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電の本気を見るのです?

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  1. 1 : : 2016/02/20(土) 22:36:31


    提督と初期艦であり最高のお嫁さん(仮)の電ちゃんがほのぼのと一日を過ごすお話。
    短いです。

    あ、リアルでは時雨が一番ですよ?
  2. 2 : : 2016/02/21(日) 11:43:56


    「司令官さん、朝なのです。起きるのです」


    鎮守府の朝は早い。
    ましてや、鎮守府を統率し、指揮を執る最もお偉いさんの提督ともなれば、それはもちろん、誰よりも朝早く起きなければ示しがつかない。


    その提督を一番近くで支え、艦隊の旗艦を務める秘書艦とて例外ではない。


    暁型姉妹の末っ子電は、徐々に騒がしさを増していくこの鎮守府において、記念すべき初期艦であると同時に、提督と夫婦の契りを交わした艦娘でもある。
    とは言っても、ケッコンカッコカリなのだが。


    「うーん……あと五分……」


    「典型的なセリフ、ありがとうなのです」


    カーテンと窓を勢いよく開け、眩しい朝日と爽やかな朝の爽気を部屋いっぱいに取り込む。


    「現在時刻0500。司令官さん、おはようなのです」


    「ふぁぁーあ。ねむ……。おはよう電……うん? 電、ちょっと身長伸びた? 毎日夜な夜な皆に秘密で牛乳飲んでるだけはあるね?」


    「はわわわわ!? し、知ってたのですか!?」


  3. 3 : : 2016/02/21(日) 13:16:18


    顔を真っ赤にしてあわあわしている電を見て、本当に分かりやすい娘だなぁと、心底思う。
    うちに秘めている感情が丸裸なのだ。


    「す、すいません……どうしても、自分の背丈や体系にコンプレックスを抱いてて……お行儀が悪いことは、わかっているのですが……」


    申し訳無さそうに俯く電。
    いや、別に怒ってるわけじゃないからね?
    何もしていないのに、こっちが申し訳ない気持ちになって謝ってしまいそうだ。


    そもそも、電がコンプレックスを抱いてしまったのは、某駆逐艦のH風さんやU風さん(プライバシー保護のため仮称)たちを筆頭に、駆逐艦とは思えないほどのスタイルを持った(いや、別に駆逐艦の体系が子供っぽいとか言ってるわけじゃないけどね?)艦娘が相次いで着任したため、秘書艦として提督と共に彼女たちを迎える電は、その度に世界に絶望したような顔をして自身の胸部装甲を抑えている。


    悲しきかな、神様はどうやら不公平だったようだ。


    というか、牛乳で胸は大きくなるものなのか?
    多分違うよ、それ。
    しかし、夢を追いかけ、地道な努力を重ねる電の前で、残酷な現実を突きつけるわけにはいかない。
    夢くらいは見させてあげよう。

  4. 4 : : 2016/02/21(日) 13:28:29


    「いやぁ、別に悪いことじゃないから、謝らなくていいよ。電は成長期なんだし、これからもっと伸びるよ(多分)」


    きっと身長は伸びるはずだ。
    身長は。


    「今度暁たちを誘って一緒に飲んだらどう? その時は僕も誘ってほしいなぁ」


    いまだに俯いている電。
    何か話題はないかと探っていると、前髪に隠れていた電の瞳が鈍く光ったような気がした。


    「……暁ちゃんや雷ちゃんたちに圧倒的な差をつけるには、もっともっと飲まなきゃいけないのです。一緒に飲んだら電の飲む牛乳が少なくなるのです。すでに夢のボディラインを手に入れた浜風さんや浦風さんに追いつくには、邪魔を排除して効率よく牛乳を補給するしかないのです」


