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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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エレンが戦闘中に異世界に召喚される話

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  1. 1 : : 2018/02/03(土) 15:54:05
    エレンがトロスト区攻防戦でアルミンを庇って巨人に飲み込まれ、巨人の胃袋の中から異世界召喚される話です。
    留意点としては、
    ・エレン以外の進撃キャラが登場しない
    ぐらいですかね。まあ、強いて加えるのなら自分の文章力があまりないといったところです。
  2. 2 : : 2018/02/03(土) 16:32:37
    辺りは血の海だ。


    班は俺が単独で突っ走ったせいで全滅。


    情けねぇことこの上ない。


    視界のなかにアルミンが巨人に食われる光景が入る。


    あいつとの思い出の一節がふと頭をよぎった。


    子供の頃あいつが外の世界についての本を持ってきて、外の世界のことを語ってくれた。


    アルミンは海、火を噴く山、氷の平原。ほかにも信じられないようなものが壁の外にはあるといった。


    俺は壁の外にあるものをまだ一つも見ていない。


    そうだ。俺はこんなところで寝ていられない…!


    あいつを助けて一緒に壁の外に行くんだろうが!


    エレン「ッ………!」


    俺の体からは血がほとんど抜けて力が入らない。


    それでも気力で立ち上がり、巨人に飲み込まれそうだったアルミンを引きずり出す。


    アルミンを巨人の口外に投げ出し、俺はアルミンに言う。


    エレン「アルミン…」


    早く!と、アルミンが手を伸ばしてくる。今度は俺を巨人の口外に引きずり出してくれるんだろう。


    エレン「お前が…教えてくれたから……」


    力を振り絞り、手を伸ばす。
    さっきアルミンを投げ飛ばしたので限界が来たたせいか、腕を上げるのにも時間がかかる。


    伸ばす手と対の手と、足をつっかえ棒代わりにして巨人の口が閉じそうなのを防いでいるが、それも長くは保てないだろう。


    エレン「俺は…外の世界に……!」


    そう俺は言って、そこで俺の体は燃料が切れた機械のように止まった。


    伸ばした手は巨人の歯に易々と噛み千切られ、俺は巨人の胃袋に真っ逆さまだ。


    アルミン「エレェェン!」


    アルミンの俺を呼ぶ声が遠ざかっていく。


    巨人の食道を通っていくなか、俺は意識を失った。
  3. 3 : : 2018/02/03(土) 17:24:38
    エレン「うっ!」


    腐臭を放つ液体に落ちる衝撃と、肌を焼かれるような痛みで目を覚ます。


    そうか…俺は巨人に飲み込まれて……。


    エレン「ああああ…!?」


    辺りを見渡せば、俺と同じ巨人に食われた訓練兵がいた。


    すでに死んでいるやつもいれば、呻き声をあげているやつもいた。


    俺は訓練場で必死に訓練してきた。


    仲間を…家族を……巨人から守る。もう二度とあんな事にならないように……その一心で。


    あの光景はいつも脳裏に焼き付いている。


    5年前、超大型巨人が壁を破ったあ悲劇で俺は母さんを巨人に食われた。


    ベキベキと嫌な音を立てて母さんは巨人に握り潰され、そのまま巨人は母さんを口に運び……


    あの日俺は巨人を一匹残らず駆逐すると、強く誓った。


    だが、俺は無力だった。


    単独行動をとり、仲間を全滅させた。


    そしてあげくの果てに自分も巨人に食われた。


    こんなはずじゃなかった。こんなはずじゃ…


    エレン「………こんな……」


    エレン「……こんなはずじゃ……」


    俺達は5年前とは違うんだ……


    必死に訓練した……必死に考えた……


    こいつらに勝つために……


    こいつらに奪われないために……


    「お母さん……熱い…………熱いよ……」


    一人の訓練兵がそう呻いきながら胃液に吞まれていく


    俺はそいつの声を聞きながら怒りと悲しみが混じった感情がふつふつと湧き上がってきていた。

    どうしてこうなる……


    どうして俺達は奪われる……


    命も……


    夢も……


    エレン「うッ……あぁぁ…」


    気づけば涙が出てきていた。


    自分の無力さに対する怒り、巨人の理不尽さにたいする憎しみ……


    このまま諦めてしまったら楽だろう。


    このまま諦めてしまったらこんな理不尽からも解き放たれるのだろう。


    それでも、それでも俺は……!


    エレン「ウッ………畜生」


    エレン「畜生!!」


    エレン「あ…諦めて……たまるか…」


    エレン「駆逐してやる」


    この世から……一匹残らず


    エレン「俺が…この手で……!」


    俺は胃液に沈んでいく。


    その時。


    その時だった。


    胃液の中で足元に美しい円模様が現れたのが見えた。


    それは複雑な模様をして、うっすらと白く輝いて、あまりにも神秘的だ。


    その円模様はゆっくりと上がってきて、模様の内側にあるものごと、巨人の胃液ごと俺を飲み込んでいく。


    エレン「なッ!」


    なんだこれ。そう言う前に円模様は俺の足から頭にかけて全てを飲み込んだ。


    そのまま俺は再び意識を失った。
  4. 4 : : 2018/02/03(土) 18:21:27


    「………!」


    まぶしい光で目がくらむ。何か声が聞こえるが誰かが俺に何かを言っているのだろうか。


    意識が混濁しているせいで何も考えられない。


    「………よ!………起きよ!勇者達!」


    その誰かが何度も叫んできている。その騒音のせいか、俺の意識もはっきりしてきた。


    状況をつかもうと辺りを見渡し、俺は驚愕する。さっきまで巨人の胃袋の中だったはずなのに、俺が今いるのは大理石で出来た場所だ。


    それだけじゃない。巨人に噛み切られたはずの片脚と片腕がある。まるで再生したみたいに。


    だが、あるのは腕と脚だけで、一緒にかみ千切られた部分の服はない。


    そして、足下にはさっき巨人の胃袋で見た美しい円模様が眩しい光をはなっている。


    円模様の中には俺の他に3人いた。全員男で見た目は俺と同じくらいの年齢だろうか。身長もそう変わらないだろう。


    だが、3人とも俺の見慣れない格好をしている。


    光に目が慣れてくると、まわりは甲冑と呼ばれるものを来た奴らと、正面には偉そうにしている冠を被ったおっさんとおばさん、そして若い女がいた。



    「目を覚ましたようだな勇者達よ」


    そう言ったのは偉そうなおっさんだ。


    顔には年季が入っている。それなりに年を食っているんだろう。


    そう考えている内に円模様の中にいた俺を除く3人の男の内、一人が最初に喋った。


    その男はやや痩せ気味で色白、髪は整えていなく、ボサボサだ。


    「あの~ここは何処なんでしょうか……?」


    もっともな質問だろう。


    その男の質問に、偉そうなおっさんは


    「ふむ、まずは状況を説明せねばいかんな。」


    といい、俺と男3人に説明を始めた。


    「まずは自己紹介といくか。私はこの人類国の国王をしているルージュ・ロート・エルキア三世、そして私の隣にいるコレは私の妻、そしてコレは我が娘だ」


    そう言って偉そうなおっさんは偉そうなおばさんと偉そうな若い女の紹介をする。
     

    それにしても……国王だと?人類国?ウォール・シーナじゃなくて?


