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1. 1 : 隻眼のオタク : 2015/03/31(火) 21:56:14

   
   
   
   
   
   
   近頃は虹が人気だ。
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   『涙ノ虹』
   
   
   

2. 2 : 隻眼のオタク : 2015/04/02(木) 09:48:40

   虹が発生する原因は簡単に言うと、水に日光が反射し、虹という物ができる。
   
   
   
   
   触れることは出来ず、近くに行くと消えてしまうと言う不思議な物でもある。
   
   
   
   
   みんなが触れてみたいと思っていたそんな時に、1人の科学者が現れた。
   

3. 3 : 隻眼のオタク : 2015/04/02(木) 09:50:45

   その科学者は虹にある薬を上空から眩し、具現化すると言う薬を発明したことを発表した。
   
   
   
   1日足らずで世界はその話題で持ち切り。
   
   
   
   1ヶ月後にはその薬を高値だが販売する程までに至った。
   
   
   

4. 4 : 隻眼のオタク : 2015/04/02(木) 09:53:43

   その数ヶ月後には具現化した虹をとある入れ物に入れ、永久保存すると言う商品まで販売した。
   
   
   
   
   その売れ行きを爆発的で1年後には、決して貧しくない家庭では各家に一個、必ずと言っていい程ある。
   
   
   
   
   
   これは
   
   
   
   貧しい家庭に生まれた
   
   
   
   少女の話。
   
   

5. 5 : 隻眼のオタク : 2015/04/02(木) 20:24:29

   宝石を思い浮かべる様な蒼目、まるで太陽を連想させる様な金髪を靡かせ、少女は叫んでいた。
   
   
   
   
   「虹、作れますよー」
   
   
   
   
   
   貧しい者たちだけに与えられる仕事、それは虹を発生させると言う、難しそうで簡単な仕事。
   
   
   
   側から見れば虹を発生させてくれる便利な人達____ではなく、唯のうるさい人だ。
   
   
   
   世界の大半の人達は、今流行りの虹を具現化する。虹を永久保存する、と言った便利な物を持っている。
   
   
   

6. 6 : 隻眼のオタク : 2015/04/02(木) 20:28:16

   それ故に、見ていく者は無に等しく、変わらず貧しい生活を送っているのが事実。
   
   
   
   そして少女は、今日も売れない商売をしに、街へと歩いて行く。
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   

7. 7 : 隻眼のオタク : 2015/04/04(土) 14:49:49

   「虹、作れますよー」
   
   
   
   
   るりは今日も売れない仕事をしていた。
   
   太陽がジメジメと暑苦しい今日は、虹を作るには絶好の日だ。
   
   が、るりの元に寄り付く人など一人もおらず、今日も何の成果も無しに帰るだけになりかかっていた。
   
   
   
   
   「るりちゃん、精が出るねぇ」
   
   
   
   
   「おじさん、こんにちは」
   
   
   
   
   るりはにこにこと笑顔のおじさんにぺこりと頭を下げ、挨拶をする。
   
   
   彼は良く、るりの虹を見てくれる常連さんだ。家が貧しいから、そういう訳ではなく、ただ普通の自然な虹が見たい。その思いからるりに良く会いに来てくれる。
   
   
   

8. 8 : 隻眼のオタク : 2015/04/04(土) 15:04:43

   「虹、頼んでも大丈夫かな？」
   
   
   
   
   「はい！」
   
   
   
   
   
   るりは嬉しそうに地面に置いてあったジョウロを持ち、広範囲に水を撒き散らす。
   
   
   すると、綺麗な7色の虹が橋を作るように、小さくだが発生した。
   
   
   
   
   
   「おお、これこれ」
   
   
   
   
   おじさんは満足な笑顔を見せながら、ポケットの中に手を突っ込み、ガサガサとしだした。
   
   
   

9. 9 : 隻眼のオタク : 2015/04/04(土) 20:50:15

   「はいこれ」
   
   
   
   
   おじさんはるりの手に、強引に何かを握らせ、また来るねと言い、去っていった。
   
   
   
   
   「6000千円も.....」
   
   
   
   
   そう。るりの手にはおじさんからの代金で6000千円が握られていた。
   
   
   
   
   そして、客足も止まり____元から客など無に等しかったが。
   
   
   るりは帰る支度をしていた。
   
   
   
   

10. 10 : 隻眼のオタク : 2015/04/04(土) 20:53:39

    あたりは黄金色の夕陽に包まれている。
    
    
    沈みかけの太陽からほのかに送られてくる熱がとても心地よい。
    
    
    
    
    「奏(かなで)も待っているし早く帰ろう」
    
    
    
    
    そう言うとるりは、ほのかな熱を与えてくれる夕陽を背に、帰るべき場所に歩き出した。
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

11. 11 : 隻眼のオタク : 2015/04/04(土) 21:00:38

    ガチャ___と、もう聞いたのが何度目かも分からないドアが開く音が部屋に鳴り響く。
    
    
    
    
    「ただいまー」
    
    
    
    
    
