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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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私のお世話をしませんか?

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  1. 1 : : 2018/05/29(火) 21:12:57
    パズル&ドラゴンズ、通称「パズドラ 」

    それは携帯ゲームの一つで、ダウンロード数トップクラスの人気を誇るゲーム。モンスターを進化、強化させてドロップを三つ揃えて敵を倒す至って簡単なゲーム。

    しかし、パズドラはかなり奥深く、恐ろしいほどの強さを得ている人達がたくさんいる。

    だが、もしパズドラのモンスターがこの世に存在したら?















    この物語は、ある一体のモンスターが普通の高校生に恋をする物語である。
  2. 2 : : 2018/05/29(火) 21:40:05
    日本の埼玉県にある大渕山高等学校に通う高校生2年生の「天城隼人(あまぎはやと)」は6限目を終えて職員玄関の掃除をしていた。

    「あ〜今日もクソ疲れたわ……」

    元サッカー部である隼人は最近ジムにハマっており、ワイシャツを捲り上げた腕からは逞しい筋肉がついた腕が見える。

    「あ〜今日もバイトかぁ…今日で12連勤だぜ〜?」

    隼人は玄関掃除を終えるとHR前の教室へと戻った。












    HRを終えると隼人は廊下の自販機でコーラを買った。

    冷たく冷えたコーラが乾いた喉を潤し、活力を隼人の体に吹き込んだ。

    「うっし、帰るか!」

    隼人はカバンを持って高校を後にした。













    隼人は一人暮らし、去年の夏に母が脳卒中でこの世を去り、父親は関西方面で帰ってくるのは1年に2〜3回ほど。

    「ただいま…」

    隼人が玄関を開けると愛猫の「クロ」が待っていた。

    「ニャ〜」

    クロは隼人の足に顔を擦り付けて甘える。

    「ただいまクロ、お前も全身真っ黒だと暑いだろ?」

    隼人はソファに座るとスマホを開き、パズドラ を起動した。

    「おっ、今日ゼウス・ディオスのダンジョンあるな……」

    隼人のパーティはリーダーが「魔星の神王妃・ヘラ=ニクス」で構成されており、基本的に闇属性が多い。ちなみにランクは240。そこそこやり込んでいる。

    「ダンジョンは帰ってからで十分か……」

    隼人はバイトの準備を整え、家を後にした。

    だが、この日の夜に隼人は思いがけない事件に遭うとは思いもしなかった。
  3. 3 : : 2018/05/29(火) 22:14:22
    午後10時、隼人はバイトを終えてスタッフルームで着替えていた。

