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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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部品サガ死

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  1. 1 : : 2015/08/27(木) 21:40:28
    都市伝説。

    どこからか現れた信憑性のない噂話が次から次へと変化しその噂話はやがて実態物のようになり皆怯え上る。皆さんも一度は聞いたことはないかな?コックリさんコトリバコ他にもアニメの話なんかもあったりする。でも僕は、全部が噂話じゃなく本当は実在して、まだ僕達が知らない未知な現象が世の中にはあるって時々思ったりするんだ。でも、もし自分がその場面の当事者で、そんな光景を目の当たりにしたらきっと信じれなくなっちゃうよね。

    今日も今日とて教室は賑やかだ。
    最近話題のドラマの話をする人物や近々発売されるゲームを熱く語る人物。話題とは尽きないもので喋っても喋っても無限増殖バグのように、ぽんぽんと頭に浮き出てくる。そんな彼らがこの頃話している話題は今や学校中に有名な噂話となっている

    「おい、聞いたか隣の山野、入院中らしいぜ。なんでも発見された時には右腕が無くなってたとか」

    「マジかよ。あれだろ今他の奴らが言ってる"あつめ屋さん"の話」

    「そうそう、誰も顔も姿も知らないんだぜ?」

    怯える男子達が話す元凶の事件は少し前に起きた

    2日間帰ってこなかった生徒が数日後に遺体で発見された。発見された生徒は身体中をあちこち刺され無残な状態だったそうだ。その事件は少し不可思議で身体の一部がなかったらしい。犯人の目撃情報も凶器も発見できず身体の一部も見つからないまま事件は未解決事件となった

    その事件から数週間後再び事件は起きた
    発見された女子生徒は数週間前の事件と同じく刃物ので複数の箇所を刺され臓器の一部を抜き取られていた。発見された場所は建物や住宅地が多く近隣の人が目撃しないはずがない、それなのに顔や姿すら分からない犯人に人々は恐怖心を抱いていた

    それから何処からかでてきた噂に僕は半信半疑で聞いていたとおもった

            「あの事件はね"あつめ屋さん"が起こしたんだよ」

    「顔とか声とか自由自在に変えれるだぜ」 

                          「犯人は学校内にいるんだってな!」

          「そいつって人間じゃないんでしょ?」

    どこからそんな話が学校中に広まり今やその話を信じている人はごくわずかかも知れない。だから皆面白がって話を広げてるのかもしれない最初は薄気味がってた僕も「今は?」と聞かれるとあまり信じていないのかも知れない、だからなんで今またこの話がでてくるのかこの頃の僕はまだ知らなかった

         「その犯人の男性の特徴はね―――――」
  2. 2 : : 2015/08/29(土) 00:14:27
    声がする。海の中にでもいるように声は小さくこだましながらもエコーのように後からまた僕を呼ぶ声は懐かしく聞きなれた声に感じる。少し経ち声が止むと、どこからか痛みを感じ始めた。じわじわと込み上げてくる痛みはたちまち僕の意識を戻し痛みと共に目が覚めた。

    「東弥お前いつまで寝るつもりだ。授業始まるぞ」

    「そうよ、起こしただけでも感謝してよね。ちょっと荒っぽかったけど」

    僕の目の前にいる二人が僕を起こしてくれたらしい。頬がじんじんとするのは手荒な真似で起こしてくれたからか。それにしても何か大事な事を思い出せそうだったんだけど…なんだっけ。

    「起こしてくれてありがと。二人とも今日は遅かったんだね?」

    「ああ、サッカーの朝練があってな」

    欠伸をしながら携帯を弄る彼。杉蒲清平は1ヶ月前この高校に転入してきた。頭が良く運動もできそして人柄もよろしく一躍人気者になっていた僕が仲良く出来たのも案外奇跡なのかもしれない。時々見える左手の痣は昔事故にあって出来たらしいと清平は言っていた、あまり過去を話したがらない為僕も深く立ち入ろうとは考えてはいなかった

