、全員を少しずつ自分にとって都合の良いように改変しているんじゃない?」

    左右田「だとしたらとんでもねーことじゃねーか!」

    狛枝「だって考えてもみなよ。左右田クンの記憶の中の西園寺さんって、もっと毒舌じゃなかった?」

    左右田「…………いや、アイツも他者への気遣いを覚えただけじゃね?」

    狛枝「それもそうか」

    大和田「オレは何か変わったのか……?」

    不二咲「ううん、大和田君は特に異常はなかったはずだよぉ。ボクが確認済みだからね」

    大和田「おう、サンキューな。そんじゃ本題に戻って……十神の件だな」

    不二咲「大和田君くらい強い人となると……大神さんかな?」

    大和田「さすがに大神はオレなんかよりツエーだろ……」

    狛枝「大神さんなら、罪木さんと澪田さん(別働隊)が捜してるはずだから……終里さんとかどうかな?」

    不二咲「確かに、終里さんなら……でも、今日はまだ見かけてないなぁ……」

    花村「話は聞かせてもらったよ」

    左右田「うおっ!? お前いつからそこに!?」
  44. 44 : : 2023/07/19(水) 00:01:58
    花村「もう卒業間近だっていうのに、やっぱりこのスクールカフェテリアに足を運んじゃうんだよね」

    大和田「食堂でいいだろ食堂で……」

    花村「それより、終里さんを捜してるんだって?」

    左右田「知ってんのか!?」

    花村「知ってるも何も……」

    そう言うと花村はとあるチラシを見せてきた。

    不二咲「えーと……?」

    左右田「『終里赤音vsグレート・ゴズ 〜先輩後輩異種格闘技戦!〜』だと!?」

    花村「今日はこの試合の日だからね!君たちも一緒にどうかな!?」

    大和田「……つまりよ、終里は今学校にいねえってことなんじゃ……」

    花村「うん。それに弐大君も付き添いで行ってるらしいよ」

    狛枝「これはツイてないね……」

    左右田「オイどうするんだよ……あと誰だ……?」

    花村「終里さんくらい強い人を捜してるなら、さっきゴン太君を廊下で見たよ」

    左右田「それだ! 確かにあいつなら適任だ!」

    大和田「むしろ真っ先に思いつくべきだったかもな!」

    花村(なんだか役に立てたようでぼくのおぴんぴんも大喜びだよ)

    狛枝「残念だけど花村クン、今学校は閉鎖中だから外には出られないよ」

    花村「えっ?」
  45. 45 : : 2023/07/24(月) 23:07:35
    ────────

    ──────

    ────

    ──















    人間の息の根を止めるのは容易だ。

    包丁で刺しても、高所から落としても、溺れさせてもいい。

    ダンベルで殴っても、毒を吸わせても、プレス機で潰してもいい。

    それだけで、無力化が可能だ。

    では、激昂した人間を止めるには?

    殺す訳にはいかない。

    私が蹴った地面を、そいつは爪で抉る。

    距離を取りながら辺りを見回すと、何人か見学者がいるようだ。

    西園寺、小泉、あと赤松もいる。

    そちらに向かわれてはならない。

    そもそもどうして私はこいつに……

    十神に襲われているの?

    人とは思えぬほど伸びた髪、長い爪、獣のような動き……

    超高校級なんて呼ばれる奴らの集まる学園にいれば、ハプニングは日常茶飯事だけど、これは初めて経験するかな。

    一方的に襲われているのに殺してはならないなんて。

    咆哮をあげて突っ込んでくる十神をギリギリまで引き付けてかわし、足をかけて転ば……

    したかに思えたが、すぐさま体制を整え(四つん這いだけど)て私に向かってきた。

    殺すならともかく、都合好く気絶させるなんて技は今は持ち合わせていない。

    他に注意を向けさせないためにも、私がなんとかする必要がある。













    赤松「ねぇ、どうして春川さんが襲われているの!? っていうかあの十神君は何!?」

    小泉「どうして魔姫ちゃんが襲われているのかはわからないけど……ああなった原因は美兎ちゃんで……」

    …………

    …………

    …………

    赤松「えっ!? ってことは私もなにかいじられてるかもしれないってこと……?」

    西園寺「そうなるねー」

    小泉「そうと決まったわけじゃないけど……それより魔姫ちゃんの身体能力凄いね……」

    赤松「うん、こっちに十神君が来ないように引き付けている気がするよ」

    西園寺「あれ、十神こっち向いてない?」

    赤松「ええっ!?」
  46. 46 : : 2023/07/26(水) 12:47:36
    小泉「そんなはずないでしょ? だって十神が3人も一度に女子を見たら……」

    西園寺「4人で駄目なのはわかってるけど3人は……」

    小泉「あっ!?」

    ◇◇◇◆◆◆

    (こういうので区切るとわかりやすいのよねん?)

