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苗木「知らない女の子を見た」

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  1. 1 : : 2018/01/06(土) 01:39:10
    初投稿になります。日常系が好きなのでしょうもない日常を書いていければ嬉しいです。

    ※注意 
    ・基本深夜更新
    ・ネタバレ
    ・駄文
    ・キャラ崩壊
    ・下手な文章
    など至らない点もございますが容認できる方はお付き合いください。
    矛盾なり設定が原作と異なる場合がございましたら「あぁ、そういう世界観なんだな」と思っていただければと思います。

    それでは書いていきたいと思います

  2. 2 : : 2018/01/06(土) 02:05:25
    大神「……すまないが分かりやすく説明してもらえるか」

    苗木「そのままの意味だよ。昨日の夜中に目が覚めちゃってさ。することもないから外の空気でも吸おうとして部屋から出たんだけど―――」

    苗木「後ろ姿だけどね…黒髪でショートヘアーの女の子を見たんだ」

    朝比奈「黒髪でショートヘアー…?そんな子いなくない?」

    霧切「つまりこういうことね。見間違いでないならその人が黒幕側であるかもしれない…と。」

    苗木「まあ…そういうことかな。」

    桑田「考えすぎだっつの。どうせ見間違いだろ?」

    葉隠「つっても朝比奈っちが言ってた通りそんなやつ俺らん中にはいないべ?」

    山田「この中にいる誰かと見間違えたのでは?…」



    ……い。

    おーい!聞こえてる?よね?よかった。あぁ、そんな心配しないで大丈夫。ボクは苗木誠だよ。
    ちょっとメタいかもしれないけど今の現状を説明するよ。
    大体のことは知ってると思うけど、超高校級の才能を持ったボク達は何故かコロシアイ学園生活を強要されてるんだ。
    …まあ意味わからないよね!それはボク達もだから。まあまだコロシアイは発生してないんだけどね。そんなこんなで平和にやってて…タイトル通りって感じだ。
    ざっと説明したけどこれでいいかな…?たまーにボクみたいに心の声が聞こえるかもしれないからその時は優しく聞いてあげ――

    十神「苗木!」

    苗木「っと…うん、何?」

    十神「それでどうしたのかと聞いている」

    苗木「あはは…。怖くなっちゃってさ、部屋に戻っちゃった」

    十神「全く……使えない奴だ」

    霧切「…取り合えずその女性について話し合いましょうか」

  3. 3 : : 2018/01/06(土) 02:14:51
    大和田「話し合うことなんてあんのか?ここには俺ら以外には誰もいねーんだからどう考えたって見間違いだろ?」

    石丸「うむ。僕もそう思う…のだが、それならば僕たちの中に心当たりがある人がいるはずではないのか?」

    十神「誰も名乗り出ないということは見間違いではないか言えない理由があるということだ。それこそ殺しでもした…とかな。だが誰も死んでいないのはつまりそういうことだろう。隠す理由もないしな」

    朝比奈「でもさー。それって黒幕側ってことだよね?」

    舞園「コロシアイとかモノクマとか…こんなにスケールが大きいのにそんな小さなミスを犯すでしょうか…?」

    葉隠「そりゃあ向こうにも残念なやつがいるってこったろ!」

    腐川「そうね。あんたみたいなのがいるかもしれないわね」

    葉隠「そりゃあないべ…」

    大神「それで…これからどうするのだ?」

  4. 4 : : 2018/01/06(土) 02:42:01
    霧切「そうね…。ありきたりだけれど張り込みをするっていうのはどうかしら?苗木君に見られていたことを知らないのならまた現れる可能性はあるわ」

    石丸「おお!それはいいな!それに賛成だ!」

    桑田「張り込みなんてそんなメンドーなもんやってらんねえって。俺はパスするぜ」

    不二咲「ぼ、僕も…夜は少し忙しいから…」

    霧切「勿論全員とは言わないわ。やってもいいという人だけでやりましょう。…苗木君、どのあたりでその女性を見たのかしら?」

    苗木「えっと……どのあたりっていうか…近いのは倉庫だったかな」

    霧切「分かったわ。場所は指定しないけれど倉庫が見える位置で張り込みをしましょう。それと苗木君、あなたは姿を見ているわけだから……」

    苗木「うん、わかってるよ。ボクが持ち出した問題だしね」

    霧切「助かるわ。それじゃ、今夜から始めましょう」

    石丸「よし!それでは解散だ!」

    … 

    戦刃「…」スタスタ

    戦刃「」バタン

    戦刃「…やっちゃったあああ……」

    戦刃「そうか…深夜って言っても誰も見てないわけじゃないよね」

    戦刃「お腹すいて目が覚めて食堂が開いてないから倉庫に行って…そういえば寝ぼけて盾子ちゃんの髪かぶってなかったな…」

    江ノ島「……やっぱアンタかよ」

    戦刃「じゅ、盾子ちゃん!?え、あ、アナウンス…?」

    江ノ島「ダイジョブだって。あんたんとこしか映してないから。…そんなことより、さ」

    江ノ島「アンタってほんと残念すぎなーい?アタシがちょーーっと監視さぼってる時にそんなことになってるなんて…つくづく期待を裏切るわね」

    戦刃「ぅ…ごめんなさい」

    江ノ島「まーそれで計画バレちゃってもそれはそれで絶望的だしィ?別にいいんだけど」

    江ノ島「取りあえずもう夜は出歩くなよ。何しでかすか分かんないし」

    戦刃「え…でも、それでいいの……?」

    江ノ島「黒髪でショートヘアーってあんたのことなんでしょー?つまりあんたが出歩かない限り見つかんないしすぐ忘れるって!」

    戦刃「あ…ほんとだね。盾子ちゃんは頭いいなあ。」

    江ノ島「アンタが悪いんだって…とにかくこれ以上残念なことしないでよー?」

    戦刃「うん!」

  5. 5 : : 2018/01/06(土) 02:44:26
    今回はここまでにします。質問やらアドバイスやらありましたら是非よろしくお願いします。
  6. 6 : : 2018/01/07(日) 08:34:24
                   夜

