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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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ブチャラティ「ハンター試験…?」

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  1. 1 : : 2018/06/21(木) 18:51:03
    僕らにはいつか死ぬという変えられない運命があり、その意味において運命の奴隷だ。しかし、奴隷には二通りいる。どうせ結果は同じと何もしない『眠れる奴隷』と、たとえ運命が決定されていても、そこに至るプロセスを意味あるものにしようと立ち上がる“目覚めた奴隷”とだ。僕は後者でありたい。

    という訳で、突発的に自分の好きな二作品クロスSS投稿

    [WARNING]
    ・キャラ崩壊、チートをはじめとした原作捏造
    ・会話と心の声と擬音のみ
    ・ギャグ要素なし
    ・ご都合主義展開
    ・ハンター試験とジョジョ5部、両方知っている人へ向けての書き方

    長々と語ったがチラ裏進行ってことです。それでもいい人はどうぞ

    ↓タイトルから続きます
  2. 2 : : 2018/06/21(木) 18:53:09
    ──カプリ島──

    ブチャ「何です、それは?それとボスの娘との護衛に一体なんの関係が?」

    ペリーコロ「応募者の90%以上が会場に着くまでに脱落すると言われている超難関の試験じゃよ。ボスはあえてこの試験におまえたちを参加させることで裏切り者から娘を守ろうと言うのじゃ…」

    ブチャ「護衛の期間は?」

    ペリー「一週間!もっと短いかもしれんし、長いかもしれん……。ハンター試験はその年によって試験官が変わる…内容も期間も参加してみなければわからんのだ…」

    ブチャ「『 ボスはあえてこの試験にオレたちを参加させる』…とおっしゃいましたね……。…という事は……」

    ペリー「『 会場は調査済み』!これが地図じゃ…。応募も既にしてあるから、すぐにこの島を出て試験に参加しろ…」

    ブチャ「……」

    ペリー「娘が君のところにいるのは『 ボス』と『 わし』しか知らない」

    護衛チ「…………」
  3. 3 : : 2018/06/21(木) 18:54:02
    ジョルノ(幹部になったブチャラティに早速与えられた任務はボスの娘を護衛せよ、というものだ)

    ジョルノ(彼女を守り続ければブチャラティはボスから信頼を受け取ることができるだろう…。だが失敗すれば──それは「死」だ)
  4. 4 : : 2018/06/21(木) 18:55:41
    ─ザバン市──

    ブチャ「地図によるとココが試験会場のようだな」

    ミスタ「会場!?ココがかあ?」

    フーゴ「どう見てもただの定食屋ですね」 

    ナランチャ「でもいい匂いするよなァ。オレ腹減ったから会場じゃなくても入るのは賛成だぜーーッ!」

    ブチャ「よし、行くぞ」バーン

    店主「いらっしぇーい!!御注文はーー?」

    ナラ「ピッツァマルゲリータが食べてーなァ!」

    店主「ウチにそんな物ないよ。それにお客さん7名?あいにく今は満席だ。よそへ行きな」

    ナラ「あぁ?それが客に物言う態度かよ?」

    ブチャ「やめろナランチャ!………また来よう」
  5. 5 : : 2018/06/21(木) 18:57:31
    ──ザバン市 定食屋付近──

    ナラ「また、なんて言わないであんな店やめよーぜッ!」プンスカ

    フーゴ「いいですかナランチャ。僕達は食事しに来たわけじゃあないんですよ。ハンター試験を受けに来たんです」

    ナラ「あ!……いや、ちゃあんと覚えてるぜェーーーッ!!だけどよォ、あそこ以外にも会場に行く方法があるかもしれねーだろ?」

    ジョルノ「それは無いです」

    アバッキオ「下っぱのおまえの意見なんぞ誰も聞いちゃあいねーぞ!それに何故言いきれるんだ?もしかしたら何処かに別の入口があるかもしれねーじゃあねーかッ!勝手な事言ってんじゃあねーぞ」

    ジョルノ「ブチャラティが入った時、あの店主は『注文』を聞いた。普通は最初に『人数』を聞くはず。しかも店内は満席だった…。つまり会場に行くには注文のルールがあるッ!」

    ミスタ「そいつはありえるかもな。それに出てからずっと店を見てたけどよォ、オレたちが出た後に誰も出ていないにも関わらず、入ってって戻らねーヤツがいるぜーー!」

    ブチャ「よしッ!もう一度行くぞ!」
  6. 6 : : 2018/06/21(木) 18:59:31
    ──定食屋入口──

    店主「何だ、また来たのか。注文は?」

    ブチャ「悪いが少し待ってくれ。…客は全員席についているな。アバッキオ」

    アバ「…わかったよ。ムーディーブルース!一つ前に来た客が店に入るところから『再生』するッ!」

    フーゴ「一つ前の客は長髪の男性ですね。あ、店主の方を見ましたよ」

    ?(ムーディーブルース)「ステーキ定食…………弱火でじっくり」

    アバ「…注文の後に奥へ入っていったな」

    ブチャ「よし、念の為そこで停止しておけ。とりあえず注文が先だッ!シェフ!」

    店主「注文は決まったのか?」

    ブチャ「ステーキ定食」

    店主「焼き方は?」ピクッ

    ブチャ「弱火でじっくり」

    店主「ふん…7名様ご案内しな!」

    看板娘「お客さん奥の部屋どうぞー」

    トリッシュ「待って。サラダも持ってきて」

    店主「…あいよ!」
  7. 7 : : 2018/06/21(木) 19:03:14
    ──定食屋 奥の部屋──

    ジョルノ(部屋に入ると既に注文した物が置いてあった。僕達は席につき、食事を始めたのだが……この部屋。ただの部屋ではなさそうだ…)

    ナラ「味はまあまあだけど金払ってねーよな……ってことはタダ?だったらすげー店だなあーー!」パクパク

    ミスタ「誰か!この4つ余ったステーキ食べてくれっ!4つのものから1つ選ぶってのは縁起が悪いんだぜーーッ!!」

    フーゴ「切り分ければ?」パクパク

    トリ(このサラダ……程よい酸味で美味しいわ)

    ブチャ「この感覚は……まさかエレベーターのように部屋自体が下がっていってるのか?」

    ジョルノ「おそらく。入口の上に表示されている数字が変わっていっていますから」

    アバ「ブチャラティ。停止したままのムーディーブルースはどうする?」

    ブチャ「そうだな。会場に向かっているとは思うが断定はできない。倍速で再生してみてくれ」

    アバ「わかった。ムーディーブルース!」

    ジョルノ(ムーディーブルースが再生を始めた……あの長髪の男は入口の前で扉に背を向けたまま突っ立っている)

    ?(ムーディーブルース)「あ、そうだ。キルにバレると面倒だから変装でもしとこ。これけっこうツラいんだけどな」

    一同「!!?」

    ジョルノ「こ、これは……ッ!!」
  8. 8 : : 2018/06/21(木) 19:09:54
    ──地下──

    ビーンズ「番号札をどうぞ」

    ブチャ(302番)「ああ」

    トリ(303番)「ねえ。コレつけなくてもいいかしら?」

    ビーンズ「お任せしますが、それは試験に参加する証。無くさないようにしてくださいね」

    ナラ(304番)「オレも付けなくていいかな〜」

    ミスタ(305番)「オレも避けられんならそうしたいぜ」 

    ブチャ「オレたちはつけておいた方がいいだろう……この中に裏切り者が紛れているとも限らないからな。できるだけ目立つのは避けたい」

    アバ(306番)「胸につけんのか」

    ブチャ「周りはそうしているようだ。合わせた方がいいだろう」

    ナラ「よかったなフーゴ!お前の服って穴だらけだけど、胸の部分はちゃんと布があっデエエエエエ!!」ブシュー

    フーゴ(307番)「このド腐れがァーーーーッ!!テメーの服のこと考えて発言しやがれーーッ!!」グサグサ

    ブチャ「お前らッ!!もうオレの言葉を忘れたのかッ!!」

    受験者「ざわ……ざわ……」

    ?(グループで仲良くお受験かと思ったら突然味方をフォークで刺したぞ!?しかもあのフォークは…あのフォークはステーキを食べるのに使われていたフォークだ!!何で持ってきたんだ!?とにかく普通じゃねえ!アイツらにもジュースを渡すのはやめておこう……)

    ?(♢)

    ?(ふーん、団体受験のやつもいるんだ。あんま強くなさそう)

    ?「…」カタカタカタカタカタ

    ジョルノ(308番)「…無駄」ボソッ
  9. 9 : : 2018/06/21(木) 19:19:26
    ジリリリリリリリリリリ

    アバ「始まんのか?随分待たされたな。おれたちが来た時より大分人が増えた」

    ミスタ「お、罰として受験者の偵察に行ってた二人が帰ってきたぜ」

    ナラ「ブチャラティー!言われたとおり見てきたぜ!受験者は403番のノッポ、404番の金髪、405番のガキの三人組で最後だったぜ!」

    ブチャ「裏切り者がいるとしたら398人の中か…思った以上に人がいるな」

    アバ「途中で悲鳴が上がったろ。そいつは棄権したんじゃあねーのか?」

    フーゴ「それは僕が見てきました。アバッキオの言う通り、彼は両腕を切り落とされて棄権しました」

    ブチャ「やった奴は裏切り者ではないだろうな。わざわざ目立つ必要が無い。だが警戒しておいたほうがいいだろう。何番だ?」 

    フーゴ「44番。名前はヒソカ。トランプのマークがプリントしてある服を着た奴ですよ。他の人が話していた情報を小耳に挟みましたが、去年合格確実と言われながら気に入らない試験官を半殺しにして失格になったそうです。さらに試験官の他に20人の受験生も再起不能にしたとか」
  10. 10 : : 2018/06/21(木) 19:20:53
    ミスタ「44〜?404でも嫌だが44なんて最低な数字じゃねーかッ!そいつに関わるとろくな事にならないぜ!」

    ブチャ「……全員、可能な限りソイツとは接触するな。あと301番もだ」

    ナラ「301?」

    アバ「ムーディーブルースが再生した黒髪針野郎の事だろうよ」

    ナラ「げえっ!思い出させんなよなあーー!アイツのせいで気持ち悪くてステーキ全部食べれなかったんだぜッ!!」オエー

    ブチャ「この試験……301のようなスタンド使いが他にもいる可能性がある。全員気を引き締めてかかれよッ!」
  11. 11 : : 2018/06/21(木) 19:34:54
    ?「ではこれよりハンター試験を開始いたします」

    ?「さて一応確認いたしますがハンター試験は大変厳しいものもあり、運が悪かったり実力が乏しかったりするとケガしたり死んだりします。先程のように受験生同士の争いで再起不能になる場合も多々ございます」

    ?「それでも構わない──という方のみついてきてください」
  12. 12 : : 2018/06/21(木) 19:36:23
    ジョルノ(ハンター試験。これを受けたのは…ボスが娘を守るためだと言っていたからだ。だが死ぬ可能性がある試験だと…?そんな試験で護衛が務まると信頼される程に、僕達はボスに近づいていると言うのか?)

    ?「承知しました。第一次試験404名、全員参加ですね」ススス

    アバ「やはりこれ以上は減らねえか」ザッ

    ミスタ「一応、選ばれた10%だからな」ザッザッ

    ナラ「なあなあ〜。なんか歩くペース早くなってねーかァ?」ザッザッザッ

    フーゴ「前の方が走り出したようだ!」ダッ

    サトツ「申し遅れましたが私、一次試験担当官のサトツと申します。これより皆様を二次試験会場へ案内いたします。二次試験会場まで私について来ること──これが一次試験でございます」
  13. 13 : : 2018/06/21(木) 19:38:54
    ミスタ「ずいぶん変わった試験だな」

    ナラ「でもよォ、ペーパーテストなんかと比べたら楽チンだよな〜〜っ。これならオレでも合格できそう!」

    フーゴ「僕達の目的は合格することじゃあないですよ」

    ナランチャ「そうだけどさー、ついでに受かったら得だろ!」

    フーゴ「そういえば…ヒソカ以外にもいくつか情報を仕入れたんですが、その中にハンター証の話があって……(詳しくは省略)。売ったら一生遊んで暮らせるほどの価値があるみたいです」

    ミスタ「おいおいマジかよ!その話が本当なら受かっちまえばもう働く必要ねーな〜〜!」

    フーゴ「まさかミスタ、受かったら足を洗う気で?」

    ミスタ「さあなーー…でも遊べんだったら遊んでた方が楽だぜ」

    ナラ「なに言ってんだよ!そんな金が入ったら組織に金入れて一気に大幹部昇進だぜ!!でもブチャラティが上の方がいいから、まずはブチャラティに渡して」ペチャクチャ
  14. 14 : : 2018/06/21(木) 19:41:05
    ブチャ「トリッシュ…大丈夫か?」

    トリ「やめたくてもやめられないんでしょう?最初から答えは決まっているじゃない」

    サトツ「なお場所や到着時刻はお教えできません。ただ私について来ていただきます」

    ブチャ「試験官もああ言っている……どのくらい走らされるか分からない。もし疲れたならすぐに言ってくれ」

    トリ「…………」
  15. 15 : : 2018/06/21(木) 19:43:16
    ナラ「…もう4時間くらい走ったよな…?まだつかねーのかよ……」ハアハア

    アバ「まだ3時間くらいだろ…。ナランチャは前半に喋りすぎだ……」ハア

    ジョルノ「この試験……持久力だけでなくどこまで走ればいいか分からない事により心理負荷がかかる……精神力も試されているみたいです」ハア

    ミスタ「…それをもっと早く言えよ。言われたところでどおーしよーもなかったけどよおー……」ハア

    ジョルノ(……甘く見ていた……っ!これでは死ぬ可能性などの前にまず一次試験すら受からないかもしれない。それにトリッシュは既に一時間ほど前からブチャラティに背負われている。このまま走っていては確実に全員が体力切れを起こすだろう)

    ジョルノ「……ブチャラティ」

    ブチャ「…オレもそうしようと思っていた所だ。目立つ事はしたくないが……仕方ない!全員、少しずつペースを落とせ!」
  16. 16 : : 2018/06/21(木) 19:45:14
    ブチャ「いいか…わざと追い抜かせるんだ……。あまりオレから離れずにな…」

    ナラ「何でだよォーー?さっきまで試験官が見える位置にいたのに、もう見えなくなっちまったぜェーーっ!それに…どんどん他の奴らに追い抜かされていくッ!」

    ブチャ「ナランチャ。本当はもう走る必要は無い」

    ナラ「じゃあ止まれって言うのかよーっ!?」

    ブチャ「いや、違うな。オレ達は『止まる』のではなく『待つ』!」
  17. 17 : : 2018/06/21(木) 19:46:02
    403「絶対ハンターになったるんじゃーーーーー!!くそったらァ〜〜〜!!」ドドド

    ジョルノ(403……確かナランチャが言っていた最後に来た3人組の1人だったな。彼の後ろに子供が二人いるが金髪はいない。…4人組だったのか?)

