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もしもエレンの運動神経がカンストしてたら エレンチート

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  1. 1 : : 2020/05/31(日) 10:04:32
    全ての運動能力のステータスが世界レベルのエレンです


    身体能力に関係する部分は全てチートです


    他の部分は普通の人間です


    よろしくお願いします

  2. 10 : : 2020/05/31(日) 18:43:17
    ーーーーーーー

    ーーーーーー

    ーーーーー

    ーーーー

    ーーー

    ーー


    エレン


    ーエレン


    ミカサ「エレン!!」


    エレン「…ん?」


    ミカサ「起きて」

    ミカサ「もう帰らないと日が暮れる」


    エレン「…?…あれ?」ボーッ

    エレン「ミカサ……お前…髪が伸びてないか…?」


    ミカサ「……」

    エレン「」


    ミカサ「そんなに寝ぼけるまで熟睡してたの?」


    エレン「イヤッ…なんかすっげー長い夢を見ていた気がするんだけど……」

    エレン「何だったっけ思い出せねえな」

    ミカサ「…!!」


    ミカサ「エレン?」

    ミカサ「どうして」



    ミカサ「泣いているの?」



    エレン「え…?」


    エレン「え…!?」



    ーーーーーー845ーーーーー
  3. 11 : : 2020/06/01(月) 07:16:17
    ーーーーーーー

    ーーーーーー

    ーーーーー

    ーーーー

    ーーー

    ーー






    エレン「」ズズズ…

    エレン「…」スンッ


    ミカサ「…」


    エレン「言うなよ…誰にも」

    エレン「俺が泣いたとか…」


    ミカサ「…言わない」


    ミカサ「でも…理由もなく涙が出るなんて」

    ミカサ「一度おじさんに診てもらったら?」


    エレン「バカ言え!親父に言えるかこんなこと」


    「何泣いてんだエレン?」


    金髪の男性が親しげにエレンに話しかけた。


    エレン「!!ハ…ハンネスさん」


    ハンネス「お前が泣いているのなんて見るの何年ぶりだ?」


    エレン「いや、泣いてねえよ!…って 酒くさ!!」

    エレン「!!」


    エレンの目に、昼間から酒を飲んでだべっている駐屯兵団の姿が目に入った


    エレン「え……!?」

    エレン「また…飲んでる…」


    ハンネス「お前らも一緒にどうだ?」


    エレン「イヤ…あの…仕事は?」


    ハンネス「おう!今日は門兵だ!」


    ハンネス「一日中ここにいるわけだからやがて腹が減り喉も渇く」

    ハンネス「飲み物の中にたまたま酒が混じっていたことは些細な問題にすぎねえ」


    ハンネスはどこか自慢げに語った


    エレン「そんなんでイザッって時に戦えんの!?」


    ハンネス「…」


    ハンネスは他の駐屯兵団と顔を見合わせる


    ハンネス「イザッて時って何だ?」


    エレン「……!!何言ってんだよ決まってんだろ!」

    エレン「ヤツらが壁を壊して!!街に入ってきた時だよ!!」


    エレンのに急な大声にハンネスは驚く


    ハンネス「おいエレン!急に大声出すんじゃねえよ…」


    駐屯兵「ハハハ…元気がいいな!医者のせがれ!!」


    駐屯兵「ヤツらが壁を壊すことがあったらそらしっかりやるさ」


    駐屯兵「しかしな そんなこと100年間で一度もないんだぜ」


    エレン「で…でも!そーやって安心してる時が危ないって、父さんが言ってたんだ!」


    ハンネス「まぁ…確かにそうかもな」

    ハンネス「街の恩人のイェーガー先生には頭が上がらねぇんだけど…でもなぁ…」


    ハンネス「兵士になれば壁の補強作業とかで壁の外をうろつくヤツらを見かける機会があるんだが…」


    ハンネス「ヤツらにこの50メートルの壁をどうこえ出来るとは思えねぇんだ」


    エレン「じゃあそもそもヤツらと戦う覚悟なんてねぇんだな!?」


    ハンネス「ねえな!」


    ハンネスは食い気味に答えた


    エレン「なっ…なんだよ!!もう『駐屯兵団』なんて名乗るのやめて『壁工事団』にしろよ!!」


    ハンネス「それも悪くねぇ!」
  4. 13 : : 2020/06/01(月) 17:20:53
    ハンネス「しかしなエレン…兵士が活躍するってことはそれこそ最悪の時だ…」

