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アルミン「オレンジジュースの空き缶」

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  1. 1 : : 2014/09/13(土) 22:18:49

    前回です

    http://www.ssnote.net/archives/22846#bottom
  2. 2 : : 2014/09/13(土) 22:22:28




    この世界には、決定的な違いのある


    2種類の人間がいる



    これは




    アルミン「………」



    "力"のない人間と




    エレン「………」



    "力"のある人間のお話




    ーーー
    ーー









    「ケニーが捕まった」


    「………」


    「おいおい、嘘はやめろエルヴィン。あいつは仮にもランクBだぞ?」


    エルヴィン「嘘ではない、捕まる前に奴から連絡があった」


    「そりゃハックできるあいつにとっちゃ連絡なんてどこでも出来るが…」


    「武装警察の手錠は能力が使えなくなるから…」


    「あの第一位の力か…」


    エルヴィン「そうだ、それ以来連絡がないのをみて捕まったことに間違いはない」


    「どうすんだよ」


    エルヴィン「ケニーは最初からこの組織に入れるつもりだった」


    「てことは…」


    エルヴィン「ああ…助けに行く」


    「武装警察と全面対決ってか!テンション上がるなぁ!」


    エルヴィン「いや、ナイル。お前には他に任せたいことがある」


    ナイル「はあ!?」


    エルヴィン「ケニーの奪還は私とマルコで行う」


    マルコ「……」


    ナイル「ちっ、また雑用か」


    エルヴィン「フフッ、頼むぞ」
     





    エルヴィン「おい、いるか?」


    「はい、エルヴィン様」


    エルヴィン「リヴァイがいてはケニー奪還が困難になる。そこでお前に相手をしてほしい」


    エルヴィン「手段は問わない」


    「御意」

  3. 3 : : 2014/09/13(土) 22:24:15






    一週間前、能力者によるテロがあった


    そこで


    1人の少女を守れなかった男がいた


    その少女は肩の傷の治療で入院し


    責任を感じた男は決意した




    もっと強くなると


    彼女を守る為に


    もっと強くならなければいけないと


    もう、彼女が傷つくのは見たくないから



    男は今まで逃げてきた自分の中の力と向き合うことにした





    逆に


    1人の少女を助けた男もいた


    そんな男を待っていたのは


    平凡ではない生活だった


    男が能力者とバレるのは時間の問題だったから


    それは


    これまでとは違う暮らしだった



  4. 4 : : 2014/09/13(土) 22:25:24





    一週間前に半壊した体育館の修理工事の為


    学校は現在休校中だった


    特にすることもなく


    三人はいつもの喫茶店へと足を運んでいた



    アルミン「……」


    エレン「……」


    アニ「……」








    アニ「(……気まずっ!)」


    そう、今私はこんな状況におかれています


    さっきからこの男どもはちっとも話そうとしません



    アニ「(…まぁ、仕方ないか…幼馴染がすごい秘密を隠していたんだから)」



    というか、彼が能力者という秘密がばれてしまったのは


    自分のせいであって


    ものすごく罪悪感を感じているわけで


    かと言ってもう1人の男の心境も複雑で


    ある日突然、小さい頃からの幼馴染が


    実は俺能力者で、しかもすごい強いんだぜっ!


    みたいなことになって


    しかも


    もう1人の幼馴染は


    肩をライフル銃で撃たれて重傷なのっ!


    みたいなことになっているのだから


    気持ちの整理がついてないのも無理はない


    とりあえず1番の問題は



    アルミン「……」


    エレン「……」


    アニ「……はぁ」



    これだ



    お互いなにを言ったら良いのかわからないのだ


    こんなことになった主な原因は


    やっぱり自分なので


    どうにかしたいと思い


    2人を喫茶店に呼んだのだが…



    アニ「じゃ、ジャンは一回実家に帰るみたいだよ!」


    アルミン「…へぇ、そうなんだ」


    エレン「……」


    アニ「あは…あはは……」



    エレン「俺帰るわ」


    アニ「えっ?ちょ、ちょっと…」


    エレン「宿題しないとな」


    アルミン「……」


    エレン「……じゃ、」



    彼はそう言って出て行ってしまう




    アニ「(どんどん深刻な方向に…)」


  5. 5 : : 2014/09/13(土) 22:30:30



    アルミン「……エレンはどうして僕に話してくれなかったのかな…」



    エレンは今まで能力者ということを隠してきた


    それは今まで一緒にいた幼馴染にもだ




    アニ「……」


    アルミン「…ぼくはエレンにとって、本当に友達だったのかなぁ…」


    アニ「…当たり前じゃん」


    アルミン「…ありがと」


    アニ「………」


    アルミン「……ジャンは体をはってミカサを守ったらしいね」


    アニ「ほんと、ランクCのくせに対ランクBのプログラム相手なんて…無茶しすぎよ」


    アルミン「エレンは……力も使えなかったのに、アニを助けに行ったんだよね?」


    アニ「…うん、そうだね」


    アルミン「アニもミカサも…逃げることなかったんだよね…」


    アニ「……」


    アルミン「それに比べて僕は…」


    アルミン「大事な友達が戦ってる時に…なにも出来なかった…」



    彼はそう言って歯をくいしばる



    アニ「それは仕方がないわよ!」


    アルミン「仕方なくない」


    アニ「それにあんたはあの時、なにが起こってるかも知らなかったじゃない!」



    アルミン「それが!!!」



    アニ「!?」


    アルミン「それが…嫌なんだ…」


    アルミン「知らないところで…大事な人が傷つくなんて、僕には耐えられないよ…」


    アニ「…アルミン……」


    アルミン「僕が弱い事は自分が良く知ってる」


    アルミン「僕にできることがなにもないことも、大事な人を守る力もないことも……」


    アルミン「自分が良く知ってる」


    アニ「……」


    アルミン「それでも…なにも知らないで……指を咥えているだけで大事な人が傷つくのは」


    アルミン「もう……嫌なんだ」




    彼女はなにも言えなかった


    "そんなことない"