    苗木「ということで張り込みを始めたわけだけど」

    セレス「…」ソワソワ

    苗木「…何でそんなにそわそわしてるのセレスさん」

    セレス「そ、そわそわだなんて…武者震いと言ってくださる?」

    苗木「武者震い!?そ、そっか…ごめん」

    セレス「…」



    ――――――やって、しまいましたわ……。
    よりにもよって昨夜傷んだウィッグの替えがどこかにないか探していたのを見られていたとは…面倒なことになりましたわね
    ただ倉庫は盲点でしたわ…ワタクシとしたことが何故気付かなかったのでしょうか
    ウィッグだと知られたくなくてつい黙っていましたが大事になったら大変ですわね…

    セレス「」ブツブツ

    苗木「あのーセレスさん?汗が凄いけど…」

    セレス「……これは汗ではありません。涙ですわ」

    苗木「それはちょっと無理があるかなあ」

    セレス「そ、それより…例の方は現れませんわね?」

    苗木「え?うーん…そうだね」

    セレス「今日はもう終わりませんこと?疲れてきましたわ」

    苗木「い、いやまだ始めたばかりだよ!?もうちょっと…」

    セレス「確実に現れませんわ。…ギャンブラーを信じれないとでも?」

    苗木「…何か強引な気もするけど…まあセレスさんがそういうなら終わりでいいのかなあ」

    苗木「一応ボクが昨日彼女を見た時間は過ぎてるしね」

    セレス「なら今日解散にして明日担当の方にお任せするとして――苗木君、あなたは先に戻っていてくださる?」

    苗木「え?先に…ってセレスさんはどうするの?」

    セレス「ワタクシは倉庫から紅茶を取って帰りますわ」

    苗木「あぁ…そういうことなら…うん、気を付けてね」

  7. 7 : : 2018/01/07(日) 08:55:26
                 倉庫

    セレス「ふう…上手くいきましたわ。今のうちにウィッグを見つけてしまいましょう」

    セレス「昨夜は探しませんでしたけどここにはあるはずですわ」

    セレス「しかしここで見つけておかないともう夜には探せ…あ…ありましたわ…!」

    セレス「結構奥にありますのね…ウィッグを隠しているワタクシへの優しさでしょうか」

    セレス「…あら?サイズもいろいろあるのですか…本当に用意周到ですわね…」

    セレス「少し面倒ですけれどワタクシに合うものをいくらか持って帰りましょう」

    セレス「…」~♪


    ・・・ガチャガチャ


    っ!?ドアノブが―――ま、まさか苗木君が様子を見に!?と、ととにかくウィッグを隠して…ってわ、ワタクシがかぶるものまで隠してしま――だ、駄目ですわ、超高校級のギャンブラーともあろう者がこんなにも動揺してあああワタクシは何を―――

    ガチャ

    戦刃「お腹空いたー…」

    セレス「誰!?」

    ――はっ。つい声が荒く…

    戦刃「えっ」



    戦刃「――――誰!?」

    セレス「っ…」

    戦刃「…」ジリ

    戦刃「ぁ…うぅ」

    戦刃「…!」ダッ

    ガチャバタンッ

    セレス「……」

    セレス「行って、しまわれましたわ…」






    戦刃「やっちまった」ダダダダッ

    江ノ島「オマエ」





  8. 8 : : 2018/01/07(日) 09:30:35
    セレス「一体…何が起こったのでしょう…」

    セレス「先程の方…ワタクシと同じ黒髪ショートヘア―…まさか…?」

    セレス「よくよく考えてみればワタクシは昨夜倉庫の方には行っておりません」

    セレス「そうなると…まさか本当に黒幕側……!?」

    セレス「っ…取り合えず、部屋に戻りましょう……」



                      朝

    苗木「――とまあボクたちは例の人を見つけることができなかったんだけど」チラ

    セレス「…」ボー

    朝比奈「せ、セレスちゃん…すっごい顔色悪いね…」

    大神「気分が優れぬのならわれのプロテインでも飲むか?」

    セレス「い、いえ…少し寝不足なだけですのでお気になさらず…オホ、オホホ」

    セレス「…」

    十神「…」

    不二咲「で、でも何もなくてよかったよぉ」

    霧切「私としては何かあった方がよかったのだけれど…まあ安全にこしたことはないのかもしれないわね」

    霧切「それじゃ…今晩の張り込みは私が」

    石丸「それでは!今夜は僕が張り込みを行うぞッ!」

    大和田「俺もやンぜ。出てくるは別として顔も一目見てーしよぉ」

    霧切「…そうね、じゃあ石丸君と大和田君に任せましょう」

    大和田「あぁ…!バッチリ顔見て明日の朝刊に載っけてやるぜ…!」

    石丸「うむ!では夜までスキップだッ!」


                  夜

    セレス「…ん」

    ―――どうやら、眠っていたようですね…。例の女性のことはまた言い出せませんでしたし…あの方が本当に黒幕側ならばワタクシはその存在を隠していたとして皆さんから裏切り者と……まあこれは考えすぎでしょうが…気になって仕方ないですわ…

    セレス「」チラ

    ……ちょうど張り込みの時間ですし…大丈夫、少しだけ…

    ガチャリ


    大和田「うおっ!?ま、マジで出やがったぞ!?」

    セレス「」ビクッ


    ワアアアアアアアアアア
    ニ、ニゲタゾ!オウゾオオワダクン!


