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—孤独のグルメ—茨城県水戸のとんかつ屋

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  1. 1 : : 2020/01/11(土) 03:11:26
    ・・・・はい、お久しぶりです!!

    というよりも、新年、あけましておめでとうございます<m(__)m>


    新年のご挨拶も早々、全然、全く・・・


    仕事どころか生活全般が忙しすぎるあまりか本当に全く
    ss的な何かの更新ができずにおります今日この頃。



    最早こうなってくると、
    続き物を進めるのには色々な弊害が出てくるという事もあり
    (実をいうと、短期で書き出しから一気に書ききってしまった方が
    途中で減速しない分割と捗るんですよね・・・。)


    ・・・というわけで(どういうわけで?)
    前々から書いてみたかったゴローちゃん話で短く1話だけ、
    書き始めから一気に書ききってみようかと思います。


    今回は三日以内に終わらせるの目標で行きましょう。


    昨年のことになりますが丁度元ネタになりますとんかつ屋に
    行ってきたという事もありますので・・・、
    (まあ、水戸でとんかつ屋と聞けば、その道に明るい人であれば
    何を言わなくても通じてしまうかと思われますが・・・)



    パロディ設定や注意事項に関しましては・・・



    今回久々というか新年初の試みという事もありますので、
    ナシにしておきましょうw

    ただ一点だけss的な物、という都合上ちょっぴり他作品要素が
    含まれております。


    元のお話を知っている人でなければまず、
    このタイトルを踏むことは無いと分かっていて書いていますが・・・


    知らない人のために原作がどのようなお話か補足いたしますと・・



    「輸入雑貨の貿易商を営む独身のおっさんが、
     行く先々で一人飯を満喫する」という・・それだけの話です



    いや、ホントそれだけなんですがwwww

    何でしょうね・・・どうして
    これほどまでに読んでいて共感を覚えるといいますか、



    そんな単純な言葉では言い表せない不思議な何かを感じさせてくれる、そんなお話ですw

  2. 2 : : 2020/01/11(土) 03:12:41




















     取引先との商談の都合上・・・それからほぼ
     そこからの付き合いと言う形で、話が纏まった午前から、
     ほぼそれが今日のメインイベントと言う形でこうして
     久々に海有り県というか・・・地方の沿岸部に来てみたは良かったが、
     なんというかこれはまさに・・・  







     「いやあ・・・、今日は日も良かったし周りも良い感じに
      入れ喰いだったのに、まさか二人揃って坊主とは・・・
      折角こちらから誘ったのに退屈な思いをさせてしまって、、、

      ほんと、すみませんでしたね~・・・」





              壮絶なまでの肩透かし。






     「いやぁ、
      そちらはともかくトーシロなんてせいぜいこんなもんでしょう。」



     隣で申し訳なさそうに、というよりも寧ろバツが悪そうに
     そう言いながらハンドルを握りつつ会釈する取引先の顔も、
     その心情の最中では俺とそう大差ない後味の悪さを
     噛みしめていることだろう。





           ――――正直釣りとかはさっぱりだ。





     せいぜいこの国で釣れる魚の全てが食べると美味しい魚で、
     それらが悉くその場で踊り喰いでもできるほど
     自然の摂理が明快に出来てたら・・・・



     釣りを趣味に持つどころか今こうしている
     俺は輸入雑貨業などではなく漁師か釣り人あたりを営んでいた
     可能性もあるだろう。




     ・・・・効率をとれば投網漁とかも有りっちゃ有りだが・・・・



     ・・・聞いた話だと川でやってるああいうのって
     禁漁期間とか色々面倒そうだし、やっぱそれはナシだな。




     ―――――現実はそう単純明快(シンプル)じゃない。

  3. 3 : : 2020/01/11(土) 03:14:00




     よしんば俺にそのような才覚があったとして
     今日の獲物が大漁だったとしても、そこには諸々の問題が
     浮上してくる。



     その場で血抜きやら何やらといった面倒くさい下処理を
     行わなきゃならんのは当然のこととして、
     持って帰って美味しくそれを頂きたいというなら
     肝心の戦利品を持ち帰るクーラーボックスだって必須だ。



     ―――言うまでもなくそれはあくまで食材を持って帰る、
     それだけについて回る面倒でしかなく・・・持ち帰ったら
     持ち帰ったで、いよいよもっとも大きな壁となる
     そいつを「捌いて料理する」という岸壁が
     容赦なく俺の前に立ちはだかる。


     空腹に耐えかねて、今すぐにでも適当に輪切りにした魚を
     刺身でも何でも良いから食べてしまいたいという自分と・・・
     新鮮なイカの踊り喰いをやった後のお笑い芸人が、
     急激かつ猛烈な腹の痛みを訴え、医者様に見て貰った結果、


     その激痛の正体が新鮮な寄生虫をも一緒に胃袋に
     お招きした結果のアニサキス中毒だったと報じるテレビの
     バラエティ番組の顛末を思い出しながら、
     これは流石に一端冷凍庫で氷漬けにせざるを得ないと
     項垂れる自分のせめぎ合いにやきもきする俺の前に・・・・だ。




     商談相手を引き込んでまで海っぺりまで車を走らせる
     お隣さんなら、根っからの釣り人なのでそれくらいの準備は
     しているのかもしれない・・・が、今日一日の彼の動向を見る限り、
     こういう手合いはどうにも・・・・・



     釣った魚をどうこうするとかでなく・・・



     その日の仕掛けと自分の読みが釣果に反映されたことに
     喜びを見いだすのが楽しいと言うだけ・・・



     つまり、釣れた瞬間楽しければそれでいい、という人種だ。



     ああ・・・、うん。他人の楽しみにああだこうだ
     ケチ付けるつもりはないけど・・・あれだよな。




     正直あまりお近づきになりたくない人種。



     しかもだいたいこーいう人達ってのは
     自分が楽しい事を他人に押しつけることに一欠片の
     躊躇いもないから尚更ナンギだ。




     そう考えればこそ成る程・・・空腹の荒波と、
     ちっとも楽しくない趣味の押しつけに殺気立つ
     素人がつり下げた、



     これ見よがしに殺意の波動ダダ漏れの
     仕掛けに自ら喰らいつく死にたがりの魚クンなんて・・・
     そんじょそこらを泳いでいるハズもない。





  4. 4 : : 2020/01/11(土) 03:16:11




     そしてこちとら、仕掛けを投げては竿を見張るだけの空虚かつ
     心穏やかな時間のみで空腹を御しきれるほど、
     浮き世の理から離れ掛けた太公望気質を持ち合わせてはいない。





     腹が減っては息すら出来ぬ。




     水面で踊る浮きを眺めている間の俺は
     漁港側にきたからにはこれこそは、と言われる
     海鮮グルメの事についてしか考えていなかった。




     折角のド平日、不慣れな素人にも自分の趣味を分かってもらえる
     絶好のチャンスと気張っている取引先の御仁とは
     これまさに分かりやすいほど対照的に。



     俺自身、ここまで自分が驚くほど内心で納得がいかないのは・・・
     どうでもいい他人の趣味による成果がまったく振るわなかったから・・
     という、ただそれだけの話ではない。



     現時刻・・・・午後5時直前。



     2分の誤差をもって、未来の時を知らせている
     他人の車の車載時計ではなく自分の腕時計で確認したが・・・



     それによれば既に昼食から4時間あまりの時が経過しようとしている。



     ―――そう、地元グルメにもそこそこ明るい人間の
     イチオシという事で、俺にとって本日一番のメインイベントに
     なる・・・・・・




     はずだった、あの昼食から。




     漁港側の鮮魚店でいただく海鮮ものの数々・・・
     海っぺりで無為に積み重ねた精神的にも体力的にも退屈な
     疲労感と、それに付随する猛烈な空腹感に対しての威嚇射撃として、
     これらが美味く感じないハズがない。




