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百花繚乱【Four seasons】

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  1. 1 : : 2014/05/12(月) 15:57:17

    今回は4章までのオムニバスになります。
    前作と同時期の話ですが、女性キャラの独白メインの話になるので雰囲気はだいぶ違うと思います。

    変則的な書き方をしてしまったので、一気に貼り付けさせて頂きますm(_ _)m
  2. 3 : : 2014/05/12(月) 15:59:11


    ジャン「今日も手ぶらですまないな、ヒストリア」



    いつからだろう

    この言葉を聞くのが当たり前になってしまったのは


    ヒストリア「ううん、私の我儘でわざわざ来て貰ってるんだから、気にしないで」


    ほら、普通に笑って返せる


    ジャン「なぁヒストリア…お前の気持ちは分かるが、こんなことはもう…」


    ヒストリア「ジャン!」


    ジャン「…!」



    当たり前になってしまったのに、諦めることが出来ないのは何故だろう



    ジャンはそれでも何か言いかけたが、私の顔をじっと見るとため息をついて席を立った


    ヒストリア「もう行くの?」


    ジャン「あぁ、すまねぇ。今夜の夜会にはまた顔出すから」


    ヒストリア「うん分かった。楽しみにしてるね」


    笑顔で見送る私の瞳に映っているのは、困っているような、怒っているような、険しい顔をした彼の姿



    どうしてそんな顔してるの?