    セレス「ど…どうやらワタクシではないようですね…」

    セレス「ということは…昨夜の方が出た…といことですか」

    ―――ウィッグは、してます…よね?…あぁ、安心しました…

    セレス「とはいえ…心臓に悪すぎますわ…」ハァ

    セレス「賭けでもこんなに動揺したことはありません…」

    セレス「しかしあの二人が見つけてくれたおかがでこの件も解決ですわね」

    セレス「一安心ですわ…」



  9. 9 : : 2018/01/07(日) 11:31:09
    残姉ちゃんが残念してる……
  10. 10 : : 2018/01/08(月) 00:58:28
    >>9 とにかく残念な子なのです。


  11. 11 : : 2018/01/08(月) 01:37:45
               朝


    セレス「もう皆さん食堂に集まってるようですわね」スタスタ



    舞園「おはようございます!昨日はどうでしたか?」

    大和田「あ、あぁ!出やがったんだよ!黒髪で髪短い奴が!」

    ――ええ。ワタクシも見ましたからね。

    石丸「うむ!苗木君の全く言う通りな外見だったぞ!」

    ――ええ。ワタクシも見ましたからね。

    大和田「まあ捕まえられなかったんだけどな…」

    ――ええ。ワタクシも見……え?

    十神「…なんだと?室内で捕まえられないというのはどういうことだ?」



    大和田「それがよ。逃げ場のないところに逃げやがったから袋のネズミかと思ったんだが―――」

    石丸「武術の心得があったようで一瞬の内に気絶させられてしまったよ」

    桑田「はあ!?おまえらで捕まえられないなんて相当じゃねーか!?」

    セレス「そ、そうですわ!まさか捕まえられなかったなんて――」

    霧切「落ち着いて。こちらの張り込みに気付いてしかも強いとなるとかなり状況は変わってくるわ。揉めてる場合ではないわよ」

    山田「確かにこれは非常にまずい気がしますぞ…」

    葉隠「なあに!俺に任せるべ!俺の占いは3割当たる!」

    葉隠「むむむ…そうか!わかったべ!この件のカギはセレスっちが握ってるべ!」

    朝比奈「ちょっと葉隠!そんなセレスちゃん任せみたいな言い方――セレスちゃん?」


    本当にまずいですわ…。確かにこれはもう簡単にすむ問題ではありません…それなのに誰も名乗り上げないということはあの方は本当に黒幕側…まあワタクシが言うのもなんですけれど。
    それよりこの現状をどうにかしませんと…これではワタクシも簡単には言い出せませんわ…


    十神「おい、セレス」


    こうなったら山田君だけに事情を説明して身代わりに…いや流石に無理がありますか…しかし…


    十神「…セレスティア・ルーデンベルク!!」

    セレス「どひゃあっ!?」

    セレス「い、いきなりなんですの!?」

    十神「フン…どひゃあか…普段の貴様になら大声を上げたことに悪態の一つでもつかれようものだが…」

    苗木「十神クン…?」

    十神「セレス…貴様何か知っているだろう」

    セレス「」ビクッ

    十神「最近の貴様は何か様子がおかしいようだが…それはこの件の何か重要な秘密を知っているのではないか?」

    朝比奈「何言ってんの!ただ調子悪いだけでしょ!?昨日だってそうだったじゃん!」

    十神「その調子が悪くなったというのは苗木が例の奴を見かけてからだろう。…おかしいと思ったんだ。普段こういうことは面倒くさがりそうなお前が初日張り込みに立候補した霧切を押しのけてまで張り込みをしたんだからな。」

