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【ショートストーリー】セレスティア・ルーデンベルク・石丸清多夏・時々山田一二三【惨劇回避】

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  1. 1 : : 2017/03/14(火) 07:53:41
    これは、ダンガンロンパの各章で惨劇を回避したことを想定したときのストーリーです!

     筆者の考えですので、少しぬるま湯になるかもしれませんが、最後まで目を通して頂けると幸いです!

     実際のセリフと異なる点もありますが、温かい目で見てください!

     今回の章は、山田・アルターエゴ編と、セレス・石丸・時々山田編の二つのシチュエーションに分けます!

    さらに、原作では
    石丸→被害者
    山田・セレス→加害者

    から、
    山田→被害者
    石丸・セレス→加害者
    に変更させて頂きます。

     今回は安価はありません!

    桑田・舞園編http://www.ssnote.net/archives/52289

    不二咲・大和田編
    http://www.ssnote.net/archives/52306

    山田・アルターエゴ編
    http://www.ssnote.net/archives/52331
  2. 2 : : 2017/03/14(火) 08:07:23
     私はセレスティア・ルーデンベルク。超高校級のギャンブラーですわ。

     他の皆様とは違い、私の中ではすでにサツイが芽生えておりましたの。

    ―――ここで、コロセば、お金が手に入る。

     そう……私の狙いはモノクマさんがもってらしたお金…

     私の夢のためには必要ですわ!

     西洋にお城を建てると言うことは、それなりのお金が必要。

     小さくてもいい、お城として過ごせる分のお金を彼は用意してくださる。

     あぁ、ここまでの勝ち戦は経験したことはありません。

     そういえば、不二咲くんが、紹介してくださったアルターエゴの件で、山田くんと石丸くんがもめていましたね……

     これを使えないものか……

     個室の中で考えていると……ガタガタと机がなり出したのです。

     この、私が震えている……

     ポーカーフェイスを演じてからこの方、恐怖を味わったことのない自分。

     しかし、この恐怖に打ち勝てば、夢が叶う。

     ……そう、信じたい…

     ……勝てるのか…

     不安が襲う。

     演じなければ……ポーカーフェイスを……

     超高校級のギャンブラー、セレスティア・ルーデンベルクが、このようなことで、臆してしまってはいけない。

     そう、自分に言い聞かせた。
  3. 3 : : 2017/03/14(火) 17:38:53
     ぼくは、石丸清多夏だ!超高校級の風紀委員として、この学校に来た!

