ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

この作品は執筆を終了しています。

逆転ロンパ〜絶望と希望と逆転と〜 Chapter3−2【超高校級の逆転】2日目

    • Good
    • 2

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2017/01/19(木) 23:22:22
    pvです
    逆転ロンパChapter3の後半です

    注意事項は過去の作品の>>1から確認してね!
  2. 3 : : 2017/01/19(木) 23:31:49
    その日の図書室の中には、いつも通りの静寂があった



    そして大きな二つの音と共に、その静寂は非日常を語る寡黙と化した



    上着の中で、細かく振動する音が密かに響く



    大柄で粗暴な男は懐から携帯を取り出し、そのマイクを耳にあてる


    「…………」


    「もしもし、私だが…」

    「……ええ、始末しました」


    「これでおそらく、あの日向創も…ね」


    「………ナニィ?」


    「…あんたがあのガキに固執する意味がわからん あんなタダの予備学科風情がなんの役に立つというのだ?」


    「……『隠し玉』? あのガキがが?」

    「…毎度【ゼツボウ】さんの考えてる事は理解しかねる」

    「俺が理解する必要は無いってか? …まぁいいだろう」


    「それじゃあきるぞ」

    プツッ

    男は吸っていたタバコの灰を死体の顔に落として呟いた





    黯箸「警察さん達には精々頑張って貰わなきゃいけねえな…」
  3. 4 : : 2017/01/21(土) 17:44:06
    4月 7日 某時刻
    成歩堂なんでも事務所

    王泥喜「だ、大丈夫です! ズズッ 俺も捜査に協力させてください!」

    王泥喜「…ウ ゙えックシュん!!!!」

    心音「王泥喜先輩、真っ赤な顔は治ったけど、まだ全然風邪が治ってないじゃないですか」

    成歩堂「日々の発声練習の成果でくしゃみも特大級だね、王泥喜くん」

    こまる「ただのくしゃみなのに、まるで暴走族のバイクの音みたいだね」

    王泥喜「な、成歩堂さん! 以前の法廷でも手伝えなかった分、今回は俺が手伝います!」

    王泥喜「大丈夫です! この通りピンピンしてますよ! ……ビェッくしょエン!!!!」

    成歩堂(この様子じゃ捜査してるうちに風邪が移りそうだな…)

    王泥喜「クラインではこんな事なかったのに… どうしてこうなったんだろう」

    成歩堂「クライン、むしろもっと寒くないか?」

    心音「とりあえず、これ以上無理するならまたベッドにくくりつけておきますからね!」

    王泥喜「ちょ、ちょっと!待って…

    王泥喜くんは希月さんとこまるちゃんに肩を掴まれて部屋の奥に連れてかれた

    成歩堂「…さて、王泥喜くんの様子が落ち着いたら、捜査に出かけるか」

    成歩堂(今回の目的は、怪しい証拠を探すのではなく、無罪の証拠を探すこと…)

    成歩堂(その為には、ひとまずはあの場所に行かないとな)



    王泥喜「イテテテテテテ!!! か、関節が痛むからやめ…ウグウウウウ!?!?」

    成歩堂(…一体どんなふうに縛りつけてるんだ? あの2人)
  4. 5 : : 2017/01/22(日) 12:00:27
    4月 7日 某時刻
    希望ヶ峰学園 図書室

    メガー「………………」

    心音「メ、メガー刑事? なんだか落ち込んでるっぽいですけど…」

    メガー「…great(グレート)!!」

    成歩堂「うわっ!」

    心音「…どうしちゃったの?この人…」

    メガー「喜べ諸君! 今日は私の刑事生活last(ラスト)day(デー)だ!!」

    心音「給与査定じゃ収まらなかったみたいですね…」

    成歩堂(どうやら今回の事件を機に位を落とされるようだ)

    メガー「さぁ…好きに調べたまえ…attorneyのman&girl…」


    心音「調べるっていっても、昨日とことん調べちゃいましたし、どうしますか?」

    成歩堂「いや、一晩たったことで、この現場の様子は大きく変わってる」

    成歩堂「また新しく調べられるところが増えてるかもしれないね」

    心音「新しく調べる場所…?」


    1・本棚
    2・死体の白線

    >>6
  5. 6 : : 2017/01/22(日) 15:21:07

    こいつ本当に超高校級かよw
  6. 8 : : 2017/01/23(月) 21:08:31
    成歩堂「この本棚…立て直されてるね」

    心音「確か事件当時は倒れたんですよね?」

    メガー「それをlift up(リフト アップ)するには苦労したんだ… super heavy weight(スーパー ヘビー ウェイト)だったよ」

    心音「どれくらいの重さでした?」

    メガー「大人4人でようやく持ち上げられた重さだったね 450kgぐらいだな」

    心音「450kg…お相撲さん何人分ですか?」

    成歩堂「お相撲さんの重さによるんじゃないかな」

    心音「じゃあ…お米何kg分ですか?」

    成歩堂「同じ単位で例えてどうするの?」

    心音「じゃあ、モヤシが何個買えますか?」

    成歩堂「全く違う概念の単位だよねソレ」

    メガー「とにかく相当な重さだったよ 彼がいれば楽に持ち上げられたんだが…」

    成歩堂「…なんだかこの本棚、鉄臭くないかな?」

    心音「? 言われてみれば…」

    メガー「iron(アイアン)の臭い…ハッ!bloodか⁉︎」

    成歩堂「血か…だったらこのルミノール試験薬で浮き出てくるかな」

    心音「お? 例のカガク捜査ですか?」

    メガー「何⁉︎ ルミノールなんてそんなscience(サイエンス)な道具をなぜattorneyが⁉︎」

    成歩堂(弁護士がカガク捜査するのってそんなにおかしいのかな?)

    僕は本棚にルミノール試験薬を吹きかけた

    そして薬品に浸したリトマス試験紙のように、じわじわとスプレーの液体の色が変わった

    成歩堂「これは…!」

    心音「あっ!本棚の棚板に一つずつ血痕がついてます!」

    メガー「本当だ! しかも…上に行くにつれてかすれてるぞ!」

    成歩堂(これは…新しくメモしておくべきだな)

    『本棚』の情報を加筆しました

    本棚

    ーーキャタツに覆いかぶさるように倒れていたが、今は立て直されてる
    本棚の上の窓は開いていた
    450kgと、かなり重い
    棚板に一段一つずつ血痕が見つかった 血痕は上に行くにつれてかすれてる

    2・死体の白線

    >>9
  7. 9 : : 2017/01/23(月) 21:20:54
  8. 10 : : 2017/01/24(火) 17:17:21
    成歩堂「以前と違って、死体がなくなってるね」

    心音「解剖に回す時に移動させたんですね」

    メガー「しかし亡骸を移動させてしまった以上、それについて調べるのは不可能だろう?」

    心音「死体がある内にもう少し捜査しておけばよかったなー」

    成歩堂「いや、死体がなくなってわかったこともあるよ」

    心音「?」

    成歩堂「よく見てよ、この白線の頭の部分」

    メガー「ふむ…ちょうど十神くんが頭を打った地点に、大きなキズができてるな」

    心音「このキズの大きさだと、相当な勢いで床に頭から激突したってことですね」

    成歩堂「…だけどやっぱり妙だ」

    メガー「確かに、この本棚の高さから落下してここまで大きな跡ができるものか…」

    心音「ものすごい勢いでキャタツをひっぱられた、とかですかね?」

    成歩堂(…とりあえず、メモしておこう)

    『床のキズ跡』についてメモしました



    床のキズ跡

    ーー十神が倒れたちょうど頭の部分にあったキズ
    キズの大きさから、かなりの勢いで床に激突したことがうかがえる
  9. 11 : : 2017/01/24(火) 23:24:03

    成歩堂「これで一応、新しい事実が判明したね」

    心音「床のキズと、本棚の血痕ですね」

    メガー「それでも奇妙だな なぜ血の流れた場所より遠いはずの本棚に血痕がついてるのか…」

    メガー「後でこちらで血液鑑定を行ってみるよ」

    心音「…さっきから思ってたんですけど…」

    心音「メガー刑事って、素で喋ると急に英語が減りますよね?」

    メガー「あ、ああ…私は本当は2歳から日本育ちで、英語はそのあと習ったんだ…」

    心音「エェッ!? そうだったんだ!」

    メガー「ああ、親父に『お前は将来のフシアナー不動産の跡取りとして、日本で礼儀作法を学んでこい』と言われ、ここにやって来たんだよ」

    成歩堂「そこからどうやって超高校級の警察官になったんですか?」

    メガー「いや、僕の本当の称号は、実は超高校級の日本オタクなんだけどね」

    心音「エエエエエエッ!!!!」

    メガー「一通りの武道は心得てるし、一通りのJapanese(ジャパニーズ) subculture(サブカルチャー)には詳しいよ あ、茶道は堺流で、抹茶より煎茶が好みかな」

    心音「しかも詳しい!」

    成歩堂(普段のわけのわからないうるささとは真逆だな…)

    メガー「ところで、最後に何か聞きたい事はあるかな? 弁護士諸君」

    成歩堂「ええ、まぁ色々と…」
    (吹っ切れたメガー刑事…今なら色々きけるかな)

    1・犯人像
    2・超高校級の日本オタク
    3・図書室

    >>12
  10. 12 : : 2017/01/24(火) 23:26:16
  11. 13 : : 2017/01/25(水) 18:01:04
    成歩堂「超高校級の日本オタク…ですか」

    メガー「ええ、柔道、剣道、合気道、空手…その他にも茶道と華道、他には日本のアニメやゲーム等の文化や、歌舞伎や日本舞踊や落ち噺なども頻繁に鑑賞しております」

    心音「ユガミ検事と気が合いそうですね」

    メガー「ええ、彼とは落語の話で盛り上がることもしばしばあります」

    成歩堂(何というか随分お淑やかになったというか…以前とのギャップがすごいなぁ…)

    メガー「policemanとしての私はかなり見栄を張っていたものですから、こっちのほうが心が落ち着いていいものですね」

    成歩堂「人って変わるものだね、希月さん」

    心音「性格が豹変する人は見た事ありますけど、こういうタイプの人ははじめてかも…」

    メガー「いつも通りに接していただいても構いません 以後、よしなに」

    成歩堂(いつも通りじゃない人にいつも通りに接してくれと言われてもなぁ)

    1・犯人像
    3・図書室

    >>14
  12. 14 : : 2017/01/25(水) 18:15:48
  13. 15 : : 2017/01/26(木) 21:02:56
    心音「ここまでの捜査で、犯人像は大体掴めましたか?」

    メガー「やはり、キャタツに指紋がついてる以上日向創が怪しいと言わざるを得ないよ」

    メガー「ま、狛枝凪斗くんも怪しいけど、彼は中々に読めない人間でね… 事情聴取をしても、『殺したけど犯人じゃない』の一点張りだ」

    成歩堂「日向くんが犯人に近い人物なのは変わりなし、か…」

    メガー「狛枝凪斗くんに比べると、あらゆる側面で彼のほうが怪しいんだよ これが」

    成歩堂(怪しい候補が増えただけで、状況は変わらずってことか…やれやれ、道は長そうだ)

    心音「次の法廷では、この部分が新たな争点になりそうですね」

    成歩堂「でも、仮に狛枝くんが犯人じゃないとしたら、一体誰が犯人なんだ?」

    メガー「……ひょっとしてこの事件には狛枝くんでも日向くんでもない第三者が存在するのかもしれないね」

    成歩堂「…その可能性も否定できませんね」

    メガー「しかし可能性は可能性だ 何かしらの根拠が存在しない限り、全ての真実は意味を成さないんだ わかるね?弁護士くん」

    成歩堂(こっちのほうがよっぽど警察官らしいな メガー刑事)


    3・図書室

    >>16
  14. 16 : : 2017/01/26(木) 21:10:06
  15. 17 : : 2017/01/26(木) 23:20:27

    成歩堂「この図書室には、他に何かありましたか?」

    メガー「怪しいと呼べるものはほとんどないかな、強いていうなら…三階側にある裏口かな」

    心音「裏口?」

    メガー「そういえば、君たちは知らないんだね、この学校の裏口を」

    メガー「この学校のあらゆる教室には、その階のどの部屋にも行ける裏の通路が存在するんだ」

    メガー「元々は非常事態用に作られた通路だよ ちなみにこの通路の存在を知ってるのは教職員と警備員だけだよ」

    成歩堂「ちなみにその裏口はどこに?」

    メガー「本棚の裏側だよ まぁここの本棚を動かすことがまず不可能に近いから、使い物にはならないだろうね」

    成歩堂(形だけの裏ルートか…)


    『裏口』の情報をメモした

    裏口

    ーー希望ヶ峰学園三階のあらゆる部屋に繋がってる廊下
    重い本棚の後ろにある

  16. 18 : : 2017/01/27(金) 17:39:56
    メガー「おっ、そろそろ他の警察官が集まってくる頃だ 君たちは下がっててくれ、これ以上同僚からの余計な説教や嫌味はごめんだ」

    心音「本棚の血痕の鑑定と裏口の調査、頼みますね」

    メガー「心配無用(no problem)さ さぁ帰った帰った」


    僕は追い出されるようにして、図書室を後にした






    心音「別人みたいでしたね、メガー刑事」

    成歩堂「顔が全く同じの別人なんじゃないかな?」

    こまる「あの人がお淑やかで優しいって、何だか想像できないです…」

    心音「現場はある程度調べ終えましたし…次は証言を聞いて回りましょう」

    成歩堂「証言を取るべき相手か…だったら事件現場に向かう十神くんを目撃してた可能性がある人物がいいね」

    こまる「それって、裁判でも名前が出てた罪木蜜柑って人?」

    成歩堂「ああ、だから先ず彼女の証言を…」

    雪染「ああっ!」

    成歩堂「!」

    雪染「べ、弁護士の先生… ひ、日向くんは無事なんですか!? 彼の調子は!?」

    こまる「あっ! この間テラスにいた本科の先生!」

    成歩堂「だ、大丈夫ですよ 命に関わるような怪我はしてませんから」

    雪染「そうですか…じゃなくて!私が言いたかったのは裁判の方で!!!」

    雪染「十神くんが死んだり、日向くんや狛枝くんが連行だったり…もう頭の整理が追いつかなくて…ああ、もう学級崩壊じゃなくて学校崩壊です…」

    成歩堂「あの、もしよければ、お話を聞いてもよろしいですか?」

    雪染「え! ええ、はい…私に話せることならなんでも…」

    >>19

    1・事件について
    2・日向について
    3・狛枝について
  17. 19 : : 2017/01/27(金) 18:07:10
  18. 20 : : 2017/01/27(金) 23:43:45

    こまる「殺人事件について、何か知ってますか?」

    雪染「全然…狛枝くんと十神くんが本校舎に行った事も、日向くんが捕まった事も、全く存じません」

    雪染「にしても一体なんなんです?生徒が行方不明になるし、殺人事件は起こるし、もう何が何だか…」

    成歩堂「ありがとうございます では話が変わりますが、事件が起こっていた当時は何をしてましたか?」

    雪染「事件が起こっていた時って、確か私たちは…校舎の二階の会議室で緊急会議を行ってました」

    成歩堂(会議か…そういえば前に会った時にも言ってたな)

    こまる「緊急会議って事は、やっぱり生徒がいなくなったことについてですか?」

    雪染「ええ、この日は教職員は全員会議室にいました」

    雪染「……あっ、でも1人だけいなかった先生がいます」

    成歩堂「いなかった人?」

    心音「だ、誰なんですか?」


    雪染「たしか…黯箸先生だったはずです」




    成歩堂「!!」

    こまる「く、黯箸って…確かあの嫌味な教頭先生ですよ!!」

    成歩堂「雪染さん! その人について話を聞きたいんですが…!」

    雪染「は、はい…」

    1・黯箸について
    2・日向について
    3・狛枝について

    >>21
  19. 21 : : 2017/01/27(金) 23:48:44
  20. 22 : : 2017/01/28(土) 16:54:55
    成歩堂「黯箸さん…いなかったんですか?」

    雪染「あの人、普段から規律とかにはゆるい人で、いろんなトラブル起こしたりしてて」

    成歩堂(あの人だけが会議室にはいなかった…ということは、犯行が可能だったのって…!)

    心音「第三者の正体って、もしかしてその人だったのでしょうか?」

    成歩堂「まだ断定はできないけど、可能性はあるね」

    雪染「…でも確か、黯箸先生には事件当時のアリバイがあるはずです」

    成歩堂「アリバイ?」

    雪染「ええ、確か事件が発生したのって、12時あたりだったんですよね?」

    雪染「その時黯箸先生は、本校舎の近くを歩いていたって、警備員さんが話してました」

    成歩堂「12時あたり、黯箸さんは本校舎の周辺にいた…?」

    雪染「確か、花壇の周辺って言ってました」

    『黯箸のアリバイ』をメモした



    黯箸のアリバイ

    ーー黯箸は事件発生時と思われる時間帯に、外の花壇のところにいた


    成歩堂(アリバイがあるのか…なんだ、だとしたら犯人の可能性は薄いな)


    2・日向について
    3・狛枝について

    >>23
  21. 23 : : 2017/01/28(土) 16:57:30
  22. 24 : : 2017/01/28(土) 18:22:30

    雪染「私、日向くんが人殺しをするなんて考えられません!」

    雪染「絶対ウソです! 日向くんが本科の校舎にいたなんて!」

    成歩堂「…本科の校舎にいたこと自体は本当なんですよね」

    雪染「そんな!! で、でも絶対にありえないですよ! 日向くん、誰に対しても優しくて、器量のある子なんです!」

    こまる「なんだか、必死に面接官にアピールするおかあさんみたいだね…」

    雪染「どうしてこんなことが起きちゃったんだろう…犯人は何が目的なの?」

    成歩堂(…そういえば、犯人の目的は不明瞭なままだったな)

    成歩堂(犯人の目的…誘拐事件に関係あるものなのかな?)

    雪染「成歩堂さん!絶対に日向くんの無実を証明してくださいね!」

    こまる「成歩堂さん!頑張って!」

    成歩堂(期待の眼差しが熱いな…)

    心音「一緒に頑張りましょう!成歩堂さん!」

    3・狛枝について

    >>25
  23. 25 : : 2017/01/28(土) 18:23:51
  24. 26 : : 2017/01/28(土) 22:48:10
    こまる「私、どう見てもあの狛枝って人が犯人にしか見えないんですよ」

    こまる「みるからにやばいじゃないですか!なんというかいかにも手段を選ばなさそうな!」

    成歩堂「ちょ、ちょっとこまるちゃん…!」

    雪染「狛枝くんは優しい学生です! …でも、前からちょっと不思議なところのある子でしたけど…」

    成歩堂「不思議なところ?」

    雪染「すごく自分を卑下して、反面みんなをすごく尊敬してるんです」

    雪染「いや、尊敬というよりは崇拝といったところでしょうか…」

    成歩堂「確かにそんな感じでしたね」

    雪染「で、でも!彼が崇拝してる超高校級のみんなを彼自身が手にかけるなんて想像できないんです…」

    成歩堂(むしろ崇拝してるからこそ、命を奪って永遠の存在にしたいのかもしれないけどね)

    心音「…成歩堂さん、考えが黒いですよ…」

    雪染「とにかく!狛枝くんも犯人なんかじゃありません! 彼も仲間想いのいい人なんです!」
  25. 27 : : 2017/01/31(火) 22:36:14

    成歩堂「お話を聞かせていただいて、ありがとうございます」

    雪染「いえいえ!このくらいなら任せてください」

    心音「あと頼みがあるんですが、罪木蜜柑さんはどこにいますか?」

    雪染「えっ? 罪木さんならたしか寮に居ますけど…」

    雪染「呼んできましょうか?」

    成歩堂「よろしく頼みます」

    雪染「わかりました ではこっちについてきて下さい」

    心音「罪木さん…どんな人なんでしょう」

    成歩堂「超高校級の保健委員って言うぐらいなら、優しい人だと思うけどね」

    こまる「超高校級って言うぐらいだから、物凄く優しいと思うよ!」

    こまる「…根拠は微塵もないけど」


    4月 7日 某時刻
    希望ヶ峰学園 本科学生寮


    ???「……………」

    成歩堂「……………」

    成歩堂(彼女が罪木さん、なのかな…? た、多分そうだよな、エプロンつけてるし包帯持ってるし…)

    ???「……ああ、日向さぁん…狛枝さぁん…みんなみんな……いなくなっちゃうぅうぅ…」

    こまる「…なんだか結構拗らせてませんか?」

    成歩堂「あの〜、スミマセン…」

    ???「ヒィッ!?!? す、スミマセン!全然気がつかなくて…」

    成歩堂(さっきからずっとそばに居たんだけど…)

    心音「罪木ちゃんって、あなたの事?」

    罪木「は、ハイ…そう、ですけど…」


    ーー罪木 蜜柑(ツミキ ミカン)

    【超高校級の保健委員】

    罪木「も、もしかして私、また何かやっちゃいましたか!?」

    成歩堂「いや、僕は話を聞きにきただけなんだけど…」

    罪木「そ、そうですか…先走りすぎてごめんなさいいぃ…」

    成歩堂(優しいというかなんというか…極端に卑屈な人だな)

    罪木「あ、あのぉ…私に聞きたいことがあるんですよね?」

    罪木「もしかしてうっかり十神さんを通しちゃったこととかですかぁ…?」

    成歩堂「そう、その話について詳しく聞きたいんだ」

    罪木「は、はい…なんでも聞いてください…」

    1・狛枝について
    2・十神について

    >>28
  26. 28 : : 2017/01/31(火) 22:39:35
  27. 30 : : 2017/02/01(水) 18:54:28
    成歩堂「事件当時、君は狛枝くんを見なかったかな?」

    罪木「狛枝さん、ですか? たしか私がメガーさんとぶつかった時に横切った…」

    成歩堂「やっぱり、狛枝くんが移動したのはその時だったんだね」

    罪木「うゆぅ…すみません、黙ってて…」

    心音「大丈夫ですよ、安心してください」

    成歩堂「その時に十神くんも一緒だったかな?」

    罪木「ハイ、確かに一緒に向かってました 止めようとしたんですけど、狛枝さんが見逃してって言ったので止めなかったんですけど…」

    成歩堂(やっぱり…僕の読み通りだ)


    2・十神について

    >>30
  28. 31 : : 2017/02/01(水) 18:57:53

    成歩堂の読み通りというのはピンチという意味
  29. 32 : : 2017/02/04(土) 22:02:40
    罪木「十神さん…私が止めなかったばかりに…」

    こまる「そんなに気に病まないでよ 私だって家族が…」

    罪木「はぅ!? す、すみません…気も使えないダメな雌豚で…」

    成歩堂(そこまで言ってないけど)

    罪木「それにしても、十神さんと狛枝さんはどうして図書室なんかに行ったんでしょう… 本を読みたいだけなら後からでもいいのに…」

    成歩堂「推測はできるよ、例えば、希望ヶ峰学園にしか蔵書されていない本とかね」

    心音「そういえば十神くんが最後に読んでた本って、希望ヶ峰学園の歴史書でしたよね?」

    罪木「あっ! 確か歴史書はここにしか置いてないないはずです!」

    罪木「はぅっ!ごめんなさい勝手に喋って!」

    成歩堂(それにしても、十神くんはなぜその本を調べようとしていたんだろう?)

    罪木「ひょっとしたらみなさんが消えてしまった事件と関係があるのかも、です」

    心音「他になにか心当たりってないかな?」

    罪木「心当たり、ですか… そういえば身体に不自然な怪我がありました…」

    成歩堂「? もしかして彼の検死って君が担当したのかい?」

    罪木「は、はい、超高校級の保健委員の手を借りたいって言われて捜査に参加したんですけど…どうかされましたか?」

    成歩堂「それはつまり検死した結果、不自然な怪我が見つかったってことなのかな?」

    罪木「そうですけど、な、なにか気に食わない点でもありましたか?」

    心音「罪木さん!! その話、じっくり聞かせてください!!!!」

    罪木「ヒイィィ!!! ごめんなさいごめんなさい!!なんでもしますからぁ!!!」

    心音「ああ!お、大声出してごめん!!」

    罪木「うわあぁあん!!!!許してくださあぁあい!!!!」

    成歩堂(…ひどくワーストマッチだな、この2人)

    3・不自然な怪我

    >>33
  30. 33 : : 2017/02/04(土) 22:37:57
  31. 34 : : 2017/02/05(日) 12:58:09
    成歩堂「解剖記録なら法廷で目を通したよ 確かに不自然な点は感じたけど」

    罪木「そうなんです…はしごから落ちただけなのに、なぜかそれ以外の外傷が多いんです」

    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    ーー被害者・十神白夜
    死亡推定時刻・11時〜1時
    死因・後頭部を強打 即死
    他にも右半身に軽い打撲跡が複数あり
    左頬に軽い火傷の痕

    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    成歩堂「頭以外にも、打撲や火傷といった怪我があったんだよね?」

    罪木「そうなんです… はしごから落っこちただけなのに不自然ですよね?」

    罪木「あっ!すみません!こんな押し付けがましいいい方…」

    成歩堂「気にすることはないよ 僕もちょうど気になってた点だし」

    成歩堂「それで、その怪我はどんな感じに見えたのかな?」

    罪木「ど、どんな感じ…ですか?」

    成歩堂「きっと【超高校級の保健委員】ともなれば、怪我の跡1つでどんな怪我かわかるかな〜、と思って…」

    罪木「え、ええっと…その…………」

    成歩堂「?」

    罪木「ご、ごめんなさい…その…あまり…」

    罪木「話したく…ないです」

    成歩堂「は、話したくない…?」
    (これはどういう意味なんだ? 十神くんの怪我に一体何が…?)

    心音「…ひょっとして、思い出したくないこととかですか?」

    罪木「ふぇっ⁉︎ ど、どうしてわかったんですかぁ?」

    心音「罪木さん、さっき考えてる時に左上を向いてたよ 人は昔のことを考えてるときは左上、ウソを考えてるときは右上をみるの」

    心音「怪我の話をしてる時にその方向を向いていたから…あの怪我で何か昔の嫌なことを思い出したってことだよね?」

    こまる「へぇ! そんなことまでわかるんだ!」

    心音「私だって心理学の専門家ですから! あ、癖の見抜き方は王泥喜先輩から教わったんですけどね」

    罪木「ふゆぅ…隠しててごめんなさい」

    成歩堂「よければ怪我の状態について、話してくれるかな?」

    罪木「は、はい…わかりました」
  32. 35 : : 2017/02/06(月) 00:36:04
    罪木「あの怪我の跡…私がいじめられてた時の怪我に似てるんです」

    成歩堂「イジメ…?」

    罪木「…あの、私、昔からこんな感じの性格で…みんなからよくいろんなことをさせられてたんです」

    罪木「特に…あの火傷の跡……」

    こまる「火傷の跡…」

    成歩堂「ひょっとして、『根性焼き』かな?」

    心音「根性焼き?」

    成歩堂「皮膚にタバコを押し当てることを根性焼きって言うんだよ だいぶ昔に不良が度胸試しにやっていた行為だね」

    こまる「…そんなひどいことさせられてたの?」

    罪木「根性焼きなんて優しいほうです…もっとひどいものだと…」

    成歩堂「だ、大丈夫だよ!無理に話さなくても!」
    (壮絶な境遇だったみたいだ…」

    罪木「とにかく十神さんの火傷が、それに近い火傷なんです…」

    成歩堂(十神くんの頬の火傷…何か事件と関係があるのか?)

