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Fate/if 第0話 予兆

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  1. 1 : : 2020/11/28(土) 00:34:45
    聖杯戦争──
    それは日本 冬木市において7人の魔術師によって「聖杯」を求めて行われる殺し合い────




    チュン チュン チュン




    「ん…んぅ」




    ガラッ



    「先輩?起きてますか?…ってまだ寝てるんですか?」




    「桜か…あと5分…」ゴロ




    「遅刻しちゃいますよ?いいんですかー?」




    「んー…はっ!!今何時だ!?」ガバッ





    「!!今は7時半です」





    「……やばいな…遅刻する」





    「朝ごはんは作ってますよ?早く支度してください!」




    「あぁ!」ダッ




    ダダダダダダダダダダダ




    バタン ダダダダダダダダダダダ




    「もう…先輩ってば…いつもギリギリに起きるんですから…フフッ」




    「いただきます!!」カチャ




    バクバクバクバク




    「もぐもぐ…先に…もぐもぐ…いってて…もぐもぐ…いいぞ?」





    「ちゃんと飲み込んでから喋ってください!」





    「ごめん…もぐもぐ…」ゴクンッ






    「先に行ってていいぞ?」






    「先輩と行きたい…です」




    「…わかった、一緒に行こう」




    「!…はい!」




    ──────




    「準備できたぞ?行こうか」





    「早いですね?」




    「まぁな…行ってきまーす!!」ガララ




    「行ってきます…」




    スタスタ




    「遠坂は今頃どうしてるんだろうな」





    「姉さんならきっとアメリカでも問題なくやれてますよ…きっと」





    「遠坂の性格なら留学初日から友達作ってそうだな笑」





    「有り得ますね笑」




    「先輩…」





    「ん?どうした?桜」





    「手…繋いでも…いいですか?」





    「…いいよ」スッ





    「ありがとうございます…」スッ




    ギュッ




    スタスタ





    俺達は聖杯戦争が終わって、セイバー達は元の世界に戻って、平和な時を過ごしていた…
    遠坂はアメリカに魔術の留学に、イリヤは…絶賛俺の家に居候中…でも、聖杯戦争の時の爪痕を消すのが忙しく、帰ってくるのは遅く、出掛けるのは朝早く、そんな感じで、土日にくらいしか、顔をあわせることはない
    俺は桜と付き合うことになり、仲良くやってる



