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進撃の巨人Another 第10話 『見上げる先』 ――憲兵団配属編 No.2――

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  1. 1 : : 2013/10/29(火) 17:43:32

    進撃の巨人Another 第10話 『見上げる先』

    ――憲兵団配属編 No.2――


    憲兵団になって、これまでの訓練兵の時とは、朝の様子が少し違う

    それは、これまでの景色とは違うといった意味でも

    朝になにをするのかといった意味でも様々だ

    ほんの少し環境が変わるだけで、朝の様子1つ取っても印象ががらりと変わる

  2. 2 : : 2013/10/29(火) 17:43:55


    例えば、今まで一緒に部屋で過ごしていたエレンやアルミン、

    そしてあの2人も今は起こしてくれず、それがマルロに成り替わった


    新兵は朝、朝食前に一列に整列し、上官とのミーティングを行うのが、日課であるようだ

    上官もこんな時はちゃんとしっかり起きているようで、すこし意外だった


    そして、今は朝食をとるために、アニと食堂に居るのだが――――

  3. 3 : : 2013/10/29(火) 17:44:09

    ――――食堂 朝食――――

    ユーク「ほら、アニ。あーん」スッ

    アニ「……なんだい?」ムスッ

    ユーク「ほら、ちゃんと(作戦通りに)やってくれないと」ムム

    アニ「…はぁ…あむ」パクッ

    ユーク「それで、よろしい」ニコニコ
  4. 4 : : 2013/10/29(火) 17:44:24

    ヒッチ「アンタたち朝からあっついねぇ。鬱陶しいくらいに」イラッ

    マルロ「おい、ユーク。気持ちは分からないでもないが、
        公の場なんだから少しは自重したらどうだ?」モグモグ

    ユーク「うぅーん、お断りだね。アニのこの顔も今しかないんだし」

    ユーク「(悪い印象でもいいから、刷り込みはとにかく出だしが大事!)」

    アニ「全く、何言ってるんだい」ハァ
  5. 5 : : 2013/10/29(火) 17:44:37

    ヒッチ「っていうか、マルロ。アンタ、彼の気持ちなんてわかるのぉ?」

    ヒッチ「彼女なんて居たことないくせにぃ」キャハ

    マルロ「む、そ、それは関係ないだろ?」オロオロ

    ユーク「まぁ、お前にもそのうちいい人が現れるさ」

    ユーク「(最悪、俺達が皆を――かもしれないけど)」
  6. 6 : : 2013/10/29(火) 17:44:50

    マルロ「いや、俺は恋なんてものに現を抜かす暇はない!」

    マルロ「俺は、決めた!この憲兵団から変えてみせると!!」グッ

    ヒッチ「まぁーた、始まった。アンタ昨日、彼に触発されて気がおかしくなったの?」

    ユーク「まぁ、最後まで聞いてやるよ。それで?」

    マルロ「俺は、怠惰な上官達に『普通の人間』に戻ってもらえれば、それでいいんだ」

    マルロ「普通の人間が増えれば、全体として憲兵団も良くなる。違うか?」
  7. 7 : : 2013/10/29(火) 17:45:04

    アニ「……」

    ヒッチ「ふぅん」

    ユーク「……残念ながら、不正解だ」

    マルロ「な、なんだと!?」ガタッ

    アニ「落ち着きな。まずはユークの話も聞くことだ」

    マルロ「…すまん」イライラ
  8. 8 : : 2013/10/29(火) 17:46:28

    ユーク「バッサリ斬って悪かったな。まぁ、お前の意見も分からなくもない」

    ユーク「お前のような人間がまだ残っていると分かって、寧ろ俺は安心すらしているからな」

    マルロ「どういうことだ?お前の話は遠回しの表現が多くて分かりにくい」

    ユーク「…そうだったか」

    ユーク「(いつの間にか忘れていた。相手に悟られないように努めた結果か…)」

    ユーク「まぁ、お前は人間的には正しい」
  9. 9 : : 2013/10/29(火) 17:47:07

    ユーク「だが、『ここ』では、その考えは異端者に当てはまる」

    マルロ「……」

    ユーク「ここの人達がどうして揃いも揃って、ああなのか考えたことはあるか?」