    そう考える俺を無視してその国王とやらは話を続ける。


    国王「そなたらは我が人類国の秘法『勇者召喚』によって異世界より召喚されし勇者達だ!私の国の秘法によって召喚されたことを誇りに思うがよい」


    勇者召喚?異世界だと?


    異世界とは、異なる世界ということ。


    召喚とは、呼び出されるということ。


    つまり俺は自分のいるあの世界。巨人が人々を食らうクソったれな世界とは異なる世界に呼び出されたということか?


    そうだったとしたら、早く元の世界に戻らないといけない……俺は巨人どもを駆逐しなきゃいけないんだ。


    だが、そんな俺とは反対に他3人はなぜか喜んでいた。


    いや、喜んでいるのは2人だ。1人は不満そうな顔をしている。


    「異世界召喚キタコレ!」


    「これで俺も美少女ハーレム!」


    などと、訳のわからないことを言い、歓喜している2人の男。


    その2人の内1人はさっき喋ったあの色白の痩せ男。もう1人は貴族のようにでっぷりと太った男だ。


    そして不満そうな男は見た目普通の体系だが、髪の片方をかきあげたのを整髪剤で固めていて、奇抜な髪型をしている。


    そして、その男は国王に対して


    「勇者召喚だ?そんなの知るかよ。さっさと元の世界に戻しやがれ」


    そう言い放った。
  5. 5 : : 2018/02/04(日) 00:37:01
    ざわざわとまわりの甲冑を着た兵士達が騒ぎ出す。


    この世界の常識がわからないから何とも言えない……だが


    エレン(あの不満そうな男……国王に対してあの口調は不味いんじゃないだろうか。俺のいた世界なら不敬罪だよな……だから兵士達もざわついているんじゃ……)


    そう俺が考えている間にも不満そうな男と国王のやりとりは進むが、それは意外な方向に進んでいた。


    国王「ふむ……貴様、名を何とも申す」


    不満そうな男「……古賀、古賀拓也(こがたくや)だ」


    国王「コガタクヤという名か。コガが真名か?」


    拓也「まあ……拓也がファーストネームっていうか、真名になるんだろうな。それよりも……早く元の世界に返せ」


    国王「ではタクヤと呼ばせてもらおう……タクヤよ貴様が異世界から来たことも考慮し、ある程度の無礼も寛容にするつもりだ。勿論ほかの勇者達もだ」


    俺が思っていたよりも国王は器の大きいやつだったようだ。


    国王「話を戻すが、タクヤよ、貴様がそう言いたい気持ちもわかる……が今はそれは出来ない」


    元の世界に帰ることが出来ない……?


    国王の言っていることが本当だとしたら、それはかなり不味い。


    元の世界に早口帰らなきゃいけない。今この瞬間にも仲間が巨人に食われているかもしれないんだから。


    だが、国王は「今は」と言った。つまりなんらか過程があれば帰れるということだ。


    拓也「なっ……ふざけんな!召喚なんてそっちの都合だろーが!」


    不満そうな男……コガタクヤとか言ってたな。そのタクヤは、国王にそう吠えた。


    さっきからタクヤがピリピリしているのがまわりに伝わったのか、召喚されて喜んでいた2人も黙り込んでいる。


    だが、俺もいつまでも黙り込んでいては話が進まない。


    だから、俺は国王に話をすることにした。


    エレン「発言してもよろしいでしょうか」


    そう言うと同時に視線が俺に集まる。


    まあ、この場で一番浮いているだろう存在は多分俺だ。服の片手片足の部分がちぎれているという奇抜な格好をしている。そんなやつが喋ったりしたら視線が集まるのも当然だろう。


    国王「構わん」


    エレン「国王陛下は先程『今は』とおっしゃいましたが、元の世界に帰るためには何が必要なのでしょうか」


  6. 6 : : 2018/02/05(月) 01:22:05
    国王「うむ、よく聞いてくれた」


    国王は俺の下手な態度と核心をついた話題の提示に機嫌をよくしたのか、声のトーンが上がった。


    そしてタクヤを放置して、俺の質問に答える。


    国王「此度、貴様らを召喚したのは他でもない。この国の隣にある廃国で魔王が復活した。それを倒して欲しい」


    国王「自分達に出来るわけがない、そう思っているかもしれないが、その点については心配無用だ。勇者召喚にて召喚された勇者には元の世界からこちらの世界に来る際に〔ユニークスキル〕が与えられる」


    斎藤「〔ユニークスキル〕!これで僕のチートなスキルが発覚して皆が驚愕するイベントが発生するんだな!?」


    佐藤「そしてそのチート能力で美少女ハーレムだ!」


    国王の説明が進むたびに斎藤と佐藤が騒ぐ。正直俺には何を言っているのかわからない。魔王?魔王ってなんだよ。


    そんな俺を無視して国王は説明を続ける。


    国王「〔ユニークスキル〕には色々あるが、例えば〔ユニークスキル:賢者〕は全魔法に対する適正が得られるといったもので他にも様々な種類がある」


    国王がそう言うと、痩せた男と太った男は再び騒ぎ始めた。それにしても、説明されるたびに謎が増える。魔王、〔ユニークスキル〕、そして、魔法。どれも俺が聞いたことのない言葉だ。


    痩せた男「魔王討伐!これぞ正に王道テンプレ!やっぱ異世界召喚はこうじゃないと!」


    太った男「その通りだ!なぁ、よかったら名前を教えてくれないか?あんたとは気が合いそうだ!ちなみに俺は佐藤大樹(さとうだいき)だ、よろしく!」


    痩せた男「おぉ、同士か!僕は斎藤佑樹(さいとうゆうき)だ。よろしく頼む!」


    痩せた男がサイトウユウキで太った男はサトウダイキっていうのか……さっきのコガタクヤといい、聞き慣れない名前だ。しかし………2人の会話についていけない。魔王ってなんだ…?


    エレン「国王陛下、魔王や〔ユニークスキル〕、それに魔法とは……?失礼ながら自分はそれらがどういうものがどういったものか存じません」


    そう国王に質問した俺に、さっきの2人がいきなり話しかけてきた。さっき無礼も寛容にするつもりと国王はいったが、それでも国王の前でぐらい私語は慎むだろ……。


    佐藤「お前魔王とか魔法とか知らないのか!?コスプレしてるっぽいし、話通じると思ったんだけどな…」


    エレン「は?コスプレ?」


    斎藤「佐藤くん、この人コスプレでもないのにこんな格好してるってことは、僕達とはまた別の世界から召喚されたんじゃないのかな?」


    佐藤「確かにあり得る……。なあ、あんた名前は?それにすんでる国名も」


    エレン「……俺はシガンシナ区出身のエレン・イェーガーだ」


    佐藤「シガンシナ……?そんな国聞いたことないが………あんた日本って知ってるか?」


    エレン「ニホン……?」


    シガンシナは区名であって国名じゃないんだが……。


    ニホン?そんな場所知らないがそれがこいつらのすんでる国……だとしたら、こいつらは俺とはまた別の世界からここに呼び出されたということか。


    そう考えこんでいると、国王がある提案をしてきた。


    国王「エレンといったか。どうやらユウキとダイキは魔法について既に知っているようだ。どうだ、いったんこの場は打ち切りにし、後は勇者同士の仲を深めることもかねて、タクヤと共にその2人に魔王や魔法について教えてもらってはどうだ」


