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エレン「口減らしにこの俺が…」

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  1. 1 : : 2014/04/18(金) 18:32:13
    こんにちは、エレアニ大好きです

    えー…
    エレン「仲間…?」
    と掛け持ちしてるので投稿ペースは遅いですが頑張りたいと思います
  2. 2 : : 2014/04/18(金) 18:35:17


    845年


    超大型巨人が襲撃してきて、人類はウォールマリアを放棄


    そして、王政府はウォールマリア奪還作戦として、人口の約2割を動員した


    しかし…誰もがわかっていた



    これは口減らしだと…



    この口減らしには巨人との闘い方を学んでいない民人が多くいた


    その中に老人や女性もいた


    そして…子供もその中にはいた…


  3. 3 : : 2014/04/18(金) 18:35:49
    一番!
    ▄▄▄▄██〓█●
    ▂▃▄▅█████▅▄
    ████████████
    ◥⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙◤ 

    ばコーン

    とな、

    期待▄▄▄▄██〓█●
    ▂▃▄▅█████▅▄
    ████████████
    ◥⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙◤ 
  4. 4 : : 2014/04/18(金) 18:36:25
    エレンチートですか?
  5. 5 : : 2014/04/18(金) 18:37:30
    期待だよ♪
  6. 6 : : 2014/04/18(金) 18:37:38


    俺は口減らしに動員されてしまった…
    まだ10歳の子供なのに…


    俺はシガンシナが巨人に占領された時…


    母親が食われた


    俺は巨人を駆逐してやると決めた


    俺は口減らしの中に入ってしまったが、一匹でも多く殺してやる…


  7. 7 : : 2014/04/18(金) 18:39:38
    エレンがんばれ!!&期待
  8. 8 : : 2014/04/18(金) 18:41:58
    エレン死ぬな!これ作ったから、行け!

    ↓これ
    ▄▄▄▄██〓█●
    ▂▃▄▅█████▅▄
    ████████████
    ◥⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙◤ 
  9. 9 : : 2014/04/18(金) 18:43:40
    >>8作るなww
  10. 10 : : 2014/04/18(金) 18:44:17


    そして、その日がやってきた…


    人口の二割がウォールローゼの門に集まった
    門の前は大変混雑していた


    その中で、一人の女の子の声が聞こえた


    「エレン!エレン!!お願い行かないで!!」


    「……」


    「エレン!あなたがいなくなったら私…どうすればいいの!?」


    その女の子は必死に叫ぶが、人に埋れて相手の人物のところまで行けない


    「エレン!!」


    その女の子が相手の人物が見えなくなる寸前…


    「ミカサ!!!」


    相手の人物が叫ぶ


    「死ぬな!!生き延びろ!!!」


    「っ!!エ、エレ…」


    女の子は完全に人に埋れてしまった


  11. 11 : : 2014/04/18(金) 18:50:15


    あいつ…俺がいなくて大丈夫か…


    あいつ…いや、あいつらには絶対に死んで欲しくない…


    俺が言ったことを聞いてくれると信じてる…


    っ!あれは…じいちゃん……


    「じいちゃん!!」


    「っ!おお、エレン君か…」


    「じいちゃんも…動員されたの?」


    「ああ…エレン君も……そうなのか?」


    「うん…」


    「ふざけおって…こんな老人や子供に何をさせようとしてるんじゃ…」


    「じいちゃんにはアルミンがいるのに…」


    「…もう別れは済ましてある…」


    「……そっか…」


    そして、門の上の兵士が叫び始めるが何を言っているか聞こえない


    しかし、扉が開く音ははっきりと聞こえた


    奪還作戦が、始まった

  12. 12 : : 2014/04/18(金) 18:51:56
    ジッちゃんエレンかばって死す・・・
  13. 13 : : 2014/04/18(金) 18:58:25
    エレン、乗るんだ!これに、馬より強いぞ!?
    ▄▄▄▄██〓█●
    ▂▃▄▅█████▅▄
    ████████████
    ◥⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙◤ 

    ドッドドドドッ
  14. 14 : : 2014/04/18(金) 19:00:05
    >>13ツッコム気失せた
  15. 15 : : 2014/04/18(金) 19:04:29
    oh,,,期待してます
  16. 16 : : 2014/04/18(金) 19:22:48


    エレンはナイフを持っていた
    何もないよりはマシだろうという考えであった


    しかし…


    彼は甘く見過ぎていた


    いや、甘く見ていたわけではない…


    しかし、この光景は予想してなかっただろう


    自分より何倍も大きな生物の威圧感


    そして、頭上から降り注ぐ血の雨や悲鳴


    彼にはこの世のものとは思えない光景だった…


    まさに地獄絵図…


    彼は足がすくんで動けない

  17. 17 : : 2014/04/18(金) 19:23:03
    期待です!!
  18. 18 : : 2014/04/18(金) 19:33:09


    俺を助けたじいちゃんが頭上で何か言っている
    それすらもう聞こえない


    じいちゃんを食べた巨人が俺に手を伸ばし、捕まえられる



    ーー俺は死ぬのか…


    ーーああ…ミカサとアルミンと過ごしたことを思い出す…これが走馬灯っていうやつか…


    「エレン!エレン!!」


    ーーミカサ…アルミン……俺は…


    ーーまだ生きてぇよ…


    ーー嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ


    ーー俺は死にたくねぇ!!


    俺はもうない左腕を天高く伸ばす


    「あ…諦めて…たまるか…」


    目の前にいる巨人を、穴が空く勢いで睨む


    「駆逐…してやる…!この世から…一匹残らず…!俺が!この手で!!」



    次の瞬間、咆哮が辺りに響き渡る


    それはまるで、人類の怒りを体現したかのような咆哮であった


    たった一人、小さな男の子の咆哮


    その姿を見ていたのは、既に肉片と化した人間と巨人だけだった


    ーーー
    ーー



  19. 19 : : 2014/04/18(金) 19:45:45


    「はあはあ…」


    体を起こす
    目を開けると知らない場所にいた
    ひどく頭痛がする


    「俺は…どうして…」


    次の瞬間、自分がどうしてここにいるか
    どうして生きているかを思い出した


    「う、うわああぁぁぁぁぁ!!!」


    巨人のうなじのところに、俺は座った
    うなじには穴が空いていて、さっきまでそこに自分がいたことを示していた


    (落ち着け…落ち着け…!)


    必死に記憶を辿って行く


    (俺は…そうだ、巨人に食われかけて…巨人になったんだ。そしてここまで走って来て…)


    俺はいま大きな森のそばにいる
    これがアルミンの言っていた巨大樹の森か…


    俺は左腕を見た
    そこには何もなかったかのように再生した左腕があった


    「ーーーっ!」


    肉体の再生
    まさしく、自分が巨人になったことを示している


    エレンはうなじのところから立ち上がり、周りを見渡してみる


    「っ!」


    目の端で何かがチラついた
    見てみると、そこには人間らしき人が倒れている
    駆け寄ってみると、その人には下半身がなかった…


    「調査…兵団?」


    この人はマントを着ていた
    そのマントに調査兵団のマークがついていた


    まだ若い…10代の男の人だった


  20. 20 : : 2014/04/18(金) 19:57:57


    (どうして俺たちはこうなる…)


    (どうして何もかも奪われる…)


    外の世界に憧れていた少年にとって、あまりにも残酷な世界である


    ふと、死体の横にある箱みたいな物が目に入った
    その横にも手帳みたいな物が置いてある
    その手帳を拾い、読み始めていくと、そこには箱みたいな物の説明が書かれていた


    「立体…起動」


    これがあの立体起動か…
    人類が巨人を倒すために作った装置


    俺は手帳をポケットにしまい、立体起動を手間取りながらも付けてみた


    そして、手帳にはこの若い男が書いたであろう立体起動の使い方の説明がびっしり書いてあった


    その手帳を読み、どう使うかを見ていく


    ズシン、ズシン


    遠くから足音のような地響きが聞こえる


    俺は立ち上がり、刃を構える
    意地だった


    (俺は人間だ…巨人の力など使わない)


    10m級の巨人が迫ってくる
    俺は木にアンカーを飛ばす


    (出来た!)