    十神「貴様のことだ。勘のいい霧切がいると困ることでもあったのだろう。…苗木は別にどうでもよかったみたいだがな。」

    苗木「そ、そんな…」

    霧切「…そうなの?セレスさん」

    セレス「っ…」

    大神「否定しないということははそういうことなのか…?」

    不二咲「だ、だめだよ…誰にだって言いたくないことは…」

    セレス「いえ、いいんですわ」

    不二咲「せ、セレスさん?」

    セレス「噛ませ眼鏡にそこまで言い当てられるようでしたらもう隠せることではないということですわ」

    十神「噛ませ眼鏡だと!?」

    霧切「…教えてくれるかしら?セレスさん」

    セレス「ええ。ワタクシが知っていること全てお話しますわ」




  12. 12 : : 2018/01/08(月) 01:58:42
    セレス「そうですわね…何から話せばいいか…まあ実際に見せた方が早いですわね」

    腐川「見せる…?見せるって何を―――」


    ――――カポ


    江ノ島「ッ!!?」

    大神「なんと…!」

    舞園「えっ…!?」

    桑田「…アポ?」

    山田「な…なな…ななな」


    山田「なんですとーーーーーーーー!!!」


    苗木「せ、セレスさん…それ…」

    石丸「黒髪…ショートヘアー…」

    大和田「お、お前だったンか…?お前が…俺よりつええなんて…」

    葉隠「せ、セレスっちは超高校級のカツラカブラーだったんかーーー!!?」

    セレス「ええ…そうですわ。ワタクシのこれはウィッグ…。本当の髪型は皆さんの見て通り黒髪でショートヘアー…だが葉隠お前は違う」

    セレス「…コホン。と、まあ…恐らく黒髪ショートヘアーの正体はワタクシ…だと思われます」

    十神「貴様…やはりか。なぜ隠していた…?」

    セレス「…それは」

    霧切「待って十神君。それはこの際後でいいわ。それより…セレスさん、その含みのある言い方…そういうことなのね?」

    セレス「流石は霧切さんですね」

    セレス「…黒髪ショートヘアーは最低でももう一人います」

    十神「…何?」

    桑田「アポアポ?」

    山田「そ、それは…ウィッグの方がまだいると…?」

    セレス「それは分かりません。…ただ黒幕側の可能性が高いといいますか」

    セレス「取り合えず、1から説明しましょうか……」
  13. 13 : : 2018/01/08(月) 02:46:39
    セレス「まず苗木君が見たという黒髪ショートヘアー…あれはどちらか分かりませんわ。」

    セレス「あの日ワタクシは傷んだウィッグの替えがないか探し回っていました。時間も時間でしたし誰にも見られないと思ったのでしたが…失敗でしたわね」

    苗木「はは…」

    セレス「それでてっきり見られたのがワタクシと思い込み…一日の張り込みに立候補しました」

    霧切「成程…ウィッグとばれたくなかったのね?」

    舞園「え…ええ?どうしてそう…?」

    セレス「察しが良すぎると思うのですが…その通りですわ」

    セレス「仮に倉庫にウィッグがあったとして人目がある昼では持ち帰る際に見つかってしまうと考えましたが、夜には夜で張り込みがいるとなれば―――」

    苗木「じゃ、じゃあ紅茶って…!」

    セレス「……一緒に張り込みをしていた苗木君を先に帰らせ、倉庫でウィッグを探し見つけることができたのですが…」

    セレス「そこでもう一人の黒髪ショートヘアーに出会ったのです」

    セレス「その方は後から入って来たのですが…ワタクシと目が合うとすぐに行ってしまいましたわ。…そういえば…あちらの方もワタクシを知らないよう…だった気がしますわ」

    桑田「マジ、かよ…」

    セレス「そして昨夜。大和田君たちが例の方を目撃したという時…ワタクシは部屋から出ていません」

    ――まぁ、少し出たのですけれど…言う必要はありませんわね。

    霧切「ということは昨夜現れたのはセレスさんではない方というわけね」

    霧切「まさかセレスさんが大和田君たちを気絶させたとは思えなかったのだけれど…これなら辻褄があうわ」

    セレス「…私的な理由で黙っており申し訳ないですわ」


    シーン


    ――やはり…こうなって…


    不二咲「ううん!自分の秘密を言っちゃうなんてすごいことだよ!」

    霧切「ええ。真相に近づけたのだから気にすることはないわ」

    朝比奈「うんうん!それにそっちのセレスちゃんも可愛いし!」

    十神「…フン。」

    セレス「皆さん…ありがとうございます」

    桑田「つってもよー、これで一件落着じゃないんだろ?」

    石丸「うむ。確かに…解決とは言い難いな」

    霧切「…そうね。どうするべきなのかしら…」



    ―――ただ単に尻尾を出さないだけなら私が徹底的に調べて丸裸にできるのだけど…何度も姿を見せてるようだし…たちが悪いというか…掴みどころのないのが嫌なところね。それにも増してこの狭い場所で追われてる中で大和田君と石丸君から逃れる策の判断とそれを実行する技術…ただ者ではないはず…はずなのに…何なのかしら、この拭い切れない残念な感じは…何か…逆にほっこりするというか…


    江ノ島「くしゅん」


    …まあどんな事があろうと絶対に正体を暴いて見せるわ。思い出せないけれど…それが私の超高校級でいられる唯一の希望…そんな気がするわ。私たちの中にいない…つまり黒幕側であるなら尚更…