    タクヤ「なッ…!まだ話は終わってねえぞ!」


    国王「すまぬが私もこれで忙しい体でな。召喚についての詳細は部下にやらせる。おい、誰か勇者達を用意した部屋まで案内しろ!」


    そう国王は部下の兵士に命令し、俺達は……タクヤだけは強制的にだが、大理石でできた巨大な広間をで、命令された兵士に案内され別の部屋へ案内された。

  7. 7 : : 2018/02/07(水) 15:07:49
    ーー別室ーー


    国王に命令されて、俺達を別室に案内した兵士は、部屋から出て行き、俺、タクヤ、ユウキ、ダイキの4人だけになった。


    俺は元の世界に戻るために倒さなきゃいけないらしい『魔王』というもの、そして『魔法』というものについて、ユウキとダイキに聞いた。


    今も俺のいた世界ではトロスト区で巨人の進行を訓練兵や駐屯兵が食い止めているはずだ。少しでも早く元の世界に戻るために俺は焦っている。


    エレン「なぁ、お前らは『魔王』や『魔法』っってものについて知ってるんだよな?」


    佐藤「あぁ、それはいいけど……お前のその格好は何なんだ?変な機械腰につけてるし」


    こいつ興奮して脂汗でギトギトにした顔を近づけてきやがる。汚ぇ。


    エレン「そんなの今関係ねぇだろ……俺は少しでも早く元の世界に戻るなきゃいけないんだ」


    焦ってるせいかさっきからイライラしている。話をするには悪い態度だろうが、顔もさっき知ったばかりのこいつらに気配りする義理もない。


    斎藤「えぇ!?せっかく異世界に来れたのに!?」


    こいつらはどうもこの世界に来れたことを喜んでいるようだ。俺と違って急いで元の世界に帰らなきゃいけない状況じゃないようだ。


    エレン「今も俺のいた世界で仲間が闘ってる。こうして話している間も仲間が死んでるかもしれない」


    斎藤「はぁ、つまり君が来た世界は戦争をしているのかな?その腰につけている機械も兵器ということ?」


    エレン「戦争……とは違う。俺のいた世界には巨人っていう人を食べる化け物がいる。これはそいつらをぶっ殺すための兵器だ。こうやってーーー


    俺は立体機動装置について軽く説明をした……までは良いが……


    気づけば巨人の醜さ、理不尽さ、そしてその巨人をぶっ殺せることの素晴らしさを熱弁していた。




  8. 8 : : 2018/02/12(月) 00:38:35
    話が発展し、気づけばユウキとダイキは疲れた顔をしていた。


    少々話しすぎたようだ。


    斎藤「す…すごいね……(巨人に対する熱意的な意味で)」


    エレン「あ……悪い。魔法と魔王について教えてもらうんだったな」


    佐藤「あぁ……そうそう。おい、お前も聞いとけよ?」


    古賀「あぁ?そんなの知るかよ。テメェらオタク共で勝手にやってろ」
     

    部屋に案内されてもタクヤはずっと不機嫌だ。


    話しかけても悪態を飛ばしてくる始末だしな。


    だが、さすがにかまってやるのも無駄だと気づいたのか、ダイキは無視して話し出す。


    佐藤「魔王ってのは悪魔の王だ。あー…悪魔ってのはわかるよな?」


    エレン「あぁ…昔本で読んだことがある、あの角の生えた気持ち悪いやつか。人の願いを叶える代わりに魂をもらうって言う……」


    佐藤「たぶんお前が想像してるのであってる。で、その悪魔の王で魔王だ。魔王ってのはほとんどが世界とか、人類とかを支配しようとする。で、人類は魔王に対抗するために俺達みたいに勇者を異世界から召喚して倒してもらうって訳だ。」


    ダイキやユウキ、タクヤがいる世界の『ニホン』という国には、俺達みたいに異世界から召喚されて、魔王を倒す物語が大量にあるそうだ。


    そして、物語で召喚される勇者にはたいてい(例えば超人的な身体能力とか)すごい力が備わっているんだと。


    佐藤「で、次に魔法だけど、これは……あー、なんて説明すれば良いかなー……まあ例えば手のひらから炎や雷を出したりする力だな」


    エレン「つまり、自然現象とか、人為的に起こすことが出来ないことを可能にする力ってことか?」


    佐藤「お、おぉ、まあそういうことだ。で、魔法を使うときは魔法陣っていって、光る模様みたいなのが出てくる時があるんだ。さっき俺らが召喚されたときも足元に出てただろ?」


    さっきの光り輝く円模様は魔法陣っていうのか……。


    その他にも魔法を使うときは魔力を使うらしい。そして魔力には個人差があり、使いすぎると気絶してしまうそうだ。


    エレン「だいたいわかった。……それでだけど、魔法なんて力があれば魔王は倒せるんじゃないのか?」


    佐藤「それがそうもいかないんだな。人類が魔法を使えるなら魔族もまた……あぁ、魔族ってのは魔王に仕える悪魔のことだ。で、その魔族も魔法が使えるんだ。それに魔族は人類より魔力の平均値が高いから、人類は魔法では劣るから武具で力押しするしかない。でも魔族は人より身体能力が高いからそれでも負けてしまう……だから、俺達勇者を召喚するんだ」


    エレン「そういえば……国王がユニークスキルとか言ってたな」


    佐藤「あー、それについても説明しとくか」
  9. 9 : : 2018/03/05(月) 20:25:29
    それから俺は佐藤にユニークスキルの説明を延々と聞かされた。


    ……途中から「異世界チートハーレム」とか訳のわからないことを言っていたが。というか、説明の大部分がそれだったんだが。


    そうこうしているうちに、国王の部下が部屋に来てこれからの流れを話し出した。


    以下の説明は、佐藤と国王の部下の話を参照している。


    〈ユニークスキル〉

    勇者召喚において、最も重要な部分。


    ユニークスキルというものは、この世界の神的な存在が、この世界の生物のあまりにも偏った力量のバランスをとるために人類に与えた恩恵なんだとか。


    一応人類なら誰でも生を受けた時から持っているようだ。


    だが、ごく稀に後天的にユニークスキルを神から与えられる例外なケースがある。


    それが召喚勇者だ。


    召喚された勇者には異世界からこの世界に来るために、世界と世界の間を渡ることになる。


    それは人が越える事の出来ない領域。


    世界と世界の間は境界とよばれ、そこは超濃密な「魔力」といったもので満ちているらしい。


    余談だが、この魔力と言ったものは、魔法を使う際に必要な力なんだと、佐藤に言われた。


    話は戻るが、この境界を召喚勇者が渡るときに……まぁ、魔力は生き物に魔法という超常現象を起こさせるほどの恩恵を与える力だ。過ぎた量は恩恵を通り越して害になる。つまり、その超濃密な魔力が勇者の体を蝕む。


    そこで、この世界の神的な存在が、勇者の体を護るために〈身体強化:極〉といったユニークスキルを与える。


    この〈身体強化:極〉だが、なんでもデコピンで人の頭が爆散するくらいだとか、殴れば大岩をも砕くとか……恐ろしいもんだ。


    だが、神的な存在は勇者召喚で無理矢理連れてこられた勇者を哀れんで、ユニークスキルをもう一つ与えるという。
  10. 10 : : 2018/03/06(火) 08:13:07
    佐藤「まあ、こんなもんかな」