    「東弥とは忙しさが違うのよ」

    嫌味な言い方で僕を挑発する彼女。一宮楓。僕の幼馴染だ、昔から僕より男らしくよく苛められていた時助けてもらっていた。恥ずかしい話だが楓は子供の頃から僕のヒーローで僕は頼りっぱなしだった。昔の性格がそのまま引き継がれ現在の楓となり煩いがそれでも時折見せる笑顔はあの頃と変わらず綺麗で面影がある

    そうだった、ごめん、まだ僕の自己紹介がまだだった。
    僕は柊東弥。これといった特技もなく熱中しているものもこれといってない。あれ自慢できるところって僕無いんじゃないかな。でも、まあそれでもいいよね無個性も個性って言うし…。

    「はいはい、そうですよ。楓はまた寝坊でしょ?」

    「わかってるなら聞かないでよ!」

    毎回同じような会話をする。ここだけが平常通りで安心できるのかもしれない

    「お前らいつも仲いいよな~」

    「幼馴染だからね、あ、腐れ縁って言い方もあるよね?」

    「嫌よ、ただでさえ幼馴染っていうのも抵抗あるのに御免だわ」

    暗い話題しか聞こえないこの頃、遠慮もなく好きな事を言い合えるこの空間が心地よい他の雑音を遮断するほどにこの時間が嬉しくこれだけで一日満喫できてしまうかもしれない

    「また、クラスの皆はあの話をするのね」

    話をしている人達に視線をあわせる楓は溜息をつく。聞いていて気分は良くは無いに決まっているがそれでも耳に入ってしまうので人間の耳も案外不自由なものだ。

    「ねえあの噂ってどこからくるのかな?」

    「知るかよ、どこかのバカが面白半分に適当に言ってるんだろ」

    「そうよね。殆どでまかせなのよね?」

    向けられた問いに僕たちは答えれず暫くするとチャイムが鳴りだした。何も知らない僕たちは安心することも偽話だと笑う事すらできない。確信を得なければ人間は落ち着けずその事で頭がいっぱいになってしまう、だから真相を問おうとするのだが、これに至ってはムリがあった。

  3. 3 : : 2015/09/08(火) 18:33:56
    期待だお^o^
  4. 4 : : 2015/09/13(日) 12:06:54
    >>>3 スリップ王ランカク王@創造力豊かに〜様

    期待有難うございます!
    不定期更新で大変申し訳ありません
    これから少しずつupしていきますのでお付き合いお願いします
  5. 5 : : 2015/09/13(日) 13:20:20
    「清平は今日も部活?」

    「うん、そう言ってたよ」

    日が沈みそうで辺り一面が真っ赤に染まる中、僕と楓は帰路に着く
    清平は練習や大会が続き時々しか一緒に帰れず普段は僕と楓と二人きりだった

    「清平頑張るよね、大会が期待だよ」

    「そうだね、きっと清平なら大丈夫だよ」

    「だね、勝ったら3人でお祝いだね!」

    「気が早いな~。じゃあ楓はその時だね」

    「…うん」

    俯きながらコクリと頭を下げる楓。
    そう、楓は清平が好きらしい。最初は話を聞くだけで会話もままならなかったけど、段々と話すようになり好きになったんだと思う。と言っても楓が「好き」と言ったのは一回きりでそれからこの話はなぜか消失していた。

    「楓?」

    「な、なに?」

    「いや別に気分が悪いかな、と」

    「あんたじゃないんだから大丈夫よ」

    「いやそれどういう意味…?」

    上空からカラスが声を吐き出している。まるで不満やストレスを誰もいない空に投げ出しているような気がして僕はそれが羨ましかった

    「この頃のアレは可笑しいわ。犯人の傾向が全く分からないわ」

    「快楽殺人とかただの暇つぶしとかも言われてるもんね」

    「警察はなんで動かないのよ」

    それもそうだ。同じ犯行の事件が2件も発生したのに警察は何故動かないんだニュースや騒動が起きてもおかしくない、それに学校でのあの大半の反応。あれは怯えるより寧ろ…

    「きっと僕らには内密に動いているんだよ」

    「だといいけど。あ、もう着いたのね。じゃあね東弥また明日」

    「うん、じゃあね楓。また明日」

    隣で手を振る楓が中に入るのを確認し僕も自分の家に入ろうとする。隣という近くもあり遠い存在は僕の世界とはまた違うのだろう

    「ただいま」

    まだ両親も姉さんの声もしなく。帰っていないと判断し僕は自室に向かった。同じ一日なのにこの頃はすごく疲れる

    重い身体を動かし僕はパソコンを起動させた。楓が言ったことがどうしても気になり反応するワードを調べた。けれども一つもヒットすらしなく訳が分からない数多くの数字が表れた、僕は不気味に思い素早くパソコンを閉じてしまった。