    …私が、皆を守らないと―――――









  14. 14 : : 2018/01/08(月) 19:01:38
    苗木「霧切さん?」

    霧切「いえ。なんでもないわ。それより今度のことなのだけれど……」

    霧切「―――私一人で張り込みを行うわ」

    朝比奈「え…え、ええ!?な、なに言ってるの!?無茶だよ!」

    不二咲「そ、そうだよぉ…すごく強い人なんでしょ…?」

    十神「まあ待て。何か考えがあるのだろう?許可する、話せ」

    霧切「ええ。 …そもそも一人で張り込みを行うと言っても捕まえようとするわけじゃないわ」

    石丸「む?では何故張り込みをするのだ?」

    霧切「……何か手掛かりがないか探すためよ」

    霧切「最初苗木君が見たのが例の人として…次の日にはセレスさんが見た。更に次の日には大和田君達が見た。」

    霧切「もしかしたら苗木君が見た日より前にも現れていた可能性もある…そう仮定すると結構な頻度で現れているの」

    霧切「そうなればその人はこの学園内に住み込んでるはずよ。どこか抜け道から入ってきている可能性は低い」

    十神「…なるほどな。それだけ現れており、ましてこの学園内にいるのなら物的証拠があってもおかしくない…それを探しにいくわけだな?」

    霧切「ええ。そういうこと」

    腐川「で、でも…それなら昼でいいじゃない…わ、わざわざ夜にやる必要は……」

    霧切「いえ。例の人…もう黒髪と呼ぶことにしましょうか。黒髪は夜にしか現れない理由があると思うの」

    霧切「勿論人に見つかりにくいというのが一番なんでしょうけど…考えられるのは外部とのコンタクトね」

    苗木「え…それってつまり…」

    霧切「…予め外部の人と決まった時間にコンタクトをとる予定をしておいてその時間に会っているのかもしれないわ。…それこそどこか抜け道があってそれを使ったりして、ね」

    石丸「ふむ。確かにそれならば夜でないといけないなっ!」

    葉隠「でもよぉ、それだけなら別に一人でやる必要はねーべ?」

    舞園「そうです!一人でなんて危険ですよ!」

    霧切「それは…」
  15. 15 : : 2018/01/08(月) 19:16:40
    霧切「そうね。例えば…葉隠君あなたが追われてる身として…張り込みがいた場所にわざわざ行くかしら?」

    葉隠「はあ!?行くわけねーべ!馬鹿でもわかんぞ!」

    霧切「そう。それは黒髪も同じのはず。大和田君達に見つかって張り込まれていたことを認識したのなら…現れる可能性は限りなく低いわ」

    霧切「ただ裏をかいて現れる可能性もあるわ。それは絶対に外せない何かがあるかよっぽどの度胸ががないとできないことだけれど…確率は0ではない」

    霧切「それでも逃すわけにはいかないわ。皆に何かあってからでは遅いの。そうさせるのは私の超高校級の才能なのかもしれないけれど……こんな私の我儘に突き合わせるわけにはいかないでしょう?」