    尋ねようと思った言葉は喉で引っかかり

    彼はそのまま部屋を出て行った




    ヒストリア「ねぇ、私の顔、何かおかしいかしら?」

    窓際で花を生けている女官に聞いてみる


    女官「いいえ、今日もお綺麗ですよ。鏡をお持ちしましょうか?」

    こちらを向くことすらしないで彼女が答える


    ヒストリア「ううん、鏡はいらない」






    いつからだろう



    誰も私を見ようとしなくなったのは……





  3. 4 : : 2014/05/12(月) 16:00:26

    春の章【ローズマリー】


    即位して最初の頃の記憶は、霞がかかったようにおぼろげで、たくさんの大人たちが私の周りで色々な事を言っていたような気がする

    彼女の事を最初に教えてくれたのは誰だったかな…

    身体が大きくて…優しい声をした人

    「獣の巨人の話では、彼女は巨人化能力を剥奪されて追放されたようだ」


    その時の私はどんな顔してたっけ…

    思い出そうとすればするほど拡散していく意識

    ダメだな…私
    こんなことじゃ彼女に叱られる

    自分の中で鮮明に見える記憶を必死で探す




    早朝の光を浴び、こちらに背を向けて立つ、しなやかで美しい後ろ姿

    今目の前で見ているかのようにはっきりと蘇る

    私は走りながらその人の名前を呼ぶ


    「ユミル」



  4. 5 : : 2014/05/12(月) 16:01:55

    ユミル「なんだ。まだ早いから、そんなに急がなくても良かったのに」

    息を切らして駆けてきた私に向かって彼女は言った

    クリスタ「だって私も当番だし、後から行って終わっちゃってたら嫌だから…」

    ユミル「大丈夫だ。たまたま目が覚めたから、早目に出てきただけだから」

    そして彼女独特の笑みを浮かべて続ける

    ユミル「一人で全部済ませようなんて考えはさらさら無いさ。どっかのいい子ちゃんとは違うからな」

    クリスタ「いい子ちゃんて…私のこと?」

    ユミル「あの芋女には神様って呼ばれてたからな、女神様でもいいか」


    私はいい子ちゃんなんだろうか…

    困ってる人がいたら助けるのが当たり前だと思っていたけれど…

    ユミル「春になったとはいえ、朝はまだ冷えるな。とっとと済ませよう」

    桶がある倉庫に向かって歩き出す彼女の後を、慌てて追う

    クリスタ「あ…あの…昨夜はありがとう」

    ユミル「ん?」

    クリスタ「サシャを運んでくれて」

    ユミル「ああ、別にいいさ。次の当番からは、あいつを使ってやるつもりだしな」

    クリスタ「そんな…」

    私の言葉の中にある咎めるような響きに、彼女は立ち止まり、私と視線を合わせるように少し屈んだ

    ユミル「いいか?これがお前の親切の結果だ」

    クリスタ「え…?」

    ユミル「お前がパンを持って行かなかったら、あいつは一晩中外でぶっ倒れてたかもしれない。だけど私にいいように使われる事は無かった。」

    ユミル「お前がパンをやったから、お前があいつを運べずに代わりに私が運んだから、こうなった」

    クリスタ「そうだけど…」

    だけど仲間なんだから助けるのは当たり前じゃ…

    そんな私の心の中を見透かしたように笑う

    ユミル「いい子ちゃんには理解出来ない理屈かな?」

    クリスタ「あのっ…!私の名前はお前でもいい子ちゃんでもないから!」

    ユミル「………ふーん……で、いい子ちゃんのほんとの名前はなんて言うんだ?」


    まるで私を値踏みするかのような視線



    クリスタ「………クリスタ.レンズ」



    ユミル「………なるほどね。分かったよ、クリスタ」

    彼女は急に興味を失ったように、そのまま背を向けて歩き出す

    置いて行かれないように小走りになりながら、彼女とは距離を置こう…そう思っていた

  5. 7 : : 2014/05/12(月) 16:03:25

    ところがそんな私の思いに反して、その後彼女は何かにつけて私の側に居るようになった

    ユミル「さすが私のクリスタ!結婚してくれ!」

    冗談めかしてそう言う彼女の瞳は、何故かとても優しくて…

    ふざけて抱きしめるその手は、何故かとても温かくて…

    サシャ「ユミルってお母さんみたいですね」

    ユミル「あん?なんの冗談だ?」

    サシャ「だって、口は悪いけどみんなの事すごく良く見てますし、文句言いながらもさりげなくフォローしてくれますしね」

    ユミル「私がお前の試験勉強を手伝ってる、この状況の事言ってるのか?」

    サシャ「それもですけど…普段からそう思っていたので、この機会にと……」

    ユミル「黙れ、芋女!クリスタに頼まれたんでなきゃ、誰がお前の勉強なんか見るか。グダグダ言ってると、やめるぞ!」

    クリスタ「ふふ、ユミル照れてる」

    サシャ「貴重ですね……」



    そうか『お母さん』ってユミルみたいな人なんだ…

    その時私はそう思った


    時には消灯時間を過ぎたベッドの中で、たわいもないお喋りをした

    私が他の人にお節介を焼いて、一人じゃどうにもならなくなった時には、「しょうがねぇな」とため息をつきながらその手を貸してくれた

    彼女は私のように他人を甘やかしたりはしなかった

    いつも凛としていて、自から汚れ役を買って出るほど、自分を良く見せようなんて少しも思っていない人だった


    私とは正反対


    だけど私たちはいつも一緒に居た

    私の側にはいつもユミルが居てくれた


    幾つも幾つも蘇る、あの頃の記憶



    ヒストリア「楽しかったな……」


  6. 8 : : 2014/05/12(月) 16:04:42

    女官「ヒストリア様、何か仰りましたか?」

    ヒストリア「……あ……ううん、何でもない」

    私はずいぶん長い間ぼんやりしていたみたい

    窓から差し込む光が、夕焼けになっている

    女官「アッカーマン兵士長がお見えです」

    ヒストリア「お通しして」

    久しぶりに会ったミカサは、とても大人びて見えた

    ミカサ「ヒストリア……」

    ヒストリア「お久しぶりミカサ。来てくれて嬉しいよ。今日はジャンも来てくれたんだよ」

    ミカサ「!」

    ミカサは何を驚いているんだろう…

    ミカサ「ヒストリア…ジャンは今日は来ていないはず。彼がここに来たのは二日前だった…」

    ヒストリア「?」

    ミカサ「私はジャンに頼まれてここに来た。ユミルの遺骨が見つかってから、貴女の様子がおかしいからと…」



    何を言ってるの?ミカサ……



    ミカサ「もう一ヶ月もちゃんとした食事が摂れていないと聞いた。その様子だと眠れてもいないのじゃない?そのままでは身体がもたない」


    ユミルも良く言ってたな…

    ベッドの中で、まだ話し足りない私に

    ユミル「今日はもう寝るぞ」

    クリスタ「えー…もう少しいいでしょ?ユミル」

    ユミル「そんな顔してもダメだ。明日も朝から訓練だからな。しっかり寝ないと身体がもたないぞ」

    クリスタ「ユミルのケチ……」

    ユミル「どうせ明日もまた一緒なんだ。いくらでも話せるさ」

    そう言って、子どもを寝かしつけるように背中を叩いてくれた




    ねぇユミル……明日っていつ?



    いつになったら私の所に戻って来てくれるの?



    ユミルが早く帰って来てくれないと……………






    ヒストリア「私、死んじゃうよ?」







  7. 9 : : 2014/05/12(月) 16:05:48


    最初は何が起きたかわからなかった

    とても怖い顔をしたミカサが私を抱えて早足で歩いている

    周りの制止を振り切り外に飛び出し……




    そのまま私は中庭に造られた大きな池に投げ込まれた





    冷たい水の感触…

    外の雑音が全く聞こえない水の中はとても落ち着く……

    このままずっとここに居れば、ユミルと会えるんだろうか……


    そう思って目を閉じた時、胸が焼けるように痛んで一気に意識が覚醒した


    苦しい!!


    必死にもがいて手に触れる水草を掴んでみても、頼りなく千切れて私の手の中に残るばかり


    助けて!

    苦しい!


