ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

モンスターハンター・絆を求めし者

    • Good
    • 1

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2017/02/18(土) 08:13:11
    中3です。高校に合格して暇なので小説を書きたいと思います。かなり長くなりそうなので、1年は続けたいと思います、よろしくお願いしますっ!!
  2. 2 : : 2017/02/18(土) 09:05:09
    モンスターハンター・絆を求めし者
    モンスターハンター、それはモンスターと呼ばれる特殊な動物を狩り、その素材を使って武器や防具、家などを作る材料として扱っている。だが、モンスターは時に人間に牙を剥く。モンスターを狩る人間を人々はハンターと呼び、ハンターはモンスターを討伐したり捕獲、あまりにも強大な敵は撃退というクエストもある。つまり、人間はモンスターを敵として見ているのだ。
    しかし、数十年前に世界が震撼した事が起きた。それはあるハンターがモンスターを手懐けたという事件だった。しかも、その手懐けたモンスターとは角竜ディアブロスだったのだ。そのハンターは、ギルドでもかなりの腕前の双剣使いで、周りからの信頼性も高く、「世界一の双剣使い」と呼ばれる程の実力者だった。
    だが、ギルドはそのハンターを危険人物として拘束、そのまま処刑したという。そのハンターの名は
    ヒューム



    時は流れ、現代。
    ドンドルマと呼ばれる巨大都市の片隅に、白い石を積み重ねて出来たイグルーの様な家があった。中には蒼い髪の青年が眠っていた。すると開いた窓から小鳥が入ってきた。チュンチュンと鳴くと、青年が目覚めた。「んん…?もう朝か」彼の名はレイ。ドンドルマのG級ハンターだ。「おえっ…気持ち悪ぃ」レイはおぼつかない足取りでキッチンへと向かった。
    冷蔵庫を開けると水を取り出してゆっくり飲んだ。「ふぅっ…」口に付いた雫を拭うと椅子に座った。レイは昨日白一角竜と呼ばれるモノブロス亜種の捕獲を祝して宴会が行われたのだが、酒に弱いレイは初日から幾分二日酔い気味なのだ。「さて…今日はどうするかな」そう言いながらレイは紙を取り出した。それは、レイに送られた依頼が書かれた紙だった。だが、その依頼のほとんどが赤いスタンプが押されており、達成済みという事だった。「なになに…ドスファンゴにドスジャギィ…ってあれ?俺って新人ハンターだっけ?」レイは思わずギルドカードを取り出した。そこには「ドンドルマG級ハンター検定合格者、レイ殿」と書かれていた。「よかった、やっぱり俺G級ハンターだ」レイはほっと胸をなでおろした。「ん…?虎鮫ってもしかして…ザボアザギル亜種か?」レイはモンスター図鑑を本棚から出して両性種のページを開いた。「虎鮫ザボアザギル亜種、原種とは違い、砂漠や砂原に生息する大型の両性種で、砂中を強靭な四肢を使って泳ぐ様に掘り進む。体内に麻痺成分が含まれる体液を生成する臓器があり、獲物に吐きかけて弱らせる。また、体内に水や空気を吸い込んで風船の様に膨れ上がらせて叩き潰すという荒技を持つ」か、めっちゃ書いてあるな」レイはふとある事を思い出した。「…セキトを呼ぶか」
  3. 3 : : 2017/02/18(土) 10:21:38
    レイはとある家の前に来た。「セキト、起きてるか!?」玄関をノックしながら尋ねていると、後ろから声がした。「ねえ、僕は毎朝畑仕事してるって知ってるよね?」彼はセキト。レイとはハンター育成教室で出会い、最高の親友として、時には最高のライバルとしてお互いを鍛えてきたのだ。ドンドルマでもこの2人のコンビは最強のハンターとして名高い。「ああ悪いな、昨日の宴会で記憶全部フッ飛んだ」「じゃあ何で僕の家覚えてるの?」「これ見ろよ」セキトの冷静なツッコミを無視しながらレイはザボアザギル亜種の依頼書を見せた。「ザボアザギル亜種?そんな個体がいるんだっけ?」「あれ?お前ザボアザギル亜種と遭遇した事が無いのか?」「うん」「なんでこった…お前なら遭遇経験があると思ったんだけどなぁ…」「まあいいよ、僕は臨機応変に狩猟するから」「お前ちゃっかり俺にケンカ売ってるだろ?」レイはあまり臨機応変に活動する事が苦手なのだ。「場所は何処?」「確か旧砂漠だ」「どうする?僕らだけじゃちょっと不安じゃない?」「お前さ、俺らがG級ハンターって事を忘れてんのか?」「最近僕も腕が鈍ってるから」「鈍ってはいないと思う…」その時だった。
    「これから狩りに行くの?」「え?」振り返るとそこにはピンク色の髪の毛の女ハンターがいた。「ハルナ!?久しぶりだな!!」「どうしたの?最近旅に出たって聞いていたけど?」「もうハンター修行は終わったのよ、昨日は銀火竜の捕獲を受けたのよ」「えっ?マジで!?」「ええ、セキト君の依頼でね」「は?」「僕昨日臨界ブラキディオスを討伐したんだ、本当はリオレウス希少種を討伐しに行きたかったんだけどブラキウムシリーズを使っていたから…」「それより私もザボアザギル亜種の捕獲に行きたいんだけど」「大歓迎だぜ、じゃあ早速行くか?」「ちょっと待ってよ、僕朝から畑仕事してるからシャワーぐらい浴びたいんだけど」「私も防具準備してないし」「だーっ、もう分かったよ、じゃあ一時間後でいいか?」「うん」「分かったわ」「集合場所は大老殿でな」そう言うと3人は家へと急いだ。
  4. 4 : : 2017/02/18(土) 10:52:20
    レイ家の地下にある大きな鉄製の扉の前に来た。取っ手を引くと重々しい音を立てて扉が開いた。中は奥行き50メートル程あり、壁には一面様々な武器が飾られている武器庫だった。「さて、今日はどれにするかな?」取り出したのは氷炎魔剣ヴィルマクス。クシャルダオラとテオ・テスカトルの素材を使った双剣で、強烈な爆破属性と氷属性の双剣で、部位破壊しやす爆破属性と、氷属性に弱いモンスターには絶大な効果を上げていた。だが、ザボアザギル亜種は図鑑に載っていたが、水属性。つまり氷属性はあまり有効ではないのだ。「
  5. 5 : : 2017/02/18(土) 10:53:12
    すいません、間違えて投稿してしまいました(泣)
  6. 6 : : 2017/02/18(土) 13:46:34
    1章・虎鮫乱舞
  7. 7 : : 2017/02/20(月) 20:10:50
    飛行船に揺られる事数時間、レイ達は旧砂漠に到着した。「ううーん、やっぱり旧砂漠は嫌いだな」砂漠は極端に湿度が少ない為、喉が刺激されてレイは激しくむせかえった。
    「レイは暑さ無効のスキルがあるよね?」「ああ」レイの防具はクシャナXシリーズ。G級のクシャルダオラの素材を中心とした重厚な銅色の防具で、生半可な攻撃などは一切効かず、むしろ攻撃した本人がダメージを負う程頑強な防具なのだ。それでいて驚く程軽く、身動きがしやすいとレイが気に入っている。スキルは集中、暑さ無効、回避性能+1、抜刀会心、覚醒、毒倍加など様々。「僕も作りたかったけどクシャルダオラはどうしても慣れないな…」そう言うセキトの防具はブラキウムシリーズ。臨界ブラキディオスと呼ばれるブラキディオスの特殊個体で、今まで数多のハンターが狩猟に挑んだが、返り討ちに遭ったという。その強敵をたった1人で退けるセキトの実力も恐るべきものだ。「いいじゃない、私なんてアークXシリーズよ」ハルナの防具はアークXシリーズと呼ばれる防具で、G級の天廻龍と呼ばれる古龍シャガル・マガラの素材を使った物で、スキルは力の解放、切れ味レベル+1、無我の境地、スタミナ急速回復、火耐性弱化など。
    「支給品は来てんのか?」レイは拠点(ベースキャンプ)の隅にある青いボックスを開けた。「チッ、駄目だ、届いてねぇ」上位とG級の狩場では支給品が遅れる場合がある。その為多くは地図だけの時が多い。
    「虎鮫はどのエリアにいるか覚えてるの?」「確か…エリア4だったような」「以外に近いね」「エリア4ならまだクーラードリンクは要らないわね」「よし、行くぞ」レイ達はエリア1に続く自然トンネルを進んでいった。
  8. 8 : : 2017/02/20(月) 20:42:23
    エリア1に出ると、鹿に似た小型モンスター、ケルビが草を食んでいた。ケルビの角は砕いて煎じ、お茶にして飲むと漢方薬に似た効果があると言われ、白い肝はホワイトレバーと呼ばれる珍味である。攻撃しない限り自ら攻撃しに来るモンスターだはない為、今回はお互い気にしない事にする。
    「レイ、ザボアザギル亜種の特徴って覚えてる?」「だから言ったろ、俺昨日の宴会で記憶全部フッ飛んだって」「ゴメン、忘れてた、その設定」そんな会話がレイ達の日常だが、後にこの話が恐ろしい結果を生むとは知らなかった。
