ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

この作品は執筆を終了しています。

― それが 私の 戦車道 ―

    • Good
    • 9

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2016/08/21(日) 02:21:39







               前書き的な何か 






    はい、お久しぶりです。盆休みの締めくくり、
    家の仕事と片付けと、それからちょっとのポケモンとかで
    見事にSS成分が不足している変態生物・夢馬です。




    未完SSがどんどんかさ張っていく中、またも短編で一つ
    書いてみようと思い立ち、折角なのでまたまた進撃とは

    別ジャンルで書いてみようと思い立った次第であります。






    今度はこれ・・・ええと、『ガルパン』ですね。
    折角カテゴリ枠にあるんですし、
    バナー広告の時期的にも丁度いい。位の感じで一つ。
    (何だかんだ無カテゴリの一話を除きますと純然たる進撃以外の
     SSってこれが初めて・・・ の様な気が)



    ええ、昨年末から劇場版などで更に更に知名度も鰻登りとなった
    “あの”『ガールズ&パンツァー』であります。





    ガルパンといえばまず・・・・知ってる人は知っている、
    戦車×乙女の図式が示す通りのその作品設定。


    未見の人であっても、最近の『艦これ』や、一昔前に流行った
    『ストライク・ウィッチーズ』などといった、若干ファンタジーも
    交えながらのミリタリー要素配合型萌えアニメを

    簡単に想像できるかと思いますが、大雑把に言ってしまえば
    それらと似たような路線・・・でありながら


    実際は全く違う、“萌えアニメ”ならぬ“燃えアニメ”
    だったりもします。



    非現実感を増長させるファンタジー要素も確かに有るといえば
    有るのですが、それらはあくまで“野暮なことは言いっこなし”
    で、無視できるレベルのモノ。
    (某ヴィクトリー級宇宙戦艦や古の空中都市を軽く上回るサイズの艦体を
    各地方の学園単位で所有している・・・とか、


    あくまで実際の砲弾を使用した苛烈極まりない
    競技で有るにも拘らず戦車本体に施された謎カーボンによる防備で
    どんな致命打を受けても、乗員が大事に至ることはまず無いという
    物理法則完全無視とも言える安全設定とか・・・

    如何なる破損を被った車体であろうと、・・・また、
    幾年月水中に投棄されていたか定かではないような戦車であっても
    一両日もあれば実戦運用可能なレベルまで復元してしまうという
    某ジェバンニも真っ青な技術力・及び作業速度を誇る
    自動車部員4人娘など、、、


    正直挙げればキリが無いほどありますが。それは言わないお約束)
    イッテマスネ、スミマセン。。



    それらも踏まえた上で、全く戦車マニアでない私でも、
    充分そのリアルさと重厚さ、そして機関部の嘶きや砲撃の轟きが
    感じられるほどに造りこまれた良作品となっております。




    しかしながらテレビ放映の全話は勿論の事、
    やはり話題と注目をより多く集めたのは劇場版の方でしょう。



    私も当時劇場に足を運んだ際には、テレビストーリーの延長...
    というくらいの(それでも全く低く見ていた訳ではなく、寧ろ
    大きな期待を抱いている位だったのですが)期待感で席へと着き・・・
    そしてそこから二時間ちょっとの間、自身の認識の甘さを
    その身で以って痛感する事になりました。




    ・・・・とまあ、どこぞの映画レビューのようなことを書き始めてしまえば
    私の場合何行あっても足りなくなってしまう上に、
    此処はせっかくSSを描かせていただける場所でもありますので。。



    退屈である事この上ない前書きは置いておいて
    早速今回のこのSSみたいなものの簡単な概要に
    移らせて貰おうかと思います。
  2. 2 : : 2016/08/21(日) 02:24:11






               ※簡易注意事項※




    ・上記の通り、『劇場版ガールズ&パンツァー』からのSS

     ・・・・みたいな『何か』です。
    (全体的に見てSSとすら満足に呼べるものかどうか...)
     ・・・なので当然ネタバレ注意です。

     少しドラマCDなどのネタもあるかもしれませんが、そちらは
     気にならないレベルでしょう。


     何々・・・“劇場版はもうとっくに終わってるし、
     円盤でも出てるんだから時効なんじゃ・・・?”

     ですって?~いえいえ。
     立川でまだやってます。それも極上の爆音で。





    ・出来るだけキャラ崩壊など無き様にしたいのですが
     多分というか絶対無理でしょう。  仕方ないね(諦)。




    ・性的描写。。。と呼べるまでのものは一応無い予定です。
     ェエ・・・イチオウナイトオモイマスヨ(棒読み)



    ・上記より、、仮にあったとしても知っての通り登場人物は
     (一部除き)花も恥らう乙女達しかいませんので
     つまり“そういうもの”にしかならないでしょう。

     ・・・という訳で、『うら若き女性同士があまり接近しすぎる描写は
     生理的にちょっと』・・・という感性をお持ちの方は
     申し訳ありませんが、全車撤退(ブラウザバック)を推奨します。




    ・肝心なお話のジャンルですが・・・雑多なパラレルストーリー・・・
     といいますか、 

     あえて照準を定めるなら  みほ(軍神) × ミカ(スナフキン)  となっています。


     但し、あえて定めるなら、という事ですので、そこまで
     あからさまな絡みになる事は無いと思われます。




    ・お話の設定など、細かい部分はきっと熟慮できていませんので
     矛盾点、台詞について回るもろもろの違和感等は何卒ご容赦下さい。

     特に継続高校の皆さんなどですね。





    ・最後に・・・一番重要な事ですが・・・・

     作中の軸となる設定の中に。

     私がこんな馬鹿げた話を書こうと思い立った原因とも言える

     手前勝手かつ非常に穿った見方の産物である
     二つの“裏設定”が存在します。


     それら“二つの設定”は何の根拠も無い推測未満のモノですが・・・
     どうやらネットでググッてみる限り、私と同じ事を妄想する方は
     それほど少数というわけでも無かったようです。


     それらに関しては話の主軸として触れていきますので
     あとがき的なところに達するその時まで説明する事は無いと思いますが・・・

     まあ、結局私のどうしようもない思い込みから来るものですので
     深くは考えないで頂けると非常に助かります(苦笑)。




    ・幼稚なクセにイヤに文字が長ったらしいので読んでて疲れると思います。
     (・・・が、お話自体は物凄く短く終わらせると思います)




             ※頂いたレスについて※

    書き込みは可能ですし、万一何かお言葉を頂ければそれは
    どの様な方向性にしろ有難くレスを返させて頂いた上で
    一定時間経過後、非表示に切り替えると思いますが、そこは
    ご容赦の程をm(__)m



    何かありましたら下記の各種グループ掲示板も是非ご活用くださいませ。
    申請等はなくても利用できる仕様です。↓


    http://www.ssnote.net/groups/541







  3. 3 : : 2016/08/21(日) 02:34:07




















        ―対・大学選抜チーム戦から数週間後のある日―









         ~継続高校所有学園艦内・人工緑地丘陵部~








    そこは、本州中央部、日本海側の北陸地方に本拠を置く
    継続高校の所有する学園艦の艦上に位置する、人工緑地帯の一角。






    その場に立って一望しただけではまるでそこが船舶の上に施工された
    人為的なものであるとは思えないほどに・・・心を洗われるかのような
    爽やかな風が吹き抜ける緑の丘。





    ・・・一つ違和感を感じ取れるとすればそれは
    地上にあっては相当湾岸地帯まで近づかないと感じられないほどの
    “潮風”が通り抜ける丘である・・・といった点だけであろうか。





                ♪ ~.....





    ・・・そんな涼風の中に(なび)くようにして流れる音色が一紡ぎ―――・・・・・





              ♪...~~♪♪・・・・・・・・





    ・・・そしてまた一紡ぎと、後を追うように爪弾かれる弦楽器の音色。





    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





    丘の中でも“そこ”が人工物で有る以上、何らかの目的があって
    設置されているであろう、横倒しにされた丸太の上に腰掛けた
    少女の手元から、その美麗な音色は紡ぎ出されていた。






    「~、、、・・・・・」





    少女が膝に乗せている楽器は“カンテレ”と呼ばれる
    フィンランドを発祥とする、民族楽器でもある撥弦楽器。


    ・・・その中でも持ち運びに難がない位の簡素な大きさにして
    伝統的な規格でもあるという11弦を有する形状のそれだった。




    淡い水色と白のツートンカラーで彩られたチューリップハットのつばが、照り付ける
    洋上の日差しから少女の目元を隠すように影を落とす。



    しかし、陽光を切り取った影の中に在りながらも
    少女の双眸は静かに伏せられており、



    手元のカンテレ(それ)を奏でるのに最早視覚的な補助を
    一切必要としない熟練度があることを伺わせる。





    ・・・或いは奏でている音色はそもそも“曲”ですらないのか。






    「・・・・・・・~♪」





    ――加えて丸太に腰掛けている少女のその容姿。





    チューリップハットから肩口まで垂れて
    尚余り有る長さに加え、色素が薄く 毛先に向って
    緩やかに広がりつつも流れるような艶を魅せる柳髪。




    同年代の一般的な少女達と比しても数段大人びた印象を
    外周のみで与える事ができる、一見して豊かであると分る胸囲。




    ・・・そして見る者に一目で雪国育ちを意識させる・・・・
    毛髪色素に準じた、白く透き通る肌。





    ――彼女が有するこれらの外見的特長と相まって...



    潮風そよぐ静かな丘にて、まるで風と対話でもしているかのような
    佇まいで楽器を爪弾くその姿は、誰がどの様に見ても
    画になる位の美しさをその身に纏っていた。





  4. 4 : : 2016/08/21(日) 02:42:33












                          (.....ィ ィ イ イイイィィィンン ン ン ン.......)












    その時、人工物上の平穏とはいえ洋上を航行する丘に
    そう遠くない空を通り過ぎたと思しきジェット機の
    力強いエンジン音がこだまして―――・・・・・。







    一陣の風と共に“彼女”の耳にも、その風鳴りが当たり前の様に届けられる。







    「(・・・おや・・・・。今日は随分と・・・変わった風が吹くんだね)」






    声には出さず、弦を弾くその手を僅かに緩めながら
    少女は内心だけでそのように独り言ちる。







    「(・・・けれどこうして再び静かな風を受けられるなら・・・
     少しの騒々しさも悪くない・・・かな。)」




                ~~~♪





    ・・しかし、平穏そのものともいえる彼女の甘美な時間は、
    そんな姿を普段から見慣れている一人の少女の声掛けによって
    いとも簡単に幕引きを迎える事となる。








    「ぁ~~~もぅミカったら・・・・またこんな所で一人だけ暢気に
     サボってる~~~~・・・・!!!」






    「・・・・・・・、」




     ~~~♪...




    その調べはそもそも曲という括りに則った演奏だったのか。
    そういった事はさておき、

    彼女の演奏がその一声によって一時の中断を余儀なくされる。







    「・・・・“サボり”・・・・?サボりというのは・・・・

     何かやらなければいけない仕事から目を背ける事を
     さして口にする隠語だろう・・・・?