    石丸「ふむ…それは全くもって素晴らしい考え…なのだが」チラッ

    大和田「……なあ?」チラッ

    桑田「まあ、な」

    朝比奈「うんうん!」


    霧切「……何かしら?」

  16. 16 : : 2018/01/09(火) 00:48:37
    苗木「ふふっ…霧切さん…それじゃ駄目だと思うよ」

    霧切「駄目…?どういうことかしら?」

    苗木「そんな言い方されたら逆効果なんじゃないかな?」

    霧切「え…?」

    桑田「そういうこった。流石の俺も黙ってらんねえし?黒髪って奴捕まえていいとこ見せちゃおうかなーなんて!」

    舞園「そんなこと尚更一人ではさせませんよ!」

    大和田「女にそんなことさせてたら男が廃るってモンだ!」

    不二咲「僕にも何かできることがあるかもしれないし…!」

    セレス「今回の原因はワタクシにもありますわ。人任せなんてプライドが許しませんもの」

    山田「これぞ青春ですな…」

    石丸「うおおおおおおお!僕は今猛烈に感動しているッ!」

    大神「フッ…水くさい、というやつだな」

    朝比奈「皆で協力した方が絶対いいよー!」

    腐川「あんたに何かあったら後味悪いじゃない……」

    十神「こんな面白い話貴様だけに独占させるわけがないだろう?」

    江ノ島「えっ…と…あ、アンタじゃ頼りないっていうか…?」


    苗木「……これがボクたちの答えだよ」

    苗木「大切なクラスメートが他のクラスメートの為に一人で…なんていうのを見逃す人はボクたちの中にいないんじゃないかな?」

    霧切「……」

    霧切「…そう。私としたことが少しむきになってたみたいね」

    霧切「色々言いたいことはあるのだけど…一つだけ」

    霧切「…苗木君のくせに生意気よ」

    苗木「ええー…結構かっこよく決まったと思ったんだけどな…」

    朝比奈「やっぱり苗木じゃ締まらないよねー!」

    霧切「ふふっ…でも、そこがいいのかもしれないわね」

    大和田「よっしゃ!何かムードも良くなったみてーだしよぉ!どうするか考えようぜ!」

    石丸「そうだな!では霧切君!よろしく頼むぞ!当然自分一人で――というのは無しだからな!」

    霧切「ええ。…一度、モノクマに黒髪のことを聞いたときモノクマは何のことかさっぱりと言っていたわ」

    霧切「恐らく嘘ね。新たに情報を得ることはできなかったけれど……黒髪が黒幕側という裏付けはできたわ」

    霧切「モノクマが隠しているとなるとそう簡単に尻尾は出さないと思うの。…長い戦いになると思うけど…覚悟はいいかしら?」


    「「「おー!!」」」



    江ノ島「…」

    江ノ島「すごく…やりづらい…」ハァ



  17. 17 : : 2018/01/09(火) 01:41:03
    霧切「……それじゃ、私の考えを言うわ」

    霧切「取り合えず張り込みは続けていくのだけど…何人かを一組して役割を分けようと思うわ」

    十神「そうなると…15人か。3人一組×5が妥当だろうな」

    霧切「ええ。5組もあればローテーションを回すのもかなり融通が利いて張り込みもしやすいはずよ」

    山田「パーティはどう組むのですかな?」

    霧切「一人は細かい人、発想が柔軟な人がいいわね。主に調査を行ってもらうわ」

    霧切「一人は体力がある、もしくは力の強い人がいいわ。役割は調査中の力仕事や…黒髪の確保…とかかしら」

    朝比奈「三人目はー?」

    霧切「そうね…二人の補佐をお願いしようかしら。調査中の見張りとか…そのあたりは臨機応変にお願いするわ」

    桑田「うっし!なんかいい感じじゃねえか!」

    霧切「何かあった時は翌日の朝食の時に報告しましょうか。どんな些細なことでもいいわ」

    葉隠「で、でも黒髪?っつうやつはどうすんべ?朝まで大人しくなんてしないべ?」

    霧切「一番いいのは気絶させることなんだけれど…そんな荒々しいことをするのは気が引けるわね」

    セレス「別に無理に捕まえる必要はないのでは?ワタクシたちがしているのは正体を暴くこと…そしてあわよくば黒幕側に打撃を与えること…」

    苗木「そうだね…捕まえなくても正体が分かればいいし…それに向こうから仕掛けてくることはないはずだから」

    大神「ふむ…大分やることが増えてきたな」

    霧切「ならここで一度まとめましょうか」

    霧切「――まず皆には3人一組になってもらうわ。この組で毎晩交代しながら張り込みを行う」

    霧切「3人の内一人は力仕事。調査中で力が必要になった時、可能なら黒髪の確保。まあこれは無理しないでいいわ。安全を優先して」

    霧切「もう一人は調査ね。翌朝の朝食の時に調べた場所、時間と見つけたことの報告をお願いするわ」

    霧切「最後の一人が補佐ね。他の二人を手伝ったり…黒髪が現れたらそれにいち早く気付いて隠れてほしいの。前回までは見つけたら捕まえに行ってたけれど、今回は何をしているか探るだけでいいわ」

    霧切「これを毎朝の報告で積み重ね…決定的な何かを見つけてモノクマに見せることができれば…何か状況がかわるかもしれない」

    朝比奈「なんだかんだモノクマってルールには厳しいもんねー」

    大和田「何かいい感じじゃねぇか!燃えてきたぜっ!」

    霧切「ただ当然向こうも警戒してくるはずよ。そう簡単にはいかないけれど…諦めるわけにもいかない」

    桑田「しっかし自分の番じゃないときは何かむずがゆいよなあ。待ってるだけなんてよぉ」

    霧切「仕方ないわ。他の人を信じて待つのもれっきとした仕事よ」

    十神「ほう。貴様の口からそんな言葉が出るとはな」

    霧切「あら。あなたたちが言わせてるのでしょう?」

    大神「フッ。違いないな」

    朝比奈「ぃよーーし!!じゃあ頑張って行こー!!」






    江ノ島(戦刃)「盾子ちゃん盾子ちゃん。いつの間にか私たちの同級生が挙国一致しております。オーバー」

    江ノ島(本物)「ぐー…ぐー…」

    江ノ島(戦刃)「……私たち、どうなっちゃうんだろう…」


  18. 18 : : 2018/01/12(金) 01:25:43
    葉隠「夜になったべ!」




        ~



    霧切「……」キョロキョロ

    霧切「…大丈夫よ。いないわ」

    朝比奈「くぅー!何かこういうのドキドキするね!」

    大神「朝比奈よ。遊びではないのだぞ」

    朝比奈「分かってるけどさー!ドラマとかで見たことあるシチュエーションなんだもん!」

    霧切「ふふ。それならあんぱんと牛乳でも欲しいものね」

    朝比奈「それいいじゃん!霧切ちゃん分かってる!」

    大神「霧切まで…これではまるで我が悪いようではないか……」

    霧切「いえ、そこまで切羽詰まらなくてもいいということよ…ほら」

    朝比奈「……?何それー?」

    霧切「多分これは乾パンの欠片ね。小さいのにカロリーが高くて保存食や携帯食によく使われるの」

    大神「しかし…それがどうかしたのか?」

    霧切「特に深い意味はないわ。ただ証拠の一つを見つけただけ」

    朝比奈「ええー!?そんなので黒髪って子の証拠になるのー?」

    大神「…我らの誰かが落とした可能性もあるのではないか?」

    霧切「そうよ。だからこれは証拠の一つでしかないの」

    霧切「こういう回数を重ねる捜査ではこんなちょっとした物でも重要になってくるわ。何も見つからないよりもはるかにマシよ」

    朝比奈「そういうもんなんだ…じゃあさ!それで何か分かったりするの?」

    霧切「これだけではまだ大したことは分からないわね。誰かが乾パンの食べかけを体のどこかにしまい…そうね、激しい動きでもしたんじゃないかしら。そう考えるとその人は食料を包装もせず体のどこかにしまいそれを忘れている……大雑把な性格だと言えるわ」

    朝比奈「け…結構分かるんだね……あ!でもさ!それって葉隠じゃない!?」

    霧切「ふふっ。そうかもしれないわね。まだまだ断定はできないけれど」

    大神「成程……小さな物でも大きな収穫というわけか」

    霧切「ええ。例えば同じような物が何日かおきでも落ちていたらその物に関係できる人が通っていると推測できるし……逆に違うものならよく物を落とす人が通っていると推測できるわ」