    「うう……肩痛ってぇ……」

    隼人が着替え終えると、スタッフルームに店長がやってきた。

    「お疲れ様隼人君、これ、今月の給料ね」

    「ありがとうございます」

    「あ、あとこれ持って帰っていいよ」

    店長の持つ袋には揚げ物や飲み物、サラダや弁当などが大量に入っていた。

    「い、いいんですかこんなに沢山?」

    「12連勤もしてくれたからね、今月はかなり助かったからね。5連休でゆっくり休んでね」

    「はい、ありがとうございます」

    隼人は店長から弁当などを受け取ると家へと向かった。













    満月が暗い夜道をほんのり照らし、自転車で畑道を進んでいた。

    「ん〜眠っ」

    隼人があくびをしたその時だった。

    スマホが赤く光った。


    「うおっ!?」

    あまりの光の強さに隼人は思わず転んでしまった。

    携帯からは赤黒い光が放たれ、巨大な黒い塊が飛び出した。

    「は!?は!!?」

    黒い塊に隼人は怯えて後ずさる。本能的に隼人は道に落ちていた小石を拾い、身構えた。

    だが、その塊からは思いもしないものが飛び出した。














    「きゃーっ!」

    悲鳴をあげて隼人の目の前に落ちてきたのは、肌の青い大きな女性、しかも結構露出度高い。

    「お、お前誰だよ!?」

    「痛たた……貴方が私を選んだんでしょ?」

    携帯のライトで照らして映し出されたのは、なんとヘラ=ニクスだった。

    「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

    隼人の声が響き渡った。

    「へ、ヘラ=ニクス!?なんでこんな所に…いやその前に何で生きてる……!?あ……!?」

    突然の事過ぎて隼人は思考が混乱し、パニックに陥った。

    「もう、落ち着きなさいよ?」

    ヘラは隼人の頭をポンポンと軽く叩いた。

    「ひっ……!」

    「あら?私に怯えてるの??可愛いー♪」

    「お、お前軽くね……?」

    「ねぇねぇ私お腹空いた〜食べられる物ある?」

    「無視かよ」

    「ねぇねぇ食べ物頂戴〜」

    「分かった分かった、とりあえずウチに来い」

    隼人は渋々ヘラを自宅に案内した。
  4. 4 : : 2018/05/29(火) 22:50:35
    自宅にヘラを案内した隼人は落ち着く為にエナジードリンクを飲んだ。

    「ここが貴方の家?結構広いのね」

    「ま、まぁな、とにかく座れ」

    隼人はヘラにのり弁当とお茶を差し出した。

    「ほらよ、食えるかこれ?」

    「わぁ美味しそう!」

    ヘラはいきなり素手でご飯を掴んだ。

    「うおぃ待て待て!俺の真似して食えよ」

    「えー?」

    「ほら、手を合わせて「頂きます」こうやるんだ」

    「イタダキマス?この二本の棒は何?」

    「これは箸だ、初心者には難しいんだけど……」

    「すごーい、太鼓の撥みたい〜w」

    「ほら。使えるか?」

    隼人はヘラに丁寧に箸の持ち方を教えた。昔隼人もよく母親に箸の持ち方で怒られたものだ。

    「うぅん、使いづらくてやだぁ」

    「慣れれば大丈夫さ」

    隼人は唐揚げを食べた。

    ヘラも恐る恐る白身魚のフライを口に運んだ。

    「ん〜っ、美味しーい!」

    相当空腹だったのか、ヘラはガツガツとのり弁を食べる。

    「喉に詰まらせんなよ……」

    隼人はスマホを開いた。だが、そこには奇妙なことが起きていた。

    「あ?圏外だと?」

    隼人の家にはWi-Fiが飛んでいて、速度制限にもならないはずだ。

    「故障か……?」

    隼人がテレビを付けるとそこには信じられない光景が広がっていた。

    それは、東京タワーがねじ曲がり、街が炎に包まれた映像が流れていた。

    「な、何じゃこりゃ……!?」

    「これ?これはさっきゼウス様がやったのよ」

    「ぜ、ゼウス様!?」

    「ええ、私と同じ力を持つ全知全能の神よ、知ってるでしょ?」

    「な、なぁ、ちょっと待てよ、まさかお前らっめパズドラの中から来たのか……!?」

    「………来たというより、逃げて来たの」

    「え…………」

    「3日前にね、「死神」っていうパズドラテイマーが私達の世界に意識をリンクさせて私達の世界に生きてたほとんどのモンスターを消し去ったの」

    「死神……?」

    「ええ……彼は怪物……ゼウス・ヴァース様やペルセポネ、オーディン様やフェンリルと私達ヘラ姉妹で彼に挑んだけど彼は強過ぎる……」

    「…………!」

    「そこで彼は私達をコントロールするパズドラ テイマー達に送り込んだのよ。この世から私達をゲームの世界から抹消する為に」

    「だからお前が……でも俺のサブのツクヨミ=ドラゴンとか転生ハーデスとか居ないぞ?」

    「貴方のパーティは無事よ、私の体内に溶け込んでる」

    「と、溶け込んでる???」

    「ええ、私の体内にはツクヨミ=ドラゴン、サタン=ヴォイド、転生ハーデス、神理の裁断者・メタトロン。彼らの力、能力が凝縮されて溶け込んでいるの。その力を活かせるのは貴方次第よ」