    国王の部下「しかし…佐藤様と斎藤様はよくご存じですね…。歴代の召喚勇者にも魔法やユニークスキルを存じている方がいたと聞きますが……」


    斎藤「さすがに詳細についてはわからないけど……『器』とかは知らなかったし」


    エレン「『器』……」


    後天的に与えられるユニークスキルはどれも強力なものが多い。


    その理由として『器』関係してくる。


    『器』はいわゆる人の才能だ。それが大きければ大きいほど、強力なユニークスキルが得られる。


    『器』は人が成長すると比例して大きさを増していくので、生まれたての赤ん坊のときにはたいした大きさではないという。だから、この世界の人類には魔王に対抗できる戦力はほとんどと言って良いほど無い。


    それに比べて、召喚される勇者はほとんどが十代後半なので、『器』の大きさもこの世界の人類とは桁が違う。


    国王の部下「では、今から鑑定士に勇者様のステータスを鑑定してもらいます。おーい、入れ!」


    ガチャリと音を立て、扉がゆっくりと開かれた。なにやら怪しい服装の……体つきからして女だろう。その女がゆっくりと入ってきた。
  11. 11 : : 2018/03/07(水) 10:27:37
    鑑定士「私は鑑定士のルファスと申します。呼び捨てで構いません。以後お見知り置きを」


    ルファスという女は手慣れた様子でお辞儀をする。


    そして、懐から人の頭ほどの大きさの水晶を取り出すと、俺らにその水晶の前に座るよう言ってきた。


    ルファス「では鑑定を始めます。最初はコガ様からですね」


    古賀「……早く終わらせろよ」


    タクヤは不機嫌なのを隠そうともせず用意された椅子に乱暴に腰掛けた。


    だが……こいつ女に弱いのか?俺らが何度か話しかけてみたけど全部キレられたけど、このルファスって奴の言うことはちゃんと聞いたしな。


    ジャンもクリスタやミカサの指示には従ってたしな……。こいつもそういうタイプのやつか


    仲間のことを思い出して、少し焦る気持ちが舞い戻ってきた。


    国王の部下にこの世界の時間の流れは他の世界に比べ遅く、こちらでの1年間は元の世界では1秒間にも満たないそうだ。


    コレを聞いてだいぶ落ち着きを取り戻した。


    でも……それでも早く戻りたいとは思う。あの時のアルミンの顔が焼き付いて離れない。


    そうこうしているうちにタクヤの鑑定が終わった。ルファスは驚いているみたいだが……


    ルファス「!?……これは逸材ですね。職業は魔拳使い。ステータスはすべてが平均を大きく上回っています。ユニークスキルは……こ、これは凄いですよ!レベル1にしてこのステータスな上、スキルが〈神速〉とは……」


    職業。この職業によってステータスの上がり具合や覚えるスキルが変わってくる。


    ステータス。自分の身体的能力を数値化したもの。


    レベル。経験を積むごとにレベルは上昇していき、1増えるごとにステータスに倍率がかかってくる。


    タクヤのステータスが平均値を越えているっていうのは……まぁ、凄いことなんだろう。


    そこに〈身体強化:極〉でさらにステータスが上昇するらしいから、タクヤは訓練兵とくらべても圧倒的に上だろう


    よく見てみれば、タクヤの腕や背中、胸筋は訓練兵ほどではないにしても、かなり鍛えてはある。


    だが、胸筋は特に鍛えているのか?だいぶ膨らみがあるが……。


    古賀「……そうか。もう終わったのか?」


    こいつ……俺らには口も聞かなかった癖に…。


    ルファス「はい。では次はサイトウ様ですね」


    斎藤「ここで僕のチート生活が幕を開ける……!」


    なんか言ってるが気にしないでおこう。


    ーーーー


    ーー


    ルファス「斎藤のステータスは……えっと……平均値をだいぶ下回っています。ユニークスキルは……!〈真・聖属性魔法〉です!魔王との戦いで必要な聖属性魔法ですから、必ず役に立ちます!」


    斎藤「は、はぁ。なんだか微妙ですね。万物創造とかチートスキルだと思ってたんですけど……」


    ルファス「なにを仰いますか!聖属性魔法はこれまでも魔王を倒すのに大きな貢献をしてきました!そして今回もそれを成し遂げるはずです!」


    斎藤「そ、そうですか。精進します」


    ルファス「ではつぎにサトウ様ですね」


    ーーーー


    ーー


  12. 12 : : 2018/03/09(金) 00:01:23
    ルファス「サトウ様は……職業は治療士ですね。ユニークスキルは〈真・回復量上昇〉………ま、まぁ、ステータスは平均値を超えてます。特に魔力量と魔法防御はとても高いです」


    佐藤「めっちゃ微妙なんだけど……」


    ルファス「いえ、ここまで回復に特化さらていれば、過回復魔法が出来るかもしれません」


    佐藤「おッ、それってあれだろ?回復させすぎて逆にダメージを負わせるっていう」


    過回復魔法……相手に瞬間的に異常な量の回復をさせることより、相手の細胞が耐えられなくなって死滅していく魔法だそうだ。


    ルファス「はい。ですが……回復魔法は相手に触れていなければ発動できません。今のままでは物理防御が低いため、相手に近づく前に力尽きるでしょう………最後はイェーガー様ですね」


    エレン「あぁ、頼む」
  13. 14 : : 2018/03/27(火) 16:09:12
    ルファスの指示にしたがって、水晶に手をかざす。


    見えない何かに体をまさぐられるような感覚がする。


    なんだか訓練兵の時に仲間にマッサージされたような、そんな感覚


    少しして、ルファスが鑑定が終わったことを告げる。


    だが、どうもルファスの表情が変だ。


    エレン「どうしたんだ?」


    ルファス「いえ……これは……」


    エレン「いいから、早くしてくれ」


    ルファス「は、はい…イェーガー様………」


    彼女の深く被られたフードの中の小さな口が重々しそうに開く








    ルファス「イェーガー様のユニークスキルは、ありません」
  14. 15 : : 2018/03/27(火) 17:08:04
    エレン「ユニークスキルがない?」


    ルファス「はい。職業やレベルも読み取れませんでした。鑑定不能の可能性もありますが、それは鑑定される側が、する側よりもレベルが10倍以上高い場合です。勇者召喚されたばかりのイェーガー様が私よりレベルが高いことはありえません」