    霧切「こういった事が積み重なればいずれ黒髪のことも分かるはず。皆にどんなに小さなことでも報告をお願いしたのはそういう理由よ」

    朝比奈「な、何か私たちとは次元が違う気がする……」

    大神「フッ…。全くだな。格闘家である我がこうも頼りがいを感じさせられるとはな」

    大神「霧切よ…オヌシはさしずめ【超高校級の探偵】…かもしれないな」

    霧切「…!」

    朝比奈「あー!確かにそうかも!ていうか絶対そうだよ!」

    霧切「…」

    大神「…霧切?」


    ――――何にせよ、私のやることはかわらないわ。


    霧切「…いえ、大丈夫。それより黒髪のことも警戒しましょう。張り込みのことを知ったのだから当然私たちを警戒して逆に私たちが見張られてることだってあるわ」

    霧切「……その時は朝比奈さん、よろしく頼むわね」

    朝比奈「うん!どこに隠れて見張ってたってすぐ見つけちゃうもんね!」

    霧切「その意気よ。……それじゃ、調査を再開しましょう」




  19. 19 : : 2018/01/12(金) 01:52:33
        
              ~ 



    戦刃「うーん」

    戦刃「なんだか……大変なことになってきちゃったなあ……」

    戦刃「このまま計画がばれちゃったらどうしよう……」

    戦刃「あ!でも私が見たのがセレスさんっていうのはびっくりしたなあ」

    戦刃「本当に私そっくりだったんだもん。これじゃあ私でもセレスさんでもわからないよ。……それに」

    戦刃「ん…しょ、っと……ふぅ」

    戦刃「盾子ちゃんのこれ…セレスさんとお揃いなんだ……えっと、ウィッグ…だったっけ…?なんだか嬉しい」

    戦刃「……」

    戦刃「……コロシアイ、かぁ」

    戦刃「ちょっと…やだなあ」

    戦刃「最初からこの計画は実行するってわかってたし…皆には私の記憶はないけど」

    戦刃「……私には…楽しかった思い出が…残ってる」

    戦刃「分からない。盾子ちゃんは誰よりも好きだしずっとついていくって決めた。それは分かってる」

    戦刃「でも……もしこのまま計画が進んでいって…どんどん皆が死んじゃったとして…後悔しないか…分からない」


    戦刃「盾子ちゃんを……」









    戦刃「……殺しちゃわないか、分からない」




    戦刃「…」

    戦刃「…え?今…私…?」

    戦刃「盾子ちゃんを殺す…?そんなこと絶対ないのに…」


    戦刃「…でも」

    戦刃「そのくらい…皆の存在が私の中で大きくなってるんだ」

    戦刃「どうすればいいの…?分からないよ」

    戦刃「……苗木君」



    戦刃「……」

    戦刃「あんまり考え込むのはやめよう…すぐ眠くなっちゃう」

    戦刃「私は盾子ちゃんについていけばそれでいいはず…後悔なんて絶対しない、はず」

    戦刃「そうだよね?盾子ちゃん」

    戦刃「…っ」ズキン


    戦刃「……もう、寝ようか…」


    戦刃「おやすみ、盾子ちゃん」




















    戦刃「……おやすみ、皆」
  20. 20 : : 2018/01/15(月) 00:06:50








    戦刃「……」







    江ノ島「…おーい。残姉起きてるー?…寝てるなーこりゃ。まあ関係ないんだけどさ」





    江ノ島「起きろッッ!!!」


    戦刃「わひゃあっ!?」

    戦刃「え…あ…?じゅ、盾子ちゃん…?また、アナウンスのモニター……」

    江ノ島「あのさ。この状況、何?」

    戦刃「え…状況って…?」

    江ノ島「あいつらが何か一致団結して張り込みなんてことしてることだよ!どうせアンタが何かやったんでしょ!?」

    戦刃「ぅぅ…ごめんなさい……で、でも盾子ちゃん皆を監視してるんだから知ってるんじゃ…?」

    江ノ島「四六時中監視なんてできっか!寝てたんだよ!」

    戦刃「……何か肝心なとこで監視できてない気がするけど…まぁこのssの設定上仕方ないよね……」

    江ノ島「ていうかんなこたどうでもいいんだよ!それよりこいつら絶望的に面倒くさいんだけど!」

    江ノ島「霧切のヤロー…こっちがあんま干渉できないことをいいことに好き勝手やりやがって…」

    戦刃「う、うん…ごめんね……」

    江ノ島「はぁ……。ていうか何でこいつに聞きにきたんだろ…全く意味ないの知ってんじゃん……」

    戦刃「…あ!で、でもセレスさんも私と同じ黒髪でショートヘアーだったんだよ!」

    江ノ島「あ?あー…そういえばあいつそうだったな…絶望的にどうでもいいから忘れてたわ」

    江ノ島「つーか関係ねーよ!アンタが怪しまれないんならセレスがどうだろうと何だっていいんだよ!」

    戦刃「そ、そうだけど……」

    江ノ島「マジでもう夜は出歩くな!アンタだけ夜時間行動禁止!これ以上ボロだすと計画進まないから!」

    江ノ島「ぁあ…でもそれはそれで絶望的ィ……ゾクゾクすっぞ……」

    プツン

    戦刃「あ…」

    戦刃「…」

    戦刃「どうしよう……」

    戦刃「計画がバレちゃったら……どうなるんだろう」

    戦刃「やっぱり盾子ちゃんは皆を無理やりにでも殺すのかな…でもあいつら自身で殺しあうのが絶望だって言ってたしそれはない、か……」

    戦刃「……そうなるとやっぱり私は殺されちゃうかなあ」

    戦刃「盾子ちゃんのことだし…実の姉を殺すなんて絶望的!…とか言って軽くやっちゃいそう…はは」

    戦刃「…盾子ちゃんのためなら私は喜んで絶望の糧になる…拷問だって殺害だってかまわない」

    戦刃「でも…」

