ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

この作品は執筆を終了しています。

L u c e r n a s ~遺志を継ぐ君達へ~ 『第三話・絶望の淵に視た物』

    • Good
    • 8

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2014/03/30(日) 00:05:06
    突如響いた悲鳴

    絶望に呑まれていく町で

    彼らに下される命令とは…

    L u c e r n a s ~遺志を継ぐ君達へ~

    第三話・『絶望の淵に視た物』

    スタートです…!
  2. 2 : : 2014/03/30(日) 00:47:48
    期待です
  3. 3 : : 2014/03/30(日) 08:59:34
    期待!!
  4. 4 : : 2014/03/30(日) 09:32:26
    面白いぜ...期待だ!
  5. 5 : : 2014/03/30(日) 15:09:51
    期待!!!
  6. 6 : : 2014/03/30(日) 15:22:32
    期待!
  7. 7 : : 2014/03/30(日) 18:42:31
    期待
  8. 8 : : 2014/03/30(日) 20:36:45
    ~part1~

    私は…夢でも見ているのか…?

    キャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!

    辺りに響く、悲鳴…

    ドゴオオオオオンッッ!!!!!!!!!

    炎に包まれ崩壊していく、町。

    夢でもなければ、あり得ない光景。

    しかし、肌で感じる生暖かい風は私に伝える…

    これは現実だ、と…
  9. 9 : : 2014/03/30(日) 20:37:40
    キース「…!」ハッ!

    そうだ、こんな事をしている場合では…!

    キース「全訓練兵ッ!!!訓練は中止だ!!今すぐ訓練兵舎内に入れ!!!!」

    ザワザワ…エ…!?

    場がざわつき始める。

    このままでは、直ぐにパニックになるのは明白だった。

    キース「ギャーギャー騒がずにさっさと動けぇー!!!この愚図共ぉー!!!!!」

    必要以上に強い言葉遣いで、訓練兵の心を「恐怖心ごと」掌握することを試みる。

    オ、オイ!トリアエズヘイシャニ!!!

    …よし、上手くいったようだな。

    一先ず、胸を撫で下ろす。しかし気は抜けない。

    キース「教官は会議室に集まれ!!緊急会議だ!!!」

    そう叫び、私も会議室へと歩を進める。

    …何がどうなっているっ…!!?





  10. 10 : : 2014/03/30(日) 20:38:11
    会議室に入ると、慌てた教官にとつぜん声をかけられる。

    教官A「キースさん!!壁に穴が開けられ、きょ、巨人がぁ!!」

    キース「そんな事は分かっている!!教官が慌ててどうする!!」

    教官A「!!す、すいません…!」

    キース「現在の巨人の侵入状況はどうなっている!?対応は!?」

    教官B「空から侵入してきた翼を持つ巨人、光る巨人に加え、壁の穴から2体の巨人が侵入してきました!!」

    キース「種類は!?まさか4体とも新型という事はないだろう!?」

    教官B「は、はい。二体とも確認はされているんですが…」

    キース「…?どうした?」

    教官B「剛腕の巨人については問題はないんです。しかし、もう一体が…」

    キース「勿体ぶっている時間はない!!さっさと言え!!」

    教官B「…『修羅の巨人』が…確認されました…!!」

    キース「!!!?…修羅…だと…!?」

    私の全身から、血の気が引くのが分かった。
  11. 11 : : 2014/03/30(日) 20:38:41

    …『修羅の巨人』

    壁外調査において一度だけ発見された際、「調査兵団の約4割を殲滅」、その強大さが市民に混乱を招くのを防ぐため、一般にはその存在を隠された程の巨人だ。

    キース「っ…!!よりによって…!!!」

    キース「対応はどうなっている!?住民の避難状況は!?」

    教官C「そ、それが…!!」

    キース「なんだ!?」

    教官C「最初の閃光により、駐屯兵団は致命的な損害を受け…まともな活動が出来ていないのです…!!!」

    キース「なっ…!?駐屯兵団がそんなに容易く崩れる筈が…!!!」

    その時、私は思い出した。

    ピクシス司令を初めとする駐屯兵団の精鋭達が、今王都に召集されている最中だということを。

    キース「っ…!!平和…ボケか…!!」ギュッ!

    つい、手を強く握りしめる。

    教官D「調査兵団も壁外調査で…トロスト区は最早…」

    キース「…!!」

    私は、一つの選択を迫られた。

    多くの者を自らの手で殺すやも知れない、悪魔の選択を。

    キース「…っ!」

    私の答えは…

  12. 12 : : 2014/03/30(日) 20:39:32




    私は、広場に訓練兵を全員集めた。

    キース「…知っての通り、今トロスト区は甚大な損害を受けている。」

    ザワザワ…モシカシテ…

    察しの良い者は気付き始めたようで、ざわめきが広がってきた。

    だがそれに構わず、私は続ける。

    キース「巨人の初撃により駐屯兵団は壊滅状態、それにより救助が行われていないのがその原因だ。」

    ザワ…!ザワ…!!

    キース「このままではトロスト区は巨人の手に落ち…多くの住民は、その命を失うだろう…」

    エ…ウソダロ…!!?

    キース「ここに、教官として命令する…そして、1人の人間、キース・シャーディスとして懇願する!!!」

    ア…アア…!!!

    キース「トロスト区住民の避難を支援しろ!!!…人類のために…死んでくれ!!!!!!!!」

    キース「…以上だ、後の説明は他の教官がする…」

    ウアアアア!!!!!イヤダ、イヤダァァァァァ!!!!

    そこら中から、悲鳴があがる。

    しかし、その悲鳴はもはや私には届いていなかった。

    私は今日……



    大量殺人者になったのだ。




    ~part3~ 完
  13. 13 : : 2014/03/30(日) 20:47:28
    キース…
  14. 14 : : 2014/03/30(日) 22:26:43
    ~part3~ 完






    ~part1~ 完の



    間違いです
  15. 15 : : 2014/03/30(日) 22:28:50
    >>14全く気づかなかった…

    皆様、申し訳御座いませんm(_ _)m
  16. 16 : : 2014/03/30(日) 22:42:51
    ~part2~



    キース「人類のために・・・死んでくれ!!!」





    おいおい・・・




    おいおいおいおいおい・・・!!!




    いやおかしいだろ・・・!?




    死んでくれ、だと・・・!?




    ジャン「あの人何言ってんだ・・・か、仮にも教官だろ?」




    だいたい他の兵団はどうなってる!?




    ジャン「きょ、教官!駐屯兵団や憲兵団は動かないのですか!?」




    教官A「それは私から話そう・・・」
  17. 17 : : 2014/03/30(日) 22:45:47
    教官A「まず駐屯兵団だが・・・駐屯兵団の幹部達は今ある会議で内地に召集されている。大きな戦力を失わずに済んだという点では不幸中の幸いだ」



    教官A「教官A「そしてこれは先ほどキース教官からもあった通り、あの光る巨人の攻撃によって駐屯兵団支部は壊滅状態にある」





    教官A「次は・・・憲兵団だが・・・彼らは巨人の攻撃があった途端生き残った者は我先にと内地に逃げおおせた。早々に内地に連絡するという名目でな」





    は・・・・?




    例え腐っていても兵士だろ・・・?




    な、なんで自分らから逃げてんだ・・・?




    これが俺が血の滲む努力をしてまで入ろうとしていたものの実態なのか・・・?
  18. 18 : : 2014/03/30(日) 22:48:42
    教官A「・・・だがな、ここに居ても死をひたすら先延ばしにするだけだ」




    ジャン「・・・・・・」




    教官A「君達には家族がいるだろう?トロスト区に居る家族を見捨ててまで命をほんのちょっと先延ばしにしたいのなら此処に残りたまえ」




    その言葉は俺の心に容赦なく入り込んできた




    家族を見捨てて・・・?




    お袋も親父も妹のアンナも・・・全部全部見殺しにしてまで俺は生きるのか・・・?




    いや――――――――――――――――――――――




    違うだろッッッッ!!!!!!





    ジャン「俺は・・・行くぜ・・・」




    マルコ「え?ジャ、ジャン・・・?」




    ジャン「俺はな・・・内地にいってより安泰に暮らしたい」




    ジャン「自分第一の自己中野郎だ」




    ジャン「でもな、わかったんだよ。ここを乗り切らなきゃ今日ここで死ぬんだ。いや乗り切れるかすらわかんねえ」




    ジャン「それくらいならな、俺は人のために命を散らすぜ」




    ジャン「力を持つ者が持たない者を見捨てて生き延びる世界なんてクソくらえだ」




    ジャン「だから俺は今日、他の人間のために・・・家族のために!死んでやるよ!!」
  19. 19 : : 2014/03/30(日) 22:50:45
    マルコ「・・・君の言う言葉はいつもストレートで自分に正直だ」




    マルコ「そんな君だから思える、その決意が本物だってね。・・・僕も行くよ」




    エレン「俺も行くぜ。いや俺はもとから行くつもりだったけどな」




    オ、オレモダ!ジャンノイウトオリダ!




    ジャン「お、お前ら・・・!!」




    ジャン「・・・ふんっ!じゃあ皆で仲良く集団自殺にいってやろうじゃねえか!!」




    キース「(意外だった・・・キルシュタインがこんな姿勢を取るとは・・・これは評価を改めねばいけないな)」




    マルコ「やっぱり君は良い指揮官になれそうだ・・・」




    ジャン「よせよ、そんな柄じゃねえ」
  20. 20 : : 2014/03/30(日) 22:51:06
    キース「ならば今から即席で班を組め!!四人一組だ!仲間が死んでも決して振り返るな!!」




    キース「仲間の屍を・・・越えて!助かる命を救うのだ!!」




    訓練兵一同「ハッ!!!」バッ




    キース「・・・良い敬礼だ。私から教えることはもう何もないな」




    キース「よし・・・!!班は出来たな!?」




    キース「それでは只今からトロスト区民救出作戦を開始する!!」




    キース「進撃せよ!!!!!!!!!!!!」




    ウォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!




    こうして僅かな希望を胸に秘めながら若き兵士たちは戦場へと駆けるのであった




    ~part2~ 完
  21. 21 : : 2014/03/31(月) 00:46:43
    ~part3~

    エレン「…よし、準備はいいか!?」

    ミカサ「ええ、勿論」

    アルミン「僕も大丈夫…!」

    トーマス「おう…!」

    俺等の班は、トロスト区の中でも西端の方を任された。

    エレン「こうしてる間にも巨人は暴れてるんだ、一刻も早く向かうぞ!!」

    アルミン「うん!!」

    こうして、俺等は走り出した。
  22. 22 : : 2014/03/31(月) 00:47:22
    エレン「なあ…お前ら」タッタッタッ

    アルミン「?エレン…どうしたんだい?」タッタッ

    エレン「俺等がもし巨人を倒したらよ、俺等は新兵にしてスピード昇格と思わねえか?」

    ミカサ「何を言ってるの、エレン。急な事態で、私達にはギアすら渡されていない…巨人を倒そうとするのは、無謀。」タッ!

    エレン「…そうだったな…」

    トーマス「おい、エレン。お前そんなこと言ってたら、一番に死ぬぜ!?」タッタッ

    エレン「言ったな!?トーマス!!俺は絶対に死なねえぞ!?」

    ミカサ「エレンは私が死なせない。」

    トーマス「おいおい、こんな非常時にまで夫婦漫才か!?」ハハ

    エレン「やめろよ、トーマス!!」

    いつものように会話を交わすことで、俺らは恐怖を紛らわせていた。

    あえて楽天的なことを言うと、本当に大丈夫なようにさえ感じるものだ。

    エレン「よし…この辺からは住民が居るかも知れねえ!!よく見ろよ!!」

    トーマス「おう!!」

    俺らが辺りを見回した、その時だった

    ヒュウウンッ!!

    風を切り裂くような音と共に、空から巨大な物体が降り注ぎ…

    ドドドドドッッッ!!!!!

    辺りに、爆音が響いた。
  23. 23 : : 2014/03/31(月) 00:48:07
    エレン「なっ…!?」

    アルミン「なんだ!?」

    慌てて空を見上げる俺達。

    そこには…

    「……」バサッ…バサッ

    翼の生えた巨人…『翼の巨人』がいた…

    エレン「なっ…!!あいつは…!」

    ミカサ「壁を超えてきた…新種!?」

    最悪だ!!まさかこんな奴に見つかるなんて…!!