    さっきまではいつ死んでもいいと思っていたのに、私の身体は必死で生きようと抵抗している


    そして…

    意識が遠のく直前、誰かの力強い手が、明るく、騒がしい外の世界へ私を引き上げて行くのを感じた


    ミカサ「気がついた?ヒストリア」

    ああ……ミカサ……
    すごく心配そうな顔……

    大丈夫と言おうとして激しくむせる

    まだ肺が痛い

    水を吸ったドレスの所為で、身体中が寒い

    震えている私に、自分の外套をかけてくれるミカサ

    ミカサ「ごめんなさい、少しやり過ぎた……」

    泣きそうな顔のミカサに

    ヒストリア「大丈夫……ありがとう…ミカサ…」

    掠れた声でそれだけ伝えて、私はもう一度意識を失った



  8. 10 : : 2014/05/12(月) 16:08:11


    次に目を覚ました時、私は寝室のベッドの上に居た

    見慣れた顔の王室医師は、私が目覚めた事を女官たちに伝える

    ヒストリア「ミカサは?」

    私の問いに医師は言った

    医師「アッカーマン兵士長は現在憲兵の取り調べを受けています」

    ヒストリア「今すぐここに来てもらって」

    医師「いや…それは難しいでしょう」

    私はまだ節々が痛む体をベッドから起こすと、女官の知らせで部屋に駆け付けて来ていた師団長に向かって命令した

    ヒストリア「アッカーマン兵士長をここへ!」

    師団長は一瞬眉をひそめたが、何も言わず敬礼をすると、部屋から出て行った



    ミカサのお蔭で私は全てを思い出していた


    ユミルが私を置いて彼らと行ってしまった時の怒りと悲しみ、そして不安…

    エルヴィン団長からユミルの消息を聞いた時の絶望…

    それでも何処かで生きていると信じて、遠征に出掛ける調査兵団に、彼女の消息を探ってもらっていたこと

    そして…


    彼らから一ヶ月前にもたらされたユミル死亡の報告




    その日から、かろうじて均衡を保っていた私の心は壊れてしまった


    ジャンは私を気遣って、見つかるはずの無い彼女の消息を、今まで通り報告してくれた

    今はまだ一部の関係者しか知らなかったが、壊れてしまった私はいつかはここを追われていただろう……


    ミカサ「ヒストリア……」

    ミカサは入って来るなり私を抱き締めた

    ミカサ「ごめんなさい…」

    ヒストリア「大丈夫。ミカサのお蔭で目が覚めたよ」

    私がそう言うとミカサは手を離し、私の顔をじっと見つめた

    ミカサ「良かった……ヒストリア、貴女はいつ死んでもおかしく無いような顔をしていた…」

    ヒストリア「うん。それでもいいと思ってたしね」

    ミカサ「私も…そう思った時があった……」

    ミカサ「彼のいない世界に生きる意味なんて無いと思った…」

    ミカサ「でも今は…あの時自分の命を諦めないで良かったと思っている。だからヒストリアにも思い出して欲しかった…生きたいと思う気持ちを…」

    ヒストリア「うん。そうだよね。ありがとう、ミカサ」



    あぁ……私は上手く笑えているかな……



    ねぇミカサ…エレンには奇跡が起きたけど、ユミルは………



    こんなに心配してくれているミカサに、そんな事を言うつもりはなかった

    言ってはいけないと思った

    だけどどうしても苦しくて、思わず呟いてしまった


    ヒストリア「ユミルは……骨だけになっちゃった人は……どんな奇跡が起きても戻って来ないよね……」

    ミカサ「!」




    そして私はユミルの死を聞いてから初めて泣いた


  9. 11 : : 2014/05/12(月) 16:09:29

    私と彼女の孤独

    私たちは欠けている部分を補い合うように、ずっと寄り添っていた

    私たちの魂は、二人で一人分だった

    彼女との思い出

    彼女に伝えられなかった思い……


    全てを吐き出すように、いつまでもいつまでも泣き続けた




    ごめんねミカサ、泣き止んだらジャンにもちゃんと謝るから……

    すぐに元気になるから……



    ごめんねユミル、あなたとの約束ちゃんと果たすから……

    本当の名前で、胸を張って生きるから……




    だから……

    だから少しだけ待っていてね……





    ミカサは泣き続ける私の背中を優しく叩いてくれていた



    いつかのユミルの手のように……






    第一章 終



    【ローズマリー】
    「思い出」「記憶」





  10. 12 : : 2014/05/12(月) 16:10:47


    夏の章【ラベンダー】


    夏は嫌いだ

    生き物全てが勢い良く命の火を燃やしているような気がする

    秋になれば死んでしまう虫でさえ、今が栄華とばかりに生き急ぐ

    人も同じ……

    アニ「大丈夫かい?ミーナ」

    ミーナ「……うん。大丈夫」



    立体起動の訓練事故で、訓練生が一人死んだ

    ミーナと良く同じ班になっていた、あまり素行の良くない奴だった

    実力も無いのに大きな事を言っては無茶な行動を繰り返す、いつこうなってもおかしくないような男だった

    自業自得

    誰もがそう思った

    でも…

    その夜私の隣で眠って居るはずのミーナのベッドから、押し殺した嗚咽が聞こえていた


    どうしてだろう…

    誰が見てもこうなって当たり前だった

    彼女もそれが分かっていたから、悲しんでなんかいないと思っていた

    大丈夫って言ってたよね?

    どうしてこの子は泣いているんだろう…

  11. 13 : : 2014/05/12(月) 16:11:52
    ミーナ「アニ?こんな所で何してるの?」

    アニ「あぁミーナ…あんた、あの時どうして泣いてたんだい?」

    ミーナ「アニはそんな事ない?」

    アニ「どうだろう…」

    ミーナ「頭では納得してても、心が痛くて…涙が勝手に流れて来ちゃうんだよ」

    アニ「涙が勝手に……」





    私は荒れ果てたトロスト区に立っていた

    アニ「ごめんなさい……ごめんなさい…」

    仕方の無い事だった

    最初から分かっていた事だった

    頭では納得していても、心が痛くて涙が止まらなかった…





    私は巨大樹の森にいた

    戦いの興奮が去った後、耐え難い悲しみに襲われて涙を流した

    何が悲しいのかも分からない

    ただ悲しいという感情だけが私を支配していた





    アニ「ミーナ、私はどこで間違えちゃったんだろうね…」

    ミーナ「間違えてなんかいないよアニ」

    彼女が私に笑いかける

    ミーナ「間違えてるとしたら、今あなたがここにいることかな」


    アニ「私はどこに行けばいいんだい?」



  12. 14 : : 2014/05/12(月) 16:12:38
    辺りが暗くなり、騒がしい虫の音だけが聞こえてくる

    アルミン「ねぇ知ってる?アニ。ホタルって、亡くなった人の魂だって言われてるんだよ」

    辺りを飛び交う儚げで淡い光の群れ

    アニ「こんな時にずいぶん呑気な話をするんだね」

    アルミン「はは、確かに」

    アニ「そういう話は可愛い女の子と二人きりの時にしな。山岳訓練中じゃないときにね」

    アルミン「だって僕は…今アニに話したいと思ったんだ。もしそれが本当なら少しだけ救われるよね…」



    救われるわけがない



    失ってしまった命を悼む奴には救いでも、奪った命を背負う私には苦しみ以外のなにものでもない



    地下道の入り口で最後に見たあんたの瞳

    驚きと恐れと

    何より深い悲しみの色をしていた




    ホタルの話を私にした事、後悔したかい?


