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【エレミカ】ミカサ「エレンの隣にいるだけで胸が苦しい」アルミン「え…?」

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  1. 1 : : 2018/01/19(金) 05:04:17
    エレミカです。
    自分の恋心に自覚したミカサと、鈍感エレンのラブストーリーです。
  2. 2 : : 2018/01/19(金) 07:10:58
    ー食堂


    エレン「はぁ…今日も訓練きつかったなぁ」

    アルミン「そうだね…お疲れ様、エレン」

    エレン「おう!アルミンもお疲れ!」

    アルミン「今日のエレン、動き凄く良かったと思うよ」

    エレン「本当か!?この調子でどんどん強くなって…いつか巨人どもを根絶やしにしてやる!」

    アルミン「あはは…相変わらずだね…」


    ミカサ「おはよう、エレン、アルミン」

    サシャ「あっ、お二人ともおはようございます!!」

    エレン「ああ、おはよ」

    アルミン「ミカサにサシャ、おはよう。あれ?二人が一緒にいるなんて珍しいね?」

    サシャ「あっ、はい!今日はミカサと一緒にご飯を食べるんですよ!」

    ミカサ「私達は向こうで食べるから、それじゃあ」タタタッ

    アルミン「あれ?今日は僕達と一緒に食べないの?…って行っちゃった」

    サシャ「あっ、ミカサ待ってくださいよー!あっお二人とも、それではまた!」タタタッ

    アルミン「あっうん…」

    エレン「それじゃあ俺達も座るか」

    アルミン「そうだね…。ねぇ、エレン」

    エレン「ん…?どうしたんだ?」

    アルミン「あっ、いや…エレンはミカサが僕達以外とご飯食べてる所…見たことある?」

    エレン「なんだそれ?…あー…そういやねーかも」

    アルミン「だよね…なんでだろう」

    エレン「ミカサにだって俺達以外に友達くらいいるだろ」

    アルミン「まぁ…そうだよね…あはは…(本当にそれだけならいいんだけど…)」

    エレン「あっ、あそこの席、丁度二人分空いてるぞアルミン、あそこ座るか」

    アルミン(でも、いつも決まってエレンの隣に座ってご飯を食べてるミカサが、隣に座るどころか逆に遠くの方の席に座って他の人と食べてるなんて…何か変だ)

    エレン「おい、アルミン、聞こえてんのか」

    アルミン「あぁ、ごめんエレン、何?」

    エレン「何か考え事か?」

    アルミン「うん、ちょっとね…とりあえず座ろうか」

    エレン「お、おう…」

    アルミン(ミカサが僕達の事を避けるなんて、何かあるに違いない、思い切って後で本人に聞いてみよう)
  3. 3 : : 2018/01/19(金) 07:49:52
    ー倉庫裏


    ミカサ「アルミン、こんな所に呼び出して、一体どうしたの…?」

    アルミン「あっごめんね?ちょっと聞きたいことがあってさ」

    ミカサ「聞きたい事?」

    アルミン「うん…今日さ、サシャとご飯食べてたよね?」

    ミカサ「そうだけど…それがどうしたの」

    アルミン「それがちょっと不思議に感じてさ…ほら、いつもミカサは僕達と食べてるだろう?なのに今日はサシャと食べていたから、どうしてかなって…」

    ミカサ「っ!…そんな日もある」オドオド

    アルミン(はぐらかしてる…これは何かあるのは確定そうだ。…でも僕にも言い出しづらい事なのかな?)

    アルミン「そっか…」

    ミカサ「ええ、要件はそれだけ?」

    アルミン「あ、いや…待ってミカサ!(少し卑怯かもしれないけどこうなったら…)」

    ミカサ「何…?」

    アルミン「ミカサは、さ…」


    「僕やエレンの事、嫌いになったの…?」


    ミカサ「っ!?」

    アルミン「いつも一緒にご飯食べてるのに…急に避けるようになったから…そういう事なんだろう?(そんな事無いのは分かってるけど、ごめんミカサ…!」

    ミカサ「そんな事は決してない!私にとってはエレンもアルミンも大切な家族!」

    アルミン「なら、どうして避けてたの…?何か理由があるんだよね?」

    ミカサ「それは…その…」モジモジ

    アルミン「…僕にも言えない事かい?」

    ミカサ「…」チラッ

    ミカサ「…これは…その…どうしても言わなくてはならない事?」

    アルミン「あぁいや…っ!?本当に嫌なら言わなくてもいいんだ。ごめん、誰にだって言い出しづらい事はあるよね…」

    ミカサ(このまま理由を言わないままだと…エレンやアルミンを傷つけてしまう…でも…でも…)

    ミカサ「アルミン…1つお願いがある」

    アルミン「えっ?あ、えーと、何?」

    ミカサ「この事は…エレンには絶対内緒にしてほしい」モジモジ

    アルミン「え?ああ、うん…」

    ミカサ「…最近…その…エレンの隣にいるだけで胸が苦しい」

    アルミン「え…?」
  4. 4 : : 2018/01/19(金) 09:00:08
    ミカサ「その…エレンと目が合うだけで顔が熱くなってしまって…それで…その…さっきも悟られないように挨拶だけして、すぐに遠くの席に座った…」モジモジ

    アルミン「……えっ、ええええええっ!?」

    ミカサ「でも…まだこの感情がいまいち分からない。エレンの傍にはいたいとは…思うの。でも…近くにいると苦しくて……。はぅ…エレンの事を思い出すだけでも…か、顔が熱くなってしまう…///」

    アルミン「えと…ミカサは、まだそれがどういう感情なのか自覚出来てないのかい…?(これは十中八九エレンに恋してると見て間違いない…よね)」

    ミカサ「ええ…今まで完全に自分の感情は制御出来ていた…。でもこの感情だけは上手くコントロールできなくて…」

    アルミン「…そっか…でもまぁ、その感情に関してはそういうものだと思うよ」

    ミカサ「アルミンはこの感情がどういうものなのか分かるの…?」

    アルミン「うん、まぁ一応…だけど。(正直、僕自身、ミカサのエレンへ対する執着が家族として、ってだけじゃない事には驚いた。恋愛経験がないから上手くアドバイス出来るかどうか分からない…けど…)」

    ミカサ「エレンの傍にいたいのに、傍にいると胸が苦しくなる…顔も上手く見れない…近くにいられないのが…凄く辛い…うっ」ポロッ

    アルミン(目の前で親友が泣いているんだ…アドバイスができるかできないかじゃなく、親友なんだからやらなきゃダメだろ)

    アルミン「ミカサ、それはミカサにとって、悪い感情じゃないんだ」

    ミカサ「…?」グスッ

    アルミン「ミカサ…どうして急にそういう感情が芽生えたの?何かキッカケがあるんだろう…?」

    ミカサ「…実は数日前、クリスタのSSを読んで…」

    アルミン「え、えすえす…?」

    ミカサ「SSは短編小説の事…らしい。最近女子の間で自分の書いたSSを読み合うのが流行っていて…それでクリスタが恋愛もののSSを書いていて…その…それでクリスタが寝てる間にこっそり…」

    アルミン「読んだの…?」

    ミカサ「」コクッ

    アルミン(ミカサって恋愛小説とか興味持ちそうにないと思ってたんだけど…これは意外だ…)

    ミカサ「SSは少し前から流行り始めて…ずっと読んでみたくて、でも女子の会話の輪には上手く入れなくて…だからこっそり読んだ…んだけれど…。…そしたらその次の日にいつものようにエレンの隣に座って、エレンと話そうとすると…胸が苦しくなって…上手く喋れなくて…」

    アルミン(確かにここ数日あんまりエレンに話しかけてなかったような…)

    アルミン「ミカサ、そのSSってどういう内容だった…?クリスタから借りてこれないかな…?」

    ミカサ「それはダメ…そういう系の小説に興味がある事を知られるのは…少し恥ずかしい」

    アルミン「そっか…えと…じゃあちなみにそれってどんな作品?」

    ミカサ「題名は確か…『幼馴染と初めてのキス』だった」

    アルミン(あっちゃー…幼馴染系読んじゃったかー…)

    ミカサ「主人公が、いつも世話を焼いているツンデレ系の幼馴染の男子が好きで、頑張って告白して、最後にキスして終わるの。…読んでいる途中は胸がキリキリしたけど、頭がフワフワして…内容はすごい面白かった」

    アルミン「なるほどね…(世話を焼いているツンツンしてる幼馴染の男子にファーストキス…か。ミカサは多分、主人公を自分に置き換えて、無意識に相手の男子をエレンに置き換えて読んでいた可能性が高い…。つまりそれで次の日からエレンの事を変に意識しちゃったってワケか…)」

    アルミン(それにしても世話焼きな主人公に、相手がツンデレ幼馴染男子…か。クリスタ…絶対小説のモデル、ミカサとエレンだよねそれ…)

    アルミン「ミカサ…その感情は多分…その小説の主人公が、相手の幼馴染の男子に抱いていた感情と同じもの…だと思う」

    ミカサ「…え?…えと……え?」アワアワ

    アルミン「…ミカサ、君はエレンに恋に落ちている」
  5. 5 : : 2018/01/19(金) 09:04:12
    すみません。間違えて名無しで投下してました…。
    小説はちゃんと全部自分で書いてます汗
  6. 6 : : 2018/01/19(金) 09:48:56
    ー男子寮


    エレン「なぁライナー、アルミン見なかったか…?」

    ライナー「ん?アルミンか…?いや知らんが…」

    コニー「エレン、お前さっきアルミンと飯食ってたじゃねーか」

    エレン「いや、それがトイレに行ったっきり帰って来なくてな」

    ジャン「そりゃあデカいのでもしてんだろ、おいそれよりエレン」

    エレン「なんだよ?」

    ジャン「お前今日飯の時にミカサと一緒にいなかったじゃねーか?等々愛想つかされちまったんじゃねーのか?」ケラケラ

    エレン「…ただ一緒にいなかっただけだろ」イラッ

    ジャン「いっつもお前ミカサにおんぶにだっこされてんじゃねーか、それが今日はなんだ?随分遠くの方で飯つついてたじゃねーか?」

    エレン「はぁ?だからってなんでお前がそんな突っかかってくんだよ?」ガッ

    ジャン「おおっと、急に胸ぐら掴んできて怖いねぇ?俺はただママに捨てられた可哀想な子供に同情してやってんじゃねーか、あん?」ガッ

    コニー「ちょっ、お前らやめろよ!」

    ライナー「そうだぞ!こんなとこで暴れちまったら男子寮の全員で走らされるぞ!」

    ジャン「ケッ…離せよエレン」

    エレン「……ちっ」

    ライナー「ふぅ…何とか収まってくれたか…」

    コニー「まぁある意味エレンとジャンのこれは見物だけどな〜」

    ライナー「コニー、お前1人で走り込み行くか…?」

    コニー「お、おいおいそりゃねーよ!冗談だって!」

    ベルトルト「エレン、なんでアルミンを探してるんだい?」

    エレン「あっ、ベルトルトいたのか…いや、今日、アニとの対人格闘の動きをアルミンに見てもらってたからさ、どうだったか聞きたくてよ…」

    ベルトルト(またアニとしてたんだ…)