     ハズが無いのだったが・・・・






     そこんところも、現実はそう甘くはなかった。









     いや・・・なにも、茨城は大洗港付近で振る舞われた
     海鮮料理諸々に対して不満があったわけではない。




     それだけは断じて言い切れる。
     




     ではなぜこんな歯切れの悪い言い方になるのかといえば・・・




     ・・・・勿論その原因は太公望(隣の御仁)だ。




     結論言ってしまうと、彼にとっては面白いほど
     俺自身とは楽しみに向いているベクトルが違っていて・・・
     彼は自分の趣味の為なら、食事に割く時間などまさに二の次。




     そういう人間でもあった。




     連れて行かれたのは、静岡のとある漁港でも見かけた
     気がする・・・まさかのチェーン店。



     ・・・この時点で何となくイヤな予感はしていたが・・・・。


  5. 5 : : 2020/01/11(土) 03:18:05






     そして待ち受けていたのは大洗といえば何はなくともまずはこれ、
     ということで勢いに圧されて注文した生シラス丼。





     他に蛤ステーキだとか、あんこう唐揚げとか・・・


     “一人で来ていたなら”暴れる空腹をこれでもかと擽ってくる
     ワードを並べたお品書きを横目に見送りながら・・・


     早いところ腹に入れるものだけ入れて趣味の世界に舞い戻りたいと
     浮き足立っている目前の御仁を見咎めつつ・・・


     ただ、空腹を満たすだけの"作業"に終始する・・・


     そんな苦行のひとときだった。



     実を言ってしまえば俺個人としては、丼であるなしに関わらず、
     また玉のトッピングの有る無しに関わらず、
     生しらすより火の通った釜揚げしらすの方が向きな気がする。



     ・・・勿論それは、本当に新鮮で美味しい生しらすを口にする
     機会がない人間の先入観であるのかもしれないが・・・



     あいにく確かな海鮮(そういったモノ)を扱える店で食ってみた結果
     そう思う自分が居るのだから・・・これはもう趣向の問題なんだろう。






     そういうの抜きにして・・・そもそもの苦言を呈するなら・・・だ、





               "一人で行わない食事"





        ―――それこそが・・・本日最大の失敗だった。




     ・・・しかしそればかりは趣味につき合う傍ら仕方が無いことだ。
     その様に諦めるほか・・・もはや無し。



     都内と違い、宿泊先に移動するにせよ何にせよ、
     タクシーか、知り合いの自家用車かに依存するしかまともな
     移動手段がない地方巡行においては尚更だ。





                グギュゴ、、ごごっ・・・




    「・・・・・・む。」



     ―――なんだかえらい音をひびかせてしまったぞ。


     詰まりかけの排水溝か・・・あるいは水洗便所が
     一気に開通したときみたいな轟音が・・・下腹部から駆け上る。


     釣り人らしく、趣味に駆り出す用の、アイドリング音が
     うるさめな軽トラとはいえ・・・この狭い二人乗りの車内では
     この騒音が真隣に聞こえていないハズが無い。




    「(だから今はどうか静まってくれ・・・俺の空きっ腹(ドラゴン))。。」グヌヌ・・・・・





  6. 6 : : 2020/01/11(土) 03:20:22






    「宿泊先は・・・たしか国道沿いのここいらでしたよね」





    「あっ・・・、ええ、そうですあの先の信号・・・




     じゃないか、ああ、あの目立つパチンコ屋?
     あたりで降ろしてもらえれば」







     ホンと・・・地方ってどうしてこうパチンコだらけなんだ





    「(しかしまあ・・・・)」




     よし・・・もう流石に空腹を押さえ込むのも限界だった。
     今日こうして溜め込んでしまった不完全燃焼感は・・・



     この後の単独行動で取り戻す他無い。




     もうこうなったら最悪アレだ。




     コンビニ満漢全席でホテル飯だってかまわないぞ。




     今なら、ヤケ酒に走る飲んだくれの気持ちだって理解できる。



    「それじゃあ・・・今日はどうも僕なんかの
     趣味に振り回してしまって済みませんでした;
     仕入れに関しては話の通りで・・・・。。

     次こそは井之頭さんが喜べる釣果に出会えると良いんですが」




               御免被るなり。




    「いえいえ、こっちも普段しない貴重な経験させてもらったんで
     坊主でもお腹一杯ですよ」ハハハ




     次だって・・・・?この上なくぞっとしない事を言う。




     全身全霊で以てお断りしたい。




     俺自身にしても、愛想笑いとはいえ心にもないことを言いながら
     笑って見送ってしまった。





      ――――歳をとるってのはこーいうことなんだな。





      こうするのが・・・
      仕事を円滑にすすめるうちに当たり前になっていく。









              グゴォゥオオオオ....!!







    「うほっ・・・こいつは・・・」




     流石に慄いた。
     こいつはいかんな。・・・・こんな、獅子の咆哮とも
     地獄の悪魔の呻き声ともつかないような轟音は
     おぎゃあと産まれてしばらく聞いてないぞ。






           [早くこいつをなんとかしないと]





     そんな衝動に焦る自分を宥めるため、俺はまず、
     無駄に広いパチンコ屋の駐車場から国道沿いをざっと眺める。




     まず真っ先に目についたのは・・・・




     「(焼き肉・・・食い放題・・・・・・?)」




     おそらくチェーン店とおぼしきその店構えが掲げる、
     現状況の俺をこれ以上なく誑かしてくる狂気のワードだった。






     いかん・・・いかんぞ俺。




     この禁忌の響きを前に、
     うっかり狂戦士の鎧にとりつかれるところだったが、
     すんでのところで踏みとどまる。



  7. 7 : : 2020/01/11(土) 03:22:35




     ―――いや、決して空きっ腹に焼き肉という安直な発想が
     いけないんじゃない。




     ともすれば東京からそこそこ離れた・・・ここまで来て、
     最近普及してきたチェーン店の焼き肉&しゃぶしゃぶというのも
     どうなの?という安易なブレーキに踏みとどまったというのも
     少し違う・・・。



     何より最近は食肉流通の事情が変わってきているからか・・・
     昔の食い放題とは訳が違うと言うくらい・・・あの価格帯のモノとは
     思えないくらい美味い肉がたらふく食えるようになっている。




     それが殊更・・・



     今の俺には制動(ブレーキ)となった。



     空腹にあえぐ全身を押し留めんとして思考を統制させる
     ちっぽけな俺の脳味噌と・・・同じ位の出力でフル稼働する
     一つの感覚器官が・・・


     空腹に焦るあまり、[何か重要な事を見逃している]という
     警鐘を・・・・俺の中に響かせていたからだ。


     ―――――まず、それ(▪ ▪)に気づかせてくれたのは、
     嗅覚がとらえた違和感。




    「(こりゃぁ・・・油・・・か?―――――・・・・)」クンクン



     明らかに動物性タンパクが火炙りされる際に立ち上る煙が
     換気の際に屋外へと振りまかれるそれとは違う、
     油の香りに・・・俺の鼻がひくついた。


     冷静に考えてみれば・・・片側二車線の国道を挟んで、ここまで
     その臭いが届くというのは、いくらなんでもおかしい。
     以前ふとしたきっかけで足を向けた、花金の夜もふける頃の
     長野の一角とかならまだしもだ。




    「(つまり・・・今俺が立っているあの向こうに見える店構え・・)」






           ――――とんかつRestaurant。





     おそらくその営業形態を察するには午前午後で
     分かれているだろう、後半戦に突入して早々に・・・・


     オーダーを入れた客の存在を誇示するかのように、
     漂う揚げ油の香ばしい香りをあたりに漂わせつつ


     黄色い看板に掲げられた店名の直下にそのように煌々と
     照らし出される文言を視界に捉えた俺の心は・・・





     まさに一瞬で食欲の業火に包まれた。







    「(まずいな・・・、ぁあとてもマズい)






          ―――――とんかつだって?