  13. 16 : : 2014/05/12(月) 16:13:22

    夏は昼も夜も騒がしい

    昼は生き急ぐ命が

    夜は彷徨う命の欠片が……


    ミーナ「アニは何処に行きたいの?」

    アニ「私は……」


    『必ず、帰ってくると約束してくれ』


    アニ「私は……帰らなきゃいけないんだ」


    もう帰るためのコンパスは無くしてしまったけど……


    「僕は諦めないよ。君が笑顔で生きて行ける方法を見つけてみせる」

    ミーナ「ねぇアニ、もう独りで頑張らなくてもいいよ」

    「だから待っていてね、アニ」



    お父さん……私は……どうすればいい?







    いつしか私は誰も居ない草原に、独り立っていた

    足元からゆらゆらと上って行く、陽炎のようなホタルの光

    命の光は高く上り詰め

    やがて星たちと混ざり合う



    私が帰る場所は、まだ何処かにあるんだろうか……



    群れから離れた一匹のホタルが私の肩に止まり、暫く瞬いた後空へと上って行く

    アニ「ミーナ…ごめんね……ありがとう……」

    ホタルが帰って行った夜空から、笑顔の彼女が見つめてくれているような気がして



    ほんの少しだけ救われた気持ちになった………





  14. 17 : : 2014/05/12(月) 16:14:27



    アニ.レオンハート

    『850年 第104期訓練兵団卒団後、憲兵団ストヘス区東城壁都市に配属』

    中略

    『同年 女型の巨人であることが判明し捕獲されるも、自らの硬化能力を用い水晶内に内包される。17年間内包状態が続いたが、867年結晶化が解かれ拘束。後に超法規的措置により釈放され現在所在は明らかにされていない』

    憲兵団兵士身上書控より一部抜粋




    第二章 終



    【ラベンダー】
    「繊細」「疑惑」「沈黙」

    「あなたを待っています」






  15. 18 : : 2014/05/12(月) 16:15:37


    もうどれくらい歩いただろう

    ちくしょう…何日も何も食べて無いから、身体に力が入らない

    裸足の足は爪が割れ、固まった血がこびりついている


    まだ大丈夫


    そう自分に言い聞かせながら足を前に出す


    こんな所でくたばるわけにはいかない

    心が挫けそうになる度に思い浮かべるあいつの姿

    僅かながら力が戻るのを感じ2.3歩足を踏み出すが、限界をとおに越していた私の身体は、そのままそこに崩れ落ちた


    何処かからか獣の匂いが風に乗って漂ってくる


    第二の人生もここで終わりか……


    後悔はしていなかった

    ただ、最後に一目会いたかった……



    「クリスタ……」



    遠のいていく意識の中で、少女は花の様な愛らしい笑顔で、優しく私に微笑みかけていた




  16. 19 : : 2014/05/12(月) 16:16:24

    秋の章【シオン】


    奴は言った

    「正直お前の持ってる情報は、何の役にも立たないものばっかりだったな」

    散々勿体つけて、引き延ばして、時間稼ぎはして来たつもりだが、それももう限界らしい

    「せめて王家の娘が一緒なら、お前にも利用価値があったんだけどなー。ザンネン」

    大して残念そうには見えない様子で猿が言う


    そしてその後私は巨人化の能力を解かれ、見渡す限りの荒野に放置された


    その場で殺されなかったのは……

    多分猿の気まぐれだろうな


    さてどうする……?

