この作品は執筆を終了しています。
アルミン『大好きな君へ』
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- 1 : 2014/05/15(木) 12:21:48 :
- 今回、私が執筆を行いましたこちらの作品【アルミン『大好きな君へ』】は、
【進撃SS作家陣による制限SS執筆大会!】というグループにて開催された『制限付きSS投稿企画』へ向けて執筆した作品となります。
今回の制限内容は『キャラクター』で、指定は『アルミンを主人公』となっております。
こちらのグループに詳細が記載されてありますので、
詳しく知りたい人や興味がある方、また他の参加者の作品を閲覧したいという方がいらっしゃいましたら、以下のURLからご覧になってください。
http://www.ssnote.net/groups/132
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- 2 : 2014/05/15(木) 12:22:17 :
大好きな君へ
ついに今日、君は結婚するんだね。
僕の幼馴染の隣で笑う君の、幸せそうな姿が見れて、僕も嬉しいよ。
ねえ、
僕、本当に君が大好きだったよ。
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- 3 : 2014/05/15(木) 12:22:39 :
君と初めて会ったのは、まだシガンシナ区にいた頃だったね。
君は、僕の幼馴染の後ろに隠れるようにしていた。
『アルミン、こいつの名前は_____』
『素敵な名前だね。僕はアルミン・アルレルト、よろしくね』
そう言った時、君は僕と目を合わせようともしなかった。
『ほら、挨拶しろよ。アルミンは友達だから大丈夫だ』
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- 4 : 2014/05/15(木) 12:23:02 :
それを聞いてからやっと君は顔を上げてくれて。
『…よろしく』
そう言った君の目は、暗くて、全く笑ってなくて。
それが少し悲しくて、エレンに訳を聞いたら…
僕、君がそんな目にあってたなんて知らなかった。だからあの時、あんな目をしたんだね。
それから数日間、君は僕と目を合わせてくれなかった。
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- 5 : 2014/05/15(木) 12:23:22 :
でもある時、エレンがグリシャおじさんについて内地に行ってしまって、僕と君2人で遊んだ時があったね。
やっぱり君は目を合わせてくれなくて、それが少し寂しくて…。仕方なく1人で本を読んでたんだ。
そしたら
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- 6 : 2014/05/15(木) 12:23:39 :
『…何の本?』
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- 7 : 2014/05/15(木) 12:23:57 :
本当にびっくりした、まさか君の方から声をかけてくれるなんて。
下を向いたままだったけど、君が話しかけてくれたことが本当に嬉しかった。
『あ、これはね、えっと…外の世界のことが書いてあるんだよ』
『外の世界…?』
『そう、壁の外。信じられないことにね、外の世界には炎の海、氷の大地、砂の雪原が広がってるんだ!海っていうのもあってそれはね…』
『…』
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- 8 : 2014/05/15(木) 12:24:20 :
そうだ、僕嬉しすぎてちょっと暴走したんだっけ。変な子だって思われてるだろうな、呆れられてるだろうなって思った。
『…続けて』
驚いて君の方を見たら
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- 9 : 2014/05/15(木) 12:24:38 :
『うみ、はどんなところなの?』
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- 10 : 2014/05/15(木) 12:25:01 :
初めて僕の目を見てくれたんだ。
その目は、まだ暗いけど少し輝いていた。
そのあとは時間も忘れて喋り続けて、本当に楽しかった。
夢の話もしたよね。
『僕ね…いつか外の世界を旅したいんだ!これは、君とエレンしか知らないから…その、内緒だよ?』
『…も』
『?』
『内緒にする。ので、私も一緒に行っていい…?』
『も、もちろんだよ!』
『…ありがとう、アルミン』
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- 11 : 2014/05/15(木) 12:25:28 :
そう言って君は、笑ってくれたんだ。
初めて見た君の笑顔は、とてもまぶしくて。
でもやっぱり少し影があって。
この時ぐらいからかな
強くなって、君を守れるようになりたい。
この笑顔をずっと守りたい。
そう思うようになったんだ。
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- 12 : 2014/05/15(木) 13:16:54 :
壁が壊されて…カルラおばさんが亡くなって、その思いはもっと強くなった。