       そんなの・・・今正にお腹ペコペコ・ペコリーヌな俺にとって
       美味しくないハズがないのは確定的に明らか。






    「(久しぶりに男のコに火がついちゃったじゃないか)」





             こうなってしまえば最早・・・・・






             「・・・・言葉は不要か。」ザッ・・・





     それまでの、焼き肉食い放題という魅惑のワードが脳内から
     綺麗さっぱり吹き飛んでしまっている事にも気づかないまま・・






             「ええぃ、ここだ!入っちまえ」






       俺の足はその店の正面入り口へと向かっていくのだった。









  8. 8 : : 2020/01/11(土) 22:40:42





          ―――とんかつレストラン前―――







    「・・・・・・んん・・・・・?」






     押し寄せる飢餓感と空腹を前に、思考に割くほどの余裕も
     本来ないハズの俺の理性が・・・店の入り口に掲げられた
     どでかい明朝体の並びに一瞬のフリーズを余儀なくされる。





             [全国大会優勝おめでとう]







    「(全国・・・大会って・・・。
                そりゃまた一体何の・・・・?)」






     安直に考えるなら・・この店が全国でも名を連ねるレベルの
     トンカツ専門店・・・という可能性すら頭をよぎりもした・・・が





    「(いやいや、流石にそれなら
     開店直後とはいえ、こりゃないでしょ・・・。)」




     いくら平日とはいえ・・・そして開店直後だというのに
     車はまだ駐車場にも一台しか停まっていない。





     「("おめでとう"って言い方"からして・・・
      何かスポーツ団体の協賛店かなにかなのかね・・・

     ・・・スポンサーとか・・・・)」




     ・・・・などという、どうでも良いことを考えながら・・・
     すでにそれ以上食と関係の無いことを考える余裕のない俺は
     店内へと足を踏み入れていた。





                「うわぁ」




     店内に入ってまず目に飛び込んで来たのは・・・数々の色紙とか・・・



     何か・・・アニメとか、そういったもののパネル。




     ・・・そういや店の外から見える位置にも一人立ってたな。





    「(・・・・ひょっとしてそういう店だったのか)」





       ―――――だがしかしこの期に及んで、退路など無い。





    「(ええい・・ままよ!)」







  9. 9 : : 2020/01/11(土) 22:44:43


           「は~い、いらっしゃいませ~」





    「あの~・・・一人なんですけど」





    「あ、あちらの連結テーブル席以外でしたら空いてる席
     どちらでもどうぞ~」




     こんな店では流石に場末の飲み屋等と違い、
     固定客のリザーブ席という事も無いはずなので、
     最早カウンター席で十分かと思いもしたが、驚いたことに
     まだ店内に他の客の姿が見えない。



     ・・・なので、ここはつい目に付いた手近な四人掛け席に
     勢いで飛び込んでしまったが・・・何事もなかったように
     各種お品書きやら、パウチ加工されたメニューに目を通す。



     この国の作法が分からん以上下手な動きをみせるのは
     実に得策じゃないが・・・



     不安を挙動であらわにし、相手にイニシアチブを
     握られるのだけは避けねばならない。



     注文を決めるまでの今この時にあってもそう。





     ――――食事は既に始まっているのだ。






             [ ガルパンかつ初期Ver ]






              「―――――」パラッ・・・・







     なんだろう、色々と言いたいことは有るんだが、
     まず何から疑問詞を抱くべきか・・・・






    「(まず・・・・"ガルパン"ってのはなんなんだ?)」






     そう、まずまっさきにそれだった。
     ミルフィーユトンカツだとか・・・・棒ヒレカツだとか、
     そういったカツのカテゴリの中でも未だ俺が直面したことのない、
     トンカツ界でも最近現れた超新星ともいえる新ジャンル・・・・

     パラッ・・・





    「(・・・・とかだったら、正直この場でオラわくわくすっぞと
     叫びたかったくらいだが・・・どうもちがう)」ペラッ





     おしながきを窘めつつ、周囲を見渡しつつ下された結論はそれだった。 店内各所に踊っているアニメキャラクターのイラスト達といい・・・




     それから各所に見受けられる謎の”戦車道(せんしゃみち)"というワードが・・・
     先程店の軒先に掲げられていたワードと相まって、
     俺の思考を正常に合致させた。




    「(ははぁ・・・なるほどね。)」クッ




     何が"なるほど"なのかは言うまでもなく・・・
     そもそもそれを言うのも野暮と言うもの。


     こんな歳でも俺だって外神田界隈でうまいカレー屋探索に
     練り歩くうちに、そういった(▪ ▪ ▪ ▪ ▪)(魔窟)にうっかり迷い込んで
     しまったことが全く無かったわけではない。


     ・・・で、あるからしてそういった趣旨を尊ぶ方々に対して
     頭ごなしに眉をひそめるような見聞の浅い人間でもない。




     ―――――何事も経験ですよ。





     何より俺は腹が減っているだけであって・・・・




     ―――そしてこの店にはとんかつを食べに来ているだけなのである。





    「(さて・・・そうとなれば、遠慮なく
     頂かせてもらおうじゃないですか)」


     この店が看板メニュー級にプッシュしていると見受けられる・・・







     その、"ガルパンかつ"とやらを。




  10. 10 : : 2020/01/11(土) 22:52:36






    「(どれどれ・・・)」ペラッ





     そういったどうでも良い前置きはどこへやら、
     手元のメニュー表を、今度は流し見ではなく入念に確認する――





    「(・・・ド頭から初期Verとあるから、
     普通にその後に続くのは写真のビジュアルからしても
     "中期""後期"とか、その辺を想像するところだが―――――)」





           [リアルver]  →  [超重戦車ver]





    「(この・・・最終形態(ハイエンド)っぽいのは、もう名前からして
     これ以上がないって言いたいのは分かるが・・・・
     リアルとはこれ如何に・・・・)」ムゥ





     更に、お品書きにある盛りつけイメージは、どれも
     とんかつでありながらコロッケのようなモノが段積みされてあり、
     なぜか側面にクラッカーが添えられている。




     あと・・・何故か寂しげに一本だけ添えられている
     アスパラガス。





    「(とんかつの付け合わせにクラッカーって・・・・・
     こんなの今まで生きてきて初めて見たぞ。)」





     そしてどうにもお品書きの説明欄に並ぶ字面としては
     浮きまくりの[スペック]欄・・・・。
     有効射程・・最高速度・・・主、、、砲?