    ハンネス「オレ達が役立たずの『タダメシ食らい』って馬鹿にされてる時の方がみんなは平和に暮らせるんだぞ?」


    エレン「…!!」


    ハンネスは諭すように言った


    駐屯兵「ハンネスの言う通りだ」

    駐屯兵「まったく…壁の外に出ようって言う『調査兵団』の連中の気が知れねぇ…」

    エレン「!!」

    駐屯兵「勝手に戦争ごっこに興じてろってな!!」


    それを聞いたエレンが口を開いた。


    エレン「一生壁の中から出られなくても……メシ食って寝てりゃ生きていけるよ…でも…それじゃ…」

    エレン「まるで家畜じゃないか…」


    ハンネス「」


    ーーーーーー

    ーーーーー

    ーーーー

    ーーー

    ーー


    駐屯兵「…けっおかしなヤツだな…」


    小さくなっていくエレンとミカサの背中を見ながらハンネスは小さく呟いた



    ハンネス「…!!まさかあいつ…」

    ハンネス「調査兵団に入りたいのか…?」

    ーーーー

    ーーー

    ーー


    エレン「」


    ミカサ「…」

    ミカサ「…エレン」ボソ


    ミカサ「調査兵団はやめた方がいい」


    エレン「!!」

    エレン「なんだよ……お前も調査兵団をバカにすんのか!?」


    エレンは声を荒らげる


    「……バカにするとかそういうもんだいじゃ…

    カンカンカンカンカン

    ミカサの声を遮り、街中に鐘の音が鳴り響いた


    「調査兵団が帰ってきたんだ!!」


    「正面の門が開くぞ!」


    エレン「…英雄の凱旋だ…!!」

    エレン「行くぞミカサ!」


    エレンはミカサの腕を掴んで走り出す
  5. 14 : : 2020/06/01(月) 17:22:15
    ーーーー

    ーーー

    ーー

    エレン「クソー人垣で見えねー」


    エレンは手頃な箱に飛び乗り、人混みから頭1つ抜けた


    目に飛び込んできたのは、イメージする英雄の姿ではなく、

    生気を失った兵士たちの姿だった



    右目がない者

    右腕がない者

    ………


    負傷者がほとんどで、全員の目が死んでいたーー


    エレン「…!!」


    「これだけしか帰ってこなかったのか…」ザワザワ


    「今回もひどいな…」ザワザワ



    「100人以上で調査に向かったハズなのに…」ザワザワ


    「20人もいないぞ……みんな…食われちまったのか…」


    エレンとミカサは口を開けたまま動けなかった


    「ブラウン!!」

    「ブラウン!!」


    エレン、ミカサ「!!」


    エレンとミカサは一際響く女性の声に目をやった

    見ると、一人の女性が調査兵の一人になにか訴えていた



    女性「あの…息子が…ブラウンが見当たらないんですが…息子は…どこでしょうか…!?」


    調査兵「…!!ブラウンの母親だ…」

    調査兵「……」

    ・・・・・
    調査兵「持ってこい……」


    一人の調査兵がそういうと、他の調査兵が布にくるまれた何かを持ってきた


    女性「……え?」


    女性は青ざめた表情で布をとると、そこには

    1本の腕が包まれていた


    調査兵「それだけしか 取り返せませんでした…」


    女性「…うぅ……うぁ………」


    女性は腕を抱きしめ咽び泣く


    女性「うあああああぁあ!!! うぁああああぁああ!!!!」


    女性は大声で泣き始め、エレンたちを含む人混みはそれを固唾を飲んで見守った


    女性「う…うぅ…」

    女性「…でも…息子は…役に立ったのですよね……」


    調査兵「……!!」


    女性「なにか直接の手柄を立てたわけではなくても!!」

    女性「息子の死は!!人類の反撃の糧になったのですよね!!?」


    女性は調査兵たちにむかって叫んだ


    一瞬の沈黙があり、調査兵は口を開く


    調査兵「もちろん__!」

    調査兵「…… ……」

    調査兵「………イヤ…」

    調査兵「今回の調査で…我々は……今回も………!!」


    調査兵「なんの成果も!!得られませんでした!!」


    調査兵「私が無能なばかりに……!!ただいたずらに兵士を死なせ…!!」

    調査兵「ヤツらの正体を…!!突き止めることができませんでした!!」


    群衆はざわつき始める


    「…ひでぇもんだな」ザワザワ


    「壁の中にさえいれば安全に暮らせるのに…」ザワザワ


    「兵士なんて税の無駄遣いだ…」ザワザワ




    「まったくだ…これじゃあオレらの税でヤツらにエサをやって太らせてるようなもんだなぁ」


    エレンの前にいた初老の男性がこういったのを聞いた瞬間、エレンはその男の後頭部を殴っていた


    男性「ガッ…」ドサ


    近くにいた男性が追いかけてくるが、エレンが手を出した瞬間ミカサはエレンの襟首をつかみ、引きずって逃げていた
  6. 16 : : 2020/06/01(月) 17:29:05
    ーーーー