    言おうとしたが


    言えなかった


    だってそれが


    事実だから


    あまりにも残酷な現実だから



    アニ「……」


    アルミン「だから僕決めたよ」


    アニ「……?」


    アルミン「僕ーーー




    ーーー
    ーー




    アニ「あんた……本気?」


    アルミン「本気だよ」


    アニ「それはあんたの命を懸けることにもなるのよ」


    アルミン「わかってる」


    アニ「そう…それが…」




    あんたの覚悟なんだね





    不謹慎かもしれないが


    彼女は少しだけ


    なんだか嬉しかった



  6. 6 : : 2014/09/13(土) 23:09:05





    電車の窓からは木々の隙間から綺麗な海が見える


    同時に心地よい海風が彼の髪をなびかせる


    その茶髪には少し赤毛が混じっていた


    それは一週間前


    彼が暴走した時に残ったものだった


    彼女を守る為に


    力を酷使した結果だった  


    他にも


    目に見えない後遺症もいくつかみられる


    しかしそんなことに構ってはいられない


    彼は強くなりたかった


    もうあんな思いをしたくないから










    彼が電車から降りた場所はまさに田舎と呼べる場所だった


    大きな山々に


    一面に広がる田んぼに畑


    目の前の壮大な海は


    作物に新鮮な潮風を運ぶ


    なによりこの美味しい空気




    ジャン「…久しぶりだな」



    そこは彼の実家だった


    もちろん、ただの実家帰りではない
     


    ピクシス「よう戻った」


    ジャン「じぃ様!」


     ピクシス「久しぶりじゃの」


    ジャン「お久しぶりです!」



    そこには酒瓶を片手に彼を迎えにきた初老が


    1人の少女といた


    そして


    その少女は……





    サシャ「ジャン様!」


    ジャン「おう、サシャも久しぶりだな」


    サシャ「ジャン様が戻られたということは、ついに…」


    ジャン「あぁ……」


    サシャ「私との結婚を…」


    ジャン「ちげぇよ」




    彼の許嫁だった


  7. 7 : : 2014/09/14(日) 05:48:15





    サシャ「そんな!?」


    ジャン「そもそも俺はお前と結婚する気はない!」


    サシャ「ですが!私たちは…」


    ピクシス「サシャ、静かにしておくれ」


    サシャ「………すみません」




    ピクシス「ジャンよ、その髪…もしや」


    ジャン「はい、お察しの通りです」


    ピクシス「なるほど、だから急に戻ってきたか」


    ジャン「…はい」


    ピクシス「ふむ……角は生えたのか?」


    ジャン「一本だけ…」


    ピクシス「そうか、まだマシってとこじゃな……何色じゃった?」


    ジャン「黒かったらしいです」


    ピクシス「!?」


    ジャン「どうか…されましたか?」


    ピクシス「いや、なんでもない……」






    力を奮う者を能力者と一括りしているが


    能力者によっても大きくタイプが違っている


    それは


    ジャンのように擬態できる者と


    エレンのように擬態できない者だ



    擬態できる者は自分の力と関連した姿になるが


    稀に角が生える擬態者がいる


    それは大き過ぎる力が体の中から溢れ、結晶となったもの


    つまり、生える角の数が多いほどその力も強いのだ


    そしてその角の色は自分の力の要素であるのだが…




    ピクシス「(黒なんて色、聞いたことがない)」


    ピクシス「(ジャン……お主の中にはいったい、なにがおると言うのじゃ…)」



    ジャン「じぃ様」


    ピクシス「む?」


    ジャン「俺が帰ってきたのは…」


    ピクシス「わかっておる。お主の中の力を制御したいのだろう?」


    ジャン「はい!」


    ピクシス「力を使わないで生きていくという人生も選べるのだぞ?」


    ジャン「俺は…強くなりたいです。大事な人を守れるくらいに…」


    ピクシス「……おそらくきついぞ?」


    ジャン「わかっております!」


    ピクシス「そうか…それだけの覚悟があるか…」



    ピクシス「では、これからさっそく修行を始める」


    ピクシス「覚悟して挑むように」


    ジャン「はい!」




    ミカサ…俺、強くなるから


    もうお前にあんな思いしてほしくないから


    だから少しだけ待っててくれ








    サシャ「………」
  8. 8 : : 2014/09/14(日) 17:42:47





    少女はとある病室のベットにいた


    彼女の右肩は丁寧に包帯が巻いてある


    それは一週間前


    ある事件に巻き込まれた時のものだ


    本当はあの時、彼女は死んでいた


    頭を撃たれて絶命するはずだった


    彼女の怪我がこの程度で済んだのは1人の少年のおかげだ


    彼女は撃たれた時に気を失ってしまった


    なのでまだ彼にはお礼を言っていない


    というか会えてない


    今どこにいるのかな、と


    彼女はふと考える







    そういえば昔にも似た経験があった



    ーーー
    ーー



    あれはまだ私が小さい頃で


    大きな犬に襲われた時だったと思う


    何故かは忘れたけど


    私は犬に追いかけられていて


    逃げていたら転んでしまった



    もうだめだ



    そう思った時あいつが助けてくれた


    不思議な力を使って


    体を張って助けてくれた




    ーーー
    ーー








    エレン「ミカサ、入るぞ」



    病室のドアをノックする音が聞こえる



    ミカサ「エレン!来てくれたのね」


    エレン「肩…大丈夫か?」


    ミカサ「えぇ、たいしたことないわ」


    エレン「そうか……あぁ、これお見舞い」


    ミカサ「ありがとう!…ってオレンジジュースかい!」


    エレン「なんだよ、お見舞いっつたらオレンジジュースだろ」


    ミカサ「なにそれ」




    そう言って彼女は笑う



    エレン「……ミカサ」


    ミカサ「なに?」


    エレン「ごめんな……助けてやれなくて」


    ミカサ「ジャンが助けてくれたじゃない」


    エレン「……それにもう…知ってるんだろ?」


    ミカサ「エレンの力のこと?」


    エレン「……黙っててごめんな」












    ミカサ「知ってたよ」



    エレン「え……」


    ミカサ「そりゃ、完璧に知ってたわけじゃないけど」


    ミカサ「多分そうだろうなーって」


    エレン「じゃあ…なんで…」


    ミカサ「なにが?」


    エレン「なにがって…知っててなんで普通に接してくれたんだ?」


    ミカサ「なにか問題かしら?」


    そう言って


    彼女はまた笑った


    彼は思う


    やっぱりミカサの笑顔は落ち着く


    自分の悩んでたことが、馬鹿馬鹿しく感じるほどに


    ミカサにはなんだか不思議な力があるみたいだ


    自分の能力のようなものとは、また違う別のなにかが…



    エレン「ありがとな」


    ミカサ「なによ突然」



    その微笑みは彼を勇気づける





    エレン「(アルミンにも謝らないとな)」



  9. 9 : : 2014/09/15(月) 06:20:21



    二週間ぶりに学校へ来た


    休校が終わったのだ


    半壊した体育館の修理はほぼ完成している


    それにしても


    二週間来ないだけでずいぶん懐かしく感じるものだ


    しかし


    懐かしい学校にはいつもの日常はなかった



    エレン「……」



    そこにいつものメンバーはいない


    ミカサがいない


    ジャンがいない





    アルミンがいない



    エレン「………」


    実を言うとあれから一週間経ったがアルミンに会っていない


    だから今日こそは謝ろうと思ったのだが



    アニ「おはよ」


    エレン「おう」


    アニ「なんか……静かだね」


    エレン「そうだな…」


    アニ「…アルミンが言ってたよ」


    エレン「…なんて?」


    アニ「エレンがどっか遠くにいったみたいだって」


    エレン「……」




    ーーー
    ーー




    アルミン「今までずっと隣を歩いていたエレンが、僕の目の前を歩いてるような気がするんだ」



    アルミン「なんだかそのまま遠くに行っちゃいそうで…」



    アルミン「だから……」



    アルミン「僕はまたエレンの隣を歩きたいんだ」



    アルミン「エレンと同等な関係になりたい」



    アルミン「肩を並べて歩きたい」



    アルミン「僕は……」




    ーーー
    ーー




    アニ「またエレンと友達になりたいんだって」


    エレン「……バカかあいつは」


    アニ「ほんと、そうだと思うよ」


    エレン「今までずっと友達だったじゃねぇか……なに勝手に友達やめてんだ」


    エレン「俺は許さねぇぞ」


    エレン「勝手に友達じゃなくなるなんて、絶対許さねぇ!」


    アニ「……」


    エレン「あいつは今どこにいるんだ」


    アニ「わかんない」


    エレン「……ちっ」


    アニ「わかんないけど……」


    アニ「現在特訓中だって」


    エレン「……?」




    彼女はフフッと笑う


    そこまで心配することもなかったかもしれない


    こいつらは友達だから




    やっぱり彼女はなんだか嬉しかった


  10. 10 : : 2014/09/15(月) 06:53:43




    そこは地下数十m


    暗くて冷たい場所


    そこに1人の男がいた


    二週間前


    武装警察の対能力者ロボット


    プログラムをハッキングしてテロを引き起こした男がいた


    彼の手首には手錠がしてある


    その手錠のせいで彼は能力が使えない


    第一位の忌まわしい能力の産物


    これさえなければ


    こんなとこいつでも脱走できるのに、と


    彼は思う


    そこはまさに武装警察本部の真下だった



    ふと足音が聞こえる


    よほどこの場所は広いのか足音がよく響く


    その足音が誰のものなのか


    彼にはすぐわかった


    そいつは同じ血筋のーーー




    リヴァイ「……惨めだなケニー」


    ケニー「これはこれは……アッカーマン家当主様」


    リヴァイ「……その呼び方はやめろ」


    ケニー「…全くお前はすごいよ」


    ケニー「泣く子も黙る武装警察の副署長にして、この国の第二位」


    ケニー「ほんと、アッカーマン家の落ちこぼれである俺とは大きい違いだ」


    リヴァイ「…おちょくってんのか?」


    ケニー「そんなことない、尊敬してんのさ」


    ケニー「代々アッカーマン家はランクAの能力者しか生まれてこなかった」


    ケニー「そんな家にランクBで生まれた俺の居場所はない」


    リヴァイ「………」


    ケニー「本当になかった。これ以上ランクAになれる素質がないとわかったとたん」


    ケニー「俺は家を追い出された」


    ケニー「それに比べてお前はこの国で五人しかいないランクS」


    ケニー「アッカーマン家の誇りだな」


    リヴァイ「……言いたいことはそれだけか?」




    ケニー「………」




    ケニー「もし……俺がランクAだったら、こんなとこにはいないんだろうな……」


    リヴァイ「お前の目的はアッカーマン家に対する復讐か?」


    ケニー「そんなもの興味ないね」


    リヴァイ「だったらなんだ」


    ケニー「言えない」


    リヴァイ「…ちっ、めんどくせぇ」


    ケニー「悪いな」


    リヴァイ「……ちっ…」



    それ以上会話はなかった







    そして








    この街にはもう1人その血を引く者がいた





    ミカサ「………」





    力のない少女が





    「まだ力が目覚めてない」


    少女がいた


  11. 11 : : 2014/09/15(月) 08:22:25





    柔らかい砂に


    終わりのない海


    朝日が水面に反射して


    眩しい光が彼の顔を照らす


    吹かれる風には潮の匂い


    目の前に広がる美しい海にきらめく砂浜


    その砂浜は隣町まで続いている


    まるでどこかの絵本のようにその光景は美しかった


    そんな中


    彼は1人の少女と砂浜を走っていた


    聞こえはいいが


    めちゃくちゃきつい





    一週間前



    ピクシス「んじゃ、おつかい行って来て」


    ジャン「………は!?」


    ピクシス「酒買って来て」


    ジャン「………は!?」


    ピクシス「砂浜走って行くように」


    ジャン「あの!俺の話聞いてました?」


    ピクシス「あのね、力の制御って単純にその器の強化しかないの」


    ピクシス「つまり今は頑張って筋トレじゃの」


    ジャン「………」


    ピクシス「まぁ、本格的な修行はその後じゃな」




    ーーー
    ーー




    というわけで俺は一週間


    一日中砂浜を走っている


    隣の女は監視役らしい


    ちなみに飯もこの海で自分でとらないといけない


    はっきり言って死ぬ


    皆は一日中砂浜を走ったことがあるだろうか?


    ないと思う


    もし走ったことのある人がいるならわかると思うが


    これはきついなんてもんじゃない


    地獄だ






    ………拝啓ミカサ様


    お元気でしょうか?


    肩の傷は癒えたでしょうか?


    あなたは今どこにいますか?