    「(・・・・なるほど、つまりこれは戦車って事が言いたいのか)」





     個人営業店かチェーン店かはあずかり知れないが・・・
     この店の店主はよっぽどの戦車好きらしい。
     アニメ好きであり、戦車も好きであると





     ・・・多趣味だな。





     ・・・・・しかしあいにく、ここでもっとも気にかけなければ
     ならないのは見てくれやネーミングに限った事ではない。








    「(ほぉん・・・・・・なかなかどうして強気じゃないの)」サスサス


     顎に手をやりながらそう考える。


     しかし、"そう考える"のも無理はない。何しろ・・・・





    「(真ん中の奴で3000円・・・一番大きいのじゃ7000円。。
     これだけ見たら入る店間違ったかなと思っちゃうところでもあるが)」



     しかし、各々の概算グラム数と目安人数を見て、
     なるほどな、とひとりごちる。




    「(真ん中のは二人前・・・デカいのは四人前・・・・ね。
     まあ、1.2キロのトンカツなんてジョークにもならないから
     フツーに考えて数の暴力(集団リンチ)だよな。

     つまりそもそも、裸単騎(俺みたいなの)は想定していない・・・・・・・・・と。)」





  11. 11 : : 2020/01/11(土) 22:57:10







    「(・・・・・・・いや、待て待て待て、妙な気を起こすんじゃない、、俺。)」





     何だろう・・・散々過去に舐めさせられた辛酸の経験から
     初めての店では冒険をしないという心得がしっかりできている
     ハズだったが、慣れない土地に足を延ばして浮き足立っているのか・・
     それとも昼間のやるせない気持ちの反動なのか・・・・







    「いや・・・・・今なら越えられるでしょう・・・2人前(リアル)の壁」フゥン...






     奮い立つ胃袋の嘶きに背を押されているかのようだ・・・







     ―――――今ならもう何も怖くない。





     いやいや、さすがに超重戦車(1.2キロ)は勘弁してほしいが。





    「ななせん....」ピラッ






     ・・・・―――――おっと、いかんいかん今俺は一体何を。。





     あまりの空腹に・・・正常な判断力すら失いかけている。





     だいたい、下の方にちっこく書かれている注意書きにも
     [要予約]とあるじゃないか・・・。流石にこんな悪ノリの極地・・・
     さもなくばチャレンジメニューとしか思えない品目を
     これだけ堂々とメニューに載せるはずがない。




     ―――――そして俺はそういった、身体を張った暴食で
     生計を立てている・・・いわゆるその道のプロ(フードファイター)とかではない。




     常人よりキャパのある健啖には自覚がある―――しかし、
     この場合はもはやそういう問題じゃない。






    「(ここは、万々が一を危惧して・・・中級の2人前すら警戒して
     堅実に一人前の各個撃破という道を選ぶべきなのか)」






     しかしここで、決して見逃せない、お品書きにもある
     一つの但し書きが、そんな俺の迷いを一太刀に切り落とす。






         「(ごはん・・・おかわり自由・・・・・!!!)」パァァァ・・・・!









     なるほど・・・そうかそうか、おかわり自由か、
     そいつはグッジョブベリーナイス。



     何故それを早く言わないんだ・・・
     そいつを先に言ってくれれば話がまるで変わってくるぞ



     "キャベツ、味噌汁、おしてご飯のおかわり自由"という
     この上なく頼もしい事前告知が・・・・




     更に俺の警戒心をうちくだく。






    「(・・・・ま、アレだ。
     トンカツ屋っていう名乗りをあげているからして
     その時点で揚げ物(フライ)系全般の安牌は約束されたも同然なんだ・・・
     不服があるならエビフライ、牡蛎フライ、好きなだけ
     追加すりゃイイジャナイって事か)」パサッ





     ―――――つくづく思うにこの辺も・・・やっぱり
     一人飯にしかない戦略的優位性(アドバンテージ)だなぁ。





     何を頼むか、どれだけ頼むか悩むのもジブン次第。




     たとえ軽微な戦略ミスがあったとしても・・・
     ちょいとした舵取りだけで挽回は大いに可能だ。





     ――――そう、頼み過ぎ(過積載)にさえ気を付ければ、勝利は約束されている。







     やはり食事は一人に限る。




     俺は今とても楽しいし・・・なにより生きている。
     




    「あのー注文お願いします」





     俺は、店内をぐるりと見回した後、
     いつもと同じようにできるだけ物怖じせず、店員に声がけする。





    「はい、どうぞー」





     一度言ったことを聞き返されにゃならんのは
     やっぱりどっちの側からしてもめんどうだ。


  12. 12 : : 2020/01/11(土) 23:00:55






    「え~っと・・・この、ガルパンかつっていうの・・・
     これの初期バージョンを一つ。ライスとキャベツ大盛りで・・・」






     ・・・・・っと・・・さすがに及び腰とは言え
     これだけでは足りるはずがないから・・・・






    「それと・・・・自家製タルタルと大根おろしをトッピングで」






     ―――――よし、いいぞ俺。昼間の不満で増長した暗黒面に
     呑まれる事無く。。初心を忘れるなかれ、だ。




     ここでなぜ追加の揚げ物とかでなく、
     味付けの幅に着目したかって?そりゃ勿論・・・
     トッピングで味の逃げ道を作れば、それだけで
     よそり放題の米が活きてくるからだ。




     これで最早・・・空腹に苛まれて追加の暴挙に頭を抱えることもない。




    「(決定的におかずが足りないなら・・・その時は
     これみよがしの倍プッシュだ・・・・!)」




     未開の地で得体の知れないトンカツ屋に行き当たりで入店しつつも
     自身の欲求にセーブを掛けた注文に留められたことを、
     この時点では自画自賛していた俺だった・・・




     しかし、そんな自賛は、注文の品が届いた後、
     虚しくも打ち砕かれることになる。





     この時点、いや、もっと言うなら
     入店したときに・・・俺は気がつくべきだったのかも知れない。





     一台しか停まっていない車はどうも
     従業員その他の人間の持ち物であるらしく・・・来客の様子は
     "まだない"のにもかかわらず、店内に立ちこめていた
     香ばしい油の香りと、こちらの注文前にすでに乾いた水音を
     盛大にあげて踊る調理音・・・・





     座敷手前のテーブル席に載せられていた・・・







               「予約席」の立て札に。








  13. 16 : : 2020/01/12(日) 01:48:31












               ~注文から数分後~







    「(なるほどね・・・低温でゆっくり揚げる都合で提供遅めと。

     しかしライスはセルフでジャーから取り放題...か。

     さすが分かってらっしゃる)」





     空腹をなだめすかしつつも、こうして勝手の分からない
     店内を物色している空虚な時間も・・・今まさに空きっ腹に
     殺人的なまでの有効打撃を与えてくる揚げ油の匂いの前には
     些細なことだ。




     入店時には多少気になっていた各所にちらつく挿し絵の数々も、
     今では全く気にならなくなっていた。




     しかし店とは関係無い事なんだが・・・・








     ゴゴゴ・・・・・・・      ガガガガ・・・・・・・・・  ガキンッ・・・・





                 ガゴンッ        




        ガリガリッ・・・             ドドドドドド  







    「(地方とはいえ大通りの国道沿いだろ・・・
     ・・・・・・・この時間に工事でもやってんのかな)」




     お茶を啜る俺の空腹を揺さぶる・・・割と近場で唸りをあげていると
     思しき重機の駆動音・・・のような異音。



     舗装をひっかくような金属の立てる轟音と、ディーゼル式だか
     ガソリン式だかもわからない騒々しいエンジン音。。。




     いや・・・わからないと言うより・・・




     こりゃ複数形だ。















     来店時にはその様な様子は一切見受けられなかったが・・・。
     地方じゃこんなに急に始まる突貫工事も
     特に珍しくないんだろうか。





     そういや、あまりに退屈過ぎて上の空だったから
     気にもかけてなかったが・・・




     大洗の海っぺりじゃなんだか遠くでやたら盛大に
     花火をぶっ放してる音が聞こえた気がする。




     いや・・・真昼間から花火大会なんて
     そんなワケもないから、きっと運動会か何かやってたんだろうか。





     いずれにしても地方の勝手は都と違いすぎて全くわからん






  14. 17 : : 2020/01/12(日) 01:50:09






    「~~・・・ぁあ、すみません、うるさいですか;
     ご予約もらってるんで・・・多分その音だと思います、、

     きっとすぐ止みますんで!」







     俺の意識がしきりにそれらに向けられて居るのに気がついたか、
     すかさずソース等各種調味料を補充しにきた店員さんが
     申し訳なさそうに会釈する。





     ・・・いかんいかん。俺ってやつはどうもこう・・・・



     腹が減ると色々なところに気が回らなくなると言うか・・・



     もっと言ってしまうと物事の分別が付かなくなってしまう
     ・・・そんなきらいがある。






     芋だらけに然り・・・アームロックに然りだ。






     ・・・・まあ、何のことだかはこれだけ聞いてもさっぱりだろうが。






     ・・・・・・ん?いやちょっと待てよ。今なんて言った???