    普通の家なら「おかえり」と今、言ってくれる人がいるのだろうか。
    分からない。
    
    
    
    
    るりはボロボロになった革靴を脱ぎ、ジョウロを靴の隣に置くと、一つの部屋に向かって歩き出した。
    
    
    
    
    ガチャ___
    
    
    
    
    
    「ただいま奏、帰ったよ」
    
    
    
    
    
    「おかえり！お姉ちゃん！」
    
    
    
    

12. 12 : 隻眼のオタク : 2015/04/06(月) 23:31:13

    ベットに横になっている少女は、満面の笑みをるりに向け『おかえり、お姉ちゃん』と言った。
    
    
    
    
    そう、この少女はるりの妹である。
    
    
    
    
    るりは奏の笑みを浮かべると言う好意に応えるように、笑顔でベットの隣にある、ボロボロの木製椅子にゆっくりと腰を掛ける。
    
    
    
    
    「大丈夫だった？」
    
    
    
    
    るりは奏を心配するように奏に声をかける。とても優しく、暖かな声で。
    
    
    
    
    「平気だよ」
    
    
    
    
    
    「うん、平気」
    
    
    
    
    

13. 13 : 隻眼のオタク : 2015/04/06(月) 23:36:54

    るりの座っている椅子はギシギシと悲鳴を上げる。
    
    
    
    
    「あ、あはは.....この椅子ももう古いなぁ」
    
    
    
    るりは奏に何かを隠すように誤魔化しの笑いを上げる。
    
    
    
    
    「お姉ちゃん、私の為にお金を頑張って稼いでくれるのは嬉しいよ.....」
    
    
    
    
    奏は涙目になりながら、声を震わせながらも喋り続ける。
    
    
    
    
    「でも、自分の事を疎かにしないで....」
    
    
    
    るりは驚いた様に目を大きく見開き、1ヶ月前の事を思い出す。
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

14. 14 : 隻眼のオタク : 2015/04/06(月) 23:42:21

    突然の事だった。奏が気分が悪い事を訴えたので、なけなしの金で病院に連れて行った。
    
    
    
    
    白衣を身に纏い、眼鏡を着けた男性が言った。
    
    
    
    
    「妹さんは難病に犯されています」
    
    
    
    
    「命は助かるんですか......？」
    
    
    
    
    
    るりの目はとても怯えている。ガタガタと不自然な身体の動きをさせ、白衣の医者に問いかける。
    
    
    
    
    「助かる可能性は、手術をしても1%かと.....」
    
    
    
    「う....そ.....」
    
    
    

15. 15 : 隻眼のオタク : 2015/04/06(月) 23:45:36

    「最近は虹を具現化する薬が出回ってますよね？」
    
    
    
    「それとこれに何の関係があるって言うんですか....」
    
    
    
    「関係大アリです」
    
    
    
    
    「話を続けましょう。恐らくこの病気の原因のウイルスは.....」
    
    
    
    
    「この薬から発生する物だと思われます」
    
    
    
    
    「なっ！？」
    
    
    
    
    「そ、そんなのって....」
    
    
    

16. 16 : 隻眼のオタク : 2015/04/06(月) 23:51:44

    るりは決意をした。今、この瞬間に心の中で強く！
    
    
    
    
    「私は1%の確率でも助かるならその1%にかけます」
    
    
    
    
    先程までの絶望の淵にいた表情とは打って変わり、光が灯っていた。
    
    
    
    
    「手術代は必ず準備します！だから妹を.....！」
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    そしてるりは現在に意識を戻す。
    
    
    
    

17. 17 : 隻眼のオタク : 2015/04/06(月) 23:56:26

    「別に疎かにしてなんて....」
    
    
    
    
    「嘘！私知ってるんだよ？」
    
    
    
    
    
    「自分の事にはお金をかけず、私の手術代の為にずっと貯金してる事....」
    
    
    
    
    るりは気づかなかった。まさか奏に知られているとは思ってもいなかった。
    
    
    
    
    「でも....！手術代が貯まらなきゃ奏は助からないの...！」
    
    
    
    
    「でも、1%なんでしょ...？手術しても..」
    
    
    
    
    「ッ、でも、私はその1%にかけたの。必ず奏は助かる！」
    
    
    
    
    「だから.....」
    
    
    
    
    奏はベットから立ち上がり、いつも通りのとっても可愛い笑みを浮かべ、るりに言った。
    
    
    
    
    

18. 18 : 隻眼のオタク : 2015/04/06(月) 23:58:36

    「私は手術代を貯めてくれてる事に反対はしてないよ？」
    
    
    
    
    「え？」
    
    
    
    
    「ただ、自分の事を疎かにしないでって」
    
    
    
    奏は顔をるりの目前まで持って行き、今まで以上の笑みを浮かべた。
    
    
    
    
    「ね？」
    
    
    
    
    「うん....！」
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

19. 19 : 隻眼のオタク : 2015/04/08(水) 02:05:31

    奏の病気が発覚してから7ヶ月がたった。
    
    奏の容体に大して変化は無かったが、いつ苦しみだすか分からなくて怯えているのが現状。
    
    
    