    私は今地獄にいます


    ここから這い上がるには思っている以上に時間が掛かりそうです


    しかし私はあなたのためにーーー





    サシャ「ジャン様!今他の女のこと考えてますね!!」


    ジャン「……なん、でっ!おま、えはっ!息がっ、きれてないっ、」


    サシャ「そんなことはどうでもよか!!」


    ジャン「!?」


    サシャ「私というもんがありながら!あんたはいつもいつも!!」






    拝啓ミカサ様


    私は今……





    サシャ「いい加減にせぇぇぇぇえええええええええええええ!!!!!」




    地獄にいます


  12. 12 : : 2014/09/15(月) 08:40:51





    ペトラ「これから最終試験を行います」


    ペトラ「最終試験の内容は面接です」


    ペトラ「それでは始めます」






    ある一室で行われる最終試験


    ここまでくれば合格は決まったも同然の試験


    これは筆記試験と体力試験を突破した者だけが受けられる試験


    今回の受験者数は二百人を超える






    「武装警察」入隊試験






    その最終試験に辿り着いたのは




    わずか三名




    マルロ-フロイデンベルク


    ライナー-ブラウン




















    アルミン-アルレルト
  13. 13 : : 2014/09/15(月) 16:41:40




    武装警察には2人の副署長がいる


    能力者をまとめるリヴァイと


    力のない者をまとめる





    キース「今回の合格者は三人か」


    ペトラ「副署長」


    キース「どうだった、この三人は」


    ペトラ「はい、マルロは正義感溢れる青年でした。筆記、体力試験ともに申し分ありません」


    ペトラ「ライナーは体力試験で今までにない記録を出してます」


    ペトラ「最後にアルミンですが筆記で初の満点をとっていますね」


    ペトラ「三人とも戦闘部隊を志願しております」


    キース「ほう、ライナーとマルロはわかるがこの金髪も戦闘部隊か」


    ペトラ「はい…正直アルミンは体力試験の方では真ん中くらいでして」


    キース「ふむ」



    ーーー
    ーー




    キース「まずは合格おめでとう」


    キース「私が貴様らをまとめるキースだ」


    キース「三人とも戦闘部隊志願だそうだな」


    「「「はっ!」」」


    キース「その理由を聞きたい」



    マルロ「はっ!自分はこの国の為にであります!」


    キース「そうか、ライナー。お前は?」


    ライナー「はっ!自分は小さい頃友人を失いました!」


    ライナー「そんな時なにもできなかった弱い自分が嫌で志願いたしました!」


    キース「なるほど、最後にお前は?」


    アルミン「はっ!私はっ……」


    キース「……?どうした?」


    アルミン「私には力がありませんっ!腕力も、度胸もありません!」


    アルミン「ですがっ!大事な人がいます!守りたい人がいます!」


    キース「ほう……貴様のような弱い奴に守れるのか?」


    アルミン「守れません!」


    キース「…だったらなぜ武装警察に入った?」


    アルミン「たとえ守れなくとも何もしないのは嫌だからです!」


    キース「…弱い奴がいても戦いの邪魔になるだけだ」


    アルミン「っ!……」


    キース「お前のしたいことは、ただの自己満足にすぎない」


    アルミン「その通りであります!」


    キース「それから勝てないと最初から思っている奴は私の隊にいらん」


    アルミン「それでも私は勝てません!」


    キース「貴様…」


    アルミン「しかし!」


    アルミン「それでも私は立ち向かいたいです!」


    アルミン「相手がどんなに強くても!」


    アルミン「どれだけたくさんいても!」


    アルミン「勝てないとわかっていても!」


    アルミン「私は立ち向かいたいです!」


    キース「……よろしい」


    キース「今日から貴様らを全員戦闘部隊への入隊を許可する!!」


    「「「はっ!」」」


  14. 14 : : 2014/09/15(月) 17:25:58







    悲劇とは突然やってくるから


    なんの準備もさせずにやってくるから


    悲劇なのではないだろうか










    砂浜を走る彼の靴ひもが突然ちぎれる



    サシャ「大丈夫ですか?」


    ジャン「あぁ……まぁ、ずっと走りっぱなしだったからな」


    サシャ「それにしても不吉ですね」


    ジャン「……そうだな」


    ジャン「………」




    ジャン「(ミカサ……)」




    ーーー
    ーー





    「署長っ!どこですか署長っ!」


    ユミル「なんだ…騒がしい」
     

    「きっ、緊急事態発生です!!」


    ユミル「どうした?」


    「落ちてきますっ!」


    ユミル「はぁ?」


    「それもたくさん!数えきれないほど!」


    ユミル「落ち着け、一体なにが…」


    「隕石ですっっ!!!!」


    ユミル「!?」


    「今から五分後、この街に無数の……」


    「隕石が落ちてきます!!!!!!」



  15. 15 : : 2014/09/15(月) 17:58:39





    「どうしましょう!」


    ユミル「とりあえずリヴァイを向かわせろ!そして他の者は市民の避難へと向かえ!!」


    「はっ!」


    ユミル「くそっ!こんな時ヒストリアがいれば……肝心な時にいねぇんだからあいつは!!」


    ユミル「私も早く街へ………」


    ユミル「(……まてよ?何故衛星は隕石の発見がこんな遅くなった?)」


    ユミル「(あと五分後だと?おかしい…)」


    ユミル「(いま仮に私が街に行ったらここはもぬけの殻…)」



    ユミル「……まさか!」




    彼女は携帯を取り出す


    コールをかけるのはここ


    武装警察の本部であるこの場所の司令室


    ユミル「早く出ろっ!」





    「署長っ!いま隕石がっ!」


    ユミル「知っている!それより電源を切れ!」


    「電源…?電源とは…」


    ユミル「ここの!本部のコンピュータからプログラムから電力を全て強制修了させろ!!」


    「しかし、今そんなことをすれば………」


    ユミル「いいから!早く!」


    「わっ、わかりました!」


    そういって電話を切ると本部の電力全てが止まる


    彼女のいる署長室の電気も消える




    ユミル「くそっ!」




    ヒストリアが作った手錠はあくまで


    「手錠をはめている能力者」のみに作用する


    つまり外部からの能力には干渉してしまう


    彼女は薄々ケニーが言っていた組織がなんなのか検討はついていた




    ユミル「(もしあいつがここにいるとすれば!)」


    あいつの能力ならケニーは簡単に脱獄してしまう



    ユミル「急がねぇと」



    彼女は部屋の隅にあった


    1つの大鎌を手に取る


    まるで死神が使うような黒い鎌



    そして


    彼女は足からずぶずぶと


    署長室の床の下へ沈んでいった

  16. 16 : : 2014/09/15(月) 18:17:28




    街はパニックだった


    逃げ惑う人々


    大人


    子供


    年寄り









    老若男女が我先にと他人を押し退ける



    そんな中武装警察は避難誘導を行っていた


    アルミンたちもまた同じ


    今日武装警察に入隊したばかりだろうが関係ない


    そして


    彼は病院へと向かっていた


    1人の少女が気がかりで



    アルミン「ミカサ……」


  17. 17 : : 2014/09/15(月) 21:26:03





    地下深く冷たい場所で


    足音が響く


    男はこの足音を聞いたことがない



    「ケニー」



    しかしこの声は聞いたことがある


    会話を交わした数は少ないが


    耳にはっきり残っている



    ケニー「……エルヴィン」


    エルヴィン「助けに来た」


    ケニー「組織のボスであるあんたがわざわざ……すまないな」


    エルヴィン「気にするな、さぁ早くここを出よう」




    そういって彼は手錠に触れる


    すると手錠は男の手首を


    「すり抜けた」








    ユミル「はぁ、やりやがったなエルヴィン」



    ふと声が聞こえる


    さっきまでそこに人はいなかったはずなのに



    エルヴィン「これはこれは、第五位様。あなたに来られてはどうしたものか」



    ユミル「悪いがそいつは連れて行かせねぇぞ?第三位」




    この国に五人しかいないランクS


    その第三位


    組織のボス


    エルヴィン-スミス



    その第五位


    武装警察署長


    ユミル






    この国最強同士の闘いーーーー



  18. 18 : : 2014/09/15(月) 22:02:29



    武装警察には


    リヴァイのまとめる部隊と


    キースがまとめる部隊があるといったが


    実はもう1つある


    署長直属の部隊が



    その部隊の目的は1つ


    ある人物の特定


    それはーーー






    ユミル「いるんだろ裏切り者が」


    エルヴィン「なんのことだ?」


    ユミル「とぼけるな、武装警察にお前らの仲間がいるだろって言ってんだ」


    エルヴィン「そんなことないさ」


    ユミル「ほんと食えない奴だ」



    そういうと彼女は近くの壁に触れる



    するとその手はドプンッと壁の中に



    浸かった



    否、突然


    男の足元の床から


    いや、床そのもの。床自体が


    男を攻撃した


    床から生えた3つのトゲが男を


    突き刺す



    男の背を


    腹部を


    頭を突き刺す




    しかし




    男は平然と立っている


    突き刺さったところから


    血は出ない




    エルヴィン「無理だよ。君の能力では私を倒せない」


    ユミル「ちっ…全くふざけた能力だ」




    エルヴィン「どうだケニー、ハッキングできたか?」


    ケニー「いや、やっぱり無理だ。電源が入ってねぇとハッキングは出来ない」


    エルヴィン「全く…君もやってくれるよユミル」


    ユミル「はんっ!ざまぁ見やがれ!」



    エルヴィン「これ以上ここにいても無駄だな。さて、マルコとナイルはうまくやってるかな?」


    ユミル「どういうことだ!」


    エルヴィン「言うと思うか?では、私たちはここら辺で失礼させてもらう」


    ユミル「させるか!」


    エルヴィン「無駄だよ、君に選択権はない」





    この国の第三位の能力


    それは



    触るか触らないかの「選択権」


    つまり彼は選べるのだ


    触りたいものと触りたくないものを


    しかもその選択権は


    彼の意志しだいでは


    彼が触れているものにも与えられる




    ただ1つを除いて




    彼女は壁の中から自分の手を抜き出す


    そこにはあの大鎌が



    エルヴィン「それは…」


    ユミル「あぁ、ヒストリアが私の為に作ってくれた」


    エルヴィン「……チィ」




    そうそれは



    この国の第一位の産物

  19. 19 : : 2014/09/16(火) 21:16:49


    ユミル「この鎌は私の能力だけ干渉出来るようになっている」


    ユミル「つまりこいつでお前を倒せるってわけだ」



    そういって彼女は微笑む


    まるで死神のように



    そして



    彼女はまた壁の中へと入っていく


    今度は手だけでなく


    彼女の体全てが




    第五位である彼女の能力


    それは「同化」


    気体、液体、個体全てに彼女は同化することができる


    ようするに


    今、この本部は彼女の体の一部なのだ


    この本部そのものが彼女の要塞


    さらに彼女の大鎌は「彼女だけの能力に干渉」するわけで




    彼女は大鎌で


    この本部のどこからでもエルヴィンに斬りかかれるのだ


    そしてこの大鎌には


    エルヴィンの選択権は発動しない


    エルヴィンは選べないのだ


    大鎌に触れたくないと


    彼の能力はこの大鎌の前では無意味





    エルヴィン「化け物め」



    ユミル「それはお互い様だろ?」



    後ろから声がする


    振り返ると


    そこには数えきれないほどのトゲ


    この部屋の壁や床が伸縮性のトゲ状となって襲いかかる



    エルヴィン「…くっ!」



    とっさにケニーに触れるエルヴィン



    ケニーにふれた瞬間、ケニーにも選択権が与えられる



    そして無数のトゲが彼らを



    すり抜ける









    1つのトゲを除いて





    エルヴィン「ぐあぁっ!!」



    トゲはその色を真っ赤に染めながら



    彼の腹部を貫く



    ユミル「言ったろ?私の能力は干渉するのさ、大鎌だって壁と同化できる」



    彼は握っていた携帯電話を落とし


    口から血を大量に吐き出す




    エルヴィン「ぐ……かはぁ……」




    息が出来ない


    吸えない


    吐けない



    苦しい


    苦しい


    苦しい


    苦しーーー



    ユミル「苦しそうだな」


    ユミル「いま………」







    「楽にしてやるよ」




    未だ壁と同化して姿を見せない彼女が


    声だけを聞かせながら1つのトゲを床から生やす



    そしてそれは彼に向かって



    襲いかかる



  20. 20 : : 2014/09/16(火) 22:03:54




    彼はこの街で1番高いビルの屋上にいた


    空から落ちてくる石ころを街に落とさないために



