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ミカサ「三日間だけの恋人」

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  1. 1 : : 2020/07/27(月) 22:30:29
    ※ミカサシャ
    恋愛感情は無いですが百合要素アリ


    アニメ以降のネタバレも含まれますのでご注意ください
  2. 2 : : 2020/07/27(月) 22:35:08
    訓練兵休息日 女子大部屋


    ミカサ「……サシャは」


    サシャ「何ですか?」


    ミカサ「コニーと付き合っているの?」


    サシャ「はい?」


    ミカサ「教えてほしい」


    サシャ「あ、ええと……」

    サシャ「付き合うってなんですか?」


    ミカサ「……」


    サシャ「す、すみません。よく分からないもので」


    ミカサ「付き合うというのは、その」

    ミカサ「いつも一緒にいて、好き。で、手をつないだりする」


    サシャ「なるほど?」


    ミカサ「サシャはよくコニーと一緒にいる」


    サシャ「うーん……確かにコニーとはいつも一緒ですし、コニーのことも好きですけど……」

    サシャ「手をつないだりはしないですし、多分違いますよ!」


    ミカサ「そう」


    サシャ「どうしてそんなことを私に?」


    ミカサ「……それは」


    サシャ「はい」


    ミカサ「なんでもない」


    サシャ「ええ!? なんでですか!!」

    サシャ「あ、もしかして……ミカサはエレンと付き合いたいんですか?」


    ミカサ「っ」


    サシャ「あ、当たりです?」


    ミカサ「ち、ちがう、エレンは……」


    サシャ「もう、照れなくてもいいんですよ!」


    ミカサ「……付き合うというのはそんなにいいことなの?」


    サシャ「えっ、私に聞かれても分かりません」


    ミカサ「そう……」


    サシャ「……」

    サシャ「あの」


    ミカサ「?」


    サシャ「良かったら、練習してみますか?」


    ミカサ「練習?」


    サシャ「付き合う練習です! エレンと付き合いたいのなら、一度練習したほうがいいかもしれません」


    ミカサ「付き合うとは、練習するものなの」


    サシャ「多分……? まあ、練習しておいて損はないでしょう」


    ミカサ「なるほど。サシャは頭がいい」


    サシャ「ふふん」


    ミカサ「それで、どうやって練習する」


    サシャ「私と付き合うんです!」


    ミカサ「サシャと?」


    サシャ「はい。私、ミカサとなら全然繋げますよ」


    ミカサ「つな、げ?」


    サシャ「手ですよ、手! さっきミカサが言ってたじゃないですか!」


    ミカサ「ああ、手」


    サシャ「あ、ミカサが嫌なら全然いいんですよ?」


    ミカサ「嫌ではない。私もサシャのことは好き」


    サシャ「……じゃあ、練習してみます?」


    ミカサ「……うん」
  3. 3 : : 2020/07/27(月) 22:37:59
    サシャ「ミカサの手、固いですね」ギュ


    ミカサ「そう?」


    サシャ「はい、鍛えられた手って感じがします」


    ミカサ「サシャの手は、少しやわらかい」


    サシャ「やわらかいですか?」


    ミカサ「少し。ただ、しっかりとしている」


    サシャ「よく狩りをしていたからですかね」


    ミカサ「狩り?」


    サシャ「はい。私の村では、先祖代々狩りをして暮らしているんです」

    サシャ「狩りでは弓矢を使うんですよ。だから、それで手もしっかりしてるのかもしれないですね」


    ミカサ「へえ……」


    サシャ「ところで、付き合うってこういうことなんでしょうか」


    ミカサ「わからない。少し、違う気もする」


    サシャ「ですよねえ……。そうだ、ユミルなら何か知っているかもしれません!」
  4. 4 : : 2020/07/27(月) 23:01:50
    ミカサ「ユミル、少しいい」


