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七夕の夢~エレン・イェーガーの七夕~

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  1. 1 : : 2015/07/07(火) 23:57:34
    43作目です。

    せっかくの七夕なので妄想を。

    そんなお話エレン編。


    誤字や脱字などあればご指摘お願いします。
  2. 4 : : 2015/07/08(水) 00:31:43

    白くにじんだ天の川が紺青の夜空を二つに区切る。

    それはエレンとアニの運命を意味していた。




    ある日

    「……教えてやってもいいけど?」

    「え? やだよ、足蹴られんの痛いし」

    「遠慮なんかしなくていいって」


    その数日後

    「今日も頼む」

    「はぁ……あんたも飽きないね」

    「強くなるためだからな!」


    しばらくして

    「なんかお前、いい匂いするな」

    「ふぅん」

    「あと一緒にいると心臓がうるさい」

    「っ、私もだよ!!」


    ようやく

    「アニ、俺、お前のことが……」

    「駄目……これ以上私を、壊さないで……!」
  3. 5 : : 2015/07/08(水) 00:34:35



    織女の結婚相手を探していた星空を支配する神が、働き者の牽牛のことを知り

    「娘の織女と結婚してくれないか?」

    と頼みました。

    牽牛は恐縮しながらもその話を引き受け、2人は夫婦となりました。

    しかし、2人は結婚すると真面目に働くどころか天の川のほとりでおしゃべりばかりをしています。

    神が

    「仕事をしないのか?」

    と尋ねると

    「明日からやります」

    と答えるばかりで一向に働く気配がありません。

    これに業を煮やした神は、牽牛を元いた天の川の西に戻し、2人を離ればなれにしてしまいました。

    牽牛と会えなくなった織女は毎日を泣いて暮らしました。

    そして牽牛も寂しさにあまり家に閉じこもってしまい牛の世話ができなくなってしまいました。

    それを見た神は

    「2人が以前のようにきちんと働いてくれるなら、年に一度だけ会うのを許そう」

    と言い、それを聞いた2人は前よりも増して一生懸命働くようになりました。

    こうして、一年にたった一度だけ会える日の7月7日は、織女と牽牛にとって待ち焦がれた日となったのです。



  4. 6 : : 2015/07/08(水) 00:44:51

    「……っ……はっ!!」

    「夢、か…………」


    -あの時、お前も俺と同じ気持ちだと思った、それなのに

    お前が選んだのは、幼馴染

    どうして、俺じゃないんだ-


    「どこにいるんだよ……!!」

  5. 7 : : 2015/07/08(水) 00:48:12



    自分を強くする方法を探していたエレンは、アニが格闘術にとても優れているということを知りました。

    アニに

    「……教えてやってもいいけど?」

    と言われます。

    エレンは恐縮しながらもその話を引き受け、2人は師弟関係となりました。

    しかし、2人は訓練を重ねるうちに真面目に訓練をするどころかサボりの定番であった湖でおしゃべりばかりをするようになります。

    ミカサが

    「訓練しないの?」

    と尋ねても

    「明日からやるって」

    と答えるばかりで一向に訓練をする気配がありません。

    次第にアニを巨人と疑う声が出てきました。

    訓練を蔑ろにしたエレンは力を出せず、アニを救うことができず、アニは結晶化してしまいます。

    しかし、超大型巨人と鎧の巨人が助けに来ました。

    その場に居合わせたエレンは壁内人類をとるか、ライナーやベルトルトなど壁外をとるか選択を迫ったのです。

    結果、アニは壁外を選び2人は離ればなれになってしまいました。

    エレンは毎日を泣いて暮らしました。

    そしてアニのことがブレーキとなり、一切の巨人化を不可能にしてしまいました。

    それを見たリヴァイは

    「いつまでも女を引きずってんじゃねえ」

    と言い、それを聞いたエレンはアニへの想いを封じ、硬質化の訓練に必死に取り組みました。

    アニのこと話に出すことはなくなりました。

    皆、吹っ切れたんだと安心します。

    しかし、エレンは何年間も7月7日の夜、一年にたった一度だけ、思い出してしまいます。

    アニと過ごした夢を見てしまうのです。

    その度にエレンは心が締め付けられ、アニを手に入れるために硬質化や巨人を操る訓練に精を出すのです。

    人類のために力を身につけているのではない……

    このことを知るのはエレン自身、ただ1人。



  6. 8 : : 2015/07/08(水) 00:50:15


    「アニ、絶対お前を捕まえに行くからな」

    「もうお前の意見は聞かない」

    「俺の言うことだけを聞いて、2人だけで生きていけばいい……」


    人類の希望が絶望に変わる日はそう遠くない。


  7. 9 : : 2015/07/08(水) 14:18:49
    -あとがき-


    ここまで読んでいただきありがとうございます。

    突発的に思いついた短編だったので、少し解説を。


    七夕のお話は国によって違って、エレン編では中国の言い伝えをメインにしました。

    同じ巨人化できる人間だけど、その運命は真っ二つに別れるということで天の川ではなく夜空をエレン、アニと見立てました。

    七夕の日だけ見る夢。
    そしてアニへの執着。

    あの時、俺が選択を間違えたから……アニが自分を選んでくれると信じたから!

    思いを糧にどんどん力をつけるエレン。

    そんな病みエンドでした。
  8. 10 : : 2015/07/08(水) 20:42:18
    凄い…!
    そして好きな人(アニ)のためにどんどん力を付けるエレン、良い…(´▽`*)
  9. 11 : : 2015/07/08(水) 21:58:06
    >>10
    りお

    しかし人類は……(´・ω・)w
  10. 12 : : 2015/07/08(水) 22:45:30
    七夕のお話、どれも良かったです!咲*さんのお話はどれも綺麗に描かれてますね!次回作も期待です(^○^)
  11. 13 : : 2015/07/09(木) 17:33:06
    咲さんのシリーズ作は対比や関連性などが多く、よく設定など練りこまれてるんだなと感じさせられます。

    考えれば考えるほど様々な想像や考察ができて、原作のような楽しみ方ができます。
  12. 14 : : 2015/07/09(木) 20:05:28
    >>12
    anianiさん

    ありがとうございます(*´ω`*)
    そういった事を言っていただけるのはとても励みになります。
    これからも頑張ります!
  13. 15 : : 2015/07/09(木) 21:49:22
    >>13
    佐美未散

    皆さん、ちゃんと細かいところまで見ていて下さるんだなと嬉しくなりました。

    原作と比べられるほどではありませんが、今後もそのような感想をいただけるように活動を続けていきたいと思います。

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著者情報
Liebeschon1104

咲*

@Liebeschon1104

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進撃の七夕 シリーズ

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