    アンカーは木に刺さった
    トリガーを引き、ワイヤーを巻いていく


    あの説明のおかげで、木に登るぐらいの簡単な動作は出来た


    巨人が下にいる
    どうやら巨人は木が登れないようだった



    俺は呼吸を整え、立っていた木の枝を思いっきり蹴る


    「うわああぁぁぁぁぁ!!!」


    巨人のうなじに刃をおろす




  21. 21 : : 2014/04/18(金) 20:42:14
    期待です
  22. 22 : : 2014/04/18(金) 23:23:55
    早く続きを書いて下さい❗️
    期待です❗️頑張って下さい❗️
  23. 23 : : 2014/04/18(金) 23:32:15


    「はあ、はあ、はあ…」


    俺は巨大樹の幹に背中を預け、ズルズルと腰を下ろしていく
    下を向くと先ほど倒した巨人が蒸気をあげていた


    ふと目の前を見ると、木々の隙間から夕焼けが見えた
    もっとしっかり見えるところに出たくて、立体起動で移動して上に上がる


    「うわ……」


    赤い
    空一面赤く染まっている


    壁が無いのでいつもより広く見える


    いつだったか、ミカサが言っていた言葉を思い出す


    『この世界は残酷だ、そして、とても美しい』


    「ああ…ミカサ…その通りだな…」


    だから、俺は…


    「生き延びてやる…この世界で」


    (だから今はまだ会えない…俺はもっと強くならなきゃならない…)


    じいさんや母さん
    俺のせいで死んだ人はもう何人かわからない…
    だかもう、誰も俺のせいで死なせたりしない



    全部俺が守る




    それ位強くなるまで、俺は帰れない


  24. 24 : : 2014/04/19(土) 09:47:14
    期待!
  25. 25 : : 2014/04/19(土) 10:40:36
    いい加減にしろよエレアニ大好き。
    こんなクズスレ立ててなにやってんの?早くエレンハーレムかけよ
  26. 26 : : 2014/04/19(土) 11:13:05
    >>25
    エレンハーレム…?
    エレン「高校生活だ!」
    のやつですか?

    すみません…
    あれはいつ書くか未定です
  27. 27 : : 2014/04/19(土) 11:14:44
    >>25
    黙らっしゃい!俺等は、見させて貰えるんだ!つべこべ言うな!名前も、エレアニ大好き様を穢しているよね!急かすなよ!エレアニ大好き様のペース的にはしょうがないんだ!クズスレと言うな!この糞アンポンタン!
  28. 28 : : 2014/04/19(土) 11:43:57


    鮮血が飛び散る
    倒れていく巨人の頭を踏み台にし、その先にいる二体の巨人を片付ける


    全ての巨人を片付けて木の枝の上に座り込む
    俺の体はもう真っ赤に染まっていた
    一呼吸置いて、目を閉じる


    もう三日も寝ていない
    さすがにここまで戦い続けると体にこたえる


    ーーー俺は15歳になった
    身長も170cmになった
    まあ、巨人の前ではいくら身長が高くなっても意味がないが


    以前着ていたものが着れなくなって、今ではギリギリ着れるシャツと、調査兵団の兵士のズボンやマントを着ていた
    憧れの調査兵団のマントをこんな形で着るとは思っていなかったが、仕方ないと思うしかない


    (こうしなきゃ俺はもっと前に死んでいた。死んだら何も守れない。ミカサもアルミンも…会えなくなる)


    巨人の血が体についているのでシャツで拭う
    木の下で地響きが聞こえる


    また巨人が来た…


    そう思い、立ち上がる
    しかし、下を向くと、いつも自分が立っている木にへばりつくようにいる巨人がいない

  29. 29 : : 2014/04/19(土) 11:45:38
    >>27やめろ攻めるなよ確かに>>25は、ひどい
  30. 30 : : 2014/04/19(土) 11:51:34


    それより、自分のところに来ないで北に向かっている


    (ーーーおかしい)


    たくさんの巨人が自分の下を素通りしていく


    (ーーーーま、まさか)


    巨人の唯一の行動原理は人を喰らうこと
    ということは…


    「壁、が…やぶ、られた…?」


    数年間、雄叫びや悲鳴にしか使っていなかった喉を枯らしながら、言葉を繋ぐ


    (止めろー壁内には…)


    「ミカ、サ…アル、ミン」


    エレンは急いでガスボンベを取り替える
    調査兵団の死体から物資を補給しているので余りがある


    ガスを取り替えると、すぐに最大限の速さで北上する


    (死んじゃう、二人が…じいちゃんや母さん…口減らしに参加した皆みたいに…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!)


    思考の中でぐるぐると同じ言葉を反芻する


    「ミカサ!!!アルミン!!!」


  31. 31 : : 2014/04/19(土) 11:53:28
    >>29
    そうだった、俺は冷静じゃなかった。>>25そう言うのは良くないが、すまなかったm(_ _)m
  32. 32 : : 2014/04/19(土) 17:14:00
    早く続きを書いて下さい❗️
    期待です❗️頑張って下さい❗️
  33. 33 : : 2014/04/19(土) 18:21:23
    もう最初の発想が流石ですよね
  34. 34 : : 2014/04/19(土) 18:38:20
    めちゃくちゃ面白い!
    期待です!
  35. 35 : : 2014/04/19(土) 21:12:16

    約五年ぶりの壁内は、あの人のような惨状だった


    いろいろなところで人の死体があり、壁や地面が血で染まっている


    俺は巨人を蹴散らしながら二人を探して行く


    俺は五年前に調査兵団に入るとあいつらに行っていた
    そして、外の世界を見ると


    あいつらが俺の意志を大切にしていて、まだ生きているのなら…


    (絶対にここにいる!!)


    焦る気持ちを抑え、冷静にアンカーを放つ



    (いた!!)


    懐かしい、あいつらの姿が…


    巨人に囲まれて、絶体絶命という感じか
    立体起動を使っていないということはガス切れ


    なんでもいい、巨人どもの気をこちらに向けさせれば…



    「やめろおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


    巨人がこっちを向く
    迷わず手を噛み千切る
    巨人化し、雄叫びをあげながら、あいつらを喰らおうとしていた巨人どもを殺して行く


  36. 36 : : 2014/04/19(土) 21:21:24


    全ての巨人を倒し終わり、あいつらの方を向く
    他にも仲間がいたようだ…
    まさか、巨人に助けられるとは思ってもいなかっただろう
    放心状態で俺を見つめていた


    「きょ、巨人が…巨人を殺した…?」


    「そ、その前にやめろって…」



    俺はあいつらに目線を合わして、うなじを指す


    「…うなじになんかあるの?」


    さすがミカサ、15m級の俺を見ても冷静だ
    俺が頷く
    他の仲間も、攻撃してこないとわかり、警戒を解いた


    「うなじにって…巨人の弱点だろ?」


    「とりあえず、この巨人のうなじを見てみよう」


    ミカサとアルミンが俺の腕を登って、うなじに辿り着く
    俺はすかさずうなじから飛び出す


    「ミカサ!!アルミン!!」


    這い出すのと同時に、二人に抱きつく


    二人は呆然とする
    少しの間を置いて、アルミンが口を開いた


    「…エ、エレンなの?」


    俺は力強く頷く
    二人は一瞬硬直するように固まり、すぐに痛いぐらい抱きしめてきた


    「エレン…!エレン…!」


    「いたたたたたたた!ミ、ミカサ…い、たい…」




  37. 37 : : 2014/04/20(日) 01:03:46
    早めに書いて下さい❗️
    期待です❗️頑張って下さい❗️
  38. 38 : : 2014/04/20(日) 08:15:40
    期待
  39. 39 : : 2014/04/20(日) 14:22:33
    これはいい感じの原作カスタマイズですな
    期待です。頑張ってください!
  40. 40 : : 2014/04/20(日) 15:42:55
    期待です
  41. 41 : : 2014/04/20(日) 20:32:31



    そのままミカサがわあわあと泣いてしまった
    まさかミカサが泣くとは思ってもいなかったので、どうすればいいかわからなかった
    とりあえず、背中を撫でた


    「アルミン、ミカサ、痛い、ない?」


    うまく話せない…
    片言になってしまったが、二人はそんなこと気にせず、首を横に振った
    どうやら怪我はないらしい
    本当に良かった…


    「ここ、危ない、安全、場所、移動」


    「移動したいけどガスが全員ないんだ…エレンは?」


    「空」


    「そっか…」


    「アルミン、作戦」


    「エレン作戦あるの?」


    「俺、巨人化、全員、俺、肩、乗る、移動」


    「エレンがもう一度巨人になって、僕たち全員を肩に乗せて移動する?」


    頷く
    アルミンは顎に手を当てて考える


    「…確かにそれしかないかもしれない」


    「おい、それは危ないだろ?移動してる時に巨人が来たらどうするんだ?」


    ミカサとアルミンの仲間であろう、ソバカスのある…女?が言ってきた


    「え?こいつ巨人になれるのか?」


    「ちょっと黙っててコニー…」


    坊主頭の男と、金髪美女が何か話している

  42. 42 : : 2014/04/20(日) 20:45:25


    「俺、強い、巨人、殺す」


    俺が片言で話す


    「お前は強くて巨人を殺す?どうやって?腕はほぼ使えない」


    「足、ある、殺す」


    「足技でか?」


    俺が頷く


    「ユミル、エレンを信じないと今の状況は脱退できない。違わない?」


    ミカサがソバカスの女に言う


    (ユミル…?なんか聞いたことあるような…)


    俺が少し違和感を覚えるが、今はそんなこと考えてられない


    「…わかったよ。じゃあお願いするぜ、エレンとやら」


    ーーー
    ーー


  43. 43 : : 2014/04/21(月) 03:43:44
    超絶期待です❗️頑張って下さいね❗️
    早めに書いてくれると嬉しいです❗️
    無理はしない程度にね❗️
  44. 44 : : 2014/04/21(月) 17:25:21


    その後、俺はアルミンとミカサを頭の上に
    他の奴らを肩に乗せて移動した


    巨人どもが案の定、寄ってくるが足で巨人の足を蹴って破壊して行った


    「すごい…」


    肩の上で金髪の女がそう呟くのが聞こえた



    俺たちは壁を越えることに成功した
    ...壁を越える時に巨人の姿のままクライミングしたことは、ちょっと荒っぽかった気もするが


    それでも俺はアルミンとミカサを守ることが出来た
    素直に嬉しい


    壁を越え、ジャンプして降り立つ
    駐屯兵団や訓練兵が驚いた顔で俺たちを見つめていた


    (ヤバい......巨人化解いてない!)


