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箱は売り切れてません

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  1. 1 : : 2015/01/26(月) 02:17:59




    箱は売り切れてません





  2. 2 : : 2015/01/26(月) 02:35:52



    いつからだったか、箱にこれを詰める作業をしだしたのは


    「今日の分終わった…」


    暫くガムテープを千切る音と箱を置く音しか聞いてなかったためか、やけに自分の声が懐かしく感じた


    そこまで広くない倉庫に少し反響する


    白い箱と黒い箱


    この倉庫にはこの二つの種類の箱があった


    全て僕が詰めたものだ


    白い箱は消費が激しいため、すぐ無くなる


    逆に黒い箱は中々消費されない


    最近、黒い箱がやけに多くなってきた


    白い箱は中々中身が詰められない


    黒い箱はどんどん中身が詰まっていく


    しかし白い箱の消費量の方が多い


    もし黒い箱が消費出来たなら……


    そんなことを考えて、今日はもう眠った
  3. 3 : : 2015/01/26(月) 02:41:04





    学校から帰ってきた



    倉庫の黒い箱は半分に減っていた



    代わりに、白い箱は灰になっていた



    僕は灰になった白い箱を抱き締めた



    その灰を、黒い箱に詰めた



  4. 4 : : 2015/01/26(月) 02:52:50





    何年かそれを繰り返した


    いつしか黒い箱は全く消費されなくなった


    白い箱は、作れなくなった


    白い箱に詰めるものが無くなっていたからだ


    少年は黒い箱と背中合わせに座った


    黒い箱に詰めるものは、大量にある



  5. 5 : : 2015/01/26(月) 02:53:18









    「開けちゃえば?」








  6. 6 : : 2015/01/26(月) 02:53:43







    「………………………え」








  7. 7 : : 2015/01/26(月) 03:01:20



    「開けちゃえば楽になると思うよ。早く開けなよ」



    声は懐かしかった



    箱を開ける?



    何故か二種類の箱があるのに、声が言っているのは黒い箱だと言うことが分かった



    なんで



    そんなことしたら



    声が何処からするとかは考えてない



    自然と口が動く



    「…は?そんなん無理に決まってんじゃん。この箱を開けたらどれだけの人に迷惑かかると思ってんの…」



    「開けるくらいならいいじゃない。一人で開けちゃえばいいよ」



    「開けれないよ。そもそも開かない」



    「開くさ。早く、その後ろの黒い箱を開けなよ」



    「無理だって…こんな量…開かないし……」



    「じゃあ白い箱を開けたら?」

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bigmoroh0909

ブドウ&グラウ

@bigmoroh0909

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