    ブチャ(この男には、やると言ったらやる……『スゴ味』があるッ!後ろにいた少年二人も後ろを向いた…今だッ!)

    ブチャ「スティッキーフィンガーズ!!403番の背中にジッパーをつけた!フーゴ、トリッシュ!早く中へ入れッ!」
  18. 18 : : 2018/06/21(木) 19:47:22
    ──80km通過地点──

    ニコル「……はぁ……はぁ……」コヒュー

    アモリ「ハンター試験はじまって以来の落ちこぼれだよオマエ」

    ウモリ「才能ねーんだよバーーカ!!」

    イモリ「二度と来んなクズ野郎!!」

    ?「クズはお前の方だ」

    イモリ「!?誰だ!」バッ

    イモリ「……誰も…いない?」

    アモリ「どうしたイモリ」

    イモリ「兄ちゃん。今オレにクズって言う声が聴こえたんだ」

    アモリ「幻聴じゃないか?誰もいねえぞ」

    イモリ「でも確かに聞こえて…」

    トンパ「おい三兄弟。ありがとよ、上出来だ」

    ウモリ「おう」

    トンパ(あともう1人頼みたかったんだが姿が見えねえな。おかっぱ頭した男だったが……。まあ1人くらいならいいさ。まだまだ新人を潰す機会はある)
  19. 19 : : 2018/06/21(木) 19:49:22
    ──二次試験会場 ビスカ森林公園──

    サトツ「みなさんお疲れ様です。無事、湿原を抜けました。ここビスカ森林公園が二次試験会場となります」

    サトツ「それじゃ私はこれで。健闘をいのります」

    アモリ「今年は試験の内容が初っ端からハードだったが意外と残ってるな」

    ウモリ「ああ。新人もチラホラいる。そういやイモリ。お前幻聴がどうのっていうのは大丈夫なのか?」

    イモリ「え、うん。よく覚えてたねウモリ兄ちゃん」

    ウモリ「まあな。今聞こえないってことは疲労が原因じゃなかったな」

    アモリ「地下が暗くて怖かったんじゃねえか?」

    イモリ「子供じゃないんだから違うよ!」

    ウモリ「いや、お前はオレ達にとっちゃまだまだ子供だぜ」ハハハ

    アモリ「そうだな」ハハハ

    イモリ「……〜っ!」

    アモリ「おーい、どこ行くんだイモリ。小便か?」ハハハ

    ウモリ「思い出してチビったのか?」ハハハ

    イモリ「違う!散歩だよ散歩!」スタスタ
  20. 20 : : 2018/06/21(木) 19:52:00
    ブチャ(クズでも身体能力はいい奴だった。都合よく周りから離れてくれたので目立つことなく脱出できたが……。他の奴らも出してやらなければいけないな……ん、あれは…)

    ブチャ「君、酷い怪我だが大丈夫かい?」

    403「……」

    ブチャ(返事がない……が!息はしている。気を失っているみたいだな)

    ブチャ「それなら都合がいい……っ!スティッキーフィンガーズ!」アリッ

    フーゴ「ブチャラティ!待っていました。さあトリッシュも外へ…」

    トリ「酷い目にあったわ……ここは?」

    ブチャ「二次試験会場だ。まだ他の仲間を出していない。フーゴ、手伝ってくれ。トリッシュは…とりあえず着いてきてくれないか?」
  21. 21 : : 2018/06/21(木) 19:53:34
    トリ「私も手伝うわ」

    ブチャ「何?」

    トリ「この試験……受身である者は枷になる。急にまきこまれた事ではあるけれど…ただの足でまといになるのはゴメンよ」

    ブチャ「……君は護衛対象だ。勝手に動かれるのは困る」

    トリ「なんでもかんでも手を出そうっていう訳じゃあないわ。今みたいに人手が少ない時とか、あなた達だけには任せておけない時だけよ」

    ブチャ「……わかった。グラッツェ、トリッシュ。…行くぞ」

    フーゴ「待ってください。その前に一発」ドゴオ

    ブチャ「?何故403番の顔を殴ったんだ?元々腫れていたが悪化したぞ…」

    フーゴ「少し乗り心地が悪かったもので。さあ行きましょう」スタスタ
  22. 22 : : 2018/06/21(木) 19:56:17
    ──二次試験会場前──

    ブチャ「よし、これで全員揃ったな」

    ミスタ「で、まだ試験は始まんねーのか」

    ブチャ「試験は12時からだ。たぶん、もうすぐ始まるだろう」

    アバ「だいぶ受験者が減ったな。半分以下か?」

    ブチャ「人を騙す珍獣がいる湿原を通ってきたんだ…そいつらにやられんだろう」

    フーゴ「あとヒソカですよ。僕達が入っていた彼──レオリオはヒソカにやられかけたんです」

    ブチャ「何?」

    フーゴ「他にも多数の悲鳴が聞こえたので、彼が減らしたのは2、3人どころではないでしょうね」

    ミスタ「ほら見ろ。やっぱり44なんて数字はろくな事がねー」

    ブチャ「……。危険な目にあわせたようですまなかったな、トリッシュ」

    トリ「フーゴがいたから、そこまででもなかったわ」
  23. 23 : : 2018/06/21(木) 19:57:52
    ミスタ「おいフーゴ〜」ニヤニヤ

    フーゴ「なんだよその気味の悪い笑いは……」

    ミスタ「いや?随分とボスの娘に気に入られたもんだと思っただけだぜ〜。一体2人で何やってたのかなあーーなんてまったく!これっぽっちも!思ってないから安心しろよお〜」ニヤニヤ

    フーゴ「な!なんて事を言うんだッ!僕はただ彼女を護衛しようと……っ!」

    ミスタ「護衛しようと何したんだァーー?その続きに何かあるのかなあーー?」ニヤニヤ

    フーゴ「……」グギギギ

    ナラ「扉が開いていくぜーー!12時になったんだ!」

    ミスタ「お、二次試験開始か。また今度聞かせてくれよな、フーゴくん」ニヤニヤ

    フーゴ「……」ブルブル
  24. 24 : : 2018/06/21(木) 20:00:06
    ジョルノ(二次試験は大男ブハラと女性メンチによる料理試験。前半の課題は豚の丸焼き。これはミスタのセックス・ピストルズでクリアできたが……)

    ジョルノ&?「「明らかに彼(奴)の体積より食べた量の方が多い!!」」

    ジョルノ「君も同じ事を考えていたのか」

    ?「そういうお前も」

    レオリオ「いや二人ともそんなにマジで悩まれても…」

    ジョルノ「ん?君はたしか…さっきの試験ですごい気迫で走っていた人だったね」

    ?「騒々しかっただろうか。彼に代わり詫びよう」

    レオリオ「おい、なんで俺が悪い事したみたいになってんだ?」

    ジョルノ「その通りだよ。僕は彼に感謝しなければならないくらいだから…」

    ?「感謝?」

    ジョルノ「……彼の試験に受かろうとする強い意志に助けられた、とでも言うのかな」

    レオリオ「へへ、照れるじゃねーか。なんかお前、良い奴そうだな。俺はレオリオってんだ。お前は?」

    ジョルノ「ジョルノ・ジョバァーナ」

    クラピカ「…私だけ名乗らない訳にもいかないな。とは言ったが、私も君には爽やかな人物のような印象を受けるよ。私はクラピカだ。よろしくジョルノ」

    ジョルノ「よろしく。二人とも」
  25. 25 : : 2018/06/21(木) 20:02:30
    メンチ「二次試験後半。あたしのメニューはスシよ!!」

    レオリオ「スシ?」

    メンチ「ヒントをあげるわ!!中を見てごらんなさーーーい!!ここで料理を作るのよ!!最低限必要な道具と材料はそろえてあるしスシに不可欠なゴハンはこちらで用意してあげたわ」

    メンチ「そして最大のヒント!!スシはスシでもニギリズシしか認めないわよ!!それじゃスタートよ!!」
  26. 26 : : 2018/06/21(木) 20:03:50
    ジョルノ「……」スタスタ

    レオリオ「どこ行くんだよ。もしかしてスシを知ってるのか?!」

    周りの受験生(何!?)

    ジョルノ「……いえ。ただ彼女は最低限必要なものを揃えたと言った。だから他に何か材料がいるはずだよ。それが何かは分からないが、此処にいるよりもそれを探した方がいいと考えたんだ」

    クラピカ「確かに何かしらは必要だろう。だが道具を見て料理の形を想像することも大切ではないか?」

    ジョルノ「クラピカ……君の言うことも最もだ。それでも僕はまずは材料を集めたい」

    クラピカ「何故そこまで?」

    ジョルノ「深い理由はないさ。ただこの公園には豚以外に何があるかを見てきたい……それじゃあ、また」スタスタ
  27. 27 : : 2018/06/21(木) 20:07:08
    ──ビスカ森林公園──

    ミスタ「ジョルノはスシについて知ってるのか?」

    ジョルノ「写真で見た程度ですね」

    ナラ「なんだよ、それ位ならオレだってあるぜえ〜〜。なんたってキャプテン翼に出てくるツヨシの親父はスシ職人だったからな!!」

    フーゴ「僕は食べたことがあるが…酢を混ぜたご飯に色々乗せていた記憶しかないな」

    ナラ「エッ!?スシって魚だろォー?!」

    フーゴ「他にも肉とか野菜とか……魚が多いのは確かですが、魚に限定しなくてもいいと思いますよ」

    ミスタ「ならよォ…さっきジョルノが言った通り色んな材料を取ってくるかーー。その中でも一番美味しい奴でスシを作るのがベストだぜ!」
  28. 28 : : 2018/06/21(木) 20:09:19
    ジョルノ「ところでブチャラティ達は?」

    ミスタ「あの3人は会場の様子見…と、こっちに来たらトリッシュが危険だろ?だから向こうに残っている……そういうお前こそ403番を見に行ったんだろ。どうだった?」

    ジョルノ「少なくとも彼と404番はいい人です。殆ど警戒なく名乗ってくれましたし、裏切り者ではないとおもいます」

    ミスタ「お前、わざわざ1人で抜けたかと思えばそんな事を確かめに行ったのか?」

    ジョルノ「警戒対象は絞られていた方が護衛もしやすいでしょうから」

    ミスタ「…それもそうだな!じゃあさっさと具材集めを終わらせようぜ!4人での行動なんて縁起わりぃからな」
  29. 29 : : 2018/06/21(木) 20:11:04
    ──二次試験会場──

    ナラ「戻ったぜーーっ!!ってさっき大勢が公園に入っていったけどよォ、ホントにブチャラティ達以外、誰もいないんだなあ〜」

    アバ「チッ……403番がデカい声で魚がいるってのをバラしたんだよ」

    フーゴ「それなんですが…(かくかくしかじか)」

    ブチャ「なるほど。だからそんなに材料があるのか……しかしどれも奇妙な見た目だな…知っているものが1つもない」

    フーゴ「試験用に変わったやつしか住まわせてないんじゃあないですか?…とりあえず食べてみなくっちゃあわかりませんよ」

    ブチャ「そうだな。さっそく作ってみよう。オレは魚を捌くから、肉や卵はお前達がやってくれ」

    トリ「卵焼きは私がやるわ」

    フーゴ「……僕達のチームにとりわけ料理が得意な奴はいませんからね。そうしてくれると助かります」
  30. 30 : : 2018/06/21(木) 20:14:21
    ブチャ「いくつか作ったものの…味見して残ったのはこの3種類か……。適当に7皿持っていくとしよう」

    メンチ「あら、まだ他の受験生は戻っていないのに早いわね。知ってたの?」

    フーゴ「食べたことがあるんです」

    メンチ「へえ。まあ運も実力のうちっていうものね。さて、あなた達がどんな物を作ったか見せてちょうだい!」

    ブチャ「これがオレたちのスシだっ!!」ババーン

    メンチ「これは……魚と肉…それに卵ね?面白いじゃない!でも問題は味よ!」

    ブチャ「ああ。食べてみてくれ」

    メンチ「もちろん遠慮なく」パクッ

    メンチ「……」

    ブチャ「どうだ?」

    メンチ「悪くないわ。ゲテモノばかりで見た目は悪いけど、それも気にならないくらい味はいい……問題はシャリね。握りが甘くて食べている間に崩れるのよ」
  31. 31 : : 2018/06/21(木) 20:15:41
    メンチ「…店で出てきたら突き返すけれど…ココでそれを求めてもしょうがないものね。アンタら7人合格よ」