    マルロ「そ、それは、この憲兵団のシステムが悪いからで…」

    ユーク「(はぁ、何も分かってない…それは、この壁内の社会システム
         全てに対して言える共通の根源なんだけどな)」

    ユーク「何がどう悪いんだ?その根源は何だ?」
  10. 10 : : 2013/10/29(火) 17:47:23

    マルロ「そ、それは、初めに腐ったやつがいたから…」

    ユーク「その腐ったやつはどうやって生まれた?」

    マルロ「…分からない」

    ユーク「…もう俺の考えを言うが、それは、集団の中から自然発生したものだ」

    ユーク「真実は、理屈が単純な事だって少なくないものだ。覚えておくといい」
  11. 11 : : 2013/10/29(火) 17:47:40

    マルロ「で、一体それはどういうことなんだ?」

    ユーク「人間の本質がよく表れたシステムが、この憲兵団なんだよ」

    ユーク「人間、皆が皆、強い心を持っているわけじゃない」

    ユーク「マルロ、お前は人間的には正しい心を持っている」

    ユーク「その裏にあるものが何なのかはこの際、触れずに置いておくとしてだ」

    ユーク「一般大衆の中で、そんな心を持っている者は、実は少数派だ」
  12. 12 : : 2013/10/29(火) 17:48:05

    ユーク「皆、周囲からはじかれることを極度に嫌っている」

    ユーク「だから皆、周囲に嫌われまいと一生懸命に振舞っている」

    ユーク「この憲兵団が腐敗した原因も、そう言った人間の弱い
        心の部分が根幹にあると、俺は考えるんだ」

    ユーク「弱い心同士が互いに弱さを認め合い、悪いことに、
        より楽な方へ逃げた結果が、この腐敗なんだよ」

    マルロ「じゃあ、俺はどうすればいいんだ?俺に何ができるんだ?」

    ユーク「そんなこと俺は知らん。まだ青いからな」ツーン
  13. 13 : : 2013/10/29(火) 17:48:34

    マルロ「それは、無責任じゃないのか!?」

    ユーク「なら、お前も流れに身を任せてみたらどうだ?そこら辺の弱いやつみたいに」

    マルロ「ならお前は、そこら辺の奴らと同じなのか?それでいいのか?」

    ユーク「俺には俺の考えがあって、俺の生き方がある。他人に指図されることじゃない」

    ユーク「お前はお前で、勝手に頑張ればいいじゃないか」

    マルロ「…ユーク、俺と勝負しろ!その根性、叩き直してやる!!」
  14. 14 : : 2013/10/29(火) 17:48:45

    ユーク「…先に言うが、後悔するぞ?」チラ

    マルロ「お前なんかに負けてたまるか!俺も訓練所では、逸材と呼ばれてたんだ」

    マルロ「同じ10位以内でもお前には負けないっ!!」

    ユーク「(すっかり頭に血が上ってるな。焚き付け過ぎたか)」

    ユーク「(マルコと違ったタイプと思っていたが、単なる馬鹿で、見込み違いだったかな?)」

    ユーク「…いいだろう。表に出ようか」
  15. 15 : : 2013/10/29(火) 17:48:55

    マルロ「そっちこそ、俺の実力を知って、後悔するなよ?」

    ユーク「…それは、ないよ。永遠にね」

    ユーク「(俺に勝てるのは、“彼女”くらいだ――――)」


  16. 16 : : 2013/10/29(火) 17:49:20

    ――――建物の裏――――

    マルロ「勝負の方法は、格闘で構わないな?」

    ユーク「なんでもどうぞ?」

    マルロ「余裕ぶりやがって、いくぞっ!!」ダッ

    ユーク「……(動き、遅いなぁ。まずは様子を見ようか――――)」


    マルロ「――――はぁ、はぁ、なぜ反撃しない?」

    ユーク「今のところ、必要なさそうだから…かな?」
  17. 17 : : 2013/10/29(火) 17:49:38

    マルロ「その余裕の表情、変えてやる!!」ダッ

    ユーク「……(もう、終わらせよう。アニも退屈そうな顔してる)」チラ

    アニ「……(ねむい)」パチ…パチ…

    ユーク「……出直して来い」ビュン バシィッ

    マルロ「うわっ!!」クルッ ドサッ

    ユーク「度胸は認める。けどやっぱりこの世界は、それだけじゃ駄目なんだよ」
  18. 18 : : 2013/10/29(火) 17:50:17

    ユーク「時には、努力以外に運や才能が大きく運命を分かつ時がある。それを知るべきだ」