    エレン「ベルトルト…?」

    ベルトルト「え?あ、いや…そうなんだね、あはは…」

    エレン「…?」

    コニー「まぁ、戻ってくんの待てばいいんじゃねーか?」

    エレン「そうだなー…最悪明日聞けばいいか」


    ガタンッ!!!(ドア音)


    アルミン「大変だ!みんな!!」

    エレン「アルミン…!?」

    ライナー「おいおい…そんな慌ててどうしたってんだ」

    アルミン「いや…食堂でミカサとアニが喧嘩してるんだ!」アワアワ

    エレン「はぁ!?」

    コニー「エレンとジャンの次はミカサとアニかよ!?」

    ジャン「へぇ、面白そうだな」

    ライナー「…確かにアニとミカサの勝負は気になるな…」

    エレン「どっちが勝つんだろうな…」ゴクリ

    アルミン「もしかして見物するつもり!?止めないと全員で罰を受けるよ!?」

    ライナー「走り込みでも何でも受けちまってもいいくらい、価値のある勝負だと思うぜ、俺は…」

    アルミン「……もうどうにでもなれ…!とりあえず行こう!」


    ドッチガカツトオモウ?
    オレハミカサニアシタノバンメシゼンブカケルゼ!
    ガヤガヤ…


    ベルトルト「…忘れられてるけど、僕もついていけばいいのか?」
  7. 7 : : 2018/01/20(土) 07:16:50
    ー食堂


    ミカサ「考えが浅はかだった…アニ、貴女とはすぐに決着をつけるべきだった」

    アニ「何のことだかね、別にあたしはあんたに因縁つけたつもりはないよ」

    ミカサ「貴女にエレンは渡さない」

    アニ「別にあんたにどうこう言われる筋合いはないね…それにエレンはあんたのものじゃないでしょ?…いいよ、相手してあげる。猛獣相手に通用するか…丁度試してみたかった」

    クリスタ「二人ともやめなよ…喧嘩は良くないよ」ウルッ

    ユミル「無駄だクリスタ、あいつらの目を見ろ、あれは獲物を捉えた野生の目だ。声なんざ届かねーよ」

    サシャ「あわわ…これが教官にバレたらここにいる全員で罰を受けますよね…」

    ユミル「大丈夫だ芋女、教官が来たらまたお前が屁でもこいたっつって誤魔化しゃいいだろ?」ニヤッ

    サシャ「それ私の罰は確定みたいなものじゃないですかぁ!?」

    ガタンッ

    ユミル「おっと、男連中も集まってきたみたいだな」

    ライナー「おいおい、こりゃどうしたんだ」

    ミカアニ「…」バチバチバチッ

    エレン「すっげぇ勢いでミカサとアニが睨み合ってんな…どっちもすげぇ怖い顔してる」

    クリスタ「エレン、それにみんなも。大変なの、突然ミカサがアニに突っかかっていっちゃって…」

    エレン「はぁ?ミカサが…?つか何でこんなことになったんだよ」

    クリスタ「えっと…イチから説明したいんだけど…アルミンにだけ説明してもいいかな?」

    アルミン「えっ、僕に…?」

    エレン「なんでアルミンだけなんだよ」

    クリスタ「色々と事情があって…特にエレンには話せないかな…」

    エレン「はぁ?意味わかんねーぞ」

    クリスタ「ごめんね…?とりあえずアルミン以外は少し離れててくれる…?」

    ライナー「まぁクリスタがそう言ってんだ、大人しくここは引き下がろうぜエレン」

    エレン「お、おう…」タタタッ

    アルミン「…それで、一体なんでこんな事に…?」

    クリスタ「うん…ついさっき、女子寮でのことなんだけど…」
  8. 8 : : 2018/01/20(土) 07:19:26



    ー10分前、女子寮



    ミーナ「ねぇクリスタ、サシャ!新作のSS書いたんだけど見て欲しいの!」

    クリスタ「ほんと!?それって前ミーナが言ってた年の差恋愛のやつ!?」

    サシャ「えっ、あれですか!?」

    ミーナ「そう!やっと完成したの!」

    クリスタ「うわ〜!ずっと楽しみにしてたの!」パァァ

    サシャ「私も楽しみにしてました!」ワクワク

    ユミル「ん?またお前ら恋愛小説書いてんのか?」

    ミーナ「そう、ユミルも良かったら読む?」

    ユミル「やめろやめろ、そういう乙女が読むもんに私は似合わん、そういうのはクリスタ担当だろ」

    クリスタ「えっ、ユミルだって立派な乙女でしょ…?この前だってエレンの…」

    ユミル「ばっ…!ちげーよ!」アセ

    ミーナ「えっなになに?エレンがどうしたの〜?」ニヤニヤ

    サシャ「なるほど、ユミルはエレンが好きなのですね…!!」

    ユミル「あんな死に急ぎ野郎の事なんか別にどうとも思ってねーよ///」

    クリスタ「ふふっ…ユミルって意外と分かりやすいよね」

    ユミル「はぁ!?///」

    アニ(……え、ユミルもエレンの事が好きなのかい…)

    アニ(…って、『も』ってなんだい…それじゃあまるであたしがあいつの事…///)カァァァ

    バタンッ(ドアの音)

    ミカサ「今エレンの事を話している声が聞こえた気がしたのだけれど、それは気のせい…?」

    クリスタ「あっ、ミカサ、おかえりなさい!」

    ミーナ「ミカサ、さっきユミルがね…!」

    ユミル「ばっ…!!ちが…っ」

    ミカサ「ユミルがどうかしたの?」

    ユミル「いやいや、別に何でもねーよ、つか私らエレンの事なんか全然話してなかったっつーの!」

    ユミル(こいつにエレンへの気持ちバレちまったら最悪肉を削がれちまうよな…何としても隠し遠さねーと…!)アセ

    ミカサ「そう…それならいいの」

    クリスタ「エレンの話を私たちがしたらダメなの…?」

    ミカサ「そういう訳ではない…ただ…」

    ミカサ(ただ…私が…嫉妬してしまうだけ…みんなは悪くない)シュン..

    クリスタ(ミカサもユミルと同じできっとエレンが好きなんだろうな…ユミルのことは凄く応援してるけど、ミカサだって…)

    クリスタ「なんてね、ふふっ、分かってるよミカサ。ミカサも乙女だもんね」

    ミカサ「…っ!?べ、別に私は…」

    クリスタ「この間私のSS読んでたでしょ…?ミカサも年頃の女の子だから、恋愛小説とか興味あるよね」

    ミカサ「…っ!?ば、バレていたの…!?あ、いや…ごめんなさい…勝手に読んで…」

    クリスタ「いいよ?自分の書いたものを読んでくれるって凄く嬉しいし!読みたかったならそう言ってくれればいいのに…ミカサも女の子なんだから、恥ずかしくなんてないよ?」

    ミカサ「そ、そう…?あ、ありがとう…今度からは一緒に読んでも…その…いい…だろうか?///」

    クリスタ「うん!全然いいよ!むしろ大歓迎だよ!」

    ミーナ「うんうん!私もミカサに読んでほしい!」

    サシャ「私もミカサに書いたやつを読んでほしいです!」

    ミカサ「…うん」ポッ

    ユミル「ほんと女子ってこういうの好きだよなー、私には分からん」

    クリスタ「ユミルはやっぱり読まない?」

    ユミル「私はパスだな、文字読むのは好きじゃなくてな」

    クリスタ「そっかー…あっ、アニはどう?」

    アニ「」ビクッ

    アニ(まさかのあたしに振るのかい!?…えっと…あたしだって読んでみたい気は無くはないけど…)

    アニ「いいよ、あたしは」

    アニ(うっ…何でこういう時に素直になれないんだろうね…あたしは…)

    ユミル「だろうな、氷の女がんなもん興味持ってたら笑いものだぞ」

    アニ(…あたしだって少しくらいは…)イラッ
  9. 9 : : 2018/01/20(土) 07:19:49
    クリスタ「そんな言い方しちゃダメだよユミル、アニだって女の子なんだから…」

    ユミル「ぶっ!くははははっ…あの氷の女が恋する乙女だなんて、そりゃ笑いもんだな…!くふふ…いーひひひ…っ!」

    アニ「」イラッ

    アニ「…あたしだって女なんだから恋愛くらい興味あるよ…!最近なんて夜中に一人でこっそり自分とエレンのSS書いてたくらいの乙女だよ!悪かったね、氷の女で!」ハァ…ハァ…

    ユミル「お、おいおい…急に怒鳴り散らすなよ…びっくりしたじゃねーか………って、は?」

    ミーナ「アニ、今なんて…!?」

    アニ「…いやだから、あたしだって……って…あっ」

    クリスタ「わぁ!アニ!エレンのことが好きだったの!?/////」キラキラ

    ミーナ「えっ!?初耳だよそんなの!?/////」キラキラ

    サシャ「なるほど、意外とエレンは人気なんですね…」

    ユミル「おま…そうだったのか…!?そりゃあ悪かったな…(つかエレンのやつ、意外とライバル多いな…確かに顔は悪くねーけど…くっそ…!)」

    アニ「あっ、いや…あたしは…その…///」

    ミカサ「……………」ギロッ

    ユミル「…お、おい…ちょっと待て、約一名猛烈な勢いでアニを睨んでる奴がいるぞ…」

    ミカサ「アニ…ちょっといい?」

    アニ「な、なんだい…」

    ミカサ「アニ、あなた、エレンの事が好きなの?」

    アニ「…だったら、なんだい」ムッ

    ミカサ「そう………別にどうということはないの。」

    ミカサ「ここでは動きづらい、この時間から外へは出れないから…じゃあ、食堂。そこで待ってるから、すぐに来て」

    アニ「…は?なんで今から」

    ミカサ「決着をつける、じゃあ」

    バタンッ

    アニ「………」

    クリスタ「えーと……決着…?」

    ユミル「エレンをかけてって…こと…か?」

    サシャ「ミカサは案外不器用ですからね…恋敵にもこういう方法でしか宣戦布告できないんじゃないんでしょうか…」

    クリスタ「そんな…!暴力はよくないよ…!」

    ユミル「お前はどうする?アニ。相手はバケモンだぞ」

    アニ「……行く」

    バタンッ

    ユミル「おいおいまじかよ…」

    ミーナ「恋するあの人をかけてバトル!…なんか小説みたい…!」パァァ

    サシャ「なんだか面白い展開になってきましたね…!」

    クリスタ「喧嘩はよくないから、とりあえず止めに行かなきゃだよね!」

    ユミル「止めるかどうかは置いといて、面白そうだから私も見に行くか」

    サシャ「私も行きます!」

    ユミル「うっし、決まりだ。とりあえず食堂に行くぞ」
  10. 10 : : 2018/01/20(土) 07:25:31
    【おまけ 恋愛関係図】

    ミカサ
    アニ → エレン
    ユミル


    ベルトルト→アニ

    ジャン→ミカサ


    エレン→????
  11. 11 : : 2018/01/20(土) 08:34:15
    ーーー
    ーー


    クリスタ「…っていう感じで今に至るの」

    アルミン「なるほど…大体は分かった。これは確かにエレン本人には聞かせられないね…。食堂で考え事をしていたら、突然アニとミカサが言い合っているから何かと思ったら…そんな事があったんだね…」