    こまる「身体の打撲はどう?」

    罪木「わかりません…強く打ったってことぐらいしか…」

    成歩堂(今の情報、整理しておこう)

    解剖記録に加筆しました

    十神白夜の解剖記録

    ーー被害者・十神白夜
    死亡推定時刻・11時〜1時
    死因・後頭部を強打 即死
    他にも右半身に強打した打撲跡が複数あり
    左頬に軽い火傷の痕(根性焼きの跡であることが判明)
  33. 36 : : 2017/02/08(水) 17:02:32
    成歩堂「いろいろありがとう、罪木さん」

    罪木「はいぃ…こんな私でもお役に立てたなら良かったです…」

    罪木「……………はぁ」

    成歩堂「?」

    罪木「す、すみません!! 私みたいな豚がため息なんて! 調子に乗ってごめんなさい!!」

    成歩堂(…この人とはいいコミュニケーション方法が思いつかないな)

    罪木「…本当のことを言うと、ですね…このままでいいのかなって思ってます」

    罪木「このままみんな消えていなくなって…私たちはここにいるままなす術もなく終わっちゃうっね…そう考えると怖くて仕方ないんですぅ」

    成歩堂「…………」
    (何も出来ない怖さ、か…)



    心音「…確かに怖いよね、何も出来ないって」

    こまる「希月さん?」

    心音「私もわかるよ、その気持ち」

    罪木「…?」

    心音「いつか一人前にならなきゃって思って頑張っても、すぐ空回りして…その度に王泥喜先輩や成歩堂さんに迷惑かけちゃって…」

    心音「このまま半人前の弁護士としてずっとやっていくのかなって思うと…途端に、成歩堂さん達に合わせる顔がないな〜って思い込んじゃったり…」

    罪木「わ、わかりますぅ…私、怪我の手当て以外要領が悪くて、周りの皆さんに見離されないかいつも心配で……」

    心音「うんうん、だけどね…私は大丈夫なの」

    心音「私には、私の事を必要としてくれる人がいるから」

    罪木「必要としてくれる人…ですか?」

    心音「そう、成歩堂さん、王泥喜先輩、みぬきちゃん、そして何より依頼人が、わたしのことを頼ってくれる…」

    心音「その人の期待に応える為にも、変わろうって思えるの」

    罪木「……こんな私でも変われるって言うんですか?」

    心音「罪木ちゃんは辛いイジメにも耐えてきたんでしょ? それを乗り越えて、克服して今があるんじゃない!」

    心音「罪木ちゃんなら、絶対に変われる!! 行動を起こせるのは今しかないよ!」



    罪木「………」




    罪木「うわああああああん!!!!」

    成歩堂「ええっ⁉︎」


    罪木「希月さん…ヒッありがどう…グズッございまず……私の事ここまでズズ応援してくれたの…希月さんが2人目です…グズッ」

    こまる「…」


    心音「昨日より今日!今日より明日! 頑張ってね!罪木ちゃん!」


    罪木「はいいいぃ!!」

    成歩堂(部活動の後輩と先輩みたいだ)

  34. 37 : : 2017/02/11(土) 00:30:16

    成歩堂「他に十神くんについて知ってることはないかな?」

    罪木「他に知ってること、ですか……」

    罪木「そういえば十神さんの部屋からよくキーボードを鳴らす音が聞こえてたんです」

    成歩堂「キーボードを鳴らす音…? つまりパソコンを使ってたってことか?」

    心音「でもこんな状況で、どうしてパソコンなんか打ってるんですかね?」

    心音「やっぱり超高校級の御曹司もインターネットにハマっちゃったりして!」

    罪木「さすがにそれは無いと思いますぅ… 十神さんはそういうの軽蔑してる節があるので…」

    成歩堂「…だとしたらやっぱり、それが動機に関わってるんじゃないかな?」

    心音「動機?」

    成歩堂「前にも言ったよね、【この状況下で殺人が起こる理由は限られてる】って」

    こまる「…もしかしてそれって…」

    罪木「十神さんは、その手の分野にも精通していたはずです」

    成歩堂「罪木さん! 十神くんのいた個室に案内してくれないかな?」

    成歩堂「きっとそこに何か重大な証拠が残ってるかもしれないんだ!」

    罪木「ふえぇっ!? は、ハイ!わかりましたぁ!!」

    成歩堂(この読みが正しければ、事件の解決だけじゃない…苗木くん達の足取りが掴めるかもしれない…!)




  35. 38 : : 2017/02/12(日) 12:03:33
    罪木「ええっと、確かこの辺りです」

    心音「なんだか…人だかりが起きてません?」

    成歩堂「あの制服は…オバチャンが着ていたのと同じだ」

    こまる「警備員達なの? でもどうしてこんなに…」



    「ハァ〜…呆れた、ま〜た君たちか」

    成歩堂「!」


    黯箸「帰ってくれないかな? ここは立ち入り禁止なんだよ」


    成歩堂(この人…教頭の黯箸って人だったか)


    黯箸「またしつこく嗅ぎまわってるみたいだね弁護士さん あんたはハイエナか何かか?」

    こまる「あなたこそこんなところで脂売ってる場合なんですか!」

    黯箸「違うよ、十神くんの遺品を整理してるだけさ」

    成歩堂「遺品整理…? 何故学校側がそんなことを?」

    黯箸「まぁそれには色々と理由があってだな…」


    1・理由
    2・十神について

    >>39
  36. 39 : : 2017/02/12(日) 12:38:24

    この野郎…
  37. 40 : : 2017/02/13(月) 20:50:43
    黯箸「十神くん、亡くなったそうじゃないか 全くかわいそうに」

    成歩堂「十神くんとは知り合いなんですか?」

    黯箸「そりゃ自分のとこの生徒ですからね 面識はありますよ まぁ少し顔見知りってくらいですが」

    成歩堂「何故少し顔見知りのだけのあなたが、十神くんの部屋を掃除してるんですか?」

    黯箸「学園長は今メディアの方に出張していてね、ここで起きたトラブルのケツ持ちは今わたしが引き受けてるんだよ」

    こまる「絶対嘘だよ! この人自分の生徒に普通に手を出すし!」

    黯箸「口には気をつけろよお嬢さん ここでわたしが何をしようと君たちは暴行罪でわたしを訴えることは出来ないんだよ?」

    こまる「いい加減にして! わたしだってそれなりにタフだし…!」

    成歩堂「こ、こまるちゃん! 落ち着いて!」

    黯箸「全く…おもしろいね、君たちは」


    1・理由

    >>40
  38. 41 : : 2017/02/13(月) 20:55:45
  39. 42 : : 2017/02/14(火) 15:52:13
    成歩堂「一体なぜ十神くんの部屋を?」

    黯箸「まぁカンタンに言えば、捜査ですよ捜査」

    心音「なんの捜査ですか?」

    黯箸「……君たちに言う義理は無いけどね」

    成歩堂「…十神くんに、バレてはいけないものでも握られてたんですか? 黯箸さん」

    黯箸「ナニィ?」

    成歩堂「殺された十神くんの部屋を捜査してるということは、事件のどさくさに紛れて何かを捜すため、なんじゃないですか?」

    黯箸「そういう君たちは何か探し物でもしてるのかね? わたし達のテリトリーで勝手しないでもらいたい」

    心音「学校を私有地みたいに言わないでください!」

    黯箸「実際私有地みたいなものさ この学園はね」

    黯箸「とにかく、私には関わらないでもらいたいね 十神くんの部屋の捜査は任せてくださいよ」

    成歩堂(クソッ! 絶対に何かがあるはずなのに…!)
  40. 43 : : 2017/02/18(土) 00:52:07
    成歩堂(彼の目的は間違いなく十神くんのパソコンのデータなのに…! ここで逃す手はないのに…!)

    黯箸「文句がいいたそうな目だね? 弁護士さん」

    成歩堂「…ッ!」




    罪木「……………お願い……します」


    黯箸「?」

    罪木「黯箸先生ぃ……お願いします、どうか通してください…」

    心音「つ、罪木ちゃん?」

    黯箸「駄目だね 君たち生徒を危険な目に遭わせる訳には行かないんでね」

    罪木「お願いです! きっとそこに十神さんのパソコンがあるんです!」

    黯箸「…」

    罪木「人手が少しでも増えれば、探しやすいかもしれませんし…お願いします!」

    黯箸「悪いが新しく仕立てたこの白ジャケットを汚したくないんだが…


    罪木「どうかお願いします!!!! 私にできることならなんでもしますから!!」

    黯箸「くどい!!!!」

    罪木「ひゃあっ!」ドタッ

    成歩堂「なっ!」

    心音「ひどい…なにも突き飛ばすことなんてないじゃないですか!」

    黯箸「忠告はした筈だ、弁護士諸君 ヘタに私には歯向かうなってね」

    成歩堂「罪木さん!大丈夫?」

    罪木「だ、大丈夫です…これぐらいなら…」













    こまる「……………ふざけないで」

    黯箸「?」

    こまる「いい加減にしてよ!!! あんた、人をなんだと思ってるの!?」

    こまる「自分の生徒をなんだと思ってるのよ!?!?」

    そう言うと、こまるちゃんは彼の巨体にしがみついて叫んだ



    成歩堂「こまるちゃん!」


    心音「無茶しないで!こまるちゃん!」


    こまる「無茶の一つもするよ!!! こんなの見せられて…頭に来ないわけない!!!!」




    その大男にすがりつくこまるちゃんの潤んだ目の奥にあったのは、純粋な怒りだった




    黯箸「どけっ!このガキがっ!」



    こまる「どかないよ!!!あんたの顔面に一発喰らわせるまでどかない!!!」



    彼の服に食い下がるこまるちゃんは、まるで狂犬のような形相で…どこか虚しげだった


    黯箸「クソッ、まとわりつきおって…」

    黯箸「ぐるぁあ!!!」

    こまる「うわっ!」

    ビリリッ

    成歩堂「こまるちゃん!」

    黯箸「もういい、お前たち、こいつらを摘み出せ」

    ザザザザザッ

    成歩堂(しまった!警備員に囲まれた!)

    警備員「了解!ウル・ディーハラ・クラハシ!」

    こまる「い、痛い…」

    心音「こまるちゃん!足、大丈夫?」

    こまる「大丈夫…だと思う イテテッ」

    心音「ど、どうしましょう… あと少しで新しい真実にたどり着けるのに…」

    成歩堂「ぼ、僕に聞かれても…」
    (なんとかこの状況を打開できる策は…!)


    (だ、だけどこんな絶体絶命の状況を切り抜ける方法なんて今更……)


    ブロロロローーーン





    ???「オラオラどきやがれエエエエ!!!」


    成歩堂「!」

    黯箸「な、なんだ!?」

    罪木「こ、このエンジンの音ってもしかして……」

    心音「ま、まさか…」



    大和田「そこどけっつってんだよウスノロ共がぁあぁ!!!!」

    終里「オラオラァ!! どんどん行けぇ!!!」



    成歩堂「…………エ?」



    成歩堂「エエエエエエエエエエエエ!?!?」
  41. 45 : : 2017/02/18(土) 12:16:13
    4月 7日 某時刻
    希望ヶ峰学園 本校舎 保健室

    罪木「うゆぅ…こまるさん、足は痛みませんか?」

    こまる「うん、これぐらい平気だよ、多分」

    大和田「無理に走ろうとすんなよ…ッたく、無茶しやがるぜ、そこの弁護士達も」

    こまる「ごめんなさい、成歩堂さん達は関係ないの 私が先走っちゃっただけだから」

    心音「こまるちゃん…」

    こまる「ごめんなさい……わたしがあんな事言ったせいで、皆さんまで巻き込んでしまって……」

    終里「いいんだよ、罪木 自分ばっか責めてるとそのうちガリガリに痩せるぜ?」

    罪木「ガ、ガリガリ…⁉︎」

    終里「おう! ごぼうみたいになるぜ!」

    罪木「ご、ごぼうになるのは嫌ですぅぅうぅ!!」

    成歩堂「それにしても…どうしてバイクなんかで?」

    大和田「ああ? オンナの悲鳴が聞こえたら真っ先に駆けつけるのが(オトコ)の務めだろーが!!」

    大和田「それに足で走るよりチャリの方が速えだろ? 今のは俺の予備機だが時速120は下らねぇぜ!」

    成歩堂(それでバイクで突っ込んで来たのか…豪快なんてもんじゃないな)

    終里「まぁ心配すんなよ あの警備員共はみんな痛めつけといてやったからよ!」

    罪木「でも肝心のパソコン、見つかりませんでしたね…」

    こまる「あの後、黯箸がこっそり持って行ったんだろうね…」

    大和田「チッ…あの卑怯野郎…何を考えてんだぁ?」

    成歩堂「…ところで大和田くん 黯箸さんについて、少し話を伺ってもいいかな?」

    大和田「ああん? 別に構わねーけどよ」

    成歩堂(この殺人事件に彼が絡んでいるのは間違いない 彼に関する情報を片っ端から集めないと)

    1・黯箸の性格
    2・黯箸について
    3・アリバイについて

    >>46
  42. 46 : : 2017/02/18(土) 12:17:46
    2かな
  43. 47 : : 2017/02/18(土) 14:30:18

    成歩堂「彼は普段からあんな感じなのかな?」

    大和田「ああ、複数人でかかってもまるで歯が立たねえ 周りから鉄人って言われてたが、まさにそんな感じだな」

    成歩堂「鉄人、か…」

    罪木「以前、信号無視して大型トレーラーに轢かれたことがあったんですけど……ほとんど無傷でした」

    成歩堂「そ、それは…【鉄人】どころか【人間】ですらないね」

    大和田「あのガタイから察するに、大神ぐらいの体力はあった筈だぜ」

    大和田「だからバイクで突っ込んでも平気だと思ったんだからなぁ」

    終里「むしろ真正面から受け止めるかもな」

    心音「どんな鍛え方したらそんなタフになるんでしょうか…」

    成歩堂(まぁ、僕も吊り橋から谷底に落下したことあるけどね)

    『黯箸の体格』についてメモした

    黯箸の体格

    ーー強靭な肉体を持っている
    大型トレーラーに轢かれてもほぼ無傷だったらしい

    >>48

    1・黯箸の性格
    3・アリバイについて
  44. 48 : : 2017/02/18(土) 16:33:47
    シズちゃんかい
    1で
  45. 49 : : 2017/02/18(土) 23:23:55
    大和田「あんな傲慢な性格は、真似できそうもねぇししたくもねぇな」

    こまる「…どうしてあんな横暴が許されてるの? おかしいよ、こんな学校…」

    終里「俺だって好きであんなのに振り回されてる訳じゃねぇよ 下手に逆らうと後で弟たちが何されるかわかったもんじゃねえしな」

    成歩堂「彼の権力はその家族にまで響くのかい?」

    大和田「俺のチームの奴にもちょっかい出してるみてぇだったな…クソがぁ…、えげつねぇことしやがる」

    心音「ほかの先生達は抗議しなかったんですか?」

    終里「抗議した奴は軒並み飛ばされたよ… あいつはここの人事もやってるんだってよ」

    罪木「黯箸さんは、希望ヶ峰学園の教頭ってだけじゃなくて、希望ヶ峰グループの人事担当者でもあり、警備会社の責任者でもあったんです…」

    心音「要するにここの権力は黯箸さんにかなり集中してるんですね」

    成歩堂(教頭でありながら猿山のボス的立ち位置だったって訳か…)

    >>50

    3・アリバイについて
  46. 50 : : 2017/02/18(土) 23:25:10
  47. 51 : : 2017/02/19(日) 12:51:43
    成歩堂「一通りアリバイを確認したいんだけど…」

    終里「十神と狛枝以外の生徒はアリバイがあるよな? そもそも好き勝手に外出れねーし」

    罪木「い、一応、私のアリバイもメガーさんと日向さんが保証してくれると思いますぅ…」

    こまる「私と成歩堂さんは一緒に行動してて、心音さんはこの学校にいなかったはずだよね?」

    心音「そして黯箸さんと学園長を除いた教職員の人たちは会議してたんですよね?」

    成歩堂「そして黯箸さんにもアリバイを証言する人がいる、と…」

    心音「アリバイを証言するとしても、正確な死亡時刻がわからないと推理しようがないですね」

    こまる「この感じだと、やっぱり犯人って狛枝くんじゃないかな…?」

    終里「まぁ、たしかに消去法だったらあいつだけどよ…どうもあいつが十神を殺すとは思えないんだよなぁ〜」

    終里「かといっても日向にもできっこねぇし…」

    心音「でも彼、裁判中に自白しましたよね?」

    大和田「ひょっとしたら、自分が犯人って思い込んでるだけなのかもしんねえし…」

    大和田「だーーっ、考えれば考えるほどわかりゃしねえ!!」

    成歩堂「……でも僕は黯箸さんが一番怪しいと読んでるよ」

    こまる「えっ?たしかに怪しすぎるほど怪しいけど…でもあの人ってアリバイがあるんだよね?」

    成歩堂「何らかの手段で【アリバイを偽装】した、とか…いくつか前例はあるよ」

    大和田「アリバイの偽装? そんなんどうやるんだよ」

    成歩堂「見当もつかないね」

    こまる「思いつきなんだ…」

    心音「いつも思いつきで行動してますからね 成歩堂さん」

    成歩堂(ただ、彼がこの事件に深く関わってるのはおそらく間違いではない)

    成歩堂(後はどう道筋を見出すか…かな)

  48. 52 : : 2017/02/21(火) 00:14:37
    心音「この後はどうしましょう…肝心の証拠も失ってしまいましたし…」

    罪木「ごめんなさい……私が余計な事したばかりに…」

    終里「あんまり気にするなって罪木 どうせどのみち入れてくれねぇだろうしよ」

    大和田「おいおい、フォローになってねぇぞ」

    成歩堂「もう一度事件現場を見に行こうか 何か見落としがあるかもしれない」

    心音「まぁ…今できるのはそれぐらいですね 行きましょう」

    大和田「なぁ、俺らも手伝いたいんだけどよ…」

    終里「おう!こんな俺でよければ何でも手伝うぜ!」

    罪木「い、一応検死とかも出来ますぅ…」

    こまる「で、でもこの人数で歩いてたらまた廊下で鉢会うかもしれないし…」

    成歩堂「それだったら、非常階段を使って登るか」

    終里「ああ? 非常階段って…おっさん、【非常階段の鍵】持ってんのか?」

    成歩堂「? 非常階段の…鍵?」

    大和田「知らねーのかよ? あそこの非常階段には鍵がかかってるんだぜ?」

    心音「か、鍵ですか⁉︎ そんなの一言も聞いてませんけど……」

    大和田「たりめーだろ 誰でも出入りできる程ここの警備はザルじゃねぇよ」



    成歩堂「…その鍵って誰が持ってるのかな」



    罪木「本科の生徒には全員に配られてる筈ですけど…… あっ、私もここに持ってます」

    成歩堂「学校の先生達は?」

    罪木「確か先生達の分は、職員室にいつも置いてあると思いますぅ…」



    成歩堂「…………………」



    こまる「成歩堂さん? 何か気がついたの?」


    成歩堂「…留置所に行こう、この時間ならおそらく取り調べは終わってる」


    成歩堂「みんな、情報ありがとう また」

    大和田「ん? お、おう、あばよ」

    心音「ちょ、ちょっと成歩堂さん! 現場は調べなくていいんですか〜!! 成歩堂さ〜〜〜〜ん!!!」



    挨拶もそこそこに、僕は足早に保健室から出ていき、先急ぎの早歩きで希望ヶ峰の校門を通り抜けた



    焦りと疑心の念が篭った心をごまかすが如く、僕の歩く速度な自然と速くなっていた


    後から不思議そうな顔をしたこまるちゃんと希月さんが付いてきた







    やれやれ、まだ彼らに聞かなくてはいけないことがあったとは……












    日向くん…そして狛枝くん……君は一体何を隠してるんだ?


  49. 53 : : 2017/02/22(水) 22:59:17



    ???「……………」



    『今更返せだなんて言っても無駄ですよ 彼女はあなたが見捨てたんだ』




    ???「……目的は何だ? 金か? 社会的地位か? それとも物資か?」




    『どれでもないんだよな、それが』




    ???「なら一体!!」


    『ん?』



    ???「なら一体お前は……なんの為にこんな真似をしている?」


    ???「お前は一体何を望んでるんだ?お前は何者だ!」



    『……わからないんですか?』



    『私が望むのは金でも地位でもない… そんな酒や麻薬みたいな一時的な喜びで欲望を満たせるほど私の器はよくできちゃいない』



    ???「随分と大きな器だな」




    『別に格別大きい訳ではないさ 劣化したボロボロの器も同然だ』



    ???「…意味がわからない」



    『このどこからでも溢れるような感覚がたまらないんだよ 永遠に満ちないこの感覚こそ!!!私が満たされたと感じる時だわかるだろう?』



    『いや…君みたいな才能のはぐれ者の凡人には理解しかねる次元の話だな、気にしないでくれ』



    ???「自分の好きなものを語るとき、人は幾分か興奮して口が早くなるものだと言うが…まるで読めん」




    『おうおう、流石洞察力はあるねぇ〜 そう言うあんたこそ少し落ち着いたみたいだし、じゃあ教えてあげよう 僕の望みは…………』










    絶望(ゼツボウ)だよ 単純だろう?』
  50. 54 : : 2017/02/23(木) 13:14:16

    4月 7日 某時刻
    留置所

    心音「日向くんたちに聞きたいこと、ですか?」

    成歩堂「今わかった事が正しければ、日向くんの行動にムジュンが生じるんだ」

    成歩堂「だからその為に、日向くんと狛枝くんに本当の事を話してもらう」

    こまる「ムジュン…?」

    成歩堂(さて…どっちを先に呼ぼうか?)

    1・狛枝凪斗
    2・日向創
    >>55
  51. 55 : : 2017/02/23(木) 13:16:23
    勘で2
  52. 56 : : 2017/02/25(土) 23:37:26


    日向「どうかしたんです? 成歩堂さん」

    成歩堂「…少し話を聞きたいんだ」

    日向「話…ですか」

    日向「俺に話せる事なら話しますけど、なんですか?」

    成歩堂(話せる事、か……)

    成歩堂「『話せる事』じゃない 君を弁護する上でどうしても『話してもらわないといけない事』なんだよ 日向くん」

    日向「…………」

    日向「なんの話ですか?」

    成歩堂(日向くんの隠し事、出来るところまで聞き出せたらいいけど…)

    1・隠してる事

    >>57
  53. 57 : : 2017/02/26(日) 00:04:10
    1…犯人は多分あのくそ野郎だと思うんだけどなあ…
  54. 58 : : 2017/02/26(日) 15:01:37
    日向「隠し事って…どういう事ですか?」

    成歩堂「おかしいんだよ きみの行動が」

    日向「行動がおかしいって…俺なにか変な事しましたか?」

    成歩堂「おかしいのはそこじゃない…君が非常階段を使って3階まで行った事だよ」

    こまる「あ!確かに、非常階段の鍵って、本科の生徒しか持ってないんだよね?」

    成歩堂「そう、だから日向くんが非常階段を使う事は出来ないはずなんだよ」

    異議あり!


    成歩堂「うわっ!?」
    (み、耳元で叫ばないでくれ!)

    心音「成歩堂さん言ってたじゃないですか! 非常階段を使わないとあの犯行は成り立たないんですよ?」

    成歩堂「そう、だからこそ非常階段を使う方法があったんだ 日向くんにはね」

    日向「………」

    成歩堂「君が非常階段を使うには…この方法があるんだよ」

    >>59
    1・幸運
    2・鍵を誰かから借りる
    3・鍵穴を溶かす
  55. 59 : : 2017/02/26(日) 16:18:45
  56. 60 : : 2017/02/28(火) 21:48:48
    成歩堂「誰かから借りる……それしかない!」

    日向「…グッ!!」

    成歩堂「日向くん、教えてくれるかな?」

    成歩堂「非常階段の鍵を誰から手に入れたのか、そしてその鍵は今どこにあるのかをね」

    日向「…………………」


    日向「ごめんなさい……成歩堂さん」

    日向「『約束』…なんだ 七海との」

    成歩堂「七海さんとの約束?」

    日向「今はまだ言えません… このことは他言無用って言われたんです」

    日向「だけど、鍵の隠し場所ぐらいなら…」

    成歩堂「! どこにあるんだ?」

    日向「えぇっと…今もあるなら職員室の押入れの中です」

    心音「これは…急いで調べなきゃですね!」


    成歩堂「…わかった、日向くん、ありがとう」

    成歩堂「この裁判が終わったら、もしよければその話を詳しく聞かせてくれるかな?」

    日向「信じてくれるんですか? こんな隠し事をしていた俺でも」

    成歩堂「一度信じると決めたら最後まで信じぬく それが弁護士の心得だよ」

    日向「あ、ありがとうございます…」

    成歩堂「それじゃあ急ごう!希月さん」

    心音「わかりました!」

  57. 61 : : 2017/03/02(木) 12:30:41
    4月 7日 某時刻
    希望ヶ峰学園 職員室

    成歩堂「ふぅ…さっきからあっちこっちを行ったり来たりだな…」

    こまる「誰もいないし、このままサクッと調査しちゃおうよ!」

    成歩堂「さて、押入れだから…奥の方にあるクローゼットを開ければいいのかな?どれどれ、よいしょっと…」


    職員室の奥にあるクローゼットのドアを力を込めて開けた



    心音「暗くてこざっぱりしてますね…ほとんどものがないというか」

    成歩堂「この辺のどこかに七海さんからもらった鍵が落ちてる筈だ 探そう」

    1・毛布の下
    2・段ボールの中
    3・壁面と床の隙間

    >>62
  58. 62 : : 2017/03/02(木) 15:18:36
    1で
  59. 63 : : 2017/03/02(木) 22:47:00
    成歩堂「この毛布の下にあるかな…ん?」

    心音「これって、懐中電灯ですよね? 手動式の」

    こまる「手動式って…手でくるくる回す奴だよね? なんでこんなところに?」

    成歩堂「使わない物だから、こういう空いてるところに置いてるんじゃないかな」

    心音「テキトーな後処理ですね〜 私だったらもっと几帳面に…」

    成歩堂「お、希月さんも『できる女キャンペーン』を始めたのかな?」

    心音「キャンペーンってなんですか!女子に対して失礼ですよ!」

    成歩堂「イテテテテッ!! ご、ごめんごめん!謝るよ」

    こまる「…楽しそう」

    『懐中電灯』を手に入れた

    懐中電灯

    ーー中にあった手動式の懐中電灯
    ハンドルを回すことによって光る

    2・段ボールの中
    3・壁面と床の隙間

    >>64
  60. 64 : : 2017/03/02(木) 22:53:24
    3で
  61. 65 : : 2017/03/06(月) 13:12:10

    成歩堂「こういう隙間に入ってるってのはよくある話だけど…どれどれ」

    成歩堂「…………お、あった」

    心音「ありましたかっ!? ちょっと見せてください!!」

    成歩堂「少し落ち着いてよ、希月さん…」

    成歩堂(? この鍵…ほとんどかすれて見えないけど文字が刻まれてるな)

    心音「4V…これって何でしょうか?他はかすれてて読めませんけど…」

    こまる「これって、シリアルナンバーじゃないかな? ほら、携帯の個体番号みたいなやつ」


    成歩堂「シリアルナンバー…鍵ごとに記されてるって意味だね」



    ーー非常階段の扉を開ける鍵
    シリアルナンバーが刻まれてるが、かすれて下2桁の「4V」しかわからない

    2・段ボールの中

    >>66
  62. 66 : : 2017/03/06(月) 13:28:21
    4v…45…
    あ、2で
  63. 67 : : 2017/03/06(月) 22:54:37
    心音「薄暗い押入れの怪しげな段ボール…調べずにはいられません!」

    成歩堂「逆にこんなあからさまに調べ甲斐のあるものは見落とさないよ」

    心音「もー、成歩堂さん!それじゃあロマンが足りませんよ!」

    成歩堂「ロマンでお金は出てこないよ」(そもそも段ボールのロマンってなんだよ…)

    心音「成歩堂さんもついに世知辛いおっさんになっちゃいましたね…」

    成歩堂「お、おっさん………」

    こまる「あ、これ中身美術用の道具ですね」

    こまる「艶出しニスとか万力とかヤスリとか、いろいろあるね〜」

    成歩堂「艶出しニスか…机のキズを誤魔化すのによく使ってたな」

    心音「私はハンドバッグのほつれを誤魔化すのによく使ってましたね」

    成歩堂(…布にニスって少しきつくないか?)


