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遠い空のその先に

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  1. 1 : : 2017/08/09(水) 11:05:38
    こんにちは!こんばんは!初めての方ははじめまして!刹那と申します!
    今回は夏花杯への出品作品としてこの作品を書かせていただきます!綺麗にまとまるかなと心配してますが精一杯書きます!

    執筆中のコメントやスターは作者のモチベ上昇に繋がるので是非お願いします!

    それではお楽しみください!

    http://www.ssnote.net/groups/835(百花杯グル)
  2. 2 : : 2017/08/09(水) 11:21:49













    上には何があるの?


    子供の頃抱いた疑問は


    例え禁じられたものであっても止められるものではない


    果てしなく暗い天井


    それが限界でないことは薄々とわかっていた


    周りの大人は口を揃えて否定する


    それでも


    でも……それでも













    「遠い空のその先に」
  3. 14 : : 2017/08/11(金) 20:07:26
    コメントありがとうございます
    自分の勉強の心配までして下さるとは感謝です。ですが一般論的に荒らしに該当するコメントですので非表示にさせていただきます
    少なくとも人の悪口をわざわざ書くような人たちよりは頭がいいと思うので心配は無用と考えます。
    新着に載せてくれてありがとうございました!
  4. 15 : : 2017/08/11(金) 20:14:27
    西暦2356年


    人々は有限の天井の下で暮らしていた


    人類が生まれてからずっと


    定期的に天井の灯が付いたり消えたり


    そうやって昼と夜が過ぎていく中で生きてきた


    これまでも


    そしてこれからも


    一点の疑問も抱くことがない


    そんな俺の常識は


    ある日


    覆された
  5. 16 : : 2017/08/12(土) 21:41:57
    一冊の本


    街のごみ捨て場にあったその本は


    俺の気を引いた


    街を駆け回って友達と遊び、本なんてもんには欠片も興味を示さなかったのに


    青い表紙のその本に何故か目が止まったのだ


    それは絵本だった


    「鳥」という題名だった


    "鳥"という宙を飛ぶ生き物の話


    "鳥"は"雲"というものが浮かんでいる"空"という場所にいるらしい


    そして人はそれを見上げて


    あんなふうに自由に飛べたらなと思いながら生活をする


    それは


    天井で止められている俺達には到底理解できないものだった
  6. 17 : : 2017/08/14(月) 16:32:29
    こんな場所が存在するのだろうか


    天井のその上に


    母親にその事を話したら


    そんな物あるわけないと一蹴された


    この世界は天井とそこにある人口太陽


    それで完結していると


    先生にその事を話したら


    怒られた


    物凄く


    なぜだか分からない


    けれど子供心にこの話は誰にもしてはいけないと分かった


    俺はそれでも"空"への憧れを捨て去ることはなく


    心の奥底に封印した
  7. 18 : : 2017/08/22(火) 12:47:43
    十数年後


    俺は医者になった


    何のことは無い


    安定した収入と医療に携わる者としての地位を狙ってのことだ


    大きな病院に勤め毎日毎日患者を診る


    そんな生活の中でいつしか


    "空"なんてものをいつの間にか忘れてしまっていた


    あのときまでは
  8. 19 : : 2017/08/23(水) 07:03:42
    その日俺が診た患者は一人の少女だった


    病名はガーター病


    近年発見された病気だ


    手足がその機能を失っていき


    動けなくなり死ぬという


    未だに治療法は見つかっておらず


    圧倒的な痛みから安楽死を求める患者がいるほどだった


    その少女はまだ十二歳


    恐らく十五までには死んでしまうだろう


    そんな見立てだった
  9. 20 : : 2017/08/23(水) 07:12:10
    「先生はお空って知ってる?」


    巡回検診をしていた俺にいきなり彼女は聞いてきた


    「空?」


    「この天井よりも高いところにある、広く蒼い空間のこと」


    そして俺は思い出す


    あの頃の封じた記憶を


    「それがどうかした?」


    何がおかしかったんだろう


    彼女は笑いだした


    「どうしたの?」


    ひとしきり笑ったあと彼女は言った


    「先生が初めてだったの。空の話をして怒らなかったのは」


    教師にに怒られた時の記憶が蘇る


    「そんな場所あるわけないでしょって。でも私はあると思うんだ」


    輝いた笑顔で彼女はそう言った
  10. 21 : : 2017/08/23(水) 07:28:35
    面白いです
    頑張ってください
  11. 22 : : 2017/08/23(水) 18:41:52
    >>21
    ありがとうございます!
  12. 23 : : 2017/08/23(水) 18:51:35
    「本で読んだの。昔は皆が空を見上げて生活していたって」


    それは俺が想像した世界


    人工じゃない陽の光を体に浴びて


    機械に頼らず


    "鳥"のように自由に生活する


    「青い空……見てみたいなぁ」


    窓の外に目を向け作られた天井を見上げる少女は


    触れれば消えてしまうような表情を浮かべていた
  13. 24 : : 2017/08/23(水) 22:20:23
    それから俺は調べ出した


    昔から不自然だと思っていたことを


    何故この世界では"空"が禁忌なのか


    多くとは言えないが"空"について書かれた書籍もある


    これから導き出されるのは


    "空"という場所はあるということだ


    それを隠そうとしているのは何故だろう


    その理由はわからない


    どうしたら"空"を見ることができるのか


    その方法もわからない


    政府が管理している?