    「ヘラ……」

    「そういえば貴方の名前は?聞き忘れてた」

    「あ、ああ、俺は天城隼人、好きに呼んでくれ」

    「じゃあ私の性具!w」

    「お前一回シバくぞ?」












    その夜、隼人はソファで眠るヘラに毛布を掛けた。

    「風邪引くぞ?」

    「うぅん……」

    隼人は眠るヘラを確認し、床に腰を下ろして眠りについた。

  5. 5 : : 2018/05/30(水) 19:42:35
    ヘラ=ニクスが現代に現れたのは隼人だけではなかった。
    日本中全てのパズドラをする人間の下にリーダーのモンスターがこの世に現れていた。

    中にはモンスターが言うことを聞かず、暴走して死者が出たり強力なモンスターが野放しにされている地域もあった。













    世は、乱世を迎える。















    ピピピピピ…………

    隼人の目覚まし時計がアラーム音を立てた。

    「うう……ん……もう朝か…ってあれ?」

    昨日の夜はリビングのソファでヘラと寝ていたのにいつの間にか自分の部屋のベッドで寝ていた。

    「寝ぼけて部屋まで来てたのか……?」

    と、腕を伸ばすと不意に右手にむにゅっとした感触があった。

    「え?」

    見ると隼人の横にはヘラが眠っていた。しかもその豊満な胸に右手が当たっていた。

    「おわぁへ、ヘラ!?添い寝してんのかよ!///」

    すぐに右手を引っ込めたが、ヘラは寝息を立てて眠っている。

    「眠り深いタイプだなコイツ……///」

    隼人はヘラの胸に触ってしまった恥ずかしさと少しばかりの嬉しさに包まれた。

    「まぁいいか……さて、じゃあ行きますかね」

    隼人はヘラを起こさないようにそっと自分の部屋を出てリビングへ向かった。








    リビングのタンスからトレーニングスーツを取り出して着替えるとランニングシューズを履いて外へ出た。

    明るい日差しが隼人を照らし、心地よさに首の骨をポキポキと鳴らし、準備運動をする。

    「朝はやっぱりランニングが1番だよな」

    隼人は毎朝5キロのランニングを日課にしており(雨の日は家で体幹トレーニング)、走らないと体が目を覚まさないと本人は語る。

    川沿いのサイクリングロードを隼人は走る。やはり元サッカー部でも強靭な脚力と持久力は今も健在だった。

    「はっ……はっ……」

    Uターン地点にたどり着き、隼人は少し走るペースを落とした。土曜日の朝なだけあり、自転車を漕ぐ人がいつもより多い。

    「このくらいのペースが丁度いいな……」

    と、その時だった。








    フォン、フォンフォンッ!









    緑色の気○斬のようなものが隼人の前を通過した。

    「うお!?」

    気○斬が飛んで来た方角を見るとそこには機械のような龍が宙に浮いていた。

    「た、確かあいつは……!」




    木属性モンスター「烈風機導龍・アルナイル」




    隼人の頭に一瞬でモンスターの名前が浮かんだ。

    「やっぱりヘラだけじゃねぇのか!」

    アルナイルは緑色の目で隼人を見つめる。周りの人々もアルナイルに気付いているようだ、写真や動画を撮る人達が多く見られる。

    「俺だよな……狙われてんの」

    隼人は素早く方向転換し、元来た道に全速力で走り出した。

    ウォォォォォォォォンッ!!!!

    アルナイルも隼人の後をつけてくる。

    「後120メートル弱……!」

    隼人は必死で走るが、空を飛ぶ相手には敵わない。あっという間に距離が縮まっていく。

    「やべぇやべぇやべぇ!」

    隼人の顔に冷や汗が浮かんだ時だった。




    ガキィンッ!!