    そして今日、奏の手術が始まる。
    
    
    
    
    
    るりはただひたすら恐怖に怯えていた。
    
    手術をしても助かる可能性は1%程度しかない。
    
    助かる可能性が1%、これでは想像はあまり出来ない。だが、こう言うと想像する事は安易な物だ。
    
    
    
    『死ぬ可能性が99%』
    
    
    
    だが、るりは願う。奏が助かる事を信じて。
    
    
    
    
    

20. 20 : 隻眼のオタク : 2015/04/08(水) 02:10:49

    「神様お願いします......。」
    
    
    
    
    
    「どうか奏を......！」
    
    
    
    
    私は虹が嫌いだ。理由など一つしかない。奏を苦しめているからだ。
    
    奏の病原は虹を具現化するとか言うるりたちには無縁な薬から排出される有害物質だ。
    
    虹自体は何も害がない、私はこう心に言い聞かせていた。
    
    が、どうもこう思ってしまう。
    
    虹と言う自然現象が存在するばかりに、人間はその探求欲が抑えきれなくなり、あの様な馬鹿げた薬や入れ物を開発する。
    
    
    

21. 21 : 隻眼のオタク : 2015/04/08(水) 02:13:26

    でも、不思議と私は虹が憎めない。嫌いではあっても憎めはしない。
    
    何故だろう、それはわからない。ただ、手術代が貯まったのは、虹があったからだ。
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    「妹さんの手術が終わりました」
    
    
    

22. 22 : 隻眼のオタク : 2015/04/08(水) 02:18:52

    「手術は成功したんですか？」
    
    
    
    
    「はい、取り除く事は出来ました」
    
    
    
    
    「ですが助かる確率は.....」
    
    
    
    
    「信じてますから」
    
    
    
    
    そう。私は信じている、必ず奏はいつもの笑顔を見せてくれると。
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    1ヶ月後
    
    

23. 23 : 隻眼のオタク : 2015/04/08(水) 02:22:52

    「まさか助かるとは思いませんでしたね」
    
    
    
    白衣に眼鏡を掛けている男は驚いている。
    
    
    
    「まるで死ぬのが当たり前の様な言い草ですね先生」
    
    
    
    
    それに対し、るりのジトッとした目が向けられている。
    
    
    
    
    「あ、いや。そういうわけでは」
    
    
    
    
    「何はともあれ、助かって何よりです。おめでとうございます」
    
    
    
    
    「ありがとうございます！」
    
    
    
    
    るりは元気そうに診査室を出て行き、外で待っている奏の元へと走り出した。
    
    
    
    
    「お姉ちゃん！」
    
    
    

24. 24 : 隻眼のオタク : 2015/04/08(水) 02:29:44

    元気に飛びかかってくる。またあの時の姿が見れてとても嬉しい。心の中にあるのはもうそれしか無かった。
    
    
    
    「奏が助かって...本当に良かった」
    
    
    
    
    視界がぼやけ始める。頰には生暖かな物が伝ってくる。
    
    空は雲ひとつない青空。まるで真夏の様な暑さだ。
    
    
    
    
    「グスッ....奏が助かって...本当に良かった」
    
    
    
    「お姉ちゃん、ありがとう！」
    
    
    
    
    その時、一粒の涙が奏の手にポツリと落ちた。
    
    その涙から虹が発生し、二人は目を大きく見開いていた。
    
    
    
    
    
    その虹はこれまでの虹よりもずっと綺麗で、涙から発生すると言うとても不思議な物だった。
    
    
    
    
    
    
    
    
    『涙ノ虹』 ーfinー

25. 26 : 名無しさん : 2016/10/14(金) 18:02:05

    namusyaka「ママー」ﾋﾞｴｰﾝ
    
    ママ「まあまあ、どうしたの坊や」
    
    namusyaka「おっぱい飲みたいよー」
    
    ママ「坊やったらもう良い年なんだからおっぱいは卒業よ」
    
    namusyaka「やだよーおっぱいー、ママー‼」ﾋﾞｴｰﾝ
    
    ママ「まったくこの子ったら…」
    
    いろはす「ママー」
    
    ママ「どうしたのいろはすちゃん」
    
    いろはす「おしっこー」
    
    ママ「まあまあ、すぐトイレ行きましょうねー」
    
    いろはす「もう漏らしちゃったよー」ｼﾞｮﾊﾞｼﾞｮﾊﾞｰ
    
    ママ「この子ったら…」
    
    いろはす「うえーん、ママー」ﾋﾞｴｰﾝ

26. 28 : 名無しさん : 2016/11/21(月) 19:11:11

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27. 29 : 名無しさん : 2020/10/03(土) 08:45:32

    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410
    
    恋中騒動 提督　みかぱん　絶賛恋仲　神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931
    
    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041
    
    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042
    
    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906
    
    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672
    
    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774
    
    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057
    
    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091
    
    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038
    
    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972
    
    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか？？
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ？
    http://www.ssnote.net/archives/86986

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