    生き延びる可能性は0に近かったが、諦めて死を待つには、その時の私は元気があり過ぎた

    とりあえず歩くか

    何処に行くという当てがあるわけじゃなかったが、山脈がある西や北に行くのは避けたかったので、東に向かう事にする



    そこから私の長い放浪生活が始まった



    移動は夜。巨人が動き回れない時間のみ

    日中は小さな林や森の中で休んだ

    それでも時折巨人と遭遇したが、別に戦って倒さなきゃいけないわけじゃない

    自分一人が逃げるくらい、それ程難しい事ではなかった

    何しろあいつらデカイから、かなり遠くに居てもこっちが先に見つけられる

    大き目の森を見つけたら、夏と冬は一切動かずに、そこで季節が過ぎるのを待った

    数ヶ月かけて長旅の疲れや傷を癒やし、食料を蓄えて次の森までの糧にした

    長い時は一年以上森に留まる事もあった

    ウサギや鹿、豊富な野草

    巨人の事さえなければ、森は生きて行くのに充分な環境を備えていた





    一体何をやってるんだ私は……


    何も考えず、ただ生きる為に狩り、食い、眠る


    動物と一緒だな……


    以前にもこんな事があったが、飲まず食わずでも何ともなかったし、何より人の心を持っていなかった分マシだった気がする

    幾つ目かの季節が過ぎた頃、冬の拠点にしようと辿り着いた森で、私は追放されてから初めて人に出会った


  17. 20 : : 2014/05/12(月) 16:17:18

    それを人と呼んでもいいものか……

    そう思うほど痩せこけ、枯れ枝のようになってしまっている身体

    その身体はひときわ大きな木の枝の上に造られた、ツリーハウスの中に静かに横たわっていた

    ユミル「おい、じいさん、生きてるか?」

    こんな所に人が居たことにも驚いたが、私の呼びかけに応えるように薄く目を開けたその瞳が、老人のものでは無かった事にさらに驚いた

    ユミル「飲めるか?水」

    口元に数滴水を垂らす

    口の中で乾いた舌が動いた気がしたが、それ以上の事は出来そうも無かった


    これは……

    もう助からないな…



    それでも人に出会えた懐かしさは、想像以上に私の固くなった心を揺さぶり、溶かしていた

    彼の口元を湿らせながら話しかける

    ユミル「なぁおっさん、あんたも私と同じ追放者か?それとも行軍からはぐれた兵士かな?」

    答えは無いが続ける

    ユミル「これだけ立派な家を造れるんだ、大層な奴だったんだろうね」

    ユミル「あんたの帰りを待っている家族もいるだろうな」

    私の声が届いたのか、彼の身体が少しだけ動いたような気がした

    ユミル「ん…私にもさ、会いたい奴がいるんだよ。家族ってわけではないけどな」

    ユミル「天使みたいに可愛らしくて優しいんだ。最初は興味本位で近づいた。私と境遇が似てたからね」

    ユミル「でもあいつは私とは全然違っていた」

    話し始めると、次から次へと言葉が口からこぼれ出てくる

    ユミル「いつも必死で自分の居場所を作ろうとしていた。とことんいい子になって、褒められるような死に方で自分を終わらせたいと思っているようなヤツだった」

    ユミル「それに気付いた時…私はあいつから離れられなくなったんだ」

    ユミル「あいつが周りに振りまいた優しさは、決して偽善なんかじゃなかった。自覚の無い自殺願望だ」

    ユミル「悲しいよな。人の為に生きて、人の為に死ぬ人生なんて…」


    ユミル「私はあいつに自分の為に生きて欲しかった。例え人に後ろ指指されるような生き方でも、胸を張って『これが私の生き方だ』と言って欲しかった」


    彼の身体がもう一度動く

    私は定期的に彼の口元に水を垂らした

    ユミル「何度かあいつには伝えたさ。でもダメだった…」

    ユミル「やっぱり身についちまった性格は、なかなか変わらない」

    ユミル「最後の最後、お互いが生きるか死ぬかの時になって、初めてあいつがいい子じゃなくなったんだ」


    嬉しかった……

    うん…嬉しかったんだ…すごく…


    ユミル「……まぁ…結局はろくでもない別れ方しちまったから、今では多分恨まれてるだろうけどな……」

    人に話す事で今迄閉じ込めていた感情が、一気に溢れ出て来て止まらなかった



    ユミル「チクショウ……もう一度会いたかった……」



    何年振りかの涙が頬を伝う



    その時、僅かながら彼の口から声とも言えない音が漏れた

    ユミル「……ん?なんだ…?どうした?」

    男「……ぁ………」

    大儀そうに瞼を開け、私の後ろを視線で示す

    人が居たことに気を取られて、室内をまともに見ていなかった私は、そこにボロボロに汚れた外套と、羊皮に書かれた地図が置いてあるのを見つけた

    私は外套を手に取った

    ユミル「…自由の翼……あんたやっぱり……」

    どんな経緯で部隊からはぐれてしまったのかは今となっては分からないが、たった独り孤独に耐え、可能性が薄い助けを待つ日々は、どれだけ苦しかっただろう………

    ユミル「おっさんは立派だったよ」



    ユミル「あんたは生きる事を諦めなかった」


    私は彼に、心からの敬礼を捧げた



  18. 25 : : 2014/05/12(月) 16:20:01

    数日後…彼は眠るように息を引き取った

    私は彼の骸をツリーハウスから降ろすと、木の下の地面に横たえた

    ユミル「すまねぇな、ほんとならちゃんと埋めてやりたいんだが、道具が何も無いからな…」

    ユミル「外套は借りて行くよ。あんたの居た場所に私が届けてやるからさ」

    ユミル「約束だ。代わりにこれを置いていくから」

    私は身に付けていた物で、唯一壁内にいた頃からつけていた髪留めを外すと、彼の胸の上に置いた

    落ち葉を集めてそっと被せる

    ユミル「これで土に還れる。木の上に居たんじゃ、独りで寂しいだろ?」

    ユミル「あんたが諦めなかったように、私も諦めないことにしたよ」




    ユミル「ありがとう」







    そして私は私の為に

    クリスタに会いたいと言う思いを果たす為に、持てるだけの食料と水を持って、壁を目指して歩き始めた

    どういうわけか巨人に遭遇する回数は格段に減っていて、かなり歩き安かったが、それでもまともな装備も無しに最低限の休息と補給だけで歩き続ける事は、命を削りながらの行為であることに変わりはなかった