    リヴァイ「……きたか」



    彼の目線の先には


    光り輝く無数の隕石


    それは美しかった


    例えるなら


    夜空満天に輝く星が降り注ぐようで


    しかしその美しさは


    世界の終わりを感じさせる



    リヴァイ「……ちっ」



    落ちてくる石は直径10~30cmの石ころである


    対したことないように思えるが


    これが1つでも落ちてしまえば


    数十mのクレーターが街にできてしまうだろう


    そんな石ころはざっと


    2000個を超える






    彼は両手をかざす


    この国の第二位の能力


    それは森羅万象


    対象の周りのものをブラックホールのごとく対象に引きつける


    または


    「引き離す」


    まさに神の力



    彼は対象を自分に設定



    その力を隕石に向け


    放つ


    隕石を自分から遠ざける


    彼の両手から出る力は2000を超える隕石を


    宇宙へと押し返す



    隕石と力がぶつかる場所では


    すさまじい衝撃波が発生する


    彼のいるビルのガラスが全て割れてしまう


    そのビルだけではない


    街中のガラスが割れ


    屋根が吹き飛び


    気温が上昇


    地面が沈み


    空気が軋む






    隕石は全て宇宙へと押し返した






    しかし


    すぐにまた同じくらいの数の隕石が降ってくる



    リヴァイ「………くそ…」



    2000を超える隕石を押し返すほどの力


    それだけの力を使ってしまえば


    次の力を使うまでに数秒時間がかかってしまう


    インターバルがあるのだ



    リヴァイ「…絶対に…落とさせねぇ!」



    彼はまた力を放つ


    そしてまた


    衝撃波が生まれ


    隕石は宇宙に還り


    また


    降ってくる


    ただそれの繰り返し


    ただ


    繰り返す


    繰り返して


    繰り返して


    繰り返して


    繰り返して


    繰り返して


    繰り返して


    繰り返して


    繰り返して


    繰り返して


    繰り返す





    リヴァイ「はぁ…はぁ……くそっ!」




    また降ってくる


    しかも


    落ちてくる間隔が短くなってきている


    それでも


    繰り返す


    それでも


    彼は力を放つ


    街を守るために


    街の人々を守るために


    だが、


    その力はだんだん弱くなり


    ついに1つの石ころが


    宇宙から投げ込まれた数cmの石ころが







    地球に落ちた




  21. 21 : : 2014/09/17(水) 06:09:37





    男は街の中心を走っていた


    さっきからいくつもの隕石が降り注ぐ


    いつ死んでもわからないこの街の中心で


    無力の男が走っていた



    ライナー「誰かー!逃げ遅れた人はいませんか!?」



    彼は叫びながら走る


    自分の命を懸けて


    住民の避難にあたる



    もう自分が無力で誰かを失うのは嫌だから


    彼もまた心に傷を負っている者だった






    彼は孤児院で育った


    親はいない


    気がついた時にはもういなかった


    顔も覚えていない


    しかし彼は寂しくなかった


    1人の友人がいたから



    いたから



    友人は行方不明になった


    誘拐されたのだ


    目的はわからないが


    彼の目の前で誘拐された


    警察が言うには友人は能力持ちで


    その能力が目当てで誘拐されたのだろうと言う


    そんなこと、知るかと


    彼は思った


    そんなことで自分のたった1人の家族を奪われてたまるかと


    彼は思った


    だから


    強くなろうと


    彼は思った


    大切なものを奪われない為に


    そうして武装警察に入った


    その初日


    彼は出会う


    生き別れたたった1人の


    家族と












    ライナー「お前……なんでこんなとこに……」


    「………」















    ライナー「……ベルトルト」





  22. 22 : : 2014/09/17(水) 06:43:17




    ライナー「こんなとこで……一体なにしてんだ!?」


    ベルトルト「隕石だよ」


    ライナー「は……?」




    ベルトルト「隕石を落としているのさ」




    ライナー「なん……だ、と…」


    ベルトルト「今、僕の能力で隕石を落としてる」


    ライナー「何故っ!!!」


    ベルトルト「リヴァイを引きつける為だよ」


    ライナー「…副署長を?」


    ベルトルト「うん、ケニー…って言ってもわからないか」


    ベルトルト「1人のテロリストを逃がすために今リヴァイをこの街に引きつけているんだ」


    ライナー「……そんだけ…」


    ベルトルト「え?」


    ライナー「そんだけのために一体何人の人が死んだのかわかってるのかっっ!!!」


    ライナー「そんなくだらない理由のせいで一体いくつの命がなくなった!!!」


    ベルトルト「……やっは君は優しいね」


    ベルトルト「とても優しくて…」




    ベルトルト「ぬるいよ」




    そこにかつての友人はいなかった


    いるのはただの犯罪者


    本当は会えたことを喜びたいのに


    もっと別の、楽しい会話をしたいのに


    なんで……こんな……




    ベルトルト「ごめんねライナー」








    「死んで」








    ライナー「っ!!」





    彼は決める


    闘うことを決める



    ライナー「なんで…そんな風になっちまったかは知らねぇが…」



    ライナー「お前は俺が止める!!!」



    彼は拳を強く、強く、握りしめた


  23. 23 : : 2014/09/17(水) 17:34:18




    電力の切れた暗い武装警察本部


    そこに2人男がいた



    オルオ「マルコさん……」



    彼はユミル直属の部隊の1人だった


    彼の使命は


    "裏切り者"の特定



    マルコ「………」


    オルオ「やっぱりあんたが……」


    オルオ「裏切り者なんですね」


    マルコ「……久しいねオルオ」



    この2人はかつて上司と部下の関係だった


    そんなある日


    突然マルコは武装警察から姿を消した


    ちょうどそのころだった


    ユミル直属の部隊が出来たのは





    オルオ「なんで…」


    マルコ「君には色々なことを教えたねオルオ」


    マルコ「犯人の捕まえ方から、始末書の書き方まで」


    マルコ「それと……敵に対する心得も」


    マルコ「……覚えているかい?」


    オルオ「……敵に…情けをかけるな」


    マルコ「なんだ、忘れたのかと心配したじゃないか」


    オルオ「……わかりました」


    オルオ「俺は俺の中のマルコさんに従います」


    マルコ「うん、それがいいよ」


    オルオ「あんたを…倒す」


    マルコ「言うねー、オルオ。だけどそれは無理だ」



    その瞬間


    オルオの世界が歪む



    オルオ「!?」


    マルコ「忘れたのかい?僕の能力を」


    オルオ「まさか…最初から…」


    そう言って彼は倒れる




    マルコの能力


    それは麻薬


    彼の体からは麻薬に似た無色無臭の毒が分泌される


    それを気化していたのだ




    マルコ「駄目じゃないか、敵の前でそんな風じゃ」


    オルオ「くっ…」


    マルコ「君にはしばらく夢を見ていてもらうよ」



    彼の毒は取り込んだ生物に幻覚を見せる


    その幻覚自体も彼の思うがままに見せることができるので


    毒を取り込んだ者は場合によっては精神崩壊してしまう


    あまりにも呆気なく勝負がつく


    これがランクBであるマルコの力なのだ





    勝負がついてすぐ彼にメールが届く


    差出人はエルヴィン


    合図の連絡だ



    マルコ「了解っと、ごめんね署長」



    彼は携帯のボタンを押す


    すると


    彼があちこち仕組んだ爆弾が


    この本部で爆発する


    現在ユミルの体となっている本部を


  24. 24 : : 2014/09/19(金) 05:50:30



    ユミル「楽にしてやるよ」


    彼女の言葉と共に



    トゲが彼に向かって襲いかかる


    しかし


    血を噴き出して倒れたのは


    壁から出てきたユミルだった



    ユミル「ぐはぁっ!!!」



    本部がマルコによって爆破された


    つまり


    ユミルにとってそれは


    爆弾を体内で爆破されたのと変わらないのだ


    だがエルヴィンもヒュー、ヒューと口から空気が出る音しかせず


    まともに息が出来ていない


    お互い瀕死の状態だ


    と、そこへ


    1人の男がくる



    マルコ「あれ?署長まだ生きてるの?火薬の量間違えたかな」



    この最悪のタイミングで男がくる



    マルコ「うおっ!エルヴィンそれ生きてるの?」



    その答えにはやはりヒュー、という音しか返ってこない



    マルコ「かわいそうに…僕が」





    マルコ「いま楽にしてあげる」






    そう言って彼に手を伸ばす



    ケニー「お、おいっ!仲間なんじゃないのか!?何をするつもりだ!」



    彼は男の言うことを無視して傷口に触れる


    すると、


    血がとまった



    ケニー「な……」


    マルコ「僕の毒で血を固めたんだ。あくまで応急処置だけど」


    マルコ「あ、ついでに痛覚も麻痺させてるから」


    エルヴィン「……うむ、動ける」


    マルコ「よかった、じゃあさ……」




    マルコ「署長どうする?殺す?」




    ユミル「……っ!」


    エルヴィン「あぁ、こいつは後々厄介になるからな」



    そう言って彼女に手を伸ばそうとした


    そのときだった


    暗闇から



    あの大鎌が



    彼を襲う



    エルヴィン「っ!」


    ケニー「誰だっ!」



    「署長には…」







    キース「手出しさせんぞ!エルヴィン!」


    エルヴィン「…全く…今日は本当によく懐かしい人に出会う」


    マルコ「げっ!キース上官…」


    キース「今は副署長だ!馬鹿者め!」


    エルヴィン「そうでしたか、昇任おめでとうございます」








    エルヴィン「先輩」

  25. 25 : : 2014/09/19(金) 06:07:59





    キース「黙れ、武装警察を抜けた貴様にそんな事を言われると寒気がする」


    エルヴィン「すみません、つい癖で…」


    キース「お前は今日私が責任を持って殺す」


    エルヴィン「それはちょっと困りますね」



    そう言って彼はケニーとマルコに触れる


    瞬間


    彼らは床の下へと消えていった



    キース「……エルヴィン…」


    ユミル「…げほっ!!」


    キース「署長!!」


    ユミル「大、丈夫だ。マルコめ…演技とはいえ、これはやり過ぎじゃないか…」


    キース「……?それはどういう…」


    ユミル「…くっ、くくく……」


    キース「しょ、署長?」





    ユミル「あいつはまだ武装警察を辞めてねぇよ」





    キース「!!」


    ユミル「私たちもスパイに潜り込まれちゃいるが……」



    ユミル「お互い様ってことだな!!」




    そう言って彼女はゲラゲラと笑う


    それを見て彼は思う


    この人だけは敵にまわしたくないと


  26. 26 : : 2014/09/19(金) 19:02:54



    壊滅した街に


    虚しく鳴り響くコール




    ベルトルト「はい」


    エルヴィン「"ベルトルトか?ケニーは奪還した"」


    エルヴィン「"隕石はもう大丈夫だからナイルの方へ向かえ" 」


    ベルトルト「わかりました」



    携帯を閉じる彼の足下には


    かつて家族だった男が



    ライナー「」



    武装警察の装備しているヘルメットは割れ


    防弾チョッキは無残にも無数の穴が空いており


    そこからはベットリとした


    赤い液体の水溜りができていた



    ベルトルト「ばいばい、ライナー」



    そんなかつて家族になんの未練も無いように


    彼は行ってしまう













    そこへ






    ザッ、ザッ、という足音


    瓦礫を踏む


    子供の足音


    人1人いないはずの危険地帯に


    子供の足音が響く


    その音は倒れている男の前で止まる






    「……かわいそう」



    「私、ずっと見ていたよ」



    「家族同士で闘うなんてあまりにも酷いよね」



    「あなたはまだ死んじゃ嫌だな」



    「おいで」



    「私の世界へ」



    その瞬間


    彼の寝ている地面にシックな扉が現れる


    そして、開く


    そこには


    深い、深い闇が


    彼はそこへ


    ゆっくりと落ちていった


  27. 27 : : 2014/09/19(金) 20:44:12




    どこからか


    声が聞こえる



    "もう大丈夫だよ"



    優しくて、柔らかい声だ



    不思議と心が癒される



    "私はクリスタ、覚えていて"



    "でも私はクリスタじゃない"



    "クリスタであって、クリスタじゃないから気をつけて"
     


    "あなたとはまた会えるはず"



    "だからこれ、あげるね"



    "きっと役に立つよ"



    "それじゃあ、またね"