    これ俺詰んだ?
    生き残るのに、五人守るのに必死でそこまで考えてなかった


    案の定
    阿鼻叫喚が木霊し、大混乱になった


    逃げて行く兵士が大半だが、俺に向かって来る兵士もいた


    俺はどうしていいか分からなかった


    俺は巨人を駆逐するためにこの姿になったのに
    人間を殺さないよう、この数年間ずっとこの自分の中に居る化け物を制御するために戦ってきたのに
    全部、全部無駄だったっていうのか!?


    「グォァァァァアアアアアァア!!!」
  45. 45 : : 2014/04/21(月) 17:57:52


    その咆哮に、兵士達は止まらざるを得なかった


    兵士には巨人の言葉は分からない


    だが、その咆哮はまるで泣いているようだ、と誰もが思った


    迷子の子供のように、孤児のように
    『誰か助けて』と言っているようだった


    実際、その15m級の巨人の双眸からは雨のような大粒の涙が流れていた


    兵士達は歩みを止め、恐る恐る巨人に近づく


    巨人の肩に訓練兵が2人乗っているのも彼等の緊張を和らげた


    兵士達が巨人化したエレンの前に集まった時、ミカサはうなじからエレンを出していた
  46. 46 : : 2014/04/21(月) 18:03:48


    「エレン!」


    巨人の肉と同化し、ぐったりと疲れ切っているエレンを2人で引っ張り出す


    そして彼に敵意が無いことを証明するためにミカサとアルミンはエレンを抱え、兵士達の前に降り立つ


    まさか巨人のうなじに少年が入っているとは流石に予想していなかったのだろう、兵士達がざわついた


    当のエレンはというと、疲れ切ってただ自分を抱えているミカサの胸に頭を預け、ぼんやりと状況を見ていた


    その時だった


    兵士達が急に静かになり、敬礼の姿勢をとる


    エレンのぼやけた視界と上手く回らない頭では、一体何が起こっているのか検討もつかない


    ただ…


    「オイ、ガキ共...これは...どういう状況だ?」


    (自由の...翼...)


    漆黒と純白の翼だけが、目に焼きついた…


    ーーー
    ーー


  47. 47 : : 2014/04/21(月) 22:12:09
    超絶期待です❗️頑張って下さいね❗️
    早めに書いてくれると嬉しいです❗️
    無理はしない程度にね❗️
  48. 48 : : 2014/04/22(火) 21:49:44


    「ーーーン....エレ......!......レン...!」


    声が聴こえる


    誰だ?


    「ーーーエレン....!」


    ミカサ?


    泣いてるのか?


    嗚呼、起きなくちゃ
    だってほら、呼んでる


    哀しそうな、寂しそうな声だ
    俺を何度も呼んでる


    寒いのか?
    待てよ、待ってくれ....今起きるから.....


    「ーー....ミ....カサ.....?」


    思っていたより掠れた、弱々しい声が出た


    焦点の合わない瞳を揺らしてミカサを捉える


    ミカサは涙目で満身創痍な俺を見つめ、


    「エレン!!」


    覆いかぶさるように抱きついてきた


    抱きしめ返したいのに、体に力が入らない


    必死に目を動かすアルミンが俺の左手を握っていた

  49. 49 : : 2014/04/22(火) 21:53:00


    「アル…ミン…」


    「エレン、大丈夫…?」


    心配そうに見つめてくるアルミンに平気だ、と頷く


    周りを見回す
    俺がいるのはベッドの上
    ミカサは横にある椅子に座り、アルミンは俺の傍らに立っている


    点滴を打たれている所からして、どうやら俺は保護されたらしい


    「....俺、どう....し、て....?」


    「あの後、エレン気を失ったんだ。覚えてない?」


    「気、....を....?」


    頭に鈍痛が走る

    そうだ、思い出した


    アルミンとミカサを連れて、壁内へ入った


    それで、大混乱になって、どうしようもなくなって、叫んだ


    そしたら、収まって


    ミカサとアルミンに巨人から出してもらって、それでーーー


    「自由の.....翼」


    「自由の翼?」

  50. 50 : : 2014/04/22(火) 21:55:23


    「エレン、リヴァイ兵長のこと?」


    リヴァイ兵長、と口の中で呟く

    何処かで聞いたことがある気がする


    誰だったっけ?ーーーーー思いだせ


    「人類....最強.....?」


    ポツリ、と呟く

    ミカサは苦しそうに喋る俺の額に手を乗せた


    冷たい
    冷たくて気持ちいい

    俺が気持ち良さに目を細めるとミカサはまるで母さんみたいな優しい声で言った


    「エレン、もうちょっとお休み」


    ーーーーー母さん


    その呟きは、果たして届いたのだろうか


    ミカサの驚いたような、嬉しいような顔を視界に入れて、俺はゆっくりと目を閉じた


    ーーー
    ーー


  51. 51 : : 2014/04/23(水) 00:37:26
    超絶期待です❗️頑張って下さいね❗️
    早めに書いてくれると嬉しいです❗️
    無理はしない程度にね❗️
  52. 52 : : 2014/04/26(土) 14:29:36
    期待!
  53. 53 : : 2014/04/27(日) 11:07:45
    >>51
    待ってる間に僕のSSに来ることを推奨する……(ゲス顔)
  54. 54 : : 2014/04/29(火) 22:27:29


    ......俺はどうやら人間というものを舐めていたらしい


    今まで数年間巨人とばかり戦ってきた所為でついつい人間のことを弱い存在だと思ってしまっていたが.......


    「オイ、覚悟は良いな?」


    ......どうやら人間ーーーもとい、この人に関しては俺の認識が甘過ぎた







    ーー事の発端は、約30分前まで遡る






    「ーーーぅ.....ぁ......?」


    俺は目を覚ました
    どうやらミカサとアルミンは何処かへ行ってしまったらしい


    少し残念だな....と思いながら、再度寝ようと瞼を閉じかけたーー


    「....オイ、餓鬼。目が覚めたのか?」


    (.....餓鬼?...俺のことか?)


    閉じかけた瞼をこじ開け、声が聴こえた方向に視線を向ける


    少し小柄な、眉間に皺を刻み込んだ男性が立っていた

  55. 55 : : 2014/04/29(火) 22:29:42


    「リヴァイ......兵長」


    「....知っているのか?」


    「...小さい、時....英雄の....凱旋....人類最強.....」


    「......そうか」


    (...今ので伝わったのか?流石人類最強。読解力も最強クラス....!)


    「.......オイ、何だその目は.....犬か?」


    「??」


    キョトン、と首を傾げると兵長はチッ、と盛大に舌打ちした

    ...俺、何か悪いことしたっけ....?


    (...まぁ、いいや。)


    体を起こす

    兵長が目を見開いた
    突き刺さるような視線に構わず身体中に巻かれた包帯やギプスを取っていく


    「.....お前、」


    「?」


    「.....内臓が全部潰れているんじゃなかったのか?」


    「内臓......ある。.....肉体....俺、巨人..」


    俺的には、“内臓はあります。俺は肉体再生が出来ます
    だって俺は巨人の力を持っているから


    みたいなことを言ったつもりだっのだが、どうやら兵長には伝わらなかったらしい


    眉間の皺が更に深くなった

  56. 56 : : 2014/04/29(火) 22:32:12


    ...最近俺詰み過ぎじゃないか?