    イリヤと遠坂によれば冬木市に溜まっていた魔力は第五次聖杯戦争でほとんど枯渇して、再び、聖杯戦争がおこるのは少なくとも数十年後という話だ





    「先輩…あの時…助けてくれて…ありがとうございます…」





    「桜…礼はいいんだ…俺は桜だけの正義の味方になるって決めたから…」






    「先輩…」





    「ヒュー!朝からお熱いこと!!」





    「藤姉…茶化すのはやめてくれよ」





    「まぁ…それはおいといて…あんた達…遅刻するよ?」




    キーンコーンカーンコーン




    「やばい!!急ごう桜!!」ダッグイッ




    「えっ!?ちょっ…!」ダッ




    ──────




    「ハァッ…ハァッ…ハァッ…ギリギリセーフ…だな…」





    「先輩…ハァッ…ハァッ……いきなり引っ張るのは…ハァッ…ハァッ…やめてください…ハァッ…」




    「ごめん…桜…ハァッ…ハァッ…じゃあ、また放課後」スタスタ





    「はい!」スタスタ




























  2. 2 : : 2020/11/29(日) 00:23:35
    ガララ



    「はーい、皆席について…るか」






    「先生、その子は?」





    「皆知ってるかもしれないけど、この子は転校生ね、自己紹介できる?」






    「はい、えっと…夏木市の夏木第一高校から転校してきました、春坂 柊って言います、よろしくお願いします」ペコリ





    パチパチパチ





    「それじゃあ皆、柊君に質問したいだろうから次の時間の予鈴まで質問タイム!」





    ザワザワザワ





    「柊君って何で転校してきたの?」





    「柊って呼んでもいいか?」





    こんな時期に転校生か、珍しいな





    「好きな物は何?」






    「ちょ、ちょっと待って!?」





    「あ、ごめん…」






    「えっと…転校してきた理由は…親の仕事の都合…かな?」






    「好きな物か……特技でもいいかな?」





    「うん!いいよ!」






    「特技は格闘技全般かな?」






    「柊って格闘技やってんのか?すげぇ!!」






    ────────────────





    ──放課後──






    「ふぅ…さっさと帰るか…ん?」






    ──教室──




    「……」ポツン






    「転校生…?何してるんだ?」




    ガララ





    「!」





    「何してるんだ?こんな時間に」





    「い、いや、なんでも…ないよ」





    「?そうか?じゃあまた明日」スタスタ





    「……」ゴクッ





    「ま、待ってくれ!!」





    「どうしたんだ?」






    「か、帰る…家がないんだ…」






    「!!…詳しくは…聞かない方がいいか?」





    「…そうしてもらえると助かる」





    「わかった…とりあえず…俺の家に来るか?」





    「い、いいのか?」






    「あぁ、さっ行こう」スタスタ





    「先輩ー!」タッタッタッタッタッタッ





    「桜、一緒に帰ろう」





    「はい!…ところで、その方は?」





    「僕は今日ここに転校してきた春坂 柊…」





    「先輩のクラスにも転校生が来たんですか?」






    「?桜のとこにも来たのか?」





    「はい!なんでも、夏木市の夏木第一高校から転校してきたらしいですよ?」






    「!!!!!!それは本当か!?」ガシッ






    「きゃっ!」






    「なんていう名前だ!?」






    「柊!」





    「!」




    「桜が怖がってるだろ」





    「あ、あぁ…悪い」





    「名前は…」
  3. 3 : : 2020/11/30(月) 00:01:18
    「零………春坂零です」





    「春坂?…ということは柊の妹か?」





    「いえ、妹というよりも春坂家に養子として迎え入れられ、柊様の守人として育てられただけなので、血は繋がっていません」






    「さぁ、柊様、帰りましょう」






    「…っ嫌だ!!」





    「春坂様もお怒りになっています、今帰ればまだ口だけで済むかと」






    「嫌だ…嫌なんだ…あそこに帰るのだけは!!」






    「……とりあえず、俺の家で話し合わないか?」






    「…そうですね、それではお邪魔させていただきます」






    スタスタスタスタ





    「…っく…」ダッ







    「あ!柊!!」






    「待って下さい、私が、」ダッ



    シュンッ



    「…ぐぁっ」ドシャァ







    「柊様が春坂家に帰りたくないというのもわかりますが、その前にまず、話し合いをしましょう」






    「…わかったよ…離してくれ」







    「かしこまりました」パッ







    「くそっ…」スタスタ







    ──────────────



    ガララ



    「さぁ、入ってくれ」






    「お邪魔させていただきます」スタスタ






    「お邪魔します…」





    「先輩、私はどこにいたら…」






    「桜も参加していいと思うぞ?」






    ──リビング──





    「柊様、どうしても戻る気はないのですね?」






    「あぁ、俺はあそこにはもういたくない…」





    「かしこまりました、では春坂様に伝えておきます」






    「いいのか…?」






    「はい、私はあくまで柊様の守人なので」






    「すまない…助かる」






    プルルルルプルルルル





    「誰だ?」




    ガチャ




    「はい、衛宮です」






    「遠坂!?どうしたんだ?」





    「あぁ、あぁ、!!わかった…、あぁ、任せてくれ、それじゃあ」




    ガチャ






    「先輩?姉さんがどうかしたんですか?」






    「明日、急な用事が出来て帰ってくるらしい」






    「!!!??」






    「きゅ、急な用事とは?」






    「俺たちにも関わる事らしいから着いたら話すって」






    「そうですか…」






    「とりあえず、晩御飯作ったから、食べようか」






    「私達の分まで…いいのですか?」






    「あぁ!遠慮せずに食べてくれ!」






    「士郎…でいいか?」






    「あぁ!よろしく、柊」






    「よろしく…」






    モグモグカチャカチャ





    「ご馳走様でした」






    「ご馳走様でした」






    「はい!お粗末様でした!」











  4. 4 : : 2020/12/02(水) 20:59:40
    「どうして、士郎は俺達にここまでしてくれるんだ?」






    「さぁね…正義のヒーローになりたかったんだ、昔、でも、今は桜だけの正義の味方だから、他の人には味方にはなれないまでも役には立ちたいんだ」






    「………」






    「とりあえず、もう遅いし、寝ようか」







    「あぁ、そうしよう俺たちはどこで、寝たらいい?」






    「そうだな…」スタスタ







    「ここでもいいか?」ガラッ







    「あぁ、ありがとう」







    「それじゃあ桜はどこで寝る?」







    「先輩と寝たいです…」







    「わかった、一緒に寝よう」スタスタ






    「はい!」スタスタ







    「まったく…お熱いことで、」







    「私達もしますか?」







    「俺達はそんな関係じゃないだろ」







    「そうですね、寝ましょうか」パチッ






    「おいおい、判断が早いな…」







    ───翌日───





    ───くん──やくん!────えみやくん!──衛宮くん!!