    道具箱を法廷記録に記録した

    道具箱

    ーーニス、ヤスリ、万力などが入ってる
  64. 68 : : 2017/03/08(水) 19:41:03
    成歩堂「証拠品は出てこなかったけど…この鍵の存在は大きいね」

    こまる「そこらへんの警備員さんとっ捕まえて、この鍵について聞いてみましょうよ!」

    成歩堂「そうだね…」

    ???「とっ捕まえられるのはあんた達のほうだヨ!」

    成歩堂「!?」

    成歩堂「う、うわあばばばばばば!?!?!?」

    カタカタカタカタカタカタ

    成歩堂(こ、この馴染み深いレーザー銃の感覚は…!?)

    オバチャン「また不審者かね!もうこっちはいろいろあって給料クライシスだっていうのにサ!!」

    こまる「ああっ!よく喋るオバチャン!」

    オバチャン「おやおやまぁまぁ、そこにいるのは威勢がいいと評判のお嬢ちゃんじゃないか」

    オバチャン「オバチャン聞いちゃったよ〜あの黯箸に生身の素手で立ち向かったみたいじゃない しかも無傷で帰ってくるなんてスゴイわよ あいつに立ち向かった人間は誰だろうとズタボロにされて帰ってくるっていうのに中々のタフガイだね全くどのトンガリ弁護士に似たんだか」

    心音「ううっ、地獄耳でも追いつけないマシンガントーク…」

    成歩堂(ついでだし、話を聞いておこう)

    1・裁判
    2・鍵について
    3・日向について

    >>69
  65. 69 : : 2017/03/08(水) 23:53:31
    2で
  66. 70 : : 2017/03/10(金) 15:42:39
    成歩堂「この鍵って非常階段の鍵ですよね?」

    オバチャン「おやまぁ、なんであんたがそれを持ってるんだい?」

    成歩堂「さっきその押入れの中で拾ったんです」

    心音「これってもしかして、七海さんの鍵だったりします?」

    オバチャン「七海って…ああ、あのボケっとしてるゲーマーの女の子かい 全く昼間っから公園のベンチで爆睡してるわいつもふわふわしてるわ、アレじゃ世の欲深な男どもにナニされるかわかったもんじゃないよねそれにあんなにべっぴんなのに寝る時間削ってゲームしてる訳だから肌の手入れも大変らしいのよ全くあんなピコピコマシーンの何が良いのか解せないわねまぁあの子はあの子で結構しっかり者なんだけどねえ
    成歩堂「わ、わかりました!わかりましたから話を戻しましょう!」

    オバチャン「あたしゃいちいち人のシリアルナンバーなんて覚えちゃいないよ そもそも知る権限もないからねぇ」

    こまる「教師の人や警備員にも配られてないんですか?」

    オバチャン「警備員にはシリアルのない予備の鍵が配られてるけど、先生たちにはないヨ」

    オバチャン「なんでも、それで一回火事が起きた時、子どもたちを放って勝手に出てっちゃった先生がいたらしいのよ」

    心音「うわぁ、腰抜けだなぁ…」

    オバチャン「だけど生徒に鍵をもたせてご覧よ、そうすれば生徒を誘導しないと自分は助からないってなるだろ? ベンリな寸法サ」

    成歩堂「ちなみに、スペアの鍵ってあるんですか?」

    オバチャン「スペアはあるけど、職員室まで来ないと出せないヨ ありゃ貴重だからね」

    鍵の情報を加筆しました



    ーー非常階段の扉を開ける鍵
    シリアルナンバーが刻まれてるが、かすれて下2桁の「4V」しかわからない
    鍵を持ってるのは生徒のみで、教師は持ってないが、職員室まで行けば手に入る

    1・裁判
    3・日向について

    >>71
  67. 71 : : 2017/03/11(土) 07:04:01
    3で
  68. 72 : : 2017/03/11(土) 14:58:04

    オバチャン「あの小僧ったら中々しつこくてね、言うこと聞きやしないんだよ」

    オバチャン「まぁその後、タオルで手足縛ってぶち込んでやったんだけどネ」

    成歩堂「…相変わらず豪快ですね」

    心音「日向くん、本当に何が目的だったんでしょう……」

    成歩堂「やっぱり、七海さんが何かしら証拠を掴んでいた線が濃厚かな」

    心音「お!成歩堂さんの9割当たる勘が炸裂しましたね!」

    こまる「そ、そうなんですか!?成歩堂さん!」

    成歩堂「い、いや…まぁ悪い勘は10割当たるけど…」

    成歩堂(待てよ? 仮にその証拠が失踪事件と関係ある物だとしたら…あの教頭はどこまで関与してるんだ?)

    オバチャンの証言を法廷記録にメモした

    オバチャンの証言

    ーー日向は手足を縛って押入れに入れた


    >>73
    1・裁判
  69. 73 : : 2017/03/11(土) 16:32:29
  70. 74 : : 2017/03/11(土) 20:49:34
    オバチャン「全く黙って聞いてりゃ人をダメ人間扱いして!これだからあんたの弁護はキライなんだヨ!」

    カタカタカタカタカタカタ

    成歩堂「イテテテテテッ!!!!」

    心音「オバチャン、全く黙ってなかったじゃないですか…」

    オバチャン「うるさいわネ!全く最近の若者はああ言えばこう言う、こう言えばああ言う、だいたい言い訳しすぎなのよあんた達は仕事が辛いだの早く帰りたいだのこんなん昔の仕事に比べれば遥かにラクなのに泣き言ばっか!そんなん言ってる場合があるなら働けってのヨ!」

    成歩堂「喋らない喋らない言う割に思いっきり喋りまくってるところは変わらないですね」

    オバチャン「なに、今からだよ!3、2、1、スタート!」

    オバチャン「……………………」

    成歩堂(小学生みたいな意地の張り方も変わらないな…)
  71. 75 : : 2017/03/12(日) 09:46:03
    オバチャン「そうだ!オバチャンはそろそろオシゴトがあるから、ここんとこでお暇させてもらうヨ!」

    成歩堂「そ、そうですか…」
    (ふぅ…助かった)

    オバチャン「そうだ!ちょっと弁護士!」

    成歩堂「?」

    カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

    成歩堂「おおおあうわらばなまかはらをきたひのもそおのゆしてにめのけびねぬしまこてとねにこておよるゆさゆにんてめぬぬせほよぬけおねしついああああああ!!!!」

    オバチャン「どうだい!オバチャンの光線銃の威力は!」

    成歩堂「身体が壊れるからもう勘弁して下さい!!」

    オバチャン「なんだい、あれから随分情けなくなったねエ まぁ、一応は応援してるから、あんな悪徳教頭なんかに負けんじゃないわヨ!」

    心音「わっかりました! この新進気鋭の若手弁護士、希月心音と!伝説のハッタリ弁護士、成歩堂龍一さんのチカラで絶対に勝ってみせます!」

    成歩堂「…できれば、ハッタリを使わずに勝てたら良いんだけどね……」

    オバチャン「そんじゃ、達者でね」



    成歩堂(本当に全く変わらないな、あの人…)

    こまる「……」

    成歩堂「こまるちゃん?」

    こまる「あ!ううん!なんでもないです!」

    心音「そろそろ、事務所に戻って色々証拠品や証言の整理をしないといけませんね」

    成歩堂「そうだね…今日ももう日が暮れそうだし、だいたいの場所も調べたし、そろそろ戻ろうか」

    成歩堂(王泥喜くんの容態も心配だし、風邪薬でも買ってくか…)





    都内のビルと太陽のサンセットを遠目に眺めながら、僕らは希望ヶ峰学園を去った



    やはりこんな時でも、夕焼けは不釣り合いなまでに綺麗で、柔らかな陽の光をただ呆然と見つめていた






    なんとなく思い出す、この前の裁判





    いつも通りの、圧倒的不利な状況からのスタート







    ……今回の裁判も一寸先は闇だな


  72. 76 : : 2017/03/13(月) 16:53:18
    4月 7日 某時刻
    成歩堂なんでも事務所



    心音「ふう…成歩堂さんも帰って、王泥喜さんも寝ちゃってるし、そろそろ事務所閉めるかな〜……」

    こまる「…………」

    心音「こまるちゃん?どうしたの?考え込んで」

    こまる「心音さん……なんでもないです…」

    心音「今日、ずっと様子がおかしかったよ?こまるちゃん なんか前みたいに積極的じゃなくなった気がするっていうか…」

    こまる「…お見通しなんだね」

    こまる「私、成歩堂さんや心音ちゃんについて行ってるだけで、何もできてないな〜って思って…」

    こまる「挙げ句の果てに、黯箸に食いかかって、周りに迷惑かけちゃって…本当、駄目だよね、私って」


    心音「…………それは違います」

    こまる「え?」

    心音「こまるちゃん、ちゃんと頑張ってるじゃない」

    心音「これまで頑張って、警察にも頼らずに一人で自分の兄弟を探して来たんでしょ? 大丈夫だよ!絶対その努力は報われる!」












    こまる「………報われるなんて…そんな楽観的に見れないよ」


    心音「えっ?」


    こまる「ほんとはわかってるよ…!警察が駄目ならもうどうしようもないってことぐらい…」


    こまる「……こんな事したって意味ないってことぐらい……」


    心音「ど、どうして…?」


    こまる「結局、肝心のデータも黯箸って人に消されちゃったし、何か知ってそうな人も行方不明だし…私たちはどうすればいいの?」


    こまる「………本当にお兄ちゃん達はみつかるの?」

    心音「………そ、それは……」





    こまる「…あ!ご、ごめんなさい、急にこんなこと…へへ…」

    こまる「あ、そろそろ私も家に戻りますね! ありがとうございました! 次の裁判も頑張ってください!!」


    心音「あ!ちょっと待っ…ああ、行っちゃった」


    心音「? …こまるちゃん、何か落としていったみたい…なんだろう?これ……」




    布切れを拾った


    布切れ

    ーー何かを破いた布切れ
    裏側が黒く、泥で汚れている







    心音「……私、本当にこまるちゃんの力になれてるのかな…?」

    心音「こんなんじゃダメだよね…まだ全然、成歩堂さんの力にも、苗木くんの力にも……なれてないのに……」







    王泥喜「…………」
  73. 77 : : 2017/03/14(火) 13:25:38

    4月 8日 朝
    地方裁判所


    成歩堂「10時か そろそろ希月さんも来ると思うけど…案の定遅刻してるのかな」


    成歩堂「寝坊と遅刻は彼女の専売特許だからな……」


    どうってこともないような事をブツブツ呟きながら、僕は裁判所の静かな階段を1人登っていた



    成歩堂「しかし彼女に資料を全部預けちゃったから、さすがに暇だな キンチョーをほぐす為にストレッチでもして、検事の手刀対策にふところに雑誌でも入れておくか…」



    暇つぶしに、携帯ゲーム機をズボンの尻ポケットから取り出し、電源を入れる



    電源ボタンが見つからず、少し手間どる



    ゴツン

    成歩堂「痛っ」



    意識がゲーム機に集中してたせいか、通りかかった大柄な男にも気がつかず、肩が接触してまった



    自分からぶつかったにも関わらず、スーツの上からでも分かる隆々とした筋肉の弾性に押し出されるようにして、軸足がゆがみ、一瞬体のバランスを崩しかけた


    成歩堂「あはは、スミマセン…」


    取って付けたような適当な謝罪をして、僕は先を急ぐ





    「………」





    ガバッ

    成歩堂「!?」


    その時、僕は何者かに頭を掴まれた


    いや、誰かはわかっていた


    その場所にいたのは僕とその男だけだった


    だけど、突然の出来事過ぎて、すぐに理解することは出来なかった


    成歩堂「な、何ですか…?」



    恐る恐る後ろを振り向こうとするが、そんなスキも与えられなかった





    ブウン!!



    成歩堂「うわあああっ!!!!」



    ドン ドン ドカッ



    ものすごい勢いで頭から放り投げられ、そのまま階段を2、3回バウンドしながら転がり落ちた



    その時、一瞬見えたシルエットと顔を、僕ははっきりと覚えていた




    成歩堂(お前は……!!)











    黯箸「クックックッ…」
  74. 78 : : 2017/03/15(水) 16:46:36
    4月 8日 某時刻
    地方裁判所 被告人第三控え室












    王泥喜(裁判の協力はしたいって言ったけれども…)















    王泥喜(…まさか、俺が立つ羽目になるとは…)




    日向「…ちょっといいですか?」

    王泥喜「? 何かな」

    日向「…俺、もしかして控え室間違えてますか?」

    王泥喜「いや、日向くんの控え室はここであってる筈だよ」

    日向「い、いや…俺の弁護士は成歩堂さんの筈なんだが…」

    王泥喜「ああ、それについてはだね…」

    心音「オドロキせんぱああああああい!!!!」

    王泥喜「うわっ! 希月さ…うわあっ!?」

    心音「ど、どどどど、どういう事ですか!? 成歩堂さんが病院に搬送されたってホントなんですか!?」

    王泥喜「い、一旦落ち着いて!! ネクタイは辞めて!! く、首が締ま、るるるら…」

    日向「ええっ!?!? ど、どうしてそんな急に?」

    王泥喜「お、俺もよくわからないんだけどさ…ハァ…ハァ…成歩堂さん、どうやら法廷の階段から落ちて怪我をしたらしいんだ」

    王泥喜「それで病院に運ばれて、俺は今駆けつけてきたところなんだ」

    心音「オドロキ先輩!!!すぐに病院に行きましょう!!!!」

    王泥喜「いや、もうすぐ裁判は始まってしまう……今から成歩堂さんの様子を確認しに行く暇はないよ」

    王泥喜「だから、俺がここにいるんだ」

    日向「つまり、成歩堂さんの代打ってことですか?」

    心音「だ、ダメです!無茶ですよオドロキ先輩! まだ風邪の症状だって治ってないのに…」

    王泥喜「風邪は抑え込んでるよ 成歩堂さんからもらったこの《カゼゴロシZ》でね」

    王泥喜(幸か不幸か、いつでも成歩堂さん達の手伝いが出来るように、この事件の証拠や資料には一通り目を通してた、準備はできてるが…)

    王泥喜(カゼゴロシZの効力が切れるのも時間の問題、か…)

    王泥喜「時間はそんなに長くはないんだ 一刻も早く無罪判決を勝ち取ろう、希月さん」

    心音「無理しないでくださいね、オドロキ先輩 狛枝くんも何してくるかわからないですし」

    日向「…そうですね 何があったかわからないけど、あいつは明らかにいつものあいつよりも様子がおかしい」

    王泥喜「ああ、当然油断はしないさ」

    王泥喜「……あれ? そういえばこまるちゃんは来てないね」

    日向「何か予定でもあるんじゃないですか?」

    心音「………こまるちゃん…………」

    王泥喜「? 希月さん?」

    心音「あ!な、なんでもないです! そろそろ法廷に行きましょう!時間もないですし!」

    王泥喜「あ、ああ…わかった」

    日向「……やっぱり、狛枝が犯人には思えない」

    王泥喜「?」

    日向「だって憶測でしかないけど、あのキャタツって多分…」

    カカリカン「もうすぐ開廷致します! 弁護人、被告人は速やかに法廷へ!!」

    心音「ほら、行きますよ!!オドロキ先輩!」

    王泥喜「ちょっと、ネクタイ掴むのはやめででででで!!!!!」



    ーーーーーーーーーーーーーーーー
  75. 79 : : 2017/03/15(水) 17:19:21
    4月 8日 某時刻
    地方裁判所 第3法廷


    ーーーー裁判 2日目ーーーー



    ーーーー開 廷ーーーー


    カン


    サイバンチョ「これより、日向創の審理を再開します」



    夕神「検察側…言うまでもねェ」


    王泥喜「弁護側も準備完了しています!」

    サイバンチョ「おや? どうやら、弁護側は昨日と弁護人が違うようですが…」

    王泥喜「いろいろあったので、俺が代打として弁護を務めさせていただきます」

    サイバンチョ「ふむぅ、イロイロとは少し気になりますが……まぁ準備万端なら言うことはないでしょう」

    サイバンチョ「では、この事件の被告人は?」

    王泥喜「日向創くんです」

    サイバンチョ「被害者は?」

    王泥喜「十神白夜くん、ですね」

    サイバンチョ「被害者の死因は?」

    王泥喜「床に頭を打って撲殺…でしたっけ?」

    サイバンチョ「ふむ、確かに問題なさそうですな」

    サイバンチョ「過去にこの問いで、自分の事を被告人と読んでた弁護士もおりました」

    王泥喜(誰なんだ?その弁護士)

    サイバンチョ「さて、確か前回の裁判の話は、犯人は狛枝くんなのか被告人なのか…そこでしたな」

    サイバンチョ「検察側、何か新しい証拠はとれましたか?」

    夕神「なぁ、ジイさん……自分を選択肢の檻に閉じ込めるのはよくねェぜ?」

    サイバンチョ「?」

    夕神「アタマ柔らかくして考えてみなァ、ジイさん どっちも怪しいんなら……」

    夕神「《共犯》の可能性ってのもあるんだぜ?」

    王泥喜(! 共犯だって?)

    サイバンチョ「なるほどなるほど、して、その共犯という証拠とは?」

    夕神「………昨日狛枝のボウズが自白した」

    サイバンチョ「へ?」

    心音「ん?」

    王泥喜「………えっ?」


    夕神「この事件は、日向創と狛枝凪斗の共犯だったって事さ!!」


    王泥喜「エ……」

    王泥喜「エエエエエエエエッ!?!?!?」
    (さ、さすがにそれは予想外すぎる…!)

    ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…

    カンカンカン

    サイバンチョ「静粛に!静粛に!」

    サイバンチョ「ユガミ検事! それは本当ですか!?」

    夕神「なんなら呼ぶか?自白した本人を」

    カン

    サイバンチョ「係官!至急狛枝くんを呼んでください! お願い致します!」


    王泥喜(さ、さっそく……ピンチかもしれない…)



  76. 80 : : 2017/03/15(水) 17:35:37
    ーーーーーーーーーーーー



    狛枝「……………」

    サイバンチョ「……………」

    夕神「……………」

    心音「……………」

    王泥喜「……………」

    サイバンチョ「ちょ、ちょっと証人! 名前と職業を!」

    狛枝「アレ? いいのかな? 前の裁判にもやった気がするけど」

    狛枝「まぁいいや…僕は狛枝凪斗、働いてはいません、学生です」

    サイバンチョ「では……証人には早速証言してもらいましょう」

    サイバンチョ「被告人との共犯計画について!」

    王泥喜(彼がウワサに聞いていた狛枝凪斗…成歩堂さんはもう尋問したくないと愚痴ってたけど、すでにその気持ちが分かってきたかも…)

    ーーーーーーーーーーーーーーーー
  77. 81 : : 2017/03/15(水) 19:00:54

    ーーーー証 言 開 始ーーーー

    共犯

    狛枝「僕は日向クンと共犯だったんだ!」
    狛枝「本科に十神クンを連れて行く役は僕が担当して…」
    狛枝「日向クンには十神クンを殺害して貰ったんだ」
    狛枝「どうかな?なんのムジュンもないですよね?」

    ーーーーーーーー


    王泥喜(そ、そんな…! 聞いてないぞ!)

    狛枝「…煮え湯を飲まされたような表情ですね、弁護士さん」

    王泥喜「煮え湯どころじゃないですよ!! 溶岩飲まされた気分です!!!」

    サイバンチョ「それはそれは…なんとも胸ヤケがしそうですな」

    夕神「辛い物食ったあとに口直しに飲むお湯でヤケドする…よくある話だな」

    カン

    サイバンチョ「では、煮え湯でしっちゃかめっちゃかにならないうちに、さっさと尋問しましょう」

    王泥喜「わ、わかりました」

    ーーーーーーーーーーーー
  78. 82 : : 2017/03/16(木) 00:01:27
    ーーーー尋 問 開 始ーーーー

    共犯

    狛枝「僕は日向クンと共犯だったんだ!」

    待った!


    王泥喜「日向くんと共犯という証拠なんて、一つもありません!」

    狛枝「え、あるよ?」

    王泥喜「んがっ!?」

    サイバンチョ「まぁ、無ければ話になりませんな」

    狛枝「ほら、これだよ」

    王泥喜「こ、これは…?」

    ーーーー

    日向くんへ

    今日の放課後、伝えなければいけない事があるから、噴水の前に来てくれるかな?

    もちろん、この事は他言無用だよ

    ーーーー

    王泥喜(こ、こんなの…決定的じゃないか!)

    手紙を法廷記録に記録した

    手紙

    ーー狛枝が日向に宛てたという手紙
    日向と噴水の前で待ち合わせするよう書かれている

    狛枝「さて、弁護士さんがもう一杯煮え湯を飲まされたところで、証言の続きをしていいですか?」

    サイバンチョ「では、証人に聞きます その計画の具体的な内容を!」

    ーーーーーーーー

    狛枝「本科に十神クンを連れて行く役は僕が担当して…」

    待った!


    王泥喜「確か、前回の裁判で十神くんを現場に連れて行ったのはあなたでしたね」

    狛枝「そうだよ、十神クンは僕が図書室に案内して、後は日向クンにやって貰ったんだ」

    狛枝「僕はそのまま非常階段経由で戻ったんだ」

    王泥喜(狛枝くんは本科の生徒だ 鍵は持っててもおかしくない、か…)

    王泥喜「希月さん、気になるところはなかった?」

    心音「特にウソを言ってる様には見えないです…」

    心音「ただ彼の場合、思い込みで話してる可能性もあるので、難しいですね」

    王泥喜「思い込み、か…」

    王泥喜(どうする?ハッタリでブラフをかけてみるか?)

    >>83

    1・かける
    2・やめとこう
  79. 83 : : 2017/03/16(木) 02:24:24

    ハッタリのない弁護ってそんなの弁護じゃないよネ
  80. 84 : : 2017/03/16(木) 14:35:15
    王泥喜(もっとカマをかけてみるか)

    王泥喜「怪しいですね、狛枝くん」

    王泥喜「本当に彼と共犯していたんですか?」

    狛枝「…どういうこと?」

    王泥喜「そもそも、君と日向くんが協力して十神くんを殺す動機なんてないじゃないですか」

    狛枝「え?今更そんな事気にしてたの?」

    狛枝「全く…そんなのどうだっていいじゃない、弁護士さん」

    王泥喜「ど、どうだっていいって…そんな事ないでしょう!!」

    王泥喜「動機も立派な証拠です!」

    黙りなァ!

    夕神「今重要なのはそこじゃねェ 《現場にはアリバイのない2人の人間がいたという事実》だろ?」

    夕神「警備員には、職員室で休んでたあのバアさんを含めて全員にアリバイがあり、教師たちは職員会議に出席してた」

    夕神「わかるだろ?泥の字ィ 動機の話をしなくても、動ける人物はかなり限られてんだぜ?」

    王泥喜「う…うぐううううう!!!!」

    狛枝「ま、そういう事だよ 僕らが共犯だって考える方が自然でしょ?」

    狛枝「それに、動機なんて結局は後付けでしかないんだからさ」

    心音「オドロキ先輩、見事にハッタリに失敗しましたね」

    王泥喜(やれやれ…さすがに成歩堂さんみたいにはいかないか)

    サイバンチョ「では、証人が被害者を現場まで案内した犯人の1人ならば、もう1人の実行犯はだれなのか? 答えていただきましょう」

    狛枝「そんなの火を見るより明らかだよ」

    ーーーーーーーー

    狛枝「日向クンには十神クンを殺害してもらったんだ!」

    待った!


    王泥喜「なぜあなたがやらなかったのですか?」

    狛枝「事件を複雑にしてしまえば、僕が疑われる事はないと思ってたんだ」

    狛枝「でもまぁ、あの凄腕の弁護士さんにここに引きずり出されちゃったんだけどね」

    王泥喜(成歩堂さん、証拠品も無しに苦労しただろうな…)

    王泥喜「仮に共犯という前提で2人の行動をおさらいしてみると…」

    ーーーーーーーーーーーーーーーー


    王泥喜「まず、狛枝くんが倒れた日向くんを運ぶ罪木さんを転ばせて、十神くんと一緒に図書室へ行って…」

    王泥喜「狛枝くんは図書室を離れて、非常階段を経由して元の場所に戻ったわけですね?」

    心音「そして日向くんがキャタツに登ってる十神くんを落として殺害して、また非常階段を使って逃げようとしたんだよね」

    心音「そしてそこを目撃されてオバチャンに拘束された、と…」

    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    王泥喜「……やっぱりおかしい」

    王泥喜「この計画なら、終里さんや罪木さんも共犯じゃないとおかしいんじゃないですか?」

    狛枝「ああ、そういうことか もちろん彼女達は関係ないよ? これはイレギュラーだったんだ」

    王泥喜「イレギュラー?」

    狛枝「本来は僕らは普通に外に自由に出れたはずなんだけどね、七海さんが行方不明になった時から、学校側に管理されるようになったんだ」

    王泥喜「? 七海さんが行方不明になったのは他のみんなと同時じゃないんですか?」

    狛枝「それは違うよ みんなが行方不明になった後、七海さんが行方不明になったみんなを探してそのまま失踪したんだ」

    王泥喜(なるほど…やけに七海さんに関するものが多かったのはそういうことだったのか)

    狛枝「まぁ、日向クンが体調を崩してくれたのはラッキーだったよ 罪木さんには悪いけどお陰で実行出来たわけだからね」

    カン

    サイバンチョ「なるほど…弁護人、ここまで聞いて何かありますかな?」

    王泥喜「そうですね…ひとつ証言に加えていただきたいのですが…」

    王泥喜「《鍵について》ですね」

    狛枝「鍵?」

    王泥喜「日向くんが非常階段から逃げる作戦だったって事は、あの鍵は君が貸した物なのかな?」

    狛枝「そうですよ? 第1彼は予備学科の生徒だから、まず鍵がないとムリだからね」

    王泥喜「その話、証言に追加してください」

    狛枝「わかりましたよ」

    ーーーーーーーー
  81. 85 : : 2017/03/16(木) 15:28:37
    狛枝「僕は日向クンに非常階段用の鍵を渡したんだ」

    待った!


    王泥喜「間違いないですね?」

    狛枝「ええ、間違いないです」

    王泥喜「…………」
    (腕輪も締まってる やっぱり、か…)

    王泥喜(この発言は、明らかにムジュンしてる しかしどうしてこんなハッキリムジュンが出てきたんだ…?)

    王泥喜(なぜ自分に不利なウソをついているんだ?)

    王泥喜「…わかりました、証言を続けてください」
    (とりあえず、よく注意して突きつけよう)

    狛枝「……………」

    サイバンチョ「しょ、証人? 黙りこんでどうしたんです」

    狛枝「いえ、なんでもないですよ、とにかく…」

    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    狛枝「どうかな?なんのムジュンもないですよね?」

    待った!


    王泥喜「ムジュンがあるかないかなんて、自分でわかる物なんですか?」

    狛枝「自分を信じてみれば、案外世の中なんとでもなるものだよ?」

    狛枝「弁護士さんも、自分のハッタリを信じてみなよ? (ウソ)から出た(まこと)って言葉もあるし」

    夕神「とにかくこの証言にはおかしな点は見当たらねェ」

    王泥喜(…そうだ、こっち側にもあるはずだ)

    王泥喜(検察側にはない証拠品が!)

    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    王泥喜(狛枝くんの証言には大きなムジュンがある…)

    王泥喜(落とし穴かもしれないが、どのみちこれ以外に逃げ場はない! このまま突っ切る!)


  82. 86 : : 2017/03/17(金) 15:48:48
    狛枝「僕は日向クンと共犯だったんだ!」
    狛枝「本科に十神クンを連れて行く役は僕が担当して…」
    狛枝「日向クンには十神クンを殺害して貰ったんだ」
    狛枝「僕は日向クンに非常階段用の鍵を渡したんだ」

    異議あり!