     ・・・・それなら今こうしている私は別にサボっているという訳では
     無いんじゃないかな・・・・」

     ポロン・・・・♪





    非常におっとりとしていながら端正な抑揚。

    それから耳にする者全ての戦意を喪失させるかのような
    優しい声色で語られる掴みどころの無い弁明と、、







    「い~~やっ、、!!充分サボりだから!!!

     ぁ~もう、前回の試合で私達の戦車、履帯から転輪まで
     メチャメチャになっちゃったんだから、少し位手伝って
     くれたっていいじゃないのよ!!もぅぉ~~!!!!」






    カンテレの少女を叱咤する“その声”は・・・


    自身の不徳に対する言及を受けて尚、飄々と振る舞う
    少女とは対となるくらい良く通る、ハキハキとした口調。




    「・・・・・・・・・・」




    丘を登ってやってきたのは、実年齢以上に大人びた
    雰囲気を持つカンテレの少女とは対照的に

    解いても精々セミロングか、ショートヘアくらいと思しき髪を
    顔の左右両端で縛り、ややおっとりしていそうな外見でいながら

    その顔つきにせよ体つきにせよどこか幼さを残した少女だった。


  5. 5 : : 2016/08/21(日) 02:47:15








    「・・・・・・・アキ。。 キミはとても大事な事を忘れているよ・・・?

     大破した戦車をなおしてあげたくても・・・私達にはその糧がない。。。」
     






    「そんなの分かりきってるよ!けどさ・・・、、、

     幾ら交換部品が直ぐに調達できないからって・・・それでも
     分解清掃とか・・・使えなくなった部品の撤去とか・・それ位なら
     前もってできる作業がいくらでもあるんだってば!!」
     モ~~ォ~~~、、、!





    「・・・・キミの言いたい事は尤もだ。


     ・・・けどね..?治してもらう戦車だってきっと、中途半端に
     足りない部品を待ちながら眠らなければいけないのは・・・

     ・・・とても退屈だと思うのさ。」ポロロン♪






    「・・・・それ、結局・・・

     “面倒くさいからそういうのは全部準備が整ってから”


        ・・・・・・って言いたいわけだよね・・・・(呆)」ヒクヒク・・・





    「・・・・・さぁ。。どうだろうね・・・・♪

          それは風に訊いてごらん?・・・・・・」ポロ~~ン♪






    「~~~~、、、、;ぁあもう・・・・全くミカはさぁ・・・

     隊長としてはあんなに的確で大胆な指示が出せるのにィ...
     普段は本ッ当、、からっきしだよね....(ジトッ・・・)


     こないだ遭難した時だってさ・・・」グチグチ・・・





    これが正に彼女の正常運転とも言えるテンションであると
    理解しきれているアキと呼ばれた少女もそれ以上彼女の言葉に
    反論するのは中断し、今度はその矛先を彼女の愚痴へとシフトさせてゆく。





    「帰り路に迷えば人は誰だって落ち着いていられない。
     そう言うものじゃないかな。」ポロリ~ン... 






    「ぅ~~~・・・・・!!;;またそうやって当たり前のことを~~!」







    「・・・・そんなことよりも・・・・アキ・・・・?


     キミが私を探しにこんな所までやってくるのは・・・・

     いつもと比べると随分遠出している気がするね・・・・。


     ・・・・・・・何かあったのかい?」~♪







    「・・・・・、、、!!あ、そうそう・・・そうだよミカ!!

     ここまであなたを探しにきたのも・・・・...ってあなた、
     “こんな所まで”って今さらっと言ったけど・・・!

     やっぱりサボりを自覚してて“ここまで来れば大丈夫”とか
     考えてたんでしょどうせ!!!」







    「 ・・・・追っ手を上手に撒くのも車長には必要な能力さ。。。」フッフ・・・






  6. 6 : : 2016/08/21(日) 02:51:52









    「~~ぁ~~・・・・もういいや・・;実は今それどころじゃないから・・・!

     あのね、私達に外からお客さんが来てるんだって!!早くミカも
     おいでって・・・・・それでここまで呼びに来たんだから、
     ホラ、、早く行こう???」グイッ






    「・・・・・外からの・・・客人かい・・・・?


     ・・・・けれどアキ。学園艦の寄港予定ではまだ・・・・・・」
     グラグラ







    「だ、か、ら!!“大洗女子学園”の皆だよ!!

     大学選抜との試合の時のお礼が言いたいからって、
     態々ウチまで来てくれたんだって!」






    「 ・・・・・へぇ・・・・・・? 」







    「それもサンダース大付属の人達がわざわざジェット機まで
     飛ばして送ってくれたんだよ!?


     ・・・ほら、私達だけ試合終了まで待たずに帰っちゃったじゃない!

     それで・・・・、、、、」







    「なるほど・・・いつもなら吹かないはずの“あの風”は・・・・

     ・・・・彼女達を運んできた風だったんだね・・・・」ポロロ~ン♪






    「分かってたんなら早く行こうってば!

     今ミッコ一人でお出迎えしてるんだから!何かお土産まで
     持ってきてくれたみたいだし~!(輝)」キラキラ
     グイグイ





    「・・・・・彼女達には戦車道の良さがわかってもらえれば
     それだけでよかったのさ・・・・、、



     戦車に乗ってさえいれば・・・彼女達にも....


         ・・・・私達にも。どこにいたって同じ風が吹く。」








    「また訳の分からない事それらしく言っちゃって~」ウリウリ









    「頼んでもいない見返りを貰う事に・・・意味があるとは思えない。。♪」
     チャラリ..ン♪







    「ぇ~・・・;なんでそうミカって要らないところまで
     格好つけたがるかなァ・・・・;;くれるって言うんだから
     ありがたく貰っちゃおうよ~~↑↑」ネェネェ







    「“格好良い”・・・それは戦車道にとってはどうなのかさておいて。

     
     アキにとっては大事なことなんだろう?」
     フフフ・・・



    ~~♪
  7. 7 : : 2016/08/21(日) 02:53:55








    「ぁっ・・・でもでも!!!あのね!

     お土産とは別に・・・何かプラウダの人達も前協力して
     くれた時以来、珍しく友好的でさ~、、

     足回りだけなら足りないパーツを都合してくれるかもって、
     話になってるんだよ!!」イイワスレテタケド!!







    「・・・・・・・・・・」






    「それも私達のピットを貸してくれたら大洗の整備班の子達が
     全部やってくれるって!」ワクワク






    「・・・・・彼女達の判断を信じよう・・・・、、(良い笑顔)」ポロリン~☆
     サラリ







    二つ結びの少女(アキ)の言葉にあっさりとその身を翻し、
    横倒しの巨木と一体化していたのではと思えるほど
    重い腰を上げたカンテレの少女(ミカ)は、転じて気ままな風のような足取りで、





    アキの引き手に誘われるまま、その場を後にする――――






                 ・・・~♪






     ―――"何に向けた〟音色であるのか、その一弾きを丘へと残し...。








  8. 8 : : 2016/08/21(日) 03:23:46








               ~継続高校・来賓室~





    ガチャッ,,,,,





      「ぃや~ぁ、継続ちゃん達~、ぉっ邪魔してるよ~」ニヘラ~
       フカフカダネィ♪





    三人が来賓室に入って真っ先に目に入る位置にあるソファー。


    そこに小柄な身体を埋めながらも堂々たる威厳のオーラを纏って
    腰掛けていたのは記憶に新しい、先の試合で共闘した一人の少女。



    『どんぐり小隊』の一員にして大洗女子学園の生徒会長でもある
    “角谷杏”の姿であった。








    「・・・・いらっしゃい。   大洗の可愛らしい会長さん・・・・」

     ポロ~ン♪





    何処をどの角度から見ても愛らしい中学生程度の
    背格好としか捉えられない為、そもそも何故そんなものが
    感じ取れるのか甚だ疑問ではあるが・・・・その面構えからは


    ――何故か、、、、



    そう。“何故か”底知れぬ傑物の風格を感じずにはいられない。




    「こっ・・・ここ、この度は・・・!!我が校解体の危機を
     救う一戦に馳せ参じて頂けただけでなく・・・、、
     更に敵主力の一角でもある自走臼砲護衛車両の3両撃破という
     言葉にし尽くせない恩恵を賜っておきながら、
     御礼の言葉が遅れた無礼・・・まことにッ(ry
    河嶋(かぁしま)ァ~・・・・ 、、(かた)い。。」
     ピシャッ




    「あ、、、ありがとう!!!本当に!!本当にありがとう!!!」
     ブワワッ・・・・(ノД`)・゜・。







    「ぇえっ・・・と、その、ねえ・・・^^;私達も
     滅多に撃ち合えない強い人たちと戦えて凄く楽しかったし...

    そんなに大袈裟な事は・・・・」アハハ・・・・;
                 ⌒(๑ ^◡^ ๑ ;)*⌒





    「大袈裟だなんて、そんな事ないです。私達が打倒“自走臼砲(カール)”の作戦に
     集中できたのは・・・全てあなた達、継続高校の方々が
     素晴らしい活躍で敵の注意をひきつけてくれていたからです。

     結果として言わせて貰うなら・・・あなた方三人の力添えが無かったら
     勝てませんでした。それもこれも、偏にあなた達のおかげです」
     ペコリ・・・・





    「そ~~そ~。小山の言う通りだょ

     ・・・んまぁ“(ひとえ)に”・・・つっちゃうとそれじゃあ
     他の皆がいらなかったみたいに聞こえちゃうから、
     そこだけは訂正さして貰うけどね。  とにかく私らが
     存分にやれたのは継続ちゃん達のお陰。これはマジだから。

     ・・・本当・・・...っ 有難うね・・・・。。。助かったよ」グッ・・・







    「・・・・私達が助けたんじゃない。。キミ達と・・・

     それから“彼女達”が勝手に助かったのさ。

     私達では意味さえ見出せない作戦の・・・その果てにね。」グッ

     ポロン..♪





    片手で差し出された握手を受けつつ、もう一方の腕で
    器用にも抱いたカンテレを爪弾くミカ。


    その微笑みかける先に・・・・





    「・・・・・・・~」





    来賓室に一時集まっていたメンバーの内、
    自走臼砲(カール)”攻略の直接的な作戦立案者・・・・とはいかなかったものの、
    その足掛けとなる大活躍の一端を担いし彼女達(バレーボール部)の面々を捉えながら。



  9. 9 : : 2016/08/21(日) 03:44:06








    「敵チームセッターの撹乱ッ・・・、、!!」
    ズバッ・・・





    「及び・敵の目ですら奪ってしまうかのような、
     あの先制速攻のスパイクレシーブ!!!」
     ビシィッ





    「極めつけは最後に魅せたあの一撃!!」
    ガッ




    「片足奪われてそれでも最後まで諦めずに喰らいつく、、、
     あの"根性"ッッ・・・・!!!バレーにも通じるものを教えられた気がしまス!!!」
     バシッ!!