    「(ご予約の・・・・   ?その音・・・・?)」



     いや・・・冷静に考えてみよう。予約・・・工事作業員の団体様予約・・?



     ・・・いかんな。賑やかすぎるのは言わずもがな良いことではない。





     これは飲み屋界隈も相応に経由してきた俺の個人的な
     偏見に過ぎないとはいえ・・・どうも"ああいう人種"は
     数が揃うと賑やかさに歯止めが利かないきらいがある。





     酒が入ると尚のことだ。





     いや・・・・ここは逆に考えて・・・・・




     駐車場の工事をこの店が依頼してる・・・・・とかはないな流石に。





     言い回しがおかしいし、何より駐車場でなにか施工を
     行うというのであれば、店内に事前告知があって然るべきだし
     入店時にそのような触れ込みも特にはなかった。





    「(つまりこれは・・・・・)」





     俺が、他に考えられない一つの結論に達するのと同時、
     少し離れたテーブル席に載せられた三角プレートを認めると同時に
     店内に聞こえてきたのは・・・その予想自体は的中していながら・・・・




     反対に、俺が予想していたものとは
     全く真逆のトーンで響く声質だった。







  15. 18 : : 2020/01/12(日) 01:52:44








                 ガコンッ!!!









            「パンツァーーフォーーーー!!」






            「    っっッ    」ビグ"ッ!!!






     ・・・・たまげたなぁ・・・。





     店内に張りつめたのは・・・まさに、人生今以上に楽しい時間は
     ないだろうと言うくらいの青き春を謳歌して
     鳴り響く鐘の音のような・・・




     なんか、説明するだけで自分がどれだけ歳を喰ってるか
     浮き彫りになってきそうで嫌になってくる程、底抜けに明るい・・・





     そんな叫声だった。






     いやあ、・・・・・・眩しい。

     



     ・・・・これが入店早々店員に絡んでいくような
     酔っぱらいの乱痴気騒ぎだったら、
     収まらぬ空腹が俺に何をさせていたか分かったものじゃないが・・・
     そこは流石に学生のシャウトくらいで目くじらをたてる
     狭心者でもない。




     彼ら・・・もとい彼女らの謳歌する青春を妨げて良い存在なんて
     この世界中に一つだって有りはしないんだ。



     まあ・・・衆目を気にするという意味でもそれらにも
     当然限度はあるが、我々年寄りのそれらと比べれば、
     もうちょい緩い執行猶予がついたって良いと俺は思ってる。




     ・・・・そんなどうでもいい事を考えながら茶を啜り、、、
     さり気なく顔を向けた先に見えた入店者は・・・
     セーラー服を纏った女学生の一団だった。



     一団・・・というか10人は居ないくらい。





    「ゆっ・・・ゆかりん、!今日これ、貸し切りじゃなくて
     ホラ、お客さんもういるから・・!」ワタワタ





    「なっ・・・、そ、それはとんだご無礼を・・・!!
     わたくし、てっきり予約で貸しきりかと・・・・」アセアセ








     女子・・・高生?中学生?だろうかね。




     入店早々なんだかよく分からん鬨の声をあげていたのが
     今、先頭で申し訳なさそうにしてる活発そうな
     癖っ毛の娘みたいだが・・・その隣で、



     お仲間の粗相を指摘し、やんわりと諫めている・・・



     なんかいかにも今風で周囲にも気を配れそうな
     典型的八方美人といった風貌の、波打った茶髪の少女を見て・・・




    「(・・・失礼。あれで中学生は流石に無いな。ごめんなすって)」
     ズッ・・・




     誰に詫びを入れるでもなく、
     未だ冷めない番茶を啜りながら胸中でひとりごちる。




     我が国の欧米化も相応に進んでる昨今とは言え・・・




     いくら何でも中学生で。
     あんな大荷物をぶら下げてるハズがない。






  16. 19 : : 2020/01/12(日) 01:55:47





     しかし・・・・入店一番あの、ハネっ毛の彼女はなんて言ってた・・・・?





     パンツ・・・  ?阿呆・・・・??





     いやいや・・・そんな訳がないな、
     なんか今時の女子高生にしか通じない流行りの
     横文字か何かだろう。





     さて・・・ファーストコンタクトで一悶着あったとはいえ
     あんまり年頃の娘達に意味深な視線を送っていては、
     すぐに不審者認定されてしまう昨今だ。




     あんまりじろじろ見るのは止した方がいいな。





    「どもども~☆8人で予約とってる....」





    「らっしゃ~い!、お待ちしてましたよ!!
     いや~、、エキシビジョンお疲れさま!!!

     ま~、ホームグラウンドで結果ああだったのは残念だけどね!
     ホンと、いい試合だったよ!!今日は入らなくなるまで
     じゃんじゃん食べてってよ!」





     ・・・・ああ、この待遇の温度差。つまりそれなりの常連さんで
     予約もとって来てるわけだ。





     しかし・・・・。。。





     一体全体、どういう集まりなんだろうな。





    「ぃよ~し、河嶋、今日はバツとしてカツ抜き、

     “キャベツと味噌汁、ご飯は食べ放題だぞ!!”・・・・・

     ・・・・・・で、いってみよっか!!!」グッ






    「会長!!!そんな、殺生な・・・・・!!!」ナヨナヨ
     ゲンナリ...





    「ももちゃん今日は初撃破だったもんね!」グッ
     ファイトダヨ!!モモチャン!





    「そ う だ よ !!!!だから、やっと撃破できたのに
     それなのに罰ゲームっておかしかろう!!!」ギブミートンカツ!!
     ギャァァァ!!!






     会長、なんて言ってるから何かの同好会とか、そんなんだろうか。
     でも店の人はエキシビジョンがどうとか・・・。






    「・・・・・・」





     何だか・・・倅もいない孤独なおっさんのクセに柄にもなく
     甥の太のことを思い出しちゃったな。。。






     あいつもとっくに成人してる訳だし・・達者でやってるといいな。






     俺みたいな根無し草と違って・・・





     あんな可愛らしい嬢さん達でも家内に迎えて
     一家の大黒柱になってる頃だろうか。







  17. 20 : : 2020/01/12(日) 01:58:14









    「・・・・・・っ」







     おっといかんいかん。
     一行の中でも一人物静かにこっちを見て居た娘さんと
     目が合ってしまった。




     
     こっちがどうであれ、
     背広のオッサンと目が合うというのは昨今の女子高生としちゃ
     キマズイなんてもんじゃなく...