でも、やっぱり僕全然ダメで。
特に開拓地に来たばっかりの頃は、病気ばっかりしてた。
君とエレンは、毎日のように僕にご飯を取ってきてくれて、看病してくれたよね。
僕がいじめられた時は、君とエレンで相手をやっつけてくれたよね。
あの時は、本当にありがとう。
僕が君を守ろうと思ってたのに、いつも逆だったよね。情けないなあ…
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- 13 : 2014/05/15(木) 13:17:07 :
そうそう、君がエレンを好きだって気づいたのはこの頃。
君の目はいつもエレンを追っていた。
当時エレンの気持ちは知らなかったけど、絶対負けたくないって思った。
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- 14 : 2014/05/15(木) 13:17:40 :
訓練兵団に入って、君はその実力をめきめきと発揮していった。
僕はみんなの足手まといになっていた。
僕の手の届かない場所にいても、僕にとって君は君だった。
『アルミン、頼みがある』
そうだ。もう十数年前になるのかな…?入団式の日、僕が君の髪の毛切ったんだよね。
どうしてって聞いたら、エレンに言われたからってさらっと言って。
ああきっと、君はその身全てをエレンに捧げるつもりなんだろうなってわかった。
きっと僕なんて、ただの幼馴染なんだって。
今君の髪は伸びて、小さい頃みたいなロングヘア。
僕は長い方が好きだったから、嬉しいな。
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- 15 : 2014/05/15(木) 13:18:20 :
2年目の春、部屋のみんなで恋の話をした時にエレンが言ったんだ。
『俺さ、実は小さい頃から__が好きなんだ』
そう、君とエレンは両想いだったんだ。
びっくりしたよ、エレンが恋愛について語ることなんで今までなかったから。
エレンには応援するよって言っちゃったけど…今思えば、ライバル宣言ぐらいはしておけば良かったな。
そこだけ、少し後悔してる。
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- 16 : 2014/05/15(木) 13:18:40 :
でもそれからエレンは、徐々に君に対してのいつものような態度をやめ
君はどんどん笑うようになった。
僕は君の笑顔が見れれば、それでいいって思えるようになった…思うようにした。
遠くからでも、君を、君の笑顔を守れればいいって思えるようになった…思うようにしたんだ。
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- 17 : 2014/05/15(木) 13:19:27 :
3年目の春…
再び壁が壊されて、エレンは僕を庇って巨人に食われた。
それを伝えた時の君の顔は
あの頃の、少し影のある顔だった。
君を守るはずが、君をの笑顔を守るはずが
僕は全く逆のことをしてしまったんだ。
結果エレンは生きていたけど…
君にあんな顔をさせた僕を今だに許せないんだ。
例え今の君が、どんなに笑顔でも。
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- 18 : 2014/05/15(木) 13:21:58 :
調査兵団に入って1年目は、本当にいろんなことがあった。
アニが女型の巨人だったり、壁の中に巨人がいたり、君が大怪我をしたり、エレンが巨人を操ったり、エルヴィン団長の腕がなくなったり…ハンネスさんが死んでしまったり。
この頃から僕も君も笑う余裕なんてなくなってきた。
君が笑えるように、努力したつもりだったけど…状況が状況だったからね…。
本当はこういう時こそ頑張らなきゃダメだったんだけどね…
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- 19 : 2014/05/15(木) 13:22:27 :
2年目の秋、ついに調査兵団と民衆は王政へのクーデターを起こした。
君はクーデターの中枢部隊になって、僕は作戦立案班。
クーデターが終わるまで、君の消息がつかめなくて本当に不安だった。
だからね、城から出てきた君を見てすごくホッとしたんだ。
生きててくれて、ありがとうって。
クーデターに成功した調査兵団は英雄と崇められ、その中でもエルヴィン団長、リヴァイ兵長、ハンジ分隊長、エレン、ジャン、君は特に感謝された。中枢部隊の面々だったからね。
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- 20 : 2014/05/15(木) 13:23:22 :
エレンと君には貴族と同等の称号が与えられて
僕の好きな君は、本当に手の届かないような場所にいってしまったんだ。
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- 21 : 2014/05/15(木) 13:24:17 :
それから人類と巨人の最終決戦が始まった。結果人類は2年かけて巨人を絶滅させて、平和を取り戻した。
最後の戦いでは本当にいろんなことがあった。
君が危うく奇行種に食われそうになって。
気づいたら体が動いてた。
いつもの何十倍ものスピードで動けた気がした。
食われそうな君を、思いっきり反対側へ突き飛ばして助けることができたんだ。