    そもそも、今の十神白夜は一体どういう状況なのか。

    何故現在春川魔姫を追い回しているのか。

    答えは簡単……

    一度に4人を視界に入れたときの気絶から覚醒した時、かろうじて意志が残っていました。

    その時彼はこう思ったのです。


    ────この身体能力ならば

    女子を視界に入れずに────

    ──────入間のもとへ行ける!


    ……と。

    けれど、結局はダメだったようで、今ではかわいい女の子を追い回す獣……というか精神だけ子犬……いや、仔犬になってしまったのです。

    薬を誤った方法で服用し、更に元々精神が不安定だったためですね。

    つまり、今は春川魔姫に遊んでもらっているという認識なのでしょう。

    ……え? どうしてわかるのかって?

    そんなの、決まってるじゃないですか。

    だって──

    ◇◇◇◆◆◆

    小泉「てことはこっちに普通に来る可能性あるってこと!?」

    赤松「やばいじゃんそれ……!」

    西園寺「ど、どうしよう小泉おねぇ……」

    瞬間、十神が地を蹴り素早く赤松達の方へと向かう!

    春川「しまっ……!」

    だが!

    「大丈夫……!」

    我々はこの男を知っている!

    西園寺「受け止めた!」

    本当の紳士を目指しているこの男を知っている!

    ゴン太「ゴン太が皆を守るよ!」

    不二咲「ハァ、ハァ……ゴン太クンと合流してすぐにこんなことになってるなんて……」

    左右田「……ふぅ、間一髪だったぜ!」

    ゴン太「でも、どうしてこんなことに……?」

    左右田「詳細はあとだ! とりあえずきちっとやっつけちまえ!」

    不二咲「傷つけちゃだめだよ!?」

    ゴン太「うん! わかったよ!」
  47. 47 : : 2023/07/31(月) 21:39:31
    十神「ガァァァァ!!」

    ゴン太「!」

    ゴン太はその力で十神は即座に掴まえ……

    ゴン太「あれっ!?」スカッ

    られるはずもなかった。

    大和田「な、なんでアイツが追いつかねぇんだよ……」

    小泉「魔姫ちゃんでも完全に撒けないくらい素早いからね……」

    十神がゴン太に飛びかかる!

    ゴン太「フンッ!」ガキンッ!

    何故か落ちていたマンホールの蓋でガード!

    西園寺「うわー、面倒だね」

    左右田(元はと言えばオメー、じゃないな。あくまで入間のせいだ)

    春川「……ねぇ、あの十神について詳しいのはあんた?」

    左右田「あぁ、そうだけど……」

    春川「どうすればいいの?」

    左右田「それは……」

    ◇◇◆◆

    春川「なるほど、4人以上の女子を一度に視界に入れさせればいいわけだ」

    左右田「確証は持てないがな」

    不二咲「その後は、入間さんに頼んで……」

    春川「後のことは後で。とりあえず私は獄原に加勢するから……大和田、あんたも来て」

    大和田「おお! 元々そういうつもりでコイツらに付いてきてるしな! 喧嘩なら任せろ!」

    不二咲「傷つけちゃだめだよ……?」

    狛枝「さっきも聞いた台詞だね」
  48. 48 : : 2023/08/11(金) 20:28:53
    ゴン太(! 二人がこっちに向かってきてくれてる……)

    大和田と春川の方へ向き直す十神。

    十神「グルルルルゥ……!!」

    大和田「オラァァァァァ!!」

    威嚇し合っている二人!

    春川「…………」ゴゴゴゴゴゴ

    凄まじい気迫と共に髪が不気味に沸き立つ!

    見合って尋常に勝負的な展開を無視して突っ込むゴン太!

    ゴン太「フンッ!」

    即座にゴン太から離れんと飛び散る十神!

    逃げた方向には……

    朝日奈「お願い! さくらちゃん!」

    澪田「いや……丹田呼吸法の使い手よ!」

    地上最強の生物がそこにいた。

    女と生まれたからには誰でも一生のうち一度は夢見る “地上最強の女”

    “オーガ”とは“地上最強の女”である彼女のことである!

    (♪神イントロ)

    大神「フンッ!」

    地面を蹴ると同時に、土煙が舞う!

    その衝撃で何故かとんでもない格好でコケる罪木!

    思わずそちらを見る十神!

    ──────刹那。

    拳が完全に十神のみぞおちに入った。

    澪田「さて、さくらちゃんとゴン太ちゃんのどっちの拳が入ったんすかね?」

    正直どちらでもいい。
  49. 49 : : 2023/08/13(日) 03:00:10
    期待
  50. 50 : : 2023/09/19(火) 21:52:13
    十神「アガァッ……!」

    大神「…………」

    澪田「さくらちゃんの方だったっすね!」

    少し遅れて駆けつけた大和田が十神を押さえつける!