    「・・・・・・ごめんね、踊りはよくわからないんだ・・・・^;」

     ポロロッ;♪




    「ミカ、、、ミカ!!その子達が言ってるのは“バレー『ボール』”の方!!
     “バレエ”じゃないって!;」






    「試合中はそれどこじゃなかったんだけどね~
    あの後記録映像皆で見てたらそりゃもー盛り上がっちゃって☆」
    ケラケラ








    「・・・・アレはね・・・、、ミッコが連れて来た

     お転婆な“風”に戦車が乗っかって・・・ようやくできた無茶なんだ・・・。。

     ・・・お礼なら私じゃない。 ミッコに言ってあげたらどうかな…?」ツィッ





                ♪ポロリン♪




           Σ「。。。。。ッえ、!!!あ、・??!?」ビクッ
             ワタワタ・・





    [マジかよすっげー・・・・!!]


                 [あなたが継続のBT42を走らせてた..]




    [あの片輪ドリフトの操縦士~!!!?]






         「へッ・・・?!?イヤッ・・・アノ・・・・あれは・・その!」
          アセアセ・・・





                [い、いや・・あれドリってたかな・・?^^;]



    [いやいや!あんなのドリって無くても充分凄いって!;]



               [履帯無しで走れる戦車なんて凄いよね!!]




             ワラワラワラワラワラワラワラワラ














    ――天から舞い降りた災厄の如く。




    高地先着という地の利に沸き立つ大洗連合一同を、
    一転して絶望のどん底へと叩き落した、彼の艦砲級とも言える
    恐怖の極大連続砲撃。




    それらを絶え間なく打ち込んでくる“自走臼砲(謎の戦車)”を討ち取る
    時間稼ぎを十二分に果たした彼女達の・・・、、とりわけ、


    見る物の眼を疑わせる程の狂走っぷりを見せ付けたBT42自走砲を
    駆っていたという操縦手の素性には、皆一様に興味があったようで


    作戦会議中など限られた時間にその顔すら見ることが出来なかった
    面々は皆押し並べるようにして



    “ミッコ”と呼ばれた少女の周囲へと殺到する。





  10. 10 : : 2016/08/21(日) 21:25:35





    普段こうした待遇に慣れない為か、別段人見知りする訳でも無い
    彼女も・・・流石に目を回してしまいそうな状況下で



    その視線を右往左往させている。






    「(・・・・・フフフ。焦ってる焦ってる・・・・・・・・・)」




    「ミカ・・・・ワザと仕向けたでしょ・・・;」
     ミッコ、、カァワイソウ..w;





    [ねーねー、何年生!?>>]    

                  [特に好きな戦車は!!?]


    [幕末史で一番好きな藩は!??] 


                       [身長幾つ!?]


      「~~~~~~~~っだぁぁああああああ!!!!」





    ガバッ!!!!!!!!



           「「「「「「(   ビクッ   )」」」」」」




    しかし、ついにその包囲網に我慢の限界を感じたか
    操縦中の彼女と見劣りしないその覇気で以って周囲の面々を威嚇すると・・・





    「とにかくっ・・・クリスティー懸架方式に突っ切れない
     不可能(みち)なんか無いッ!!!!あたしが言いたいのはソレだけだッ!!!!」
     クリスティ ナメンナヨ!! Σビシッb




            「「「「ぉおおおお・・・・・!」」」」
              パチパチパチパチ・・・・






    ・・・と、一同の喧騒も一端の戸切れを見せたあたりで挙手したのは
    大洗生徒会長でもあるカメさんチーム車長・・と同時に
    先述の通り、同学園の生徒会長でもある角谷杏。





    「さぁ~って、じゃあ盛り上がってるトコ悪いけど、
     私らちょい席外そっか~。

     ぉ~い、

     西住ちゃん達以外そーいん退却ぅ~」パチ☆ パチ☆




    「聞いての通りだ!事前に伝えてはあるが・・・
     あんこうチーム以外の皆は一旦この部屋から出てくれ。いいな」
     キリッ




    「あとでお土産渡しながらお話できる時間つくってあるから~」
     フリフリ





              「「「「ぁ~い。」」」」
                ゾロゾロ・・・・








    「・・・・・・・・・な・・・;なんだなんだ?」





    「どうしたんだろう・・・あんこうチームって言うと・・・
     Ⅳ号操縦してた・・・ほら、アレだよね。最後に
     二対一の一騎打ちまで持ってった・・・・・・」
     




    「・・・・・そうかもしれないね。」フッ






    「~~~そう“かも”じゃないじゃんもぅ~~~!!!

     ・・・・って、アレ・・・・!? 確かさ・・Ⅳ号の車長っ...ていうか
     それってあの時作戦仕切ってた・・・つまり実質大洗女子の

     ・・・・“大隊長”・・・・だよね・・・・・・?;」タラ・・・・







    「 ・・・・・そうかもしれない(ニッコリ)  」






    「・・・ってことはさ・・ほら!!!アレ!!!
     たしか黒森峰のときの・・・・副隊長の・・・・・・!」ネェネェ!?





    「・・・・・まったくその通りかもしれない(何処までも優しい声)」





               ~ポロン♪


  11. 11 : : 2016/08/21(日) 21:28:20









    「あ・・・あはは・・・・・・ミカさん・・・は、作戦会議のときに
     会ってますけど・・・お久しぶりです、継続高校の皆さん..///

     大学選抜戦では本当にお世話になりましたけど・・・・、、

     その前の黒森峰と継続高校の練習試合でもお世話になりました、
     にしず...
    「や~~~~!!!あなたがあの黒森峰エースの妹さんでしょ!!
     直接挨拶したわけじゃないけど、本っ当久しぶり~!!!」
     ゲンキシテタ!!?





    「西住殿っ・・・・!?お話は聞いてましたがすると
     やはりこの方々が黒森峰在籍時にも手合わせしたという・・・!!?」
     ヒャッハーー!!BT片輪走行!! 






    「みほさんの仰っていた・・・・」
     アラ カワィラシィ♪





    「継続の凄く優秀な隊長さんって人!!???」
     Σナンツゥ ビジン!!!




    「・・・・・・・・」
     ネモィ...







    「ぇ・・・?え・・・・・?いや・・・え~~っと・・・その・・・
     アレ・・・・?皆まだ継続の人たちとは・・・・・」






    「会ってないよ!!!?(ブンブン)だってホラ、
     作戦会議はみぽりんや隊長格のみんな限定だったじゃん!」





    「ぇぁ・・・そう・・、、、かそうだよね、考えてみれば皆・・・
    (っていうか作戦会議に来てたミカさんも結局一言も喋ってないし)



     ぁっ・・・・でもあの・・・!試合開始の時とか隊列の分岐が
     始まる前までは皆一緒に走って・・・・・」






    キューポラ(戦車の上)から身を乗り出すほど風と戯れるのが好きなひとは・・・・

     私が知っている限りでも、そんなにいないんじゃないかな...」
     ポロンッ♪







    「ぁっ・・・あはは・・・・;///そう・・・でしたねw」
     ナンカスミマセン






    「・・・・お久しぶり。。。在りし日の副隊長さん・・・・。。

     改め・・・・飛び交う砲弾をものともしない、

                   大洗の勇ましい大隊長さん・・・」


     ~~ポロロン♪







    「そんな・・・・止めてください、、あの日は作戦を円滑に進めるために
     皆さんの薦め通りそんな大層な役割を買って出ましたけど・・・


     学園の存続とか、あ・・・あんな大事でなかったら私・・・とても
     じゃないですけど大隊長だなんて・・・・」






    「いえいえ!!!いつでも!何度でも申し上げますが!!
     西住殿は文句無しの満場一致で、、我々大洗戦車道チームの
     大隊指揮官であります!!!」クリーク!!!クリーク!!!!




    「大隊って・・・秋山さん...;
     せ・・・戦時中じゃ無いんだから・・・・///;」




    「ううん!ゆかりんの言う通りだよ!!!私達全員の
     リーダーって言ったらそりゃもうみぽりんしかいないって!!!」
     ジシンモッテ!!




    「私も・・・皆さんの意見に賛成します。。

     私が皆さんの想い全てを一発の砲弾に乗せて安心して
     撃てるのも・・・全てみほさんの指示のお陰ですから」ニコヤカ~





    「そのとーりだぞ...。私は言われた通り運転してるだけで・・・
     実際あんな狭い窓からじゃ周囲の状況なんて殆ど見えやしないんだ。

     いつ半身消し飛んでもおかしくないのに身体を出してまで
     周囲の状況を把握してくれるなんてそうそうできるモンじゃない」
     ヌ~ン・・・



  12. 12 : : 2016/08/21(日) 21:31:20








    「だから・・あの・・・それはですね・・!特殊カーボンがあるから大丈(ry...




    「いやイヤイヤ!無い・無い・無い!!!(ブンブン)

     そんなの絶対おかしいよ!!!!だってみぽりん、
     カーボンも何も、戦車の外に体剝き出しじゃん!!!」




    「フツーに考えなくても掠っただけでひき肉だぞ。。。」
     ネムー・・・・




    「つまり西住殿にとっては8.8cm砲(アハトアハト)に吹き飛ばされて戦火に散るのも
     本望と言って笑えるくらいな訳ですね!!!」
     スキナンデスネ!!ワカリマス!!






    「み皆・・・;・・・っていうか特に秋山さん・・・
     さっきから私をだれかとんでもない人と重ねてない・・かな・・・;


     というより・・・88ミリってそれ・・・レオポンさんの流れ弾で
     死んじゃってるんじゃ・・・・」ゲンナリ







     




    「何か・・・意外だよね~。黒森峰で副隊長してた時も
     思ったけど・・・あんな大人しそうな子だなんてさ。


     試合中の容赦なさと大胆不敵なあの決断力からはとても
     同じ人だなんて思えないよ~・・・・」






     ♪♪~ 

    「・・・・・外見と中身でつりあいのとれた人なんて・・・
                 この世界には数えるほどいないさ。」








    「成っる程なァ~~。。。なハハッwww
     ミカなんかが正にそのとぉ→りだもんな!」







    「・・・・・・私が・・・かい?・・・・・・」ポロン・・・?♪






    「あはっ・・・・何々?・・・ミカが珍しく驚いちゃってるぅ??」
     コノコノッw






    「そーそー!!こんな澄ました顔の飛びっきりの
     びしょーじょなクセしてさっ、いざ戦車道となったら
     あ~んな無茶させんだもんネ」






    「・・・・心外だなぁ・・・・・・一番たのしそうなのは・・・私なのかな・・・・・?

     それとも・・・・・・、、、」♪ポロロ、、、、ン





    「さ~~てどうだろうね~(ニマニマ)

     風の妖精さんにでも聞いてみたらどうかなww」



    「そうそう!!風に聞けばなんだって分かる!!!!(爆笑)
     ミカがいつもそう教えてくれてンじゃん!!!