    そう思ってはぁぁぁぁ
    と溜息を吐けば、これ以上深くならないんじゃないかという位眉間の皺が更に深くなった


    あ、ヤバいまた詰んだ


    しかもツカツカとこちらに歩いて来て、俺の胸倉を掴んできた


    正直に言おう、メチャクチャ怖い


    15m級の巨人に囲まれる方がいいと言える位に怖い


    「『俺、巨人』ってどういうことだ?お前が巨人だっていうのか?」


    「違う!俺、人間!!」


    「なら報告書にある壁外から来たってどういうことだ?説明しろ」


    「俺、口減らし、巨人、逃げた、巨大樹、調査兵団、........人類、弱い、人類最強、守れない、俺、駆逐」


    ....意訳
    “俺は口減らしに駆り出され、その中で巨人化して、訳もわからず逃げた
    行き着いた先の巨大樹の森で調査兵団の死体から物資を剥ぎ取って生きてきた........
    人類は弱い
    いくら人類最強の貴方でも守れない
    だから俺は巨人を今まで駆逐してきた。”


    案の定、伝わらなかったようで


    「オイ、覚悟は良いな?」


    ーーーー巨人が恋しい
  57. 57 : : 2014/04/29(火) 22:34:23


    たっぷり2時間兵長に説明して、やっと分かってもらった


    物凄く疲れた
    ぐったりと膝を抱える俺に、兵長が声をかけてきた


    「....お前、それは昔からか?」


    「?」


    「その片言だ」


    「....違う、巨人、と、の、戦い、必要、なか、った、から」


    人間、長年使っていないと軽く言語を忘れてしまう


    只今絶賛実感中である


    兵長に教えられた付属語をたどたどしく使うので俺の脳は精一杯だ
    呻く


    (これじゃあ....ただの赤ん坊じゃねぇか...まだ壁内に居た時の方がマシな気がする......)


    戦闘面に置いては成長している
    が、知識面に置いては逆に退化している


    盲点だった
    戦いずくめの毎日
    無論巨人が人間の言葉を話すことはない
    そんな状況で俺の脳は人間としての基礎知識を要らない物だと判断してしまったらしい


    「...今、お前は上層部で審議にかけられている。そして明日、お前も審議場に行くことになる」


    「?何、で、?」

  58. 58 : : 2014/04/29(火) 22:35:57


    「お前は巨人のうなじから出て来た。しかも、壁を越えてウォール・ローゼに侵入している。...巨人は人類の天敵だ。分かるな?」


    「は、い」


    「しかし、お前はその前に立体機動を使いこなし、巨人を駆逐している。あれは独学なんだろう?」


    「調査兵団の、メモ、で、学び、ました」


    「その適応力は悪くない。そして巨人化しても、お前は人類を傷つけなかった。それに加えてお前は友人を助け、協力して巨人を駆逐している。しかもお前は壁外から来た。つまり調査兵団と張り合える位に壁外に詳しい」


    「俺、人類、友好、か、天敵、か、審議?」


    「そうだ」


    ーーー参った


    (俺はただ、巨人を駆逐したかっただけなのに...どうして人類に敵視されなきゃいけないんだ.....?)


    くしゃり、と頭を撫でられた


    驚いて顔を上げると、兵長は相変わらずの無表情で俺の頭を撫でていた


    「お前のおかげで助かった人間は山程居る。忘れるな」


    嗚呼、



    俺は、俺はーーーーー



    涙を流し続ける化け物に、兵長はただただ何も言わず頭を撫でてくれていた


    ーーー
    ーー


  59. 59 : : 2014/04/30(水) 02:13:26
    超絶期待です❗️頑張って下さいね❗️
    早めに書いてくれると嬉しいです❗️
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  60. 60 : : 2014/05/01(木) 22:55:08
    面白い!
    期待です!
  61. 61 : : 2014/05/02(金) 18:18:42
    期待ッス!!!
  62. 62 : : 2014/05/03(土) 08:39:03
    期待です。
  63. 63 : : 2014/05/06(火) 21:19:03


    次の日


    「さぁ...始めようか」


    俺の審議が始まった




    「エレン・イェーガー君だね?」


    「はい」


    (穏やかな、優しい声だ)


    きっと俺が兵士ではないからそうしているのだろう、と俺は解釈する


    ダリス・ザックレー総統
    3つの兵団のトップだ
    10歳の俺の記憶に残っている


    「君はウォール・マリア奪還作戦に参加し、その中で巨人化。そして今まで壁外で生きてきて、今回壁内に戻ってきた。間違いないかな?」


    頷く


    「ではまず、君の巨人化について問う。君はどうやって巨人化している?」


    「自傷行為、を。目的意識、思う、しながら」


    「目的意識を持って自傷行為をする、そうだね?」


    「はい」


    どうやら伝わったようだ
    ......リヴァイ兵長、ありがとうございます言語って大事


    「君は壁外に5年間居たそうだね。どうしてだ?」


    「.....巨人、駆逐。アルミン、ミカサ、外の世界、一緒、冒険....」


    「ザックレー総統。私が通訳します」


    単語を並べるばかりの俺に助け舟を出したのはアルミンだった
    アルミンが俺の横に立ち、緊張した面持ちで俺に微笑む
    俺を安心させようとしてくれているのだろう
    素直に嬉しかった


    「“巨人を駆逐するため、そしていつかアルミンとミカサと外の世界を一緒に冒険するために壁外に居ました”...だよね、エレン?」


    頷く


    「そうか。では、何故今回壁内に?」


    「巨人、壁内、歩く、見た」


    「“巨人が壁内に歩くのを見た”」


    「成る程。本題に入ろう.......君は今、何がしたい?」


    心の奥深くを衝かれた気がした

    壁内に戻ってきた以上、壁外で誰も死なせない位まで強くなる、という夢は叶えられない

    それに加えて巨人化能力を持つ俺は処刑されるか、解剖されるだろうと思っていた

  64. 64 : : 2014/05/06(火) 21:21:02


    違ったのだ

    彼は、俺にチャンスを与えてくれている
    俺の意志を聴こうとしてくれている


    ならば俺はそれに答えなければならない


    この1回きりのチャンスをものにしなければならない

    間違いは、許されない


    (...偽りの無い、俺の意志を.......)


    「俺は.....」


    頭の中で母さんが、おじいさんが喰われるシーンがフラッシュバックする
    沢山の人の悲鳴が脳内を埋め尽くしていく


    (そうだ、俺が、俺がやりたいのは.....)


    「駆逐、してやる........巨人を.........1匹、残らず.....!!」







    そう言った瞬間、空気が変わった



    ーーーー支配したのだ



    この空間を、エレン・イェーガーというたった1人の少年が掌握した瞬間だった


    少年の琥珀とも、翡翠とも見える双眸がぎらつく

    その場に居た全員が、その少年の殺気とも思える気迫に動けずにいた











    ーーーーたった1人を除いて






  65. 65 : : 2014/05/06(火) 21:22:34





    「ほう....悪くない」



    言うが早いか、人類最強の肩書きを持つ調査兵団兵士長ーーリヴァイはツカツカとエレンに歩み寄り、その髪を掴んだ


    エレンは一瞬痛みに顔を顰めたものの、すぐに元の意志を固めたような強気な表情に戻した


    リヴァイは人類最強と謳われる自分に髪を掴まれても臆さないエレンに口角を上げた


    ここまで自分を真っ直ぐに見つめる眼を見るのは久しぶりだった


    「テメェは巨人を1匹残らず駆逐したいんだな?」


    「はい」


    間髪入れずにエレンが応える。リヴァイは更に口の端を吊り上げ、言い放った。



    「なら、認めてやるよ....お前の調査兵団入団を」


    ーーー
    ーー



  66. 66 : : 2014/05/06(火) 22:16:46
    期待!キタ━イ
      ∧∧ ∧∧
     (*゜∀)(∀゜*)
    彡 ⊂  つ⊂  つ ミ
    ⊂、 /  \ つ
      ∪ ≡ ∪′
  67. 67 : : 2014/05/07(水) 15:42:43
    超絶期待です❗️頑張って下さい❗️
    早めに書いてくれると嬉しいです❗️
    無理はしない程度に頑張って下さい❗️
  68. 68 : : 2014/05/08(木) 21:16:31


    「エレン、よろしくな」


    そう言って差し伸べられた大きな手を、俺はゆっくりと掴み、握手する


    審議場での判決は、あの兵長の一言で決まった
    総統が、俺の身柄を調査兵団に預けると言ったのだ


    その後俺は兵長に引きずられるような形で審議場の近くにある個室に連れて来られた


    そこには、以前壁外で見た3人が居た
    金髪を七三に分けた男性がエルヴィン団長
    さっきから俺の匂いを嗅いでいるのがミケ分隊長
    眼鏡を付けて髪をポニーテールにしているのがハンジ分隊長と言うらしい
    丁寧に自己紹介してくれた
    俺も名を名乗った
    そして冒頭に至る