    クリスタ「え、考え事…?」

    アルミン「あーいや…ミカサにさっき恋愛相談を受けてね…。」

    クリスタ「えっ!?そうだったの…!?」

    アルミン「うん、ミカサはエレンへ対する感情が恋だっていう事についさっき自覚したばっかりで…それで自分の中でもまだ整理出来ていない状態で突然ライバルが出現したから、今回みたいな騒動になったんじゃないかな…」

    クリスタ「そっか…」

    エレン「もうそろそろいいか…?」

    アルミン「あっ、うん」

    クリスタ「あの二人は今どんな感じ?」

    ライナー「いや…お互い睨み合ってはいるが、どちらもまだ手は出さないな…」

    ジャン「ありゃあどっちも出方を伺ってるって感じだな」

    ミカサ「……」ゴゴゴゴゴ

    アニ「……」ゴゴゴゴゴ

    ユミル「すげぇ緊張感だな…さて、どっちがさっきに出る…?」

    アルミン「あの、やっぱり事が大きくなる前に止めた方がいいんじゃないかな…」

    クリスタ「そうだよ…怪我したら大変…」

    ジャン「何言ってんだ、今面白いとこなんじゃねーか」

    クリスタ「じゃあジャンは、ミカサが怪我してもいいの?」

    ジャン「は?いや、それは…」

    ユミル「女神様がこう言ってんだ、確かに気になる勝負ではあるが…ここは止めた方がいいんじゃねーか?全員で罰を受けるのも面倒だしな」

    エレン「…まぁ、こんな遅くに罰なんか受けちまったら明日の訓練に響くだろうしな」

    コニー「でも誰があいつら止めに行くんだよ?俺達にあんなの止められるやつがいるか?」

    サシャ「確かにそれもそうですね…」

    クリスタ「エレン…ならどうかな?」

    エレン「はぁ?俺…?」

    ジャン「おいおい、確かにこいつは対人格闘の成績はいいが、いくら何でも相手が悪すぎるだろ」

    クリスタ「ううん、いい考えがあるの…エレン、耳貸して」

    エレン「あっ?お、おう…」


    エットネ…
    ホントウニソンナンデイイノカ…?
    ウン!


    ミカサ「…」ゴゴゴゴゴ
    アニ「…」ゴゴゴゴゴ


    エレン(二人ともすげー形相で睨み合ってて…殺気すら感じるな……これはなんつーか…)

    エレン(うん、すげー怖い)

    クリスタ「…エレン、ふぁいとー(小声)」

    エレン(…今更断れねーよなぁ…)

    エレン(クリスタの考えた作戦は本当に通用すんのか…?とりあえず…やってはみるか)

    エレン「…二人とも、何してるんだ?」

    ミカサ「え、エレンっ!?///(…あぅ…ま、まだ上手く顔が見れない…っ)」

    アニ「…何って、あんたに関係ある?(いや、あんた関係だけどもさ)」

    エレン「…いや、関係はねーかもしんねーけど…」

    エレン「大好きな友達二人が喧嘩してるのは…耐えられねーよ、俺」ウルッ(上目遣い)

    クリスタ(あれ?もっと甘えるような口調で…って言ったんだけど…こ、これはこれでいいかな?)

    ミカサ「だ、だ、だ、だいす…すき………え、えれんが…わたし…を……?/////」

    アニ「…っ…///(私の事…大好きな…と、友達って思ってたんだね、こいつ…。…と、ともだち…か…///)」

    ミカアニ「」プシューッ

    エレン「お、おい!?大丈夫か!?…って、クリスタ…!?二人とも気絶しちまったんだけど!?」

    クリスタ「あ、あれぇ…?」

    ユミル「おいおい頼むぞエレン(……ちくしょう、ちと羨ましいな…)」

    エレン「俺のせいか!?」

    アルミン「あはは…まぁ一応一時は丸く収まったみたいだし、結果オーライじゃないかな…」

    エレン「これでいいのかよ…」

    ジャン「ライナー、主人公補正って…すげーな…」

    ライナー「あ、ああ…」

    サシャ「とりあえずミカサとアニは女子寮に運びましょう!」

    クリスタ「そうだね…じゃあみんなそれぞれ宿舎に戻ろうか」


    ナンカツマンネーナ
    マァナニゴトモナクテヨカッタッテモンダ
    ワイワイガヤガヤ


    ベルトルト「ついていったはいいけど、やっぱり一言もセリフ無かったね僕…」
  12. 12 : : 2018/01/21(日) 00:27:45
    ー女子寮


    ミカサ「……っ…ここは…女子寮…?」

    ミカサ(そうだ、アニとの勝負は…!)

    クリスタ「起きたんだね、ミカサ」

    ミカサ「クリスタ…!?」

    クリスタ「しーっ、みんなもう寝てるから、静かに」

    ミカサ「……クリスタは何故まだ起きているの?もう夜遅いのに」

    クリスタ「ミカサとアニは気絶したキリだったから、このまま目が覚めなかったらどうしようって思ったら、寝れなくて…」

    ミカサ「そう…ありがとう。アニは?」

    クリスタ「うん、アニならさっき起きて、また寝たよ」

    ミカサ「なら良かった」

    ミカサ「…」シュン…

    クリスタ「……ミカサ…?」

    ミカサ「……」

    クリスタ「ミカサってば…!」

    ミカサ「…っ!!……どうしたの?クリスタ」

    クリスタ「ううん、なんだか思い詰めたような顔をしてたから…どうしたのかなって」

    ミカサ「…なんでもない」

    クリスタ「…ねぇミカサ、外に行こっか」

    ミカサ「…?どうして…?」

    クリスタ「単なる気分転換だよ、なんだか眠れなくて、だからミカサも付き合って?」

    ミカサ「…こんな時間に外に出て、見張りに見つかってしまったら罰を受けてしまう」

    クリスタ「上手く誤魔化せば大丈夫だよ…!だから…ね?」

    ミカサ(…クリスタは、普段なら絶対規則は守る人…。それなのに、私が暗い顔をしてしまったから、気を遣って言ってくれている…)

    ミカサ(……確かに、ここで思い詰めていても始まらないだろう。ここはクリスタの言葉に甘えよう)

    ミカサ「分かった」

    クリスタ「本当…!?」パァァ

    ミカサ「うん」

    クリスタ「それじゃあこっそり出ちゃおう!こういうの初めてだからドキドキする…!」ワクワク

    ミカサ「クリスタは、子供」

    クリスタ「えっ!?そんな事…」

    ミカサ「初めての事に、ドキドキ。エレンと同じことを言っている。だから、子供」

    クリスタ「えへへ…そうかな?そんなに似てるかな?ミカサの恋人に」クスッ

    ミカサ「恋人…っ!?ち、違う…え、エレンは…ただの家族…///」カァァ

    クリスタ(ふふっ、ミカサもわかりやすくて可愛いなぁ)
  13. 13 : : 2018/01/21(日) 00:58:20
    クリスタ「うわぁ…夜の風…気持ちいいね!」

    ミカサ「……」

    クリスタ「こんな夜中に外なんて出たこと無かったから、夜中の風がこんなに心地いいなんて知らなかったぁ〜…ね、ミカサ?」

    ミカサ「…………」

    クリスタ「……ミカサ、また考え込んでる」

    ミカサ「はっ…!!ご、ごめんなさい…」

    クリスタ「ううん、いいよ。何を考えてたか、当ててあげよっか?…エレンでしょ…?」

    ミカサ「…っ!?…………ええ。」

    クリスタ「アルミンから聞いたよ。ミカサ、エレンの事好きなんだよね。一人の男の人として」

    ミカサ「えっ!?い、いつそれを///」

    クリスタ「さっきミカサとアニが食堂で言い合いになっちゃってた時。大丈夫、私以外は聞いてないから」

    ミカサ「…そう」

    クリスタ「うん…」

    ミカサ「…」

    クリスタ「…」

    ミカサ「……私は、アニに酷いことをしてしまった」

    クリスタ「…え?」

    ミカサ「アニだってエレンを好きな気持ちは同じ。それなのに…私は自分の嫉妬心だけで、アニに突っかかってしまった。私は自分勝手だ」

    クリスタ「…そうだね、ちょっと自分勝手だったよ、さっきのミカサは」

    ミカサ「…っ!………うん」シュン

    クリスタ「…でも、ミカサは男の人にそういう感情を向けたのが初めてだったんだよね。」

    ミカサ「うん、だから…まだ恋の仕方がよく分からなくて…。そこに恋敵が現れて…エレンを取られたくなくて…でもどうやって戦ったらいいのか分からなくて……」

    クリスタ「ミカサ……」

    ミカサ「暴力で解決するのが間違っているのは分かっている。……でも、アニにエレンは…取られたくない…っ」グスッ

    クリスタ(えっ!?泣いてる…!?そういえばミカサって私の前で泣いたことなんてあったっけ…)

    クリスタ(……)

    クリスタ「ミカサ、自分の嫉妬の気持ちは、やっぱり抑えられない…?」

    ミカサ「……」コクッ

    クリスタ「じゃあさ、その気持ちを、アニにぶつけるんじゃなくて…エレンにぶつけたらどうかな?」

    ミカサ「エレンに…?」

    クリスタ「うん!アニに取られたくないなら、ミカサの魅力をめいっぱい活かして、沢山アピールして、エレンをミカサ以外見れなくなるくらい振り向かせたらいいと思う!」

    ミカサ「それがアニと正々堂々戦うということ…?」

    クリスタ「うん!それが恋の戦い方だよ!」

    ミカサ「……アピール…分かった。でも、エレンに近づくとドキドキして…残念だけどうまく話せない。エレンにアピールできるだろうか…」

    クリスタ「こら、もたもたしてたらアニに取られちゃうよ…?」

    ミカサ「っ…!」クビフルフル

    クリスタ「だったら頑張らなきゃ!私、応援するよ…?」

    ミカサ「…ありがとう、クリスタ。私、頑張る」

    クリスタ「それじゃあまずは明日、アニに謝らなくちゃね!それと…宣戦布告しちゃお!」

    ミカサ「分かった」
  14. 14 : : 2018/01/21(日) 08:14:38
    ミカサも作者さんもがんばって
    期待です
  15. 15 : : 2018/01/22(月) 01:50:23
    わわ!14さんコメントありがとうございます!頑張ります!(*´∀`*)
  16. 16 : : 2018/01/22(月) 01:55:07
    期待です!
  17. 17 : : 2018/01/22(月) 03:38:36
    16さんありがとうございます!頑張ります!
  18. 18 : : 2018/01/22(月) 03:39:12
    ー女子寮


