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友達を手に入れるため、僕は冬休みを捧げた

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  1. 1 : : 2016/01/05(火) 00:13:13
    僕には友達がいない



    学校の休み時間も高校受験用の参考書を開いている上に、小さい頃からずっと勉強漬けの毎日で、音楽や漫画、バラエティ等にとてつもなく疎い



    そのせいで周りの子と話が合わず、せっかくの交流の時間である昼休みの食事中も完全に孤立している



    今は中学1年の冬休み

    一年過ごしてみて思った



    「友達欲しいっ!!!」



    一年も経ったのに誰とも休日に遊んだことがない
    もちろん塾があるせいだけど、まず誰にも誘われない



    一緒に遊びに行きたいなんて思わない



    だけどせめて!
    せめて休み時間に談笑するくらいの友達がほしい

  2. 2 : : 2016/01/05(火) 07:51:43
    ということでこの冬休みに僕は変わる



    音楽、漫画、バラエティ、ゲーム、それらすべてを頭に叩き込む!



    まずは音楽からだな



    最近はボーカロイドとかいう機械のボーカルが流行っているらしい



    えっと…○コ○コ?
    ここで見ればいいのか?
    ん?アカウント登録?
    なんだこれ?
    アプリから再生?
    は?



    わからない!



    ま、まさか自分がここまでネットオンチだったとは…



    他の見方を調べよう



    おっ○ou○ubeか
    これなら検索をかければすぐに見られるな



    よし、過去の殿堂入り(なんだそれ?)をウェブで調べて、最新曲も聞きまくるぞ!



    ~♪~~♩♬~



    な…なんだ、これは!?
    速い!
    高い!
    いや低い!
    みんなはこんな曲をカラオケで歌っているのか!?



    初○ミ○の消失シリーズに関しては最早付いていけない!



    う…頭がクラクラしてきた……
    僕にはまだこの世界は早かった…
    曲はどれもこれもカッコいいのに…

  3. 3 : : 2016/01/05(火) 17:43:45
    落ち込んでいても仕方ない



    次は漫画だな
    確か兄ちゃんの部屋に大量の漫画があったはず



    よく聞くのは○NE ○IECEに、○RAGON○ALL…戦国ものが好きな女の子もいたな



    何を読むかは見て決めるか



    さすが自他共に認める二次元オタク
    一面漫画とポスターの壁だな



    お、これが○RAGON○ALLか…って何!?いったい何巻あるんだ!?
    ○NE ○IECEも果てしない!



    だめだ…



    到底読み切れるとは思えない
    それにすべてを読んだとしても内容が飛んでいってしまいそうだ



    確実性のないものは後回しだ

  4. 4 : : 2016/01/05(火) 18:40:48
    ゲームならどうだ!



    強くなれれば助っ人の需要も確保できるかもしれない!



    だが気づいてしまった







    ゲーム本体を何一つ持っていないことに







    ダメじゃないか!
    DSもPSPも何も持ってない!



    諦めるしかない
    お年玉を貰えたらそれで何か買おう



    こうなったらテレビだ



    ニュースはやめてアニメや正月特番をできる限り録画する
    僕はもうテレビの前から離れないぞ









    こうして僕は朝から晩までテレビを見続けた



    目が疲れた時はボカロ曲を流し、覚える
    頭が痛くなってきたら漫画を開く
    20巻程度の作品を選んだ
    漫画に飽きたらまたテレビをつける



    これをただひたすらに繰り返した

  5. 5 : : 2016/01/05(火) 19:58:35
    そして迎えた始業式



    はっきり言おう
    僕は変われなかった



    あまりにもいろんなものに手を出しすぎて心身ともにボロボロだ



    深夜特番を見ている友達が多いからそこを集中的に攻めていた
    結果連日の夜更しがたたり、漫画も音楽も頭から抜けていく



    眠い頭でどれだけストーリーを理解しようとも、まったく身にならない



    しかも最悪なのは宿題にまったく手をつけていないことだ



    ああ…僕の冬休みは散々だった



    みんなに合わせるなんて無理だということを証明しただけ
    先生にも怒られるだろうし…



    学校、行きたくないな…



    そんなことを思っていても僕の体はもう校門をくぐってしまっている



    目の前には禍々しいオーラを放つ教室のドア



    行くしかない…

  6. 6 : : 2016/01/05(火) 22:27:59
    「お、来たきた!」



    「よ!待ってたんだぜ!」



    数人の男子が寄ってくる



    これは学期はじめの恒例行事のようなもの
    みんな手にはノートとシャーペンを握っている



    「宿題見せてくれ!」



    本当に僕はなんてバカなんだ…



    褒められた行為ではないとはいえ、クラスメイトの役に立てる唯一のチャンスを自ら棒に振るとは…



    「ごめん…実は僕も全然手をつけてなくて…」



    「は!?」



    もう嫌だ…



    クラスメイトの話は分からないし、先生にも怒られるし、与えられた機会さえも失った
    こうして僕はボッチのまま二年間を…



    「じゃあ一緒にやろうぜ!」



    「え…?」



    今…なんて…?



    「やってない者同士仲間じゃん」



    仲間?
    …………僕が!?



    「いっ…いいの?」



    「早くしないと先生来ちゃうだろ!」



    「ほら!机くっつけろよ!」



    「……うん!」



    その日から、僕は少しずつみんなの輪に溶け込んでいった



    人生、何が幸いするかわからないね





    ~END~
  7. 7 : : 2016/01/05(火) 22:28:38
    以上で終了になります
    閲覧ありがとうございましたm(_ _)m

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Nyuuyokuzai

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