    大和田「顔を押さえろ!」

    ゴン太「うん!」

    ゴン太はがっちりと十神の顔を掴む!

    ……が、いまいちなんのためなのかはわからない。

    春川「さて、女子は十神から見えるところに固まろうか……」

    固まると言っても、皆がその場に近づいたわけではない。星座と同じように。

    春川「十神の目を無理やりでもいいから開けさせておいてくれる?」

    ゴン太「わかったよ!」

    しかし十神と向き合っていたので……

    大和田「って、その位置じゃ十神から見えるのがオメェだけじゃねーか!」

    ゴン太「???」

    春川「私達が見えるように顔を向けさせて」

    ゴン太「うん……?」

    ゴン太は十神の目を開かせつつ、顔を少し横に向かせた。

    その視界に映るは春川、大神、澪田、西園寺……等。

    4人なんて優に超える女子達だった。

    左右田(頼む……なんとかなれ……)
  51. 51 : : 2024/01/16(火) 01:32:58
    十神「!!」

    この世界が漫画であればヘニャヘニャという擬音がつきそうなほど、それはもうヘニャヘニャと十神の力が抜けた。

    …………白目をむきながら。

    ゴン太「うわっ!? 大丈夫なの? ねえ!」

    大和田「おい十神! ……おい!」

    返事はなかった。



    ◇◇◆◆



    再び病室のベッドに寝かされた十神。

    狛枝「とりあえず蘇生薬は飲ませようか」

    左右田「やめろって! やっぱ急いては事を何とかだ! 余計な事しないほうがいい!」

    朝日奈「蘇生薬……? あぁ、あのムキムキになるやつだね!」

    大神「だが、飲ませるのも手ではないのか……?」

    左右田「オーバードーズが怖いだろ!」

    大和田「なんだ?そりゃ」

    赤松「こういう時は罪木さんがすぐに解説してくれるイメージだけど……」

    春川「罪木なら転んだ衝撃で服が破けた上にびしょ濡れになったとかで、所謂“トワイライトシンドローム”の4人で罪木の部屋に行ったよ」

    なんだそのユニット名!?

    っつーかどんな転び方したんだ…

    不二咲「そんなアイドルグループみたいな4人組いたっけ……?」

    大神「そういえば、前に江ノ島がそんな名を口にしていたな……」


    ◇◆◆◇

    戦刃「夕焼け空のもと、いつもの4人が歩いている……名付けて、トワイライトシンドローム!」

    大神「何故名をつける……」

    戦刃「楽しいじゃん! 他にはソニアサンドとかもあるし〜……」

    ◆◇◇◆

    大神(……まさか春川にまで浸透するほどだったとは)

    春川「ま、薬は飲ませないにしても起こすために何かしてもいいかもね」

    左右田「何かってなんだよ?」

    春川「目元にわさびを塗るとか」

    左右田「はぁ!?」

    そんなキャラじゃないよな……?

    赤松「えっと、春川さん……?面白い冗談、だね?」

    春川「ありがとう、結構いい案だと思う」

    まさかこいつも……

    何か入間にいじられたのか……

    朝日奈「そんなことしたらわさびがもったいないよ!却下!」

    春川「じゃあ、洗濯ばさみで……」

    だめだこりゃ。
  52. 52 : : 2024/02/05(月) 00:44:18
    良いスレだあ…
  53. 53 : : 2024/04/07(日) 17:14:44
    希望ヶ峰学園正門━━

    逆蔵「…………お、久しぶりだな」

    雪染「そうだね」

    逆蔵「何してんだ?」

    雪染「何って……77期生(あの子)たちの様子を見に来たのよ。元担任として」

     (アニメ同様、七海達の担任だったという解釈でちゅ)

     (……ハピダン時空で77期生かどうかはわかりまちぇんが)

    逆蔵「そうか……だが無理だ」

    雪染「どうして?」

    逆蔵「十神白夜が薬?で暴走したとかなんとかでこうして厳戒態勢を敷いている」

    雪染「薬……?」

    逆蔵「恐らくは忌村静子の残した薬だろうな」

    雪染「あぁ、あのすごい髪が伸びるやつね! 家政婦業に使えるかと思って飲んだことあるんだけど、力の制御が難しかったわ!」

    逆蔵「の、飲んだことあるのか……?」

    雪染「うん、確か去年の(prrrr……

    逆蔵「すまん、電話だ……はい、逆蔵です。ん? あぁ……わかった」ピッ

    雪染「なんて?」

    逆蔵「十神白夜確保……だそうだ」

    雪染「勝手に暴走して勝手に鎮圧するなんて、やっぱり超高校級の子たちは一味違うわね」

    逆蔵「全く、同感だ」

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忌村のお薬 シリーズ

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