     ただそれだけで、
     国家権力を呼び寄せる呪文を叫ばれてしまう恐れさえある。
     電車の中とかじゃ特に。







     気をつけないとな。




    「かっ、会長・・あの、今日はどうか、初撃破の褒美として
     リアルを・・・!!リアルを所望するもので・・・・!!!!」フカブカ




    「ぇ~~・・?ど~しょっかな~~」ニヘニヘ
     





     それはそれとして
     途中から予約申告をしてきた3人組を見ていると・・・・




    「(女子高生か女子中学生か・・・全然わからん・・・
     何なんだ・・?中高一貫だとしても同じ制服ってのはないだろうし)」




     ――――しかし一部。、体格が違いすぎる。




     おっといかんいかん、。
     また視線が自然とそっちにいってしまっていた。
     これじゃまるで危ないオッサンだな




     だが入店の時点で香ばしい匂いがしてたことを考えれば・・・
     それより後に仕掛かったとしてもそろそろ俺の注文分が
     出てきてもおかしくない頃合いだろう。










    「いや~・・試合後ともなるとやっぱりお腹空きますよね~~!
     五十鈴殿、これはもう・・・・?」ドキドキ




    「ええ。会長さんからご許可頂いてますので、今日もアレ(・・)を・・・」
     ニッコリ



    「え”っ・・・・まさか華・・また・・・?」ダラダラ




    「相変わらずよく喰うな・・・素直にすごいと思う」




    「そっ・・・そんな暢気な事言ってる場合じゃないでしょ・・・??!
     あの食べっぷりを見たら他に言うこと有ると思うんだけど・・・!

     ねえ、華、、考え直そ・・・・??まだ、今なら間に合うって・・・・!」グイグイ




    「・・・?^^
     考え直すとは・・・一体何を?」キョトン





    「だ・か・ら!!!食事の量!!!;
     沢山食べられるのは分かったけど・・限度ってものがあるでしょ・・?;
     それもトンカツだよ・・・?キャベツの大盛りじゃ駄目なの??」




    「ええっと・・・・キャベツも勿論大盛りで頂きますが・・・
     ここは一応トンカツ屋さんなので・・・、、」





    「あと5分で全員分出ますので~、最初に仕掛かってた
     大きいのから行きますね~」




    「あはは・・・、全然今からじゃ間に合わなかったみたい・・・^;」
     ヒクヒク




    「やだもー――ぉ!!!!

     みぽりんも何か言ってよ!!!女子高生が食べていい量じゃないって
     アレは・・・・!。。それも、あれだけ食べて全然太らないなんて、
     絶対おかしいよ!!! 世の中間違ってる!!!!!」ムキーー!!
     




    「ご、誤解です沙織さん・・・!ちゃんと食べた分だけ
     総重量に反映されてます・・・・!」フエテマスヨ;





    「主に前面装甲に、、、ですよね・・・;」アッハハ
     (セルフ胸タップ)




    「!ご名答です、秋山さん!
     良く分かりましたね・・・・!」サイキンサラニキツクテ,,,
     スリスリ





    「いエ・・・、他にありませんから・・・^;」
     フエテルトコ・・・




    「そういえば優花里さん、私の3サイズも
     速攻で言い当ててたよね・・・」ササッ




    「勿論!西住殿のコンディションは逐時確認していますし!
     それくらい、我が観察眼の前には一目瞭然です!!」
     ガバッ!!





    「ご め ん ね、ち ょ っ とこ わ い カモ^ ^;」
     ササッ


  18. 21 : : 2020/01/12(日) 02:03:38

















    「(う~~~ん・・・・典型的なまでの女子高生トーク。)」


     沸騰した油が立てる、乾いた水音と厨房の作業音しか
     聞こえなかった店内に、瞬く間に広がっていく
     黄色い声。

     静かな一人飯がオジャンになってしまった事に、
     若干の残念さはあったが・・・まあ、これも
     トンカツの味付けの一つだと思えばなんて事はない。



    「(少なくとも・・・連れの早食いに急かされて急いで
     掻っこむ生しらす丼より遙かにマシだよな)」フム・・・




     しかし・・・話の内容から察するにどうもあの
     女学生さん方の一団にも大食らいがいる様子。




     いい歳したおっさんも負けてられないな。



    「(よ~し、昼間のガッカリ感を帳消しにできるくらい、
     倒れるまで喰うぞ~)」






     ――――と、そこへとうとう






    「はいおまたせしました~ガルパンかつ、
     初期Ver・・・の、タルタルおろしトッピングです~」
     ゴユックリ~

                 カタタンッ






    「うほぉお・・・!」




     いかんいかん、つい変な声が出てしまった・・・が、
     こんな声を出して気分を盛り上げでもしなければ
     やってられないってくらいに・・・





     今日の昼飯は散々だったんだ。





    「(いやあ、眼福眼福・・・・・。)」
     サクッ・・・




     チェーン店の悲しき定めとも言える、お品書きイメージと
     現物の相違によるパネマジ(誰だおまえ)的なサプライズも特になく・・・



     俺の眼前に現れた戦車は、イメージ図通りの見事な物だった
     120g程と目されるカツ(車体部分?)に、
     砲塔部分としてその上に乗っている・・・これは・・・メンチカツだな。
     これが90gと。お品書きで見るにはこういった内訳だ・・・


     そして車輪(転輪?戦車マニアじゃないので勘弁しておくんなすって)
     部分としてクラッカーが別添えで・・・
     この砲塔下から、見るからに砲身を意識して添えたとしか
     思えないのが・・・・





    「(“パラガスでございます”ってか・・・・)」クッ・・





     などと、どうでもイイ上にこの上なく下らないジョークで
     自爆するところだった。ぁあ、うら若き女子軍団の前でそれは
     まずいな。店の人に通報でもされたらコトだ。



     一人寂しく夕餉をとってるおっさんがこれまた一人寂しく
     怪しげな笑みを浮かべている様は・・・中々に周囲からみても
     危険かつ近寄りがたい空気がある。

     ますます気をつけなきゃな。、






    「(さて、じゃあそうなるとまずは・・・・)」




     眼前にようやく辿りついた供物を前に、
     今日一日を振り返ればコレ以上下がることのない
     テンションはまさしく鰻登りであったわけだが・・・・








  19. 22 : : 2020/01/12(日) 02:07:44







    「・・・・・・・・・・・・・」








     たしかに鰻登りだったんだが。







     箸を着けるまでもなく、
     (既に、分断のため若干つけてはいるが)
     こんなのマズい筈がないと分かってはいた。。
     しかしそれとは別に・・・・







     改めて・・・思うことだが






    「(コイツで"倒れるまで食うぞ・・・"は、流石に夢物語だなぁ・・・)」
     シミジミ・・・・





     冷静に、どう考えても全然足りんじゃぁないか。





     こりゃあ・・・倍プッシュか・・・・?いやいや・・・
     それは流石に芸がない。しかして、
     自分の空腹のコンディションは自分が一番分かっているが・・・
     今ならコレがもう一人分目の前にあっても
     何ら問題がない事に気づく。





    「(・・・・リアル・・・・?いや・・・それは流石に・・・・)」チラッ・・




     注文後にテーブル横へ押しのけたお品書きへと流し目を送った
     俺の目に・・・その時信じられないモノが飛び込んできた。、







                 ! ! ? ?







