世界はオレに『独り』を突き付けてきた。


産んでくれた両親を早くに亡くし、育ててくれた両親も中3終わりぐらいに亡くなった。

幸いなことに、決まっていた高校には寮があり住む家には困らなかったが、生活費を稼ぐためにバイトを始めた。

ぶっちゃけ保険金は入ってきていたが、早く自立したかった。

誰の手も借りず、一人で生きていくために。


…気のせいかもしれないが…
オレが『仲のいい友だちだ』と思った奴ほど、
オレの元を離れていった。

転校、、入院、、最悪の場合、死別。


オレは痛感した。
オレは周りに不幸をもたらすと。
オレは『独り』で生きていかなければならないと。


だから、当たり障りのない会話以外せず、『独り』で生きてきた。

それを繰り返しているうちに、食事の味も、移り変わる季節の色も、笑うことさえわからなくなっていた。
その事にすら気付けなかった。



そんなある日。

オレはキミと出会った。
一目見た時から惹かれていた。
だからこそ、遠ざかろうとした。


…なのに…


「どうしてあたしの顔見ると逃げるんですか?」
キミはそんなオレに近付いてきてくれた。

「そんな事があったんだね…。」
わかろうとしてくれた。

「キミのせいじゃないよ。」
知らず知らずに背負っていた罪の意識に気付き…


「よくがんばってきたね。
『独り』で辛かったね。
これからは『独り』じゃないからね。」

涙を流しながらそう言って、オレを許し、優しく抱きしめてくれた。
初めて泣いた気がした。
その涙が、オレの『独りの世界』を流していった。


キミとの食事は美味しく感じる。
キミと過ごす季節の色はとても色鮮やかだ。
キミと居ると心の底から笑顔があふれ出す。


あぁ、、オレ、生きていくよ。

【貴方といると世界が輝く】

だから、これからもずっと…一緒に居て下さい。