    目的もなく彷徨っていた時とは違い、日を追う毎に身体がキツくなっていく

    それでも心の中は暖かい思いで満たされていて、以前のように虚しさを感じることはなかった



    やがて、あの森を出てから二回目の季節が過ぎ、私の身体は遂に限界を迎えようとしていた


  19. 27 : : 2014/05/12(月) 16:20:52

    私は歩き続けた

    ただひたすらにあいつの事を思って

    身体が動かなくなる今この瞬間まで、私は諦めなかった



    偉いだろ?クリスタ……

    褒めてくれよな……



    身体中の熱が、冷たい大地に冷まされていく……





    「……………!」




    …………なんだ?………

    何処かで聞いたような声………



    ……お前じゃない……


    私はクリスタを思い出したいんだ……


    「………い!おい!」



    うるせぇ……黙れ、チビ……


    身体が起こされた感覚に目を開けてみると、そこにはかつて見慣れていた…………いや……顔は確かに見覚えがあるが………

    コニー「お前こんな所で何やってるんだよ!大丈夫か?!おいブス!しっかりしろ!」


    こいつも巨人化出来たんだっけか……

    いや………チビの事なんかどうでもいい……

    私は………クリスタを………





    そして意識は完全に途絶えた




  20. 29 : : 2014/05/12(月) 16:23:04

    それから私は丸二日間目を覚まさなかったらしい

    目が覚めた時私の目に映ったのは、やっぱりクリスタではなく芋女の顔だった

    ユミル「………よう」

    サシャ「ユミル!!」

    泣きながら私に抱きつく

    ユミル「クリスタはどこだ?」

    サシャ「……え?」

    ユミル「クリスタだよ」

    サシャ「な……何言ってるんですかぁー!もぉー!どれだけ心配したと思ってるんです!」

    その声を聞きつけてチビ………いや、でかくなったチビが部屋に入って来た

    コニー「やっと目が覚めたか!良かった!」

    ……こいつの事、これからなんて呼べばいいんだ…?

    コニー「おいユミル!お前何だってあんな所で倒れてたんだよ。死んだって聞いたから、みんな諦めてたんだぞ!生きてるなら生きてるって、ちゃんと知らせろよ!」


    あぁ……良かった…でかくはなっているが、相変わらずの馬鹿だ…


    ユミル「まぁ…とりあえず…クリスタに会わせろ」

    二人は揃って目を丸くすると、何とも言いようのない顔で私を見た


    うん……やっぱりこいつら面白いな





    それからの一週間は、長いこと独りでいた私にとっては目が回るほどの日々だった

    私が運ばれた所は、壁からは一番遠い壁外拠点らしかった

    どうせ暫く動けないなら船で運べと、無理矢理壁内へ行く貨物船に乗り込む

    コニーとサシャも一緒に乗り、私が居なかった間の出来事を色々聞かせてくれた

    その話しはどれも私の想像を越えるものだったが、チビがでかくなっていた衝撃に比べたら大した事無いような気もした

    コニー「へへへ、オレはもうチビじゃなくなったけど、お前はまだブスのまんまだな!」

    ユミル「あぁん?!」

    こいつ……体力が戻ったら絶対締めてやる!


    船が壁内に入ると今度はミカサとエレンが、シーナに入る直前ではジャンが、馬車を用意して私を出迎えてくれた
  21. 30 : : 2014/05/12(月) 16:25:33