    ユミル「あぁ? 折角の休息日だってのに元気だな。お二人さんは」


    サシャ「あれ、クリスタはどうしたんですか?」


    ユミル「馬の世話だとよ。着いて行きたかったけど、流石に今日は寝たい」


    サシャ「あはは……訓練続きでしたもんね」


    ユミル「そういうこと。で、二人はなんで手ェ繋いでんだ?」


    サシャ「ああ、ばれちゃいましたね」クス


    ミカサ「隠すほどのことでもない」


    サシャ「確かにそれはそうです」


    ユミル「あ? 話がよめねーんだが……。何、付き合ってんの?」


    ミカサ「なぜ、ユミルがそれを」


    サシャ「え、エスパーですか!?」


    ユミル「は、マジ? ちょ、ミカサ、お前エレンは?」


    ミカサ「エレンは……その、ちが……」


    サシャ「それなら問題ないですよ、ユミル。私はエレンの代わりですから」


    ユミル「は、お前それ……。え、サシャはミカサのことが好きだったのかよ」


    サシャ「はい、好きですよ? 当たり前じゃないですか」


    ユミル「展開についていけねーよ」


    ミカサ「サシャに練習を付き合ってもらっている。ので、問題ない」


    ユミル「は?」


    サシャ「はい! 将来ミカサがエレンと付き合う時のために練習してるんです!」


    ユミル「ああ……はいはい、だいたい読めたわ……」


    ユミル(付き合うことの意味を理解してねーなこいつら)


    サシャ「ところでユミル。付き合うって具体的に何をすればいいんですか?」


    ユミル(やっぱりか。まあ面白れーことになりそうだし放置しとくか)


    ユミル「んなもん、自分らで考えな」


    ミカサ「ユミル」


    ユミル「ん?」


    ミカサ「ちゃんと考えた。手も繋いだ。ただ、ここからが分からない」


    サシャ「ミカサ……」


    ユミル「ええ…………」


    ミカサ「何事にも練習はしておいたほうが損は無いと聞いた」

    ミカサ「教えてほしい」ペコ


    ユミル「ブフッ」


    サシャ「ゆ、ユミル?」


    ユミル「く、くふっ……ふ、いや、なんでも、ねえよ」

    ユミル(これ期待以上に面白くなりそうだな)


    ユミル「分かった。私も協力してやる」


    ミカサ「!! ありがとう……!」


    サシャ「私からも、ありがとうございます!」


    ユミル(なんてことで感動してんだよこいつら)
  5. 5 : : 2020/07/27(月) 23:12:10
    ユミル「まあ、取りあえずはなあ」


    サシャ「……ゴクリ」


    ユミル「あ~~抱きつく、とか?」


    サシャ「抱きつく?」キョトン


    ユミル「ほら、私がいつもクリスタに抱き着いてるみたいにさ」


    ミカサ「こ、こう?」


    サシャ「ぐふぅ!? みかさ、首が!! 首がもげます!!!」


    ミカサ「ごめん。きつく締めすぎた」パッ


    サシャ「ふひぃ!?」ゴッ


    ミカサ「ごめん」アセアセ


    ユミル「ブッ」プルプル


    ユミル(こいつらにスキンシップは早すぎたか)プルプル


    ミカサ「ゆ、ユミル」


    ユミル「わかった、わかったから……! そんな目で見るな腹筋が壊れる」


    ミカサ「壊れてはいけない」


    ユミル「もう喋るなお前」プルプル
  6. 6 : : 2020/07/27(月) 23:26:20
    ユミル「はあ……はあ……ハッ、はあ……」


    ミカサ「ユミル、落ち着いた?」


    ユミル「全面的にお前のせいだよミカサこの野郎……」


    サシャ「み、ミカサを責めないでください!」


    ユミル「責めてねーよもう……笑わせるのやめろよ……」


    サシャ「は、はい」


    ユミル「はあ……、分かった。付き合うってのはな、相手と一緒にいて楽しいとか、嬉しいとか。そういう事をするもんだと私は思ってる」


    ミカサ「楽しい……」


    ユミル「そうだ。だからまずはそういうことをしてみたらどうだ?」


    サシャ「楽しい、嬉しいですか……。なるほど、ありがとうございます。ユミル!」


    ユミル「ああ、まあせいぜい頑張れよ〜」

    ユミル(腹筋壊れるかと思ったわ……)
  7. 7 : : 2020/07/27(月) 23:40:24
    サシャ「楽しい、嬉しい……。ミカサは何かしたいことってあります?」