    エリア4に出ると、大型モンスター特有のピリピリとした気配が漂っていた。「…いるぞ」レイは限界まで声を潜めてセキトに言った。「ハルナ、お前はペイントボールを頼む」「任せて」セキトは慎重に覗き込むと、カエルと鮫を混ぜた様なモンスターが闊歩していた。「…あれが、虎鮫」元々ザボアザギルは凍土や氷海などの寒冷地に生息するが、亜種になると皮膚や鱗が異常な程厚くなり、暑さに強い。さらにモンスター界随一の皮膚の伸縮性で、膨らんだり、氷を纏ったりと様々な姿になる。
    「セキト、行くぜ」「うん」頷きあうと、レイとセキトは一気に飛び出した。
  9. 9 : : 2017/02/21(火) 18:25:37
    「うおおおおおおおおおお!!!」レイは雄叫びを上げながらザボアザギル亜種に突っ込んだ。その声に反応したザボアザギル亜種な振り返ると同時にコウリュウノツガイで頭部を斬り裂いた。セキトも遅れながらスラッシュアックスを前脚に叩きつけた。セキトの武器は冥海剣斧エンシード。ラギアクルス希少種の重殻と厚麟をベースにした黒いスラッシュアックスで、内蔵された電気エネルギーが雷属性に弱いモンスターに対して絶大な効果を上げていた。
    グオオオオオオオオオーーーーーーーッ!!!
    先手を取られたザボアザギル亜種は口を信じられない程開けて吼えた。
    「ぐっ!」至近距離で咆哮を聞いたレイとセキトは耳を塞いで立ち止まった。ザボアザギル亜種は動きが止まったセキトに向かって前脚で引っ掻いた。「うわっ!?」セキトは尻もちをつくが、狩りは一瞬の油断が命取りとハンター育成教室で何度も叩き込まれてきたので、セキトは素早く後転するとエンシードを構える。
    レイはコウリュウノツガイでザボアザギル亜種の後ろ脚を切り続ける。強烈な火属性のコウリュウノツガイは斬りつけると同時に炎が吹き上がる。「ふっ!!」セキトはエンシードをザボアザギル亜種の顎下からカチ上げた。そのまま振り回しに移行する。1撃、2撃、3撃、4撃。重い一撃が頭部に一寸の狂いもなく命中していく度に青い雷エネルギーが放出されていく。5撃、6撃、7撃、8撃。8撃目を浴びせると同時に遠心力を使って駒のように回り、そのまま斧モードから剣モードに切り替えた。スラッシュアックスはリーチが長い斧モードと攻撃力が高い剣モードに切り替えることができ、いつもは斧モードなのだ。セキトは手を緩めずに剣モードのエンシードでザボアザギル亜種を斬り裂いた。
    レイはコウリュウノツガイを空に掲げた。「ふうっ……」限界まで脱力し、集中力を高める。「はっ!!!」気合いの声を上げると真紅のオーラがコウリュウノツガイに纏わされる。これは双剣使いの最終奥義とも言える鬼人化だ。この状態は歩くだけでもスタミナを消費する為、強走薬などのスタミナ消費を抑えるアイテムが必須なのだが、レイは日々の走り込みによって培った驚異的なスタミナのおかげで長時間の鬼人化が可能になった。「ぜあ!!」レイは渾身の力でコウリュウノツガイをザボアザギル亜種の後ろ脚に斬りつけた。鬼人化する前もかなりの速度の斬撃だが、鬼人化により更に加速した斬撃は目では捉えられない。
    グオオオッ!!!
    ザボアザギル亜種は苦痛の声を上げた。その時。
    「はあああああ!」ハルナが駆け寄ってきた。そのまま大剣を構えて力を溜める。ザボアザギル亜種が引っ掻くよりも早くハルナの溜め3斬撃が前脚に叩き込まれた。
  10. 10 : : 2017/02/21(火) 20:27:39
    前脚に痛烈な一撃を受けたザボアザギル亜種は横に激しく転がった。「今だ、たたみかけろ!!」レイが叫ぶとセキト達は一斉に斬りかかった。セキトは属性解放突きを繰り出した。「うおおおおおおおおお!!」雷エネルギーが突きと共にザボアザギル亜種に撃ち込まれていく。そのまま属性解放突きフィニッシュを決めた。反動でセキトは大きくバランスを崩すが、なんとか持ちこたえた。ハルナは大剣をザボアザギル亜種の背びれに叩きつける。ハルナの武器はブリュンヒルデと呼ばれる大剣で、桜火竜リオレイア亜種の素材をベースにした大剣で、猛毒が染み込ませてある為、斬撃を放つと毒が噴出する仕組みになっている。ハルナはモンスターを状態異常にさせて狩るのが得意なのでブリュンヒルデが一番気に入っているのだ。
    溜め3斬撃から強薙ぎ払いを決めた。ザボアザギル亜種は何とか起き上がると怒りの咆哮を上げた。
    グオオオオオオーーーーーーーーーッ!!!!
    さっきよりも大きな咆哮に、レイはバランスを崩した。するとザボアザギル亜種は風船のように膨れあがった。そのままゴム鞠のように弾んで空へと消えた。「何!?」一番驚いたのはセキトだった。するとレイの周りにだった丸い影ができる。「おい、冗談じゃねぇぞ!!」レイは横っ飛びに緊急回避した。回避した瞬間真横で地響きがした。ザボアザギル亜種が隕石の様に落ちてきたのだ。するとザボアザギル亜種は口から黄色みがかった液体を吐き出した。「うわっ!!」セキトはギリギリで回避しだが、ブリュンヒルデを構えていたハルナは液体の直撃を浴びた。「ああっ……!?」ハルナは膝から地面に倒れた。「消化液か!?」「違う、麻痺液だ!!」レイは思わず叫んでいた。「ぼくが奴の気を逸らす、レイはハルナを!!」「分かった!」レイはコウリュウノツガイを収めてハルナへと駆け寄った。
    「僕が相手だ、ザボアザギル亜種!!」セキトが叫ぶとザボアザギル亜種も向かって来た。
  11. 11 : : 2017/02/21(火) 22:05:47
    セキトはエンシードをザボアザギル亜種の脇腹に叩きつけた。さらに縦斬りから横斬りに続ける。だが、ザボアザギル亜種も煩わしく感じたのか、再び膨らむ。だが今度は弾まずに転がって来た。「うおおっ!!」セキトはエンシードを収めて緊急回避した。
    「ハルナ!」レイはハルナを蹴りとばした。手荒い措置だが、これが最も気絶や昏倒状態に効果がある方法なのだ。「れ、レイ」「大丈夫か?」「ええ、油断してたわ」「飲め」レイは回復薬グレートを差し出した。「いいわよ、レイの分が無くなるわ」「安心しろ、俺は予備がある」「…今回は珍しく用意周到なのね」「…今回は?」レイは思わず睨んだ。ハルナはレイの回復薬グレートゆ蓋を開けて一気に飲み干した。「どうする?まだ戦うか?」「当たり前じゃない、でなきゃ私が暴走するわよ」「おお、怖」レイは思わず苦笑いを浮かべた。「おら、行くぜ」「ええ」ハルナとレイはセキト飲み干した援護へと向かった。
    その頃、王立書士隊とハンターズギルドが緊急会議をしていた。
    「これで7件目か…」「はい、今回の被害は甚大です、火薬と燃料合わせて300トンの火薬が忽然と消えました」「一体何が起きているのだ、一晩で300トンも消えるなんて人間の仕業とは思えんぞ」「では人間ではなけれ一体何者の仕業なのだ?火薬を食うモンスターなどがいるとでも言うのか?」「そ、それは…」若い隊員が顔を曇らせた。「ふん、もっと説得力のある話を考えろ」「いますよ」「何?」「火薬を常食にするモンスターは数十年前ですが、古文書に記録が残されています」「どれだ?」「これです、「黒き雨が降る時、世界は業火に包まれる、世界を一晩で焼き尽くす事が出来る龍の名は巨戟龍ゴグマジオス、世界を滅ぼす煉獄の災厄なり」「ゴグマジオス…!?」「巨戟龍が生きているのか!?」「分かりません、でも…可能性は否定出来ません」「…全ハンターズギルドに腕の立つハンターを緊急招集させろ、レイさんとセキトさん、ハルナさんも呼べ」「はい」「それと、つい最近天空山にリオレイアが現れたという情報が」「そんなものは後だ、とにかく急げ」「はっ!!」こうして、災厄に対抗するためのドンドルマ防衛作戦が始まった。
  12. 12 : : 2017/02/21(火) 22:12:46
    めっちゃ間違えてます。いとこに投稿させられました。ごめんなさいm(_ _)m
  13. 13 : : 2017/02/21(火) 22:18:38
    2章・消えたレイ
  14. 14 : : 2017/02/22(水) 20:21:32
    マズイ事になりました。
    インフル、インフルに発症してしまいました。
    しばらくお休みさせて頂きます。
    Twitter見てツイートお願いします。
  15. 15 : : 2017/02/22(水) 21:20:23
    読んでる友達から文句が来たので命を懸けて書きます。
  16. 16 : : 2017/02/23(木) 22:02:08
    数日後、セキトの耳にとんでもない情報が入った。「レイが消えた!?」「はい、今は王立書士隊が勢力を上げて捜索しているのですが…その天空山、実は……」「実は何だ?」珍しくセキトが受付嬢を睨んだ。「その天空山、数日前から立ち入り禁止になっていたんです」「何?」「理由は分かりませんが…王立書士隊なら「貪食の恐王」が現れたそうです」「貪食の恐王…?」「恐らく…恐暴竜イビルジョーだと思われます」「今すぐ僕を天空山に行かせてくれ!!」「ええ!?」「レイはモンスターの中で獣竜種が一番苦手なんだ!!」「で、でも…」受付嬢は慌ててギルドの中へと走って行った。