    「なんなんだ今の」

    まだ怯えが残りつつ「あつめ屋さん」について興味を持ちゆっくりとまたパソコンを付けた。けれども事件と同様アレがでる事も何一つなく諦めがちにカチカチと進んでいくすると

    "都市伝説"

    これが埋もれながらでてきた。これか…僕は呆れながらそれをクリックした昔見た話や面白そうな話がある中一つの単語が目にかかった

    "Collect"

    それは奇妙な文で書いてあることは「これを書いた人は可笑しい」と思ってしまうような文だった

    "これをみている死んだことはありま・・すk?"

    "きっとないでしょうね。でもきっと楽しいですよ"

    "死ぬのが、じゃないで すよ。貴方を殺した人です"

    "之から色んな愉しい仔とが待っているんですから"

    "チャクジツと人間に成っていけるんですから善いことデしょ"

    "殺刺れる人も本望でしョう、アアそろソろ終りだ"

    "次も怒る事件が起こるだから俟っててねもう少しだから"

    背筋が震えた体が冷え切るのが分かる僕は今完全に怯えている窓を叩く風の音時間を刻む針の音。その一つ一つが恐ろしくその場で僕は硬直しきっていた
  6. 6 : : 2015/09/23(水) 22:06:37
    あんなものを見たせいなのかその日僕は怖い夢を見た
    ひたすらと歩き続けるレールの上で不気味に笑っている月と太陽。汚くあちこちに散乱している人形や切り取られた身体のパーツを気味悪く見ていると一つのドアが現れた頑丈そうでべっとりと赤いペンキのようなものが塗りたくられている。

    引き返そうと後ろを見ると僕が見た景色は無く只真っ黒。何もないのだ、恐る恐る僕はドアに手を伸ばし簡単に開けれたその先は血生臭い匂いとそれをかき消すように甘く漂うお菓子の匂い。進むのを拒みたくとも足は勝手に動いてしまう。生きているような絵画に幾つも存在する部屋、ようやく足は止まり息を吐いた。部屋を見ると一つのクローゼットが気になった無意識の内に手はそれに伸びその不気味な箱の中からは気持ち悪いほどの死体が転げ落ち僕は嘔吐した。すると後ろから声が聞こえた

    "気にいっテくれた?"

    頭が痛くなる声に耳鳴りが重なり頭中に鳴り響くシルエットは見えなく黒く禍々しい空間になっている。右手に斧を持ち徐々に僕に近づいてくる

    「やめ・・・ろ。来るな」

    すると。禍々しい黒は止まり僕を見つめているのだろう。

    "はァ。キミは解ってクれると思ったのニ"

    振り降ろされた斧は僕の目の前まで迫って―――――



    「うわああああああああああああ!」

    ベッドから起き上がり身体のあちこちを調べる。よかった何もない、それもそうか。夢だもんね…本当に…夢だよね。
    転げ落ちている携帯を取り時刻を確認する表示される時間は2限が始まる時刻で楓から「先行くね~」と短文のメッセージが着ていた

    「完璧に遅刻じゃないか。取り敢えず着替えよ」

    母親に軽く説教をくらいつつ僕は逃げるように家を出た
    攻撃するように輝を照らす太陽に反抗しながら学校へ向かう。朝とは違い外の匂いが変わって顔に当たる風が痛く冷たい、まだ学校は遠いな行きたくないな、でも行かなかったら楓が煩いしな