    エレン「お前らっ!!逃げ…!」

    エレンが言い終わる前に、巨人が動く。

    翼の巨人「」キュウウ!!

    4人に向け、急滑降する巨人。

    トーマス「う、うわぁぁぁ!!!!!」

    グチュアッ!!

    その巨大な腕に触れ…

    トーマスの上半身は吹き飛んだ…

    エレン「トッ…」

    ミカサ「…!!」

    アルミン「ああ…!!」

    エレン「トーマスゥゥゥゥゥゥ!!!!!」




  24. 24 : : 2014/03/31(月) 00:49:10
    巨人「」ニヤニヤ

    アルミン「!!あいつ…!また!!」

    再び滑降の姿勢をとる翼の巨人。

    エレン「っ!!建物の影に隠れろ!!」バッ!

    ミカアル「くっ!」バッ

    建物の影に飛び込んだ3人。しかし…

    巨人「」ヒュオッ!!

    ズパァンッ!!

    巨人の翼は、いとも簡単に…まるで豆腐でも斬るかのように、建物を真っ二つにした。

    アルミン「っ…!!そんな…!!」

    エレン「…っ!とにかく走れ!!二人共!!!」ダダダッ!!

    …駄目だ。奴には…勝てっこない。

    逃げねえと。とにかく、逃げねえと…!!

    そこからは、ただひたすら逃げた。ひたすら、走った。

    まるで永遠のごとき逃走劇。

    しかし…それも、終わりを迎える。

    アルミン「!!あれはっ…!!」ダダダッ!

    ミカサ「行き止まり…!?嘘…!!」ダダダッ!!!

    エレン「…嘘…だろ…!?」クルッ

    思わず後ろを振り返る俺。そこには…

    巨人「」ニヤァ…

    薄気味悪い笑顔の、巨人の顔があった。

    エレン「…!ここ…まで…なのか…!?」

    ああ…俺は、ここで死ぬのか…

    短かった、な…

    俺の頭に、走馬灯が走る。








  25. 25 : : 2014/03/31(月) 00:50:05









    あれは、俺が5歳くらいの時…

    エレン「ねえ、父さん?」

    グリシャ「ん?どうした、エレン」

    エレン「なんで、父さんと母さんは結婚したの?」

    グリシャ「ほう、もうエレンもそういうことが気になる年か?」フフ

    カルラ「ちょっと、グリシャ?」ジロッ

    グリシャ「っ!…ああ、すまない…」ゾクッ

    カルラ「全く。それにしてもエレン、なんで急に?」

    エレン「だって父さん、いっつも今みたいに睨まれて怒られてるのに、なんで結婚したのかなって。」

    グリシャ「…ふふふ、そうだな…」

    グリシャ「やっぱり、なによりも…「守りたい」、と思ったからかな」

    エレン「守る?」

    グリシャ「ああ。エレン、いつかお前にも分かるはずだ」

    エレン「うーん…本当かな…」

    カルラ「きっと分かるわよ、エレン。貴方にも…きっと。だから楽しみにしときなさい?」ニコッ

    エレン「うん!分かった!!」ニコッ














    俺が…守りたい人…

    ミカサ…アルミン…

    今、こいつらが死にそうなのに…なんで俺が諦めてんだ…?

    …そうだ…!俺は…諦めてる場合じゃねえ…!!

    俺は…ミカサと…アルミンを…!!

    死んでも…守るんだっ…!!!

  26. 26 : : 2014/03/31(月) 00:51:24


    エレン「うおおおおお!!!!!」

    アルミン「っ!?エレン!?」

    ミカサ「!?鍵が…光って…!?」



    『よく言ったな…』

    お前は…あの時の声…!?

    『つくづく思うぜ…お前は…本当に強え奴だ…』

    『その意思に免じて…力を貸してやる。ミカサとアルミンを…皆を、守るんだろ?』

    …お前が何を言ってんのかは分かんねえ…けど、なんでだろうな…お前は、悪い奴じゃねえ気がする…

    まるで、自分の分身みてえな…

    『ほら…行ってこい…』






    エレン「うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」

    鍵の輝きは激しさを増し…

    その場を、包み込んだ。
  27. 27 : : 2014/03/31(月) 00:53:00


    徐々に光が収まっていく。

    ミカサ「エレン…?」

    ミカサの視線の先にいたのは…

    エレン「…解放の鍵(リヴェレイション・キー)…!!!」

    右手に鍵のような大剣を携えた、エレンの後ろ姿だった。

    アルミン「エレン…それ…まさか…!?」

    エレン「…」クルッ

    エレン 「すまねえな、待たせちまって。」

    エレン「今…こいつをやるからよ。後ちょっとだけ、待ってくれ」ニッ

    そう言うとエレンは、再び巨人の方に向き直り…

    エレン「…行くぞ」ザッ…

    大剣を、構えた。





    ~part3~ 完
  28. 28 : : 2014/03/31(月) 09:08:19
    キターーーーーーーー!スゲェ展開だーーーーーーーーー!
  29. 29 : : 2014/03/31(月) 09:29:19
    期待以外の言葉が思いつかない!
  30. 30 : : 2014/03/31(月) 15:46:48
    エレンかっけええええええええええええええ!!!
    (読んでて、マ○の極大魔法を思い出してしまった)
  31. 31 : : 2014/03/31(月) 20:45:35
    ~part4~




    ジャン「よし、お前ら!行くぞ!!」



    マルコ「ああ!」



    サムエル「確か俺等は西区担当だよな」



    ミーナ「うん!頑張ろうね!!」




    あんなことを口走っちまったんだ、ちゃんと働かねえと恥ずかしくてたまらねえな




    ジャン「よしっ!早く行くぞっ!」ダダッ



    マルコ「ははっ、張り切ってるね!」タッ
  32. 32 : : 2014/03/31(月) 20:46:27
    ――――――――――――西区




    ジャン「こ、これは・・・」タッタッタ



    ミーナ「酷い・・・」



    俺達の担当の西区は酷い有様だった



    無事な民家もほとんど無く全て朱い炎に包まれていた



    もちろん生存者も皆無で道には焼け爛れた親子の死体、真っ二つになってしまった死体などまさに地獄絵図のようだった




    サムエル「うっ・・・!」オエッ




    こんなの見たら仕方ねえよ・・・俺だって必死で我慢してんだ




    ただ・・・この先は俺の家があったはずなんだが・・・
  33. 33 : : 2014/03/31(月) 20:46:53
    ジャン「・・・こっちに行こう」タタッ




    今更家も家族も無事だなんて思うほど夢見ちゃいねえ




    でもせめてアンナだけは生きててほしいんだ・・・!




    俺達はどんどん俺の家に近づいて行った




    そこで俺が見たのは――――――――――――――――――
  34. 34 : : 2014/03/31(月) 20:47:48
    ジャン「・・・だよな」



    案の定俺の家は跡形も無くなっていた




    その時だった




    ウゥ・・・




    ジャン「・・・・!?誰かいるのか!?」バッ!




    マルコ「ジャン!?」




    只の瓦礫と化した俺の家に近寄ると瓦礫の下敷きになっているアンナを見つけた




    ジャン「アンナ!?大丈夫か!?」




    アンナ「お、おにいちゃ・・・ん?」




    ジャン「ああ!今助けるからな!待ってろ!」




    サムエル「俺達も手伝うぞ!」




    ジャン「すまねえ!助かる!!」
  35. 35 : : 2014/03/31(月) 20:48:17
    ジャン「ふんっ!!」グググッ




    アンナ「お兄ちゃん・・・な、んでこんなとこに・・・?」




    ジャン「兵士としてっ・・・任務できてんだ・・・!」




    アンナ「け、けんぺーだんにはい、ったの・・・?よか、ったね・・・」ニコッ




    ジャン「・・・!!もう喋らなくていいぞ、きついだろう・・・!」




    喋らなくていいと言ったのはこれ以上俺を惨めにして欲しくなかったからだ




    アンナの笑顔が深く心に刺さる、憲兵団に入って家族を楽にしてやると誓ったのに・・・




    俺はその道を捨てここに立っている




    何が正しくて何が間違いなのか俺にはわからないんだ




    でも、今はアンナを助けることが俺にできる最善の事だ・・・!
  36. 36 : : 2014/03/31(月) 20:49:47
    マルコ「2人とも・・・」



    ジャン「・・・へへっ、馬鹿言うなよな!さ、俺もやってやる――――――――――――――――」



    バヒュンッ!



    ジャンの目の前を紙一重で光線が過ぎ去る




    バゴオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!




    ジャン「・・・はっ?」




    おかしい、俺とあいつらはこんなにも近くにいるのに・・・




    何でこんな遠く感じるんだ・・・?



    何でこんな俺が運良く生き延びて



    すごく良い奴らだったサムエル、ミーナ・・・



    何も悪くない、こんな残酷な世界に生まれてしまっただけのアンナが・・・



    遠くに行かなきゃいけないんだよっ・・・!!




    無情な炎が3人を包み込んでいく―――――――――――――――
  37. 37 : : 2014/03/31(月) 20:50:08
    ジャン「・・・おっ、う、うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」ボロボロ




    マルコ「そんな・・・こんなことって・・・」




    煙が晴れたその先には小さな子供の焼死体を庇うように2人の兵士の焼死体があった




    もう誰が誰かも判別がつかない死体は俺の目に灼きついてボロボロと崩れ去って行った




    閃光が奔った先から蒸気が噴き出す巨人が顔を覗かせる




    巨人「・・・」ニタァ




    見つけた、と言わんばかりに笑みを浮かべる
  38. 38 : : 2014/03/31(月) 20:50:54
    ジャン「うああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」




    俺はただただ叫んだ



    そうしていないとおかしくなってしまいそうで




    目の前に巨人が見える、おそらく3人を殺した巨人だろう




    憎かった



    殺したかった




    でも自分じゃ出来ないことは分かっている




    俺はもう立ち尽くすしかなかったんだ




    ジャン「・・・・・・・・・」




    巨人の口が光っている




    俺、ここで死ぬのかな




    もうその方が楽で良いかもな・・・




    ~part4~ 完
  39. 39 : : 2014/03/31(月) 21:13:45
    これはジャン覚醒かな?
    期待です!
  40. 40 : : 2014/03/31(月) 21:49:49
    期待です
  41. 41 : : 2014/04/01(火) 00:44:00
    ~Part 5~

    周りが予想外の事態にざわつく中、私達だけは、やけに冷静だった。

    アニ「全く…面倒なことになったね。」

    ライナー「まあ、そう言うな。多くの住人は今も怯えているんだ。それを助けるのは立派な兵士の務めだろう?」

    ベルトルト「巨人と会わなければ良いけどね…」

    ダズ「あ、あのさぁ…」

    私達に頼み込む形でこの班に入ったダズが、おずおずと口を開く。

    アニ「何?」

    つい、面倒臭そうな声で答えてしまう。…私の悪い癖だ。

    ダズ「お前ら…なんでそんなに余裕なんだよ!?」

    アニ「…!」

    質問に答えるか、少し迷った。でも…

    アニ「…私達は、小さい時から迫害されていた…SAWが使えたせいでね。」

    気付けば、口が動いていた。

    ベルトルト「!?アニ!?何を…!!」

    ベルトルトが慌てて私に声をかける。…まあ当たり前だよね。「昔の思い出」は、私達の間ではタブーになってたんだから。

    アニ「別に良いでしょ?」

    …まただ。私の口が勝手に動いた。

    ベルトルト「…!?僕は良いけど、君が…!」

    ライナー「…言わせてやれ、ベルトルト。アニも…やはり迷っているんだろう」

    ライナーが、私自身も気付いていなかった私の心の内を代弁してくれた。

    …そうか、私は迷っているのか…

    ダズ「も、もし言いにくいんなら言わなくても良いんだぜ!?全然!!」

    アニ「…良いさ。私の心の整理にもなるしね。」





  42. 42 : : 2014/04/01(火) 00:44:47
    アニ「まず…さっきも言った通り、私達は生まれた時からSAWが使えたせいで迫害された…「悪魔の末裔」と罵倒されてね」