    王泥喜「狛枝くん、そんな見え見えの嘘は俺には通用しないぞ」

    狛枝「嘘?」

    王泥喜「ここに、被告人が使ってた鍵があります」

    狛枝「それだよ、それが僕の貸した鍵なんだ」

    王泥喜「……イヤ、違うんだよ、狛枝くん」

    王泥喜「彼の証言だと、この鍵は《七海さんから》もらったものなんだ」

    サイバンチョ「!? な、なんですと!?」

    王泥喜「狛枝くん!! なぜあなたはそのような嘘をついたのですか!!!!」

    狛枝「!」

    異議あり!

    夕神「証言はその裏付けの証拠があってこそ証明されるものさ」

    夕神「それが七海千秋のものだという事を証明できるのか?」

    王泥喜「ええ!少々かすれてますが、この鍵にはシリアル番号が刻まれています!」

    王泥喜「それを調べれば、誰の鍵なのかわかるはずです!!」

    夕神「なるほどなァ…おいメガー!」

    メガー「What(ワット)⁉︎ 何かなユガミ検事!」

    心音「あ、いたんだ」

    夕神「生徒のシリアル番号、調べに行ってくれ」

    メガー「yes,sir(イエッサー)!!!!!早急にcheck(チェック)してくるさ!!!!」

    心音「これで七海さんのだと証明できれば、解決しますね」


    ーーーーーーーーーーーーーーーー
  83. 87 : : 2017/03/19(日) 09:07:35
    夕神「………」

    王泥喜「どうでしたか?ユガミ検事」

    夕神「…七海千秋の鍵のシリアルナンバーは、773-TH4Vだ」

    王泥喜(4V…!や、やっぱり当たったぞ!)

    心音「これで証明できましたね! あの鍵は七海さんの…

    黙りなァ!

    心音「エッ!?」

    夕神「話はここからだ、黙って聞きなァ、月の字」

    夕神「次は狛枝凪斗の鍵のシリアルナンバーなんだが……」

    王泥喜(も、もしかして…)

    夕神「そのまさかだなァ、777-KB《4V》だ」



    王泥喜「ポ………」


    王泥喜「ポルクンカアアアアアア!!!!」
    (そ、そんなバカな…!してやられた…!)


    ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ


    カンカンカン


    サイバンチョ「静粛に!静粛に!静粛に!」

    サイバンチョ「こ、これは…なんという偶然ですか!!」

    夕神「ちなみにシリアルは入学した日にランダムで決まる 偽装はありえねェぞ?」

    異議あり!

    王泥喜「いやいやいや!一致してるのは4Vの部分だけです!」

    王泥喜「残りの5文字がわからない状態で狛枝凪斗くんの物とは断定できません!!」

    心音「そ、そうですよ!! 5文字もわからないんじゃ…『オドロキ ホウスケ』も『×××× ×ウスケ』になっちゃうじゃないですか!!! 」

    王泥喜「『サイバンチョウ』も『×××××ョウ』になってしまいます!!」

    サイバンチョ「た、確かにそうですな…」

    異議あり!

    夕神「この鍵からは検出されてるんだよ 狛枝凪斗と、日向創の指紋がなァ!!」

    王泥喜「エッ!!!!!」
    (こ、これはますますヤバイぞ…!!)

    狛枝「ハァ……そういうことか、なるほどね」

    狛枝「日向クンはきっと、僕のことを庇ってくれたのかな?」

    王泥喜「か、かばったって、どういうことですか?」

    狛枝「よく考えてみてよ、どうしてシリアル番号がかすれてるんだと思う?」

    王泥喜「その話の流れだと…誰かの証拠隠滅の痕跡ではないのですか?」

    狛枝「この証拠隠滅工作…日向クンがやったとしたら?」

    王泥喜「日向くんが?」

    狛枝「ええ、僕が考えたところだと…」



    ーーーーーーーーーーーーーーーー


    多分日向クンは焦ったんだよ、まさか誰かに見つかって、なおかつ捕まるなんて考えもしなかっただろうね…


    だけど、日向クンは咄嗟に考えたんだ、僕を疑いから外す方法をね


    それは鍵のシリアルに細工をして、七海さんのものの様に見せること


    七海さんの鍵のシリアルナンバーは下2桁が同じだから、下2桁を残して七海さんのだと言い張れば、簡単に偽装は出来るんだよね


    ーーーーーーーーーーーーーーーー




  84. 88 : : 2017/03/19(日) 16:55:53
    サイバンチョ「な、なるほど…証人の推理は確かに理にかなってます」

    王泥喜「ちょ、ちょっと待ってください!」

    王泥喜「そもそも被告人がどうやって鍵の表面を削るんですか! 彼には不可能です!」

    異議あり!

    夕神「泥の字、押入れにはヤスリが置いてあったよなァ?」

    王泥喜「ヤ、ヤスリ…?」

    心音「オドロキ先輩、コレですコレ! 例の押入れの中の!!」

    王泥喜「ああっ! ほ、本当だ……しっかり成歩堂さんの字で記録してある…」

    狛枝「ね?だから日向クンにはそれが可能だったんだよ」

    王泥喜(どうする…? ここで日向くんの偽装が認められたら、判決は明らかだ!)

    夕神「異論はねェようだな どうやらここで裁判は終いみてェだ」

    異議あり!

    心音「日向くんに偽装が可能か否か…弁護側には、反論があります!!」

    サイバンチョ「ほほう、そうなんですか?弁護人」

    王泥喜「! は、はい!あります、反論!」
    (びっくりした…)

    王泥喜「希月さん、反論って、一体なんなんだ?」

    心音「いえ、これはその…ハッタリです!」

    王泥喜「エェッ!? そういうのは先に言ってよ…」

    心音「でも、やっぱり違和感があるんですよ……ちょっと喋ってもいいですか?」

    王泥喜「わ、わかったよ…」

    サイバンチョ「弁護人、どうしましたか? ヒソヒソ話さずに我々にも説明してください」

    心音「ええっと、まず、あの環境で作業をすることって出来るのでしょうか?」

    心音「だって押入れですよ? 締め切っちゃったら真っ暗で何もできないじゃないですか」

    夕神「あの押入れには手動式の懐中電灯があったはずだ」

    夕神「ソイツを灯の替わりに使えば問題なねェなァ」

    心音「手動式じゃハンドルを回しながらじゃないと光りません!」

    心音「ハンドルを回しながらヤスリで鍵のシリアルを消すなんて、お釈迦様でもないとできません!!」

    王泥喜(…………千手観音と間違えてるのかな)

    狛枝「それは違うよ 災害用の懐中電灯っていうのは、ある程度回せばその後2分ぐらいは放置してても光るんだ」

    狛枝「あのライトを光らせたまま作業をする事だって出来るはずだよ?」

    心音「そ、そうなんですか…」

    夕神「どうだ? 反論はもう終いか?」

    心音「ううう…反論は……」

    王泥喜「希月さん、希月さんが時間を稼いでくれてる間に一通り証拠を見直したんだけど…」

    心音「私の決死の攻防、時間稼ぎ程度にしか思ってなかったんですか……」

    王泥喜「やっぱりおかしい、いくらなんでも不自然だ 日向くんがそんな事をするなんて」

    サイバンチョ「どういう事でしょうか?」

    王泥喜「それはこの証拠品とムジュンしてるからなんです」

    1・解剖記録
    2・オバチャンの証言
    3・鍵
    4・キャタツ

    >>89
  85. 89 : : 2017/03/19(日) 17:48:31
  86. 90 : : 2017/03/20(月) 11:58:32
    くらえ!

    王泥喜「大場カオルさんの証言を思い出してください」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    オバチャン「あの小僧ったら中々しつこくてね、言うこと聞きやしないんだよ」

    オバチャン「まぁその後、タオルで手足縛ってぶち込んでやったんだけどネ」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    王泥喜「忘れたとは言わせませんよ!日向くんは手足をタオルで縛られた状態で押入れに入れられてたのです!!」

    王泥喜「両手両足が使えない状態では、手動式の懐中電灯も使えないし、ヤスリをすることもできません!!!」

    サイバンチョ「おおお!確かにそうです!!忘れてましたぞ」

    狛枝「なるほどね、確かに押入れに入れられた日向クンには不可能だったね」

    狛枝「だけどそれを想定して、事前から削っていたのかもしれないよ?」

    王泥喜「見つかって、なおかつ手足まで拘束されるなんて、普通想像つきません!」

    王泥喜「そもそも日向くんに鍵を偽装する意味なんてないんですよ!!!」

    異議あり!

    夕神「意味なんてない? 現実を見てみろよォ、泥の字」

    夕神「どんな偶然でこんなきれいに4Vだけ残して字が消えるんだァ?」

    王泥喜(…確かにそうだ)

    王泥喜(日向くんがやった訳じゃないからといって、この鍵から意味が消えるとは思わない)

    王泥喜(だけど、少しずつ進んでいるはずだ!真実に!)

    王泥喜「しかし考えてみましょう、ユガミ検事」

    王泥喜「日向くんにやる理由がないなら…やっぱりやったのは、この人物なんじゃないですか?」

    1・狛枝凪斗
    2・苗木こまる
    3・七海千秋
    4・十神白夜

    >>91
  87. 91 : : 2017/03/21(火) 16:52:59
  88. 92 : : 2017/03/21(火) 17:57:00

    くらえ!


    王泥喜「鍵に指紋がついていた被告人以外のもう1人の人物………その人物がやったと考えるのが妥当でしょう」

    王泥喜「つまり、狛枝くん!!あなたがやったんじゃないですか?」

    狛枝「………」

    狛枝「逆に僕がやる理由ってなんだろう?」

    王泥喜「狛枝くん、君は日向くんと違ってとても用意周到な人間だ」

    王泥喜「なおかつ、幸運とやらに護られてるらしいですね」

    王泥喜「そんな君になら、この程度は予測出来たんじゃないかな?」

    狛枝「予測ねぇ…いささか強引な突っかかり方ですけど、さっきも言ったでしょ、今回はイレギュラーが多かったって」

    狛枝「それに、あの鍵の持ち主が誰かなんて、実際どうでもいいじゃない?」

    王泥喜「い、いや!七海さんの鍵かあなたの鍵かの違いが、あなたが鍵を持ってたかどうかに関わってくるんですよ!」

    夕神「狛枝凪斗が自分の鍵を持ってたとしたら、日向創が持ってたのは七海千秋の鍵と断定出来る」

    狛枝「う〜ん、じゃあいいや、もう」

    王泥喜(もういい…?)


    狛枝「僕は認めます」


    狛枝「あの鍵が七海千秋さんのものであることを」

    王泥喜「え………」

    王泥喜「えっ!!」
    (そ、そんなあっさりと!?)

    心音「エッ!」

    夕神「グボァあ!!!」

    王泥喜(なんでユガミ検事まで驚いてるんだよ!)

    ざわざわ…ざわざわ…

    カンカン

    サイバンチョ「静粛に!静粛に!」

    サイバンチョ「ふむう、相変わらず読めませんな、あなたの証言は」

    狛枝「確かにアレに細工したのも僕だよ なんかあった時に役に立つかなと思って、日向くんに黙ってコッソリ借りたんだ」

    王泥喜「しょ、証人! あなたさっきから何が目的なのです!」



    狛枝「目的なんて決まってるじゃないですか」



    王泥喜「?」






    狛枝「ねぇ、この世にはいくらの人間が生きてると思う?」



    狛枝「その中で輝いてる人間は何人いると思う?くすぶってる人間は…どうかな?」



    サイバンチョ「証人、急に何を…」



    狛枝「選ばれてる人間は生まれた時から選ばれてた人間の道を歩くんだよ 逆に選ばれなかった人間はどうあがいても選ばれた土を踏むことはできない……」





    狛枝「僕はそんな選ばれた人を尊敬してるんだ……誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりも誰よりもね…」






    狛枝「それを見るためのこの能力だと思ってるし、それを見るためなら手段は出来るだけ選びたくないんだ」





  89. 93 : : 2017/03/21(火) 18:07:27

    王泥喜「えっと……とどのつまりどういう意味ですか?」

    狛枝「裁判長さん、もう1度だけ証言させて欲しいんだ」

    狛枝「多分これで最後の証言になるからさ」

    サイバンチョ「さ、最後の証言と言われましても……何についての証言ですか?」

    狛枝「例え鍵が七海千秋さんのものでも、僕が鍵の偽装工作をしても、日向クンが僕と共犯だって事をね…」

    サイバンチョ「わ、わかりました 怪しいですがひとまず証言をお願い致します」

    王泥喜(い、一体なんなんだ…目的がわからない……)

    王泥喜(コレが成歩堂さんの言ってた、《腹の見えない言葉》なのか…?)

    狛枝「さぁ、王泥喜さん あの人と同じ希望をみせてよ」



    ーーーーーーーーーーーーーーー
  90. 94 : : 2017/03/21(火) 18:46:01

    ーーーー証 言 開 始ーーーー

    犯行

    狛枝「ボクは日向クンにも犯行が可能だって言いたいんだよ」
    狛枝「あのキャタツには日向クンの指紋も残ってるし…」
    狛枝「あの手紙もぼくが書いたんだよ」
    狛枝「七海さんから鍵を貰うよう頼んだのもボクなんだ」
    狛枝「日向クンは当時校舎にいたんだよ?」
    狛枝「さて、どう反論してくれるかな?」

    ーーーーーーーーーーーー


    王泥喜(もしかして彼は……《楽しんでる》のか? この法廷でのやりとりを)

    狛枝「さぁ王泥喜さん、ぼくと勝負してくれるよね?」

    異議あり!

    夕神「法廷は真実を明らかにする庭だ いい加減お遊びはやめなァ、ボウズ」

    狛枝「誰がやめろなんて言われてもやめないよ コレが最後になるからね」

    狛枝「誰が妨害しようと、ぼくは証言を続けるよ 法廷のみんなも注目してるよ?」


    確かに、なんだか魅入ってくるな……

    あの証言、どこかにムジュンがあるのか……?

    カンカンカンカン

    サイバンチョ「静粛に!静粛に!静粛に! 係官!うるさいのは何人かつまみ出して構いません!」

    心音「確かにみんな夢中になってる…狛枝くんの先が読めない話術に、自然と注目が集まってますね」

    心音「ただ先が読めないだけじゃなくて、計算されてて…集団心理を利用した話し方に似てます」

    王泥喜「そうなんだ…ブェックション!!!!」

    心音「お、オドロキ先輩?」

    王泥喜「…そろそろ効果が切れ始めたみたいだ、風邪薬」

    心音「む、無理しないでくださいね!!いつでも変わりますから!!」

    王泥喜(頭がボーッとしてきた…クソッ、こんな時に!なんとしてでも切り抜けなくちゃ!)

    王泥喜(こんな奴に…負けてたまるか!!)

    カン

    サイバンチョ「弁護人、そろそろ尋問をお願い致します」

    王泥喜「はい…わかりました」
  91. 95 : : 2017/03/21(火) 22:50:47
    ーーーー尋 問 開 始ーーーー

    犯行

    狛枝「ボクは日向クンにも犯行が可能だったって言いたいんだよ」

    待った!


    王泥喜「あなたの主張だと、日向くんとは共犯関係なんですよね?」

    狛枝「そうだよ?」

    王泥喜「なのに日向くんの鍵に勝手に細工を施したり…まるで利用してるみたいですね」

    狛枝「そんな風に見えたかな? これでも日向くんの事は極力かばってるつもりなんだよ」

    王泥喜(全くそうは見えないけどな)

    狛枝「まぁ、バレちゃったら仕方ないじゃない、弁護士さん」

    狛枝「ボクが怪しいってのは成歩堂さんが暴いた話だよ?」

    王泥喜「…では日向くんに犯行が可能な理由を証言してください」

    ーーーーーーーー

    狛枝「あのキャタツには日向クンの指紋も残ってるし…」

    待った!


    王泥喜「今までノータッチだったけど、確かにそうでしたね」

    サイバンチョ「ええと、確かあの指紋の位置だと、被告人はキャタツの両脚を掴んで被害者を殺害したんですよね?」

    夕神「覚えが良いじゃねェか、ジイさん」

    サイバンチョ「ほっほっほっ どうもどうも」

    王泥喜(ここを崩す方法、今はまだみえないな…)

    狛枝「もののついでに言うけど…」

    ーーーーーーーー
  92. 96 : : 2017/03/24(金) 11:21:07
    狛枝「あの手紙も僕が書いたんだよ?」

    待った!


    王泥喜「日向くんに渡した手紙を、なぜあなたが持ってるのですか!」

    狛枝「こういう時に使えるかなと思って、自分で管理しておいたんだ」

    王泥喜「こういう時?」

    狛枝「一番大事なものは自分の懐に入れておいた方が安全でしょ」

    夕神「《灯台下暗し》ってやつかァ?」

    狛枝「それもあるけど、やっぱり何かあったら幸運が僕を守ってくれるからね」

    王泥喜(幸運か、胡散臭い話だな…)

    心音「なんかコンビニ感覚で幸運の話してますね、狛枝くん」

    狛枝「でも幸運の代償は大きいから、あんまり頻繁に使いたくないんだよね」

    狛枝「あ、でもボクがここに呼ばれたのは、成歩堂さんの実力だよ?」

    王泥喜(そもそも彼は自白に近い事してたんだけど…)

    狛枝「日向クンが犯人だって根拠はまだあるよ」

    ーーーーーーーー

    狛枝「七海さんから鍵を貰うよう頼んだのもボクなんだ」

    待った!


    王泥喜「やはりあなたが主犯である事に変わりはないんですね」

    狛枝「そうだよ だけどボクはもう日向クンと一緒に罪を償う決心はしてるんだ」

    狛枝「自分の犯した罪とは、しっかり向き合わなきゃダメだよね」

    王泥喜「なぜ七海さんを利用したんですか?」

    狛枝「日向クンと共犯するにあたって最初の課題が、日向クンが予備学科生って事だったんだ」

    夕神「日向創は予備学科生、つまりアイツは鍵を持ってねェ」

    夕神「鍵を手に入れるには狛枝凪斗本人から貰うか、もしくは近しい本科の人間から貸して貰うかのどちらかしかねェな」

    王泥喜「つまり鍵を借りられるなら誰でもよかったと?」

    狛枝「詰まるところ、そうなんだよね」

    王泥喜「でもだからと言って日向クンが犯人とは限りません!」

    王泥喜「証人なら単独での犯行も可能です!」

    狛枝「何度も言ってるんだけどさ…」

    ーーーーーーーー


  93. 97 : : 2017/03/24(金) 16:28:06
    狛枝「日向クンは当時校舎にいたんだよ?」

    待った!


    王泥喜「校舎にいたのは他の職員も一緒です!」

    狛枝「でも罪木さんの目を盗んで単独行動が可能なのは日向クンだけだよ」

    王泥喜「オオカミだって、群れからはぐれて一匹オオカミになる事もあるでしょう!!」

    王泥喜「あなたはオオカミが怪しいとでも言うつもりですか!!!!」

    狛枝「…!」

    異議あり!

    夕神「ヘンなハッタリでまくし立てて誤魔化そうとするなよ?見苦しいぜェ泥の字」

    王泥喜「ハ、ハッタリじゃありません!コレは本気の、ええっと……出まかせです!!」

    サイバンチョ「どのみちハッタリではありませんか!」

    夕神「目ン玉かっぽじって法廷記録みなァ」

    夕神「日向創を指し示す証拠品がいくつあると思ってんだ!!!!」

    王泥喜「うおおおおっ!!!」
    (強引にゴリ押そうとと思ったが、ムリだった…)

    狛枝「今までの証拠品が指し示すように、これが事件の全貌であり、嘘偽りないたった一つの真実なんだよ」

    狛枝「あなたが求めてた、たった一つの真実なんだよ、王泥喜さん?」

    王泥喜(クッ…負けてたまるか!)

    ーーーーーーーー

    狛枝「さて、どう反論してくれるかな?」

    待った!


    王泥喜「それは…これから考えます!!」

    狛枝「どんな反論でもいいですよ、どこかにスキがあれば」

    狛枝「さ、次はどのムジュンを指摘してくれるの?証言?証拠品? それともハッタリ?」

    狛枝「あなたならきっと打ち破れるはずだよ!さぁ、あの人と同じ希望をぼくに魅せてよ!!!」

    ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…

    カンカンカン

    サイバンチョ「静粛に!従わない者には退廷を命じますぞ!」

    心音「傍聴人も興奮してますね まるで闘牛でも観るみたいに」

    王泥喜(これじゃあまるで見世物だな…)

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




  94. 98 : : 2017/03/24(金) 18:53:22

    狛枝「さて……どうだったかな? 何か不自然な点は?」

    心音「オドロキ先輩、ありましたか?」

    王泥喜「………いや、ダメだ」

    王泥喜「彼の証言には、ムジュンする点が無い…」

    心音「ええっ!そんな!」

    王泥喜(クッ…!なんとかして繋がなくちゃいけないのに…)

    狛枝「……これはもう、決まっちゃったみたいだね」

    夕神「弁護側、異議はねェな?」

    王泥喜(証拠は?証言は?何かしらあるはずだ、無罪に繋がる何かが…何でもいい!)

    サイバンチョ「ふむ、弁護人に異議が無いのなら、もうこれ以上の議論の余地はありません」

    サイバンチョ「被告人と証人が共謀して被害者である十神白夜を殺害した……そう言わざるを得ないでしょう」

    心音「そ、そんな……オドロキ先輩!」

    王泥喜「………諦めたくないけど、これはもう、ダメかも知れない」

    狛枝「……らしくないよ弁護士さん、本当に…」

    狛枝「でもあなたが選んだ結論なら、ぼくは甘んじて受け入れるよ」

    狛枝「成歩堂さんに及ばなくても、あなたは十分希望をみせてくれた…それで満足だよ」

    サイバンチョ「それでは、これより被告人に判決を下します」













    王泥喜(…………こんなんじゃ……こんなんじゃ成歩堂さんに合わせる顔がないや……)

















    王泥喜(……………あともう一息で………もうすこしで救えるかも知れないのに……)


















    待った!
  95. 99 : : 2017/03/24(金) 19:02:34

    王泥喜「!」

    夕神「!」

    心音「!」

    サイバンチョ「!」












    狛枝「…………急にどうしたの?」









    狛枝「……日向クン」

  96. 100 : : 2017/03/24(金) 19:55:15
    王泥喜「日向くん?」

    日向「狛枝、お前さっきからなんでウソをついてるんだ?」

    王泥喜「ウソだって…?」

    狛枝「……さすがに自分の身は惜しかったか」

    サイバンチョ「コ、コラ被告人! 今から判決を下すので下がっててください!」

    日向「いや!その前にコイツに言いたいことがある!!!」

    狛枝「辞めましょう裁判長さん、早く判決を下してください」

    サイバンチョ「は、はぁ、わかりました」

    異議あり!

    夕神「………ホォ、面白そうじゃねェか 被告人には言いてェコトがあるらしい」

    夕神「どォれ、少し聞いてやるとしねェか?」

    サイバンチョ「しかし…」

    夕神「…アァン?」ギロッ

    サイバンチョ「……………ユガミ検事がそこまで言うのなら、仕方ありません」

    サイバンチョ「被告人、話したいこととは何ですか?」

    日向「…あの手紙、覚えますよね?」

    サイバンチョ「覚えてますぞ、ええと、たしか…」

    夕神「日向創と狛枝凪斗の共犯を示す証拠だったなァ」

    日向「あの手紙、狛枝からもらったものじゃない」

    サイバンチョ「え?」



    日向「あの手紙は、七海からもらった手紙なんだ!!!」


    王泥喜「!」



    サイバンチョ「な………」




    サイバンチョ「なんですとおおおおおおおお!!!!」



    ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ

    カンカンカン

    サイバンチョ「せ、静粛に!静粛に!」

    狛枝「だったら七海さんが書いたって証拠はあるの?」

    日向「えっ!? そ、それは、ないけど…」

    狛枝「じゃ、終わりだね 判決をお願いします」

    待った!


    王泥喜「しょ、証拠はあります!!!!」

    サイバンチョ「あ、あるのですか⁉︎ 弁護人」

    王泥喜「あ、いや…ないんですけど」

    心音「そこで諦めちゃダメじゃないですか!!!!」

    王泥喜「ごめん…ブェックしょん!!!!」

    心音「く、くしゃみをかけるのも辞めてください!!!!」

    王泥喜(うう…薬の効果もそろそろ限界だ もうここで畳み掛けるしかない!!!)

    王泥喜「七海さんが書いたって示す《証拠》はなくても…《証明》する方法はあります!!!」

    王泥喜「これをやれば確実にわかります!」

    1・指紋鑑定
    2・筆跡鑑定

    >>101
  97. 101 : : 2017/03/24(金) 19:58:11
  98. 102 : : 2017/03/24(金) 20:49:00
    王泥喜「筆跡鑑定です!!!!」

    王泥喜「この手紙の筆跡と七海さんの筆跡が一致すれば、日向くんの証言の裏付けができます!!!」

    狛枝「…!!」

    夕神「おもしれェなァ…メガー!!」

    メガー「off course!!話は聞かせてもらった」

    メガー「誰によってwritten(リトゥン)されたか調べる!!!!」

    王泥喜「お願いします、刑事さん」




    ーーーーーーーーーーーーーーーー


  99. 103 : : 2017/03/25(土) 23:57:09
    王泥喜「どうでしたか?刑事さん」

    メガー「あのletter(レター)の筆跡だが…七海さんのものと完全に一致したぞ」

    心音「おおお!!」

    狛枝「………」

    王泥喜「狛枝くん!!! 自分でこの手紙を書いたなんて…」

    王泥喜「なぜそんなウソをついたんですか!!!」

    狛枝「グッ…!!!」

    日向「狛枝…俺がいつまでも黙って被告人席にいると思うなよ」

    日向「お前の事信じてたのに……俺の事をハメようとしたんだな!」

    狛枝「…なんのことだかさっぱりだよ」

    王泥喜「とぼけるのもいい加減にしてください!これはどう考えても被告人に罪をなすりつける為の偽証です!」

    王泥喜「弁護側は狛枝凪斗くんに、弁明を要求します!!!!」



    狛枝「………弁明ね……」



    狛枝「それって何を話せばいいのかな? 『僕は悪くない』『こんなのイカサマだ!デタラメだ!』ってもがけばいい?」

    狛枝「もしくは雨にさらされ続けた花のようにしおらしくしてればいいのかな?」

    王泥喜「誤魔化さないでくださいよ ここまで来てまだ言い逃れするつもりですか?」

    狛枝「言い逃れなんてするつもり、毛頭ないよ 僕の目的は最初から決まってるんだ…」

    狛枝「僕はあなたの生み出す希望がみたい…ただそれだけのためにここまでやったんだよ」

    夕神「まさか、こうとでもいうつもりかァ?」

    夕神「裁判のためだけに十神白夜を殺した、と」

    狛枝「今からその為の弁明をさせてもらうよ……」

    心音「大丈夫ですか?明らかに目がぐるぐるしててヤバイんですけど…」

    王泥喜「そうだね……うう、顔が熱くなってきた」

    王泥喜「鼻もムズムズするし、鼻水もだ…」

    王泥喜(耐えろ!耐えるんだ王泥喜法介!! 逆転の糸は見えてきた…ここで畳み掛けなきゃいつやるんだ!!!!)

    王泥喜「…受けて立ちます、狛枝凪斗くん!!!」

    ーーーーーーーーーーーーーーーー
  100. 104 : : 2017/03/26(日) 14:31:04
    ーーーー証 言 開 始ーーーー

    最後の弁明

    狛枝「何度も言ってるけど、あのキャタツには日向クンの指紋がついてる」
    狛枝「十神クンをその手で殺害したのは紛れもなく日向クンなんだ」
    狛枝「日向クンが図書室に来れなかったなんて証拠は無いよね?」

    ーーーーーーーー



    王泥喜(彼は今かなり追い詰められてる)

    王泥喜(……ここにムジュンを見出せば勝てるはずだ!)