  17. 17 : : 2017/02/23(木) 22:12:40
    その頃、とある洞窟の中では。
    「起きろぉ!!」「痛え!?」レイを起こしたのは轟竜ティガレックスだった。ティガレックスはそのままレイの腕に噛み付く。「おいバカ、痛え痛え!!」「うるせーな、黙って噛ませろ」ティガレックスは牙が刺さらない程度の強さでレイの腕を噛み続けた。
    「レイ、起きてたのか?」「起こされただけだ!」レイが怒鳴り返したのは迅竜ナルガクルガ。「ああ…楽しかった」ティガレックスは満足そうに舌舐めずりをした。「明日はオレとプロレス屋」「死ぬわ!」レイはティガレックスにツッコミを入れた。「ああ…どうしてこうなっちまったんだ…」なぜレイが彼らといるのか、それはある事件があったのだ。
  18. 18 : : 2017/02/25(土) 11:08:44
    遡る事3日前、レイは天空山に来ていた。
    「そらっ」グレートピッケルを振るうと、エメラルド色の鉱石が転がり出てきた。「フルクライト鉱石か…」フルクライト鉱石は、天に近い山で採掘できる希少な鉱石で、別名星崩石と呼ばれ、加工は極めて難しいが、凡用性が高いので防具の強化に必要な重鎧玉の調合材料にもなる。また、観覧用になる事もあるという。「これじゃねぇんだよな…」もう一度グレートピッケルを振り下ろすと、淡い水色の石が出てきた。「おおっ、ピュアクリスタル!!やっと出たぜ!!」ピュアクリスタルはライトクリスタル、ノヴァクリスタルよりも純度が高く、貴重な防具の強化材料だ。「これが出たって事は…」レイは渾身の力を込めてグレートピッケルを振るった。ガツンという手応えと共に紫色の鉱石が出てきた。「出た!!これで3つ目だ!!」レイは慎重に紫色の鉱石を拾い上げた。これはコスモライト鉱石で、別名極光石。別の金属に添加させる事で、合金化させて硬度を大幅に上げることができる希少な鉱石だ。ピュアクリスタル並みの価値があり、上位モンスターの素材程の値が付く事があるそうだ。
    「ピュアクリスタルにコスモライトも出たからもういいか」レイが立ち上がった時だった。
    グオオオオオオオオオオッ!!!
    「あ!?」振り返ると真後ろに地響きと共に雌火竜リオレイアが落ちてきた。「うおおっ!?何でリオレイアが………!!?」レイは依頼書を思い出した。
    採取ツアーの大半は狩猟環境不安定で、「別のモンスターが乱入する事がある」という事を警告している意味なのだ。レイはその事をすっかり忘れていた。
    「くそっ、やるしかねぇか!!」レイは漠喰いキロネクスを構えた。これは先日捕獲したザボアザギル亜種の素材を使った双剣で、切れ味鋭く、麻痺状態にする事が出来る有能な双剣だった。「……ん?」レイはリオレイアの違和感を覚えた。
    オオオ…オオ………!!
    リオレイアの身体はボロボロだったのだ。
  19. 19 : : 2017/02/25(土) 11:23:23
    「何でこんなにダメージ受けたんだ!?」レイはとっさに「夫婦喧嘩で負けたのか」「別のハンターと戦ったのか」「自殺を試みたのか」の3つの事が思い浮かんだ。
    「んな訳ねぇだろ、消えろ消えろ!!」レイは慌てて頭をブンブンと振った。もう一度リオレイアを見るとかなり弱っているのか、翼が痙攣していた。「だ…大丈夫…か?」レイは一応キロネクスを構えたままリオレイアに慎重に歩み寄る。「って、言葉通じる訳ねぇか」レイはキロネクスを背中に収めて距離を取った。「………」レイはそのままリオレイアを無視してエリア5からエリア1に向かった。
    エリア1に出るとレイは溜め込んでいた空気を吐き出した。「何なんだよあのリオレイア、バカなのかな?」レイはそのまま拠点に戻ろうとした時だった。
    オオオオオオ………オオオ……!!
    またリオレイアのうめき声が聞こえてきた。「…ちっ、分かったよ!」レイは急いでエリア5に戻って行った。
  20. 20 : : 2017/02/25(土) 11:45:32
    エリア5に戻るとやはりリオレイアが倒れていた。「助けた方がいいのか…?」だが、レイはドンドルマを代表するG級ハンター。モンスターを助けるG級ハンターなど聞いた事が無い。「…こいつも俺と同じ命を持つ奴だ、見殺しにしてたまるかよ……!!」レイはプライドを捨ててリオレイアに近寄った。さらに敵ではないという事を表すため、キロネクスを地面に刺して両腕を上げてリオレイアに近寄る。
    近寄って改めてリオレイアは重症だという事が分かった。額と口からは血が出ており、脚は深く抉れていた。「大人しくしてろよ、別にお前を殺すつもりは無いからよ」レイはリオレイアに言い聞かせながら軽く頭に触れた。
    「グルルルル……!!」リオレイアは牙を剥いてレイを睨んだ。「警戒すんなよ、俺は敵じゃねぇから」レイは言い聞かせるかのようにリオレイアの頭を軽く叩いた。が。
    「グオオオオッ!!!」リオレイアが突然猛毒を分泌する棘が生えた尻尾を振り回したのだ。「うおっ!!」レイは慌てて屈んだが、右肩に毒針がヒットした。「ぐあああ!!!レイはたまらず後方に吹き飛ばされた。「ぐ…う…!!」毒が傷口から浸透し、激痛が走る。レイは採取ツアーだったため、解毒薬は持ってきていない。このままでは毒に侵されて死に至るだろう。「り、リオレイア…!!」レイは震える手で黄色みがかった液体を抵抗するリオレイアの口の隙間に流し込んだ。「さっき調合した秘薬だ、効くかは…知らねぇ…けど…!」レイはそこで意識を失った。
  21. 21 : : 2017/02/25(土) 12:04:13
    (注)ここからはリオレイアの言葉に変わります。
    数時間後、リオレイアは目を覚ました。
    「こ、ここ…は?」リオレイアは周りを見渡すと、そこは夕日に照らされた天空山だった。
    「私…確かセルレギオスに襲われて…」リオレイアがふと横を見ると人間が倒れていた。「に、人間!!」リオレイアは慌てて立ち上がると同時にある事に気が付いた。「傷が…無い?」額の傷口は塞がり、抉れた脚は完璧に完治していた。「もしかして…私を助けた?」リオレイアは恐る恐るレイの匂いを嗅いだ。
    「は…花の匂い…?」リオレイアにとって洗剤の香りは初体験の為、驚きだった。「人間ってこんなに匂いするんだ…」リオレイアが呟いた時だった。
    ギュイイイイイーーーーーーー!!!!
    「まだ追ってくるの!?いい加減にして!!」リオレイアは慌てて飛び立とうとした時だった。
    「ううっ……ぐ………!!」
    レイが呻いた。「まだ生きてる!?」リオレイアは思わず身構えたが、レイは右肩を抑えている。「私の毒が…」リオレイアは苦渋の決断でレイを咥えると、飛び立った。
  22. 22 : : 2017/02/25(土) 12:23:39
    数時間飛ぶと大きな島が見えてきた。リオレイアはそのままとある洞窟の前に降り立った。
    「おう、遅ぇぞレイア!!」「確かに遅かったな、何してたんだ?」そこにはティガレックスとナルガクルガがいた。「ご、ごめんなさい、ちょっと訳ありで」「で、獲物は?」「……あ」「テメェふざけてんのか!?」ティガレックスは怒鳴り散らした。「お前オレ達がどんだけ腹減ってるか分かってんのか!?」「ご、ごめんなさい…」「お前明日こそ獲物捕まえなかったらテメェを食うからな」「まあ落ち着けロイ、それより…」ナルガクルガは赤い目でリオレイアを見た。「…お前何か隠してるな?」「えっ?な、何を?」「口を開けろ」「え?な、何も隠してないわよ」「あ!?こいつ口の中に何か隠してんのか!?」「ああ、少し膨らんでる」「な、何も隠してないって」「吐けよオラ!!」「きゃっ!?」ティガレックスに首を殴られたリオレイアは叫ぶと同時に唾液に塗れたレイがリオレイアの口から吐き出された。「人間…!!」ナルガクルガとティガレックスは牙を剥いてレイに飛びかかろうとした時だった。
    「やめて!!」リオレイアがレイの前に立ちはだかった。「どけレイア、そいつは人間だぞ!!」「オレ達は人間に殺されかけてるんだぞ、そいつもオレらを殺すに決まってるだろ!!」「この人は私を助けてくれたのよ!!」リオレイアが遂に言い返した。
  23. 23 : : 2017/02/25(土) 12:46:13
    「な…!?」「何だと?」「私が遅れた理由はセルレギオスに襲われたからよ、死にかけていた私をこの人は助けてくれたのよ!!」「どういう事だ?」ナルガクルガが尋ねるとレイがまた呻いた。