     ぼくは、いま大浴場に来ている。霧切くんからの招集に応じたわけだが、なにか新しい発見があった表情でもない。

    「どうしたの?霧切さん?」

     この沈黙に耐えきれず、苗木くんが霧切くんに尋ねた。そうしたら、彼女の重い口が開いた。

    「アルターエゴがないの……」

     皆驚愕した。モノクマにバレたのか!いや、ここには監視カメラがないはず……

     ぼくははっきりわかった。誰かが盗んだのだ。

     ぼくはまず、山田くんを疑った。

    「山田くん!君じゃないのかね!君がアルターエゴを独り占めにして……!」

    「拙者ではない!そういう、石丸清多夏殿も怪しいですぞ!」

    「なんだと!ボクがするわけ無いだろう!」

     もちろん、この言い争いはすぐに終わった。

    「とにかく一刻も早く見つけるわよ!」

     霧切くんの声で、皆は自室に戻った。

     ぼくも戻ろうとしたとき、

    「……石丸くん」

     後ろから声が聞こえた。

     振り向くと、セレスくんであった。

    「あとで、私の部屋に来てくれます?」

    「あぁ、5分後にむかおう!」

     そういうと、お互い自室に戻って、休憩した。
  4. 4 : : 2017/03/14(火) 22:52:25
    ピンポーン

     セレスくんの部屋のインターホンを鳴らした後、すぐ、

    「どうぞ!」

     との声が聞こえたので部屋の中へと入った。

     照明のせいか、すこし、薄暗い部屋の奥に寝間着であろう、女性がいた。

     横のロールの髪の毛がなかったので、気づくのに遅れたが、セレスくんであった。

    「夜分にすみませんね……おかけください。」

    「失礼する!」

     ぼくは、すぐ横のいすに座った。セレスくんは高校生では着るものではない服を着ていたが、その辺は目をつむろう。

     こういうときの話は決まって、いい話ではない。慎重かつ冷静に聞かないといけない。

    「さて、話を聴こうか。」

    「あら、レディの私服に関しては触れないのですわね。」

    「話と服は関係ないだろう?」

    「ごもっともですわ……」

     おそらく、ぼくは男としてはつまらない男だろうな。ぼくも、このようなはなしでなければ、感想も述べたのだろうが…

    「じつは、私、アルターエゴを盗んだ犯人を知ってますの。」

    「だれかね?」

    「山田くんです!」

    「!?」

     ぼくは驚いた。アルターエゴの順番でもめていたが、そこまでして独占したいのか!

     怒りと同時にどす黒いものを浮かべた。

    ―これが…サツイか……

     そう感じているうちに怒りは最高潮に達した。

    「山田くん……きみはそんなことをするやつでは無いと思ったが……」

     彼女の言葉が追い打ちをかける。

    「じつは、山田くんに辱めを受けましたの……」

    「!?」

     山田くんは女性に対して暴力を振るったというのか……

     ……許せない

     ……ユルセナイ

     ……コロシテヤル

    「コロシテヤル!コロシテヤル!!」

    ぼくは、二度三度、狂気に満ちた顔つきで、同じ言葉を叫んだ。

     そうしたら、セレスくんの顔が急にちかづいた。まるで、キスをするかの勢いで……

     そして、ボクと同じサツイにおぼれた顔でこうつぶやいた。

    「私と組みませんか?」
  5. 5 : : 2017/03/14(火) 22:55:11
    「二人で完全犯罪をしましょう!実施は明日の夜中です。」

     作戦は明日伝えると言って、今日は別れた。

     部屋に戻る途中に、様々な思いが浮かんだが、ある思いのほうが強かった。

    「明日、山田くんに事実を確認しよう!」

     風紀委員として取り締まる決意を忘れないように、そのまま床についた。
  6. 6 : : 2017/03/15(水) 08:34:18
     翌日、ぼくは山田くんに話を聴くために、声をかけた。そして、ぼくの部屋へと呼び出した。

     山田くんは快く来てくれた。お茶をもてなし、本題の話へと切り出していく。

     こういう話を聴くときは、回りくどい話より、直接的に話す方がわかりやすい。

    「山田くん!アルターエゴのことを知らないかね……?」

    「急になんですぞ?」

    「いや、君が盗んだという噂が立ってな。」

    「その、噂の出所は?」

    「セレスくんだ!」

     山田くんは、すこし考える表情をした。嘘をつくいいわけを考えているのか?

     いや、彼の表情からはそれが滲み出てこない。

    「山田くん……君は何を考えている?」

     おそるおそる聴いてみると、山田くんは、答えた。

    「結論からいきますと、盗んだのは拙者ではありませぬぞ!」

    「なに!?」
  7. 7 : : 2017/03/15(水) 08:43:01
    「おそらく、盗んだ犯人は、セレスティア・ルーベンデルク殿でしょう。」

     ぼくははっとした。たしかにそれならつじつまが合う。

     山田くんはこう続けた。

    「石丸清多夏殿はボクをコロスつもりでしたな?」

     いつにもないきつい目つきに背筋をぞっとさせた。

     ぼくは、無言でうなずいた。

     山田くんは一息ついて、ボクの入れたお茶を手にした。

    「おそらく、セレスティア・ルーベンデルク殿は、僕を石丸清多夏殿を使ってコロシ、そのあと、石丸清多夏殿……あなたをコロスつもりでしたな!」

     ぼくは二の句が継げなかった。口がパクパク震え、そのまま膝から崩れるように、言葉を絞り出した。

    「すまな……かった……君に……サツイを……抱いてしまった……本当に……すまない……」
  8. 8 : : 2017/03/15(水) 11:20:50
    「いえ、謝らないといけないのは拙者の方ですぞ!!」