    ーーー

    ーー

    エレン「オイ…!!もういいだろ!!」


    ミカサ「フッ!!」


    ミカサはボウリングの要領でエレンを壁に投げつける


    エレン「おっとっと」スタッ


    エレンも咄嗟に受身をとる


    エレン「何すんだよ!!薪が散るとこだったじゃねえか!」


    ミカサ「調査兵団に入りたいって気持ちは…変わった……?」


    エレン「!!」

    エレン「…」



    エレンが質問に答えることはなかった


    ーーーー

    ーーー

    ーー


    エレン「ただいま」ガチャ


    帰るとキッチンに立つエレンの母カルラと食卓に座るエレンの父グリシャが出迎えてくれた


    グリシャ「おかえりなさい」


    カルラ「遅かったのね二人とも」


    エレン「イヤ…まぁ……色々あって…」


    エレンは薪を片付けながら誤魔化す


    エレン「アレ?父さん今から出かけるの?」


    グリシャ「ああ2つ上の街に診療だ」


    ミカサ「…エレンが…」


    ミカサがゆっくり口を開いた


    ミカサ「調査兵団に入りたいって…」


    エレン「ミ…ミカサ!!言うなって」

    カルラ「エレン!!」

    カルラ「何を考えているの!?壁の外に出た人類がどれだけ死んだか分かってるの!?」

    エレン「わ…分かってるよ!!」


    グリシャ「……」


    グリシャ「エレン どうして外に出たいんだ?」


    エレン「外の世界がどうなってるのか 何も知らずに一生壁の中で過ごすなんて嫌だ!!」


    カルラは心配そうにエレンを見つめるが、グリシャの表情は変わらない


    エレン「それに…」

    エレン「ここで誰も続く人がいなかったら 今までに死んだ人達の命が無駄になる!」


    グリシャ「…」


    グリシャ「…そうか…」

    グリシャ「船の時間だ そろそろ行くよ」ガタッ


    カルラ「ちょっと…あなた!」

    カルラ「エレンを説得して!!」


    グリシャ「カルラ…」ガチャ

    グリシャは玄関を開けながら答えた

    グリシャ「人間の探究心とは誰かに言われて抑えられるものではないよ」

    エレン「!!」



    グリシャ「………エレン」

    グリシャ「帰ったら…ずっと秘密にしていた地下室を…見せてやろう」


    エレン「ほ…本当に!?」


    そう言ってグリシャは家を出た

    見送りが終わるとカルラは話の続きを始めた


    カルラ「…エレン」


    エレン「…なに?」


    カルラ「駄目だからね 調査兵団なんてバカなマネ___エレン「は!?バカだって…!?」


    エレンは食い気味に反論した


    エレン「オレには…家畜でも平気でいられる人間の方がよっぽどマヌケに見えるね!」


    カルラ「………!!…エレン」


    ミカサは心配そうな顔でカルラとエレンを見つめる


    カルラ「ミカサ」

    カルラ「あの子は運動はできるけどだいぶ危なっかしいから…困った時は二人で助け合うんだよ」


    ミカサ「うん!」コクッ
  7. 17 : : 2020/06/08(月) 22:06:39
    ーーーーーー

    ーーーーー

    ーーーー

    ーーー

    ーー


    悪ガキ「どうした異端者 悔しかったら殴り返してみろよ」


    路地裏で金髪の少年が複数の悪ガキに虐められている


    金髪の少年「そ…そんなことするもんか!それじゃお前らと同レベルだ!!」

    悪ガキ「なんだと!?」