    ユミル「ふあぁ~…眠ぃ…」

    クリスタ「もうユミル、女の子なんだからあくびの時は手を抑えなきゃ」

    ユミル「へいへい」

    サシャ「あっ、おはようございます!!クリスタにユミル!!」

    ミーナ「二人ともおはよう!」

    クリスタ「サシャにミーナ、おはよう」

    ユミル「おう」

    サシャ「あれ?アニとミカサがいませんね…」

    ユミル「アニならいっつも朝は一足早くに食堂にいるだろ」

    サシャ「あれ?そうなんですか…?アニってば食い意地凄いんですね…」

    ユミル「お前が言うな」

    ミーナ「でもミカサはどうしたんだろう?」

    クリスタ「…あっ、もしかして…」

    ユミル「ん?なんか知ってんのかクリスタ」

    クリスタ「えっ!?う、ううん…何でもないよ?」

    クリスタ(ミカサ…もしかして昨日の事でアニの所に…)

    クリスタ(だとしたら…がんばれミカサ…っ)




    ー食堂




    アニ(…昨日の騒動で、あたしの好きな人が女子の過半数にバレたね…)

    アニ(…男子には伝わってなきゃいいけど)

    アニ(…特にあいつには)

    ガタンッ

    アニ「…?」

    ミカサ「おはよう、アニ」

    アニ「っ!!(ミカサ…?どうしてこんな早くに…)」

    アニ「…どうも」

    ミカサ「アニ…貴女に少し、用がある」

    アニ「…昨日の続きかい?あんたも懲りないね…」

    ミカサ「……アニ」シュン

    アニ「ちょっどうしたんだい?そんな悲しそうな顔して」

    ミカサ「…昨日は、その…ごめんなさい」ペコリ

    アニ「えっちょっと…!?」

    ミカサ「私は貴女に嫉妬していた…でも誰にだって人を好きでいる権利はある…昨日の私はどうかしていた…」

    アニ「いやちょっと…分かったから…頭上げなって」

    ミカサ「」コクッ

    アニ(昨日はあんなに突っかかってきたのに、どういう風の吹き回しだってんだい…全く…)

    アニ「はぁ…別にあたしは怒ってないよ」

    ミカサ「……」

    アニ「……」

    ミカサ「私は……」

    アニ「…?」

    ミカサ「私は、エレンの事を…一人の男の人として…その…想っている」

    アニ「またえらく直球だね」

    ミカサ「その気持ちに自分で気付いたのも…つい昨日の事…それで…その…」シュン

    アニ「恋のライバルとの戦い方がわかんなかった…大方そういう所?」

    ミカサ「…っ!!……うん」

    アニ「あんたどんだけピュアなのよ……」

    ミカサ「ごめんなさい…」

    アニ「だから謝んなくていいから…あたしも昨日乗り気になってたのは事実だし、あたしにも非はあるよ…悪かったね」

    ミカサ「えっ、いや…」

    アニ「これでこの件は手打ち、いいね?だからもうそんな暗い顔しなくていいよ。」

    ミカサ「…分かった」

    アニ「はぁ…」

    ミカサ「…アニは意外と優しい」

    アニ「なっ!?別にあたしはそんなんじゃ…」

    ミカサ「…私は、あまり魅力がない…優しいかどうかも分からないし…背も女子にしては高い……」

    アニ「あーもう、あんたいつからそんなネガティブになったの…?聞いててイライラするよ」

    ミカサ「…っ!!ごめんなさい…」

    アニ「いい?あんたは、顔は普通に綺麗だし、エレンの事を一途に想っているところとか、女子としての魅力は十分あるよ。そういう所をエレンもちゃんと見てるんじゃないの?」

    ミカサ「え、エレンが…私を…見てる…?///」

    アニ「もっと自分に自信を持ちな、そんなんじゃあいつは振り向いてくれないよ」

    ミカサ「…っ!!…分かった」

    アニ(はぁ…全くなんであたしは恋敵を励ましてるんだろうね…)

    ミカサ「アニ、お互い頑張ろう。でも、私はエレンのことを必ず振り向かせる…ので、アニには負けない」

    アニ「いいよ、けど…私だって負けないよ、ミカサ」クスッ

    ミカサ「アニ、今私の事を名前で…」

    アニ「なっ!?別にそんくらいの事でいちいち気にしないで///もう…」

    ミカサ「ふふ…っ」

    アニ「……っ…」

    アニ(…ミカサ…あんたはどこか他人な気がしないよ…。別の形で出会えていたら…もしかしたら…)

    アニ(…あんたとは友達になってたかもね)

    アニ(…本気で恋してる男がいて……こんなにいいライバルがいて……)

    アニ(こんな青春、あたしには少し…勿体無いね)


    ザワザワザワ…
    ガタンッ


    エレン「おっ!見ろよアルミン、食堂全然がら空きだぞ」

    アルミン「ほんとだ、これなら好きな席に座れるね」

    サシャ「はぁ〜お腹すきました!私のパンはまだですか…っ!?」キラキラ

    ミーナ「もうサシャ、走ったらぶつかっちゃうよ」


    ザワザワザワ…


    アニ「…どうやら他の連中も集まってきたみたいだね」

    ミカサ「それじゃあアニ、さっきはありがとう」

    アニ「…どうも」
  19. 19 : : 2018/01/22(月) 04:33:47
    ミカサ「エレン、それにアルミンも、おはよう」

    エレン「おう」

    アルミン「うん、おはようミカサ」

    ミカサ「…(やっぱり…エレンを見ているとまだ胸がキリキリと痛む……でも、これが恋するということ…)」

    アルミン「ミカサ…?」

    ミカサ(私は…エレンの事が好きなんだ)

    アルミン「おーい、ミカサー?」

    ミカサ「…っ!…どうしたのアルミン」

    アルミン「いや、何だかぼーっとしてたから…」

    エレン「大丈夫かよお前」

    ミカサ「大丈夫…私は支給のパンとスープを取りに行ってくる、ので、エレンとアルミンは席を確保しておいて欲しい…3席分」

    エレン「おう、頼んだぞ」

    ミカサ「」タタタッ

    アルミン「良かったねエレン」

    エレン「はぁ?何がだよ」

    アルミン「今日はミカサも一緒だよ」

    エレン「なっ…!?俺は別に…」

    アルミン「ふふふっ…でも、3人揃ってやっと僕達って感じがするよね」

    エレン「…まぁ、それもそう、だな…」

    アルミン「じゃあ席に座ろうか」

    エレン「おう!おっ、丁度アニの前の席空いてるぞ!」

    アルミン「えっ、待ってエレン…アニは…」

    エレン「おーい!アニー!」

    アルミン「はぁ…(頼むからエレン…ミカサの気持ちにそろそろ気づいてくれ…)」


    アニ「…どうも」

    エレン「アニ、前座っていいか?」

    アニ「…勝手にしな(え、エレンが前に…っ///)」

    アルミン「おはようアニ」

    アニ(さっきまでエレンの事を話してたから…変に意識しちゃうね…///)

    アルミン(あはは…僕の声は聞こえてないみたいだね…)


    クリスタ「あっ、ユミル。アニの隣空いてるよ、あそこ座ろうよ」

    ユミル「はぁ…?あそこ死に急ぎ野郎もいるじゃねーか…嫌だね、私は」

    クリスタ「ふーん、じゃあ他の所座る…?別に私はどこでもいいよ」

    ユミル「は、はあっ!?め、めんどくせーからあそこでいいよ、別に」

    クリスタ「もう、ユミルってば素直じゃないね」クスッ

    ユミル「い、意味わかんねー///」

    クリスタ「アニ、隣いい?」

    アニ「いいよ、別に」

    エレン「よお、クリスタとユミル」

    ユミル「お、おう…」

    クリスタ「おはようエレン」

    ミカサ「ただいまエレン、アルミン。食料を持ってきた。」

    アルミン「ありがとうミカサ」

    エレン「悪ぃな、ありがと」

    ミカサ「う、うん…っ」

    ミカサ「」チラッ

    アニ「」チラッ

    ミカアニ「…」ゴゴゴゴゴ…

    アルミン(ちょっと…ミカサとアニから物凄い勢いの無言の圧力を感じるんだけど…朝食食べづらいな…)

    エレン「いただきまーす」パクッ

    アルミン(肝心のエレンは普通に食べてるし…)

    クリスタ(…エレンの周りには、ミカサにアニにユミルもいる…何だかある意味この状況すごいなぁ…あはは…)

    クリスタ(ミカサとアニは敵意剥き出しだけど、ユミルは案外普通…?)

    ユミル「…」ムッ

    クリスタ(あっ、今ちょっとむくれた…)

    エレン「あっ、そういやアルミン…」パクパクッ

    ミカサ「エレン、口に物を入れたまま喋ってはダメ」

    エレン「はぁ?なんでお前にそんな…」

    ミカサ「ダメ」グイッ

    エレン「わ、分かったよ…」

    ミカサ「分かったならいいの」

    ミカサ「……」

    ミカサ(今顔を近づけすぎてしまった…っ///落ち着こう…大丈夫だよ私…///)

    エレン「ミカサ、お前顔真っ赤だぞ…熱でもあるんじゃ…」ピトッ

    ミカサ「ひゃうあ…っ////(エレンの手が私の額に…っ)」

    エレン「…は?なんだ今の声」

    ミカサ「あっ…いや…何でも、ない…大丈夫、熱もない…////」

    エレン「お、おう…」

    アルミン「あっ、そういえば今日エレンとミカサが掃除当番だよね?早く食べて行かないといけないんじゃない?」

    エレン「あっそうだったな」

    ミカサ「分かった、すぐ食べて行こう、エレン」パクパクッ

    アルミン(急いで食べすぎだよミカサ…)
  20. 21 : : 2018/01/25(木) 07:13:27
    ー倉庫



    エレン「…っと、大体こんなもんだろ」パッパッ

    ミカサ「うん、綺麗になったと思う」

    エレン「よし、そろそろ訓練の時間だろ。行こうぜミカサ」

    ミカサ「う、うん…(少しの間だったけど…二人きりになれた……)」ポッ

    エレン「今日は対人格闘訓練だ、よっしゃ!」ガチャガチャ

    エレン「………って、あ、あれ…?」ガチャガチャ

    ミカサ「…?何をしているのエレン…?」

    エレン「いや…外出ようと思ったら扉が開かねーんだよ」

    ミカサ「貸して」ガチャガチャ

    ミカサ「…開かない」

    エレン「だろ?早く行かねーと訓練に遅刻しちまうってのに…」

    ミカサ「そう言えばさっき、外から声が聞こえていた。もしかしたら倉庫の戸締りに来た人だったのかもしれない」

    エレン「つまり閉じ込められたって事か!?」

    ミカサ「そうみたい」

    エレン「はぁ!?くそ…次は対人格闘だったってのに…っ」

    ミカサ「……」

    ミカサ「エレン、どいて」

    エレン「……おい、何するつもりだ…」

    ミカサ「扉を破壊する」

    エレン「いや待て待て待て!!そんな事しちまったら二人とも独房にぶち込まれちまうぞ!!」

    ミカサ「…うん」シュン

    エレン「…はぁ、こうなった以上、誰かが来るのを待つしかないだろ」

    ミカサ「……でも、訓練に遅刻すると二人とも罰を受けてしまう…それに減点も大きい…」

    エレン「どう考えても中を確認せずに鍵を閉めたやつが悪いだろ、そう減点されない筈だ」

    ミカサ「…分かった、待とう」

    エレン「しかしなんで内側には鍵がないんだろうな、この倉庫は」

    ミカサ「昔は罰を受けた生徒は1週間訓練を禁止され、ここに監禁されていたらしい。その名残で内側には鍵がないみたい。」

    エレン「妙に頑丈な造りだと思ったらそういうことか…でもなんでお前がそんなこと…」

    ミカサ「アルミンが言っていた。ある本に書いていたらしい」

    エレン「ふーん…まぁとにかくここから出れない訳だし、大人しく待つか…」
  21. 22 : : 2018/01/25(木) 07:15:40
    エレン「幸い、この倉庫には馬小屋用の藁がある。ここで寝てればその内誰か来るだろ」