    この世界の秘密を


    どうすれば見つけ出せるのか
  14. 25 : : 2017/08/23(水) 22:55:13
    調べている中で一つ


    かなり昔の文献を発見した


    市の中央図書館の地下


    古い資料が置いてある場所


    その棚の隅にあった一冊の本


    それは


    二世紀前に書かれたものだった


    その本に書かれていたのは


    二世紀前の文化


    和歌や短歌といった日本という国の文芸の本だった


    はるか昔、中世に流行った文化の紹介をしていた


    そこにあった一節


    「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」


    解説文には


    天の原は"空"のことだと書いてあった


    そして





    今はもう見れぬ景色である





    という記述があった
  15. 26 : : 2017/08/23(水) 23:05:37
    人類は空を失った


    もう二度と空を見ることは出来ない


    そう結論に至った


    だが


    もう一つ疑問が生まれた


    "何があったのか"


    世界を覆う大きな空間


    それは俺たちの住む世界


    1000万平方キロメートルの、このジャパニアよりも


    遥かに広いもののはずだ


    それを失うなんて


    余程のことが……


    「見れないってことはなくなったっていうことじゃないんじゃないの?」


    病室で調べ物の結果を聞いた少女はそう言った


    「どういうことだい?」


    「例えば空が見える場所に行けなくなったとか、空と地上の間にそれこそ天井があるとか、ここが空の上にあるとか……」


    少女の頭は俺よりもはるかに柔軟なようだ


    「空は上にある……だとすれば」


    この世界の一番高いところ


    それは













    天井だ
  16. 27 : : 2017/08/23(水) 23:13:40
    期待です!
  17. 28 : : 2017/08/23(水) 23:16:44
    天井の人工太陽をコントロールする施設


    それはジャポニアの中心にある


    天井に繋がるエレベーター


    それを登れば


    空を見ることが出来るのだろうか?


    でもそれは叶わない


    何故なら


    警備が厳重だからだ


    この世界のどこよりも厳重


    恐らく死角が無いと言っても過言ではないほどに設置されたおびただしい数の監視カメラ


    人目がなくなることはないというくらい動員された警備員


    登ることはおろか近づくこともできないだろう
  18. 29 : : 2017/08/23(水) 23:24:53
    それを話したら


    少女は微笑んで言った


    「それは残念」





    その目は


    それでも変わらずに


    空への憧れを雄弁に物語っていた


    そして


    それから数日後のことだった
























    彼女の容態が急変した
  19. 30 : : 2017/08/23(水) 23:40:59
    ガーター病が急激に進行したのだ


    その結果


    彼女の両手は使い物にならなくなった


    かなりの苦痛を伴っているのだろう


    病室のベッドの上で狂ったように暴れる少女


    看護師たちが慌てて押さえつけ鎮静剤を打とうとする


    やがて落ち着いていく


    そして


    涙で濡れた彼女の瞼が閉じていき


    眠りに落ちる


    その直前


    彼女の口元が動く


    俺だけが


    おそらく俺だけが


    なんて言ったのか理解することができた













    「空が見たい」













    彼女はそう言っていた
  20. 31 : : 2017/08/23(水) 23:49:36
    それは切実な願いだった


    俺が子供の頃に抱いた夢


    彼女の抱いた夢


    どこまでも広く


    どこまでも青く


    どこまでも遠く


    どこまでも……


    どこまでも……


    不運な少女に


    一つの奇跡があってもいいじゃないか


    そんな思いが全身を駆け巡る


    俺は


    そのために全てを捨てるのか?


    施設に潜入すれば


    無期懲役は免れないだろう


    政府の


    世界の最高機密だから


    それでも


    何か隠してあるなら


    空を


    見ることが出来るのなら


    その価値はあるんじゃないのか?


    少女の寝顔が目に入る


    そして…………


    俺は決断した
  21. 32 : : 2017/08/24(木) 00:02:48














    施設内にアラートが鳴り響く


    侵入者を告げる音


    その音の異常性に施設内は慌てふためいている


    未だかつてあったことがない侵入


    しかも武器を所持しているようだ


    「どこにいる!?」


    「区画215だ!いそげ!」


    一直線に"境界"に向かえないように


    施設内は一本道かつ長い作りになっている


    エレベーターも何回か乗り継ぎが必要だ


    であるはずなのに


    侵入者の進むスピードははやく


    しかも着実に"境界"に近づいている


    ハッキングをされ、地図を得ているかもしれないとの情報も入っている


    何がなんだからわからないが


    侵入者を排除すれば終わるだろう


    警備員は銃を片手に指示を待つ


    侵入者が近道を行くなら待ち伏せしているここを必ず通る


    やがてコツンコツンと足音が聞こえた


    リーダーが手で指示を出す


    それとともに警備員五名がいきなり通路から飛び出し侵入者に向かって銃を向けて撃つ――はずだった


    そこに居たのは一人の少女


    「は?」


    動きが止まる


    パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!