    ブチャ「……」ホッ

    ナラ「やっはは!ふははひー!」

    ブチャ「……まだ味見で変な草を食べた時の痺れはとれないのか?」

    ナラ「はいほーふ!はははひほんはいははいはは!」

    ブチャ「……そうか…」

    ミ&フ&アバ「……」プークスクス

    ナラ「はひ、ははっへんはほー?」

    ミスタ「何言ってんのかわかんねー!!!」ブハハハ

    ナラ「はんはほぉぉーー!ふははひーは、ははっへふほは?」ジー

    ブチャ「……オレか?ナランチャ、全員に伝えられないのは問題だ。痺れが治るまで休め」

    トリ(余った具材で軽いランチでも作ろうかしら)スタスタ

    ジョルノ「トリッシュ、手伝います」スタスタ

    メンチ(チームにしては一体感がないわねー。私の知ったことじゃないけど)
  32. 32 : : 2018/06/21(木) 20:22:05
    ──飛行船──

    ジョルノ(二次試験後半の合格者は僕達だけだった。ある受験生が作り方をバラした挙句スシまで侮辱したので審査が味だけになってしまったからだ。結局審査内容が不適当とのことで、別の試験が用意された)

    ジョルノ(僕達はその試験は免除されたが、当初のブチャラティの思惑から外れ、合格者の中でも目立つ存在になってしまった……もしかしたら最初から破綻していたかもしれない……。そして)

    レオリオ「なんだよジョルノ!お前スシ知ってたんじゃねーか!!教えろよ!!」

    ジョルノ「正確には知らなかったからさ。余計な混乱を与えない方がいいかと思って」

    レオリオ「それで合格したんだから言い訳にしか聞こえねーよ!」

    クラピカ「見苦しいぞレオリオ。結果的に私達も合格できたのだからいいだろう!」

    レオリオ「お前ってそういうキャラだったかー?」
  33. 33 : : 2018/06/21(木) 20:22:47
    クラピカ「いいか。ジョルノは形だけ知っていた。私は材料を知っていた。お互いに隠していたことがあったのだ」

    ジョルノ(魚である必要は無かったのだが誰も知らないようだし黙っておこう)

    レオリオ「だけどコイツ、たくさん仲間もいたんだぜ?」

    クラピカ「数は違うが私達もゴンとキルアの事を話していなかった。あの場で話すことでもなかったからな…。……レオリオ、お前の気持ちもわからなくはないがジョルノは私たちをだしぬこうとはしていない」

    レオリオ「……でも信用できねーぜ」
  34. 34 : : 2018/06/21(木) 20:26:10
    ?「おっと、仲間割れか?まだ試験が続くというのに余裕だね」

    クラピカ「トンパか……そういえば試験はいくつあるんだ?」

    トンパ「その年によって違うよ。だが大体平均して試験は5つか6つくらいだ」

    レオリオ「あと3つか4つくらいってことだな」

    トンパ「だが気をつけた方がいい。もしかしたらこの飛行船が三次試験会場かもしれない。とにかく次の試験を受かりたきゃ此処でも気を抜かない方がいいってことだ。じゃあな」

    レオリオ「……あいつも信じられないやつだが、完全に此処が安全とは言えねえからな」

    ジョルノ「それなら僕と仲間たちが見はりをやろう」
  35. 35 : : 2018/06/21(木) 20:28:50
    レオリオ「…今までの話聞いてたか?オレはお前を疑ってるんだぜ」

    ジョルノ「ああ。だけど僕は君達に疑われたままというのは避けたい。それに実を言えば、元々僕と仲間たちは交代で起きているつもりなんだ。だからもし君達を合格させないようにするなら、僕達の見張りを受けても受けなくても同じだと思わないかい?」

    ジョルノ「君たちが一晩中起きているつもりだと言うなら別の話だけど…」

    クラピカ「……この後の試験のためにも今は休みたい。その申し出、ありがたく受けよう」

    レオリオ「!?何言ってんだクラピカ!」

    クラピカ「嫌ならお前は1人で休めばいい。ジョルノ、お前達の仲間のところへ案内してくれ」
  36. 36 : : 2018/06/21(木) 20:30:54
    ジョルノ「すみません。今夜の護衛対象にこの二人も追加してくれませんか?」

    フーゴ「彼らは……」

    クラピカ「クラピカだ」

    レオリオ「……レオリオ」

    アバ「何でオメーが仕切ってんだあーー?ジョルノよォーー!」

    ミスタ「オレはいいぜー。1人も3人も変わんねえよ」

    アバ「問題はそこじゃあねーだろッ!こいつが連れてくるってのが問題なんだッ!!」

    ブチャ「待てアバッキオ。一方的だが403番には借りがある。オレはこの提案を受けるぞ」

    レオリオ「なんだぁ?アンタもオレの走る姿に〜とか言うのかよ」

    ブチャ「……まあ、そんなところだ。オレ達は君たちを歓迎しよう。オレはブチャラティだ」

    クラピカ「…青髪の彼はまだ納得いっていないようだが」

    アバ「アバッキオ。……あんたらが気に食わねー訳じゃあねえ。それにブチャラティが決めたんならそれに従うだけだ」

    ミスタ「オレはミスタ。よろしくな」

    ナラ「ナランチャ」

    トリ「トリッシュ」

    フーゴ「フーゴ。レオリオ、君その頬大丈夫かい?」

    レオリオ「ん、ああ。これでも腫れは引いた方だぜ」

    フーゴ「それはよかった」
  37. 37 : : 2018/06/21(木) 20:32:53
    クラピカ「失礼だが、あなた達はどういう集まりか聞いても?」

    ブチャ「すまないが…それには答えられない。……だが敵にならない限り君達に危害を与えるつもりはない」

    クラピカ「ハンターになろうとした理由は?」

    ブチャ「それも言えない。オレ達を信じられないかもしれないが、質問されても何も答えられない」

    クラピカ「…そうか。詮索して悪かったな」

    ブチャ「……はやく休むといいよ」

    レオリオ「言われなくともそうするぜ」

    クラピカ「よろしく頼む…」
  38. 38 : : 2018/06/21(木) 20:34:32
    ミスタ「随分と信用を失ったみてえだなあー」

    ジョルノ「僕は彼らに嘘をついた。その報いですよ」

    ブチャ「そういえば涙目のルカが言っていたな。友情の3つのUとは、嘘をつかない、うらまない、敬うだと。アイツの行動はそれに則っていたとは言えないが」

    ミスタ「この2人に危害なんて誰も与えねーから、少しは信用を取り戻せんじゃねえか〜〜?そう落ち込むなって!」
  39. 39 : : 2018/06/21(木) 20:36:14
    アバ「オレはお前をまだ信用してねーぜ」

    ブチャ「アバッキオ!」

    アバ「今回のことだって勝手にこいつがやったんだ。寝ずの番をするとかよォ、他人にペラペラいっちまいやがって!この分じゃどこで何言ってるかわかったもんじゃあねーぜ…!」

    ジョルノ「確かに軽率でした。すみません」

    ミスタ「けどよー、こいつがレオリオ達と話してくれたから一方的だったとはいえ借りを返せたわけだろ?それに敵じゃねーことが分かったんだ。結果オーライじゃねーか」

    アバ「やけに肩を持つなミスタ。ジョルノに何かいいもんでも貰ったか?」

    ミスタ「めんどくせーなァ〜〜。お前が一々ジョルノに突っかかるからだろーが」

    アバ「あ?オレがいつ突っかかったんだ?」

    ブチャ「二人ともうるさいぞ!最初の見張りは俺と誰だ?」

    ナラ「オレだぜー」

    ブチャ「他のやつは次の試験のために寝ろ!時間になったらこっちから起こす。それまでに起きても話すな!いいな!」

    アバ「……」チッ
  40. 40 : : 2018/06/21(木) 20:44:01
    クラピカ「レオリオ!……レオリオ!朝だ!起きろ!」

    レオリオ「ん、ああ?」

    ジョルノ「おはよう二人とも。……これで疑いが晴れるとは思っていない。だが、できればこれから前向きに付き合って欲しい」

    レオ&クラ「……」

    レオリオ「……は〜。何だそれ?疑いだとかなんだとか、そんなモンは寝たら忘れちまったなあー」ポリポリ

    ジョルノ「レオリオ…」

    クラピカ「レオリオの言う通りだ。これからもよろしく頼む」

    ジョルノ「………グラッツェ、二人とも」
  41. 41 : : 2018/06/21(木) 20:45:28
    ジョルノ「アバッキオ」

    アバ「なんだ」

    ジョルノ「昨夜はありがとうございました。あなたがクラピカとレオリオを護衛してくれたから、僕は二人とまた上手くやれそうです」

    アバ「ブチャラティがやると言ったからやったんだ。テメーが誰とよろしくするかなんて興味無え」

    ジョルノ「はい」

    アバ「だがオレ達のやるべき事に支障を与えるようなマネはすんじゃねえぞ!仲良しこよししに来てんじゃあねーんだからな!」

    ジョルノ「はい、わかりました」

    アバ「……チッ。言いたい事言い終わったんならさっさと行け」

    ジョルノ「はい。繰り返すことになりますが、ありがとうございます。また後で」クルッスタスタ

    アバ「……」
  42. 42 : : 2018/06/21(木) 20:54:28
    ──三次試験スタート地点──

    ビーンズ「ここはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんです。ここが三次試験のスタート地点になります。試験内容ですが、試験官の伝言です。生きて下まで降りてくること。制限時間は72時間」

    ナラ「これってよォー、スティッキーフィンガーズならすぐクリアできんじゃねーかなあ?外壁をジッパーで降りてさァーーあ」

    フーゴ「そうですね」

    ブチャ「確かに降りることは簡単だが……問題は怪鳥とお前達の体重だな。トリッシュは軽いからいいが、お前達を抱えられるかは分からない」

    フーゴ「怪鳥はパープルヘイズで殺せますよ。体重は……どうでしょうね。それなら塔の中をスティッキーフィンガーズで進んだらどうですか?」

    ブチャ「それはオレも考えたが…この塔では試験官がどこかから監視していると考えた方がいい。わざわざ代理に試験の内容を説明させるほどだからな」

    ミスタ「今更出し惜しみか?」

    ブチャ「そうじゃあない。試験官がオレの能力を知り塔を自在に行き来出来ることを知れば、より難易度の高いものに変える可能性がある。…そうなれば余計にトリッシュを危険に晒すことになるだろう」

    フーゴ「一次試験の時のように人に入るのは?」

    アバ「此処は隠し扉で下に降りるみてーだからな。全員一緒とは限らない。もし途中で入っていた奴がくたばっちまったらどうすんだ?」

    ナラ「じゃあどうすんだよォーー〜!もう半分以上人が減ってるぜ!!」
  43. 43 : : 2018/06/21(木) 20:55:30
    【上のは本人です。やらかした】
  44. 44 : : 2018/06/21(木) 21:00:15
    ジョルノ「僕はブチャラティはトリッシュと一緒に外壁から行くべきだと思います」

    フーゴ「怪鳥はどうするんだ?」

    ジョルノ「倒さずともジッパーの中に隠れればいいんじゃあないでしょうか」

    ナラ「人を一人抱えて、こんな高い塔を降りるんだぜ?それはちょっと大変そうだなあ」

    ジョルノ「外のリスクは分かっていますが、中のリスクは未知数。それに僕はブチャラティなら出来ると思います」

    ナラ「オレも出来ないとは思ってねーけどさ!ただブチャラティにばかり負担がかかるよなあ」

    ブチャ「その点は問題ない。……ここは外から行くことにする!お前達は各自中を進め!」

    ナラ「いいのかよブチャラティ!」

    ブチャ「…できるだけ早く降りてこいよ。……301番なんかと同じ空間にいるのはキツいからな」

    ナラ「確かにそれは嫌だよなァ〜。よしッ!じゃあ早くクリアするためにも行ってくるぜ!!」バッ
  45. 45 : : 2018/06/21(木) 21:01:20
    ジョルノ(僕も早く降りなくては……。ん、此処に扉がある。ここから降りよう)ガコン

    レオリオ「ジョルノじゃねーか!!」

    ?「レオリオの知り合い?」

    レオリオ「ん?まあ試験中に会ったんだけどな。クラピカも知ってるぜ」

    ゴン「そうなんだ!俺、ゴン!」

    ジョルノ「ジョルノ・ジョバァーナ。よろしく、ゴン」

    キルア「俺はキルア。よろしくな」

    ジョルノ「ああ、よろしく」

    レオリオ「しっかしお前が最後の1人でよかったぜ」

    ジョルノ「最後?」

    クラピカ「ここは多数決の道と言って、ゴールまでの道のりを5人で多数決をとらなければならないようなのだよ」

    ゴン「はい!これがタイマーね!」

    ジョルノ「……」カチッ
  46. 46 : : 2018/06/21(木) 21:02:52
    ──トリックタワー多数決の道──

    クラピカ「なるほど。5人揃ってタイマーをはめると」

    レオリオ「ドアが現れる仕掛けか」

    ジョルノ「早速ドアに何か書いていますね。このドアを開けるには〇、開けないなら×……」

    レオリオ「もうここから多数決か。こんなもん答えは決まってんのにな」ピ、ゴゴゴ

    レオリオ「ま、当然全員〇だよなあ。っておい!扉を出てすぐの所にまた設問かよ。右に行くなら〇、左に行くなら×だってよ」ピ

    クラピカ「思っていた以上に手間取りそうだな」ピ、ゴゴゴ

    レオリオ「なんで右が開くんだよ!フツーこういう時は左だろ?つーーか俺はこんな場合左じゃねーとなんか落ち着かねーんだよ」
  47. 47 : : 2018/06/21(木) 21:03:42
    クラピカ「確かに行動学の見地からも人は迷ったり未知の道を選ぶ時は無意識に左を選択するケースが多いらしい」