    金髪の少年「僕が言ったことを正しいと認めているから…言い返せなくて殴ることしか出来ないんだろ?」

    金髪の少年「そ…それは!僕に降参したってことじゃないのか!?」

    悪ガキ「う……うるせえぞ屁理屈野郎!!」


    悪ガキが金髪の少年の胸ぐらを掴んだ時、それを制止する声が聞こえた


    「やめろ!!」


    「何やってんだお前ら!!」


    悪ガキ「エ…エレンだ…!!逃げろ!!」ウワアアアアア

    エレン「」スタタタ
    ミカサ「」スタタ


    悪ガキ「だ…駄目だミカサもいるぞ!!」ワアアア


    エレン「くそっ逃げやがって」

    ミカサ「」


    エレン「オイ!大丈夫かアルミン?」

    アルミン「!!」


    アルミンは差し伸べられた手を素直に掴めなかった


    アルミン「ひ…一人で立てるよ」

    エレン「ん?そうか…?」
  8. 18 : : 2020/06/08(月) 22:33:50

    ーーーーー

    ーーーー

    ーーー

    ーー

    「__それで人類はいずれ」


    「外の世界に行くべきだって言ったら」




    アルミン「殴られた 異端だって」グスン


    エレン「くっそー外に出たいってだけで何で白い目で見られるんだ」


    アルミン「そりゃ…壁の中にいるだけで100年ずっと平和だったからだ」

    アルミン「下手に外に出ようとしてヤツらを壁の中に招くようなことが起きないように」

    アルミン「王政府の方針として外の世界に興味を持つこと自体タブーにしたんだ」


    エレン「つまり王様ビビリすぎっつーだけの話だ!」


    アルミン「…そうなんだよ でも本当にそれだけの理由なんだろうか?」


    エレン「自分の命を懸けるんだ オレらの勝手だろ!」


    ミカサ「絶対 駄目」


    エレン「…」


    ミカサ「…駄目」


    エレン「そーいやお前よくも親にバラしたな!!」

    アルミン「え!?」

    ミカサ「協力した覚えは ない」


    アルミン「で…どうだった…」


    エレン「そりゃあ 喜ばれはしない…」


    アルミン「…そりゃそうだよ…」

    エレン「なっなんだよオマエもやめろって言うのか!?」

    アルミン「だって…危険だし… 気持ちはわかるけど」


    アルミン「確かにこの壁の中は未来永劫安全だと信じきってる人はどうかと思うよ」

    アルミン「100年壁が壊されなかったからといって」

    アルミン「今日壊されない保証なんかどこにもないのに…」
    ドオオオオオ!!!!

    ビリビリビリビリ

    アルミンがそう言い終わった瞬間、今まで聞いたこともないような轟音が響き渡った


    「!!?」

    エレン「は……!?」


    エレン「な…何だ!? 地震ってやつか!?」


    通りにいる人が何やらひとつの方向を見ている


    アルミン「…え?」

    エレン「行ってみよう!!」


    カランカランカランカラン


    風見鶏を模した看板が不気味に音を立てる
    エレンとミカサはそれに少し気を取られ足をとめた


    アルミン「」タッタッタッ


    エレン「アルミン一体何が…!?」

    アルミン「」


    アルミンは一足先に通りに出ていき、そしてみるみる顔色が変わった


    エレン「オ…オイ…何が見えるってんだよ!?」


    慌ててエレンとミカサも通りに出る


    見えるのはいつもの壁…に立ちのぼる煙

    そして






    ドクン

    ………………!?