    「お待たせしました~~、お先に此方、超重戦車・・・
     もとい、"マウス"になります~~」ゴトンッ








         「   なんだあのでっかいモノ・・・・・・・!!!!!」







     "ソレ"を目にした瞬間・・・思わず背筋が固まるのと同時に・・・・
     一昔前に流行の兆しを見せていたヤンキーマンガによく
     使われていた見開きテロップのような勢いで・・・
     俺の脳内と視界のど真ん中に、"ソレ"と重なる、巨大な
     感嘆符と・・・・疑問符が爆誕する









    ―――――――――――超・重戦車(1.2キロ)








     まさか、一期一会のこの機会にこうしてお目にかかるとは
     思わなんだが・・・改めて自分の判断に間違いはなかったと、
     今この場で確信できた。






    「(あんなの・・・例え予約不要だったとしても
     一人飯で頼んでイイ代物じゃないな・・・・くわばらくわばら、だ)」






     ・・・ともすれば、だ。成る程どおりで・・・



     いかに年頃の女子といえど、これだけの数の暴力で
     集中砲火を浴びせられるなら・・・・






    「(大勢でつつくには中々に豪勢でいいじゃないの。。
     羨ましいなぁ・・・、素直に)」フムゥ・・・







              ・・・・が、甘かった。






    「はい、続いてこちらリアルver3人前と・・・・
     初期ver4人前です~・・・・以上、予約分、で宜しいでしょうか」
     ニコニコ






    「・・・・・・・・・・」






  20. 23 : : 2020/01/12(日) 02:12:03








     色々と・・理解が追いつかないが






    「ぁ、すみません、ご飯おひつで一つ・・・宜しいでしょうか・・;」
     オソルオソル




    「あ、勿論大丈夫ですよ~~」




    「華さんはお替わり考えたら絶対その方が
     お店の人からしても効率いいもんね;」イタダキマス
     リアルver




    「いや~、まあ、コレ注文してくれるお客さんで、
     撃破率120パーセントと言いますか・・・
     ここまでお残しの心配しなくていいのはこの人だけなので
     寧ろ大歓迎ですよ」ハハハ





    「華・・・・女捨て過ぎだよ・・・・;;;
     そんなんでど→してそのプロポ維持できるかなぁ・・・・;;」サクサク
     初期ver




    「いやぁ・・・いつもながら流石としか
     言いようがありませんねぇ・・・」アッハハ
     リアルver




    「とかなんとかイイながらみぽりんゆかりん、

     どっちもリアルとか頼んでるじゃん!!!カロリー!!!


     カロリーやばいって!!!!
     二人前って書いてあるじゃん!!!」ヤァダァモォォォ!!!





    「そ、そこは勿論!五十鈴殿と同じ逃げ道で・・!
     ぇっと、、、育ち盛りと、言うことで!!」スワッ!





    「アレ・・?沙織さん聞いたことないかな?

     こないだテレビで言ってたけど・・・カロリーって
     運動で消費できるくらいだからすごく熱に弱いんだって、。

     だから..110℃以上の高熱に耐えられないから
     揚げ物はみんなカロリーゼロなんだって・・・^^
    「みぽりん!!!!そのヒトの言ってる事全部信じちゃダメ!!!!(涙目)」












     なんて事だ・・・信じられん。






     あの黒髪長髪で美人な良家のお嬢様みたいな女子高生が・・・
     あの、1.2キロのトンカツを一人で平らげようと言うらしい・・・


     それもお櫃でご飯を要求しているところをみるに
     傍らに山積しているあのキャベツを見てまだ足りないと言うのだ。




     片や見るからに周囲の一団と比しても雑誌やテレビに
     左右されやすそうな茶髪でパーマがあてられた、
     いかにもゆるふわな風貌の今時JKが、
     そんな彼女を相手取り、めっぽう狼狽えているが、
     俺だってそれと同意見である。



     あの総重量・・・揚げ物であることを考えれば
     プロレスラーやラグビー選手にとっては普通の昼食で
     済むかもしれないが、あいにくそうでない
     "普通"の食生活を送る、一般的な人間が頼んでいい量じゃない。




     俺が朝昼に分けてもはたして完食できるかどうか
     怪しいくらいのボリューム。。。




     見ているだけで胸が焼け野原だ。。。





  21. 24 : : 2020/01/12(日) 02:15:28





     因みにそっちにばかり気を取られていたが、
     ・・・・とどめと言わんばかりに、その他3名が、
     俺の警戒心が躊躇したリアルの壁を
     いともたやすく蹴破っていた。




     何という・・・・敗北感。これが若さか






     こうなってくると、流石にこちらも黙ってはいられない。
     ・・・いや、ここは寧ろプラスに考えようじゃないか。




     もしこれが終始俺の心から求めてやまない
     静かで穏やかな一人飯だった場合・・・
     心の充足はそれで確かに満たされただろうが、
     宿に戻ってから、再び空腹の獣が目を覚ますのは必定であり
     避けられぬ事態だった・・・




     こんな形ですべてのサイズを現物イメージとして
     視認できたのは非常に大きな収穫だ。
     リアルの壁は・・・思った以上に高く、
     厚いものではなかったと言うこと。





     これを目方(めかた)で知れたのは大きい。






    「(これでもう・・・この、初期ver以上のモノを追加で頼むのは
     確定事項となった訳であるが・・・・)」サクッ






    「あむっ」





    ・・・・などと、考え事をしながらメインのトンカツをいく前に
    口に仕舞い込んだメンチの欠片を咀嚼した俺の脳髄を・・・




    実際に聞いたことがないので何とも言えないが、
    戦車の砲撃に相当する衝撃が貫いた。







    「んおっ・・・(なんだいこりゃぁ・・・・・?!?これが・・・メンチ・・・・?!
     これ、メンチカツなのか・・・・・・??!)」




     思わず断面を二度見してしまった。
     中に入ってるのが"本当に"挽き肉なのかと。
     店側が間違って豆腐コロッケとか、自然薯揚げだとか・・・
     なんかそんなのを出してしまったんじゃないかと。

     
     本気で疑ってしまったからだ。


     だが中身を目で確認しても間違いはない。
     俺が口に入れているのは間違いなくメンチカツ。


    「~~・・・・・・!」モグモグ・・・



     既に申し上げたとおり、
     豆腐か何かかと誤認してしまうくらい柔らかく
     練り上げられたその、中身の挽き肉。その旨味と
     なめらかな口当たりの良さは・・・


     俺の中の"メンチ"という概念の装甲を一撃で吹き飛ばしていった。




    「(おいおい・・・こんなの・・・・
     俺の知ってるメンチカツじゃないぞ・・・!!!

     なんてこった・・・これが・・・メンチ・・・?!?
     本当はこんな食べ物だったのか・・・・?!メンチカツって・・・・・)」




     メインに手を着ける前に既にこれだけで俺の心は
     未曾有の混乱に飲み込まれた。



     これはそう・・・アレだ。
     たまに鍋物を主力に扱ってる飲み屋なんかで、〆に入れる
     つみれなどで相当なアタリを引いたときの・・・
     そのレベルの柔らかさと旨味の挟撃。



     正直もう・・・これと同じメンチをあと5、6個追加で頼み、
     おかわり自由であるキャベツの千切りや
     特製のソースやタルタルおろしで
     味に緩急つけながらだけでも十分今日一日の不足分を
     取り返せると確信していたが・・・



    「(ここはとんかつ屋・・・そうだよな)」ゴクッ





     そうだ、先程黒髪美女が言っていた様に・・・
     此処はとんかつ屋であり、"揚げ物屋”ではないし
     むしろ"キャベツの千切り屋"でもないんだ。
      ( あ た り ま え だ )



    「(挽き肉(メンチ)でこれだけ旨いって・・・・
     じゃあメインに挙げられてるとんかつは一体全体・・・・)」
     ゴクッ・・





  22. 25 : : 2020/01/12(日) 02:24:04

     俺はこの時・・・すっかり失念していた。


     そもそも・・・メンチというのは、
     一般的にとんかつなどの料理として出されるはずだったものの、
     売れ残りとして、味と肉質が落ちたモノを・・・挽き肉にして
     塩胡椒と言った調味料で味を調え、息を吹き返させる
     再利用品的なポジションにある料理であるという事。


     回転率、食材の有効活用性こそを重視する
     都会の店舗がそうしているように、俗に
     低鮮度ネタ(アニキ)と呼ばれる食材を、そのまま
     調理して出すと味が落ちるから、と言う理由でそうして
     メンチに加工しているのと違い、元からそうする必要のない
     食材を、もしこうして丁寧に加工して提供しているとすれば、
     成る程・・・これは勿論美味くない訳がないと言うこと。