    キルア「オレもそれ聞いたことある」

    レオリオ「ちょっと待て!!それだと計算があわねーぞ。全員一体どっちを選んだんだよ」

    キル&クラ&ジョ「〇」

    ゴン「×」

    クラピカ「左を選びやすいからこそ右なのだよ。試験官が左の法則を知っていたら左の道により難度の高い課題を設ける可能性が高い」

    レオリオ「ケッ!どうせオレたちは単純だよ!!」ドカドカ

    ゴン「待ってよレオリオ!」タタッ

    キルア「あーあ。リオリオのやつ頭に血が上ってるぜ」ザッザッ

    ジョルノ「……」
  48. 48 : : 2018/06/21(木) 21:05:28
    ──トリックタワースタート地点──

    トリ「もう誰もいなくなってしまったわ」

    ブチャ「よし、そろそろ行こう。さあ掴まって」

    トリ「……」

    ブチャ「どうかしたか?」

    トリ(こんな状況だけれど、いざとなると恥ずかしい…。ブチャラティは何も考えていなさそうだけれど…)

    トリ「…どう掴まればいいのかしら」

    ブチャ「そうだな……背後だと万が一の時に対応しづらい。やはり君を抱える形がいいだろう。首に手を回してくれるのが一番いいかもしれないな」

    トリ(…淡々としているわ……。こんな時に恥ずかしがる私がおかしいのね、きっと……)

    ブチャ(トリッシュにはどこか迷いがある……。このタワー、相当な高さがあるからな。途中で落ちないか心配になるのも仕方ない。それなら…)

    ブチャ「実際に降りる前に1回ここで試してみるか?」

    トリ「えっ…」オロオロ
  49. 49 : : 2018/06/21(木) 21:05:59
    トリ(どうして試す必要があるの?落ちないか安全性を試すってこと?でもさっきまで今にも行きます、って感じだったじゃあないの。なんでいきなりそんなこと……)

    ブチャ(今度はどこか挙動不審だ。試すのもためらわれる程に信頼されていないということだろうか。しかし腹を決めてもらうしかない。……制限時間は72時間……ならば急いで降りる必要は無いな。ここは彼女が落ち着くまで待つとしよう)
  50. 50 : : 2018/06/21(木) 21:07:33
    ──トリックタワー共闘の道──

    囚人1~10「うおーーぶっ倒れろーー!!」

    ヒソカ「うるさいなァ♢」ザクザクスパッ

    囚人1~10「ぎゃーーーー」バタバタ

    囚人11「あのピエロはダメだ!あっちの虫に食われたような服のやつの方がいい!」ウオリャ

    フーゴ「……」ガシッ

    囚人11「っ!こいつ!(俺の拳を避けて首を絞めてきやがった!)」

    フーゴ「誰の服が虫食いだってェーーーッ!!目ン玉ひん剥いてよく見ろよおーーーッ!!」グジュッ

    囚人11「あぎゃああああああ(目に!俺の目に何かが刺さっている!痛いし何も見えないよぉぉぉぉぉお)」ジタバタ

    ヒソカ(目にフォークをいれてくり抜くなんて中々残酷なことするなァ♢その代わり殺る数は少ないケド……面白いからいいや♡)
  51. 51 : : 2018/06/21(木) 21:08:54
    ──トリックタワー多数決の道──

    囚人A「勝負は一対一で行い各自1度だけしか戦えない!!順番は自由に決めて結構!!お前達は多数決──すなわち3勝以上すればここを通過することが出来る!!戦い方は自由!!引き分けはなし!!片方が負けを認めた場合において残された片方を勝利者とする!!この勝負を受けるなら〇、受けぬなら×を押されよ!!」

    レオリオ「何ィ〜〜〜また採決かよ!?いちいち時間のムダだぜ。どうせ合格するためには、この勝負受けなきゃならねーんだ。全員〇押すに決まってんだろ」ピ

    囚人A「満場一致で〇か…よかろう。こちらの1番手はオレだ!!さあそちらも選び、選ばれたものは橋を渡られよ!!」
  52. 52 : : 2018/06/21(木) 21:10:03
    ジョルノ「僕が行こう」

    キルア「あいつたぶん元軍人か傭兵だよ。ジョルノに相手が務まるとは思えない」

    レオリオ「お前フツーそんなこと言うか?…だがそんな強え奴なら此処は違うやつの方がいいと思うぜ」

    ジョルノ「確かに相手は強いだろう。だが残りの4人が弱いとも限らない。仮に他の奴が全員コイツより強かったら僕はかなわないかもしれない。それなら様子見の意味でも僕が最初に行くのがいい」

    キルア「そんなに言うならいいけど。ま、あんたが負けてもオレ達が勝てば問題ないし」

    レオリオ「お前言い方がだなあ……!……ジョルノ!あとのことは気にせず行けよ!」

    クラピカ「私もそれで異論はない」

    ゴン「オレもいいと思う。応援してるね!」

    ジョルノ「それじゃあ行ってくるよ」
  53. 53 : : 2018/06/21(木) 21:11:08
    囚人A「さて勝負の方法を決めようか。オレはデスマッチを提案する!!一方が負けを認めるかまたは死ぬかするまで戦う!!」

    レオリオ「んなっ!?いきなりかよ!ジョルノーー!負けていいぞーー!!」

    キルア「オレに散々言ってたけど、リオレオも大概失礼だよな」

    レオリオ「レオリオだ!」

    ジョルノ(彼らと比べて僕の身体能力は低い。それは一次試験で分かった。きっと目の前の男も相当な実力者なのだろう。だが僕にはスタンドがある。何より下ではブチャラティ達が待っているはずだ。だから)

    ジョルノ「僕には戦う理由があるッ!この勝負受けようッ!」

    囚人A「その覚悟見事!それでは勝負!!」ザザ
  54. 54 : : 2018/06/21(木) 21:13:02
    囚人A(こいつ明らかに戦闘の素人だ!構えに荒が目立っている!ならばまずは首を掴み、勢いのまま床へ押し倒す!)ガシッ

    ジョルノ「ぐっ!!」バタッ

    囚人A(そして遠慮なく声を出せないように喉を押しつぶしてやろう!)ゴリッ

    ジョルノ「…………!!」

    囚人A(ふっ、所詮弱いガキだな。じっくりいたぶって身体的にも精神的にも追い詰めてやる)

    囚人A「どうした?立てよ。もうお寝んねの時間か?」
  55. 55 : : 2018/06/21(木) 21:13:30
    レオリオ「ジョルノ!!」

    キルア「やっぱりね。こうなるともうジョルノは負けを認められない。あいつに勝てもしない。制限時間中ずーっと拷問だよ」

    レオリオ「んな事言ってる場合か!それならこっちから負けを認めてやる!ここで時間だって潰してやるぜ!だからジョルノを渡せ!」

    囚人A「それはできない相談だな」

    レオリオ「なんだと!?」

    キルア「だから言っただろ。あいつ拷問する気なんだよ。せっかく手に入れた玩具を渡すわけねーだろ」

    レオリオ「おいキルア……ジョルノは玩具じゃねー。いい加減、言っていいことと悪いことがあんだろ…!」

    クラピカ「二人ともやめないか!私たちが言い争ったところで何も解決しないだろう!」

    ゴン「見て!ジョルノが立ち上がったよ!」
  56. 56 : : 2018/06/21(木) 21:16:08
    囚人A「ほう、立ち上がったか…だが悲しいかな。その行動をたとえるならボクサーの前のサンドバッグ…ただ打たれるだけにのみ立ち上がったのだ」

    ジョルノ「…それは……どうかな……」

    囚人A「ふむ、どうやら完全には潰れていなかったようだ。ならば今のうちに負けを認めた方がいいのではないか?」

    レオリオ「そうだぜジョルノ!負けを認めるんだ!俺達がお前の分もやってやる!」

    ジョルノ「………………」

    囚人A「お仲間の説得を無視して、答えはノーか。そいつは残念だ。先程は久々の戦闘で狙いを外したようだが次は確実に喉を狙う。お前に残された未来は……残り時間まで無残に這い回る未来だけだッ!」バッ

    ジョルノ「いいや…倒れるのは…お前の方だ……ッ!」

    囚人A(ほざけ!スピードがもうオレに追いついていないではないか!すぐに喉を潰してやる!)

    囚人A(ん、なんだ?こいつの喉に生き物が…これは……てんとう虫か?なぜこんな所に……。ええい、虫ごときどうでもいい!どかぬなら虫ごと押しつぶすまでよ!)グシャア

    囚人BCD「!?」
  57. 57 : : 2018/06/21(木) 21:17:39
    クラピカ「…相手はジョルノに手をかけたまま動かなくなったな」

    レオリオ「おいジョルノ!何やってんだ!まだ言えるなら負けを認めろーー!!」

    ゴン「あ、相手の人が倒れていくよ」

    囚人A「…………」ドサッ

    ジョルノ「……僕の勝ちだ…」

    レオリオ「そうだ勝ちだ……ってハア〜?なんで勝ってんだよ?」

    キルア「よく見ろ。何かに押しつぶされたみたいにアイツの頭とか背中が凹んでる。アレはもう死んでるぜ」

    レオリオ「何で?」

    クラピカ「わからないがジョルノは勝ったと言った。ということは彼がやったのだろう」
  58. 58 : : 2018/06/21(木) 21:19:17
    ジョルノ「……」

    ゴン&レオ&クラ&キル「……」

    レオリオ「おい、聞けよクラピカ」コソッ

    クラピカ「何故私が」コソッ

    レオリオ「どうやって勝ったかお前も知りてーだろ」コソッ

    クラピカ「気にならなくはないが、彼が言わないなら聞くつもりはない」コソッ

    レオリオ「お前なあ〜〜」

    キルア「ねえ、どうやってアイツを殺ったの?試合の前にも言ったけど、あんたがアイツより強そうには見えない。今もね」

    ジョルノ「……」

    キルア「実際、最初の攻撃だってかわせなかったよな。ラッキーなことに喉への狙いは途中でズレたみたいだけど」

    ジョルノ「キルアの言う通り…僕は殴り合いでは…彼には勝てない……。だけど…彼に勝てるところもある」

    キルア「ふーん、それは?」

    ジョルノ「精神力……目に見えない部分で…僕は彼に勝った」

    キルア「は?精神力でアイツの体が凹んだって言うのかよ」

    ジョルノ「……詳しくは言えないが…大まかな解釈はそれでいい」
  59. 59 : : 2018/06/21(木) 21:20:36
    キルア「納得できない」

    クラピカ「そうだな。だがジョルノにも話したくないことはあるだろう。あまり深く聞くものでは無い」

    レオリオ「ジョルノは悪いやつじゃねーし味方だ。とりあえず今は次の試合をかんがえよーぜ」

    ゴン「そうだね。そういえば言うの遅れちゃったけどお疲れ様、ジョルノ!のど大丈夫?」

    ジョルノ「ああ。…話すのは少しキツいけど……」

    ゴン「そっか。後はオレ達が頑張るから休んでてね!」

    ジョルノ「そうさせてもらうよ」

    キルア「……」
  60. 60 : : 2018/06/21(木) 21:36:16
    ──トリックタワー外壁──

    ブチャ(トリッシュが落ち着き覚悟を決めたところで、俺たちは外壁を降り始めた。しかし予測していたことだが50mも進まぬ内に怪鳥の襲撃にあってしまっている)

    ブチャ「早いな。中へ避難しよう」

    トリ「あの鳥…気味が悪いわ。クチバシがないし、まるで人間の顔みたいで」

    ブチャ「おまけに歯の切れ味は良さそうだ。捕まったらタダではすまないだろう……」
  61. 61 : : 2018/06/21(木) 21:37:02
    ──トリックタワー共闘の道──

    男「待ってたぜヒソカ。今年は試験官ではなく、ただの復讐者としてな」

    フーゴ「……」

    男「そこのお前には傍観していてもらうぜ。俺がヒソカを八つ裂きにするまでな」

    フーゴ「戦う気がないなら僕も手を出さない。気の済むまでやってくれ」

    ヒソカ「酷いなあ、ここまで一緒に来た仲じゃないか♢」

    フーゴ「お互い別々に戦っていただけで意識的に協力はしていない。それにお前だけで充分だろ」

    ヒソカ「まあね」

    男「ヒソカがヒソカならつるむ奴もつるむ奴で気に食わない野郎だ…いくぞ!!」
  62. 62 : : 2018/06/21(木) 21:38:01
    ──トリックタワー多数決の道──

    ジョルノ(2戦目はゴンが勝ち、3戦目はクラピカが勝った。しかし対戦相手が死んだかどうか確かめるために時間をチップとする4戦目が半強制的に始まった。30時間を失うも3勝が確定し本来は試合終了だが、その失った30時間を取り戻すためレオリオが賭けを続行。結果的には負け、僕達は50時間を失うことになった)
  63. 63 : : 2018/06/21(木) 21:38:40
    レオリオ「〜〜〜すまねェ!!取り戻すどころか取られちまった」

    ゴン「仕方ないよ。気にしないで次に進もう!」

    キルア「待てよ。オレ、まだ戦ってないんだけど」

    クラピカ「私たちは3勝した。もう戦う必要は無い」

    キルア「それじゃあさ、その失った時間を賭けてまた勝負させてよ」

    レオリオ「はあ?お前おれの二の舞になりてえのか?」

    キルア「なんでオレが負ける前提なんだよ!ゴン、こいつすげームカつく!」

    ゴン「はは…」

    キルア「なあ!そっちはどうなんだよ!時間をかけて勝負する気があるのかないのか!」
  64. 64 : : 2018/06/21(木) 21:39:37
    囚人E「残り時間なんて関係ない…オレの相手は死ぬしかないのだから」

    囚人D「だけど彼らを止めた時間分刑期が免除されるのよね?今彼らの残りタイムはどの位かな?」

    アナウンス「59時間35分だ」

    囚人D「ならサービスにしても10時間だけの方がいいわ。それでいいかしら?」

    囚人BC「ああ」

    囚人D「決まりね。10時間だけなら賭けて勝負してもいいわよ!」

    キルア「だってさ」

    ジョルノ「僕は賛成です。…少しでも取り戻せるなら取り戻した方がいい」

    レオリオ「勝負によってはキルアでも勝てねえこともねーか。よし、行ってこい!」

    キルア「言われなくても行くっつーの」
  65. 65 : : 2018/06/21(木) 21:41:08
    キルア「勝負の方法は?」

    囚人E「勝負?勘違いするな。これから行われるのは一方的な惨殺さ」バサッ

    レオリオ「あ…あいつは…!!」

    ゴン「知ってるの?」

    レオリオ「解体屋ジョネス。ザバン市犯罪史上最悪の大量殺人鬼だ……。キルア!悪いことは言わねえ!棄権しろ!!」

    ジョネス「このステージに立った時点で後戻りはできない。試験も恩赦も関係ない。オレはただ人の肉を掴みたい…それだけだ。お前はただ泣き叫んでいればいい」

    キルア「うん。じゃあ死んだ方が負けでいいね」

    ジョネス「ああ、いいだろう。お前が」

    ジョルノ「!?」

    ジョルノ(キルアが一瞬にして相手の向こう側に行った…!なにか手に持っている……脈を打つ塊……アレは……心臓だ!一瞬で相手の心臓をとったんだ!!)