    アニ「私達の両親だけは庇ってくれたけど…私達が5歳の時、事故で死んだ…」

    ダズ「な…!」

    アニ「そこからは最悪だったよ…連中はまるで待っていたかのように、私達を村から追い出した…」

    アニ「SAWが使えても、5歳の子供…住む家も、食べる物もなく…それこそ、生きるためには何でもしたよ」

    アニ「人殺しですら、ね…」

    ダズ「人殺し…!?」

    アニ「仕方なかった…そうしなきゃ私達が捕まって…売られてた」

    ダズ「…!人攫い…」

    アニ「何度も、何度も死の恐怖を味わったんだよ…巨人が来たくらい、何ともない…筈だったんだけどね」

    アニ「私はどうやら…楽しい時間を過ごしすぎたみたいだ…」

    ダズ「そう、か…悪かった、こんな事聞いて…」

    ダズ「お、俺で良けりゃいつでも話聞くからな…!人に話せば、少しは楽になるかもしれねえから…!」ニッ

    アニ「うん…ありがと」

    ライナー「…よし!いつまでも話してる場合じゃない、行くぞ!」

    アニ「ああ。…付き合ってくれてありがとね。」

    ベルトルト「アニが楽になったんなら良いんだよ」ニコッ

    アニ「…ありがと…」フフッ

    …私は、本当に良い仲間に…巡り会えたみたいだ…

    私の覚悟は決まった。

    こいつらを守るためなら…私は…

    鬼にだってなれる。


  43. 43 : : 2014/04/01(火) 00:45:39
    ~~~~~~~~~~~南区~~~~~~~~~

    ライナー「…やはり南区は巨人が入ってきた場所なだけあって…酷いな…」

    アニ「想像はしてたけど…ここまで…!」

    焼け焦げた後、抉り取られた地面、あちこちに突き刺さった結晶…

    南区は、地獄のようだった。

    ベルトルト「誰かー!!無事な人は居ませんかー!!?」

    …返事は無い。

    ダズ「もしかしたら、声も出せねえほど衰弱してんのかも知れねえ!!俺はあの建物を見てくる!!」タタッ!

    そう言って、ダズが立ち去った、その時だった。

    ゴゴゴゴゴ…!!

    地鳴りのような音と共に、一体の巨人が姿を現した。

    20m程の巨体に、六本の腕を携えた、悪鬼…さながら修羅のような巨人。

    巨人「…」シュー…

    その瞳は、真っ直ぐダズに向けられていた。

    ダズ「ひっ…!?」

    巨人「…」ゴオッ

    一本の腕が、ダズに振り下ろされる。

    ダズ「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

    ダズが死を覚悟した、まさにその瞬間。

    ドドドドドドド!!!!!!!

    光のビームが、その腕に命中し…付け根から、もぎ取った。

    巨人「…!?」コー

    その出所には…

    ライナー「…陽光月昂(レイ・コントーラ)…!!!」

    ファイティングポーズをとった、ライナーの姿があった。
  44. 44 : : 2014/04/01(火) 00:46:24
    ダズ「ラ、ライナー…!?」

    ライナー「ダズ!!早く逃げろ!!」

    ダズ「!?に、逃げろって…!!」

    ライナー「いいから早くしろ!!さもないと…」

    ライナー「巻き込まれるぞ!!!」

    ダズ「…え?」

    ヒュンッ

    ダズの目に、一つの影が映った。

    空を舞うように駆ける、影。

    アニ「全く…巻き込まれるとは心外だね…!!」タッ

    アニ「心を砕いて(キック・オン・ハート)!!」

    アニのブーツが、蒼く輝く。

    アニ「喰らえっ…!」ヒュッ

    アニは巨人に近づき、そして…

    アニ「結晶生成(クリスタル・ジェネレイション)!!」ゴッッ!!

    その左上腕を、蹴り抜いた。

    すると…

    パキパキ、パキッ…!!

    蹴られた部分が、結晶化していく。

    巨人「…?」

    アニ「まだだよ…!もう一発っ!!」ヒュッ…

    アニ「結晶砕破(クリスタル・ブレイク)ッ!!!」バキィッ…!!!

    アニが結晶化した部位を蹴ると…

    バリィィィィィンッッ!!!!!!!

    その腕が、粉々に粉砕される。

    巨人「…!!」

    アニ「どうだい…!」スタッ…

    ダズ「なっ…!」

    ダズ「凄え…!!」

  45. 45 : : 2014/04/01(火) 00:47:35
    ベルトルト「よしっ…!」ザッ

    ベルトルトはポケットから、ライナーの写真を取り出した。

    ベルトルト「能力模写(イミテーション)…ver.ライナー!!」

    ベルトルトの体が光を放ち始める。

    ベルトルト「ライナー!アニ!!君達はどんどん攻めてくれ!!僕が後ろから援護する!!!」

    ライナー「了解!」ダッ!

    アニ「分かったっ!」タンッ!

    そういうと、二人は一斉に駆け出した。

    ライナー「うおおおお!!!」


    ライナーの能力『陽光月昂(レイ・コントーラ)』

    光を吸収して拳に纏うことで強力な攻撃を行う。


    ライナー「はあっ…!」タタッ!

    ライナーは軽やかに巨人の体を駆け上がっていく。

    巨人「…!!」ブオッ

    修羅の巨人はその体に幾度も拳を振り下ろすが…

    ライナー「そんな鈍いパンチ、当たるかよ!!」タッ!

    ライナーはことごとくそれを避ける。

    ライナー「これが本当のパンチって奴だ!!」

    ライナーの拳に光が集まっていく。

    ライナー「光拳!!」ドッ!

    そのパンチは、修羅の巨人の顔をまともに捉えた。

    ライナー「今だ!!アニ!!!」

    アニ「分かってるよっ!!」ダッ!


    アニの能力『心を砕いて(キック・オン・ハート)』

    蹴った物を結晶化し、砕く能力。


    アニ「はあっ!」ヒュッ!

    ガラ空きの右中腕に蹴りを繰り出すアニ。

    ピキィッ!!

    蹴られた部分が結晶化する。

    アニ「もう一発…!」

    しかし、巨人もやられるばかりではない。

    ブオンッ!!

    左中腕を振り下ろし、アニを狙う。

    しかし…

    ドドドドド!!!!!

    光のレーザーにより、その腕はもぎ取られた。

    ベルトルト「光陣・陽砲!!」


    ベルトルトの能力『何処(ノット・ヒア)』

    写真に写った者の姿や能力を真似る力。


    そして、再びガラ空きとなった右中腕に…

    アニ「結晶っ(クリスタル)…砕破っ(ブレイク)!!!!!!」ガッ!

    バリィィィィィン!!!!!

    アニの蹴りが炸裂した。

    巨人「…!ぉ…」

    ダズ「巨人が…手も足も…!!」

    アニ「…」スタッ

    ベルトルト「…!」

    ライナー「俺達を…舐めるなよ…!!」



    ~Part 5~ 完
  46. 46 : : 2014/04/01(火) 07:37:40
    スゲェ!
  47. 47 : : 2014/04/01(火) 07:39:36
    強ぇ!
  48. 48 : : 2014/04/01(火) 15:00:34
    ~part6~



    ―――――――――――――――北区



    走る、走る、走る



    逃げる、逃げる、逃げる



    狩る者と狩られる者はどちらかが追い、もう一方は逃げるか噛みついて撃退するしか生き残る術はない



    まさに窮鼠、猫を噛むと言ったところか



    ただどうも昔から狩る側だったからどうしても狩られる側っていう状況は体験したことが無い



    いや・・・『無かった』か―――――――――――――
  49. 49 : : 2014/04/01(火) 15:00:54
    サシャ「はっ、はっ、はっ・・・!!」タッタッタ



    な、なんで私がこんな目に・・・!?



    サシャ「こ、コニー!?クリスタ!?ユミルー!?ど、どこですかー!?」



    ・・・返事は無い



    ズシン、ズシン・・・



    大音量で響き渡る足音



    巨人「オォォォ・・・」



    サシャ「ひ、ひいいいぃぃ!!」タッタッタ!



    私を追うのはついこの間座学で習った剛腕の巨人



    その時はたまたま真面目に起きてて・・・



    いやそんなのはどうでもいい



    習ったことをいくら思い出しても結論は1つ



    足を止めたら殺される、だ
  50. 50 : : 2014/04/01(火) 15:01:14
    運良く相手は名前の如く凶悪なまでに大きい腕を持っている




    動きは鈍重そうだ、走り切れば助かる



    色々あったせいで体力だけは自信がある




    サシャ「よし・・・!」ダッ



    勢いよく街角を曲がり、トップスピードで駆け抜ける



    このまま巨人が私を見失ってくれれば・・・!




    ・・・ふと、視線を落とすと下に大きな影が出来ている



    サシャ「・・・影?」タッタッタ・・・



    思わずスピードを緩める



    ズッ・・・ドォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!



    と、同時に前方に恐ろしく巨大なものが降ってくる



    まさに悪夢、目の前に居たのはそう、剛腕の巨人



    サシャ「・・・あ、あのままのスピードでいったら死んでた・・・!」



    まさに幸運、いや不幸なのか



    どうせ死ぬなら一思いに死にたい、苦しみたくない




    ドシン・・・




    巨人が一歩、サシャに近づく




    サシャ「ひいいっ・・・!!」ズササ



    思わず後ずさるサシャ



    どうして、どうしてこんなことに・・・!!!

  51. 51 : : 2014/04/01(火) 15:01:32
    時は遡り、出発前――――――――――――――――



    サシャ「さあて、たくさん助けて生きて帰って美味しいご飯を食べますよ!」ガッツ!



    コニー「こ、こんな時までメシのことかお前・・・」



    クリスタ「うふふ、良いじゃない。サシャらしくていいと思うよ?」



    サシャ「クリスタ、ありがとーう!ございますっ!」ニコッ



    ユミル「ったく・・・少しは自重ってもんを覚えやがれ」



    サシャ「・・・?じちょー?食べ物ですか?」



    ユミルはあきれて言葉も出ないって様子だった



    流石のクリスタも苦笑している



    ・・・じちょーってなんだろう?
  52. 52 : : 2014/04/01(火) 15:01:49
    コニー「俺等の担当は北区だよな」



    ユミル「ああ、被害は一番少ないと思うがその分私らの仕事が増える、めんどくせーがしゃーない。しっかり任務こなすぞ」



    サシャクリ「「おー!」」



    コニー「さあ、俺の俊足であっという間に全員助け出してやるぜー!」ダダッ



    サシャ「あ、負けませんよー!」ダッ



    クリスタ「ま、待ってよぅ!」ダッ



    ユミル「・・・はぁ、ピクニックかよ・・・」ダッ
  53. 53 : : 2014/04/01(火) 15:02:10
    コニー「大丈夫か!?今助けるからな!」



    コニーは倒れている人を臨時の救急施設に運ぶ



    クリスタ「大丈夫ですか!?今、応急処置しますから・・・」



    クリスタは比較的軽症な人を手当てしている



    ユミル「やっぱりここはあまり被害は無いな・・・」



    サシャ「でも被害の少ないここですら無傷の人は皆無ですし西区や南区はどんな有様なんでしょうか・・・」



    ユミル「・・・さあな、今は目の前のことに集中しろ」
  54. 54 : : 2014/04/01(火) 15:02:33
    その時は突然やってきた



    ドシン・・・ドシン・・・



    辺りが一斉に音のする方へ顔を向ける



    無論、私も反射的に向いてしまった



    そしてその場に居合わせた全員が顔を絶望で染める



    よりによってこのタイミングでやってきた



    やっと救出も一段落ついて周りもざわめき始めていた今、やってきたのだ



    あまりに理不尽でないかと思った



    空気を読めとも思った



    だが無常にも巨人は民家を潰し、人間が居る方に向かってくる



    ダダッ!