    「ん…」







    「早く起きなさい!!」







    「はい!!」ガバッ







    「衛宮くん…これは…どういうこと?」ピキピキ







    「え?…あ」







    「せんぱぁい……」ムニャムニャ







    「なんで、衛宮くんと桜が一緒に寝てんのよ──!」







    ──────────






    「遠坂には言ってなかったけど、俺、桜と付き合うことになったんだ…」







    「え!?」






    「ちょ、ちょっと!!あんたはそれでいいの!?イリヤ!」








    「別に?お兄ちゃんにそういう感情は持ってないわ」






    「そ、そう、イリヤがいいなら…」







    「ところで、遠坂帰ってくるの早くないか?」








    「昨日の最後の飛行機で帰ってきたから」








    「そうなのか、話ってのは?」








    「あんた達、今日は学校休みなさい、話し合いをするわよ」








    「えぇ……?」








    「学校には連絡してるわ」
  5. 5 : : 2020/12/04(金) 23:56:49
    「そう言えば柊達は?」







    「あぁ、あの人達なら学校に行かせたわ」







    「そ、そう」








    「さぁ、話し合いするわよ」








    「おう」








    「単刀直入に言うわ、聖杯戦争は終わっていない」








    「!?なんだと!?」








    「姉さんどういうことですか?」







    「聖杯戦争は終わっていないというより、聖杯に溜まった魔力が黒いセイバーと衛宮くんとライダーの戦いで使い切られたと思ってたんだけど、どうやら、聖杯は桜が元に戻る時に膨大な魔力を桜から搾り取ったみたいなのよ、だから、また近いうち、それもこの1年の内にまた聖杯戦争が起こると考えられるわ」






    「そんな…!」






    「また、ということは魔術師はどうなるんだ?」







    「それはまだわからない、でも、一つだけ言えることがあるわ、今回の聖杯戦争は前回の聖杯戦争とは比べ物にならないくらい、壮絶なものになるわ、確実に」







    「壮絶なものになったら…どうなる?」







    「この冬木市、いえ、この日本を巻き込む戦争になるわ、絶対に」







    「なんだって…!?」







    「そ、それじゃあ!死者は数え切れないものになるかもしれない…ということですか!?」







    「えぇ、そうかもね」







    「じゃあ、今回は私とバーサーカーが勝たせてもらうわ」






    「イリヤ、あなたは魔術師の資格でもある名前を剥奪されたのよ、聖杯戦争には十中八九、参加できないわ」






    「…そうだった…」







    「サーヴァントはどうなるんだ?前回のサーヴァントを引き継ぐのか?」







    「それはまだわからないわ、その時が来てみないことには」








    バチバチドガァァァァァアン







    「!?なんだ!!!」







    「倉庫の方じゃないですか!?」







    「行ってくる…ここで待っててくれ」スクッ







    「わかったわ、何かあったら、叫びなさい、私達が駆けつけるわ」







    「あぁ、わかった」スタスタ







    ──────────────────






    ──倉庫──


    シュゥゥゥゥゥゥゥゥウ


    「ここは…どこでしょうか?…身に覚えがあるような…」




    ガラッ



    「誰かいるのか?」







    「返事をしてくれ、誰かいるのか?」







    「………あの人は…!!!」



    バチッ



    ────────────────────


    問おう、貴方が私のマスターか?


    ────────────────────



    「これは…なんの…記憶?」




    ────────────────────


    断る。俺にはセイバー以上に欲しいものなんて、ない


    ────────────────────





    「し…ろう…士郎なのですか?」





    ────────────────────



    士郎……あなたを愛している



    ────────────────────



    「この声は…セイバー?…セイバーか!?」





    「士郎!!」




    「セイバー!どうして、ここに!?」




    「わかりません、私は先程までキャメロットの玉座に座っていたはずなのですが…」





    「衛宮くん?」



    ガラッ



    「!!セイバー!」




    「凛!それに……桜…」




    「あの時は……ごめんなさい…セイバーさん…」





    「桜…いいんです、気にしないでください」





    「セイバーがここに居るということは…サーヴァントとして召喚された…ということでいいのか?」






    「ええ、恐らくね、この中の誰かのサーヴァントよ」






    「令呪を見ればわかるだろ?」






    「確かにね、えっと……私の体には令呪はないわね」





    「私にもありません」





    「ということは…俺か?」





    「……確かに手のひらに令呪がある」





    「では、もう一度、あの時の問いを言いましょう」




    問おう 貴方が私のマスターか




  6. 6 : : 2021/01/17(日) 13:45:41
    これは…良作の予感だな。
    めちゃくちゃ読みやすいし。ただFateでこの流れだと必ず戦闘シーンあるだろうけど効果音だけじゃ表現に無理があるだろな…そこも含めて期待。

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tottokoyoutarou

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