     しっかりしてくれよ~~ミカぁ???」ニッコニコ







    「フフフ・・・・・   風がさわぐから・・・・ぐうの音も聞こえない。。」
     ポロン・・;♪







    「・・・・・・・・」クスッ・・・






    部屋の中でも幾分遠巻きな距離をおき、
    継続高校の三人が談笑する様を黙って見やり、静かに苦笑を溢す
    大洗女子の軍神とも称される彼女。





    「「「「「・・・・・・」」」」」





    そんな彼女を見ると、直ぐ脇で声も言葉も交わす事なく
    アイコンタクトのみでそれぞれの意思統合を図り、頷く少女達。





    「ぁっ・・・あのさ・・・みぽりん・・・・!」





    「・・・、、、ぁ、うん!!何かな、沙織さん・・・・!?」ビクッ





    「私達も・・・ちょっと会長達に用があるからさ・・・ここ、
     外すよ・・・・!い、いいよね・・・?」アセアセ・・・





    「こういう挨拶は・・・私も苦手だ・・・頼む....」
     ッテイウカネムイ・・・・




    「不肖・秋山優花里!!西住殿の意向を第一として、
     ここは一旦身を引かせて頂きますがっ・・・・(ゴホン)

     ぇ・・・、えっとあの・・・宜しい・・んですよね・・?」ゴクッ・・・
  13. 13 : : 2016/08/21(日) 21:37:33









    「ぁ・・・・、う、うん・・・・!なんか・・・ごめんね・・・みんな、、っ?
     
    「みほさん・・・・(わたくし)その・・・・沙織さんのように
     普通の・・・っと、殿方を相手とした恋愛は勿論・・・、、

     そういった方向に性別の垣根まで踏み越えた
     大胆((アクティブ?))な恋路の応援は・・・上手くできないですけど・・・・

     その・・・友達としてこれだけは言わせてください・・・・!!」ぐっ




    「・???・・・・・ぇ・・・・?  何・・・・?恋っ・・・・華さん・・・今なんて・・・」
     キョドキョド・・・・





    自身の手を両の手でしっかと握り締める親友の鬼気迫る視線に、
    会話の内容すら正確に判断出来ないほど思考を乱れさせるみほ。




    ・・・だが、そんな彼女が平常心(おちつき)を取り戻す前に―――





    「みほさんなら・・・・っきっと出来ます!!

     どんな“相手”であっても・・・私の背を押してくれたこれまでの様に・・・!
     必ず仕留められる(▪▪▪▪▪▪)(わたくし)信じてます・・・・だから・・・!」
     ギュゥッ・・・・!!!!






    「っぁ・・?!?  ちょっ・・・華さん、、、痛っ・・・・・」
     イチッ....










    「ちょっと。。」




    スッ・・・・











    「!?!!(嘘っ・・・・ミカが)」




    「ぇ゛っ・・・・・・」





    その時、親友に送るものにしても聊か気迫に溢れ過ぎた
    謎のエールに突如割って入った“彼女”の行動に即応して
    驚きを見せたのは・・・・




    “普段の彼女”を良く知る二人だけであった。






    「・・・・・・・いいかな・・・・・?いきなり驚かせてしまったのはすまないけれど・・・」








    「(今のミカ・・・・全然普段の喋り方じゃなかった・・・よね・・)」




    「(わかんない・・・わかんないけど・・でも・・ミカが今一瞬だけ。。
     とても落ち着いてらんないっ、、て顔してた・・・それだけは・・・)」





    この時二人の間には小声による意思疎通すら行われておらず、
    合わさったのは精々互いの視線だけであった。


    にもかかわらず相手の目配せのみでおおよその思考内容は合致し、、、
    後に脳裏に描く事になる一言は、二人共、見事に合致した。






    「「(間違い・・・・ない・・・・・・・!!)」」







  14. 14 : : 2016/08/21(日) 21:38:59










    「・・・・隊長さんは・・・どうやら“私”と話があるみたいなんだ。


     昔の事か・・・・こないだの事か。どちらかはさておいて・・・・


     ・・・―――――、、、だから     ・・・ね?」ポロンッ?・・・♪






    「(ハッ・・・・!?)いっ・・・いえいえ・・勿論そのっ・・・
     私たちも席を外すつもりでしたので・・・!!すみません、、、
     私ったら・・・西住さんを“驚かせる”様な事をしてしまって・・・・!!」





    「ぅうん・・・・、いいの・・・本当・・・そこまで驚いた訳じゃ・・・
     ないから・・・^^;//(華さんがあんなに必死になって
     何を言ってたのか・・それが聞き取れなかったのは凄い気になるけど)」
     スリスリ・・・






    「(でっ・・では私達も・・・ここらで一先ず撤退しましょう・・??!(小声))」




    「(ラ・・ラジャッ・・・!!(小声))」




    「(・・・)」






    大洗女子の面々が足早に部屋を後にする様子を伺いながらも
    何をそこまで気遣う必要があるのか・・・・

    などと考えを巡らす暇さえ“彼女達”二人の間にはなかった。

    二人の心境は・・・今、実に穏やかではなかったから。







    「(ど・・・どうすんのアキ・・・・!(小声))」



    「(わ・・わかんないよぅそんな事私に聞かれても!!(小声))」






    たった今、久方ぶりに見た頼れる戦車長の変貌・・・・。



    チームメイトでありながら、
    常に平静温厚な口調を崩さない彼女。


    ・・・二人の中に等しく抱かれる、そうした一つの
    尊敬の対象でもあった彼女の冷静な物腰が・・・


    たった一瞬、一言口から発する間だけとはいえ
    確かに崩壊した(▪▪▪▪▪▪▪)のをその目で見てしまっては。







    「と・・とりあえずさ・・・ミカも何か真面目な話が・・・あるんだよね・・?」




    「わわ・・・私達もちょっと表でっ...待ってっからさ!!

     終わったら(?)言ってね!!!!」








    「そう・・・・・。キミ達がそうしたいなら・・・・それもいいんじゃないかな」





                ~♪



    そう口にして優しく弦の上を滑らせる指先と共に・・・・



    その時“ミカ”の視線は、確かに傍らに居る、“みほ”へと流れていた。









  15. 15 : : 2016/08/21(日) 21:41:19








         ~大洗Aチーム 及び 継続高校二名退室後~







                ―来賓室前―





    「しかし・・・いよいよ間近でお目に掛かりましたが・・・

     あの方(▪▪▪)が・・・・??!(ゴクッ・・)」



    「大会優勝の宴会の時にも祝電はくれてたんですよね・・・」




    「しっかしみぽりんにその・・・そういう(▪▪▪▪)側面も
     あると知った時は・・・まあ何てか意外だったけどさ・・・

     “アレ”を見ちゃうと流石に・・・・・」






    「そ・・・・そうでありますか!?私はその・・・・

     隊員同士の友情とかそういった物の先に
     行き着く関係なら・・・・、、、

     いっ・・・一線越えてしまった関係とかがあっても別に
     おかしくは無いと言うか...寧ろ西住殿がそのお相手なら
     私オールオッケーといいますか・・・////」ブンブン・・・・
     





    「あ・・・秋山さんの場合はちょっと特殊っぽいよね・・・・//;(引)」
     





    「・・・・(わたくし)には・・・みほさんが本当にそういった(▪▪▪▪▪)趣を持っているかどうか、
     それは分かりませんけど・・・あの継続の車長さん・・・・

     何だか物凄く・・・・・素敵な方...ですよね////」





    「んっ・・・ん~~~~~・・・・・;


     まあ・・・女の子同士でアレとか・・・そういうの私も正直
     分からないけど・・・・確かに『あの人』は・・・・
     見た目のレベル半端じゃ無いよね。ちょっと何考えてるのか
     つかみどころ無い人みたいだけど・・・・

     全然悪い人じゃなさそう。・・・というより寧ろ・・・」
     





    「「「「・・・・・・・・・・」」」」







    大洗Aチームの面々が話し合っている事を真横で耳にしながら
    継続の二人は二人で現在の状況を混乱しながらも整理しようと試みる。







    「な・・・なぁアキ・・・あたし・・・・ぜんッぜん状況が読めないんだけど

     ・・・今何が起きてんのかなこれぇ・・・;」






    「話の方向から見て・・・・つまりこういう事なんじゃないかな・・・(ビッ)


     ・・・・そうとしか・・・今の私には説明できないよ・・・!」





    会話の最中チームメイトが暗に何かを示すジェスチャーとして
    拳に立てた小指を頬の横で強調してくる様を見て、
    尚更状況を理解できなくなるミッコ。






    「・・・・???・・・・・;な・・・??!なに・・・?!
     どういう意味だよ・・・・指きり・・・?!?何かあの二人が
     約束でもしてたって事・・・????」ワッカンナイヨ!!





    「ち・が・う、!!!!だからぁ・・・その・・・///!


     つ、つまりね・・・。ミカと・・・あの大洗の隊長さんがね・・・!!」
     ゴニョゴニョ




    「ぅんぅん・・・???;あの二人が・・・????」





    「・・・・!!こ、これ以上説明できないよ!!!!

     っていうかミッコ本当に分かんないの!!!!?」




    「分かったらアキに聞いてなァいぃ#!!!!

     い~から知ってるなら教えてよ~~~!!」
     オシエロオシエロ!!!





    「あ~もう面倒くさい!!!じゃミッコにも分かる様に
     言ってあげるって!!つまりね!あの二人は
     “物凄~~ッく”仲がイイって事!!」





    「~~~!??なァんだ、そんな事か~~・・・・;

     でも大袈裟だな・・・だったらなんで皆して部屋から出たり
     する必要が???;」イミワカラナイ





    「(これ以上どうしろと...)~~だから・・それはァ・・・;」






  16. 16 : : 2016/08/21(日) 21:46:03








    「ねっ・・・ねぇねぇ、、継続の・・あの・・・隊長と
     すごく仲良いんだよね・・あなたたち二人・・・・????」





    Σ「ふァっ・・・・!?!??」ビグッ





    傍らにてただただ困惑するだけの二人に思い切って
    情報交換の意向を示す、あんこうチーム通信手、武部沙織。
     






    「ぁっ・・・!!ああ!、仲・・・イイぞ!!?;
     あの大洗の・・・あんたたちのリーダーとどれ位
     仲イイのか知らないけど私達だってミカとはッ・・・・!!」=3
     フンスッ






    「違う!!違うのミッコ!!
     その仲の良さとはちょっと・・・っていうかかなり違うの!!!」





    「なぁんだよ~~;?

     さっきから随分慌てまくってるけど・・・何か様子が
     おかしくないかアキ・・・・?」ジト・・・・・






    「何か・・・この子は少し“勘違い”してるみたいだけど・・・
     あなたは・・・少しは“あの二人”の事・・・知ってるんでしょ?