    「とにかくこの人を助けなきゃ、手伝って」「ああ?何でオレらがこいつを助けなきゃならねぇんだ?」「私はこの人に助けられた、今度は私が助けなきゃ」「分かった、レイア、終わったら事情を説明しろよ」「ええ」「ロイ、お前も手伝え」「ああ!?何で俺が?」「いいから手伝え」「ちっ、分かったよ」ナルガクルガの眼光に押されてティガレックスは渋々手伝い始めた。
    次の日、レイは目を覚ました。
    「おっ、起きたなお前っ!!」「おあ!?何でティガレックスが居るんだ!!?」ティガレックスはレイを前脚で押さえ込む。「ぐあっ!?な、何すんだ!!」「いいか、オレは今めっちゃ腹減ってるんだ…ってお前…」「な、何で俺…」「「言葉話せるんだ?」」
  24. 24 : : 2017/02/25(土) 12:47:50
    3章・恐怖の飛竜共同生活
  25. 25 : : 2017/02/25(土) 17:22:14
    「……………?」「……………?」レイとティガレックスの間に沈黙が流れた。「まぁんな事どうでもいい、んじゃ、遠慮なく食わせてもらうぜ」ティガレックスの口が開き、蠢く肉壁と巨大な舌が姿を見せる。「ま、待てよ、早まるな!」「別に早まってねーよ」ティガレックスは容赦なく口を限界まで開ける。「噛み砕くか、生きたまま丸呑みか、2択のチャンスをやる」「どっちも死ぬ運命じゃねーか!!」「じゃあオレの好きにしていいって意味だな?じゃあ一番好きな丸呑み2択してやるよ!」「よ、よせ!!」「こ・と・わ・る」ティガレックスがレイの頭に食らいつこうとした時。
    「ストップ」低い声が洞窟の中に響いた。「ロイ、そいつを食うのは事情を聞いてからって言ったよな?」「な、ナルガクルガまで…!?」レイは言葉を失った。防具も無い状態で、G級のモンスターが目の前に2頭もいるのだ。普通だったら大パニックに陥っているだろうが、レイは何故か不思議に落ち着いていた。「…なぁ、人間」「ひ、ひっ…!!」レイは思わず小さな悲鳴を上げた。「私はお前を何処かの暴食バカみたいに食うつもりはない」「誰の事だ?」ティガレックスがナルガクルガを睨んだが、ナルガクルガは気にせずに続けた。「何故レイアを助けた?」「何でって…」レイは言葉に詰まった。
  26. 26 : : 2017/02/25(土) 19:30:51
    レイはナルガクルガと話していた。「だって目の前に瀕死のモンスターが落ちてきたんだぞ、そりゃあ…ハンターだから討伐しようと思ったけど…俺はあまりモンスターを殺すのは好きじゃねぇんだ」「それでレイアを助けたって訳か」「そ、そうだ」「………」「………」ナルガクルガとティガレックスハンター顔を見合わせたてレイを見た。(こ、怖っ、めっちゃ睨まれてる…)「わ、悪かった…のか?」「………プッ」ティガレックス達は吹き出した。「ヒャハハハハ!!気に入ったぜお前!!」「驚いたな、そんな感情を持つ人間がいるとは…」「ど、どういう事だ?」「お前、オレ達と生活しようぜ!!」「はぁ!?」「そうすりゃオレもいい暇つぶしの相手にもなるし非常食にもなるしな、な、シェイド!!」「そうだな、レイアも喜ぶだろうし」「れ…レイア?」
    「私の事?」振り返るとそこにはリオレイアがいた。「お前、あの時の…?」「ええ、あなたが助けてくれなかったら私はセルレギオスに殺されていたわ」「セルレギオスってだからお前あんな傷があったのか」「ええ、それとごめんなさい」「え?」「私の毒であなたも死にかけたのよ、それでここまで運んでげどく草を絞った汁を飲ませたのよ、効いてよかったわ」「それはこっちのセリフさ」レイはふとある事を思い出した。
    「お前ら名前は?」「そうだ、自己紹介まだだったな、オレはティガレックスのロイ、名前間違えたら殺す」「私はナルガクルガのシェイドだ、よろしく」「私はリオレイアのレイア、よろしくね」「俺はレイ、よろしく」レイ達は自己紹介をした。「待て待て、何でレイアは分かりやすいのにお前らはそんな名前なんだ?」「知らん」ロイとシェイドは即答した。
  27. 27 : : 2017/02/26(日) 10:51:32
    その頃、セキトは1人で天空山に来ていた。
    「レイ!!返事しろ!!」叫ぶが、帰って来たのはセキトの反響した声だけだった。背負っている武器はスラッシュアックスの海王斧ナバルディード。伝説の古龍、ナバルデウスの素材を使ったスラッシュアックスで会心率の高さ、攻撃力、強烈な水属性が気に入っているセキトの相棒と言える武器だ。
    「どうなってるんだ……?」天空山は不気味なほど静まり返っており、普段はたくさんいるアプトノスは一頭もいなかった。まるで巨大な何かに監視されているかのような感覚にセキトは呑まれていた。すると、見覚えのあるあれが落ちていた。
    「レイの…ポーチ…」今まで嫌という程見て来たレイのポーチが落ちていたのだ。慌てて中身を見るとフルクライト鉱石、ピュアクリスタル、コスモライト鉱石が入っていた。「エリア5で採掘してたのか…」その時。
    グオッグオッ!!
    「!?」振り返るとそこには赤い体のモンスターがいた。「イーオスか」セキトは海王斧ナバルディードを構えた。イーオスは火山や湿地帯に生息する赤い鱗を鳥竜種のモンスターで、体内で毒を作り出す器官があり、毒を吐きかけて獲物を捕らえる。「悪いけど今は邪魔をしてほしいタイミングじゃないんだ」セキトはナバルディードを一頭に叩きつけた。研ぎ澄まされた刃が易々とイーオスの体に食い込んでいく。飛びかかって来たイーオスの腹にカチ上げたナバルディードの斧刃が深々と突き刺さる。そのまま振り回しに繋げ、怯んだ3頭を見るとセキトは素早く剣モードに切り替えたと同時に奴が来た。
    グオッグオッ、グオッ!!
    イーオスより一回り体が大きく、頭部にはトサカのようなものが生えている。「ドスイーオスか」セキトは歯を食いしばった。
  28. 28 : : 2017/02/26(日) 12:35:03
    セキトはナバルディードを構えたまま、ブラキウムヘルム越しにドスイーオスを睨んだ。「幻鳥竜玉は欲しいけど…レイを探しに来たんだ」セキトは自分に言い聞かせたが、ふとある事が浮かんだ。(このまま放っておいたら被害が出るし、自分も邪魔されてもおかしくはない…)セキトは覚悟を決めた。「…撃退しよう」呟くと同時にドスイーオスが走り寄って来た。「来い、ドスイーオス!」セキトは群がるイーオスを突っ切ってドスイーオスの側面を通ると同時にナバルディードを一閃させた。重い一撃にセキトの手が痺れたが、それは会心の一撃という事、セキトは怯まずにドスイーオスの脚に狙いを付けて攻撃を仕掛ける。上段斬りから横斬り、サイドステップで死角になる尻尾方面へと移動する。
    だが、G級のドスイーオスはそれで倒せる程甘くない。
    素早く方向転換するとゼロ距離で毒液を吐き出したのだ。「くっ…!」セキトはギリギリで避けたが、吐き出した毒液が気化し、ピリピリとした刺激臭が立ち込める。 「げっほげほ」短くむせるとセキトはナバルディードを握り直す。「せいっ!!」ナバルディードを叩きつけると水が噴き出す。水がドスイーオスを皮膚に触れるとすぐに吸収された。そのまま剣モードに切り替える。さらに攻撃力が上がったナバルディードをセキトは体の一部のように自由自在に振り回す。喉を切り裂くとドスイーオスは苦痛の声を上げた。「トドメだ!!」セキトは青いエネルギーを纏ったナバルディードをドスイーオスの脇腹に突き立てた。「うおおおおおおおお!!!」属性解放突きが一寸の狂いもなく命中していく。「いけええええええええ!!!!」ナバルディードの属性解放突きフィニッシュが炸裂すると同時に轟音が響き渡った。
  29. 29 : : 2017/02/26(日) 13:09:26
    「ふうっ…終わったか」セキトはナバルディードを背中に収めた。ドスイーオスは起き上がると足を引きずりながら巣穴に向かっていく。「当分来ないでくれよ」セキトが言った時だった。
    ギイイイイイイイイイイーーーーーー!!!!
    天空山に咆哮が轟いた。
    「何だ!?」セキトは慌てて岩陰に隠れて空を見る。すると、空から緑色の何かが飛んでくる。「あれは…確か…」
    電竜ライゼクス
    ライゼクスは右翼に電気を纏ってドスイーオスに突っ込んだ。凄まじい衝撃音が響き、砂埃が舞い上がる。「ううっ……!!」セキトは目を細めた。
    砂埃が晴れるとそこには倒れたドスイーオスの姿があった。ライゼクスはドスイーオスに歩み寄るとその体に喰らいついた。ブチブチと腕を食いちぎるとそのまま飲み込む。「ぐっ…!!」今まで様々なモンスターの捕食する所を目撃してきたが、これほど激しく食い散らかすモンスターは初めてだった。セキトは急いで口を押さえてエリア1へと逃げる。だが。
    グルルルル…………!!
    ライゼクスが振り向いたのだ。「マズイ…!!」セキトの体から最大の危険信号を発せられる。
    ギイイイイイイイイイイーーーーーー!!!!