    反射的に体が動いてしまった
  55. 55 : : 2014/04/01(火) 15:03:02
    クリスタ「サシャ!?何を―――――――――――」



    聞こえない



    ユミル「おい!お前―――――――――――――」



    聞こえない



    コニー「馬鹿野郎!そっちは――――――――――」



    聞こえない



    身体が本能的にそっちへ行ってしまう、もう止まらない




    私は巨人の近くにいって開口一番こう言った



    サシャ「ば、ばーかっ!」



    どうも私はボキャブラリーが無いようでもっと気の利いた罵倒が出てこなかった




    周りの視線もこちらに向く



    もちろん巨人もこちらを向いた




    サシャ「さ、さあ、皆さん!私がコイツを引きつけてるうちに逃げてください!」




    クリスタ「で、でも――――――――――――」



    ユミル「行くぞ!急げ!!」



    クリスタ「ユミル!?」



    ユミル「ここにいる全員の命とアイツ1人の命、天秤にかけたらどっちが重いかわかんだろーが」



    クリスタ「で、でも・・・」



    ユミル「お前はアイツも助けてここにいる全員も助ける方法が思いつくか?」



    クリスタ「うっ・・・」



    ユミル「わかったら走れ。アイツの覚悟を無駄にするな。アイツは咄嗟に判断したんだ、命の重さを、な」
  56. 56 : : 2014/04/01(火) 15:03:50
    違う・・・!



    そんな大層な事は思ってない・・・!



    ただ、ただ―――――――――――――――――



    巨人の近くから美味しそうな匂いがしただけなんですっ!




    走り切ってすぐ我に返ってあんな言葉を口走ってしまったがそんなつもりは毛頭なかった



    サシャ「し、しくじっちゃいましたねえ・・・えへへ」ニコ



    巨人に話しかけてみる



    巨人「・・・・・・」




    巨人「オォ・・・」ニタァ



    ・・・とびっきり最悪の笑顔を返してくれた



    サシャ「い、いぃぃぃぃやぁぁぁぁ!!!!」ダダダッ



    こうして私と巨人の逃走劇が始まったのだ・・・
  57. 57 : : 2014/04/01(火) 15:04:17
    そして今に至る



    目の前には巨人、おそらくもう走っても無駄だろう



    足がすくむ



    サシャ「あうっ・・・」ペタン



    情けないことに腰が抜けてしまったようだ、これで動きたくても動けない




    サシャ「うっ、うぅ・・・!」ポロッ



    死にたくない死にたくない



    まだ生き延びてやりたいことだってたくさんあるのに――――――――――



    サシャ「死にだぐ・・・ないよぉ・・・!!」ボロボロ



    しかし巨人は無情で非情だ



    目の前の人間を踏みつぶそうと足を掲げる



    あぁ、もうダメだ―――――――――――――――――




    ~part6~ 完
  58. 58 : : 2014/04/01(火) 15:07:45
    that's so cool!!
    お二人とも戦闘描写が上手いです!
  59. 59 : : 2014/04/01(火) 15:08:17
    皆さん、ありがとう御座います!!
  60. 60 : : 2014/04/01(火) 15:12:08
    個人的にサシャが大好きなのでどうも可愛く書いてしまいますねw


    皆さんありがとうございます!
  61. 61 : : 2014/04/01(火) 15:53:51
    やっぱ面白い!
    二人とも頑張って!
  62. 62 : : 2014/04/01(火) 16:55:53
    なぜこんなにストーリー性のある文章が書けるんだッ

    サシャのSAWはきっと
    胃の中無限大(ブラックホール)だと思う
  63. 63 : : 2014/04/01(火) 19:34:28
    躍動感がすごい!!
    見てます!!
  64. 64 : : 2014/04/01(火) 23:26:35
    ~part7~ 


    ああ、なんだろう

    体が、軽い

    ああ、何故だろう

    力が、湧き出る

    ああ、今なら

    お前らを、守れる。



    エレン「うああああっ!!!」ズバッ!

    エレンの大剣が、翼の巨人の腹を裂く。

    巨人「…!」ドシャア!

    すでに体を切り刻まれていた巨人は、ついに地に伏す。

    アルミン「凄い…!」

    ミカサ「巨人が…手も足も…!!」

    戦いは、エレンが圧倒していた。
  65. 65 : : 2014/04/01(火) 23:27:06
    エレン「まだまだっ…!」

    エレン「『速』の錠、開錠っ!!」ダンッ!

    エレンは常人離れしたスピードで巨人に突っ込む。

    そして…

    エレン「『力』の錠、開錠!!!」ブアッ!

    ザグッ!!

    巨人の左肩を切り裂いた。



    エレンの能力『解放の鍵(リヴェレイション・キー)』

    自身が無意識に頭にかけている制限を開錠することで、潜在能力をフルに発揮出来る力。



    エレン「っ!!」

    巨人は、硬化した右翼をエレンに振り放った。

    しかし、エレンも即座に反応する。

    エレン「『守』の錠、開錠っ!!」

    ガキィィィン!!!

    大剣と化した鍵でその翼を受け止めた。

    エレン「…っ!」ギギ…
  66. 66 : : 2014/04/01(火) 23:27:42
    エレン「っ…!流石に重いな…っ!」ギギ…!

    そんなエレンの呟きを理解したのかしていないのか、巨人は硬化した左翼を振り上げた。

    巨人「…」スッ…

    そして…

    ヒュオオオッ!!!

    ガラ空きだったエレンの体に振り放った。

    エレン「っ…!」

    流石にこれは防げねえな…!

    エレン「はあっ!!」ギィィンッ!!

    そう判断したエレンは巨人の右翼を弾き、その勢いで横に転がることで左翼の攻撃を回避する。

    だが…

    ガシィッ!!!

    それは失敗だった。

    エレン「っ!!アルミンッ!!?」

    アルミン「…!!!!!」

    巨人「」ニタァ…

    エレンの後ろにいたアルミンが、巨人の腕に捕らわれてしまったのだ。
  67. 67 : : 2014/04/01(火) 23:28:29
    エレン「待ってろ!!今助け…!!」ダンッ

    アルミンを助けようと、エレンが踏み出す。

    しかし…

    巨人「」バサッ!

    巨人はその翼を羽ばたかせ、空へと舞い上がっていく。

    エレン「あいつ…!?飛びやがった!?」

    エレン「下りてこいよ!!おい!!!!!」

    やべえ!飛ばれたら攻撃できねえ…!!

    アルミンが…!!

    アルミン「~~~~!!」ジタバタ

    巨人「」ニタニタ

    エレンの叫びを意にも介さず…巨人はアルミンを見つめる。

    まるで、どうやって殺してやろうか…とでも言わんばかりに。

    ミカサ「アルミン!!!」

    ミカサ「っ…!!私は…また…守れないの…!?」

    ミカサの脳裏に、目の前で両親を殺された思い出が蘇る。

    ミカサ「また…ただ泣き叫ぶだけで…見殺しにするの…!?」

    思い出の中のミカサは…問う。

    『また大切な人を失うの?何も…出来ずに。』

    ミカサ「!!…違う…!!!」

    ミカサ「私は…おばさんと…約束したんだ…!!」

    ミカサ「エレンとアルミンを…皆を!!守るんだっ!!!」

    『なら、貴女の思い出が、貴女の力になってくれる。』

    『私には見れなかった景色を…見せて?』

    ミカサ「私は…!!!」


    巨人「」アーン…

    巨人がアルミンを喰らおうと、その口を開いた…

    その時。


    ミカサ「守るんだっ!!!」カッ!

    ミカサのマフラーが輝きを放った、次の瞬間…

    巨人「!?」ズッ!

    巨人の右翼が切断され…

    ドオオオオン!!!!!

    翼の巨人は地に墜ちた。

    その翼を切り落としたのは…

    ミカサ「自由自在の思い出(グラティッタ・メモリー)…!!」

    鋼の刃と化した、ミカサのマフラーだった。

  68. 68 : : 2014/04/01(火) 23:28:59
    エレン「ミ…ミカサ…!?お前、SAWを…!?」

    ミカサ「話は後。あいつの手の中にはまだアルミンが…!」

    エレン「!!そうだ、アルミン…!!」

    アルミン「うっ…」

    アルミンは無事だった。皮肉にも巨人の手がクッションになり、落下の衝撃を免れたのだ。

    しかし…

    巨人「ぅ…!」ザッ

    巨人はまだ、死んではいなかった。

    巨人「があああああぁっ!!!!!」

    ビュビュンヒュウンッ!!!

    硬質化させた羽を、休む間もなく射ち出す。その数は、軽く百を超えていた。

    エレン「な…!あの数はやべえ…」

    焦るエレン。

    だが、ミカサは至って冷静だった。

    ミカサ「私の後ろに、エレン!!」バッ

    ミカサはそう言ってエレンの前に立つと、マフラーを振り、叫んだ。

    ミカサ「包囲(オブサイディオ)!」

    すると、マフラーが巨大に伸び、二人を包み込む。

    さらに…

    ミカサ「材質変化…鉄(アイアン)!!」

    そうミカサが叫ぶと、マフラーの色が灰色に変化した。

    ドドドドドドドドドドドドッッッ!!!!!

    マフラーはまるで鋼鉄のように硬化し…羽の連撃にも、傷一つ付くことはなかった。

    エレン「すげえ…!!」

    ミカサ「これが私の力…さあ、アルミンを…!!?」

    マフラーを元に戻したミカサの目に映ったのは…

    硬化した左翼で体を覆った巨人の姿だった。
  69. 69 : : 2014/04/01(火) 23:29:24
    その翼の中では…

    巨人「…」ニタニタ

    アルミン「あ…ああ…!」

    アルミンの命の灯が、今まさに消えようとしていた。

    アルミン「ああ…!」

    僕は…死んじゃうのか…こんな…所で…

    アルミンが諦めかけたその時…

    オイ!アルミンヲカエセヨ!!

    ソノキタナイツバサヲ…ドケロ!!

    エレンとミカサの叫びが響いた。

    アルミン「二人は…また…僕のために…」

    僕は…いっつも足手まといで…いっつも役に立たなくて…!

    アルミン「…嫌だ…っ…!」

    アルミン「死んでもいい…どうなってもいい…でもっ…!」

    アルミン「皆の足手まといだけは…もう…嫌なんだっ…!!」

    アルミンが思わずそう零した瞬間…彼の脳裏に「声」が響いた。


    『君は、皆の足を引っ張りたくないの?』

    そうだ、僕なんてどうなってもいい…!でも、皆の邪魔になるのは…嫌なんだ…!!

    『なら…君に力を貸してあげる。ただし…君の身体は傷付くだろう…確実にね。…それでも君は、受け取るかい?』

    皆の足枷にならないなら…なんだっていい!!!力を…貸してくれっ!!

    『…うん、良い眼だね…僕とは違って…固い…固い意思を感じるよ…』

    『ほら、行ってらっしゃい。』



    アルミン「…」

    心が、ひどく穏やかだ。

    いつの間にか握られていた本を片手に…

    僕は、導かれるように口を開いた。

    アルミン「…限りない夢(インフィニティア・レーヴェ)…」ボソッ



    辺りを、朱が包んだ。
  70. 70 : : 2014/04/01(火) 23:29:50
    エレン「なっ…!?」

    一瞬、何が起きたか分からなかった。

    予想外すぎた。

    エレン「巨人が…」

    ミカサ「燃え…てる…!?」

    そう。目の前で、いきなり巨人が発火したのだ。

    ミカサ「アルミン!?アルミン!!」

    エレン「一体何が…!!」

    アルミンは…無事なのか!?

    しかし、その答えはすぐ分かった。

    「大丈夫だよ。二人とも。」

    エレン「!!ア…!」

    アルミン「…」

    ミカサ「アルミン!!!」

    アルミン「ごめんね、心配かけて。でも、もう大丈夫。」

    アルミン「もう…君達の足を引っ張ったりしない!」

    ミカサ「あの炎は…アルミンが?」

    アルミン「うん…僕にも、SAWが…!!」

    エレン「やったな!!アルミン!!!」

    エレン「これでまだ…三人で戦えるな!!」

    ミカサ「ええ…!」

    アルミン「それなら、まずは…!」

    巨人「…!!!」グググ…

    エレン「ああ…こいつを…倒す!!!」


  71. 71 : : 2014/04/01(火) 23:30:27
    アルミン「エレン、ミカサ!!僕の能力は発動に少し時間がかかる!!その間、なんとか耐えてくれ!!」

    エレン「おう!!」ザッ!

    ミカサ「ええ!!」ザッ

    アルミン「読唱(アリア)!」

    アルミンは本を開き、そこに書いてある文章を読み上げていく。

    エレン「俺等もやるぞ!ミカサ!」

    ミカサ「あいつの攻撃は私が捌く!ので、エレンはあの翼を!!」

    エレン「おうっ!!」ダッ!