    ミカサ「私は……特に無い」


    サシャ「ううーん……じゃあ、私からいいですか。ミカサ」


    ミカサ「……」コクリ


    サシャ「ミカサと狩りをしたいです!」


    ミカサ「狩りを?」


    サシャ「はい! ミカサの動きを見てると、いつも思うんです。ミカサと狩りをしてみたいなって!」


    ミカサ「何故?」


    サシャ「獲物への素早い洞察力、その場の環境に合った適切な対応……ミカサは、狩りに必要なものを感覚で身につけているんだと思います」

    サシャ「だから、そこに私の狩りに対する知恵が加われば、それって最強じゃないですか!?」


    ミカサ「……ふふ」


    サシャ「ミカサ?」


    ミカサ「いや、サシャらしいなと思っただけ」


    サシャ「あ、えへへ……そうですか?」


    ミカサ「ええ。……サシャ、狩りの仕方を教えて欲しい」


    サシャ「ふふ、お任せ下さい!!」ドンッ
  8. 8 : : 2020/07/28(火) 09:55:15
    ミカサ「ところで、狩りに必要な道具はどうするの」


    サシャ「ふっふっふ〜、それはですね……」


    サシャ「自主訓練の為に立体機動装置の貸し出しを許可されているでしょう? それを使うんです!」


    ミカサ「!!」


    サシャ「この間、コニーと自主訓練をしていた時に偶然トカゲを見つけてしまって!」


    サシャ「あのアンカー結構役に経つんですよ、トカゲくらいなら刺すだけで捕まえられます!」


    ミカサ「サシャとコニーは、そういう所では頭がいい……」


    サシャ「そういう所? ミカサ、それってどういう……」


    ミカサ「なんでもない」


    サシャ「ええ、ミカサあ!」


    ミカサ「……」プッ


    サシャ「あっ今笑いましたね?!」


    ミカサ「笑ってない」


    サシャ「ちょっと!!」


    ミカサ「ところでサシャ、立体機動装置を使うのはいいけれど」


    サシャ「……はい?」


    ミカサ「先程サシャの言っていた、弓矢というものも使ってみたい」


    サシャ「ミカサ……!! それなら!」







    ミカサ「サシャ、これは?」


    サシャ「……実は、上官の方々が、弓矢を持っているのを発見してしまって」


    サシャ「偶然落ちていたのを、拾ってきてしまいました……」


    ミカサ「それはよくない」


    サシャ「で、でも……落ちてたものは仕方なく無いですか? 落し物と一緒です」


    ミカサ「……ふむ」


    サシャ「あ、納得してくれました?」


    ミカサ「今回は多めに見よう」


    サシャ「やった〜! 流石ミカサです!!」
  9. 9 : : 2020/07/28(火) 10:23:36
    昼過ぎ 訓練所近くの森


    サシャ「それじゃあミカサ、まずは弓矢の使い方を教えますね」


    ミカサ「分かった」


    サシャ「基本的には簡単なんですけど、少しコツが要りますよ」


    サシャ「そうですねえ……まずはあの木を目標にしましょう。ミカサ、見ててくださいね」


    サシャ「目標を捕らえて、確実に射つ。これが狩りの基本です。」


    サシャ「あとは……ええと……その」


    サシャ「すみませんミカサ、私、説明するのが苦手で……」


    ミカサ「実践して欲しい。見て、覚える」


    サシャ「そうですね! その方がいいかも知れません。分かりました!」


    サシャ「目標を捕らえて……」チャキ


    サシャ「射つ!」バシュン!