    「(副菜でこれだ・・・じゃあメインのとんかつとなれば・・・・)」
     サクッ




     っ・・・






    「ぬふぅっっ・・・・・・・・!!!!!」






     その瞬間、今日一日で自分の中に溜め込まれたストレスとか
     なんかそんな色々が・・・心底どうでも良くなった。




     美味いとか・・・口の中で容易く解けるとか・・・
     そういう物理的な賞賛がすべて陳腐に感じてしまうかのような・・





     何という・・・圧倒的多幸感。




     同時に・・・そんな輝かしい感情が、
     即座に塗りつぶされそうな勢いで・・・




     俺の視線は、その一点に集約せざるを得なかった。。







    「(コレ(▪ ▪)を・・・・・1.2キロだって・・・・??!!そんなの・・・
     そんなの・・・・・!!!)」ワナワナ・・・







               羨 ま し す ぎ る






     ・・・・、無論どんなに美味いからと言え、そりゃ揚げ物だ。
     一食でアレを俺が完食できる訳は無いだろう・・・しかし・・・
     そんな現実的な分析はこの際心底どうでもいいんだ・・・・




     ソースもかけず、これだけやわくて美味いとんかつを、
     自身のキャパの限界まで食えることが約束された
     その状況こそが・・・何より羨ましい。



     彼女の健啖ぶりを見届ける前にこう考えるのは
     大変失礼な事かも知れないが・・・





     あれだけ頭数が居るならもはや友軍の支援も考えて
     お残しの心配も要らないという・・・







           「あのーー・・・・すいません」







    「はい、なんでしょう」






     ・・・・なんて事だ・・・考え事の最中・・・自分でも気づかないうちに
     既に店員を呼びつけている自分がそこにいた。





    「・・・・・あ、えっと・・・追加とか・・・大丈夫ですか」






     コレには流石に我ながら物怖じせずに居られなかった。






    「~・・・はい、お時間は頂いてしまいますが
     よろしければ全然大丈夫ですよ!」






    「(とりあえず・・・アレだな。)」





    「じゃあ、遠慮なく、この・・・ガルパンかつのリアルっての一つと・・・」






    「・・・・、はい、リアル・・・と」






    「あと・・・・、、あの、非常に聞きづらいんですが」






    「????はい」






    「この辺薬局とか近くにありませんかね^^;」













         ・・・・・・帰りに○田胃散買わなきゃだなぁ。



















    .."side G end!" Thank you for reading!
  23. 26 : : 2020/01/12(日) 02:39:18



    ~~~~あとがき的な何か~~~~




    ハイ、というわけででしてね。

    いやもう本当に、ssnoteも人が少なくなりました昨今、
    このようなロクデナシが紡ぎあげたこのような拙いモノを
    ここまでお目通しいただき、誠に有難う御座います<m(__;;;)m>



    何とかゴローちゃんの一食を3日以内でまとめ上げました。
    イヤ~・・やっぱり日を跨いでのそのそ更新だとコリャ無理ですね。


    逆に毎日更新してた時期の自分どんだけリア充だったんだろう・・
    とか思っちゃったりなんかしたり。。



    とにもかくにも孤独のグルメ。



    このお話は・・・顎の飛び出たむくつけきトーチャンだとか、
    至高で究極な方々の美食譚だとか・・そういったグルメ漫画とは
    大分毛色が異なり・・・ 何というか、その店店を取り巻く環境とか
    訪れる客足に対するロマンとか・・・なんかそういうのが・・・
    漠然と、イイんですよね・・・・(オイオッサン!!語彙力!!!!)


    時折下手なポエマーよりも哲学的で心に響く事を呟く
    ゴローちゃんですが、矮小で庶民的な所も
    また彼の魅力の一つだと思います。



    ではでは、また会えることを楽しみにして
    今回は速攻の幕引きと致しましょう!



    ご閲覧本当に、有難うございました!!

  24. 27 : : 2020/02/12(水) 18:40:19
    ムーさん!お久しぶりです!
    3、4年ぶりくらいですかね?笑
    あの頃は学生だった僕も今となっては時間に追われる社畜の仲間入りです笑
    埼玉県を営業中にムーさんのことをふと思い出して、久しぶりにここのサイトを覗きにきたらなんと新作を執筆してるではないですか!笑
    今回も大好きな作品のコラボで超胸熱でした!笑
    孤独のグルメ独特の大人な語り口がムーさんの想像力豊かなハイセンスな文体にハマり過ぎてて違和感が仕事しなかったです笑
    表現がいちいち面白いんですよムーさんは笑
    個人的にパネマジ(誰だおまえ)のルビがツボに入ってしばらくニヤニヤしました笑
    大洗女子との絡みがあるのかと思ったら、目がちょっと合うだけってところがゴローさんらしいリアルな感じだなって思いました笑
    ところで、このトンカツ屋さんって実在するんですかね?
    もし実在するなら一度行ってみたいのでお店の詳細など教えてください笑
    これからもここのサイトで執筆活動を継続して頂けると嬉しいです!楽しみにしてます!
  25. 28 : : 2020/02/13(木) 01:30:17
    >>パンツァーフォーネ さん
    うわあ、お、お久しぶりです!!それはもう、すごく久しぶりすぎて
    語彙力が低下しまくるほどにww
    そのずっとずっとまえから芯まで漬かり切った社畜野郎でしたが、
    それゆえにこんな趣味による発散でもなければとうにおかしくなっている、、というくらいに
    通常業務で被るストレスが大きかった為あんな毎日執筆が通常運転だった私めでしたが、
    とうとうそれすら生ぬるいという激務に追われる状況で今やこの有様に御座います(爆笑)
    ですが、重ねて申し上げますと多忙であるというだけで、
    自身の自我が崩壊せずに済んでいるのはこの趣味のおかげでしかないので、
    ノートが在り続ける限り、このゴミ屑のような私めの命尽きるその日まで産廃物の生産はまだまだ続きますw

    そして何よりそんなゴミ屑の存在を記憶領域に残してくださっていただけでなく、
    よもやこのように再び足を運んでいただけるなんて。感無量で御座います<m(__)m>


    >>孤独のグルメ

    いや、私のというよりそもそも原作者さんの書きだすゴローちゃんのライフスタイルとか
    生活信念もそうなんですが、それを絶妙な画風に落とし込む作画の方のセンスも素晴らしすぎるんですよ
    (ちょっと大げさすぎですかね)


    "雑貨商を営んではいるけれど、
    自分の店を構えたいとは思わない。店を持つなんていうと
    結婚と同じで守るべきものが増えそうで人生が重くなる。

    男は基本体ひとつでいたい"

    ...みたいなこと言って、
    あまりにハードボイルドすぎる独白に感銘を受けそうになったかと思えば、今度は注文した複数の料理で具がダブると
    "これはいらなかったな"と、実にどうでもいいことで
    割と未練たらしくガッカリしてみせたりwww


    >>とんかつ屋さん
    ええ、割とガッツリ実在するお店で、ぶっちゃけ生徒会ご一行様も
    全国決勝前にゲン担ぎにとんかつ食いに行ってる描写のあるお店だったりします。URLだとか掲載しなければ大丈夫だと思うので
    店名だけ申し上げますと、"クックファン"なるお店ですね。
    水戸にあるのが本店ですが近頃大洗の方のアウトレットにも
    出張店出てるみたいです。

    実にどうでもいいことですが、描写準拠で沿道挟んで本店対面にはマジで焼肉きんぐがあり、隣近所にはドでかいパチンコ屋もあります(笑)
    (茨城に限りませんがホント、地方はパチ屋がやたらと目につきます)

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ne5716

夢馬

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