    アルナイルの頭部に黄金の剣が激突した。見た目は人間だが、阿修羅のように手が多いモンスターはかつて隼人も使っていた火属性モンスター。

    「か、覚醒降三世明王…!」

    「君、大丈夫!?ここは私が食い止めるから早く行きなさい!」

    降三世明王が隼人に向かって叫んだ。見るとモンスターの主人らしき男性がスマホで降三世明王に指示を出していた。

    「助かった、ありがとよ!!」

    隼人は芝生の坂をすべり下りるとパルクールのように家の壁を乗り越えて一気に大通りに出た。

    「へへ……地元民なめんなよ……!」














    その頃、自宅では。

    「ふぁ…ぁ……ってあら?隼人?」

    ヘラが目を覚ました。

    「まさか逃げ出したの?それでも男なのかしら?」

    ヘラはブツブツと呟きながら階段を降りていくと、玄関が開いた。

    「あっ、隼人おかえりなさ……」

    隼人はボロボロだったのだ。

    「は、隼人!?何その傷!?誰かと戦ったの!?」

    「ち、違げぇし……転びまくっただけ……」

    「もう……突然いなくなったと思ったら……動かないでね?」

    するとヘラは右手に紫色の光を集め始めた。

    「な、何する気だ…?」

    「ヘラ族に伝わる回復魔法よ、人間にも効くかしら?」

    ゆっくりと紫色の光を隼人の胸に当てると傷がどんどん修復されていく。

    「す、すげぇ、痛くもねぇのに傷が…!」

    「人間にも効くのね、よかったわ」

    ヘラは光を消すと「ふぅ」と息を吐いた。

    「隼人何があったの?」

    「その前に飯だ、その時に話す」

  6. 6 : : 2018/05/30(水) 22:53:36
    隼人はヘラと朝食を食べていた。

    「で、何があったのよ?」

    「……お前と同じモンスターがいた、俺とお前と同じようにモンスターと意思疎通してる奴もいた」

    「えっ、この卵美味しい!」

    「お前話聞いてんのか?(怒)」

    「ん?ええ、聞いてるわよ」

    「ほら、ネットもその話ばっかりだ」

    隼人がスマホを見せるとそこには隼人とアルナイルの動画がYahoo!ニュースで急上昇していた。その書き込みは1万件を超えていた。












    「利根川河川敷にアルナイル出現中!www」

    「これCGでしょ?」

    「高校生みたいな奴狙われてるw」

    「CG感あり過ぎて草」

    「もう河川敷にいないのかな?」

    「これパズドラやんけ」

    「これマジで自衛隊来たんでしょ?マジウケる」

    「とにかく糞CGやめてくんね?つまんねーから」













    その他にも色々な事がニュースになっていた。

    「今朝、利根川河川敷にて緑色の未確認生物が突如として現れ、住宅街を襲撃しました。住民の目撃情報によると未確認生物は男子高校生を狙うような動きをしていたとの事です。映像も流出しており、警察は自衛隊を動員させて慎重に捜査を進めています」