    心音「彼のことだから何かしら誘導してトラップにはめてくるかもしれません」

    心音「一言一句気をつけて尋問しましょう」

    サイバンチョ「えーと、イマイチ話についていけてませんが、とりあえず尋問をお願い致します」

    王泥喜「はい゛、わがりまじだ」

    サイバンチョ「?」

    王泥喜「ハイッ!わかりましたッ!!!」
    (鼻水にも気をつけて尋問しよう)
  101. 105 : : 2017/03/27(月) 23:05:57

    ーーーー尋 問 開 始ーーーー

    最後の弁明

    狛枝「何度も言ってるけど、あのキャタツには日向クンの指紋がついてる」

    待った!


    王泥喜「第三者が指紋を貼り付けた可能性もあります!」

    狛枝「専用の指紋採取道具を使って移植手術みたいに動かしたと? さすがにそんなの持ってる人なんていないよ」

    王泥喜「でも狛枝くんなら幸運でなんとか出来るはずです!」

    狛枝「イヤイヤ、ぼくの幸運は魔法じゃないよ」

    王泥喜(……さすがにそうだよな)

    心音「ひょっとして逸物の期待でもあったんですか?」

    王泥喜「まぁ、ちょっとね」

    王泥喜「だけど考えてみてください」

    王泥喜「確か日向くんは罪木さんの証言によると、突然熱を出して倒れていたんですよね?」

    夕神「ウラは取れてる その証言は確かだ」

    王泥喜「ありがとうございます だとしたら、日向くんが気絶してるうちにキャタツを触らせれば可能じゃないですか?」

    狛枝「そんなの不可能だよ だとしたら罪木さんにバレるはずだからね」

    狛枝「それに、警備員がいっぱいいた一階でキャタツ持って移動するなんてそんなのリスクが高すぎるよ」

    王泥喜(うう…正論だなぁ)

    心音「つまり、あのキャタツはもともと図書館にあったものなんですか?」

    狛枝「そうだよ」

    夕神「…………おい、ボウズ」

    狛枝「?」

    夕神「今の発言、証言に加えといてくれねェか?」

    狛枝「わかりました」

    王泥喜(? ユガミ検事、いまのはどういう意図で…)

    サイバンチョ「だ、そうですが、弁護人も異論はありませんな?」

    王泥喜「あ、はい 異論はないです」

    ーーーーーーーー

    狛枝「あのキャタツは図書室の常備品だよ」

    待った!


    王泥喜「なんのために図書室に?」

    狛枝「高いところの本を取る以外に何かあるの?」

    王泥喜「いえ、例えば…本棚の上にあった窓を開けるとか」

    狛枝「ああ、そういえばそんなのもあったね」

    王泥喜(写真資料でみたあの本棚の上の窓って十神くんが開けたのかな?)

    王泥喜「ちなみに本棚って、確かかなり重かったんですよね?」

    王泥喜「本当にキャタツが倒れた程度で一緒に倒れる物なのでしょうか」

    狛枝「さぁ、落ちる寸前に掴んだらそのまま一緒に倒れただけじゃないかな」

    王泥喜「そ、そうですか…」
    (まぁその可能性も否定できないよな)

    狛枝「話は脱線したけどつまり……」

    ーーーーーーーー



  102. 106 : : 2017/03/28(火) 16:32:21

    狛枝「十神クンをその手で殺害したのは紛れもなく日向クンなんだ」

    待った!


    王泥喜「なぜそこまで言い切れるのですか?」

    狛枝「もうやめましょうよ、その質問 さっきから堂々巡りしてますよ」

    王泥喜「そ、そうですね」
    (まぁ同じ答えが帰ってくるから聞くだけ無駄か…)

    王泥喜「そういえばどうして、自白なんかしたんですか?」

    王泥喜「言い逃れする方法なら、あなたならいくらでも思いつきそうですが」

    狛枝「証拠がそこにある限り、どんな雄弁も詭弁に変わる…ぼくはそれほどまでに追い詰められてたんだ」

    狛枝「…成歩堂さんに」

    王泥喜(成歩堂さん、どうやって彼をここまで追い詰めたんだろう?)

    狛枝「それにさ…」

    ーーーーーーーー

    狛枝「日向クンが図書室に来れなかったなんて証拠は無いよね?」

    待った!


    王泥喜「非常階段から来たなら、職員室にいた警備員に見つかるはずです!」

    狛枝「でも確か彼って、誰にもバレないように動いてたんだよね?」

    狛枝「警備員にバレないようにのらりくらりと図書室に向かったんだよ」

    王泥喜「のらりくらり、ですか…」
    (日向クン、忍者か何かかな…)

    狛枝「でも図書室から離れるところは目撃されたみたいだね…迂闊だよ」

    王泥喜「どうして帰るときに限ってそんなに迂闊だったんでしょうね?」

    王泥喜「あの警備員は、歩いていたのは間違いなくあなただと証言していましたが…」

    狛枝「ボクと日向クンを見間違えるくらいだよ? そんなに目がいいワケないでしょ」

    ???「チョ、チョットそこのモヤシ!!! 今のコトバ撤回しなさいよ!!!レーザー飛ばすわよ!!!!!!!!」

    王泥喜(……何やら傍聴席から怒号が聞こえるな)

    ーーーーーーーー

    心音「オドロキ先輩、ここで決めれば確実に彼を追い詰められますね」

    王泥喜「う、うん……そうだね」

    心音「オドロキ先輩、熱が出たらあんまり無理しないでくださいね」
    モニ太「無理シナチク」

    王泥喜「?」

    心音「ああっ! い、今のは…つい今さっき思い浮かんだ親父ギャグです!!」

    王泥喜「誤魔化さないんだね…誤魔化しようもないけど」
    (とりあえず、割と暇してたんだな、希月さん)

    王泥喜(とにかく、ここを乗り切れば勝機は見えてくるはずだ)

    王泥喜(証拠品に、彼の証言を切り崩せる可能性のあるものは……)



    ーーーーーーーー
  103. 107 : : 2017/03/28(火) 22:55:21
    狛枝「何度も言ってるけど、あのキャタツには日向クンの指紋がついてる」
    狛枝「あのキャタツは図書室の常備品だよ」

    異議あり!



    王泥喜「………あのキャタツは本当に図書室の常備品なんでしょうか?」

    狛枝「どういうことです?」

    王泥喜「そもそもなんで図書室にキャタツなんてあるんだろう? あの希望ヶ峰学園の設備にしては適当すぎる…」

    王泥喜「……実はあのキャタツは全く別の場所にあったものなんじゃないですか?」

    狛枝「…!!!!」

    サイバンチョ「どういうことですか、弁護人、説明なさい」

    王泥喜「俺が説明するよりも、彼に説明してもらった方がいいかもしれませんね」

    サイバンチョ「彼…?」

    王泥喜「日向くん、証言台に立ってくれるかな」

    日向「ええ、何が言いたいかはわかってます」

    サイバンチョ「ふむぅ…よくわかりませんが、とりあえずお願いします」



    日向「…狛枝、もうお前の言うことは信じないぞ」

    狛枝「……………」

    日向「あのキャタツ、図書室に置いてあったものじゃないってことぐらい、俺にはわかるさ」

    カン

    サイバンチョ「では、早速証人に提示してもらいましょうか」

    サイバンチョ「あのキャタツはどこにあったものですか?」

    1・教室
    2・保健室
    3・職員室
    4・カフェテラス

    >>108
  104. 114 : : 2017/03/29(水) 00:36:57
    1。
  105. 115 : : 2017/03/29(水) 11:52:37

    これだ!

    日向「狛枝…俺が学園に入ってから通った経路はわかるよな?」

    狛枝「罪木さんに拾われて、保健室、そして図書室だね」

    日向「……俺が立ち寄ったのは図書室じゃない あの教室だ」

    王泥喜(………)

    日向「よく見てみろ、あのキャタツ」

    日向「はがれかけのネームシールがついてるだろ? 雨冠だけが残ってるネームシールが」

    日向「あれは元々『雪染ちさ』って書いてあったんじゃないか?」

    狛枝「……!」

    サイバンチョ「つ、つまり!あのキャタツは図書室の常備品ではなく教室のものという事ですか!」

    サイバンチョ「そうなると、色々と話が変わってきますぞ!!!!」

    夕神「メガー、その辺はどうなんだァ?」

    メガー「僕のmemory(メモリー)が正しければ、図書室には本を取る専用のladder(ローダー)があったはず!!!!」

    メガー「あのキャタツがそのはしごとばかり思っていたが、どうやら違うみたいだな!!!!!!」

    夕神「メガー! 希望ヶ峰学園に確認を取りなァ!!!」

    メガー「yes,sir!!!!!!」


    王泥喜(よし!予想通りだった…!)



    ーーーーーーーー
  106. 116 : : 2017/03/29(水) 12:01:45
    サイバンチョ「…どうでしたか、ユガミ検事」

    夕神「メガーから連絡が来た 確かにあれは教室に置いてあったものだ 担任の雪染ちさが証言している」

    心音「これは…行くしかないですね!」

    王泥喜「…あ、ああ!畳み掛ける時だ!」

    日向「狛枝…おしえてくれよ どうして図書室にあるはずないものがあるんだ?」

    日向「十神を図書室まで送り届けたお前ならわかるよな?」

    狛枝「……そんなの知らないよ」

    日向「此の期におよんでとぼける気か? 無駄だぞ!! もうお前は信用しない!」

    狛枝「…本当に知らないんだよ、ボクは」

    狛枝「それに、あこキャタツを誰にもバレず図書室に持って行く方法もあるはずだよ?」

    日向「なんだと?」

    狛枝「そうか…日向クンは予備学科生だから知らないんだね」

    心音「アッ…!裏口…!」

    狛枝「そう、この教室の裏口を利用すれば、誰にも見つからずにあのキャタツを運べるよね?」

    異議あり!

    心音「あのキャタツを裏口から持ち運ぶ…?そんなの不可能です!!!」

    狛枝「どうしてですか?」

    心音「だって…」

    1・図書室の裏口は使えなかった
    2・教室に裏口なんてなかった

    >>117
  107. 117 : : 2017/03/29(水) 15:41:28
  108. 118 : : 2017/03/29(水) 18:36:09
    心音「そもそもあの図書室の裏口は使えなかったはずです!!!」

    心音「あの重すぎる本棚が裏口を塞いでたからです!!!!」

    メガー「一応言っておくが、あれは大人6人でようやく運べる重さ!super heavy weightだ!!!!!!!!」

    心音「そう!つまり裏口を使って運ぶのも不可能なんです!!!」

    サイバンチョ「え、ええと、つまりここまでの話をまとめると…」

    夕神「まずあのキャタツは元々図書室にあったモンじゃねェ…教室に置いてあったモンだ」

    夕神「そして、どうしてかわからねぇが教室から持ち出されてる……だが、廊下をキャタツを持ちながら歩いているなんて報告は受けてねェぞ?」

    メガー「他のeveryone(エブリワン)もそんなexplicationはしてなかったぞ!!」

    日向「…だったら、あのキャタツを図書室に運んだ方法はなんなんだ!」








    日向『答えろ……狛枝!!!!!』







    狛枝「あ、ああ………」







    狛枝「ううう…ウグググググ………」













    狛枝「……うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」

  109. 119 : : 2017/03/30(木) 01:44:33

















    狛枝「…………」




    狛枝「そうだよ…嘘だよ、全部」




    サイバンチョ「嘘?」



    狛枝「日向クンが共犯だってのも、何もかも…全部ボクの嘘だ」

    サイバンチョ「え……………」







    サイバンチョ「ええええええええっ!!!!」





    ざわざわ…ざわざわ…




    カンカンカン

    サイバンチョ「静粛に!静粛に!静粛に!」

    サイバンチョ「つ、つまりあなたは罪をなすりつけ、道連れにしようとしたのですか!!被告人に!!」

    サイバンチョ「他人に罪をなすりつけ、なおかつ嘘の証言を行なったとなれば…虚像告訴罪と法廷侮辱罪に問われますぞ!」

    夕神「となると罰金なら千数百万、懲役なら軽く10年は越えるなァ」

    狛枝「でもぼくを殺人罪で告訴する事は出来ないよね?」

    日向「えっ?」

    狛枝「あのキャタツを図書室に移動させる事が出来る人物がぼくでも日向クンでもないとしたら…一体誰があれを持ってきたんだろう?」

    サイバンチョ「た、確かにその疑問は残りますね…弁護人、どう思われますか?」

    心音「ど、どうって急に聞かれても…オドロキ先輩はどう思います?」

    王泥喜「…………」

    心音「オドロキ先輩? どうしたんですか?さっきから一言も喋りませんし…あっ」

    王泥喜「…うん、もう………げん、か…」

    王泥喜「…ヘックシュン!」

    王泥喜「ヘックシュン!!ヘックシュン!!ヘックシュン!!ヘックシュン!!ヘックシュン!!ヘックシュンヘックシュンヘックシュンヘックシュンクシュンクシュンクシュンクシュンクシュンクシュンクシュンクシュンクシュンクシュン」


    王泥喜「ゔるええええぇっくしゅううん!!!!!!!!」

    バタン

    心音「お、オドロキ先輩!?!?」

    夕神「?」

    サイバンチョ「べ、弁護人!?」

    カン

    サイバンチョ「し、審理を一度中断します! 係官は至急彼を医務室へ!」

    ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…


    サイバンチョ「とにかく休廷です!休廷!」



    カン







  110. 120 : : 2017/03/30(木) 17:59:36
    4月 8日 某時刻
    地方裁判所 被告人第三控え室


    心音「うう…どうしよう……」

    心音「まさかあんなにムリしてたなんて…オドロキ先輩」

    日向「…………」

    日向「やっぱりおかしい」

    心音「へ?」

    日向「どう考えても狛枝が図書室にキャタツを持ってきたなんて不自然なんだ」

    日向「キャタツを取りに行くには教室に…つまり職員室の前を通らないといけない キャタツなんて持って運んだら音も出るし、あのオバチャンにバレるに決まってる」

    心音「じゃ、じゃあ…本当に誰が誰運んだんだろう」






    ???「イヤ、1人だけ考えられる人間がいるよ」



    心音「?」








    成歩堂「遅くなったね、日向くん」

    日向「あっ、成歩堂さん!!!」

    心音「成歩堂さん? か、身体は大丈夫なんですか!? 救急車で運ばれたって聞きましたけど…」

    成歩堂「ああ、二、三回程身体を強く打ち付けたけど、幸いにも足首をひねっただけで済んだよ」

    日向「弐大に負けず劣らずのタフさだな…」

    心音「それよりも、考えられる人って誰ですか?」

    成歩堂「ああ、そうだね」

    成歩堂「狛枝くんも日向くんも違うなら、考えられる最も犯人に近い人間… それは黯箸だ」

    心音「黯箸って!あの黯箸ですか!?」

    成歩堂「ああ、あの時僕を階段から突き落としたのも彼なんだ」

    日向「そうだったのか!?」

    成歩堂「事件に関係ないとしたら、そこまでしてまで僕を排除したい理由、そう沢山は思いつかないよ」

    心音「でも、あの人にはアリバイがあるみたいですよ?」

    成歩堂「でも僕らはそのアリバイの全貌を知らない つまり、付け入る隙があるかどうかはまだわからないって事だよ」

    カカリカン「これより開廷時間となります!弁護人と被告人は、速やかに法廷へ移動してください!」

    成歩堂「…時間だ 王泥喜くんの頑張りを無駄にしないためにも、出来ることをやろう 心音ちゃん」

    心音「わかりました!!!」

    成歩堂「…そういえば、こまるちゃんの姿が見えないな」

    成歩堂「知ってるかな?心音ちゃんは」

    心音「えっ! えーっとえーっと…さ、さぁ早く法廷に戻りましょう!」

    成歩堂「イデデデデ!!!!ネクタイを引っ張るのはやめ…て……」ガクッ






  111. 121 : : 2017/03/31(金) 13:16:54
    4月 8日 某時刻
    地方裁判所 第3法廷

    カン

    サイバンチョ「では、審理を再開したいと思いますが…」

    成歩堂「?」

    サイバンチョ「その…諸事情は解決したのですか?成歩堂弁護士」

    成歩堂「ええ、ここからは引き継ぎで弁護させていただきます」

    サイバンチョ「先ほどの王泥喜弁護士の容態はいかがですか?」

    夕神「熱で倒れただけだ 大人しくしてりゃじき治るさ」

    サイバンチョ「なるほど…何はともあれ、安心して審理に臨めそうです」

    サイバンチョ「さて、先ほどまでの議題ですが…あのキャタツを持ち込んだのは狛枝凪斗か日向創か、どちらなのか? という話でしたな」

    夕神「狛枝凪斗が罪をなすりつけるために日向創を利用した、というなら辻褄は合う」

    夕神「だが、狛枝凪斗がキャタツを持ち込んだ後、日向創が図書室でそれに触れたと考えれば理屈も間違っちゃいねェ」

    成歩堂(つまり、まだ日向くんの疑いは完全に晴れていないわけか…)

    夕神「確かにキャタツは運ぶ時にガチャガチャ音がうるせェが…あの耳の遠そうなバアさんなら聞き逃しててもおかしくねェ」

    ???「ひゃあああん❤︎ ユガミちゃんのそういう辛辣なトコロもシビれるねええ♪」

    夕神「…チッ」

    成歩堂(あのオバチャン、傍聴席にいるみたいだな……)

    サイバンチョ「そうなると……本格的にあのキャタツはどうやって運ばれたのかがはっきりしませんな」

    夕神「両方怪しい以上、両方が犯人という前提で進めるしか道がねェ 検察側は変わらず共犯を主張する!」

    待った!

    成歩堂「共犯だと決めるのは時期尚早です!」

    夕神「だったらよォ、お前さんは知ってるのか? あの2人以外に殺せた人間を」

    成歩堂(……あの2人以外で十神白夜を殺せた人間、か……)

    カン

    サイバンチョ「では弁護人に問います」

    サイバンチョ「狛枝凪斗、日向創以外に被害者を殺害出来る可能性のある人物を」

    1・メガー・フシアナー
    2・黯箸影丸
    3・雪染ちさ
    4・罪木蜜柑

    >>122
  112. 122 : : 2017/03/31(金) 13:21:02
  113. 123 : : 2017/03/31(金) 22:27:03
    サイバンチョ「その人は!」

    成歩堂「彼になら、誰にもバレずにキャタツを図書室まで運ぶことが出来るはずです」

    サイバンチョ「し、しかし図書室まで行くには廊下を通るしか…」

    成歩堂「もっと詳しく言うなら、彼は図書室の裏口を利用することが出来るのです」

    サイバンチョ「利用?」

    成歩堂「図書室の裏口は、重い本棚で塞がれていた…しかし彼の腕力ならその本棚をどかす事も容易です!」

    サイバンチョ「!確かに彼なら可能です!!」

    異議あり!

    夕神「黯箸影丸にはアリバイがある事ぐらい知ってるはずだよなァ?成の字」

    成歩堂「ですが彼の詳細なアリバイを僕らは知りません!! 黯箸さん本人同席のもと、僕らにも情報を開示するべきです!!」

    サイバンチョ「なるほど、そういう話なら賛成です 検察側、よろしいですか?」

    夕神「異論はねェ、黯箸だったらこの法廷にいるはずだ」

    カン

    サイバンチョ「わかりました 係官!至急黯箸さんを法廷へ!」

    成歩堂(………いよいよ、勝利への最後の大詰めが始まるな)

  114. 124 : : 2017/04/01(土) 00:33:51
    サイバンチョ「では証人、名前と職業を」

    黯箸「……ハァ、全く疲れるよ なんで私が証言台なんぞに立たなければならないのだ」

    サイバンチョ「いや、そういわずにお願いしますぞ」

    黯箸「…わかったよ、私もそこまで子供じゃない」

    黯箸「黯箸影丸、元『超高校級のストリートファイター』 今は希望ヶ峰学園の教頭兼株式会社《未来警備グループ》の最高顧問だ お手柔らかに頼む」

    サイバンチョ「さて、黯箸さん、あなたには証言してもらわなければならない事があります 準備の程は整っておりますか?」

    黯箸「準備も何もないよ」

    サイバンチョ「はて?」

    黯箸「物分かりが悪いね、じいさん コレだけあれば十分じゃないか」

    成歩堂「これは…写真ですか?」

    心音「これを見た限りだと、黯箸さんが外の花壇の前でタバコを吸ってるだけに見えますけど…」

    黯箸「肝心なのはそこじゃない 写真の撮られた時間をみてみろ」

    成歩堂「ええっと、12:23:25と書いてありますね」

    黯箸「さて、ところで夕神さん 確かあなた、今回の更に詳しい検死の結果……新しい事実がわかったみたいだね」

    成歩堂「《新しい事実》…?」

    夕神「十神白夜の詳しい死亡時刻が判明した」

    夕神「時刻は《12時20分》だ」

    成歩堂「…………えっ」

    夕神「…黯箸影丸が外の花壇の前でタバコを吸っていたのが《12時23分》…つまり!」

    夕神「この写真が撮られたのは、十神白夜が殺害された時間とほぼ同時という事だァ!!!」

    成歩堂「な…………」

    成歩堂「なんだってええええええええ!!!!!」



    写真を証拠品に加えました

    写真

    ーー黯箸が花壇の前でタバコを吸ってる姿が写ってる
    花壇の花は潰れている
    撮られた時間は12時23分25秒



    ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…

    カンカン

    サイバンチョ「静粛に!静粛に! 確かにこれは決定的なアリバイです!」

    サイバンチョ「死亡時刻と3分しか変わらないのならば…これ以上に明白なことはありません」

    待った!


    成歩堂「さ、3分あるなら、急いで現場から離れれば間に合うじゃないですか!!」

    異議あり!

    夕神「俺らが現場検証を何もしてないと思うか?」

    夕神「現場から場所までの距離を測定した 最低でも7分はかかる」

    成歩堂「な、7分…ですって……」

    夕神「そもそもそんなに急いで現場から離れたなら、誰かに見つかってるはずだしなァ」

    成歩堂「でも彼なら非常階段の存在を知ってるはずです!」

    夕神「あいつはあくまでここにいる時は教員だ 非常階段の鍵は持ってねェ」

    夕神「そして、あのバアさんは黯箸は職員室に鍵を取りに来てないと証言していた」

    成歩堂「そ……そん…な……」

    黯箸「クックックッ……いいねえその絶望しきった感じの面構え みていて実に滑稽だよ」

    黯箸「今までこうやって、リングでもストリートでも仕事でも……何度もその面を見た事があるが、君のはその中でも最高の泣きっ面だ」

    黯箸「修羅場をくぐって来た人間の苦しむ顔は見てて清々しいねえ!!」

    成歩堂(クソ…!いきなりここで諦めていられるか!)

    黯箸「では、最後に証言をして終わりとしましょう」

    黯箸「希望を与えて絶望を見せる…私の得意とする戦い方だ」

    カン

    サイバンチョ「では、証言をお願いします」

    サイバンチョ「あなたのアリバイについて!」

    黯箸「クックックッ…」




    ーーーーーーーー

  115. 125 : : 2017/04/01(土) 11:12:18
    ーーーー証 言 開 始ーーーー

    アリバイ

    黯箸「この写真は私の部下が撮ったものだ」
    黯箸「この写真にある通り、私は殺人が起きた時間は現場にいない」
    黯箸「どうやらこれで犯人は日向創で間違いなさそうだな」
    黯箸「言っておくが、私には彼を殺す動機もないぞ」

    ーーーーーーーー

    サイバンチョ「これは……決定的と言っていいでしょう」

    夕神「さて、黯箸のアリバイは確認し終わったが…どうする?尋問は」

    成歩堂「ええ、当然させていただきます…」

    黯箸「クックッ…そう来るのを待ってたよ弁護士くん」

    黯箸「さて、どこからでもかかってくるがいいさ、叩きのめしてやるよ」

    カン

    サイバンチョ「では弁護人、尋問を」

    成歩堂(なんとかして相手の証言の粗を突くしかない!! せめてここで無駄にはしない!!)



    ーーーーーーーー
  116. 126 : : 2017/04/01(土) 11:33:51

    ーーーー尋 問 開 始ーーーー

    アリバイ

    黯箸「この写真は私の部下が撮ったものだ」

    待った!


    成歩堂「どうしてそんな写真を撮らせたのですか?」

    黯箸「この時、ちょうど十神白夜の死体が発見された時間帯でね、散らばっていた警備員が目撃した警備員の緊急要請を聞いて飛んで行ってたんだ」

    黯箸「その時、警備員の1人が私のアリバイを証明するために撮ってくれたのだ やっぱり持つべきは有能な部下だ」

    成歩堂「…ちょっと待ってください」

    成歩堂「緊急要請があったにもかかわらず、あなたは悠長に外でタバコなんて吸ってたんですか?」

    黯箸「そもそも警備自体は私の仕事じゃないんだよ 人には役割ってのがあるのさ、弁護士くん」

    夕神「オメーの場合だと、検事のやつ当たり台ってところだなァ、成の字」

    成歩堂「あははは…」
    (振り返ると、あながち間違ってもいない)

    心音「大丈夫です!成歩堂さんがいくらコーヒーまみれになっても、希月心音は成歩堂さんの味方です!!!!」

    成歩堂(…持つべきは優しい部下だな)

    黯箸「話はそれたが、この写真が持つ意味はわかるだろう」

    ーーーーーーーー

    黯箸「この写真にある通り、私は殺人が起きた時間は現場にいない」

    待った!


    成歩堂「つまり殺人には関与していない、と言いたい訳ですね」

    黯箸「ここに来た時事件の資料を読ませてもらったよ ありゃどう見ても狛枝と日向が犯人だ」

    成歩堂「特にどの部分がそう見えましたか?」

    黯箸「言わなくてもわかることを二度も三度も言わなきゃいけないってのは、そいつがバカな証拠なんだよ」

    黯箸「まぁ…強いていうならキャタツの指紋が決定的だ」

    黯箸「見てみろ、キャタツの両脚をガッツリと掴んだ跡があるじゃないか」

    成歩堂「その指紋には色々と疑問が残っています」

    成歩堂「これを根拠に考えるのはいささか不自然では?」

    黯箸「ホントにバカだねえ、君は だったら逆に聞くが…私が現場にいた証拠でもあるのかね?」

    心音「……!ちょ、ちょっと待った!」

    成歩堂「!」

    心音「今の発言、証言に加えてください!!」

    黯箸「……なぜだ?」

    心音「それは…多分重要な証言だからです!!」

    サイバンチョ「…多分ですか」

    成歩堂(…そうか、アリバイを直接切り崩すのが無理なら、間接的に攻めていけば…)

    成歩堂「心音ちゃん、ありがとう」

    心音「これくらい、朝飯さいさいです!!!」

    成歩堂(お茶の子さいさいなのか朝飯前なのかはつっこまないでおこう)

    サイバンチョ「では、証言に今の発言を追加してください」

    黯箸「別に構わんが…」

    ーーーーーーー
  117. 127 : : 2017/04/01(土) 11:47:22

    黯箸「私が現場にいたという証拠もない」

    待った!


    成歩堂「それは間違いありませんね?」

    黯箸「くどい念押しは無用だ バスタートラップで締め付けるぞ」

    成歩堂「ば、ばすたーとらっぷ…?」

    心音「確か、レスラー時代の黯箸の技の一つです」

    心音「激しいスライディングで相手を吹っ飛ばして、飛んだ相手を下からアッパーで吹き飛ばす、現役時代の黯箸影丸を代表する必殺技の一つです」

    成歩堂「詳しいね、心音ちゃん」

    心音「怪しいと思って、昨日調べてたんですよ」

    成歩堂「…ところで、やっぱり気功波の類は」

    黯箸「無理だ お前私をなんだと思ってる」

    サイバンチョ「そして、黯箸さんが現場にいいないとなると…」

    黯箸「そこからは必然的に決まってくる」


    ーーーーーーーー

    黯箸「どうやらこれで犯人は日向創で間違いなさそうだな」

    待った!