    走り出した二人。

    巨人「…ぅ!!」ヒュッ!

    ビュビュッ!!!

    巨人が再び、硬化した羽を飛ばす。

    ミカサ「材質変化、ゴム!!」

    ミカサのマフラーが、ゴムのように変化する。


    ミカサの能力『自由自在の思い出(グラティッタ・メモリー)』

    マフラーの形状、材質を自由自在に変化させることが出来る力。


    ミカサ「やあっ!」ヒュヒュン!

    ゴムのマフラーは、羽をことごとく跳ね返した。

    跳ね返された羽は巨人に突き刺さる。

    巨人「ぁぁあ!!」

    巨人から、ついに声が漏れる。

    さらに…

    エレン「おらぁぁぁっ!!!」ブンッ!

    ザンッ!!!

    エレンの一太刀が、その左翼を捉え、引き裂いた。

    巨人「ぁぁぁぁぁ!!!」

    激痛に身悶える巨人。

    さらに攻撃は続く。

    アルミン「よし!エレン!!ミカサ!!逃げてくれ!!」

    ミカサ「分かった…!!」タタッ!

    エレン「アルミン!!俺達の力を…見せてやれぇぇぇぇぇ!!!!!」

    アルミン「具現化(エンボディメント)!!!」



    アルミンの能力『限りない夢(インフィニティア・レーヴェ)』

    本に書いてある事象を現実に引き起こす力。

    …その破壊力は、凶悪である。



    アルミン「焔の山!!」

    カッッ!!!

    翼の巨人の足元が、一瞬輝き…

    ゴオオオオオオオオオッッッ!!!!!!

    その巨体は、紅き炎で包まれた。

  72. 72 : : 2014/04/01(火) 23:31:08
    巨人「あああああ………」ゴオオオオ…!!!!!

    巨人の体が、みるみる内に灰と化していく。

    エレン「やった…!やったな…!!」

    ミカサ「私達…人類は、巨人に…勝った!!!」

    アルミン「あは…は…」ドシャア…

    エレン「ア、アルミン!?」

    ミカサ「どうしたの!?」

    アルミン「僕のSAWは…ちょっと体力の消耗が激しいみたい…はは…」

    ミカサ「無理しないで…」

    エレン「よし!じゃあミカサはアルミンを診ててやってくれ!!俺は、まだ逃げ遅れてねえ人が居ないか見てくる!!」タッタッタ!!

    …皆…!!

    今日、人類は…

    巨人に…勝ったぞ…!!!






    ~part7~  完
  73. 73 : : 2014/04/02(水) 00:15:16
    ~part8~



    あぁ、もうダメだ――――――――――――――――



    「ぬおおおおおおおおおおお!!!!!!!」ズダダダダダ!!!



    サシャ「えっ・・・」



    「てええええいっ!!」ガシッ



    ズドオオオオオオオオン!!



    走ってきた誰かさんのおかげで私はどうにか生き延びることが出来た



    サシャ「コ、コニー!?なんでここに!?」




    コニー「お前が引きつけてくれたおかげで全員避難できたぞ!」




    サシャ「こ、答えになってないですけど・・・」




    コニー「あぁ、全員避難できたから1人残ったお前を助けにきたってわけだ!」



    サシャ「こ、コニー・・・!」



    コニー「お前やる時はやるんだな!見直したぞ!」



    サシャ「えへへ・・・!」



    ユミル「おい、お前ら!こっちだ!!」
  74. 74 : : 2014/04/02(水) 00:15:42
    ユミルが先導し、私たちは体勢を立て直し再び逃げる



    サシャ「ク、クリスタは・・・!?」



    ユミル「少し先で待ってる!そこまで急ぐぞ!」



    だが巨人も黙っては居なかった



    巨人「オォォォォォ!!!!」ダッダッダッ



    サシャ「んなっ!?速いっ!?」



    コニー「お、おい!追いつかれちまうぞ!?」



    ユミル「・・・ちぃっ!」
  75. 75 : : 2014/04/02(水) 00:16:02
    ユミル「先に行け!お前ら!」



    サシャ「え!?でもユミルが・・・!?」



    ユミル「良いから行けよ!!」



    サシャ「は、はいぃぃぃっ!」







    ユミル「ったく・・・早々に使うことになるとは・・・」スチャッ




    ユミルは無表情な仮面をつける




    ユミル「発動・・・仮面舞踏会(マスカレード)!」カァァッ!
  76. 76 : : 2014/04/02(水) 00:16:22
    ユミル「悪いがしばらくもたついてもらうぞ」タッ



    ユミルは走ってくる巨人に近づく



    ユミル「よっと!」パチン!



    巨人とすれ違いざまにユミルは巨人の足を叩く



    巨人「オォォォ!!」ダッダッダッ



    巨人は気にも留めないようで走って行った




    ユミル「さ、踊ろうか・・・!」クイッ



    ユミルが奇妙に手を動かす



    巨人「オァッ!?」ドシイイイイン!!



    巨人はバランスを崩して倒れる



    ユミル「よしっ!今のうちに・・・!」




    ユミルの能力 『仮面舞踏会(マスカレード)』

    直接触れた相手の部位のコントロールを一定時間得る
  77. 77 : : 2014/04/02(水) 00:16:42
    ユミル「しばらくお前の足は私の物だ、おとなしくしてろよ」ダダッ



    巨人「グゥゥ・・・?」バタバタ









    サシャ「ユミルは無事でしょうか・・・?」



    クリスタ「た、多分・・・それよりサシャ、さっきはありがとう!サシャのおかげで皆助かったよ!」



    サシャ「え、えへへ・・・!」テレテレ



    ユミル「よう、お前ら」



    コニー「ユミル!無事だったんだな!」



    ユミル「勿論だ、バカ。それよりお前らに話すべきことがある」
  78. 78 : : 2014/04/02(水) 00:18:13
    サシャ「はて....?」



    ユミル「で、離したいことってのはな・・・」




    ユミル「お前ら、ここでSAWを使えるようになれ」



    サシャ「は、はぁ....ここんとこ驚きっぱなしですからあんまり驚きませんけど....」



    サシャ「........って、えぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」



    ユミル「....」



    コニー「....」



    クリスタ「あ、あはは....」



    この空気は流石に耐えられない



    サシャ「ご、ごめんなさい....」
  79. 79 : : 2014/04/02(水) 00:19:38
    誤字  離したいこと
          ↓
        話したいこと
  80. 80 : : 2014/04/02(水) 00:21:12
    ユミル「ここでSAWを覚えなきゃ死ぬぞ?」



    サシャ「ふぇ?」



    コニー「んあ?」



    クリスタ「....え?」



    ユミル「嫌なら使えるようになるんだな」



    サシャ「さ、流石に無理がありますよ....はは」



    コニー「こればっかりは同意せざるを得ないぜ?使えるようになる方法とか何も分かってないんだしな....」



    クリスタ「そ、その通りだよ!」



    ユミル「安心しろ、私の能力を使えばーーーーーーーーーーーーーーー」



    ドガァァァァァァァァァァン!!!!!



    唐突の轟音、それは巨人が暴れ狂い建物をあたりかまわず破壊しつくしている音だった
  81. 81 : : 2014/04/02(水) 00:21:31
    ユミル「なっ....!もう切れたってか!?」



    クリスタ「と、とりあえずここにいたら危ないよ!逃げよう!!」



    サシャ「は、はい!」ダダッ



    とことん逃げ続ける運命に私はあるみたいですね....
  82. 82 : : 2014/04/02(水) 00:21:48
    サシャ「はっ、はっ、はっ....!!」



    暴れくるう巨人は私たちを見つけると吼えながら追ってくる



    こ、こうなったら逃げ切りますよ!



    ....と、気合いを入れた瞬間だった



    巨人は急に私達から目を離す



    ....?いったい何が....?
  83. 83 : : 2014/04/02(水) 00:22:19
    ソレはすぐに理解できた



    同時に自分が何をすべきかを見失った



    そう、巨人の視線の先には小さい女の子がへたり込んでいた



    クリスタ「う、うそっ!逃げ遅れた子!?」



    このまま逃げれば私は助かれる、いやここにいる人達は助かる



    あの子の命と引き換えに....



    ユミルの言葉が頭の中でリフレインする



    『天秤にかけたらどちらが重いかわかるだろ?』



    そうだ、天秤にかけたらここは助けに行くべきじゃない



    そうと決まれば....!!



    ダダッ!!



    私は駆け抜けた



    ――――――――――――――――女の子を救うために
  84. 84 : : 2014/04/02(水) 00:22:45
    コニー「ちっ!どうしようもないバカだな、アイツは!!」ダダッ



    クリスタ「ちょ、二人とも!?」



    俺はバカと人に良く言われる



    言われるのは仕方ない、事実だから



    でも分かってても言われたくないことあるだろ?



    俺はあまりバカって言葉好きじゃねえんだ



    でもやっぱ俺はさ



    バカみたいに突っ走って行くのが似合うと思うんだ



    そうやっていつもピンチを切り抜けてきた



    そして今回も切り抜けてやる



    俺もアイツもあの子も....!!



    皆、一緒になっ!



    『言うじゃねえの』



    ....あん?



    『突っ走ってればどうにかなるとでも思ってんのか?』



    ....別にそういうわけじゃねえよ



    『なら何で突っ走ってんだ?わかるだろ?今回はどうやったって無理だって』



    お前の言う通りかもしれねえな
    でもな....突っ走っらないより突っ走った方が1%くらいは可能性あるだろ?
    だから俺は走り続けんだよ



    『....ほんっと、バカだよな』



    なんとでも言えよ



    『だが、それでこそお前だ。そういうバカ、嫌いじゃねえぜ』



    なんだよ、最初からそう言っとけよ



    『バーカ、俺はシャイなんだ。さ、突っ走っるお前に俺もちょっと力添えしてやるよ。....さあ、道がねえならてめぇの手で切り開いてやれ!』



    気づいたらまた俺は全速力の風の中にいた



    いつの間にか手にあった矢を握り締めて叫ぶ



    コニー「鳴動(トゥー ウォント クライ)っっ!!!」カッッッッ!!
  85. 85 : : 2014/04/02(水) 00:23:08
    巨人は今まさに振り上げた剛腕を振り下ろす所だった



    コニー「おぉぉぉぉぉ!!!」ゴォォォ



    コニー「闘魂注入(パワー・チャージ)!!!」カァァァァッ



    コニーの右腕は光り輝きはじめる



    そして振り下ろされる剛腕に思いっきり殴りかかった



    サシャが叫ぶのが聞こえる



    安心しろ、大丈夫だから



    コニー「全力解放(フルバースト)っっっ!!!」ドゴォォォォォォォン!!!!!



    巨人「ゴァァァァァ!!??」ドガァァン



    コニーの拳は巨人の剛腕諸共巨人を吹き飛ばした



    ユミル「こ、これは....」



    クリスタ「す、すっごぉぉい....」
  86. 86 : : 2014/04/02(水) 00:24:27
    コニー「サシャ!立てるか!?」



    サシャ「は、はいっ!」



    サシャ「ほ、ほら貴女も立てますか?」



    女の子は涙ながらに首を縦に振る



    サシャ「ク、クリスタ!この子を安全なところまで!」



    クリスタ「う、うん!任せて!」



    サシャ「コニー!SAW使えるようになったんですね!」



    コニー「おうっ!・・・!?」ガクンッ



    サシャ「ど、どうしたんですか!?」



    コニー「い、いや力が抜けちまって・・・!」



    コニーが吹っ飛ばした巨人が立ち上がる



    サシャ「え、ええっと・・・!ど、どどどどうしましょう!」



    ユミルはさっきクリスタと一緒に行ってしまったし、私は何も出来ないし・・・



    ・・・私は何も出来ない



    自分で思いながらそれは心に深く刺さった



    そう、私は4人の中で一番役立たず



    一番それは分かってたハズなのに



    毎回毎回でしゃばって皆に迷惑をかけちゃって・・・



    そんな私が今、この状況で何ができるでしょうか・・・
  87. 87 : : 2014/04/02(水) 00:24:55
    『んー、強いて言えば何もできませんね、はい』



    ・・・え?