    ドクン

    アルミン「そんな…!!」

    ドクン

    アルミン「あ…あの壁は…ご…50m…だぞ……」

    ドクン

    壁の奥から巨影が起き上がる

    ドクン

    エレン「…あ……」

    ドクン

    エレン「………ヤツだ……」

    ドクン




    「巨人だ」





    壁から顔をのぞかせたその巨人は


    壁の出入口である門を蹴破った


    そこから無数の巨人が入ってくるのは言うまでもない







    ーーーーーーーーーー





    その日 人類は思い出した




    ヤツらに 支配されていた恐怖を…




    鳥籠の中に 囚われていた屈辱を……





  9. 19 : : 2020/06/08(月) 23:28:23
    応援してるで
  10. 20 : : 2020/06/09(火) 22:24:38

    ーーーーー

    ーーーー

    ーーー

    ーー


    「周知の通り今から107年前」


    「我々以外の人類は…皆」



    「巨人に食い殺された」



    「その後我々の先祖は巨人の超えられない強固な『壁』を築くことによって」


    「巨人の存在しない安全な領域を確保することに成功したが…」


    「それも5年前までの話」


    「諸君らの中にはその場に居合わせた者も少なくないだろう」


    「5年前 再び惨劇は起きた」


    ーーーーー

    ーーーー

    ーーー

    ーー


    時は戻り巨人が壁から顔を出した時ーーーー


    アルミン「あ……ありえない」

    アルミン「巨人は最大でも15mのはず…!50mの壁から頭を出すなんて__」

    エレン「動くぞ!!」


    巨人はゆっくり足を振り上げ__



    壁の出入りを可能にする門を蹴破った



    ドッゴォォォォォォオ


    3人は轟音に思わず耳を塞ぐ


    オオォォォォォ


    エレン「…ッ!!?」


    エレンが見たのは、地響きとともに飛び散る巨岩の雨だった


    飛んできた岩は隕石のように町に降り注ぐ


    そして__その巨人は消えたように居なくなった


    事態を呑み込めない中、エレンが口を開く


    エレン「……あ……」


    アルミン「……」

    エレン「か…壁に……」

    ミカサ「…!!」

    エレン「穴を空けられた…!?」



    「ひッ…!!」


    ワアアァァァァァァアアア

    ザアアアアアアアアァァァァァ


    誰かの叫び声とともに、堰を切ったように逃げ惑う人々


    アルミン「逃げるぞ2人とも!」
    アルミン「早くしないと次々と巨人が入ってくる!!」


    しかしその呼び掛けとともにアルミンが走り出そうとした方向とは真逆にエレンは走り出した


    アルミン「!?」


    アルミン、ミカサ「エレン!?」


    エレン「壁の破片が飛んでった先に家が!!」タッタッタッ
    エレン「母さんが!!」タッタッ


    ミカサ「!!」ダッ


    それを聞いてミカサも走り出す


    アルミン「ミカサ!!」


    アルミン「……!……!」ハアッハアッ


    すぐに追いかけようとするアルミンだったが、体が動かない


    アルミン「…!!」ブルブル


    自分の手を見ると震えているのが見てとれた


    アルミン「うぅ……!!」ハアッハアッ


    アルミン「もう…駄目なんだ…この街は…もう…」

    アルミン「無数の巨人に占領される!!」
  11. 21 : : 2020/06/09(火) 22:58:31

    ーーーー

    ーーー

    ーー


    街は大混乱


    逃げ惑う人々と逆方向に走るエレンとミカサ


    エレン(家に当たってるわけがない)


    走りながら、巨岩に上半身を潰された男性を家族が囲っているのが見える


    エレン(……!!)


    エレン(とっくに逃げたに決まってる…)


    エレン(あの角を曲がれば……いつもの家が…)


    エレン「__…クソッ!!」(いつもの…)