    学校に着いたときには2限が終わる10分前だった。
    けれども、まだ授業は行われ少しの静寂を保っている
    遅刻をした事がないからかその自然さを知らないからか静かすぎる。笑い声や声の音すら聞こえない僕は違和感を感じ階段を上ろうとすると同時に怖さを感じる程の女性の悲鳴が校舎内に響き聴こえた。
  7. 7 : : 2015/09/30(水) 22:11:26
    僕が悲鳴の元へ向かうとぞろぞろと既に野次馬は集結しだし状況が全く把握できなかった。諦めて一旦教室に行こうとするとか細い声で僕を呼ぶ声がした。

    「東弥…助けろ…いや助けて下さい」

    人に挟まれサンドイッチ状態の清平を発見した。僕は急いで清平を引っ張りどうにか助けることができた

    「清平大丈夫?」

    「なんとか…お前サボりとはいい度胸だな」

    「色々あったんだよ。清平!手血が出てる」

    片手に引っかかれたような跡がありそこから血が少しづつでてきているそんなにあそこは危ないのか

    「…ああ。野次馬共にやられたんだろ…」

    「取り敢えず保健室いこ!治療しないと」

    僕が清平を引っ張り保健室へ向かおうとした瞬間変な聞いたことがないベルのようなものが鳴りだした

    「な、なんだろうねこれ…気持ち悪い」

    周りも混乱しているのか 普段とは違う光景に歪みそうだ。叫ぶもの、泣き叫び壁を叩く人、薄気味悪い笑い声で壁に寄りかかる人を殴り倒す人 色々な人がパニックを起こしている。楓。やばい楓の所にいかないと楓もきっと混乱して怖いに違いない

    「おい東弥逃げるぞ!」

    「清平その前に楓の所に行かないと!」

    「っ!早く行くぞ!」

    お互いに頷きあい階段へ走ろうとした瞬間アナウンス放送が始まりパニックになっている人は行動を停めた

    "落ち着いてください、何も心配することはありません。これから一人ずつ生徒部屋に来てください事情聴取を行います"

    淡々と話す先生に僕は動揺していた。なんでこんなに落ち着いてるんだ、いや先生まで焦っていたらどうしようもないからか…そうだ。だから事情聴取って言い方も単なる落ち着かせる為なんだよね。

  8. 8 : : 2015/10/10(土) 15:33:12
    あの放送の後僕ら生徒は一人、一人と生徒部屋に入っていった。
    全校生徒を相手に時間は足りるのか?と思っていた僕の想像をはるかに上回りたった5分そこらで次々と生徒は戻ってきていた。僕は話が終わったクラスメイトへ話を聞きに行くとさっきの事を忘れたかのようにとぼけていた。1時間後僕の名前が呼ばれ指定された場所入った。

    息苦しい空気の先に二人の先生が座っていた。僕は椅子へ座り、自分が見た物、どこまで知っているかなど色んな事を聞かれた質問をしている先生は睨みつけながら僕に話しかけその隣では一言も書き漏らさないようにひたすらに何かを書いている先生に僕は受け応えることしか出来なかった。質問を終えると先生はにっこりと笑い「もういいよ君は大丈夫だ」と表情とは違う声のトーンを放ち自然を保ちながら僕は早足で部屋を出た

    「東弥!大丈夫だったか?」

    「う、うん。あれ、楓は?」

    教室に戻った僕は辺りを見渡し楓の姿を探すも、楓の姿は見えない

    「さあな、トイレでも行ってるんだろ」

    「そっか…そういえば僕まだ状況がよく分からないんだけど何があったの?」

    「死体が発見されたんだ」

    皆には聞こえないように小さな声で清平は迷いもなく話す

    「死体って学校で…?」

    「ああ、死体を発見した奴に話を聞いてな頭を何回も叩かれ死んでたらしい。でなよく見ると右目が無くなってたんだと」

    「右目?それって関係ないよね?」

    敢えてあつめ屋さんとは言わなかったけど清平は理解できたらしくふるふると首を振った

    「わからん、だが関係ないとは言えないぞ」

    「まだいるってことはないよね?」

    「……」

    それから清平は先生に呼ばれ教室を出て行ってしまった。平然と談笑をするクラスメイト、警察を呼ぼうともせず部屋に招き入れる先生、まだいるかも知れないその存在。ここは可笑しい、この場所すらもう取り返しのつかない何かに侵蝕されていたのかもしれない。悍ましく歪な場所は歪んだように不気味な笑いを発し蝕んでいくようだった。
  9. 9 : : 2015/10/20(火) 21:22:20
    何事もなかったようにクラスの皆、いや全校生徒が普段のように笑い、変わらないように昼食を食べ自分たちがどんな目にあったのかすら覚えていないのかもしれない時間は過ぎ当たり前の不自然な放課後を迎えた。