    握手をし終えると、ハンジ分隊長が俺に寄って来た


    「エレンって10歳の時から壁外に居るんだよね?じゃあその服も10歳の時から?」


    「シャツ、は。マント、ズボン、は、調査兵団、死体。」


    「お前、死体から剥ぎ取ったのか。どうりでボロボロな筈だ」


    兵長に呆れられるのも無理は無い


    髪は壁外に石鹸なんて無かったからボサボサ
    肌はずっと薄暗い森に居たため白く、こびり付いた死体や巨人の血、自分の血で汚れている


    5年間着続けたシャツや、死体から剥ぎ取ったマントやズボンも当然血で汚れている
    しかも俺は靴を履いておらず、裸足だ


    「取り敢えず、君を綺麗にしなきゃね。リヴァイもエレンがずっとこのままの汚い姿だと嫌だろう?」


    「ああ。ハンジ、任せる」


    「了解。さ、おいでエレン」


    「は、ハイ!」



  69. 69 : : 2014/05/08(木) 21:18:50


    「ふぅ.......」


    あの後、俺はまず風呂に入ることになった


    流石に分隊長であるハンジさんに洗って貰う訳にはいかない為、1人で贅沢だが大浴場を使わせてもらっている


    この5年間、身体を洗うと言えば川で水浴びするか、雨で洗い流すかのどちらかだった


    石鹸の泡が心地良い
    泡立つまで5回も頭を洗った
    相当汚れていたのだな、と実感する


    こびり付いた血を丹念に洗い流し、湯船に浸かる


    巨人の治癒能力で身体には傷一つ無い
    しかし、一度巨人に喰われた左腕と右脚だけ肌が妙に白かった


    俺は巨人と命懸けで戦った証拠である左腕をそっと撫で、左手の親指の付け根にくっきり残った噛み跡をまるで慈しむように舌で舐めた



    風呂から上がると、真新しい調査兵団の制服が用意されていた


    俺を迎え入れてくれているのだ、と実感する


    涙が零れそうな位嬉しかった


    憧れの制服を身に纏い、脱衣所にある大きな鏡の前に立つ


    そこには、頼りないが、それでもしっかりと前を見据えた調査兵団の兵士である自分が映し出されていた


    俺は鏡の中の自分に微笑みかけ、脱衣所の扉を開けて外へ踏み出した



  70. 70 : : 2014/05/08(木) 21:22:33



    「ハンジさん、お風呂、入る、終わり、ました」


    「おおーエレン、お帰り.......」


    俺の姿を見てハンジさんが固まる


    「?どうした、ですか?」


    「え?あぁいや、よく似合ってるなぁって思ってね。制服」


    「そ、ですか?ありがと、ございます」


    ハンジの言ったことは間違いでは無い
    確かにエレンに調査兵団の制服はよく似合っている
    しかし、ハンジが絶句した理由はそれだけでは無かった



    ーーーーエレンは、ハンジの予想を遥かに超える美少年だったのだ



    汚れが無くなった肌は抜けるように白く、髪は汚れを落としたことによって本来の艶やかな漆黒を取り戻している


    顔立ちも整っており、何より光の当たり具合によって翡翠とも琥珀とも言える大きな瞳が印象的だった


    ハンジはあまり外見は気にしない方だったが、エレンの美しさには舌を巻いた


    (外の世界の、影響なのかな。これが)


    人類は元々、壁外に住んでいたという


    故に、壁の中に居る人類は心の何処かで壁外への憧れを抱いている
    その憧れが強い人類は、調査兵団に入り外の世界を目指す


    エレンはその外の世界で5年間生き抜いてきた


    厳しい環境で生き抜いてきたというその生命力が彼に美しさを与えているのだろう
    人間は厳しい環境を潜り抜けてこそ自らの生命力を発揮させる
    生命力が強い程、洗練された美しさを得る


    まさにエレンのそれは、洗練されたものだった


    (あぁ......何処かで見たと思ったら、)


    エレンの美しさに気付いた時からハンジが感じていたデジャヴ


    それは、

















    (リヴァイと、同じなのか)



    ーーー
    ーー



  71. 71 : : 2014/05/08(木) 21:27:01


    真新しい制服に身を包んだ俺は、兵長のもとへ向かった


    ハンジさんから聞いた話によると、兵長は俺の監視役になったらしい


    巨人化する俺を殺す為の人類の最終防衛ラインとしてエルヴィン団長に抜擢されたそうだ


    俺は人類に危害を加えるつもりなんて毛頭無いのだが、こればかりは仕方ない


    誰だって巨人は怖いのだ
    俺だって、もし自分が巨人と同じ場所で暮らすことになってしまったら、怯えてしまうだろう


    (仕方ない、俺は、化け物なんだから)


    ハンジさんに教えて貰った道を歩き、兵長の部屋のドアまで辿り着く
    一呼吸置いて、ノックを2回


    「入れ」


    中から低い兵長の声が聞こえる


    ドアを開け、入る


    デスクワークをしていたらしい兵長が、アッシュグレーの眼をこちらに向けた。鋭い眼光に思わず怯みそうになるが、ぐっと堪える


    「ーーエレンか。さっきよりはマシになったみてぇだな」


    「ありがと、ございます」


    礼を言って、頭を下げる


    兵長は机の上を片付け、俺の所まで歩いて来た


    「ついて来い。お前の部屋まで行くぞ」


    「は、ハイ!」




    連れて来られたのは、地下牢だった


    「其処に寝ろ」


    「はい」


    ジャケットとブーツ、ベルトを外してベルトに横たわる


    兵長が俺の手首を掴み、ベッドの両脇にある手枷で拘束する


    「ーーエレン、我慢しろよ」


    「いい、え。俺、予想、して、ました」


    化け物なのだ、拘束位耐えて見せる


    寧ろ、こうして屋根の下、ベッドの上で寝られているなんていい方だと思う


    にこりと微笑みかけると兵長は一瞬目を伏せ、それから俺の頭を撫でた
    硬い、戦う兵士の手だった


    「おやすみ、エレン」


    「はい。おやすみ、なさい、兵長」


    ーーー
    ーー




  72. 72 : : 2014/05/09(金) 00:56:27
    超絶期待です❗️頑張って下さい❗️
    早めに書いてくれると嬉しいです。
    無理はしない程度に頑張って下さい❗️
  73. 73 : : 2014/05/09(金) 11:58:13
    期待してます
  74. 74 : : 2014/05/10(土) 19:49:52
    期待です
  75. 75 : : 2014/05/11(日) 12:11:41


    俺は、“あの時”に立っていた


    『ーーーーーー母さん!おじいさん!!』


    届かない
    身体が重い


    嗚呼、ああ、どうして
    どうしてなんだ


    どうして俺は、俺の手は届かないんだ


    巨人になったって、15mあったって、届かないなら意味が無いじゃないか



    『グオアアアアアァアアアァアアアァァアアアアアアアアァァァアアアアアッ!!!!!』



    巨人となった俺の手が、何も掴めずに空を切る


    鮮血が、俺の全身を染めて行く


    『あ、あああ、アァあ』


    真っ赤、まっか、.....ア、カ.......イ


    『ああああああ、ああ、』



    真っ赤な、








    あれ、







    そこに、転がっているのはーーー









    『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!』


  76. 76 : : 2014/05/11(日) 12:16:21



    「ーーーーーッ!?」


    覚醒した、あれは夢だったーーーーそう理解するのに少し時間が要った


    冷や汗が止まらない
    ガタガタと震える身体を両手で抱く


    (‘両手で抱く’?俺は寝る前に手枷をつけられてーーー)


    見ると、手枷は鎖の部分から引きちぎられていた


    魘されてやってしまったのだろう


    数年前から、俺は人間の姿でも少し巨人の力を使えるようになっていた


    最初は常人離れした筋力に戸惑った
    筋肉の付きにくい身体だから、尚更だ


    でも、日を追う毎に段々制御出来るようになって来ていた


    確実に、成長してーーーー........いや、


    (化け物に、近づいて来てる)


    「は、はは、あはは、は.......」


    渇いた嗤い声が地下牢に響いた


    もう俺は化け物なのだ
    だって手枷を鎖ごと引き千切る人間なんて、居ない
    こんなの人間のやるコトじゃ無い


    俺は、もう、



    ................化け物。巨人。



    顔を両手で覆い、呻く


    嗚呼、彼処で倒れて居たのは
    大地を紅く、朱く、赤く染め上げていたのは…


    誰よりも、誰よりも大切な、俺のたった1人の家族だった


    化け物が、巨人が、ーー俺が、殺した


    「.................」


    俺はそっとベッドから降りると、常人離れしたその筋力で地下牢の鍵を壊した


    そして鎖を引きずりながら、夜の闇へと歩みを進めた


  77. 77 : : 2014/05/11(日) 12:22:19


    審議場の門番の鳩尾に拳を入れる


    ズルズルと倒れこむ兵士から、立体機動を拝借する


    その兵士を持ち前の馬鹿力で持ち上げ、門の柱の陰に凭れさせる


    「......ごめん、なさい」


    立体機動を装備し、俺は眠ったように気絶し、ユニコーンをその背に背負う名も知らぬ憲兵に敬礼した






    アンカーを打ち込み、壁の上に登る


    此処まで来るのに時間がかかってしまい、もう朝になってしまっている


    トロスト区の壁に空いてしまった穴から、次々と巨人が入って来ている


    壁外であんなに駆逐しても、まだ足りない
    ギリ、と奥歯を噛み締める


    目を凝らし、辺りを見回す


    (......!あれは......)