    成歩堂「なぜ彼が犯人だと決めつけるのですか!」

    成歩堂「そもそも被害者の十神白夜と被告人は接点はありません!!」

    黯箸「ん?お前さんが今まで担当した事件の被害者は、全員加害者と接点があったのか?」

    成歩堂「いや、そういうこともないですけど…」

    黯箸「タワケが!! どうせ予備学科風情が本科の人間を嫉妬したに決まってる!!」

    黯箸「十神白夜はデイトレードの実力、学問、教養、容姿、武道、知識…何を取っても人一倍優秀な《超高校級の中の超高校級》、そして性格は傲慢そのもの 嫉妬の対象にされるには充分だろう?」

    成歩堂(十神白夜、か……)

    成歩堂(彼は一体なんのために殺されたんだろう……)

    黯箸「とは言ってもだな…」

    ーーーーーーーー


  118. 128 : : 2017/04/01(土) 11:55:50
    黯箸「言っておくが、私には彼を殺す動機もないぞ」

    待った!


    成歩堂「何か金銭トラブルでもあったんじゃないですか?」

    黯箸「なぜ金銭トラブルでコロシアわなければならない」

    成歩堂「いや、黯箸さんと十神くんのやりとりとなると、行き来する金もケタ違いなんだろうなぁって」

    黯箸「彼はここに来たばかりだ ほとんど関わりはないよ」

    黯箸「そもそも彼は私のことを毛嫌いしていたから尚更ね」

    黯箸「『高潔な十神の血を引く人間はお前のようなクズなど眼中にない』だとよ……全く目が腐ってやがる」

    成歩堂(…人を見る目は確かみたいだ 十神くん)


    ーーーーーーーー

    成歩堂(真っ向からこのアリバイをぶち壊すのは難しい…)

    成歩堂(心音さんの言ったように、別の視点から攻めてみるか)

    心音「《どうやってアリバイを崩すか》ではなく、《現場にいたという根拠はないか》…で考えるんです」

    心音「成歩堂さんから教わった、【発送の逆転】です!!」

    成歩堂(この発送で攻めていけば、少しずつ事実が明らかになる 異議を唱えられるところはないかな……)


    ーーーーーーーーーーーー
  119. 129 : : 2017/04/01(土) 13:11:11
    黯箸「この写真は私の部下が撮ったものだ」
    黯箸「この写真にある通り、私は殺人が起きた時間は現場にいない」
    黯箸「私が現場にいたという証拠もない」

    異議あり!



    成歩堂「現場にいたという証拠…ないこともないですよ」

    黯箸「何?」

    成歩堂「この解剖記録によると、十神くんの遺体には《根性焼きに近い火傷の跡》があったはずです」

    成歩堂「黯箸さん! これはあなたが現場に残したものじゃないですか!?」

    黯箸「ぶわああっ!!」ドカッ

    サイバンチョ「確かに証人はタバコ好きでしたな……」

    サイバンチョ「本当に被告人と狛枝くんが犯人なら、死体にこんな火傷跡が残るものなのでしょうか?」

    夕神「少なくとも日向創の持ち物からタバコは確認されてねェな」

    黯箸「くっ……!」

    成歩堂「大方、吸っていたタバコの燃えカスが十神くんの時代の頬に偶然かかったのでしょう」

    黯箸「黙れ! そもそも図書室は禁煙だ! そんな場所でタバコを吸うはずないだろう!」

    objection(オブジェクション)

    成歩堂「!」

    メガー「言い訳はso-bad!!黯箸教頭!!!」

    メガー「本科の生徒たちの証言によると、あなたは普段からlibrary(ライブラリ)smoke(スモーク)してたそうじゃないか!!!」

    黯箸「黙れ刑事が! 貴様のクビが飛ぶぞ!!」

    メガー「Shut Up(シャラップ)!!!!」

    黯箸「!?」

    メガー「笑止!!ハナから私が刑事なのは今日限り!!!!つまり飛ぶクビもすでに飛んだ私はinvincibile(インヴィンシブル)なのだ!!!!!!」

    メガー「散々みんなの足を引っ張ってしまったぶん、最後ぐらいは華々しく散ってやるさ!!!!!HAHAHAHAHA(ハーッハッハッハッハッ)!!!!!!!!!!!!」

    黯箸「キサマ……!!!」

    サイバンチョ「と、なると…ますますあなたのアリバイは怪しいですね」

    黯箸「…クックックッ……」

    成歩堂「!」

    黯箸「よく考えろ、あのキャタツについてる指紋は間違いなく日向創の指紋だ」

    成歩堂「ですがそれを図書室までバレずに運べるのはあなただけです 黯箸教頭」

    黯箸「ぬけぬけと! そんなものただの憶測だ!!!」

    成歩堂「………」
    (憶測、か……確かにそうだ)

    成歩堂(ここまでで日向くんの無罪につながる証拠はない……だったら)

    成歩堂「《憶測》…? いいえ、僕は証明しますよ!」

    成歩堂「あのキャタツの指紋にはムジュンがあると!!!!」
    (道がないなら、ハッタリで切り開く!!)

    黯箸「なんだと…?」

    サイバンチョ「ほほう、面白い、どうやら弁護人には何か考えがあるようですね」

    黯箸「聞くだけ無駄だ、この証言に意味などない」

    黙りなァ!

    夕神「おもしれェじゃねェか、なァ、傍聴席の野郎ども」

    夕神「こいつは今、一世一代の大ハッタリをかましやがったぞ?」

    成歩堂「エッ、ちょっ、ユガミ検j
    夕神「この大ハッタリ……最後まで見届けたいってのが人間の真理ってモンだよなァ!!」

    ざわざわ…

    確かに…きになるな

    ハッタリ…それとも本当に…?

    カンカンカン

    サイバンチョ「静粛に!静粛に! ユガミ検事、傍聴人を煽るような真似はよしてください」

    夕神「おっと、スマネェ、つい口が滑っちまったなァ」

    成歩堂(うう、傍聴席からの熱い期待と疑惑の眼差しが……)

    夕神「だがここまで来たら、もう後戻りは出来ねェなァ、責任持って話してもらわねェと示しがつかねェぜ?成の字」

    黯箸「小癪な真似を…!」

    心音「ユガミ検事がくれたチャンス!無駄には出来ませんね!」

    成歩堂(これは…チャンスと呼ぶべきかピンチと呼ぶべきか……)

    成歩堂(ええい!こうなったらやるしかない!!やるならガンガン攻めるぞ!!)

    成歩堂「よく考えてください、皆さん」

    成歩堂「本当にこの指紋通りにキャタツを倒したとしたら…おかしくないですか?」

    黯箸「なぜだ? なんの違和感もないだろう」

    夕神「だ、そうだ どうなンだ成の字」

    成歩堂「この通りにキャタツを倒したなら…ある問題が発生するのです!!!」

    カン

    サイバンチョ「ふむぅ…よくわかりませんが、弁護人に問います」

    サイバンチョ「そのある問題とは?」

    1・本棚と一緒にキャタツと日向が潰れてしまう
    2・本が溢れてしまう
    3・音が響いてしまう

    >>130
  120. 130 : : 2017/04/01(土) 14:49:51
  121. 131 : : 2017/04/01(土) 15:27:41
    成歩堂「彼の指紋はキャタツの両脚、つまり真横についていました」

    成歩堂「この持ち方で倒せば、日向くんの立ち位置は本棚の真正面になります!」

    黯箸「なんだと…!?」

    成歩堂「つまり!本当にこの持ち方でキャタツを倒したのならば!!!」

    成歩堂「日向くんはキャタツもろとも本棚に押しつぶされてなければならないのです!!!!」

    黯箸「く……」

    黯箸「くおああああああっ!!!!」ガキイーーーン

    成歩堂(…さっきから見えない何かに殴られてるみたいだな、あの人)

    ざわざわ…ざわざわ……

    カンカン

    サイバンチョ「静粛に!静粛に!」

    サイバンチョ「相変わらず見事な推理ですな いいでしょう、続けなさい」

    成歩堂「ありがとうございます、裁判長」

    成歩堂「さて、ここでまた一つ、新たな疑問が浮かびます」

    成歩堂「十神くんが元々使ってたハシゴはなんだったんでしょうか?」

    サイバンチョ「元々使ってたハシゴ、ですか?」

    夕神「現場の本からは十神白夜の指紋も出ている 十神が本棚で何かしら調べていたのは事実だ」

    夕神「つまり現時点、何かしらハシゴを使っていたのはほぼ確定事項って事さァ」

    黯箸「そんなものあるはずないだろう……あれが教室の常備品って話だって雪染先生の嘘かもしれませんがね!!」

    異議あり!

    成歩堂「いえ!あなたが犯人だと仮定すれば…自ずと見えて来ますよ」

    成歩堂「あなたが本当のハシゴを隠した方法が!!!」

    黯箸「小賢しい!!!!妄想は聞き飽きた!」

    黯箸「いい加減机上の空論ではなく証拠で話をしろ!!!」

    成歩堂「…いいでしょう、では提示しましょう!」

    成歩堂「あなたがキャタツ…いや、図書室のハシゴを隠した場所を!!!!」

    夕神「ほォ、面白れェ」

    夕神「みせてみな、その場所って奴をよォ」

    成歩堂「彼がハシゴを隠した場所は…」

    1・裏口の中
    2・カフェテラス
    3・職員室

    >>132
  122. 132 : : 2017/04/01(土) 20:08:01
    1かな?
  123. 133 : : 2017/04/02(日) 13:09:14
    成歩堂「彼にしか隠せない場所…当然ココです!!」

    サイバンチョ「そこは……裏口ですね」

    成歩堂「この裏口は大掛かりな人数でないと開けない…そこが僕らの最大の盲点だったのです」

    成歩堂「盲点であるそこにハシゴを隠せば、カンペキな証拠の隠滅が可能です!!!」

    黯箸「く………くぐあアアアアアアアアああああああああああ!!!!」ドゴオオオオオオオン

    夕神「この逆境でやるじゃねェか、成の字」

    夕神「メガー!! さっさと調べてこい!!」

    待った!

    黯箸「弁護人の発言にはなんの根拠もない!!!調べるだけ無駄だ!!」

    objection!

    メガー「…ついにこいつを使う時が来た!!」

    メガー「これをみてみろォ!!!!」

    サイバンチョ「こ、これは!ボロボロに砕けたハシゴのように見えますが?」

    メガー「Yesterday(イエスタデイ)私がlibraryで発見したものだ」

    メガー「私はあの時、すでにあなたの事を疑っていたのさ!!!」

    メガー「私をただの無能な金髪寝癖のアメリカ野郎だと思ったら大違いだ!!!」

    心音「寝癖だったんですね…あの風みたいな髪型」

    成歩堂「さぁ!どうなんですか!黯箸さん!」

    黯箸「ググググググググ………クックックッ」

    成歩堂(?)

    黯箸「クハハハハハハ!!!!ハッタリもそこまでくれば見事なものだよ!!!!」

    成歩堂「は、ハッタリですって…!」
    (確かに99%はハッタリだけど…)

    サイバンチョ「証人、何か反論があるのですか?」

    黯箸「当然だ そんな中身の無い推理が通用すると思うな!!」

    黯箸「キサマのそのハッタリ、文字通り真正面から張り倒してやろう!!!」

    成歩堂(まだ退く気はないみたいだな…)

    カン

    サイバンチョ「では証人、反論を証言してください」


    ーーーーーーーーーーーー


  124. 134 : : 2017/04/02(日) 14:27:07
    ーーーー証 言 開 始ーーーー

    反論

    黯箸「例え現場に偽造工作があったとしても…」
    黯箸「私にはアリバイがあるのだぞ?」
    黯箸「あのバラバラのハシゴも、私に疑惑の目を向けるための罠だ!」
    黯箸「つまり私が犯人だという根拠は一つもないのだよ」

    ーーーーーーーー

    カン

    サイバンチョ「あのハシゴが、罠ですと?」

    黯箸「そうだ…確かにあの本棚を1人で動かせるのは私ぐらいだろう」

    黯箸「だが、扉を開けることは誰にでも出来たはずだ」

    成歩堂「どういう事ですか?」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    図書室の本棚は裏側の板がない つまり本をどかせば向こう側が見れるほどの隙間が生まれる

    あの本棚に置いてある本を全てどかせば、ドアノブをもひねる事が出来る上に、隙間からキャタツやハシゴを通す事だって出来るわけだ

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    黯箸「つまり、結局のところ私が怪しいという証拠にはならないんだよ!!!!」

    成歩堂「ぐ………」

    成歩堂「ぐああああああっ!!!」

    カン

    サイバンチョ「わかりました、では弁護人、尋問を」

    成歩堂「わ、わかりました…」
    (何としてでも見つけなきゃ…他の切り口を!)

    ーーーーーーーー
  125. 135 : : 2017/04/02(日) 22:25:56
    ーーーー尋 問 開 始ーーーー

    反論

    黯箸「例え現場に偽造工作があったとしても…」

    待った!


    成歩堂「あのキャタツに火傷跡…あなたがやったようにしか見えませんが?」

    黯箸「私がやったように見せかけてるんじゃないか?」

    黯箸「こんな事言うのもあれだが、これまで色んな人間から恨みを買ってきたからね」

    黯箸「私に罪を着せたいと思ってる人間もいる事でしょう 全く、ミジメだねぇ…」

    成歩堂(それでいて全く悪びれないところはさすがといったところか…)

    黯箸「だが私には犯行は不可能だ なぜなら…」


    ーーーーーーーー

    黯箸「私にはアリバイがあるのだぞ?」

    待った!


    成歩堂「そもそもなぜアリバイ写真を撮らせたんですか?」

    成歩堂「まるで事件が起こるとわかっていたようですね…」

    黯箸「なんとでも言うがいい、事実は屁理屈で変えることはできない」

    夕神「《証拠は嘘をつかない》、ってヤツさ」

    成歩堂「《嘘も方便》とも言いますけどね」

    心音「でも《嘘つきは泥棒の始まり》ですよ」

    成歩堂「……ハッタリはウソの内に入らないよね?」

    心音「…………多分」

    黯箸「真実でも、受け手の解釈次第でいくらでも嘘に変えられる その証拠に…」

    ーーーーーーーー


  126. 136 : : 2017/04/02(日) 22:40:15
    黯箸「あのバラバラのハシゴも、私に疑惑の目を向けるための罠だ!」

    待った!


    成歩堂「仮にハシゴを使ったのが事実だとしても、あの本棚を倒せるほどの力を使えるのはあなただけです!!」

    黯箸「あの本棚が倒れたのはたまたまだと言っているだろう!!!」

    成歩堂(……あやしい、妙に口調を荒げてる)

    成歩堂「そんなに本棚が気になりますか?」

    黯箸「悪意ある尋問には黙秘権を使用させてもらうがいいのかね?」

    サイバンチョ「ふむぅ…いかがですか、ユガミ検事」

    夕神「イイんじゃねェか?」

    待った!

    成歩堂「ご、ごめんなさい!真面目に尋問します!」

    心音「…成歩堂さん、もしかして…」

    心音「彼が気になるのは本棚についてだけではないみたいですね」

    成歩堂「そんなことがわかるのかい?」

    心音「いえ、多分ですけど……本棚が気になるだけで、あんな声の震え方をするものなのでしょうか?」

    成歩堂(本棚意外の後ろめたいことがある…? どう言うことだろう)

    成歩堂(何か本棚意外の証拠に不自然な点は無かったかな?)

    1・キャタツ
    2・裏口
    3・解剖記録

    >>137
  127. 137 : : 2017/04/02(日) 23:04:13
    3、
  128. 138 : : 2017/04/03(月) 08:57:27

    成歩堂(変な証拠品といえば…この事件に関係ありそうな物で本棚以外だと、これだな…)

    成歩堂「付かぬ事をお聞きしますが…」

    成歩堂「黯箸さん この解剖記録についてどう思いますか?」

    黯箸「解剖記録?」

    成歩堂「検察側の証拠に目を通したと言うことは、彼の解剖記録も見たはずですよね?」

    成歩堂「そこに違和感はありませんでしたか?」

    黯箸「…キミは何がいいたい? 黙秘権の行使はいつでも出来るんだぞ?

    サイバンチョ「ですがこの証言に別段悪意は感じられません どうかお答えください」

    黯箸「ケッ、まぁいいか」

    ーーーーーーーー

    黯箸「別に死体に変わった点は無かったな」

    待った!


    成歩堂「間違いありませんね?」

    黯箸「フゥ……二度も三度も同じことを聞いて相手を困惑させる、弁護士お得意のパターンだ」

    成歩堂「証言の信憑性を確認するためにも、念押しするのは当然の行為だと思いますが」

    黯箸「うちの部下はわざわざ念押ししなくても十二分の働きを見せてくれるがね」

    黯箸「なんならあんたもウチの会社の顧問弁護士になるか?」

    夕神「そのハッタリと二枚舌が上の世界でどこまで通用するのか…見てみたいねェ」

    成歩堂「え、遠慮しておきます……」
    (どうせロクな目に遭わないし)

    心音「それこそ目に見えてますね」

    黯箸「ついでだ、二枚も舌があるなら一枚はいらないだろう おい、ペンチを持ってこい!!!」

    警備員「イエス!!!!」

    成歩堂「エ」

    黯箸「もしこれで私の証言に嘘がなかったら、少し裏で待機しててもらうよ、成歩堂弁護士」

    成歩堂(……うう、なぜか既視感しかない)

    黯箸「だがここまで来ればわかるだろう…」



    ーーーーーーーー
  129. 139 : : 2017/04/03(月) 09:08:35
    黯箸「つまり私が犯人だという根拠は一つもないのだよ」

    待った!


    成歩堂「……」

    成歩堂(あのハシゴは確かに裏口前本棚の本を除けば隠滅工作は可能だ…… 火傷跡なんて
    いくらでも言い逃れできる)

    成歩堂(どこかにないのか?もっと怪しい部分は…)

    サイバンチョ「あの〜、弁護人、いかがなさいました?」

    成歩堂「あ、いえ、何でもないです」

    サイバンチョ「…………」

    サイバンチョ「何でもないのに無闇に証言を遮らないように!」

    成歩堂「スミマセン…」
    (遮るもなにも今ので最後じゃないか)


    ーーーーーーーーーーーー

    心音「彼の疑いも徐々に明らかになって来てます」

    心音「そろそろ、逆転の時かもしれませんね、成歩堂さん」

    成歩堂「何だか僕たち、粗探ししてるネットユーザーみたいだね」

    心音「え?今更…ですか?」

    成歩堂(…僕は心音ちゃんに何だと思われてるんだろう)

    成歩堂(とにかく、もう一つおかしな部分があるはずなんだけどなぁ……)

  130. 140 : : 2017/04/03(月) 14:46:31
    黯箸「例え現場に偽造工作があったとしても…」
    黯箸「私にはアリバイがあるのだぞ?」
    黯箸「あのバラバラのハシゴも、私に疑惑の目を向けるための罠だ!」
    黯箸「別に死体に変わった点は無かったな」

    異議あり!


    成歩堂「死体に変わった点は無かった? それはおかしい!」

    黯箸「おいおい、こんなの誘導尋問じゃないか」

    成歩堂「あれ、ひょっとして、今更取り消すのですか?」

    黯箸「まさか…で、どういうことなんだ?」

    心音「成歩堂さん、いつになく悪意全開ですね…」

    成歩堂「そりゃ、個人的な恨みがあるからね」

    成歩堂「黯箸さん……あなたは本当に解剖記録に目を通したんですか?」

    成歩堂「あの死体には、火傷跡以外にもおかしな部分があったのですよ?」

    黯箸「火傷跡以外の…おかしな部分だと?」

    サイバンチョ「一体それはどの部分なのですか?」

    1・身体の打撲跡
    2・死因
    3・死亡推定時刻

    >>141
  131. 141 : : 2017/04/03(月) 19:20:01
  132. 142 : : 2017/04/03(月) 21:47:35

    成歩堂「この身体の打撲跡です!」

    サイバンチョ「打撲跡、ですか…特におかしな点には見えませんが…」

    成歩堂「彼の身体には軽い打撲跡が半身にいくつもある…しかしそれはありえないのでは?」

    夕神「どういう意味だ?」

    成歩堂「ユガミ検事もご存知ですよね? 十神くんの頭の下の床に激しいキズ跡があったのを」

    夕神「ああ、確かにあの跡を中心に床には血が大きく広がっていた」

    夕神「当然だろうなァ、十神は《頭から落ちて》死んだんだからなァ」

    夕神「……あァン?待てよ?《頭から》……?」

    成歩堂「奇妙ですね 頭から勢いよく落下したのだとしたら、確かにあのキズ跡は出来ます」

    成歩堂「しかし、十神くんの身体には複数の打撲跡がある!!」

    夕神「身体に複数の打撲跡……《つまり頭から落ちた訳ではない》とでもいいてェのか?」

    サイバンチョ「!! つ、つまり……」




    成歩堂「ええ!この2つの証拠品は……明らかに【ムジュン】しています!!」



    サイバンチョ「しょ、しょ証拠品が……」

    夕神「ムジュンだとォオ…?」

    ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…


    カンカンカン


    サイバンチョ「静粛に!静粛に!」

    サイバンチョ「これは…とんでもないことが判明してしまいました」

    サイバンチョ「証言と証拠品ではなく……証拠品同士でムジュンが起きるとは!!!」

    異議あり!

    夕神「現場のシチュエーションを想像してみろォ、成の字ィ…」

    夕神「頭と身体、同時に落ちたといえばそれまでだぜ!!!」

    異議あり!

    成歩堂「でしたら尚更日向くんが犯人だなんてありえない!!」

    成歩堂「彼の腕力でそんな破壊力を生み出すのは不可能です!!」

    夕神「ケッ、こんな大場面で常識で考え出したら立証者として失格だぜ?」

    成歩堂「何?」

    夕神「こうも考えられるぞ」

    夕神「十神は一度あの本棚に押し潰されたって考えれば、身体の打撲跡にも後頭部の大怪我にも説明がつくッて訳さァ!!!!」

    成歩堂「ぐおおおっ!!!」

    サイバンチョ「確かにそう考えれば、なんの疑問もありませんな」

    黯箸「下らん、所詮は審理を引き延ばすための悪あがきだ」

    待った!

    成歩堂(ここで引いたら、王泥喜くんたちが身を削って繋いでくれた全てが台無しになるかもしれない!!)

    成歩堂(このムジュンには、きっとそれぐらいの意味があるはずなんだ!!!!)

    成歩堂「ユガミ検事、その推理もまたムジュンしています!」

    夕神「ほォ、面白れェじゃねえか、お前さんならいっぺんに片付けられるのか?」

    夕神「証拠品のムジュンと俺の推理のムジュンを」

    成歩堂「ええ!当然やってみせます!」

    カン

    サイバンチョ「では弁護人に問います」

    サイバンチョ「なぜユガミ検事の推理にはムジュンが生じるのですか?」

    成歩堂「この証拠品をみれば一目瞭然です!」

    1・キャタツ
    2・本棚

    >>143
  133. 143 : : 2017/04/03(月) 22:23:28
    1だと思います
  134. 144 : : 2017/04/03(月) 22:57:31
    くらえ!


    成歩堂「…………」

    成歩堂(どうしよう、勢いよくやってみたものの…)

    成歩堂(絶対に違う気がしてならない!!!!)

    夕神「へッ、どうやらムジュンしてるのはお前さんの指先の方だったらしいなァ…成の字ィ!!」

    成歩堂「う、うおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

    サイバンチョ「では、弁護人の推理はユガミ検事の推理には及ばなかったという事で」

    待った!

    成歩堂「もう一度…もう一度やらせてください」

    夕神「フン、もう一度だけだぞ…?」

    サイバンチョ「では弁護人にもう一度問いましょう」

    サイバンチョ「なぜユガミ検事の推理にはムジュンが生じるのですか?」

    成歩堂「この証拠品をみれば一目瞭然です!」

    2・本棚

    >>145
  135. 145 : : 2017/04/04(火) 00:38:57
  136. 146 : : 2017/04/04(火) 12:10:20
    くらえ!

    成歩堂「このムジュンを暴くには、僕自身も先程までの推理を撤回しなくてはいけないようです」

    夕神「どういう意味だ?」

    成歩堂「そもそも僕たちが前提を勘違いしていたんです 本当に本棚は【十神くんの殺害と同時に倒れた】のでしょうか?」

    成歩堂「そもそもあんな重い本棚の下敷きになったら、打撲跡だけで済むのでしょうか?」

    異議あり!

    夕神「本棚といえど死角のない武器じゃねえ、どこかしら隙間が空いてる」

    夕神「そもそも本棚に押し潰されて打撲跡だけで済む可能性も否定出来ねェぞ?」

    成歩堂「でしたら、こういう考えはいかがでしょうか?」

    成歩堂「もし本棚に押し潰されたなら、本来あるはずのものがない、と」

    夕神「本来あるはずのものだと?」

    成歩堂「ユガミ検事、彼が発見された時、彼は本棚の下にいましたか?」

    夕神「いや、キャタツの上半分と一緒に倒れた本棚の前に投げ出されてた…!」

    成歩堂「そう! 犯人が本当にあの本棚の下から十神くんを引きずり出したなら…」

    成歩堂「床に引きずった血痕が残らなければおかしい!!!!」

    成歩堂「そうなれば、あなたの推理は成立しません!!!!」

    夕神「ぐ…………」

    夕神「ぐおおおおおっ!!!!」

    ざわざわ…ざわざわ…ざわざわ…

    夕神「だが、それだけじゃ甘ェぞ、成の字」

    夕神「次は証拠品のムジュンの話をしてもらおうか!!」

    成歩堂「わかりました」

    成歩堂「さて、十神くんの身体には複数の打撲跡がある…しかし彼が頭から落ちた事はあの床が証明している…」

    成歩堂「しかしこれも見方を変えてみましょう」

    サイバンチョ「見方、ですか?」

    成歩堂「《証拠品のムジュンを暴く》のではなく、《そもそも証拠品の前提が間違っていた》と」

    カン

    サイバンチョ「では弁護人、そもそもどこが間違っているというのですか?」

    成歩堂「僕たちが間違っていたことは…」

    1・十神は頭から落ちたということ
    2・日向にそんな力がないということ
    3・あの本棚が事件に関係しているということ

    >>147
  137. 147 : : 2017/04/04(火) 16:48:21
    2だ
  138. 148 : : 2017/04/04(火) 21:10:24
    成歩堂「僕たちは日向くんにはそんな腕力はないと思っていました…」

    成歩堂「しかし!ホントは日向くんはなんかこうすごい力を持っていたのです!!多分!」

    異議あり!