    あの後から楓の姿が見えない、いくら捜しても誰に聞いても「知らない」「誰?」そんなことばかり言ってくる清平と探そうと尋ねようとしたら「ごめん」そう一言意味深な発言をし苦しむように消えて行った。妙な寒気を感知し緊張が走る。手足が凍えるように冷たく段々と下がる体温を鈍く感じつつ楓の事しか考えられなくなった。

    どれくらい走っただろうか苦しく呼吸もできない不格好な身体をそれでも動かしあちこち走り回った。外は夕暮れが少し残り後ろから夜が自分の世界を占拠しようとしているもしかしたらと思い楓に何回も電話をしているけど全く反応しないそれもそのはずだ何故か電波は圏外で1秒ごとに充電が無くなっていく

    「おかしいな。あれ、黒沢く・・・ん?」

    前方で僕をじっと見つめるクラスメイトの黒沢君。お姉さんが何者かに殺されそれから黒沢君は学校に来なくなった。その殺されたお姉さんが実は"あつめ屋さん"の犠牲者と噂が立ったけどその真相は誰も知らないと思う

    「…久しぶりだね?なんか今日は色々あって皆いないんだ。明日から学校来るの?」

    「……・・・・・・・ア・・・・ハハハハハ・・・・・・・」

    耳に残る嫌な笑い方を彼はしだすと急に表情が険しくなっていった目は両方とも違う方向をむき人形みたくかくかくと動きだし今度は「クススス」と不気味な笑い声を出している

    「継ギは脾臓・告ぎは脾臓 残り部位。ふたツ」

    見て解るこれは彼じゃない。彼だったとしてもこれは彼の何かを被った偽物だ。ゆっくりとこちらに近づく何かに怖気づき震えが止まらない大量の汗が全身に渡り異常な足の震えと思考停止の飾りが僕を逃がさない。逃げないと。早く動け、動け!足の接続が切れ言うことを聞かない。微かに動いた右手を軋むほど握りしめ自分自身を殴った

    全身に電撃のようにくる痛みをようやく感知し飾りが命令する前に僕は無我夢中で逃げた、ただひたすらあいつに掴まらないように逃げ恐怖に負けた自分はまだいるかもしれない楓の事を考える余地がなかった
  10. 10 : : 2016/05/04(水) 21:32:43
    身体全体が悲鳴をあげる事を認識する間もなく僕はがむしゃらに走った行違う人、隙間から見える闇、暗くなる空、全てに恐怖を感じ覚えているルートを只々走る。

    家に着くと布団に包まり目を瞑った。考えるな、忘れろ。けれどもそんな時こそ思い出してしまうのが僕の嫌な所だ

    「あれは、人間・・・だったのか?」

    どうしよう、あれ以上あの場所にいると清平や楓も…

    「そうだ!楓、あれから楓は無事だったのかな」

    不慣れな手つきでスマホを弄り楓へ電話を掛けるも電源を切っているのか応答は無かった。

    その直後楓の母親から電話がかかってきた。丁度いいタイミングだけどきっと怒ってるだろうな…

    「はい、東弥です」

    電話に出ると掠れた声で泣いている楓の母親がそっと僕に告げた

    病院に着くと見たくもない光景と突き付けられる現実が僕を待ち構えていた。ベットに横たわる楓は寝ている用に無言で今にも驚かしてくれるんだろうと僕はまだ信じれてはいなかった