    耳をつんざく咆哮に、セキトの動きが止まる。ライゼクスはそのままセキトに突っ込んで来た。「ぐあっ!!」痛烈な一撃にセキトは後方に吹き飛んだ。「くそっ!!」セキトはナバルディードを構えた。「ぜあ!!」ナバルディードを最小限の動きで振り下ろすが、それより速くライゼクスはセキトの頭上を飛び越えた。「こんな動きも出来るのか!?」ライゼクス討伐未経験のセキトにとってこれほど素早い飛竜種はナルガクルガしかいないと思っていたが、ライゼクスの動きは想像を遥かに超えていた。ライゼクスは血に染まった口から光弾を吐き出した。体内の電気を圧縮して電気の弾にして発射したのだ。
    「うああっ!!!」光弾の直撃を浴びたセキトは壁に激突した。さらにライゼクスは飛び上がって尻尾をセキトの肩に突き刺した。「うっ……!!?」体が麻痺して動かない。セキトは前のめりに倒れた。
    やら…れ…る……!!
    背中がへし折られたかなような激痛が走り、セキトの意識は消え去った。
  30. 30 : : 2017/02/26(日) 16:51:57
    飛竜共同生活4日目
    シェイドは朝になる前に起きた。寝ている間に喉が渇いたのだ。「まだ太陽出てないか…」洞窟の隅に流れる小川の水を飲んで再び眠ろうとした時だ。
    ブンッ…ブンッ…ブンッ……
    外から聞きなれない音が聞こえてくる。「……?」睡魔と戦いながらシェイドは出口に向かった。
    洞窟付近の森は寒く、昼間は25度前後だが、夜はマイナス近くまで下がる。生身の人間が生活したら環境の変化に耐えられずに病気になるだろう。「………!」そこには月明かりに照らされた葦を相手に見立てながらキロネクスを振るうレイがいた。「なるほど、音の正体はレイか…」シェイドは気配を殺してレイを観察し始めた。
    「ふっ…」レイはザボアザギル亜種の討伐からかなりの間狩りに出ていない。その為かなりキロネクスを操る腕は鈍っていた。素振りを兼ねてレイはある研究をしていた。「どうすれば最小限の動きで鬼人乱舞に移行出来るか」どうしてもレイは長年の癖で鬼人乱舞の前に無駄な小さいモーションが入ってしまうのだ。その為、鬼人化の奥義と言われる鬼人乱舞を発動する前にモンスターの反撃を受けてしまうのだ。
    「ふんっ!」レイは一気に踏み込むと、葦を根元付近から切り裂いた。そのまま右だけ斬り上げ、両腕を払って周りの葦を切断した。が。
    「ちっ…」レイはキロネクスを止めた。どうしても遅い。このわずかな隙がモンスターの攻撃を受けてしまうの種となっているのだ。「あー、セキトに教わっときゃ良かったな」元々レイの無駄なモーションに気付いたのはセキトだったのだ、セキトから何度か助言をもらっていたのだが、今はレイしかいない(隠れてシェイドも)。
    「ふっ…悩んでるな、私が助けてやるか」そう言うとシェイドは1発のトゲ弾を発射した。
    ドスッ!!「うおっ!?」目の前にある木の幹にトゲ弾が突き刺さり、反射的にレイは身構えた。「随分練習熱心だな」「何だシェイドか…」「お前何か悩んでるのか?」「え?」「お前の太刀筋さ、遠目から見ていても分かるくらい迷いが含まれてる、3年前とは大分腕が落ちたんじゃないか?」「3年前…?」「覚えてないのか?渓流で私と闘ったろ?」「お前まさか…!!」「ああ、あの時のナルガクルガは私だ」「えええええええええ!!?」レイの声が島中に響いた。
  31. 31 : : 2017/02/26(日) 17:27:44
    「おまっ、お前あのナルガクルガなのか!?」「ああ、この傷はお前が付けた物だ」そう言って見せたのは翼刃に付いた十字の大きな傷だった。「それってあれだよな?俺の鬼人連斬の痕だよな?」「名前は知らんが確かにお前に付けられた傷さ、あの時のお前はかなり強かったな…」「ああ、G級ハンターになる為に一直線に突き進んでいた時だったから」レイは懐かしそうに空を見上げた。「ほら、帰るぞ、少しでも寝ないと朝のロイとプロレス出来ないぞ」「明日で俺は死ぬのか……」レイは肩を落としながら洞窟へと戻っていった。
  32. 32 : : 2017/02/26(日) 19:42:46
    「ふわぁ…ぁぁ…」レイはあくびをしながら起きた。「おっ、起きたな?」保温の為にレイを包んでいたシェイドが声をかけた。「あ、あれ?ロイの奴どこ行った?」「腹減ったからデカイアプトノス捕まえてくる」って出ていった」「何だ…」「ん?お前プロレスやられたかったのか?以外にドMだな」「ち、違うわ、安心してんだよ!」「ホントか?」そんな会話はまるで家族のような安心感があった。
    「おい、戻ったぞ!」声がした方にはロイとレイアがいた。「あっ、起きてんだねレイ」「ろ、ロイ、今日は…」「あ?今日はちと食い過ぎたからやらねぇ、吐いちまう」見るとロイの腹部はかなり膨らんでいた。「そんなに何食ったんだ?」「アプトノス5頭、ムーファ8頭、ジャギィ6頭…」「食い過ぎだろ」シェイドは冷静なツッコミを入れた。「それよりレイも食べる?お腹すいたでしょ?」「ま、まあな」この4日間レイは水しか口にしていない。体が強くなったのか、それとも空腹を感じないほど体がおかしくなってしまったのか、レイはわずかな恐怖を覚えた。「じゃあ子供だけどアプトノスあげるわ」そう言うとレイアは咥えていたアプトノスをレイに差し出した。「い、いや、俺達人間はお前らと違って生では食わないんだよ、ちゃんと火を通さないと細菌とか寄生虫が殺さないだろ?」「細菌?寄生虫?」レイアが首をかしげた。「とにかく火を付けてくれないか?」「ええ、いいわよ」レイアはそう言うと薪に火を吐いた。
  33. 33 : : 2017/02/26(日) 21:47:57
    4章・二つ名モンスター
  34. 34 : : 2017/02/26(日) 21:54:30
    レイはこんがり肉の食べ終わると立ち上がった。その顔は、不吉な顔をしていた。「どこに行くの?」「いや…なんか嫌な予感がするんだ」「嫌な予感?」「ああ、調査も兼ねてこの島の形状を理解しないといけないから」「なら私も行くわ、レイに何かあったら不安だもん」「おっ、新生カップル誕生か?」ロイの小さな声はレイアには届かなかった。
    その頃、島の海岸付近にヤツがいた。
    「へぇ…結構いい場所じゃねぇか…」ヤツは尻尾に食らいついた。
    ガリガリガリガリッ!!!
    その尻尾は黒く、巨大な「刀」となっていた。
    破壊の刀が、動き出す。
  35. 35 : : 2017/02/26(日) 22:07:03
    レイ達は森を散策していた。「そう言えばレイってどこに住んでたの?」「何処って…ドンドルマっていう街さ、まあモンスターはまず行けない場所だけどな」「そうなんだ、でも私もいつか行ってみたいなぁ」「ああ、いつかな」レイ達は笑顔を保ったまま進んだ。だがこの後、大切なレイの命を脅かす敵と出会うとはレイアは知らなかった。
    森を出ると、そこは開けた平地だった。「ここはよくアプトノスがいるのよ」「ホントか?」だが、ふと変な匂いが漂った。
    「何だ?鉄…の焼ける匂い…?」この匂いは武器屋の加工する場所で匂う物だ、つまり近くで何かを加工しているのだろうか?「何?この匂い…?」レイアは顔を歪ませた。更にレイの足元にある物が落ちていた。「何だ…これ?」それは黒くなった鱗のような物。まるで焼けた石のような色をしている。そっと触れた時だった。
    「熱っ!!」その鱗は今にも火がつきそうな程の高温だったのだ。「何それ?」「分からねぇ、熱いから触れるな」レイが言うと同時にヤツが姿を現した。
  36. 36 : : 2017/02/26(日) 22:26:32
    ガアアアアアアアアアーーーーーーー!!!!
    「「!?」」振り返るとそこには赤黒く、刺々しい重殻に包まれた獣竜種が闊歩していた。
    「斬竜……ディノバルド」レイは本能的にキロネクスを引き抜いた。「何あいつ、あんなの島にいなかったわよ!!」「レイア、下がってろ」
    「あ?何で人間がこの島にいるんだ?」ディノバルドがレイアに尋ねた。「あなた誰!?この島のモンスターじゃないわね!!?」「当たり前だろ、最近餌が少なくなっちまったからこの島に来たんだがここは餌が豊富でいいな、ついさっき海岸にいた「ロアルドロス」っていう奴食ってきたぜ、パサパサしてたけど…な」「あなた…ロアルドロスを食べたの!?」「おう、全然美味くなかったけどな」「許さない…!!」「待て」殺気立つレイアをレイが制した。
    「モンスターの世界は弱肉強食だ、弱い奴は強い奴に食われる、お前が朝仕留めてきたアプトノス達だって一緒だ、お前に食われたくなかっはずだ、でも俺達動物は食わないといけない、どんな奴も生きるために食ってるんだ」「レイ…」「ほう、モンスターと話せる人間か、面白いなお前」「ディノバルド、お前はただのディノバルドじゃねぇな、確か…「燼滅刃ディノバルド」だったか?」「フハハハ、人間界にも俺の名前が知れ渡っているとは、そうだ、俺は燼滅刃ディノバルドのゼロ、噂では聞いていたがお前はドンドルマのハンターのレイだな?」「……知ってるのか」「あたりめーだろ、俺のエサの「ザボア亜種」を殺した奴ってな」「何だと!?」「まあいい、食いモンの恨みは恐ろしいぜ!!」そう言うとディノバルドはいきなり噛み付いてきた。