    「…………」


    ブツブツ言っててあまり聞き取れなかったが、「圧倒的な差をつける」と「邪魔を排除」だけはバッチリ聞こえた。


    純粋で真っ白だった電がどんどん黒くなっている気がする。
    この調子でいけば、深海棲艦化しかねないほどの黒さだ。


  5. 5 : : 2016/02/21(日) 13:49:03


    ちらりと電を見ると、「戦艦潰す」だの「空母沈めるのです」だの「電の本気を見るのです」だの物騒なことを言っている。


    あー、これはまずいなーと考えた提督は、電に指示を飛ばす。


    「電、総員起こしッ。起きないヤツには雷撃喰らわしてやれ」


    「問題、無いですか?」


    「ああ、無い」


    「了解なのです」


    びしっと敬礼して、宿舎へと向けて歩き出す。
    数歩歩いたところで、怪奇現象が起こる。


    さて着替えようかとタンスから服を引っ張り出している途中、「はわわわわぁ!?」と電の悲鳴が聞こえたので、振り返ると、空中に投げ出されている電の姿があった。


    またいつものかと思い見ていると、体操選手よろしく空中で一回転。
    美しい円を描きながら、足から着地。
    両手を花のように開き、決めポーズ。


    「つ、躓いちゃったのです」


    いや、障害物なんて床に転がっていないよね?
    というか、どういう躓き方をすれば空中で一回転できるのやら。
    これは提督が鎮守府に着任してからというもの、毎朝毎朝目にしている光景だ。
    もう慣れた。


  6. 6 : : 2016/02/21(日) 14:13:52


    廊下に出た電が「これで戦艦の方や空母の方たちをヤれる口実が出来たのです」と呟き、提督の静止を振り切って宿舎へと走っていってしまった。


    途中、床に転んだり壁にぶつかったりする音が聞こえてきたので、司令室に帰って開口一番に言うセリフは「痛いのです」だろうと予想がつく。


    「(仲間である戦艦や空母をヤって心が)痛いのです」だけは勘弁してほしいなぁと苦笑いを浮かべ、電がいないうちに着替えておこうと再びタンスに視線を戻す。


    「……さて、今日も一日頑張ろうかな」




    ###





    「心が痛いのです」


    「!?」


    総員起こしから帰ってきた電は、開口一番にそう言った。
    予想していた、最悪の事態が───!?


    思わず口に含んでいたコーヒーを床にぶちまけてしまった。


    「はわぁ!? 司令官さん、どうしたのですか!?」


    いそいそと雑巾を持ってきて、床を拭く電。


    「あ、あぁ、ごめん……」


    電のおでこは真っ赤になっていて、多分(というか絶対)壁にぶつけたんだろうなぁと微笑ましく思えて、しかし最悪の事態が発生した可能性があるため、気を引き締める。


    自身が最も信頼し、愛している健気な少女(幼女……? いや、ギリギリ少女だッ!)がまさか仲間をヤるなんて思えないのだが、日に日に憎悪は強くなっている。
    かなり危険な状況だったのは間違いない。


    「あの、電……心が痛いのは、どうしてだい?」


    思い切って聞いてみる。


  7. 7 : : 2016/02/21(日) 14:27:26


    「つくづく思うのです。電はおっちょこちょいだと……」


    「……え? あ、ああ、うん」


    悔しそうに体を震わせ、拳をぎゅっと握りしめる。


    「さっきだって、壁に頭をぶつけたり、転んだり、間違えて金剛さんたちの部屋のドアを突き破ったり、赤城さんたちの部屋の壁に穴を開けたり…………電は、電は……っ、おっちょこちょいなのですッ」


    「……なるほど…………いや、ちょっと待て」


    金剛や赤城たちに対しては十中八九悪意があったんだろうなぁ。
    後で謝っておこうかと考えたが、金剛たちの部屋に入ったらエンドレスティータイムに突入するし、赤城たちの部屋に謝りに入ったらお詫びに何を要求されるかわかったもんじゃない。
    いや、どうせ食べものだろうけど、問題は量だ。成人男性の数倍は食うからな、ヤツら正規空母は。


    「そんな自分が情けなくて……心が痛いのです」


    うーん、僕はこの後のことを思うと頭と心と財布が痛いんだよなぁ。
    彼女たちは呼ばなくても来るから。
    やたら来るから。とにかく来るから。
    オマケ付きで乗り込んでくるから。
  8. 8 : : 2016/02/21(日) 14:58:04


    「暁ちゃんがいつも言ってるのです。『一人前のレディーは立ち振る舞いも超一人前なの!』と。普段はまた言ってるなぁとしか思っていなかったのですが、今日確信したのです」


    今度は一転。
    何かを固く胸に刻み、決意した表情。
    相変わらずコロコロ表情が変わるので、見ていて本当に飽きない。


    「暁ちゃんたちに圧倒的な差をつけるには、駆逐艦の誰よりも早く一人前のレディーになればいい。そう、決めたのです」


    うん、なんだろう。この、姉妹揃ってのポンコツぶりは。
    暁はレディーレディーうるさい。響はハラショーハラショーうるさい。雷は世話焼きで……まあうるさい。唯一の救いだった電もレディーレディー言い出してしまったら、いったい誰が心を癒やしてくれるのか。