    丁度穴を塞げそうな大岩が転がっていた
    巨人の俺なら、持ち上げられるかもしれない


    (.....でも、)


    その道筋には、巨人が蔓延っている


    大岩を運ぶとなれば、俺は無防備になってしまう
    巨人に捕食されたら、きっと助からない


    つまり、俺に残された選択肢は1つ


    此処にいる巨人を出来るだけ大量に駆逐するしかない


    俺はトン、と壁から飛び降り、その勢いのままうなじを削ぐ





    「ーーーーー駆逐、してやる.....この世から、1匹残らず....!!」




    ーーー
    ーー



  78. 78 : : 2014/05/11(日) 13:53:23
    超絶期待です❗️頑張って下さい❗️
    早めに書いてくれると嬉しいです❗️
    無理はしない程度に頑張って下さい❗️
  79. 79 : : 2014/05/11(日) 15:08:22
    エレン頑張れ‼︎
    期待♪
  80. 80 : : 2014/05/11(日) 15:30:57
    きたーい!!!
  81. 81 : : 2014/05/12(月) 00:55:43


    ミカサとアルミンは、いつもより幾分早く起き、審議場へと向かっていた


    理由は単純
    エレンに会う為だ


    エレンは彼等の幼馴染であり、親友であり、そしてミカサの唯一の家族である


    2人ははやる気持ちを抑え、リヴァイの居る部屋へと向かう


    現在エレンは調査兵団ーーもとい、リヴァイの監視下に置かれている
    エレンに会う為にはリヴァイの許可が必要不可欠なのだ


    2回ノックをする


    「リヴァイ兵長、アルミン・アルレルトとミカサ・アッカーマンです」


    「入れ」


    「失礼します」


    リヴァイは彼等が来ることを予測していた


    死んだと思っていた親友が生きて帰ってきたのだ
    会いたいと思うのが普通だろう


    だからリヴァイも早く起き、彼等が来るのを待って居た


    「エレンか?」


    「はい、会わせて下さい」


    「分かった。エレンは地下牢に居る。ついて来い」


    地下牢、という言葉にあからさまにミカサは顔を顰めた

    ミカサにとってエレンは守るべき存在であるからだ


    そんなミカサをアルミンが宥めつつ、3人は地下牢へと向かっていった





    「ーーー居ない....?」


    地下牢はもぬけの殻だった


    手枷に付いていたはずの鎖は途中で引き千切られ、鍵は不自然に曲がっている


    そして昨夜この場所で寝たはずのエレンの姿は何処にも無かった


    呆然とする3人に、憲兵が1人転がり込むようにやって来た


    「リヴァイ兵長!例の少年がーー!」



  82. 82 : : 2014/05/12(月) 01:00:21


    その憲兵の話はこのようなものだった


    自分は昨夜、審議場の門番をしていたこと
    その最中、何者かに鳩尾を殴られ、気絶してしまったこと


    気絶する寸前に見たのは、少年だったこと
    その少年は琥珀色の眼をしており、手枷を嵌めていたこと


    そして泣きそうな声で、自分に『ごめんなさい』と告げたこと


    朝起きたら自分は門の柱の陰に凭れかかっており、立体機動がなくなっていたこと


    その時にはもう既に少年の姿は無く、急いで今リヴァイに伝えに来たこと


    それを聞いた瞬間、最初に動いたのはリヴァイだった


    「アッカーマン、アルレルト、立体機動の準備をしろ。俺はエルヴィンに伝えて来る。急げ、時間が惜しい」


    「「はっ!」」






    「はっ.....は.......は、ぁ........」


    もう、どれだけ戦ったのかーーーー


    これだけの量を一気に駆逐したのは初めてだ


    調査兵団の制服は既に俺と巨人の血で汚れきっている


    汗が吹き出る
    気が抜けない


    いつに無く感じる死の予感を振り切るように15m級の巨人のうなじを削ぎ落とす


    着地と同時に眩暈を感じ、たたらを踏む


    後ろから掴まれる


    「しまッーーーーー」








    「ーーーーーーエレン!!」




  83. 83 : : 2014/05/12(月) 01:10:43


    声が聴こえた、と思ったら俺の身体は宙に浮いていた


    「ーーーーーミ、カサ?」


    ミカサがあの巨人の手を切り落とし、俺を救出したのだと理解する


    ミカサは俺を抱えたまま壁の上に転がり込む

    身体を起こすと、抱きしめられた
    驚く


    「ミカサ?」


    「エレン、エレン.....」


    「....どうし、たん、だよ?泣いて、ちゃ、わかん、ねえよ」


    あの感情を表に出しにくいミカサがここまで泣くのは珍しい


    取り敢えずミカサの背中をあやすように撫でる


    小刻みに震えていた

    怖かったのだろうか?


    (ーーー何が?)


    ミカサは何を怖がっていたんだ?


    「エレン、死んじゃうかと、思っ...!」


    「ーーーーーー!」


    頭を殴られたような衝撃が走る


    ミカサは俺が死ぬことを怖がっていたのだ


    化け物になってしまった俺の死を怖がって、今涙を流しているのだ


    「ミカサ、俺が、怖く、ない、のか?」


    「どうして?」


    「俺、巨人、化け物、だ、から」


    「怖くない。エレンは私の大切な家族。怖いなんて思うはずない」


    ーーー嗚呼、


    (俺は、馬鹿だ)


    ミカサは俺を怖がっていなかった
    勝手に俺がそう思っていただけだ


    「ミカサ、エレン!!」


    「「アルミン!」」


    「今下の方で調査兵団が巨人と戦ってる!エレン、怪我は無い?」


    「無い。アルミン、ミカサ、聞いて」


    「「?」」


    俺は下にある大岩を指差す


    「あれ、穴、塞ぐ。俺、の、巨人、力、で」


    「あの大岩で穴を塞ぐーー?」


    「出来そうなの、エレン?」


    「わからない、でも、やる。やらなきゃ、皆、死んじゃう、から、絶対、やって、みせる」


    「そうか、だからその通路の為に巨人をーー」

    頷く


    「エレン、私が守る」


    「!?」


    「巨人なんかにエレンは殺させない」


    「ミカサ、危ない」


    「エレン」


    ミカサが俺を真っ直ぐ見つめる
    言葉なんて、要らなかった


    俺はアルミンを見つめる
    アルミンが頷く


    俺は再度壁から飛び降り、思いっきり手を噛み切った

  84. 84 : : 2014/05/12(月) 01:15:54


    「グオアアアアアァアアアァ!!!!」


    (ーーー痛い....身体が千切れそうだ...)


    大岩を持ち上げ、穴へと向かう


    身体が悲鳴を上げる
    戦っている調査兵団が大岩を運ぶ俺に気付く


    「全員戦闘開始!エレンを死守せよ!」


    エルヴィン団長の声が響く


    同時に、調査兵団の兵士が巨人を駆逐していく


    (!?)


    地上に降り、囮になっている兵士が居た
    調査兵団じゃ無い
    駐屯兵団だ


    (俺に、協力してくれるのかーー?)


    だが、立体機動が使えない地上に降りるなど自殺行為に等しい
    次々と死んで行く兵士を見て、俺は悟った


    (そうだ、)


    ミカサとアルミンが俺を導くように走って行く


    (俺たちは皆、生まれた時から自由だ)


    囮になった兵士が、俺に何か叫びながら喰われていく


    (それを拒むものがどれだけ強くとも、関係ない)


    ミカサが俺を喰おうとした巨人を削ぐ


    (戦え)


    渾身の力を大岩に込める


    (戦え)


    アルミンが俺を見て、叫ぶ








    「いっけええええええエレン!!!」



    「グオアアアアアァアアアァアアアァァアアアアアアアアァァァアアアアッッ!!!」




    (戦え!!!)






    轟音が木霊し、大岩で穴が塞がれる


    駐屯兵団の班長であるリコは、思わず座り込み、涙した


    「みんな....死んだかいが、あったな....」


    作戦成功を意味する黄色い煙弾が上がる


    「人類が今日、初めて巨人に勝ったよ」





    (勝った....?)