    ジャン「まさか本当に生きていたとはな…この目で見るまで信じられなかったぞ」

    ユミル「お前らが勝手に勘違いしてただけだろう」

    ジャン「いや、あれは誰でもお前だと思うだろう。初めて調査に入った森で、しかもお前の髪飾りが一緒に落ちてたんだからな」

    ユミル「男か女かの区別もつかなかったのかよ」

    ジャン「骨だけになっちまってるのに、分かるか!」

    そっか…おっさんちゃんと土に還れたんだな…

    ユミル「これ、渡しとくよ」

    私は倒れた時に身に纏っていた外套を布袋から出すと、ジャンに手渡した

    ユミル「私に間違えられたおっさんのものだ」

    ジャン「兵士だったのか…」

    ユミル「そうみたいだな。立派な最期だったよ。しっかり弔ってやってくれ」

    ジャン「ああ、分かった」

    ジャンは丁寧に外套を畳むと、黙祷を捧げてから袋に戻した

    ジャン「そろそろ着くぞ。王都だ」

    ユミル「クリスタには知らせてないんだろうな?」

    ジャン「お前が知らせるなと言ったんだろうが」


    そうだ

    この後に及んで私は怖がっていた

    あいつを裏切るような形で別れてしまった事を…


    ミカサからはあいつがどれだけ私を思っていたか、心を壊す位私の死の知らせを悲しんでいたかを聞かされた

    他の奴らもみんな、口を揃えてクリスタは私を待っていたと言う

    でも怖かった

    私が生きていると知った時のあいつの反応が…

    あいつは私の死を受け入れてから今日迄の半年間、一度も私の名前を口にしていないらしい

    あいつが何を思って毎日を過ごしているのか、あんな別れ方をして、これだけ長い間離れてしまって、私には今のあいつがどう変わってしまったのか知る術がなかった

    あいつの中で私がただの死者になってしまっていたら、今更現れたところで戸惑うだけだろう

    ユミル「ふん…これは私の我儘だからな。こっちがあいつに会いたくて、勝手に会いに行くだけだ。あいつに知らせる必要なんかないさ」

    自分に言い聞かせる

    ジャン「お前さ、昔っからかわいげが無いよな」

    ……お前に言われたくない。馬面野郎


    王宮内に入ると、すれ違う女官や兵士たちが馬面に向かって頭を下げる

    半分ぐらいは信じてなかったが、ほんとにこいつは調査兵団の団長になったんだな…と実感する

    ジャン「ここだ」

    ドアの前に控えている女官に、自分が来たことを伝えるジャン

    前室に通され、女官が主人に来客を告げる
  22. 31 : : 2014/05/12(月) 16:27:53
    「キルシュタイン団長がお見えです」


    「お通しして」



    その声は繰り返し思い出し、幾度となく夢に見た少女の声の響きそのままだった




    あ…

    これはヤバイ……




    その破壊力に怯み、後ろに下がろうとした私の腕が、しっかりと掴まれる


    ジャン「逃がすかよ」




    クソ…笑ってるんじゃねぇよ……


    「どうぞお入り下さい」

    前室の扉が開けられる



    覚悟を決めた私は馬面団長の手を振りほどき、真っ直ぐに前を見た






    窓から差し込む夕日が、クリスタの頬を薔薇色に染めている



    少女の時と何も変わらない大きな瞳がこれ以上ないくらい見開かれ、次の瞬間にはその瞳いっぱいに涙が溜まっていくのが見えた



    目を逸らす事を恐れているかのように、私から視線を外さないままこちらに向かって歩いて来る





    「……ユミル…?」





    言いたい事はたくさんあった

    気の利いた台詞も考えていた

    でもその時口をついて出て来たのは

    ありふれた…

    とてもありふれた一言だった





    「ただいま…ヒストリア」








    第三章 終




    【シオン】
    「遠い人を思う」「君を忘れない」

    【ローズマリー追記】
    「再生」

    「あなたは私を蘇らせる」





  23. 32 : : 2014/05/12(月) 16:29:38

    冬の章【ダイヤモンドリリー】

    ハンジ「ねぇペトラぁー、ブーツの中が濡れて気持ち悪いんだけどー」

    ペトラ「私もですよ。これだけ雪が積もってたら仕方ありません」

    ハンジ「珍しいよねー、この辺りでこんなに雪が積もるなんて」

    ペトラ「丁度その珍しい日に視察が当たるハンジさんは、よっぽど運が悪かったんですね」

    ハンジ「ははは!大丈夫、風邪をひいたモブリットの代わりに、休日返上で私について来なきゃならなくなったペトラには負けるから」

    ペトラ「……すごくレベルの低い争いをしてる気がするんですが…」

    ハンジ「あ!ねぇねぇ見てよペトラ!」

    ペトラ「ああ、訓練兵たちですね。まだ朝早いのに、何してるのかしら?」

    ハンジ「女の子ばっかりだ」

    ペトラ「雪かきの分担か何かでしょうか」

    ハンジ「なんだかさ、こうやって丘の上から見ると、雪の上に咲いた花みたいだね」

    ペトラ「いいですねぇ……若さって素晴らしい」

    ハンジ「やだなー、ペトラだってあの子たちとそう変わらないでしょ?」

    ペトラ「歳は近いですけど……」

    ハンジ「あの子たちの中で、一年後にまた花を咲かせられる子は何人いるんだろうね」

    ペトラ「ハンジさん?!なんでそんな縁起でもないことを!」

    ハンジ「だってそれが事実でしょ?いつ何が起きてもおかしくない時代だよ?」

    ペトラ「そうかもしれませんが……」

    ハンジ「いいんだよ。だって彼女たちは、今一生懸命咲いてるんだから」

    ハンジ「誰にもわからない先の事や済んでしまった事に心を囚われて、つまらない今を送るぐらいなら、今だけを見て思うままに生きる方がずっと素敵さ」

    ペトラ「ハンジさん……もしかしてそれって私の事言ってます?」

    ハンジ「んー、ペトラは壁外から帰る度に元気が無くなるようだって、老け顏の誰かが言ってたような…言ってなかったような…」

    ペトラ「はぁ……一体誰でしょうね……」

    ハンジ「ふふ、ねぇ、私たちも入れてもらおうよ!」

    ペトラ「えっ?!ちょっ!ハンジさんっ!!」

    ハンジ「おーい!みんなー!」




  24. 33 : : 2014/05/12(月) 16:31:13


    ミーナ「あ、誰か来る」

    クリスタ「調査兵団の人みたいだけど…」

    ユミル「やべぇな、雪かきサボってるのバレたか?」

    ハンジ「ねぇみんな、何してたの?私も入れて!」

    ペトラ「ハンジさん!勝手に行かないで下さい!」

    アニ「ハンジって……」

    ミーナ「今日視察に来る予定のハンジ分隊長?!」

    ハンジ「あ、私の事知っててくれたんだ?嬉しいなぁ!」

    クリスタ「あの…私たち雪かきする前にちょっと外に出てみただけで…特に何かしてたわけじゃ…」

    ハンジ「そっか、じゃあこれからしよう!」

    サシャ「何をですか?」

    ハンジ「雪といったら、雪合戦さ!」

    ペトラ「ハンジさん?!」

    ハンジ「はーい!この中で一番成績がいい子は誰ー?」

    サシャ「ダントツミカサですね。今期の首席確定ですし」