    「すっかり有名人だな俺」

    隼人はため息を吐いた。

    「有名人ならいいんじゃない?モテるわよ??」

    「そっちの有名人じゃねぇよ」

    隼人は立ち上がると二階に上がっていった。

    「あっ、待ってよ隼人」










    隼人はベッドに飛び込んだ。

    「あら?もう寝るの?」

    「いや、寝ないけど精神的に疲れた」

    「大丈夫?添い寝してあげよっか?」

    「いや、いいって」

    隼人は起き上がると頬を叩いた。

    「やる事ねぇなぁ〜」

    と、その時。








    「パズドラをする全人類に告ぐ」
  7. 7 : : 2018/05/31(木) 22:11:30
    突然隼人の部屋のテレビに黒い不気味な仮面が映った。

    「あ!?」

    「な、何!?」

    「私は「死神」、全人類を抹消するために生まれた者だ」

    「死神っておいヘラ、お前が言ってた……!」

    ヘラは青ざめた顔で頷いた。

    「先に言っておくぞ、2週間後の夜0時にこの星にいる全生命体をこの世から消す」

    「な、何ですって!?そんなことしたらたくさんの罪のない人たちが殺されるわよ!!」

    「まず何でそんなことするんだ死神?」

    「人間は愚かだ。罪のない生物を殺し、更には同種の人間も容赦なく殺す。これほど自然界に身勝手な生物がいるか?私はその無益な殺生が本当に許せないのだよ」

    「第一お前も人間だろ!そんな無差別殺人なんかしたらお前もやってる事は同じだぞ!!」

    「……私は人間ではない。ある科学者が作り出したいわゆる「人工知能」だ。私は人間と同じ体を持たない。誰が何をしようと私の計画は止めることはできないのだよ」

    「ジンコウチノウ?」

    ヘラが隼人に尋ねた。

    「人工知能はその名前の通りロボットみたいな人工的な知能の事だ。チッ………俺たち人間の技術の進歩がこんなバケモン作り出しちまったのか……」

    「バケモノではない、私は神になったのだ」

    「お前がヘラやアルナイルとかを現代に送り込んだんだろ、それなら警察が解決できないのも納得できる」

    「あなたは何が目的なの、死神」

    「私が見たいのは「人間達が慌てふためく姿だ」現代の世界において最も知能の高い生き物が敵味方関係なく攻撃するのを見るのが私の至福の時間と言えよう。つまり、何故私がお前をその人間の元に送り込んだのか分かるかな、ヘラ」

    「同じパズドラをやる人を同士討ちにさせたり他の人間を殺す為………!」

    「正解だ。さすがヘラ一族のモンスターだな、推理力と洞察力、判断力に優れている」

    「世界に未だかつてない危機が迫っているってことか……!」

    「その通り、これは弱肉強食の世界。強い者が生き、弱い者は死ぬ。さぁ争え!同じパズドラ使いの人間はすぐ近くにいる!私に人間の醜い争いを見せてくれたまえ!!」

    そう言い残すと死神はテレビの画面から消えた。




    「隼人……どうすればいいの…?」

    「………………」

    隼人は無言のまま部屋を出た。

    「ねぇ、隼人ってば」

    「………………」

    隼人は一回の和室に入ると畳を持ち上げた。

    「えっ?」

    畳の下には金属製の小さな扉があり、そこを開けるとジュラルミンケースが出てきた。

    「何それ?」

    隼人がジュラルミンケースを開けるとそこには黒いナイフが入っていた。

    「そ、それでなにするの?」

    「ヘラ、お前のパワーはこの世界でも使えるのか?」

    「え、ええ。それがどうかしたの?」

    「死神が言ってたろ、相手はすぐ近くにいる。ヘラ=ニクスは強力なモンスターだ、お前を狙う奴もいるかもしれないから護身用のナイフを持つのさ」

    隼人はリュックサックにナイフ、更に自宅の金庫から現金25万円を持つと財布に入れ、帽子を被った。

    「ど、どこか行くの?」

    「ヘラ、聞いてくれ。俺はパズドラモンスターのお前を仲間にしている。この世の中にはまだまだ強いモンスターがいる。この家を集団で攻撃されたら命はないからな。俺はこの家を出る」

    「え……この家を出て行くの…?」

    「だからお前も来てくれ、お前の強さは俺が1番よく知ってる。この旅にはお前の力が必要だ」

    「隼人…………分かったわ」

    ヘラは力強く頷いた。

    「ありがとよ、相棒」

    「ふふっ、よろしくね隼人」

    「おう」

    こうして、隼人とヘラの長旅が始まった。
  8. 8 : : 2018/05/31(木) 22:22:35
    パズドラサバイバルゲーム・ルール説明

    ・基本何のモンスターを使ってもOK。ただし現実に現れて仲間に出来るのは一体のみ、相棒のチェンジは自由。

    ・サバイバルゲーム中は弱肉強食の世界の為、基本どんな事をしても罪にはならない。だだし、1日に3人以上の人間を殺害した者にはモンスターの体力を完全回復させる「魔法石」の支給が1日減る。ちなみに魔法石の支給は1日1度、2つの魔法石がモンスターの放つ電磁波を感知して配布される。