    ミカサ「…っ!!つ、つまり…こ、ここに二人で寝るという事…?///」

    エレン「なんだよ?ここに寝転がるのは嫌か…?」

    ミカサ「い、いや…そういう訳では…っ///」

    エレン「…?…けど掛け布団の代わりになる物は無さそうだな…仕方ねぇ、そのまま寝るか」ボフッ

    エレン「おっ!結構フカフカだな!ミカサも来いよ」

    ミカサ「えっ、えっ…あっ、その…エレンの…隣に…?」

    エレン「ん?なんだよ、昔はよくこうして二人で寝てただろ」

    ミカサ「えっと…///で、でも…///」

    ミカサ(まだ近くにいるだけで胸が苦しいのに…いいい一緒に寝るなんて…できない…っ///)

    エレン「嫌ならまぁ別にいいけどよ…」

    ミカサ「ち、ちがう…っ」

    ミカサ(二人で寝るなんて絶好のチャンス…飛びついてでも行きたい…で、でも恥ずかしい…っ///)

    ミカサ「…っ!」

    (クリスタ『アニに取られたくないなら、ミカサの魅力をめいっぱい活かして、沢山アピールして、エレンをミカサ以外見れなくなるくらい振り向かせたらいいと思う!』)

    (アニ『もっと自分に自信を持ちな、そんなんじゃあいつは振り向いてくれないよ』)

    (アニ『いいよ、けど…私だって負けないよ、ミカサ』)


    ミカサ(……私はアニにエレンは取られたくない…)

    ミカサ(それに…クリスタが応援してくれた。だから頑張るって決めた)

    ミカサ(今アピールしなきゃ、いつやるの…!)

    ミカサ「……エレンっ」ギュッ

    エレン「おわ…っ!?ミカサお前、なに急に抱きついて…っ」

    ミカサ「…エレン、こうして、一緒に寝ても…いい?」

    エレン「…はぁ!?な、なんで…」

    ミカサ「む、昔はよく、こ、こうして寝ていた…///」カァァ

    エレン「だからってなんで今…」

    ミカサ「久々に…え、エレンに…甘えるっ////」ギューーッ

    エレン「いてててててっ!ミカサ!強すぎ!折れる!折れるって!」グググ…

    ミカサ「…っ!ご、ごめんなさい…」

    エレン「いてぇな…ったく…何やってんだお前!もう甘えるような歳でもねぇだろ!」

    ミカサ「…っ…」

    ミカサ(…エレンに怒られてしまった)

    ミカサ(……アピールするどころか、これでは、嫌われてしまっても仕方の無いこと…)

    ミカサ「……っ」シュン

    エレン「…っ!」

    ミカサ「…うっ…」ポロ

    エレン(…なっ!?ミカサのやつ…泣いて…)

    エレン(………)
  22. 23 : : 2018/01/25(木) 07:16:00




    エレン(ミカサは小さい時に両親が殺されて、新しい家族が出来たと思ったら、今度は俺の母さんも巨人に食われちまって……)

    エレン(それからずっと、家族は俺だけで……)

    エレン(俺がミカサの事を拒むばっかするから、母さんが死んでからはずっと甘えられる相手がいなかったんだよな…)

    ミカサ「…」グスッ

    エレン「…ほら」ギュッ

    ミカサ「……っ!!……ほ、ほえ?」

    エレン「今日だけだぞ、お前が暗い顔してたら、何か調子狂うんだよ…」

    ミカサ「…っ…え、えと…」

    ミカサ「わ、わたしはいま…え、エレンに、抱きしめられている…??」

    エレン「状況把握遅せぇよ馬鹿……甘えたかったんだろ」

    ミカサ「…うんっ…!////」ギュッ

    エレン「…っ!///」

    エレン(あ、あれ…?なんだ…なんか胸が痛ぇな…でも、なんかわからんが…)

    エレン(…嫌じゃない)

    ミカサ「…」プルプルプル

    エレン「ん?お前震えて…寒いのか?」

    ミカサ「えっ、いや…そういう訳じゃない…」

    エレン「…たく、しょうがねーな」ヌギヌギ

    エレン「…これでどうだ?」バサッ

    ミカサ「…え?」

    エレン「俺の制服のジャケット、掛け布団にするには小さいが、いくらか寒さは凌げるだろ」

    ミカサ「えっ、でもこれじゃあエレンが…」

    エレン「俺は鍛えてるからな、別に寒くねーよ」

    ミカサ「……うん…」

    エレン「…」プルプル

    ミカサ「エレン、やっぱり震えてる…」

    エレン「こ、これはあれだ…武者震いだよ武者震い!」

    ミカサ「このタイミングでそれは無理がある…来て、エレン」

    エレン「…?」

    ミカサ「一緒に入ろう…?二人で入ったらもっと暖かくなる筈……そ、それと…またさっきみたいに抱きしめて欲しい…///」

    エレン「…まぁそれもそうだな、悪いな、じゃあお言葉に甘えて」ギュッ

    ミカサ「…っ///……」ギュッ

    ミカサ(…雰囲気は、悪くない)

    ミカサ(今なら、私の気持ちをエレンに告げられる…)

    ミカサ「え、エレン、聞いてほしいことがある…」

    エレン「ん?」

    ミカサ「…エレン、私は貴方のことが…」

    ガタンッ

    コニー「すまねぇ!大丈夫かお前ら!……っ…て…あれ…何してんだ?」

    (※エレンとミカサが抱き合ったまま寝ている)

    クリスタ「お、お取り込み中…みたいだね……///」

    エレン「はぁ!?い、いや、違う!これには理由が…」

    ミカサ「……(言えなかった…あと少しだったのに…)」シュン

    クリスタ「だ、大丈夫だよ!教官には黙っとくから///」キャッ

    エレン「だから違うって…!」

    コニー「なんだお前ら?対人格闘してたのか?」

    エレン「コニー…お前はちょっと黙れ…」

    ミカサ(私にとってはある意味格闘だった…)

    クリスタ「と、とりあえず訓練戻ろっか!///続きは明日の休日にでもできるし…///」

    エレン「もう何でもいいよ…」
  23. 24 : : 2018/01/25(木) 19:04:31
    面白いです!!
    期待してます(*^^*)
  24. 25 : : 2018/01/26(金) 06:29:34
    24さんありがとうございます!
    頑張ります!
  25. 26 : : 2018/01/26(金) 07:18:07
    ー夕飯


    エレン「いただきまーす!」パクパク

    アルミン「あはは…対人格闘の後の食事は、味の薄い物でも美味しく感じるね」

    エレン「ああ、がっつり食って、明日も頑張らないとな!」

    アルミン「明日は休日だけど…やっぱりエレンは自主練に行くのかい?」

    エレン「ああ、そのつもりだが…なんだ?アルミンも一緒にやるか?」

    アルミン「えっ!?いや、えーと…僕は遠慮しておこうかな…あはは…」

    ミカサ(……さっき倉庫で…エレンは私を抱きしめてくれた)

    エレン「しかしさっきは罰受けなくて良かった」

    アルミン「そうだね…ミカサも良かったね」

    ミカサ(…私が泣いてしまったから気を遣って抱きしめてくれたのは、分かってる…でも…それでも…)

    ミカサ(エレン…少しは期待しても、いい?)

    アルミン「…ミカサ?」

    アルミン(またぼーっとしてる…さっきは倉庫にエレンと二人で閉じ込められていたみたいだし、そこで何かあったのか…?)

    エレン「おいミカサ、お前また上の空じゃねーか、考え事でもしてんのかよ?」

    ミカサ「ふえっ!?…え、ええ…大丈夫、何でもない(エレンの事を考えていたなんて言えない…っ)」

    エレン「そうか…ならいいが…」

    アルミン(……ミカサのこの様子…やっぱり何かあったと見て間違いないだろう)

    アルミン(明日は丁度休日だし、ミカサから現状を報告してもらおう…)

    アルミン(相手は鈍感なエレンだ…せめて僕が、力にならなきゃ…!)

    アルミン「ミカサ…明日なんだけど、予定ある?」

    ミカサ「特にはない、どうしたのアルミン」

    アルミン「いや、ちょっとミカサに聞きたい事があって…」

    エレン「ご馳走様、行こうぜアルミン」タタタッ

    アルミン「えっ!?ちょっと待ってよエレン…!あっ、ミカサ、また明日ね!」タタタッ

    ミカサ「分かった、また明日」



    ー男子寮



    エレン「………」

    エレン(…アルミンのやつ、休日にミカサと何の用があるんだよ)

    エレン(…もしかしてアルミンとミカサって……そういう仲なのか…?)

    エレン(……って、アルミンとミカサがどうあろうと俺には関係無いことだろ!なんで思い詰めてんだよ俺は……)

    アルミン「……エレン?」

    エレン「…ん?どうしたんだ、アルミン」

    アルミン「随分と考え込んでたから…大丈夫?何かあったの?」

    エレン「別になんてことはねーよ、ほら、明日は休日なんだし、早いところ寝ちまうぞ」ポンポン

    アルミン「も、もう…頭ポンポンしないでよ!」

    エレン「はいはい、それじゃあおやすみ、アルミン」

    アルミン「う、うん…」

    アルミン(エレン、何について考えてたんだろう……)

    アルミン(……まさか、ミカサのことか…?)

    アルミン(…エレンに限って…まさか、ね)
  26. 27 : : 2018/01/26(金) 07:45:27
    ー次の日の早朝、図書室



    ミカサ「アルミン、聞きたい事って何…?」

    アルミン「あっ、おはようミカサ、こんな朝早くにごめんね…こんな時間じゃなきゃ図書室はそこそこ人がいるから…」

    ミカサ「大丈夫、エレンじゃないから寝坊はしない」

    アルミン「あはは……」

    アルミン「…それで、なんだけど…」

    アルミン「…ミカサ、昨日の夕飯の時、思い詰めていたよね…?あれはやっぱり、エレンの事かい?」

    ミカサ「…っ!!…う、うん…」

    アルミン「そうか…やっぱり……それで、なんだけど、単刀直入に聞くけど、倉庫でエレンと何があったの…?」

    ミカサ「えっ…いや、その…と、特には何もなかった…」

    アルミン「本当に…?」

    ミカサ「……えっと…」

    ミカサ「…………え」

    ミカサ「……え、エレンに……だ、抱きしめられた///」

    アルミン「えっ!?それは本当かい!?」

    アルミン(エレンがミカサを…っ!?どういう事だ…)

    ミカサ「でも、それは、私が泣いてしまって…それを励ます為にしてくれたこと…」

    ミカサ「……でも、やっぱり少し期待してしまう」

    アルミン「……なるほどね…昨日ミカサが思い詰めてたのはそういうことなんだ」

    ミカサ「もし、エレンが私のことを好きだったらいいなって…少し夢見がちかもしれない」

    アルミン「そんなことないよ、ミカサ。恋してる以上、やっぱり期待はするものだしね」

    アルミン「そうだ!折角の休日なんだし、エレンにデートを誘ったらどうだい?」

    ミカサ「っ!!…そ、それは…つまり…」

    ミカサ「二人で…ま、街に出かけるという事、だろうか…」

    ミカサ「……っ///」

    アルミン「ミカサなら大丈夫だよ、頑張って、エレンならきっと応えてくれる。」

    アルミン「エレンはいつも、僕達を引っ張っていってくれただろう?これからだって、きっとミカサの事を引っ張ってくれる筈さ」

    ミカサ「…………」

    ミカサ「…アルミン、ちょっと席を外す。じゃあ!」タタタッ

    アルミン「ふふっ、デートの感想、よろしくねミカサー!」

    アルミン(…思い立ったらすぐに行動する…そういう所、エレンにそっくりだね)

    アルミン(……頑張れ、ミカサ)
  27. 28 : : 2018/01/26(金) 08:56:24

    ー兵舎、外


    エレン「きゅうじゅうきゅう…ひゃくっ!」フッ!