    ハンジ「そのエキゾチックな顔をした子だね。女の子なのに首席なんて凄いじゃないか」

    ミカサ「いえ…そんな…」

    ハンジ「じゃあ、私のチームとミカサのチームで戦うよ!」


    ユミル「ひゃははは!おもしれえ!私とクリスタは、分隊長さんのチームに入るぞ!」

    ーユミル 17歳


    クリスタ「ちょっとユミル!引っ張ったら転んじゃう!」

    ークリスタ.レンズ 15歳


    ミーナ「じゃあ私とアニとサシャは、ミカサのチームね」

    サシャ「はいっ!」


    アニ「ったく…だからあんたたちと一緒に居るのは嫌だったんだよ…」

    ーアニ.レオンハート 16歳


    ミーナ「そんな事言わないのアニ!たまにはいいじゃない?」

    ーミーナ.カロライナ 15歳


    ハンジ「ここと…ここがお互いの陣地ね。ペトラ!荷物貸して!」


    ペトラ「もう…ハンジさん……」

    ーペトラ.ラル 19歳


    ハンジ「相手の陣地にある、この荷物を先に取った方が勝ちだ。上官だからって、遠慮しなくていいからねー」


    ミカサ「そういう事なら……遠慮なく行かせていただく」

    ーミカサ.アッカーマン 15歳


    サシャ「おぉ……ミカサの戦闘モード…」

    ーサシャ.ブラウス 16歳



    ハンジ「よーし!それじゃぁ行くよー!」




    ハンジ「はじめっ!!」

    ーハンジ.ゾエ 年齢不詳





  25. 34 : : 2014/05/12(月) 16:32:01


    戦いの中で、蕾のまま散る花


    手折られ、踏まれ、傷ついても、逞しく生きる花


    戦い抜いてその種を大地に根付かせる花



    花の形は違っていても





    彼女達は






    今確かにこの時代に生き、それぞれが美しく咲き誇っていた







    第四章 終



    【ダイヤモンドリリー】
    「輝き」「華やか」「忍耐」



    「幸せな思い出」



    そして





    「また会う日を楽しみに」










    fin

  26. 35 : : 2014/05/12(月) 16:43:48

    最後まで読んで頂きありがとうございました(o*。_。)o

    花言葉縛りと枕草子縛りで組んだのですが、途中でちょっと後悔しました…まさに自業自得…

    今回もUPしてから気付いたミスが幾つも…毎度の事ですがお詫び申し上げます(´・_・`)

  27. 36 : : 2014/05/12(月) 17:12:58
    ラミエルさん、応援ありがとうございました(。-_-。)

    砂糖楽夢音さん、いつもありがとうございます♪
    一気に貼ってしまったので、コメントしにくかったですね…ごめんなさい(´・_・`)
  28. 37 : : 2014/05/12(月) 19:14:17
    新作アップしてる!

    女子はやっぱり華やかでいいですね。

    月子さんの作品は情景描写が綺麗で読んでて、つい熱中してしまいます。

    でも、ピュアだからこそ、悲しい話は胸に深く刺さります。

    ちょっと詩的に例えるなら、澄みきった硝子みたい、なーんて思ってます(^-^)

    また次回も楽しみにしています。
  29. 38 : : 2014/05/12(月) 19:56:39
    とても面白かったです(o^^o)
    何より書き方がとってもお上手い…
    ずっと見てましたよ‼︎
  30. 39 : : 2014/05/12(月) 23:46:35
    ありゃりゃぎさん、素敵に例えて頂き、勿体無いです(/ _ ; )でも毎回頭の中のシーンを言葉に変える作業に四苦八苦してるので、そう言って頂いて少し安心しました。
    今回鬱々な展開が多かったので、ありゃりゃぎさんのジャンにも救われました(。-_-。)ありがとうございました♪

    ラミエルさん、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました(o*。_。)o読んだ方が楽しんで下さるのが一番嬉しいので、コメント感謝いたします(^-^)


  31. 40 : : 2014/05/14(水) 19:05:29
    執筆お疲れ様でした。
    月子さんの文章には、他のどなたとも似つかない美しさ、そして繊細さを感じます。
    前シリーズよりもこの作品の方が、それが際立っているような印象を受けました。
    特にローズマリーとシオンの花言葉の使い方、並べ方…思わず電車で涙するところでした。笑
    もっと多くの方に読んでいただきたい、なんて、少しお節介なことを思ってしまいました。
    少し気が早いですが、次のお話も心待ちにしておりますね。お疲れ様でした。
  32. 41 : : 2014/05/14(水) 21:30:33
    素晴らしい。お疲れ様でした。
  33. 42 : : 2014/05/14(水) 22:51:35
    良質の絵画を観ているような、健気で美しい女性たちの描写が素敵な作品ですね。
    ありがとうございました。
  34. 43 : : 2014/05/15(木) 07:23:12
    submarineさん、そのように言って頂き恐縮です。実はこの話は冬のラストシーンからの書き始めで、春だけはストーリーが出来てからも花が決まらず…(´・_・`)
    ローズマリーは春と秋に咲く、しかもあの花言葉というのを見つけた時には、ああ、こんな所で運を使い果たすからじゃんけん弱いんだな…と、納得してしまいました(笑)
    submarineさんのように、胸がきゅんきゅんするようなお話が書けるようにこれからも精進致します。ありがとうございました(o*。_。)o


    78さん、共感下さり嬉しいです。ほんとにありがとうございます(。-_-。)


    なすたまさん、自分自身はドが付くほどの楽天家&男性的な性格なので、そのように言って頂いて彼女たちになり切って鬱々した日々が報われた気持ちです。
    ありがとうございましたm(_ _)m



  35. 44 : : 2014/05/21(水) 19:38:03
    ユーザー登録する前に、月子さんの前の作品を読ませてもらっていました。
    この作品もすごく綺麗な作品ですね。とても好きです。ユミルが死んでいなくてよかった…
    これからも頑張ってください。
  36. 45 : : 2014/05/21(水) 23:27:10
    如月みつきさん、ありがとうございました。作品気に入って頂けてとても嬉しいです。原作でもユミルとヒストリアは再会して欲しいものですね…(´・_・`)
    暖かい励まし、感謝致します(。-_-。)
  37. 48 : : 2023/07/04(火) 14:25:36
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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Tukiko_moon

月子

@Tukiko_moon

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大人になった104期生のお話 シリーズ

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