    ミカサ「……おお」


    サシャ「こんな感じですかね。どうですかミカサ! 出来そうですか?」


    ミカサ「やってみよう」


    サシャ「はい! それじゃあちょっと待っててください!」タタッ


    ミカサ「?」


    サシャ「矢には限りがありますからね、一度使うと若干劣りますが練習なら十分です!」バシッ


    サシャ「これを使って、次はあっちの木を狙ってみてください!」スッ


    ミカサ「目標を捕らえて……」ギリギリ


    ミカサ「射つ」シュルルルッ


    サシャ「おお!! ほとんど完璧ですよ!」


    サシャ「やっぱりミカサには狩りが向いていると思います!」タタッ


    ミカサ「そう?」テレ


    サシャ「後はですね……」スッ


    ミカサ「サシャ?」


    サシャ「少し後ろから失礼しますね」ピタ


    ミカサ(近い)


    サシャ「矢を安定させる為に、リラックスして持ちます」チャキ


    ミカサ「!」


    サシャ「そして……射つ!」バシュン!


    ミカサ(さっき私が射ったのよりも、位置が正確……)


    サシャ「大体は分かりましたか?」


    ミカサ「ええ。サシャは教えるのがうまい」


    サシャ「え! えへへ……そんなことは無いです。ミカサの筋がいいんですよ!!」


    ミカサ「ありがとう」


    サシャ「ふふふ、じゃあ早速挑戦してみましょう!」
  10. 10 : : 2020/07/28(火) 16:09:00
    サシャ「まずは目標を決めましょう! 狩りでは目標を一つに絞ることが重要です。二匹のウサギを追っても一匹も取れない? みたいな言葉があったような」


    ミカサ「サシャ、それを言うなら二兎を追う者は一兎をも得ず、だと思う」


    サシャ「そ、そう! それです!!」


    サシャ「今日は簡単に……ああ! この辺りにはよく野鳥がいるので、それを狙いましょう!」


    ミカサ「鳥?」


    サシャ「はい。鳥は飛んでいるので一見難しく思いますが、ほとんどは木に止まっていることが多いんですよ」


    ミカサ「そうなの」


    サシャ「そうなんです」ニヒ


    ミカサ「鳥……、あ、居た」


    サシャ「え? あ、あんな所に! よく見つけましたね……、やっぱり、ミカサには狩りの才能があります……!」ソローリ


    ミカサ「サシャ、どうしてそんなに腰を低くしているの」


    サシャ「しっ! ミカサもゆっくり、じっと、伺うようにしてください。あの鳥に見つからないように……」


    ミカサ「……わかった」ソローリ


    サシャ「立体機動で無理に近づくと逃げられます。鳥にも頭はありますからね、一番狙いやすいのは​──」


    鳥「チチッ」


    サシャ「鳥が獲物に集中している時!」シュッ


    鳥「チッ!?」


    サシャ「はっ!」バシュン!


    鳥「」キュウゥ


    ミカサ(空中で矢を鳥に当てた?)


    サシャ「よし、捕らえました〜!!! どうですかミカサ!」


    ミカサ「……すごい」


    サシャ「え?」


    ミカサ「サシャは、すごい」


    サシャ「え? えっと、えへ、えへへへ……?」


    ミカサ「今、何を見ていたの」


    サシャ「何って……、さっき、鳥はこの木に生っている実を取りに来ていたんですよ」


    サシャ「それに集中している隙に立体機動で近づいて逃げる前に弓で打ったんです!」


    ミカサ「なる、ほど?」


    サシャ「ミカサも一度やってみませんか? きっとすぐに出来るようになりますよ!」


    ミカサ「……」


    サシャ「とりあえず〜、この鳥は今日の夕食に……むふふ……」

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