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アルミン「僕の嫌いな赤色」(アル→ミカエレ?)

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  1. 1 : : 2014/12/06(土) 00:44:45

    ――――
    ――


    「ミカサ…ねぇ、ミカサ…」

    僕の膝元で横に寝ているミカサの肩を軽く揺さぶり、名を呼ぶ。



    ――――――



    *アルミカ(前提エレミカ)です
    *アルミンさんの心中ばかりです、明るくはないです
    *一日1スレ更新できたらすごく嬉しい亀更新かつたらたら長く読みづらい駄文

    よければどうぞm(_ _)m





  2. 2 : : 2014/12/06(土) 00:45:43




    スゥスゥと寝息が深い。きっと簡単には起きないだろう。
    いつものメンバーのもう一人――エレンは、カルラさんに頼まれていた手伝いをサボっていつもの集合場所にミカサを連れて来た。のだが、カルラさんに簡単に見つかってしまい、抵抗するエレンは首根っこを掴まれ、そのまま家に連れ戻されてしまった。


    そうして、今、ミカサと僕が二人きりだ。


    ミカサは、エレンがいなくなった途端、糸が切れたかのように、瞼をゆっくりと閉じ、意識を手放した。

    エレンの前では、きっと気を張ってるんだろうな

    自分の優れた物事への理解力がこういう時嫌になる。分かりたくないことも、知りたくないことも、理解してしまうこの頭脳に少し苦虫を噛む。

    ミカサが自分に凭れかかってきた時、胸が少し踊ったが、長い睫毛がピタリと下ろされていたので、そのままミカサを抱え込み、自分の太股に頭を預けさせている。

    秋の暖かくもどこか冷たさを持った風が、僕を包む。いや、二人を、だ。

    この、荷を運ぶため船の運河は、三人のいつもの集合場所。何をするわけでもなく、ただ他愛もない話をする。
    僕はこの川を気に入っていた。
    澄みきった水が僕を素直にさせてくれそうな、そんな錯覚を覚える。流れる水を見て、気持ちも何処か遠い場所へ送ってくれそうな、気、だ。
    実際、素直になることもないし、気持ちも流されたり揺らいだりすることもない。


    サラサラとミカサの黒い髪が風に揺れる。今日みたいな紺碧の空と、その美しい黒髪はとてもミスマッチで、だが、心地いい。
    そっとミカサの髪に指を通せば、思った通り柔らかく滑る。


    エレンもこんな風に、ミカサに触ったりするのだろうか


    黒髪と共に揺れる赤いマフラーを見る。その二つは、とても馴染む色の組み合わせで、僕を不快感へと連れていく。

    詳しい話はよく知らないが、ミカサにとってエレンは命の恩人らしい。自分が捕まってしまったとき、エレンが助けてくれた、と言っていた。
    逆に、ミカサがエレンの命を助けたらしい。エレンが言うには、その売人に殺されそうになったところをミカサが助けてくれた、
    ようだ。

    ミカサはきっと家族以上の感情を持っているのだろう。
    エレンは、どうだろうか。あの鈍感少年は、やはりミカサをかけがえのない大切な一人として、今は家族として、見ているだろう。いつかは、色づいた感情に変わってしまうかもしれない。

    二人の間に僕は入れない。
    エレンがミカサを救った――その事実だけで、僕が二人の中に足を踏み入れるのを恐れてしまう。


    ―エレンと僕が、その時逆だったら、

    何度も考えた、無意味な"たられば"は、いつも心の奥底に燻っていた。


    ―逆だったら、逆だったら、


    逆だったとしても、きっと僕は僕が何も出来ないことを分かってるくせに。
    エレンの性格をとても尊敬してる。この世界で強くあろうとする野心。弱い僕を助けてくれる正義感。
    その分、妬ましい。自分がそうなれないことが分かっているから。


    ミカサの寝顔を見ればとてもあどけなくて、いつも僕を守ってくれる時にする凶悪な顔じゃなくて、年相応のただの可憐な少女だ。川の水の光が、ミカサの白い肌をいっそう白く際立たせる。