    「おお!!」レイはキロネクスをディノバルドの顎に突き立てて受け止めた「くっ…」一瞬でも力を抜いたらディノバルドに噛み砕かれるだろう、その恐怖がレイに力を与えた。「はあっ!!」レイは左のキロネクスをディノバルドの頭部に斬りつけた。一瞬力が緩むとレイはバック転でディノバルドから距離を取った。
    「いい反応だ、ますます気に入ったぜ、お前、俺と組まねぇか?」ディノバルドがレイにとんでもない提案をした。
  37. 37 : : 2017/02/26(日) 22:52:05
    「何だと?」「俺と一緒に世界各地を回ろうぜ、俺は世界一強いモンスターになるのが夢だ、お前は世界一のモンスターの相棒になれるんだぜ、こんなにありがたい事は滅多に無ぇぜ」「レイ、惑わされちゃダメ!!」「うるせぇ奴だな、あいつから殺すか」ディノバルドが動いた時だった。
    「やめろ!!!」レイが怒鳴った。
    その声は、レイアでさえ凍りつかせた。「お前…結構声出るな」「レイアを殺すなら俺を殺してから行け、さもなくば俺がお前を殺す」レイの目は煌々と紅く光り、ナルガクルガの様になっていた。「レイ……!!」レイアは叫んだ。「私は気にしないで、暴走しちゃダメ!!」「黙ってろ」レイはディノバルドに向かって走り出した。
    「ハハハ、やっとやる気になったか!!」ディノバルドは刀となった尻尾をレイに叩きつけた。岩をも切断する尻尾が地面に触れると大地に1本の筋が出来た。「ああああああ!!!」レイはディノバルドに斬りかかった。「遅いなぁ」ディノバルドは炎が付いた牙でレイに食らいついてきた。炎が付いた牙がレイのクシャナXアームに突き刺さった。「ぐああっ、くそっ!!」」レイは苦痛の声を上げた。さらにディノバルドは刀と化した尻尾でレイを薙ぎ払った。頑丈なクシャナXメイルが軋み音を上げ、レイは吹っ飛ばされた。「おいおい、本気で来ないと俺に食われちまうぞ」「食われて…たまるか!!」レイはディノバルドを睨む。
    「フフフフ…よし決めた、テメェの頭から真っ二つにしてやる」ディノバルドは尻尾に食らいついた。
    ガリガリガリガリッ!!!
    尻尾は赤黒い何かに覆われ、凄まじい熱気を帯びる。危険という事は見るからに分かる。
    「砕け散れ」ディノバルドは尻尾をレイの斬りつけた。レイは尻尾を避けた。刹那………
  38. 38 : : 2017/02/27(月) 02:42:47
    その頃、ロイは毎朝日課としている日光浴をしていた。「うーん…やっぱ晴れはいいよな」すると
    ズッドオオオオオオオン……………
    遠くから轟音が聞こえた。「ん?何だ?」「ロイ!」シェイドもやって来た。「聞いたか?今の音」「いや聞こえねぇ訳無いだろ」「確かレイア達がいるはずだ」「めんどくせーな」ロイ達は渋々飛び立った。
    一方、レイVSディノバルドは
    ディノバルドは黒焦げになった大地を見て不敵な笑みを浮かべた。「フハハハ、どうだ、俺の破壊刀の威力は!!」「レイ!!」レイアはたまらず駆け出した。「レイ、レイ!!」必死で土を足で掻き分けると土に埋もれたレイの腕があった。「今…助けるから!」レイアは腕を咥えると一気に引きずり出した。「ガハッ…!!」レイは苦しそうにむせた。クシャナXシリーズは黒く焦げており、中のレイも無事ではなさそうだった。「レイ、大丈夫!?」「…安心…しろ」だが、ディノバルドは攻撃の手を緩めない。
    「どけ」「きゃっ!!」ディノバルドはレイを覗き込む。「どうだ?これ以上俺と戦わないで仲間になった方が身のためだぞ」「お前の…仲間になんて……死んでもなってたまるか!!!」レイは渾身の力でキロネクスを沸々と煮え滾るマグマの様なディノバルドの喉に突き立てた。
    ドォンッ!!!
    小さな爆発が起こったかの様な音が響いた。
    「げっ…お前…!!」ディノバルドの口からは黒煙が上がっている。「ディノバルドは…喉の溶鉱炉に似た器官…がある…そこに衝撃を与えれば…大爆破…する…!」レイはそこで倒れた。「ぐっ…今日は見逃してやる、だが今度は逃さねぇからな!」ディノバルドはそう言うと崖下へと消えていった。
    「レイ!!」レイアは急いでレイに駆け寄った。「心配…すんな…爆発に…巻き込まれた
    …だけ…」レイはそう言うと目を閉じた。「レイー!!」レイアの悲痛な叫び声が響き渡った。
  39. 39 : : 2017/02/27(月) 02:44:14
    5章・雷の後輩
  40. 40 : : 2017/02/27(月) 03:04:42
    その夜、レイアはレイを翼で包んで保温していた。「ぐぅっ…!」「レイ…どうしたの?」レイの顔は赤くなり、呼吸も荒い。舌先でレイの額を軽く舐めるとかなり熱かった。「凄い熱…」レイアは小川の水に舌をつけると冷やした。その舌でレイの額を舐めた。
    「レイア」「シェイド、今までどこいってたの?」「私の「後輩」を呼んできたんだ。明日には来るだろう」「後輩…?」「それよりどうだ?レイの様子は?」「凄い熱があるの、多分どこか骨折してるのかもしれないわ…」「明日私の知り合いが治してくれるかもしれない、だから明日は渓流に行くぞ」「渓流!?かなり距離あるわよ」「だから私の後輩を呼んだのだ、とにかく今日は私がレイを見るからもう寝ろ」「うん…ありがとう…」レイアはシェイドに代わって眠りについた。
  41. 41 : : 2017/02/27(月) 03:38:03
    次の日、AM8時。
    「来ないじゃない」「誰が来るんだよシェイド、オレすげー眠いんだけど…」「あいつ遅いな…後で説教だな」「本当に来るの?道間違えたとかあり得るわよ」「………」すると。
    「おーい、シェイド先輩!」「おっ、来たぞ」見る先には緑色の何かが飛んで来ている。「あいつは…」
    正体はライゼクスだった。「先輩、遅れてすいませんっス!」「お前遅すぎるぞ、何してた?」「何って決まってるっスよ」「何だ?」「……朝飯っス」「……頭出せ」
    ズドォン……!!!(テイルクラッシュ炸裂音)
    「さて、我々は急遽渓流に向かう事になったが…」「大丈夫か?」「…痛いっス(泣)」ライゼクスは腫れた頭を抑えた。「どれくらい時間かかる?ボルト」「ボルト?」「あっ、オレの事っス」「そういえば自己紹介してないな、オレはロイ、よろしく」「私はレイア、よろしくね」「レイア先輩にロイ先輩っスね、了解っス!」「おい、オレを先輩って呼ぶな」「分かりました、ロイ先輩!」「だから…」「?どうしたんスかロイ先輩?」「お前殺すぞ」「ボルト、時間は?」「あっ、そうっスね、早くて半日ぐらいっス」「早くて半日か…」「レイはボルト君に任せるわ」「って人間っスか!?何で人間がいるんスか!?」「まぁ…いろいろあってな」「んじゃら行きますか!」ボルトは両脚でレイをがっちり掴んだ。「ぐう…!!」「ん?何スかこいつ?痛そうですけど?」「丁寧に扱え、落としたらテイルクラッシュで済まないからな」「了解っス!!」ボルトは天空へと舞った。
  42. 42 : : 2017/02/27(月) 06:59:23
    その日の夕方、レイア達は渓流に到着した。
    「ここが…渓流」「いやー、久々っスね、渓流ってのも」「ここにお前の知り合いがいるのか?」「ああ、確かここら辺にいるはずだが…」シェイドは辺りを見渡した。「あのーこの人間もう離していいっスか?」「待って、私の背中に乗せて」ボルトはレイア背中にレイを乗せた。
    「オレ少し探して来ますよ、シェイド先輩の知り合いなら大体予想つきますし」そう言ったボルトが歩き出した時だった。
  43. 43 : : 2017/02/27(月) 19:00:47
    ズチャッ……………
    「え?」ボルトの足には白い泡のような液体が付着している。「あなた何それ、汚いわよ」「お前まさかそれ…」「ち、違うっスよ、何か…ヌルヌルするんですけど!!」「やっぱりそれ…」「だから違うっスよ!」ボルトが歩き出した瞬間、ボルトは派手に転倒した。「痛ってぇ!!」「やはりそうか、セナ、いるなら出てこい!!」シェイドは周りに向かって叫んだ。
    すると茂みが揺れた。「何だ!?」ロイが身構えるとそこには見慣れないモンスターがいた。