    ジョネス「か…返し…」

    キルア「……」ニヤリ

    ジョルノ(…キルアが心臓を握りつぶすとともにジョネスも倒れる……。…子供ながらに残虐性は充分だ……)
  66. 66 : : 2018/06/21(木) 21:42:01
    キルア「さて、これで10時間は返ってきたな」

    囚人D「ええ。ここを通り過ぎると小さな部屋があるわ。そこで負け分の時間40時間を過ごしてもらう」

    キルア「そうか。ところで3人ともロクに動いてないから物足りないだろ。オレと一人10時間かけて遊ばない?」

    囚人BC「……」ブンブン

    囚人D「やめておくわ」

    キルア「ちぇっ。もっと時間貰えると思ったんだけどな〜」
  67. 67 : : 2018/06/21(木) 21:42:44
    ジョルノ「彼は…一体何者なんだ?」

    レオリオ「俺が聞きたいぜ」

    ゴン「あ…そっか。3人は知らないんだね(かくかくしかじか)」

    ジョ&レオ&クラ「暗殺一家のエリート!?」

    ゴン「うん」

    ジョルノ「暗殺なのに姿を見せていいのかい?」

    キルア「問題ないね。オレの家族、結構有名人だし」

    ゴン「あ、キルアおかえりー」

    キルア「さっさと行こうぜ。どうせ部屋に入ってからは嫌でも時間を潰さなきゃいけないんだからさ」
  68. 68 : : 2018/06/21(木) 21:44:02
    ──トリックタワー外壁──

    トリ「…なかなか行かないわね」

    ブチャ「こいつら4羽いたな。さっき食べたのは1人だったから腹が減っているんだろう。意地でも俺たちを食う気みたいだ」

    トリ「だけど私たちはジッパーの中だから、あんなに大きな鳥は入ってこれないわね」

    ブチャ「ああ。…だが、そうも言ってられなくなってきた…」

    トリ「どういうこと?…ねえ、それも気になるけど、何だか変な匂いがするわ」

    ブチャ「それが問題なんだトリッシュ。こいつらジッパーの隙間から唾液をいれてきた」

    トリ「だ液……?」

    ブチャ「そして、こいつらの唾液はどうやら肉だけを溶かす強い酸のようなものらしい……」

    トリ「ねえ、この匂いってまさか……」

    ブチャ「ああ。俺の足が少し溶けはじめている」
  69. 69 : : 2018/06/21(木) 21:45:49
    ブチャ「いいかトリッシュ。足は伸ばさず、そのままオレに捕まっているんだ」

    トリ「そうしていてもいつか私も溶かされてしまうわ!いいえ…その前にあなたが溶けてしまったらスティッキーフィンガーズも解除される…落ちて死ぬ──こいつらに食べられて死んでしまう!どうしたって死ぬしかないじゃないッ!!」

    ブチャ「落ち着いてくれ。君は必ず守る。それに最悪塔の中に逃げ込めば死ぬのは免れる」
  70. 70 : : 2018/06/21(木) 21:47:58
    トリ(…私はブチャラティ達に会ってまだ日は浅い。だけど、ブチャラティらしくない発言だってわかるわ。死ぬのを免れる、なんて……そんな最終手段を今の時点で言う人とは思えない。それほど彼は追い詰められているということ…)

    トリ(わけも分からずに護衛され…連れてこられたハンター試験。ブチャラティとフーゴには枷になりたくないなんて言ったけれど、今まで私じゃないとできない事なんてなかったわ。私には彼らみたいなスタンドがないから!)

    トリ(……もし此処にいたのが私ではなく他の人ならブチャラティは無事なままだった。何故、私には何も無いの!私にも何か力があればこの状況を打開できるかもしれないのに…!)
  71. 71 : : 2018/06/21(木) 21:48:58
    ?「ジッパー ノ ソト ニ デル ノデス」

    トリ「!だ、誰!?」キョロキョロ

    ブチャ「どうかしたかトリッシュ?」

    トリ「今、声が……」

    ?「オチツイテ クダサイ。コノ コエ ハ ブチャラティ ニハ キコエテイナイ」
  72. 72 : : 2018/06/21(木) 21:49:38
    トリ(一体なんだっていうの……?)

    ?「ワタシ ハ ズット アナタ ノ ソバ ニ イマシタ。ソシテ アナタ ノ ノゾム『スタンド』デス」

    トリ(スタンド?だから声に出さなくても会話出来るのね)

    ?「ソノトオリ。サテ トリッシュ。ハナシテイル ジカン ハ アリマセン。ジッパー ノ ソト ニ デテクダサイ」

    トリ(外に出たら鳥に食べられてしまうわ!)

    ?「ワタシ ハ モノ ヲ ヤワラカク デキル!クソッタレ カイチョウ ノ ハ ヲ ヤワラカク シテシマエバ オソレルコト ハ アリマセン」

    トリ(私に出来るとは思えないわ。だってあなたと会ったのだって今が初めてなのよ)

    ?「ワタシ ハ アナタ デス。ジブン ヲ ウゴカスヨウニ ワタシ ヲ ウゴカセバイイ。アナタ ハ カクゴ ヲ キメタハズ。アトハ コウドウスル ダケデス」

    ブチャ「……っ」ジュウ

    トリ「……」
  73. 73 : : 2018/06/22(金) 18:46:19
    ──トリックタワー多数決の道──

    クラピカ「キルア、さっきの技はどうやったんだ?」

    キルア「技ってほどのもんじゃないよ。ただぬきとっただけだよ。ただし」ビキビキ

    ジョルノ(キルアの爪がナイフのように鋭くなっている…)

    キルア「ちょっと自分の肉体を操作して盗みやすくしたけど。殺人鬼なんて言っても結局アマチュアじゃん。俺いちおう元プロだし」

    レオリオ「……ふん。頼もしい限りだな」

    キルア「だからわからないんだよな、ジョルノがどうやってあいつを殺したかさ。オレ大体そいつの強さって見てわかるんだけど、どう見たってジョルノはこの中で一番弱い。それなのに一瞬で相手を殺すなんて何か裏があるとしか思えない」
  74. 74 : : 2018/06/22(金) 18:47:25
    ジョルノ「その話にはあれ以上答えられない、とさっき言ったはずだ」

    キルア「じゃあオレと遊ぼうよ。実際に戦えばなにか分かるかもしれない」

    クラピカ「やめろキルア。仲間同士で争ってどうする!」

    キルア「じゃあ相手を殺すのはなし!ただ戦うだけ、ってのは?」

    レオリオ「ダメに決まってんだろーが!おい、ゴンもなんか言ってやれ!」

    ゴン「俺もジョルノがどうやったのか気になる」

    レオリオ「んなっ!!」

    ゴン「でも二人の言うとおり争うのはよくないと思う。それにジョルノが言いたくないなら無理に聞き出さない方がいいよ」

    キルア「ちぇっ、ゴンまでそう言うのかよー」ムスッ
  75. 75 : : 2018/06/22(金) 18:49:11
    ジョルノ「どうしてそんなにききたいんだい?」

    キルア「理由なんてないよ。気になるから聞いた。……別に知らなきゃいけないって訳じゃねーし、もう聞くのはやめる」

    ジョルノ「隠し事があるなんて悪いとは思っているよ」

    キルア「いいって。聞くのはやめるけど、ジョルノの気が変わって言ってくれるのを待つからさ」ニッ

    ジョルノ(残虐性があると思ったが根はすっきりとした良い奴なのかもしれないな……。暗殺一家に生まれてなければあるいは…)
  76. 76 : : 2018/06/22(金) 18:49:48
    ──トリックタワー外──

    アナウンス「まさか外から来るやつがいるなんてね」

    ブチャ「降りてこい……としか言われていない。問題は無いはずだが…」

    アナウンス「驚いているだけだ。外から来たことにケチをつけることも、君たち2人のおかしな能力について聞くこともしないさ。今扉を開けるから中に入るといい」ウィン

    ブチャ「…行こうトリッシュ」

    トリ「ええ」
  77. 77 : : 2018/06/22(金) 18:50:39
    ──トリックタワーゴール地点──

    フーゴ「元試験官の次がゴールだったなんて…」

    ヒソカ「殺り足りないかい?」

    フーゴ「僕はお前と違って快楽殺人鬼じゃあない…一緒にしないでくれないか」

    ヒソカ「そう嫌わなくてもいいだろ♢それに君、人殺しである事に変わりはないじゃないか♧」

    フーゴ「望んでやったことじゃあないさ」

    ヒソカ「そうかな?ボクにはキミが楽しそうに見えたけど♢」

    フーゴ「勝手な事を言うな!」

    ヒソカ「…そう、その時なんだよねェ♡普段のキミはまったく美味しそうじゃないのに、そういう時だけ妙にソソるものがある……一体何を隠しているんだい?」ゾクゾク

    フーゴ「言う必要は無いな……まだ此処に僕達だけしかいなくて暇なのかもしれないが、これ以上お前と話すつもりは無い……!」

    ヒソカ「それは残念♢」ウィン
  78. 78 : : 2018/06/22(金) 18:51:21
    アナウンス「302番ブチャラティ、303番トリッシュ。三次試験通過第3号、4号!!所要時間6時間20分!!」

    フーゴ「ブチャラティ!トリッシュ!二人とも無事…ではなさそうですね…その足……」

    ブチャ「少しな……だがトリッシュのおかげで此処まで来れた」

    フーゴ「もしかして……」

    トリ「ええ。その話はまた今度するわ。まだフーゴと……あの彼しか来ていないのね」チラッ

    ヒソカ「♡」ニコッ

    フーゴ「そうなんです……と言ってもまだ1日も経っていませんから僕達が早すぎるんでしょうね」

    トリ(ブチャラティの傷はジョルノが治せると聞いたわ。一体、彼は今どこらへんにいるのかしら)
  79. 79 : : 2018/06/22(金) 18:52:00
    ──トリックタワー多数決の道──

    ジョルノ(指定された40時間をあの部屋で過ごした後、僕達は幾度となく多数決をせまられた……電流クイズ、○×迷路、地雷付き双六etc……)

    ジョルノ(自分達が現在何階まで降りてきたのかもわからぬまま、残り時間はとうとう60分を切った…)

    レオリオ「急…ごうぜ。残り時間が少ねーー」

    ゴン「トビラをあけるなら○、あけないなら×だって!」

    レオリオ「くそ!!開けるに決まってるじゃねーかよ!!」ピ

    キルア「!どうやら出口が近いみたいだぜ」
  80. 80 : : 2018/06/22(金) 18:52:32
    ゴン「最後の分かれ道。ここが多数決の道最後の分岐点です。心の準備はいいですか。選んでください」

    レオリオ「準備?OKに決まってるぜ」

    アナウンス「それでは扉を選んでください。道は2つ……5人で行けるが長く困難な道……3人しか行けないが短く簡単な道」

    アナウンス「ちなみに長く困難な道はどんなに早くても45時間はかかります。短く簡単な道はおよそ3分ほどでゴールに着きます」

    アナウンス「長く困難な道なら○、短く簡単な道なら×を押してください。×の場合、壁に設置された手錠に2人がつながれた時点で扉が開きます……この2人は時間切れまでここを動けません」
  81. 81 : : 2018/06/22(金) 18:53:17
    一同「……」

    レオリオ「……さて先に言っておくぜ。オレは×を押す。そしてここに残される側になる気もねェ。どんな方法であろうと3人の中に残るつもりだ」

    ゴン「オレは○を押すよ。やっぱりせっかくここまで来たんだから5人で通過したい」

    レオリオ「ゴン」

    ゴン「イチかバチかの可能性でもオレはそっちにかけたい」

    キルア「おいおい。イチかバチかもくそもさ、残り時間は1時間もないんだぜ。短い道を選ぶしかないよ。あとはどうやって3人を決めるか。もちろんオレは3人の中に入るつもりだし、誰も降りる気がないなら戦うしかないね」
  82. 82 : : 2018/06/22(金) 18:54:13
    ──トリックタワーゴール地点──