    あ、そうか。わんこ可愛い時津風や忠犬夕立に癒やしてもらおう。


    ……話は変わるが、暁が皆にレディーと呼ばれることは無いだろう。


    「ですので、まずは一人前のレディーに弟子入りしようと思うのです」


    「うん、誰に弟子入りするんだい?」


    「足柄さんなのです」


    「ダメだッ! アイツはやめた方がいい!」


    こんなに可愛い電ちゃんが飢えた狼になったらどうするんだッ!
  9. 9 : : 2016/02/21(日) 17:32:47


    ###





    弟子入りするなら鳳翔さんにしろと説得し、電が早起きして作ったという愛妻朝食を堪能し、一服してから仕事に取り掛かる。


    今日はとくに出撃や演習、遠征の予定はなく、電以外の艦娘は哨戒するか鎮守府内でのんびりまったり過ごすくらいしかやることがない。


    「なんか悪いね、こんな日に仕事手伝わせちゃって」


    「これは電が好きでやってることなのです。司令官さんが気に病むことじゃないのですよ?」


    こうは言ってくれるのだが、たまには一日中休みをあげ、姉妹と羽を伸ばせる時間をつくってあげたい。
    鎮守府に着任してから今日に至るまで、ずっと電にお世話になってきた。
    日々自分の隣でせっせと働く彼女を見て、そう思わずにはいられない。


    「それに…………」


    急にもじもじと足を擦らす電。
    頬には朱が差している。
    口をパクパクさせ、何かを言い出そうとして、止めて、言った。


    「電は司令官さんのお嫁さんなのです。大好きな人と同じ時を共有したいと思うのは、ごく自然なことなのです……よ?」


    「…………」


    かっわいいなぁもうッ!
    もう、ロリコンでいいからギュッと抱きしめたい衝動に駆られるが、ぐっとこらえて自制する。
  10. 10 : : 2016/02/21(日) 17:55:37


    「っぐ……うぐ…………」


    欲望と理性が拮抗し、端から見たら年端もいかない少女を襲う寸前の光景だ。
    しかし、電も満更でもなさそうな表情をしてスタンバイオッケー。
    提督の手が電に伸びて────。


    「し、司令官……さん?」


    「っづぁ! いけない! 僕はまだ牢獄にぶち込まれるわけにはいかないんだッ!」


    ───電に触れる寸前で止まった。


    「……ヘタレなのです、司令官さん……」


    残念そうな顔をして、シュンとする電。
    提督の精神も安定してきたので、とりあえず書類整理を開始。


    「それにしても、おかしいなぁ」


    「どうしたのですか?」


    「いやぁ、ねえ。ここ最近、鎮守府の皆が僕に向ける視線がとてつもなくキツいんだ。突き刺さるように」


    (それは……元からロリコン容疑が掛かっていたのに、電とケッコンして拍車が掛かったからだと思うのですが……)


    なんでかなぁ、何かしたかなぁとぼやく提督を横目に、電は何も言わなかった。
  11. 11 : : 2016/02/21(日) 20:12:03


    ###





    昼食は久しぶりに食堂で間宮さんの手料理を食べた。さすがの味にちょっと感動。
    電が殺気を纏った視線をぶつけてきたので、それとなく朝食を褒めると、「えへへ」と照れ笑いを浮かべ、なんとか殺されずに済んだ。


    最近は司令室に籠もりっぱなしで仕事をしていたため、電以外の艦娘とのコミュニケーションを取れていなかった。
    しばらく皆の顔を見ていなかったのだが、元気そうで何より。


    提督の姿を見るや、金剛が「テートクぅぅぅッ!!」と叫んでバーニングラブ(物理)をぶつけてきて吹っ飛びそうになった。


    比叡に「今度司令のために料理を作りますね」と言われたが、死ぬには思い残したことが多すぎたので、丁寧にお断りした。


    そんなこんなで、午後の仕事をスタート。


    大本営から送られてきた調査書に目を通したり、サインをするだけなのだが、量が多い。


    「相変わらず無駄が多いなぁ」


    「仕方がないのです。頑張りましょう?」


    エンジェルスマイルを浮かべる電を見て、午後も頑張ろうかと決意した。
  12. 12 : : 2016/02/21(日) 20:34:39


    「司令官さん、お茶を持ってきたのです」


    書類の記述や確認に追われていた提督は、電の声で我に帰る。
    時計を確認すると、1600を少し回っていた。
    時間を忘れるほど書類と向き合っていたんだなぁと、その根性を自画自賛し、お盆に乗せられた湯呑みを受け取る。