    『実際一番役立たずですし、今こんな状況に陥ってしまったらどっちが死ぬか決める他ありません』



    ・・・そ、そんな!



    『で、どっちが死ぬんですか?』



    そ、それはわたし・・・



    『・・・サシャ!立てるか!?』



    えっ・・・!



    『貴女の命は誰が救ってくれたんですか?』



    そ、そうだ・・・!
    コニーはいつも命がけで私を救ってくれた・・・!



    『ですよねぇ・・・』



    ・・・2度も救ってくれた命をみすみす捨てることは出来ませんね



    『じゃ、貴女が助かるんですね?』



    いいえ、私がコニーを助けて2人まとめて助かります!



    『・・・出来るんですか?』



    とりあえずやってみます!



    『その真っ直ぐさ、ちょっと羨ましいです・・・』



    えっ・・・?



    『私が少しお手伝いをしてあげます。でも貴女は他の人がいないと何もできない、なら貴女は他人を最大限に生かすことを考えてくださいね!!』



    ・・・もちろんですっ!!



    『それじゃ行きますよ!』



    ―――――――――――――――覚悟は決めた



    己の手にあった弓を握りしめ叫ぶ



    サシャ「・・・騒動(ウォント・ノット・ライオット)!!」カァァァァ!!
  88. 88 : : 2014/04/02(水) 00:25:17
    サシャ「コニー!!座ったままでも良いです!弓は撃てますか!?」



    コニー「ん?あぁ・・・!あと俺はもう立てるぞ」



    サシャ「ならより良いです!いきますよ・・・!」



    サシャ「形体(モデル)、弓(アロー)!」パァァァァ



    サシャの身体は光に包まれ見る見るうちに形を変える



    コニー「お前の能力って・・・!?」



    サシャ「私は飛び道具に変身する能力、でも一人じゃ何もできません!2人で頑張りますよ!!」



    コニー「おう!任せろ!」スチャッ



    コニーは弓を構える



    コニー「あの鈍間なバカはただの的だな!」バヒュッ



    そして矢を放つ、しかしただの矢だとダメージは無いに等しかった
  89. 89 : : 2014/04/02(水) 00:25:38
    コニー「やっぱ効かねえよな・・・!」



    サシャ「だ、大丈夫なんですか?」



    コニー「安心しろ、俺も自分の力の使い方は分かった」



    コニー「もう一丁ぶちかますぜ・・・!!」ギュイイン!!



    矢はコニーの手に触れると光を放ち始め、その光は徐々に大きさを増す



    コニー「行くぜ!!風切の矢(ウィンド・アロー)!!」バキュゥン!!



    放たれた矢は先ほどの比べ物にならないスピードで巨人目がけて飛んでいく



    巨人「ガアァァァ!?」フラッ



    サシャ「おぉ!?コニー凄いですっ!」



    コニー「へへっ、どんなもんだい!」



    サシャの能力 『騒動(ウォント・ノット・ライオット)』

    自らを飛び道具に変身させる



    コニーの能力 『鳴動(トゥー・ウォント・クライ)』

    自分の身体や触れているものに力を込めて放出したりする
  90. 90 : : 2014/04/02(水) 00:26:03
    クリスタ「よし、女の子は助けたし急いで戻ろう!」



    ユミル「あぁ、そうだな」



    遠巻きに見える巨人は光何かが当たってよろめいているようだった



    クリスタ「2人とも凄いね・・・!」



    ユミル「あぁ、サシャも覚醒したみたいだな」



    クリスタ「私も皆の役に立てるようにならなきゃ・・・!」



    ユミル「・・・・」



    クリスタ「・・・?ユミルどうしたの?」



    ユミル「いや、なんでもない」



    クリスタ「そう・・・なら良いの」ニコッ



    そして私達は2人のもとに追いついた



    しかしそこで目にしたものは想像を絶するものだった
  91. 91 : : 2014/04/02(水) 00:26:23
    サシャ「コニー!?まだですか!?」



    コニー「フルチャージは時間がかかるんだよ!!」



    サシャ「巨人、絶対怒ってますって!こんな速さで動くはずないじゃないですか!」



    コニー「うるせえ!気が散る!!」



    逃げ回るコニーとそれをかなりの速さで追う巨人



    クリスタ「コ、コニー!こっちだよ!!」



    コニー「悪いがそっちにはいけねえ!お前を巻き込むわけにはいかねえよ!!」



    ・・・え?



    あ、あぁ、そっか



    私だけ今、何も出来ないんだ



    ・・・いっつもいっつも守られてばかりいるのね、私って



    本当に・・・大っ嫌い



    サシャ「コ、コニー!!追いつかれますって!!」



    コニー「ち、ちくしょう!後ちょっとだってのに!!」



    剛腕を思いっきり振りかぶる巨人、あの距離だとどうも避けられそうには無かった
  92. 92 : : 2014/04/02(水) 00:26:40
    クリスタ「あっ・・・!」



    飛び出そうとしたが踏みとどまる



    自分に何が出来る?



    そう、何も出来ない



    悔しいほどに、憎いほどに



    昔から守られるばかりの自分が嫌いだった



    そしてそれは最後までそのままだった



    何も出来ない・・・



    でも、私は、どうしても・・・!



    2人を・・・皆を守りたいの!!!
  93. 93 : : 2014/04/02(水) 00:27:04
    『そろそろ来るころだと思ったよ』



    ・・・あなたが何なのか見当もつかないけど何となくわかるよ



    『そう、ならもうべらべらと話す必要も無いね』



    うん、ありがとう



    『・・・最後に1つ。罪には罰を。あなたがついてる嘘は本当の最後の最後にツケを返しに来るわ。その罪を背負って生き続けるのはすごく、辛いからね?』



    ・・・うん、わかってる



    『・・・行ってきなさい』





    皆を――――――――――――――――――――――――――――







    守るんだッッッ!!!!!!!!!!!
  94. 94 : : 2014/04/02(水) 00:27:29
    クリスタ「『巨人とコニー達の間には破れない壁が一枚ある!』」カッッッッッ!!!!



    ユミル「・・・とうとう大本命がきたな」




    ガキィィィィィィィィィン!!!!!!!!!



    振り下ろされた無情な剛腕は何もないところでまるで壁に阻まれたかのように動きを止める




    サシャ「ふぇ・・・?」



    コニー「な、なんだかわからねえけどチャンスだ!フルチャージで行くぜ!!」
  95. 95 : : 2014/04/02(水) 00:27:50
    コニー「おおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」キィィィィィィン!!!



    コニー「絶対貫通(ぺネトレイト・グランデ)ッッッッ!!!!!!!!」ドキュゥゥゥゥゥン!!!!!!



    まさに一筋の流星のような煌めきを放つ矢は巨人に吸い込まれるように軌跡を描く



    コニー「ぶううううううううちいいいいいいいいいぬううううううううけええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!」




    巨人「ガッ・・・!!」



    バゴオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!



    巨人「・・・・・」フラッ ドスウウウウウン・・・



    コニーの放った渾身の一矢は巨人の顔を吹き飛ばした



    コニー「・・・へへっ、やってやった・・・ぜ」ドサッ




    サシャ「コ、コニー!」スウウウ



    人間に戻ったサシャは急いでコニーに駆け寄る



    サシャ「・・・良かった、気絶してるだけです」



    ユミル「やったな、お前ら!正直期待以上だった!!」



    クリスタ「そうだねっ!」ニコッ




    ベキャッ・・・




    そんな類の音がクリスタの腕から響き渡る




    クリスタ「ひぎぃぃぃぃっ・・・!!!???」ドサァッ



    ユミル「ク、クリスタ!?どうしたんだ!?」



    クリスタ「ひ、左腕がっ・・・!!!」ジタバタ



    ユミル「・・・折れてるな」



    サシャ「い、いったいなんで・・・」



    ユミル「恐らくコイツの能力の特性だ、強力な能力は大きなリスクも一緒にしょってるからな・・・」




    クリスタの能力 『嘘つきの罪状(ライアード・イーレ)』

    嘘を現実に変える能力、クリスタの持つ花の花びらと同じ数だけ一日に能力を使える。

    ただし、ついた嘘の分の代償は自らが償わければいけない




    サシャ「とりあえず訓練場に戻りましょう!」





    ―――――――――――――北区  唸る剛腕、一矢報いたり


    剛腕の巨人、撃破!!



    ~part8~ 完
  96. 96 : : 2014/04/02(水) 00:48:36
    期待!!!
  97. 97 : : 2014/04/02(水) 00:51:25
    期待だよ!
  98. 98 : : 2014/04/02(水) 00:54:24
    *・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*皆ありがとう
  99. 99 : : 2014/04/02(水) 03:23:53
    続き期待!!
  100. 100 : : 2014/04/02(水) 08:59:27
    おおぉぉぉぉぉぉ!!
  101. 101 : : 2014/04/02(水) 16:39:06
    期待期待
    死ぬ気がしない
  102. 102 : : 2014/04/02(水) 17:41:14
    みんなありがとう!
  103. 103 : : 2014/04/02(水) 19:58:23
    次の投下が待ち遠し過ぎて死ぬよ〜!
    早く投下しないと(순″순)削ぐぞ


    冗談ですけど超絶期待です!
  104. 104 : : 2014/04/02(水) 20:41:45
    ~part9~



    もう、死んでもいいかな―――――――――――――――――




    そっちの方が楽かもな・・・



    マルコ「ジャン!!!!!!!危ないっ!!!!!!!!」ドンッ




    マ、マルコ・・・!?



    お前も・・・お前まで俺を置いてくのかよ・・・!!



    待てよ・・・お前とはまだ話したりねえんだよ・・・!!!



    ジャン「マアアアアアアアルコオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!」



    マルコ「・・・・」ニコッ



    非道な光がマルコを包む――――――――――――――――




    ドオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!
  105. 105 : : 2014/04/02(水) 20:42:12
    シュウゥゥ・・・



    ジャン「あ、ああ・・・・!!」ガクッ



    皆、俺を置いて行っちまった



    マルコが居た場所にはもう灰しか残っていない



    俺はその灰を触った




    ――――――――――――――――ジャン、頑張れ・・・!!



    ジャン「――――――――――――――!!」



    頭の中で声がした



    マルコだけじゃない、親父やお袋、アンナ。サムエルやミーナの声もした




    俺は目の前の巨人を睨み付ける



    ジャン「やっと・・・分かったぜ」



    ジャン「俺が今、何をすべきかがな!!!」キッ
  106. 106 : : 2014/04/02(水) 20:42:42
    ジャン「お前をぶっ殺す、お前が死んでもぶっ殺してやんだよ!!!!!!」




    『良い志じゃねえか』



    ・・・まあな



    『だがお前だけでぶっ殺せると思ってんのか?』




    もう俺しかいないんだ、俺だけでやるしかねえだろ




    『・・・まだ俺が残ってる、俺が一緒に戦ってやるよ』




    そりゃありがてえ




    『ははっ!楽しみだぜ、お前の生き様!俺に見たことない世界を見せてくれよ!!』



    俺は灰を握りしめ腹の底から叫ぶ




    ジャン「燃え続ける友の魂(フェニックス アニマ)!!!!!」カッッッッッッ!!!!!!
  107. 107 : : 2014/04/02(水) 20:43:06
    ゴォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!



    ジャンの周りを朱い炎が埋め尽くす



    ジャン「もうお前に勝ち目は無いぞ」



    ジャン「拡散(スプレッド)・・・」バッ



    灰が巨人に飛ぶ



    ジャン「・・・点火(イグニッション)!!!」



    ボォオオオオオオオオオオオオオ!!!



    巨人「ギャアアアア!!!」ジタバタ



    全ての灰が火に変貌し、巨人を包み込む




    巨人「ガァァァ・・・!」ピカァァァ
  108. 108 : : 2014/04/02(水) 20:43:26
    口から数々の人を葬った閃光を出そうとする巨人



    ジャン「やらせるかよ!!!」ガッ



    だがジャンは巨人に飛び乗り口の中に手を突っ込む



    ジャン「集約(アグリゲイション)!!!」キィィィ



    バラバラに飛び散った灰が口の中の手に集まる



    巨人「ギャ・・・」



    ジャン「・・・大爆発(エクスプロード)!!!!」ボゴオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!