    ナラ「ゴールだ〜〜〜。ブチャラティは……っと」キョロキョロ

    ミスタ「おーい、こっちだぜーー!」

    ナラ「ミスタ!それに他の奴らも……!なんだよォーー完全に出遅れたじゃねーかよォーー〜!!どうしてくれんだァ?」

    ポックル「知らねーよ。仲間が待ってるんだろ?早く行けって」

    ナラ「なんだよ、お前も来ればいいだろ!」

    ポックル「別に俺は」

    ナラ「おーいみんなァーー〜こいつ此処の試験で一緒だったんだけどさあーーっ!」ズリズリ

    ポックル「聞けよ!?そして離せ!わかった!自分で行くから!」
  83. 83 : : 2018/06/22(金) 18:54:56
    ブチャ「君は…」

    ナラ「そうそう!オレとアバッキオが入って」ムグ

    ポックル「いきなり口を押さえてどうしたんだ?」

    アバ「オレのプライベートな事を話そうとしたんでな。ま、気にしないでくれや」

    ポックル「あ、ああ…」

    ブチャ「ナランチャが世話になったな……お前達の進んだ道は2人で行くものだったのか?」

    ポックル「4人での道だったぜ」

    アバ「出てきたのは2人に見えたが」

    ポックル「あー、それは途中で他の2人が同士討ちをしたからな。だからゴールまで来たのは2人」

    フーゴ(仲間と争う課題でも出たのだろうか。仮にそうだとしたらヒソカと戦わなかったのは幸運だったな……)
  84. 84 : : 2018/06/22(金) 18:55:39
    ポックル「そろそろ行っていいか?」

    ナラ「なんでだよォ!まだ自己紹介もしてねーぜェ」ブー

    ポックル「覚えきれなかったら悪いだろ」

    ナラ「ンなこと気にすんなって!」

    ブチャ「…彼には彼のやり方もあるだろう。強引に連れてきたようで悪かったな」

    ポックル「そういう意味じゃないが、こっちこそ気を遣わせたようで悪い。残りの試験もお互い頑張ろうぜ。じゃあな」クルッスタスタ

    ナラ「なんだよポックルのやつ…。……でもアイツ、試験中すげー良い奴だったんだぜッ!」

    ミスタ「そこんとこは、お前が強引に連れてきたところで分かるぜーー」
  85. 85 : : 2018/06/22(金) 18:56:21
    ナラ「そーいや……ジョルノの姿が見えねーけど」

    アバ「……まだ来てねえ」

    ナラ「まだって、あと残りは……」

    アナウンス「残り1分です」ゴゴン

    ナラ「誰か来たぜ!…ってクラピカと子供達かよ。もしかしてジョルノのやつ、本当に…」

    ブチャ「いや……彼らの後ろだ」

    ナラ「後ろォ?」

    アナウンス「残り30秒です」

    ナラ「あ、あれは!」

    レオリオ「全くイチかバチかだったな」

    ジョルノ「ゴンのおかげで無事にゴールできたみたいだ」
  86. 86 : : 2018/06/22(金) 18:56:56
    ジョルノ(「長く困難な道」の方から入って50分以内に壁を壊し「短く簡単な道」の方へ出る──これがゴンの提案による僕達がゴールした方法だ)

    ジョルノ(あの2択を迫られた状況で新しい選択をする……ここまで残っているのだから当然だが彼には並々ならぬ何かがあるようだ…)

    ナラ「おーい!!ジョルノーーッ!」

    レオリオ「呼ばれてるぜ、いってこいよ」

    ジョルノ「ああ…また後で」タッ

    ゴン「またねージョルノー」ブンブン

    アナウンス「タイムアップーー!!第3次試験通過人数31名!!」
  87. 87 : : 2018/06/22(金) 18:57:33
    キルア「……ジョルノってやっぱりアイツらの仲間だったんだ。二次試験の時に薄々そうじゃないかとは思ったんだよな」

    ゴン「アイツら?」

    キルア「ゴンたちは来たのが最後だから知らないだろうけど、一次試験が始まる前に大騒ぎした奴らがいてさ。それがアイツらなんだよね」

    レオリオ「大騒ぎ?ヒソカが腕切断したとかいうやつじゃなくてか?」

    キルア「それはもっと後。オレはあんまり興味無いから見てなかったけど、仲間内で流血沙汰起こしたらしい」
  88. 88 : : 2018/06/22(金) 18:58:14
    レオリオ「確かにやりそうっちゃやりそうだな。…あのアバッキオってやつか?」

    クラピカ「まさかレオリオ…飛行船で彼らが揉めた時、起きていたのか?」

    レオリオ「起きるも何もまだ寝てなかったんでな。そういうお前もばっちし聞いてんじゃねーか」

    クラピカ「仲間内の問題に首を突っ込む気はなかった。不可抗力だ。ジョルノを信用してくれている者もいるが、そうでない者もいる。人数が多いほどそうなるのは自然なことだが…」

    レオリオ「ちぃと気の毒だったぜ。ま、アレのおかげでジョルノを信用しようと思えたワケだが」

    クラピカ「なんだ。寝たら忘れたんだろう?」

    レオリオ「……そーいえばそーだったな。今の発言、お前も寝て忘れてくれ」

    クラピカ「私はお前と違って寝ても忘れないのだよ」

    レオリオ「っお前なあ〜〜!」
  89. 89 : : 2018/06/22(金) 18:59:10
    ──ゼビル島──

    ジョルノ(どうやら試験はあと二つのようだ。4次試験の内容は僕が今いる島──ゼビル島でターゲットのプレートを取る一週間のサバイバルハンティング試験。僕のターゲットは89であるように僕も誰かのターゲットなのだろう)

    ジョルノ(この試験が発表された時には殆どの人はプレートを隠してしまったし、レオリオ達は今回の試験で協力する気は無さそうで誰がターゲットなのかはわからないままだ。島に向かう船で彼らとは一言も交わさなかった)

    ジョルノ(……ただゴンとキルアが話していることはたまたま聞いてしまい、ゴンのターゲットがあのヒソカだということ等は聞いてしまった。それ以外の時間は護衛チームの面々とトリックタワーでの情報交換や軽い今後の打ち合わせをした。そして今、彼らと約束した場所へと向かっている……)
  90. 90 : : 2018/06/22(金) 19:00:07
    ナラ「おせーよジョルノーー!」

    ジョルノ「すみません」

    アバ「ナランチャが言えたことじゃねえだろ」

    ナラ「1分の差はデカいぜ!!」

    フーゴ「そんなこと言ったら僕はどうなるんですか」

    ナラ「……」ポカーン

    ナラ「じゃ、始めよーぜ〜〜」

    フーゴ「都合がいいな…まったく…」

    ブチャ「ターゲットが分かってる奴はいるのか?」

    ナラ「オレはポックルだ。でもアイツとはできるだけ戦いたくねーな」

    アバ「この試験でそんなこと言ってる場合かよ」

    ブチャ「オレも分かっている。三兄弟のイモリというやつだ。一次試験で入らせてもらった」

    アバ「クラピカ達の時みたいに『借りが〜』とか言わないよな?」

    ブチャ「ああ。こいつらは新人を潰すクズだからな。同情の余地はない」
  91. 91 : : 2018/06/22(金) 19:00:52
    ブチャ「ポックルの件だが、それは条件さえ合えば取らなくていい」

    ナラ「条件?」

    ブチャ「トリッシュの安全のためにはハンター試験に参加し続けた方がいい。ここまで来てオレ達に特定の攻撃がないということは裏切り者は試験に参加していないかもしれない」

    ミスタ「裏切り者ではない危険なやつの方が多そうだよな。だが4次試験だぜ?何か不吉なことが起こるかもしれねー……フツー4なんてつけねえだろ。5にしろってんだ!」

    フーゴ「数字は置いておいても、今までと違い今回は積極的に相手を攻撃する試験。それなら裏切り者が攻撃してくることも考えられます」
  92. 92 : : 2018/06/22(金) 19:01:46
    ブチャ「裏切り者の存在は否定も肯定もできない……だからトリッシュの周りに何人か控えるのは絶対だ」

    ブチャ「ただし全員はいらない。ハンター試験が終わった後、会場を出てから裏切り者に襲われる可能性も充分にある」

    ブチャ「…そこでこの試験。お前たちの中から3人に落ちてもらい、会場周辺の偵察を行ってもらいたい」

    ナラ「じゃあオレが落ちるぜ!ブチャラティに大金をあげられないのは悪いけどさァーー」

    ブチャ「大金?何の話だ?」

    ナラ「覚えてないならいいやッ!とりあえずオレは落ちるぜッ!」

    ブチャ「待ってくれ。オレとお前以外はターゲットが分かっていない。ということは最悪見つけられずに落ちる可能性もある。だからナランチャが落ちると確定はできない」
  93. 93 : : 2018/06/22(金) 19:02:51
    ブチャ「まず最初はエアロスミスを使い、二酸化炭素の反応でターゲットを虱潰しに探す」

    アバ「プレートは隠してんだろ。どうすんだ。一々倒すのか?」

    ブチャ「スタンドは一般人には見えない。だが301のようなスタンド使いが他にもいる可能性がある。そこでセックス・ピストルズに見てきてもらいたい」

    ミスタ「りょーかい」

    ブチャ「トリッシュとオレの他に2人がプレートを手にした時点でどこかに身を隠すことにする」

    アバ「スティッキーフィンガーズか?」

    ブチャ「ジッパー内の空間はそこまで広くない……緊急時にはそうなるだろうができれば使いたくはないな。…他に質問がなければ実行に移す」

    ジョルノ「一つだけ。トリッシュのプレートは一次試験の前からつけていませんでしたが、あるんですよね?」

    ブチャ「それならオレが預かっている。その方が安全だろうからな」

    ジョルノ「わかりました」

    ブチャ「他にはないな?……始めるぞ!ナランチャ!」

    ナラ「エアロスミスッ!どこにいても見つけてやるぜ〜!」
  94. 94 : : 2018/06/22(金) 19:03:41
    ブチャ「そういえば肝心のターゲットを聞いていなかったな」

    トリ「362よ」

    ミスタ「103」

    フーゴ「191」

    アバ「294」

    ジョルノ「89です。294は、確か二次試験の後半でスシをバラした人じゃないですか?」

    アバ「…あのハゲか」

    ブチャ「あとは362、103、191、89だな」

    ナラ「なあブチャラティ」

    ブチャ「どうした?」

    ナラ「もう既にオレ達の周りに何人かいるぜェーーッ!!」

    ブチャ「なんだと!?ミスタ!」
  95. 95 : : 2018/06/22(金) 19:04:31
    ミスタ「俺様の出番ってわけか!ピストルズ!」

    No.7「マカサレタ!」

    No.2「ヨッシャ!マッテタゼ」

    No.3「ブタ ダケジャ モノタリナカッタカラナ」

    No.5「ブタ モ コワカッタケド」

    No.6「ニンゲン ノ ホウガ ヤリヤスイ」

    No.1「イクゾー!カクレテル ヤツ ヲ ミツケルンダ!」

    フーゴ「ピストルズって便利なスタンドだな」

    ミスタ「なんだ。今更気づいたのかあ〜〜?」

    フーゴ「それに比べて僕のパープルヘイズは戦うだけ……しかも敵味方なくウイルスに感染したら終わりだ」

    ミスタ「オイオイオイオイいきなりどうしたフーゴ?ホームシックにでもなったのか?」

    フーゴ「いや……ただ自分のスタンドの応用性の無さを再確認しただけだ」

    ミスタ「応用力が無い分、専門性でカバーしてんだろ」

    フーゴ「良くいえばそうだな」

    フーゴ(僕はこの試験、パープルヘイズを出さないまま終わるような気がする……)
  96. 96 : : 2018/06/22(金) 19:05:13
    フーゴ(正確に言うならパープルヘイズを出さずに終わりたかった。僕達は一次試験をスタンド能力で──しかも他人の力を借りてしのいだ。しかしレオリオをはじめとした他の受験生は自分の力のみでここまで上がってきたのだ)

    フーゴ(善人ぶるつもりはないが……そうして自分の力で何かを成し遂げた彼らの道を僕のウイルスで溶かすのは不条理だと感じていた)

    フーゴ(だが、僕達の前に立ち塞がり、僕以外に対処出来ないなら……それも仕方の無いことだろう)

    ヒソカ「どうしたんだい?難しい顔して♢」

    フーゴ「…お前とは嫌な思い出ばかりだが、此処で殺すのは残念だと思っただけさ」

    ヒソカ「へえ…今のままだと死ぬのはキミだよ♧」ニヤリ

    フーゴ「そうだな……だからお前が見たがっていたものを見せてやる…ッ!パープルヘイズ!」
  97. 97 : : 2018/06/22(金) 19:06:00
    ブチャ「全員いるかッ?!」

    アバ「フーゴ以外はな……まさかアイツ1人で残るとは…」

    ナラ「……どうすんだよブチャラティ…フーゴ1人じゃ勝てっこねー…」

    ミスタ「まだ話すなナランチャ!ジョルノが治したとはいえ安静にしてろ!それにあいつは自分で残ったんだ!戻るのはあいつの意思を踏みにじることになるんだぜッ……!」

    ブチャ「ミスタの言う通りだ。それに1発当てればフーゴが勝つ。俺たちの中では一番勝ち目があるだろう」

    ナラ「だけどよォ」

    ブチャ「目的を忘れるな。大事なのはトリッシュだ」

    ナラ「……」

    ジョルノ「提案があるのですが……」
  98. 98 : : 2018/06/22(金) 19:06:35
    ジョルノ(僕達はエアロスミスとセックスピストルズのおかげでトリッシュと僕のターゲットのプレートを獲得することができた。他にもトンパと猿使いが木に縛られている所を見たり、ポックルがターゲットのプレートをとる所とそれを見るゴンと知らない男の姿を見た)

    ジョルノ(ゴンに限ってはその後も釣竿を懸命に振る姿を目撃した。……あと分かったことは、この試験では1人につき1人ずつ試験管がついていることくらいか……ここまでは順調だったんだ)

    ジョルノ(日も暮れてきたので今日の探索は中止しようとブチャラティが提案した瞬間、ナランチャの体が不自然に曲がった。……エアロスミスが誰かに掴まれたのだ)

    ジョルノ(圧倒的なパワーでエアロスミスを潰そうとばかりに握っている。鈍い骨の折れる音とナランチャの苦しげな声が響く。……いち早く動いたのはミスタのピストルズだ。ナランチャが話せない今、エアロスミスの場所を探すために飛び出していく)

    ジョルノ(そして探した先にいたのが……ヒソカだ……)
  99. 99 : : 2018/06/22(金) 19:07:53
    ヒソカ「それが君の念なのかい?具現化系かな?」

    フーゴ「…念?なんだそれは」

    ヒソカ「キミ自体は美味しくなさそうだけど、キミが出したソレは美味しそうだね♡具現化したモノへ自身のオーラを移譲する…といった制約でもつけているのかな?」

    フーゴ「質問を質問で返すなァーーッ!」

    ヒソカ「うん、キミが怒るとますます美味しそうだ♡」
  100. 100 : : 2018/06/22(金) 19:09:26
    フーゴ「……来ないならこっちからいくぞ!喰らわせろッ、パープルヘイズ!」

    ヘイズ「うばしゃああ」ブンッ

    ヒソカ「本当は2点分のプレートが欲しかっただけなんだけど……やだなァ♤キミのせいで」ガシッ

    フーゴ(攻撃した右腕を掴まれた!しかしコイツ何故か俯いたぞ!今なら左腕の拳をたたき込める!!)ブンッ

    ヒソカ「欲情してきちゃうよ♧」ガシッ

    フーゴ(防がれただとッ!僕からの攻撃は見えないはずだった!パープルヘイズでは拳を叩き込む速さが足りないということなのか……だがカプセルさえ割れれば僕の勝ちだ!)