    ちなみに私のレベルは153です。とルファスはいう。


    レベルを上げるには経験値を得る必要だ。


    経験値を得る方法は複数ある


    一つは職業に乗っ取った行動をしたとき、例えばタクヤの職業は魔拳使いだから、体術の訓練や、魔拳使いのみがつかえる〈魔拳〉の訓練をすることで経験値を得られる。


    もう一つは生き物を殺すことだ。生き物を殺して、その生き物がため込んでいた経験値を取り込むこと。


    俺が今までに殺した生き物は、猪や兎とかを何匹か……といったところだ。残念ながら巨人は一匹も倒したことがない。


    だとしたら、俺のレベルは1か、高くても3、4ほどだろう。普通は読み取れないはずがない。


    佐藤「なあ、レベルとか関係無しにエレンのステータスを調べる方法はないのか?」


    ルファス「も、もう一つだけあるにはありますが……」


    なぜかルファスが顔を紅くしてうつむく。


    エレン「俺は一刻も早く元の世界に戻らないといけない。そのためには手段を選んでる暇はないんだ、頼む」


    ルファス「し、しかし……こういったことは婚約を結んだ後からだと、母に……」


    どうにもルファスはもう一つの方法とやらをやりたくないようだ。


    これは俺の推測だが、その方法をとった場合!俺にかなりの負担がかかるのだろう。だから、ルファスはそれを心配してためらってくれている。


    だが、俺に対する負担なんてどうでもいい。そんなことで躊躇してる暇はない


    エレン「頼む、出来ることなら何でもする。だから」


    ルファスの肩をつかみ、真っ直ぐ目を見て話す。これで俺の誠意は伝わるはずだ。


    ルファスはさらに顔を紅くして、少しして!決心したように言った


    ルファス「わ、わかりましたっ!責任とってくださいねっ!」


    そういうと、彼女はフードをとった。


    フードを外した彼女は、一言で言って、とても綺麗だった。


    金髪のロングヘアー、碧眼のくりくりとした目、整った目鼻に輪郭。


    クリスタと良い勝負、もしくはそれ以上かもしれない。


    そして、その彼女は俺に近づくと


    ルファス「め、目をつぶってください」


    と言った。


    断る理由は一つも無い。俺は言われたとおりに目を閉じた。


  15. 17 : : 2018/03/28(水) 22:56:32
    ーールファス視点ーー


    私は困惑していた。


    やるとは言ったものの、その内容が年頃の少女(自分で年頃というのもアレだけど)が気軽に出来ることではない。


    このエレン・イェーガーという少年があまりにも真っ直ぐな目で頼んでくるから、断るという行為に対する罪悪感が尋常ではない。


    目の前ではそのエレン・イェーガーが目をつぶって待っている。


    ルファス(ホントに……なんでこんな事に………)


    思えば、私は物心つくころから鑑定士としての才能を国に見出されてから今に至るまで、毎日国の直属の傭兵のパーティに入り、傭兵が魔獣や魔族を倒しているのに同行していた。


    いわゆるパワーレベリングと言うものだ。


    ベテラン冒険者の平均レベルが90といったところだから、私のレベル153が異常だとうことは一目でわかる。


    その傭兵たちも私のような子供には劣情を持つこともなかった。


    だからこそ『そういった行為』に関しては一切無縁だった。


    エレン「な、なぁ、早くしてくれないか?1人で目をつぶるっているの結構恥ずかしいんだが……」


    ルファス「わ、わかっています!」


    もうこうなったらヤケだ。


    『そういった行為』はけっこんをしてからだという母との約束は守れなかった。


    そのことに関しては申し訳ないがこんなにも純粋な目をした少年が初めてなのなら、それも悪くないのかもしれない。


    ルファス「……始めます」


    私は、


    彼に近寄り、


    その唇にーーー
  16. 18 : : 2018/03/28(水) 23:26:29
    ーーエレン視点ーー


    ちゅっ、と


    目をつぶって待っていた俺に放たれたのはルファスからの接吻、いわゆるキスだった。


    エレン「!?」


    離れようとするも、彼女が俺の頭に手を回してきて、離れられない。


    そして、頭の中に自分のものではない、誰かの記憶が映像が早送りで再生されるように流れてくる。


    おそらくコレはルファスの記憶。


    最初は、優しそうな両親に愛情を込められながら日々を送っている記憶だが、途中からはほぼ同じ内容だった。


    傭兵が禍々しい姿をした獣やおぞましい姿をした人のような形をしたものを殺しているのを殺しているのをただ眺めているだけの記憶だ。


    そして、それらが俺の頭の中に入ってきてすぐ、ルファスは俺から離れた。


    エレン「い、いきなりなにすんだ!」


    ルファス「なっ!?わ、私だってやりたくなかったですっ!初めてだったんですよっ!?ファーストキスですよ!?でも、イェーガー様のステータスを鑑定するにはもうコレしか手段はなかったから!」


    そう言われて俺はやっと理解した。彼女が何故あんなにも躊躇っていたか。


    『そういった行為』、結婚をした後から、


    その言葉から導かれるのは、異性同士のアレだ。


    佐藤「う、うらやましい!」


    斎藤「僕だってまだなのに……」


    ダイキやユウキが何か言っているが、それさえもまともに聞き取れないくらい俺は混乱していた。


    深呼吸をして一旦落ち着く。


    エレン「それで……鑑定する手段がなんでキスすることなんだよ」


    ルファス「私の職業は鑑定士です。そして、私がレベル100になったときに、〈上級鑑定〉と言うスキルを得ました。それで、その方法が……」


    そういうと、ルファスは冷めてきた顔を再び紅くする。


    今の状況を整理しよう。


    嫌がるルファスにキスを無理に頼み込んだ、俺。


    一方で、ルファスは無理矢理キスをさせられた。しかもファーストキスにも関わらず。


    だったら次にやることは簡単だろ?


    エレン「本当に、悪かった」


    土下座だよ。
  17. 19 : : 2018/03/31(土) 00:37:23
    ルファス「あ、頭を上げてください!勇者ともあろう一国の鑑定士に頭を下げるなど……」