    エレン「はぁ…よし、ちょっと休憩するか…」

    アニ「……おはよう、あんた、また自主練かい?」

    エレン「アニか、そうだが…何か用か?」

    アニ「馬鹿だね、こんな休日に自主練なんてしてるのはあんたくらいだよ」

    エレン「なんだよ、馬鹿にしに来たのか?」

    アニ「ああ、そうだよ。ほら、馬鹿なあんたにこれをあげる」ヒョイ

    エレン「これは…パンか?」パシッ

    アニ「見て分からない?これでも食べて、精々頑張りな」

    エレン「アニ、これもしかして今日のお前の朝食じゃ…」

    アニ「今日はあんまりお腹空いてなかったんだよ」

    エレン「は?お前ちゃんと食わなきゃもたないだろ」

    アニ「別にあたしはあんたみたいに休日に動いてるわけじゃないからね、昼食くらいまでなら大した事ないよ。それにスープも飲んだしね」

    エレン「まさかこれ、俺のために…」

    アニ「さぁね、自惚れるのは勝手にしな」

    エレン「……」

    エレン「アニ、隣座れよ」

    アニ「…え?」

    エレン「半分…パンもらうから、半分は自分で食え」

    アニ「えっ、いや別にあたしは…」

    エレン「俺と一緒に食うのが嫌なら、別にいいが…」

    アニ「だ、誰もそうとは言ってないでしょ!?…じゃあ、お言葉に甘えて失礼するよ」

    エレン「おう、ほらよ、半分」

    アニ「…どうも」

    エレン「……」パクパク

    アニ「……」

    エレン「……」パクパク

    アニ「……ねぇ、エレン」

    エレン「ん?なんだよ、アニ」

    アニ「どうしてあんたは、休日にもここまでして頑張るの?あんたの原動力はどこからあるの?」

    エレン「…はぁ?んなもんわかんねーよ。ただ、巨人を一匹残らず根絶やしにしなきゃならねーと思ったんだよ」

    アニ「それは何度も聞いた。…頑張る理由は、本当にそれだけ?」

    エレン「……」

    エレン「家族だ」

    アニ「え?」

    エレン「俺の母さんは、目の前で巨人に食われた。当時の俺は力がなくて、守る事が出来なかった」

    アニ「………エレン…」

    エレン「…もう二度と同じ事過ちを繰り返さない為に、俺は少しでも力をつけて、家族を守るんだ」

    アニ「家族っていうのは…ミカサ?」

    エレン「ミカサもそうだ。それだけじゃない。アルミンや…俺達を自分の子供のように思ってくれてるハンネスさんも…って、アニはハンネスさんのことは知らないか」

    アニ「…少なくとも、あんたが大事に思ってる人っていうのは伝わるよ」

    エレン「…あの時と何にも変わらねぇままなのは嫌なんだ。」

    アニ「……あんたなら、守れるよ。ミカサの事も、アルミンの事も、ハンネスっていう人の事も」

    エレン「…?あ、ああ…ありがとな、アニ」

    アニ(本当はあたしにこんな事を言う資格はないんだろうね、けど…)

    アニ(あんたを本気で応援してるのは、本当だよ、エレン)

    エレン「アニって意外と優しいよな」

    アニ「…っ!…べ、別にあたしはそんなんじゃないよ///」

    エレン「そうか?最初は怖いやつだと思ってたけど…」

    アニ「」ギロッ

    エレン「に、睨むなよ…ほら、他人にパンあげたり、励ましてあげたり、意外とそういうのって誰でも出来ることじゃないだろ?だから、お前は優しいよ」

    アニ「…そうかい、それは嬉しいね」

    エレン「それよりアニ、パン食わねーのか?」

    アニ「食べるよ、いただきます」パクパク

    エレン「ほんと、ここのパンって味薄いよな…」パクパク

    アニ「そうかい?」

    エレン「そう思わねーか?アニは」

    アニ「そうだね…」

    アニ(少なくとも、エレン、あんたと食べるパンは…)

    アニ(あたしにはちょっと、甘過ぎるよ)



    アニ「エレン、さっきの話なんだけど」

    エレン「ん?」

    アニ「ほら、あたしが優しいっていう話」

    エレン「ああ、それがどうかしたのか?」

    アニ「………あたしは別に誰にでも優しいわけじゃないよ」

    アニ「あたしはエレン、あんただから優しいんだ」

    エレン「なんだそれ、どういうことだよ?」

    アニ「全く、あんたは鈍感だね」

    エレン「はぁ?なんでお前にそんな事…」


    チュッ


    アニ「これでもまだ、分からないかい?///」

    エレン「…っ///あ、アニお前…///」



    ミカサ「…っ……えっ…?」

  28. 29 : : 2018/01/27(土) 00:59:23
    ヤバイ…泣いちゃう
    みかさぁぁぁぁぁぁぁぁ((殴
    頑張って!
  29. 30 : : 2018/01/27(土) 18:37:11
    29さん応援とご感想ありがとうございます!
    頑張ります…!
  30. 31 : : 2018/01/27(土) 18:37:36
    ー数分前、教官室


    ガタンッ

    ミカサ「教官、失礼します」

    キース「アッカーマン訓練兵か、どうした?」

    ミカサ「本日の休日について、街へ出掛けたいのですが…通行許可証の申請に来ました」

    キース「ほう…そうか、何をしに街へ行くんだ」

    ミカサ「えっと…それは…(好きな人とデートをしに…とは言えない…。どうしよう…)」

    キース「……」

    キース(…まさかグリシャの息子と街に…?)

    キース「こほんっ……いいだろう、通行許可証は2枚でいいか?」

    ミカサ「…え?は、はい…」

    キース「確かに渡したぞ」

    ミカサ「あ、ありがとうございます!」

    キース「用がそれだけならさっさと行け!」

    ミカサ「はっ!」タタタッ


    ガタンッ



    キース「……」

    キース「…上手くやれよ、アッカーマン訓練兵、坊主」




    ー兵舎、外


    ミカサ「エレンは…どこだろう」スタスタ

    ミカサ(この通行許可証を持って…エレンの所に…そして、今日はエレンとデートをする…っ)ギュッ

    ミカサ(い、今からドキドキしてきてしまった…///)

    ミカサ「頑張ろう…アピール出来るかどうか分からないけど、精一杯ぶつかろう」


    (アルミン『エレンはいつも、僕達を引っ張っていってくれただろう?これからだって、きっとミカサの事を引っ張ってくれる筈さ』)


    (エレン『…ほら』ギュッ

    ミカサ『……っ!!……ほ、ほえ?』

    エレン『今日だけだぞ、お前が暗い顔してたら、何か調子狂うんだよ…』)


    ミカサ(エレン…)

    ミカサ(貴方は今…どこで何をしてる?)

    ミカサ(私は貴方の事を考えるだけで、こんなにも胸が苦しい…)

    ミカサ(ああ、そうだったんだ…私は始めから恋をしてたんだ…)

    ミカサ(貴方がマフラーを巻いてくれた、あの日からずっと………)

    ミカサ「…今日、言おう。私の思いのすべてを」


    「なんだそれ、どういうことだよ?」


    ミカサ(これは…エレンの声…?向こうの方から聞こえる…!)スタスタ

    ミカサ(誘おう…頑張れ私…!)

    「全く、あんたは鈍感だね」

    ミカサ(あっ、いた!エレン……と、あれは…アニ…?)

    「はぁ?なんでお前にそんな事…」

    ミカサ(どうしてアニとエレンが一緒に……)



    エレアニ「」チュッ




    アニ「これでもまだ、分からないかい?///」

    エレン「…っ///あ、アニお前…///」



    ミカサ「…っ……えっ…?」




    今…



    何が起こったの…?



    ミカサ「…っ!」タタタッ

    ミカサ「……うぅ…っ」ポロポロ



    ミカサ(どうして今、私は走ってエレンから離れてるの?)

    ミカサ(どうして今、私は泣いているの?)

    タタタッ

    ミカサ(ただただ今は…エレンとアニが一緒にいるのを見るのが辛い…っ)

    ミカサ(どこか、どこか遠くに行かなきゃ…っ)




    エレン「お、おいアニ…お前今なんで…っ」

    アニ(今、ミカサに見られてたみたいだね…エレンは気付いてないみたいだけど)

    アニ(…それにしてもさっき、ミカサのやつ泣いてた…?)

    アニ(…まさかね…)

    アニ「エレン、あんた今日、暇…?」

    エレン「はぁ?いや、俺は自主練中だって…」

    アニ「…なら、暇ってことでいいね」

    エレン「なんでそうなるんだよ!?」

    アニ「ちょっと付き合ってくれない?乙女の初めてのキスを奪ったんだから、拒否はさせないよ」

    エレン「はぁ!?そりゃお前が勝手に…」

    アニ「…それとも、嫌かい?」

    エレン「…はぁ…分かったよ……で、何の用だよ」

    アニ「これから、一緒に街へ行かない?」
  31. 32 : : 2018/01/27(土) 18:51:24
    面白いです!
    期待してます!╰(*´︶`*)╯
  32. 33 : : 2018/01/27(土) 19:50:54
    ジャン「折角の休日だってのに何もやる事ねーなぁ…」

    ジャン「その辺一人でブラブラして…全く俺は年寄りかってんだ…」

    ジャン「こんな休日にミカサとデートにでも行けたら最高なんだけどなぁ…」


    ミカサ「」タタタッ…


    ジャン「って、あれはミカサ…?」

    ジャン(俺の方に走って近づいてきてる…っ!?これはもしや…)

    ジャン(デートのお誘いか…っ!?)

    ジャン「おーい、ミカサー!そんなに走ってきて、俺に一体何の用だ…って………ミカサ…?」

    ミカサ「うっ……うぅ…っ」ポロポロ

    ジャン「…っ!!」

    ジャン(あのミカサが泣いてる…っ!?)