    冷たい麦茶が喉を潤し、胃へと流れる。
    ふぃ~、と気の抜けた息を吐き出すと、電がクスクスと手を口に当てて笑う。


    「な、なに?」


    「ふふっ、すいません。司令官さんがちょっと可愛いなぁって思って……ふふふ」


    なんとも言えない気持ちになって、恥ずかしさを隠すために頭をかく。


    「男に可愛いって言うものじゃないよ」


    「司令官さんは顔立ちが女の子っぽいのです。女装したら可愛いんだろうなって、皆言ってるのですよ?」


    「絶対女装なんてしないと伝えておいて……」


    死んでもやらないからね?


    そう伝えると、電は笑いながら「残念なのです」と言って、空になった湯呑みを受け取る。


    「ありがとう。お茶、おいしかったよ」


    「愛情込めましたので」


    「あはは、嬉しいなぁ」



  13. 13 : : 2016/02/21(日) 20:53:28


    ###





    「1730なのです、司令官さん。お仕事の進み具合はどうですか?」


    「順調だよ。というか、ほとんど終わっちゃった」


    ほら、と言って書類の束をひらひらさせる。
    かなりの数だったが、なんとか今日中には終わらせることができそうだ。


    「残りは夕食を食べてからにしようかな。ふぁ~ぁ……一気に眠くなっちゃった」


    「お疲れ様なのです。夕食まで時間がありますので、しっかり休んでほしいのです」


    「そうだね、夕食まで時間があるし……散歩でもしようか。電、ついて来てくれるかい?」


    「…………喜んでお供するのです」




    ###




    空は真っ赤に燃えていて、海はオレンジ色に染まっていた。
    夕陽が水平線に沈もうかとしている。
    海辺にポツンと設置されたベンチに座り、夕陽を眺める提督と電。


    静かに凪いだ海を見ていると、少女たちが海のど真ん中で砲弾をぶっ放したりしているのが嘘のように思える。


    居心地の沈黙が続く中、電がポツリと呟いた。


    「……そういえば、電が司令官さんにプロポーズされたのも夕陽が綺麗な……今日みたいな日でしたね」


    「…………そう、だね」


    「あのときは本当に嬉しかったのですよ。なんというか、司令官さんっぽい口説き方でしたね」


    思い出したのか、電を恥ずかしそうに俯く。
    顔がほんのり赤かったのは、きっと夕陽のせいではないだろう。


    「……まあ、ね」


  14. 14 : : 2016/02/21(日) 21:11:17


    「いまでも、一言一句覚えているのです。『電、僕は君のことが好きだ。ずっと隣で僕を支えてくれた君のことを愛している。初めてこの任務のことを知った時、君の顔が真っ先に浮かんだ。愛してるって思いが、想いが、溢れてくる。電、この指輪を受け取ってほしい。僕の、家族になってください』……でしたよね?」


    「……よく覚えてるね」


    「これ、よくよく考えたら本気のプロポーズですよね? "家族になってください"って言ってるので……」


    「あっ、あれはなんというか……プロポーズだから……仮にでもケッコンするわけだし」


    必死に弁解するが、それも叶わず、言葉を失う。
    電を苦笑して、提督の手に自分の手を重ねる。


    「電は、幸せなのですよ?」


    「それは……僕もだよ」


    「けど…………」


    「…………うん?」


    「怖いのです。電たちは艦娘です。いつ沈んでもおかしくない身ですので、ありふれた日常が一瞬で崩れ落ちるのが、怖いのですよ」


    「電…………」


    「本当は戦いたくないのです。敵である深海棲艦の命を奪いたくない。戦争なのに、おかしいですよね」


    「……」


    「司令官さん、教えてください。電たちは何のために生まれ、何のために戦い、何のために沈み、たとえ勝利したとしても、その先に何があるのですか?」


    「…………たとえ勝利しても、君たち艦娘の平穏な日常は保証できない」

  15. 15 : : 2016/02/21(日) 21:25:04


    人類がいま世界の域を越えて共同戦線を張っているのは、深海棲艦という全世界共通の敵が出現したからであって、必ずしも協力的というわけではない。
    あくまで一時的に、だ。


