「――ン...んぅー......んにゃ?もう朝...?」 すると突然誰かが部屋に入ってきたようで、眠そうにしながら部屋の中に入って来る音がした。そしてその直後に聞こえた声に反応し、シエルはそちらに目を向ける。そこにいたのは寝癖で髪が跳ねている銀髪の少女――ロゼッタだった。どうやら彼女はまだ完全に起きていないらしく、瞼が少ししか開いていなかった。そんな彼女を見て軽く苦笑いしつつも、シエルはロゼに向かって声を掛ける。
「おはよう、ロゼちゃん!」「えへへぇ~おはよ~」
元気良く挨拶をしてくるロゼに対して返事をした後、シエルはすぐに顔を洗って身嗜みを整えてくるからと言って部屋から出た。そしてそれとほぼ同時にロゼが起きたようで再び大きな欠伸をしていた。
fairytail‐0[fourth] ~天竜人に転生したけど、没落した名家のお嬢様と共に運命を変えたい~ - episode3『家族の想い』5 - ンとフランキー一家と別れてから翌日のお昼頃、私はとある場所を目指していた。
(うーむ......)
なぜそんなことをしているのかと言うと、それは昨日の夕食の時間の時に遡(さかのぼ)ることとなる――。
夜も明けた翌朝。私達はそれぞれ仕事に行くなりしてそれぞれの時間を過ごしていたんだけど、それを聞いたロザリーが突然こんなことを言い出してきたんだ。
「......なぁ、みんな。今日は暇だよな......?」「え、えぇっと......」「............」 突然の問いかけに対し、私とヤトは目を泳がせながらも返事をする中、サクヤだけは何か心当たりがあるような顔をしていた。それを見て不思議に思った私が彼女に問いかけると、返ってきたのは何とも微妙な答えだった。
「...どうしたの、サクヤ?」「......いや、実は今日って確か町長さんが来る日じゃなかったっけなって思って」「......そういえばそうだったね」 その一言を聞いて私は納得できた。そう、今日の昼頃にとある町の町長さんがやって来て、そのまま泊まっていくと言うのだ。なので、私達はその間の留守番を頼まれたと言うことになるのだけど......でも、なんでそんなことを知っているんだろう......? そう思って疑問を抱いた瞬間、その答えはすぐに出た。 「......そう言えば言ってなかったけ? 私、こう見えて未来予知ができるんだよ」 まるで「今思い出した!」と言わんばかりの表情で言う彼女を見た後、私は心の中で納得したように頷いた。確かにそれなら彼女の行動も頷けるし、何よりあの性格上そう言うことは絶対に忘れないだろう。 すると、それを見たフランキィが少し驚いた様子を見せるものの、サクヤならあり得るかと言いたげな感じで納得を示していた。「マジかよ!? お前すげぇなぁ......!」