     山田くんが続けた。

    「実は、拙者もアルターエゴが盗まれる以前に、石丸清多夏殿に、サツイを抱いていたのですぞ!しかし、アルターエゴ殿から有り難い言葉をいただき我に返ることが出来ましたぞ!」

    「石丸清多夏殿…拙者をコロシテあなたの乾きが潤せるなら拙者は潔くコロサレよう……ただ、サツイに溺れてはなりませんぞ……そんなことで溺れては、超高校級の風紀委員が泣きますぞ!」

     山田くんの言葉の一言一言が僕に突き刺さる。

     それは、ボクサーのパンチよりも重く、確実に急所をとらえて、僕のサツイをKOさせた……

     そしてぼくはもう一人の仲間を救いたい……が、セレスくんとはあまり話もできていない……

     一方、山田くんはセレスくんとは仲のいい。彼が行く方が止まるだろう。

    「山田くん……頼まれてくれるか……」

    「セレスくんを救ってやってくれ……」

     山田くんは小さく頷きそして、跪き、

    「その頼み、山田一二三が引き受けた!」

     と言って部屋を出た。

    「山田くん、後は頼んだよ……」

     ぼくは力なくベッドに横たわり、山田くんにサツイを抱いてしまった自分を反省した……

  9. 9 : : 2017/03/15(水) 14:54:40
     私の名はセレスティア・ルーベンデルク。

     夕食を食べていたときの石丸くんは元気がありませんでしたわ……どうされたのでしょうか……

     私は部屋に戻って準備をしていました。

     もう少ししたら石丸くんが来て作戦会議と言うことになりますね……

     実を言うと、私はいま怖いぐらいに落ち着いてます。

     なんでも出来てしまうぐらいに……

     人をコロスことも簡単にできてしまうぐらい、精神が落ち着いています。

     あの、ゴスロリ衣装のまま彼と会うのも苦しいですし、気楽な格好でいましょうか……

     と、着替え終わる直前ぐらいに、

     ピンポーン

     とチャイムが鳴りました……

     …来ましたか……

     ガチャリ

    「あら?やまだくんではありませんか?」

     ―なぜ、石丸くんではなく、山田くんが?

     そう、思っていると……

    「セレスティア・ルーベンデルク殿…話があるのですが……」

     山田くんが訪ねてきました。追い返してもいいのですが、話の内容も気になります。

    「どうぞ……」

     と部屋にまねきいれました。
  10. 10 : : 2017/03/15(水) 15:05:10
     部屋に入るなり、山田くんは、

    「ほうほう、これがセレスティアルーベンデルク殿の寝間着でございますか!これは、同人誌のネタに使えそうですなぁ」

     といつもの調子で話してきました。とはいえ、これは山田くんの探りでしょう。ギャンブラーの勘がここで働きます。

    「山田くん…私はじらされるのが嫌いでしてよ。」

     この私の発言の後から山田くんは急に目つきを変えて、

    「やはり、一筋縄ではいきませんなぁ」

     といって、近くのいすに腰掛けました。

     お互いの臨戦態勢が整い、私のほうから牽制をかけました。

    「何のご用でしょうか?」

    「単刀直入に言います。石丸清多夏殿から全て聴かせて頂いた。考えを改めてください。」

     やはり、彼は話しましたか。ただ、これは想定の範囲内ですわ。

    「だからといって命乞いですか。あなたもバカですね……」

     この後も、ここまで言えば引き下がるだろうというぐらいの言葉を投げかけたが、彼は退かない。それどころか、笑みさえ見える。

    「セレスティア・ルーベンデルク殿…」

     彼が私の名前を呼んだとき、静寂が続いた。

     そして……

    「ぼくは命乞いをしに来たわけではありませんぞ。コロシアイが止まるためなら、僕の命はいくらでも、あなたに捧げます。しかし、そうでない命なら捧げるわけにはいかない。まして、僕の大好きなあなたの手を汚させるわけにはいかない……」