    ミカサ「…っ…」タタタッ

    ジャン「おい待てよミカサ…」

    ミカサ「…っ…何か用?」

    ジャン「お前、なんで泣いてんだ?」

    ミカサ「別に、泣いてなんか…いない」グスッ

    ジャン「速攻バレる嘘つくんじゃねぇよ…その手に持ってるもんは外出の通行許可証か?」

    ミカサ「っ……ええ」

    ジャン「……なんだ?あの死に急ぎ野郎と街でも行くつもりだったのかよ?」

    ミカサ「…………」シュン

    ジャン「…っ…!…やっぱりそうかよ…」

    ジャン(なんでいつもいつも…あいつばっかなんだよ…くそったれ…!)

    ジャン(………)

    ミカサ「……でも、もうこれも、必要ない…」

    ジャン「おいおい、なんでだよ…エレンの野郎が断ったのか…?」

    ミカサ「……そうじゃ、ない…っ」

    ミカサ「…私は…エレンには…やっぱり相応しくなかった…」

    ミカサ「そう…それだけの事…だから私は…う
    っ」ポロポロ

    ギュッ

    ミカサ「…っ!」

    ジャン「……好きな奴が目の前で泣いてるのを見るのは…御免だぜ」

    ミカサ「…えっ…?」

    ジャン「……わりぃな、急に」パッ

    ミカサ「い、いや…」

    ジャン「……俺はミカサ、お前が好きだ」

    ミカサ「…………」

    ジャン「分かってるよ、お前がエレンしか見てねぇって事はよ」

    ミカサ「…ごめんなさい」

    ジャン「謝るんじゃねーよ、俺が伝えたかっただけだから」

    ミカサ「……」

    ジャン「……」

    ジャン「…なぁミカサ…誰がエレンにミカサが相応しくねぇって言ったんだ?そりゃお前が自分で決めつけてるだけだろうが」

    ミカサ「…っ!」

    ジャン「ミカサ…お前エレンに自分の気持ちをぶつけたのかよ?」

    ミカサ「まだ…言えていない…でももう…」

    ジャン「叶う叶わねぇじゃねぇだろ、それはお前が伝えたい想いなんじゃねぇのか?」

    ジャン「それはお前にとって、どんなに叶わない恋でも、ぶつけなきゃいけねぇもんじゃねぇのか?」

    ミカサ「………っ」

    ジャン「少なくとも俺は、お前に自分の気持ちをぶつけたぜ。まぁ結果はこうだったけどよ」

    ミカサ「…ジャンは…強い人だ」

    ミカサ「私は…私には、そんな覚悟がない…」

    ジャン「…そうか……そりゃ想いを伝えるってのは簡単なことじゃねぇからな」

    ジャン「でもよミカサ…」

    ジャン「…こういうのって、後悔してからじゃ、遅いんだぜ」

    ミカサ「…っ!」

    ミカサ「………」

    ミカサ(エレンは……私に居場所をくれた……私に生き方を教えてくれた……そして、マフラーを巻いてくれた……)

    ミカサ(エレンへの感謝…そして、エレンへの想い……)

    ミカサ(今、伝えなきゃ…エレンにちゃんと向き合いたい!)
  33. 34 : : 2018/01/27(土) 20:00:51
    ミカサ「…ジャン…私はエレンに、自分の想いを伝えたい…」

    ジャン「…ああ」

    ミカサ「……もうダメかもしれない…それでも、伝えなきゃ…私はエレンが好きだから…!」

    ジャン「……倉庫裏だ。そこに来るようにエレンには伝えておく。ミカサは倉庫裏で待ってろ」ポンポン

    ミカサ「ありがとう……ジャンは意外と頼りになる」

    ジャン「…そうかよ、そりゃ嬉しいぜ」


    ジャン(本当に嬉しいぜミカサ…お前に頼ってもらえてな……)

    ジャン(……エレン、俺はお前が心底嫌いだ。)

    ジャン(好きな人を泣かせやがって、その癖こんなに愛してもらえて……)

    ジャン(だけどなエレン……なんでかわかんねぇけど)

    ジャン(お前になら…ミカサが本当に辛い時に守ってやれるって、どっかでそう思ってたんだよ)

    ジャン「ミカサ…死に急ぎ野郎はどこにいる?」

    ミカサ「向こう、今はアニといる筈…」

    ジャン「分かった、そんじゃな」タタタッ

    ミカサ(………)

    ミカサ(ジャンは、私の事をあんなに真っ直ぐに想ってくれていた…)

    ミカサ(そして、今も私の為に背中を向けて走っていっている…)

    ミカサ(ジャン…本当にありがとう)

    ミカサ(結果がどうとか、そんなのはもうどうでもいい)



    ミカサ(エレンに…この気持ちを…ちゃんと伝えたい)
  34. 35 : : 2018/01/27(土) 20:22:46
    32さん期待ありがとうございます!
    頑張りますー!
  35. 36 : : 2018/01/27(土) 20:54:50
    エレン「ご馳走様、パン、ありがとなアニ」

    アニ「…どうも」

    エレン「よし、じゃあこれから街に行くんだろ?アニ」

    アニ「…そうだね、でもその前に…」

    エレン「ん?」

    アニ「…キスしたんだから、私の気持ちは分かってる…よね///」

    エレン「はぁ!?…い、いや…まぁ大体は…」

    アニ「…それで…どう、思った…?///」

    エレン「………」

    エレン(……どう思った…って…)


    「おい、エレン」ガシッ


    エレン「どわっ!?なんだ…っ!?…って、ジャンか」

    ジャン「お前にちょっと用がある」

    エレン「えっ?いや俺はこれからアニと…」

    ジャン「そんなもん知らねーよ、アニ、ちょっとエレン借りるぞ」

    アニ「………」ギロッ

    エレン(うわー…アニのやつすげぇ怒ってる…)

    ジャン「おい、行くぞ、エレン」ガッ

    エレン「お、おいジャンっ!?引っ張んなよ!!ていうかお前一体どこに…」

    アニ「ちょっと待ちな」

    ジャン「……なんだ」

    アニ「………」

    ジャン「………」

    アニ「………やっぱり何でもないよ」

    ジャン「……?そうか」

    アニ(…こいつ、少し前とは見違えるくらい雰囲気が変わった)

    アニ(どこか強い意志を感じる…ジャン、あんたに一体何があったの…?)




    ジャン「…よし、ここならいいな」

    エレン「お、おいジャン!!なんだよ急に」

    ジャン「単刀直入に言わせてもらうが…エレン、お前アニとはどんな関係だ…?」

    エレン「はぁ…?いやどんな関係って…」

    ジャン「付き合ってんのか付き合ってねーのかって聞いてんだよ」

    エレン「なっ!?べ、別にそんなんじゃねぇよ…っ!?」

    ジャン「……そうか」

    ジャン(だったらまだ、ミカサにもチャンスはある…)

    エレン「お前、何でそんなことを聞くんだ?」

    ジャン「エレン、ミカサがてめぇに伝えたい事があるらしい。倉庫裏にいるから行ってやってくれ」

    エレン「ミカサが…?一体何の…」

    ジャン「それは俺からは言えん。俺は確かに伝えたからな。じゃあな死に急ぎ野郎」スタスタ

    エレン「………」

    エレン(これからアニと街に行く約束しちまったしな…)

    アニ「用は済んだのかい?」ヒョコ

    エレン「うわぁ!?…アニか、急に後ろから話かけないでくれ…」

    アニ「悪かったね、じゃあ街に行くよ、エレン」

    エレン「え?あ、ああ…」

    エレン(……まぁミカサの話は夕飯の時にでも聞けばいいか…)
  36. 37 : : 2018/01/27(土) 21:42:43
    ー倉庫裏


    ミカサ(エレンは…来るだろうか)

    ミカサ(…ちゃんと、私は伝えられるだろうか)

    ミカサ(…違う、伝えるんだ、精一杯)

    ミカサ「……」

    ジャン「ミカサ、エレンには伝えたぞ」

    ミカサ「ジャン…ありがとう」

    ジャン「っ!///お、おう…」

    ジャン「それじゃあなミカサ、上手くやれよ」スタスタ

    ミカサ「うん」


    ジャン(………はぁ、俺の初恋もここまでか)

    ジャン(マジで頼むぜエレン…ミカサの事をもう泣かせんじゃねぇぞ)

    ジャン「……っ」ポロポロ

    ジャン「なんで泣いてんだ…格好つかねぇなぁ、ったくよ…」

    ジャン「………くっそたれ…っ!」




    ヒューーッ

    ミカサ「…寒い」

    ミカサ(……倉庫でエレンに抱きしめられた時の事を思い出す…)

    ミカサ(あの時はエレンがいたから…暖かかった)

    ミカサ(でも…1人だとこんなにも寒い…)

    ミカサ(……もっと早く自分の気持ちに自覚出来ていたなら…もっと早く想いを伝えられていたなら…)

    ミカサ(今頃貴方と…クリスタが書いていたSSの二人みたいになれたかな…?)

    ミカサ(………もう届かないかもしれない…それでも、私は貴方に…)

    ミカサ(この気持ちを、伝えたい)




    ー街中



    ザワザワ

    エレン「…初めて来たがこの辺はヤケに混んでるな…」

    アニ「この辺は色んな商会が関与した大通りだからね…昼にもなればそこそこ賑わってるよ」

    エレン「ふーん…そうなのか…?って、なんでアニがそんなこと…」

    アニ「……あたしは休日にはよく街に出掛けるからね…」

    エレン「そうだったのか」

    アニ「それよりお腹空いてないかい…?」

    エレン「…少し空いたな」

    アニ「なら丁度この辺りにいい馬肉屋があるんだ、そこに行かないかい…?」

    エレン「肉か…っ!?いいなぁ!そこ行くか!」キラキラァ

    アニ「ふふっ…」

    アニ(全く、子供みたいで可愛いね///)



    店の親父「いらっしゃい!」

    アニ「すみません、席空いてますか…?」

    店の親父「二人だな、そこのテーブルを使ってくれ」

    エレン「ありがとうございます」

    アニ「さて、エレンは何を頼む…?(なんだかこれ…本当にデートみたい…っ///)」

    エレン「うーん…俺はこれかな…?」

    アニ「じゃあ私はこれ。決まりだね」

    エレン「すみません、おじさん、これとこれお願いします」

    店の親父「はいよ!」

    エレン「肉か…ほんとまともな肉食うの何年ぶりかなぁ…ミカサにも食わせてやりたかった」

    アニ「…っ」ムッ

    アニ(エレンのやつ、折角私といるのにミカサの事を…)

    エレン「ん?アニ、なんでむくれてんだよ?」

    アニ「べ、別に何でもないよ!」

    エレン「いや、怒ってんじゃん…」

    店の親父「ヘイお待ち!」

    エレン「おお!美味そうだな!」

    アニ「でしょ?」

    エレン「いただきまーす…!」パクパク

    エレン「おお…っ!!これすげー美味いぞアニ…っ!!」パァァ

    アニ「馬鹿だね、口の周りにタレがついてるよ」

    エレン「なっ!?馬鹿って言うんじゃねーよ…!!」

    アニ「ふふっ、はいはい」

    アニ(…なんか、凄く幸せ…)

    アニ(こんなあたしが、こんなに幸せでいていいのかな…)

    アニ(エレン、あんたの笑顔は、凄く眩しいよ)

    エレン「よし!ご馳走様」

    アニ「随分早いね、よく噛んで食べたかい?」

    エレン「おいおい、アニまで子供扱いか…?」

    アニ「ふふっ、ついあんたが可愛くてね」

    エレン「はぁ?なんだよそれ…」

    エレン「…しかし美味かったな…ミカサがこれを食ったらどんな反応するんだろうな」

    アニ「…っ……さぁね」

    アニ(またミカサの事……)

    アニ(……エレン、あんたやっぱりミカサのこと…)

    アニ(でも、あたしもあんたのこと好きだからさ…せめて今だけは…)

    アニ「さて、そろそろ出ようか」

    エレン「次はどこ行くんだ…?」

    アニ「そうだね…それじゃあ噴水広場でも行こうか」
  37. 38 : : 2018/01/27(土) 22:40:24
    ー噴水広場


    エレン「アニが噴水を好きなのは、少し意外だったな」

    アニ「またどうしてそう思うんだい?」

    エレン「いや…お前ってあんまり人混みとか好むタイプじゃないだろ?」

    アニ「ああ…確かにここは人気スポットだからね…1人では絶対に来ないかも」

    エレン「じゃあなんでこんな所来たんだよ」

    アニ「えっそれは…」

    アニ(ここ、結構有名なデートスポットなんだけど…///…ま、まさかエレンのやつ、知らずに来たの…?)