    フーゴ(あと3cm……その距離だけ拳を前へつき出せれば、相手のナンバープレートに当ててカプセルが割れるというのに!その差がまったく縮まらない!)

    ヒソカ「でも拳の速さといいパワーといい…まだまだだね♤そのオーラは美味しそうなんだけど他にも果実は沢山あるから……バイバイ♧」
  101. 101 : : 2018/06/22(金) 19:12:31
    キルア「さて、こっちのいらないのは…」

    ブチャ「待ってくれないか」ザッ

    キルア「やっとでてきたんだ。隠れてみてるやつが何人かいるとは思ってたけどジョルノの仲間だったとは驚きだなあ」

    ブチャ「その198番なんだがね、そいつはオレのターゲットなんだ」

    キルア「ふーん。だから?」

    ブチャ「譲ってくれないか?」

    キルア「メリットがない。先に言っておくけど、もしジョルノを引き合いに出そうとしてるならお門違いだぜ。確かにトリックタワーでは一緒だったけど、すげー親しいとかじゃないから」

    ブチャ「それは残念だ」

    キルア「でもさ、もしかしてあんたらも変な力持ってんの?」

    ブチャ「変な力?」
  102. 102 : : 2018/06/22(金) 19:13:13
    キルア「ジョルノは広くいえば『精神力』って言ってた」

    ブチャ「へえ。確かにジョルノは精神的に凄いやつだと思うよ。だけど変な力を持っているかはオレは知らない」

    キルア「隠すの下手だね。普通の人なら騙せるだろうけど、オレの目は誤魔化せないぜ」

    ブチャ「君がどう取るかは勝手だが、知らないものは知らないな」

    キルア「もうターゲットのプレートを手に入れて暇になるんだよね。遊ぼうよ」

    ブチャ「オレは手に入れていないから無理だな」

    キルア「渡したら遊んでくれんの?」

    ブチャ「仲間のものも集めなければいけない。遊ぶのは難しいだろう」

    キルア「じゃあさ、強制的に遊ばせるって言ったら?」
  103. 103 : : 2018/06/22(金) 19:14:15
    ブチャ「……何としてでも君から逃れて、他のやつのプレートを貰うかな」

    キルア「……あーあ。ジョルノといい、あんたといい、つまんねーの。もういいや、気が変わったから」

    ブチャ「へえ。プレートはどうするんだい?」

    キルア「あんたにあげる……のは癪だからやっぱり」ギューン

    ブチャ「…」

    キルア「今度はあっち!」ギューン

    ブチャ「両方ともずいぶん遠くまで飛ばしたね」

    キルア「オレがあげると思った?隠し事なんてズリーからぜってーあげねー」ニッ

    ブチャ「残念だよ……それじゃあ探しに行くしかないな。またね」
  104. 104 : : 2018/06/22(金) 19:15:16
    アバ「小憎たらしいガキだなオイ」

    ブチャ「この程度、子供だから許されるさ」

    アバ「あんた子供に弱いよな」

    ブチャ「そんなことはない。それよりミスタ。どうだ?」

    ミスタ「今のところ見えな……いや、来たみたいだぜ!」

    No.7「ヘイヘイヘーイ」

    No.2「パスパスパース」

    No.3「ブチカマセーッ」

    No.5「コッチダヨォー」

    No.3「ウルセェ!ジャマスンナ!」ボコッ

    No.5「ウエーーン」

    ミスタ「No.3!No.5をいじめんじゃねーぞ。だがよく198のプレートを持ってきた!ほらよ、ブチャラティ」

    ブチャ「ああ」
  105. 105 : : 2018/06/22(金) 19:16:14
    トリ「よく彼がまた投げるってわかったわね」

    ブチャ「わかっていたわけじゃないさ……ジョルノが、キルアは根が悪いやつではないと言っていたから無理に殺し合いにはならないだろうと考えただけだ」

    アバ「自ら出ていって話すことでセックス・ピストルズを配置する時間も作った……あのボウズも知ったら悔しいだろうな」

    ブチャ「知ることは無いさ。彼はスタンドを知らないようだから」

    ナラ「そういや何で教えてやらなかったんだーー?」

    ブチャ「教えた所で彼にスタンドは身につかない。矢でさされない限りはな……教えても無駄だろう」

    アバ「本当にそんな意味か?」

    ブチャ「……さあな。とりあえずアバッキオとミスタのプレートを探そう。ジョルノとフーゴがいない今、お前達の中の1人が受からないと困る」
  106. 106 : : 2018/06/22(金) 19:17:03
    フーゴ「……ここは」

    ジョルノ「まだゼビル島ですよ。具合はどうですか?」

    フーゴ「……体が重い」

    ジョルノ「5日ほど寝ていましたからね」

    フーゴ「…そんなにか」

    ジョルノ「明日が最終日です」

    フーゴ「……他の皆は?」

    ジョルノ「まだ合流できていません。ですが、ゴールドエクスペリエンスでミスタの弾丸をカエルに変えました。こいつはもとの持ち主へと戻ろうとするので位置はわかります」

    フーゴ「……ヒソカは?」

    ジョルノ「………」

    フーゴ「……聞くまでもなかったな」
  107. 107 : : 2018/06/22(金) 19:17:37
    フーゴ(…ヒソカが僕を殺そうとした瞬間、何かがヒソカのプレートをさらっていった。その拍子に僕のカプセルは割れ、殺人ウイルスは5m以内に撒き散らされた)

    フーゴ(当然僕もウイルスを浴びた。ヒソカのトランプが僕の腕を切り落としたが、ウイルスを浴びてしまえば待つのは死。全身に毒が周り、1分のうちに事切れる。しかし僕は生きている。……それはきっと目の前にいるジョルノのおかげなのだろう)

    フーゴ(ヒソカが驚いた顔でプレートのあった胸元と僕の顔を見ていたのを思い出す。だがそれ以上のことはまったく覚えていない)
  108. 108 : : 2018/06/22(金) 19:18:17
    ナラ「今日で最終日かあ〜〜。フーゴとジョルノのやつ、戻ってこねーなあ」

    アバ「それよりプレートだろ。どうすんだ。まだブチャラティとトリッシュだけだろ」

    ナラ「島が広くてCO2探知に引っかかんねーことも多いし、見つけたと思ったら同じやつってことも多いもんな……」

    ミスタ「だから4次試験なんてダメだっつったろ?やっぱ4なんて不吉な数字でしかねーんだよ」

    トリ「……ねえ、あそこに誰か倒れているわ。女の人かしら」

    ミスタ「暢気に寝るとは余裕だな。それかヤケになってんのかあ〜〜?」

    トリ「確かにプレートはついていないけど……手に持ってるわよ。……これってミスタのターゲットの番号じゃない?」

    ナラ「まさかそんな事あるわけ……ってマジだ!ミスタ!お前も合格だぜ!」ヒョイッ

    ミスタ「…おい、ラッキーにも程があんだろ……日頃の行いの賜物かァ?」

    アバ「4次試験なのによかったな」
  109. 109 : : 2018/06/22(金) 19:19:25
    ──ゼビル島スタート地点──

    アナウンス「ただ今をもちまして4次試験は終了となります。受験生のみなさん、すみやかにスタート地点へお戻りください」

    アナウンス「これより一時間を帰還猶予時間とさせていただきます。それまでに戻られない方は全て不合格とみなしますのでご注意ください」

    アナウンス「なおスタート地点へ到着したあとのプレートの移動は無効です。確認され次第失格となりますのでご注意ください」
  110. 110 : : 2018/06/22(金) 19:20:24
    キルア「なんだ、あの後見つけたんだ」

    ブチャ「なんとかね」

    キルア「そりゃ残念」

    ゴン「キルアー!」

    キルア「ゴン!じゃ、オレ行くな。最終試験頑張れよ!」

    ブチャ「君も」

    レオリオ「よお!お前達も…って何人かいねえが通過したんだな」

    ミスタ「俺も含めて三人だけどよォー」

    クラピカ「ジョルノはどうした?」

    ミスタ「…途中で分かれてそれっきりだ」

    クラピカ「そうか……」

    レオリオ「…悲しむのは早えみたいだぜ」

    クラピカ「?」
  111. 111 : : 2018/06/22(金) 19:20:59
    ジョルノ「レオリオ、クラピカも無事だったんですね」スタスタ

    クラピカ「ジョルノ!」

    レオリオ「今ミスタにお前と分かれたってのを聞いて心配してたとこだぜ」

    ブチャ「無事だったんだな」

    ジョルノ「はい。フーゴも大丈夫です。まだ本調子ではありませんが」

    ブチャ「それを聞いて安心した…………よく戻った」

    ミスタ「そうだぜージョルノ。お前がもっと早く合流していたら奇跡的瞬間にあえたのによ〜〜!」

    ジョルノ「奇跡的瞬間?」
  112. 112 : : 2018/06/22(金) 19:21:59
    トリ「ミスタが奇跡的にターゲットのプレートを拾った、という話よ」

    レオリオ「そいつは運がいいな!」

    ミスタ「だろ?たまたま通った所に女が寝ててな、そいつが握っていたのがそうだったんだよ!」

    レオ&クラ「女?」

    クラピカ「ミスタの拾ったプレートは何番だったんだ?」

    ミスタ「103だぜ。それがどうかしたか?」
     
    クラピカ「……いや、その女性はレオリオのターゲットだったのだが……」

    レオリオ「そいつがターゲットは103だって言ってたんだよ。お前と被ってるだろ?」

    ミスタ「確かにな……だがオレのターゲットは紛れもなく103だぜ!」

    クラピカ「疑っている訳では無いが……。どちらにせよミスタの強運には驚かされるよ」
  113. 113 : : 2018/06/22(金) 19:23:06
    ──飛行船──

    ジョルノ「ナランチャ達は無事、最終試験会場周辺に着いたでしょうか」

    ミスタ「さあな〜〜ハンター試験が終わるまでは連絡の取りようがねーから分かんねーよ。けどアイツらなら大丈夫だろ!」

    ジョルノ「…そうですね」

    ミスタ「というかよォーここまで来たら、合格も狙うだろ?最終試験の事でも考えよーぜー」

    ブチャ「…最終試験に残ったものの中ではトリッシュ以外は男だったな」

    トリ「クラピカは綺麗な顔をしているけれど、女性じゃあないの?」

    ミスタ「どうなんだジョルノ」

    ジョルノ「僕も性別までは聞いていませんから分かりません」

    ブチャ「……一応訂正しよう。おそらくトリッシュ以外は男だったな」

    トリ「…最終試験が殴り合いではないことを祈るわ」

    アナウンス「えーーこれより会長が面談を行います。番号を呼ばれた方は2階の第1応接室までお越しください」
  114. 114 : : 2018/06/22(金) 19:23:51
    ネテロ「まずなぜハンターになりたいのかな?」

    ブチャ「なりたい訳じゃあない。だが最終試験で手を抜くつもりもない」

    ネテロ「なるほど。ではおぬし以外の12人の中で1番注目しているのは?」

    ブチャ「注目…そうだな。99と405。子供なのに目をみはるものがある。あと403」

    トリ「302かしら。というよりも、それ以外とあまり関わりがないの」

    ミスタ「308。いつの間にか他の奴らと仲良くなってるしよー」

    ジョルノ「405」

    ネテロ「では最後の質問じゃ。12人の中で今1番戦いたくないのは?」

    ブチャ「303。これに至っては論外だ」

    トリ「301と44は絶対に嫌」

    ミスタ「44。不吉すぎるからな」

    ジョルノ「多すぎて選びたくないが……どうしても1人なら405」
  115. 115 : : 2018/06/22(金) 19:24:35
    ──最終試験会場──

    ネテロ「最終試験は1対1のトーナメント形式で行う。戦い方も単純明快。武器OK、反則なし。相手に『まいった』と言わせれば勝ち!」

    ネテロ「ただし相手を死に至らしめてしまった者は即失格!その時点で残りの者が合格。試験は終了じゃ、よいな」
  116. 116 : : 2018/06/22(金) 19:25:07
    ジョルノ(1回戦はゴンvsハンゾー。ハンゾーによる一方的な攻めにゴンは屈せず、ついにはハンゾーに勝った。ゴンは倒れて医務室へ運ばれたが重体ではないので大丈夫だろう)