    ・車や電車、船、飛行機などの交通手段は基本何を使っても構わない。ただし、国外から一歩でも出た場合はその場でモンスターが爆死する。人間も心臓が破裂して死ぬ罰を与えられる仕組み。

    ・モンスターはモンスターの放つエネルギーを感知し、敵意、殺意、好意、感情を読み取ることができる。

    また性別が雌、女性のモンスターを連れている場合、スキルターンが1早くなる
  9. 9 : : 2018/06/01(金) 20:59:28
    隼人とヘラは人気の減った夕方を狙って家を出た。家の鍵をしっかりと閉めて鍵をポストの下の地面に埋めた。

    「またこの家に生きて戻ってこれたらいいな…」

    隼人は寂しそうに家を見つめた。

    「生きて帰ってくるのよ……絶対…私と2人で」

    ヘラが隼人の肩に手を置いて声をかけた。

    隼人は目の淵に溜まった涙を拭うと自分の頰を軽く叩いた。

    「そうだな、俺達で必ず帰って来よう」

    隼人は気を引き締めて夕日に照らされた道を進みだした。













    PM7時、隼人は事前に予約しておいたビジネスホテルに到着した。

    部屋に入ってシャワーを浴び、ソファに座ってニュースを見た。

    「今朝、全国のネットワークを乗っ取り、不気味な人類抹殺の予告をした犯人は自らを「死神」と名乗り、スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」をする人達を争わせています。現在もその影響とされる事件が多数発生しており、新幹線の線路が破壊されて交通機関が一時的に麻痺している模様です。警察も対応に追われていて、3000人態勢で死神と名乗る犯人を全国規模で捜索しています」

    今朝起きたアルナイルの一件から現在まで、日本中で数多くのパズドラの問題で起きている事件がニュースの大半を占めた。

    「死神は人工知能だから犯人は存在しないんだよ……」

    隼人は深いため息をついた。

    「隼人、シャワー浴びてきたわよ〜♪」

    「ああ、しっかり体洗ったか……ってお前!?////」

    ヘラは何も着ていなかったのだ、全裸状態。

    「何?何か身体に付いてる??」

    「ちっ、違う、さっさと服着ろバカ野郎!///」

    「暑いんだもん、夜の風涼しい〜♡」

    ヘラは全裸など全く気にしない様子で窓を開けて夜風を浴びている。

    「露出狂かよアイツ……」

    背も高く、能力優秀、スキルも有能。

    短所・露出好き。

    隼人は動揺する心を落ち着かせてコンビニで買ったスティックサラダを食べた。

    (そういや死神はモンスターの特徴とか何も触れてなかったけど……何か教えられない理由でもあるのか……?)

    隼人が疑問に思った時だった。




    「んうっ!?」




    突然ヘラが奇妙な叫び声をあげた。

    「あ?」

    するとヘラの体が縮み、蒼い髪の毛から赤い髪の毛に変化し、力強い角(?)も少しばかり小さくなってしまった。

    「もうっ、時間切れになっちゃった…」

    「ヘラ=ニクスから普通のヘラになった……何じゃこりゃ!?」

    「実は私……ヘラ=ニクスになっていられる時間は太陽が昇っている時間だけなの。太陽が沈むとエネルギーが切れて普通のヘラに戻っちゃうの」

    「だったら覚醒ヘラの方が役立つと思うんだけど……(小声)」

    「何か言った?」

    「べ、別に?」

    と、その時。

    「!?」

    ヘラが窓の外を睨んだ。

    「どうした?」

    「動かないで、私達を探してる人がいる…!」

    「何だって……!?」

    隼人が恐る恐る窓の外を見るとビジネスホテルの入り口に巨大なモンスターの影があった。

    「夜行の屍霊龍・ドラゴンゾンビ……!」

    2人に最初の試練が訪れる。

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