    古賀「あんな綺麗な土下座見た事ねぇ……」


    俺の土下座はそれはもうこれ以上無いお手本のようなものだった。


    エレン「俺は勇者とか、それ以前に男だ。アンタにしたことを考えてもこうするしか思いつかない」


    ルファス「それでもです!それに、その……私も嫌ではなったというか……」


    エレン「え、それってどういう……?」


    もしかして、無理して嫌じゃないフリをしているのだろうか。


    それなら俺が納得すると思って、場を丸く収めようと思って無理してるんじゃないだろうか


    佐藤「ユウキ……アイツ、素でルファスさんの言ってることわかってないぞ」


    斎藤「あれは伝説の聞こえてるけど気づいてない系鈍感キャラだよ……こんなところで見ることになるとは………」


    ルファス「もうっ!嫌じゃないって言ってるんだからそれで良いじゃないですか!2度も言わせないでください!」


    エレン「あ、あぁ」


    凄い剣幕でルファスが訴えてくる。


    まぁ、そこまでして嫌じゃなかったと言っているんだから嘘ではないんだろう。


    エレン「でも……初対面の男とキスしといて嫌じゃないだなんてもしかしてアンタ……痴女か?」


    ルファス「なっ……!?」


    ーーーー


    ーー


    それから俺たちは簡単にこの国の礼儀作法などを国王の部下に教えてもらった。


    なんでも、勇者は位の高い人物と会う機会が多いため、そういった作法全般は覚えておく必要が得るそうだ。


    ルファスも一緒に教えてくれていたが、どうにも俺の時だけツンツンしていたような気がする。


  18. 32 : : 2018/04/02(月) 01:05:42
    夜がやってきた。


    今俺は、王城の一室のベランダで何を考えるでもなく、ただボーッとしていた。


    俺を含む勇者たちは皆城内にある大部屋に一緒に寝泊まりすることになった。


    国王は、本当なら一人一人に部屋を与えたいらしいが、あまり勇者を待遇すると、それについてよく思わない貴族の派閥が口を出してくるそうだ。


    つくづく世知辛い。


    それと、この世界では毎日風呂に入るのが常識らしい。


    訓練兵の時は数日に一回だったからな…。


    世界規模のカルチャーショックを感じながら、自分は異世界に来たんだと痛感する。


    エレン「(唐突すぎて自分の状況がまだよく理解できない…)」


    巨人に食われて死にかけたと思ったら急に異世界に召喚されました、だからな。


    空は夜に染まっていた。


    星空を見ていたら、ガチャリと、部屋とベランダを仕切るガラス戸が開かへる。


    誰かと思って振り返ると、ルファスがガラス戸から顔を覗かせて、こちらを見ていた。


    エレン「あぁ、アンタか。どうした?」


    ルファス「その…イェーガー様、アンタはやめていただけませんか?私のことはルファスとお呼びください」


    エレン「そうか。じゃあルファス、俺のことも様付けして呼ばないでくれ」


    そう言うと、ルファスは少し気恥ずかしそうにする。


    ルファス「その…〈上級鑑定〉で、イェーガー様…じゃなくて、エレン様…じゃなくて、エレンさん」


    エレン「できればさん付けもやめてくれたら助かるけどな」


    ルファス「私も恥ずかしいんです!エレンさんで勘弁してくださいっ!」


    エレン「まぁいいか。それで、なんだ?」


    閑話休題といった風に、ルファスは話を戻す。


    ルファス「鑑定の結果を伝えてなかったので、ご報告に来ました」


    エレン「そういや聞いてなかったな。でも、それだけならなんでそんなに暗い顔してんだよ」


    俺から見て、ルファスの顔は明らかに負の感情を表している。


    ルファス「〈上級鑑定〉の時、エレンさんは私の記憶を見ましたよね。あのスキルは、お互いの情報を詳細まで見ることができるようになるスキルなんです。それで、その……私も…見ました。エレンさんの記憶を」


    ルファス「あなたのお母さんはその…巨人に…」


    ルファスは、気まずそうに俯く。


    まぁ、そうじゃないかとは思っていた。


    ルファスの記憶が流れて来た後から、ルファスの俺を見る目が明らかに違った。


    まるで…というより、明らかに人に同情する目だった。


    俺の記憶……ってことは、シガンシナの壁が壊された時の記憶……母さんが巨人に喰われるその瞬間の記憶も見たんだろうな。


    そりゃショッキングだろうな。人が喰われる瞬間なんて。


    エレン「まぁ……ルファスには、この世界に巨人はいないし、実感はわかないかも知んないけどな。俺のいた世界では巨人に襲われた人間はああいう目に遭っていた。だから、その…よくあることなんだ。だから、俺に対して同情心とか持たなくていいからな」


    俺の記憶でルファスが嫌な気持ちになるのは少し罪悪感を覚える。それに同情されたって虚しいだけだ。


    ルファス「エレンさん…」


    エレン「そんなに暗い顔すんなよ。こっちまで暗い気持ちになる」


    ルファス「すみません」


    エレン「そんなことより、俺のステータスを教えてくれよ」


    俺が話題を切り替えると、ルファスもこの話は終わりといったように素早く切り替えた。


    ルファス「はい、鑑定の結果ですが、エレンさん……あなた一体何をしたんですか?こんなステータスの人間初めて見ましたよ…」


    俺にステータスが書き記された紙を手渡しながら、ルファスは若干引いた感を醸し出していた。


    その俺のステータスがこれだ。


    エレン・イェーガー

    レベル 3990

    ユニークスキル

    〈身体強化 極〉
    身体能力、身体耐久値を通常の10倍にする

    〈万物想像〉
    万物を想像可能。ユニークスキル、スキル、事象、概念なども含む。



    エレン「は?」
  19. 34 : : 2018/04/03(火) 00:54:52
    エレン「な、なんだよコレ…」


    なんだよレベル3990って


    なんなんだよ万物創造って


    エレン「…この国…いや、この世界で歴代で最高のレベルってわかるか?」


    ルファス「歴代の勇者で最も高かったと聞くのはレベル642です。小さい頃から英才教育を施されて、毎日戦場に出て魔族と戦っている者でさえ、レベルは300ほどだと聞きます」


    余りにも規格外の数値に、さっきまでシリアスだった雰囲気が壊れる。


    エレン「これって、割とヤバくないか?」


    ルファス「はい、これが知れたら相当な騒ぎになります。国内だけでなく、この世界の様々な勢力から勧誘がくるでしょう……魔王討伐どころではなくなるかもしれません」


    エレン「ッ!それはダメだ!俺は早く元の世界n」


    俺が熱くなって喋ろうとするのを、ですから、とルファスが遮る。


    ルファス「国王には、他の勇者様方と同じような偽のステータスを報告しました」


    エレン「そ、そうか。それは助かる」


    ルファス「いえいえ、もっと褒めても良いんですよ?」


    コイツ……なんか馴れ馴れしくなったな。


    まだ出会って1日なもならないってのに…。


    案外、ルファスはずぶとい性格をしているのかもしれない。





    エレン「なぁ、レベルが高いほど身体能力とか高くなるんだよな?」


    はい、と彼女は頷く。


    この世界での身体能力は数値化されていて、その人物の素質値×レベルがその数値になる。


    素質値には種類がある、それは


    純粋な力を表す、筋力


    素早さを表す、俊敏


    物理的な攻撃力を表す、物理攻力


    物理的な防御力を表す、物理防力


    魔法の威力を表す、魔法攻力


    魔法に対する防御力を表す、魔法防力


    この6つだ。


    これらは、体格や、職業で決まってくる。


    例えば、ガタイが良い奴や、日頃から筋肉を鍛えている奴は、筋力がその分高い。


    職業では、戦士職は物理攻、防力が高く、魔法職は魔法攻、防力が高い。


    エレン「なぁ、俺の職業と素質値も教えてくれないか?」


    ステータスだけで面食らっているが、一応自分のことなので、全て把握しておきたい。


    ルファス「あ、はい。紙に書きますね」


    サラサラと、羽根ペンで書かれる俺の素質値は、物理的な面がかなり高いらしい。(この世界での普通がどれくらいか余り把握してないから、俺の中で判断が下せない)


    エレン・イェーガー

    レベル 3990

    ユニークスキル

    〈身体強化 極〉

    〈万物創造〉

    素質値

    筋力 250

    俊敏 300

    物理攻力 100

    物理防力 200

    魔法攻力 120

    魔法防力 100


    エレン「俺思うんだけど…これってお前のスキルが故障したりしてないか?」


    ルファス「なっ!?そんな不完全なスキルならあんなことしてまで使いませんよ!」


    エレン「そっか、まぁそうだよな……っと、遅くなってきたし、そろそろ寝るか」


    ルファス「わかりました、また明日お会いしましょう」


    そういうと、俺とルファスは他の勇者がいる部屋に戻る。


    ユウキとダイキはよくわからない話題で盛り上がっていた。


    佐藤「スカートが短すぎるってのは、それはそれで虚しいものだよな。そんなにモロで見えても…、っていう感じ」


    斎藤「それすっごいわかる!たまに見えるからこそ、価値があるってものだよね」


    なんの話だよ。


    そして、タクヤは少し離れた所で不機嫌そうに顔をしかめていた。


    ルファスは部屋を出て行き、俺たちはそれぞれ別のベットで寝床についた。


    驚きの連続で興奮していたが、それ以上に疲れていたので、俺はすぐに眠ってしまった。
  20. 36 : : 2018/04/03(火) 22:31:53
    寝ていたはずだが、変な浮遊感に襲われて目が覚めた。