    ジョルノ(2回戦はクラピカvsヒソカ。しばらく戦ったあとヒソカが何事か囁き直後負けを宣言した。3回戦はハンゾーvsポックル。これにはポックルが負けた。そして4回戦)

    試験管「第4試合ヒソカ対ジョルノ!」
  117. 117 : : 2018/06/22(金) 19:25:57
    ジョルノ(彼の強さはフーゴを殺そうとしたあの一瞬でよく理解出来た。コイツはトリックタワーの囚人と同じに考えてはいけない。一発でもいれられたら死ぬと考えた方がいいだろう)

    試験官「はじめっ!!」

    ヒソカ「そう怖い顔しないでおくれよ♤キミに聞きたいことがあるんだ♢」

    ジョルノ「きかなくていい。それに答えるつもりは無い」

    ヒソカ「何故ボクを生かしたんだい?」

    ミスタ「生かした?なんのことだ?」

    ジョルノ「もう一ペン言うけど答えるつもりはない。本当は一ペンでいい事を二度言うのは嫌いなんだ。なぜなら…二度言うってのは無駄だからだ……君の人生のために言うけど…無駄はやめた方がいい」

    ヒソカ「それが君の答えか…残念だよ♧」

    ジョルノ「……」
  118. 118 : : 2018/06/22(金) 19:26:37
    ヒソカ「この勝負は君に譲ろう♢」

    試験官「勝者、ジョルノ!」

    レオリオ「?何で譲ったんだ?生かしたって何かあったのか?」

    ブチャ「オレ達は何も聞いちゃあいない……なあジョルノ」

    ジョルノ「言葉通りですよ。僕がヒソカを生かした。詳しい事はここでは言えませんが」

    レオリオ「なんだよ!話せないことが多いな、お前は!」

    ジョルノ「あまり人に話せる理由じゃあないからね」

    ジョルノ(というより、正直に話したところで誰も納得しないだろう)
  119. 119 : : 2018/06/22(金) 19:27:27
    クラピカ「私も人に話せないことはある。だから詳しく聞くつもりは無い」

    ジョルノ「助かるよ」

    クラピカ「だから私がこれから言うことにも理由はきかないでくれ……ありがとう」

    ジョルノ「……」

    ジョルノ(この時、僕はヒソカを生かしたことを初めてよかったと思えた。それまではヒソカを生かす事に後悔はないが心から良かったと思うには程遠かった。仲間を殺そうとしたやつを生かすなんてどうかしている)

    ジョルノ(だがゼビル島に向かう船でゴンがヒソカについて話すのを聞いた時、彼にとってヒソカという存在は今は失ってはいけないのだと思った。そして彼ならいつかヒソカを殺せるだろうとも) 
  120. 120 : : 2018/06/22(金) 19:28:01
    ジョルノ(ヒソカはきっとこれからも沢山の人を殺し、人を裏切り欺いて、自身の快楽のために生きるのだろう。そして僕がヒソカを見殺しにすればその人達は助けられた)

    ジョルノ(それでも僕はゴンの成長に賭けた。彼と過ごしたのはトリックタワーの時だけだったし、ゼビル島では一方的に見ただけだが、彼は普通の人とは違う凄みを持っていると感じた)

    ジョルノ(何故ゴンなのか。これは酷く感覚的で言葉では言い表せない。だが僕はヒソカの死の間際に接した時、強く生かさなければならない、という衝動に駆られた)

    ジョルノ(こんな理由は人に話しても納得できないだろう。そんなことを話すのは無駄なんだ。だからこの事についてはずっと僕の胸にしまっておくつもりだ)
  121. 121 : : 2018/06/22(金) 19:29:01
    ──最終試験会場外──

    ジョルノ(結局、最終試験はキルアがボドロを殺し不合格となることで終わりを迎える。今は合格者説明会も終わり、会場の外に出てナランチャ達を待っている状態だ)

    ミスタ「トリッシュの護衛ついでだったが、資格を取れるなんざ本当についてるぜェー!」

    ブチャ「ミスタ。試験が終わった今も任務は続いている…うかれすぎるな!」

    トリ「ミスタの気持ちもわかるわ。まさか私がハンターなんて…あなたたちがいなければなれなかったでしょうね。……スタンド使いにも」

    ジョルノ(ブチャラティもミスタもトリッシュもヒソカについて聞きたいだろうが、その事についてはもう一切追求してこなかった)
  122. 122 : : 2018/06/22(金) 19:29:53
    ゴン「ジョルノ!」

    ジョルノ「ゴン。それにレオリオとクラピカも」

    レオリオ「お仲間待ちか?」

    ジョルノ「そんな所だよ」

    ゴン「……あのねジョルノ。フーゴさんにごめんなさいって伝えておいてくれないかな。フーゴさんが命懸けでヒソカと戦っていた時にオレ、ヒソカのプレートを狙ってたんだ」

    ジョルノ「……」

    ゴン「フーゴさんのおかげでプレートは取れて、その後色々あったけど、ずっとあの時のことでもやもやしてて」

    ジョルノ「フーゴは怒っていないと思うよ」

    ゴン「そうだとしても伝えて欲しいんだ!謝って済むことでもないし、直接言った方がいいだろうけど」

    ジョルノ「わかった。伝えておく」

    ゴン「あとね、ジョルノにも感謝してるんだ。ちょっと複雑だけど、おかげで新しい目標ができた!」

    ジョルノ「……そうなんだ。頑張ってね」

    ゴン「うん!!ジョルノも!」ニコ
  123. 123 : : 2018/06/22(金) 19:30:38
    クラピカ「そういえばジョルノ、ホームコードを交換しないか?よければブチャラティたちも」

    ジョルノ「……ホームコード?」

    クラピカ「まさか持っていないのか?」

    ジョルノ「どんなものかすら知らないな…」

    クラピカ「ホームコードというのは……(詳細は5巻参照)」

    ジョルノ「僕はケータイも持っていないから教えたくても教えられない」

    ブチャ「俺達もそんなところだ」

    クラピカ「…そうか。それでは渡しておくから作ったら登録しておいてくれ」スッ

    レオリオ「俺のもな。ほらよ」スッ

    ゴン「オレもジョルノたちと同じで持ってないんだ」

    レオリオ「早く作れよな〜〜。二人とも作ったら俺を経由して教えてやるよ!」

    ゴン「ありがとうレオリオ!」

    ジョルノ「グラッツェ」
  124. 124 : : 2018/06/22(金) 19:31:56
    ジョルノ「3人はこの後どうするんだい?」

    ゴン「キルアを連れ戻しに行く」

    クラピカ「私とレオリオもそれに同行する」

    ジョルノ「しばらく3人で行動するんだね」

    レオリオ「お前も行くか?」

    ジョルノ「僕にはまだやらなければならないことがあるからいけない」

    レオリオ「そりゃそうだ。お前には他の仲間がいるからな〜〜〜」

    ゴン&クラ&レオ「……」

    ジョルノ「……根拠はないんだけど、君達とはまたどこかで会える気がするよ」

    レオリオ「なんだそりゃ。…まあ今生の別れでもなし。また会おうぜ」

    クラピカ「そのためにもホームコードは早く作ってくれ」

    ゴン「またね、ジョルノ」

    ジョルノ「あとキルアに伝えておいてくれないか?次に会った時はトリックタワーでのことを教えるって。もちろん君たちにも」

    レオリオ「さんざん隠してたのにいいのかよ」

    ジョルノ「これもなんとなくだけど、次会う時には僕も君達も大きく変わっていると思うからね」

    ジョルノ(それに301はキルアの兄だった。身内にスタンド使いがいるなら、いつかキルアも目覚める可能性がある……)

    ゴン「うん、伝えておく!」

    レオリオ「こりゃ意地でも会わなきゃな」

    ジョルノ「ああ……いつか、必ず」
  125. 125 : : 2018/06/22(金) 19:33:42
    トリ「ナランチャ達がきたわ」

    ブチャ「3人とも、変わりはないようだな」

    アバ「……ああ。それに周囲に怪しいヤツはいなかったぜ。ただ……」

    ブチャ「珍しく歯切れが悪いな……何かあったのか…?」

    アバ「……ボスは……トリッシュを殺すつもりだったらしい」

    トリ「!!」

    ブチャ「……なぜそのような話を?」

    アバ「ボスは自分を知る者を徹底的に排除する…ペリーコロさんも既にこの世にはいない……トリッシュはボスの唯一の血縁……彼女はボスへの手がかりになる」

    ブチャ「だから何故そう言えるのかを聞いているんだァーーッ!」
  126. 126 : : 2018/06/22(金) 19:34:25
    フーゴ「裏切り者…暗殺チームの奴らがボスの正体とやってきたことを徹底的に調べあげ…組織内に広めたんです」

    ブチャ「それが真実だという証拠は?」

    フーゴ「信じられないかも知れませんが写真、書類etc…他にもたくさんあります……そして…彼らはボスを殺そうとしている。こんなことをしたんだ…殺さなければ彼らが殺られるでしょう」

    ブチャ「……」

    トリ「もう私の護衛は終わった、ということね……。そして父は私を殺そうとする……」

    ブチャ「トリッシュ…」

    トリ「……だからお願いするわ。私を父に会わせて。あたしはどうしても知りたい!自分が何者から生まれたのかをッ!それを知らずに殺されるなんてまっぴらゴメンだわッ!」

    護衛「……」

    トリ「父が直接あたしに手をかけるかはわからない……いいえ、ハンター試験で殺そうとしていたくらいだもの、自分からは来ないでしょうね。……それならコチラから会いに行くしかない!」
  127. 127 : : 2018/06/22(金) 19:34:59
    ブチャ「『君に協力する』……ということは『組織を裏切る』ということだ。オレは組織に忠誠を誓ったから、ここにいる……」

    トリ「……」

    ブチャ「だが…ボスが君を殺そうとしていることを見ぬふりはできない。君の願いをきこう!」

    ジョルノ「僕もブチャラティと同じです。トリッシュ……立ち向かう覚悟をした、というのはとてもいい選択だと思う…」

    トリ「ブチャラティ……ジョルノ……」

    ブチャ「オレは組織を裏切る。おまえ達についてこいと『命令』はしない……いっしょに来てくれと『願う』事もしない……オレが勝手にやる事だからな……だからオレに義理なんぞを感じる必要もない」
  128. 128 : : 2018/06/22(金) 19:35:39
    アバ「…オレの落ち着ける所はブチャラティ……あんたといっしょの時だけだ。それにジョルノ、いい気になってんじゃあねーぞ!!」

    ミスタ「実力から言ってボスを倒したら次の幹部はオレかな。ハンターライセンスもあるしよォ〜〜〜」

    トリ「アバッキオ……ミスタ……」

    フーゴ「おまえ達……どうかしているぞッ!組織を裏切ったら、もうどこにも居場所は無くなるッ!」

    ナラ「……」

    フーゴ「……だが僕の命はヒソカとの戦いで捨てたようなものだ……。本来ならいない存在……組織を裏切るくらい、大したことじゃあないかもしれないな」

    トリ「…フーゴ……」
  129. 129 : : 2018/06/22(金) 19:36:28
    ナラ「み……皆……」

    ブチャ「ナランチャ。決してオレ達の意見に振り回される必要は無い……お前はお前の信じる道を行け」

    ナラ「………」

    フーゴ「ブチャラティ。実はボスについて暗殺チーム以外の有力な情報を得ました」

    ブチャ「有力な情報?」

    フーゴ「名は名乗りませんでしたが、ボスの能力についての情報を持っていると」

    ブチャ「暗殺チームのやつらの情報にはなかったのか?」

    アバ「未来を予知する…とは書いていたが、そいつの話だと他にもあるそうだ」

    ブチャ「場所は?」

    フーゴ「ローマ…コロッセオ!」

    ブチャ「ボスがいつ気づくかわからない。早く向かった方がいいだろう」ザッ

    フーゴ「……ナランチャ…」ボソッ

    ミスタ「フーゴ、さっさと行こうぜ」スタスタ

    フーゴ「…………」クルッスタスタ

    ナラ「……」
  130. 130 : : 2018/06/22(金) 19:37:45
    ブチャ「ここから飛行場まではバスで向かう!」

    アバ「ちょうど来たな」

    運転手「発車しゃーーす。ご注意くださーーぃ」ブロロロ

    ブチャ「さて…これからについて話しておこう」

    ジョルノ「…ブチャラティ。振り返ってみて下さい」

    ブチャ「?」

    ナラ「ブチャラティイイイイイイ!!オレも行く!!!!行くんだよォーーー!!!!」

    ブチャ「ナランチャ……」
  131. 131 : : 2018/06/22(金) 19:38:30
    ──?──

    ??「…ボスの娘はコロッセオに向かったんだな?」

    ??「まだ着くのに暫くかかりそうだけどなあーー」

    ??「サルデーニャ島で逃げられてからボスの行方がわからない。居場所を割り出すためにも娘は必ず必要だ。そのまま奴らを尾けてくれ」

    ??「しょおおがねーなあああ〜〜〜」

    ??「また何かあれば連絡しろ」ブツッ
     
     






    ──ブチャラティ「ハンター試験…?」完──
  132. 132 : : 2018/06/22(金) 19:52:19
    地の文とかside○○とか使いたくなかったので、ゼビル島なんかは特に「いつ」「どこで」がごちゃごちゃで分からなそうです

    投稿は書き直せるそうですが、上の理由から書き直すつもりはありません

    こんな作品ですが、最後まで読んでくれた方、ありがとうございました

    俺ならもっと面白くできる、つまんね、という方。ぜひ投稿してください
    ジョジョとハンターのクロスに限らず、各々でもSSが増えることを願っています

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