    かわいた音が五発


    少女の後ろからだ


    それとともに


    警備員たちは自らの体から血が吹き出すのを自覚した
  22. 33 : : 2017/08/24(木) 00:13:07
    「もうすぐだ」


    俺はそう言って少女を担ぐ


    「うん」


    少女が頷く


    病室で空を見ると決意してから


    俺は行動を始めた


    施設のハッキング


    銃の手配


    少女へのより強い痛み止めの投与


    そして少女の連れ出し


    いろんな文献を漁った時の経験が色んなところで生きた


    空を求めて作り上げた人脈が色んなところで生きた


    そして


    ようやく辿り着く


    "その扉"の前に


    それは現在のようなコンピューター制御の扉ではなく


    ずっと昔の旧式の扉


    この奥に


    空がある


    何故だかそれが確信できた


    「開けるよ」


    両手を失った彼女の代わりに


    ドアのノブに手をかける


    それを回して



























    開けた
  23. 34 : : 2017/08/24(木) 00:25:47
    「あ…………」


    広がっていた景色に唖然とする


    そこには


    「町……?」


    灰色に染まった街


    そして


    変わらない真っ暗な天井


    「天井の上に……天井?」


    「多分違う……これは……これが空?」


    少女がつぶやく


    確かに天井とは違って


    少し明るいところ真っ暗なところと


    暗度にムラがある


    「じゃああの向こうに……青い空があるの……?」


    少女の疑問に俺は答えられない


    あの空のその先に?


    見えない今はわからない


    それにしても……


    俺はあたりを見渡す


    倒壊しかかっているビル


    倒れている電柱


    完全な廃墟がそこにはあった
  24. 35 : : 2017/08/24(木) 00:36:57
    「ゲホッゲホッ!」


    いきなり少女が咳き込む


    「大丈夫か!?」


    俺は驚愕した


    彼女が口を抑えた手には


    血がべっとりついていた


    吐血


    ガーター病にそんな症状はない


    なら何故?


    考えに考え


    そして


    原因がわかった


    これまで急激に悪くなるのは一つ


    ガーター病は放射線を浴びるとその進行が速くなるのだ


    少女が倒れ込む


    「おい!大丈夫か!?」


    ガーター病が発見されて初期の頃


    いろんな方法でその解明が行われたが


    放射線を使ったスキャンの時病気が悪化し患者が死んでしまう事例が何度もあった


    ということは


    「ここには……放射性物質が多量にある?」


    そうなる


    放射線スキャンも使われる放射線はそれほど多くない


    それでも死に至るには充分なのだ


    これほど進行が速くなっているのなら


    かなり多くの放射線がここにはあるのだ


    「先……生ぃ……」


    苦しげに言葉を吐く少女


    「わ……たし……、空、見れて……よかった」


    全身にガーター病が回りもう首から上しか動かないのだろうか


    微動だにしない彼女の体を俺は抱きしめる


    「あり……が、、、、」


    その続きは……聞けなかった
  25. 36 : : 2017/08/24(木) 00:47:17
    しばらくして


    俺はふと我に返る


    そして気がつく


    ここにいては……俺も危ないのでは?


    少女を死に至らせた放射線量


    健常者でも


    体に影響がでるのではないのか……?


    弾かれたように俺は扉に向かう


    幸いなことに扉からはあまり離れずにいたのでまだ扉が空いていることが確認できた


    「よし、助かっ――――」


    一発の銃声


    そして一瞬の痛みが俺の中を通り過ぎる


    は???


    目の前にはガスマスクを被った人物


    「外界への逃亡者へのヒットを確認。胴を貫いたことにより帰還は不可能と判断します」


    冷徹な声で誰かに告げている


    「お……前は……?」


    「悪く思わないでくれ。こんな異常な放射線をジャポニア内に入れる訳にはいかないんだよ」


    パンッ!


    もう一発発射された弾丸は俺の足を貫く


    「あがぁぁぁ!」


    「帰還する」


    俺の叫びを無視してガスマスクの人物は扉の向こうへ帰っていく


    「ま……て、!」


    無情に扉はしまっていき

























    完全に閉まった










    fin
  26. 37 : : 2017/08/24(木) 00:50:08
    これにて終了とさせていただきます。いかがだったでしょうか?

    時代は現代から数世紀後
    核戦争で崩壊した世界を逃れ人々は地下へその居住区を移動し全てを封印して生活している。
    そんな世界を舞台にこの作品を書かせていただきました。
    かなり焦って書いたのでストーリーも文章も三流以下になってしまった事が心残りです。

    最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!
  27. 38 : : 2017/08/24(木) 01:32:09
    次回作にも期待!
  28. 39 : : 2017/08/24(木) 06:54:46
    >>38
    ありがとうございます!
  29. 40 : : 2020/10/03(土) 08:58:02
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

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刹那

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