    ―二人のように強く、肩を並べて…

    ――いや、守られるのでなく、僕が―――


    小さく寝息を立てるミカサを見つめながら、胸の奥で誓った。








    ―――
    ――――――


    「………ミーナ・カロライナ、…エレン・イェーガー」
    「以上5名は自分の指名を全うし、壮絶な戦死を遂げました…」


    エレンが、死んでしまった。
    僕を救うために、自ら巨人の口へ入り、僕の身体を引きずり出し、喰われた。

    あぁ、僕は何故生きてるのだろうか、代わりに僕が死ぬべきだったのに。
    僕は謝罪の言葉しか出てこない。

    自己嫌悪の波が何重にも重なり、涙と形を変え、ポタポタとズボンの裾を濡らす。


    そっと白い冷たい手が僕の手を握る。
    目線を上げれば、ミカサの手だと分かる。

    ミカサの頬は濡れていない。
    ただ、生気を失ったような顔をしているだけだ。


    「アルミン、落ち着いて。今は感傷的になっている場合じゃない」

    いつもと同じ声音。
    彼女の深い漆黒の瞳は僕を捉えている筈なのに、僕を捉えていなかった。

    ミカサが僕を立たせようと袖を引っ張る。
    目線の高さは、昔と変わらない、僕が少しだけ見上げなければならないいつもの、ミカサがそこにいる。
    僕のせいで大切な人を失ってしまった、ミカサもそこにいた。




  3. 3 : : 2014/12/06(土) 01:00:37
    早速登場です!!
    もう!此処の場面はぐっと来ましたよね!
    うはぁ…あるふぉんさん!頑張って下さい!
  4. 4 : : 2014/12/06(土) 01:02:04
    >>3
    卿さんww来るの早すぎでww吹きましたわww
    ありがとうございますぅぅm(_ _)m頑張ります(^^)
  5. 5 : : 2014/12/06(土) 08:03:01
    期待です!!
  6. 6 : : 2014/12/06(土) 10:07:13
    期待♪
  7. 7 : : 2014/12/06(土) 22:35:36
    期待!
  8. 8 : : 2014/12/06(土) 23:12:41
    >>5>>6>>7
    期待ありがとうございます(^^)応えれるよう頑張ります!!







    「戦わなければ勝てない…」

    ミカサが言葉を残して、そのまま疾風の如くそのまま前を走り抜ける。
    誰もが見て分かる鉛色の空は、今にでも一雨を降らしそうだ。
    ミカサのその言葉は、強く吹く風の中でも、はっきりと僕達の耳に、心に轟かせた。

    ミカサが、僕たち意気消沈した仲間たちに喝をいれるかのように奮い立たさせた。
    一番前を進むミカサは、どんどんと着実に一体一体醜い巨人共を薙ぎ払って、道を作っていく。


    まただ、また。僕は―――


    昔より短くなった黒髪を携えながら、重力に逆らいながら剣を振るうミカサ。
    まだ、頬の涙の跡が消えないまま、みんなにくっついて飛び出しただけの僕。


    ―――また、守られてる。


    どんどん、どんどんミカサの姿が小さくなっていく。

    ……ガスの吹かしすぎじゃないか?動揺を行動で紛らわそうと、

    そう思ってわずか、ミカサがいる半径5m辺り一帯の空間が静止したかのように、彼女は、一瞬、宙に無造作に留まった。直後、先程までのしなやかな動きとは一転、ガン、と建物に打ち付けられ、そのまま吸い込まれるように落ちていく。


    「ミカサ!」

    彼女に今届くわけもない叫びが、本能的に声の形になって零れる。



    君を失ったら僕はどうすればいい。
    君をまで失ってしまったら、エレンに怒られてしまうよ。
    僕が昔にした君への誓いは果たされぬまま、君も遠くへ行ってしまうのか。

    行かないで。僕を、僕を、置いていかないで。
    ミカサ、エレン、君達が誰かの為に動いて、輝いてる状態で、そのまま消えていかないでくれ。

    僕は、赤が嫌いなんだ。
    赤は、血の色だろう?
    もう、エレンの血だけでもいっぱいいっぱいなんだ。
    だから、ねぇ、ミカサ、君は―――



    トリガーをミカサが飲み込んでいった地へ向かう最短のルートが取れるように、撃っていく。


    ――間に合ってくれ、色んな事に。

    ただただそう祈りながら、風を切るように飛んでいく。
    頬は、いつの間にか、乾いていた。

    先程まで泣きそうだった空は、皮肉にも雲の間から何本も白光のカーテンを揺らめかした。


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december

あるふぉん

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