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男「血液が飲み物になる病?」

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  1. 1 : : 2013/10/12(土) 13:34:45
    2xxx.12.24.18:10

    男「そんな馬鹿な」

    研究員「これが世間に知れ渡ったら、大混乱が起こるだろう。事は秘密裏に」

    男「治る?」

    研究員「対処法は、血液を全て入れ替えるしかない」

    男「でも、なんで俺にそれを?」

    研究員「君は病魔を封じる能力がある」

    男「そんなの初耳だ」

    研究員「そりゃあそうだ。そんなことがバレれば、君は病院で引っ張りだこだろう」

    男「でも、何で今まで使わなかったんだ?これを使えば、多くの人の命が助かったはず」

    研究員「それには深い訳があってな、詳しくは先輩封印師に訊いてくれ」

    男「はあ」

    研究員「あくまで我々の目的はこれ以上被害者を出さないことだ」

    研究員「感染した少数の人間を救うより、多くの人間の安全を確保したい」

    研究員「という訳で、まずは先輩封印師の所へ行ってくれ」

    男「あ、ああ…はい」
  2. 2 : : 2013/10/12(土) 13:36:45
    2xxx.12.24.18:20

    先輩「貴方が新米封印師ですか」

    男「はい、男です」

    先輩「急にバイオセーフティレベルが4の施設へ連れて来られて驚いているでしょう」

    男「?」

    先輩「そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。私の名前はアースィファト・タルジュです」

    男「??」

    先輩「…長いので、先輩でいいですよ」

    男「どうも」

    先輩「さて、では我々の能力についての基礎知識を学びましょう」

    先輩「まず、普通の人間との違いです。貴方の左手、薬指の爪をご覧なさい」

    男「…黒っぽく線が入っている」

    先輩「そうです。これが一つ目。次に二つ目。我々病魔封印師は、ウイルスに感染しにくい体質になっています」

    男「確かに、ガキの頃から風邪だけはひかなかった」

    先輩「感染者と喋ったくらいじゃ感染しません。ディープキスでもしない限り感染しないでしょう」

    男「…わかったようなわからないような
  3. 3 : : 2013/10/12(土) 13:39:10
    先輩「次に、封印の方法です。私の右手、中指をご覧なさい」

    男「爪が…無い」

    先輩「私は以前、非常に死亡率の高いウイルスを封印した時に爪を失くしました。何故か?病魔の封印儀式をする際、封印師の爪を使うからです」

    男「なら、爪が全て無くなれば」

    先輩「封印師は封印師でなくなります」

    男「なるほど」

    先輩「まずは、感染者と直接話すのが手っ取り早いでしょう。隔離室に向かいましょう」
  4. 4 : : 2013/10/12(土) 13:42:27
    2xxx.12.24.18:25

    能面少女「…誰?封印師?」

    先輩「封印師です、失礼しますよ」

    男「お邪魔します」

    能面少女「何の用?ジロジロ見ないで…」

    先輩「彼女は血液が徐々に青汁になっています」

    男「…」

    先輩「発症から6時間で死亡します。ただ、6時間の間に病魔を倒せば彼女は救われるかもしれません」

    男「どうりで。肌が緑色に」

    少女「ねえ。助けてよ。アンタ、封印師なんでしょ?…アタシ、モデルとかやってたの。なのに、今じゃこの有様! 恥ずかしくて顔も見せられない!ねえ、助けてよ!」

    男「…」

    先輩「面会時間終了です」

    男「…」

    先輩「次の部屋へ」
  5. 5 : : 2013/10/12(土) 13:45:27
    2xxx.12.24.18:30

    黒髪ロング「…男⁈」

    男「黒髪ロング…⁉」

    黒髪ロング「本当に…本当に、男か⁈」

    男「…そうだ…黒髪ロング、お前」

    黒髪ロング「お前、封印師なのか…ははは…あと30分…あと30分で死ぬよ。最期に男に会えてよかった」

    男「待てよ…何でお前が」

    黒髪ロング「私の血液はな…サイダーだよ」

    男「肌が灰色…」

    黒髪ロング「覚えているか?何年も前…公園のベンチに座ってさ…お前がサイダーくれたんだ…初めてのプレゼントだよな、あれ…嬉しかったよ、すっごく」

    男「黒髪ロング…」

    黒髪ロング「段々視力も落ちてきたよ…男の声だって遠くに聞こえる…ごめんな、約束、守れそうにない」

    男「約束なんて…諦めるな、俺がお前を救う」

    黒髪ロング「…病魔を封印しても、私はもう死んでいるかもしれない。それに、私は最初の感染者だ…様々な手術をされて、身体も限界さ…でもな男、私はいいんだ。あと2人、感染者が居る…あの2人だけでも、救ってやってくれ」

    男「…わかった」

    黒髪ロング「頑固なお前が、わかってくれてよかったよ…ごめんな、もう私の目は力尽きたみたいだ…さあ、行ってくれ。病魔を封印してくれ」

    先輩「貴方とあの感染者がどんな関係なのかは訊きません。さあ、病魔のもとへ行きましょう」
  6. 6 : : 2013/10/12(土) 13:49:28
    2xxx.12.24.18:50

    男「これが…」

    先輩「この霧が、病魔です」

    先輩「貴方は封印師としての本能で動いてください。勝手に身体が動くでしょう。儀式を始めます。まずは私から」

    男「了解」

    先輩「ムアッザム・アラム・シュジャーァ・イムラァ・タハッディン・ザーダ・ダヒカ!」メリメリ

    男「爪が…!」

    霧「シュゥゥゥ…」

    先輩「病魔の勢力が弱まっている!今です、呪文を!」
  7. 7 : : 2013/10/12(土) 13:51:58
    2xxx.12.24.18:57

    男「……ムアッザム・アラム・シュジャーァ・ラジュル・タハッディン・ザーダ・ダヒカ…!」メリメリ

    先輩「爪を投げて!」

    男「えいやっ!」
  8. 8 : : 2013/10/12(土) 13:53:11
    2xxx.12.24.18:58

    先輩「呪文をもう一度!」

    男「ムアッザム・アラム・シュジャーァ・ラジュル・タハッディン・ザーダ・ダヒカ!」

    2xxx.12.24.19:00

    先輩「ムアッザム・アラム・シュジャーァ・イムラァ・タハッディン・ザーダ・ダヒカ‼
  9. 9 : : 2013/10/12(土) 13:54:35
    2xxx.12.24.19:01

    男「霧が消えた…」

    先輩「終わった」

    男「時刻は」

    先輩「……19:01」

    男「何てことだ……!」

    先輩「隔離室へ」
  10. 10 : : 2013/10/12(土) 13:56:28
    2xxx.12.24.19.21

    男「黒髪ロング‼」

    男「俺…病魔を封印したよ」

    男「なあ」

    男「約束だったよな、二人でクリスマスプレゼントを贈りあうって」

    男「ほら、お前の欲しがってた万年筆だ」

    男「なあ、お前からは何だ……これ、は」

    《あ り が と う 。 ご め ん な 、 プ レ ゼ ン ト 、 こ れ で よ か っ た か ?》

    男「時計…時刻は、18:59」

    END

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