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- 22 : 2014/05/15(木) 13:28:56 :
まあ、無傷で助けられたら本当にヒーローみたいだけど
訓練兵時代の成績を考えるとそうもいかないよね。
君を食おうとしてた奇行種は、狙いを僕に変えたんだ。
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- 23 : 2014/05/15(木) 13:29:32 :
『アルミンっ…!!!!』
左脚に激痛を感じて、そのまま投げ飛ばされたのかな…全身がとにかく痛かった。
君の泣きそうな声が聞こえて、こっちに近寄って来たのを覚えてる。
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- 24 : 2014/05/15(木) 13:29:50 :
『ごめんなさい、本当にごめんなさい…!!私を庇って、こんな…!』
『君は…向こうの応援をするんだ…!君が…君が行けば助かる命があるだろう…!!』
僕はいつかと同じように叫んだ。
君は驚いたような顔をして、すぐに声を張り上げた。
『怪我したままのあなたを置いて行けない…!!』
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- 25 : 2014/05/15(木) 13:30:08 :
結局君は僕を抱えて一度本部に戻った…今度はあんなことしちゃダメだよ、戦場では一兵士の命より勝利が優先される場合のほうが多いんだから。
本部から出る時、君は何度も僕の方を振り返ってなかなか行こうとしなかった。
だから、思いっきり叫んだ。
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- 26 : 2014/05/15(木) 13:30:29 :
『早く行くんだ!今の戦場には、エレンには、君が必要なんだ…!』
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- 27 : 2014/05/15(木) 13:31:14 :
君は、目を見開いて
それから少し下を向いたあと
『…わかった』
それだけ言ってまた戦場へ戻って行った。
それでよかったんだよ、それで。
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- 28 : 2014/05/15(木) 13:32:35 :
その後、君とエレン、中枢部隊の面々は無事に帰って来た。
僕の左脚は、2度と動かなくなったけど…今の君の笑顔に比べれば、左脚なんて安いもんだ。
僕は君の笑顔を見たいんだから。
僕は君が大好きなんだから。
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- 29 : 2014/05/15(木) 13:33:42 :
そうだ、最終決戦のあとエレンが君にプロポーズしたんだっけ。
それも公開で…エレンの勇気が羨ましかったなあ。
『この戦いが終わったら言おうと思ってたんだ…小さい頃から、ずっとお前が好きだった!愛してる、結婚してください!』
あの時の君の顔、僕は忘れない。
あの日は少し躊躇いの色があったから…大好きなエレンにプロポーズされたのに。
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- 30 : 2014/05/15(木) 13:34:06 :
それにチラッと、僕の方を見たんだ。
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- 31 : 2014/05/15(木) 13:34:40 :
君のことだから、僕が怪我したことに対して責任を感じてるんだろうっすぐにわかった。
だから、僕は笑顔で頷いた。
君が出したエレンへの返事はイエスだった。
その言葉を聞いたとき、僕の想いはずっと心にしまっておこうって決めたんだ。
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- 32 : 2014/05/15(木) 13:37:07 :
大好きな君へ
ついに今日結婚するんだね。
僕の幼馴染の隣で笑う君の、幸せそうな姿が見れて、僕も嬉しいよ。
ねえ、
僕、本当に君が大好きだったよ。
ミカサ
大好きな君が、いつまでも幸せでありますように…
〜完〜
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- 33 : 2014/05/15(木) 13:40:59 :
- アルミンが主人公のSSは初めて書いたので結構難しかったです…言葉選ぶのが特に。次への反省にしたいと思います
駄文でしたがここまで読んでくださりありがとうございました!
今回は企画作品の投稿なので、過去作品のリンク貼りません。気になる方は名前のところをタップして読んでください!
ジャン↑
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- 46 : 2015/03/12(木) 00:25:04 :
- 彩華のSSに対するコメントはこちらへお願いします!
http://www.ssnote.net/groups/1306/archives/1
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