     ねえ・・・何か・・二人がどうして“あんな関係”なのか・・・
     何か知らないかな・・・・?」





    「・・・・・・;」




    一人混乱の渦中より抜け出せないミッコを他所に・・・・
    しかし此方も状況を今一つ掴めないでいるアキは、

    沙織の追及に対しても非常に困った様子でたどたどしく
    返答を返していく





    「そう・・・言われても・・・・(困)

     私も・・・っていうか私達も、“あの二人”が
     あそこまでその・・・仲がいいというか・・・・『そういう感じ』で
     見合ってるなんて知りもしなかったから・・・・・」






    「な・・・成る程・・・・継続高校のお二人も
     その関係を察していなかったとなると・・・・これは
     完全な軍事機密(トップシークレット)だった訳ですね・・・??!

     口外厳禁・完全守秘の元にこうして顔を合わせられる
     時だけ確かめ合える愛・・・・素敵です・・・!!!」





    「(だめだコイツ・・・早く何とかしないと)...;


     あ、あのね・・・?私達も・・・その・・・細かいところまで
     知ってるわけじゃ無いんだけどね・・・ただ・・・・」






    「・・・・・・??」





    「・・・私達のあの・・・・隊長っていうか、みぽりんがなんだけど」





    「うちの生徒会長から、継続高校までお礼を兼ねて挨拶に
     行こうって話しが来たときに・・・・何ていうか・・・・


     すっっ・・・ごくね。 ものすっ、、、ごく喜んじゃって。」





    「・・・・?う・・・・うん>?;」




    「・・・・極めつけの一言がこれだ。」





    「“『継続の隊長さん』には・・・どうしても会って
      直接伝えたい事があるんですけど・・・その時、どうにか・・・
      一対一で話をさせていただけないでしょうか。

      私と・・・・その隊長さん二人だけで”・・・・・ということだそうで」







              「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」





    あんこうチーム砲手を務める五十鈴華の、完璧に近い
    当時のみほがおこなった発言の復唱を反芻し、



    再びその場に沈黙を貫く大洗+継続高校の6人。



    しかし、最初にその場で沈黙を破り、有る意味全員の中に
    暴走していた先入観よりも、“実際の二人”の仲を穿った見方で
    分析して見せたのは・・・意外な一人だった






    「・・・ミカは・・・確かに何考えてるかわかんないんだけどなぁ・・・・

     でも私・・・一個思い出したよ・・・あのさ」





    「・・・・?何?ミッコ・・・・言っておくけど多分あなたの考えてる
     カンジと・・・あの二人の仲は多分・・・;」







    「アキは・・・・・・覚えてないの?

     ほら・・・、、、“あの試合”の前にミカが言ってた事。」






    「・・・・・・?何か言ってたっけ・・・・?;
     っていうかミカの言う事って一々意味考えて言ってるの・・・?

     あれ・・・・・・;」



  17. 17 : : 2016/08/21(日) 21:49:32








    「~~~、確かにミカは私達の頭じゃ半分も
     理解できない事しか喋らないけどさ~・・・それくらいは
     覚えてようよ~~~;そんなに難しい事じゃなかったから
     私がこうやって覚えてるんだろ・・・?」






    「ぁ・・・もしかして・・・・・アレ?」





    「。。。そうそう!!アレだよアレ!!!!
     なんだちゃんと覚えてるんじゃない!!!」





    「えっと・・・・アレ・・・?というと・・・・


     さっきの隊長さんが・・・何を言ってたの・・・・? 
     それって・・・何かこの状況と関係ありそう・・・・?」






    「うん・・・・多分だけど・・・・。でも、ミカが・・・・

     その場にいない人の話をするのって結構珍しい事だから。

     だから私達も覚えてたのかもしれないから。一応教えておくね・・


     丁度あなた達、大洗と大学選抜の試合が決まった時・・・
     グロリアーナから、あの日大会に集まった全高校に無電が入ったの。
     

     “お茶会”の名目でね。・・・・まあお茶会って言いながら、
     こうなったのを考えてみれば、『みんなで大洗に加勢してみない?』

     っていう呼びかけだったんだけど・・・・」






    「な・・・なんと・・・・?!!!聖グロリアーナの
     ダージリン殿が・・・そこまで私達の事を・・・・・!?!!?」




    「そんなお茶会に集まってまで・・・私達の事を
     気に掛けて下さっていたなんて・・・あの隊長さんも
     多くを語らない風に装っていても・・・結構・・・・・?」






    「んーにゃ?・・・私達は結局そのお茶会、
     不参加だったんだ~~。

     アキは行こう行こうって誘ったんだけどね?

     私もぁっ、、たかいお茶飲みたかったのになぁ...」
     ァ~ア・・・






    「え・・・・??それで・・・その・・・、お茶会に参加しなかったのに
     あの日飛び入りで・・・・??」





    「う・・・うん;まあミカはああいう性格だから・・・
     私もミッコも・・・どうせ何だかんだいって、
     ミカはあの試合に出るって言うんだろうなって・・・・


     分かりきってはいたんだけど。その・・・試合当日・・・

     大洗の制服を用意して戦車に乗り込むとき・・・・
     ミカが言ってたんだ・・・・」





    「“彼女とわたしは逆さまでおなじだからね(▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪)

         私の道がまだつづいているなら・・・・

           彼女()の戦車道もまた、とざすわけにいかないのさ”


     ってな!!!いや、あの時はまた難しい事言ってんなーくらいにしか
     思ってなかったけど・・・・」






    「今思うと・・・その“彼女”って・・ひょっとしたら・・・ってね。

     ・・・逆さまがどうとかってところは・・・やっぱり今でも
     何が言いたいのか分からないんだけど・・・・」





    「あ・・・・でもでもアキ・・・!??その後ミカさ・・・

     ンな~んか小さくボソッと言ってなかったっけ!?それが
     気になっててさ私・・・・!アキ聞いてなかった??!」





    「ぇ~~・・??何か言ってた???;聞き間違いだよきっと・・・

     それかカンテレの音じゃない?」イツモヒイテルシ





    「ちが~~ぅ!!!絶対聞き間違いじゃない!!
     モソッと何か言ってたんだって!!!!(地団駄)」ダンダン!!





    「~~~???;ゴメン、思い出せそうも無いよ~・・・」






    この場でその二人が思い出すこともかなわず、そもそも
    そのような発言すらあったのかどうか・・・アキによっては
    真偽すら定かでないミカの一言は、確かに彼女の口から
    呟かれていた。


    彼女にしか聞こえない声でありながら、例え傍で耳を凝らしていようとも
    彼女が爪弾くカンテレの音色にかき消されてしまいそうな囁きで。






  18. 18 : : 2016/08/21(日) 22:03:49







                ―来賓室―







    「(ミッコはとても耳がいいんだね)」





    一方此方は二人を除く全員が退室した後の来賓室内。



    壁一枚しか隔てていない為外の会話はおおよそ筒抜けである。





    「げ・・・・元気・・・いいんですね・・・あの・・・・BT42のお二人も・・・・///」




    ミッコの様に発言の声量をテンションにまかせて何処までも
    引き上げてしまう場合は特に。






    「   ・・・・そうだね。    」~ポロン♪







    「ぁっ・・・・あの・・・・・!!皆さんに気を遣ってもらって、

     やっとこうして二人きりになれました。。。


     ・・・・ま・・・まず・・・

     私からももう一度しっかりお礼を言わせて貰いたくて・・・その・・・」







    「  “お礼”・・・・?それは誰に送る“お礼”なのかな  」





    「そんなの・・・勿論大学選抜戦で力を貸してくれたミカさん達に
     決まってるじゃないですか・・・・・!」




    「“風に流されてやってきたわたし達の風下に・・・

          ―――偶然キミ達がいた。それだけのこ

         「それだけじゃありません」




    「・・・・・・・・・・・・・・・・」

     



                 ~~♪





    いつもの様に自らの言葉へ弦音を乗せてその真意を
    煙に巻こうとするミカの言葉を遮り、
    戦車に搭乗している時に匹敵する気概で追及するみほの力強い目。



    そんな強気な目を一歩引いた涼しげな目で一瞥しながらも
    カンテレを鳴らし、肩を竦めるミカ。












    「ごめん・・・・なさい。あの・・・話を途中で遮ってしまって・・・
     でも・・・それでも言わせて下さい・・・。あなたは・・・・

     “あなた”は私の立場を誰より知っていて・・・・
     同じ所に居たから(▪▪▪▪▪▪▪▪)力を貸してくれた。それも・・・・・・

     普通なら手を貸すのは私ではなくて....」オドオド・・・・






    「・・・・(溜息)....。考えすぎなのさ。―――みんな。。


     戦車道というものは・・・もっとわかりやすくていい。

                           ――だろう?」

     ポロン~♪





    「スミマセン・・・・ミカさんって言う事がすごく難しくて・・・
     私には上手な答えが返せそうも無いです・・・・。でも・・・・」




     ギュッ・・・




    「  ・・・・・・・、、! 」ヒョイッ




    突然行われた抱擁だったが、その動きに手元のカンテレが
    邪魔であると察したミカが意外にも素早くソレを片手で掲げ挙げる。




    「・・・あなたが・・・誰よりも優しい人だって
     事くらいなら・・・こんな私でも簡単に分かりますから・・・・」







  19. 19 : : 2016/08/21(日) 22:05:22







    「・・・・・・・・」






    「・・・人肌が恋しくなるほど・・・

               今日は潮風が冷えていたかな?」






    「・・・・・・・・、、、;」ギュッ・・・






    「それとも・・・・やっぱり“おねえさん”が恋しいのかな」







    「ぉっ・・・お姉ちゃんはお姉ちゃんです!!!!////

     そういう・・そういうミカさんだって・・・・あの日は・・・・
     最後まで居なかったのは・・・・・!!!」ガバッ・・・






    「・・・・違う。 暖かい寝床と美味しいスープが

               わたし達を呼んでいたのさ。」ポロロン♪






    「あの後ミカさん達遭難してたって・・・・会長から聞きましたけど;」 





    苦し紛れの言い逃れと同時、掲げたカンテレをやはり器用に
    弾き鳴らすミカ。



    しかし、彼女のこの物腰が所謂、話を上手く此方のペースに
    持って行かせようとしないスタイルと判じたみほも食い下がる。






    「・・・・そんなに気を立てるのはよくないな。

     せっかくの可愛らしいお顔なのに・・・

     キミのお姉さんもそんな顔を見たら悲しむんじゃないかな」







    「だったらミカさん・・・あなたはあの日なぜ・・・・

       “私”達に力を貸してくれたんですか・・・?
        私はどうしてもそれが聞きたくて・・・・・・聞けないなら
        御礼だけでも言いたいからこうして・・・・・」
     





    「・・・・・・・・・」  





    「途中で誤魔化しても・・・・ダメです・・・・。
     あの日最後まで居なかったのはミカさん・・・・あなたにとって

    「そこからさきは・・・波間に放る石ころとおなじさ。

           どんなに想いをぶつけても、それに意味があるとは思えない」






    「“お姉ちゃん”が私に手を貸してくれたのは・・・まだ分かります。
     でもミカさん・・・・・・あなたは」








    「・・・・・・わたしはね・・・・・・・」





    直後、ミカの口ぶりが平時と違う事に気が付くみほ。





    「・・・・・戦車道に・・・・『お家柄』なんて関係ないと思ってる。


      私がどこからここへ来て(▪▪▪▪▪▪▪▪▪)、そしてキミがどこから今の居場所にたどり着いたか(▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪▪)


     そんなことはね・・・・・・『もっとどうでもいい』んだ」







    「・・・・・・・・」






  20. 20 : : 2016/08/21(日) 22:18:05










    「   キミは・・・・まだ戦車道を―――続けるんだろう?  」








    「・・・・はい。・・・・・勿論です」







    「・・・・・・だったら。それ以上言葉なんていらない。

               大切なものはすべてそこにあるからね」



                ♪♪





    「ミカさんは・・・・やっぱり凄くずるぃです・・・・///;
     何を聞いたって難しい事しか言わないし・・・・同じチームの
     二人にだって・・・あんな調子で隠してばっかりで・・・・」






    「奇遇だね・・・・。。。  私もキミと同じことをおもってた」




    「・・・・・????:」
     バッ




    「・・・・そんなに驚くことは無いんじゃないかな」 




    『私もキミと同じことをおもってた』・・・この言葉を
     冷静に分析できるほど落ち着いていたみほは、直後
     自ら仕掛けた抱擁を解いて素早く後ずさる。




    「私は・・・・とても意外だった。・・・その様子だとキミは」







    「(イヤ・・・そんなはず・・・・・無い・・・絶対に・・・・・!