    口の中の閃光とも相まって超巨大な大爆発は巨人を吹き飛ばす
  109. 109 : : 2014/04/02(水) 20:44:15
    頭が吹っ飛んだ巨人は絶命した




    ――――――――――――――が




    ジャン「爆拳(イグニス)っっ!!!!!」ドゴオオオオン!!!



    ジャンは、もう動かなくなった巨人の身体に炎の拳を叩き込み爆発を起こす



    ジャン「まだまだぁぁぁぁ!!!!!!!」ドゴオオオオオン!!ドゴオオオオン!!!



    もはや巨人の身体は原型をとどめていなかった



    ジャン「おおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!」ズドオオオオオオオン!!!



    一際大きな爆発が起きて音は鳴りやんだ




    ジャン「はぁ・・・はぁ・・・」



    俺は空を見上げる



    ポツン



    頬に一筋の水が流れる




    ―――――――――――――雨は嫌いだ









    ―――――――――――――――――――西区   憎しみの炎、灰燼と化す



    閃熱の巨人、撃破!!



    ~part9~ 完

  110. 110 : : 2014/04/02(水) 20:46:54
    公式グループの方では、巨人名鑑を随時更新しております


    作中に出てきた巨人の細かな設定や制作秘話などもありますので気になる方は是非ご覧あれ


    http://www.ssnote.net/groups/137
  111. 111 : : 2014/04/02(水) 23:37:57
    ~part10~

    アニ「はああああっっ!!!」ブオッ!

    修羅の足に蹴りを放とうとするアニ。

    巨人「ゴアッ!」ヒュヒュンッ!

    それを捉えようとする修羅の鉄拳。

    アニ「っ!しまっ…」

    ライナー「光拳・剛っ!!」

    ドゴォッ!!

    巨人「グオ…」

    だが、ライナーの拳がそれを横から殴り飛ばした。よろめく巨人。

    その隙に…

    アニ「ベルトルトッ!!」タタンッ!

    ベルトルト「能力模写(イミテーション)、ver.アニッ!!!」ヒュンッ!

    ベルトルト「結晶(クリスタル)…!!」

    アニ「結晶(クリスタル)!!」

    ベルトルト「生成(ジェネレイション)!!!」ガッ!

    アニ「砕破(ブレイク)!!!」ゴッ!!

    ピキピキィッバリィィンッ!!!!!

    ベルトルトとアニがコンビネーション技を叩き込む。

    戦闘は、俄然激しさを増していた。
  112. 112 : : 2014/04/02(水) 23:38:25
    巨人「…」シュウー…

    6本合った修羅の巨人の腕は、もうたったの1本のみ。

    それに対し、アニ達はまだ誰もやられていない。

    戦況は、アニ達が圧倒的優勢かに見えた。

    しかし…

    ライナー「はあっ…はあっ…こいつ、疲れを知らねえのか…!?」ハァハァ

    アニ「それどころか、表情一つ変えやしない…嫌味な奴だね…!」ゼェ…ゼェ…

    巨人「…」シュウウウ…

    疲労困憊を隠せないアニ達に比べ、修羅の巨人は表情一つ変えていなかった。

    ベルトルト「腕を5本もやられてこれなんて…!ただ単に感情が無いだけか…!?」ゼェ…ハァ…

    ライナー「はぁ…!何にせよ…後一本だ…!行けるか?アニ、ベルトルト…!!」

    アニ「当然だよ…!あの腕さえ消しとばせば…もうこっちの勝ちだ…!」

    ベルトルト「僕が隙を作る…アニかライナー、行けそうな方が決めてくれ…!!」

    ライナー「分かった…行くぞ!!」ダッ!

    アニ「ああ!!」タッ!

    そう言うと、二人は巨人に飛びかかった。
  113. 113 : : 2014/04/02(水) 23:38:59
    ベルトルト「能力模写(イミテーション)、ver.ライナー!!!」キィィィン!

    光が、ベルトルトの右拳に収束し…

    ベルトルト「光陣・陽砲っ!!!」

    ドシュウウウッ!!!!!

    レーザーとなり、巨人に放たれた。

    巨人「…!」ヒュッ

    それを避けたことで、巨人のバランスがずれる。

    アニ「っ!!今だっ!!!」

    その隙を見逃さず、突っ込むアニ。

    アニ「結晶(クリスタル)…!!!」

    ベルトルト「勝った…!!」

    誰もが勝利を確信した…

    その時だった。

    ズボボボボッ!!!!!

    ライナー「っ!?な……!!」

    消し飛んだ筈の腕が突如再生し…

    ライナー「逃げろ!!アニィィィィィィィ!!!!!!!!」

    アニ「えっ……」

    ドドドドドドドォォォッ!!!!!!

    6本の巨腕が、アニに向かって振り抜かれた。

    ベルトルト「ア…!!」

    ベルトルト「アニィィィィィィィ!!!!!!!!!!」
  114. 114 : : 2014/04/02(水) 23:39:23
    うっ……あれ…?

    私は…巨人にやられたはず…

    なのに…なんで痛くないの…?

    「怪我は…ないか…!!」

    アニ「!?え…!!?」

    驚いて目を開くと…とんでもない物が映った…それは…

    ダズ「はは…元気そう…だな…」

    両足が消え失せ、その身体を血に染めた…ダズだった。

    そう。巨人の拳が当たるか当たらないかの所で、ダズは建物の屋上から飛び、アニを助けたのだった。己の両足と、引き換えに。

    アニ「あんた…なんで…!?」ポロッ…

    思わず、アニの目から涙が零れ落ちる。

    ダズ「怖かったよ…けどな…ここで逃げて、隠れて、守られてるだけじゃ…苦労して兵士になった意味が無いだろ…?人を守るのが…兵士の務めだ…」

    アニ「ダズ…!ごめんなさい…ごめんなさい…」

    ライナー「おい!!大丈夫…じゃねえか…!!!」

    ベルトルト「ダズ!!しっかりして!!今ここで君が死ねば、アニが傷付く!!そうなったら僕は、君を死んでも殺すぞ!!」

    ダズ「俺は…大丈夫だ…それより、あいつを…」

    巨人「」シュゥゥ…

    4人を見下ろす巨人の腕は、6本に戻っていた。しかし、顔が一つ減っていた。

    ライナー「また6本に戻りやがった…!!」

    ベルトルト「あいつ…もしかして、顔と引き換えに腕を再生出来るのか…!?だとしたら…!!」

    ライナー「後、12本…!とてもじゃないが、今の俺等には…!!!」

    絶望に包まれる4人。

    …しかし

    この残酷な世界は、さらなる絶望を彼等に与える。
  115. 115 : : 2014/04/02(水) 23:39:49
    ヒュオオオオ…!


    ライナー「!!?あ…あれ…は…」

    ベルトルト「嘘…だろう…!?」



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




    サシャ「え…なんですか…あれ…!?」

    コニー「おい…あれって…まさか…!?」

    クリスタ「あ…ああ…あ…」

    ユミル「ふざけてやがる…!!」




    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    ジャン「…は…?おい…冗談じゃ…ねえぞ…!!!」



    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    ミカサ「こんな…馬鹿なこと…!!」

    アルミン「なんで…!!」

    エレン「…!!くそったれがぁぁぁぁ!!!!!!」


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    その絶望とは…

    ダズ「あ…あれは…!!!」

    アニ「翼と…閃熱……!?」

    二体目の、翼の巨人と閃熱の巨人であった。

  116. 116 : : 2014/04/02(水) 23:42:21
    アニ「ああ…あ…」

    ズゥン…ズゥン…

    絶望に沈む彼等をしばらく眺めてから、修羅の巨人が動く。

    ゆっくりと、ゆっくりと。

    まるで、「お前らにはもう飽きた」と言わんばかりに…

    その巨腕を、振りかぶる。

    ライナー「…くっ…」

    ベルトルト「もう…ここまでか…」

    巨人「…」グオオ!!

    巨腕が、振り下ろされる。



    その日、人類は思い出した。

    巨人の恐ろしさを。

    人類の…無力さを。





























    シュキンッ!!!!!

    ドオオオオオオオオン!!!!!!!!

    突如、修羅の巨人の右上腕が吹き飛ぶ。



    しかし、人類は一つ忘れていた。

    人類の、英雄達を。

    自由の翼をなびかせる者達の存在を。



    「随分派手にやってくれたな…糞が」

    ライナー「!?…!!貴方は…!!!」

    「この落とし前は付けて貰うぞ…」

    ベルトルト「リヴァイ…兵長…!!!」

    リヴァイ「楽に死ねると思うなよ…!!」


    -------------------------------------------------東区   絶望の修羅、無力を嘆け


  117. 117 : : 2014/04/02(水) 23:45:10
    人類最強……





    此処に、来たれり……!!!








    ~part10~ 完
  118. 118 : : 2014/04/03(木) 08:35:35
    兵長キター!
  119. 119 : : 2014/04/03(木) 10:03:42
    兵長!かっこいい!
  120. 120 : : 2014/04/03(木) 20:41:51
    期待ジャン↑
  121. 121 : : 2014/04/03(木) 22:42:25
    ~part11~



    ハンジ「あっちゃー!!凄い事になっちゃってるね!!」キャハーッ!!



    モブリット「分隊長!落ち着いてくださいよ!!」



    ハンジ「良いじゃん!!とうとう壁内でも巨人が見れるようになったんだからさ!」



    モブリット「最悪の状況なんですって!」



    そんな2人の前に一体の巨人が現れる



    巨人「オォォォ・・・」ピカァァァ



    ハンジ「あ、こいつは噂の新種!?すっげー熱そう!!!」
  122. 122 : : 2014/04/03(木) 22:42:46
    モブリット「うっわ!なんだコイツ、気持ち悪い!!」



    ハンジ「生け捕りにしよう!そうしよーうっ!!」キラーン



    モブリット「ものっそい余裕ですね、分隊長!?」



    ハンジ「では早速・・・発動!歪んだ愛(ラブアンドペイン)!!」ヒュッ




    ハンジが投げた杭は空中でみるみる内に巨大化し巨人の口に突き刺さった



    ハンジ「これで私が動かなければ君も動けない・・・どう?繋がってるってすごく良い事じゃない?」





    ハンジの能力 『歪んだ愛(ラブアンドペイン)』

    杭を刺した相手を封じる。またハンジが動けば同じ動きをする。ただし痛覚を共通する
  123. 123 : : 2014/04/03(木) 22:43:17
    モブリット「熱いんだろうな・・・」スッ



    若干、乗り気ではなさそうだがモブリットも胸ポケットからペンを取り出す




    モブリット「発動・・・具現せし古き文字(インカネイティオ・サイセーロ)!」



    モブリットは巨人に近づく



    巨人「ガ・・・ア・・・」



    モブリット「分隊長!杭を抜いてください!!」



    ハンジ「あいよっと!」スポンッ



    巨人「ガァッ・・・!」ピクッ



    モブリット「遅いっ!!冷却(リフィレゲイション)!!」ヒュンヒュンヒュンッ!



    モブリットは巨人の身体に素早く文字を書き連ねていく



    巨人「アガ・・・!?」パキパキ



    途端に巨人の身体は凍り付いていく



    巨人「・・・」



    完全に凍り付くとモブリットは再びペンを走らせる



    モブリット「破壊(ブレイク)・・・」



    パキィィィィィィィン!!!



    そして凍り付いた巨人は粉々に砕け散った



    ハンジ「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!せっかくの新種をどうしてくれんのさああああああ!!!!!!!」ギャーギャー!