    その声は遠く離れていく


    すると


    急に周りが騒がしくなる



    「おい!こっちも急げ!」

    「駄目だ!人手が足りない!」

    「うちの子はまだ見つからないんですか!?」

    「痛いぃ!痛ぃぃぃ!」



    目を開けるとそこには怪我人と武装警察で溢れかえっていた



    ライナー「ここ本部か…俺、いつの間に……どうやって…」


    キース「起きたかブラウン」


    ライナー「副署長!」


    キース「体は大丈夫か?お前の怪我は死んでいておかしくなかったのだから」


    ライナー「え……」


    キース「全く不思議な奴だ。服に付着している血の量から予測して、致死量は超えているはずなのに…」


    キース「それどころかお前の傷は全てふさがっているぞ」


    ライナー「……クリスタ」


    キース「む…」


    ライナー「自分は死にかけてその後…」


    ライナー「クリスタ、という子供らしき人物に会ったことを覚えています」


    キース「そうか…それで…」


    ライナー「……?」


    キース「どうやらお前は気に入られたようだな、運が良い」


    ライナー「運……ですか?」


    キース「あぁ、それが何よりの証拠だ」



    そういう彼の目線の先には


    見ただけで重そうな大剣があった


    ライナー「これは……?」


    キース「お前の物だ。大切にしなさい」


    ライナー「俺の……」


    キース「そういえば何故お前はそんな怪我を?」


    ライナー「それは……」






    ライナー「(ベルトルト……)」



    ライナー「覚えて、いません」


    キース「そうか…なら仕方ない」


    キース「ではブラウン、お前にも怪我人の手当てと行方不明者の捜索に当たってもらう」


    ライナー「はっ!」


    キース「お前はあまり無理するなよ」


    ライナー「はっ!」


    キース「うむ、ではよろしく頼むぞ」


    そういって副署長は行ってしまった









    ライナー「……ベル…」



  28. 28 : : 2014/09/20(土) 16:00:26





    隕石が降り注いだ街に


    一ヶ所だけ被害のない場所があった


    そこは病院


    彼女のいる病院



    しかし



    病院の中は嫌に静かだった


    気味が悪いほど静かだった







    そこに


    1人の男がいた


    ジーパンに


    黒いジャケットを羽織っている


    右手首には金色の太い腕輪をしていた


    腕輪以外はラフな格好の男


    どこにでもいそうな男


    そんな男が


    廊下を歩いている


    廊下には看護師が


    医者が


    患者が


    お見舞いに来た人が倒れている


    生死はわからないほど


    ピクリともしない


    その廊下を平然と男は歩いていた





    その男はある病室の前で止まる


    その病室のプレートには





    ミカサ-アッカーマンの文字が





    ナイル「お姫様、発見っと」



  29. 29 : : 2014/09/20(土) 23:26:59





    ベットには幸せそうに寝息をたてる少女


    アッカーマン家の血を引く少女


    男は


    その少女を抱えようとする









    その男の左足を


    1つの弾丸が


    狙う









    弾丸は


    男の左足を貫くためだけに


    螺旋をえがく



    しかし



    弾丸は当たらない


    当たる直前で


    ピタリと止まる


    そしてそのまま


    弾丸は


    自身が放たれた方向へと


    逆戻りする


    彼の手元の武装警察専用の銃へと




    アルミン「っっ!!!」


    アルミン「(あの力……能力者か!!)」


    ナイル「へぇ、ここに来る武装警察はいないと思ったがな」


    アルミン「ミカサをどこへ連れていくつもりだ!」



    男は彼の質問に返答しない


    ただ、ニタァと笑いながら


    人差し指で自分のこめかみを突つき



    ナイル「でも駄目じゃないか」


    ナイル「ここを狙わないと」


    アルミン「!?」


    アルミン「(……狂ってる…)」


    ナイル「それと…」


    ナイル「俺いま忙しいから邪魔すんなよ?」








    刹那



    彼は背中に衝撃をくらう



    アルミン「がぁっ!!!」



    彼を襲ったのは病院の壁の瓦礫だった



    ナイル「最近じゃ、どの建築物も鉄筋コンクリートなんだよな」



    男がそうつぶやく中、今度は頭上から瓦礫が襲ってくる



    瓦礫はそのまま激突し



    彼のヘルメットを吹っ飛ばす



    アルミン「ーーーっっ!!、」



    目がチカチカする


    視界が白くなり体の平衡感覚が失われる


    そこへ


    男の蹴りが


    彼のみぞへと炸裂する



    アルミン「ぶはぁっ!!」



    勢いよく倒れてしまう


    息ができない


    そんな彼の顔面を男は容赦なく蹴り飛ばす


    鼻からは血が噴き出し


    体の力が入らない



    ナイル「そこで寝ときな」







    勝てない


    体格も


    腕力も、脚力も


    向こうのほうが断然上


    さらには能力者


    勝てるはずがない


    弱い自分が勝てる可能性なぞ


    微塵もない


    力もうまく入らない





    けど






    このままではミカサは連れて行かれる


    それは嫌だ


    敵は強くて


    能力者で


    もしかしたら


    死んでしまうかもしれなくて


    怖くて


    体が震えて


    涙が出そうで


    それでも



    やっぱり



    今、ミカサには自分しかいなくて






    目の前の男には





    絶対に勝てないけど













    ナイル「…………あ?」












    彼は立ち上がる




  30. 30 : : 2014/09/21(日) 00:02:05







    ナイル「お前……しつこいな」



    そう言って彼を蹴り飛ばす


    今度は少し力を入れて彼を蹴り飛ばす


    すると、面白いほど彼は転がる



    そして



    立ち上がる



    ナイル「………」



    胸ぐらを掴み殴る


    何回も殴る


    彼はもう抵抗する力もなく


    されるがまま


    殴られる



    胸ぐらを離すと彼は倒れてしまう



    そしてまた



    立ち上がる





    ナイル「……なぁ、やめてくれよ」


    ナイル「俺は無駄な殺生はしたくないんだ」


    ナイル「お前じゃ俺には勝てねぇよ」


    ナイル「そのくらい、わかるだろ?」




    アルミン「あぁ、わかってるさ」



    ナイル「………ちっ」




    男は手を翳す


    すると男の周りにある瓦礫が浮かぶ


    それらが一斉に


    彼を襲う




    アルミン「がぁっっ!!!!」




    前から


    後ろから


    左から


    右から


    上から


    下から






    彼は倒れることも許されないまま



    瓦礫をくらい続ける



    それはあまりにも無残な光景



    男が攻撃をやめると



    やはり彼は倒れてしまう



    それでも


    いくらやっても





    ナイル「……お前はなんなんだ」


    ナイル「何故立ち上がる?」





    アルミン「うぅ……」



    アルミン「か、てない…のは…」


    アルミン「わかって、る」



    アルミン「ぼく、が、何も出来ないのも……」


    アルミン「僕自身が……いち、ばん……よく知って、いる」



    アルミン「能力者…なんかに、勝てない…こと、くらい…」


    アルミン「自分が、弱いこと、くらい…」





    アルミン「ちゃんとわかってるんだ!!」





    アルミン「僕が、お前に、勝てないのは…」





    アルミン「僕が一番よくわかってるんだよぉッ……!!」





    アルミン「それでも」



    アルミン「嫌なんだ」



    アルミン「自分だけなにも出来ないのは、もう、嫌なんだ」



    アルミン「立ち向かいたいんだ!」



    アルミン「勝てる勝てないじゃない」



    アルミン「ここで僕はお前に…」





    アルミン「立ち向かわなくちゃいけないんだ!!!」










    彼は立ち上がる









    そして




    フラフラと男に近寄り



    拳を前に出す



    もうそれは



    拳と呼んでよいものかもわからない



    ペチンと音をたて



    彼の拳は



    男の胸に



    当たる




    ナイル「……お前はすごいよ、素直に尊敬する」



    ナイル「だからここで手を抜いたら失礼だ」