      それは・・・大洗の皆も・・・お母さんも・・・お姉ちゃんにさえも)」
     ドッ....ドッ....ドッ.....




    彼女の鼓動が・・・静かに跳ね上がる。




    「 ・・・いや・・・・“あの様子”・・・と言い直そうか。。?」






    「(勿論ミカさんにだって“気付かれる”様な事は何も・・・・!!)」





    汗腺という汗腺から噴出す・・・・尋常ではない汗。

    試合中であってもここまで静止したまま全身がざわつくのを
    感じた事があったであろうかという意識を胸に・・・・






    彼女は、自らの“右手”を左手で握り締めた――――


  21. 21 : : 2016/08/22(月) 23:47:48









    「  キミは・・・“自分の身体の事”を“彼女達”にすら

      教えていないんじゃないかな?とても“砲手の彼女”は

     そう言ったところに気が回らない子には・・・見えなかったからね」








    ミカのこの言葉によって、とうとう緊張が限界を

    超えてしまったみほは・・・口にするつもりの無かった一言を、

    茫然自失そのものといった面持ちで呟いてしまう。







    「何で・・・・なんでミカさんが・・・知って・・・るんですか・・・・・・・」






    「・・・・・・・・・・・・」






    暫し言葉を失ったのは、“何か”を言い当てられたみほではなく・・・

    彼女の顔に並ぶ、光が消え去った双眸を目にしたミカの方だった






    「私・・・・誰にも言ってないです・・・・・・!


      お母さんにだって・・・・   お姉ちゃんにだって・・・・!!!

      
     あんこうチームの皆には・・・いいえ、
     大洗の皆にはもっと心配掛けたくないから・・・・誰にも・・・

     『この事』は誰にも言ってません・・・・!」グッ・・・・







    「・・・・・それはとてもまずいんじゃないかな」






    「っ・・・・・?!」






    「・・・・・・キミは・・・・今、“お母さんにも”って言った。



     ・・・・・・・それは・・・・つまり」








    「お医者さんになんて・・・・いけません。。そんな事したら」







    「   ――『戦車道を続けられないかもしれない』・・・・・?   」






    「  っ――――  」






    問いかけてきたその胸に吸い込まれていくみほの身体。




    ・・・・・ただし今度は先程と違い、その抱擁を仕掛けた本人が逆であったが。






    「・・・・キミは私と良く似ているけど・・・

     “私”じゃ無いんだ・・・・。友達に心配を掛けたくないという
         
     その気持ちはとても尊い・・・・・けれどね・・・・、、、」ギュッ・・・





    「・・・・・・」





  22. 22 : : 2016/08/22(月) 23:50:46







    「・・・・もっと・・・お姉さんや友達を・・・・


     “信じて”あげようとは・・・思い直せないだろうか。


      キミの隠し事というのは・・・・自分自身を偽る類のものなんだ。


     …仲間を気遣うのと…"それ"を一緒にしてはいけない。

     

     ・・・・・違うかい?」






    「・・・・・・」






    「・・・~・・・・・」~♪




    語りかけられて尚、閉ざした意思を誇示するかのように
    無言を貫くみほを抱き、自らの言葉が届かない相手に対し、
    さてどうしたものかとやはり器用な保持姿勢で
    カンテレの弦を弾き鳴らすミカ。




    見ようによっては抱き挙げた赤子に弾き語りの子守唄を
    聞かせている様な光景に見えなくもない。





    沈黙は数分続いたが、やはりこのままで話を終わらせる
    べきではないと意を決したみほにより、会話は続けられる。。






    「・・・・私・・・怖いんです・・・・皆の優しさが・・・・
     私をどこまでも信じてくれるその優しさと信頼が。

     ・・・とても。・・・・怖いんです。。」





    「・・・・・・・・・」






    「信じてないなんて・・・そんな事ありません。
     大洗の皆が“こんな私”の言う事を全て信じてくれて・・・

     そして逆に私が皆を信じる事ができなかったら。


     大学選抜戦は勿論、全国だって勝ち抜けませんでした。」





    「秋山さ,,,,あの“装填手の人”なんて・・・・
     私の事・・・“軍神”だなんて言ったりするんですよ・・・・??;


     こんな私が・・・・神様だなんて・・・・;」





    「・・・・人が“神様”という存在に求めるものは

     たくさんあるけれど・・・ なら、彼女達は

     それだけキミに救いを求めている・・・そういうことなんじゃないかな」





    「・・・・・・」





    「人に必要とされるという事は・・・それだけで尊いのさ」





    「・・・・よく・・・わかりません・・・・私にはそういうの・・・」





    「 ・・・・けれどね。キミのお姉さんもいっていたけれど。 


      “信じるのと 崇めるのはちがう”・・・

         ・・・だからきっと、キミの友達が言ったのは
         たとえの一つでしかないんだよ。


     彼女がキミをあがめているようには・・・とても見えなかったからね」





    「だから・・・私は怖いんです。皆がもし“これ”を知って
     しまったら・・・・大洗学園の存続もようやく取り戻せた今・・・・


     私が“戦車道”を無理に続ける“意味”がなくなった今、
     こんな“私”を知られてしまったら・・・・


     それが・・・・私は堪らなく怖いんです。」
     ブルッ...



    胸の内にて震える彼女は・・・車体を掠める砲弾をものともせず
    戦車全周をその目で確認する程の胆力を持つ彼女は。


    その時間違いなくミカの腕の中で、命以上に大事なものを
    失う恐怖にただ怯えていた・・・・





  23. 23 : : 2016/08/22(月) 23:57:38






    「・・・・・キミは・・・・・」







    「私・・・・ミカさんの事言えないくらいずるくて・・・
     その上わがままな人間ですよね・・・


     だって・・・あんなに戻りたくないと思ってた戦車道(このみち)が・・・・


     今ではこんなに・・・何が何でも離れたくない大事な戦車道(みち)
     なっちゃってるんですから・・・・。。。


     “戦車道(このみち)”にはもう二度と戻りたくないからという理由で・・・
     態々それが無い(▪▪▪▪▪)大洗女子学園を転校先に選んだのは
     他でもない・・・この...私なのに.....」スンッ・・・・





    「・・・・泣いて・・・いるのかい・・・・?砲弾も恐れない隊長さんが・・・」


     ~~~♪♪ポロッ...ン 。。。




    「・・・・、、、」グスッ....
     




    「・・・・しかしそれも大事なことだ。 

           みんなの前で流せない分のその涙は・・・

                 今ここで流してしまえばいいさ。」






    「皆が・・・私を信じて戦ってくれた皆が同じ戦車道(みち)を進んでくれていると
     思えば・・・めったに当らない砲弾なんて怖くもありません・・・・・!


     けど・・・その“戦車道(みち)”が二度と手の届かない場所に
     なってしまったらって考えたら・・・私・・・・、、、私・・・っ」グシュッ・・・



















    「 キミに・・・・いくつか聞きたいことがある 」





    「何・・・・ですか・・・・?」グスッ・・・





    「 私は・・・・何となく気が付いた、それだけだから程度が分からない。

     キミの“それ”はそんなにひどい(▪▪▪)ものなのかな。

     ・・・・日常生活はもちろん・・・戦車の操縦に不便する程とはとても思えない」




    「戦車の操縦位なら・・・・何とかできないことは無いです・・・・でも・・・

     それでも日に日に“違和感”は増す一方で・・・・

     最近はもう筆記も難しくなってきて...ぁと....、、、ゥぐッ.。。。」
     ヒック・・・




    ミカの質問に何とか答えようと、言葉を喋る為に
    嗚咽を押し込むみほだが、そんな必死の辛抱も長くは続かず、
    息を吐き出すその都度に彼女の涙腺はたちまち緩んでしまう。






    「・・・・そう。・・・・・キミがどれだけ不安なのかは

     もう充分わかった。・・・それなら・・・質問を変えよう」




    “それ”に対する質問がこの場においては全く意味を
    成さないと理解したミカは、未だに自らの胸の中で泣きじゃくる
    その背を擦り、・・・・言葉通りに問いの切り口を変えて、こう問いかけた。







  24. 24 : : 2016/08/23(火) 00:00:13









    「キミは・・・・今離れたくないと言ったその
      
      “キミの戦車道”を続ける事に“意味”があると思えるのかな」








    「    」






    瞬間、、決して冷静だったとは言えないみほの耳にとっても
    あまりに真意を疑いたくなるその言葉は、彼女の思考を数秒間
    停止させるのに充分なインパクトがあった。






    「・・・・失礼。“意味があるかどうか”・・・というよりも、


      “意味というものが必要だと思っているのかな”・・・の方が正しいね」







    「それ・・・・は・・・・・・・・」







    「・・・・キミはさっき“戦車道を続ける意味”と言ったけれど」





    「・・・・・・・・・・・」






    「キミにとっての“戦車道”とは・・・


       『学園を取り戻す』・・・・そのための

                 “戦車道”だったのかな?」


              ♪ポロロンッ・・・・





    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」






    「(そうか・・・・私は・・・・・今まで一つだけ・・・・大きな勘違いを・・・・)」





    ―――――彼女は、謎掛けに等しいミカの一言で思い出した。



    自ら棄てたその“戦車道(みち)”を。なぜ自分がもう一度歩もうと決意できたのか・・・・





              その“意味”を。






    「(私が“学園”の為に・・・つまり皆の居場所を取り戻す、その為に
     戦う道として戦車道を進んだのは・・・

     あくまで“あの日”会長さんから大洗戦車道チーム復活の
     真相を聞いてからの事だ・・・・・、、!)」





    そして自らをその“戦車道(みち)”に引き戻してくれた――――




           その親友(とも)の顔を。




    「(そうだ・・・、、、、、  そうだった・・・・・・!!