    「…シェイド」彼女は泡狐竜タマミツネ。「ようセナ、久しぶりだな、早速だがこの人間を治してくれないか?」「人間?何で人間なんかを?」「その人は私の大切な人なの、出来れば早めに治して欲しいんだけど…」セナはレイアが降ろしたレイを覗き込んだ。「…皮膚が極度の高温や低温によって起こる組織的損傷、通称火傷…」「な、なんスかこいつ?」「とにかく酷いダメージだからしばらくは局所治療になるわよ、それでもいい?」「きょ、局所治療?」「じゃあ後は私に任せて…」「ボルト、お前は残れ」「ええ!?何でですかシェイド先輩!!」「流石にセナだけに任せるのも失礼だからな、お前の能力があれば魚が捕まえられる」「…分かりましたよ」「…よろしく、ボルト君」「こ、こちらこそ…」いつもは陽気なボルトも礼儀正しいセナに調子が狂ったようだ。「じゃあ1週間後にまた来るぞ」「…分かった」「ボルト君も元気でね」「何で生き別れみたいになってるんスか?」「まあ気にすんな、レイが治ったら何かもって来てやるよ」レイア達はそう言うと夕日に照らされた空へと飛び立った。
  44. 44 : : 2017/02/28(火) 19:32:51
    「よし!」ボルトが声を上げるとセナが冷たい目で睨んだ。「あっ、すいませんっス…」「…何が?」「え?い、今…」「…別に、ボルト君が嫌いって訳じゃないから」「そ、そうっスか…///」ボルトは頰を赤らめた。「…ねぇ」「は、はいっ!?」「…ネンチャク草って知ってる?」「ネンチャク草ってあの白くてネバネバする草ですっスよね?知ってるっスよ」「…30本採ってきて」「さ、30本!?」「…いいから行ってきて、あとそんなオーバーリアクションしないで、私うるさい人嫌いなの」「嫌いじゃないって言ったのに…」ボルトは肩を落とした。「…川辺にいるから」「了解っス」ボルトは返事をすると渓流へと急いだ。
    「………」セナはレイを改めて見た。レイは肩から背中に向けて赤く火傷を負っており、呼吸も荒い。更に右足が紫色に腫れていた。「………」セナは前脚でレイの右足を軽く押した。「ぐああっ!!」レイは苦痛の声を上げた。「やっぱり折れてる…」セナは優しくレイを咥えると川辺へと向かった。
  45. 45 : : 2017/02/28(火) 20:29:24
    ボルトはその頃、渓流のエリア4に来ていた。「ネンチャク草なんてそう簡単に30本も見つかるかよ…やっぱシェイド先輩と一緒に帰るんだったな…」ボルトは文句を言いつつも、口には20本近くのネンチャク草が咥えられていた。「うう…苦」ボルトは苦さに耐えられずにネンチャク草を吐き出した。するとボルトの腹が盛大に鳴った。「やべ、腹減ったなぁ…そういや4日前のドスイーオスしか食ってねぇな、あの人間も食っておくべきだったな」ボルトはネンチャク草を足で掴むと夜空へと飛び立った。そのボルトをじっと見つめる影がいた………
    ウォォォォォォォーーーーーーーーン……!!
    渓流に遠吠えが響き渡った。
  46. 46 : : 2017/02/28(火) 20:42:20
    読んでるけど、とても面白いのに改行されていないので読みづらい。
    良ければ改行お願いします。
  47. 47 : : 2017/02/28(火) 20:57:01
    すんません、初心者のもんで。
    改行……ですか、了解っス!!
  48. 48 : : 2017/02/28(火) 20:58:19
    アドバイスの方はこのようにお願いします!!
    (自分まだ未登録っス)
  49. 49 : : 2017/02/28(火) 20:59:16
    ボルト君はクラスメイトから絶大な人気ですね。
    皆さんは誰が好みですか?
  50. 50 : : 2017/02/28(火) 21:15:57
    セナはその頃、渓流のエリア7にある大河の隅にいた。「………」ゆっくりレイを置くと海竜種特有の関節の柔らかさを活かして尻尾をレイの方に向けた。
    「……洗うわよ」セナは柔らかい毛が生えた尻尾でレイの体を洗い始めた。
    「うっ……ぐあ…」「…喋れる?」「…こ…ここ…は…?うっ!」「まだ動かない方が身のためよ、火傷が重すぎるから」「そうか…ってお前タマミツネ!?」「うるさい…」「しかもここ…渓流だよな?」「…ええ、あなた名前は?」「俺はレイだ、お前は?」「…セナ」「セナ…か、よろしくな」「…こちらこそ」「そう言えばレイア達はいないのか?」「…あの人達なら帰ったわよ、5時間前に」「5時間前!?ていうかお前レイア達とどういう関係なんだ?」「…私達は…」
    人間を恨んでいるモンスター達よ
  51. 51 : : 2017/02/28(火) 21:32:04
    その頃、ユクモ村では
    「ううっ……?」「セキト君、まだ動かないで」「は、ハルナ?」「あなた4日間寝込んでたのよ、水飲む?」「うん、頼む…」ハルナはコップに水を注いでセキトに渡した。「僕は…一体何が…?」「書士隊が天空山のエリア5で倒れていたセキト君を運んでくれたのよ、その近くには惨殺されたドスイーオスが居たって聞いてるし…何があったの?」「…ライゼクスがいた」「ライゼクスって…あの電竜!?」「ああ、ドスイーオスを捕食して僕に襲いかかったんだ、本当に殺されたかと思ったよ」「動かないで、両足の骨が完全に折れてるから」「両足?」セキトの顔が強張った。
    セキトは水を一気に飲み干した。すると病室の隅にあるブラキウムシリーズが目に入った。そのブラキウムメイルは大きな亀裂が入っていた。
    「もしかしてブラキウムメイル…」「…言いにくいんだけど…壊れたの」「……!!」「加工屋さんが言うには「不滅の炉心殻」が足りないらしいの、だから私が臨界ブラキディオスの討伐に行こうと思ったんだけど…臨界ブラキディオスの依頼はもう無いらしいの」「…そうか」「気を悪くしないで、代わりに混沌に…」
    「僕に考えがある」「え?」
    「大和・真シリーズが作れる」「それって…」「それと、「業物・九十九牙丸」を解禁する」それは、セキトにとって苦渋の決断だった。
  52. 52 : : 2017/02/28(火) 21:37:47
    6章・背反する双逆鱗
  53. 53 : : 2017/03/01(水) 00:12:26
    「な、何だって?」レイはセナに聞き返した。「私達は人間に殺されかけた記憶があるモンスターが集まった集団なの、最初はシェイドと私だけだったけどレイアさんにロイさん、ボルト君も入ってるとは知らなかった」
    「ボルト?ボルトって誰だ?」
    「オレの事っス!!」振り返るとそこにはたっぷりネンチャク草を咥えたライゼクスがいた。「ライゼクス!?お前も喋れんのか!?」「それはこっちの台詞っスよ」「それより採ってきましたよ、ネンチャク草」「ありがとう、じゃあ早速始めるわよ」そう言うとセナは爪でネンチャク草を揉み潰し始める。
    「何してんスか?」「ネンチャク草はその名の通り強力な粘着成分があるわ、しかもカルシウムを豊富に含まれてる…」「ま、まさかお前…」「ちょっと痛いけど我慢してね」
    その夜、渓流に青年の絶叫が轟いた。
  54. 54 : : 2017/03/01(水) 17:49:04
    亜種系のモンスターは出ますか?
    出来ればレウス希少種書いてください
  55. 55 : : 2017/03/01(水) 17:50:47
    希少種っスか……
    亜種は複数出す予定ですね
  56. 56 : : 2017/03/01(水) 22:25:11
    そして、レイア達は眠れぬ日々を過ごしていた。
    「…………」「…………」「…………」何とも言えない沈黙が続く。
    「だーっ、オラ、元気出せ!!」ロイが叱咤するかのように叫んだ。「いくらレイが死にかけてるからって沈黙は無いぜ、オレは静かな場所が嫌いなんだよ」「……すまない、あの時私がレイを止めていれば、奴と戦わなくても済んだはずだ」「シェイドのせいじゃないわ、レイを守れなかった私の責任……」
    「………」「 ………」「………」ピキッ
    「お前らオレに嫌がらせしてんのか!?」ロイの怒声が響き渡った。
    その頃、島の北西の山間部では。
    バリッ…バリッ…グジュグジュ……
    身の毛もよだつ音が響いていた。音の正体は、アプトノスを貪るディノバルドだった。「ふぃ〜食った食った」ディノバルドは血に染まった牙で尻尾の刀を噛み研いだ。
    「ちっ、痛てぇな…」ディノバルドは顔を歪ませた。レイによって爆破させた喉が未だに痛むのだ。ディノバルドの人生の相手でもレイは古龍並みの強さを持っていると改めて痛感した。だが、何故それほどの実力を持っている人間があのリオレイアを助けたのだろうか?
    様々な疑問が次々に湧き上がってくる。
    「……ふぅ」ディノバルドは考えるのをやめた。食べた獲物を消化するのに専念することにした。
  57. 57 : : 2017/03/01(水) 22:37:42
    その頃、天空山では
    「おい、早く逃げろ!!」