    エレンの願いは届かず、目に飛び込んできたのは岩に潰された家__


    エレン「母さん!!」ダッ


    瓦礫をかき分けカルラを探す


    エレン「母さん…?」ガラッ


    カルラ「」ピクッ


    カルラ「…エレンかい?」


    母は避難していると思い込みたかったエレンだが、実際に瓦礫に潰されている母を見て現実を突きつけられる


    エレン「ミカサ!母さんを引っ張り出してくれ!!俺が柱をどかす!!」ギイッ


    エレン「せーの!!」ググググ


    ウォォォォ
    ズシン


    雄叫びと地鳴りが聞こえる


    ミカサ「………………」


    街には既に巨人が侵入しているのだ


    初めて見る巨人の姿に、ミカサは立ちすくんでしまう


    エレン「ミカサ急げ!!」


    ミカサ「わかってる」


    ミカサはカルラを引っ張り上げ、半分おぶった


    カルラ「きょ…巨人が…入ってきたんだろ?」


    カルラ「エレン!!ミカサを連れて逃げなさい!!」


    エレン「!!逃げたいよオレも!!早く!!一緒に逃げよう!!」


    カルラ「母さんの足は瓦礫に潰されて走れない…わかるだろ?」


    エレン「オレが担いで走るよ!!」


    カルラ「…!!」


    カルラ「どうしていつも__!?」
    エレン「よしっ」ヒョイ


    エレン「ミカサ!逃げるぞ!!」


    ミカサ「」コクッ


    ズシン ズシン


    巨人の足音が近づいてくる


    カルラ「エレン!!いくらあんたでも母さんをおぶって巨人から逃げ切れるわけないよ!!」

    カルラ「母さんはいいから!ミカサと逃げなさい!!」


    エレン「俺を舐めんなよ母さん!!絶対に一緒に逃げる!!」


    エレンはカルラを担いで走った


    全速力のミカサにも離されずにひたすら走った


    カルラ「エレン…いつからそんなに強くなったんだい」


    エレン「さあ…」


    正面からハンネスが走ってきた


    ハンネス「大丈夫かエレン!!ミカサ!!カルラ!!」


    エレン「母さんが足を怪我してる!!」


    ハンネス「分かった!!残念だが内地の安全なところに行くまで適切な治療は受けれねえ!!」

    ハンネス「今はとにかく避難することだけを考えろ!!巨人共は俺たち兵士が何とかする!!」


    カルラ「待って!!戦ってはダメ!!」


    ハンネス「……!?」


    カルラ「今こうして逃げられてるんだから!!戦っても命を無駄にするだけよ!」


    ハンネス「見くびってもらっちゃ困るぜカルラ!!」


    ハンネス「オレはこの巨人をぶっ殺してきっちり3人とも助ける!恩人の家族を救ってようやく恩返しを__」

    ハンネス「!!」


    ハンネスは闘争心に溢れていた

    恩人を追いかける巨人を倒し、3人を確実に助けるつもりだった

    しかし巨人の瞳を見た瞬間


    その気持ちはどこかへ消えた


    ハンネス(オレは…)


    ハンネス「エレン!俺は周りの巨人が居ない方に誘導する!!絶対に逃げ切るぞ!!」


    エレン「わかった!!」


    ーーーーー

    ーーーー

    ーーー

    ーー

  12. 22 : : 2020/06/10(水) 04:53:36
    久々の面白作。いいね!頑張って!
  13. 23 : : 2020/06/15(月) 16:31:21
    よい作品かと。
    エレチーは荒らしが多いから最近書く人が少しずつ減ってたので、
    こう言った良作を書いて頂けるのはとても有難い。支援しましょうぞ。
  14. 24 : : 2020/06/16(火) 06:15:48


    ドォォォォォォォ


    「この便はもう満員だ!!出航する!!!」


    飛び交う怒号

    不測の事態を前に、民衆は混乱していた

    内地への連絡船も大混雑

    また、エレン達の街があるシガンシナ区

    ここは人類の領域を大きく囲む3つの壁のうち、1番外側の壁、ウォール・マリアからさらに突出した場所にある

    これは巨人が人間の多いところに集まる習性を利用して、街全体を「的」とすることによって

    壁を警備するコストを抑え、兵力を集約するためのものであった

    今巨人が入ってきたのはこのシガンシナ区

    そしてウォール・マリアとその内側、トロスト区を結ぶ門では、命の選択が行われていた



    「これ以上は危険だ閉門しろ!!」

    「何言ってんだまだ中に大勢の人が残ってるんだぞ!!」

    「この門が破られたら街一つが巨人に占領されたどころの話じゃない!!次の壁まで人類の活動領域が後退するんだぞ!!」

    「目の前の人間を見殺しにする理由はない!!」


    ズンズン

    「閉門しろ!!」

    「急げ!!」

    ズンズン

    「巨人が門に突っ込んでくるぞ!!」

    ズンズン

    「阻止しろ!!」

    「!!なんだこいつ!?武器が効かない__」

    ドゴォ!!

    ズガガガガガガ

    トロスト区とシガンシナ区を繋ぐ門に猛スピードで突進してきた巨人によって

    凄まじい轟音と共に門は破壊された

    ドォォォォォォォォォォォオオオオ


    「扉が…!!」

    「ウォール・マリアが……!!突破された…!?」

    「おしまいだ…」

    「また…人類は…」

    「巨人に食い尽くされる…」


    その様子を見ていた民衆も絶望の色を浮かべる

    エレンもその1人だった
  15. 25 : : 2020/06/23(火) 21:38:47
    受験生なので休止させていただきます。合格したら戻ってきます。その時はまた思い出してください。では。

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