    目を開けると、そこは何もない真っ白な空間だった。


    地面も、空もなければ、上や下といった感覚もない、そんな空間。


    そこに俺一人が……いや、もう一人いた。


    真っ白よりももっと白い布をまとっている。


    そしてそれをまとっている当人はそれよりも白く、この空間に溶け込んでいるようだ。


    「君に頼みがある」


    俺は「ここはどこだ」と声を出して問おうとするが、声が出せない。


    というより、声を発する感覚がわからない。


    「この空間に人が長時間存在するのは許されない。手短に話す」


    なんだ、じゃあお前は人じゃないってのか?そう思っていると、コイツはまるで俺の心を呼んだかのように話し出した。


    「そう、ボクは人じゃない。この世界の神だ。そして今、ボクの世界に異世界の神が侵略しようとしている。奴は人間界に魔王として、現人神として君臨している。が人間界を支配すれば…大地は枯れ、空は赤く染まるだろう。頼む、奴を殺してくれ…。奴は歴代の魔王とは比べ物にならない…なにせ神なんだから。ボクはこの世界を維持するためにここから動けない。だから…アイツを倒す…めの力は…君に託し………頼む…」


    段々と耳鳴りがひどくなってきて、そいつが何をいっているのか聞き取れなくなる。


    それでも、ソイツがいった最後の言葉は頭にハッキリと響いた。


    「ボクが愛するこの世界を、そこに住む全ての命あるものを守ってくれ」








    ーー翌日ーー
  21. 41 : : 2018/04/07(土) 06:22:26
    異世界の朝は少し遅い。


    俺は訓練兵の時の習慣で早朝に目が覚めた。


    そして今は朝早くから城門の警備をしている兵士に頼んで、適当に城の外に出てランニングをしている。


    俺が周りよりも高台になっている場所を走っていると、ちょうど太陽が地平線から顔を見せた。


    エレン「太陽が西から登るって……」


    そう。この世界の太陽は西から登る。





    ドンッ、と太陽の方を見ながら走っていて前から来る人に気づかずにぶつかってしまった。


    エレン「あっ、悪い!大丈夫か…?」


    俺は急いで謝る。


    そこには尻餅をついて、痛がっている少女がいた。


    「は、はい。ちょっと肘を擦りむいただけです…」


    少女の肘をみると、血がジワッとにじんでいる。


    エレン「なんだ、怪我してんじゃねか。おぶってやるからついてこいよ」


    確か、城門の兵士の休憩所を覗いた時に救急箱があった。


    「大丈夫です。このくらい唾つけてれば治りますよ」


    エレン「傷跡になったらどうすんだよ。女なんだからもっと体を大事にしろ」


    「は、はい」


    その少女をおぶって、そのまま城門まで走る。


    訓練でも荷物を持ったまま走ることは嫌という程してきた。このくらいは朝飯前だ。


    城門についたら、兵士に救急箱を借りる。


    しかし、中には医療器具とかじゃなくて、明るい緑色の宝石がいくつか入っていた。


    エレン「なんだこれ」


    「これは癒しの魔法が込められた宝石です。こんな高いものを私なんかに……」


    この国にも身分と言ったものがあるのか…


    エレン「気にしなくていい。それよりも、使い方わかるか?」


    「怪我した場所にかざすだけです。でも……私は平民ですし、やっぱり遠慮しておきます」


    エレン「いいから、気にすんなって。怪我させたのは俺なんだし、何か言われても俺が全部責任とるよ」


    そういって、俺は宝石を少女の肘にかざす。


    宝石は眩しいくらいの輝きを放つと、くすんだ灰色になった。


    それと同時に少女の怪我も綺麗さっぱり消えた。


    だが、少女の戸惑う表情は無くなっていない。


    「昔の傷跡も全部なくなってる……。あ、あの…これは癒しの宝石の中でも、もの凄く高いものじゃ…」


    エレン「そうか?でも、低品質って書いてあるぞ」


    「癒しの宝石は、品質と使う人の魔力の大きさで性能が変わるって聞きました。…もしかして、魔法使いさんですか?」


    エレン「いや、一応勇者らしい」


    「…勇者?ええええ勇者!?し、失礼しましたぁ!!」


    少女はそう叫んで、走り去っていった。
  22. 46 : : 2018/04/11(水) 02:20:39
    朝の出来事の後、部屋に戻って何をするでもなくボーッとしていたら、国王の使いから、朝食の準備が出来たから広間に来て欲しいと言われた。


    どうにも、勇者の顔を見たいと言った貴族の意見が多かったため、これからしばらくは貴族たちと共に広間で食事をすることになったそうだ。


    俺は別に構わないし、ダイキとユウキは貴族の令嬢を見たいとか言ってたから、それに賛同したが、タクヤは反対だったため、部屋に残って1人飯をするらしい。


    というわけで、今は広間で少し遅めの朝食をとっている。


    エレン「こんなに豪華な料理初めてだ…」


    テーブルに並べられた料理はどれも豪華だ。


    サシャが見たら大喜びだろうな。


    佐藤「そうか?俺らがいた世界の料理の方が美味いけどな」


    斎藤「確かに、日本人が好む味ではないよね」


    エレン「お前らのいた世界ってどれだけ便利なんだ?昨日言ってた…飛行機、だったか?それに、遠く離れた所の情報を一瞬で手に入れられたりとか」


    佐藤「うーん…俺らからしたら当たり前のことだからなー…便利とは思うけど、それがない生活とか考えられねえわ」


    斎藤「そうだね。カルチャーショックならぬ、ワールドショックだね」


    そんな他愛もない話をしていると、後ろから佐藤よりもでっぷり太った貴族が話しかけてきた。


    貴族「ほぉ、これが勇者か。黒髪なのは珍しいが…それ以外は平凡だな。本当に魔王を倒せるのか?」


    斎藤「なんか感じ悪いね、あの人」


    貴族に聞こえないようにヒソヒソとユウキが話しかけてくる。


    エレン「貴族なんてほとんどそんなもんだ。気にすらだけ無駄だな」


    やっぱりどこの世界にもこういう奴はいるんだな。


    まぁ、ここで反抗しても良いことはないし、軽く挨拶だけでもしておくか。
  23. 48 : : 2018/04/14(土) 00:15:20
    エレン「エレン・イェーガーと申します。以後お見知り置きを」


    教えてもらった礼儀作法に従って、頭を垂れる。


    大抵の貴族や裕福層は、自分がカーストの頂点だと思って、下の者を嘲ることが多い。その上小さい頃から甘やかされて育つので、誰かが自分の世話をする、なんでも自分の思い通りになると、そんな馬鹿な思考回路を当たり前のように持っている。


    そういった奴らだから、金銭のやりくりも部下にやらせる。だから、端的に言って頭が悪い。


    適当に従っておけば、コイツは自分に忠実なんだと思い込む。


    貴族「ふん…まぁ良いだろう。魔王さえ倒してくれればいい」


    そういって太った貴族は広間から出ていった。


    俺らに話しかけようか迷っていた他の貴族達も、太った貴族が話しかけたことをキッカケに次々に俺らに寄ってきた。


    やれ私の娘はどうですか、だとか


    やれ何番目でも構わない、だとか


    ほとんどの貴族の目的は自分の娘と勇者を婚約させることだ。


    王族は代々、召喚勇者の血筋がなっている。


    つまり、召喚勇者と自分の娘が婚約を結べば自分の家系も王族の仲間入りができる。


    だから、沢山の妻をつくり、孕ませ、出来るだけ美しい娘を産ませる。


    そこまでして王族に入りたいのか…?