    夕神「お前さん、まさかこう主張してんのか?」

    夕神「こいつには黯箸にも匹敵する様な腕力があるってよォ」

    成歩堂「そうです!一騎当千もできるほどの強いパワーがあるのです!!」

    成歩堂「どうなんですか?日向くん!!」


    日向「無いです」

    夕神「ねェなァ」

    心音「無いですね

    黯箸「無いだろう」

    サイバンチョ「ありませんな」


    成歩堂「………すみません、もう一度考え直していいですか?」

    サイバンチョ「その前にペナルティを与えます」

    成歩堂「ぐうううっ!!!」
    (さ、さすがにこの答えはふざけすぎだったな…)

    サイバンチョ「では改めて弁護人に聞きましょうか」

    サイバンチョ「そもそもどんな前提が間違いだったのですか?」

    成歩堂「僕たちが間違っていたことは…」

    1・十神は頭から落ちたということ
    3・あの本棚が事件に関係しているということ

    >>149
  139. 149 : : 2017/04/04(火) 21:18:50
    3かな?
  140. 150 : : 2017/04/04(火) 22:45:14
    成歩堂「あの本棚は、そもそも事件には関係なかった…そう考えるのはいかがでしょう?」

    成歩堂「グハァ!!」ズバァッ

    夕神「『いかがでしょう?』だァ? ……俺が聞いてるのは提案じゃなくて真実だけだ」

    夕神「提案なんて考えて時間稼ぎをする暇があんなら、弁護士なんて辞めちまいなァ!!!! 」

    成歩堂「うおおおおおっ!!!!」
    (ど、どぎつい…)

    夕神「それに今更あの本棚が事件に関係ないだと? ずっとあの本棚の重さを引き合いに話してたの、お前さんだろうが!!」

    成歩堂「で、でも…」

    夕神「でも? 今度はただの言い訳か?」

    夕神「そんなんじゃ愛弟子どもに笑われちまうぜ? 成の字ィ」

    夕神「情けなくねェのか? お前さん今年で36だろうが!!」

    心音「だ、だんだんガチ説教に…」

    成歩堂「ウグググ……追い詰め方を知ってる人間の言葉は心に突き刺さるよ……」
    (ユガミ検事が閻魔大王に見えてきた…)

    心音「だ、大丈夫です! オドロキ先輩も私も、成歩堂さんのこと笑ったりしませんから!!」

    成歩堂(心音ちゃんは仏様に見えてきた)

    成歩堂「…もう一度だけ、チャンスをください」

    夕神「興が削がれたが…まァいいだろう くれてやる」

    サイバンチョ「では弁護人にもう一度だけ、説明してもらいましょう」

    成歩堂「僕たちが間違っていたことは…」

    1・十神は頭から落ちたということ

    >>151
  141. 151 : : 2017/04/04(火) 23:00:38
  142. 152 : : 2017/04/04(火) 23:49:33
    成歩堂「十神くんは頭から落ちた…先程から、それが前提で話が進んでいました」

    成歩堂「しかしよく考えたら…おかしい」

    サイバンチョ「何がおかしいというのですか?」

    成歩堂「十神白夜くんは、『超高校級の完璧』とも呼ばれる存在でした 当然彼は《武術》も嗜んでいます」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    終里「合気道、柔道、空手、八極拳、太極拳、燕青拳…これぐらいはやってるって本人言ってたぜ」


    黯箸「真実でも、受け手の解釈次第でいくらでも嘘に変えられる その証拠に…」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    成歩堂(…そうだ、真実は変わる…)

    成歩堂(正しい解釈を導き出せば、正しい真実が芽を出す!!)



    成歩堂(そうすれば、自ずと証拠品の意味も変わるんだ!!!!)


    成歩堂「よく考えてください、ユガミ検事 本当に武道の心得がある人なら、高いところから落ちた時に何をしますか?」

    夕神「……! そうか、そういうことか…」

    夕神「………なるほどなァ、こりゃ一本取られた」

    サイバンチョ「どういうことですか?私にもわかるように説明してください」

    成歩堂「柔道をやった事のある人ならお分かりでしょう 格闘技や武道の基本は《受け身》です」

    サイバンチョ「うけみ…とは?」

    夕神「投げ技をくらったときに受け手がとる体制の事だ」

    夕神「例えば、柔道で背負い投げされた選手は体半分を床に叩きつけて急所への衝撃を和らげ、ダメージを最小限に抑えるってワケだ」

    サイバンチョ「ああ、なるほど、確かにテレビの試合でも、体半分を地面にベターっと叩きつけて…」

    サイバンチョ「ん? 《体半分》……ああああっ!!!!」

    成歩堂「最初から不思議でした…なぜ体の半分に打撲跡があるのか…」

    成歩堂「これは、彼がハシゴから落とされた時に取った咄嗟の反応なのです!」

    サイバンチョ「ええと、受け身を取って頭から落ちる事はあるのですか?ユガミ検事」

    夕神「頭や胸を守るための受け身だ 頭も守れないんじゃ受け身とは言わねェ」

    成歩堂「《超高校級の完璧》の彼は頭から無様に落ちた訳ではない!」

    成歩堂「むしろ、相手に命を狙われるような緊急事態でも、しっかりととるべき行動をとっていたのです!!!!」

    黯箸「………」

    サイバンチョ「で、でしたらあの頭のキズは何なのですか?」

    サイバンチョ「身体の打撲跡がそういう意味なら、頭のキズの意味も変わりますぞ!」

    成歩堂「ではここで僕の推理をお聞かせしましょう」

    夕神「上等じゃねェか、見してみろ成の字」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    犯人は、最初は被害者、十神白夜を勢いよくハシゴから落とすことによって殺そうとしました


    しかし十神くんは身体の半身、つまり受け身の構えで間一髪命を取り止めたのです


    当然、犯人はここで諦めるはずはない 犯人にとっては幸いと呼ぶべきなのでしょうか
    勢いよく落とされた被害者の体は受け身こそ取れたものの、痛めつけるには十分でした


    そこで犯人がとった行動…それは被害者の頭を掴んで床に叩きつけること!


    そうすれば、被害者を殺害することも可能で、さらにハシゴから落ちたことによって死んだように見せかけることも出来るのです


    当然、これを行うには強靭な力が必要です
    被害者を一撃で仕留められるほどの強靭な腕力……

    そんな力を持ってる人…もうお分かりでしょう


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    成歩堂「黯箸さん!!!!!!!!」



    成歩堂「これはあなたの犯行でないと成り立たないのです!!!!」



    黯箸「……ウグググググ……」


    黯箸「グボァ!」バコォン

    黯箸「ヘボァ!!」ドカッ

    2HIT



    黯箸「グギャアアアッ!!!」ドゴオオオ

    3HIT

    nice combo!!







  143. 153 : : 2017/04/05(水) 12:40:36

    黯箸「……………」


    成歩堂「どうですか?自白しますか?するなら今しかないですよ?」

    心音「いつにもまして成歩堂さんの言葉がトゲトゲしいです…」

    黯箸「…クックッ…」

    成歩堂(?)

    黯箸「クックックックックックッ……」


    黯箸「クックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックックワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」


    黯箸「ハッハッハッハッ!!これは滑稽だ!!ついに認めたな弁護士よ!!!」

    成歩堂(み、認めた…?)

    黯箸「わかっていないようだから説明してやろう」

    黯箸「君はあの時こう答弁した…覚えているか?」



    ーーーーーーーーーーーーーーーー


    成歩堂「彼の指紋はキャタツの両脚、つまり真横についていました」

    成歩堂「この持ち方で倒せば、日向くんの立ち位置は本棚の真正面になります!」

    成歩堂「つまり!本当にこの持ち方でキャタツを倒したのならば!!!」

    成歩堂「日向くんはキャタツもろとも本棚に押しつぶされてなければならないのです!!!!」




    成歩堂「このムジュンを暴くには、僕自身も先程までの推理を撤回しなくてはいけないようです」

    成歩堂「そもそも僕たちが前提を勘違いしていたんです 本当に本棚は【十神くんの殺害と同時に倒れた】のでしょうか?」


    ーーーーーーーーーーーーーーーー



    成歩堂「………アッ!」

    黯箸「忘れたなんて言わせんぞ 先ほど、ハシゴと本棚の倒れたタイミングが違うと言い出したのはキサマだ!」

    黯箸「つまり!!日向創にも犯行できた可能性が生まれたのだ!!」


    成歩堂「ウ…………」

    成歩堂「うわああああああああああっ!!!」

    ざわざわ…ざわざわ…

    カンカン

    サイバンチョ「静粛に!静粛に!」

    サイバンチョ「た、確かに言われてみればそうです!!」

    サイバンチョ「本棚が倒れなければ、被告人にも被害者の殺害が…」

    異議あり!

    成歩堂「そもそも被告人には、床にあんなに強く叩きつけるチカラはありません!!」

    黯箸「フッ! そんなもの狛枝と協力してやったと考えれば説明がつく!!」

    黯箸「倒れた本棚も、根拠がない限りはただの偶然だ!!」

    心音「で、でも反論材料は…まだありますよね?成歩堂さん!」

    成歩堂「こ、これは………さすがに手痛い」

    心音「ほ、本当に…?」

    黯箸「裁判長さん、ここはひとつ証言させてもらうよ」

    黯箸「私の潔白を証明するための証言をね!」

    カン

    サイバンチョ「ふむぅ…わかりました、聞くだけ聞きましょう」


    ーーーーーーーーーーーー


  144. 154 : : 2017/04/05(水) 13:14:35
    ーーーー証 言 開 始ーーーー

    最後の潔白証明

    黯箸「私のアリバイをおさらいしてみろ!」
    黯箸「私は外の花壇の前にいたんだぞ?」
    黯箸「4階図書室から外への移動には7分はかかる!」
    黯箸「そんなの『超高校級の短距離ランナー』でも不可能だ!!」
    黯箸「話は全て降り出し…結局犯人は日向創だ」

    ーーーーーーーー

    カン

    サイバンチョ「確かに、本棚が倒れた瞬間が違うとなると、話は変わってきます」

    サイバンチョ「被告人でも、共犯者がいれば可能だと言えるでしょう」

    サイバンチョ「ましてや黯箸教頭にはアリバイがある これは疑問の余地があるとは思えません」

    成歩堂「そんな……」

    サイバンチョ「どうしますか弁護人、異議がなければこのまま判決に移りますが」

    異議あり!

    成歩堂「いかなる審理でも、弁護側には証言を尋問する権利があります!」

    成歩堂「僕は諦めません!!」

    黯箸「クックックッ…無能の悪足掻きは面白いな」

    黯箸「窓際族から退職に追いやったあいつも言ってたよ…『どうしてこんな惨めな思いをしなくちゃならねえんだ』ってな 誰の役にも立てないヤツの人生ほど面白い喜劇はない!」

    待った!

    心音「黯箸さん!尋問するので静かにしてください!!」

    黯箸「おっとすまない 君たちの遊びに付き合う義務があったんだね」

    黯箸「さ、手短に済ませてくれ 学園側(こっち)も色々あって忙しいんだ」

    成歩堂(……ここがおそらく正念場だ)

    成歩堂(様々な新事実が明らかになった 今なら彼のアリバイを崩す手掛かりがあるかもしれない!)

    サイバンチョ「それでは弁護人、尋問をお願いします」
  145. 155 : : 2017/04/05(水) 13:30:28
    ーーーー尋 問 開 始ーーーー

    最後の潔白証明

    黯箸「私のアリバイをおさらいしてみろ!」

    待った!

    成歩堂「あなたのアリバイは本当に絶対正しいと言えるのでしょうか?」

    黯箸「どういう事だ?」

    成歩堂「あなたのアリバイは、あまりにも出来すぎている…僕はそう感じるのですが」

    異議あり!

    夕神「ケッ! 良く出来てるか出来てねェかなんて関係ねェだろ?」

    夕神「そっちこそユスリ屋みたいな聞き方はマナー違反ってもんだぜ」

    黯箸「ご心配なさらず、ユスリ屋なんかに負けるような鍛え方はしてない 肉体もメンタルもね」

    成歩堂「…では、証言を続けてください」

    黯箸「私のアリバイなんて単純明解だ」

    ーーーーーーーー

    黯箸「私は外の花壇の前にいたんだぞ?」

    待った!


    成歩堂「なぜ花壇の前にいたのですか?」

    黯箸「理由なんてない だったら逆に私も聞こうか」

    黯箸「君たちはなぜ人に話を聞くとき、わざわざ人差し指を突き立てるんだ? それもすごい勢いで」

    成歩堂「それは…歴戦の名残ですよ!」

    黯箸「……キミはグレート・ムタか何かか?」

    夕神「特に意味はないそうだ ここには問題はねェな」

    黯箸「そして先ほども説明したが…」

    ーーーーーーーー



  146. 156 : : 2017/04/05(水) 13:46:19
    黯箸「4階図書室から外への移動には7分はかかる!」

    待った!


    成歩堂「ユガミ検事に聞きたいことがあるのですが…」

    成歩堂「どんなに繰り返し測っても、7分を切る事はなかったんですか?」

    夕神「学校といえど、ここの敷地は他所とは比べものにならねェくらい広大だ」

    夕神「まず下まで降りるのに最低3分、そこから花壇に最も近い第2昇降口までが2分、そしてそこから花壇までが3分だ」

    成歩堂(本当に広いな…この学校)

    心音「うーん、つまり黯箸さんはやっぱり超能力者だったとか?」

    成歩堂「超能力者?」

    心音「本当は『超高校級の超能力者』で、テレポートとかワープとか、そういうのができる人だったら……」

    夕神「…」ギロッ

    心音「…いいのになぁって」

    成歩堂(たしかに、あの間をどうやって移動したんだろう?)

    成歩堂(何かしらテレポート的なことってのも案外的外れではないのかも…)

    黯箸「テレポーターが実在するなら話は変わるがね…だけど現実的に考えれば…」

    ーーーーーーーー

    黯箸「そんなの『超高校級の短距離ランナー』でも不可能だ!!」

    待った!


    成歩堂「超高校級の短距離ランナー?」

    黯箸「昔希望ヶ峰学園にいた生徒だ、ほら、あの女たらしさ」

    心音「うーん、なんだか球技とか競争って、チャラい人多いですよねー」

    心音「アメリカにいたときなんて、もうバスケ部のキャプテンとチアリーダー達のハーレム状態なんですよ」

    成歩堂「まぁ、華のあるスポーツだから、モテるんだろうね」

    夕神「お前さんももっと華のある職業に就けば、毎回毎回酷い目に遭うこともねえんじゃねェか?」

    成歩堂「僕に向いてるスポーツってあるのかな…?」

    黯箸「この裁判が終わったら地下プロレスの選手として一から鍛えてやるよ あのツノ頭とそこの女の子もね」

    成歩堂「エッ…あははは、さすがに冗談ですよね?」

    黯箸「とんでもない、冗談は嫌いなんだ」

    成歩堂「…………」
    (この裁判に成歩堂なんでも事務所将来もかかってるのか…)

    黯箸「余計な話をしてしまったが、もう結論は出ただろう」

    ーーーーーーーー
  147. 157 : : 2017/04/05(水) 13:56:11
    黯箸「話は全て降り出し…結局犯人は日向創だ」

    待った!


    成歩堂「犯人は日向創くんだと、本気で思っているのですか?」

    成歩堂「あなたは日向くんとも面識があるのですか?」

    黯箸「私は現実主義者だ リアリストなんだよ」

    黯箸「あの人がやるわけない? あんな優しい人がまさか?」

    黯箸「下らん!!! 人間は美談に弱すぎるのだ!!」

    黯箸「人が普段見せる優しさなんぞ、仲間関係を繋ぎ止めるだけの補助でしかないのだ」

    黯箸「君にもそんな経験はあるだろう?弁護士くん」

    成歩堂(思い出したくないような痛ましい事件、思えば色々あったな…)


    ーーーーーーーーーーーー

    成歩堂「さっき明らかになった事実を元に一から考え直せば…」

    心音「きっとまた新しい推理が生み出せますね!」

    成歩堂「ああ、それが正しい真実なら、そのまま突き進む!」

    成歩堂「これがきっと最後のチャンスだからね」
  148. 159 : : 2017/04/05(水) 14:19:53
    黯箸「私のアリバイをおさらいしてみろ!」
    黯箸「私は外の花壇の前にいたんだぞ?」
    黯箸「4階図書室から外への移動には7分はかかる!」
    黯箸「そんなの『超高校級の短距離ランナー』でも不可能だ!!」

    異議あり!






    成歩堂「『超高校級のランナー』にも不可能…?」

    成歩堂「いいえ!アレは『超高校級のストリートファイター』である黯箸さん!!あなたにこそ可能なのです!!」

    黯箸「なんだと…!?」

    成歩堂「ずっと気になっていたんです…この本棚のいかにも人為的な血の跡…」

    成歩堂「そして倒れた本棚の上の空いていた窓!!」

    心音「? 本棚の血の跡って…ああっ!」


    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    成歩堂「これは…!」


    心音「あっ!本棚の棚板に一つずつ血痕がついてます!」


    メガー「本当だ! しかも…上に行くにつれてかすれてるぞ!」



    ーーーーーーーーーーーーーーーー



    成歩堂「ユガミ検事もご存知ですか? あの本棚の血の跡…ひとつずつ、交互に棚板の上についていたあの血痕を!」

    夕神「……! なん…だと…!?」

    成歩堂「勘が鋭いですね、ユガミ検事」

    成歩堂「そして、その本棚の上の空いた窓…倒れた本棚……」

    サイバンチョ「弁護人!どういうことですか?説明をお願いします」

    待った!

    黯箸「やめろ! そんなデタラメな推理が通用するものか!」

    成歩堂「では通用するかどうか……確かめてみましょうか!!」


    成歩堂「犯人は十神くんを殺害した後、本棚をハシゴがわりに登り、そして本棚の上の窓を開けて飛び降りたのです!!!!」

    成歩堂「その証拠に本棚の棚板には、血痕…いいや、犯人が本棚を登った足跡がついている!」

    成歩堂「そして、本棚の上の空いた窓から飛び降りれば…四階から一瞬で外の花壇まで行くことが可能なのです!!!!!!!!」


    サイバンチョ「な……………」



    サイバンチョ「なんですとおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」






    ざわざわ…ざわざわ…





    カンカンカン

    サイバンチョ「静粛に!静粛に!」


    サイバンチョ「べ、弁護人、相変わらず無茶な推理をしますな…」

    成歩堂「本当に無茶かどうかは…試せばわかります!!」

    成歩堂「ユガミ検事!図書室の空いた窓と花壇の位置関係を調べてください!」

    夕神「……ああ、つい今さっき調べた」

    夕神「あの窓から飛び降りた真下は……黯箸影丸のいた花壇だ!」

    黯箸「グアアっ!!」バコォン

    サイバンチョ「こ、これは……信じがたい事実です!」

    サイバンチョ「犯人は、窓から飛び降りて現場から逃走したという事ですか!!」

    成歩堂「ええ!そういう事です!」

    待った!

    黯箸「何をバカなことを言っている!! 場所は四階なんだぞ!!」

    黯箸「その高さから落ちて、タダで済むと思うのか!!」

    異議あり!


    成歩堂「あなたなら可能なのですよ!! 黯箸さん!」

    黯箸「ふざけるのもいい加減にしろォ!!」

    成歩堂「ではお見せしましょう!これがその根拠です!!」

    1・黯箸の体格
    2・解剖記録

    >>160
  149. 160 : : 2017/04/05(水) 15:09:41
  150. 161 : : 2017/04/05(水) 16:22:52
    くらえ!

    成歩堂「黯箸さん、僕があなたの体質を知らないと思っていたのですか?」

    黯箸「何?」

    成歩堂「聞いた話によれば、あなたはトラックに轢かれても無傷だったそうですね」

    黯箸「なっ!? どうしてその話を!?」

    成歩堂「そのリアクションだと、本当の話の様ですね 黯箸さん」

    黯箸「ハッ!?ち、違う!そんなのは都市伝説だ!!」

    夕神「なんならよォ、警察のプロファイルにかけてやろうかァ?」

    夕神「お前さんに関する事件事故…全部出てくるぜ?」

    黯箸「……ググググッ!」

    黯箸「…ああ、そうだ!だがな!! 四階の高さからコンクリートの床に落ちたら、さすがに私もひとたまりもない!!!」

    成歩堂「あなたが落ちたのはコンクリートの床の上ではありません!!」

    成歩堂「あの窓の真下は花壇のはずです!」

    黯箸「俺が花壇に落ちた証拠でもあるのか!!」

    成歩堂「そんなの、あなたが提出したこの写真が証明してるじゃないですか」

    サイバンチョ「こ、これは黯箸さんのアリバイを証明するための…」

    成歩堂「ええ、ですがこの写真の花壇の花を見てください!!」

    サイバンチョ「…おおっ!花が、潰れているではありませんか!! 一体誰がこんな酷いことを!!」

    成歩堂「彼が花壇の上に落ちた時、犯人の下敷きになったのでしょう」

    黯箸「ググググググググググググ……」

    黯箸「ま、まだ…まだ納得せんぞ……」

    成歩堂「まだ納得できないのですか?」

    成歩堂「わかりました、でしたらここまでの推理を一通りおさらいしてみましょう」



  151. 162 : : 2017/04/06(木) 07:25:34

    成歩堂『これが事件の真実です!』




    ーーーークライマックス 推理ーーーー

    ACT.1

    心音「この複雑な事件の始まりは、日向くんが七海さんから謎の手紙と、非常階段の鍵を入手したところから始まりました」

    心音「その後、狛枝くんと一度会ったときに、鍵に細工され、手紙も取られたのでしょう」

    心音「そしてその翌日、七海千秋さんも行方不明になった……」

    ACT.2

    成歩堂「事件当日、動き出した2名の人物がいます、それは狛枝凪斗くんと、犯人…」

    成歩堂「日向くんは外で七海さんを待っていたところで倒れ、発見した終里さん、そしてバトンタッチ形式で罪木さんが保健室まで運ぼうとしました」

    成歩堂「しかしそこでトラブルが起きた 狛枝くんの策略…とでも呼べば良いのでしょうか、とにかく彼の作戦で一時本科につながる廊下は誰もいない状態になり、そこを狛枝凪斗くんと十神白夜くんが通っていったのです」

    成歩堂「一方の保健室に運ばれた日向くんは、罪木さんの目を盗んで七海さんからもらった鍵で教室までやってきます 彼がキャタツに触ったのもこのときなのでしょう」

    成歩堂「狛枝くんは十神くんを図書室まで送り、非常階段を使って戻ろうとした おそらくここで、日向くんとすれ違いになってしまったのでしょう」

    成歩堂「廊下を歩く狛枝くんを見つけて動いたのがオバチャンでした そして狛枝くんは非常階段に消え、教室にいた日向くんが代わりに捕まってしまったのです」

    ACT.3

    成歩堂「図書室で1人で本を探していた十神くんは、突然現れた犯人にハシゴから落とされてしまいます」

    成歩堂「しかし、十神くんは咄嗟に受け身を取り命を守ました ですが結局身体を怪我してしまい、そのまま犯人に頭を掴まれ、地面に叩きつけられました 犯人は、おそらくこのときに血だまりを踏んでしまったのでしょう」

    成歩堂「そして犯人は、恐るべき巧妙な偽装を行なったのです!」

    ACT.4

    心音「まず犯人は、日向くんに罪を着せるために裏口の本棚を退かして、ハシゴとキャタツを入れ替えたのです」

    心音「ここでハシゴをバラしたのは、ここでのやり取りを想定していたのでしょうね」

    成歩堂「なぜ日向くんがキャタツを使っていたことを知っていたのか… これは、警備員のオバチャンから報告があったと考えられます」

    成歩堂「そして犯人は、さらに大胆な行動に出ました なんと本棚をハシゴがわりにして登り、窓を開け、その身を乗り出したのです!」

    成歩堂「普通の人間なら思いつかない発想です しかし頑丈な身体を持つ犯人はそれが可能なのです」

    心音「ましてや下は柔らかい土の花壇…犯人には確実な自信があったのです」

    心音「そしてつぶれた花は、犯人がそこに飛び降りた痕跡だった…」

    成歩堂「こうして、警備員にもアリバイ作りに協力させて、犯人は容疑者から除外される事となったのです……」





    成歩堂「《豪快にして巧妙》…《大胆にして陰湿》…他人を蹴落として生きてきたらしい《超高校級のストリートファイター》のあなたらしい犯行ですね」



    成歩堂「……黯箸影丸さん!!!!!!」






    黯箸「ぐうううううううう……」




    黯箸「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」






    黯箸「グバァ!」ドカッ



    黯箸「フゲェッ!」ドコッ

    2HIT!


    黯箸「ブンバッバァ!」バコォン

    3HIT!


    黯箸「ホゲラッ!!」ゴツン

    4HIT!







    黯箸「グオああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」ガキイイイン






    5HIT!

    marvelous combo!
  152. 163 : : 2017/04/06(木) 12:24:21











    黯箸「………………」


    成歩堂「さぁ、どうですか黯箸さん!」


    成歩堂「もう罪を認めたら…
    黯箸「罪を…認めろだと……?」


    成歩堂「?」

    黯箸「この私に……罪を…認めろと?」

    成歩堂「ここまできて、まだ抵抗するつもりですか?」

    黯箸「黙れこの凡才がぁ!!!!!!!!」

    成歩堂「ぼ、盆栽…?」

    黯箸「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!!」

    黯箸「貴様のような……負け組が…才能のカケラもない奴が…社会のゴミが……」

    黯箸「この《希望ヶ峰学園教頭》に逆らうなああああ!!!」

    夕神「何か、反論があるのか?」

    黯箸「反論もクソもあるか!!」

    黯箸「そもそも……よく考えたら…」

    黯箸「私があそこから落ちたという証拠は何1つない!!!!」

    成歩堂「今更何を言ってるのですか!!」

    成歩堂「すべての証拠品と証言があなたを犯人だと示しています!!」

    黯箸「貴様らの勝手な解釈に過ぎん!!」

    黯箸「私があそこから落ちたと解釈は出来るが、それをはっきり証明する手段はないのだよ!!」

    成歩堂「で、でもあの花壇の花は…」

    黯箸「花壇の花ァ? あんなん生徒が踏み散らしたに決まってる!!!!」

    黯箸「うちの生徒に、花を踏み散らかすのが大好きなコがいてねぇ……あれはその子が潰した花なんだ!!」

    黯箸「私が潰したという根拠はない!!!」

    成歩堂(ふ、踏み散らすのが好きな生徒って誰だよ!)

    黯箸「とにかく!私があそこから飛び降りたという明確な証拠品があるのか!?無いだろう!!!」

    成歩堂「そ、それは……」

    サイバンチョ「ふむう…確かに、証人が犯人だと推測できるものはいくらでもありますが、確定的な根拠はありません」

    サイバンチョ「根拠がない以上、残念ながら被告人と狛枝凪斗くんの共犯と考えざるを得ないでしょう」

    成歩堂「そ………そんな……バカな…」

    心音「で、でも!黯箸さんが怪しいのは事実です!!」

    黯箸「日向創が怪しいのも事実だろう?」

    黯箸「どちらも怪しいというなら、怪しむべきは被告人の方ではないか!!」

    心音「くうううっ!!!!」

    成歩堂(そ、そんな……こんなところで…終わりなのか?)



    黯箸「残念だったね、凡才諸君」



    黯箸「所詮君たちは天才達のお膳立てに過ぎないのだよ!!」



    黯箸「クックックックッ、クククク、ガァーーッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!」






    成歩堂「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!」






  153. 164 : : 2017/04/06(木) 12:49:22


    黯箸「さて、弁護側からは何の反論もないようだ」



    黯箸「さて、では約束通り後で裏で待機しててもらおうか」


    黯箸「さて、君はタフさだけは一人前だ 打たれ強い悪役レスラーになってくれそうだ」


    黯箸「どうせプロレスの才能もないだろう それぐらいの当たれ役はやってもらうぞ」


    サイバンチョ「弁護側にこれ以上の異議がないのであれば、残念ながら被告人と狛枝凪斗の共犯、と言うことで判決が下ります」

    サイバンチョ「本当に異議はないのですか?」

    成歩堂「……………」
    (だ、だめだ……そんな証拠、何1つない…)



    夕神「すがるような目でみるなよ 見っともねェ」

    夕神「生憎こっちにもそんな証拠残ってねェ だったな、メガー」

    メガー「……YES」

    心音「う、嘘…!」



    黯箸「しかしやはり彼が犯人だとは……やっぱり才能のない人間の妬み嫉み恨みは恐ろしいにも程がある」

    黯箸「全く…そんな殺意を燃やす暇があるなら、自分の中の超高校級の才能でも探してみろって話だ」

    黯箸「おっと失礼、もともと君たちにはそんなもの無かったか!ハッハッハッハッ」




    サイバンチョ「では、被告人、日向創に判決を下そうと思います」







  154. 165 : : 2017/04/06(木) 13:01:52










    ここで、諦めていいのか…?



    もう、日向くんは救えないのか…?



    王泥喜くんの、身を削った努力を無駄にするのか…?




    あいつの策略にはまって終わるのか…?







    ……こんなんじゃ、苗木くんも救えないな…………………









    ごめん、日向くん、苗木くん……



    僕は諦めるしか………








    それは違うよ!