    戦刃「でも皆と一緒に居られないのは…いや、かなあ」


    戦刃「……やっぱり、分からない」

  21. 21 : : 2018/01/15(月) 01:02:40
    戦刃「……」

    戦刃「何か」

    戦刃「…何か…今度はお腹空いてきちゃったな」

    戦刃「私って考え事したら欲求を求めるようになるのかな…それなら次は性欲……なんて」

    戦刃「食堂は開いてないから…また倉庫で食べ物探そう」

    戦刃「…」

    戦刃「……って!?だめだめだめ!残念にもほどがあるよ!しっかりして私!」

    戦刃「何だかんだ盾子ちゃんは見逃してるけど……黒髪の正体が私ってばれたら今度こそどうなるか分からない」

    戦刃「5分前に禁止されたことをもう破るとこだった…皆には悪いけど私のことはちゃんと隠さな…きゃ……?」

    戦刃「あれ…?」

    戦刃「隠すって…何を?黒髪の正体は確か…セレスさんだって……」

    戦刃「…」

    戦刃「…そうだよ」

    戦刃「私は……何を迷ってたんだろう」


    ――そうだ。悩む必要なんてなかったんだ。
    今まで私は私の「黒髪」を隠してきた。それは私の正体を知られないため
    でも今は違う。「黒髪」はセレスさんだった。それなら私は?
    私は黒髪。でも、「黒髪」じゃない。ただの――黒髪。
    隠すことなんて何もない。皆の前で堂々とだってできる。盾子ちゃんの言うことを聞く必要はない。だって聞く必要がない。
    それは盾子ちゃんが私の「黒髪」を隠すため。でも私は皆の言ってる「黒髪」じゃないんだ。ただ髪の色が黒いだけ。
    そうだ。そうだよ。私は皆と一緒にいる。盾子ちゃんとも一緒にいる。それでいいんだ。どっちかを選ばなきゃいけないわけじゃない…こんなの、ちょっと前の私じゃ気付かなかったけど…私は気づいた。人って変われるんだ。


    戦刃「……それが、私の答えだよ…盾子ちゃん、皆」スッ

    江ノ島「ねえあんた何言ってるの何しようとしてるの待っておねがいだかr


    ガチャリ



    オマエ「モ」「クロカミ」ナンダヨオオオオオ



    戦刃「…」

    朝比奈「え」

    霧切「な」

    大神「…り」


    戦刃「…皆、私…!」

    朝比奈「ちょ!?え…ええ!?ふ、フツーに!フツーにきたよ!?」

    戦刃「え、え? 待って」

    大神「二人とも!我の後ろに下がっていろ!」

    戦刃「私は…!」

    霧切「な…何で…?何で堂々と現れたの…!?っ…逆に張り込まれてた…!?大神さんがいると知ってなお…ま…まさか何か見落としが…!?」

    戦刃「違うの!聞いて!」

    霧切「っ……答えなさい!あなたは何者!?何が目的なの!?」


    霧切「―――二人目の、黒髪!」


    戦刃「…」

    戦刃「…え」

    戦刃「二人…目?」

    戦刃「ふ、二人って…え?黒髪が二人ってこと…?」

    戦刃「ひ、一人はセレスさんで……もう一人は――――

    朝比奈「…な、何か様子がおかしくない?」



    戦刃「―――私だ」

    戦刃「…」

    戦刃「あわ」

    戦刃「あわ、あわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ」

    朝比奈「え!?何!?何なの!?」

    戦刃「」ダッ

    霧切「なっ―――逃げ!?お、大神さん!」

    大神「すまぬ…我の目をもってしても…速すぎる……」

    霧切「っ…そ、そう…」

    朝比奈「え、何?何だったの?」

    霧切「…私たちは万全な準備をしてきたはず」

    霧切「適材適所を考え…どんなことが起きても対応できるよう話合ってきたはず」

    霧切「でもそれは簡単に…」

    霧切「不意打ちをうけ、さらに捕獲には比較的適しているはずの大神さんを超えて見せた」

    朝比奈「えーと、霧切…ちゃん?」

    霧切「……私たちは…おちょくられてるというの…?」

    霧切「許さない…許さないわ……黒幕…!」

    霧切「コロシアイが起きないよう…少しでも芽を摘んで…抵抗して……それを、踏みにじるだなんて……」

    霧切「絶対に、あなたたちには負けないわ…!首を洗って待ってなさい……!」


    霧切「――――――黒髪!」






  22. 22 : : 2018/01/15(月) 01:07:11

    ~




    戦刃「……」


    江ノ島「すごいねー。あのクールな霧切さんを本気にさせてるよ」


    戦刃「……」


    江ノ島「これが残姉ちゃんの狙いだったのー?すごーい、気付かなくてごめんねー」


    戦刃「……」


    江ノ島「この気持ちがコロシアイの方にも向いてくれるといいねー」


    戦刃「……」



    江ノ島「…」


    江ノ島「…それが、私の答えだよ…盾子ちゃん、皆」キリッ



    戦刃「///」





    おしまい
  23. 23 : : 2018/01/15(月) 01:11:26
    これにて完結です。軽い短編みたいなのを書くつもりがぐだぐだ長くなってしまい無理やり終わらせた形になっております。申し訳ありません

    ギャグかシリアスか途中よく分からなくなっておりますがそれは任せます。僕は好きな戦刃さんが書けたので満足ですまる

    また何か機会があればよろしくお願いいたします。では

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baketu

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