    深海棲艦が出現したことによって、制海権を失ったものの、人同士で争うことはなくなった。
    それどころではなくなったのだ。


    そう考えると、この戦争は終わらない方がいいのかもしれない。
    勝利したとしても、今度は人間が人間を殺し合い、艦娘は実験として解体されるかもしれない。どんな怪我でも入渠すればものの数時間で完治してしまうのだ。
    これほど優れたモルモットは他にないだろう。


    「……僕は、時々思うんだ。艦娘は、僕たち人間と深海棲艦を繋ぐメッセンジャーなのではないか、ってね。馬鹿馬鹿しいだろう? けど、君たちを見ていると、普通の女の子にしか見えなくてね」


    あはは、と笑う提督。


    「電、残念だけど、君の質問には答えられない。そんなこと、僕は知らない」


    「そう、ですか」


  16. 16 : : 2016/02/21(日) 21:37:02


    悲しそうな表情を浮かべる電。
    提督はそんな彼女の手に指を絡ませる。


    「だから、まぁ。自分の納得できる理由を自分で見つければいいんじゃないのかな?」


    なんと無責任なことか。
    自分でもそう思うが、こればっかりは提督が決めることではない。艦娘が決めることだ。
    少なくとも、僕はそう思っている。


    「……司令官さん、一つ……聞かせてください」


    「うん、何かな?」


    「司令官さんは、電と一緒に沈んでくれますか?」


    まるで、試すかのような口振り。
    提督の瞳をジッと見つめる双眼には、有無を言わせない何かがあった。


    「……そうだね、うん。僕は君を沈めるつもりはないし、沈むつもりもない」


    なんと無責任なことか。
    そんな使い古された言葉、ただの強がりにしか聞こえないだろうけど。
    電は嬉しそうに微笑み、納得した顔で頷いた。


    「司令官さんらしいのです」


    儚げに微笑んだ電は、今にも消えてしまいそうで。どこにも行かないようにと、強く抱きしめた。


    「司令官さん……電は、司令官さんのお役に立てていますか?」


    これまた唐突な質問だな。
    そんなの決まってる。


    「うん」



  17. 17 : : 2016/02/21(日) 21:47:19


    「よかった」


    微笑む電を、さらに強く抱きしめる。
    艦娘って、こんなに柔らかくて、こんなにも温かい。
    それを教えてくれたのは、他の誰でもない。


    電という艦娘だ。


    本当の意味で僕を提督にしてくれた、彼女。
    僕は本当に、幸せ者だな。


    「……さて、そろそろ夕食の時間だね。食堂、行こっか?」


    「了解なのです」


    二人並んで食堂に向かう。
    電の小さい歩幅に、提督が合わせる、いつも通りの光景。
    いつもと違うのは、互いの手が触れ合っていることくらいか。


    夕陽が水平線に沈み、夜が訪れる。


    「明日は電が夕食を作るのです」


    「楽しみだなぁ、期待してるよ?」


    「はい! 電の本気を見るのです!」




    終わり。
  18. 18 : : 2016/02/21(日) 21:50:21


    あ と が     き



    電ちゃん可愛いよぉ……なでなでしたい。

    息抜きで書いたので、かなり雑。
    思えば、こんなに短いのは初めてかも。
    オチが見当たらずに雑な終わり方でしたが(全体的に雑)、これにて終了。

    あ、でも緋色はリアルでは時雨ちゃんとケッコンカッコカリしております。
    初月ちゃんも可愛いと思うこの日頃。
    秋月型ってなんかいいですよね。


    ってわけで、終了です。
  19. 19 : : 2016/02/21(日) 21:50:45
    お疲れ様です
  20. 20 : : 2016/02/21(日) 21:51:46
    >>19
    お早いですねw
    ありがとうございますなのです。
  21. 21 : : 2016/02/21(日) 22:24:28
  22. 22 : : 2016/02/22(月) 20:22:51
    >>21
    ありがとうございますー!
  23. 23 : : 2016/02/22(月) 20:24:46
    pickupおめでとう~
  24. 24 : : 2016/02/22(月) 21:08:50
    >>23
    ありがとうございますなのですー!
    読者さまのおかげでございます。

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enjyujyudan

緋色

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