    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    苗木「僕です 成歩堂さん」





    苗木「成歩堂さん!諦めないで!!」






    苗木「成歩堂さんはここで諦めるような人じゃない!!」




    苗木「成歩堂さんは………絶対に『希望』を捨てたりしない!!」





    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    成歩堂(…あの時の、苗木くんの言葉…)

    成歩堂(僕を希望へと導いてくれた、彼の言葉…)

    成歩堂(そうだ!ここで諦めたら……)


    成歩堂(誰も…誰も救えなくなる!!)


    成歩堂(日向くんも……行方不明になった苗木くんも!!!!)




    成歩堂(真実に向かって進むことが、きっとみんなを助けることにつながるんだ!!)



    成歩堂(考えろ……考えれば、答えは必ず見つかるんだ!!!)


  155. 166 : : 2017/04/06(木) 13:05:35
    【カンガエルート】



    さて…まず落ち着いておさらいしてみよう





    今回の事件の被害者は十神くん、そして犯人はあの黯箸のはずなんだ




    十神くんは、ハシゴから落とされた後で、頭を床に叩きつけられて死亡した



    まず、十神くんはどこで殺されたんだ?


    1・図書室
    2・カフェテラス
    3・廊下

    >>167
  156. 167 : : 2017/04/06(木) 13:27:16
    1、がんばれ!
  157. 168 : : 2017/04/06(木) 14:05:45
    十神白夜は
    《図書室》で
    殺された


    十神くんは図書室で殺害された



    つまり、現場は図書室で間違いないよな



    十神くんを殺害した犯人は、その後現場を工作して……



    彼はどうやって逃げたんだっけ?


    1・廊下から逃げた
    2・裏口から逃げた
    3・窓から逃げた

    >>169
  158. 169 : : 2017/04/06(木) 14:07:54
    3で
  159. 170 : : 2017/04/06(木) 14:15:16
    黯箸影丸は
    《窓》から
    逃走した


    確か犯人は窓から逃走したんだ



    短時間で花壇に移動する手段なんて、それしかない それこそ、《超高校級の超能力者》でもない限りは……




    ……花壇に落下したんだよな?



    花壇に落下したとなると、本来はどうなるんだ?


    1・身体に泥がつく
    2・腰を傷める
    3・花粉がまってクシャミが出る

    >>171
  160. 171 : : 2017/04/06(木) 14:30:14
  161. 173 : : 2017/04/06(木) 14:40:16
    花壇に落ちれば
    《服に泥がつく》


    花壇に落ちれば、服に泥がつくはずだ


    ん?…でもあの時の黯箸の服は、ドロなんて付いてるようには見えなかったな……



    着替えた……? だとしてもおかしい



    あの時、犯行当日…僕が見た彼の服は黒色だった



    そして、この写真、そして今目の前にいる黯箸の格好は、白いスーツ…か………






    …………………………





    もしかしてあのスーツって……

    1・リバーシブル
    2・フレキシブル
    3・喪服

    >>174
  162. 174 : : 2017/04/06(木) 15:00:53

    他ネタじゃないか!
  163. 175 : : 2017/04/06(木) 15:12:00


    黯箸の着ていた

    スーツは

    《リバーシブル》





    彼の着ていたスーツはリバーシブルだった…


    しかしだからなんだというんだ?



    ………………待てよ、泥がついてるはず…なんだよな?


    もしかしてあの時…………




    そうか……、わかったぞ!!!!!!!!



    これで…逆転出来る!!!!





  164. 176 : : 2017/04/06(木) 15:28:14
    サイバンチョ「では、被告人、日向創に判決を言い渡します」




















    待った!




    心音「!」


    夕神「!」


    メガー「!」


    サイバンチョ「!」


    黯箸「!」




    成歩堂「判決を下すのは…まだ早いですよ 裁判長」


    黯箸「何だと…?」

    成歩堂「黯箸さん、あなたがそこまで言うならば、お望み通り見せてあげましょう」








    成歩堂「僕たちの、《超高校級(ちょうこうこうきゅう)逆転(ぎゃくてん)》を!!!!!」







    黯箸「何ィ!?」


    成歩堂「裁判長、これから弁護側は新たなる証拠品の提示をします!!」

    成歩堂「彼が犯人だと、決定づける証拠品を提示して見せましょう!!!」



    夕神「ほほう……そいつは聞いてみたいものだなァ」

    黯箸「……一体何を考えてるんだ?お前は」



    カン


    サイバンチョ「そこまで言うのなら、みざるを得ないですね いいでしょう、では早速見せてもらいましょう」

    サイバンチョ「彼が犯人だと決定づける証拠品を!!」








    成歩堂「彼が犯人だと決定づける証拠品は…!」




    1・布切れ
    2・七海のゲーム機

    >>177
  165. 177 : : 2017/04/06(木) 15:33:50
    1、だよね?
  166. 178 : : 2017/04/06(木) 18:39:31

    くらえ!


    黯箸「!? な、なんだそれは」

    黯箸「………なっ!?!?!?」

    成歩堂「そのリアクション、どうやらこの布はあなたのものらしいですね」

    サイバンチョ「どういうことですかな?」

    成歩堂「これはこまるちゃんと黯箸さんが揉み合いになった時、こまるちゃんが黯箸さんの服から奪ったものです!!」

    サイバンチョ「そ、その布切れがですか?」

    成歩堂「ええ、ですが御察しの通りこれはただの布切れではありません!」

    成歩堂「これは、黯箸さんの服の一部を剥ぎ取ったものなのです!」

    サイバンチョ「ふ、服の一部、ですか…?」

    成歩堂「ええ、そしてこの布の黒い面には、泥がついている…」

    成歩堂「黯箸さん!!これはあなたが事件当日着ていた服の一部なのです!!!!」

    成歩堂「今、あなたが着ているリバーシブルのスーツなのです!!!!!!!!」

    黯箸「ぐごあああああああああああああああああああああああああ!!」ズバァッ

    サイバンチョ「どうなんですか?証人」

    サイバンチョ「どうか背中を見せていただけるとありがたいのですが」

    黯箸「きょ、拒否する!!!拒否はあるはずだ!」

    黙りなァ!

    夕神「ギン! とっかかれ!」

    ギン「ギエエエエエエッ!!!!」

    黯箸「う、うわ、やめろ…私の、名誉があるのだぞ!やめろ…うわっ!?」

    成歩堂「ギンを気を取られて、うっかり背中を見せてしまいましたね、黯箸さん」

    黯箸「ち、違う!!この破け後は別の日に着いたものだ!!」

    成歩堂「裁判長!!彼のスーツとこの布切れの繊維を調べてください!!」

    成歩堂「それが一致すれば……紛れもなく《図書室の窓から飛び降りた証拠》になります!!!!」

    黯箸「そ、そんな……バカな………」



    黯箸「こんな………こんな三流どもに………超高校級の……私が…私が……」



    黯箸「め、名誉ある………全勝無敗の……人間の勝ち組の……称号が…威厳が…」




    心音「そう、あなたにはわからないでしょう」

    心音「そうやって、安いプライドと暴力と、独りよがりな自尊心だけで生きてきたあなたには、絶対にわかるはずがありませんから」



    成歩堂「さぁ!どうですか黯箸さん!」













    成歩堂『あなたの全勝無敗記録…………僕たちが打ち崩します!!!!!!!!』




  167. 179 : : 2017/04/06(木) 18:41:32
    黯箸「ク、クソ……そんな……ウソだ……」


    黯箸「私は…負けない…私は……超高校級のストリートファイター………希望ヶ峰の教頭……」


    黯箸「引かん!!!!」


    黯箸「媚びん!!!!」


    黯箸「省みん!!!!」


    黯箸「この私に敗北の二文字はないのだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」



    黯箸「くらえ!トラップ・バスター!!!!」


    黯箸「グアッ!!」ドカッ



    黯箸「お、おのれ……な、ならばこれはどうだ!」


    黯箸「ジャイアントミサイル…ゲボア!!!」ドン

    2HIT!


    黯箸「ググググ…負けて……たまる……か…ゲボおおおお!!」ボカッ

    3HIT!


    黯箸「ガンバッ!!」バコォン

    4HIT!


    黯箸「ベバラッ!!」ドゴオ

    5HIT!


    黯箸「グガッ!」ガシャン

    6HIT!

    黯箸「ホングボ!!」モゴン

    7HIT!

    黯箸「ガバッ! ホゲッ!」ドカボカッ

    8HIT! 9HIT!

    黯箸「ハコバッキ!ホンジャッ!!」ドカッドンボカッ

    10HIT! 11HIT! 12HIT!



    黯箸「ぐ、グオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアオオオオオオクソオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオコノチクショウドモガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
    カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ


    黯箸「がアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
    ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    996HIT!





    黯箸「わ、私は………無敵………だった………グバッ!」ドカン

    997HIT!


    黯箸「無敵の…この私が……こんな失態を……犯すはずない……ボゲェッ!!」ズコン

    998HIT!


    黯箸「もう、何もかも……終わりだ……死ぬんだ………アベラァッ!!」ベキン

    999HIT!



    黯箸「いや!まだ諦めるな!! 最後の一撃まで耐えて立ち上がってこそ…真の…超高校級なのだ………」



    黯箸「ボアアッ!!!!」ドゴオオオオオオオン

    1000HIT!

    amazing combo!





    黯箸「う、うられれれれれれれれら…」

    バタッ



    ーーーーYOU LOSEーーーー



    Are you continue?



    ーーーーYES

    ーーーーNO◀︎







    ーーーーgame overーーーー

  168. 181 : : 2017/04/06(木) 19:07:18
    サイバンチョ「ユガミ検事、黯箸さんの方は…?」

    夕神「安心しろ、死んじゃいねェ」

    夕神「それにしっかり緊急逮捕した もう抵抗する気力もねェって黙って連行されてったぜ」

    サイバンチョ「なるほど、それなら安心です あの力で暴れられたら困りますからね」


    カン



    サイバンチョ「では被告人、証言台へ上がってください」





    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    サイバンチョ「さて被告人、前々から気にはなっていたのですが…」

    日向「何ですか?」

    サイバンチョ「どうして、本科の教室まで行こうと思ったのですか?」

    サイバンチョ「あなたが普段、自由に立ち入りする場所ではないでしょうに」

    日向「俺は、七海にどうしてもきて欲しいって言われて行っただけですよ」

    日向「本人の目的まではわかりません」

    サイバンチョ「そうですか……わかりました そういう《ぱーそなる》なことには余り口出ししないようにします」

    メガー「正しい発音はpersonal(パーソナル)だ!!!!!!覚えておいてくれたまえ!!」

    夕神「おっと、そうだメガー」

    メガー「?」

    夕神「お前さん、ずっと黯箸が怪しいと思ってついていたらしいじゃねェか…よくやった」

    夕神「それに証拠も手柄だらげだったなァ……」

    メガー「礼には及ばないさ!」

    夕神「…退職の件、考え直してやってもいいぜェ?」

    メガー「え………?」

    夕神「お前さんの活躍に免じて、刑事課から下ろす話を無かったことにしてやるってワケだ」

    メガー「……………」

    メガー「ハハ…ハハハハ…」

    メガー「太正桜に浪漫の嵐(ゴングラッチレーション)!!!!!!」バタッ

    サイバンチョ「また倒れましたぞ」

    夕神「放っておけ、そいつはそういうやつだ」

    サイバンチョ「さて…では、形式にそって被告人に判決を言い渡します」





    ーーーーーーーー無 罪ーーーーーーーー








    日向「成歩堂さん、王泥喜さん、心音さん…ありがとう」




    カン



    サイバンチョ「ではこれにて審理は終了です」




  169. 183 : : 2017/04/06(木) 20:47:34
    4月 8日 某時刻
    地方裁判所 被告人第三控え室


    成歩堂「ハァ……ここまで長かったなぁ…」

    日向「成歩堂さん、俺のことを最後まで信じてくれて、ありがとうございました」

    成歩堂「依頼人を最後まで信じるのが、弁護士のあるべき姿だからね」

    成歩堂「僕は自分がやるべきことを全うしただけだ」

    ???「成歩堂さーーーん!!!!」

    成歩堂「?」

    王泥喜「無罪判決、取れたんですね!!ありがとうございます!!!!」

    心音「オドロキ先輩! 体は大丈夫何ですか?」

    王泥喜「ああ!あんなに酷かったのに少し横になったらすぐ良くなったよ!!」

    成歩堂(僕のタフさも着々と弟子たちに受け継がれてるみたいだ)

    王泥喜「成歩堂さん 感謝します! 最後は僕の代わりに黯箸と戦ってくれて」

    成歩堂「僕も王泥喜くんに感謝しなくちゃいけないんだ」

    成歩堂「あの時、僕が黯箸に怪我をさせられて病院に運ばれた時……君が代打で立ってくれたお陰でもある」

    成歩堂「そして心音ちゃんがサポートしてくれたお陰でも、ね」

    王泥喜「成歩堂さん…そうですね!これは俺たち全員で頑張って掴んだ勝利です!」

    日向「全員で掴んだ勝利、か…やっぱり悪くない」

    成歩堂「しかし、こうやって3人で協力し合うのも久しぶりだね」

    王泥喜「そうですね、何だかすごく疲れましたし」

    心音「それじゃあ、今日は一旦戻って休みましょうか」

    心音「それで、また明日何をすればいいか考えましょう」

    成歩堂「そうだね まだ黯箸が十神くんを殺した動機もわからないし、余り焦っても仕方ないか」

    心音「それじゃあ今日はこんなところで解散しましょ…
    「いやぁ、素晴らしかったよ、成歩堂さん」

    成歩堂「!」



    狛枝「傍聴席でずっと見てましたよ、成歩堂さん」

    王泥喜「君は…!」

    日向「狛枝!! よくものうのうと…!」

    狛枝「いやいやいや、少し待ってよ、僕は今成歩堂さんと話してるんだかさ」


    狛枝「今回の法廷…本当に素晴らしかったよ、成歩堂さん」

    狛枝「あんな絶望的な状況からでも全てを覆せるなんて…やっぱりボクの勘は間違ってなかった」

    狛枝「あなたたちは…絶望の中でこそ輝ける存在だ」

    成歩堂「…要件はそれだけなのかな?」

    狛枝「いや、もう1つあるよ」

    狛枝「勝利の美酒とまではいかないけど、これを渡しに来たんです」

    成歩堂「これは…USBメモリー?」

    狛枝「そこには十神クンが調べていた情報がいくつも入ってるんだ 参考程度に持っておいた方がいいんじゃないかな?成歩堂さん」

    日向「おい待てよ! 何でお前がそんなの持ってるんだ!」

    狛枝「十神クンが預けてくれたんだ いざという時にはお前が持っておけって…」

    日向「えっ?」

    狛枝「僕の幸運を信用してくれたんだよ、十神クンがね」

    狛枝「他人を頼らないあの十神クンが、まさか僕の幸運を頼るなんて思いもしなかったよ」

    王泥喜「根拠はないけれど…おそらく自分が誰かに狙われることを想定していたって事でしょうか」

    狛枝「あくまで彼は自分の身を案ずるよりも、この謎を解明するために動いたってワケだね 同じプライドの高い人間でも、口先だけのあの人とはえらい違いだ」

    狛枝「こんなところで諦めるなんて、彼のプライドが許さなかった だから彼も最後まで抵抗したんだ」

    狛枝「全く、本当にすごい人だよ、十神クンは」

    狛枝「つまり何が言いたいかって言うと…僕たちはもう後戻りは出来ないって事ですよ」

    成歩堂「後戻り?」

    狛枝「知っただけで命が狙われるぐらいだからね もうここからは『普通』に戻れない」



    成歩堂「覚悟は出来ているよ 何があっても僕は依頼人を信じて動く もうとっくに迷いは捨てたんだ」

    狛枝「……僕の望んでいた返事ですよ、成歩堂さん」

    成歩堂「とりあえず、この証拠品は大事に持っておくよ」

    狛枝「わかりました、それじゃあ、僕はそろそろ戻ります」



    不敵な笑みを浮かべて狛枝くんはゆっくりとその場を後にした


    成歩堂(協力したり敵対したり、全く本当に読めない人間だ)

    心音「それじゃあ、私たちも戻りましょうか」

    王泥喜「…うん、そうだね」





    勝利の喜びもそこそこに、硬い面持ちで僕らは事務所に戻った
  170. 184 : : 2017/04/06(木) 23:28:45
    4月 9日 某時刻
    成歩堂なんでも事務所

    心音「…………」

    王泥喜「…………」

    心音「…………〜〜〜!」

    王泥喜「…さっきからソワソワしてどうしたの?希月さん」

    心音「えっ! い、嫌だなあオドロキ先輩、そんな落ち着きのない人みたいに…」

    王泥喜「…ひょっとして、こまるちゃんの件?」

    心音「ええっ!!オドロキ先輩!どうしてそれ知ってるんですか!!」

    王泥喜「い、いや…聞き耳立てるつもりはなかったんだけどね…」

    王泥喜「それと、そのこまるちゃんと思しき子ならさっき見かけたけど」

    心音「ど、どこですか!?!?」

    王泥喜「ちょ、チョット待って!胸ぐら捕まえないでデデデデデデで!!!!」

    王泥喜「い、入り口のあたりで希月さんみたいにソワソワしてる制服の子がいたから、多分……」

    心音「ありがとうございます!! 早く行かないと!」

    王泥喜「それと、希月さん」

    心音「何ですか?」

    王泥喜「あんまり、気に病まない方がいいよ 元気のない希月さん見てると不安になるからね」

    心音「お気遣いありがとうございます!」


    そう言って希月さんはそそくさとなんでも事務所のドアを開けて………



    こまる・心音「「いてっ」」


    見事にゴッツンコした


  171. 185 : : 2017/04/07(金) 00:02:28
    時刻は6時を回り、まだ春も序盤の候、この時間帯はほぼ日が隠れている


    成歩堂さんは、狛枝くんからもらったデータをもっと詳しく解析するために、今夜家に帰って一夜漬け、文字通り徹夜するそうだ




    そんなこんなで今は3人しかいないのだが…




    こまる「………」

    心音「………」

    王泥喜「………」


    どうやら、先ほどの俺と希月さんの会話も聞かれていたみたいで、今かなり気まずい


    やれやれ…俺はよく気まずい空気に巻き込まれるな



    真っ赤な太陽の薄明かりが差す中で、一番はじめに口を開いたのはこまるちゃんだった

    こまる「…心音さん、心配かけてごめんなさい」

    心音「…ううん、気にしなくていいよ、こまるちゃん」

    こまる「裁判…勝ったみたいですね 私も見たかったなぁ」

    王泥喜「こまるちゃん、傍聴席にいなかったのかい?」

    こまる「ハイ…ちょっとイロイロあって」

    心音「…ねぇ、こまるちゃん」

    こまる「なんですか?」

    心音「あの時の話の続き…ちゃんと聞かせてくれる?」


    こまるちゃんはしっかりと目を見て頷いた後、下を向いて小さな声でつぶやいていた


    こまる「私…あの時かなり動揺してて、誰でもいいから助けを求めたくてここに来たんです」

    こまる「ブレーキ壊れたバイクみたいな私の突発的な相談でも、成歩堂さんは快く引き受けてくれて…しかも無償で動いてくれたんです」

    王泥喜(成歩堂さん、ここの家賃どうするんだろう…)


    こまる「それで冷静に考えて…そしたら余計に怖くなったんです」

    心音「余計に?」

    こまる「警察が3日かけてもなんの成果も得られなかったんですよ? そしたら本当にお兄ちゃんは見つかるのかなってすごく怖くって…怖さを紛らわすために何度も電話をかけたんですけど、それも全部ダメだったんです」

    こまる「家族が居なくなるって、こんなに淋しいんですね…」

    こまる「…ホント、バカみたい」

    こまる「人に押し付けるだけ押し付けて、自分は何も出来ないくせに、勝手に食いかかったりして周りに迷惑かけて……何も出来ない自分が恥ずかしいよ……」

    喋ってるうちに段々と声に潤みが増し、瞳は充血し、涙が表面張力寸前で止まってた




    異議あり!


    こまる「え…」


    心音「恥ずかしいとかバカみたいとか…そんな自分を責めるような事言わないで、こまるちゃん」

    心音「だって、こまるちゃんはしっかり自分にできることを探してたんでしょ? そんなこまるちゃんの堅実な頑張りを笑う事なんて出来ないよ」

    こまる「…でも結局、私はなんの役にも立ててなくて………」

    王泥喜「……それは違うよ」

    こまる「……?」

    王泥喜「なんの役にも立たなかったなんて、そんな事ない」

    心音「こまるちゃんには、これを見せた方が早いね」

    心音「こまるちゃんが役に立ったっていう証拠品は…」

    1・解剖記録
    2・手紙
    3・布切れ


    >>186
  172. 186 : : 2017/04/07(金) 09:44:33
    3だな
  173. 187 : : 2017/04/07(金) 10:57:37
    くらえ!


    こまる「え…それって」

    心音「こまるちゃんが黯箸に食いかかった時の戦利品だよね?」

    心音「これが、黯箸にトドメを刺す手段になったの」

    心音「最後の最後で私たちを助けてくれたのは…こまるちゃんなんだよ」

    こまる「………そうなの?」

    心音「どんなに弱くても、強い意志のチカラは誰にも読めないって事だよ それが例え超高校級だろうとそうじゃなかろうと」

    心音「努力はいつでも報われるとは限らないけど、少なくともその想いは無駄にはならないよ」

    こまる「………そう、なんだ…私が……エヘヘ」



    こまるちゃんは優しく笑いながら、その笑顔に釣り合う暖かい涙をこぼした

    こまる「……私、もう後ろ向きに考えるの、辞めます」

    こまる「成歩堂さんたちの事…お兄ちゃんの事……信じて、みなさんと一緒に頑張りたいです」

    心音「うん、この依頼を達成するまで、こまるちゃんは仲間だよ!」

    こまる「……ハイ、ありがとう……ございます」


    この事件がどこまで闇が深いのか……


    そして、どこまで続くのか……


    そんなのまだ俺たちにはわからない


    だけど、同じところを目指す強い意志と希望さえあれば、真実に必ず辿り着ける


    静かに泣きじゃくるこまるちゃんと、なだめる希月さんをみて、俺は少し迷い始めていた









    よく考えなくても、俺はクラインから一時帰国してるに過ぎない



    明日には、クライン行きの飛行機が空を飛び立ってしまう



    クラインの司法、行政は、まだ万全とは言えない


    それこそそんな激務をナユタやレイファ様、アマラ様達に押し付けたままここに居座る事もしたくない


    …………ドゥルクだったら、『そんなのお前の進みたい道を選べばいい』なんて言って豪快に笑い飛ばすだろう




    ………クラインに戻るか


    ………この事件を追うか



    さて、どうしたものか

  174. 188 : : 2017/04/07(金) 12:22:56

    4月 10日 午前7時
    空港

    成歩堂「王泥喜くん、この前は協力してくれてありがとう」

    日向「ありがとうございました、王泥喜さん」

    王泥喜「こちらこそ、ありがとうございました!!!!」

    こまる「王泥喜さん、海外出身だったの?」

    王泥喜「ああ、育ちはね」

    王泥喜「俺はこれから、自分の国に戻ってやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ 最後まで協力出来ないのが少し悔しいけど…」

    成歩堂「王泥喜くんには、王泥喜くんのやるべき事があるからね こっちの事は心配しないでいいよ」

    心音「ハイ!向こうでまた頑張ってきてください!」

    王泥喜「……そうですね、わかりました!!」

    王泥喜「王泥喜法介は、大丈夫です!!!!」

    王泥喜「そうだ!それと成歩堂さん!もし何か困った事があったら、また呼んできてください!すっ飛んで行きますから!!」

    成歩堂「ありがとう、王泥喜くん」

    王泥喜「っと、そろそろ飛行機が付きますね では、行ってきます!!」








    僕たちは、王泥喜くんを笑顔で見送っていった










    さて、僕も僕のやるべき事をやらなくちゃいけないな



    心音「ところで、成歩堂さん これからどこに向かうんですか?」

    日向「えっ?何か他に予定があったんですか?」

    成歩堂「ああ、昨日一晩頑張って調べたんだけど、どうやらこの一連の事件にはある組織が絡んでいるみたいなんだ」



    こまる「ある組織…ですか」



    日向「これだけ大規模な誘拐事件だ バックに何かしら大きい存在があってもおかしくない」




    成歩堂「その組織は…『塔和グループ』みたいなんだよ」

    心音「エェッ!! と、塔和ってあの塔和ですか!?」

    成歩堂「ああ、さっきユガミ検事に確認をとったところ…希望ヶ峰学園の監視カメラに使われたコンピュータウィルスが、塔和グループの未発表のデータプログラムと形式が一致したらしい」

    成歩堂「塔和グループが何かしらの形で関与している事はほぼ間違いないみたいだ」

    心音「それじゃあ、今から塔和シティに向かうんですか?」

    成歩堂「当然そのつもりだよ 消えたみんなに関する証拠が揃うかもしれない」

    こまる「私もついていきます!! 成歩堂さんの助けになりたいから!」

    心音「こまるちゃんが行くなら、私も一緒にいきます!」

    成歩堂(便乗なのか…まぁいいか)

    日向「……………」

    成歩堂「日向くんはどうする?」

    日向「いや、俺はこの後用事があるので、遠慮させていただきます」

    成歩堂「…そうか、わかった」











    成歩堂「……その用事っていうのは、七海さんからもらったものに関する事?」






    日向「!」
  175. 189 : : 2017/04/07(金) 12:40:43





















    霧切「……そう、やっぱりあんな事があった後じゃ眠れないのも無理はないわね」


    苗木「……そうかもしれないね」


    こんな悲しい時でも、夜空は綺麗で、僕たちを小さな光で優しく包み込んでくれている


    ただ、その光も心の陰を拭うにはあまりにも儚くて……



    苗木「桑田クンも霧切さんも、ボクの事を励ましてくれたのに…やっぱり、そう簡単には立ち直れないよ」



    コロシアイ……


    それは僕らには余りにも現実離れ過ぎる出来事だった



    だけど一度現実に起きてしまったら、溜まっていた負の感情が心の中で洪水を起こしてしまう






    そしてそれが抑えられなくなった時に……また悲劇を繰り返す






    霧切「……苗木くんは、自分の生まれた意味について考えた事はある?」



    苗木「えっ…?」


    突拍子もなく尋ねられ、困惑した



    でもすぐに問いを返せるぐらいには冷静だった



    苗木「ううん、そんな事、考えたこともないや………ここに来るまでは」


    突然に身近な存在になった《死》という言葉と、《殺す》という言葉


    そして、今まで考えもしなかった《生きる》という事の本当の意味


    霧切「…あなたなら、私がみたかった希望が見られるかもしれないわね」


    霧切「……《生きる希望》が」

    苗木「霧切さん…?」


    霧切「…戻りましょう そろそろ体も冷えてくるわ」

    苗木「う、うん、そうだね」



    ボクらはしばらく夜空を眺めた後、寮に戻り、眠りについた


    ………………………


    生きる意味、か…………








    朝日奈さんが死んだ意味ってなんなんだろう






    九頭龍先輩が死んだ意味ってなんなんだろう























    ボクが生きてる意味って…なんなんだろう













    答えの出ない疑問を自分に投げかけながら、ボクは眠気に身を委ね、静かに目を閉じた





















  176. 190 : : 2017/04/07(金) 12:42:20


















    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    逆転ロンパ 〜絶望と希望と逆転と〜

    Chapter3−2

    『超高校級の逆転』2日目

    おわり
  177. 191 : : 2017/04/07(金) 12:45:29
    chapter3、終了です

    chapter4は多分少し先になりますが、今後もご贔屓のほどよろしくお願いします

    感想はこちらでhttp://www.ssnote.net/groups/2286

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
1999summer

pvpxzSSD

@1999summer

この作品はシリーズ作品です

逆転ロンパ〜絶望と希望と逆転と〜 シリーズ

「ダンガンロンパ × 逆転裁判」カテゴリの最新記事
「ダンガンロンパ 」SSの交流広場
【sn公式】ダンガンロンパ交流広場
「逆転裁判」SSの交流広場
逆転裁判 交流広場