    モブリット「し、知りませんよぉぉ!!!また捕まえればいいじゃないですか!!!」



    ハンジ「簡単に言うなぁぁぁぁぁ!!!!!」
  124. 124 : : 2014/04/03(木) 22:44:15
    ―――――――――――一方、別の場所




    ミケ「・・・・・」スンスン



    ゲルガー「分隊長?何かいますか?」



    ミケ「一体、近くに来るぞ・・・」



    ゲルガー「ははっ、腕が鳴りますね!」



    ミケ「いや、どうやらお前の出番は無さそうだ」



    ゲルガー「・・・というと?」



    ミケ「・・・この程度なら俺だけでも十分、という事だ」



    ゲルガー「そうですか・・・」



    ミケ「そう、落ち込むな。俺達は壁外調査から帰ってきたばかりだ。体を少しでも休ませろ」



    ゲルガー「了解です・・・」



    ナナバ「ミケ!ハンジ…いや、正確にはモブリットから連絡が来た。新種を一体仕留めたみたいだ。」




    ミケ「そうか・・・」




    ナナバの能力 『以心伝心(テレパス トゥー シンパシー)』

    遠く離れた相手と交信できる。人数は1人から数十人まとめてでも可能
  125. 125 : : 2014/04/03(木) 22:45:07
    巨人「キィアアアァァ・・・!!」バサッバサッ




    ミケ「あれが噂の・・・」



    巨人「キェェェ・・・」スタッ



    翼をはためかせながら地面に降り立つ



    ゲルガー「あーあ、あの野郎死んだな」



    ミケ「・・・発動、閃里眼(キル アット クレイヴォーガン)」キィィィン



    ミケの手に持った剣が輝きを放つ



    巨人「アァァァァ!!」ババッ



    巨人はミケ達に気づき、急接近する



    ミケ「・・・ふんっ!」ズババババッ!



    ミケの剣は空を斬る・・・




    巨人「アァァァァ・・・・アァ!?」ズバッッ!



    ミケの剣が空を斬った、一瞬後に巨人の翼は切り落とされた
  126. 126 : : 2014/04/03(木) 22:46:02
    巨人「ガ・・・アァ!!」



    巨人は最後の力を振り絞りミケにとびかかる




    ミケ「・・・・・・」スチャ



    しかしミケはもう剣を納めた



    ミケ「・・・・・じゃあな」




    巨人「グエエッ!!??」ズバンッ!!



    巨人の胴は真っ二つに裂かれ、絶命した




    ゲルガー「流石っすね!」



    ミケ「・・・ふん」




    ミケの能力 『閃里眼(キル・アット・クレイヴォーガン)』

    自らの視界に入って、さらに同じ地面の上に立っている物に斬撃を飛ばす

  127. 127 : : 2014/04/03(木) 22:46:42
    ――――――――――――――――――――南区




    リヴァイ「楽に死ねると思うなよ・・・!」



    ライナー「リヴァイ・・・兵士長・・・!!」



    リヴァイ「・・・お前らがここまでやったのか・・・?」



    ベルトルト「は、はいっ!」



    リヴァイ「・・・ふん。ご苦労だった。後は俺に任せろ」



    ライナー「で、ですが・・・!」



    リヴァイ「これは命令だ、そこの怪我してる野郎も連れてとっととどけろ」



    ベルトルト「は、ハッ!」



    ライナー「行くぞ、アニ!」



    アニ「あ、ああ・・・!」



    ベルトルト「ダズ、大丈夫かい!?今から安全なとこに連れてくからね!」



    ダズ「う・・・あぁ・・・」

  128. 128 : : 2014/04/03(木) 22:48:17
    巨人「・・・・・」ヒュンヒュン!



    しかし撤退する4人に巨人は2本の腕で追撃をはかる



    ライナー「やべえっ・・・!!」



    ガキィィィィィィン!!



    アニ「・・・・え?」



    グンタ「お前ら!ここは良いから早く逃げるんだ!!」



    ベルトルト「い、行こう!」



    リヴァイ「さて、と・・・」



    リヴァイ「まずはその鬱陶しい腕を掃除するか・・・」



    リヴァイ「アリア、ジル・・・力を借りるぞ・・・!」スッ



    リヴァイ「ふっ!」タンっ



    勢いよく飛び出すと、リヴァイはあっという間に空中に躍り出る



    巨人「・・・・」ヒュンッ



    巨人はリヴァイを殴ろうと拳を飛ばす



    リヴァイ「おせえ!!」パシッパチンッバシッ



    リヴァイは巨人の腕を数回叩く



    リヴァイ「・・・爆ぜろ!!!」



    バゴォォォォォォォォン!!!!!



    巨人の腕は跡形も無く消し飛んだ



    ぺトラ「兵長!!」



    オルオ「俺達も援護します!」

  129. 129 : : 2014/04/03(木) 22:49:30
    リヴァイ「俺が腕を2本やる・・・お前らは1本ずつだ!」



    ペトオル「「了解!」」



    ぺトラ「発動!聖なる戦乙女(サンクチュアリ・ヴァルキリア)!!」カァァァァァ!!



    オルオ「発動!生気減退(ヴァイタリティ・クラウン)!!」カッッッッ!!!




    ぺトラはその手に光で出来た剣と盾を持ち、オルオの右腕のタトゥーは輝きを放つ




    ぺトラ「行くよッ!」タンッ



    崩れた瓦礫を足場にして軽やかに舞うぺトラ



    あっという間に腕に接近し、剣を振りかざす



    ぺトラ「戦乙女の連閃(ヴァルキリア・シャックス)!!」ズバババババババッッッ!!



    だが巨人の腕は流石に硬く切り落とせはしなかった



    ぺトラ「くっ・・・流石に1度じゃ無理か・・・!」



    オルオ「ぺトラ!!しゃがめ!!」ダダダッ



    ぺトラを飛び越え拳を構えるオルオ



    オルオ「紋章拳(スペル・ナックル)!!」バコォォン!



    オルオ「もう、一丁!!」バゴォォォン!!



    オルオ「二度殴った!!今なら切り落とせるぞ!!」



    ぺトラ「言われなくても・・・分かってるって!!」



    ぺトラ「戦乙女の一閃(ヴァルキリア・アスタロッサ)!!」ズッバンッッ!!!



    巨人の腕は勢いよく叩き斬られた



    オルオ「よし!もう一本・・・ってええ!?兵長!?」
  130. 130 : : 2014/04/03(木) 22:50:31
    リヴァイ「お前ら・・・俺は1人1本と言ったはずだが・・・?」



    そこには丁度3本の腕を破壊しおえたリヴァイの姿があった



    ぺトラ「すっ、すみません・・・」



    リヴァイ「まあ良い、コイツはまだ終わってないぞ」



    オルオ「え・・・?」



    巨人「・・・アァァァアァァァァァ!!!!!!」カァァァァァァッ!!



    巨人の顔はとうとう1つだけとなったがそれ以上の絶望が彼らに圧し掛かる



    ぺトラ「う、腕が24本!?さっきの6倍以上もある!!」



    オルオ「これはっ・・・チッ、糞野郎が・・・!流石に修羅ってだけはあんな・・・!!」



    リヴァイ「ぺトラ!!オルオ!!ボーっとしてんじゃねえ!!!」



    ぺトラ「えっ・・・!」



    すると2人の眼前には巨人の拳が迫っていた



    オルオ「やばいっっ!!」



    だが寸の所で誰かが2人の前に出る



    グンタ「守護の魂(ガーディアンズ・スピリット)!!!」ガッ!!



    大盾を地面に叩きつけ叫ぶグンタ



    すると虹色に輝く障壁が3人を囲み巨人の腕を受け止める
  131. 131 : : 2014/04/03(木) 22:51:08
    グンタ「痴話喧嘩は帰ってからしやがれ!!」



    ぺトラ「してないわよ!」



    パァンッッ!!



    受け止められていた腕は急に弾け飛んだ



    オルオ「エルドか!!」








    ~壁上~




    エルド「良く聞こえるぜ、お前ら・・・痴話喧嘩はホント帰ってからにして欲しいぜ」ガシャン



    巨大なスナイパーライフルを構え、1人呟く







    リヴァイ「どうやら俺達が有利なようだな」



    リヴァイがそうつぶやくとほぼ同時だった



    ハンジ「うっひょおおおおお!!めっちゃレアな巨人までいるじゃああああああん!!!」



    モブリット「分隊長!ホントにあんた死にますよ!?」



    ミケ「厄介なヤツも居たもんだな・・・」



    リヴァイ「遅いぞ、お前ら・・・」
  132. 132 : : 2014/04/03(木) 22:51:27
    巨人「・・・・・・」



    巨人「・・・イ、オイビオイシタア、ニンゲンドモオ・・・」



    リヴァイ「・・・!?」



    ハンジ「う、嘘だろ・・・巨人が喋ったぁああああああ!!!???」



    巨人はそう言い残し腕を使って蜘蛛のように逃げて行った



    リヴァイ「待て・・・!!」ガシッ




    「いやここは追撃はよそう」



    追い打ちをかけようとするリヴァイを誰かが止める




    リヴァイ「エルヴィン・・・!」
  133. 133 : : 2014/04/03(木) 22:52:01
    エルヴィン「とりあえず脅威は去った、私達の勝ちだ!」



    ウォォォォォォォォォォ!!!!!




    リヴァイ「壊れた壁はどうするんだ、エルヴィン」



    エルヴィン「・・・そうだな、もうここは使えなくなってしまうが仕方ない、岩で塞ごう」



    そう言うとエルヴィンは地図を取り出し、何かを書き込んでいく



    エルヴィン「よし・・・」



    ドスゥゥゥン・・・



    壁に開いた穴に丁度はまる程度の大きさの岩が出現した



    リヴァイ「ちっ・・・また一からやり直しか・・・」



    エルヴィン「まあそう言うな・・・」
  134. 134 : : 2014/04/03(木) 22:52:48
    ―――――――――――――――――――――時を同じくして別の場所



    エレン「すげえ・・・アレが調査兵団・・・!!」



    アルミン「僕たちが苦戦した敵をものともしないなんて・・・」



    ジャン「流石にデタラメな強さだな・・・」



    クリスタ「でも・・・それだけたくさんの人が死んじゃったんだね・・・」



    ライナー「そうだな・・・だが俺達はこの世界に産まれた時点で決まっているんだ」



    ライナー「過去を振り返ってはいけない、それは必ず己に迷いを生む。生きたければ・・・自由を掴みとりたいなら・・・仲間の屍を越えていかなきゃならない」



    ジャン「そう、だよな・・・」



    エレン「あぁ。後悔はしない。だが俺達と共に戦って命を散らしていった奴らのことは絶対に忘れない。誰しもが勇気ある兵士だったということを忘れちゃいけねえんだ」




    エレン「俺は決めた、巨人を駆逐するだけじゃない。ここにいる奴らを守るために戦うんだ」



    エレン「そのために・・・もっと強くなる!!」



    ベルトルト「・・・我等104期訓練兵団、生まれた時、場所は違えど死ぬ時、場所は決して違わぬ、我らの絆永遠なり!・・・みたいな感じかな?」



    ユミル「へぇ・・・ベルトルさん、あんたって案外そういうことも言うんだな」



    ベルトルト「え、あ、いや・・・ははっ。恥ずかしいな」



    コニー「なんかそれカッコいいじゃん!」



    サシャ「私もそう思いますよ!」



    エレン「じゃあ皆で言うか?」



    ジャン「やだよ、なんか臭いじゃねえか・・・」



    アルミン「まぁ良いじゃない!」



    ジャン「・・・仕方ねえな・・・」



    『我等104期訓練兵団、生まれた時、場所は違えど死ぬ時、場所は決して違わぬ!我等の絆、永遠なり!!』



    ――――――――――――――――――――――――こうして俺達の初陣は幕を閉じた





    第三話 完
  135. 135 : : 2014/04/04(金) 22:50:54
    次回予告!!





    トロスト区の激闘を制した人類



    だがそこで失ったものはあまりにも大きかった



    しかし時は止まらない



    死せる者を弔う追悼式、そこで彼等は何を思うのか



    そしてSAWに覚醒した彼らに次なる試練が降りかかる―――――――――――――――――――――――




    彼等の進む道に栄光あれ!!





    次回、Lucernas  ~遺志を継ぐ君達へ~ 



    第四話  『隻影の映る丘の上で』




    乞うご期待!!
  136. 136 : : 2014/04/04(金) 23:21:54
    次回も期待ダヨ!お疲れ様!
  137. 137 : : 2014/04/06(日) 09:24:11
    続きを書いたら貼ってください
  138. 138 : : 2014/04/06(日) 12:31:53
    >>137了解です(^-^)
  139. 139 : : 2014/04/08(火) 00:31:54
    次スレです。

    http://www.ssnote.net/archives/14268
  140. 140 : : 2014/08/22(金) 01:47:02
    面白い
  141. 141 : : 2020/10/06(火) 13:49:24
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

    http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=37

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

著者情報
mnbvcxz

じゃがみん

@mnbvcxz

この作品はシリーズ作品です

Lucernasシリーズ シリーズ

「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場