     この言葉を聞いた瞬間、胸が熱くなった。

    「(なんで……そこまで……ていうか、私のため……)」

     そう考えているうちに山田くんは続ける。

    「アルターエゴを盗んだのはあなたですな?」

     また突き刺さる。

    「ぼくに罪を着せて石丸くんを動かすための布石ですかな……」

     その後、私は……



     ……壊れた。
  11. 11 : : 2017/03/15(水) 15:21:05
    「そうですわ……私が……アルターエゴを盗み…山田くんに罪をかぶせようとして、石丸くんを動かし山田くんをコロス計画でしたわ!!それが、今では台無しですわね!ただ、あなたが手を汚したくないと言った、セレスティア・ルーベンデルクは、もう犯罪の手に落ちてしまった!もう、取り返しはつかないのよ!!」

     ポーカーフェイスを忘れて、叫んだ。荒れた。

    「もう、私は元の生活には戻れないのよ~!!」

     叫びきった瞬間、山田くんが立ち上がり、私のもとにかけより、

    「うるせぇ!!」

     と一括浴びせた。私は驚いた。山田くんが、こんな叫び声を上げたところなど聴いたことがなかったからだ。

    「何が汚れただよ!僕はまだ生きてるんだ!!アルターエゴを盗んだことなんか、謝ればすむだろ?その後の行動もせずに取り返しがつかないなんて決めるな!!」

     私にここまで怒鳴ってくれるなんて……

    「でも、ギャンブラーとしては致命傷ですわ……」

     弱気の私を励ますように彼は続けた。

    「それは、ギャンブルの世界のこと……現実を見て、一緒に前に進みましょうぞ!」

     山田くんの一言に救われた……

     そして、私は山田くんにしがみつき、ありったけ泣いた。

    「……怖かったよぉ」

    「ですなぁ……」

    「サツイにおぼれる感覚が怖かったよ……」

    「わかります……ぼくもそうでしたぞ……」

     一言一言に丁寧に返す彼こそが、私の最高のナイトかもしれません。

    「山田くん…これからも、私のナイトとして、私が過ちを犯さぬよう、守って頂けませんか?」

     こう告げた後、山田くんは私の前に跪き、

    「仰せのままに……」

     と一言残し私に背中を向けた。

     去り際に……

    「山田くん、もしよろしければ、今夜このままご一緒させて頂けませんか?どうも眠れそうにありません。」

     とつげると、

    「石丸清多夏殿への報告が終わったら戻ってきますぞ。」

     とつげて、私の部屋を後にした。

     見た目は、決していいとは言えないが、心の中は私のS級のナイトである彼の背中は勇ましかった。
  12. 12 : : 2017/03/15(水) 15:24:51
     翌朝、石丸くんと山田くんと三人で短い時間であるが、話し合い、昨日のことを告げることにした。

     みんな、憔悴しきった表情になっていたが、石丸くんや、山田くんの手助けにより、しっかりと自分の気持ちを伝えられた。

     サツイを抱いてしまったことはいけないことだが、得られるものもあった。

     それが、収穫と言うべきかはわからないが、自分の中で必ず生き続ける。

    私の最高のナイト様とともに……
  13. 13 : : 2017/03/15(水) 15:25:48
    以上で、第三章部分が終わりました。

    今回はショートストーリーの割に、長くなってしまいました……

    次は、大神さくら編ですので、またよろしくお願いします!
  14. 14 : : 2017/03/22(水) 00:19:20
    大神編
    http://www.ssnote.net/archives/52377

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著者情報
ruka0111

ルカ

@ruka0111

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