私はある時、一人の女性を愛した。可憐で華奢なその娘は蠱惑で小悪魔な少女だった。
私はある時、一人の女性を愛した。デートを重ねる内、愛を伝えた。
ただ、愛を伝えた。
突然の告白に今かと驚く彼女の顔は脳裏から離れない。
私は、その境遇がゆえ、女性との繋がりに固執した。彼女という存在に憧れ、固執した。
彼女を作るという行為に魅惑を覚え、それを実現したのだ。
おおくのおとこは、彼女を作るという目的が終わると愛に冷めるという。私も例外ではなかった。
覚めた訳では無かったが、愛を伝えることを辞めてしまった。私の不覚、失敗だ。
しかし、私は愛に飢えていた。告白を受け入れたその日でさえ、彼女は私に愛を伝えなかった。
だから、私は愛に飢えていた。一方的な日々に飽き飽きとし始めた。
だが、私は彼女を愛していた。いや、依存していた。時間を作るため、金を稼ぎ、金を稼ぐため、時間を犠牲にしていた。
意味の無い。愚かで。愚鈍で。最悪だ。
ある日から、彼女は冷たくなった。
私と会うこともせず、話すこともせず、気まずさだけが残る。
私は彼女を愛せたのだろうか。
とても悲しい。彼女からの愛は冷めてしまったのだ。
とても悲しい。悲しい。悲しい。
別れを告げる時が来た。悲しい。悲しい。
何が正しくて、間違っていたのか。分からなくなる。ただ、反省だけが残る。4ヶ月たった今ですら彼女の顔を忘れられない。楽しかった日々が脳裏をよぎる。悲しい。悲しい。
ただ、愛のためにと思っていたことは独りよがりで、ただ、愛のための行動は愛を遠ざける悪行だった。