    ナイル「…覚悟、しろよ?」




    男は拳を握り締める



    握り締めて



    思いっきり



    彼を殴り飛ばした






  31. 31 : : 2014/09/21(日) 00:07:22







    彼は吹っ飛んだ





    しかし




    彼は床には倒れない







    1人の男の腕の中へと


    彼は倒れた





    男は倒れる彼を支えるために


    持っていた物を離す





    静寂の中





    カコンッという音だけが彼の耳に響く



    彼は遠退く意識の中


    それがなんなのか見た



    それは



    どこにでも売ってる












    オレンジジュースの空き缶だった












    それだけで男が誰なのか


    彼にはわかる



    誰が来てくれたかが


    わかる



    もう目を開けていられないけど


    目の前の敵は強いけど


    もう大丈夫だということがわかった










    エレン「俺が唯一」




    エレン「オレンジジュースより好きなものって何か知ってる?」



    ナイル「……りんごじゅーす?」

















    エレン「友達だ」












    彼に


    その声はしっかりと聞こえていた



    ここで彼の意識は途切れる


    自分は役目を果たせたから



    きっと



    エレンがミカサを守ってくれるはずだから



    そして



    エレンが、友達と言ってくれたから




    彼は安心して眠った




    ナイル「…だったらなんだよ?」





    エレン「お前は俺が……」




    エレン「ぶっ飛ばす!!!!」





  32. 32 : : 2014/09/21(日) 17:12:23




    ナイル「ふむ……友達か、そういうのは嫌いじゃない」


    エレン「……」



    彼はそっと、友人を床に寝かす



    ナイル「ただ、俺をぶっ飛ばすほどの力がお前にあるかな?」


    エレン「……」



    彼は何も言わない


    だが、その瞳は怒りに燃えていた



    ナイル「……いいね、いい目だ」


    ナイル「復讐に満ちている」


    ナイル「そんな目をされると」




    ナイル「全く……殺したくなるじゃないか」



    男は手を翳す


    再び力を使おうとする



    しかし



    使えない


    いや、使えなかった


    あまりにも速すぎたから



    ナイル「!?」



    男の視界は暗くなる


    掴まれたのだ


    男と彼との距離は数mはあった


    その距離を彼は一瞬で詰めて


    男の頭を掴んだのだ



    ナイル「なっ!!」



    そのまま病室の窓へと


    押し出す


    割れたガラスが二人を包む


    ここは三階


    無論


    外に出た瞬間、重力に襲われ


    真っ逆さまに落ちていく


    それが地球の摂理


    の、はずだった


    しかし彼は重力に逆らい


    そのまま


    男の頭を地面に叩きつけようとする


    彼の背中には


    八つの翼が


    黒い、禍々しい翼があった


    重力にプラスして翼がはばたき


    その速度をあげる


    そして


    男の頭と地面の距離はゼロにーー






    ならない



    地面にぶつかる寸前で


    男は浮く



    そしてそのまま


    男は彼と自分の間に脚をいれ


    蹴り込む


    その蹴りを彼は二枚の翼がで防いだが


    彼の手は男から離れてしまう


    が、彼は攻撃をやめない


    四枚の翼で飛びつつ


    残る二枚の翼で


    横になって浮いている男を襲う


    殺すつもりで


    襲う


    鋭く尖った翼は突き刺さる









    地面で作られた壁に


    突き刺さる



    エレン「!?」



    そこには


    地面で作られたドーム状の壁があった



    まるで生きているかのように


    地面が


    横になっている男を守ったのだ



    ドーム状の壁は表面から棘を出す



    エレン「くっ!!!」



    彼は距離をとるが


    棘は追いかけてくる



    エレン「邪、魔、だ!」



    彼は翼を振るう


    すると地面で作られた棘は簡単に壊れる



    壊れると同時に男は、ドーム状の壁から出てくる






    ナイル「危ねぇぇ!!ちょ、能力者かよ!!俺、街じゃなかったら死んでたぞ!?」



    エレン「………」



    ナイル「いや~、いいね!これだよこれ!!」


    ナイル「俺がしたかったのは誘拐とかじゃなくて、こういう命を懸けた闘い!!」



    ナイル「くくくッ……やっと暴れるられる…」



    ナイル「血が滾るなぁ!!!」


    ナイル「こういうのをずっと楽しみにしてたんだ!!!」


    ナイル「だから……」









    「簡単に壊れるなよ?」


  33. 33 : : 2014/09/23(火) 07:59:04





    エレン「(…一体どんな能力なんだ…)」



    ……まぁどうでもいいか、と彼は思う



    エレン「どうせ、殺すから」



    ナイル「そうこなくっちゃ!!」



    男は再び力を使う


    その前に彼は男との距離を詰めようとするが


    できない


    地面から高い壁が


    彼と男の間に現れたから


    彼はまた地面の壁を壊さんと


    翼を振るう



    エレン「!!?」



    しかし


    壊れない



    エレン「硬い……金属?」



    ナイル「ご名答!!」



    2m程の壁が圧縮される


    圧縮


    圧縮


    圧縮


    圧縮



    そして



    細い一本の槍になる



    それは言うまでもなく



    とてつも硬い



    槍は浮いている



    エレン「金属を操る能力か……」



    ナイル「当たってるけど少し違うなぁ」



    ナイル「俺は磁石さ、俺自身が磁石」



    ナイル「磁力を与えた金属を操れるのは勿論、磁界の向きまで思いのまま……」



    ナイル「つまり、街中金属で溢れているこの場所は!」



    ナイル「俺のフィールドってわけさ!!」



    ナイル「今の説明で理解できたかな?」



    エレン「俺は理科が嫌いだ」



    そう言うと彼は纏う



    暗黒物質の鎧を



    全身が黒く染まり、八つの翼



    その姿はまさに悪魔…いや、



    堕天使



    堕天使は暗黒物質で黒刀をつくる



    暗黒物質が作れる最も硬い密度で



    峰のない両刃の黒刀をつくる



    ナイル「それは残念」



    刹那



    病院の屋上が全て



    「持ち上がる」



    エレン「…………」



    それらは七つの塊に分けられ



    再び圧縮



    圧縮


    圧縮


    圧縮


    圧縮




    男の周りにはあっという間に



    超高密度の槍が八本



    男の周りに浮く



    そのうちの一本が磁力で放たれる


  34. 34 : : 2014/09/23(火) 08:44:22






    ナイル「お前さ、リニアモーターカーって知ってる?」



    それは


    磁力で進む乗り物


    その速度は500kmを超えると言われているが


    実際の理論上、その最高速度に限りはない



    この乗り物は周りのコイルを利用して


    反発力と吸引力により進む



    ナイル「実際リニアは空気抵抗が大きいけど…」


    ナイル「空気抵抗の少ない槍を放つと、どうなるかな?」



    エレン「っっ!!?」



    ナイル「コイルは地中の金属で十分」



    槍が放たれた


    彼は間一髪それを避ける


    男が力を使う前に動いていなければ


    死んでいた


    速い


    ありえないほど、速かった


    その速度は彼でも避けられない


    今のは運が良かった


    次は…ない




    放たれた槍は消えていた


    摩擦熱で溶けたから


    それほど速かった


    高密度の槍が消滅するほどに


    彼は振り返る


    槍が飛んでいった方向を見る


    そこにはなにもなかった


    無人の街に空いた通り道


    槍の通り道


    そこにはなにも「なかった」


    数km先まで




    エレン「くっ……」



    そんな槍があと七本



    これが実力


    男の実力


    "ランクA"の実力



    いつの日か少女は言った



    ランクAは「生きた兵器」だと


  35. 35 : : 2014/09/23(火) 12:38:55





    死ぬ


    このままだと死ぬ


    考えろ


    考えろ


    どうする


    どうすればいい?