    エレンはリコの言葉を、巨人の身体の中で聴いた


    ズズズ....と自分の身体が巨人の身体に同化していく


    死ぬ程眠い


    うなじの肉が削がれ、引っ張り上げられるのを感じる


    エレンは1度フッと微笑むと、力尽きたように夢に沈んだ



    ーーー
    ーー





  85. 85 : : 2014/05/12(月) 05:49:10
    超絶期待です❗️頑張って下さい❗️
    早めに書いてくれると嬉しいです❗️
    無理はしない程度に頑張って下さい❗️
  86. 86 : : 2014/05/13(火) 01:09:04
    >>85

    君どこにでもいるねwww

    期待してます
  87. 87 : : 2014/05/13(火) 23:39:19


    風を切る
    翼が生えたみたいだ、と錯覚する


    (もっと、もっと高く)


    ブレードを構え、ガスを最大まで吹かす


    脳裏には“あの人”の姿が焼き付いている


    訓練兵の過程をすっ飛ばした俺にとって、立体機動の師匠は時折この森にやって来る調査兵団のみだ


    観察していれば分かる
    どう使えば効率的で、逸早く巨人を駆逐出来るのか


    俺は今まで沢山の調査兵団を見てきたが、その中で最近憧れる存在を見つけた


    “あの人”は誰よりも速く、誰よりも冷静で、誰よりも強い
    俺よりも見るからに小柄なのだが、それでも強いのだ


    顔も知らぬ、名も知らぬ“あの人”


    俺は当分“あの人”を目標にすることにした
    俺は誰よりも強く成らなければならない


    それなら今俺の中で最も強い存在である“あの人”を超えなければならない
    強くならなければ、また大切な人を失ってしまう
    そんなのはもう二度と御免だった


    “あの人”の真似をする。身体を捻り、回転しつつうなじを削ぐ


    「ーーーーーッ!」


    駆逐出来たはいいものの、全身の筋肉が悲鳴を上げている


    “あの人”はこれを壁外調査で幾度もやってのけた。俺もまだまだだなーーーそう思いつつ痛めた腰を摩る


    ふと、俺はポケットに手を突っ込みあの調査兵団の兵士の手帳を取り出す
    手帳にはカレンダーがあって、俺はそれで時間の流れを把握していた


    今日もいつも通りに頁をめくる
    今日の日付を知ったその刹那、俺は目を見開いた


    「........そっか......今日、.....」


    ポケットに手帳をしまい、全方位から俺を取り囲むようにして来た巨人どもを睨みつける


    ゆっくりと口元に手を添え、噛み切ろうと口を開ける


    その口が、誰にも届かない言葉を紡ぐ


    「15歳の誕生日、おめでとう。エレン・イェーガー」

  88. 88 : : 2014/05/13(火) 23:41:11


    俺はどうやら、とんでもない存在になってしまったようだ


    貴族や憲兵団などからは、壁内に忍び込んだ“化け物”という存在で見られる


    調査兵団からは、人類の進撃の嚆矢となる、“希望”という存在で見られる


    駐屯兵団はそれらが半々、と言ったところであろう


    そして、壁外に近い地域に住む民衆からはーーー



    「見ろ!エレン・イェーガーだ!」


    「1人で巨人討伐数80体だってよ!」


    「馬鹿、あいつは壁外で5年生きてたんだ、500は超えるだろ!」


    「まだ子供じゃない?」


    俺は酷い頭痛に耐えつつ、トロスト区から帰還していた


    あんな重いものを運んだのは初めてだ


    そのせいで身体じゅうが痛い


    ただでさえ巨人化の後は体力を持っていかれるのに、何なんだこの声の塊は
    頭にまで響く


    「英雄の凱旋だ!英雄のエレン・イェーガーが帰って来た!」


    “英雄”


    そう、俺は民衆からは“英雄”と思われているのだ


    俺は肩を借りているミカサに更に体重をかける
    限界、そう思った


    ミカサは俺の心情を読み取ってくれたのか、俺を半ば抱えるようにして歩く


    俺は凛とした表情のミカサを横目で見つめ、ゆっくりと身体から力を抜いた


  89. 89 : : 2014/05/13(火) 23:44:59


    それから数日


    俺は、調査兵団特別作戦班ーーー通称、リヴァイ班に配属されていた


    メンバーは俺を含め6人


    リヴァイ、言わずと知れた調査兵団兵士長にして人類最強と謳われる程の実力者


    ペトラ・ラル、リヴァイ班唯一の女兵士
    討伐10体、討伐補佐48体


    オルオ・ボザド、リヴァイ班の中でリヴァイに次いで巨人討伐数が多い
    討伐39体、討伐補佐9体


    エルド・ジン、リヴァイ班の副リーダー的存在
    討伐14体、討伐補佐32体


    グンタ・シュルツ、信頼感が強く真面目な兵士
    討伐7体、討伐補佐40体


    万が一俺が暴走した時は、この人達に殺されることになる


    本当に信用されてないんだな......と改めて感じる


    たった15の子供にここまで警戒しなければならないのか
    俺にはよく分からなかった


    (そんなに嫌なら、俺をさっさと壁外に放り出せばいいのに)


    どれだけ頼み込んでも、壁外に行くことは許してもらえなかった


    こうしてる間にもあの超大型巨人や鎧の巨人が出現するかもしれないのだ


    その前に少しでも強くなりたかった


    そう思えば思う程、許されない理由が分からなかった

  90. 90 : : 2014/05/13(火) 23:49:25


    リヴァイは1枚の紙に目を通していた


    “エレン・イェーガーに関する報告書”ーーー

    『9歳の時、ミカサ・アッカーマンと共に人攫いを殺害
    10歳の時、ウォール・マリア南端シガンシナ区にて巨人に遭遇、逃げ遅れる
    その後、ウォール・マリア奪還作戦に参加
    戦闘の最中に巨人化
    以降、壁外にて活動
    主に調査兵団の死体から物資を調達し、生き延びた
    15歳の時、壁内に戻りその身柄は調査兵団に預けられることとなった
    トロスト区の壁に空いた穴を大岩で塞ぎ、巨人の力は人類に必要であることを証明
    壁外での巨人討伐数は不明だが彼の言い分だと一日少なくとも10体は倒し、多い日は30体を倒したという
    トロスト区での戦績は討伐89体、討伐補佐0体(巨人化中の討伐数は含まないものとする)
    現在、調査兵団特別作戦班、リヴァイ班所属』


    (.....化け物か、アイツ)


    調査兵団に置いて、壁外調査から帰ってくるだけでそいつは立派な兵士と見なされる


    リヴァイ班のように巨人を20体程度討伐して五体万足で生き延びているのなら、精鋭となる


    無論、リヴァイは数えきれない程討伐しているのだが、それでもこの数は異常だと思った


    (これをアイツが1人で....?)


    巨人に母親を喰われ、親友を逃がす為に逃げ遅れた少年


    絶望的な状況で憎しみに身体を任せ、その身を巨人の姿に変えた少年


    調査兵団の死体を糧に、5年もの間巨人と戦い続けた少年


    親友の危機に駆け付け、人類に信頼されないことに号哭した少年


    人類の役に立てていたのだと、自分の横で泣いた少年


    人類の進撃の為に、命を賭して壁に空いた穴を塞いだ少年


    どれも『エレン・イェーガー』という、たった1人の少年


    「....はっ」


    リヴァイは口の端を吊り上げ報告書を机の上に投げ捨てると、1人空を仰いだ




    ーーー
    ーー





  91. 91 : : 2014/05/13(火) 23:52:11
    期待してます。
  92. 92 : : 2014/05/14(水) 03:20:32
    超絶期待です❗️
    無理はしない程度に頑張って下さい。

    なりすましが出たのでこれからはトリップをつけます。
  93. 93 : : 2014/05/14(水) 03:22:47
    これからはこっちでかきます
  94. 94 : : 2014/05/19(月) 17:32:38


    「....駆逐する!!」


    そう意気込んで始めたはいいものの、なかなか進まない


    (巨人化すればあっという間なんだけどな......)


    エレンがリヴァイに言われて現在進行形でやっている仕事は古城の周りの草むしりだった


    先ほどから2時間程雑草を駆逐する勢いでやっているのだが、如何せん範囲が広い


    いくらエレンが常人離れした体力と運動神経を有していても、キツイものがあった


    息を吐き、額に付いた汗を拭う


    「お疲れ様、エレン。休憩にしない?」


    「ペトラ、さん」


    声をかけられ振り向けば、訓練から帰って来たと思われるリヴァイ班のメンバーがこちらに歩いて来ていた


    エレンに話しかけたペトラは、面倒見が良くエレンの世話を焼いている


    「休憩?」


    「ああ、エレンも疲れただろう?」


    まるでその言葉を初めて聞いた、と言わんばかりに首を傾げるエレンにエルドが体調を問う


    エレンは汗を拭う手を止め、俯いて首を横に振る


    「休憩、要る、無い」


    「え?でも汗だくだし....」


    「壁外、休憩、無かった。今、同じ。此処、何時、危険、わからない。だから、要る、無い」


    “壁外では休憩する暇なんて無かった。今も同じだ。此処も何時危険な場所になるかわからない。だから、要らない”


  95. 95 : : 2014/05/19(月) 17:35:05


    エレンと数日過ごしたリヴァイ班にはエレンがそういう意味合いのことを言っているのが理解出来た


    だが、どう見てもエレンは消耗していた


    エレンが周りとの壁を感じていることも
    言語に悪戦苦闘していることも
    先日の戦闘の疲れが残っていることも
    その所為でここまで消耗していることも
    リヴァイ班のメンバーは全員知っているのだ


    そしてそれに気付いたリヴァイがわざとエレンに草むしりをやらせ、訓練から遠ざけたことも、既知のことだった


    しかし当のエレンは早く壁外に戻りたいのだと訴える


    限界だと喚き、軋む身体に鞭を打つ


    こんな健気な姿に同情するなと言う方が無理だ


    「....ああもう限界!!」


    ペトラがぐい、とエレンの腕を引っ張る


    エレンの細い身体は簡単によろめき、力の働く方向へ動いて行く


    「ペトラ、さん!?」


    抵抗しようにも相手は女性だ
    万が一にも怪我をさせてはいけない


    流石のエレンもその位の常識は兼ね備えていた


    だから何も出来ず、ただズルズルと引きずられて行った

  96. 96 : : 2014/05/19(月) 18:31:41


    「はい、そこに座って」


    椅子に座らされ、エレンは混乱する頭をフル回転させていた


    どうして食堂に連れて来られたのか
    何故当然のように自分の椅子が用意されているのか
    何故リヴァイ班の人達が自分を取り囲むように座っているのかーーー何もかも分からなかった