    まぁ、見栄っ張りに微小の知能を付け加えたような奴らだしな…


    まぁ、そんなこともあったか、豪華な料理をゆっくり味わうことはできなかった。


    まぁ、俺にもそれなりにそういった欲はあるので、可愛い女の子を嫁にどうだと言われて、悪い気はしなかったが。
  24. 50 : : 2018/04/16(月) 00:35:40
    騒がしい朝食が過ぎ、俺らは部屋に戻された。


    俺はというと、部屋で筋トレをしていた……が、タクヤからの明らかにウザがってる視線が痛いので、どこか訓練場のような場所がないか場内を探していた。


    改めて城の中を見るが、とにかくでかい。それでいて、柱の細かいところにまで彫刻がされている。


    天井には、救いを求める人が、神にすがっている絵が彫られている。


    エレン「神…か」


    ふと、昨晩の夢を思い出した。


    この世界を救って欲しい、と。


    あの真っ白な少女……自分を神とか言ってた奴からの頼みだ。


    正直あいつが言ってた事を素直に信じる気にはなれない。


    エレン「世界を救ってくれとか…自分の身を守るだけで精一杯なんだよ……」


    俺のレベルが3990なんて歴代勇者もびっくりの数値になってるのもあの少女が自分の力を俺に託したからだろう。


    「エレンさん?こんなところで何をされているのですか?」


    ふと聞き覚えのある声で、後ろから話しかけられた。


    フードで鼻より上を隠している。それを指ですこしまくり、そこには綺麗な碧眼がこちらを見ていた。


    エレン「あぁ、ルファスか」


    丁度いい。ルファスなら城内のことはわかるだろうし、訓練場があるか聞くか。


    ルファス「おはようございます…というほどの時間でもありませんね」


    エレン「そうだな。…ちょっと聞きたい事があるんだけど、訓練場って城内にあるか?」


    ルファス「あるにはありますが…今は使えませんね。午後からしか開かないんです」


    どうにも、今日の午前は城内で魔法の講義があるが、その講師が気難しいらしく、講義中にうるさかったら帰ってしまうそうだ。


    エレン「だったら別の講師を雇えばいいんじゃないのか?」


    ルファス「その案も一時期出ました。ですが、彼女ほど魔法について理解が深いものはいないとのことで…」


    扱いやすくて浅いことを教えるよりも、多少扱いづらくても深いことを教えるほうが、メリッ方が大きいってわけか。


    エレン「そうか。じゃあ仕方ないな」


    しかし、魔法についての講義には興味が湧いてきた。


    俺は魔法についてまったく分かってないし、講義を聞くだけでも勉強になるかもしれない。


    ルファス「すみません…」


    俺が考え込んでいるのを見て、困っているとでも勘違いしたのだろうか、ルファスが申し訳なさそうに頭を下げる。


    …フワリと良い匂いがしてすこしドギマギしたのは内緒だ。


    エレン「あ、謝るほどじゃないだろ」


    ルファス「ですが…」


    エレン「いいから気にすんな。それよりも…その講義ってもう始まってるか?できるならでいいから、その講義受けてみたいんだけど」


    ルファス「まだ始まるまでに時間はありますが…本当に講義を受けるつもりですか?彼女の講義は中々精神的に追い詰められすよ…」


    全員に順番に問題を解かせるが、解かない奴は散々嫌味を言われた挙句、立たされるらしい。


    まぁ、幸いなことに元の世界でキース教官に嫌という程しごかれてる。そういったことに関してはエキスパートだ。


    エレン「多分大丈夫だ。それで、受けられるのか?」


    ルファス「はい。講義自体は誰でも受けられますよ。ただ、噂ではどうも彼女に罵られるのを目的で講義を受ける奴もいるとか……」


    罵られることに快感を覚える人種は、世界を変えても存在していることを、俺はこの時知った。


    エレン「ま、まぁ、理由は人それぞれだしな」
  25. 51 : : 2018/04/22(日) 17:55:26
    では、付いてきてください。と、ルファスが講義のある部屋までの案内を始めた。


    そういえば、魔王討伐に本格的に動き出すのはもうしばらく掛かるらしい。


    理由は色々ある。レベルを最低限まで上げておかないと、魔王の支配する領域では生きていけないからだとか、ある程度戦闘経験を積ませておかないと、レベルが上がっても実際の戦闘では役に立たないだとか。


    エレン「なぁルファス」


    ルファス「なんですか?」


    エレン「魔王討伐の前にしばらく戦闘訓練をするらしいけど、俺もする必要はあるのか?」


    ルファス「確かにエレンさんは戦闘訓練をしていたようですが、実戦でそれは通用しましたか?」


    エレン「…結構痛いところを突いてくるな」


    まぁ、俺も死ぬ気で訓練をしてきたつもりだけど…実戦では全くと言っていいほど何もできなかった。


    相手が巨人だからということもあるが、今後巨人と同じような敵がこの世界で出てきたとしたら、また同じ失敗を繰り返すかもしれない。


    それに、今は立体機動装置もない状態だ。


    立体機動装置の構造は頭に叩き込まれているけど、肝心の材料がないからな…


    ルファス「着きましたよ。ここで講義があります」


    エレン「あ、もう着いたのか」


    ルファス「しっかりしてください!今から受ける講義はボーッとしてたりしたら殺されますよ!」


    エレン「悪い、講義中はしっかりするつもりだ」


    「あら、殺すだなんて…そんな野蛮なことはしないわ」


  26. 53 : : 2018/04/25(水) 00:19:17
    http://www.ssnote.net/archives/58926
    続きです
  27. 54 : : 2019/06/23(日) 00:11:38
    訂正です

    ステータス鑑定の時、ルファスが

    斎藤は……と言っているところ

    正しくは

    サイトウ様は……です
  28. 55 : : 2019/06/23(日) 00:29:04
    それと説明不足だと私が感じたところも補足します。


    「器」について

    ・これが大きいと、強力なスキルが覚えられる。

    ・人により個人差がある。

    ・年齢とともに成長し、大きくなっていくもの

    ・この世界に生まれた瞬間、成長を止める。

    ・レベルアップにより、ほんの少しだが、大きくすることができる


    といったものです。

    この世界の生物は0歳にして生まれます。

    なので「器」の大きさに個人差はありますが、大抵の人が「器」の大きさは小さいです。

    そのため、得られるスキルもあまり強力ではないです。


    召喚勇者は、この世界に召還された瞬間が、この世界に生まれた瞬間となり、その時に「器」の成長が止まります。

    ですが、勇者はある程成長した状態で召喚されるため、「器」もかなり大きくなった状態です。

    なので勇者は強力なユニークスキル、又、強力なスキルを覚えられるといったもとです。

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