    圧倒的な力の差


    どうすれば、埋めれる?


    どうすれば、勝てる?


    どうすれば、ミカサを守れる?





    彼は頭を働かせる


    暗黒物質では勝てないのは一目瞭然だった


    そうなってしまうと


    彼に残される答えは


    一つしかなかった




    ーーーー
    ーーー
    ーー





    "殺してやるよ"


    エレン「……でやがったな」





    そこは暗い場所


    周りには、なにも見えない


    目の前には黒く染まった


    海があった


    どうみても彼が知っている海ではなかった


    本当に海かはわからない


    ただその端が見えないほど広かった




    彼は岸に立っていた


    一歩進めば


    暗い闇の底に沈んでしまう


    そんな場所に彼はいた




    黒い水から声がする


    暗く冷たく低く


    寂しい声が




    "俺が殺してやるよ"




    声がするたびに水面に波紋ができる



    エレン「お前は…なんなんだ?」


    "……"


    "…くっくっく……"


    エレン「……」


    "お前には無理だ"


    "お前はあいつには勝てない"


    "お前はミカサを守れない"


    "だが俺なら倒せる"


    "俺ならミカサを助けられる"


    エレン「……」


    "安心しろ、この間みたいにお前は寝とけばいい…"


    "俺が全部……"


    エレン「だまれ」


    "………"


    エレン「俺はもうお前には頼らない」


    "………"


    エレン「あいつらは俺を受け入れてくれた」


    エレン「今まで騙してきた俺を」


    エレン「友達と呼んでくれた」


    エレン「俺の友達は俺が、助ける」


    "……笑わせるな、友達?"


    "あいつらはお前の今の姿を見ても"


    "本当にそう言うと思うか?"


    "いいか、よく聞け"


    "ここはお前の世界だ"


    "この暗く冷たい場所は"


    "お前の全てだ"


    "お前の本当の理解者は"


    "俺だけだ"


    "それを……"


    "忘れるなよ"


    エレン「………」




    ーーーー
    ーーー
    ーー




    ナイル「どうした、ボーッとして」


    エレン「……すぅぅ…ふぅぅぅぅ…」


    目を瞑り、深く息をする



    誰がなんと言おうが


    あいつらは俺の


    俺の……


    俺の……





















    なんだ?














    ナイル「……残念だ」


    ナイル「お前の目にはもう、殺意は見えない」


    ナイル「今あるのはただの迷いだけだ…」


    エレン「………」


    ナイル「さっきまでの殺意に満ちた目は素晴らしかった」


    ナイル「まさに俺らの目だった……」


    ナイル「人殺しの目だ」


    エレン「……俺は…」


    ナイル「お前には素質がある」


    ナイル「…なぁ、お前」








    ナイル「俺たちの仲間になれよ」


  36. 36 : : 2014/09/23(火) 13:07:02











    エレン「ふざ、けるな」


    エレン「誰が…お前らみたいな人殺しの仲間なんかに…」


    ナイル「そうか…残念。非常に残念だ」


    ナイル「なら……もう死ねよ」


    エレン「………」



    七つの槍が彼に狙いを定める




    これを食らったら死ぬ


    確実に死ぬ


    だめだ


    まだ死ぬわけにはいかない


    まだ死ねない


    ミカサを守んないと


    友達を……







    ……あれ?友達って…







    エレン「なんだっけ?」





    ナイル「あばよ」




    男の周りに浮かんでいる


    七つの槍が


    彼をーーーー












    「エレェェェェェンッッ!!!」







    エレン「!!?」



    ナイル「……?なんだ?」



    ミカサ「立ちなさいっっ!!!!」



    エレン「……ミカサ…」



    ナイル「お姫様…起きちゃったか…」



    ミカサ「こんなとこで!私の大切な人が死ぬなんて…」



    ミカサ「絶対!!許さないんだからっ!!!」



    エレン「大切な……人」



    ミカサ「勝手にいなくならないでよ!!私たち…」



    ミカサ「友達じゃない!!」












    そこは


    暗く冷たい場所


    黒い海がある場所


    そこに


    温かい光が




    幾つにも重なった雲が晴れる


    もう、黒い海はなかった


    あるのは光に反射した


    青い海だけだった














    ナイル「……嫌な目だ」


    ナイル「人殺しでも、迷いに溢れた目でもない」


    ナイル「俺の嫌いな…」





    ナイル「ただ真っ直ぐな目だ」















    エレン「……こい、"黒"」
  37. 37 : : 2014/09/23(火) 18:11:08







    "俺は頼らないんだろ?"


    エレン「俺じゃミカサを守れない」


    "………"


    エレン「力を貸してくれ」


    "………ふん"


    エレン「ははっ…やっぱお前は俺だな……」



    ーーーー
    ーーー
    ーー




    エレン「ありがとう」



    彼は暗黒物質の鎧を解く


    代わりにそれは現れる


    暗黒物質の黒刀に纏わりつく


    それは


    彼が"黒"と呼んでいる


    絶対の力




    ーーーーーゾクッッ!!