    マルロ「(…そんな、得意の格闘で敗れるなんて、これまでなかったのに…)」ガックシ

    ユーク「…その顔、今まで格闘では負けなしだったのに、って感じだな」

    ユーク「お前はもっと広い視野を持って、世界を知るべきだ。
    そうすれば、お前は『井の中の蛙』から脱却できるさ」

    マルロ「…俺の完敗だ」

    アニ「(ユーク、あいつに構い過ぎじゃない?)」

    ヒッチ「(こいつ、強いわね。恐らく、私たちの世代では勝てないだろうね)」
  19. 19 : : 2013/10/29(火) 17:50:50

    ユーク「さ、戻ろうぜ。仲直りの時間が必要だ」スッ

    マルロ「…お前は、こんな俺でも、手を差し伸べるのか?」

    ユーク「当たり前だ。『同期』なんだから――――」


    スタスタ スタスタ


    マルロ「(こいつの力、本物だった。今まで会った誰よりも遥かに強い)」

    マルロ「(俺にもユークのような強さが欲しい)」
  20. 20 : : 2013/10/29(火) 17:51:06

    マルロ「(決めた!ユーク、お前は俺の目標だ!!)」

    マルロ「(俺は、お前のように強くなって、必ずこの憲兵団を変えてみせる!!)」


    ヒッチ「(こいつの事だから、そんな感じの事、考えてるんだろうなぁ)」ニシシ

    ヒッチ「ねぇ、アニ。あいつ、なんであんなに強いの?」

    アニ「さぁ、本人に聞いてみたら?私は知らないよ」

    ヒッチ「じゃあ、今度、聞いてみることにしようかなぁ」

    アニ「(ミカサと違ったタイプだけど、変な虫に注意しなよ、ユーク…)」


  21. 21 : : 2013/10/29(火) 17:51:31

    ――――夜 とあるベンチ――――

    アニ「ねぇ、あいつらに構い過ぎじゃない?」

    ユーク「なに?代わりにアニが寂しいって?」クスリ

    アニ「そんなこと言ってないでしょ?茶化さないで教えてよ」

    ユーク「そうだなぁ。彼らからミカサ達とは違った、何かが見えたって感じ…かな?」

    アニ「思っていたんだけど、なんで疑問形なのさ?」
  22. 22 : : 2013/10/29(火) 17:51:56

    ユーク「さぁ、分かんない。でも何か大切な事のような気もするんだ」

    ユーク「だから、無性に彼らに構いたくなった」

    アニ「ちゃんと、分別ついてるんでしょうね?」

    ユーク「今の発言、傍から見たら、アニがやきもち妬いてるように聞こえるな」クスッ

    アニ「また、そうやって誤魔化す」ジッ

    ユーク「…大丈夫さ。俺が大切にすべきものは、もう決めたから」ギュッ
  23. 23 : : 2013/10/29(火) 17:52:31

    アニ「……うん」ギューーッ

    ユーク「…アニ、少し力強いよ?」

    アニ「いいでしょ、別に…“今しかない”んだから」ギューー

    ユーク「あぁ、直《じき》に“その時”が来る…その時が来たら、
    次にアニを抱きしめれるのは、いつになるか…」ギュッ

    アニ「…アンタだって、力強いじゃん」クス

    ユーク「…5日後、よろしく頼むよ?」

    アニ「うん。やり遂げてみせる」
  24. 24 : : 2013/10/29(火) 17:52:46

    ユーク「…それじゃあ、そろそろ戻ろうか」スッ

    アニ「…久しぶりだね。手を繋ぐのも」

    ユーク「あぁ、久しぶりだ。安心する」ニコ

    アニ「ふふ、私も」ニコ

    ユーク「(俺はあの時、誓った。そして、決して後悔を残さないと…)」

    ユーク「(“その時”までの間、アニとできるだけ共に過ごそう!!――――)」



    To be continued...

  25. 25 : : 2013/10/29(火) 17:53:54

    【投稿完了 / シリーズ名 / 話数 / タイトル / URL】

    ――番外編――

    【13/10/27 進撃の巨人Another ――番外編―― 第8話】
    http://www.ssnote.net/archives/1550

    【13/10/24 進撃の巨人Another ――番外編―― 第7話】
    http://www.ssnote.net/archives/1374

    【13/10/15 進撃の巨人Another ――番外編―― 第6話】