    「発見された状態では既に亡くなっていたそうです。頭に鈍器のようなもので数十回程殴られその後に犯人は…身体の一部――」

    その後の話は頭に入ってこなかった。泣くことを止めない楓の母親と父親。見る事すら耐えれなくなった僕は逃げてしまった。

    子供の頃から一緒でずっと頼りっぱなしだった僕は結局楓を救える事もなく恩を返せることすら…

    「…もしもし」

    「東弥か今大丈夫か?」

    清平か。正直今は会いたくも話したくもない

    「うん、別にいいよ」

    「…そうか。じゃあよく溜まってたあの場所で」

    「え、あの場所は確か「じゃあな」

    勝手な奴だな。しかしあの場所は確か。

  11. 11 : : 2016/05/04(水) 22:51:39


    「…遅かったな」

    「ごめん、あんまり覚えてなくて」

    僕と清平がよく溜まり場として使っていた空地のような場所。人が通る事は全くなく近くにあるのは墓地や森しかないこの頃は来ることもなく来れる筈もなかった

    「それにしてもこんな場所に来てどうしたの?僕今日は疲れてて」

    早く要件を済ませて帰ろう

    「……今日は最悪の日だったよな」

    「清平?」

    「あいつら簡単に弄られやがってつまんねえ」

    「ねえ、清平なんでこの場所を選んだの…?ここって山野君が襲われた事件の場所でしょ」

    その言葉を発した時清平は「ようやくか」と言わんばかりに、にやにやと笑い鋭い眼光で僕を見る

    「………なあ東弥、俺は人間か?」

    「あ、当たり前だろ。どうしたんだよいきなり」

    「ハハ、だろうな。人間になるために集めてきたんだから。面白いようで面倒だったぜ」

    さっきからずっと笑っている清平が怖い、恐ろしいこの恐怖は以前にも

    「結構この身体もいいもんだぜ色んな奴らの物が入ってるからな」

    「な、に言ってるんだ?そんな気味悪い話、やめろよ」

    「東弥。楓の亡骸はもう…見たか?」

    鳥肌が全身を駆け巡る。なんで知ってる、どうして?誰も話してない、誰も教えてない、怖い、聞けない、逃げれない。

    「清平。君は一体…何者なんだ?」


    「ハハハ、簡単だ。お前らが話してた。"あつめ屋さん"って化物だ」

    「う、そだ」

    「おいおい、そんな驚くなよ。もうすぐで人間になれるんだから」

    今の清平が嘘を言っているとは思えない。いや思わない。今さっきおきた事を・・・こいつが知っている訳がない

    「……なんで楓を殺した」

    抑えきれない怒りを声に出すが今にとびかかってしまいそうだ

    「最後の二パーツは楓とお前って決めてたんだ。しかし死ぬときの楓は最高だったぜ、泣きながらお前の事話してんだ嫉妬するとこだったからハンマーで何回も叩いてやったよ」

    気が付くと僕は清平に飛びかかり何度も、何度も殴っていた。拳がじんじんと痛み息が乱れていく清平は痛くもないらしい「ハハハ」と笑いながら軽々と僕を投げ飛ばす

    「ようやくあと一パーツなんだ。最後は心臓。最期は心臓」

    「……人間にさせてくれよ東弥」

    ポケットから出した包丁は僕を目指し向かってくる足は動かず目の前にいる清平を怯えた目で見ているんだろう

    「アはは。最後に善いこと教えてやるよ、楓なお前の事好きだったんだぜ」

    刺しこまれた包丁は僕の身体に侵入し激痛が…―――――

    「じゃ、あ。な。化物」


    僕の頭から消えて行った



            ―――――――――――――――



    噂とは怖いものだ
    たった一回の言葉が幸も不幸も呼ぶ
    だが、俺は嫌いじゃない俺には全て良いこと尽くめに変わってしまうからな。広まったってまた替えればいい。欠損したら変えればいい、邪魔な奴らは殺せばいい。ほらな、簡単な話だ


       「なーなー結局"あつめ屋さんって都市伝説だったんだろ?」


             「なんでもどっかのクラスの奴が作ったはなしだったらしいな」


     「え~私信じてたのに」

            
                             「じゃああの事件はなんだったんだ?」


    「さあな。結局警察もなんの情報を得ないままお蔵入りしたらしいな」


        「うわ~使えねえ。そういや今日転校生がくるってらしいな」


           「らしいな。あ、噂をすれば」


    「初めまして。杉蒲清平です。……これからもよろしく」

                               
                                          終

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