    ナイル「(あれは……まずい)」



    男は直感で感じた


    だから真っ先に殺そうとした


    槍を撃ち込もうとした


    しかし





    すでに槍はなかった



    ナイル「っ!!?」



    すでに飲み込まれていたのだ


    黒い力に


    男は死の力に囲まれていた



    ナイル「ッッ!!!」



    体中から嫌な汗が出る



    ナイル「(俺はっ!今!生かされている!!!)」


    ナイル「(このガキに、俺の命を掴まれている!!)」


    ナイル「(俺を殺すも生かすもこのガキ次第!)」


    ナイル「(もし…もし、こいつがさっきの殺意ある目だったら…)」




    ナイル「俺は……死んでいた?」




    その事実を




    ナイル「調子……のるなよ?」




    男は認めたくない




    ナイル「このッ………!!!!!」




    ナイル「クソガキがぁあああああぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!!」





    男は自分の立っている場所だけを盛り上げる


    そうすることで死の力から逃れる


    さらに力を全開にさせる


    地面が浮き上がり塊ができる


    たくさんの塊が


    それらが圧縮


    全て圧縮される


    そして男自身も浮く


    男の後ろには圧縮して作った数えきれない槍が



    ナイル「まだだ!!」



    男は自分の右手に磁界を生じさせる


    すると幾つもの銅線で作られた腕輪がコイルとして働き



    電力を発生させる



    超高密度


    時速測定不可


    そんな無数の槍が電気を帯びる





    ナイル「死ねぇェェェェェッッ!!!」





    槍が一斉に彼を襲う





    死に直面しているはずだった


    それなのに彼はどこか





    落ち着いていた





    エレン「…いくぜ、相棒」

  38. 38 : : 2014/09/23(火) 18:54:14



    この力は使いたくなかった


    彼には扱えないから


    以前この力を使ったとき


    自分が自分じゃない気がしたから



    しかし



    彼は受け入れた


    この力を


    自分の闇を、受け入れた








    彼は黒刀を地面に突き刺す



    その瞬間



    刃の先を中心に渦が生まれる


    全てを飲み込む大きな渦が




    彼は今この力を扱えていた


    受け入れたことで思い通りにできていた



    そんな彼のランクは恐らく




    「A」




    エレン「ぐっっ!!!」




    それでも全て防げない


    槍は全て飲み込んだ


    だが衝撃は全て飲み込めなかった


    死の渦を突破して鋭い衝撃が


    彼を襲う



    エレン「ぶっ……ぐはぁっ!!」



    血を吐く



    身体中から血が噴き出す



    身体全体をナイフで刺されたような痛み



    痛みだけで死にそうだ



    だけど



    彼は





    エレン「うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!!!!」





    負けられない





    黒い渦が男を飲み込もうと大きさを増す






    ナイル「俺は負けねぇぇぇ!!!負けるはずがねぇぇええええぇぇぇッッ!!!!」




    男は巨大な電気の塊を作る



    腕輪が壊れるほどに大量の電力生成する










    大きな力と大きな力









    その2つがぶつかり








    消え去る





    跡形もなく











    ナイル「…はっ、……ふはははははははははははッッッ!!!」



    ナイル「消えた!!あの力が消えた!!!!」



    エレン「くっ!!」



    ナイル「俺のッ、俺の勝ちだぁああああああぁぁぁぁッッ!!!!!」





    男は小さい槍を作る




    掌に乗るほどの小さい槍





    同時に



    男の半身を瓦礫が覆う



    その右手はまるでゴーレムのように



    大きく不安定な瓦礫の手




    刹那



    小さい槍が彼を襲う



    エレン「ッッ!!!!」



    槍は彼の肩に刺さり、埋め込まれ



    彼は浮く



    グンッと、引き寄せられる



    正確には彼の肩にある槍が引き寄せられる



    男は自分に向かってくる彼目掛けて瓦礫の手で殴ろうとする



    対して"黒"が出せない彼は



    右手に暗黒物質を集める



    その大きさは男の右手の瓦礫とほぼ同じ








    ナイル「死ねぇええッ!!!ガキィイイィィィィッッ!!!!」





    エレン「俺はッ!!守るッ!!」





    エレン「俺の友達にはッ!指一本触れさせねぇぇええええぇぇぇぇぇッッ!!!!」










    空中でぶつかり合う大きな拳




    お互いがお互いを殴り




    地面へと落ちていく








    その場に立っているのは



    一人の男だった



  39. 39 : : 2014/09/23(火) 21:02:05





    決着はついた





    崩壊したその地に立っていたのは




    一人の男








    ナイル「………」





    エレン「………」








    ナイル「…ふっ、ふふ、……くそ…」




    ナイル「……立てねぇ…」




    エレン「………」





    ナイル「……負け、ちまったなぁ」










    「いや、負けてないよ」










    その地に立っていたのは



    ナイルではない



    エレンでもない








    ベルトルト「引き分けみたいだね」



    エレン「…っ!………くそっ!」




    ナイル「てめえ…なんでここに…」


    ベルトルト「ナイルさんがしっかりしないからでしょ」


    ナイル「…はっ、」


    ベルトルト「全くもう……ミカサ-アッカーマンはどこ?」


    エレン「ッッ!!やめろッ!!!」


    ベルトルト「あぁ…いたいた、気絶してるじゃないか」


    エレン「やめろって言ってんだろうがッッ!!!!」


    ベルトルト「うるさいなぁ…」






    ベルトルト「殺すよ?」



    刹那



    彼は地面に押しつけられる



    見えない何かによって押しつけられる



    エレン「がぁッ!!」



    ベルトルト「そのまま潰れちゃえ」



    エレン「あ"ッ、がっ…!!!」



    ナイル「やめろ、ベルトルト」



    ベルトルト「……はーい」



    男は素直に力を解き



    仲間に近づくと



    仲間と少女を抱えて



    歩いていってしまう



    彼は



    守れなかった




    エレン「…げほッ!…ごほッ……」



    エレン「ふざけん、な…」



    エレン「う…やめろ……行くな…」



    エレン「やめてくれ……ミカサ……」







    エレン「ミィィカサァァアアアアアアアァァァァッッッ!!!!」












    澄みきった青い海



    そこの場所に再び



    幾つもの雲が重なる



    光が失われる



    また暗い冷たい場所になってしまう



    彼は岸の淵に立っていた



    暗い海の底を眺めながら




    ーーーー
    ーーー
    ーー








    ベルトルト「ナイルさん重い」



    ナイル「う……すまん」



    ベルトルト「それにしても、あいつ殺さなくて良かったの?」



    ベルトルト「ナイルさんをここまで追い込むなんて…相当強いじゃん」



    ナイル「いーんだよ、俺はあいつが気に入った」



    ベルトルト「ふーん…」



    ナイル「お前こそなんかあったのか?」



    ベルトルト「……なんで?」



    ナイル「いや…今日はよく喋るじゃねぇか」



    ベルトルト「……置いてくよ?」



    ナイル「なんでっ!?」








    ミカサ-アッカーマンは連れさられた


  40. 40 : : 2014/09/23(火) 21:25:19






    ……ン



    ……ミ…ン



    「んっ……」



    ライナー「アルミンッ!!!」


    アルミン「……ライナー?」


    ライナー「良かった、こんなボロボロになりやがって……心配したじゃねぇか」


    アルミン「……!!ミカサ!!」


    アルミン「ミカサは!!エレンは!?」


    ライナー「お前以外にも誰かいるのか?」


    アルミン「えっ……」


    ライナー「それにしても、ここは一体どうしたんだ?」


    ライナー「こんなの…隕石じゃ説明つかねぇほど崩壊してんじゃねぇか」


    ライナー「一体ここで何があった?」


    アルミン「そんなことより、エレンとミカサを探さない……ッ!」


    ライナー「無理すんな、お前の怪我は酷すぎる。ほれ、おぶってやるから本部に帰るぞ」


    アルミン「……くそ…僕はまた…」


    アルミン「何も…出来なかった…ッ!!」


    ライナー「…何があったか知らないが今はお前の傷を治すことが先だ」


    アルミン「くっ……」


    ライナー「……ほら、帰るぞ」
  41. 41 : : 2014/09/23(火) 21:57:01






    崩壊した街を彼は歩いていた


    人はいない


    そこらに隕石が落ちている


    そこにいつもの日常はなかった


    彼は向かう


    自分の家にーーー














    死んでいた



    優しい母が



    少し厳しい父が




    家の下敷きになっていた



    家は隕石によって潰れていた





    涙はでない



    ただ某然とするのみ



    目の前の光景が信じられないから











    暗い世界


    彼は岸の淵に立っていた


    暗い海の底を眺めながら



    エレン「強く…なりたい」



    悲しむ暇はない



    強くならなければ


    誰にも負けないくらい


    もう嫌だ


    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ


    こんな思いはしたくない


    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ


    嫌……



    エレン「うわぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」



    エレン「ああぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!」



    エレン「あがぁぁああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」



    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ



    "落ち着けエレン!!"



    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ



    "正気になれ!!エレン!!!"




    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ



    "あぁ……エレン……"



    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ


    嫌だ
















    あれ……なにが嫌なんだ?



    ミカサがいなくなったから?



    いなくなった?ミカサって誰?





    母さんが死んだから?




    父さんが死んだから?




    死んだ?誰が?死んだ?死んだ?









    彼は一歩踏み出す



    黒い海へと足を入れる



    彼の身体は



    ゆっくりと、ゆっくりと、



    海の底へ……



    水面には小さな気泡があるだけだった



    ーーーー
    ーーー
    ーー







    「あっ!いたよ、いたいた」


    「じゃあ後でかけ直すね"エルヴィン"」



    「おーい!エレン!!」


    エレン「………」


    「あれ?髪が白くなってるよエレン」


    エレン「………」


    「ずいぶんと探したよ」


    エレン「………」


    「君は守れなかったね、友達も家族も自分自身も」


    エレン「………」


    「もう、会えないのさ」


    エレン「………」


    「でも僕らに着いてくるなら会わせてあげる」


    エレン「………」


    「父さんにも、母さんにも……ミカサにも」


    エレン「………」


    「僕らの目的はこの国の実権を握ること」


    エレン「………」


    「いわばクーデターさ」


    エレン「………」


    「それが成功した暁には会わせてあげるよ?」


    エレン「………」


    「さぁ、一緒に行こう」









    ハンジ「僕ら"ノア"と」




    彼に手を差し伸べるのは


    胸に武装警察の文字を掲げるメガネ


    その手を彼は



    掴んだーーーー










    死者。多数。詳細不明。


    行方不明者。多数。詳細不明。



    行方不明者リストの中に



    ミカサ-アッカーマンと、



    エレン-イェーガーの名前があった





    この日


    僕たちの日常は崩れ去った





  42. 43 : : 2014/09/24(水) 00:16:31
    凄い続きが気になりますね!!
    凄く面白かったです!!!次回を楽しみにしてますね!!
    受験は大変だと思いますが頑張ってください!!応援しています!!
  43. 44 : : 2014/09/24(水) 00:43:14
    なんだこれ、こんなに面白いSS見たことねぇ!!
  44. 45 : : 2014/09/24(水) 18:20:25
    すごく面白かったです!!
    あと一歩で泣きそうに…←
    アルミン大好きなので活躍して欲しいですね。
    頑張ってください!!
    期待です!
  45. 46 : : 2014/09/24(水) 19:48:56
    ベルトルトの能力強くない?さすがベルトルト‼︎
  46. 47 : : 2014/09/24(水) 19:49:16
    あと、期待です‼︎
  47. 48 : : 2014/09/26(金) 18:56:55

    感動しました。
    受験頑張ってくださいね!!待ってますよ♪
  48. 49 : : 2014/09/28(日) 08:28:52
    面白かったです!

    受験頑張ってくださいね!
  49. 50 : : 2014/10/06(月) 20:38:55
    僕も受験近いです。
    一緒に頑張りましょう
  50. 51 : : 2014/10/07(火) 19:01:42
    すごくおもしろいです!

    受験頑張ってくださいね!

  51. 52 : : 2014/10/11(土) 01:26:10
    ヤバイ面白い( ゚д゚)
    前回も今回も凄い‼︎
    次回が楽しみ*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
  52. 53 : : 2014/10/15(水) 09:12:54
    これいままで見たss中で一番好きだわ。 この>>1は天才 ベロリンがとかっていうのがないのは珍しい
  53. 54 : : 2014/10/25(土) 21:33:14
    良かった!!続いてるんだ!!続きに期待です!!
  54. 55 : : 2014/10/25(土) 23:39:03
    髪が白くなったでカネキを思い出してしまった…w面白かったですよ~
  55. 56 : : 2014/10/27(月) 07:09:20
    面白くてがっつりはまりました!!
    期待(≧∇≦)
  56. 57 : : 2014/11/05(水) 16:32:06
    あーカネキね。
    分かるよなんとなく
  57. 58 : : 2014/11/15(土) 22:12:08
    前作からジャンミカに期待してます・・!続きが楽しみです
  58. 59 : : 2014/12/02(火) 15:10:11
    受験頑張れ 俺も合格してやるぜ‼︎
  59. 60 : : 2014/12/30(火) 23:36:02
    続きますよね。期待してます!
  60. 61 : : 2015/01/06(火) 01:52:04
    受験に合格してこの続きを書いてくださいね!待ってますから!

    小学校6年の俺が言えることじゃねぇか…ごめんなさい!
    まぁ期待しています!頑張ってください!
  61. 62 : : 2015/01/16(金) 14:52:54
    期待してます!
  62. 63 : : 2015/03/31(火) 22:27:33
    続き書かないの?
  63. 64 : : 2015/05/11(月) 20:44:06
    めっちゃおもろかったですよ
    続きが楽しみです!
  64. 65 : : 2015/11/30(月) 10:37:07
    続き書いて欲しいです
  65. 66 : : 2015/12/13(日) 17:25:23
    この人ヤバい!!!

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エレン「オレンジジュースの聖地へいざ行かん」 シリーズ

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