    「どうなってんだ、こいつ!!?」

    「大至急援軍を呼べ!!」

    グオオオオオーーーーーーー!!!!

    「ぎゃああああああああ!!!」

    「た、隊長!!」

    「こ、こんなモンスターが…この世に存在するのか……!?」

    「ご…ゴア・マガラと…シャガル・マガラが…混ざってる……!!?」












    その古龍は、光を喰らい、闇を食らう、脱皮不全に陥ったこの個体は、シャガル・マガラの力に侵されつつあるが、それでいてゴア・マガラの力を宿す。左目は空洞になり、視力の有無は不明。だが、ただ一つ言えるのは
    このモンスターは
    この世に生きとし生けるものとは決して相容れぬ存在という事だ。
  58. 58 : : 2017/03/01(水) 23:24:44
    「お帰りなさいセキトさん!」セキトは沼地に現れた灯竜魚チャナガブルの討伐に向かい、見事に達成して帰ってきたのだ。その肩には珍しい素材、高級提灯玉が担がれていた。
    「3500ゼニーです、討伐おめでとうございます」「ああ、ありがとう」「そう言えばセキトさんがスラッシュアックスじゃなくて太刀だなんて初めて見ました」「…うん、僕はあまり太刀を使わないからね」「え?」「じゃあこれで」そういうとセキトは集会所を後にした。
    セキトが太刀を使うのを躊躇するのにはある理由があった。
    それは、今から5年前の事だ。
  59. 59 : : 2017/03/02(木) 07:30:19
    セキト君カッコ良すぎです!!
  60. 60 : : 2017/03/02(木) 19:43:07
    セキトは僕の友達と同じ性格です。
  61. 61 : : 2017/03/02(木) 21:19:38
    「なぁ聞いたか?」「ああ、またヒュームの息子が活躍したんだろ?」「スゲェよな、たった1人でリオレウス亜種を討伐しちまうなんて」「しかもノーダメージらしいぜ」「ふん、ガキのくせに調子に乗りやがって…」そんな囁き声が聞こえてくる。
    そんな声を聞きながらも1人の少年が太刀の一種、鉄刀をひたすら振っていた。
    彼が5年前のセキトだ。実績もあり、かつてイビルジョーとブラキディオスの討伐をたった1人でこなした経験がある。その為、世界各地のハンターズギルドや王立書士隊などからオファーが来たというが、セキトはすべて断っていた。その理由は













    セキトは両親を自らの手で殺したからだ。










    どうしても周りの人間と会話出来ない。心の闇に呑まれたセキトは孤独を貫き、結果だけを求めていた。
  62. 62 : : 2017/03/02(木) 22:14:04
    ペダニウムランチャー、発射っ!!!
  63. 63 : : 2017/03/03(金) 17:42:39
    大怪獣バトルですか?
    僕も大好きでした。
  64. 64 : : 2017/03/04(土) 18:04:30
    そんな暗いセキトに、彼がやって来た。
    「なあ」「……?」「お前がセキトか」「……何?」「お前さ、俺とコンビを組まないか?」「は?」
    セキトは困惑した。突然現れて急に何を言いだすんだコイツは?
    「何で僕なんかに頼んだんだ?僕以外にも腕のあるハンターは沢山いるのに」「お前の剣術さ」「……え?」「お前ほどの速度で太刀を振り回せる奴はそういない、しかも獣竜種が得意なんて俺には最適な奴と思ってな」「………」「どうだ?なってくれるか?」「…考えておくよ」セキトはそう言うと家へと帰って行った。
    セキトは誰もいない家で考えていた。
    今まで誰も声を掛けることが無かったのにあの人は話しかけてくれた。これは千載一遇のチャンスかもしれない。
    「僕が…仲間になれるのか?」
  65. 65 : : 2017/03/09(木) 20:35:40
    次の日の朝、セキトはレイの家の前にやって来た。「何て声かければいいんだろ……?」セキトは覚悟を決めてチャイムを押した。が。
    「……………」「……留守…かな?」セキトは顔をしかめた。「何だ、来た意味なかったじゃん…」その時だった。
    「誰ですニャ?」玄関を開けてオトモアイルーが出て来た。「き、君は?」「僕はレイのオトモの「ミライ」ですニャ」「ミライか、僕はセキト、レイに誘われて来たんだけど」「レイなら裏庭で鍛錬してるニャ」「え?」セキトは恐る恐る裏庭に向かうと、息を飲んだ。
    「ハアッ…ハアッ…!!」そこには鬼のような形相で太刀を振り回すレイがいた。「に……2本…!?」レイは両手で太刀を持って振っているのだ。数時間振っているのだろうか、レイは真冬だというのに汗びっしょりだった。
    「凄い……!!」自分を遥かに超える鍛錬に、セキトは思わず見入ってしまった。「レイ!!」ミライがレイに声を掛けた。「あ?ってお前!」「す、凄いね、君のトレーニング」「そうか?昨日より控えてるぜ」「…そうなの?」「ああ、少しでも鍛錬怠ると大切な物を守れないからな」「大切な…物?」「まぁんな事どうでもいい、それより俺が何でもお前を誘ったか分かるか?」「え?だって…太刀使いが欲しかったんでしょ?」「違うな」「?」
    「本当はお前を助けるためだ」「…え?」「お前…両親を殺したんだろ?」「な、なんでそれを…!?」「お前の顔さ」「か、顔?」「あたりめーだろ、お前の顔、能面みてーになってんだよ、俺だって両親はいないからすぐわかったぜ」「………!!」「親父は馬鹿だから角竜を手懐けて殺された、母さんはドンドルマの火薬庫で失踪した…」「そ、それってあのヒューム?」「ああ、そうだ」レイは拳を握りしめた。
    「だから!!」突然レイが叫んだ。「お前を俺が一から鍛え直してやる」「ええ!?」「おら行くぞ!!」「え、ちょ、ちょっと!!」こうして、最強のコンビが誕生した。
  66. 66 : : 2017/03/10(金) 22:07:18
    その頃、ハンターズギルドではかつてない事態に陥っていた。
    「おい、意識はあるか!?」「ウチケシの実の在庫はあるか!?」「こっちにもくれ!!」
    「……何ということだ…!!」普段はハンターで賑わっているハンターズギルドが今日は怪我人で埋め尽くされていた。「大長老!」1人のハンターが駆け込んできた。髪は金髪で、腕には金火竜リオレイア希少種の素材を使った片手剣、ルナティックローズが装備されていた。「天空山に向かった王立書士隊と連絡が途絶えて今日で2日…しかも天空山に向かったハンター全てが瀕死状態です…」「一体天空山で何が起きているんだ…」大長老が見上げた空は、どす黒い黒雲に覆われていた………











    さらに、渓流では
    ウオオオオオーーーーーーーーーーン!!!!
    狼の様な声が渓流に響き渡った。
  67. 67 : : 2017/03/11(土) 20:41:12
    おもしれー!!
  68. 68 : : 2017/03/11(土) 23:42:11
    ありがとうございます。明後日卒業式なので頑張ります!!
  69. 69 : : 2017/03/13(月) 15:41:54
    「金色のジンオウガ?」「は、はい、倒れていたハンターそう言ってました」「金色のジンオウガだと?」「亜種はそんな色してないもんな…」ジンオウガ亜種は獄狼竜と呼ばれ、龍属性エネルギーを放つ虫「蝕竜蟲」を集めて自身を強化する。龍属性エネルギーの色の通り獄狼竜は赤黒い体だ。
    「希少種も確認されていない…単に変わった色の個体じゃなかったのか?」その時だった。
    「金雷公です」
    「!?」全員が振り返った先には大和・真シリーズに、背中には太刀「業物・九十九牙丸」を背負ったハンターがいた。「せ、セキトさん!」「遅くなってすいません」「いや、セキトさんなら心強い、それより金雷公とは?」
    「金雷公ジンオウガは「一度吠えれば千光を操り、万雷を放つ」と言われる幻のジンオウガです。どれだけ攻撃を与えても一切疲労状態にならない厄介な奴です」「何故そんな情報を知ってるんですか!?」















    「今…………」














    殺してきましたから
  70. 70 : : 2017/03/14(火) 12:05:42
    兄貴にTwitter全て消されてフォロワーが0に泣
    ゼクロムの表紙で「ゼロ」で探して下さい
  71. 71 : : 2017/03/22(水) 10:17:02
    とりあえず、モンハンカテゴリあるで

    Anotherはれっきとした一つの作品で、別に「もう一つ(カテゴリ分けされてない)カテゴリ」ってことじゃないから変えたほうがええよ

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

このSSは未登録ユーザーによる作品です。

「Another」カテゴリの最新記事
「Another」SSの交流広場
Another 交流広場