    エレンの頭が沸騰しそうなその刹那


    「はい、エレン」


    「....?」


    コトリ、と


    自分の前に置かれたのは、円形で、狐色をした香ばしい匂いを放つ物体
    エレンは再度首を傾げる


    「エレン、お前クッキー知らないのか?」


    オルオに問われ、エレンは口の中でクッキー、と反芻する


    そして聞き覚えが無いことを知ると首を横に振った
    するとグンタが笑って言った


    「砂糖菓子の一種だ。覚えとけ、エレン」


    砂糖菓子、と聞いてエレンは目を丸くする
    砂糖はとても高価な食材だからだ


    エレンでもそれは知っている


    昔、幼い頃ミカサとアルミンと一緒に誕生日の時角砂糖を一粒食べたことがあるが、食べた後値段を聞いて驚いたものだ


    当然、今まであまり甘いものを食べたことの無いエレン達にとってそれがどれだけ美味しかったのかも覚えている


    だからこそ、エレンはなかなかクッキーに手を伸ばせなかった

  97. 97 : : 2014/05/19(月) 18:49:41


    「エレン?」


    「............」


    5年もの間まともな食事を摂れなかったエレンにとって喉から手が出る位に欲しい


    けれどエレンは手を伸ばせない
    どれだけ貴重なものかを知っているからだ


    疲れているであろうリヴァイ班を前に1人それを食べるなど不可能に等しい


    ましてやエレンにとって自由の翼を背負う調査兵団は憧れの存在なのだ


    そんな人達を差し置いて自分がこんなものを口にするなどーーーエレンには出来なかった


    (気遣われてる、俺が、子供だから。巨人なのに、本当は怖い筈なのに)


    負担になりたくない
    けれど、調査兵団の精鋭である彼等から精神の安らぎを奪っているのは自分だ


    巨人と一緒に暮らしているのだ、そんなことは当たり前だ


    なのに、俺はそんな人達に気を遣わせているーーーー


    ーーーーエレンの瞳から、ふいに涙が零れ落ちた


    「エレン!?」


    「お、おいどうした!?」


    「どっか痛いのか!?」


    「ほら、これで涙拭け!」


    「う、うぁあ....」


    ヒック、としゃくりあげてエレンはやっと拙い言葉を紡ぐ


    「ご、め....さい。ごめ、な、さい...っ」


    「エレン?」


    リヴァイ班には何故エレンが泣くのか、何故謝るのか分からなかった


    「気遣う、させて.....っ、俺、巨人なのに、......ひっ、......負担....っ、なって、.......う、....ご、めん、な、さ......」


    最後まで聞く必要なんて無かった


    エレンがごめんなさいと言おうとしたその瞬間、エレンは沢山の腕によって抱きしめられていた


    「エレン、大丈夫。私たち、貴方を負担だなんて思ってないわ。だって....」


    ペトラはエレンのこぼれ落ちそうな瞳を見つめる


    「私たち、仲間でしょう?」


    (ーーーーーー仲間...?)


    「俺、が....仲間.....?」


    「ええ、そうよ、エレン」


    「う...ひっ、...うあああぁああぁぁ..っ」


    涙が枯れるかと思った


    喉が焼けきれるかと思った


    エレンには、ただ目の前にあるーーー
    ーーー“仲間”に縋ることしか出来なかった


  98. 98 : : 2014/05/19(月) 18:56:28


    「いただき、ます」


    エレンはまだ涙の跡が残る頬を擦ってから、手を合わせ3枚あるクッキーの1つに手を伸ばす


    それを半分に割り、欠片の1つをハンカチに包む


    残った半分を口に含み、ゆっくりと咀嚼する。香ばしい甘さに思わず微笑む


    ((((笑った....))))


    そう言えば、エレンの笑い顔は見たことが無かったな、と彼等は思う


    その微笑みは、まるで天使のようで


    つられて口角が上がり、場の雰囲気が和んでいく


    エレンはじっと残りのクッキーを見つめると、それぞれ半分に割って行く


    そして欠片を1つずつリヴァイ班に手渡した


    「え、エレン、要らないの?」


    「皆、で、食べる、方、美味しい」


    そこにいる誰もが思った


    巨人が今も壁外を蔓延っていることなど忘れて



    ーーーーー嗚呼、幸せだ。









    その夜


    リヴァイは会議を終え、古城に戻って来ていた
    座りっぱなしで凝り固まった肩をほぐしつつ、自室の扉を開く


    「.....あぁ?」


    机の上に見知らぬハンカチが置いてあった


    清潔な白いそれの中には何か入っているようだった
    手に取り、包みを開く
    香ばしい匂いが鼻腔に満ちた


    「...クッキー?」


    再度机に視線を戻すと、羊皮紙の切れ端が乗っていた


    それも手に取り、覗き込む


    幼子のような汚い文字で一言メッセージが書かれていた


    そしてリヴァイはソファに寄りかかるようにして眠る少年へと目を向ける


    「....まぁ、悪くない」


    そう呟いてリヴァイは半分に割れたクッキーを口に放る


    そして夢の中に沈んでいる少年ーーーエレンをソファに寝かせ、毛布を掛ける


    ひらりと落ちた羊皮紙が月光に照らされていた






    “ありがとうございます”




    ーーー
    ーー


  99. 99 : : 2014/05/19(月) 21:59:38
    そういえば、pixiv、続きが無いからな~。終わってしまったのか~。続きがあれば見たいな。
  100. 100 : : 2014/05/19(月) 22:38:56
    pixivのやつと似てるな、と思ってたんですけど書いていたのエレアニさんだったんですか?
  101. 101 : : 2014/05/19(月) 22:52:32
    泣いたーマジで良い話だった。
  102. 102 : : 2014/05/20(火) 19:44:53
    良い作品でしたー
  103. 103 : : 2014/06/10(火) 22:33:56
    すごくよかった!
  104. 104 : : 2014/06/12(木) 21:00:44
    続きに期待です!!!
  105. 105 : : 2014/06/19(木) 00:55:03
    期待
  106. 106 : : 2014/08/17(日) 17:50:30
    凄い作品ですね!!!
  107. 107 : : 2014/08/19(火) 20:16:39
    期待しています
  108. 108 : : 2015/03/13(金) 22:30:48
    (╥ω╥`)(╥ω╥`)(╥ω╥`)(╥ω╥`)ポロポロポロポロポロポロポロポロ
    俺なんで泣いてるんだ?
    視界が、霞んでいる
  109. 109 : : 2015/05/07(木) 17:18:13
    続きあるんですよね?
    楽しみに待ってます。
    期待。
  110. 110 : : 2015/06/04(木) 20:39:17
    ▄▄▄▄██〓█●
    ▂▃▄▅█████▅▄
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    ◥⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙▲⊙◤ 
    bo---nn

  111. 111 : : 2015/11/02(月) 22:02:21
    最高でした!!
  112. 112 : : 2017/01/03(火) 00:53:11
    感動しました!(´。・д人)シクシク…
  113. 113 : : 2017/04/10(月) 00:24:33
    感動だよ…途中泣いた…
  114. 114 : : 2017/04/10(月) 22:59:30
    あれ?
  115. 115 : : 2017/07/17(月) 16:57:20
    ん?
  116. 116 : : 2017/08/03(木) 09:26:49
    続きあるのかな続きつくるなら楽しみです
  117. 117 : : 2017/08/20(日) 03:02:46
    続きがあるなら期待!?











    頑張ってください
  118. 118 : : 2017/10/10(火) 22:33:29
    泣きそうだったぁぁぁぁ!!
    めっちゃ面白かったです♪( ´▽`)
  119. 119 : : 2017/10/21(土) 09:57:19
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  120. 120 : : 2017/11/04(土) 21:54:26
    何これ?!!!
    めっちゃ感動(>_<。。。
    凄くいい作品でした~!
     この作品めっちゃ好き
  121. 121 : : 2017/11/19(日) 16:33:14
    思わず泣いてしまった!感動!続きに期待!
  122. 122 : : 2018/01/12(金) 06:20:03
    めっちゃ感動!!!!!!続き期待!!
  123. 123 : : 2019/02/17(日) 23:22:08
    エレンむっちゃ優しいやん
    涙が出てきた



    期待してます
    頑張れーー!!
  124. 124 : : 2019/03/03(日) 00:50:02
    119ちょいズレてるね
  125. 125 : : 2020/08/06(木) 22:15:51
    エレンめっさ優しい

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child_dragonbas

エレアニ大好き

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