    アニ「…な、何となく…///」

    エレン「ふーん…」

    エレン「おっ、あそこ丁度いいベンチがあるな…アニ、疲れたしあそこ座らないか…?」

    アニ「えっ…///」

    エレン「ん?どうしたんだ…?」

    アニ「い、いや…」

    アニ(ベンチに男女が二人で座るって…周りから見たらカップルだよ…///)

    エレン「ん?アニ…?」

    アニ「えと…いいよ、座ろうか…」


    エレン「もう日も沈んできてんな、すっかり空がオレンジ色だ」

    アニ「そうだね…意外とここまでの道のりが長かったからね…」

    エレン「門限も近いし、ここで少し休んだら帰るか」

    アニ「そうだね…」

    エレン「…しかし立派な噴水だな…シガンシナ区にはこんな噴水無かったからな。ミカサが見たらどんな反応するかな」

    アニ(ま、またミカサ……っ)

    アニ(………)

    アニ「……」

    エレン「……」

    アニ「エレン」

    エレン「ん?」

    アニ「さっきは聞きそびれちゃったけど、あたしがあんたを好きなことについて…ど、どう思った…?」

    エレン「ああ…その話か…」

    アニ「…う、うん…」

    エレン「俺は……」

    エレン(どう、思った…か…)

    エレン(好かれてるのは嬉しい事なんだろうけど………なんか…でも……)

    エレン(………)

    エレン「…………」

    アニ「………っ」

    アニ「はぁ…もういい、馬鹿だねあんた」

    エレン「馬鹿って…お前な…」

    アニ「そんな黙り込まれたら、期待もへったくれもないよ。大体折角あたしといるのにあんたはミカサミカサうるさいんだよ」

    エレン「はぁ!?俺がいつミカサの事なんか…」

    アニ「さっきからずっとだよ…!!少しは乙女の気持ち考えな…もう…」

    エレン「…わ、悪い……」

    アニ「謝らないで…余計傷つく」

    エレン「……」

    アニ「…エレン、あんた他人の気持ちだけじゃなく自分の気持ちにも鈍感だね」

    エレン「…お前が言うんならそうなんだろうな」

    アニ「ああそうだよ。あんた、ミカサに恋してるでしょ…?」

    エレン「…っ!?な、なんだよそれ///」

    アニ「わかり易すぎて、かえってウザイよ」

    エレン「はぁ?別に俺はミカサの事なんか…///」

    アニ「……今、アルミンとミカサがデートしてたりとかしたりして」

    エレン「なっ!?そりゃあ本当か…っ!?」ズキッ

    エレン(な、なんだ…胸がすげー痛い…)

    アニ「……冗談だよ、これで分かった?自分の気持ち」

    エレン「なんだ、冗談か…」フゥ…

    エレン(って、あれ?なんで俺、今安心して…)

    エレン(………)


    アニ「ほら、ボサっとしてたら、ミカサ取られちゃうよ」

    エレン「…っ!!そりゃあ……嫌、かも…」

    アニ「はぁ…言っとくけど、あたしがあんたを好きな気持ちは変わらないよ……」

    アニ「でも、好きな男には幸せになって欲しいとは思ってる。だから…エレン、伝えてきな、自分の想いをミカサに」

    エレン「…っ」

    エレン(ミカサは…何だかんだずっと側にいてくれて…)

    エレン(いつも親みたいに世話を焼いてきて…でもそのお陰で俺は…)

    エレン(母さんが死んでからでも、孤独でいた事は無かった)

    エレン(倉庫で二人で閉じ込められて…ミカサを抱きしめた時に走った胸の感覚…)

    エレン(あの時はまだよく分からなかった。ただ、嫌じゃないってだけの曖昧な感覚だった)

    エレン(その感覚は、あの時だけじゃなくて…昔から何度かあった)

    エレン(…そういうことだったんだな………なんだ)

    エレン(俺は……)

    エレン(俺は、ミカサ。お前の事、昔からずっと……)

    エレン「アニ、わりぃ…ちょっと行ってくる」

    アニ「頑張りなよ、エレン」

    エレン「ありがとな」ポンポン

    アニ「…っ///」

    エレン「そんじゃあな」タタタッ

    アニ(………エレンが、あたしの前から走り去っていく)

    アニ(ずっと近くにいたかった人と、今日は少しだけ近くにいられた…)

    アニ(……あたしにとっては、上出来な1日…かなぁ)ポロポロ

    アニ「……………っ……うぅ……」ポロポロ

    アニ(全く…らしくないね…あたしが人前で泣くなんて…)



    アニ(……絶対幸せになりなよ、私の分まで)
  38. 39 : : 2018/01/27(土) 23:06:13
    期待!
  39. 40 : : 2018/01/27(土) 23:25:40
    ー倉庫裏


    ミカサ(もう…すっかり空が暗くなってしまった)

    ミカサ(あれから、何時間待っただろう)

    ミカサ(昼食も食べずに待っていたから…もう結構な時間になる)

    ミカサ(何度も…諦めようとした…)

    ミカサ(でも、まだ…エレンは来てくれるんじゃないかなって…)

    ミカサ(そんな期待が、私をここから動かさなかった)

    ミカサ(……もう、エレンは来ないだろうか)

    ミカサ(いや、多分もう来ないだろう…)

    ミカサ(………ああ、終わった)

    ミカサ(そっか…私の恋愛はこんな風に、誰にも気付かれないまま、終わるんだ…)

    ミカサ(たくさんのドキドキと…期待を経験させてもらった…でも、この代償は…こんな有様は…)

    ミカサ(あまりにも…残酷だ)ポロポロ





    ー兵舎、外


    エレン「兵舎に帰ってきたはいいが…ミカサのやつ、一体どこにいるんだ…?」

    (ジャン『エレン、ミカサがてめぇに伝えたい事があるらしい。倉庫裏にいるから行ってやってくれ』)

    エレン「…っ!」

    エレン「まさか、な…」

    エレン(アニと街を出る前にジャンが言ってた言葉…でももうあれから何時間も経ってるんだ、流石にいないよな…)

    エレン(………)

    エレン(でも、もし待ってたら…)


    タタタッ


    エレン「はぁ…はぁ…」タタタッ


    (ミカサ『エレン、やっぱり震えてる…』

    エレン『こ、これはあれだ…武者震いだよ武者震い!』

    ミカサ『このタイミングでそれは無理がある…来て、エレン』

    エレン『…?』

    ミカサ『一緒に入ろう…?二人で入ったらもっと暖かくなる筈……そ、それと…またさっきみたいに抱きしめて欲しい…///』)


    エレン(ミカサ…っ!)

    エレン(俺…今、お前に会いたい!お前の声が聞きたい!お前と一緒にいたい!)

    エレン(…俺は……俺はずっとお前のこと…)


    エレン「はぁはぁ…」タタタッ





    ミカサ「……」



    嘘…だろ?


    なんで…もう、何時間も経ってるのに…


    なんでお前が、そこにいるんだよ?



    エレン「ミカサっ!」ガッ

    ミカサ「え、エレンっ!?んっ…」


    チュッ


    ミカサ「…へっ!?////ほえ…っ!?/////」

    エレン「俺…俺……っ!ずっとお前の事が好きだった!」ギュー

    ミカサ「……っ…!」

    エレン「…ミカサ…?」

    ミカサ「うっ…エレンの馬鹿…っ…遅すぎるよぉ…っ」ポロポロ

    エレン「ごめんな…ミカサ」ナデナデ

    ミカサ「ん…うぅ……」

    ミカサ「…エレン…っ…私も伝えたいことがある…っ」


    (クリスタ『だったら頑張らなきゃ!私、応援するよ…?』)


    (アルミン『ミカサなら大丈夫だよ、頑張って、エレンならきっと応えてくれる。』)


    (ジャン『叶う叶わねぇじゃねぇだろ、それはお前が伝えたい想いなんじゃねぇのか?』)


    ミカサ(…私を支えてくれた人たちがいる)

    ミカサ(それで私は諦めずに頑張ろうって思えた)

    ミカサ(ここでずっと、目の前の彼を待つことができた)

    ミカサ(今、言うよ、私…精一杯の気持ちを込めて…っ!)





    「エレン、ずっと前から、大好きでした」










    ーENDー
  40. 41 : : 2018/01/27(土) 23:30:52
    【あとがき】

    初めて書いたSSでしたがいかがでしたでしょうか?純粋なエレミカ書こうって思ってたら予想以上にミカサちゃんが頑張る作品に仕上がりましたね(笑)
    コメントを下さった皆さんのおかげで何とかモチベを維持し書き終える事が出来ました…!視聴して下さった皆さん、またコメントを下さった皆さん、本当にありがとうございました!
    また次回の作品も書きますので、そちらも是非よろしくお願いします!
  41. 42 : : 2018/01/27(土) 23:34:15
    期待してますー!
  42. 43 : : 2018/01/27(土) 23:40:52
    >>42

    読んでくださりありがとうございます!次回も頑張ります…!
  43. 44 : : 2018/01/28(日) 21:19:12
    こちらその後の続編になります!
    良かったらどうぞ…!
    →続編【エレミカ】「…エレンとデートがしたい」http://www.ssnote.net/archives/57572
  44. 45 : : 2018/01/31(水) 16:53:49

    遅くなりましたが、お疲れ様でした!
    最後の2人のラブシーンに、キュンときました(*´ω`*)
    とてもとても面白かったです!!
    次回作も期待してます(*^^*)
  45. 46 : : 2018/02/02(金) 18:34:27
    >>45

    花恋さん!恐縮です…そう言っていただけたらとても嬉しいし刺激になります!ありがとうございます!
    次回作も頑張ります!

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koizora0705

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