    http://www.ssnote.net/archives/1078

    【13/10/14 進撃の巨人Another ――番外編―― 第5話】
    http://www.ssnote.net/archives/1040

    【13/10/13 進撃の巨人Another ――番外編―― 第4話】
    http://www.ssnote.net/archives/941

    【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第3話】
    http://www.ssnote.net/archives/923

    【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第2話】
    http://www.ssnote.net/archives/878

    【13/10/11 進撃の巨人Another ――番外編―― 第1話】
    http://www.ssnote.net/archives/845
  26. 26 : : 2013/10/29(火) 17:54:07

    ――本編――

    【13/10/28 進撃の巨人Another 第9話 『辛辣』】
    http://www.ssnote.net/archives/1702

    【13/10/10 進撃の巨人Another 第8話 『本物』】
    http://www.ssnote.net/archives/805

    【13/10/10 進撃の巨人Another 第7話 『捨てる』】
    http://www.ssnote.net/archives/800

    【13/10/10 進撃の巨人Another 第6話 『側』】
    http://www.ssnote.net/archives/796

    【13/10/10 進撃の巨人Another 第5話 『指令』】
    http://www.ssnote.net/archives/795

    【13/10/10 進撃の巨人Another 第4話 『再び』】
    http://www.ssnote.net/archives/793

    【13/10/10 進撃の巨人Another 第3話 『解散式の夜』】
    http://www.ssnote.net/archives/792

    【13/10/10 進撃の巨人Another 第2話 『見たもの、見るもの』】
    http://www.ssnote.net/archives/791

    【13/10/10 進撃の巨人Another 第1話 『4人目』】
    http://www.ssnote.net/archives/790


    ――雑談――

    【13/10/12 進撃の巨人Another シリーズ ――雑談所――】
    http://www.ssnote.net/archives/924

    【13/10/14 進撃の巨人Another シリーズ ――思い出(過去コメント)保管所――】
    http://www.ssnote.net/archives/1038
  27. 27 : : 2013/10/29(火) 17:56:00

    すまないね、今日は短めなんだ。

    でももう少し進めば、話が面白くなるから16話付近は乞うご期待!
  28. 28 : : 2013/10/29(火) 18:10:29
    期待!
    ユーク、はやくアニに告白してほしいなー

  29. 29 : : 2013/10/29(火) 18:29:18
    >>28
    平常支援乙!

    まだまだ先の話だよ?クス
  30. 30 : : 2013/10/30(水) 07:12:01
    乙!
  31. 31 : : 2013/10/31(木) 01:14:12
    【あとがき】

    タイトル『見上げる先』

    ユークに敗北し、新たな目標を定めた“彼”が見上げた先は、人の顔

    一方、“彼”がその眼に見るものは、常に未来《さき》の故郷

    彼らの信念《みち》が交わる時は、いずれ訪れるのか――――

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【進撃の巨人Another】 シリーズ

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