      私が此処にいる理由なんて・・・・そんなの・・・考えるまでも無い)」





    気付けば頬を伝っていた涙は露と消え、行き場さえ見失っていた
    両目にも次第に光が戻り始める。






  25. 25 : : 2016/08/23(火) 00:02:10







    「・・・・その様子だと・・・・
             今やっと思い出せたのかな。
                       キミの“戦車道”を」








    「ミカさん・・・・あの・・・・私・・・・・・、、、」










    「・・・・素直に言おうか。私はね・・・とても“嬉しかった”んだよ。

     勿論、キミが“戦車道”を再び歩み始めたと聞いたその時だ」







    「・・・・・え。。。えっと・・・・、、、、??」








    「・・・・そして当然“驚いた”。何故って・・・・

      “大洗”の戦車道は永らく日の目をみていなかったんだから

         それは勿論わたしでなくたって、誰が聞いたって驚くさ」





    「・・・・・・・・・」






    「そんなキミが率いる、有りもしなかった“大洗の戦車道”が・・・・

           全国を制して、みんなの学園を守り抜いた。」






    「・・・・・・・・・・・・」







    「・・・・私がキミの力になりたいと思ったことや・・・・


     キミの“戦車道”をこの先もっと見てみたいと思う理由について


     ・・・これ以上の説明は・・・・はたして必要があるのかな」






    「(ミカさんが・・・まさか・・・そんな所まで・・・・そんなに)」




    『自分を見てくれていた』等と、想像すらしていなかった。





    「キミ“自身”の不具合はキミにしか分からないのかもしれない。


       けれどキミの“この手”が大洗の戦車道を・・・何より

     キミ自身の“戦車道”を取り戻した。それを疑う人はどこにも居ないさ」





    「ミカさんは・・・・一々・・・いう事大袈裟すぎます....

     そんな事言われたら・・・恥ずかしすぎてまた・・・涙が・・・・」






    「大袈裟なんかじゃ無いさ。ついでに言わせて貰うなら・・・

     キミが“この手で掴んだもの”は・・・・何も『全国優勝』だとか
     
    『大洗存続』なんてものだけじゃない。」






    「だから・・・・ミカさん・・・・;それは私がどうとかじゃありません。


     何度だって言います。大洗が勝てたのは...

    大洗戦車道チームの皆さんは勿論ですが..
     他でもないあなた達皆の力が一つになってようやく....





  26. 26 : : 2016/08/23(火) 00:04:29









    「・・・・・・そう。“あなた達”つまりその他でもない『私達』の事さ」





               ♪~~♪♪~








    言葉を続けながら、抱擁から身を引いてカンテレを抱き直した
    ミカは、みほとは反対方向、つまり部屋の戸口へと歩を進めながら
    自由になった両手でカンテレの音色を紡ぎ出す






    「――――――――――」








    「――今日西の空からキミ達を乗せてきてくれた“星屑”の彼女達も・・・


      ・・・お茶会が大好きな彼女達も――北風の彼女達も。。。。。


          血気盛んな彼女達も・・・・・陽気な彼女達も。


      ・・それから当然 『私達』も。皆皆、キミの“戦車道”に


           心を奪われてあの日あそこに集った。」


                ~♪




    「 何で・・・・・ミカさん・・・・  そんな・・・・ 私は 」





    言いたい事は幾らでもあった筈。道理は分かっても・・・


    突き詰めてしまえばそれが事実だと理解は出来ても・・・


    流石にその言葉は自らに向けられる賛辞としては誇大に過ぎると。





    「―――だから、今更誰であろうと

            キミの“戦車道”を否定するなんて、

                      そんな事はありえない」




    「――――――-・・・・・」





    それでも、彼女は言葉を口に出来なかった。

    目の前の、どこまでも底の見えない優しさに、
    一切の偽りがないと分かってしまったから。







    「とりあえず・・・・隠したままでは何も解決しない。

              ここは一つ彼女達を信じてみたらどうかな」





    その戸の向こう側に待つ、彼女の“戦車道”を共に歩む者達を指し、
    みほの背を押す言葉と同時に戸口を引こうとするミカに向かい、





    「ぁっ・・・・あの!!!ミカさん・・・・その・・・えっと、
     お礼の言葉とは別に・・・・・あなたに・・・どうしても
     受け取ってもらいたいものが・・・・・!!!!!」ゴソゴソ・・・・
     



    咄嗟に思い出したように呼び止めるみほ。




  27. 27 : : 2016/08/23(火) 00:06:34






    「・・・・・・・・?」





    制服のポケットをまさぐり、“何か”を取り出すと、
    カンテレの保持の邪魔にならない様、静かに両手で“何か”を手渡した。






    「・・・・・・・これは・・・・・・・・?」





    ミカの手に渡されたのは・・・




    先の大学選抜戦で最後までその場に残っていなかった彼女には
    手渡してきたみほの真意すら図りかねる“物”であった。





    それ(▪▪)は端的に言ってしまって、
    デフォルメが全面に押し出された小さな可愛らしい
    クマのぬいぐるみだった。


    ・・・ただ、このぬいぐるみを“可愛らしい”と受け取るかどうかは
    個々人の趣味と感受性がおおきく左右させるだろう。


    つまりはそういった・・・少々奇抜なデザインのぬいぐるみであった。




    「・・・・・・・・・・・・・・・・」





    ―――そんな奇抜な“デザインのぬいぐるみ”をこよなく愛する
     人間を、目の前に居る少女以外に一人知っていたミカは


    そのぬいぐるみが自身に渡される理由となるであろう
    経緯をおおよそ推察すると――――




    「これは・・・・どうか私ではなくてミカさんに持っていて欲し..
    「これは・・・・キミが貰ったものなんだろう?
          ・・・だったらそれを私が貰う事に意味があるとは思えない」




    いつもの彼女の、いつもの調子で。

    その申し出を事も無げに断ってしまう。






    「・・・そっ・・・そんなァ・・・・・・私・・・・ミカさんには何か・・・・

     何か一つでもいいからお礼がしたくて・・・・・!;」ワナワナ・・・・




    「・・・・・・・」





    その目に涙を浮かべる目の前の彼女から・・・
    既に先程のような悲壮感が感じられない事を確認したミカは、
    これで二人の内緒話も幕引きとばかりにその戸を開け放つ。




                ガチャッ・・・・





    「悪いね。私も大事な友達をこれ以上待たせる訳にいかないから」

                ~~♪ポロン...




    開かれた来賓室の戸の隙間。廊下で首を長くして待っていた

    “彼女の大事な友達”が、その顔を覗かせた瞬間に、

    最後の喰らいつきとばかりにみほは“彼女”を呼び止めて、


            ―――問いを投げる。



    先程何度も聞かされていながら、
    具体的な答えを聞かされていない、“その問い”を。






    「っ、、アノっ・・、最後にこれだけは教えてください...!!!

    ・・・・・・・・・・・ミカさん・・・・・!!ミカさんは何で・・・」






    自らとどこまでも似た境遇を持ちながら、自らとは
    真逆の立場に居る彼女に向けた、“その問い”を。







        「どうしてまだ戦車道を続けているんですか?」





             「  ――――――   」






       一瞬置かれた間は、開け放った戸の先に居た二人と
      彼女の視線が合わさる瞬間に要した時間であり・・・・・
      その問いに対する答えは、一瞬の間も置かずに返された。












            「それは勿論――――,,,」







     「「「戦車道には人生の大切な全ての事が詰まっているからだよ」」」






















                 -end-










  28. 28 : : 2016/08/23(火) 00:12:10






             ―あとがきてきななにか―









    ・・・・・というわけで、劇場版ガルパンから、
    とりわけミカさんからのSS的な何かでした。

    イヤ~~・・ミカさんいいですよ。ミカさん。

    ええ、秋山殿もみぽりんも、大好きですが
    レオポンの皆も...と挙げればキリがないですが(´・ω・`)




    まあ、勢いづいて書き始めたのはいいですが、あまり長引かせても
    良くありませんので、ここらでさパッと不自然に幕引きです。

    駄文の中で散々
    書き散らした訳ですが・・・・何分あのような駄文では
    その文章の意味するところも何も通常の神経をお持ちの
    閲覧者さんには理解しかねると思われますので、
    ここで一応、簡易注意点で触れた“二つの裏設定”についての補足をば。


    ・・・・とは言いましても、
    そんな大それたものでもなんでもなく、内容と致しましては

    一時期流行った某汎用人型決戦兵器漫画の謎本のソレと同じように
    ・・・・単なる作品にむけられた先入観の産物でしかないのですが・・・・・








              ※裏設定その1※


              ~島田“ミカ”説~


    ・・・・と、まずはコレです。・・・ええ、劇場版を御覧になった方なら
    恐らく・・・8割強の方が想像すると思いますので既に裏でも
    何でもないのですが・・・・外見的な特徴が、あまりにも彼の島田流
    母子のそれと酷似しているミカさんについて。


    物語序盤からその圧倒的存在感とダー様に引けを取らない
    “只者じゃ無い”感・・・それに加えて比類なき破壊力を秘めた
    能登さんヴォイスを携え、最後には例の名言で
    『人生の大事な事』どころか劇場版のほぼすべてを掻っ攫っていった
    ミカさんですが・・・・・


    試合が終わるまでその場に留まらなかったのはまあ・・・・
    彼女の性格を考えれば寧ろそうしないほうがおかしいかなと
    考えもしましたが、私はこんな風に妄想して一人で勝手に
    悶えられる変態でありました(*´ω`*)。。




  29. 29 : : 2016/08/23(火) 00:14:01







               ※裏設定その2


             ~みぽりん右腕負傷説~


    …さて、私的には此方の方がずっと前から(具体的にはTV版2話位から)
    気になっていた事です。のっけから字にした通り、
    説明するまでもなくそのまんまなのですが・・・それでは本項の意味が
    ないので、拙さ極まる難解な駄文で、コレについても
    解説して行こうと思います。まず――――



         ・最初に違和感を感じたのはTV版第2話


    ・・・まず最初に、これは一々言うまでも無い事ですが・・・・

    ガールズ&パンツァーとは、一個の“アニメーション”です

         (何言ってんだ・・・・こいつ・・・・・!!!(゜-゜))

    ・・・・ええ、まさに何言ってんだコイツ状態ですが・・・・

    私が言いたいのは、そんなアニメーションという世界のなかで、
    見ている側が“あれ?今のは一体・・・”と思うようなシーンが
    目に留まったならそれはまず間違いなく作り手の何らかの
    “メッセージ”が我々へと届いた瞬間に他ならない、という事。


    何か頭悪い人が頭良さそうに振る舞って
    難しい事言っちゃってますが・・・・ともかく、問題の第2話です。


    ここでみぽりんがあんこうチームを自室に招きいれるシーンを
    見た人は、例外なくこう思ったことでしょう。


       “何で今みぽりん拾った雑誌落としたんだ・・・・?”と。


    ・・・しかし、これに対する解釈は見る人の数だけあります。
    単なるドジッ子アピールでもいいですし、初めて友達を
    自室に招き入れる緊張から来る力み・・・とかそういうのも
    アリといえば充分アリです。・・・・ですから、このシーンを見た
    だけでは・・・私も、流石にそれ以上の妄想力に頭を駆動させる
    気力が湧きませんでした。



    ・・・・・が、問題はその後・・というか先からでした




  30. 30 : : 2016/08/23(火) 00:15:55





    ・そういえば・・・部屋出る時もなんかそそっかしかったなこの子





    雑誌のシーンを目にして、みぽりんの属性に
    天然・レ○プ目(ハイライト無しの目を描く描写が俗にそう言われます。)
    ・ドジッ子と順調に属性タグが追加されていく最中
    思い出される先の違和感。


    しかし、これくらいは誰にでもある経験ですよね。
    締めた筈の鍵ですが・・・“あれ・・・ちゃんと締めた?”

    っていう例のアレです。ええ、全く不自然でも何でもない事だと思います。


    ・・・ここがアニメーションの中でなければ。


    そんなどうでもいいことを考えながら録画されていたその一話目を
    見返して思ったことが一つ。



        “あれ・・・みぽりん・・利き手は左手なの・・・・?”



    世代柄の先入観ですが・・・・どうにも私の身の回りでは、
    左利き=有能 という安易な図式が出来上がっていたため、

    この設定に関しても別段思うところはありませんでした。
    ・・・・ええ、みぽりんが本当に左利きであったなら。



    ・・・というのも、部屋の鍵を閉める時に左手で回していた
    みぽりんですが、学食シーンで確認する限りその持ち手から
    察する事が出来る“利き手はどうみても右”。
    (両利き?何のことやら・・・・(´▽`;))


    ここからでした・・・・いらん先入観が爆発的につっぱしっていったのは。




    まあ、色々言っても私がおかしいと気づけたのは
    精々以上の2点くらいで・・・そこから先はネットでググッて見た結果、

    なんと横文字で名付けられたカナリ面倒くさそうな症状の名前まで
    調べ上げた猛者の方々がヒット。そこから更に全話に渡って
    その方々が調べられた結果、


    ・3人揃ってアイスを食べる中他2人がカップで
     スプーンを使用するところ、何故かお揃いにせず一人だけコーン。
     (スプーンを抓むような動作が上手くできない?)



    ・操縦が苦手発言。これは決めつけが過ぎるかもしれませんが
     お家柄それは幾ら何でも無さそうですし。
     


    ・その他不審な握り手の描写。。 




     等々の怪しい点がちらほらと。



    ...これらを元に、私の中に、彼らの推測と出所を同じくする


             “みぽりん古傷説”


    が幾多の妄想とともにしっかり構築されたのでした・・・(チャンチャン。)
    ・・・・・ということです。・・


    とまあ、これがもし、裏設定でも何でもなく、製作者サイドの
    意図的なものであったとしても・・・その設定がうやむやのうちに
    闇へと葬り去られる理由としては思い当たるものが
    幾らでもあります。


    ・・・このアニメに、“そういう”重い要素は邪魔だと言う見方も然り、
    “こまけえことはいいんだよ!”という安易かつ明快な考え方然り。






    まあ、色々勿体ぶって見せてもその程度の事でした。



    しかし面白いですね。ガールズ&パンツァー。

    今迄進撃SSしか書いた事が無かった気がしますが
    (一部除き)たまに他作品を想い描くのもそれはそれで
    とてもいい気分転換になると学習できただけで私にとって
    とてもいい経験になりました。





    ・・・そしてなによりこんな私のどうでもいい
    お役立ち経験の産(廃)物たる駄文を此処まで見てくれた貴方様。。


    そう、貴方(女)であります。本当に、、


    貴重な時間を割いて頂きどうも有難うございました(;´・ω・)



  31. 31 : : 2016/08/23(火) 02:22:29
    お疲れ様ですー
  32. 32 : : 2016/08/23(火) 17:31:55
    >>ジェイル さん

    この様な短期やりきりの駄文をお読み下さっただけでなく
    まさかのお気に入りなどと、、Σ(゚д゚lll)

    誠に有難う御座います(-。-;
    そもそもタグはあったのですが、
    進撃に比べて猛烈にガルパンssというものが
    少なかったためnoteにとって知名度的にも
    誰得状態にならないかどうか、不安でしたが、
    例えお一方でも知っている方がいらっしゃったのは救いでした(。-_-。)
  33. 33 : : 2016/08/24(水) 01:01:20
    、、しかしアレですね。

    コレだけ作品数が少ないのだから今々考えて見ると
    こんな一見してなんだかよくわかりづらいタイトルでは
    よくない気がしてきました。
    、、もっと一目で“ガールズ&パンツァー”だと
    わかるタイトルにせめて変えときます。
  34. 34 : : 2016/08/25(木) 12:24:28
    タイトルにものの見事につられました()
    面白かったっす、乙です
  35. 35 : : 2016/08/25(木) 19:38:23
    >>島風♂提督 さん

    ご感想感激です(≧∇≦)!
    いやはや、ど直球にして本当に良かったです。
    タイミング悪いことに場違いなまでに
    見晴らしのいい場所に掲載頂いた
    その直後に変えてしまったのですが、、
    恐らく自動更新ではなく手動で対応して
    頂けたのか、そちらの方まで改訂して頂き、
    それにつきましては管理者さんにも感謝の念が絶えませんΣ(゚д゚lll)


    ところでタイトルはルビ機能非対応ですので読みをふらなかったのですが

    こう書いて「せんしゃどう」と読むのと
    「せんしゃみち」どっちが格好つくでしょうかね。(。-_-。)

    訓読みの方が纏まってる感がありますが、

    私は中々後者も結構気に入ってます。
  36. 36 : : 2016/08/26(金) 11:16:16
    執筆お疲れ様でした。
    そして、ピックアップトップおめでとうございます!
    ムーさんの初の進撃以外の作品とは新鮮ですね。相変わらず脳内に映像が流れてくるような読ませる文章を楽しませて頂きました。
    ちなみにガルパンで個人的に好きなキャラは秋山殿です。一緒に探検してドキュメンタリー映像を作りたいです笑
  37. 38 : : 2016/08/27(土) 04:17:30
    >>ジャイアンツォーネ さん


    コメントありがとうございます!!!そしてなんとお気に入りまで;

    私は自分が楽しめるままに書かせて頂いているのみですが、
    それでなんとか少しでも読み手の方に違和感や不快感を
    与えずに済むなら一安心です(´▽`;)


    おぉ・・・何を隠そう私もガルパンは秋山殿から入ったと言っても
    過言でない位彼女には思い入れもありますので
    その気持ちには賛同できます|д゚)


    ..ただやはり彼女お得意の映像編集技術にしても
    一般的な女子高生のそれから一歩抜きん出て
    もはや変人の領域に踏み込もうとしていますがw
    (あの世界の方々は何かしらの変人要素をお持ちです)
  38. 39 : : 2016/08/27(土) 14:33:32
    お疲れ様だお
  39. 40 : : 2016/08/27(土) 22:57:07
    >>ルイ さん
    コメントだけでなくお気にまで!!
    有難うございます‼︎

    と言いますか、お久しぶりです
    ルイさん!
    一時アカウントが消失された様子でしたので
    私勝手に身を案じておりましたが、、
    無事だったようで何よりであります!
    (。-_-。)
  40. 41 : : 2016/08/28(日) 14:29:05
    ガールズ&パンツァーの作品だー
  41. 42 : : 2016/08/28(日) 16:43:05
    お疲れさまでした
  42. 43 : : 2016/08/29(月) 01:54:28
    >>蘭シノン さん

    コメント、更にお気に入りまで頂き誠に有難うございます(´・ω・`;)

    私も、「おお、ガールズ&パンツァーのタグがある!」と
    最近気がついたのですが、同カテゴリ作品がなんと一桁台と言う
    事実に少々脱帽致しました(;゚Д゚)

    戦車とか全然詳しくないけど・・キャラクターたちは
    これでもかって位濃くて魅力的でしたのでこれは書くしかない。。と


    >>直方正典 さん
    御久しぶりでございます!! そしてわざわざ
    お読みいただけただけでなくコメントにお気に入りまで・・・!

    皆さまの相次ぐ有難きお言葉を受ける度に、
    こうして書いてみて良かったと常々思います。


    ですがわたくしの場合このように短期突っ走りで一話書き上げて
    しまう時などに於いては、殆ど時間を忘れながら書いている為、
    厳密には体力の消耗が少しあったにせよ、実を言うと
    殆ど疲れなどを忘れて駄文構築に夢中になってたりしています。

    よって、実は私はあんまりお疲れさまでは無かったりします(´▽`*)

    寧ろそのお言葉とお気にり、さらに何よりPVカウンターの
    上昇で私の疲れは簡単に吹き飛びますw
  43. 44 : : 2016/09/02(金) 23:01:54
    すごく面白かった。またガルパンssを書いて欲しい。乙!

  44. 45 : : 2016/09/03(土) 23:18:49
    >>カチューシャ推し さん
    こんなものをお読み下さって誠に有難う御座います!(-。-;
    ガルパンもそこそこキャラは多い作品ですので
    色々書いてみると面白そうですよね。

  45. 46 : : 2016/12/17(土) 17:47:50
    考察がそれっぽくてビックリしました!
    作品もとてつもなく面白いです!乙!
  46. 47 : : 2016/12/17(土) 21:26:07
    >>チルノ・イエーガー さん

    非常に有難いご感想、ありがとうございます!
    ガールズ&パンツァーにしても何にしても設定のあと付けは
    いくらでもききますので、依然
    最終章への期待が膨らむばかりである
    当作品もこの後からどういった進み方をしてくるか、全く先は読めませんが、

    そういうところも含めてこれからも楽しみですね(。-_-。)
  47. 48 : : 2016/12/18(日) 04:44:24
    これの続編みたいなのが見たいけど……ま、いっか

    面白かったです!乙です!
  48. 49 : : 2016/12/21(水) 03:10:25
    >>終末の処刑人《ラスト・トリガー》さん
    ご感想ありがとうございます!(*_*)
    そういったお言葉をいただけるだけで
    本当に書いてよかったと思います(~_~;)

    ただ、続く話を書こうとすると、
    自然とよりシリアスな話か、情報量が不足している
    愛里寿ちゃん話になってしまいそうなので、
    今はまだ簡単に手が出せそうもありません(;^_^A

    しかし、要望だけでも聞けて嬉しいです!ありがとうございます‼︎

▲一番上へ

このスレッドは書き込みが制限されています。
スレッド作成者が書き込みを許可していないため、書き込むことができません。

著者情報
ne5716

夢馬

@ne5716

「ガールズ&パンツァー」カテゴリの最新記事
「ガールズ&パンツァー」SSの交流広場
ガールズ&パンツァー 交流広場